説明

一体とした検体測定用の穿刺器具とストリップ

【課題】体液採取に際し体液を確実に採取できかつ検査装置へ容易に流入させることができる体液採取器具を提供する。
【解決手段】本発明は、概略的には患者からの体液の抜き取りに使用する穿刺要素に関する。より詳細には、第1及び第2要素を有する改良した穿刺要素であって、第1要素によって形成された切り口が第2要素によって開いた状態に保持され、体液が表面張力によって穿刺要素に沿って第1及び第2穿刺要素上に引き上げられるように、第1及び第2要素が互いに関連して配置された穿刺要素に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年3月28日に出願の仮出願第60/458,242号についての優先権を主張し、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
【0002】
本発明は、概略的には患者からの体液の抜き取りに使用する穿刺要素に関する。より詳細には、第1及び第2要素を有する改良した穿刺要素であって、第1要素によって形成された切り口が第2要素によって開いた状態に保持され、体液が表面張力によって穿刺要素に沿って第1及び第2穿刺要素に引き込まれるように、第1及び第2要素が互いに関連して配置された穿刺要素に関する。
【背景技術】
【0003】
一体となった皮膚穿刺具と体液分析用試料採取器は、当技術分野において公知である。そうしたシステムの1つが特許文献1に記載され、例示されている。特許文献1に記載の統合システムは、体液内の検体の量、あるいは体液の何らかの特性を測定するようになされたセンサストリップに取り付けられた、あるいはそれと一体になった穿刺要素即ち穿刺器具を有する。使用に適した体液には、例えば、血液や間質液(ISF)などがある。穿刺要素は皮膚に切り口を形成するために使用され、体液は、例えば毛管作用などによって、穿刺要素に沿ってセンサストリップに引き込まれる。そのような一体化した試料採取器は、例えば電気化学計器と組み合わせることができ、モノリシック又は原位置のサンプリング装置と呼ばれる。
【0004】
切り口を形成してこれらの切り口から体液を取り出せるように、多くの穿刺装置が考案されてきた。中実穿刺器具(solid lancet)は、皮膚に切り口を入れて皮膚の表面から体液が漏れ出るようにするのに使用され、それにより、患者又は医師は体液を採取できる。十分な液体が切り口から確実に放出されるようにするために、そうした中実穿刺要素は一般的に直径が大きくなっていて、サンプリング目的で切り口から体液が十分に流れ出るのを容易にする。しかし、そのような中実針は通常、切り口の大きさに基づいて十分な体液が抜かれるのを保証しており、液体の検査装置への流れを容易にするためには使用されない。
【0005】
中空の針もまた、検査目的で身体から液体を抜き取る場合の使用に向けて述べられており、そのような針は、切り口の設定を容易にするために、先細りの又は斜めに切断された端部を有し得る。そのような針では、切り口は針の外径だけ開いた状態に保持されて、体液の切り口からの流れるのが容易となり、その体液は、減圧、毛管作用、又はそれらの組み合わせのいずれかにより、針に沿って引き込まれる。
【0006】
他の穿刺装置についても述べられており、穿刺器具は、例えば、表面張力及び/又は毛管作用により、穿刺器具の鋭利な先端部から近位端部に液体を誘導するための開いた流路を有する平坦か又は部分的に湾曲した部品である。そのような穿刺要素は、製造が容易であることから、並びに穿刺及び測定の両方を単一要素で円滑に行えるように、例えばセンサストリップなどと容易に一体化できるといった点において、有益である。この穿刺要素が、液体を誘導する開いた流路を設けた平坦な又は部分的に平坦な部品の場合には、切り口の縁部が流路上で閉じて流路を完全に又は部分的に塞ぎ、体液が流路の近位端部に流れるのを妨げるか、あるいは流れ得る液体の量を制限する可能性がある。
【特許文献1】国際公開第02/49507号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、穿刺要素が、開いた流路を設けた平坦な又は部分的に湾曲した部品をなし、損傷部内にある場合に切り口を開いた状態に維持して、切り口の縁部が穿刺要素に接して閉じ、さらに開いた流路を部分的に又は完全に塞ぐのを防止する分離要素を含む穿刺装置を設計することは有益であろう。その分離要素が、穿刺要素の鋭利な先端部に対して若干近位に配置され、穿刺器具を皮膚に挿入しやすくする穿刺装置を設計することも有益である。さらに、穿刺要素と分離要素が単一の金属シートから形成される穿刺要素を設計することも有益である。さらに、穿刺要素と分離要素が互いに対向して配置されており、液体が、液体、穿刺要素、及び分離要素の間に作用する表面張力によって穿刺要素から開いた流路に引き上げられ、それにより流路への充填が容易になる穿刺装置を設計することも有益である。さらに、穿刺要素に対向して分離要素を配置して、穿刺要素と分離要素の近位端部が開いた流路を形成するように、穿刺要素と分離要素が、単一のロール状金属シートから形成された穿刺装置を設計することも有益である。