説明

ワーク移載装置

【課題】高さが変動する段積み状態のワークを順次吸着し移載することができる設定調整が簡単で、安価なワーク移載装置を提供する。
【解決手段】ワーク12を落下載置させるワーク移載装置10であって、吸着ヘッド下降当接停止機構18と、吸着ヘッド下降近接部停止機構19を有し、前記機構は、緩衝器20、支持板21、透過型センサを備え、これによる検知による信号で、エアシリンダ16の電磁弁23のソレノイドへの通電を止めるような機構からなると共に、後記機構は、エアシリンダ15に上昇端スイッチ24と、下降端スイッチ25を備え、この通電による停止と同時に吸引を解除する機構からなり、前記機構の作動中は、上昇端スイッチ24を起動させ下降端スイッチ25を停止し、後記機構の作動中は、上昇端及び下降端スイッチ24、25の通電を起動させワーク12を吸着すると共に、可動する所定位置に載置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内に組み込んで様々な電子装置として機能させる半導体素子等を搭載させるための焼成済のセラミック配線基板や、セラミック基板に銅板を貼り合わせたDCB(ダイレクト・カッパー・ボンド)基板等の様々なワークを作製するために用いられるワーク移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、セラミック配線基板や、セラミック基板に銅板を貼り合わせたDCB基板等のようなワークは、様々な部材を用いて作製する作製工程が複雑で工程中に様々な製造ライン間の移載が必要となっている。また、それぞれの製造ラインにおける作製のためにかかる時間は、工程毎で異なるためそれぞれの時間に合わせたラインへの移載が必要となり、様々な制御システムが必要となっている。更には、このセラミック配線基板や、DCB基板等のワークの移載は、ワークの形態がセラミックグリーンシートを焼成した焼成済の基板を基本としているので、基板に反り等が発生することとなり、段積みにされたそれぞれの基板を正確に認識しての移載が必要となっている。そして、このセラミック配線基板や、DCB基板等のワークの移載では、段積みにされた基板を、ベルトコンベアのような動くテーブル上に複数枚が重ならないように一枚毎移載させることが必要な工程を有している。
【0003】
図5(A)、(B)を参照しながら、上記のような背景における従来のワーク移載装置を説明する。ここで、図5(A)は、従来のワーク移載装置の正面図と側面図であり、図5(B)は、従来のワーク移載装置のワークの移載状態の説明図である。
図5(A)、(B)に示すように、従来のワーク移載装置50は、移載を開始させる位置に段積みにされたワーク51を供給するまでのワーク供給ユニット52と、供給されたワーク51のそれぞれを移載先に搬送して載置するまでのワーク移載ユニット53とで構成されている。上記のワーク供給ユニット52は、段積みにされたワーク51を所定位置に送り出すためのコンベヤ54と、送り出されてきた段積みにされたワーク51を収納するためのコ字状に3方を囲うようにしたワーク供給部55と、ワーク供給部55に段積み状にセットされたワーク51を下方から上方に持ち上げるためのリフター56と、ワーク供給部55の上方の所定の位置にリフター56で持ち上げられてくる段積みにされた最上段の位置にあるワーク51の存在を認識するための上昇端センサ57とを有し、段積みにされたワーク51の最上段の位置にあるワーク51を上昇端センサ57で決められた所定の位置に順次持ち上げるようにしている。また、上記のワーク移載ユニット53は、ワーク供給部55に設ける上昇端センサ57で認識された所定の位置で停止している最上段のワーク51を上方から所定位置まで下降させて吸着把持するためのワーク吸着部58と、ワーク吸着部58を上昇、又は下降させると共に、移載先まで水平方向に延設させるシャフト59を介して横方向にスライドさせるための駆動部60とを有し、段積みにされた最上段の位置にあるワーク51を順次移載先の駆動中のベルトコンベヤ61上にワーク51同士が重ならないようにして、順次載置するようにしている。
