説明

ワーク保持具及び印刷装置

【課題】ワークの外形や厚さ、外形、面方向の寸法が異なる場合でも容易に作製や交換が可能で、ワークとマスクの正確な位置決めを行うことのできる低コストのワーク保持具及び該ワーク保持具を備えた印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置の印刷対象物であるワークを保持するワーク保持具であって、前記ワークの平面形状を包含する平面形状を有し、前記ワークを吸引するための孔が形成されたワーク受け板と、前記ワーク受け板の厚みより深い凹部が形成され、該凹部に前記ワーク受け板を着脱自在となしたベース部材と、を有するワーク保持具とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置の印刷対象物であるワークを保持するワーク保持具及びこれを用いた印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スクリーン印刷機等の印刷装置を用い、印刷対象物である半導体ウェハ、透明基板、回路基板等の表面に、フォトレジスト材料、シール材料、ソルダペースト等を所望のパターンで形成することが行われている。
【0003】
このような用途の印刷装置として、開口部が形成されたマスクと印刷対象物とを重ね合わせ、マスクを介して印刷材料であるソルダペーストを印刷対象物に転写し、マスクから印刷対象物を剥離する際に、マスクの撓みを規制することを目的として、マスクの印刷対象物との接触面と反対側の面を吸着部材で吸着するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−276160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような用途に印刷装置を適用する場合、印刷対象物(以下、ワークと称す)上に単に所望の図柄や文字等が視認性よく再現されればよいというものではなく、パターンの印刷される位置に正確さが要求される。上記特許文献1のような構成では、ワークとマスクを印刷毎に正確に位置合わせする必要があり、迅速な生産が行えない。
【0006】
このワークとマスクの位置決めの問題に対しては、ワークの外形に合わせて凹部を形成した保持具を用い、保持具とマスクとの相対位置関係が正確に規定されるようにしておき、該保持具の凹部にワークを配置するだけで、マスクとの正確な位置合わせがなされるようにすることが考えられる。
【0007】
しかしながら、凹部を形成する保持具を一体部品で形成すると、形状が大きいため大きな加工機を要し、また、ワークを吸着保持する平面の加工に高い精度が要求されるため材料費、加工費共に高額となる問題がある。さらに、外形、厚さ、面方向の寸法等が異なる複数種類のワークに印刷を行う場合には、各ワークに合わせて個別対応で新たに保持具を一体部品で作製しなくてはならず、高額の多種の保持具を準備しなくてはならないという問題がある。また、保持具の形状が大きいと重量もかさみ、交換が容易ではないという問題もある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み、ワークの種類が変更された場合でも容易に作製や交換が可能で、ワークとマスクの正確な位置決めを行うことのできる低コストのワーク保持具及び該ワーク保持具を備えた印刷装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、下記の構成により達成される。
【0010】
(1)印刷装置の印刷対象物であるワークを保持するワーク保持具であって、前記ワークの平面形状を包含する平面形状を有し、前記ワークを吸引するための孔が形成されたワーク受け板と、前記ワーク受け板の厚みより深い凹部が形成され、該凹部に前記ワーク受け板を着脱自在となしたベース部材と、を有することを特徴とするワーク保持具。
【0011】
(2)前記ワークと前記ワーク受け板の平面形状が同一形状であることを特徴とする前記(1)に記載のワーク保持具。
【0012】
(3)前記ベース部材が、平板と該平板上に載置される枠部材とで構成されていることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のワーク保持具。
【0013】
(4)前記ワーク受け板は、前記ワーク受け板を前記凹部に着脱する工具と係合させるための係合部が形成されていることを特徴とする前記(1)から(3)までのいずれかに記載のワーク保持具。
【0014】
(5)印刷装置の印刷対象物であるワークを保持するワーク保持具であって、前記ワークの平面形状を包含する平面形状を有する凹部を有し、該凹部内に前記ワークを吸引するための孔が形成され、前記凹部の深さが前記ワークの厚み以下であるワーク受け部材と、前記ワーク受け部材を着脱自在に装着するための凹部を有するベース部材と、を有することを特徴とするワーク保持具。