さらに、例えば金属成形加工やプレス加工などを使用して本明細書に記載の穿刺装置を製造することも有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による穿刺器具は、第1の鋭利な終点を有する穿刺要素、第1の鋭利な終点の近位に配置された第2の鋭利な終点を有する分離要素、及び第1の穿刺要素の近位部分を分離要素の近位部分に連結し、流路を形成する連結体を具備する。本発明のさらなる実施形態では、分離要素は、穿刺要素に対して角度をなして配置される。本発明のさらなる実施形態では、穿刺要素、分離要素、及び流路は、単一の金属シートから形成される。本発明のさらなる実施形態では、穿刺要素及び分離要素間の空間はギャップを形成し、そのギャップは、第2の鋭利な先端の近位で大きさが増大する。本発明のさらなる実施形態では、流路の少なくとも一部分は親水性の表面被覆で処理される。本発明のさらなる実施形態では、穿刺要素の少なくとも一部分及び分離要素の少なくとも一部分は、親水性の表面被覆で覆われる。本発明のさらなる実施形態では、流路の近位端部は、センサストリップと一体化される。本発明のさらなる実施形態では、センサストリップは、その近位端部で複数の別のセンサストリップに連結される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の新規な特徴については、添付の特許請求の範囲で詳細に示す。本発明の特徴及び利点については、本発明の原理を利用した実施形態を示す以下の詳細な説明及び添付図面を参照することで、より理解できるであろう。
【0010】
図1は、本発明による穿刺器具15及びセンサストリップ100の斜視図である。図1では、穿刺器具15はセンサストリップ100に連結されている。センサストリップ100は、例えば、血液や間質液などの体液のグルコース量を測定するために電気化学を利用したグルコース用センサストリップなどであってもよい。さらに、センサストリップ100は、例えば、粘性、静電容量、抵抗などの体液の物理的特性を測定する凝固センサでもよい。図1では、穿刺器具15はさらに、穿刺要素22と分離要素24とを有する。センサストリップ100はさらに、第1電極接点10、接着層11、導電性基材12、出口穴13、第2電極接点17、絶縁基板18、絶縁層20、位置決め穴23及び作用電極36を有する。本発明の実施例では、センサストリップ100は、幅を約0.22インチ(約5.0588mm)に、長さを約0.55インチ(約13.97mm)にできる。
【0011】
図2は、本発明で使用する穿刺器具15及びセンサストリップ100の上部層の斜視図である。図2では、穿刺器具15及びセンサストリップ100の上部層は、導電性基材12から形成されている。図2の実施形態において、導電性基材12は、出口穴13及び位置決め穴23を有する。図2では、穿刺器具15は、穿刺要素22、分離要素24及び充填路21を有する。
【0012】
本発明での使用に適した穿刺要素及びセンサストリップの1つの実施形態は、図1及び図2を参照して説明できる。図1及び図2の実施形態では、センサストリップ100は、絶縁基板18にスクリーン印刷できる第1電極接点10と、基準電極37と穿刺器具15に切れ目なく続く導電性基材12の一部を構成する第2電極接点17とを有する。図1及び図2の穿刺要素及びセンサストリップの実施形態では、第1電極接点10及び第2電極接点17は、例えばグルコース計(図示せず)などの検体測定計器がセンサストリップ100と電気的な接触を確立できるように配置される。図示した実施形態では、第1電極接点10及び第2電極接点17は、センサストリップ100の遠位端部で両方の電極が容易に接触できるように絶縁基板18の同じ側に配置されている。
【0013】
センサストリップ100は、絶縁基板18を導電性基材12に取り付けるために接着層11を用いて製造される。接着層11は、感圧材料、熱活性化材料、又は紫外線硬化型両面接着材料などを使用した多数の方法で実装できる。導電性基材12は、例えば、金又はめっきステンレス鋼などの導電性材料シートであってもよい。導電性基材12は、例えばプレス加工又はフォトエッチングによって形成できる。図1及び図2に示す実施形態では、穿刺器具15は、導電性基材12の一体部分として製造できる。出口穴13は、例えば、導電性基材12を打ち抜くことによって形成できる。出口穴13の使用により、穿刺器具15の上方へ作用電極36を横断して、体液を搬送するのが容易になる。位置決め穴23は、導電性基材12を製造するプレス加工中に形成できる。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、検体検出層は、例えば、酵素、緩衝液、及び酸化還元メディエータを含んだグルコース検出層であってもよい。好ましくは、検体検出層(図示せず)は、作用電極36上に付着されてもよい。検体検出層が体液中のグルコースの存在及び濃度を検出するために使用される場合に、グルコース検出層の少なくとも一部は、体液に溶解し、グルコース濃度を試料中のグルコース濃度に比例する電気的に測定可能なパラメータに変換する。
【0015】
