一つ又はそれ以上の処理流体を用いた、マイクロエレクトロニクス用加工物に使用されるツール用の移動かつ入れ子化できる、コンパクトなダクトシステム
本発明は、加工物及び/又は加工物用支持部材の外側周辺部の近くに入口を持つバッフル部材又はダクト構造を含むようにされた、加工物をプロセス処理するための装置及びそれに係る方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体及び気体を含む、一つ又はそれ以上の流体を用いて、マイクロエレクトロニクス用の基板をプロセス処理するのに使用されるツールに関する。さらに詳細には、本発明は、当該バッフル部材が開く及び閉じる(若しくは絞る、締める)ように位置決めされ、並びに使用される処理流体を捕集し再利用するための一つ又はそれ以上のダクトの境界を定めるのに役立つ移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材を含むようなツールに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス産業は、マイクロエレクトロニクス用のデバイスを製造するための多様の異なるプロセス処理に依存する。多くのプロセス処理は、一連の処理を含み、そこでは、異なる種類の処理流体が、所望の製法手順に従って、加工物に接触するようにされる。当該流体は、液体、気体、又はこれらの混合体でよい。また、いくつかの処理では、固体が、液体中に懸濁又は溶解し、若しくは気体中に浮遊する。適切な、廃棄、再利用、蒸気格納(蒸気による封じ込み)、プロセス監視、プロセス制御、又はその他の取り扱い(ハンドリング)を含む様々な理由のために、上記処理流体を、捕集及び回収することが強く望まれる。
【0003】
捕集技術の一つは、処理流体を捕集するために、適切に位置決めされたダクトを用いることを含む。例えば、マイクロエレクトロニクス産業における典型的な製造用ツールは、静止プラテン、回転ターンテーブル、又は可動チャックのように、それ相応の支持部上のプロセス処理チャンバー内に、一つ又はそれ以上の加工物を支持するものを含む。そして、一つ又はそれ以上のダクトが、支持部の外側周辺部の少なくとも一部に位置決めされる。処理流体が、プロセス処理チャンバーに導入されるにつれ、排出部が、処理流体を、一つ又はそれ以上のダクトに引かれることに役立つように使用される。回転用支持部については、遠心力により、スピン中の加工物及び/又は支持部の表面上の流体が、該スピン軸(回転軸)から半径方向外側へ、そしてダクトへ流れるようにされる。
【0004】
従来のツールは、異なる処理用流体を捕集するためのツールを一つ含むことが可能である。しかし、このようにツールを一つ使用することは、必ずしも全ての場合に望ましくない。例えば、いくつかの処理用流体は、他の処理用流体が存在すると過剰に反応する。また、異なる捕集条件を使って異なる流体を捕集することは望ましい。さらにまた、再利用が望ましい場合のように、他の流体との汚染を回避するための専用ダクトに流体を捕集することが望ましい。
【0005】
したがって、複数の組み合わせにより、積み重ねられ、互いに固定されたダクトを包含するツールが使用されてきた。そして、ダクトを適宜位置決めするために、加工物用支持部、及び/又は、積み重ねられたダクト自体が、昇降される。しかし、従来から採り入れられている方法は、重大な不具合をもたらしている。すなわち、上記積み重ねられたダクトが、ツールを高密度にパッケージ化することを困難にさせるのである。さらに、異なるダクトがいつも加工物に対し開状態にあり、及び/又は、排出の段階が個々制御されていないので、相互汚染がもたらされるおそれがある。さらに、従来からのダクトシステムのいくつかのものは、排出流の液体と気体とを分離する能力を持ち得ない。さらにまた、ダクト構造自体が可動な、ツールのいくつかは、外部の配管に対して、ドレイン部や排出部を移動可能にしなければならず、これにより、過度の複雑さが、ツールの、設計、製造、使用、及び諸サービスに対して、影響を与える。
【0006】
よって、マイクロエレクトロニクス産業では、異なる種類の処理流体を捕集するための複数のダクトを組み合わせるコンパクトなツールを備えることが引き続き要請される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物が、当該システム中で、液体、気体、液状化固体、分散体、これらの組み合わせ等の、処理流体を用いて処理されるツールにおける使用目的で、新規なダクトシステムを備える。当該ダクトは、再利用、廃棄、又は他の取り扱いのための、様々な処理流体を捕集するのに役に立つ。異なる処理流体は、異なる別個独立のダクトで回収され、相互汚染の最小限にとどめること、及び/又は、異なる流体のための特異な捕集の取り決めごとを活用することとなる。
【0008】
本発明のダクトシステムは、特にコンパクトである。該ダクトシステムは、少なくとも一部が、移動可能かつ入れ子化可能なダクト構造により画定されており、ダクトの通路部分が、当該ツール内の、ダクト構造間に、及び/又はこれらダクト構造と他の構造との間に、存在できる。例えば、該構造が相対的に離れて移動する場合には、ダクト通路が開き、該ダクト構造間で拡張される。一方、当該構造が相対的に共に動く場合には、構造間のダクトが絞られ(締められ若しくはチョークされ)、サイズが減じられる。好ましい実施態様では、複数のダクトが、移動可能なダクト構造がどのように位置決めされるかによって、空間と同一の容量部が存在できる。その結果、複数のダクトの容量部が、ダクト一つのみによって占める容量部よりも大きく、かつ最小限の容量を占めるようにすることができる。
【0009】
移動可能なダクト構造は、当該ツールと外部配管との間に、排出接続部及びドレインが固定され、かつ、移動を要しないように、移動可能なダクト構造は、固定されたダクト構造に、流体的に結合されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、加工物のプロセス処理中に、位置決めされる支持部材を含む。さらに、該装置は、加工物の外側周辺部の近くに、ダクト用入口をそれぞれが持つ、複数のダクト通路の少なくとも一部を画定する、移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材を含む。
【0011】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、加工物がプロセス処理中に位置決めされる回転可能な支持部材を含む。該装置は、さらにバッフル部材間に少なくとも第1のダクト通路を画定し、かつ、回転可能な加工物の外側周辺部に近い入口を持つ、複数の移動可能なバッフル部材を含む。バッフル部材が互いに対して相対的に変位することで、少なくとも第1のダクト通路を、開き又は絞るようにされる。
【0012】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、その上で、加工物がプロセス処理中に位置決めされ、そして、筐体の中で位置決めされる回転可能な支持部材と、該筐体とを含む。該装置は、回転可能な加工物の外側周辺部に近い入口をそれぞれ持つ、複数のダクト通路を含む。各ダクト通路は、回転可能な加工物から比較的遠くにある、複数の固定されたダクト構造と、回転可能な加工物に比較的近くにある、各固定されたダクト構造に流体的に結合されるダクト通路部分を画定する、別個独立の移動可能なバッフル部材とを含む構造によって、少なくとも一部が画定される。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置が、その中で加工物がプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーを含む。障壁構造が、加工物の主要面に近くに、先細にされる流路(フローチャンネル)を備えるのに効果的な態様で、加工物の上に横たわり、かつ加工物を覆うようにされる。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する方法に関する。加工物が、プロセス処理チャンバーに位置決めされる。障壁構造が、加工物の主要面に対して放射状かつ外側方向に先細にされる加工物の該主要面に近くに、先細にされる流路を備えるのに効果的な態様で、加工物の上に横たわり、かつ加工物を覆う。加工物がプロセス処理チャンバーに位置決めされ、かつ障壁によって覆われる一方、少なくとも一つのプロセス処理材料が、加工物の主要面に流れながら接触させられる。
【0015】
他の実施形態において、本発明は、その中で、加工物がプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーを含む装置に関する。障壁構造が、加工物の主要面に対して、放射状かつ外側方向に先細にされるように、加工品の主要面に近くに、先細になる流路を備えるのに効果的な態様で加工品の上に横たわり、かつ加工品を覆うようにされる。障壁構造が、プロセス処理チャンバーが、プロセス処理チャンバーへ及びプロセス処理チャンバーから、加工物を搬送させるように十分に開いている第1の位置と、障壁構造が加工物の主要面の上に流れる少なくとも一つの物質を導くための第2の位置とを含む移動範囲において制御可能に移動できる。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、ノズル装置に関し、このノズル装置が環状体を含み、この環状体が加工物の上で位置決めされるときに、加工物の表面を覆う先細にされる流路を画定するために角度付けされた低側表面を持つ。少なくとも一つのノズルが、加工物の表面かつ下側方向へ、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を配給するのに効果的な態様で、環状体に一体化される。環状体は、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料が、少なくとも一つのノズルへ供給される、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料の、プロセス処理用の材料供給用の導管を含む。
【0017】
他の実施形態において、本発明は、ノズル装置に関し、このノズル装置が、環状体を含み、この環状体が加工物の上で位置決めされるときに、加工物の表面を覆う先細にされる流路を画定するために角度付けされた低側表面を持つ。環状体が、環状体の上方の容量部と環状体の下方の容量部との間に出口を備える中央通路を画定する、内側周辺部を含む。アーム構造が、環状体と結合し、かつ第1及び第2の通路部分を画定するための効果的な態様で、中央通路を基本的に横切るように延在する。また、少なくとも、第1の、別個独立のノズルアレイが、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を、加工物表面上下方へ配給するための態様で、アーム構造の少なくとも一部及び環状体の第1の半径部を横切るように延在するように環状体と一体化する。そして、少なくとも一つの別個独立したノズルが、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を、加工物の中央部の上方および下方へ配給するための態様で、中央のアームと一体化される。さらに、少なくとも一つの別個独立したノズルは、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を、中央フロー通路部の少なくとも一つを通って延在する流路から加工物へと配給するように位置決めされる。
【0018】
他の実施形態において、本発明は、ノズル装置に関し、このノズル装置が、第1のノズル構造を含み、第1のノズル構造が、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を別個独立に、加工物表面の半径部の少なくとも一部を横切るように、加工物表面上へ、噴霧状に配給されるように備えられる。そして、第2のノズル構造が、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料が別個独立に、加工物表面の中央部分へと配給されるように備えられる。また、第3のノズル構造が、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料が別個独立に、加工物表面上方の上部空間部へ導入されるように提供される。さらに、これら第1、第2及び第3のノズル構造が、加工物表面に相対的に移動可能になるようにされている。
【0019】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理するための装置に関する。該装置は、当該チャンバー内で加工物が、あるプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーと、貫通孔を持つ筒部を含む移動可能部材とを含む。そして、少なくとも一つの別個独立したノズル構造が、当該移動可能部材が、加工物の主要面とノズル構造との間の相対的な空間を、制御可能に調整されるように、この移動可能部材に物理的に結合される。また、筒部の貫通孔内の、少なくとも一つの流体の、配給用の通路の少なくとも一部が、少なくとも一つの別個独立したノズル構造および加工物に流体的に結合される。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、その中で、加工物があるプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーと、プロセス処理チャンバーから比較的遠い第1の領域及びプロセス処理チャンバーに比較的近い第2の領域を備えるための態様でプロセス処理チャンバー上に横たわる天井構造とを含む。該天井構造は、第1及び第2の領域の間に出口を備える壁状の導管を含む。そして、移動可能部材が、壁状導管に収納される。この移動可能部材は、第1の領域から貫通孔への出口を備える第1のポートを持つ、少なくとも筒部を含む。そして、ノズル構造が、一つ又はそれ以上の材料を、プロセス処理チャンバーへ配給するように位置決め可能になるように、移動可能部材に結合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態は、下記の詳細な説明に開示された正確な形態に、本発明が限定される意図のものではなく、本発明を網羅する意図のものでもない。むしろ、下記の実施形態は、他の当業者が、本発明の原理及び利用態様を認識かつ理解できるように、選択かつ記載される。本発明は、基本的に流体を用いたマイクロエレクトロニクス用の基板洗浄システムを基にした特別な内容で記載される、一方、本発明の原理は、同様に他のマイクロエレクトロニクス用のプロセス処理システムに応用が可能である。
【0022】
図1乃至図38は、本発明の原理を組み合わせた、例示的なツール10を示す。説明のために、単一のツール10は、常に、加工物12が、適宜ツール10に収納され、そして、液体及び/又は気体が、加工物12に接触させられるような一つ又はそれ以上の処理に晒されるタイプのものである。マイクロエレクトロニクス産業では、ツール10は、一枚のウエハー用のプロセス処理を実行するツールにたとえられる。加工物12は、典型的には、半導体ウエハー又は他のマイクロエレクトロニクス用の基板である。
【0023】
ツール10は、主に、アセンブリプロセス処理区域11と、障壁構造の配給区域500とを含む。実際の使用時には、区域11及び区域500は、(図示しない)外枠部材に装着され、ツール10の(図示しない)筐体の内部に装着されることであろう。この装着は、ねじ、ボルト、リベット、接着、溶接、クランプ、ブラケットによる取付け、これらの組み合わせ等により行われている。しかし、区域11、区域500及び/又はこれらの構成要素は、諸サービス、維持・整備、性能向上、及び/又は、交換の便宜のために、別個独立しており、移動可能に装着されることが望ましい。
【0024】
プロセス処理区域11は、基本的に、基台部用パン16及び周辺の側壁18に、少なくとも一部において形成された基台部14とを含む。基台用パン16及び側壁18は、ねじ、ボルト、接着剤、溶接等、その他の互いを付着させる部品を用いて形成可能である。あるいは、基台用パン16及び側壁18は、一部分として示されるような一体形成にすることも可能である。
【0025】
特に好ましい実施形態では、環状かつ基本的に同心状の壁部22及び23と、壁部24及び25と、壁部26及び27との3つの対が、基台用パン16から上方向に凸設される。これらの壁部は、排出用のプレナム(内部の空気圧が、外気圧より高い状態を持つ箇所)29、30及び31、並びにドレイン用溜部52、53、54及び55を、画定するのに役立つ。排出用プレナム29、30及び31、並びにドレイン用溜部52、53、54及び55は、さらに下記に述べるが、3つの別個独立した、入れ子化した排出用ダクト路330、338及び346を形成する。勿論、本発明の他の代表的な実施形態は、所望により、さらに少なく、若しくは、より多くの数のダクトを含むことが可能であり、この場合には、より少なく、若しくは、より多くの数の、排出用プレナム及びドレイン用溜部が、適宜備えられるであろう。
【0026】
さらに、図示されるようなツール10の実施形態では、各ダクト、好ましくはダクト330、338及び346が、プレナム及びドレイン用溜部を、互いに対して独立するように分離する。この構成が、個々に排出される流れ(以下適宜「ストリーム」とする。)を、プロセス処理中において排出及び/又は他の段階において、個別に取り扱うことを可能とすることは有益である。このことは、様々な理由で望ましいとされる。例えば、回収のために、排出されるストリームの液体成分を回収するのに望ましいとされる。このような液体成分のために、専用の排出ダクトの使用が、他のストリームとの相互汚染を回避する。他の例では、異なる条件で、異なるストリームを排出することが望ましいとされる。このように独立して離れている排出ダクト路は、多くの場合に好ましい。しかし、他の実施形態で、さらにコンパクトな設計が望まれる場合は、特に、二つ又はそれ以上の排出ダクトが、ドレイン用溜部及び/又は排出用プレナムを兼用可能である。
【0027】
壁部22及び23の頂部リム33及び34は、そこを介して、排出されるストリームが内側排出用のプレナム29に入る、略環状の排出入口を画定する。プレナム29の底部は、排出されるストリームが内側排出用のプレナム29から流出されることになる一つ又はそれ以上の排出用出口ポート48を含む。さらに、同様な態様で、そこを通って、排出されるストリームが中間の排出用プレナム30に流入する壁部24及び25の頂部リム38及び39が、環状排出用入口40を画定する。プレナム30の床部は、そこを通って、排出されるストリームが中間排出用プレナム30に流出する一つ又はそれ以上の排出用出口ポート49を含む。さらに同様に、壁部26及び27の頂部リム43及び44は、そこを通って、排出されるストリームが外側排出用プレナム31に流出する環状排出用入口45を画定する。プレナム31の床部は、そこを通って、排出されるストリームが外側排出用プレナム31に流出する一つ又はそれ以上の排出用出口ポート50を含む。
【0028】
ドレイン用溜部52、53、54及び55のそれぞれは、床部56、57、58及び59のそれぞれを含む。床部56、57、58及び59のそれぞれは、そこを通って、集められた液体が、それぞれに対応するドレイン用溜部に流出する出口63及び67のような、一つ又はそれ以上のドレイン出口を含む。内側ドレイン用溜部52の床部56は、適宜スロープを持ち、集められた液体を出口63へと向ける。床部57、58及び59も、同様にして、スロープを持つことが可能である。様々なドレイン用出口が、ドレイン用カップリング62又は68と嵌合し、適切なドレインの(図示しない)配管用の材料への接続を容易にする。
【0029】
図示されたような好ましい実施形態では、シャフト用孔70を含む、複数のアクチュエータのシャフト用筐体69が、内側排出用プレナム29に位置決めされる。この構造が、本来的に、内側排出用プレナム29を、3つの副プレナムへと小分けにする。したがって、排出用プレナム全体で、一様な排出フローを容易にするには、このような小分けにされた副プレナムのそれぞれに、一つ又はそれ以上の排出用ポートを備えることが望ましい。シャフト用筐体69及び孔70が、アクチュエータ用シャフト314が結合され、これによって、内側排出用プレナム29と機能的に係合する内側バッフル部材174の動きを制御するアクセス部を備える。同様な態様で、シャフト用孔72を含むアクチュエータ用シャフトのための筐体73が、排出用プレナム30に位置決めされ、アクチュエータ用シャフト326に結合され、これによって、外側排出用プレナム31と機能的に係合する外側バッフル部材262の動きを制御するアクセス部を備える。さらに同様の態様で、シャフト用孔76を含むアクチュエータの軸用筐体75が、外側排出用プレナム30内に位置決めされ、かつ結合されるべきアクチュエータのシャフト326へのアクセス部を備え、もって、外側排出用プレナム31と機能的に係合する外側のバッフル部材262の動きを制御する。
【0030】
基台部16の中央領域は、中央貫通孔78を含む。中央貫通孔78は、好ましくは、示されるように、基本的に断面において円形状であるが、所望により他の形状も備えうるだろう。円筒状の内側フランジ80は、基台部用パン16から上方向に凸設しており、円筒状内側側壁82及び外側側壁84を画定するのに役立つ。外側側壁84は、その頂部のリムのところに肩部90を含み、そして、内側側壁82は、その下側リムのところに肩部92を含んでいる。
【0031】
プロセス処理チャンバー503の内側で、加工物12が、チャック94によって支持かつ保持される。チャック94は、略円筒状であり、上側面96、下側面98、環状基台部100、中央貫通孔102、該外側周辺部にある側壁104、及び環状しぶき盾部108を含む。チャック94は、静止可能、又は中央軸106の周りを回転可能とされる。例示のために、諸図面はツール10の実施形態を示しており、そこでは、チャック94が、加工物12の処理中に、軸106の周りでスピン可能なように、モータ110によって回転可能に起動されることを示す。加工物12が、回転用チャック94によってスピンされる当該実施態様では、モータ110は、中央孔112を持つ中空のシャフトタイプのものであってもよく、装着構造部材114によるような便宜のよいアプローチ(解決手段)によって、ツール10に装着されるようにしてもよい。モータ110は、中央孔112を持つタイプのものであり、例えば装着部材114による、便宜のよいアプローチ部によりツール10に装着される。
【0032】