【0015】
(6)前記(1)から(5)までのいずれかに記載のワーク保持具と、複数の開口部が形成されたマスクと、前記マスクを介して印刷材料を前記ワークに押し出すスキージと、を有することを特徴とする印刷装置。
【0016】
(7)前記印刷材料は液状の硬化性樹脂であり、前記マスクの複数の開口部に対応したパターンの前記硬化性樹脂を前記ワークに印刷することを特徴とする前記(6)に記載の印刷装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ワークの種類が変更された場合でも容易に作製や交換が可能で、ワークとマスクの正確な位置決めを行うことのできる低コストのワーク保持具及び該ワーク保持具を備えた印刷装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係るワーク保持具を備えた印刷装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本実施の形態に係るワーク保持具の部分断面図である。
【図3】本実施の形態に係るワーク保持具の分解斜視図である。
【図4】図3で説明した要部の拡大断面図である。
【図5】本実施の形態に係るワーク保持具の変形例を示す分解斜視図である。
【図6】本実施の形態に係るワーク保持具の他の変形例を示す分解斜視図である。
【図7】ウェハレンズをワークとしてワーク保持具に載置した状態を示す拡大断面図である。
【図8】ウェハレンズの複数のレンズ部が形成された樹脂層に転写されるパターン例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
図1は、本実施の形態に係るワーク保持具20を備えた印刷装置1の全体構成を示す模式図である。
【0021】
同図に示す印刷装置1は、印刷対象物であるワークに印刷を行う印刷機構部10と、ワーク保持具20と、ワーク保持具20を支持して移動可能となされた移動テーブル30と、を有している。
【0022】
印刷機構部10は、駆動制御部14によって駆動制御されるモータ11により回転させられるリードスクリュー12と、このリードスクリュー12に螺合部を有する移動部材13と、移動部材13に取り付けられたスキージ16と、複数の開口部が形成されたマスク15とを有している。なお、移動部材13は不図示の係止部材によりリードスクリュー12回りの回転が阻止されている。
【0023】
本例の印刷機構部10は、モータ11を駆動してリードスクリュー12を回転させ、移動部材13に取り付けられたスキージ16を図示矢印A方向に往復動させることができるようになっている。40はマスク15上に配された印刷材料である。モータ11を正回転させることで、スキージ16を図示の位置からマスク15の右端の所定位置まで往動させるようになっている。これにより、印刷材料40を、マスク15の開口部に対応したパターンでマスクの反対側の面に配置された印刷対象物であるワークに印刷することができる。印刷終了後は、モータ11を逆回転させることで、スキージ16をマスク15の右端の所定位置から図示の位置まで復動させる。
【0024】
マスク15の印刷機構部10と反対側の面側には、印刷対象物であるワーク25を保持するワーク保持具20及び、ワーク保持具20を保持し移動可能となされた移動テーブル30が配置されている。ワーク25は、ワーク保持具20上にマスク15と対向するように載置される。
【0025】
移動テーブル30は、図示のように実線で示す位置と破線で示す位置に、不図示の移動機構により移動可能となされている。破線で示す位置は、印刷前のワーク25のワーク保持具20への装着、印刷後のワーク25のワーク保持具20からの取り外し、及び、ワーク25を取り外した後のワーク保持具20への別の印刷前のワーク25の装着を行う位置である。破線で示す位置で印刷前のワーク25をワーク保持具20に装着した後、移動テーブル30を実線の位置に移動させ、印刷前のワーク25をマスク15に当接させて上述の印刷が行われる。ここで、ワーク保持具20と印刷機構部10とは互いに正確に位置合わせされるように構成されている。
【0026】
なお、ワーク保持具20には、不図示であるがエアーを吸引する吸引装置が接続される。
【0027】
また、上記の説明では、印刷機構部10側を固定し、ワーク保持具20側を移動させる構成としたが、これに限るものでなく、ワーク保持具20側を固定し、印刷機構部10側を移動させるものであってもよい。
【0028】
図2は、本実施の形態に係るワーク保持具20の部分断面図である。図3は、本実施の形態に係るワーク保持具20の分解斜視図である。本例では、印刷対象物であるワーク25が略円形状のもので説明する。
【0029】
