説明

ワーク整列装置

【課題】冷凍コロッケなどのように脆弱で壊れやすいワークであってもこれを傷めたりすることなく確実かつ容易に整列できる新規なワーク整列装置の提供。
【解決手段】コンベヤ10によって搬送される複数のワークWをその下流側に位置する複数のゲートGに沿って整列させるワーク整列装置であって、前記各ゲートGの各境界の上流側延長線L1、L2、L3、L4上に、搬送中のワークWと接触する整列用部材32をそれぞれ少なくとも1つ以上配置すると共に、当該整列用部材32は、少なくとも前記搬送中のワークWと接触する部分が可撓性と共に所定の反発力を有する。これによって、脆弱で壊れやすいワークWであってもこれを傷めることなく確実かつ容易に整列できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品などのワークをコンベヤによって略水平搬送しながら所定の位置に整列させるためのワーク整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コロッケなどの冷凍食品(ワーク)は、食品工場において大量に製造された後に冷凍処理され、その後所定数ごとに箱詰めして出荷される。
このように大量のワークを所定数毎にまとめて箱詰めするにあたっては、ランダムに供給される大量のワークを搬送しながら所定の方向に単数あるいは複数に整列させる処理が必要となってくる。
例えば以下の特許文献1では、その搬送方向に沿って複数の溝が形成された整列板と、この整列板を振動する振動機を設け、その整列板にランダムに供給されたワーク(あられ)をその振動機によって振動することでランダムに供給されたワークをその整列板の各溝に落とし込むように収容して整列するようにしている。また、この整列板の溝を仕切る部分には、上方に突出する釘が複数設けられており、整列板上にランダムに供給されたワークを振動と共に溝に誘導するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭49−51897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したような整列機構は、振動によって整列板に形成された溝内にワークを落とし込んで整列させるものであるため、例えばあられやせんべいなどのような比較的軽くて壊れ難いワークの場合には適しているが、冷凍食品のような脆弱で壊れやすいワークには適用することができない。
すなわち、例えば冷凍コロッケの場合には、その表面がパン粉で覆われているため、振動や衝撃が加わると表面のパン粉が脱落してしまい著しく品質を損ねてしまうことになる。
そこで、本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、冷凍コロッケなどのように脆弱で壊れやすいワークであってもこれを傷めたりすることなく確実かつ容易に整列させることができる新規なワーク整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために第1の発明は、
コンベヤによって略水平搬送される複数のワークをその下流側に位置する複数のゲートに沿って整列させるワーク整列装置であって、前記各ゲートの各境界の上流側延長線上に、前記搬送中のワークと接触する整列用部材をそれぞれ少なくとも1つ以上配置すると共に、当該整列用部材は、少なくとも前記搬送中のワークと接触する部分が可撓性と共に所定の反発力を有することを特徴とするワーク整列装置である。
本発明によれば、コンベヤにランダムに供給された複数のワークを搬送する際に各ゲートの各境界の上流側延長線上に位置する整列用部材に接触させることでその位置を修正することができる。
【0006】
この整列用部材は、少なくとも搬送中のワークと接触する部分が可撓性を有することから、ワークが接触した場合には撓んでその衝撃を抑えることができる。また、この整列用部材は、可撓性と共に適度な反発力を有することから、その可撓性によってワークが接触したときの衝撃力を緩衝できると共に適度な反発力によってずれたワークを所定の位置に修正することができる。
これによって、冷凍コロッケなどのように脆弱で壊れやすいワークであってもこれを傷めることなく確実かつ容易に整列できる。
【0007】
また、第2の発明は、
第1の発明において、前記整列用部材の反発力を調節する反発力調節手段を設けたことを特徴とするワーク整列装置である。