環状しぶき盾部108は、チャック94の下側面98から下方に向かって延在する。そして、この盾部108の下側端部109は、内側フランジ80の肩部90のところで、入れ子化されており、液体が、内側フランジ80を越えてしぶきを上げることを防止するのに役立つ。チャック94が回転可能な実施形態では、盾部108と肩部90の壁との間にギャップがあり、肩部108と肩部の壁とが、互いに対して向かい擦れ合うことを防止する。チャック94が回転するにつれ、望ましくない破片を発生しうるからである。
【0033】
チャック94は、現在は、従来からの取付け方法に従い、あるいは今後はより進んだ方法で、様々に異なる方法のいずれかで、加工物12を固着することができる。好ましくは、チャック94は、加工物12と上側表面96との間にギャップが存在するように、チャック94の上側面96の上方で、加工物12をしっかりと保持する(不図示の)端部を把持する構造を含む。その結果、リンス水を含む処理化学薬品が、加工物12の上側面128又は下側面130のいずれかの上へ配給可能である。
【0034】
さらに、ツール10は、加工物12の下側面130を処理するための配給用構造を含む。例示された、後側型(バックサイド型)の配給機構は、基本的に円形状の配給ヘッド136として示されており、そこでは、一つ又はそれ以上の処理化学薬品が、(不図示の)複数のノズルオリフィスを通って、加工物12の下側面130の方へ配給される。処理化学薬品は、チャック94の中央孔102及びモータ110の中央孔112を貫通するシャフト138を介して、後側型配給ヘッド136へ配給される。チャックが回転する実施形態では、周辺パーツが、チャック94が回転する際に擦れ合わないように、シャフト138と、中央孔102及び112との間にギャップがあるようにされる。後側型配給ヘッド136は、要求に応じて供給若しくは混合されて、配給されるように処理物質の一つ又はそれ以上の(不図示の)供給源へ結合される。
【0035】
環状ドリップ用リング156が、内側フランジ80に近い基台部用パン16に嵌合される。この環状ドリップ用リング156は、基本的には、床部158、内側壁160、中間壁162、湾曲した頂部リム164、及び外側壁166を含む。床部158は、基本的に、ドレイン用溜部52内の床部56のスロープに一致かつ適合するように、下方向に傾いている。環状ドリップ用リング156の内側壁160は、内側フランジ80の下側側壁部86に対して嵌合される。中間壁162は、中間壁162とチャック94の側壁104との間にギャップが存在するように、外側に軽く湾曲している。湾曲した頂部リム164は、中間壁162と外側壁166との間で、滑らかな遷移を備える。このことは、後述するが、排出されるストリームが環状ドリップ用リング156上を流れ、一つ又はそれ以上の、開かれたダクトへと流れるときに、滑らかな流れを促進することに役立つ。この方法では、チャック94及び/又は加工物12から外側へスピンされるいくつかの流体が、環状ドリップ用リング156によって形成された捕集用溜部170で捕集される。捕集用溜部170で捕集される液体がドレイン用溜部52へと抜かれるように、ドレイン用ポート172が、床部158及び中間壁162によって形成された環状ドリップ用リング156の下側部に備えられる。
【0036】
ツール10は、特に好ましい実施形態において、排出用プレナム28、30及び31の数に基本的に対応するように複数の移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材174、218及び262をさらに含む。バッフル部材174、218及び262は、一つ又はそれ以上の排出用ダクトを、選択的かつ制御可能に、開く及び/又は閉じる(絞る)ように互いに対し相対的に独立して移動可能とされ、上記排出用ダクトへ、排出されるストリームを、加工物12及び/又はチャック94から放射状かつ外側方向に流すことができることは有益である。バッフル部材174、218及び262は、さらに、このような一つ又はそれ以上の排出用ダクトの境界の、少なくとも一部をさらに画定し、もってダクトを通って流れる排出されるストリームを導くのに役立つ。バッフル部材174、218及び262が、所望のように、共に移動し、かつ、入れ子化されることの両方を行うことができる能力により、これらのバッフル部材によって画定された少なくとも一部の境界部を持つ複数ダクトのいくつかの部分が、唯一つのダクトと同一の空間容量部に極く近いところを、占めることができる。この点において、ツール10がよりコンパクトになる。コンパクト化は、様々な理由のために重要である。例えば、要求される重ね合わせの高さを低くしたり、包装をより容易化したり、ツールの寸法をより小さくさせる等の理由のためである。
【0037】
内側バッフル部材174は、略環状バッフル板176と、環状バッフルフード194とを含む。バッフル板176及びフード(hood)194は、一つの一体化された部分として形成可能だが、これらは、共に固締され、又は固着される別個の部分であって、ツール10を組み立て、保守及び諸サービスを容易化することが好ましい。環状のバッフル板176は、外側側壁フランジ186、下側面180及びチャック94の外側周辺部に近いところにある、内側リム182、外側側壁フランジ186、及び内側側壁フランジ190を持つ。環状バッフル板176の構成要素中の表面は、内側バッフル部材174の上、及び/又は下に、滑らかな排出流を促進するために、滑らかに変位するように接続される。外側側壁フランジ186及び内側側壁フランジ190によって提供される二重壁構造が多数の機能を備える。一つの機能として、これらのフランジ186及び190が、環状バッフル板176を対応する環状のバッフルフード194に固着するための、強固で頑強な路を備える。バッフル板174、218、又は262のいずれかに対し、それぞれのバッフル板が、いずれか所望の方法で対応するフードに付着される。好ましい取り組みは、構成部品(パーツ)が、諸サービスやメインテナンスの後で容易に分離かつ交換可能なようにし、永久品ではないようにされることである。フランジ186及びフランジ190の両方を使用することで、さらに、内側のバッフル部材174の上方及び下方の両方において、円滑な流路を画定することを、より容易にさせることが望まれる。
【0038】
環状バッフルフード194は、排出用プレナム29の排出用入口35に嵌合かつ覆うようにされる。内側のバッフル部材174は、フード194の上下に対応する動作が、所望の角度で、排出用入口35を開く又は絞る(締める)ように上下に並進可能とされる。さらに、フード194は、ドレイン用溜部52において、ドレインをトラップする機能性を備えるのに役立つ構造を含む。このことは、ドレイン用溜部52を通って流れる排出されるストリームの液体と気体の構成要素とを分離するのに役立つ。このような分離された構成要素は個々に、望まれるように、廃棄、再利用、さらなる反応、又は他の取り扱いのために、回収される。さらなる機能として、フード194が、ダクト通路の一部と排出用プレナム29とを流体的に結合するのに役立つ。該ダクト通路の境界は、環状バッフル板176の低側表面180によって、少なくともその一部においてさらに画定される。
【0039】
より詳細には、環状バッフルフード194が、キャップ板196、内側フランジ198、外側フランジ206、低側端部202及び内側表面204を含む。キャップ板196は、基本的に排出用入口35上で位置決めされ、排出用入口35を覆う上部空間部208を画定するのに役立つ。内側のバッフル部材174が下げられるにつれ、キャップ板が近づくので、上部空間部208の容積が減じ、これによって、排出用入口35に入る流れが止まる。内側のバッフル部材174は、望ましくは、キャップ板196が排出用入口35に対し、敷かれ、かつ閉じるように十分離れて下げることが可能である。内側のバッフル部材174が上昇されるにつれ、キャップ板196が離れるように動くので、排出用入口35を覆う上部空間部208の容積が増し、これにより排出用入口35への流れへのアクセス部が増加する。
【0040】
内側フランジ198は、環状壁部22から隔置され、ドレイン用溜部52を、上部空間部208へと流体的に結合する流路200を備える。内側フランジ198の下側端部は、下側リム33の下方に延在し、排出用プレナム29への排出用入口35を画定するのに役立つ。このように、内部フランジ198は、障壁を形成し、この障壁がストリームを遮り、該ストリームが、排出用プレナム29へと直接流れて、ドレイン用溜部52に入る。代わりに、このような蒸気は、内側フランジ198の低部端部の周りで、床部56の方であって下方に向かって流れ、それから、上部空間部208を介して、排出用入口35へのアクセス部が増加する前に、前記流路200を通って上方に向かって流れるようにしなければならない。このように、内側フランジ198の位置決め及びその形状が、ドレイン用溜部52内部のトラップ機能を備えるのに役立つ。ドレイン用溜部52を通って流れる排出ストリーム内の液体の成分は、ドレイン用溜部52内部に捕集される比較的より大きな傾向を持つ。その一方、気体成分(ガス成分)は、溜部52を通り、かつ、排出用プレナム29へと流れる比較的より大きな傾向を持つ。
【0041】
このトラップ機能の促進のために、内部フランジ198の内部表面が、この内部表面上への液体の凝縮又は他の捕集方法を促進するための表面の特徴を備えている。該捕集された液体は、滴下、又は他の方法で、床部56の下方に向かって流れる。この床部56では、該液体が、さらにその取り扱いのために、溜部ポート63を通って元に戻される。図示されるような好ましい表面の特徴には、三角形状の隆起部210のアレイを含む。三角形状の隆起部210の各々は、その頂点212が(入ってくる排出フローに面しながら)上方に向かうように、一方、基台部214が(入ってくる排出フローから遠ざかるように)下方に向かうように、方向付けされる。該入ってくる排出フローと対面する、この比較的鋭角な頂点212は、液体の捕集効果を高めると考えられる。基本的には、これらの隆起部210をより多く使用することで、液体のトラップ(捕集)を促進することが望ましい。しかし、三角形状隆起部210の基台部214が十分に隔置されるような内側フランジ198上の上記特徴部が密集しているために、この隆起部の側面で捕集される液体が、床部56の下方に向かって、容易に、滴下(ドリップ)又は下方に流れることが可能となるのである。
【0042】
外側フランジ206は、下方に向かって延在しており、外側フランジ206と環状壁部23との間において、排出の流れを防止するために、基本的に環状壁部23に十分近くに存在する。摩擦接触による破片の発生のリスクを最小限化するために、環状壁部23と外側フランジ206との間に小さなギャップがあることが好ましい。排出が排出用プレナム29を介して引くようにしてなされるときに、このように近接したギャップの空間によって、すべての排出が実質的にプレナム29を介して引かれるような流れに対して十分高い抵抗を備えるのである。
【0043】
中間バッフル部材218は、内側バッフル部材174と類似しており、環状バッフル板222及び環状バッフルフード238を含む。環状バッフル板220が、上側表面222、下側表面224、内側リム226、外側フランジ230及び内側フランジ234を含む。環状バッフルフード238は、上部空間部252を画定するためのキャップ板240と、流路244を介して形成される流路を画定するのに役立ち、下側端部246かつ内側表面248を持つ内側フランジ234と、外側フランジ250と、頂点256及び内側表面258を持つ三角形状隆起部254を含む。中間バッフル部材218のフード238が、機能的に中間排出用プレナム30を覆い隠し、かつ中間溜部53内部に、トラップ機能を備えるのに役立つ。さらに、内側バッフル部材174及び/又は中間バッフル部材218が、内側バッフル部材174が中間バッフル部材218内部に入れ子化可能なように移動可能とされており、これにより、様々な絞り、遮断、又はその他により、部材174と部材218との両者間の材料の流れを規制する。また一方で、二つのバッフル部材174及び218は、両者間の流路を様々に開くように分離される。
【0044】
外側バッフル部材262は、内側バッフル部材174及び中間バッフル218と類似しており、環状バッフル板と環状バッフルフード282とを含む。環状バッフル板264は、上側表面266、低側表面268、内側リム270、外側フランジ274及び内側フランジ278を含む。そして、環状バッフルフード282はキャップ板284を含み、このキャップ板284が、上部空間部296を画定するのに役立つ。また、内側フランジ286が、流路288を画定するのに役立つと共に、低側端部290、内側表面292、外側フランジ294、頂点200を持つ三角形状隆起部298及び基台部292を持つ。また、外側バッフル部材262のフード282が、外側排出用プレナム31を作用的に覆い、かつ外側ドレイン用溜部54の内部にトラップ機能を備えるのに役立つ。さらに、外側バッフル部材262は、中間バッフル部材218が外側バッフル部材262の内部に入れ子化可能なように、内側バッフル部材174及び/又は中間バッフル部材218に対して移動可能であり、これによって、バッフル両者間の材料の流れを、可変的に絞り、遮断し、又は他の方法で規制する。代わりに、二つのバッフル部材218及び262が、両者間の流路を可変的に開くために分離することも可能である。
【0045】
ツール10は、バッフル部材174、218及び/又は262の一つ又はそれ以上を、別個独立に駆動する駆動機構を含み、この駆動機構により、これらのバッフル部材の障壁を、互いに、制御可能かつ可変的に移動かつ入れ子化させる。バッフル部材174及び262を移動するための好ましい駆動機構が図示されている。中間バッフル部材218のための駆動機構は、類似したものになるであろう。内側バッフル部材174に対して、内側バッフル駆動用モーター312(モーター318が中間バッフル部材218のために使用される)が、一方の端部で対応するシャフト314と結合し、及びもう一方の端部で内側バッフル部材174に結合される。シャフト314は、筐体69の孔70の内部に収納され、上下に動く。シール(封止部材)328が、これらの出口領域のところの漏れを防ぐのに役立つ。このようにして、内側バッフル部材174が、中間バッフル部材218及び外側バッフル部材262に対し、別個独立に移動される。
【0046】
同様な態様において、外側バッフル駆動モーター324が、一方の端部で対応するシャフト326と結合し、及びもう一方の端部でバッフル部材262に結合される。シャフト326は、筐体75の孔76の内部に収納され、上下に動く。このようにして、外側バッフル部材262が、内側バッフル部材174及び中間バッフル部材218に対し、別個独立に移動される。
【0047】
バッフル部材174、218及び262は、コンパクトかつ制御可能な複数のダクトシステムによって特徴付けられる。該システムは、プロセス処理チャンバー503から処理液体を捕集および排出するために使用可能である。そして、該システムのダクトの一つ又はそれ以上が、いかなるときでも、可変的に開き及び/又は絞ることが可能である。図面で示される好ましい実施態様では、各排出用ダクトが、他のダクトと別個独立し、分離される。この構造によれば、異なるダクトを通って排出されたストリームを用いて使用される、異なる排出用の取り決め(プロトコル、仕様)を許容する。さらに、異なる処理材料が、仮に、再利用される処理材料が、他の材料を用いて使用されたダクトから回収されることになった場合に、他の状態で起こりうるであろう過度の相互汚染なしで、再利用を容易にするために、異なるダクト内で捕集される。典型的な処理においては、一つ又はそれ以上の種類の処理流体が、加工物12の片面又は両面上へ配給される。チャック94及びここからの加工物12が回転するときに、処理化学薬品が、適宜開かれた排出用ダクトの放射状かつ外側方向に、及びその中へ流れる傾向がある。望ましくは、排出は、材料がダクトへと引かれるのに役立つ、開ダクトを通って引かれる。さらに、このような排出の引く(排引)動作は、粉状物や霧状物を制御するのに役立つ。チャック94及びここからの加工物12が静止状態の諸実施形態では、排引動作が、適切な排出用ダクトの放射状かつ外側方向に、かつ、その中へと引かれるのに役立つ。
【0048】
上記理由から、ツール10は、多くの可能性のある排出用の構成を持つことが理解される。例示の目的のために、図2から図7は、ツール10の汎用性のある4つの排出用構成を示す。図2及び図3は、その中で、内側ダクト通路330が開かれている、排出用の構成におけるツール10を示す。この構成において、バッフル部材174、218及び262の3つすべてが、上昇され、共に入れ子化される。この構成によれば、内側バッフル部材174の下方のダクト通路330にダクトを設けるために、上記バッフル部材の間のフローを絞るが、環状ダクト用入口332を開く。バッフル板176、220及び264は、これらバッフル板も間のフローの絞り切るために物理的に接触する。しかし、このことは、粒状物が発生し得るであろう過度のリスクを冒す可能性がある。したがって、バッフル板176、220及び264は、物理的に接触しないが、基本的に排出されるストリームの全体を開かれたダクト通路330へ流すのに十分なフロー抵抗を作り出すように、十分近くに配置される。
【0049】
環状ダクト用入口332は、加工物12及びチャック94の外側周辺部を取り囲む。ダクト用流路330は、短い距離で、ダクト用入口から放射線状かつ外側に向かって延在する。ダクト用入口330は、それから、内側バッフル部材174と環状ドリップ用リング156の外側壁166との間の、より一層、軸方向に配向された流路を含む。この構成は、ドレイン溜部52への通路330を拡張する。ダクト用通路330は、流路200を通って、フード194の下で、上部空間部206へ、排出用入口35を介して排出用プレナム29へ、及び出口用ポート36を介して外へ出て、内側排出用マニホルド336のような適当な配管へと連続する。
【0050】
図4は、中間ダクト用通路338が開いている、代替のツール10の排出用構成を示す。この構成では、内側バッフル部材174が、内側ダクト用通路330へのフローが絞り切られるように十分低い位置に設定される。内側バッフル部材174は、環状ドリップ用リング156の湾曲された頂上リム164に物理的に接触できるが、これらの部品は接触せず、しかし、当該フローを絞るように十分近くで協働されることがより好ましい。同時に、キャップ板196が、排出用入口35に対して台座し、かつ排出用入口35を絞る。しばらくの間、中間バッフル部材218と外側バッフル部材262の両方が、外側バッフル部材262の内部で入れ子化された中間バッフル部材218を用いて上げられる。この構成は、両部材の間のフローを絞るが、内側バッフル部材174の上方であるが中間バッフル部材218の下方において、環状ダクト用入口340を、中間ダクト用通路338に対して開く。
【0051】
環状ダクト用入口340は、加工物12及びチャック94の外側周辺部を取り囲む。ダクト用通路338は短い距離でダクト用入口340から放射状かつ外側方向に延在する。ダクト用通路338は、それから、中間バッフル部材218と内側バッフル部材174との間に、より一層軸方向に配向された流路を含むために下側方向に遷移する。この構成は、ドレイン用溜部53へのダクト用通路338を拡張する。ダクト用通路338は、フード238の下で、流路244を通り、上部空間部252に入り、排出用入口40を介して排出用プレナム30に入り、そしてそれから、出口ポート(不図示)を通って出て、中間排出用出口344のような適当な配管へ入るようにして連続している。
【0052】
図5は、外側ダクト通路346が開かれているツール10の代替の排出用構成を示す。この構成では、板176及び220が、内側及び中間のダクト通路330及び338の中へのフローを絞り切るように十分近くになるように、内側バッフル部材174及び中間バッフル部材218が、低い位置で入れ子化される。同時に、キャップ板196が、内側排出用プレナム29への排出用入口35に対して台座し、かつ排出用入口35を閉じ、及びキャップ板240が、中間排出用プレナム30への排出用入口40に対して台座し、かつ排出用入口40を閉じる。しばらくの間、外側バッフル部材262は上げられ、これによって、中間バッフル部材218の上方かつ、外側バッフル部材262の下方で、外側ダクト用通路346への環状ダクト用入口を開く。
【0053】
環状ダクト用入口348が、加工物12及びチャック94の外側周辺部を取り囲んでいる。そして、ダクト用通路346が、短い距離で、ダクト用入口348から放射状かつ外側方向に延在している。それから、ダクト用通路346は、外側バッフル部材262と中間バッフル部材218の間の、より一層、軸方向に配向された流路を含むように、下方へと遷移する。この構成は、ドレイン用溜部54へのダクト用通路346を拡張する。ダクト用通路346は、フード282の下で、流路288を通り、上部空間部296へ、排出用入口45を介して排出用プレナム31へ、それから、外側ポート46を通って、外側マニホルド352のような適当な配管へ外に出るようにして、連続している。
【0054】
図6及び図7は、ダクト用通路330、338及び346が全て閉じられており、かつ、加工物12がプロセス処理チャンバー503へ載せられ、及び/又はプロセス処理チャンバー503から退けられるようにされた、ツール10の代替の排出用構成を示す。この構成では、板176、220及び264が、内側、中間及び外側ダクト用通路330、338及び346へのフローを絞り切るのに十分近くにあるように、内側バッフル部材174、中間バッフル部材218及び外側バッフル部材262が、低く配置されかつ入れ子化される。同時に、キャップ板240が、中間排出用プレナム30に対して台座し、かつ中間排出用プレナム30への排出用入口40を閉じ、及びキャップ板284が、排出用プレナム31に対して台座し、かつ外側排出用プレナム31への排出用入口45を閉じる。なお、障壁板556は、プロセス処理チャンバー503への及びそこからのアクセスを容易にするように持ち上げることが可能である。
【0055】
下記の説明で使用する図面は、一つ又はそれ以上のマイクロエレクトロニクス用加工物をプロセス処理する工程において、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を配給するときに便利である、好ましい障壁/配給区域500の一種類の例示的実施形態を示す。配給機構が、(不図示の)配給用ラインを通って提供される処理材料の一つ又はそれ以上の配給部(不図示)に結合される。これらの材料は、要求に応じて、配給又は混合されるようにして、配給される。ツール10が遂行可能な処理のタイプにおいて十分な融通性(フレキシビリティ)を含むため、幅広い種類の処理材料が使用可能である。代表的な処理材料の極少量のサンプリングによれば、窒素、二酸化炭素、きれいな乾燥空気、アルゴン、HFガス、液体HF、液体イソプロピルアルコール、脱イオン化水、液体アンモニア、液体硫酸、液体窒素酸、過酸化水素、オゾンガス、液体オゾン、有機酸および溶媒、これらの組み合わせ等を含む。ツール10で適宜実施される、プロセス処理および化学的処理のさらなる代表例として、「マイクロエレクトロニクス用基板をスピン乾燥するための装置及び方法(APPARATUS AND METHOD FOR SPIN DRYING A MICROELECTRONIC SUBSTRATE)」という名称の出願(代理人docket番号がFSI0156/US、発明者の一人の名前がトレイシー(Tracy))の記載を含む。この記載の開示は参照することにより、本願明細書の中に組み込まれる。)
