説明

ワーク回収機

【課題】処理容器内のワークを自動で回収容器に回収できるワーク回収機を、提供すること。
【解決手段】処理容器8が載せられる受板41と、受板41上の処理容器8を覆うホッパ42と、受板41上の処理容器8とホッパ42とを共に上下反転させる反転機構43と、反転された処理容器8内に洗浄水を吹きかける洗浄水供給手段44と、洗浄水によって処理容器8から流し出されたワークを、フィルター部材で濾取することによって捕集する、回収容器45と、反転されたホッパ42の排出口423を下方から塞ぐように、回収容器45を上昇させる、昇降機構46と、使用された洗浄水を受ける回収槽47と、を備えている。ホッパ42が、排出口を内側から塞ぐ蓋部材42Cを有しており、蓋部材が、回収容器によって押し上げられることによって排出口を開くように、構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを収容した処理容器を、一連の機械に順次搬送して各機械における作業に供することによって、表面処理されたワークを得る、表面処理装置において、特に用いられ、処理容器内の、表面処理されたワークを、回収する、ワーク回収機、に関する。ワークとしては、例えば、0.5〜5000μmの粉体、チップコンデンサー、ダイオード、コネクタ、リードスイッチ、釘、ボルト、ナット、ワッシャ等の、小物(小型部品)がある。また、表面処理としては、例えばニッケル、錫などの、電気めっき処理がある。
【背景技術】
【0002】
ワークを表面処理するための表面処理装置としては、例えば特許文献1、2に示された装置が知られている。これらの装置では、処理容器を受板に載せた状態で、ワークの表面処理や水洗を行ったり、処理容器の洗浄等を行ったりしている。そして、これらの装置では、処理容器内の、表面処理されたワークを、回収する、ワーク回収機が、用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平11−505295号公報
【特許文献2】米国特許第5,879,520公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の上記装置においては、1台の装置で表面処理や水洗などの種々の処理を行うため、効率が悪く、また、各処理自体が不十分となってしまう恐れがあった。
【0005】
そこで、表面処理、水洗処理、及び乾燥処理等を、流れ作業のように自動で実施でき、更には、省スペースな設置面積で実施できる、表面処理装置が、望まれていた。そして、そのような表面処理装置では、処理容器内のワークを自動で回収容器に回収できるワーク回収機が、望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のワーク回収機は、
処理容器内の、表面処理されたワークを、回収する、ワーク回収機であって、
処理容器が載せられる受板と、
受板上の処理容器を覆うホッパと、
受板上の処理容器とホッパとを共に上下反転させる反転機構と、
反転された処理容器内に洗浄水を吹きかける洗浄水供給手段と、
洗浄水によって処理容器から流し出されたワークを、フィルター部材で濾取することによって捕集する、回収容器と、
反転されたホッパの排出口を回収容器によって下方から塞ぐように、回収容器を上昇させる、昇降機構と、
使用された洗浄水を受ける回収槽と、
を備えており、
ホッパが、排出口を内側から塞ぐ蓋部材を有しており、
蓋部材が、排出口へ向けて内側から付勢されており、
昇降機構が、回収容器を囲む筒体を上下に移動させるように、構成されており、
筒体が、回収容器に当接して回収容器を持ち上げる受部を、内部に有しており、
蓋部材が、回収容器によって押し上げられることによって排出口を開くように、構成されている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のワーク回収機によれば、受板に載せられた処理容器内のワークを、自動で、回収容器に回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態のワーク回収機を用いた表面処理装置を示す正面透視図である。
【図2】本実施形態の装置の平面透視図である。
【図3】本実施形態の供給機及び表面処理機を示す正面断面図である。
【図4】図3のIV矢視図であり、第1供給部を示している。
【図5】図3のV矢視図である。
【図6】本実施形態のポットの拡大断面図である。
【図7】本実施形態の供給機の作動状態を示す断面図である。
【図8】図2のVIII−VIII断面図である。
【図9】本実施形態の陽極支持機構の透視斜視図である。
【図10】本実施形態の処理容器の縦断面図である。
【図11】本実施形態のワーク回収機及び乾燥機の作動開始状態を示す縦断面図である。
【図12】本実施形態のワーク回収機及び乾燥機の作動中の状態を示す縦断面図である。
【図13】本実施形態のワーク回収機の回収容器の斜視図である。
【図14】本実施形態のワーク回収機の筒体の平面図である。
【図15】本実施形態のワーク回収機の作動途中の状態を示す拡大部分断面図である。
【図16】図1のXVI矢視縦断面図であり、乾燥機の作動開始状態を示す図である。
【図17】図16の乾燥機の作動中の状態を示す図である。
【図18】本実施形態の搬送機の全体斜視図である。
【図19】処理容器の変形構成を示す縦断面図である。
【図20】回収容器の変形構成を示す下方斜視図である。
【図21】ワーク回収機の変形構成を示す縦断面部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のワーク回収機の一実施形態を説明する。本実施形態では、ワーク回収機は、表面処理装置に用いられている。
【0010】
(A)本実施形態の表面処理装置の構成について説明する。
【0011】
(1)全体構成
図1は、本実施形態の表面処理装置を示す正面透視図である。図2は、同じく平面透視図である。この表面処理装置1は、投入されたワークを、一連の機械に順次搬送して各機械における作業に供することによって、表面処理されたワークを得るための、装置である。表面処理装置1は、供給機2と、2台の表面処理機3と、ワーク回収機4と、乾燥機5と、搬送機6と、を備えている。表面処理装置1では、これらの全ての機械が1個の直方体状の箱体7内に収容されている。箱体7は、内部の空間を上下の2つの空間70A、70Bに仕切る仕切板71と、天井空間70Cを構成する天板72と、を有している。供給機2と、2台の表面処理機3と、ワーク回収機4と、乾燥機5とは、箱体7内の正面側に並んで配置されており、搬送機6は、箱体7内の背面側に配置されている。ワークは、例えばチップコンデンサーである。1台目の表面処理機3が実施する表面処理は、例えばニッケルめっき処理であり、2台目の表面処理機3が実施する表面処理は、例えば錫めっき処理である。
【0012】
供給機2は、投入されたワークを、次段の表面処理機3の処理容器8内に供給する。表面処理機3は、処理容器8を回転させながら処理容器8内に表面処理液を供給して、ワークに表面処理を施す。ワーク回収機4は、処理容器8を上下反転し、処理容器8内に下方から水を吹きかけてワークを流し出して、ワークを回収容器41に捕集する。乾燥機5は、ワーク回収機4から回収容器41を受け取り、回収容器41内のワークを空気に晒して、ワークを乾燥する。搬送機6は、処理容器8を、1台目の表面処理機3と2台目の表面処理機3との間で搬送したり、表面処理機3とワーク回収機4との間で搬送したりする。
【0013】
(2)供給機2
図3は、供給機2及び表面処理機3を示す正面断面図である。供給機2は、第1供給部2Aと第2供給部2Bとを備えている。図4は、図3のIV矢視図であり、第1供給部2Aを示している。図5は、図3のV矢視図である。
【0014】
(2-1)第1供給部2A