【0004】
しかしながら、上記のような従来のワーク移載装置は、ワーク移載ユニットのリフターと、上昇端センサを用い、リフターで上昇させ、上昇端センサで位置決めされた位置のワークを、ワーク移載ユニットのワーク吸着部で吸着して移載する機構であり、移載にリフターを用いているので、装置が複雑となり、しかも装置自体が高価となり、製品のコストアップとなっている。また、上記のような従来のワーク移載装置では、セラミック配線基板や、DCB基板等のようなワークに反りがあり、段積み状にセットされた上方側のワークに行くにつれて反りの程度が倍加され平行度がわるくなって、上昇端センサでの検知ができない場合が発生している。更に、上記のような従来のワーク移載装置では、ワークを上昇端センサで検知できたとしても、ワーク自体が反りによって平行度がわるく、下降の距離を予め設定しているワーク吸着部の吸着パッドと、ワーク上面との間に当接漏れの部分が発生し、そこから空気が漏れてワークの吸着ができない場合が発生している。
【0005】
そこで、ワーク移載装置には、部品移載装置という発明の名称のもとに、吸着ノズルを有しかつ吸着ノズルを昇降させる吸着ヘッドと、複数の吸着ヘッドを支持するヘッドユニットと、ヘッドユニットを部品供給部の上方から部品載置部の上方に移動させる移動装置とを備えた部品移載装置において、吸着ノズルは、筒状に形成され吸着ヘッドの下端部に取り付けられる本体と、電子部品と接触する吸着面を有し、本体の中空部内に昇降自在かつ上下方向の軸線回りの回動が規制された状態で挿入された吸着部材と、この吸着部材の下降方向における最下端の位置を規制する下端位置規制手段と、吸着部材を下方と回転方向とに付勢するコイルばねとを備えた電子部品吸着ノズルにおいて、吸着部材にコイルばねの下端部を支承する受け部を設け、コイルばねを本体を巻回するように受け部と本体との間に弾装した電子部品吸着ノズルで構成されているのが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案によれば、部品移載装置は、電子部品の高さが所定の高さより高くなったとしても、衝撃を確実に緩和することができる電子部品吸着ノズルで電子部品を吸着して移載させることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−310548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したような従来のワーク移載装置は、次のような問題がある。
(1)特開2006−310548号公報で開示されるようなワーク移載装置は、略所定の高さ位置に置かれたワークを上方からワークに衝撃を与えることなく吸着するものであり、段積み状態のワークを最上段から吸着させて移載し、段積み状態の吸着されるワークの位置が順次下がっていくような場合には、いずれワークを吸着できなくなる位置が発生することとなり、このワーク移載装置での移載ができなくなる。
(2)また、特開2006−310548号公報で開示されるようなワーク移載装置は、リフターを用いて、ワークが吸着される位置を順次変化させる場合には、装置が複雑化し、装置の設定調整が難しくなる上に、装置自体が高価となって、この装置を用いた製品のコストアップを引き起こすこととなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高さが変動する段積み状態のワークを上方から下降して最上段のワークから順次吸着し移載することができる設定調整が簡単で、安価なワーク移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係るワーク移載装置は、間歇的に可動する第1のコンベヤ上に複数枚を重ね合わせ段積み状態にして載置するワークを所定位置に移動させ、複数枚の上方側から一枚毎吸着し、吸着した状態で上方に上昇させた後、水平方向に設けられるガイド棒を介して横方向にスライドさせる駆動体で水平移動させ、連続的に可動する第2のコンベヤ上の近接部まで下降させて第2のコンベヤ上に落下載置させるのを繰り返して複数枚のワークを順次移載するワーク移載装置であって、ワーク移載装置は、駆動体で縦方向に保持され無段階的に下降するエアシリンダを介して、第1のコンベヤ上に載置するワークに吸着ヘッドが当接して停止しワークを吸着する吸着ヘッド下降当接停止機構と、エアシリンダを介して下降する吸着ヘッドで吸着したワークを第2のコンベヤに当接する前の近接部で停止しワークの吸着を解除する吸着ヘッド下降近接部停止機構を有し、吸着ヘッド下降当接停止機構は、先端に取り付ける吸着ヘッドがワークと当接してワークにかかる衝撃を緩衝させる緩衝器と、緩衝器の中央部を挟持し頂部を上面に突出させて保持しエアシリンダを介して下降又は上昇させる支持板と、支持板上に取り付けられて緩衝器の頂部の動きを検知する透過型センサを備え、吸着ヘッドのワークへの当接での緩衝器の頂部の透過形センサによる検知で出力する信号で、吸着ヘッドの下降や、上昇のためのエアシリンダの動きを制御している電磁弁のソレノイドへの通電を止めるようなプログラムで行われる機構からなると共に、吸着ヘッド下降近接部停止機構は、駆動体で縦方向に保持され先端部で支持板を支持するエアシリンダに、吸着ヘッドの先端が第1のコンベヤ上に段積み状態で載置する最上段のワークより高くなる所定の上昇端位置でエアシリンダが停止できる上昇端スイッチと、第2のコンベヤ上にワークが当接する前の落下させる所定の下降端位置でエアシリンダが停止できる下降端スイッチを備え、下降端スイッチの通電によるエアシリンダの停止と同時に吸着ヘッドの吸引を解除する機構からなり、吸着ヘッド下降当接停止機構の作動中は、上昇端スイッチの通電を起動させた状態で下降端スイッチの通電を停止し、吸着ヘッド下降近接部停止機構の作動中は、上昇端スイッチ及び下降端スイッチの通電を起動させ、段積み状態のそれぞれの高さ位置が異なるワークへの衝撃を緩衝させて吸着すると共に、可動する所定位置にワークを接触させることなく載置する。
【発明の効果】
【0009】
上記のワーク移載装置は、間歇的に可動する第1のコンベヤ上に複数枚を重ね合わせ段積み状態にして載置するワークを所定位置に移動させ、複数枚の上方側から一枚毎吸着し、吸着した状態で上方に上昇させた後、水平方向に設けられるガイド棒を介して横方向にスライドさせる駆動体で水平移動させ、連続的に可動する第2のコンベヤ上の近接部まで下降させて第2のコンベヤ上に落下載置させるのを繰り返して複数枚のワークを順次移載するワーク移載装置であって、ワーク移載装置は、駆動体で縦方向に保持され無段階的に下降するエアシリンダを介して、第1のコンベヤ上に載置するワークに吸着ヘッドが当接して停止しワークを吸着する吸着ヘッド下降当接停止機構と、エアシリンダを介して下降する吸着ヘッドで吸着したワークを第2のコンベヤに当接する前の近接部で停止しワークの吸着を解除する吸着ヘッド下降近接部停止機構を有し、吸着ヘッド下降当接停止機構は、先端に取り付ける吸着ヘッドがワークと当接してワークにかかる衝撃を緩衝させる緩衝器と、緩衝器の中央部を挟持し頂部を上面に突出させて保持しエアシリンダを介して下降又は上昇させる支持板と、支持板上に取り付けられて緩衝器の頂部の動きを検知する透過型センサを備え、吸着ヘッドのワークへの当接での緩衝器の頂部の透過形センサによる検知で出力する信号で、吸着ヘッドの下降や、上昇のためのエアシリンダの動きを制御している電磁弁のソレノイドへの通電を止めるようなプログラムで行われる機構からなると共に、吸着ヘッド下降近接部停止機構は、駆動体で縦方向に保持され先端部で支持板を支持するエアシリンダに、吸着ヘッドの先端が第1のコンベヤ上に段積み状態で載置する最上段のワークより高くなる所定の上昇端位置でエアシリンダが停止できる上昇端スイッチと、第2のコンベヤ上にワークが当接する前の落下させる所定の下降端位置でエアシリンダが停止できる下降端スイッチを備え、下降端スイッチの通電によるエアシリンダの停止と同時に吸着ヘッドの吸引を解除する機構からなり、吸着ヘッド下降当接停止機構の作動中は、上昇端スイッチの通電を起動させた状態で下降端スイッチの通電を停止し、吸着ヘッド下降近接部停止機構の作動中は、上昇端スイッチ及び下降端スイッチの通電を起動させ、段積み状態のそれぞれの高さ位置が異なるワークへの衝撃を緩衝させて吸着すると共に、可動する所定位置にワークを接触させることなく載置するので、第1のコンベア上に載置された段積み状態の高さが順次変化していく最上段のワークを3位置オートポートブロックのダブルソレノイドで行う電磁弁で衝撃を緩衝させて確実に吸着し、上昇端スイッチで停止する位置まで上昇させた後、水平移動させたそれぞれのワークを下降端スイッチで停止する位置まで下降させ第2のコンベヤ上に当接させる前に落下させて吸着時の高さと異なる高さであっても載置させることができ、設定調整が簡単で、安価なワーク移載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)〜(C)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るワーク移載装置の作動状況の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同ワーク移載装置の吸着ヘッド下降当接停止機構の説明図である。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ同ワーク移載装置の吸着ヘッド下降当接停止機構のダブルソレノイドの電磁弁の説明図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ同ワーク移載装置の吸着ヘッド下降近接部停止機構の説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ従来のワーク移載装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係るワーク移載装置10では、第1のコンベヤ11上に複数枚を重ね合わせて段積み状態として載置するワーク12を第1のコンベヤ11を間歇的に可動させて所定位置に移動させ、所定位置で停止している複数枚のワーク12の上方側からワーク12を一枚毎吸着している。このワーク移載装置10で用いられるワーク12は、ワーク12の形態がセラミック配線基板や、セラミック基板に銅板を貼り合わせたDCB基板等のようなセラミックグリーンシートを焼成した焼成済の大型の四角形平板状の基板を基本としている。
【0012】
そして、図1(B)に示すように、ワーク移載装置10では、ワーク12を吸着した状態で上方に上昇させた後、水平方向に設けられたガイド棒13を介して横方向にスライドさせる駆動体14で水平移動させている。
【0013】
更に、図1(C)に示すように、ワーク移載装置10では、連続的に可動する第2のコンベヤ15に当接しない近接部にワーク12を吸着した状態で下降させてそこから落下させるようにして載置させている。そして、ワーク移載装置10では、この作動を繰り返すことで、複数枚のワーク12を連続的に可動する第2のコンベヤ15上に平面的に1枚づつ順次並べるようにして移載させている。
【0014】
上記のワーク移載装置10は、駆動体14で縦方向に保持され無段階的に下降するエアシリンダ16を介して、第1のコンベヤ11上に載置する最上段のワーク12に吸着ヘッド17が当接して停止すると共に、最上段のワーク12を吸着する吸着ヘッド下降当接停止機構18を有している(図1(A)参照)。また、上記のワーク移載装置10は、上記のエアシリンダ16を介して下降する吸着ヘッド17で吸着したワーク12を第2のコンベヤ15に当接する前の近接部で停止し、ワーク12の吸着ヘッド17での吸着を解除する吸着ヘッド下降近接部停止機構19を有している(図1(C)参照)。なお、上記のワーク移載装置10は、吸着ヘッド下降当接停止機構18が第1のコンベヤ11の上方で作動し、吸着ヘッド下降近接部停止機構19が第2のコンベヤ11の上方で作動するので、それぞれの機構の作動時には、通常、水平方向に2本を平行して延設させたガイド棒13を介して横方向にスライドさせる駆動体14で水平移動させるようになっている(図1(B)参照)。
【0015】
