説明

一体化されたアンテナを備えたプリント回路装置及びプリント集積回路基板アンテナを備えた埋め込み可能なセンサー処理装置

誘導電力及び伝送用途と組み合わせて使用されるプリント回路基板が、実質的にフェライト材料によって形成されている。該基板に形成された誘導コイル導電部材は、電源機能及びデータ伝送機能の両方のためのコイルの電磁特性を増大させ、それによって、回路装置に接続されるべき別個のフェライトコア巻き線コイルの必要性を排除している。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、概して、無線データ伝送のための電子装置及び方法並びに無線データ伝送装置の誘導電力供給装置に関する。より特別には、本発明は、例えば人体のような媒体のある種の特性パラメータを検知し且つ測定するための埋め込み可能な装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
その開示内容が本明細書に参考として組み入れられている米国特許第5,517,313号には、蛍光指示分子を含む基質(以下、“蛍光基質”と称する)、ハイパスフィルタ及び光検知器の層状の列を含んでいる蛍光感知装置が記載されている。この装置においては、光源からの入射光が前記指示分子に蛍光を発するようにさせるために、光源好ましくは発光ダイオード(“LED”)が前記指示材料内に少なくとも部分的に配置されている。分析物は、蛍光基質内を透過せしめられて存在する分析物の量に比例した指示材料の蛍光特性を変化させる。蛍光放射は、次いで、光検知器によって検知され且つ測定され、このようにして関連する環境内に存在する分析物の量及び濃度の測定値を提供する。
【0003】
’313特許に開示されているタイプのセンサー装置の一つの有利な用途は、分析物の瞬間的な測定を所望のときに行うことができるように、皮下的に又は静脈内に又はその他の方法で人体に装置を埋め込むことである。例えば、麻酔状態にある患者の血液内の酸素濃度又は糖尿病患者の血液内のグルコースの濃度を測定することは望ましい。
【0004】
人体内に埋め込まれたセンサー装置の大きさ及び接近性の限度により、信頼性、製造のコストパーフォーマンス及び性能の問題から小型化の必要性を生じる商品単位の製造に関する多数の問題が存在する。例えば、データ伝送回路及び/又は電源を備えた感知装置を提供することは、人体への埋め込みに関して装置に必要とされる大きさを増大させるであろう。
【0005】
データ伝送回路又は内部電源の必要性が無く人体に埋め込まれるセンサーの出力信号を処理するための処理装置が米国特許第6,400,974号によって教示されており、該特許の開示内容もまた、その全体が本明細書に参考として組み入れられている。この’974号特許は、処理回路によって発生される誘導結合RFエネルギによってセンサーに電力を供給する処理回路を教示している。この処理回路は、処理回路に対する負荷の変動として、埋め込まれたセンサーからのデータ伝送を受け取る。RFエネルギ結合及びデータ伝送は、2つのコイルすなわち埋め込まれたセンサー装置内の小さなコイル及び外部処理回路に接続された大きなコイルを提供することによって達成される。
【0006】
この小さなコイルの一つの可能な実現は、プリント回路基板(PCB)に取り付けられた別個のフェライトコアを有する巻き線コイルを使用することである。このような実現は良好に機能するけれども、改良することができる。
【0007】
例えば、PCBに対する別個の巻き線フェライトコイルの取り付けは、難しく且つ信頼性の問題を生じ、低い生産歩留まりをもたらす。
【0008】
第2に、製造者からの巻き線コイルの各々は、製造誤差により特性が互いに若干異なるので、組み合わせられるアンテナの作動周波数に適正に適合するように各々のセンサーを個々に調整する必要があるかも知れない。
【0009】
更に、巻き線コイルの物理的構造は、センサー装置の容積の変化によって著しい量のボイドスペースを生じ、これは、電子回路の必要とされるポリマー容器内に気泡の形成をもたらして欠陥品を生じさせるかも知れない。
【0010】
更に別の問題は、巻き線コイルのフェライトコアをPCBに対して軸線方向に整合する必要性である。PCBに取り付けられるべきコイル上に設けられた曲線からなる係留リード線の整合は、埋め込み用途のために必要な又は所望されるよりも大きなセンサーパッケージの径方向の大きさをもたらすかも知れない。
【0011】
最後に、個々の巻き線コイルの大きさは、センサー装置パッケージの全体の大きさに対して制限を生じ、埋め込み用途のための装置の大きさを更に減少させることは常に望ましい。
【0012】