第1供給部2Aは、投入されたダミーを貯留する第1シューター211と、投入されたワークを貯留する第2シューター212と、第1シューター211から放出されたダミーを、また、第2シューター212から放出されたワークを、次段に案内するホッパ22と、両シューター211、212及びホッパ22を上下に移動させる全体昇降機構23と、第1シューター211の一端部を上下に移動させる第1昇降機構241と、第2シューター212の一端部を上下に移動させる第2昇降機構242と、を備えている。
【0015】
両シューター211、212は、ホッパ22の両壁221間に、水平軸213によって支持されており、一端部を上下に移動させると水平軸213回りに回動するようになっている。
【0016】
特に図4に示されるように、全体昇降機構23は、箱体7に固定された水平な仕切板71に、固定されている。全体昇降機構23は、仕切板71に固定された2本の平行な垂直レール231と、2本の垂直レール231の下端に渡された水平板232と、水平板232上に固定された垂直シリンダ233と、シリンダ233のロッド2331に固定された水平板234と、2本の垂直レール231の上端に渡された水平板235と、水平板235を貫通した2本の垂直筒レール236と、水平板234から垂直に延びており且つ垂直筒レール236内をスライド可能な、2本のロッド237と、2本のロッド237の上端に渡された水平板238と、を備えている。
【0017】
ホッパ22は、水平板238に固定されている。したがって、シリンダ233が作動すると、ロッド2331が進退作動し、水平板234が2本のロッド237及び水平板238を伴って上下に移動し、その結果、ホッパ22及び両シューター211、212が上下に移動する。
【0018】
第1昇降機構241は、下端が水平板234に固定された垂直シリンダであり、ロッド2411の先端が第1シューター211の一端部に水平軸2413によって回動可能に連結されている。第2昇降機構242は、下端が水平板234に固定された垂直シリンダであり、ロッド2412の先端が第2シューター212の一端部に水平軸2414によって回動可能に連結されている。したがって、第1昇降機構241が作動してロッド2411が伸びると、第1シューター211が水平軸213回りに回動し、第1シューター211に貯留されているダミーがホッパ22内へ放出される。また、第2昇降機構242が作動してロッド2412が伸びると、第2シューター212が水平軸213回りに回動し、第2シューター212に貯留されているワークがホッパ22内へ放出される。
【0019】
(2-2)第2供給部2B
第2供給部2Bは、ホッパ22で案内されたワーク及びダミーを貯留するポット(投入用容器)26と、ポット26を支持する支持部材27と、ポット26を支持部材27を介して水平に移動させる移動機構28と、ポット26を支持部材27を介して上下に移動させる昇降機構29と、を備えている。
【0020】
支持部材27は、水平アーム271と垂直ポール272とからなっている。水平アーム271の先端には、ポット26が支持されている。垂直ポール272は、水平アーム271の基端から、仕切板71を貫通して、下方に延びている。垂直ポール272は、仕切板71の上方において、仕切板71から上方に延びた内側スリーブ273と水平アーム271から下方に延びた外側スリーブ274とによって、囲まれている。内側スリーブ273と外側スリーブ274とは、水平アーム271が上限に位置した際でも、一部が重なっている。
【0021】
ポット26は、図6に示されるように、上面の一部に流入口261を有し、且つ、下部に、円錐状に開いた放出部262を有する、容器である。放出部262には、放出部262を密閉する、円錐状の蓋263が、設けられている。蓋263の径D1は、放出部262の開口2621の径D2より少し大きい。蓋263は、外面2631が放出部262の内面2622に当接することによって、放出部262を塞ぐようになっている。蓋263は、水平アーム271に固定された垂直シリンダ264によって、上下に移動されるようになっている。すなわち、蓋263は、シリンダ264によって、放出部262を開閉するようになっている。シリンダ264の昇降ストロークS1は、1〜10mmに、設定されている。
【0022】
移動機構28及び昇降機構29は、仕切板71の下方の空間70Aに設けられている。移動機構28は、回転テーブル281を備えている。回転テーブル281は、垂直ポール272の下端に設けられており、垂直ポール272を軸回りに回転させる。したがって、回転テーブル281が作動すると、水平アーム271が垂直ポール272を軸として回動し、ポット26が水平に移動する。昇降機構29は、垂直なボールねじ291と、ボールねじ291を回転させるモータ292と、を備えている。ボールねじ291には、回転テーブル281がナット293を介して取り付けられている。したがって、モータ292が作動すると、ボールねじ291が回転し、回転テーブル281が上下に移動し、その結果、垂直ポール272、水平アーム271、及びポット26が、上下に移動する。
【0023】
図3では、ポット26は待機位置にあり、図7では、ポット26は作動位置にある。待機位置では、ポット26の流入口261が、ホッパ22の直下に位置している。作動位置では、ポット26が、表面処理機3に設置された処理容器8内に位置している。作動位置において、処理容器8の底面811から、ポット26の開いた状態の蓋263の下面までの垂直距離Hは、1mm〜2cmとなるように、設定されている。
【0024】
(3)表面処理機3
(3-1)全体構成
図8は、図2のVIII−VIII断面図である。図2、図3、及び図8に示されるように、表面処理機3は、処理容器8を載せるための水平な受板31と、受板31を水平面内で回転させる回転駆動機構32と、受板31の下方に位置し、表面処理液及び洗浄水を受ける、受槽33と、受板31上の処理容器8を上方から覆うためのカバー体34と、カバー体34を処理容器8に対して開閉させる開閉機構35と、陽極360を表面処理に使用するように支持する陽極支持機構36(図2)と、受槽33に連通したドレイン機構37と、を備えている。
【0025】
(3-2)ドレイン機構37
図8に示されるように、ドレイン機構37は、受槽33の排出口331に連通して設けられており、搬送機6の下方且つ仕切板71の下方の空間70Aに配置されている。ドレイン機構37は、排出口331に連通した受容器371と、受容器371に連通して下方に延びている可撓性のホース372と、2個のタンクと、受容器371を水平面内の所定範囲で回動させる回動機構374と、を備えている。一方のタンク375は、表面処理液回収用であり、他方のタンク(図示せず)は、洗浄水回収用である。なお、図8では、1個のタンク375のみ示されている。タンク375は、上面に、ホース372の先端部が連通可能な入口376を、有している。他のタンクも同様である。回動機構374は、モータによって、受容器371の回動軸3711を回動させるように、構成されている。したがって、受容器371が回動すると、ホース372の先端部が、タンク375の入口376と他方のタンクの入口との間で水平に移動する。
【0026】
(3-3)陽極支持機構36
図9は、陽極支持機構36の透視斜視図である。陽極支持機構36は、陽極360を支持する陽極支持部材36Aと、陽極受け皿361を支持する受け皿支持部材36Bと、陽極360を陽極支持部材36Aを介して上下に移動させる昇降機構36Cと、陽極360を陽極支持部材36Aを介して水平に移動させる陽極移動機構36Dと、陽極受け皿361を受け皿支持部材36Bを介して水平に移動させる受け皿移動機構36Eと、陽極支持部材36Aと受け皿支持部材36Bとを連結させる連結機構36Fと、陽極360を保管するための陽極保管槽36Gと、表面処理液及び洗浄水を供給するための供給機構36Hと、を備えている。
【0027】