これによって、ワークの性質や大きさ、数などに応じて整列用部材の反発力と可撓性を最適に調節できるため、脆弱で壊れやすいワークであってもこれを傷めることなく確実かつ容易に整列できる。
また、第3の発明によれば、
第2の発明において、 前記整列用部材は、上端が固定されると共に下端が前記コンベヤ表面に臨むように位置する可撓性のチューブ体からなり、前記反発力調節手段は、前記チューブ体の上端を支持する支持ナットと、当該支持ナットに螺合してその先端が前記チューブ体内に挿入される反発力調節ボルトとを有することを特徴とするワーク整列装置である。
このような構成によれば、可撓性のチューブ体に対する反発力調節ボルトのねじ込み量を変化させるだけでその整列用部材の反発力および緩衝性能を簡単に調節できる。
【0008】
また、第4の発明は、
第2の発明において、前記整列用部材は、上端が固定されると共に下端が前記コンベヤ表面に臨むように位置する可撓性のチューブ体からなり、前記反発力調節手段は、前記チューブ体内にその上部から挿入される反発力調節シャフトと、当該反発力調節シャフトの挿入量を調整可能に支持する支持機構とを有することを特徴とするワーク整列装置である。
このような構成によれば、可撓性のチューブ体に対する反発力調節シャフトの挿入量を変化させるだけでその整列用部材の反発力および緩衝性能を簡単に調節できる。
また、第5の発明は、
第3または4の発明において、前記可撓性のチューブ体がコイルバネまたはゴムチューブであることを特徴とするワーク整列装置である。
これによって、適度な可撓性と反発力を同時に発揮できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷凍コロッケなどのように脆弱で壊れやすいワークであってもこれを傷めることなく確実かつ容易に整列できる。
また、ワークの性質や大きさ、数などに応じて整列用部材の反発力および緩衝性能を最適に調節できるため、様々な性質のワークを処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るワーク整列装置100の実施の一形態を示す側面図である。
【図2】本発明に係るワーク整列装置100の実施の一形態を示す平面図である。
【図3】本発明に係るワーク整列装置100のワーク整列部30の第1実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明に係るワーク整列装置100のワーク整列部30の第1実施形態を示す側面図である。
【図5】搬送途中のワークWとワーク整列部30との位置関係を示す模式図である。
【図6】搬送途中のワークWとワーク整列部30との位置関係を示す模式図である。
【図7】搬送途中のワークWとワーク整列部30との位置関係を示す模式図である。
【図8】搬送途中のワークWとワーク整列部30との位置関係を示す模式図である。
【図9】搬送途中のワークWと整列ガイド20との位置関係(矩形状のワークWによってゲートの入口でブリッジ現象が発生した状態)を示す模式図である。
【図10】搬送途中のワークWと整列ガイド20との位置関係(円形状のワークWによってゲートの入口でブリッジ現象が発生した状態)を示す模式図である。
【図11】搬送途中のワークWと整列ガイド20との位置関係(ブリッジ現象によって詰まりが成長した状態)を示す模式図である。
【図12】本発明に係るワーク整列装置100の他の実施形態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るワーク整列装置100の他の実施形態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係るワーク整列装置100の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
(構成)
図1は本発明に係るワーク整列装置100の実施の一形態を示す側面図、図2はその平面図である。
図示するようにこのワーク整列装置100は、搬送コンベヤ10と、整列ガイド20と、ワーク整列部30とから主に構成されている。
搬送コンベヤ10は、上流側に位置する第1コンベヤ11と、この第1コンベヤ11の搬出端(下流)側に位置する第2コンベヤ12とから構成されている。
【0012】