図1及び図2の実施形態では、穿刺器具15は、遠位端部と近位端部とを有し、近位端部は基準電極37と一体化しており、遠位端部は、穿刺要素22の遠位端部に鋭利な先端部38を有している。穿刺器具15は、導電性の金属シートをプレス又はフォトエッチングする方法で形成できる。穿刺器具15をフォトエッチンする場合には、鋭利な穿刺要素22及び分離要素24を有する穿刺要素の製造が容易になるという利点もある。次の加工工程では、図2に示すように、穿刺器具15、穿刺要素22、及び分離要素24を曲げ、「V字」又は「U字」形状の流路を形成できる。充填路21は、穿刺要素22及び分離要素24から作用電極36及び基準電極37までの導管となる。本発明の1つの実施形態では、穿刺要素22の遠位端部及び分離要素24の分離先端部40は、約0.005インチ(約0.127mm)から約0.020インチ(約0.508mm)だけずれている。
【0016】
穿刺器具15は、穿刺要素22の先導点をより鋭利にすることで、より効率よく皮膚に切り口が入るように設計されている。図2に示すように、分離先端部40が遠位で穿刺要素22の鋭利な先端部38からずれている場合、穿刺器具15は、最遠位端部に鋭利な先端部38のみを有する。その鋭利な先端部は、非常に鋭利な点即ち刃先となすことができ、穿刺要素22が皮膚に最初の切り口を入れるのを容易にする。それに対して、穿刺要素22と分離要素24とが合致する場合、穿刺器具15の先導点は、鋭利な先端部38及び分離先端部40の両方を有することとなり、その組み合わせでは、図2で示した実施形態より鋭利ではなくなり、最初の切り口を形成するのにより大きな力が必要となるであろう。鋭利な先端部38と分離先端部40とのずれにより、穿刺要素22と分離要素24の鋭利な先端を互いに整列又は接触させなければならないという固有の整列問題が軽減するので、穿刺器具15はより製造しやすくなる。図1及び図2の本発明の実施形態では、最初に皮膚に切り口が入った後のその損傷部を広げるよう及び開いた状態を保持するよう補助され、流出が促進されるので、さらに有益である。図1及び図2の実施形態では、さらに穿刺器具15は、基準電極37と第2電極接点17とを有する。別の実施形態では、すべての電極及び電極接点を絶縁基板18上に形成することが含まれてもよい。
【0017】
図2に示した本発明の実施形態では、穿刺器具15は、穿刺要素22及び分離要素24間の継ぎ目のない移行部分である充填路21を有し、充填路21は、損傷部から作用電極36への体液の流れを容易にする。さらに、穿刺要素22、分離要素24及び充填路21間の継ぎ目のない移行により、液体試料の毛管流速を遅らせ得る停留接合部の導入が防止される。その独自の構造により、皮膚の損傷部の上又は下にある穿刺器具15の高さにかかわらず、あるいは穿刺器具15が損傷部から水平方向にずれていても、液体試料が作用電極36及び基準電極37を十分に覆う可能性が高まる。本発明の特定の実施形態では、試料を穿刺器具15の近位端部だけではなく側部に供給でき、それにより、利用者には部位を別々に穿刺した後でセンサストリップ100に試料を投入するというオプションがもたらされる。
【0018】
図2に示した本発明の実施形態では、穿刺要素22と分離要素24の間のギャップ42は、体液を充填路21に誘導する。穿刺要素22と分離要素24との間隔が大きくなると、液体が遠位で充填路21へ移動する際に、液体を充填路21に引き込み、さらに充填路21からセンサストリップ100へ引き込むのが容易になる。ギャップ42は、分離要素24の分離先端部40の遠位端部に向かって狭くなっているため、ギャップ42内の体液とギャップ42の壁の間での表面張力が増大し、それゆえ、体液はギャップ42に、それからセンサストリップ100までさらに容易に引き込まれる。ギャップ42はまた、ギャップ42の側部にある体液の流れを促進することで、体液を充填路21に導入するのを容易にし、それにより、センサストリップ100による体液の収液が向上するという点、有益である。
【0019】
充填路21は、例えば、吸い上げ(wicking)、即ち毛管作用によって体液の流れを容易にできる。図1及び図2に示す実施形態では、充填路21は、粘性試料の吸い上げを容易にする開いた形状をなし、閉じた毛管路に比べ、より単純な製造技術を可能にする。本発明の特定の実施形態において、充填路21は、充填路21内の毛管力を増強するために界面活性被覆で覆われるか、又は親水性表面処理を受ける。本発明の特定の実施形態においては、分離要素24及び穿刺要素22は、ギャップ42内の毛管流力を増強するために界面活性被覆で覆われるか、又は親水性表面処理を受ける。さらに、充填路21が開いた形状であることにより、真空妨害物の形成が防止されるため、試料の吸い上げが容易になる。閉じた流路形状では、毛管口が損傷部の非常に近く又は損傷部内に配置され、空気により、試料の毛管への流れが容易となることなく、毛管口が詰まる可能性がある。充填路21が開いた形状の場合には、穿刺器具15の近位端部は、血液源に任意に近接でき、試料を十分に充填できる。本発明のこの実施形態では、充填路21の開いた形状には、基準電極37及び作用電極36を覆うための最小限の試料の量より多い量を保持する容量がある。それゆえ、充填路21の開いた形状では、充填路21に沿って試料を余分に溜めることができ、損傷部位はより清潔に保たれる。
【0020】