【0056】
障壁/配給区域500は、主要構成要素として、天井板504、可動支持部材526、配給アセンブリ554、及び付加的ではあるが好ましい要素であるシャッター818を含む。電気工学的、空気力学的な、適当なアクチュエータ(不図示)が、これらの構成要素の望ましい動作を効果的に働かせるために利用される。天井板50は、天井板504の上方の第1の領域506及び天井板504の、下方の第2の領域508を画定するのに役立つ障壁を形成する。第2の領域508は、基本的には、上部空間部502と、プロセス処理チャンバー503とを含む。なお、上部空間部502は、略環状体558の下方の、第2の領域508の容量部である。上部空間部502及びプロセス処理チャンバー503の寸法は、Z軸方向527への配給アセンブリ554の動きに対応して変わる。
【0057】
天井板504は、略中央の開口アパーチャ516を画定する内側周辺部514と外側周辺部512とを持つパネル510を含む。このアパーチャ516は所望のいかなる形状を持つようにしてよいが、図示されるように円形状が好ましい。外側壁515、本来的に、壁周辺パネル510を形成するためのパネル510から上方向へ延在する。壁515は天井板504の剛性を高め、配給する要素(成分)からの漏れを捕らまえるのに役立ち、及びこれによって、天井板504からその枠組み/筐体まで形成する、便利な表面が備えられる。円筒状の中央壁518は、パネル510から上方向へ延在し、頂部リム520及び基台部522を持つ。基台部522は、アパーチャ516に近いパネル510に付着(アタッチ)される。このようにして、円筒状壁518が、第1の領域506及び第2の領域508との間に出口を備える、頂部リム520から基台部522まで延在する通路524を備える。さらに後述するように、この通路524はさらに、所望の位置に配給アセンブリ526を昇降するのに使用される移動可能な支持部材526の一部ばかりでなく、シャッター818の一部を収納するのに役立つ。示される好ましい実施形態において、移動可能な支持部材526及びシャッター818は、この通路524の内部で、同軸状に入れ子化される。
【0058】
移動可能な支持部材526は、頂部リム530及び底部リム532を持つ、内側壁528を含む。外側壁534は、基本的には内側壁528と同心状であり、頂部リム536から底部リム538まで延在している。環状板540が、内側壁528の頂部リム530と外側壁534の頂部リム536とを結合し、もって、壁528と壁534との間に環状チャンバー542を形成する。外側環状フランジ546が、基本的に、外側壁534の底部リムから外方向へ延在し、一方、内側環状フランジ548が、基本的に、内側壁528の底部リム532から内方向へ延在している。環状フランジ546及び548は、移動可能な支持部材526を強化するのに役立つ。環状フランジ548はさらに、配給アセンブリ554を、装着用穴549を介して、移動可能な支持部材526の底部端部に装着するために便利な表面を備える。移動可能な支持部材526を527の方向へ移動する範囲により移動させる駆動メカニズム(不図示)は、外側環状フランジ546に、便利良く、結合される。
【0059】
移動可能な支持部材526の内側壁528は、リム530から底部リム532へ開かれている導管544を画定するのに役立つ。この導管544は、第1の領域506から移動可能支持部材526の底部端部に装着された配給アセンブリ554へ、配管や他の構成要素を導くための、便利で、保護された通路を備える。
【0060】
移動可能な支持部材526は、加工物12に対して、527方向に移動可能である。配給アセンブリ554が、移動可能な支持部材526の下側端部に装着され、方向527に沿って移動可能な支持部材526を移動させるので、同様にして、加工物12に対し、配給アセンブリ554を昇降させる。
【0061】
移動可能な支持部材526は、内側壁528が通路524の内側に収納されるように位置決めされる。一方、外側壁534は、壁518が環状チャンバー542の内側で入れ子化されたままで維持されるように通路524の外側にある。壁518、528及び534が、移動可能な支持部材526の方向の移動中に、接触しないように、壁518、528及び534の間に、小さな環状のギャップがある。これらのギャップは、処理の過程中に、接触する表面から発生するおそれがある破片からの汚染のリスクを減少させる。処理の過程中、第2の領域508に対し、僅かに負の圧力で、第1の領域506を維持することが望ましい。この構成は、第2の領域508のプロセス処理チャンバー503へと降りる、移動可能な支持部材526と天井板504との間の環状ギャップを介して、第1の領域506から通過する、汚染物を防ぐのに役立つであろう。第2の領域508内部の環境を含むことから、第1の領域506からの汚染物を最小化するのに役立つ他の特徴として、移動可能な支持部材526の外側壁534がさらに、第1の領域506から内側壁528と中央壁518との間の環状ギャップへ、の直接のアクセスを妨害するのに役立つバッフルとして部分的に機能する。中央壁518が、環状チャンバー542及び836の内部で入れ子化する態様は、第2の領域508の、内部環境の一体化をさらに保護するために、中央壁518と、移動可能な支持部材526と、シャッター818との間に、迷路のような(複雑な)封止材(シール)を備えるのにさらに役立つ。
【0062】
配給アセンブリ554が、移動可能な支持部材526の下側端部に装着され、かつ一般的に、処理材料を、プロセス処理チャンバー503へ配給するための、一つ又はそれ以上の別個独立した機構を含む。例えば、配給アセンブリ554の例示される実施形態は、少なくとも一つ、好ましくは、二つ又はそれ以上、さらに好ましくは三つの異なる種類の配給能力を含む。一つの能力として、これらの機構が、アセンブリ554を、加工物12の方であって下方に、一又はそれ以上の処理流体をスプレーさせることが可能な、一つ又はそれ以上の配給構造を含む。好ましい実施形態では、この能力が、別個独立した、第1及び第2のスプレーバー(スプレー棒状部材)の機能を一体化して組み込む、スプレーノズル/障壁構造556のような配給構造により備えられる。これらの別個独立のスプレー用機能は、二つの別個独立の処理材料を、同時に加工物12上へとスプレーさせる。もちろん、他の実施形態は、所望のように、ただ一つのスプレーシステム、又は、三つ若しくはそれ以上のスプレーシステムを含む。
【0063】
さらに、この特別な実施形態に対して、スプレーノズル/障壁構造556の、略環状体558が、加工物のプロセス処理のための保護された環境を備えるのに役立つように、プロセス処理チャンバー503を覆う蓋として、たった一つだけで機能する。しかし、略環状体558は、好ましくは、プロセス処理チャンバー503を封止(シール)しないが、気体フローへ規制を高めるために、むしろ、バッフル部材174、218及び262に近くにある。ツール10が、(さらに後述する)ウエハー搬送の構成の中に配置されるときに、略環状体558及びバッフル部材174、218及び262が、これらの構成要素の一つ又はそれ以上が移動することによって分離され、加工物12を、プロセス処理チャンバー503へと配置し、かつ、プロセス処理チャンバー503から離すようにさせる。
【0064】
より詳細には、スプレーノズル/障壁構造556が、低部表面560、頂部表面562、略中央アパーチャ575及び外側周辺部566を持つ、環状体558を含む。内側周辺部564は、略中央アパーチャ575を通ってスムーズなガスフローを促進するのに役立つように丸められている(R付け加工がされている)。環状唇部568は、好ましくは、頂上表面562と基本的に整列するように、外側周辺部566から、基本的にかつ外側方向に延在している。唇部568及び外側周辺部566は、環状ギャップ572を形成する。環状体が装着される、移動可能な支持部材526の方向の移動により、環状体558が、バッフル部材174、218及び/又は262の一つ又はそれ以上の端部182、226及び/又は270が、環状ギャップ572へ嵌合可能である。小さいギャップが、バッフルと環状体558との間の接触を回避するために環状ギャップ572の中に維持されることが好ましい。この構成は、上部空間部502からの材料が、プロセス処理チャンバー503へのフローを防ぐことに役立つ。螺刻された孔574は、環状体558、及びここから配給アセンブリを、貫通装着用の穴549を通り嵌合した螺子846等を使用し、移動可能な支持部材526の内側環状フランジ548へと装着することを容易にする。
【0065】
好ましくは、少なくとも、環状体558の下側表面560が、加工物12と環状体558との間に、先細になる流路576を確立するために、加工物12に対して、放射状かつ外側方向であって、下方へ傾けられている。傾けられた表面560は、様々な幾何学形状を持つ。例えば、その幾何学形状は、円錐形、放物形状(パラボラ形状)、多角形状等の、一又はそれ以上とすることができる。例示のために、環状体558は、略中央アパーチャ575を備えるように、内側周辺部564の所で、中空かつ切頭円錐形の幾何学形状を持つ。その結果として得られた、先細になる流路は、再循環領域を最小化しつつ、加工物12の中央部から外方向へ、放射状の流れを促進するのに役立つ。該先細の形状はまた、スムーズな適用に役立つと共に、加工物12の外側端部に近づく流体の流速を速めるのに役立つ。この構成は、流体のしぶきを減ずるのに役立つ。さらに、低部表面560の角度は、下に横たわる加工物12上へ直線的かつ下方のドレイン又は滴下(ドリップ)よりはむしろ、環状体558の外側周辺部566からのドレイン又は滴下する液体に役立つ。
【0066】
スプレーノズル/障壁構造556の、アーム構造578は、略中央アパーチャ575を横切るように延在しており、岐路580かつ582の箇所で、環状体558の内側周辺部564に結合されている。アーム構造578は、第1の副アーム584と、第2の副アーム部586を含む。アーム構造578は、中央配給ノズル用部材754を装着するためのアパーチャ589を含む。図示された好ましい実施例では、第1の副アーム部584は、環状体558の隣接部590と、基本的に一列に並んでおり、一方、第2の副アーム部586は、環状体558の隣接部592と、基本的に一列に並んでいる。特に、副アーム部584及び586の底部表面598及び608は、環状体558の低部表面560と、一列に並んでいる。このようにして、副アーム部584及び586は、基本的に傾斜角を持ち出合うようにされる。アーム構造578は、中央アパーチャ575を、第1及び第2のアパーチャ部594及び596へと、細分化する。これらのアパーチャ部594及び596は、処理中、プロセス処理チャンバー503に対して、エアー用の入口ポートとして機能する。隣接のアーム構造578のエッジ部は、これらの入口ポートを通って、スムーズかつ均一なフローが促進されるように、丸められることが望ましい。
【0067】
第1の略三角形状の溝600は、スプレーノズル/障壁構造の下側に形成される。この溝600は、第1の副アーム部584及び環状体558の隣接部590の部分を横切るように延在する、スプレーノズル/障壁構造556の、第1の半径部の少なくとも一部の橋渡しをする。この溝600は、溝600の長さ部および隣接部604及び606に沿って延在する、頂点領域602を含む。同様の態様で、第2の略三角形状の溝610が、スプレーノズル/障壁構造556の下側に形成される。この溝610は、第2の副アーム部586及び環状体558の隣接部592の部分を横切るように延在する、スプレーノズル/障壁構造556の、第2の半径部の少なくとも一部の橋渡しをする。溝600と同様に、この溝610は、溝610の長さ部及び隣接面(不図示)に沿って延在する頂角領域(不図示)を含む。
【0068】
溝600及び610は、それぞれ、処理材料の分離した直線的な流れ(ストリーム)を、これらの溝と一体化した、一つ又はそれ以上の各ノズル又はノズルアレイ(後述)から配給させるようにするノズルの特徴を含む。これらのノズルは、優れた洗浄効果のために、加工物12の各半径部に対して、覆い部を備える各溝と関連するノズルを用いて、基本的に、処理材料を加工物12の下方向へ配給する。
【0069】
スプレーノズル/障壁構造556は、第1の、別個独立したスプレーバーの能力を、副アーム部584及び環状体558の隣接部590へ、組み込むために、いくつかの特徴を含む。これらの特徴は、螺刻された基台部624及びフレア結合626を持つ、流体用入口部材622を、基本的に含む。配給用筒部854は、フレアカップリング626へ流体的に結合されており、螺刻された基台部624と、螺状に係合するフレアナット856を介して所定位置に固定される。導管628は、副アーム部584及び環状体558の隣接部590の一部を通って、基本的に放射状かつ外側方向に延在する。枝分かれ状の導管636は、頂角領域602に沿ってそれぞれのノズルが分布されるノズルアレイ638に対し外側方向へ、流路632から延在する。ノズルアレイ638は、他のアレイパターンが所望の場合には使用されるが、直線状であることが好ましい。さらに、ノズルアレイ638は、下に横たわる加工物12の、半径の少なくとも一部であることが好ましく、該半径の少なくとも略全部であることが、より好ましい。
【0070】
使用中、ノズル638を通って配給される材料は、配給用筒部854を通って入口ポート630へとフィードされる。入口ポート630から、該材料が、導管628を通り、次に流路632を通って流れる。流路632から、材料が、ノズル638へと導かれる枝分かれ状の導管636の中で、配給される。
【0071】
副アーム部584は、螺刻された基台部644及びフレアカップリング646を持つ、流体用入口部材642をさらに組み込んでいる。配給用筒部850は、フレアカップリング646に、流体的に結合されており、螺刻された基台部644と螺子状に係合するフレアナット852を介して所定の場所に固定される。入口用導管648は、入口ポート650から分岐点652へ延在しており、分岐点652の所で、流路が、導管654及び656へと分離している。導管654及び656が、分岐点652から、流路658及び660へそれぞれ延在している。流路658及び660のそれぞれは、環状体558の、副アーム部584及び隣接部590を介して、基本的に放射線状かつ外側方向へ延在している。複数の枝分かれ状の導管(不図示)が、流路658から溝600の面604に沿ってそれぞれが分布されるノズル664へと延在しており、一方、枝分かれ状の導管(不図示)が、流路660から溝600の面606に沿ってそれぞれが分布されるノズル665のアレイへ延在している。所望の場合は、他のアレイパターンを使用するが、ノズル664及び665のアレイのそれぞれは、ノズルアレイ638に対するのと同様にして互いに直線状かつ平行になっている。ノズル664及び665のアレイは、好ましくは、下に横たわる加工物12の、少なくとも一部、より好ましくは半径部の少なくとも略全体の、橋渡しをしている。
【0072】
ノズル664及び665を通って配給される材料は、配給用筒部850を通って入口ポート650へとフィードされる。入口ポート650から、材料が、導管648を通って流れる。分岐点において、流れは、導管654と導管656との間に分布される。それから、流れのそれぞれは、流路658及び660を通って流れる。流路658及び660から、材料の流れのそれぞれが、枝分かれした導管(不図示)の中に分布され、そしてそれから、ノズルアレイ664及び665から配給される。
【0073】
導管628、流路632及び枝分かれした導管636は、便利なことに、所望の穴あけ技術を使っても形成される。例えば、流路632、658及び660は、環状体558の外側周辺部566から放射線状内側への方向で、対応する穴を開けることによって、適宜、形成される。流路632、658及び660を備える穴を開けた後で、結果として得られた流路632、658及び660の端部をシール(封止)するために、プラグ640が、挿入可能である。
【0074】
ノズル638、664及び665は、基本的に、配給されるストリームを、噴霧状に互いに衝突するような輻輳的態様で、配給する。液体、気体、又はこれらの組み合わせが、スプレーバーシステム620を使用して配給可能である。操作の一つの代表的な態様では、液体物質が、配給用筒部850を通ってフィードされ、続いてノズル664及び665を通って配給される。一方、ガス物質が配給用筒部854を通り、続いてノズル638から配給される。各フィードは、別々に又は共に配給可能である。共に配給される場合には、配給されたガスの直線的流れが、より大きなエネルギーを持ちつつ、配給された液体のストリームを噴霧化するのに役立つ。
【0075】
加工物12の表面に対する、空間的な配給の軌道、ノズル638、664及び665のオリフィスサイズ等は、配給されるストリームのスプレー時の特徴を調整するために変更可能である。例えば、加工物12の半径部を横切って、より均一なスプレーを作り出すのに役立つために、空間的な配給の軌道、ノズルのオリフィスサイズ等が、変更可能である。
【0076】
付加的かつ、別個独立のスプレーバーの機能が、さらにスプレーノズル/障壁構造556に組み込まれる。図示されるように、この付加的なスプレーの機能は、既に記載された第1のスプレーバーの機能と基本的に同一であるが、第2の副アーム部586及び環状体の隣接部592へ組み込まれることと、スプレーノズル/障壁構造556の第2の半径部に沿って延在することにおいて異なる。この第2のスプレーバーの機能を備える特徴は、螺刻された基台部670及びフレアカップリング672を持つ第1の流体用入口部材668と、螺刻された基台部676及びフレアカップリング678を持つ第2の流体用入口部材674と、を含む。配給用筒部862は、フレアカップリング672へ流体的に結合され、螺刻された基台部670と螺子状に係合するフレアナット864により所定箇所に固定される。配給用筒部862を通ってフィードされる材料は、頂点602に沿ったノズルアレイ638と類似の、溝610の頂点に沿って、ノズルアレイ(不図示)を通って、配給される。これらの材料は、導管628と類似の導管(不図示)と、流路632と、第1の一体化されたスプレーバーシステム620の枝分かれした導管636とを通って、運搬される。他の配給用筒部858が、フレアカップリング678へ流体的に結合され、螺刻された基台部676と螺子状に係合するフレアナット860により、所定の場所に固定される。配給用筒部858を通ってフィードされる材料は、面604及び606のノズルアレイ654及び656と類似の、溝610面上のノズルアレイ(不図示)を通って、配給される。これらの材料は、入口導管648と類似の導管(不図示)、分岐点652、導管654及び656、流路658及び660、第1の一体化されたスプレーバーシステム620で使用される枝分かれした導管(不図示)を通って、運搬される。
【0077】
少なくとも環状体558の低側表面560は、ツール10を用いて実施される処理の性質・内容次第で、所望のように、親水性又は疎水性であるようにされる。スプレーノズル/障壁構造556の全体が、所望の親水性又は疎水性の性質を持つ、一つ又はそれ以上の材料から形成されることが、より好ましい。
【0078】
スプレー能力に加えて、配給アセンブリ554は、さらに、一つ又はそれ以上の処理流体を、基本的に下側に横たわる加工物12上へ配給する、配給能力を組込んでいる。処理流体は、直列的に、同時に、重なり合う態様で、及び/又はその他の態様で、配給される。好ましい実施形態では、この能力は、中央配給部材754のような配給用構造により提供される。例示のため、図示されたような中央配給部材754が二つの別個独立のノズルを含み、これらのノズルが、二つの異なる処理材料を、同時に、加工物12へと配給させる。勿論、他の実施形態が、所望により、ただ一つの配給用ノズル、又は3つ若しくはそれ以上のノズルを含むようにしてもよい。
【0079】
さらに詳細には、中央配給部材754が、基本的に、頂部758、側壁760及び底部762持つ構造体756を含む。第1及び第2のフレアカップリング764及び766が、頂部758から凸設する。第1及び第2のリム部768及び770が、底部762から凸設する。第1の貫通導管772が、第1の入口ポート774から第1の出口ポート776へと延在し、一方、第2の貫通導管778が、第2の入口ポート782から第2の出口ポート780へと延在している。
【0080】
螺刻された孔788を持つピン786が、構造体756を横切るようにして、導管790内に収納される。ピン786が、螺刻された孔788が、基本的に導管781と一列に並ぶように、構造体756の中へ挿入される。装着用螺子793は螺刻された孔788と係合し、中央配給部材754を配給アセンブリ554へ装着するのに役立つために、導管791内部に収納される。一対の凹凸部792及び794が、スプレーされた処理流体が、中央の配給部材754に衝突するのを防止するように、構造体756内に形成される。
【0081】
配給用筒部866及び868が、リテーナ/スペーサーのクランプ796を用いて、フレアカップリング764及び766へ結合される。使用時に、中央配給部材754から配給される材料が、当該場合で採用されるように、配給用筒部866及び868のいずれか、又はその両方から、及び入口ポート774及び780のいずれか、又はその両方へと、フィードされる。導管772及び/又は778から、材料が、一対のノズルを構成する出口ポート776及び/又は782が配給される。これら出口ポート776及び/又は782は、加工物12の中央の方へ、一対のノズルを構成する。出口ポート776及び/又は782が、さらに処理流体の十分な覆い部を、加工物12の中央上に備えるのに役立つように角度付け可能である。
【0082】
スプレー及び中央の配給能力に加えて、配給アセンブリ554が、未だ組み込まれてイいないさらなる配給能力を、さらに組み込み、もって、基本的に加工物12の方であって下向きのシャワーヘッド態様である一つ又はそれ以上の処理流体を、配給する。このアプローチ(解決手段)は、一つ又はそれ以上の気体及び/又は蒸気の均一なフローを、プロセス処理チャンバー503へと配給するのに、特に役立つ。好ましい実施形態では、この能力が、シャワーヘッド配給部材680のような配給構造によって提供される。例示のために、シャワーヘッドの配給部材680が、二つの配給用フィードによりフィードされる。これらの二つの配給用フィードは、同一又は別個とすることが可能で、もって、二つの異なる処理材料を、同時にプロセス処理チャンバー503へと配給させる。勿論、他の実施形態が、ただ一つの配給用フィード、又は3つ若しくはそれ以上の配給用フィードを、所望に応じて含む。