上記の観点から、改良された埋め込み可能なセンサー装置の必要性が当該技術において依然として存在したままである。
【発明の開示】
【0013】
本発明の第一の特徴に従って、プリント回路装置は、フェライト材料によって実質的に形成され、主頂面及び主底面と、大きい方の寸法に沿った前記頂面と底面との間の第一及び第二の側面と、小さい方の寸法に沿った前記頂面と底面との間の第一及び第二の端面とを有する基板と、当該基板の主面に取り付けられた少なくとも1つの構成要素(集積回路(IC)チップ、別個のアナログ構成要素又はASICチップ)と、前記基板上に形成され且つコイル形状で前記基板の少なくとも1つの面上に延びている導電部材とを含んでいる。
【0014】
本発明のもう一つ別の特徴によれば、蛍光センサー装置は、媒体と相互作用する蛍光指示器内に光を導入するための光源と、導入された光に応じて蛍光指示器によって発せられる光を検知し且つ検知した光に比例する信号を出力するための光検知器であって、前記蛍光指示器の応答は媒体内の分析物の存在及び量に従って変化する前記光検知器と、外部電源から電力を受け取り且つ外部処理装置に信号を伝えるためのコイルと、実質的にフェライト材料によって形成された基板と、当該基板の第一の部分に取り付けられている光源及び光検知器と、前記基板の反対側の面に近接して延びるように前記基板の第二の面上に形成されているコイルとを含んでいる。
【好ましい実施形態の説明】
【0015】
本発明は、添付図面と組み合わせた以下の好ましい実施形態の説明を参考にすれば更に十分に理解できるであろう。以下の好ましい実施形態は、例示のみのために提供されたものであり、本発明を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明によるセンサー装置回路基板の一つの好ましい実施形態の頂面図である。図2及び3は、センサー回路基板の側面図及び底面図である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態に従って、センサー装置回路基板100は、実質的にフェライト材料によって形成された基板101を含んでいる。該基板は、主頂面101a及び主底面101b、前記頂面及び底面の小さい方の寸法に沿って延びている端面101e及び101f並びに前記頂面及び底面の大きい方の寸法に沿って延びている側面101c及び101dを含んでいる。該基板は、コイル部分110及び集積回路(IC)部分112に作り上げられている。IC部分112は、ICチップ、アナログ構成要素等としても良い種々の回路構成要素103及びプリント導電体結線パターン105(任意のパターンが例示のために図1に示されている)によって連結された発光ダイオード(LED)チップ104(種々の測定のために種々のLEDを使用しても良い)を含んでいる。
【0018】
本発明の回路装置を好ましい実施形態と関連付けた回路“基板”として説明されているけれども、本発明は特定の形状又は構造に限定されない。他の実施形態に従って、フェライト回路装置は、電子構成要素が取り付けられるのが好ましい少なくとも1つの実質的に平らな面と、前記頂面及び底面を取り囲んでいる湾曲形状の側面とを含んでいても良い。例えば、フェライト回路装置は、実質的に楕円形又は丸い形状である実質的に平らな面を備えていても良い。もう一つ別の例においては、フェライト回路装置は、例えばフットボールの半分又は2/3に似た実質的に平らな頂面と湾曲した底面とを備えていても良い。更に他の実施形態においては、フェライトコアはロッド形状であっても良い。更に別の実施形態においては、フェライトコアは、実質的に平らな面を備えていない形状とされている。
【0019】
また、本発明の好ましい実施形態は、基板の第1の部分にコイル部分を有し、IC部分が基板の第2の部分であるものとして記載されているけれども、本発明はこの構造に限定されない。例えば、他の実施形態に従って、回路構成要素は、コイルの頂部に取り付けられており、より厚みがあるが短いセンサーを形成しても良い。更に図6に示されたセンサーは、十分な長さのコイルを有することができた。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、金属化されるべきフェライト基板の面又は側面以外の回路構成要素を適用されるべきフェライト基板の面は、高温で焼成される市販によって入手可能であるグレイズィングコンパウンドによって予めコーティングされてこのような金属化及び/又は構成要素の取り付けのための不活性表面領域を形成する。コイルが適用されるべきである基板の面は全て、グレイズィングコンパウンドによって予めコーティングされても良いし又はある面が予めコーティングされる一方でその他の面はコーティングされないか又はこのような面のいずれもが予めコーティングされていなくても良い。好ましいフェライト材料の配合の一つの例はカウンティス(Countis)C−48であるが、当業者は特別な用途のために理想化された特別のフェライト配合を創り出すことができる。ここで使用されている“実質的にフェライト材料から”という用語は、このような配合のいずれか或いは全てを包含している。
【0021】
埋め込み可能なセンサー用途のためのフェライト基板の厚みは、約10ミル乃至約250ミル、好ましくは約20ミル乃至100ミルとすることができ、小型化及び電力伝送の理由のためには約30ミル(0.030インチ)であるのが最も好ましい。フェライトコアが実質的にロッド形状とされているか又はその他の湾曲面である場合には、ロッド形状又は湾曲した面の直径は、約10ミル乃至250ミル、好ましくは20ミル乃至100ミル、最も好ましくは30ミルとすることができる。同じく、他の用途のために特性を理想化するため並びに大きさ、周波数及び電力レベルのような理由により、当業者は他の厚みを使用しても良い。
【0022】
コイル部分110は、フェライト基板の周りにへり包装されるのが好ましい細長いコイル106を含んでいる。コイル106は、例えば、銅、金、銀又は合金のようなあらゆる適切な導電性材料によって作られる。コイル106がプリント配線パターン105と同じタイプの材料によって作られることも可能である。図3に示されているように、コイル106の端部は、プリント回路配線パターン105に対して接触接続するフェライト基板上に形成された金属化接点107に直に接続されても良い。導電性コイル材料は、好ましくはへり包装技術を使用してフェライト基板101上に形成される。しかしながら、当該技術において知られている他の形成技術もまた使用しても良い。同じく、コイルは図1においては主面及び側面の周囲を包装されているものとして示されているけれども、主面一つだけの上に延びているか又は側面の周囲のみに延びているコイルのパターンを有することによって同じ効果を得ることができる。
【0023】
プリント回路基板全体をフェライト材料によって作ることによって、単一の均一な基板が提供され、このようにして、センサー装置製造プロセスが標準的なプリント回路製造技術を使用して行われることが可能になる。(任意的には、誘電体の薄い層をコーティングとしてフェライトに適用しても良い。)標準的なセラミック基板を使用して利用できる全ての製造技術もまたフェライト基板と共に使用することができ、この製造技術には、厚−薄フィルム印刷抵抗及びコンデンサ、ワイヤーボンディング、表面実装技術(SMT)、フリップ−チッピング及びチップ−オン−ボードが含まれる。
【0024】
更に、フェライトコア巻線コイルにおいて使用される結線取り付け作業は排除しても良い。例えば、包装されたコイル導電体106は、標準的な金属化連続面経路決定技術を使用している回路の残りの部分に接続しても良い。自動化されるべこのような技術能力は、高度な生産能力と物理特性の均一さのみならず、埋め込み用途にとって重要である信頼性を提供し且つ製造の費用効率を増す。
【0025】
更に、フェライト材料のプリント回路基板全体を形成することによって、フェライトの長さを別個のフェライトコアのコイルに亘って実質的に増加しても良い。例えば、フェライトの長さは、別個のフェライトコアの巻線コイル上に5回巻き付けても良い。このことにより、別個のフェライトコアの巻線コイルと比較して、外部処理ユニット(図示せず、’974特許参照)からの電力の電力伝送効率の著しい増加が可能になる。
【0026】
フェライト基板の使用によって提供される付加的な利点はノイズの抑制である。フェライト基板内に形成された穴又は通路による導電体の経路の決定は、図9に示されたものと同じ方法による高周波エネルギを減衰させる役目を果たすであろう。図9においては、フェライトビーズ901が回路の結線902近辺のローパスフィルタとして使用されている。フェライトビーズ内に回路結線を通過させることによって、線902を通る電流の高周波成分の減衰がもたらされる。これと反対に、このような減衰が望ましくない場合には、コイルはフェライト基板の外部に維持されることが重要である。
【0027】