陽極保管槽36Gは、受板31から横方向に離れて位置しており、仕切板71上に設置されている。陽極保管槽36Gは、陽極360を浸すことができるように、表面処理液を収容している。陽極保管槽36Gの底部には、2本の排出管394、395が連結されており、排出管394は、表面処理液回収用のタンク371に連結されており、排出管395は、洗浄水回収用のタンクに連結されている。
【0028】
陽極支持部材36Aは、先端部に陽極360を保持した水平アーム363と、水平アーム363の基端部から上下に延びた軸体364と、を有している。軸体364は、ベアリング391を介して仕切板71を貫通している。
【0029】
受け皿支持部材36Bは、先端部に陽極受け皿361を支持した水平アーム365と、水平アーム365の基端部から、軸体364を囲んで上方に延びた筒体366と、を有している。筒体366は、ベアリング392を介して天板72を貫通している。なお、水平アーム365は、基端において、垂直部365a及び水平部365bを介して、筒体366に連結されている。陽極受け皿361の底には、排出管396が連結されており、排出管396は、表面処理液回収用のタンク371に連結されている。陽極受け皿361の底面は、排出管396に向けて低くなるように傾斜している。
【0030】
陽極移動機構36Dは、軸体364の下端に固定された回転テーブル367を備えており、仕切板71の下方の空間70Aに配置されている。したがって、回転テーブル367が回転すると、軸体364が軸回りに回動し、その結果、水平アーム363の先端部の陽極360が水平に移動する。すなわち、陽極360は、受板31に載せられた処理容器8の上方と、陽極保管槽36Gの上方と、の間を水平に移動可能である。
【0031】
昇降機構36Cは、回転テーブル367を下方から支持する垂直シリンダ368を備えており、仕切板71の下方の空間70Aに配置されている。回転テーブル367は、シリンダ368のロッド3681の上端に固定されている。したがって、シリンダ368が作動して、ロッド3681が進退すると、軸体364及び水平アーム363が上下に移動し、その結果、陽極360が上下に移動する。すなわち、陽極360は、陽極保管槽36Gに対して出し入れ可能であり、また、受板31に載せられた処理容器8に対しても出し入れ可能である。
【0032】
受け皿移動機構36Eは、モータ381と、モータ381の出力軸に固定された第1プーリー382と、筒体366に固定された第2プーリー383と、両プーリー382、383を連結したベルト384と、を備えている。したがって、モータ381が作動すると、第1プーリー382及びベルト384を介して、第2プーリー383及び筒体366が回動し、その結果、陽極受け皿361が水平に移動する。
【0033】
連結機構36Fは、第2プーリー383にブラケット385を介して固定されたエアチャック386を、備えている。エアチャック386は、軸体364の上端部に位置しており、軸体364を把持できるようになっている。したがって、エアチャック386が軸体364を把持すると、軸体364の回動が筒体366に伝わり、軸体364と筒体366とが一緒に回動し、その結果、陽極360と陽極受け皿361とが一緒に水平に移動する。なお、このとき、モータ381の作動は、停止している。そして、エアチャック386は、陽極360が陽極移動機構36Dによって陽極保管槽36Gの上方から又は処理容器8の上方から水平に移動を開始する時に、且つ、陽極受け皿361が受け皿移動機構36Eによって陽極360の下方に位置した時に、軸体364と筒体366とを連結するよう、設定されている。
【0034】
供給機構36Hは、表面処理液を供給する第1供給手段と、洗浄水を供給する第2供給手段と、を備えている。第1供給手段は、表面処理液を貯留しているタンク(図示せず)と、タンクからポンプを介して水平アーム363の先端部まで延びて下方に向いている供給管398と、を備えている。第2供給手段は、洗浄水を貯留しているタンク(図示せず)と、タンクからポンプを介して水平アーム363の先端部まで延びて下方に向いている供給管(図示せず)と、を備えている。
【0035】
(3-4)その他
回転駆動機構32は、垂直回転軸321をモータ322で回転させるようになっている。
【0036】
カバー体34は、中央に開口341を有している。
【0037】
開閉機構35は、カバー体34の側部から延びたアーム351と、アーム351に連結された垂直シリンダ352とで、構成されている。アーム351は、一端がカバー体34に連結されており、他端353が仕切板71上に回動自在に固定されている。シリンダ352のロッド3521の先端は、アーム351の途中に回動自在に連結されている。したがって、シリンダ352が作動してロッド3521が上方に伸びると、アーム351が他端353を支点として上方向に回動し、その結果、カバー体34が、図8中の一転鎖線で示されるように、開く。
【0038】
(4)処理容器8
図10は、処理容器8の縦断面図である。処理容器8は、非導電性の底板81と、電極リング82と、カバー83とを、この順に下から重ねて、電極リング82を貫通するボルト84によって一体化して構成されるとともに、処理容器8の内から外へ表面処理液を流出させる流出機構(図示せず)を有している。カバー83は、ドーム状であり、中央に開口831を有している。
【0039】
電極リング82へは、表面処理機3の受板31からボルト84を経て、通電可能となっている。そして、表面処理機3は、ワークを収容した処理容器8を回転させてワークを電極リング82へ接触させながら、且つ、表面処理液を流出機構を介して処理容器8の内から外へ流通させながら、処理容器8内の表面処理液に陽極360から通電することによって、ワークに表面処理を施すようになっている。
【0040】
流出機構としては、底板81と電極リング82との間に構成した間隙通路を、採用している。間隙通路は、底板81と電極リング82との間の円周方向適当間隔置きに、同じ大きさの樹脂製のシート部材(図示せず)を配置して、該シート部材を底板81と電極リング82とで挟むことによって、隣接するシート部材間に構成されている。
【0041】
そして、底板81の外周面には、円周方向に連続した溝89が形成されている。また、カバー83の上縁の外周には、円周方向に連続した外向きフランジ88が、形成されている。処理容器8のフランジ88の径寸法D3は、処理容器8の最大径D4より小さい。
【0042】
(5)ワーク回収機4
本発明のワーク回収機である。図11は、ワーク回収機4及び乾燥機5を示す縦断面図である。図11は、作動開始状態を示しており、図12は、作動中の状態を示している。ワーク回収機4は、処理容器8が載せられる受板41と、受板41上の処理容器8を覆うホッパ42と、受板41上の処理容器8とホッパ42とを共に上下反転させる反転機構43と、反転された処理容器8内に洗浄水を吹きかける洗浄水供給手段44と、洗浄水によって処理容器8から流し出されたワークを、フィルター部材で濾取することによって捕集する、回収容器45と、反転されたホッパ42の排出口423を下方から塞ぐように、回収容器45を上昇させる、昇降機構46と、使用された洗浄水を受ける回収槽47と、を備えている。受板41、ホッパ42、反転機構43、及び洗浄水供給手段44は、仕切板71の上方の空間70Bに配置されており、回収容器45、昇降機構46、及び回収槽47は、仕切板71の下方の空間70Aに配置されている。
【0043】
受板41は、載せられた処理容器8を横方向から挟んで把持する把持機構48を、備えている。把持機構48は、処理容器8の溝89に横方向両側から嵌り込む一対の把持突部(把持部材)481と、一対の把持突部481の各々を横方向に移動させる水平シリンダ482と、を備えている。したがって、シリンダ482が作動して、ロッド4821が縮むと、把持突起481が溝89に嵌り込み、その結果、把持機構48が、処理容器8を把持する。
【0044】