図2に示すような実施形態において、基準電極37の形状は、導電性基材12の表面を効果的に打ち出すプレス加工中に形成できる。プレス加工により、導電性基材12に凹部を形成するのに必要な圧力が加えられ、基準電極37と作用電極36との間隔を画定するのに役立ち得る。記載されている本発明の特定の用途において、接着層11の厚さ調整ではなく、導電性基材12の打ち出しにより基準電極37と作用電極36との間隔を調整するのは、有益である。記載されている本発明の他の用途において、基準電極37の形状の画定に役立つよう、導電性基材12を打ち出さず、接着層11を使用することも有益である。
【0021】
図1に示したセンサストリップ100の実施形態では、絶縁基板18はポリエステルやセラミックなどの材料からなり、絶縁基板18上には導電性材料をシルクスクリーン、スパッタリング又は無電解めっきによってプリントできる。絶縁基板18上の導電性材料は、第1電極接点10及び作用電極36を形成する。絶縁層20は、例えば、スクリーンプリントされて第1電極接点10及び作用電極36の境界を形成できる。
【0022】
図3は、本発明の別の実施形態の斜視図であり、多数のセンサストリップがカートリッジ方式で使用するセンサアレイを形成している。そのようなアレイは、センサストリップを連続した態様で1つずつ取り出すようにした計器(図示せず)に挿入できる。この実施形態の方式は、センサストリップ列をアコーディオンと同様な態様で折り畳むことを可能とし、図1のセンサストリップ100と同様な複数のセンサストリップが、カートリッジでのそれらの使用を容易にする配列でともに取り付けられている。図3では、導電性基材12は順方向送りの態様でプレスされて穿刺器具15を形成し、穿刺器具のいくつかは直列でともにつながれる。導電性基材12をプレス加工することにより、割り付け穴31、ネック32、及び接触穴33が形成される。
【0023】
図3に示すよう、本発明のさらなる実施形態では、接着層とグルコース検出層を含む第2の電極層(図示せず)が、導電性基材12に取り付けられる。アレイ内の全てのセンサストリップに対する基準電極用の接点領域は、導電性基材12内の単一の領域を使用して形成できる。しかし、アレイ内のすべてのセンサストリップに対する作用電極36用としては、個々の接点が作られなければならない。本発明の実施形態では、割り付け穴31は、センサストリップカートリッジに割り付けるために使用され、未使用のセンサストリップを検査位置に移動させることが可能となる。ネック32は2つの隣接するセンサストリップ間で打ち抜かれる。ネック32の目的は、ネック32の位置でセンサストリップを曲げるのを容易にすることである。センサストリップを外に押して利用者による血液の抜き取りを可能とするために、センサストリップは下方に曲げられ、ネック32は規定位置での曲げを容易にする。導電性基材12の接触穴33は、絶縁基板上の作用電極との電気的接触を可能にする。
【0024】
本発明による穿刺の方法では、図1から図3に示した実施形態と同様の穿刺器具が用いられ、鋭利な先端部38のある穿刺要素22を有し、分離先端部40のある分離要素24は、鋭利な先端部38の近位に配置される。本発明の1つの実施形態では、分離先端部40は、鋭利な先端部38の近位に約0.005インチ(約0.127mm)から約0.020インチ(約0.508mm)で配置し得る。本発明による方法はさらに、穿刺要素22の近位端部を分離要素24の近位端部に連結する連結体を設けるステップを有し、その連結体は、穿刺要素22の近位端部及び分離要素24の近位端部から、センサストリップ100の作用電極36に延びる充填路21を形成する。この方法はさらに、穿刺要素を皮膚に挿入して切り口を形成し、分離要素24を挿入して切り口をさらに開き、血液又は他の体液が穿刺要素22と分離要素24の間のギャップ42に引き込まれている間、穿刺要素22と分離要素24の位置を切り口内に維持する各ステップを含む。この方法はさらに、体液をギャップ42から充填路21に引き込むステップを含む。
【0025】
本発明に従って構成された穿刺器具15は、先端部分と毛細管部分間の移行部に継ぎ目がない点、及び先端部自体が一種の毛細管である点で有益である。この設計における独自の構成により、皮膚の損傷部の上又は下にある先端部の高さに関わらず、あるいは先端部が損傷部から水平方向にずれた場合にも、体液が充填路21に流入するのがより確実なものとなり、穿刺器具が体液用の導管として作用する。
【0026】
本発明に従って構成されたセンサストリップ100は、流路が閉じたセンサストリップに比べより簡単に製造される。そのようなセンサストリップは、例えば、射出成型、打ち出し加工、又は化学エッチングにより、あるいは単純な機械加工などによっても製造できる。開いた流路の毛管力は、相当する閉じた流路の毛管力より弱い可能性があるが、その弱さは、例えば、ミズーリ州セントルイスに所在のシグマケミカル社の製品であるTween−80、ニュージャージー州ウエストパターソンに所在のサイテックインダストリーズ社の製品であるエアロゾルOT、ウイスコンシン州ソークビルに所在のジェニール・バイオサーファクタント社の製品であるJBR−515、及びミズーリ州セントルイスに所在のシグマケミカル社の製品であるNiaproofを含む親水性表面処理や界面活性被覆などの使用により克服可能である。