図2(A)に示すように、上記の吸着ヘッド下降当接停止機構18は、先端に取り付ける吸着ヘッド17がワーク12と当接してワーク12にかかる衝撃を緩衝させる緩衝器20を備えている。この緩衝器20は、その構造を限定するものではないが、通常、吸着ヘッド17の支持棒をバネ状体で支えるような構造をしており、上記の衝撃をバネ状体で緩衝できるようにしている。また、吸着ヘッド下降当接停止機構18は、上記の緩衝器20の長さ方向の中央部を挟持し、緩衝器20の頂部を上面に突出させて保持する四角形状の支持板21を備えている。そして、この支持板21には、上記のエアシリンダ16がシリンダロッドの先端を支持板21に固定し、本体を駆動体14に垂直に挿通させるようにして嵌合させて連結され、駆動体14を基点とするエアシリンダ16を介して支持板21を下降、又は上昇をさせることができるようになっている。更に、吸着ヘッド下降当接停止機構18は、支持板21上に取り付けられて、吸着ヘッド17のワーク12への当接によって上方に突出してくる緩衝器20の頂部の動きを検知する透過形センサ22を備えている。この透過形センサ22は、緩衝器20の頂部の動きを検知できる所定の高さの位置に発信部と受信部が対向するようにして設けられている。そして、図2(B)に示すように、この吸着ヘッド下降当接停止機構18は、吸着ヘッド17のワーク12への当接による緩衝器20の頂部の透過形センサ22による検知で信号を出力すると、吸着ヘッド17の下降や、上昇のためのエアシリンダ16の動きを制御している電磁弁23(図3参照)のソレノイドへの通電を止めるようなプログラムで行われている。
【0016】
ここで、図3(A)〜(C)を参照しながら、上記の吸着ヘッド下降当接停止機構18で使用されるエアシリンダ16の電磁弁23を説明する。この吸着ヘッド下降当接停止機構18では、電磁弁23に3位置オートポートブロックのダブルソレノイドからなるものが使われている。図3(A)に示すように、このダブルソレノイドの電磁弁23は、3位置オールポートブロックのため両方のソレノイドを非通電にすると、ソレノイドがスプリングにより中間位置のブロックタイプとなり、P、A、B、R、Rの通路を閉じることとなる。これによって、エアシリンダ16は、シリンダロッドのストローク途中の状態で簡易的に停止させることができ、中間停止の状態とすることができるようになっている。また、図3(B)、(C)に示すように、ダブルソレノイドの電磁弁23は、3位置の両方のソレノイドのいずれか一方を通電状態とし、他方を非通電にすると、両方のソレノイドのいずれか一方のブロックタイプとなり、エアシリンダ16を下降させたり、上昇させたりすることができるようになっている。
【0017】
この吸着ヘッド下降当接停止機構18と共に、図4(A)に示すように、上記の吸着ヘッド下降近接部停止機構19は、シリンダロッドの先端を支持板21に固定し、本体を駆動体14に垂直に挿通させるようにして嵌合させて連結されているエアシリンダ16に、第1のコンベヤ11上に段積み状態で載置する最初の最上段のワーク12より高くなる所定の上昇端位置で吸着ヘッド17の先端が停止できる上昇端スイッチ24を備えている。また、図4(B)に示すように、上記の吸着ヘッド下降近接部停止機構19は、エアシリンダ16に、吸着ヘッド17で吸引して運ばれてきたワーク12が第2のコンベヤ15上に当接する前の落下させる所定の下降端位置でワーク12が停止できる下降端スイッチ25を備えている。そして、上記の吸着ヘッド下降近接部停止機構19は、下降端スイッチ25の通電によるエアシリンダ16の停止と同時に吸着ヘッド17の吸引を解除する機構からなっている。
【0018】
上記のワーク移載装置10では、吸着ヘッド下降当接停止機構18の作動中は上記の上昇端スイッチ24の通電を起動させた状態で下降端スイッチ25の通電を停止し、吸着ヘッド下降近接部停止機構19の作動中は上昇端スイッチ24、及び下降端スイッチ25の通電を起動させている。そして、上記のワーク移載装置10では、段積み状態のそれぞれの高さ位置が異なるワーク12への衝撃を緩衝させて吸着すると共に、可動する所定位置にワーク12を接触させることなく載置している。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、段積み状態の高さが異なるワークを上方から1個毎吸引して移動させ、動くコンベヤ上に当接させることなく載置することができるワーク移載装置であって、焼成済のセラミック配線基板や、セラミック基板に銅板を貼り合わせたDCB基板等の製作工程中のワーク移載装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0020】