これら第1コンベヤ11および第2コンベヤ12は、それぞれほぼ同じ高さに位置する駆動プーリー13、13と、従動プーリー14(他方は図示せず)との間に、無端状のコンベヤベルト15、15を架け渡すと共に、この駆動プーリー13、13をそれぞれコンベヤ用駆動モータ16、16によって駆動する構造となっている。
そして、このコンベヤ用駆動モータ16、16によってそれぞれの駆動プーリー13,13を駆動することで第1コンベヤ11の搬入端から供給された複数のワークWを略水平に搬送し、その搬出端から第2コンベヤ12に移送する。なお、本実施の形態に示すワークWは、冷凍コロッケなどの脆弱な冷凍食品などであり、図3に示すように所定の高さ(厚さ)Hを有する円板形状となっている。
【0013】
整列ガイド20は、搬送コンベヤ10の両端に位置する一対の仕切り板21,21間に、図示しないフレームによってそれぞれ平行に位置する4つの間仕切り板22,22,22,22を支持した構造となっており、この一対の仕切り板21,21と4つの間仕切り板22,22,22,22とによって5つゲートGがそれぞれ等間隔かつ平行に形成されている。
そして、第1コンベヤ11から第2コンベヤ12に搬送される複数のワークWを各ゲートGにそれぞれ1つずつ振り分けて縦横に整列する。なお、この整列ガイド20は、図示しない支持機構によって第1コンベヤ11および第2コンベヤ12とは接触しない状態(浮いた状態)に設置されている。また、図3に示すようにこの整列ガイド20の各ゲートGの幅bは、ワークWがスムーズに通過でき、かつワークWが通過する際に互いに略直線状に配列するように、ワークWの直径aに対して約5〜10%程度大きくなっている。
【0014】
また、図1および図2に示すように、この整列ガイド20の出口部には、第1コンベヤ11と連動するシャッター40が開閉自在に設置されている。そして、このシャッター40を閉じてその出口部を塞ぐことでその各ゲート内で整列された複数のワークWを滞留させた後、そのワークWの滞留数が所定量に達したときに第1コンベヤ11を一時停止すると共にこのシャッター40を開くことで、その整列ガイド20に溜まった複数のワークWをひとまとまりのブロックとして切り出すことができる。
【0015】
次に、ワーク整列部30は、図3および図4に示すように、整列ガイド20の各ゲートの境界、すなわち4つの間仕切り板22,22,22,22の各上流側延長線L1、L2、L3、L4上に沿ってそれぞれ位置する4つの支持アーム31,31,31,31と、これら各支持アーム31,31,31,31の両端(前後端)にそれぞれ設けられた一対の整列用部材32,32とから構成されている。
ここで、この4つの支持アーム31,31,31,31は、第1コンベヤ10の上面を横断するように位置する支持梁36によってその位置に支持固定されている。
【0016】
そして、図示するようにこれら4つの支持アーム31,31,31,31は、それぞれ搬出方向前後に交互にずれた状態で配置されている。従って、これら各支持アーム31,31,31,31に設けられた一対の整列用部材32,32も隣接する整列用部材32,32に対して千鳥状に配置された位置関係となっている。
また、整列ガイド20の仕切り板21,21の各上流側延長線上には、搬送コンベヤ10からのワークWの脱落を防ぐガード板23,23がその第1コンベヤ10の長手方向に沿って設けられている。なお、図3に示すように、これら各支持アーム31,31,31,31の間隔および支持アーム31とガード板23との間隔はそれぞれ同じ間隔cとなっており、また、この間隔cは、前記整列ガイド20の各ゲートの幅bとほぼ同じになっている。また、幅方向に隣接する整列用部材32,32間の距離d、eは、前記間隔cの約2倍程度であって充分に大きな間隔となっている。
【0017】
この整列用部材32は、図4に示すように、支持アーム31の端部より垂直下方に延びる可撓性のチューブ体33と、このチューブ体33と同軸上に連通するようにその支持アーム31の端部に固定された支持ナット34aと、この支持ナット34aに螺合してその先端が前記チューブ体33内に挿入されるように位置する反発力調節ボルト35とから主に構成されている。
また、この可撓性のチューブ体33は、このチューブ体33の軸方向と垂直な全方向に均等な反発力を備えていることが好ましく、具体的には金属製のコイルバネやゴムチューブなどから構成されており、そのチューブ体33の上端が支持アーム31の端部に固定され、その下端が搬送コンベヤ10のコンベヤベルト15側に延び、これとは非接触状態に位置している。なお、図4に示すように、このチューブ体33の下端とコンベヤベルト15との隙間Sは、そのままワークWがその隙間Sを通過してしまわないように例えば、最大でもワークWの高さ(厚さ)Hの半分以下の大きさとなっている。