ホッパ42は、受板41の横方向両側に固定された一対の垂直シリンダ421によって、支持されている。一対のシリンダ421のロッド4211の先端には、アーム422が掛け渡されており、ホッパ42は、アーム422の中央に支持されている。図11の作動開始状態では、ホッパ42は、受板41に載せられた処理容器8の上方に位置しており、ホッパ42の覆い部42Aが、下向きに大きく開口しており、排出部42Bが上向きに小さく開口している。排出部42Bの排出口423には、蓋部材42Cが設けられている。蓋部材42Cは、排出口423に向けて内側から付勢されており、排出口423を内側から塞ぐように設けられている。蓋部材42Cの内側部分420は、内向きに尖った円錐形状を有している。
【0045】
反転機構43は、受板41、ホッパ42、及びシリンダ421を、一体的に支持する、水平回動軸431と、水平回動軸431を回動させるモータ432と、を備えている。水平回動軸431は、横方向両側において、軸受け433及びレール434を介して仕切板71上に支持されている。水平回動軸431は、2本のレール434に沿って図2のY方向(前後方向)に移動可能である。
【0046】
洗浄水供給手段44は、洗浄水供給源(図示せず)からホッパ42内まで延びた供給管441を有している。供給管441は、先端にスプリンクラー442を有しており、スプリンクラー442は、ホッパ42が処理容器8を覆った際に処理容器8の内部に向けて洗浄水を噴出するように、設けられている。
【0047】
回収容器45は、図13に示されるように、底451を有する略円筒状の容器であり、底451は、ワークを濾取可能なフィルター部材によって構成されている。フィルター部材は、例えば、ワーク及びダミーが通過不能な大きさの貫通孔を多数有する網板で、構成されている。回収容器45の内部には、十字に掛け渡されたフレーム457から上向きに平行に延びた2本のピン452が、設けられている。ピン452は、回収容器45の上縁より上方に少し突出している。回収容器45は、上縁に、円周方向に連続した外向きフランジ453を有している。フランジ453は、対向位置に、位置決め用の切欠き454を有している。回収容器45は、底部の外周の対向位置に、位置決め用の横向きピン455を有している。切欠き454と横向きピン455とは、平面視で重なる位置にある。
【0048】
昇降機構46は、回収容器45が載せられる受板461と、受板461に載せられた回収容器45を囲むよう設けられた筒体462と、筒体462を上下に移動させる垂直シリンダ463と、を備えている。受板461は、筒体462内を上下に延びた支柱465の上端に固定されている。図14は、筒体462の平面図である。筒体462は、内部の横方向両側に、一対の受板(受部)466を有している。一対の受板466間の隙間467は、受板461及び支柱465が通過可能な且つ回収容器45が通過不可能な、大きさを、有している。すなわち、受板461は、平面視で細長い形状を有している。筒体462は、シリンダ463のロッド4631の先端から横方向に延びたアーム468によって、支持されている。アーム468は、ガイド469に沿って上下にスライドするように設けられている。したがって、シリンダ463が作動してロッド4631が伸びると、筒体462が上昇し、受板466が、回収容器45の下面に当接して上昇し、その結果、筒体462が、回収容器45を持ち上げる。
【0049】
回収槽47は、作動開始状態にある筒体462を下方から覆うように設けられている。
【0050】
図15は、反転されたホッパ42の排出部42Bに下方から回収容器45が近づいている状態を示す、縦断面拡大図である。ホッパ42の排出部42Bには、排出口423を横断するフレーム425が設けられており、ガイド棒426が、フレーム425の中央から上方に延びている。蓋部材42Cは、ガイド棒426に上方から被さるように設けられている。ガイド棒426の先端部427と蓋部材42Cの外側端部428との間には、ガイド棒426に沿って延びたスプリング429が設けられている。スプリング429は、蓋部材42Cを排出口423に向けて付勢するように、設けられている。一方、回収容器45の2本のピン452は、フレーム425を避けて、且つ、排出口423内へ挿入可能に、設けられている。したがって、回収容器45が上昇すると、2本のピン452が、蓋部材42Cに下方から当接して、蓋部材42Cを、スプリング429の付勢力に抗しながら、ガイド棒426に沿って押し上げていき、その結果、排出口423が開く。
【0051】
(6)乾燥機5
図16は、図1のXVI矢視縦断面図であり、図16は、乾燥機5の作動開始状態を示しており、図17は、乾燥機5の作動中の状態を示している。乾燥機5は、ワーク回収機4から回収容器45を運搬する運搬機構51と、運搬されてきた回収容器45が載せられる受板52と、受板52に載せられた回収容器45を上下から密閉するフード53と、フード53内に空気を供給して排出する空気給排手段54と、を備えている。
【0052】
運搬機構51は、回収容器45を把持する把持機構51Aと、把持機構51Aを上下に移動させる昇降機構51Bと、昇降機構51Bを図2のX方向(左右方向)に移動させる移動機構51Cと、を備えている。
【0053】
把持機構51Aは、一対の把持アーム511と、一対の把持アーム511を駆動する水平シリンダ512と、を備えている。一対の把持アーム511は、それぞれ、先端部に、内向きの把持板5111を有している。把持機構51Aは、把持板5111に回収容器45のフランジ453を載せることによって、回収容器45を把持するように、構成されている。把持板5111は、フランジ453の切欠き454に嵌る上向きピン5112を有している。シリンダ512は、一対の把持アーム511の対向間隔を拡縮するように、一対の把持アーム511を駆動する。
【0054】
昇降機構51Bは、先端に把持機構51Aを支持する水平アーム513と、水平アーム513をスライド可能に支持する垂直レール514と、水平アーム513を垂直レール514に沿わせて上下に移動させる垂直シリンダ515と、を備えている。水平アーム513の基端は、シリンダ515のロッド5151の上端に固定されている。
【0055】
移動機構51Cは、垂直レール514を支持する水平アーム516と、水平アーム516をX方向に移動させる水平シリンダ517と、を備えている。垂直レール514は、上レール518と下レール519とに沿ってX方向に移動可能に、設けられている。
【0056】
受板52は、載せられた回収容器45の底451が面する部分に、貫通孔521を、有している。貫通孔521の周縁の対向位置には、回収容器45の横向きピン455が嵌る受部522が、設けられている。
【0057】
フード53は、受板52の上方に、回収容器45を覆って空間を確保する、上フード部531と、受板52の下方に空間を確保する下フード部532と、上フード部531を開閉する開閉機構533と、を備えている。開閉機構533は、上フード部531に固定された水平回動軸535と、水平回動軸535を回動駆動するシリンダ536と、を備えている。上フード部531は、水平回動軸535が回動すると、水平回動軸535回りに回動し、すなわち、開閉する。シリンダ536のロッド5361の先端は、リンク537を介して、水平回動軸535に連結されており、これにより、シリンダ536は、ロッド5361の進退作動によって、水平回動軸535を回動させる。下フード部532の最下部には、排水口538が設けられている。
【0058】
空気給排手段54は、空気好ましくは熱風を送出するブロワ(図示せず)と、ブロワからの空気を上フード部531内に供給するための供給管542と、下フード部532内から空気を排出するための排出管543と、を備えている。
【0059】
(7)搬送機6
図18は、搬送機6の全体斜視図である。搬送機6は、処理容器8を把持する把持手段61と、把持手段61を上下に移動させる昇降機構62と、昇降機構62全体を前後に移動させる前後移動機構63と、昇降機構62全体及び前後移動機構63全体を左右に移動させる左右移動機構64と、を備えている。