図2、図3に示すように、ワーク保持具20は、ベース部材21とワーク受け板22で構成されており、ワーク受け板22上にワーク25が装着される。
【0030】
ワーク受け板22の平面形状はワーク25と略同一形状(本例では略円形)に形成されている。
【0031】
ベース部材21には、図2、図3に示すように、ワーク受け板22が取り付けられる凹部21aが、ワーク受け板22の厚みより深く形成されている。このため、ワーク受け板22と、ワーク25の厚み方向の少なくとも一部とが、凹部21aに挿入されるようになっている。
【0032】
ベース部材21の内部には、エアーの流通経路21kが形成されており、外側面には、エアーを吸引する吸引装置に接続される接続部21sが形成されている。接続部21sは流通経路21kと連通している。ワーク受け板22には、ベース部材21のエアーの流通経路21kに連接して、エアーの流通経路である孔22kが形成されている。これにより、ベース部材21の接続部21sからエアーを吸引することで、ワーク受け板22上に配置されたワーク25を吸着するようになっている。
【0033】
図3に示すように、ベース部材21の凹部21aには、2箇所にピン21pが植設されており、不図示のワーク受け板22の裏面側に形成された穴と嵌合してワーク受け板22の位置決めが行われる。これにより、ベース部材21のエア流通経路21kと、ワーク受け板22の穴22kとが重なり合う。また、ワーク受け板22にはピン22pが植設されており、ワーク25に形成されたU字状或いは三角形状の切り欠き部25qと係合させることで、ワーク25の位置決めが行われる。なお、ワーク25の位置決めは、これに限らず、外周円弧の一部を直線状に切り欠き、該直線の両端付近をそれぞれピンに当接させて位置決めしてもよい。円盤状で表面が平滑なワーク25に印刷を行う場合など、ワーク25をベース部材21に装着した際のワーク25の水平面内におけるワーク受け板に対する向きに特に制限がない場合は、切り欠きのないワーク25を用い、位置決め用のピンを省略することもできる。
【0034】
また、ベース部材21の凹部21aにはネジ穴21nが2箇所に形成されており、ワーク受け板22に形成された穴22nを用いてネジによりワーク受け板22とベース部材21は締結される。本例では、このネジ穴21nを用いてワーク受け板22の取り付けを行うようになっている。なお、ネジ穴21nの数はこれに限らず、3箇所以上形成してもよい。
【0035】
一方、ワーク受け板22の交換のための取り外しは以下のようにして行われる。ワーク受け板22にはネジ穴22mが形成されている。ワーク受け板22とベース部材21の締結を解除し、このネジ穴22mに長ネジを螺合させ、該長ネジを抓持してベース部材21の凹部21aよりワーク受け板22を持ち上げることで取り出せるようになっている。なお、ワーク受け板22の取り外し方法は、これに限るものでなく、断面がL字状や逆T字状の穴を形成し、この穴にL字状の工具を差し込んで取り出す構成でもよいし、平坦部をエアーで吸引して取り出すような構成でもよい。
【0036】
図4は、図3で説明した要部の拡大断面図である。
【0037】
上述のように、ベース部材21に植設されたピン21pにより、ベース部材21とワーク受け板22の位置決めがなされ、ベース部材21のネジ穴21nを用いてネジ27により、ベース部材21とワーク受け板22が締結される。このとき、ネジ27の頭部は、ワーク受け板22の穴22n内に収まるよう構成されていることが好ましい。また、ネジ穴22mは、ベース部材21に形成された凹部21aからの上述のワーク受け板22の取り出しに使用されるものである。
【0038】
図4に示すワーク受け板22の外周領域22b及び、図3に示すワーク受け板22の中央領域22cは平坦面に形成されており、ワーク25に当接している。ベース部材21の接続部21s(図2、図3参照)からエアーを吸引することで、連通するベース部材21のエアーの流通経路21kとワーク受け板22の孔22kを介し、ワーク受け板22上に配置されたワーク25は吸着され固定される。
【0039】
このとき、ワーク25のマスク15側の面とベース部材21の外周面の高さの差(図示d)は、0〜0.2mm、より好ましくは0〜0.1mmとするとよい。特に、ベース部材21の外周面の高さよりワーク25のマスク15側の面が僅かに突出するように、ベース部材21の凹部21aの深さ及びワーク受け板22の厚さが形成されていることが好ましい。
【0040】
以上のように構成されたワーク保持具20は移動テーブル30により移動させられ、ワーク25のマスク15側の面とマスク15が触接、又は極めて微少な隙間を介して位置した状態で、スキージ16を移動させて印刷が行われる(図1参照)。
【0041】
本例のように、ワーク25とワーク受け板22の平面形状を同一形状にすると、マスク15に近接して相対するのが、ワーク25の被印刷側の面とベース部材21の周辺部の面のみとなり、ベース部材21の周辺部とワーク25の被印刷面との間に大きな隙間が形成されないので、印刷時のワークに対するマスク15の位置がほぼ一定に保たれ、精度よく印刷を行うことができる。