【0083】
さらに詳細には、シャワーヘッドの配給部材680は、基本的には、基台部682及び覆い部734を含む。基台部682は、基本的に、円形状684及び凹部が形成された副床部686を含む。壁688は、床部684及び副床部686と、互いに接続される。副床部686は、いくつかのアパーチャの特徴を含む。該特徴によれば、スプレーノズル/障壁構造556及び中央配給用ノズル部材754への配管を、便宜良くかつコンパクトに導かせる特徴をもたせる。特に、アパーチャ690、696、707及び708は、それぞれ、液体用入口部材622、642、668及び674上に装着される。フレアナット852、856、864及び860が、配給用筒部850、854、862及び858を、それぞれフレアカップリング646、626、672及び678へ装着するときに、それぞれ肩部700、694、706及び712に対して台座する。さらに、ジャムナットが、フレアナットが二つの機能を実行する必要がないように、肩部696、700、706及び712に対して台座するために使用可能である。同様にして、アパーチャ714及び716が、配給用筒部866及び868を、中央配給用ノズル部材754上のフレアカップリング764及び766のそれぞれへ、結合するためのアクセス部を備える。
【0084】
アパーチャ718は、リテーナ/スペーサーのクランプ796及びスクリュー793を用いて、アパーチャ589内部および副床部686の下側へ、中央配給部材754を、装着することを容易にする。クランプ796は、側壁800、頂部802及び底部804を持つ構造体798を含む。第1及び第2の導管806及び808は中央配給部材754へ結合される配給用筒部866及び868の配列を収納するとともに、その配列を維持するのに役立つ。導管810は、中央配給部材754を所定位置にクランプするのに使用されるスクリュー793を収納する。構造体798は、クランプ796がフレアナット856及び864の間で入れ子化するように、対向する側で解除される。
【0085】
基台部682の床部684は、副床部686の対向する側に位置決めされる第1の領域720及び第2の領域725を含む。第1の領域720が、ノズルアレイ722を含む、一方、第2の領域725が、第2のノズルアレイ728を含む。
【0086】
蓋部734は、基本的に、環状リム738及びビーム(梁)739により強化された中央パネル736を持ち上げる。第1及び第2のチャンバー740及び741は、蓋部734及び基台部682の間に形成される。第1のチャンバー740は、基本的に蓋部734とノズル722の間にあり、一方、第2のチャンバー741は、基本的に蓋部734とノズル728との間にある。例示されるように、第1及び第2のチャンバー740及び741は互いに孤立しているが、共通の配給源を持つ。所望ならば、別個独立の配給源が使用される。流体入口部材742は、螺刻された基台部744及びフレアカップリング746を含む。配給用筒部747は、フレアカップリング746へ流体的に結合され、螺刻された基台部744と螺子状に係合するフレアナット748を介して、所定の場所に固定される。導管749は、入口ポート750から出口ポート751へ延在する。ここでは、導管749が、チャンバー740及び741の中へ開かれている。
【0087】
基台部682の外側周辺部732上の装着用穴730及び蓋部734上の装着用穴752は、スクリュー734を用いて、シャワーヘッドの配給部材680を環状体558へ装着することを容易にする。スタンドオフ部材(二者間を離すようにして二者間を支持する部材)844は、シャワーヘッドの配給部材680の、所望の位置決めを維持するのに役立つ。シャワーヘッドの配給部材680は、ノズル722及び728が、基本的に、アパーチャの副区域594及び596上に横たわるように、スプレーノズル/障壁構造556へ装着される。
【0088】
使用時に、一つ又はそれ以上の処理流体、特に気体の一つ又はそれ以上のフローが、配給用筒部747を通って、シャワーヘッドの配給部材680へ配給される。各筒部747へ配給された処理流体は、同一であっても異なってもよい。処理流体は、導管749を介して、チャンバー740及び741へ導入される。チャンバー740及び741内部の処理流体の圧力は、ノズル722及び728を通るフローが均一になるように、基本的に均一化される。シャワーヘッドノズルから上流のチャンバー740及び741内部の流体圧力の差が、均一なフローを促進する従来の手法にしたがって、ノズル722及び728自体を通る、圧力降下(プレッシャードロップ)より、望ましくはより小さくなるようにされることが望ましい。ノズル722及び728を通って配給される場合に、配給された液体が、基本的には、アパーチャの副区域594及び596を通って、加工物12の方へ流れる。排出は、このフローを容易にするために、プレナム29、30又は31の一つ又はそれ以上を通って引かれる。
【0089】
シャッター818は、図3及び図6、並びに図2に示されたような、基本的に十分開かれた位置を含む移動範囲を通って、加工物12に対して、Z軸527の方向に別個独立に移動可能である。シャッター818が、部分的に開閉される、二つの特別な箇所の間の中間地点で、該シャッター818が位置決めされる。シャッター818が閉じられた位置にある図2では、バッフル部材174、218及び262が、環状体558の環状ギャップ572の内部に位置決めされる処理位置へ下げられる。この構成は、プロセス処理チャンバー503内部の環境の完全な状態を保護するのに役立つ。しばらくの間、シャッター818が、その頂上部分が、環状板540に隣接した位置にある環状板832を持つ環状のチャンバー542の内部で入れ子化されるように上げられる。しかし、小さなギャップが、その他の方法で、望ましくない汚染を発生する可能性のある接触を防止するために、環状板832及び540の間で維持されることが好ましい。このように上げられかつ開かれているシャッター818を用いることで、上部空間部502内の一つ又はそれ以上のガス及び/又は蒸気が、アパーチャの副区域594及び596によって形成された気体用入口ベントを通ってプロセス処理チャンバー503へと自由に引かれる。簡潔に述べると、図2は、加工物12を用いて処理を実施するのに役立つツール10の例示的な構成の一実施形態を示している。
【0090】
図6において、移動可能な支持部材526(及び以降、配給用アセンブリ554も含む。)が、バッフル部材174、218及び262から離れるように上げられて、加工物12を、結果として得られるギャップ874を介して、支持用のチャック94上の位置へ、及びその位置から、搬送させる。簡潔に述べると、図6は、加工物を、ツール10へ、及びツール10から、搬送するのに役立つ、ツール10の例示的な構成の実施形態を示す。
【0091】
図2は、シャッター818が閉位置にあるようにされる、ツール10の例示的な構成を示す。図2のツールの構成は、図3の構成と類似しているが、この時点で、底部リム824が環状体558の頂部面562に近いところに位置決めされるように、シャッター818が、移動可能な支持部材526に対して、低くされる点において異なる。小さなギャップが、底部リム824が、実際に頂部面562に接触しないように、維持されることが望ましい。この構成において、シャッター818が、このシャッター818の外側の上部空間部502の容量部から、プロセス処理チャンバー503への、気体入口を締めることに役立つが、一方、さらに、配給用アセンブリ554を介して、プロセス処理チャンバー503へ導入される、一つ又はそれ以上の気体、及び/又は蒸気を含むのにも役立つ。例えば、閉じられたシャッター818は、加工物12の方へ配給さえることになる、IPA(イソプロピルアルコール)が豊富に含まれた気体/蒸気の混合物の、濃霧(fog)を含むことを容易にする。他の例として、閉じられたシャッター818がさらに、スプレーノズル/障壁構造556を洗浄するのに使用される流体を含むのに役立つであろう。プロセス処理チャンバー503に対して、上部空間部502で維持される適当な負の圧力は、汚染物が、プロセス処理チャンバー503に入ることを防止するのに役立てることが可能である。
【0092】
さらに詳細には、シャッター818は、頂部リム822及び底部リム824を持つ、内側壁部820を含む。そして、外側壁826と内側壁820とは、略同心状であり、頂部リム828から底部リム830へ延在している。環状板832は、内側壁820の頂部リム822を、外側壁826の頂部リム828へ結合させ、もって、壁820及び826の間に環状チャンバー836を形成する。外側環状フランジ838は、シャッター818を強化するのに役立つように、基本的に、外側壁826の底部リム830から外側に延在する。環状フランジ838は、さらに加工物12に対して、Z軸方向における動きの範囲により、シャッター818を移動させるのに役立つ、(不図示の)アクチュエータ構造を装着する一般的な表面をも備える。
【0093】
シャッター818の内側壁820は、頂部リム822から底部リム824へ開かれた導管834を画定するのに役立つ。移動可能な支持部材526の内側壁528は、この導管834の内側に収納される。小さい環状ギャップは、内側壁528を内側壁820を分離する。両壁のいずれか又は両方が、Z軸527方向において移動されるときに、互いに接触しないようにするためである。
【0094】
シャッター818は、壁518が環状チャンバー836の内部で入れ子化状態のままとなるように、外側壁826が通路524の外側にあるように、位置決めされる。次に、シャッター818の頂上部が、移動可能な支持部材526の環状チャンバー542の内側で入れ子化される。好ましくは、壁528、820、518、826及び534の間に小さな環状ギャップが存在するようにする。これらの壁が、壁表面の接触が汚染物を発生させるであろうから、移動可能な支持部材526のZ軸方向の移動中に、触れないようにするためである。
【0095】
本発明の他の実施形態は、本明細書を考慮し、又はここに開示された発明の実施すれば、当業者には明らかである。ここに開示された原理及び実施形態に対する様々な省略、修正、変更は、特許請求の範囲で示される発明の真の範囲と精神と逸脱することなく、当業者によってなされる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の好ましいツールの実施形態の斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った、当該ツールが、内側ダクト路が外に見えており、シャッターが下がっている/閉じている構造における状態にある斜視断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、内側ダクト路が外に見えており、シャッターが上っている/開かれている構造における状態にある斜視断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、中間ダクト路構造における状態にある斜視断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、外側ダクト路構造における状態にある斜視断面図である。
【図6】図1のA−A線に沿った、当該ツールが、加工物が転送される構造の斜視断面図である。
【図7】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、加工物が転送される構造の斜視断面図である。
【図8】図1のツールの底部の斜視図である
【図9】図1のツールの底部図の他の斜視図である。
【図10】基台部用パンの底部から上方に向かって上り、複数の排出用プレナム及びドレイン用溜部を画定している、一連の環状かつ同心状の壁部を示すために構成要素を除去した、図1のツールの、基台部用パンの斜視図である。
【図11】図1のツールにおいて使用される環状ドリップ用リングの斜視図である。
【図12】図1のツールで使用される外側かつ環状のバッフル板の斜視図である(中間および内側のバッフル板は、図示しないが、他の図やそれに関する記載に示されるように互いに内側に入れ子になるように寸法化されることを除き、同様のものである)。
【図13】図1のツールで使用される外側環状バッフルフードの斜視図である(中間及び内側バッフルフードは、図示しないが他の図やそれに関する記載に示されるように互いに内側に入れ子になるように寸法化されることを除き、同様のものである)。
【図14A】環状ドリップ用リングの周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14B】内側バッフル部材の周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14C】中間バッフル部材の周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14D】外側バッフル部材の周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14E】プレナム及びドレイン用溜部を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図15】ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分の、別のクローズアップされた断面図である。
【図16】ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分の断面図である。
【図17】ラインA−Aに沿った配給用アセンブリが下げられて処理を実行し、かつシャッターが下げられ/閉じられている構造における、図1のツールの一部分の断面図。
【図18】図1のツールで使用される天井板の斜視図である。
【図19】図1のツールで使用される移動可能な支持部材の斜視図である。
【図20】外側及び内側のバッフル部材のためのアクチュエータ部品を示す、図8のラインC−Cに沿った図1のツールの部分断面図である。
【図21】図1のツールで使用される配給用アセンブリの斜視図である。
【図22A】ラインG−Gに沿った図21の配給用アセンブリの断面斜視図である。
【図22B】付加的な参照文字を同定することを除き、図22Aと同様のラインG−Gに沿った図21の配給用アセンブリの断面斜視図である。
【図23】図22の配給用アセンブリで使用されるスプレーノズル/障壁構造であって、基本的に当該構造の下側から見える状態の斜視図である。
【図24】図22の配給用アセンブリで使用されるスプレーノズル/障壁構造であって、当該構造の略頂部で見ることができる状態の斜視図である。
【図25】ラインH−Hに沿った図24のスプレーノズル/障壁構造の断面図である。
【図26】ラインJ−Jに沿った図24のスプレーノズル/障壁構造の断面図である。
【図27】図22の配給用アセンブリで使用される中央配給ノズル用部材の図である。
【図28】図22の配給用アセンブリで使用されるリテーナ/スペーサー用クランプの斜視図である。
【図29】中央配給ノズル用及びリテーナ/スペーサー用クランプの副アセンブリを含む図22の中央配給用ノズルの一部の斜視図である。
【図30】ラインD−Dに沿った図29の副アセンブリの断面斜視図である。
【図31】ラインC−Cに沿った図29の副アセンブリの断面斜視図である。
【図32】図22の配給用アセンブリで使用されるシャワーヘッドの配給用アセンブリの図であって、略当該アセンブリの頂部側を示す斜視図である。
【図33】図22の配給用アセンブリで使用されるシャワーヘッドの配給用アセンブリの図であって、略当該アセンブリの底部側を見るための斜視図である。
【図34】図32のシャワーヘッドの配給用アセンブリで使用される基台部の斜視図である。
【図35】図32のシャワーヘッドの配給用アセンブリで使用されるカバー部の斜視図である。
【図36】図22の配給用アセンブリで使用される装着用直立体(スタンドオフ)の斜視図である。
【図37】移動可能な支持部材、シャッター、及び天井板間の入れ子の状態の関係を示すラインA−Aに沿った図1のツールの一部の断面図である。
【図38】図1のツールで使用されるシャッターの斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体及び気体を含む、一つ又はそれ以上の流体を用いて、マイクロエレクトロニクス用の基板をプロセス処理するのに使用されるツールに関する。さらに詳細には、本発明は、当該バッフル部材が開く及び閉じる(若しくは絞る、締める)ように位置決めされ、並びに使用される処理流体を捕集し再利用するための一つ又はそれ以上のダクトの境界を定めるのに役立つ移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材を含むようなツールに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス産業は、マイクロエレクトロニクス用のデバイスを製造するための多様の異なるプロセス処理に依存する。多くのプロセス処理は、一連の処理を含み、そこでは、異なる種類の処理流体が、所望の製法手順に従って、加工物に接触するようにされる。当該流体は、液体、気体、又はこれらの混合体でよい。また、いくつかの処理では、固体が、液体中に懸濁又は溶解し、若しくは気体中に浮遊する。適切な、廃棄、再利用、蒸気格納(蒸気による封じ込み)、プロセス監視、プロセス制御、又はその他の取り扱い(ハンドリング)を含む様々な理由のために、上記処理流体を、捕集及び回収することが強く望まれる。
【0003】
捕集技術の一つは、処理流体を捕集するために、適切に位置決めされたダクトを用いることを含む。例えば、マイクロエレクトロニクス産業における典型的な製造用ツールは、静止プラテン、回転ターンテーブル、又は可動チャックのように、それ相応の支持部上のプロセス処理チャンバー内に、一つ又はそれ以上の加工物を支持するものを含む。そして、一つ又はそれ以上のダクトが、支持部の外側周辺部の少なくとも一部に位置決めされる。処理流体が、プロセス処理チャンバーに導入されるにつれ、排出部が、処理流体を、一つ又はそれ以上のダクトに引かれることに役立つように使用される。回転用支持部については、遠心力により、スピン中の加工物及び/又は支持部の表面上の流体が、該スピン軸(回転軸)から半径方向外側へ、そしてダクトへ流れるようにされる。
【0004】
従来のツールは、異なる処理用流体を捕集するためのツールを一つ含むことが可能である。しかし、このようにツールを一つ使用することは、必ずしも全ての場合に望ましくない。例えば、いくつかの処理用流体は、他の処理用流体が存在すると過剰に反応する。また、異なる捕集条件を使って異なる流体を捕集することは望ましい。さらにまた、再利用が望ましい場合のように、他の流体との汚染を回避するための専用ダクトに流体を捕集することが望ましい。
【0005】
したがって、複数の組み合わせにより、積み重ねられ、互いに固定されたダクトを包含するツールが使用されてきた。そして、ダクトを適宜位置決めするために、加工物用支持部、及び/又は、積み重ねられたダクト自体が、昇降される。しかし、従来から採り入れられている方法は、重大な不具合をもたらしている。すなわち、上記積み重ねられたダクトが、ツールを高密度にパッケージ化することを困難にさせるのである。さらに、異なるダクトがいつも加工物に対し開状態にあり、及び/又は、排出の段階が個々制御されていないので、相互汚染がもたらされるおそれがある。さらに、従来からのダクトシステムのいくつかのものは、排出流の液体と気体とを分離する能力を持ち得ない。さらにまた、ダクト構造自体が可動な、ツールのいくつかは、外部の配管に対して、ドレイン部や排出部を移動可能にしなければならず、これにより、過度の複雑さが、ツールの、設計、製造、使用、及び諸サービスに対して、影響を与える。
【0006】
よって、マイクロエレクトロニクス産業では、異なる種類の処理流体を捕集するための複数のダクトを組み合わせるコンパクトなツールを備えることが引き続き要請される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物が、当該システム中で、液体、気体、液状化固体、分散体、これらの組み合わせ等の、処理流体を用いて処理されるツールにおける使用目的で、新規なダクトシステムを備える。当該ダクトは、再利用、廃棄、又は他の取り扱いのための、様々な処理流体を捕集するのに役に立つ。異なる処理流体は、異なる別個独立のダクトで回収され、相互汚染の最小限にとどめること、及び/又は、異なる流体のための特異な捕集の取り決めごとを活用することとなる。
【0008】
本発明のダクトシステムは、特にコンパクトである。該ダクトシステムは、少なくとも一部が、移動可能かつ入れ子化可能なダクト構造により画定されており、ダクトの通路部分が、当該ツール内の、ダクト構造間に、及び/又はこれらダクト構造と他の構造との間に、存在できる。例えば、該構造が相対的に離れて移動する場合には、ダクト通路が開き、該ダクト構造間で拡張される。一方、当該構造が相対的に共に動く場合には、構造間のダクトが絞られ(締められ若しくはチョークされ)、サイズが減じられる。好ましい実施態様では、複数のダクトが、移動可能なダクト構造がどのように位置決めされるかによって、空間と同一の容量部が存在できる。その結果、複数のダクトの容量部が、ダクト一つのみによって占める容量部よりも大きく、かつ最小限の容量を占めるようにすることができる。
【0009】
移動可能なダクト構造は、当該ツールと外部配管との間に、排出接続部及びドレインが固定され、かつ、移動を要しないように、移動可能なダクト構造は、固定されたダクト構造に、流体的に結合されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、加工物のプロセス処理中に、位置決めされる支持部材を含む。さらに、該装置は、加工物の外側周辺部の近くに、ダクト用入口をそれぞれが持つ、複数のダクト通路の少なくとも一部を画定する、移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材を含む。
【0011】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、加工物がプロセス処理中に位置決めされる回転可能な支持部材を含む。該装置は、さらにバッフル部材間に少なくとも第1のダクト通路を画定し、かつ、回転可能な加工物の外側周辺部に近い入口を持つ、複数の移動可能なバッフル部材を含む。バッフル部材が互いに対して相対的に変位することで、少なくとも第1のダクト通路を、開き又は絞るようにされる。