他の回路構成要素に対するノイズの影響を緩和するためのフェライト材料基板の有利な使用は、センサー10の実施形態を参照することによって例示されており、センサーは、図6に示されているように蛍光指示分子の蛍光に基づいて作動する。センサー10は、センサー本体12と、センサー本体12の外面にコーティングされた基質層14(該基質層全体に蛍光指示分子16が分布せしめられている)と、例えば、指示分子と相互作用する波長又は波長範囲すなわち蛍光に基づくセンサーの場合には指示分子に蛍光を発生させる波長又は波長範囲に亘る放射線を含む放射線を射出するLEDと、蛍光に基づくセンサーの場合には指示分子16によって射出される蛍光に感応して指示分子の蛍光レベルを示す信号が発生されるようにした例えば光検知器のような光感知部材20とによって構成されている。センサー10は更に、電子回路を含んでいるモジュール又はハウジング66及び温度の読み取りを提供する温度センサー64を含んでいる。
【0028】
検知器20からの読み取りの正確さを最大化するために、検知器20の検知面に入射する周辺光の影響は最少化されるべきである。これを達成する一つの方法は、検知器20に対する周辺光の影響が相殺できるように高周波励起信号によってLEDを駆動することである。しかしながら、LEDを駆動するために使用される高周波信号は、不所望な回路基板上のノイズを追加するかも知れず、これは、存在する場合には、回路の残りの部分を設計する際に考慮に入れられなければならない。
【0029】
不所望な回路基板上電気的ノイズも同様に他の発生源から生じ得る。強い高周波磁場によって励起されるコイル106を有しているセンサー10は、高周波磁場によって包囲され且つ浸透されるかも知れない。この高周波信号は、例えば、センサー10のLED18内のような回路の種々の部分内に不所望な回路基板上ノイズを付加するかも知れず、これは、装置全体の作動に悪影響を及ぼすかも知れない。
【0030】
本発明によるPCBとして使用されるフェライト基板によって、他の回路構成要素に対する高周波ノイズの有害な影響は、例えば、“通路”のようなフェライト基板中で駆動リード線を経路付けすることによって実質的に緩和されても良い。図4に示されているように、本発明のこの特徴に従って、通路401がフェライト基板101内に形成されている。LED104は基板101の一方の側に取り付けられており、駆動回路405は基板101の他方の側に取り付けることができる。駆動回路405からの駆動信号導電体403は、通路401によってLED104へと経路を定められ、このようにして、LED駆動に対する高周波ノイズの影響を減らす。ノイズを濾波するために必要とされる1以上の通路を有するフェライト基板を構成しても良い。回路構成要素からのリード線は、ノイズを濾波するのに必要とされる1以上の通路によって経路を定められても良い。この1以上の回路構成要素からのリード線は、同じ通路又は異なる通路によって経路を定められても良い。
【0031】
更に、人間(又はあらゆる他の動物)の体内に配置されている如何なる埋め込み部材、“生体適合性”材料によって作られている埋め込み部材でさえ、ある場合には、埋め込み部材が刺激を与えるという事実によって埋め込み部材が挿入される生物体内に“異物反応”を生じさせることは理解できるであろう。人体内に埋め込まれるセンサー10の場合には、“異物反応”は、繊維状カプセル封入すなわち瘢痕組織の形成であることが最も多い。グルコース(本発明によるセンサーが検知するために使用されると期待されている主要な分析物)は、このような繊維状カプセル封入によって妨害される拡散又は移動の速度を有するかも知れない。これは単に、繊維状カプセル封入を形成している細胞(瘢痕組織)が全く稠密な性質であるか又は通常の組織とは異なる代謝特性を有し得るからである。
【0032】
この潜在的な妨害に打ち勝つか又は生物学的分析物に対する指示分子の曝露を遅らせるためには、2つの主要な方法が考えられる。おそらく最も簡単な方法である1つの方法に従って、センサー/組織境界層(指示分子がセンサー本体の表面上に直接固定されているときにセンサー本体12及び/又は指示分子自体の表面を覆っているか又は指示分子がその中に含まれているときに基質層14の表面を覆っている)が、繊維状カプセル封入の低い又は許容できるレベルが形成されるようにさせる材料によって作られる。この特性を有するものとして文献内に記載されているこのような材料の2つの例は、W.I.Goreから入手可能なPreclude(登録商標)Periocardial Membrane及びケネディによる“Tailoring Polymers for Biological Vses”(1994年2月号のChemtech第24乃至31頁)に記載されている親水性の共有結合されたポリブチレンである。
【0033】