【0060】
把持手段61は、一対の把持アーム611と、一対の把持アーム611を駆動する水平シリンダ612と、を備えている。一対の把持アーム611は、それぞれ、先端部に、内向きの把持板6111を有している。把持手段61は、把持板6111に処理容器8のフランジ88を載せることによって、処理容器8を把持するように、構成されている。シリンダ612は、一対の把持アーム611の対向間隔を拡縮するように、一対の把持アーム611を駆動する。一対の把持アーム611は、シリンダ612に固定されたX方向の水平レール613に沿って移動可能に、設けられている。
【0061】
昇降機構62は、把持手段61を支持する垂直シリンダ621を備えている。シリンダ621の下端には、把持手段61のシリンダ612が固定されている。
【0062】
前後移動機構63は、2本のY方向の水平レール631と、水平レール631に沿って移動可能な板部材632と、一端が板部材632に連結されて、Y方向に延びた、ボールねじ633と、ボールねじ633の他端にベルト634を介して連結され、ボールねじ633を回転駆動する、モータ635と、を備えている。板部材632の下面には、昇降機構62のシリンダ621のロッド622の上端が、固定されている。したがって、前後移動機構63は、昇降機構62及び把持手段61を支持している。
【0063】
左右移動機構64は、2本のX方向の水平レール641と、水平レール641に沿って移動可能な枠体642と、枠体642を水平レール641に沿って移動させるモータ(図示せず)と、を備えている。モータは、無端環状のベルト644を回動させることにより、ベルト644に連結された枠体642を水平レール641に沿って移動させるように、設けられている。枠体642には、前後移動機構63の2本の水平レール631が固定されている。したがって、左右移動機構64は、前後移動機構63、昇降機構62、及び把持手段61を、支持している。
【0064】
(B)次に、上記構成の表面処理装置1の作動及び効果について説明する。
【0065】
(a)作動の直前においては、空の第1の処理容器8が、1台目の表面処理機3にセットされており、空の第2の処理容器8が、ワーク回収機4にセットされている。また、搬送機6の把持手段61が、1台目の表面処理機3の近傍に位置している。
【0066】
(b)作業者は、ダミーを供給機2の第1シューター211に投入し、また、ワークを第2シューター212に投入し、その後、作業開始ボタンを押す。
【0067】
(c)まず、供給機2(図2〜図7)が作動する。
ところで、作動開始前の供給機2においては、図3に示されるように、シリンダ233のロッド2331が、最も縮んだ状態にあり、ホッパ22の出口224が、ポット26の流入口261に挿入されており、ポット26の蓋263が、閉じている。
【0068】
(c-1)作動が始まると、第1昇降機構241が作動して、ロッド2411が伸び、第1シューター211が水平軸213回りに回動し、その結果、第1シューター211内のダミーが、ホッパ22によって案内されて、ポット26内に投入される。
【0069】
このとき、ホッパ22の出口224がポット26の流入口261に挿入されているので、ダミーの飛散を防止できる。
【0070】
(c-2)次に、シリンダ233が作動して、ロッド2331が伸び、ホッパ22が、ポット26から離れて上昇する。次に、回転テーブル281が作動して、垂直ポール272が水平アーム271を伴って軸回りに90度回動する。次に、モータ292が作動して、回転テーブル281が上昇し、その結果、ポット26が、表面処理機3にセットされた処理容器8よりも上に位置する。次に、回転テーブル281が作動して、垂直ポール272が水平アーム271を伴って軸回りに更に90度回動し、その結果、ポット26が、処理容器8の上方に位置する。次に、モータ292が作動して、回転テーブル281が下降し、その結果、ポット26の放出部262が、第1の処理容器8内に位置する。次に、シリンダ264が作動して、蓋263が下降し、その結果、放出部262が開く。これにより、ポット26内のダミーが、蓋263の外面2631上を滑り落ちて、放出部262から放出される。なお、下降した蓋263の下面と処理容器8の底面811との間の垂直距離Hは、1mm〜2cmである。一方、このとき、表面処理機3において、処理容器8は、緩やかに回転している。
【0071】
このように、作業者が第1シューター211に投入したダミーが、自動で、処理容器8に投入されるので、作業効率を向上できる。また、ポット26内のダミーが、蓋263の円錐状の外面2631を滑り落ちて、処理容器8内へ放出されるので、ダミーは、処理容器8の底面811上に広範囲に拡散する。しかも、その時、処理容器8は回転しているので、ダミーは、より広範囲に拡散される。それ故、ダミーと、後から投入されるワークとを、効率良く混合できる。更に、距離Hが1mm〜2cmであるので、ダミー及び処理容器8の底面811が受ける衝撃を緩和でき、したがって、両者の破損を防止できる。また、蓋263の外面2631と放出部262の内面2622とが面接触することによって、放出部262が閉じられるので、ダミーが投入前にポット26から漏れ出るのを、防止できる。
【0072】
(c-3)次に、処理容器8へのダミーの投入が終了すると、シリンダ264が作動して、蓋263が上昇し、その結果、放出部262が閉じる。次に、モータ292が作動して、回転テーブル281が上昇し、その結果、ポット26が、処理容器8から上方へ出る。次に、回転テーブル281が作動して、垂直ポール272が水平アーム271を伴って軸回りに90度回動し、その結果、ポット26が、処理容器8から横方向へ離れる。次に、モータ292が作動して、回転テーブル281が下降し、その結果、ポット26が、下降する。次に、回転テーブル281が作動して、垂直ポール272が水平アーム271を伴って軸回りに更に90度回動して、ホッパ22の下方に位置する。次に、シリンダ233が作動して、ロッド2331が縮み、ホッパ22の出口224が、ポット26の流入口261に挿入される。
【0073】
(c-4)次に、第2昇降機構242が作動して、ロッド2412が伸び、第2シューター212が水平軸213回りに回動し、その結果、第2シューター212内のワークが、ホッパ22によって案内されて、ポット26内に放出される。これ以降は、上記(c-2)と同様に作動して、処理容器8内にワークが投入される。
【0074】
このように、作業者が第2シューター212に投入したワークが、自動で、処理容器8に投入されるので、作業効率を向上できる。また、ポット26内のワークが、蓋263の円錐状の外面2631を滑り落ちて、処理容器8内へ放出されるので、ワークは、処理容器8の底面811上に広範囲に拡散する。しかも、その時、処理容器8は回転しているので、ワークは、より広範囲に拡散される。そして、既に、ダミーが処理容器8内で拡散されているので、ワークとダミーとを効率良く混合できる。更に、距離Hが1mm〜2cmであるので、ワーク及び処理容器8の底面811が受ける衝撃を緩和でき、したがって、両者の破損を防止できる。また、蓋263の外面2631と放出部262の内面2622とが面接触することによって、放出部262が閉じられるので、ダミーが投入前にポット26から漏れ出るのを、防止できる。
【0075】
(c-5)処理容器8へのワークの投入が終了すると、供給機2は、上記(c-3)と同様に作動して、図3の状態に戻る。
【0076】
以上のように、供給機2によれば、ダミーとワークとが別々に処理容器8に投入されるので、ダミーによってワークが押しつぶされるのを、防止できる。また、垂直ポール272が内側スリーブ273及び外側スリーブ274によって囲まれており、しかも、移動機構28及び昇降機構29が仕切板71の下方の空間70Aに配置されているので、表面処理液が飛散しても、これらが表面処理液によって汚染されるのを、防止できる。