【0042】
なお、本願でいう同一形状とは、上記のワークの位置決めのための切り欠き部周辺を除く外周平面形が嵌合公差内で同様の形状に形成されているものをいう。
【0043】
このように、ワーク受け板22を、ワーク25を包含する平面形状とし、ベース部材21の凹部21aにワーク受け板22を着脱自在としたことにより、ワーク受け板22のみを交換することが可能となる。従って、厚さの異なる複数種類のワークが存在しており、それまでの印刷対象のワークとは異なる厚さのワークに変更された場合でも、予め厚さの異なる複数種類のワーク受け板を準備しておき、ワークの厚さに応じて最適な厚さを持つワーク受け板を選択してベース部材21の凹部21aに装着することで、各ワークに対して適切な条件で印刷を行うことができる。
【0044】
図5は、本実施の形態に係るワーク保持具20の変形例を示す分解斜視図である。図5に示すワーク保持具20は、図3に示すワーク保持具20と同機能部には同符号を付与して説明を省略し、図3と異なる部分についてのみ説明する。
【0045】
図5に示すワーク保持具20は、ベース部材21を、平板21bと枠部材21hに分割して構成したものである。
【0046】
平板21bの枠部材21hに対向する面は平面に形成され、この平面上に上述のピン21pが植設され、エアーの流通経路21k及び接続部21s、ネジ穴21nが形成されている。更に、平板21bの角部の4箇所には、ネジ穴21cが形成され、枠部材21hの位置決めのためのピン21rが3箇所に植設されている。なお、平板21bの移動テーブル30側の面は、平面でなくてもよい。
【0047】
枠部材21hは、図3に示す凹部21aの深さと同厚に形成され、図3に示す凹部21aに対応するワーク受け板22及びワーク25が挿入される貫通穴21eが形成されている。また、枠部材21hの平板21bに対向する面には、不図示であるがピン21rに嵌合する穴が形成されている。また、ネジ穴21cに対応する位置には、座グリされた貫通穴21dが形成されている。
【0048】
平板21bと枠部材21hは、ピン21rで位置決めされ、貫通穴21dを通るネジによりネジ穴21cを用いて締結固定され、図3に示すベース部材21と同様の形態となる。なお、座グリにより、ネジの頭部は枠部材21hから突出しないようになっている。
【0049】
従って、本変形例の外観形状は上述した実施形態と同等のものとなり、上述したのと同様に、厚みの異なる複数種類のワークに対してもワーク受け板を交換することで容易に対応することができる。加えて、ベース部材21を平板21bと枠部材21hの2部材から構成しているので、外形が異なる複数のワークや面方向の寸法が異なる複数のワークが存在していても、それに合った枠部材21hとワーク受け板22とに交換することで、ベース部材とワークとの間に隙間をなくす、又は、少なくすることができる。
【0050】
また、ワーク保持具20全体を作製したり交換したりするのに比べて容易に各種ワークに対応することができる。なお、外形や面方向の寸法が異なる複数種類のワークに対応させる場合は、枠部材21hとワーク受け板22の形状やサイズを変更することに加えて、ワーク受け板22のエアー流通経路22kの位置や形状を適切なものとすることが好ましい。例えば、大径のワークに変更する場合は、ワーク受け板22のエアー流通経路22kを内部で延長したり分岐させたりして、ワーク25に面する側の吸引口をワーク25の端部に面する位置にも配置してワーク25を十分に吸引できるようにすることが好ましい。
【0051】
また、このように、ベース部材21を、平板21bと枠部材21hに分割することで、ワーク受け板22が取り付けられる平板21bの枠部材21hに対向する面の研削加工を行うことができ、ミーリング加工よりも高精度な平面を形成することができる。これにより、ワーク受け板22を取り付ける面の平面性を向上させることができ、ワーク受け板22及びこれに取り付けられるワーク25の印刷面とマスク15との平行度を向上させることができる。
【0052】
図6は、本実施の形態に係るワーク保持具20の他の変形例を示す分解斜視図である。図6に示すワーク保持具20も、図3に示すワーク保持具20と同機能部には同符号を付与して説明を省略し、図3と異なる部分についてのみ説明する。
【0053】
図6に示すワーク保持具20は、ワーク25(本例では円形)を包含する矩形状の平面形状(本例ではワーク25の平面形状である円形の直径よりも各辺が大きい矩形状の平面形状)を有するワーク受け部材23と、この矩形状のワーク受け部材23の形状にあわせて、図示の如く矩形状の凹部21fが形成されたベース部材21とによって構成されている。
【0054】
