説明

ワーク起立装置

【課題】構造が簡単であって安価に製造することができるワーク起立装置を提供
【解決手段】コンベヤ1における送出端1aの近傍には回動自在の水平支軸5に支持させたワーク受け台7を配設し、該ワーク受け台は背部9と底部11とよりなり、該水平支軸は該ワーク受け台と対向する側に重り13を備え、該ワーク受け台がワーク3を保持していないときには該ワーク受け台は重りにより上昇位置にてワーク受け取り姿勢を維持し、該コンベヤの送出端から横臥姿勢のワークが送出されたときに該ワークを受け取り、該ワークの重さにより下方に回動して該ワークを別のコンベヤ19上に起立姿勢で放出することを特徴とするワーク起立装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横臥姿勢にあるワークを起立させるためのワーク起立装置に関するものであり、更に詳しくは、例えば、集積包装された複数の缶詰等のワークがコンベヤ上を横臥姿勢で送られる場合、後の箱詰作業に便ならしめるために、該ワークを起立させるようにしたワーク起立装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
特開平10−218369号公報は、ワーク起立装置(以下「従来のワーク起立装置」という。)を開示している。
【0003】
従来のワーク起立装置は、コンベヤラインの延長線上におけるベース上に略L字状のワーク搭載台を軸支し、該ワーク搭載台をシリンダにより横臥姿勢と起立姿勢との間で90度回動させるようにしてなるものである。
【特許文献1】特開平10−218369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のワーク起立装置は、略L字状のワーク搭載台をシリンダにより横臥姿勢と起立姿勢との間で90度回動させるようにしているため、構造が複雑であり、製造コストの上昇を免れない。また、ワーク搭載台を起立姿勢まで90度回動させてワークを起立させたとき、該ワークは依然としてワーク搭載台上に載った状態にあるため、更に該ワークをワーク搭載台から掬い上げる手段が必要となり、一層構造が複雑になり、コスト高となる。
【0005】
本発明は、上記従来のワーク起立装置における上述の如き問題を解決し、構造が簡単であって安価に製造することができるワーク起立装置を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は下記のワーク起立装置を提供する。
【0007】
(1)コンベヤにおける送出端の近傍には回動自在の水平支軸に支持させたワーク受け台を配設し、該ワーク受け台は背部と底部とよりなり、該水平支軸は該ワーク受け台と対向する側に重りを備え、該ワーク受け台がワークを保持していないときには該ワーク受け台は重りにより上昇位置にてワーク受け取り姿勢を維持し、該コンベヤの送出端から横臥姿勢のワークが送出されたときに該ワークを受け取り、該ワークの重さにより下方に回動して該ワークを別のコンベヤ上に起立姿勢で放出することを特徴とするワーク起立装置(請求項1)。
【0008】
(2)前記ワーク受け台の背部は、断面略V字状をなす(請求項2)。
【発明の効果】
【0009】
[請求項1の発明]
ワーク受け台は、ワークを保持していないときには重りにより上昇位置にてワーク受け取り姿勢を維持し、コンベヤの送出端から横臥姿勢のワークが送出されたときに該ワークを受け取り、該ワークの重さにより下方に回動して該ワークを別のコンベヤ上に起立姿勢で放出し、しかる後、再び重りにより上方に回動して上昇位置にてワーク受け取り姿勢を取るようにしたため、該ワーク受け台はエアシリンダ等の駆動手段を全く必要としない。
【0010】
更に、ワーク受け台は、コンベヤからワークを受け取ったときには、該ワークの重さにより下方に回動して該ワークを別のコンベヤ上に起立姿勢で放出するものであり、該ワーク受け台からワークを掬い取るための手段を全く必要としない。
【0011】
したがって、請求項1の発明によるワーク起立装置は、構造が簡単であって、安価に製造することができる。
【0012】
[請求項2の発明]
ワーク受け台の背部は、断面略V字状をなすため、ワークの直径の如何にかかわらず、ワークを転動させることなく確実に保持する。従って、ワークは、所定の方向を向いた起立姿勢を維持した状態で別のコンベヤにおける所定の位置に確実に放出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
符号1に示すものはコンベヤである。符号3に示すものは該コンベヤ1上を送られるワークである。ワーク1は、該コンベヤ1上にあるときには、横臥姿勢を取っている。
【0014】
ワーク3は、一例として、積み重ねた状態で集積包装された複数の缶詰等である。
【0015】
コンベヤ1における送出端1aの近傍には、回動自在の水平支軸5に支持させたワーク受け台7を配設する。ワーク受け台7は、水平支軸5と一体的に回動する。
【0016】
ワーク受け台7は、背部9と底部11とよりなる。
【0017】
図1〜図4に示す事例においては、ワーク受け台7の背部9は、断面略V字状をなしている。
【0018】
図5に示す事例においては、ワーク受け台7の背部9は、中央部9aの両縁部9bを該中央部9aより鈍角状に折曲してなる。
【0019】
ワーク受け台7の底部11は、ワーク3の底面3aを支承するものであるが、ワーク3における底面3aの一部を支承するものであれば足りる。
【0020】
水平支軸5は、ワーク受け台7と対向する側に重り13を備えている。重り13は、水平支軸5と一体的に回動する。
【0021】
符号15に示すものは、水平支軸5の軸受である。
【0022】
符号17に示すものは、重り13の下方への回動を規制するストッパである。ストッパ17は、重り13の下方への回動を規制することにより、ワーク受け台7の上方への回動を規制する。
【0023】
ワーク受け台7がワーク3を保持していないときには該ワーク受け台7は重り13により上昇位置にてワーク受け取り姿勢を維持し、コンベヤ1の送出端1aから横臥姿勢のワーク3が送出されたときに該ワーク3を受け取り、該ワーク3の重さにより下方に回動して該ワーク3を別のコンベヤ19上に起立姿勢で放出する。
【0024】
ワーク受け台7がワーク3を別のコンベヤ19上に起立姿勢で放出して空になったときには、該ワーク受け台7は重り13により上方に回動し、再び上昇位置にてワーク受け取り姿勢を取る。
【0025】
以後同様にして、横臥姿勢にあるワーク3を起立させる作業が駆動手段なしで自動的に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるワーク起立装置の一例を示す側面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】ワーク受け台の一例を示す斜視図である。
【図4】同上ワーク受け台の平面図である。
【図5】ワーク受け台の別の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 コンベヤ
1a 送出端
3 ワーク
3a 底面
5 水平支軸
7 ワーク受け台
9 背部
9a 中央部
9b 縁部
11 底部
13 重り
15 軸受
17 ストッパ
19 別のコンベヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤにおける送出端の近傍には回動自在の水平支軸に支持させたワーク受け台を配設し、該ワーク受け台は背部と底部とよりなり、該水平支軸は該ワーク受け台と対向する側に重りを備え、該ワーク受け台がワークを保持していないときには該ワーク受け台は重りにより上昇位置にてワーク受け取り姿勢を維持し、該コンベヤの送出端から横臥姿勢のワークが送出されたときに該ワークを受け取り、該ワークの重さにより下方に回動して該ワークを別のコンベヤ上に起立姿勢で放出することを特徴とするワーク起立装置。
【請求項2】
前記ワーク受け台の背部は断面略V字状をなすことを特徴とする請求項1に記載のワーク起立装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−222390(P2008−222390A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64615(P2007−64615)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(592209755)金城機工株式会社 (5)
【Fターム(参考)】