【0077】
(d)次に、1台目の表面処理機3(図8、図9)が作動する。
ところで、作動開始前の表面処理機3においては、カバー体34が、閉じており、陽極360が、陽極保管槽36Gに収容されており、陽極受け皿361が、陽極360から横方向に離れており、エアチャック386が、非把持状態である。
【0078】
(d-1)作動が始まると、シリンダ368が作動して、回転テーブル367、軸体364、及び水平アーム363が、一体的に上昇し、その結果、陽極360が、陽極保管槽36Gから出て、上方に位置する。次に、モータ381が作動して、第1プーリー382、ベルト384、及び第2プーリー383を介して、筒体366が回転し、その結果、陽極受け皿361が、移動して、陽極360の直下に位置する。次に、エアチャック386が軸体364を把持するとともに、回転テーブル367が作動し、これにより、軸体364と筒体366とが一体的に回動し、すなわち、水平アーム363と水平アーム365とが一体的に回動し、その結果、陽極受け皿361が、陽極360の直下に位置したまま、陽極360と一体的に水平に移動して、陽極360と共に処理容器8の上方に位置する。次に、エアチャック386が非把持状態となり、モータ381が作動して、第1プーリー382、ベルト384、及び第2プーリー383を介して、筒体366が回転し、その結果、陽極受け皿361が、陽極360の直下から横方向に離れた位置に移動する。次に、シリンダ368が作動して、回転テーブル367、軸体364、及び水平アーム363が、一体的に下降し、その結果、陽極360が、処理容器8内に挿入される。
【0079】
(d-2)次に、陽極360を介して電圧が印加されるとともに、表面処理液が第1供給手段によって処理容器8内に供給されながら、ワークの表面処理が実施される。このとき、処理容器8から流出する表面処理液は、受槽33、受容器371、及びホース372を経て、タンク375へ排出される。
【0080】
(d-3)表面処理が終了すると、洗浄水が第2供給手段によって処理容器8内に供給され、ワークの水洗処理が実施される。このとき、処理容器8から流出する洗浄水は、受槽33、受容器371、及びホース372を経て、他方のタンクへ排出される。
【0081】
(d-4)水洗処理が終了すると、シリンダ368が作動して、回転テーブル367、軸体364、及び水平アーム363が、一体的に上昇し、その結果、陽極360が、処理容器8から出て、上方に位置する。次に、モータ381が作動して、第1プーリー382、ベルト384、及び第2プーリー383を介して、筒体366が回転し、その結果、陽極受け皿361が、移動して、陽極360の直下に位置する。次に、エアチャック386が軸体364を把持するとともに、回転テーブル367が作動し、これにより、軸体364と筒体366とが一体的に回動し、すなわち、水平アーム363と水平アーム365とが一体的に回動し、その結果、陽極受け皿361が、陽極360の直下に位置したまま、陽極360と一体的に水平に移動して、陽極360と共に陽極保管槽36Gの上方に位置する。次に、エアチャック386が非把持状態となり、モータ381が作動して、第1プーリー382、ベルト384、及び第2プーリー383を介して、筒体366が回転し、その結果、陽極受け皿361が、陽極360の直下から横方向に離れた位置に移動する。次に、シリンダ368が作動して、回転テーブル367、軸体364、及び水平アーム363が、一体的に下降し、その結果、陽極360が、陽極保管槽36G内に収容される。
【0082】
こうして、処理容器8内のワークに対して、表面処理及び水洗処理が施される。陽極360が、表面処理機3の非作動時には、陽極保管槽36G内に収容されて表面処理液に浸されているので、陽極360の劣化を防止でき、また、陽極360に付着している表面処理液の結晶化を防止できる。また、陽極360が陽極保管槽36Gと処理容器8との間を移動する際には、陽極受け皿361が陽極360の直下に位置しているので、陽極360から垂れ落ちてくる表面処理液を、陽極受け皿361で受けることができる。したがって、表面処理機3の周辺が表面処理液で汚染されるのを、防止できる。また、陽極受け皿361の底面が排出管396に向けて低くなるように傾斜しているので、陽極受け皿361で受けられた表面処理液を、確実に排出でき、また、陽極受け皿361の洗浄を容易に実施できる。
【0083】
(d-5)表面処理及び水洗処理が終了すると、回転駆動機構32が停止し、処理容器8の回転が止まる。そして、開閉機構35が作動して、カバー体34が開く。
【0084】
(e)次に、搬送機6(図18)が作動する。
ところで、作動開始前の搬送機6においては、図18に示されるように、シリンダ612が、一対の把持アーム611の対向間隔を最大にしており、板部材632が、表面処理機3から図2のY2方向(後方向)に離れて位置している。
【0085】
(e-1)まず、モータ635が作動して、ボールねじ633が回転し、その結果、板部材632が、レール631に沿って表面処理機3に向けて移動し、表面処理機3の近傍に位置する。
【0086】
(e-2)次に、シリンダ621が作動して、把持手段61が下降し、その結果、把持板6111が、処理容器8のフランジ88より下方に位置する。次に、シリンダ612が作動して、一対の把持アーム611の対向間隔が小さくなり、その結果、把持板6111が、処理容器8のフランジ88の直下に位置する。次に、シリンダ621が作動して、把持板6111が上昇し、その結果、把持板6111が、処理容器8のフランジ88の下面に当接し、処理容器8を持ち上げていく。
【0087】
(e-3)次に、モータ635が作動して、ボールねじ633が回転し、その結果、板部材632が、レール631に沿って表面処理機3から離れる方向(図2のY2方向)に移動し、表面処理機3の背面側に位置する。
【0088】
(e-4)次に、モータ(図示せず)が作動して、ベルト644が移動し、その結果、枠体642が、移動して、2台目の表面処理機3の背面側に位置する。
【0089】
(e-5)次に、モータ635が作動して、ボールねじ633が回転し、その結果、板部材632が、レール631に沿って2台目の表面処理機3に向けて図2のY1方向(前方向)に移動し、表面処理機3の近傍に位置する。
【0090】
(e-6)次に、シリンダ621が作動して、把持手段61が処理容器8を把持したまま下降し、その結果、処理容器8は、表面処理機3の受板31に載せられ、把持板6111は、更に下降して、処理容器8のフランジ88の下方に位置する。次に、シリンダ612が作動して、一対の把持アーム611の対向間隔が大きくなり、その結果、把持板6111が、処理容器8のフランジ88の直下から横方向に離れて位置する。次に、シリンダ621が作動して、把持板6111が上昇する。
【0091】
(e-7)次に、モータ635が作動して、ボールねじ633が回転し、その結果、板部材632が、レール631に沿って表面処理機3から離れる方向に移動し、表面処理機3の背面側に位置する。
【0092】
こうして、1台目の表面処理機3にセットされていた処理容器8が、搬送機6によって、2台目の表面処理機3に搬送されてセットされる。搬送機6によれば、処理容器8を背面側に移動して搬送するので、表面処理装置1における上下方向のスペースを小さくでき、したがって、装置の小型化を実現できる。また、処理容器8のフランジ88の径寸法D3は、処理容器8の最大径D4よりも小さいので、把持手段61のX方向の寸法を小さくでき、したがって、搬送機6の小型化を実現できる。
【0093】
(f)次に、2台目の表面処理機3が作動する。この作動は、1台目の表面処理機3と同じである。但し、2台目の表面処理機3では、1台目の表面処理機3とは異なる表面処理液が使用されている。
【0094】