【0012】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、その上で、加工物がプロセス処理中に位置決めされ、そして、筐体の中で位置決めされる回転可能な支持部材と、該筐体とを含む。該装置は、回転可能な加工物の外側周辺部に近い入口をそれぞれ持つ、複数のダクト通路を含む。各ダクト通路は、回転可能な加工物から比較的遠くにある、複数の固定されたダクト構造と、回転可能な加工物に比較的近くにある、各固定されたダクト構造に流体的に結合されるダクト通路部分を画定する、別個独立の移動可能なバッフル部材とを含む構造によって、少なくとも一部が画定される。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置が、その中で加工物がプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーを含む。障壁構造が、加工物の主要面に近くに、先細にされる流路(フローチャンネル)を備えるのに効果的な態様で、加工物の上に横たわり、かつ加工物を覆うようにされる。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する方法に関する。加工物が、プロセス処理チャンバーに位置決めされる。障壁構造が、加工物の主要面に対して放射状かつ外側方向に先細にされる加工物の該主要面に近くに、先細にされる流路を備えるのに効果的な態様で、加工物の上に横たわり、かつ加工物を覆う。加工物がプロセス処理チャンバーに位置決めされ、かつ障壁によって覆われる一方、少なくとも一つのプロセス処理材料が、加工物の主要面に流れながら接触させられる。
【0015】
他の実施形態において、本発明は、その中で、加工物がプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーを含む装置に関する。障壁構造が、加工物の主要面に対して、放射状かつ外側方向に先細にされるように、加工品の主要面に近くに、先細になる流路を備えるのに効果的な態様で加工品の上に横たわり、かつ加工品を覆うようにされる。障壁構造が、プロセス処理チャンバーが、プロセス処理チャンバーへ及びプロセス処理チャンバーから、加工物を搬送させるように十分に開いている第1の位置と、障壁構造が加工物の主要面の上に流れる少なくとも一つの物質を導くための第2の位置とを含む移動範囲において制御可能に移動できる。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、ノズル装置に関し、このノズル装置が環状体を含み、この環状体が加工物の上で位置決めされるときに、加工物の表面を覆う先細にされる流路を画定するために角度付けされた低側表面を持つ。少なくとも一つのノズルが、加工物の表面かつ下側方向へ、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を配給するのに効果的な態様で、環状体に一体化される。環状体は、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料が、少なくとも一つのノズルへ供給される、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料の、プロセス処理用の材料供給用の導管を含む。
【0017】
他の実施形態において、本発明は、ノズル装置に関し、このノズル装置が、環状体を含み、この環状体が加工物の上で位置決めされるときに、加工物の表面を覆う先細にされる流路を画定するために角度付けされた低側表面を持つ。環状体が、環状体の上方の容量部と環状体の下方の容量部との間に出口を備える中央通路を画定する、内側周辺部を含む。アーム構造が、環状体と結合し、かつ第1及び第2の通路部分を画定するための効果的な態様で、中央通路を基本的に横切るように延在する。また、少なくとも、第1の、別個独立のノズルアレイが、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を、加工物表面上下方へ配給するための態様で、アーム構造の少なくとも一部及び環状体の第1の半径部を横切るように延在するように環状体と一体化する。そして、少なくとも一つの別個独立したノズルが、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を、加工物の中央部の上方および下方へ配給するための態様で、中央のアームと一体化される。さらに、少なくとも一つの別個独立したノズルは、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を、中央フロー通路部の少なくとも一つを通って延在する流路から加工物へと配給するように位置決めされる。
【0018】
他の実施形態において、本発明は、ノズル装置に関し、このノズル装置が、第1のノズル構造を含み、第1のノズル構造が、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を別個独立に、加工物表面の半径部の少なくとも一部を横切るように、加工物表面上へ、噴霧状に配給されるように備えられる。そして、第2のノズル構造が、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料が別個独立に、加工物表面の中央部分へと配給されるように備えられる。また、第3のノズル構造が、そこを通って、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料が別個独立に、加工物表面上方の上部空間部へ導入されるように提供される。さらに、これら第1、第2及び第3のノズル構造が、加工物表面に相対的に移動可能になるようにされている。
【0019】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理するための装置に関する。該装置は、当該チャンバー内で加工物が、あるプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーと、貫通孔を持つ筒部を含む移動可能部材とを含む。そして、少なくとも一つの別個独立したノズル構造が、当該移動可能部材が、加工物の主要面とノズル構造との間の相対的な空間を、制御可能に調整されるように、この移動可能部材に物理的に結合される。また、筒部の貫通孔内の、少なくとも一つの流体の、配給用の通路の少なくとも一部が、少なくとも一つの別個独立したノズル構造および加工物に流体的に結合される。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理する装置に関する。該装置は、その中で、加工物があるプロセス処理中に位置決めされるプロセス処理チャンバーと、プロセス処理チャンバーから比較的遠い第1の領域及びプロセス処理チャンバーに比較的近い第2の領域を備えるための態様でプロセス処理チャンバー上に横たわる天井構造とを含む。該天井構造は、第1及び第2の領域の間に出口を備える壁状の導管を含む。そして、移動可能部材が、壁状導管に収納される。この移動可能部材は、第1の領域から貫通孔への出口を備える第1のポートを持つ、少なくとも筒部を含む。そして、ノズル構造が、一つ又はそれ以上の材料を、プロセス処理チャンバーへ配給するように位置決め可能になるように、移動可能部材に結合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態は、下記の詳細な説明に開示された正確な形態に、本発明が限定される意図のものではなく、本発明を網羅する意図のものでもない。むしろ、下記の実施形態は、他の当業者が、本発明の原理及び利用態様を認識かつ理解できるように、選択かつ記載される。本発明は、基本的に流体を用いたマイクロエレクトロニクス用の基板洗浄システムを基にした特別な内容で記載される、一方、本発明の原理は、同様に他のマイクロエレクトロニクス用のプロセス処理システムに応用が可能である。
【0022】
図1乃至図38は、本発明の原理を組み合わせた、例示的なツール10を示す。説明のために、単一のツール10は、常に、加工物12が、適宜ツール10に収納され、そして、液体及び/又は気体が、加工物12に接触させられるような一つ又はそれ以上の処理に晒されるタイプのものである。マイクロエレクトロニクス産業では、ツール10は、一枚のウエハー用のプロセス処理を実行するツールにたとえられる。加工物12は、典型的には、半導体ウエハー又は他のマイクロエレクトロニクス用の基板である。
【0023】
ツール10は、主に、アセンブリプロセス処理区域11と、障壁構造の配給区域500とを含む。実際の使用時には、区域11及び区域500は、(図示しない)外枠部材に装着され、ツール10の(図示しない)筐体の内部に装着されることであろう。この装着は、ねじ、ボルト、リベット、接着、溶接、クランプ、ブラケットによる取付け、これらの組み合わせ等により行われている。しかし、区域11、区域500及び/又はこれらの構成要素は、諸サービス、維持・整備、性能向上、及び/又は、交換の便宜のために、別個独立しており、移動可能に装着されることが望ましい。
【0024】
プロセス処理区域11は、基本的に、基台部用パン16及び周辺の側壁18に、少なくとも一部において形成された基台部14とを含む。基台用パン16及び側壁18は、ねじ、ボルト、接着剤、溶接等、その他の互いを付着させる部品を用いて形成可能である。あるいは、基台用パン16及び側壁18は、一部分として示されるような一体形成にすることも可能である。
【0025】
特に好ましい実施形態では、環状かつ基本的に同心状の壁部22及び23と、壁部24及び25と、壁部26及び27との3つの対が、基台用パン16から上方向に凸設される。これらの壁部は、排出用のプレナム(内部の空気圧が、外気圧より高い状態を持つ箇所)29、30及び31、並びにドレイン用溜部52、53、54及び55を、画定するのに役立つ。排出用プレナム29、30及び31、並びにドレイン用溜部52、53、54及び55は、さらに下記に述べるが、3つの別個独立した、入れ子化した排出用ダクト路330、338及び346を形成する。勿論、本発明の他の代表的な実施形態は、所望により、さらに少なく、若しくは、より多くの数のダクトを含むことが可能であり、この場合には、より少なく、若しくは、より多くの数の、排出用プレナム及びドレイン用溜部が、適宜備えられるであろう。
【0026】
さらに、図示されるようなツール10の実施形態では、各ダクト、好ましくはダクト330、338及び346が、プレナム及びドレイン用溜部を、互いに対して独立するように分離する。この構成が、個々に排出される流れ(以下適宜「ストリーム」とする。)を、プロセス処理中において排出及び/又は他の段階において、個別に取り扱うことを可能とすることは有益である。このことは、様々な理由で望ましいとされる。例えば、回収のために、排出されるストリームの液体成分を回収するのに望ましいとされる。このような液体成分のために、専用の排出ダクトの使用が、他のストリームとの相互汚染を回避する。他の例では、異なる条件で、異なるストリームを排出することが望ましいとされる。このように独立して離れている排出ダクト路は、多くの場合に好ましい。しかし、他の実施形態で、さらにコンパクトな設計が望まれる場合は、特に、二つ又はそれ以上の排出ダクトが、ドレイン用溜部及び/又は排出用プレナムを兼用可能である。
【0027】
壁部22及び23の頂部リム33及び34は、そこを介して、排出されるストリームが内側排出用のプレナム29に入る、略環状の排出入口を画定する。プレナム29の底部は、排出されるストリームが内側排出用のプレナム29から流出されることになる一つ又はそれ以上の排出用出口ポート48を含む。さらに、同様な態様で、そこを通って、排出されるストリームが中間の排出用プレナム30に流入する壁部24及び25の頂部リム38及び39が、環状排出用入口40を画定する。プレナム30の床部は、そこを通って、排出されるストリームが中間排出用プレナム30に流出する一つ又はそれ以上の排出用出口ポート49を含む。さらに同様に、壁部26及び27の頂部リム43及び44は、そこを通って、排出されるストリームが外側排出用プレナム31に流出する環状排出用入口45を画定する。プレナム31の床部は、そこを通って、排出されるストリームが外側排出用プレナム31に流出する一つ又はそれ以上の排出用出口ポート50を含む。
【0028】
ドレイン用溜部52、53、54及び55のそれぞれは、床部56、57、58及び59のそれぞれを含む。床部56、57、58及び59のそれぞれは、そこを通って、集められた液体が、それぞれに対応するドレイン用溜部に流出する出口63及び67のような、一つ又はそれ以上のドレイン出口を含む。内側ドレイン用溜部52の床部56は、適宜スロープを持ち、集められた液体を出口63へと向ける。床部57、58及び59も、同様にして、スロープを持つことが可能である。様々なドレイン用出口が、ドレイン用カップリング62又は68と嵌合し、適切なドレインの(図示しない)配管用の材料への接続を容易にする。
【0029】
図示されたような好ましい実施形態では、シャフト用孔70を含む、複数のアクチュエータのシャフト用筐体69が、内側排出用プレナム29に位置決めされる。この構造が、本来的に、内側排出用プレナム29を、3つの副プレナムへと小分けにする。したがって、排出用プレナム全体で、一様な排出フローを容易にするには、このような小分けにされた副プレナムのそれぞれに、一つ又はそれ以上の排出用ポートを備えることが望ましい。シャフト用筐体69及び孔70が、アクチュエータ用シャフト314が結合され、これによって、内側排出用プレナム29と機能的に係合する内側バッフル部材174の動きを制御するアクセス部を備える。同様な態様で、シャフト用孔72を含むアクチュエータ用シャフトのための筐体73が、排出用プレナム30に位置決めされ、アクチュエータ用シャフト326に結合され、これによって、外側排出用プレナム31と機能的に係合する外側バッフル部材262の動きを制御するアクセス部を備える。さらに同様の態様で、シャフト用孔76を含むアクチュエータの軸用筐体75が、外側排出用プレナム30内に位置決めされ、かつ結合されるべきアクチュエータのシャフト326へのアクセス部を備え、もって、外側排出用プレナム31と機能的に係合する外側のバッフル部材262の動きを制御する。
【0030】
基台部16の中央領域は、中央貫通孔78を含む。中央貫通孔78は、好ましくは、示されるように、基本的に断面において円形状であるが、所望により他の形状も備えうるだろう。円筒状の内側フランジ80は、基台部用パン16から上方向に凸設しており、円筒状内側側壁82及び外側側壁84を画定するのに役立つ。外側側壁84は、その頂部のリムのところに肩部90を含み、そして、内側側壁82は、その下側リムのところに肩部92を含んでいる。
【0031】
プロセス処理チャンバー503の内側で、加工物12が、チャック94によって支持かつ保持される。チャック94は、略円筒状であり、上側面96、下側面98、環状基台部100、中央貫通孔102、該外側周辺部にある側壁104、及び環状しぶき盾部108を含む。チャック94は、静止可能、又は中央軸106の周りを回転可能とされる。例示のために、諸図面はツール10の実施形態を示しており、そこでは、チャック94が、加工物12の処理中に、軸106の周りでスピン可能なように、モータ110によって回転可能に起動されることを示す。加工物12が、回転用チャック94によってスピンされる当該実施態様では、モータ110は、中央孔112を持つ中空のシャフトタイプのものであってもよく、装着構造部材114によるような便宜のよいアプローチ(解決手段)によって、ツール10に装着されるようにしてもよい。モータ110は、中央孔112を持つタイプのものであり、例えば装着部材114による、便宜のよいアプローチ部によりツール10に装着される。
【0032】
環状しぶき盾部108は、チャック94の下側面98から下方に向かって延在する。そして、この盾部108の下側端部109は、内側フランジ80の肩部90のところで、入れ子化されており、液体が、内側フランジ80を越えてしぶきを上げることを防止するのに役立つ。チャック94が回転可能な実施形態では、盾部108と肩部90の壁との間にギャップがあり、肩部108と肩部の壁とが、互いに対して向かい擦れ合うことを防止する。チャック94が回転するにつれ、望ましくない破片を発生しうるからである。
【0033】
チャック94は、現在は、従来からの取付け方法に従い、あるいは今後はより進んだ方法で、様々に異なる方法のいずれかで、加工物12を固着することができる。好ましくは、チャック94は、加工物12と上側表面96との間にギャップが存在するように、チャック94の上側面96の上方で、加工物12をしっかりと保持する(不図示の)端部を把持する構造を含む。その結果、リンス水を含む処理化学薬品が、加工物12の上側面128又は下側面130のいずれかの上へ配給可能である。
【0034】
さらに、ツール10は、加工物12の下側面130を処理するための配給用構造を含む。例示された、後側型(バックサイド型)の配給機構は、基本的に円形状の配給ヘッド136として示されており、そこでは、一つ又はそれ以上の処理化学薬品が、(不図示の)複数のノズルオリフィスを通って、加工物12の下側面130の方へ配給される。処理化学薬品は、チャック94の中央孔102及びモータ110の中央孔112を貫通するシャフト138を介して、後側型配給ヘッド136へ配給される。チャックが回転する実施形態では、周辺パーツが、チャック94が回転する際に擦れ合わないように、シャフト138と、中央孔102及び112との間にギャップがあるようにされる。後側型配給ヘッド136は、要求に応じて供給若しくは混合されて、配給されるように処理物質の一つ又はそれ以上の(不図示の)供給源へ結合される。
【0035】
環状ドリップ用リング156が、内側フランジ80に近い基台部用パン16に嵌合される。この環状ドリップ用リング156は、基本的には、床部158、内側壁160、中間壁162、湾曲した頂部リム164、及び外側壁166を含む。床部158は、基本的に、ドレイン用溜部52内の床部56のスロープに一致かつ適合するように、下方向に傾いている。環状ドリップ用リング156の内側壁160は、内側フランジ80の下側側壁部86に対して嵌合される。中間壁162は、中間壁162とチャック94の側壁104との間にギャップが存在するように、外側に軽く湾曲している。湾曲した頂部リム164は、中間壁162と外側壁166との間で、滑らかな遷移を備える。このことは、後述するが、排出されるストリームが環状ドリップ用リング156上を流れ、一つ又はそれ以上の、開かれたダクトへと流れるときに、滑らかな流れを促進することに役立つ。この方法では、チャック94及び/又は加工物12から外側へスピンされるいくつかの流体が、環状ドリップ用リング156によって形成された捕集用溜部170で捕集される。捕集用溜部170で捕集される液体がドレイン用溜部52へと抜かれるように、ドレイン用ポート172が、床部158及び中間壁162によって形成された環状ドリップ用リング156の下側部に備えられる。
【0036】
ツール10は、特に好ましい実施形態において、排出用プレナム28、30及び31の数に基本的に対応するように複数の移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材174、218及び262をさらに含む。バッフル部材174、218及び262は、一つ又はそれ以上の排出用ダクトを、選択的かつ制御可能に、開く及び/又は閉じる(絞る)ように互いに対し相対的に独立して移動可能とされ、上記排出用ダクトへ、排出されるストリームを、加工物12及び/又はチャック94から放射状かつ外側方向に流すことができることは有益である。バッフル部材174、218及び262は、さらに、このような一つ又はそれ以上の排出用ダクトの境界の、少なくとも一部をさらに画定し、もってダクトを通って流れる排出されるストリームを導くのに役立つ。バッフル部材174、218及び262が、所望のように、共に移動し、かつ、入れ子化されることの両方を行うことができる能力により、これらのバッフル部材によって画定された少なくとも一部の境界部を持つ複数ダクトのいくつかの部分が、唯一つのダクトと同一の空間容量部に極く近いところを、占めることができる。この点において、ツール10がよりコンパクトになる。コンパクト化は、様々な理由のために重要である。例えば、要求される重ね合わせの高さを低くしたり、包装をより容易化したり、ツールの寸法をより小さくさせる等の理由のためである。
【0037】
内側バッフル部材174は、略環状バッフル板176と、環状バッフルフード194とを含む。バッフル板176及びフード(hood)194は、一つの一体化された部分として形成可能だが、これらは、共に固締され、又は固着される別個の部分であって、ツール10を組み立て、保守及び諸サービスを容易化することが好ましい。環状のバッフル板176は、外側側壁フランジ186、下側面180及びチャック94の外側周辺部に近いところにある、内側リム182、外側側壁フランジ186、及び内側側壁フランジ190を持つ。環状バッフル板176の構成要素中の表面は、内側バッフル部材174の上、及び/又は下に、滑らかな排出流を促進するために、滑らかに変位するように接続される。外側側壁フランジ186及び内側側壁フランジ190によって提供される二重壁構造が多数の機能を備える。一つの機能として、これらのフランジ186及び190が、環状バッフル板176を対応する環状のバッフルフード194に固着するための、強固で頑強な路を備える。バッフル板174、218、又は262のいずれかに対し、それぞれのバッフル板が、いずれか所望の方法で対応するフードに付着される。好ましい取り組みは、構成部品(パーツ)が、諸サービスやメインテナンスの後で容易に分離かつ交換可能なようにし、永久品ではないようにされることである。フランジ186及びフランジ190の両方を使用することで、さらに、内側のバッフル部材174の上方及び下方の両方において、円滑な流路を画定することを、より容易にさせることが望まれる。
【0038】
環状バッフルフード194は、排出用プレナム29の排出用入口35に嵌合かつ覆うようにされる。内側のバッフル部材174は、フード194の上下に対応する動作が、所望の角度で、排出用入口35を開く又は絞る(締める)ように上下に並進可能とされる。さらに、フード194は、ドレイン用溜部52において、ドレインをトラップする機能性を備えるのに役立つ構造を含む。このことは、ドレイン用溜部52を通って流れる排出されるストリームの液体と気体の構成要素とを分離するのに役立つ。このような分離された構成要素は個々に、望まれるように、廃棄、再利用、さらなる反応、又は他の取り扱いのために、回収される。さらなる機能として、フード194が、ダクト通路の一部と排出用プレナム29とを流体的に結合するのに役立つ。該ダクト通路の境界は、環状バッフル板176の低側表面180によって、少なくともその一部においてさらに画定される。