ワーク受け部材23は、ワーク25の平面形状に対応した円形の凹部23eを有しており、凹部23e内に、図3で説明した、エアー流通経路22k、穴22n、ネジ穴22m、ピン22pにそれぞれ対応する、エアー流通経路23k、穴23n、ネジ穴23m、ピン23pを備えている。
【0055】
本例においては、ワーク受け部材23を、ベース部材21の凹部21fに対して着脱自在に装着できるようにしたことにより、印刷対象物であるワーク25の外形、面方向の寸法、厚さが異なるものに変更された場合でも、ワーク受け部材23のみをワークに対応したものに交換することで、各種のワークに対し印刷対応が可能となる。ワーク保持具20全体をワークの種類に合わせて作製・交換するのに比べて、低コストであり、交換作業も容易である。
【0056】
なお、図6に示す構成においても、図5と同様にベース部材21を平板と枠部材に分割してもよい。また、ワーク受け部材23を、ワークを装着するための凹部の壁部を形成する開口を持つ枠部材と、この枠部材を載置するベース部材とに分割した構成としてもよい。
【0057】
以上説明したように、上記各実施形態においては、ワーク保持具20のベース部材21とワーク25の間に、ワーク25の平面形状を包含する平面形状を有するワーク受け板22を挟むよう構成し、ベース部材21にワーク受け板22の厚みより深い凹部21aを形成し、この凹部にワーク受け板22を着脱自在とすることにより、あるいは、ワーク25を包含するワークとは異なる平面形状を有するワーク受け部材23と、このワーク受け部材23の形状にあわせて形成された凹部21fを有するベース部材21とによってワーク保持具を構成し、ワーク受け部材23をベース部材21の凹部21fに対して着脱自在としたことにより、複数種類のワークに印刷を行う場合でも、大きなベース部材21には互換性をもたせ、ワーク受け板22のみを新たに作製するだけで印刷対応可能とでき、低コストで、容易に交換可能な、ワークとマスクの正確な位置決めを行うことのできるワーク保持具及び該ワーク保持具を備えた印刷装置を提供することが可能となる。
【0058】
以下、上記のワーク保持具20を備えた印刷装置は、種々の材料を種々の部材に印刷するのに適用可能であるが、一例として、多数のレンズ部が形成されたウェハレンズに液状の硬化性樹脂を転写する実施態様について説明する。
【0059】
図7は、ウェハレンズをワーク25としてワーク保持具20に載置した状態を示す拡大断面図である。
【0060】
図7に示すように、ワーク25として、透光性の円形の平板101の一方の面に複数のレンズ部100aが形成された樹脂層100と、他方の面に複数のレンズ部102aが形成された樹脂層102とを有する、いわゆるウェハレンズがワーク受け板22上に載置される。
【0061】
ウェハレンズは、中央領域(図3に示すベース部材21の中央領域22cに対向する領域)と、ドーナツ状の外周領域(図3に示すベース部材21の外周領域22bに対向する領域)とにはレンズ部が形成されておらず、樹脂層により平坦な面に形成されている。ワーク受け板22は、ウェハレンズのドーナツ状の外周領域と中央領域の平坦な面に当接して受けるよう形成されている。この当接面に形成されたエアーの流通経路である孔22k及びベース部材21の流通経路21kを介し、ベース部材21の接続部21sからエアーを吸引し、ワーク25であるウェハレンズを吸着する。
【0062】
マスク15には、樹脂層102の面に形成された複数のレンズ部102aの周囲に略同心円状の開口部15kが、各レンズ部102aに対応して形成されている。
【0063】
ウェハレンズが載置されたワーク保持具20は移動テーブル30により移動させられ、樹脂層102のマスク15側の面と開口部15kの形成されたマスク15が触接、又は極めて微少な隙間を介して位置した状態で、スキージ16を移動させて液状の硬化性樹脂の転写(印刷)が行われる(図1参照)。
【0064】
図8は、ウェハレンズの複数のレンズ部102aが形成された樹脂層102に転写されるパターン例を示す図である。
【0065】
図8において、樹脂層102に転写されたハッチングで示した硬化性樹脂のパターンは、レンズ部102aを中心にした同心円状のものである。
【0066】
この後、移動テーブル30を印刷機構部10のマスク15から離間させ図1の破線で示す位置に移動させ、ウェハレンズをワーク保持具20から取り外し、治具等を用いて位置決めし、硬化性樹脂が転写された位置に他のウェハレンズの当接部を当接させ、硬化エネルギーを与えて硬化させることで、複数枚のウェハレンズが積層されたユニットが形成される。
【0067】