一方、支持ナット34aの上部には、同じく反発力調節ボルト35と螺合するロックナット34bが設けられており、これを支持ナット34a側に締め付けることで調整後の反発力調節ボルト35の緩みやガタツキを防止している。
【0018】
(作用)
次に、このような構成をしたワーク整列装置100の作用および効果を説明する。
先ず、図1および図2に示すように搬送コンベヤ10の搬入端側にランダムに供給された複数のワークWは、その状態のままコンベヤベルト15の流れに伴ってその下流側に搬送される。
そして、ワーク整列部30に達すると、このワーク整列部30の整列用部材32に接触してその位置が適宜修正された後、整列ガイド20側に搬送され、そのまま各ゲート内に入るように搬送される。
その後、図の例では、この整列ガイド20の出口部がシャッター40によって塞がれているため、各ゲート内に入ったワークWはその先頭部分からその位置でしばらく滞留する。この滞留数がその搬送方向に所定数、例えば6個溜まったならば第1コンベヤ11を停止してシャッター40を開くことで図示するように複数のワークWをひとまとまりのブロックとして整列状態で切り出すことができる。
【0019】
そして、本発明のワーク整列装置100にあっては、この整列ガイド20の上流側に前述したような構造をしたワーク整列部30を設けたため、搬送コンベヤ10にランダムに供給されたワークWの位置ずれを容易に修正することができる。
すなわち、例えば図9〜図11に示すように、このワーク整列部30が無いと上流側から搬送されたワークWの一部がそのまま各ゲートGの間仕切り板22,22,22,22の先端に引っかかる場合がある。このとき、各ワークWが単独で引っかかった場合には、そのコンベヤベルト15の流れによってその位置が修正され、やがて自然に各ゲートに流れ込む可能性が高いが、その搬送密度が高くなってくると図9や図10に示すようにその位置が修正される前に隣接するワークWと干渉し合い、やがてそのゲートGの入口でブリッジ現象を起こして完全にそのゲートGを塞いでしまう。
【0020】
このようなブリッジ現象は、矩形状のような角張ったワークWほど頻繁に発生するが、図10に示すように角が全くない円形のワークWでも発生し得る。そして、このようなブリッジ現象が発生すると、図11に示すように徐々にその詰まりが増大し、そのゲートGのみならず、やがて全体のゲートGが塞がってしまう結果となる。
これに対し、本発明では図3に示すように各ゲートGの間仕切り板22,22,22,22の各上流側延長線L1、L2、L3、L4上に沿ってそれぞれ支持アーム31,31,31,31を設け、これら各支持アーム31,31,31,31の両端(前後端)にそれぞれ一対ずつ整列用部材32,32を取り付けたことから、この各上流側延長線L1、L2、L3、L4上を搬送してきたワークWは、ゲートGに達する前にこれらの整列用部材32に接触することによってその位置が各上流側延長線L1、L2、L3、L4間になるように修正される。
【0021】
これによって、このワーク整列部30を通過したワークWは、各ゲートGの間仕切り板22,22,22,22の先端に衝突したりすることなく、そのままスムーズに各ゲートG内に流れ込むように搬送される。
この結果、前述したように搬送中のワークWが各ゲートGの間仕切り板22,22,22,22の先端に滞留してブリッジ現象を起こしたりすることがなく、スムーズな搬送、および整列処理を実施することができる。
【0022】
また、この整列用部材32は、搬送中のワークWと接触する部分がコイルバネやゴムチューブのような可撓性のチューブ体33からなっているため、図4に示すようにワークWと接触した際にはその部分が撓んでその衝撃を抑えることができる。
これによって、冷凍コロッケのような脆弱で壊れやすいワークWを傷めてその品質を損なうようなことも回避できる。
また、この可撓性のチューブ体33は可撓性と共に適度な反発力を有するため、その反発力によってずれたワークを所定の位置に的確に修正することができる。これによって、ワークWの位置ずれを確実に修正することができる。
【0023】