【0039】
より詳細には、環状バッフルフード194が、キャップ板196、内側フランジ198、外側フランジ206、低側端部202及び内側表面204を含む。キャップ板196は、基本的に排出用入口35上で位置決めされ、排出用入口35を覆う上部空間部208を画定するのに役立つ。内側のバッフル部材174が下げられるにつれ、キャップ板が近づくので、上部空間部208の容積が減じ、これによって、排出用入口35に入る流れが止まる。内側のバッフル部材174は、望ましくは、キャップ板196が排出用入口35に対し、敷かれ、かつ閉じるように十分離れて下げることが可能である。内側のバッフル部材174が上昇されるにつれ、キャップ板196が離れるように動くので、排出用入口35を覆う上部空間部208の容積が増し、これにより排出用入口35への流れへのアクセス部が増加する。
【0040】
内側フランジ198は、環状壁部22から隔置され、ドレイン用溜部52を、上部空間部208へと流体的に結合する流路200を備える。内側フランジ198の下側端部は、下側リム33の下方に延在し、排出用プレナム29への排出用入口35を画定するのに役立つ。このように、内部フランジ198は、障壁を形成し、この障壁がストリームを遮り、該ストリームが、排出用プレナム29へと直接流れて、ドレイン用溜部52に入る。代わりに、このような蒸気は、内側フランジ198の低部端部の周りで、床部56の方であって下方に向かって流れ、それから、上部空間部208を介して、排出用入口35へのアクセス部が増加する前に、前記流路200を通って上方に向かって流れるようにしなければならない。このように、内側フランジ198の位置決め及びその形状が、ドレイン用溜部52内部のトラップ機能を備えるのに役立つ。ドレイン用溜部52を通って流れる排出ストリーム内の液体の成分は、ドレイン用溜部52内部に捕集される比較的より大きな傾向を持つ。その一方、気体成分(ガス成分)は、溜部52を通り、かつ、排出用プレナム29へと流れる比較的より大きな傾向を持つ。
【0041】
このトラップ機能の促進のために、内部フランジ198の内部表面が、この内部表面上への液体の凝縮又は他の捕集方法を促進するための表面の特徴を備えている。該捕集された液体は、滴下、又は他の方法で、床部56の下方に向かって流れる。この床部56では、該液体が、さらにその取り扱いのために、溜部ポート63を通って元に戻される。図示されるような好ましい表面の特徴には、三角形状の隆起部210のアレイを含む。三角形状の隆起部210の各々は、その頂点212が(入ってくる排出フローに面しながら)上方に向かうように、一方、基台部214が(入ってくる排出フローから遠ざかるように)下方に向かうように、方向付けされる。該入ってくる排出フローと対面する、この比較的鋭角な頂点212は、液体の捕集効果を高めると考えられる。基本的には、これらの隆起部210をより多く使用することで、液体のトラップ(捕集)を促進することが望ましい。しかし、三角形状隆起部210の基台部214が十分に隔置されるような内側フランジ198上の上記特徴部が密集しているために、この隆起部の側面で捕集される液体が、床部56の下方に向かって、容易に、滴下(ドリップ)又は下方に流れることが可能となるのである。
【0042】
外側フランジ206は、下方に向かって延在しており、外側フランジ206と環状壁部23との間において、排出の流れを防止するために、基本的に環状壁部23に十分近くに存在する。摩擦接触による破片の発生のリスクを最小限化するために、環状壁部23と外側フランジ206との間に小さなギャップがあることが好ましい。排出が排出用プレナム29を介して引くようにしてなされるときに、このように近接したギャップの空間によって、すべての排出が実質的にプレナム29を介して引かれるような流れに対して十分高い抵抗を備えるのである。
【0043】
中間バッフル部材218は、内側バッフル部材174と類似しており、環状バッフル板222及び環状バッフルフード238を含む。環状バッフル板220が、上側表面222、下側表面224、内側リム226、外側フランジ230及び内側フランジ234を含む。環状バッフルフード238は、上部空間部252を画定するためのキャップ板240と、流路244を介して形成される流路を画定するのに役立ち、下側端部246かつ内側表面248を持つ内側フランジ234と、外側フランジ250と、頂点256及び内側表面258を持つ三角形状隆起部254を含む。中間バッフル部材218のフード238が、機能的に中間排出用プレナム30を覆い隠し、かつ中間溜部53内部に、トラップ機能を備えるのに役立つ。さらに、内側バッフル部材174及び/又は中間バッフル部材218が、内側バッフル部材174が中間バッフル部材218内部に入れ子化可能なように移動可能とされており、これにより、様々な絞り、遮断、又はその他により、部材174と部材218との両者間の材料の流れを規制する。また一方で、二つのバッフル部材174及び218は、両者間の流路を様々に開くように分離される。
【0044】
外側バッフル部材262は、内側バッフル部材174及び中間バッフル218と類似しており、環状バッフル板と環状バッフルフード282とを含む。環状バッフル板264は、上側表面266、低側表面268、内側リム270、外側フランジ274及び内側フランジ278を含む。そして、環状バッフルフード282はキャップ板284を含み、このキャップ板284が、上部空間部296を画定するのに役立つ。また、内側フランジ286が、流路288を画定するのに役立つと共に、低側端部290、内側表面292、外側フランジ294、頂点200を持つ三角形状隆起部298及び基台部292を持つ。また、外側バッフル部材262のフード282が、外側排出用プレナム31を作用的に覆い、かつ外側ドレイン用溜部54の内部にトラップ機能を備えるのに役立つ。さらに、外側バッフル部材262は、中間バッフル部材218が外側バッフル部材262の内部に入れ子化可能なように、内側バッフル部材174及び/又は中間バッフル部材218に対して移動可能であり、これによって、バッフル両者間の材料の流れを、可変的に絞り、遮断し、又は他の方法で規制する。代わりに、二つのバッフル部材218及び262が、両者間の流路を可変的に開くために分離することも可能である。
【0045】
ツール10は、バッフル部材174、218及び/又は262の一つ又はそれ以上を、別個独立に駆動する駆動機構を含み、この駆動機構により、これらのバッフル部材の障壁を、互いに、制御可能かつ可変的に移動かつ入れ子化させる。バッフル部材174及び262を移動するための好ましい駆動機構が図示されている。中間バッフル部材218のための駆動機構は、類似したものになるであろう。内側バッフル部材174に対して、内側バッフル駆動用モーター312(モーター318が中間バッフル部材218のために使用される)が、一方の端部で対応するシャフト314と結合し、及びもう一方の端部で内側バッフル部材174に結合される。シャフト314は、筐体69の孔70の内部に収納され、上下に動く。シール(封止部材)328が、これらの出口領域のところの漏れを防ぐのに役立つ。このようにして、内側バッフル部材174が、中間バッフル部材218及び外側バッフル部材262に対し、別個独立に移動される。
【0046】
同様な態様において、外側バッフル駆動モーター324が、一方の端部で対応するシャフト326と結合し、及びもう一方の端部でバッフル部材262に結合される。シャフト326は、筐体75の孔76の内部に収納され、上下に動く。このようにして、外側バッフル部材262が、内側バッフル部材174及び中間バッフル部材218に対し、別個独立に移動される。
【0047】
バッフル部材174、218及び262は、コンパクトかつ制御可能な複数のダクトシステムによって特徴付けられる。該システムは、プロセス処理チャンバー503から処理液体を捕集および排出するために使用可能である。そして、該システムのダクトの一つ又はそれ以上が、いかなるときでも、可変的に開き及び/又は絞ることが可能である。図面で示される好ましい実施態様では、各排出用ダクトが、他のダクトと別個独立し、分離される。この構造によれば、異なるダクトを通って排出されたストリームを用いて使用される、異なる排出用の取り決め(プロトコル、仕様)を許容する。さらに、異なる処理材料が、仮に、再利用される処理材料が、他の材料を用いて使用されたダクトから回収されることになった場合に、他の状態で起こりうるであろう過度の相互汚染なしで、再利用を容易にするために、異なるダクト内で捕集される。典型的な処理においては、一つ又はそれ以上の種類の処理流体が、加工物12の片面又は両面上へ配給される。チャック94及びここからの加工物12が回転するときに、処理化学薬品が、適宜開かれた排出用ダクトの放射状かつ外側方向に、及びその中へ流れる傾向がある。望ましくは、排出は、材料がダクトへと引かれるのに役立つ、開ダクトを通って引かれる。さらに、このような排出の引く(排引)動作は、粉状物や霧状物を制御するのに役立つ。チャック94及びここからの加工物12が静止状態の諸実施形態では、排引動作が、適切な排出用ダクトの放射状かつ外側方向に、かつ、その中へと引かれるのに役立つ。
【0048】
上記理由から、ツール10は、多くの可能性のある排出用の構成を持つことが理解される。例示の目的のために、図2から図7は、ツール10の汎用性のある4つの排出用構成を示す。図2及び図3は、その中で、内側ダクト通路330が開かれている、排出用の構成におけるツール10を示す。この構成において、バッフル部材174、218及び262の3つすべてが、上昇され、共に入れ子化される。この構成によれば、内側バッフル部材174の下方のダクト通路330にダクトを設けるために、上記バッフル部材の間のフローを絞るが、環状ダクト用入口332を開く。バッフル板176、220及び264は、これらバッフル板も間のフローの絞り切るために物理的に接触する。しかし、このことは、粒状物が発生し得るであろう過度のリスクを冒す可能性がある。したがって、バッフル板176、220及び264は、物理的に接触しないが、基本的に排出されるストリームの全体を開かれたダクト通路330へ流すのに十分なフロー抵抗を作り出すように、十分近くに配置される。
【0049】
環状ダクト用入口332は、加工物12及びチャック94の外側周辺部を取り囲む。ダクト用流路330は、短い距離で、ダクト用入口から放射線状かつ外側に向かって延在する。ダクト用入口330は、それから、内側バッフル部材174と環状ドリップ用リング156の外側壁166との間の、より一層、軸方向に配向された流路を含む。この構成は、ドレイン溜部52への通路330を拡張する。ダクト用通路330は、流路200を通って、フード194の下で、上部空間部206へ、排出用入口35を介して排出用プレナム29へ、及び出口用ポート36を介して外へ出て、内側排出用マニホルド336のような適当な配管へと連続する。
【0050】
図4は、中間ダクト用通路338が開いている、代替のツール10の排出用構成を示す。この構成では、内側バッフル部材174が、内側ダクト用通路330へのフローが絞り切られるように十分低い位置に設定される。内側バッフル部材174は、環状ドリップ用リング156の湾曲された頂上リム164に物理的に接触できるが、これらの部品は接触せず、しかし、当該フローを絞るように十分近くで協働されることがより好ましい。同時に、キャップ板196が、排出用入口35に対して台座し、かつ排出用入口35を絞る。しばらくの間、中間バッフル部材218と外側バッフル部材262の両方が、外側バッフル部材262の内部で入れ子化された中間バッフル部材218を用いて上げられる。この構成は、両部材の間のフローを絞るが、内側バッフル部材174の上方であるが中間バッフル部材218の下方において、環状ダクト用入口340を、中間ダクト用通路338に対して開く。
【0051】
環状ダクト用入口340は、加工物12及びチャック94の外側周辺部を取り囲む。ダクト用通路338は短い距離でダクト用入口340から放射状かつ外側方向に延在する。ダクト用通路338は、それから、中間バッフル部材218と内側バッフル部材174との間に、より一層軸方向に配向された流路を含むために下側方向に遷移する。この構成は、ドレイン用溜部53へのダクト用通路338を拡張する。ダクト用通路338は、フード238の下で、流路244を通り、上部空間部252に入り、排出用入口40を介して排出用プレナム30に入り、そしてそれから、出口ポート(不図示)を通って出て、中間排出用出口344のような適当な配管へ入るようにして連続している。
【0052】
図5は、外側ダクト通路346が開かれているツール10の代替の排出用構成を示す。この構成では、板176及び220が、内側及び中間のダクト通路330及び338の中へのフローを絞り切るように十分近くになるように、内側バッフル部材174及び中間バッフル部材218が、低い位置で入れ子化される。同時に、キャップ板196が、内側排出用プレナム29への排出用入口35に対して台座し、かつ排出用入口35を閉じ、及びキャップ板240が、中間排出用プレナム30への排出用入口40に対して台座し、かつ排出用入口40を閉じる。しばらくの間、外側バッフル部材262は上げられ、これによって、中間バッフル部材218の上方かつ、外側バッフル部材262の下方で、外側ダクト用通路346への環状ダクト用入口を開く。
【0053】
環状ダクト用入口348が、加工物12及びチャック94の外側周辺部を取り囲んでいる。そして、ダクト用通路346が、短い距離で、ダクト用入口348から放射状かつ外側方向に延在している。それから、ダクト用通路346は、外側バッフル部材262と中間バッフル部材218の間の、より一層、軸方向に配向された流路を含むように、下方へと遷移する。この構成は、ドレイン用溜部54へのダクト用通路346を拡張する。ダクト用通路346は、フード282の下で、流路288を通り、上部空間部296へ、排出用入口45を介して排出用プレナム31へ、それから、外側ポート46を通って、外側マニホルド352のような適当な配管へ外に出るようにして、連続している。
【0054】
図6及び図7は、ダクト用通路330、338及び346が全て閉じられており、かつ、加工物12がプロセス処理チャンバー503へ載せられ、及び/又はプロセス処理チャンバー503から退けられるようにされた、ツール10の代替の排出用構成を示す。この構成では、板176、220及び264が、内側、中間及び外側ダクト用通路330、338及び346へのフローを絞り切るのに十分近くにあるように、内側バッフル部材174、中間バッフル部材218及び外側バッフル部材262が、低く配置されかつ入れ子化される。同時に、キャップ板240が、中間排出用プレナム30に対して台座し、かつ中間排出用プレナム30への排出用入口40を閉じ、及びキャップ板284が、排出用プレナム31に対して台座し、かつ外側排出用プレナム31への排出用入口45を閉じる。なお、障壁板556は、プロセス処理チャンバー503への及びそこからのアクセスを容易にするように持ち上げることが可能である。
【0055】
下記の説明で使用する図面は、一つ又はそれ以上のマイクロエレクトロニクス用加工物をプロセス処理する工程において、一つ又はそれ以上のプロセス処理材料を配給するときに便利である、好ましい障壁/配給区域500の一種類の例示的実施形態を示す。配給機構が、(不図示の)配給用ラインを通って提供される処理材料の一つ又はそれ以上の配給部(不図示)に結合される。これらの材料は、要求に応じて、配給又は混合されるようにして、配給される。ツール10が遂行可能な処理のタイプにおいて十分な融通性(フレキシビリティ)を含むため、幅広い種類の処理材料が使用可能である。代表的な処理材料の極少量のサンプリングによれば、窒素、二酸化炭素、きれいな乾燥空気、アルゴン、HFガス、液体HF、液体イソプロピルアルコール、脱イオン化水、液体アンモニア、液体硫酸、液体窒素酸、過酸化水素、オゾンガス、液体オゾン、有機酸および溶媒、これらの組み合わせ等を含む。ツール10で適宜実施される、プロセス処理および化学的処理のさらなる代表例として、「マイクロエレクトロニクス用基板をスピン乾燥するための装置及び方法(APPARATUS AND METHOD FOR SPIN DRYING A MICROELECTRONIC SUBSTRATE)」という名称の出願(代理人docket番号がFSI0156/US、発明者の一人の名前がトレイシー(Tracy))の記載を含む。この記載の開示は参照することにより、本願明細書の中に組み込まれる。)
【0056】
障壁/配給区域500は、主要構成要素として、天井板504、可動支持部材526、配給アセンブリ554、及び付加的ではあるが好ましい要素であるシャッター818を含む。電気工学的、空気力学的な、適当なアクチュエータ(不図示)が、これらの構成要素の望ましい動作を効果的に働かせるために利用される。天井板50は、天井板504の上方の第1の領域506及び天井板504の、下方の第2の領域508を画定するのに役立つ障壁を形成する。第2の領域508は、基本的には、上部空間部502と、プロセス処理チャンバー503とを含む。なお、上部空間部502は、略環状体558の下方の、第2の領域508の容量部である。上部空間部502及びプロセス処理チャンバー503の寸法は、Z軸方向527への配給アセンブリ554の動きに対応して変わる。
【0057】
天井板504は、略中央の開口アパーチャ516を画定する内側周辺部514と外側周辺部512とを持つパネル510を含む。このアパーチャ516は所望のいかなる形状を持つようにしてよいが、図示されるように円形状が好ましい。外側壁515、本来的に、壁周辺パネル510を形成するためのパネル510から上方向へ延在する。壁515は天井板504の剛性を高め、配給する要素(成分)からの漏れを捕らまえるのに役立ち、及びこれによって、天井板504からその枠組み/筐体まで形成する、便利な表面が備えられる。円筒状の中央壁518は、パネル510から上方向へ延在し、頂部リム520及び基台部522を持つ。基台部522は、アパーチャ516に近いパネル510に付着(アタッチ)される。このようにして、円筒状壁518が、第1の領域506及び第2の領域508との間に出口を備える、頂部リム520から基台部522まで延在する通路524を備える。さらに後述するように、この通路524はさらに、所望の位置に配給アセンブリ526を昇降するのに使用される移動可能な支持部材526の一部ばかりでなく、シャッター818の一部を収納するのに役立つ。示される好ましい実施形態において、移動可能な支持部材526及びシャッター818は、この通路524の内部で、同軸状に入れ子化される。
【0058】
移動可能な支持部材526は、頂部リム530及び底部リム532を持つ、内側壁528を含む。外側壁534は、基本的には内側壁528と同心状であり、頂部リム536から底部リム538まで延在している。環状板540が、内側壁528の頂部リム530と外側壁534の頂部リム536とを結合し、もって、壁528と壁534との間に環状チャンバー542を形成する。外側環状フランジ546が、基本的に、外側壁534の底部リムから外方向へ延在し、一方、内側環状フランジ548が、基本的に、内側壁528の底部リム532から内方向へ延在している。環状フランジ546及び548は、移動可能な支持部材526を強化するのに役立つ。環状フランジ548はさらに、配給アセンブリ554を、装着用穴549を介して、移動可能な支持部材526の底部端部に装着するために便利な表面を備える。移動可能な支持部材526を527の方向へ移動する範囲により移動させる駆動メカニズム(不図示)は、外側環状フランジ546に、便利良く、結合される。
【0059】
移動可能な支持部材526の内側壁528は、リム530から底部リム532へ開かれている導管544を画定するのに役立つ。この導管544は、第1の領域506から移動可能支持部材526の底部端部に装着された配給アセンブリ554へ、配管や他の構成要素を導くための、便利で、保護された通路を備える。
【0060】
移動可能な支持部材526は、加工物12に対して、527方向に移動可能である。配給アセンブリ554が、移動可能な支持部材526の下側端部に装着され、方向527に沿って移動可能な支持部材526を移動させるので、同様にして、加工物12に対し、配給アセンブリ554を昇降させる。
【0061】
移動可能な支持部材526は、内側壁528が通路524の内側に収納されるように位置決めされる。一方、外側壁534は、壁518が環状チャンバー542の内側で入れ子化されたままで維持されるように通路524の外側にある。壁518、528及び534が、移動可能な支持部材526の方向の移動中に、接触しないように、壁518、528及び534の間に、小さな環状のギャップがある。これらのギャップは、処理の過程中に、接触する表面から発生するおそれがある破片からの汚染のリスクを減少させる。処理の過程中、第2の領域508に対し、僅かに負の圧力で、第1の領域506を維持することが望ましい。この構成は、第2の領域508のプロセス処理チャンバー503へと降りる、移動可能な支持部材526と天井板504との間の環状ギャップを介して、第1の領域506から通過する、汚染物を防ぐのに役立つであろう。第2の領域508内部の環境を含むことから、第1の領域506からの汚染物を最小化するのに役立つ他の特徴として、移動可能な支持部材526の外側壁534がさらに、第1の領域506から内側壁528と中央壁518との間の環状ギャップへ、の直接のアクセスを妨害するのに役立つバッフルとして部分的に機能する。中央壁518が、環状チャンバー542及び836の内部で入れ子化する態様は、第2の領域508の、内部環境の一体化をさらに保護するために、中央壁518と、移動可能な支持部材526と、シャッター818との間に、迷路のような(複雑な)封止材(シール)を備えるのにさらに役立つ。
【0062】
配給アセンブリ554が、移動可能な支持部材526の下側端部に装着され、かつ一般的に、処理材料を、プロセス処理チャンバー503へ配給するための、一つ又はそれ以上の別個独立した機構を含む。例えば、配給アセンブリ554の例示される実施形態は、少なくとも一つ、好ましくは、二つ又はそれ以上、さらに好ましくは三つの異なる種類の配給能力を含む。一つの能力として、これらの機構が、アセンブリ554を、加工物12の方であって下方に、一又はそれ以上の処理流体をスプレーさせることが可能な、一つ又はそれ以上の配給構造を含む。好ましい実施形態では、この能力が、別個独立した、第1及び第2のスプレーバー(スプレー棒状部材)の機能を一体化して組み込む、スプレーノズル/障壁構造556のような配給構造により備えられる。これらの別個独立のスプレー用機能は、二つの別個独立の処理材料を、同時に加工物12上へとスプレーさせる。もちろん、他の実施形態は、所望のように、ただ一つのスプレーシステム、又は、三つ若しくはそれ以上のスプレーシステムを含む。
【0063】