すなわち、本例では、印刷材料が液状の硬化性樹脂であり、該硬化性樹脂を、ウェハレンズどうしを接着するための接着剤として用いたものである。硬化性の樹脂としては、熱硬化型、活性エネルギー線硬化型等が用いられる。熱硬化型のシリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、また活性エネルギー線硬化型樹脂として紫外線硬化型、電子線硬化型を用いることが出来るが、取扱性や照射装置のコスト、安全性の面から活性エネルギー線硬化型樹脂としては紫外線硬化型が好ましい。
【0068】
上述のように、ベース部材21とワーク25の間にワーク受け板22を挟むよう構成し、ベース部材21にワーク受け板22の厚みより深い凹部を形成し、該凹部にワーク受け板22を着脱自在としたワーク保持具20を用いた印刷装置とすることで、あるいは、ワーク25を包含するワークとは異なる平面形状を有するワーク受け部材23と、このワーク受け部材23の形状にあわせて形成された凹部21fを有するベース部材21とによってワーク保持具を構成し、ワーク受け部材23をベース部材21の凹部21fに対して着脱自在としたワーク保持具を用いた印刷装置とすることにより、厚さ、外形、面方向の寸法が異なる他種のウェハレンズに印刷を行う場合でも、ベース部材21に互換性をもたせてワーク受け板22のみを新たに作製するのみで印刷対応可能とでき、低コストで、容易に交換可能な、ワークとマスクの正確な位置決めを行うことのできる印刷装置を提供することが可能となる。
【0069】
また、本実施の形態のように印刷材料として硬化性樹脂をウェハレンズに転写(印刷)する印刷装置とすることで、1回の転写(印刷)工程で、多数のレンズ部の周囲に硬化性樹脂を形成することができ、低コストのレンズユニットを形成することが可能となる。
【0070】
なお、上記各実施形態においては、ワーク受け板の中央領域と外周領域とがワークに当接し、それ以外のワーク受け板の表面はワークに当接しない構成とすることにより、図7に示すような表面に凹凸の形成されたワークであっても水平に支持できるようにしているが、これに限るものではない。例えば、ワークの裏面に凹凸が無いのであれば、ワーク受け板の形状を、ワークに対して全面的に当接するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 印刷装置
10 印刷機構部
11 モータ
12 リードスクリュー
13 移動部材
14 駆動制御部
15 マスク
16 スキージ
20 ワーク保持具
21 ベース部材
22 ワーク受け板
23 ワーク受け部材
25 ワーク
30 移動テーブル
40 印刷材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置の印刷対象物であるワークを保持するワーク保持具であって、
前記ワークの平面形状を包含する平面形状を有し、前記ワークを吸引するための孔が形成されたワーク受け板と、
前記ワーク受け板の厚みより深い凹部が形成され、該凹部に前記ワーク受け板を着脱自在となしたベース部材と、を有することを特徴とするワーク保持具。
【請求項2】
前記ワークと前記ワーク受け板の平面形状が同一形状であることを特徴とする請求項1に記載のワーク保持具。
【請求項3】
前記ベース部材が、平板と該平板上に載置される枠部材とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク保持具。
【請求項4】
前記ワーク受け板は、前記ワーク受け板を前記凹部に着脱する工具と係合させるための係合部が形成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のワーク保持具。
【請求項5】
印刷装置の印刷対象物であるワークを保持するワーク保持具であって、
前記ワークの平面形状を包含する平面形状を有する凹部を有し、該凹部内に前記ワークを吸引するための孔が形成され、前記凹部の深さが前記ワークの厚み以下であるワーク受け部材と、
前記ワーク受け部材を着脱自在に装着するための凹部を有するベース部材と、を有することを特徴とするワーク保持具。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載のワーク保持具と、
複数の開口部が形成されたマスクと、
前記マスクを介して印刷材料を前記ワークに押し出すスキージと、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
前記印刷材料は液状の硬化性樹脂であり、
前記マスクの複数の開口部に対応したパターンの前記硬化性樹脂を前記ワークに印刷することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−86434(P2012−86434A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234349(P2010−234349)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】