また、前述したようにこの整列用部材32は、チューブ体33の上端にこれと同軸上に位置する支持ナット34aと、この支持ナット34aに螺合してその先端がチューブ体33内に挿入される反発力調節ボルト35とからなる反発力調節機能(手段)を備えていることから、ワークWの性質(脆弱性など)や大きさ、数などに応じて整列用部材の反発力を最適に調節できる。
例えば、図4の左側に示すように、支持ナット34aに対して反発力調節ボルト35をねじ込んでその先端をチューブ体33の底部付近まで位置させると、そのチューブ体33の可動範囲が狭くなるため、接触時の衝撃力を抑える効果は小さくなるが、その分大きな反発力を発揮できる。
【0024】
一方、図4の右側に示すように、反発力調節ボルト35を反対方向に回してその先端をチューブ体33内から抜き出すように上昇させると、そのチューブ体33の可動範囲が大きくなるため、反発力は小さくなるが、その分接触時の衝撃力を抑える効果を大きくすることができる。
従って、この反発力調節ボルト35のねじ込み量を調節することによって、ワークWの性質に応じた最適な反発力および接触時の緩衝性能を得ることができる。また、このような反発力調整後はロックナット34bを支持ナット34a側に締め付けることで調整後の反発力調節ボルト35のガタツキや緩みを防止できる。
【0025】
また、本実施の形態では、整列用部材32に適度な可撓性および反発力をもたせると共に各整列用部材32を所定の間隔を隔てて千鳥状に配置することにより、大量のワークWが通過してきた場合であっても、この整列ガイド20でのワークWの滞留やブリッジ現象の発生を未然に回避することができる。
すなわち、図8は整列用部材32、32を金属製のピンなどのように剛体で形成すると共に、互いに同じ搬送位置に隣接させて配置させた場合を示したものである。
このような場合では、その整列用部材32、32の間隔がワークWの大きさ(直径)に対して充分大きい場合であっても、図示するように他のワークWと位置関係によっては、その間でブリッジ現象を起こしてしまうことがある。
【0026】
これに対し、図5〜図7に示すようにいずれか一方あるいは両方の整列用部材32、32に可撓性をもたせることによって整列用部材32の位置がずれる(変位)ようになるためブリッジ現象の発生を回避できると共に、仮にブリッジ現象が発生しても整列用部材32が撓んでその位置がずれることによってこれが徐々に解消されることになる。
なお、本実施の形態では、円形状のワークWの例で説明したが、矩形状のワークや春巻きのように棒状のワークであっても同様な作用・効果を発揮することができる。
また、本実施の形態では、1つの支持アーム31に対してその両端に1つずつ整列用部材32、32を設けた例で説明したが、この整列用部材32の取り付け位置やその数は本実施の形態に限定されるものでなく、適宜変化及び増減させても良い。
【0027】
(他の実施の形態)
次に、図12〜図14は、本発明に係るワーク整列装置100のうち、ワーク整列部30を構成する整列用部材32の他の実施の形態を示したものである。
先ず、図12に示す整列用部材32は、前述した反発力調整ボルト35に代えて、表面が滑らかな反発力調節シャフト37を用いると共に、これを支持アーム31の端部に固定されたクランプ38によって支持したものである。
そして、このクランプ38のネジ38aを緩めることで可撓性のチューブ体33に対する反発力調節シャフト37の挿入量を容易に調整することができると共に、そのネジ38aを締め付けることで調整後の反発力調節シャフト37を強固に支持する構成となっている。
【0028】
このような構成によっても前記実施の形態と同様に、可撓性のチューブ体33に対する反発力調節シャフト37の挿入量を変化させるだけでその整列用部材32の反発力および緩衝性能を簡単に調節できる。なお、反発力調節シャフト37の上端に設けられた突起37aは、この反発力調節シャフト37の脱落を防止するためのストッパである。
また、図13に示す整列用部材32は、前述した反発力調節シャフト37の先端部分、より詳しくはワークWと接する可撓性のチューブ体33内に位置する部分37bを、コイルバネやゴムチューブなどからなる第2の可撓性チューブ37bで構成したものである。
これによって、反発力調節シャフト37自体にも適度な可撓性と反発力を付与することができるため、よりきめ細やかな可撓性と反発力の調整を行うことが可能となる。なお、この構成は、反発力調節ボルト35を用いた構成にもそのまま適用可能であることは勿論である。