(g)次に、搬送機6が作動して、処理容器8を2台目の表面処理機3からワーク回収機4へ搬送する。この作動は、上記(e)と同じである。但し、ここでは、搬送先が、ワーク回収機4の受板41上である。
【0095】
(h)次に、ワーク回収機4が作動する。
ところで、作動開始前のワーク回収機4においては、図11に示されるように、ホッパ42が、排出口423を上にした状態で処理容器8の上方に位置しており、把持機構48が、非把持状態であり、回収容器45が、受板461に載っており、筒体462が下限に位置している。また、処理容器8が、受板41に載せられている。
【0096】
(h-1)まず、シリンダ482が作動して、ロッド4821が縮み、把持突起481が受板41上の処理容器8の溝89に嵌り込み、その結果、処理容器8が、受板41上で把持される。
【0097】
(h-2)次に、シリンダ421が作動して、ロッド4211が縮み、ホッパ42が下降し、その結果、ホッパ42の覆い部42Aが、処理容器8を上方から覆う。
【0098】
(h-3)次に、モータ432が作動して、水平回動軸431が回動し、その結果、受板41上の処理容器8と、処理容器8を覆っているホッパ42とが、反転される。
【0099】
このとき、処理容器8は把持機構48によって把持されているので、処理容器8とホッパ42との間に隙間があっても、反転時に処理容器8が受板41から離れてホッパ42の覆い部42Aに衝突するのを、防止できる。したがって、使用する処理容器8を高さの異なる処理容器8に変更しても、処理容器8がホッパ42の覆い部42Aに衝突するという不具合を防止でき、それ故、処理容器8の高さ変更に支障なく対応できる。
【0100】
(h-4)次に、図12に示されるように、シリンダ463が作動して、筒体462が上昇し、受板466が、回収容器45の底451に下方から当接して回収容器45を持ち上げていき、その結果、回収容器45が、ホッパ42の排出口423を塞ぐ位置まで上昇する。このとき、回収容器45の2本のピン452が、図15に示されるように、排出口423を通過して、蓋部材42Cをスプリング429に抗して押し上げ、その結果、排出口423が開かれる。
【0101】
(h-5)次に、洗浄水供給手段44が作動して、スプリンクラー442から洗浄水が噴出され、その結果、処理容器8内のワーク及びダミーが、洗浄水によって洗い流され、ホッパ42の排出口423から回収容器45内へ流れ落ちる。
【0102】
このとき、処理容器8から流れ出るワーク及びダミーは、ホッパ42の蓋部材42C上にも落ちてくるが、蓋部材42Cの内側部分420が円錐形状を有しているので、蓋部材42C表面を円滑に流れ落ちていく。したがって、ワーク及びダミーが蓋部材42Cに付着してホッパ42内に残るのを、防止できる。しかも、蓋部材42Cはホッパ42内に設けられているので、スプリンクラー442から噴出される洗浄水に晒される。したがって、この点からも、ワーク及びダミーが蓋部材42Cに付着してホッパ42内に残るのを、防止できる。
【0103】
(h-6)そして、ホッパ42の排出口423から洗浄水と共に流れ出たワーク及びダミーは、回収容器45の底451のフィルター部材によって濾取される。一方、洗浄水は、回収容器45の底451を通過して、筒体462内を流れて、回収槽47に溜まる。これにより、ワーク及びダミーが、回収容器45に回収される。
【0104】
このとき、ホッパ42の排出口423から流れ出た洗浄水は、回収容器45を通過し、筒体462内を流れて、回収槽47に流れ込むので、回収容器45及び筒体462が、共に、洗浄水の飛散防止の役割を果たす。したがって、洗浄水の飛散を確実に防止できる。
【0105】
(h-7)ワーク及びダミーの回収が終了すると、洗浄水供給手段44が停止し、次に、シリンダ463が作動して、筒体462が下限まで下降し、次に、反転機構43が作動して、受板41上の処理容器8と、処理容器8を覆っているホッパ42とが、反転し、次に、シリンダ421が作動して、ホッパ42が上限まで上昇し、そして、把持機構48が非把持状態となる。
【0106】
(i)そして、乾燥機5が作動する。
ところで、作動開始前の乾燥機5においては、把持機構51Aが、受板52の上方の上限に位置しており、一対の把持アーム511が、最大の対向間隔を有しており、上フード部531が、閉じている。
【0107】
(i-1)まず、運搬機構51が作動して、回収容器45がワーク回収機4から受板52の上方まで運搬される。すなわち、まず、移動機構51Cのシリンダ517が作動して、把持機構51Aが図2のX1方向へ移動し、その結果、把持機構51Aが、ワーク回収機4の回収容器45の上方に位置する。次に、昇降機構51Bのシリンダ515が作動して、把持機構51Aが下降し、その結果、把持板5111が、回収容器45のフランジ453より下方に位置する。次に、把持機構51Aのシリンダ512が作動して、一対の把持アーム511の対向間隔が小さくなっていき、その結果、把持板5111が、回収容器45のフランジ453の直下に位置する。次に、昇降機構51Bのシリンダ515が作動して、把持機構51Aが上昇し、これにより、把持板5111が、回収容器45のフランジ453に下方から当接して、回収容器45を上限まで持ち上げていく。このとき、把持板5111のピン5112がフランジ453の切欠き454に嵌る。
【0108】
(i-2)次に、開閉機構533のシリンダ536が作動して、上フード部531が開く。
【0109】
(i-3)次に、運搬機構51が作動して、回収容器45が受板52上に載せられる。すなわち、まず、移動機構51Cのシリンダ517が作動して、把持機構51Aが図2のX2方向へ移動し、その結果、把持されている回収容器45が、受板52の上方に位置する。次に、昇降機構51Bのシリンダ515が作動して、把持機構51Aが下降し、これにより、把持されている回収容器45が、受板52上に載せられ、また、把持板5111が、回収容器45のフランジ453の直下に位置する。このとき、回収容器45のピン455が受板52の受部522に嵌る。次に、把持機構51Aのシリンダ512が作動して、一対の把持アーム511の対向間隔が大きくなっていき、その結果、把持板5111が、回収容器45のフランジ453の直下から横方向に離れて位置する。次に、昇降機構51Bのシリンダ515が作動して、把持機構51Aが上昇し、その結果、把持機構51Aが、受板52の上方の上限に位置する。そして、移動機構51Cのシリンダ517が作動して、把持機構51Aが図2のX1方向へ移動し、その結果、把持機構51Aが受板52の上方から退避する。
【0110】
(i-4)次に、開閉機構533のシリンダ536が作動して、上フード部531が閉じる。
【0111】
(i-5)次に、空気給排手段54が作動する。すなわち、空気が、ブロワから送出され、供給管542を通って上フード部531内に供給され、回収容器45の底451及び貫通孔521を通過し、下フード部532内を通って、排出管543から排出される。このとき、回収容器45内のワーク及びダミーは、回収容器45を通過する空気に晒されるので、乾燥される。一方、乾燥によって生じる水分は、排水口538から排出される。ブロワから送出される空気は、例えば、1〜14kpaの圧力、1〜3m/分の風量、及び0〜300℃の温度を、有している。
【0112】
このとき、上フード部531内に供給された空気は、回収容器45を必ず通過する。したがって、回収容器45内のワーク及びダミーを確実に乾燥できる。また、空気は、回収容器45内を上から下に向けて通過するので、ワーク及びダミーは下向きに押し付けられる。したがって、ワーク及びダミーが飛散するのを防止できる。しかも、空気は、回収容器45内に直接に吹き付けられるのではなく、上フード部531内に横方向から供給されて拡散された後に回収容器45内に流れ込んでいく。したがって、ワーク及びダミーが空気の風圧によって飛散するのを、防止できる。また、生じた水分は、下フード部532内の最下部の排水口538から排出されるので、通過する空気によって水分が飛散するのを、防止できる。