さらに、この特別な実施形態に対して、スプレーノズル/障壁構造556の、略環状体558が、加工物のプロセス処理のための保護された環境を備えるのに役立つように、プロセス処理チャンバー503を覆う蓋として、たった一つだけで機能する。しかし、略環状体558は、好ましくは、プロセス処理チャンバー503を封止(シール)しないが、気体フローへ規制を高めるために、むしろ、バッフル部材174、218及び262に近くにある。ツール10が、(さらに後述する)ウエハー搬送の構成の中に配置されるときに、略環状体558及びバッフル部材174、218及び262が、これらの構成要素の一つ又はそれ以上が移動することによって分離され、加工物12を、プロセス処理チャンバー503へと配置し、かつ、プロセス処理チャンバー503から離すようにさせる。
【0064】
より詳細には、スプレーノズル/障壁構造556が、低部表面560、頂部表面562、略中央アパーチャ575及び外側周辺部566を持つ、環状体558を含む。内側周辺部564は、略中央アパーチャ575を通ってスムーズなガスフローを促進するのに役立つように丸められている(R付け加工がされている)。環状唇部568は、好ましくは、頂上表面562と基本的に整列するように、外側周辺部566から、基本的にかつ外側方向に延在している。唇部568及び外側周辺部566は、環状ギャップ572を形成する。環状体が装着される、移動可能な支持部材526の方向の移動により、環状体558が、バッフル部材174、218及び/又は262の一つ又はそれ以上の端部182、226及び/又は270が、環状ギャップ572へ嵌合可能である。小さいギャップが、バッフルと環状体558との間の接触を回避するために環状ギャップ572の中に維持されることが好ましい。この構成は、上部空間部502からの材料が、プロセス処理チャンバー503へのフローを防ぐことに役立つ。螺刻された孔574は、環状体558、及びここから配給アセンブリを、貫通装着用の穴549を通り嵌合した螺子846等を使用し、移動可能な支持部材526の内側環状フランジ548へと装着することを容易にする。
【0065】
好ましくは、少なくとも、環状体558の下側表面560が、加工物12と環状体558との間に、先細になる流路576を確立するために、加工物12に対して、放射状かつ外側方向であって、下方へ傾けられている。傾けられた表面560は、様々な幾何学形状を持つ。例えば、その幾何学形状は、円錐形、放物形状(パラボラ形状)、多角形状等の、一又はそれ以上とすることができる。例示のために、環状体558は、略中央アパーチャ575を備えるように、内側周辺部564の所で、中空かつ切頭円錐形の幾何学形状を持つ。その結果として得られた、先細になる流路は、再循環領域を最小化しつつ、加工物12の中央部から外方向へ、放射状の流れを促進するのに役立つ。該先細の形状はまた、スムーズな適用に役立つと共に、加工物12の外側端部に近づく流体の流速を速めるのに役立つ。この構成は、流体のしぶきを減ずるのに役立つ。さらに、低部表面560の角度は、下に横たわる加工物12上へ直線的かつ下方のドレイン又は滴下(ドリップ)よりはむしろ、環状体558の外側周辺部566からのドレイン又は滴下する液体に役立つ。
【0066】
スプレーノズル/障壁構造556の、アーム構造578は、略中央アパーチャ575を横切るように延在しており、岐路580かつ582の箇所で、環状体558の内側周辺部564に結合されている。アーム構造578は、第1の副アーム584と、第2の副アーム部586を含む。アーム構造578は、中央配給ノズル用部材754を装着するためのアパーチャ589を含む。図示された好ましい実施例では、第1の副アーム部584は、環状体558の隣接部590と、基本的に一列に並んでおり、一方、第2の副アーム部586は、環状体558の隣接部592と、基本的に一列に並んでいる。特に、副アーム部584及び586の底部表面598及び608は、環状体558の低部表面560と、一列に並んでいる。このようにして、副アーム部584及び586は、基本的に傾斜角を持ち出合うようにされる。アーム構造578は、中央アパーチャ575を、第1及び第2のアパーチャ部594及び596へと、細分化する。これらのアパーチャ部594及び596は、処理中、プロセス処理チャンバー503に対して、エアー用の入口ポートとして機能する。隣接のアーム構造578のエッジ部は、これらの入口ポートを通って、スムーズかつ均一なフローが促進されるように、丸められることが望ましい。
【0067】
第1の略三角形状の溝600は、スプレーノズル/障壁構造の下側に形成される。この溝600は、第1の副アーム部584及び環状体558の隣接部590の部分を横切るように延在する、スプレーノズル/障壁構造556の、第1の半径部の少なくとも一部の橋渡しをする。この溝600は、溝600の長さ部および隣接部604及び606に沿って延在する、頂点領域602を含む。同様の態様で、第2の略三角形状の溝610が、スプレーノズル/障壁構造556の下側に形成される。この溝610は、第2の副アーム部586及び環状体558の隣接部592の部分を横切るように延在する、スプレーノズル/障壁構造556の、第2の半径部の少なくとも一部の橋渡しをする。溝600と同様に、この溝610は、溝610の長さ部及び隣接面(不図示)に沿って延在する頂角領域(不図示)を含む。
【0068】
溝600及び610は、それぞれ、処理材料の分離した直線的な流れ(ストリーム)を、これらの溝と一体化した、一つ又はそれ以上の各ノズル又はノズルアレイ(後述)から配給させるようにするノズルの特徴を含む。これらのノズルは、優れた洗浄効果のために、加工物12の各半径部に対して、覆い部を備える各溝と関連するノズルを用いて、基本的に、処理材料を加工物12の下方向へ配給する。
【0069】
スプレーノズル/障壁構造556は、第1の、別個独立したスプレーバーの能力を、副アーム部584及び環状体558の隣接部590へ、組み込むために、いくつかの特徴を含む。これらの特徴は、螺刻された基台部624及びフレア結合626を持つ、流体用入口部材622を、基本的に含む。配給用筒部854は、フレアカップリング626へ流体的に結合されており、螺刻された基台部624と、螺状に係合するフレアナット856を介して所定位置に固定される。導管628は、副アーム部584及び環状体558の隣接部590の一部を通って、基本的に放射状かつ外側方向に延在する。枝分かれ状の導管636は、頂角領域602に沿ってそれぞれのノズルが分布されるノズルアレイ638に対し外側方向へ、流路632から延在する。ノズルアレイ638は、他のアレイパターンが所望の場合には使用されるが、直線状であることが好ましい。さらに、ノズルアレイ638は、下に横たわる加工物12の、半径の少なくとも一部であることが好ましく、該半径の少なくとも略全部であることが、より好ましい。
【0070】
使用中、ノズル638を通って配給される材料は、配給用筒部854を通って入口ポート630へとフィードされる。入口ポート630から、該材料が、導管628を通り、次に流路632を通って流れる。流路632から、材料が、ノズル638へと導かれる枝分かれ状の導管636の中で、配給される。
【0071】
副アーム部584は、螺刻された基台部644及びフレアカップリング646を持つ、流体用入口部材642をさらに組み込んでいる。配給用筒部850は、フレアカップリング646に、流体的に結合されており、螺刻された基台部644と螺子状に係合するフレアナット852を介して所定の場所に固定される。入口用導管648は、入口ポート650から分岐点652へ延在しており、分岐点652の所で、流路が、導管654及び656へと分離している。導管654及び656が、分岐点652から、流路658及び660へそれぞれ延在している。流路658及び660のそれぞれは、環状体558の、副アーム部584及び隣接部590を介して、基本的に放射線状かつ外側方向へ延在している。複数の枝分かれ状の導管(不図示)が、流路658から溝600の面604に沿ってそれぞれが分布されるノズル664へと延在しており、一方、枝分かれ状の導管(不図示)が、流路660から溝600の面606に沿ってそれぞれが分布されるノズル665のアレイへ延在している。所望の場合は、他のアレイパターンを使用するが、ノズル664及び665のアレイのそれぞれは、ノズルアレイ638に対するのと同様にして互いに直線状かつ平行になっている。ノズル664及び665のアレイは、好ましくは、下に横たわる加工物12の、少なくとも一部、より好ましくは半径部の少なくとも略全体の、橋渡しをしている。
【0072】
ノズル664及び665を通って配給される材料は、配給用筒部850を通って入口ポート650へとフィードされる。入口ポート650から、材料が、導管648を通って流れる。分岐点において、流れは、導管654と導管656との間に分布される。それから、流れのそれぞれは、流路658及び660を通って流れる。流路658及び660から、材料の流れのそれぞれが、枝分かれした導管(不図示)の中に分布され、そしてそれから、ノズルアレイ664及び665から配給される。
【0073】
導管628、流路632及び枝分かれした導管636は、便利なことに、所望の穴あけ技術を使っても形成される。例えば、流路632、658及び660は、環状体558の外側周辺部566から放射線状内側への方向で、対応する穴を開けることによって、適宜、形成される。流路632、658及び660を備える穴を開けた後で、結果として得られた流路632、658及び660の端部をシール(封止)するために、プラグ640が、挿入可能である。
【0074】
ノズル638、664及び665は、基本的に、配給されるストリームを、噴霧状に互いに衝突するような輻輳的態様で、配給する。液体、気体、又はこれらの組み合わせが、スプレーバーシステム620を使用して配給可能である。操作の一つの代表的な態様では、液体物質が、配給用筒部850を通ってフィードされ、続いてノズル664及び665を通って配給される。一方、ガス物質が配給用筒部854を通り、続いてノズル638から配給される。各フィードは、別々に又は共に配給可能である。共に配給される場合には、配給されたガスの直線的流れが、より大きなエネルギーを持ちつつ、配給された液体のストリームを噴霧化するのに役立つ。
【0075】
加工物12の表面に対する、空間的な配給の軌道、ノズル638、664及び665のオリフィスサイズ等は、配給されるストリームのスプレー時の特徴を調整するために変更可能である。例えば、加工物12の半径部を横切って、より均一なスプレーを作り出すのに役立つために、空間的な配給の軌道、ノズルのオリフィスサイズ等が、変更可能である。
【0076】
付加的かつ、別個独立のスプレーバーの機能が、さらにスプレーノズル/障壁構造556に組み込まれる。図示されるように、この付加的なスプレーの機能は、既に記載された第1のスプレーバーの機能と基本的に同一であるが、第2の副アーム部586及び環状体の隣接部592へ組み込まれることと、スプレーノズル/障壁構造556の第2の半径部に沿って延在することにおいて異なる。この第2のスプレーバーの機能を備える特徴は、螺刻された基台部670及びフレアカップリング672を持つ第1の流体用入口部材668と、螺刻された基台部676及びフレアカップリング678を持つ第2の流体用入口部材674と、を含む。配給用筒部862は、フレアカップリング672へ流体的に結合され、螺刻された基台部670と螺子状に係合するフレアナット864により所定箇所に固定される。配給用筒部862を通ってフィードされる材料は、頂点602に沿ったノズルアレイ638と類似の、溝610の頂点に沿って、ノズルアレイ(不図示)を通って、配給される。これらの材料は、導管628と類似の導管(不図示)と、流路632と、第1の一体化されたスプレーバーシステム620の枝分かれした導管636とを通って、運搬される。他の配給用筒部858が、フレアカップリング678へ流体的に結合され、螺刻された基台部676と螺子状に係合するフレアナット860により、所定の場所に固定される。配給用筒部858を通ってフィードされる材料は、面604及び606のノズルアレイ654及び656と類似の、溝610面上のノズルアレイ(不図示)を通って、配給される。これらの材料は、入口導管648と類似の導管(不図示)、分岐点652、導管654及び656、流路658及び660、第1の一体化されたスプレーバーシステム620で使用される枝分かれした導管(不図示)を通って、運搬される。
【0077】
少なくとも環状体558の低側表面560は、ツール10を用いて実施される処理の性質・内容次第で、所望のように、親水性又は疎水性であるようにされる。スプレーノズル/障壁構造556の全体が、所望の親水性又は疎水性の性質を持つ、一つ又はそれ以上の材料から形成されることが、より好ましい。
【0078】
スプレー能力に加えて、配給アセンブリ554は、さらに、一つ又はそれ以上の処理流体を、基本的に下側に横たわる加工物12上へ配給する、配給能力を組込んでいる。処理流体は、直列的に、同時に、重なり合う態様で、及び/又はその他の態様で、配給される。好ましい実施形態では、この能力は、中央配給部材754のような配給用構造により提供される。例示のため、図示されたような中央配給部材754が二つの別個独立のノズルを含み、これらのノズルが、二つの異なる処理材料を、同時に、加工物12へと配給させる。勿論、他の実施形態が、所望により、ただ一つの配給用ノズル、又は3つ若しくはそれ以上のノズルを含むようにしてもよい。
【0079】
さらに詳細には、中央配給部材754が、基本的に、頂部758、側壁760及び底部762持つ構造体756を含む。第1及び第2のフレアカップリング764及び766が、頂部758から凸設する。第1及び第2のリム部768及び770が、底部762から凸設する。第1の貫通導管772が、第1の入口ポート774から第1の出口ポート776へと延在し、一方、第2の貫通導管778が、第2の入口ポート782から第2の出口ポート780へと延在している。
【0080】
螺刻された孔788を持つピン786が、構造体756を横切るようにして、導管790内に収納される。ピン786が、螺刻された孔788が、基本的に導管781と一列に並ぶように、構造体756の中へ挿入される。装着用螺子793は螺刻された孔788と係合し、中央配給部材754を配給アセンブリ554へ装着するのに役立つために、導管791内部に収納される。一対の凹凸部792及び794が、スプレーされた処理流体が、中央の配給部材754に衝突するのを防止するように、構造体756内に形成される。
【0081】
配給用筒部866及び868が、リテーナ/スペーサーのクランプ796を用いて、フレアカップリング764及び766へ結合される。使用時に、中央配給部材754から配給される材料が、当該場合で採用されるように、配給用筒部866及び868のいずれか、又はその両方から、及び入口ポート774及び780のいずれか、又はその両方へと、フィードされる。導管772及び/又は778から、材料が、一対のノズルを構成する出口ポート776及び/又は782が配給される。これら出口ポート776及び/又は782は、加工物12の中央の方へ、一対のノズルを構成する。出口ポート776及び/又は782が、さらに処理流体の十分な覆い部を、加工物12の中央上に備えるのに役立つように角度付け可能である。
【0082】
スプレー及び中央の配給能力に加えて、配給アセンブリ554が、未だ組み込まれてイいないさらなる配給能力を、さらに組み込み、もって、基本的に加工物12の方であって下向きのシャワーヘッド態様である一つ又はそれ以上の処理流体を、配給する。このアプローチ(解決手段)は、一つ又はそれ以上の気体及び/又は蒸気の均一なフローを、プロセス処理チャンバー503へと配給するのに、特に役立つ。好ましい実施形態では、この能力が、シャワーヘッド配給部材680のような配給構造によって提供される。例示のために、シャワーヘッドの配給部材680が、二つの配給用フィードによりフィードされる。これらの二つの配給用フィードは、同一又は別個とすることが可能で、もって、二つの異なる処理材料を、同時にプロセス処理チャンバー503へと配給させる。勿論、他の実施形態が、ただ一つの配給用フィード、又は3つ若しくはそれ以上の配給用フィードを、所望に応じて含む。
【0083】
さらに詳細には、シャワーヘッドの配給部材680は、基本的には、基台部682及び覆い部734を含む。基台部682は、基本的に、円形状684及び凹部が形成された副床部686を含む。壁688は、床部684及び副床部686と、互いに接続される。副床部686は、いくつかのアパーチャの特徴を含む。該特徴によれば、スプレーノズル/障壁構造556及び中央配給用ノズル部材754への配管を、便宜良くかつコンパクトに導かせる特徴をもたせる。特に、アパーチャ690、696、707及び708は、それぞれ、液体用入口部材622、642、668及び674上に装着される。フレアナット852、856、864及び860が、配給用筒部850、854、862及び858を、それぞれフレアカップリング646、626、672及び678へ装着するときに、それぞれ肩部700、694、706及び712に対して台座する。さらに、ジャムナットが、フレアナットが二つの機能を実行する必要がないように、肩部696、700、706及び712に対して台座するために使用可能である。同様にして、アパーチャ714及び716が、配給用筒部866及び868を、中央配給用ノズル部材754上のフレアカップリング764及び766のそれぞれへ、結合するためのアクセス部を備える。
【0084】
アパーチャ718は、リテーナ/スペーサーのクランプ796及びスクリュー793を用いて、アパーチャ589内部および副床部686の下側へ、中央配給部材754を、装着することを容易にする。クランプ796は、側壁800、頂部802及び底部804を持つ構造体798を含む。第1及び第2の導管806及び808は中央配給部材754へ結合される配給用筒部866及び868の配列を収納するとともに、その配列を維持するのに役立つ。導管810は、中央配給部材754を所定位置にクランプするのに使用されるスクリュー793を収納する。構造体798は、クランプ796がフレアナット856及び864の間で入れ子化するように、対向する側で解除される。
【0085】
基台部682の床部684は、副床部686の対向する側に位置決めされる第1の領域720及び第2の領域725を含む。第1の領域720が、ノズルアレイ722を含む、一方、第2の領域725が、第2のノズルアレイ728を含む。
【0086】
蓋部734は、基本的に、環状リム738及びビーム(梁)739により強化された中央パネル736を持ち上げる。第1及び第2のチャンバー740及び741は、蓋部734及び基台部682の間に形成される。第1のチャンバー740は、基本的に蓋部734とノズル722の間にあり、一方、第2のチャンバー741は、基本的に蓋部734とノズル728との間にある。例示されるように、第1及び第2のチャンバー740及び741は互いに孤立しているが、共通の配給源を持つ。所望ならば、別個独立の配給源が使用される。流体入口部材742は、螺刻された基台部744及びフレアカップリング746を含む。配給用筒部747は、フレアカップリング746へ流体的に結合され、螺刻された基台部744と螺子状に係合するフレアナット748を介して、所定の場所に固定される。導管749は、入口ポート750から出口ポート751へ延在する。ここでは、導管749が、チャンバー740及び741の中へ開かれている。
【0087】
基台部682の外側周辺部732上の装着用穴730及び蓋部734上の装着用穴752は、スクリュー734を用いて、シャワーヘッドの配給部材680を環状体558へ装着することを容易にする。スタンドオフ部材(二者間を離すようにして二者間を支持する部材)844は、シャワーヘッドの配給部材680の、所望の位置決めを維持するのに役立つ。シャワーヘッドの配給部材680は、ノズル722及び728が、基本的に、アパーチャの副区域594及び596上に横たわるように、スプレーノズル/障壁構造556へ装着される。
【0088】
使用時に、一つ又はそれ以上の処理流体、特に気体の一つ又はそれ以上のフローが、配給用筒部747を通って、シャワーヘッドの配給部材680へ配給される。各筒部747へ配給された処理流体は、同一であっても異なってもよい。処理流体は、導管749を介して、チャンバー740及び741へ導入される。チャンバー740及び741内部の処理流体の圧力は、ノズル722及び728を通るフローが均一になるように、基本的に均一化される。シャワーヘッドノズルから上流のチャンバー740及び741内部の流体圧力の差が、均一なフローを促進する従来の手法にしたがって、ノズル722及び728自体を通る、圧力降下(プレッシャードロップ)より、望ましくはより小さくなるようにされることが望ましい。ノズル722及び728を通って配給される場合に、配給された液体が、基本的には、アパーチャの副区域594及び596を通って、加工物12の方へ流れる。排出は、このフローを容易にするために、プレナム29、30又は31の一つ又はそれ以上を通って引かれる。
【0089】
シャッター818は、図3及び図6、並びに図2に示されたような、基本的に十分開かれた位置を含む移動範囲を通って、加工物12に対して、Z軸527の方向に別個独立に移動可能である。シャッター818が、部分的に開閉される、二つの特別な箇所の間の中間地点で、該シャッター818が位置決めされる。シャッター818が閉じられた位置にある図2では、バッフル部材174、218及び262が、環状体558の環状ギャップ572の内部に位置決めされる処理位置へ下げられる。この構成は、プロセス処理チャンバー503内部の環境の完全な状態を保護するのに役立つ。しばらくの間、シャッター818が、その頂上部分が、環状板540に隣接した位置にある環状板832を持つ環状のチャンバー542の内部で入れ子化されるように上げられる。しかし、小さなギャップが、その他の方法で、望ましくない汚染を発生する可能性のある接触を防止するために、環状板832及び540の間で維持されることが好ましい。このように上げられかつ開かれているシャッター818を用いることで、上部空間部502内の一つ又はそれ以上のガス及び/又は蒸気が、アパーチャの副区域594及び596によって形成された気体用入口ベントを通ってプロセス処理チャンバー503へと自由に引かれる。簡潔に述べると、図2は、加工物12を用いて処理を実施するのに役立つツール10の例示的な構成の一実施形態を示している。
【0090】
図6において、移動可能な支持部材526(及び以降、配給用アセンブリ554も含む。)が、バッフル部材174、218及び262から離れるように上げられて、加工物12を、結果として得られるギャップ874を介して、支持用のチャック94上の位置へ、及びその位置から、搬送させる。簡潔に述べると、図6は、加工物を、ツール10へ、及びツール10から、搬送するのに役立つ、ツール10の例示的な構成の実施形態を示す。
【0091】