【0029】
また、図14に示す整列用部材32は、支持アーム31の端部にクランプ38を介してシャフト状の圧力調整バルブ39を垂直に支持すると共に、その圧力調整バルブ39の下端のガス吐出口に風船状をしたゴムチューブ39aを取り付けたものである。
そして、このバルブ39に図示しない高圧ガスラインを接続し、この高圧ガスラインからこの圧力調整バルブ39を介してゴムチューブ39a内に所定圧の高圧ガスを供給するように構成したものである。
【0030】
このような構成によれば、圧力調整バルブ39によってゴムチューブ39a内のガス圧を調整するだけでその整列用部材32の反発力および緩衝性能を簡単に調節できる。なお、この場合のゴムチューブ39aはその先端が閉じているだけでなく、高圧ガスを供給したときにいたずらに膨張して大きく変形しないように適度な耐圧性を有するもの、例えばタイヤチューブのような適度な肉厚のものを用いることが望ましい。
なお、前記整列用部材32の反発力の調整機構としては、前記実施の形態で示した構成に限られず、例えば磁気回路を利用することができる。この場合、磁気回路はワークWに対し発揮される反発力の一部を受け持つので、ワークWに対し、適切な回路が求められた場合には、調整の機構は省略することもできる。
【符号の説明】
【0031】
100…ワーク整列装置
10…搬送コンベヤ
11…第1プーリー
12…第2コンベヤ
15…コンベヤベルト
20…整列ガイド
21…仕切り板
22…間仕切り板(各ゲートの境界)
23…ガード板
30…ワーク整列部
31…支持アーム
32…整列用部材
33…チューブ体
34a…支持ナット(反発力調節手段)
34b…ロックナット
35…反発力調節ボルト(反発力調節手段)
36…支持梁
37…反発力調節シャフト
37b…第2の可撓性チューブ体
38…クランプ
39…圧力調整バルブ
39a…ゴムチューブ
40…シャッター
G…ゲート
L1〜L4…各ゲートの境界の上流側延長線
W…ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤによって略水平搬送される複数のワークをその下流側に位置する複数のゲートに沿って整列させるワーク整列装置であって、
前記各ゲートの各境界の上流側延長線上に、前記搬送中のワークと接触する整列用部材をそれぞれ少なくとも1つ以上配置すると共に、
当該整列用部材は、少なくとも前記搬送中のワークと接触する部分が可撓性と共に所定の反発力を有することを特徴とするワーク整列装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク整列装置において、
前記整列用部材の反発力を調節する反発力調節手段を設けたことを特徴とするワーク整列装置。
【請求項3】
請求項2に記載のワーク整列装置において、
前記整列用部材は、上端が固定されると共に下端が前記コンベヤ表面に臨むように位置する可撓性のチューブ体からなり、
前記反発力調節手段は、前記チューブ体の上端を支持する支持ナットと、当該支持ナットに螺合してその先端が前記チューブ体内に挿入される反発力調節ボルトとを有することを特徴とするワーク整列装置。
【請求項4】
請求項2に記載のワーク整列装置において、
前記整列用部材は、上端が固定されると共に下端が前記コンベヤ表面に臨むように位置する可撓性のチューブ体からなり、
前記反発力調節手段は、前記チューブ体内にその上部から挿入される反発力調整シャフトと、当該反発力調整シャフトの挿入量を調整可能に支持する支持機構とを有することを特徴とするワーク整列装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のワーク整列装置において、
前記可撓性のチューブ体がコイルバネまたはゴムチューブであることを特徴とするワーク整列装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−235285(P2010−235285A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86793(P2009−86793)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(505126610)株式会社ニチレイフーズ (71)
【Fターム(参考)】