【0113】
(i-6)乾燥処理が終了すると、開閉機構533のシリンダ536が作動して、上フード部531が開く。
【0114】
(i-7)次に、作業者が、回収容器45を受板52から取り上げ、ワーク及びダミーを回収容器45から取り出し、そして、回収容器45を受板52上に戻す。このとき、回収容器45のピン455を受板52の受部522に嵌める。
【0115】
(i-8)そして、運搬機構51が、上記とは逆に作動して、受板52上の回収容器45を、運搬して、ワーク回収機4の受板41上に載せる。
【0116】
このとき、回収容器45は、フランジ453の切欠き454に把持板5111のピン5112が嵌るので、位置決めされる。これにより、ワーク回収機4の受板41上に載せられた回収容器45は、ピン452がホッパ42の蓋部材42Cを押し上げることができる状態に、確保される。
【0117】
上記構成の乾燥機5によれば、回収容器45をワーク回収機4と共用しているので、ワーク回収機4と乾燥機5との間でワーク及びダミーを移し替える手間を、省くことができる。
【0118】
(j)なお、上記構成の表面処理装置1では、作動開始前に、第1の処理容器8が、1台目の表面処理機3にセットされており、第2の処理容器8が、ワーク回収機4にセットされている。そして、第1の処理容器8は、上記(d)〜(h)のように取り扱われるが、第2の処理容器8は、次のように取り扱われる。
【0119】
すなわち、第2の処理容器8は、第1の処理容器8が2台目の表面処理機3で使用されている際に、搬送機6によってワーク回収機4から1台目の表面処理機3に搬送される。そして、第2の処理容器8は、第1の処理容器8と同様に、上記(d)〜(h)のように取り扱われる。なお、第2の処理容器8によって処理されるワーク及びダミーは、作業者が供給機2に前もって投入しておく。
一方、第1の処理容器8は、上記(d)〜(h)のように取り扱われて、ワーク回収機4における使用が終了すると、第2の処理容器8と同様に取り扱われる。
このように、第1の処理容器8と第2の処理容器8とは、並行して、繰り返し使用される。
【0120】
(C)変形構成
上記構成の表面処理装置1は、次のような変形構成を採用してもよい。
【0121】
(i)ダミーを使用しない。すなわち、シューターが1つである。
(ii)シューターが3つ以上である。
(iii)表面処理機3が1台又は3台以上である。
【0122】
(iv)処理容器8が、溝89の代わりに、図19に示されるように、底板81の外周面に、円周方向に連続した突部89Aを、有している。この場合において、ワーク回収機4の把持機構48は、突部89Aに上方から当接する当接部481Aを、有している。又は、把持機構48は、突部89Aを上下から把持する把持部を、有している。これによっても、溝89及び把持突部481の場合と同様の作用効果を発揮できる。
【0123】
(v)表面処理機3の陽極保管槽36Gが、表面処理液を収容していない。この場合には、陽極保管槽36G内で陽極360を洗浄することができ、これにより、陽極360に付着している表面処理液が乾燥して結晶化して表面処理液に混ざるのを、防止できる。
【0124】
(vi)陽極保管槽36Gが、仕切板71表面に形成された凹部で、構成されている。これによれば、陽極保管槽36Gの構成を簡素化できる。
【0125】
(vii)ポット26に振動を加える加振機構を設ける。これによれば、ワーク及びダミーをポット26から容易且つ確実に放出できる。
【0126】
(viii)回収容器45の底451を構成するフィルター部材が、図20に示されるように、複数の開口4511を、有している。開口4511は、ワーク及びダミーが通過不能な大きさを有している。又は、回収容器45の底451を構成するフィルター部材が、多数のパンチ孔が形成された多孔板、又は、多数の気泡を有する多孔質板である。パンチ孔や気泡は、ワーク及びダミーが通過不能な大きさを有している。
【0127】
(ix)ワーク回収機4において、図21に示されるように、2本のピン452が、回収容器45ではなく、蓋部材42Cに、設けられている。この場合、回収容器45が上昇すると、回収容器45の底451が、2本のピン452の下端に当接して、蓋部材42Cを持ち上げる。
【0128】
(x)乾燥機5で乾燥に使用する空気が、熱風である。これによれば、乾燥効率を向上できる。
(xi)乾燥機5で乾燥に使用する空気が、加圧空気又は減圧空気である。これによれば、乾燥効率を向上できる。
【0129】
(xii)搬送機6が次の構成を有している。すなわち、搬送機6が、処理容器8を把持する把持手段61と、把持手段61を前後に移動させる前後移動機構63と、前後移動機構63全体を上下に移動させる昇降機構62と、前後移動機構63全体及び昇降機構62全体を左右に移動させる左右移動機構64と、を備えている。この搬送機6は、具体的には、図18において、把持手段61が、前後移動機構63の板部材632に固定されており、昇降機構62が、前後移動機構63の水平レール631と枠体642との間に設けられている。より具体的には、把持手段61のシリンダ612が板部材632に固定されており、昇降機構62の垂直シリンダ621が水平レール631に固定され、且つ、ロッド622の上端が枠体642に固定されている。
【0130】
この搬送機6においては、処理容器8は、把持手段61によって把持され、前後移動機構63によって後方へ移動され、昇降機構62によって持ち上げられ、左右移動機構64によって次段の機械の後方へ移動され、昇降機構62によって下降され、前後移動機構63によって前方へ移動され、把持手段61による把持をやめて次段の機械に設置される。この搬送機6によっても、上記実施形態の搬送機6と同様の効果を発揮できる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明のワーク回収機は、受板に載せられた処理容器内のワークを、自動で、回収容器に回収できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0132】
4 ワーク回収機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器内の、表面処理されたワークを、回収する、ワーク回収機であって、
処理容器が載せられる受板と、
受板上の処理容器を覆うホッパと、
受板上の処理容器とホッパとを共に上下反転させる反転機構と、
反転された処理容器内に洗浄水を吹きかける洗浄水供給手段と、
洗浄水によって処理容器から流し出されたワークを、フィルター部材で濾取することによって捕集する、回収容器と、
反転されたホッパの排出口を回収容器によって下方から塞ぐように、回収容器を上昇させる、昇降機構と、
使用された洗浄水を受ける回収槽と、
を備えており、
ホッパが、排出口を内側から塞ぐ蓋部材を有しており、
蓋部材が、排出口へ向けて内側から付勢されており、
昇降機構が、回収容器を囲む筒体を上下に移動させるように、構成されており、
筒体が、回収容器に当接して回収容器を持ち上げる受部を、内部に有しており、
蓋部材が、回収容器によって押し上げられることによって排出口を開くように、構成されている、ことを特徴とするワーク回収機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−229497(P2012−229497A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−191998(P2012−191998)
【出願日】平成24年8月31日(2012.8.31)
【分割の表示】特願2008−23076(P2008−23076)の分割
【原出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000189327)上村工業株式会社 (101)