【0027】
本明細書記載の発明は、液体が充填路21を通って測定パッドに移動するのを妨げる真空障害物が充填路21内に形成されるのを防止するので、本発明に従って構成されたセンサストリップ100は改良された移動特性を有し得る。閉じた流路の毛細血管の場合には、入り口は、測定領域への移動中に空気が毛細血管に自由に流入できないように配置又は設計されなければならない。したがって、閉じた流路システムでは、入り口が損傷部に接近しすぎて又は損傷部の内部に配置された場合、流れが妨害又は中断されることがある。しかしながら、本発明に従って設計されたセンサストリップの開いた流路の場合には、流路の入り口は血液源に任意に接近して配置され得る。
【0028】
本発明による開いた流路を有するセンサストリップにおいては、センサストリップが、液体で満たして測定パッドへの移動を開始するのに必要な最小量よりも多い量の液体を保持し得る点においても有益である。本発明の1つの実施形態では、液体柱が測定パッドに達するように穿刺器具を満たすために必要な最小量は、約230nlである。しかし、穿刺では230nlより多い量を取り出すことができる。本発明における開いた流路形態のために、穿刺器具に与えられた余剰の血液は、穿刺器具流路に沿って集積し続け、ふくれあがった血液滴を形成することになる。この特性は、皮膚から余分な血液を取り除き、穿刺器具による損傷部を清潔な状態で残すという点で有用である。
【0029】
本発明による開いた流路設計の別の利点は、液体滴を穿刺器具の先端部だけでなく、穿刺器具の側部に供給できることにある(即ち、閉じた流路では、液体が毛細管に引き込まれるように与えられなくてはならない別の領域がある)。血液が別々に穿刺された部位から来た場合、血液の手動での取り扱いが必要となる可能性がある。それゆえ、本発明に従って設計されたセンサストリップを使用する場合、「側部」充填のオプションが用意され、利用者の選択肢を増やす。
【0030】
本発明の1つの実施形態では、導電性基材12を構成するプレスした金属は作用電極又は対極としても働く。本発明で使用する板金設計の独自の態様には、センサストリップの同じ側にある第1電極接点10及び第2電極接点17を使用してアセンブリを構成することもこの態様により可能になるという事実がある。これは、導電性基材12がその上部側及び底部側の両方から電気接触を確立できるようにする固体導体からなるため、計器上の接点を合わせることに関する要求が非常に簡単なものとなる。この場合、導電性基材12の上部側は第2電極接点17と同じ側にあり、導電性基材の底部側は基準電極37と同じ側にある。
【0031】
作用電極及び基準電極の両方が絶縁基板に印刷又は塗布された表面電極配置を使用する、一般的な構成の電気化学センサストリップに関しては、電極接点はセンサストリップの両側に配置されなければならず、計器の接点がより複雑になる。基準電極37が絶縁基板に印刷又は塗布されると、導電性基材12は上部側で絶縁され、上部側から電気接続を確立できない。絶縁体を導電性基材12から部分的に除去すれば、上部側から電気接続を確立できるが、これは、センサストリップの製造をさらに複雑なものとする。
【0032】
最後に、個々の穿刺器具がともに直列につながれた、本発明に従って設計されたセンサストリップでは、板金成形を順送型プレスで行うことができるので、単一の共通基準部を有し、ゆえに接点を1つだけ必要とする検査センサアレイを構成できる。
【0033】
図4は、本発明の別の実施例による上部層200の底面斜視図である。図4では、上部層200は、導電性基材201、ハンドル部分203、本体224、穴202、出口穴226、及び穿刺器具204を有する。導電性基材201は、厚さが約0.003インチ(約0.0762mm)であるシート状の「ステンレス鋼301」と呼ばれる材料であってもよい。ハンドル部分203及び穴202は、プレス加工される際の上部層200の固定及び位置決めに使用される。次に、図5に示すように、ハンドル部分203は、線X−X’で表す2つの部分での切断により取り除き得る。図7は、ハンドル部分203を取り除いた上部層200の底面図を示している。
【0034】
図10及び図11はそれぞれ、充填路222を図示した穿刺器具204の底面斜視図及び側面図を示す。充填路222は、上方室壁218及び下方室壁220により形成され得る、表面が開いた毛管であってもよい。充填路222は、穿刺要素212から、検体測定に使用される作用電極及び基準電極への体液が流れを容易にする。ここで、充填路222は、穿刺要素212の近位部分及び分離要素208の近位部分を連結する連結体でもあってもよい点、留意すべきである。図10では、上方室壁218は穿刺要素212の近位部分に連結され、下方室壁220は分離要素208の近位部分に連結されている。
【0035】
本発明の実施形態では、上部層200は、図1同様の態様で、絶縁基板18に固着されてセンサストリップを形成する。本発明の別の実施形態では、市販のライフスキャン社(米国カリフォルニア州ミルピタスに所在)製ワンタッチウルトラセンサストリップを改造して上部層200に適合させることができ、それにより、穿刺処置、血液供給処置、及びグルコース測定処置の統合が可能となる。
【0036】