図2は、シャッター818が閉位置にあるようにされる、ツール10の例示的な構成を示す。図2のツールの構成は、図3の構成と類似しているが、この時点で、底部リム824が環状体558の頂部面562に近いところに位置決めされるように、シャッター818が、移動可能な支持部材526に対して、低くされる点において異なる。小さなギャップが、底部リム824が、実際に頂部面562に接触しないように、維持されることが望ましい。この構成において、シャッター818が、このシャッター818の外側の上部空間部502の容量部から、プロセス処理チャンバー503への、気体入口を締めることに役立つが、一方、さらに、配給用アセンブリ554を介して、プロセス処理チャンバー503へ導入される、一つ又はそれ以上の気体、及び/又は蒸気を含むのにも役立つ。例えば、閉じられたシャッター818は、加工物12の方へ配給さえることになる、IPA(イソプロピルアルコール)が豊富に含まれた気体/蒸気の混合物の、濃霧(fog)を含むことを容易にする。他の例として、閉じられたシャッター818がさらに、スプレーノズル/障壁構造556を洗浄するのに使用される流体を含むのに役立つであろう。プロセス処理チャンバー503に対して、上部空間部502で維持される適当な負の圧力は、汚染物が、プロセス処理チャンバー503に入ることを防止するのに役立てることが可能である。
【0092】
さらに詳細には、シャッター818は、頂部リム822及び底部リム824を持つ、内側壁部820を含む。そして、外側壁826と内側壁820とは、略同心状であり、頂部リム828から底部リム830へ延在している。環状板832は、内側壁820の頂部リム822を、外側壁826の頂部リム828へ結合させ、もって、壁820及び826の間に環状チャンバー836を形成する。外側環状フランジ838は、シャッター818を強化するのに役立つように、基本的に、外側壁826の底部リム830から外側に延在する。環状フランジ838は、さらに加工物12に対して、Z軸方向における動きの範囲により、シャッター818を移動させるのに役立つ、(不図示の)アクチュエータ構造を装着する一般的な表面をも備える。
【0093】
シャッター818の内側壁820は、頂部リム822から底部リム824へ開かれた導管834を画定するのに役立つ。移動可能な支持部材526の内側壁528は、この導管834の内側に収納される。小さい環状ギャップは、内側壁528を内側壁820を分離する。両壁のいずれか又は両方が、Z軸527方向において移動されるときに、互いに接触しないようにするためである。
【0094】
シャッター818は、壁518が環状チャンバー836の内部で入れ子化状態のままとなるように、外側壁826が通路524の外側にあるように、位置決めされる。次に、シャッター818の頂上部が、移動可能な支持部材526の環状チャンバー542の内側で入れ子化される。好ましくは、壁528、820、518、826及び534の間に小さな環状ギャップが存在するようにする。これらの壁が、壁表面の接触が汚染物を発生させるであろうから、移動可能な支持部材526のZ軸方向の移動中に、触れないようにするためである。
【0095】
本発明の他の実施形態は、本明細書を考慮し、又はここに開示された発明の実施すれば、当業者には明らかである。ここに開示された原理及び実施形態に対する様々な省略、修正、変更は、特許請求の範囲で示される発明の真の範囲と精神と逸脱することなく、当業者によってなされる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の好ましいツールの実施形態の斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った、当該ツールが、内側ダクト路が外に見えており、シャッターが下がっている/閉じている構造における状態にある斜視断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、内側ダクト路が外に見えており、シャッターが上っている/開かれている構造における状態にある斜視断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、中間ダクト路構造における状態にある斜視断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、外側ダクト路構造における状態にある斜視断面図である。
【図6】図1のA−A線に沿った、当該ツールが、加工物が転送される構造の斜視断面図である。
【図7】図1のB−B線に沿った、当該ツールが、加工物が転送される構造の斜視断面図である。
【図8】図1のツールの底部の斜視図である
【図9】図1のツールの底部図の他の斜視図である。
【図10】基台部用パンの底部から上方に向かって上り、複数の排出用プレナム及びドレイン用溜部を画定している、一連の環状かつ同心状の壁部を示すために構成要素を除去した、図1のツールの、基台部用パンの斜視図である。
【図11】図1のツールにおいて使用される環状ドリップ用リングの斜視図である。
【図12】図1のツールで使用される外側かつ環状のバッフル板の斜視図である(中間および内側のバッフル板は、図示しないが、他の図やそれに関する記載に示されるように互いに内側に入れ子になるように寸法化されることを除き、同様のものである)。
【図13】図1のツールで使用される外側環状バッフルフードの斜視図である(中間及び内側バッフルフードは、図示しないが他の図やそれに関する記載に示されるように互いに内側に入れ子になるように寸法化されることを除き、同様のものである)。
【図14A】環状ドリップ用リングの周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14B】内側バッフル部材の周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14C】中間バッフル部材の周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14D】外側バッフル部材の周りの領域を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図14E】プレナム及びドレイン用溜部を略同定する、ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分がクローズアップされた断面図である。
【図15】ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分の、別のクローズアップされた断面図である。
【図16】ラインB−Bに沿った図1のツールの一部分の断面図である。
【図17】ラインA−Aに沿った配給用アセンブリが下げられて処理を実行し、かつシャッターが下げられ/閉じられている構造における、図1のツールの一部分の断面図。
【図18】図1のツールで使用される天井板の斜視図である。
【図19】図1のツールで使用される移動可能な支持部材の斜視図である。
【図20】外側及び内側のバッフル部材のためのアクチュエータ部品を示す、図8のラインC−Cに沿った図1のツールの部分断面図である。
【図21】図1のツールで使用される配給用アセンブリの斜視図である。
【図22A】ラインG−Gに沿った図21の配給用アセンブリの断面斜視図である。
【図22B】付加的な参照文字を同定することを除き、図22Aと同様のラインG−Gに沿った図21の配給用アセンブリの断面斜視図である。
【図23】図22の配給用アセンブリで使用されるスプレーノズル/障壁構造であって、基本的に当該構造の下側から見える状態の斜視図である。
【図24】図22の配給用アセンブリで使用されるスプレーノズル/障壁構造であって、当該構造の略頂部で見ることができる状態の斜視図である。
【図25】ラインH−Hに沿った図24のスプレーノズル/障壁構造の断面図である。
【図26】ラインJ−Jに沿った図24のスプレーノズル/障壁構造の断面図である。
【図27】図22の配給用アセンブリで使用される中央配給ノズル用部材の図である。
【図28】図22の配給用アセンブリで使用されるリテーナ/スペーサー用クランプの斜視図である。
【図29】中央配給ノズル用及びリテーナ/スペーサー用クランプの副アセンブリを含む図22の中央配給用ノズルの一部の斜視図である。
【図30】ラインD−Dに沿った図29の副アセンブリの断面斜視図である。
【図31】ラインC−Cに沿った図29の副アセンブリの断面斜視図である。
【図32】図22の配給用アセンブリで使用されるシャワーヘッドの配給用アセンブリの図であって、略当該アセンブリの頂部側を示す斜視図である。
【図33】図22の配給用アセンブリで使用されるシャワーヘッドの配給用アセンブリの図であって、略当該アセンブリの底部側を見るための斜視図である。
【図34】図32のシャワーヘッドの配給用アセンブリで使用される基台部の斜視図である。
【図35】図32のシャワーヘッドの配給用アセンブリで使用されるカバー部の斜視図である。
【図36】図22の配給用アセンブリで使用される装着用直立体(スタンドオフ)の斜視図である。
【図37】移動可能な支持部材、シャッター、及び天井板間の入れ子の状態の関係を示すラインA−Aに沿った図1のツールの一部の断面図である。
【図38】図1のツールで使用されるシャッターの斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理するための装置であって、
a)前記加工物が、当該プロセス処理中に位置決めされる支持部材、及び、
b)前記加工物の外側周辺部の近くにおいて、それぞれのダクト通路がダクト入口を持つ複数のダクト通路の部分を少なくとも画定する、移動可能かつ入れ子化可能な複数のバッフル部材を含む装置。
【請求項2】
前記バッフル部材が、互いに相対的に位置決めされ、かつ、前記ダクト通路を選択的に開き又は絞るのに役立つ請求項1の装置
【請求項3】
第1のバッフル部材が第2のバッフル部材の中に入れ子化することが、前記第1および第2のバッフル部材間のダクト通路部を持つダクト通路を絞るのに役立つ請求項2の装置。
【請求項4】
前記ダクト通路が開かれる又は絞られる度合いを制御可能な請求項2の装置。
【請求項5】
前記加工物を処理するために使用される一つ又はそれ以上の流体が、前記ダクト通路の少なくとも一つにおいて捕集される請求項1の装置。
【請求項6】
前記ダクト通路が、互いに対して、かつ、前記加工物に対して、基本的に同軸に位置決めされるダクト部をそれぞれのダクト通路が含む請求項1の装置。
【請求項7】
少なくとも二つのバッフル部材間の相対的な移動が、前記ダクト通路の少なくとも1つの入口を選択的に開き及び/又は絞るのに役立ち、かつ、該入口が前記加工物の外側周辺に近くにある請求項1の装置。
【請求項8】
バッフル部材の移動が、対応するダクト通路の入口、および該入口から下流にある
対応するダクト通路の追加部分を、開き及び/又は絞るのに役立つ請求項1の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの移動可能かつ入れ子可能なバッフル部材がフードを含んでおり、前記下方向へのストリーム用ダクトへの入口を、前記フードの移動によって、制御可能に開かれ及び絞られるように、該フードが覆い隠す請求項1の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのダクト通路の少なくとも一部が、トラップ領域を含む請求項1の装置。
【請求項11】
流体の材料と気体の材料の分離が、前記トラップ領域で起こる請求項10の装置。
【請求項12】
各ダクト通路が、前記加工物の主要面と基本的に平行に方向付けされた部分を持つ、前記加工物の外側周辺部に近い路部分、及び、前記加工物の主要面に対して、基本的に垂直に方向付けされた付加的なダクト路部分を含む請求項1の装置。
【請求項13】
前記付加的なダクト路部分が、複数の同軸状のプレナムを含む請求項12の装置。
【請求項14】
前記同軸状のプレナムが、固定されたダクト構造によって形成される請求項13の装置。
【請求項15】
前記付加的なダクト路部分が、選択的に開かれ及び絞られる請求項12の装置。
【請求項16】
少なくとも1つのダクト通路が、さらにトラップ領域を含む請求項12の装置。
【請求項17】
前記トラップ領域の壁部が、前記トラップ領域において、少なくとも1つの比較的高い密度の成分要素と、少なくとも1つの比較的低い密度の成分要素と、を分離することを容易にする、複数の隆起部を含む請求項16の装置。
【請求項18】
前記トラップ領域が、一つ又はそれ以上のドレインポートを含む請求項16の装置。
【請求項19】
前記移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材が、固定されたダクト構造と流体的に結合されている請求項1の装置。
【請求項20】
マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理するための装置であって、
a)前記加工物がプロセス処理中に位置決めされる回転可能な支持部材、及び、
b)複数の移動可能なバッフル部材であって、前記バッフル部材間に少なくとも第1のダクト通路を画定し、かつ、前記バッフル部材の互いに対する変位により前記第1のダクト通路を開く又絞るようにされた、回転可能な支持部材の外側周辺部に近い入口を持つ、バッフル部材を含む装置。
【請求項21】
前記回転可能な支持部材の前記外側周辺部に近い少なくとも第2のダクト通路の開口部が、前記第1のダクト通路の開口部が前記回転可能な支持部材の外側周辺部の近くに設置されるときに、絞られる請求項20の装置。
【請求項22】
第1及び第2のバッフル部材を、物理的に互いに非常に近くにおいて、入れ子化することで、前記絞りが起こる請求項20の装置。
【請求項23】
マイクロエレクトロニクス用加工物をプロセス処理するための装置であって、
a)前記加工物がプロセス処理中に位置決めされる回転可能な支持部材、及び、
b)前記回転可能な支持部材の外側周辺部に近くにそれぞれが入口を持つ複数のダクト通路であって、前記回転可能な加工物に比較的近くに、かつ、前記回転可能な支持部材から比較的遠くの固定されたダクト構造のそれぞれと流体的に結合されるダクト通路部を確定する複数の個々独立した移動可能なダクト構造によって、各ダクト通路の少なくとも一部が画定されているダクト通路を含む装置。
【請求項24】
前記移動可能なダクト構造が、互いに対して、及び、前記ダクト入口及び前記固定されたダクト構造が選択的に開かれ、かつ絞られるように前記固定されたダクト構造に対して、移動可能にされている請求項23の装置。
【請求項25】
前記ダクト通路が開かれ、かつ絞られる程度が制御可能な請求項24の装置。
【請求項26】
前記固定されたダクト構造が、基台部から上方向へ延在し、かつ、複数の排出用プレナムを画定するように役立つ請求項23の装置。
【請求項27】
少なくとも一つの移動可能なダクト構造が、対応する排出用プレナムの上げられた入口を覆い隠すフード部を含む請求項26の装置。
【請求項28】
ダクト用通路は、トラップ用領域を含む請求項23の装置。
【請求項29】
前記トラップ用領域が、異なる密度特性を持つ材料からの選別を容易にするのに役立つ複数の隆起部を持つ表面を含む請求項28の装置。
【請求項30】
隣接する移動可能なダクト構造が、前記ダクト構造間のダクト用通路を締めるように、比較的近くに位置決めされ、又は、より大きく開かれたダクト通路を備えるために比較的遠くに位置決めされる請求項23の装置。
【請求項1】
マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理するための装置であって、
a)前記加工物が、当該プロセス処理中に位置決めされる支持部材、及び、
b)前記加工物の外側周辺部の近くにおいて、それぞれのダクト通路がダクト入口を持つ複数のダクト通路の部分を少なくとも画定する、移動可能かつ入れ子化可能な複数のバッフル部材を含む装置。
【請求項2】
前記バッフル部材が、互いに相対的に位置決めされ、かつ、前記ダクト通路を選択的に開き又は絞るのに役立つ請求項1の装置
【請求項3】
第1のバッフル部材が第2のバッフル部材の中に入れ子化することが、前記第1および第2のバッフル部材間のダクト通路部を持つダクト通路を絞るのに役立つ請求項2の装置。
【請求項4】
前記ダクト通路が開かれる又は絞られる度合いを制御可能な請求項2の装置。
【請求項5】
前記加工物を処理するために使用される一つ又はそれ以上の流体が、前記ダクト通路の少なくとも一つにおいて捕集される請求項1の装置。
【請求項6】
前記ダクト通路が、互いに対して、かつ、前記加工物に対して、基本的に同軸に位置決めされるダクト部をそれぞれのダクト通路が含む請求項1の装置。
【請求項7】
少なくとも二つのバッフル部材間の相対的な移動が、前記ダクト通路の少なくとも1つの入口を選択的に開き及び/又は絞るのに役立ち、かつ、該入口が前記加工物の外側周辺に近くにある請求項1の装置。
【請求項8】
バッフル部材の移動が、対応するダクト通路の入口、および該入口から下流にある
対応するダクト通路の追加部分を、開き及び/又は絞るのに役立つ請求項1の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの移動可能かつ入れ子可能なバッフル部材がフードを含んでおり、前記下方向へのストリーム用ダクトへの入口を、前記フードの移動によって、制御可能に開かれ及び絞られるように、該フードが覆い隠す請求項1の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのダクト通路の少なくとも一部が、トラップ領域を含む請求項1の装置。
【請求項11】
流体の材料と気体の材料の分離が、前記トラップ領域で起こる請求項10の装置。
【請求項12】
各ダクト通路が、前記加工物の主要面と基本的に平行に方向付けされた部分を持つ、前記加工物の外側周辺部に近い路部分、及び、前記加工物の主要面に対して、基本的に垂直に方向付けされた付加的なダクト路部分を含む請求項1の装置。
【請求項13】
前記付加的なダクト路部分が、複数の同軸状のプレナムを含む請求項12の装置。
【請求項14】
前記同軸状のプレナムが、固定されたダクト構造によって形成される請求項13の装置。
【請求項15】
前記付加的なダクト路部分が、選択的に開かれ及び絞られる請求項12の装置。
【請求項16】
少なくとも1つのダクト通路が、さらにトラップ領域を含む請求項12の装置。
【請求項17】
前記トラップ領域の壁部が、前記トラップ領域において、少なくとも1つの比較的高い密度の成分要素と、少なくとも1つの比較的低い密度の成分要素と、を分離することを容易にする、複数の隆起部を含む請求項16の装置。
【請求項18】
前記トラップ領域が、一つ又はそれ以上のドレインポートを含む請求項16の装置。
【請求項19】
前記移動可能かつ入れ子化可能なバッフル部材が、固定されたダクト構造と流体的に結合されている請求項1の装置。
【請求項20】
マイクロエレクトロニクス用の加工物をプロセス処理するための装置であって、
a)前記加工物がプロセス処理中に位置決めされる回転可能な支持部材、及び、
b)複数の移動可能なバッフル部材であって、前記バッフル部材間に少なくとも第1のダクト通路を画定し、かつ、前記バッフル部材の互いに対する変位により前記第1のダクト通路を開く又絞るようにされた、回転可能な支持部材の外側周辺部に近い入口を持つ、バッフル部材を含む装置。
【請求項21】
前記回転可能な支持部材の前記外側周辺部に近い少なくとも第2のダクト通路の開口部が、前記第1のダクト通路の開口部が前記回転可能な支持部材の外側周辺部の近くに設置されるときに、絞られる請求項20の装置。
【請求項22】
第1及び第2のバッフル部材を、物理的に互いに非常に近くにおいて、入れ子化することで、前記絞りが起こる請求項20の装置。
【請求項23】
マイクロエレクトロニクス用加工物をプロセス処理するための装置であって、
a)前記加工物がプロセス処理中に位置決めされる回転可能な支持部材、及び、
b)前記回転可能な支持部材の外側周辺部に近くにそれぞれが入口を持つ複数のダクト通路であって、前記回転可能な加工物に比較的近くに、かつ、前記回転可能な支持部材から比較的遠くの固定されたダクト構造のそれぞれと流体的に結合されるダクト通路部を確定する複数の個々独立した移動可能なダクト構造によって、各ダクト通路の少なくとも一部が画定されているダクト通路を含む装置。
【請求項24】
前記移動可能なダクト構造が、互いに対して、及び、前記ダクト入口及び前記固定されたダクト構造が選択的に開かれ、かつ絞られるように前記固定されたダクト構造に対して、移動可能にされている請求項23の装置。
【請求項25】
前記ダクト通路が開かれ、かつ絞られる程度が制御可能な請求項24の装置。
【請求項26】
前記固定されたダクト構造が、基台部から上方向へ延在し、かつ、複数の排出用プレナムを画定するように役立つ請求項23の装置。
【請求項27】
少なくとも一つの移動可能なダクト構造が、対応する排出用プレナムの上げられた入口を覆い隠すフード部を含む請求項26の装置。
【請求項28】
ダクト用通路は、トラップ用領域を含む請求項23の装置。
【請求項29】
前記トラップ用領域が、異なる密度特性を持つ材料からの選別を容易にするのに役立つ複数の隆起部を持つ表面を含む請求項28の装置。
【請求項30】
隣接する移動可能なダクト構造が、前記ダクト構造間のダクト用通路を締めるように、比較的近くに位置決めされ、又は、より大きく開かれたダクト通路を備えるために比較的遠くに位置決めされる請求項23の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公表番号】特表2008−535252(P2008−535252A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504102(P2008−504102)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009325
【国際公開番号】WO2006/107549
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(503450771)エフエスアイ インターナショナル インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009325
【国際公開番号】WO2006/107549
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(503450771)エフエスアイ インターナショナル インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
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