10:ワーク移載装置、11:第1のコンベヤ、12:ワーク、13:ガイド棒、14:駆動体、15:第2のコンベヤ、16:エアシリンダ、17:吸着ヘッド、18:吸着ヘッド下降当接停止機構、19:吸着ヘッド下降近接部停止機構、20:緩衝器、21:支持板、22:透過型センサ、23:電磁弁、24:上昇端スイッチ、25:下降端スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間歇的に可動する第1のコンベヤ上に複数枚を重ね合わせ段積み状態にして載置するワークを所定位置に移動させ、前記複数枚の上方側から一枚毎吸着し、吸着した状態で上方に上昇させた後、水平方向に設けられるガイド棒を介して横方向にスライドさせる駆動体で水平移動させ、連続的に可動する第2のコンベヤ上の近接部まで下降させて前記第2のコンベヤ上に落下載置させるのを繰り返して前記複数枚の前記ワークを順次移載するワーク移載装置であって、
前記ワーク移載装置は、前記駆動体で縦方向に保持され無段階的に下降するエアシリンダを介して、前記第1のコンベヤ上に載置する前記ワークに吸着ヘッドが当接して停止し前記ワークを吸着する吸着ヘッド下降当接停止機構と、前記エアシリンダを介して下降する前記吸着ヘッドで吸着した前記ワークを前記第2のコンベヤに当接する前の近接部で停止し前記ワークの吸着を解除する吸着ヘッド下降近接部停止機構を有し、
前記吸着ヘッド下降当接停止機構は、先端に取り付ける前記吸着ヘッドが前記ワークと当接して該ワークにかかる衝撃を緩衝させる緩衝器と、該緩衝器の中央部を挟持し頂部を上面に突出させて保持し前記エアシリンダを介して下降又は上昇させる支持板と、該支持板上に取り付けられて前記緩衝器の頂部の動きを検知する透過型センサを備え、前記吸着ヘッドの前記ワークへの当接での前記緩衝器の頂部の前記透過形センサによる検知で出力する信号で、前記吸着ヘッドの下降や、上昇のための前記エアシリンダの動きを制御している電磁弁のソレノイドへの通電を止めるようなプログラムで行われる機構からなると共に、前記吸着ヘッド下降近接部停止機構は、前記駆動体で縦方向に保持され先端部で前記支持板を支持する前記エアシリンダに、前記吸着ヘッドの先端が前記第1のコンベヤ上に段積み状態で載置する最上段の前記ワークより高くなる所定の上昇端位置で前記エアシリンダが停止できる上昇端スイッチと、前記第2のコンベヤ上に前記ワークが当接する前の落下させる所定の下降端位置で前記エアシリンダが停止できる下降端スイッチを備え、該下降端スイッチの通電による前記エアシリンダの停止と同時に前記吸着ヘッドの吸引を解除する機構からなり、前記吸着ヘッド下降当接停止機構の作動中は、前記上昇端スイッチの通電を起動させた状態で前記下降端スイッチの通電を停止し、前記吸着ヘッド下降近接部停止機構の作動中は、前記上昇端スイッチ及び前記下降端スイッチの通電を起動させ、前記段積み状態のそれぞれの高さ位置が異なる前記ワークへの衝撃を緩衝させて吸着すると共に、可動する所定位置に前記ワークを接触させることなく載置することを特徴とするワーク移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103807(P2013−103807A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249216(P2011−249216)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(391039896)日鉄住金エレクトロデバイス株式会社 (276)
【Fターム(参考)】