図5及び図6はそれぞれ、穿刺器具204の折り畳まれた配置及び展開(折畳まれていない)配置の上部層200の底面図を示している。ここで、展開配置は、平坦なパターンとも呼ばれる点留意すべきである。図6に示すよう、上部層200がプレスされたときには、穿刺器具204は展開配置にある。図5及び図10に示すように、次の加工ステップで、分離要素208及び下方室壁220は、軸Z1に沿って折り曲げられてそれぞれ穿刺要素212及び上方室壁218上に置かれる。本発明の実施形態では、穿刺器具204は、分離先端部206のある分離要素208と鋭利な先端部214のある穿刺要素212とを有し得る。ここで、鋭利な先端部214は第1の鋭利な終点とも呼ばれる点、及び分離先端部206は第2の終点とも呼ばれる点、留意すべきである。
【0037】
プレス加工中、上部層200が打ち出され、補強リブ210を形成できる。この打ち出し加工は、導電性基材201の曲げ剛性を高め、穿刺処置中だけでなく、センサストリップの製造及び運搬工程中において、穿刺器具204が変形する可能性を軽減させる。本発明の実施形態では、補強リブ210は、その一部が穿刺器具204及び本体224の両方に置かれるように配置できる。補強リブ210は、穿刺器具204及び本体224にまたがるブリッジを形成し、本体224に対する穿刺器具204の曲げ剛性を強化する。
【0038】
図5及び図6に示すように、分離先端部206は、鋭利な先端部214から距離D1に配置できる。距離D1は、約0.005インチ(約0.127mm)から約0.020インチ(約0.508mm)の範囲をとり得る。穿刺要素212の全長L1は、約0.06インチ(約1.524mm)から約0.07インチ(約1.778mm)の範囲をとり得る。全長L1は、穿刺器具204が利用者の皮膚に穿刺するおよその最大深さに相当する距離であるように選択できる。穿刺器具204は、体液を作用電極及び基準電極に移送する充填路222の長さを全長L1に足したものに相当する全長L2を有し得る。全長L2は、約0.14インチ(約3.556mm)から約0.16インチ(約4.064mm)の範囲をとり得る。
【0039】
図6に示すように、穿刺要素212及び分離要素208はそれぞれ、鋭角A1及びA2を有する。穿刺要素212及び分離要素208は、ともに三角形状を形成している。鋭角A1は、鋭利な先端部214と一致する頂点及び2つの穿刺要素側部213によって形成できる。同様に、鋭角A2は、分離先端部206と一致する頂点及び2つの分離要素側部207によって形成できる。本発明の実施形態では、鋭角A1及びA2は、約10°から約25°の範囲をとり得、約13°から約14°の範囲が好ましい。
【0040】
鋭角A1又はA2が約10°より小さい場合には、構造上の剛性が十分ではなく、穿刺処置中における穿刺要素212及び分離要素208の変形を防止できない。例えば、穿刺器具204は、厚さが約0.003インチ(約0.0762mm)の「ステンレス鋼301」と呼ばれる材料で作り得る。さらに、鋭角A1又はA2が約10°より小さい場合、これは、穿刺要素212と分離要素208の全体幅を減少させて毛管作用を低下させ、十分な体液が収集されないことがある。穿刺要素212の全体幅は、軸Z2に垂直な2つの穿刺要素側部213間の距離と定義できる。分離要素208の全体幅は、軸Z2に垂直な2つの分離要素側部207間の距離と定義できる。
【0041】
鋭角A1が約25°より大きい場合、鋭利な先端部がある意味鈍くなるため、穿刺要素212は、利用者の皮膚への穿刺は容易ではない。そうした場合に、穿刺要素212を利用者の皮膚へ穿刺すると、利用者はおそらく許容できないほどの痛みを体験するだろう。
【0042】
図8は、図7の視点8−8に沿った上部層200の遠位面図である。軸Z1は、上方室壁218及び下方室壁220間の曲げ軸に対してほぼ平行に延びる。分離要素208及び下方室壁220が、穿刺要素212及び上方室壁218上に折り曲げられる工程の後、曲げが形成される。図8に示すように、上部層200は、上方室壁218を含む第1の実質的に平坦な部分を有する。図8に示すように、上部層200はさらに、下方室壁220を含む第2の実質的に平坦な部分を有する。下方室壁の方向は、折り曲げ角A3で上方室壁の方向と合わせる。本発明の実施形態では、折り曲げ角A3は、約10°から約30°の範囲をとり得、約18°から約22°の範囲が好ましい。
【0043】
図9は、図7の視点9−9に沿った上部層200の近位面図である。穿刺器具204はさらに、体液を穿刺器具204に入れる又は通過させるための開口をなすギャップ216を有する。穿刺器具204が利用者の皮膚に十分大きな穴を形成して十分な量の体液を取り出すために使用することができる、例えば、厚さが0.003インチ(0.0762mm)といった比較的薄い金属シートから作られるという点において本発明は有益である。例えば、穿刺器具204を折り曲げなかったならば、厚さが0.003インチ(0.0762mm)未満の1つの寸法に制限された大きさの損傷部を形成することになる。本発明の1つの実施形態では、折り曲げ角A3が約20°の穿刺器具204を構成すると、図9に距離D4として示すように、損傷部の大きさの1つの寸法が約0.012インチ(約0.3048mm)から約0.014インチ(約0.3556mm)の範囲をとるまで増加する。
【0044】
図9はまた、鋭利な先端部214が利用者の皮膚に突き刺す先導点となること、及び分離先端部206が穿刺要素212の下に隠れていることを示す。したがって、分離先端部206は、この位置取りにより、鋭利な先端部214が利用者の皮膚に突き刺さった後に、利用者の皮膚に穴をあけることはない。分離先端部206が、穿刺要素212のほかに利用者の皮膚に穴をあけることになる態様で配置されたならば、これにより、穿刺器具204は、利用者の皮膚に穴をあけるための力を追加することを必要とするようになる。したがって、本発明の1つの実施形態では、分離要素208は、穿刺要素212に向かって十分に曲げられ、そのため、穿刺要素212は、分離先端部206が利用者の皮膚に穴をあけるのを防止できる。本発明の別の実施形態では、穿刺要素212は、分離要素208に向かって十分に曲げられ、そのため、穿刺要素212は、分離先端部206が利用者の皮膚に穴をあけるのを防止できる。
【0045】
図11は、穿刺要素角A4と分離要素角A5を示す穿刺器具の側面図である。穿刺要素角A4は、上方室壁218と実質的に一致する平面及び穿刺要素212と実質的に一致する平面によって形成できる。本発明の1つの実施形態では、穿刺要素角A4は、約5°から約15°の範囲をとり得、約8°であるのが好ましい。分離要素角A5は、下方室壁220と実質的に一致する平面および分離要素208と実質的に一致する平面によって形成できる。上方室壁218と下方室壁220は、互いに対してほぼ平行になるように構成できる。本発明の1つの実施形態では、分離要素角A5は、約0°から約15°の範囲をとり得、約8°であるのが好ましい。
【0046】
図12は、軸Z2に対する鋭利な先端部214及び分離先端部206の位置を示した穿刺器具の拡大側面図である。軸Z2は、鋭利な先端部214と重なる穿刺器具204のほぼ中心の位置を表し得る。さらに、軸Z2は、穿刺器具204が利用者の皮膚に向かって送り出されたときの穿刺器具204の移動方向も表し得る。軸Z2によって示した方向は、穿刺器具204が送り出されようとしているときに、利用者の皮膚の表面に対してほぼ垂直をなし得る。
【0047】
本発明の1つの実施形態では、分離要素208は、鋭利な先端部214と重なり、及び上方室壁218と平行をなす平面P1と交差できる。この実施形態では、分離先端部206は、穿刺要素212に近い平面P1の側方に存在してもよい。分離先端部206は、穿刺要素212に近い平面P1の側方に存在する限りは、穿刺要素212との接触又は近接のどちらでもよい。そのことは、分離先端部206が穿刺要素212の下に隠れ及び穿刺要素212により保護されるために、使用者の皮膚に穴をあけないという点において本発明の利点である。
【0048】
本発明の別の実施形態では、分離先端部206は、穿刺要素212に近い平面P1の側方に部分的に存在してもよい。分離先端部206は、限定されたサイズであるために、穿刺要素212に近い平面P1の側方に、その一部分だけを置き得る点に留意すべきである。本実施形態では、分離先端部206は、穿刺要素212によって形成された既存の損傷部に部分的に入っていき、穿刺要素212による分離先端部206の部分的は保護が可能となる。
【0049】
本発明の実施形態では、穿刺器具204は、利用者の皮膚に向かって送り出される。まず、鋭利な先端部214が利用者の皮膚に突き刺さり、損傷部が形成される。次いで、穿刺要素212は、利用者の皮膚内への移動を続け、2つの穿刺要素側部213が利用者の皮膚を切り損傷部を広げるため、損傷部が拡張する。穿刺要素212が損傷部に入った後で、分離要素208は利用者の皮膚内で移動を続け、これにより損傷部がまたさらに拡張する。加えて、2つの分離要素側部207もまた、利用者の皮膚を切ることができ、損傷部が広げられて拡張が進む。損傷部が十分大きくなると、体液は、穿刺器具204の遠位端部から充填路222に流れ、次いで検体測定に使用する作用電極及び基準電極に流れ得る。分離要素208が損傷部の広がりを大きくする要因は、鋭角A2、折り曲げ角A3、及び/又は分離要素角A5の増加にある。ただし、損傷部の広がりが大きくなりすぎると、許容できない痛みのレベルとなる場合もある。損傷部が十分に広がると、流体は、穿刺器具204の遠位端部から充填路222の近位端部に流れることができる。
【0050】
本発明の別の実施形態では、分離先端部206は、穿刺処置中に分離要素が穿刺要素212に隠れて保護されている限りは、利用者の皮膚に突き刺すためには使用されないため、鈍くてもよい。
【0051】
本明細書で例示及び説明した構造に代えて等価の構造を用いることができ、説明した本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の発明を実施するために採用可能な唯一の構造ではない点、認識されるであろう。さらに、上記構造はいずれも機能を有し、そうした構造は、その機能を行うための手段としてみなし得る点、理解すべきである。
【0052】
本発明の好ましい実施形態について本明細書に提示及び説明したが、そのような実施形態が例示に過ぎない点、当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなしに、多数の変形、変更、及び代替に、当業者は直ちに考えつくであろう。
【0053】
本発明の実施には、本明細書記載の本発明の実施形態に対する種々の代替方法が採用できる点、理解すべきである。以下の請求項が本発明の範囲を定義し、それによりこれら請求項の範囲にある方法及び構造、並びにそれらと均等なものを保護する点、意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による穿刺要素とセンサストリップの斜視図である。
【図2】本発明による穿刺要素の上部層の斜視図である。
【図3】本発明による別の実施形態の斜視図であり、多数のセンサストリップがカートリッジ方式で使用するセンサアレイを形成している。
【図4】本発明の別の実施形態による穿刺器具を有する上部層の底面斜視図である。
【図5】図4に示す実施形態に従った上部層の底面図である。
【図6】図4に示す実施形態に従った、穿刺器具が折り曲げられていない上部層の底面図である。
【図7】図4の実施形態に従った、ハンドル部分が除かれた上部層の底面図である。
【図8】視点8−8に沿って切った図7の上部層の遠位面図である。
【図9】視点9−9に沿って切った図7の上部層の近位面図である。
【図10】穿刺器具の底面斜視図である。
【図11】穿刺器具の側面図である。
【図12】穿刺器具の拡大側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋭利な先端部を有する穿刺要素と、
分離先端部を有し、前記分離先端部が前記鋭利な先端部の近位に配置された分離要素と、
前記穿刺要素の近位部分を前記分離要素の近位部分に連結し、充填路を形成する連結体とを具備した穿刺器具であり、
前記穿刺要素は、穿刺器具を利用者に装着する際、前記分離先端部による穿刺を防止することを特徴とする穿刺器具。
【請求項2】
前記穿刺要素は、2つの穿刺要素側部により形成された鋭角を有し、
前記2つの穿刺要素側部は、前記鋭利な先端部と一致する頂点に収束し、
前記鋭角は、約10°から約25°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項3】
前記穿刺要素、前記分離要素、及び前記充填路は、単一の金属シートから形成されることを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項4】
前記充填路は、上方室壁と下方室壁とを有し、
前記上方室壁は、前記下方室壁に対して特定の向きに合わされ、折り曲げ角を形成し、
前記折り曲げ角は、約10°から約30°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項5】
前記充填路は、上方室壁と下方室壁とを有し、
前記上方室壁は、前記穿刺要素の近位部分に連結され、
前記下方室壁は、前記分離要素の近位部分に連結され、
前記穿刺器具は、前記上方室壁にほぼ平行であって前記鋭利な先端部と重なる平面を有し、
前記分離先端部は、前記上方室壁に近い前記平面の側方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項6】
前記穿刺要素及び前記分離要素間の空間がギャップを形成し、
前記ギャップは、前記分離先端部の近位で寸法が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項7】
前記充填路の近位端部は、センサストリップと一体化されることを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項8】
請求項1による前記穿刺器具と、
前記穿刺器具とともに単一の材料シートから形成され、前記穿刺器具の近位端部がその遠位端部につながる本体と、
前記単一の材料シートを打ち出したものであり、前記穿刺器具の前記近位端部の一部と前記本体の前記遠位端部の一部とに置かれ、前記本体に対する前記穿刺器具の曲げ剛性を強化するリブとを有するセンサストリップ。
【請求項9】
請求項1の前記穿刺器具を使用した、利用者の皮膚への穿刺方法であって、
前記利用者の皮膚へ前記穿刺器具を装着するステップと、
前記利用者の皮膚を前記鋭利な先端部を使用して穿刺し、損傷部を形成するステップと、
前記穿刺器具が前記利用者の皮膚内への移動を続けながら、前記利用者の皮膚の切断に適した2つの穿刺要素側部を有する前記穿刺要素で、前記利用者の皮膚を切断して前記損傷部を拡張させるステップと、
前記損傷部を広げるのに適合した前記分離要素で前記損傷部を広げるステップと、
体液が前記穿刺器具の遠位端部から前記充填路に流れ、次いで検体測定に使用する作用電極と基準電極に流れることを可能にするステップとを有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−105483(P2007−105483A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281633(P2006−281633)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【Fターム(参考)】