別の方法として、特別化された生体適合性材料の幾つかの層によって構成されているセンサー/組織境界層をセンサーを覆うようにして設けることができる。図8に示されているように、例えば、このセンサー/組織境界層36は、3つの副層36a,36b,36cを含んでいても良い。組織の内殖を促進する層である副層36aは、繊維状細胞39(瘢痕組織)がその上に蓄積するときでさえ、毛細管37の貫入を許容する生体適合性材料によって作られている。ゴアテックス(登録商標)脈管移植片材料(ePTFE)、長年に亘って使用されて来たDacron(登録商標)(PET)脈管移植片材料及び(POREX Surgical Inc.,から入手可能である)高密度ポリエチレンによって作られたMEDROR生体適合材料は、その基本組成、ポアサイズ及びポア構造が組織内殖層内への組織及び脈管の内殖を促進する材料の例である。
【0034】
他方、副層36bは、組織の内殖を防止するために、組織内殖副層36aのポアサイズよりも著しく小さいポアサイズ(5マイクロメートル未満)を備えた生体適合性の層であるのが好ましい。副層36bが作られるべき現在の好ましい材料は、拡張テトラ−フルオロエチレン(ePTFE)からなるW.L.Gore,Inc.,から入手可能であるPreclude Perocardial Membrane(以前はGORE−TEX Surgical Membrane(ゴアテックス外科用膜)と呼ばれていた)である。
【0035】
第3の副層36cは分子篩いとして機能する。すなわた、これは、問題となっている分析物が貫通して指示分子(センサー本体12上に直にコーティングされているか又は基質層14内に固定されている)へと届くのを許容しつつ、免疫グロブリン、プロテイン及びグリコプロテインのような分子を排除する分子量カットオフ機能を提供する。多くの公知のセルロースタイプの膜、例えば、腎臓透析濾過カートリッジリッドにおいて使用される種類のセルロースタイプの膜が、分子量カットオフ層36cのために使用されても良い。
【0036】
以下に認められるように、図6に示されたセンサーは、全体として自蔵されていて、電気リード線が、センサーに(例えば、センサー18を駆動するための)電力を供給するためか又はセンサーからの信号を送るためにセンサー本体内へ又はセンサー本体から延びるようになされている。図2に示された電子部品の全てが図6に示されているようにモジュール66内に収容されている。
【0037】
同じく、以下において認識されるように、図6乃至8に記載された蛍光に基づくセンサーの実施形態は、ちょうど本発明を適用することができる例である。本発明はまた、例えば、本明細書に参考として組み入れられている1999年8月28日に出願された米国特許第第69/383,148号に記載されている吸収に基づくセンサー又は屈折率に基づくセンサーのような多数の他の用途に適用されても良い。
【0038】
以上、本発明を説明したが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく多くの方法で本発明を変更しても良いことは当業者にとって明らかとなるであろう。例えば、本発明を埋め込まれたセンサー装置を参考にして説明したが、本発明の原理は、回路基板上データ又は信号電力伝送機能を使用した無線伝送機能を有するあらゆるプリント回路基板に適用しても良い。このような変形例のあらゆる且つ全てのものが特許請求の範囲に包含されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の一つの好ましい実施形態によるセンサー装置回路基板の頂面図である。
【図2】図2は、図1のセンサー装置回路基板の側面図である。
【図3】図3は、図1のセンサー装置回路基板の底面図である。
【図4】図4は、本発明の更に別の実施形態によるセンサー装置回路基板の部分側面図である。
【図5】図5は、本発明の更に別の実施形態によるセンサー装置回路基板を組み入れているセンサー装置の断面図である。
【図6】図6は、本発明による埋め込み可能な蛍光センサーの概略断面図である。
【図7】前記センサーの導波特性を図示している図6に示された蛍光センサーの概略図である。
【図8】図8は、センサーの本体内の内部反射及びセンサー/組織境界層の好ましい構造を示している図6の円で囲んだ部分の詳細図である。
【図9】図9は、本発明のもう一つ別の特徴としてもローパスフィルタとして使用されているフェライトビーズの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路装置であって、
実質的にフェライト材料によって形成された基板であって、頂面及び底面と、当該基板の大きい方の寸法に沿って前記頂面と底面との間に延びている第一及び第二の側面と、当該基板の小さい方の寸法に沿って前記頂面と底面との間に延びている第一及び第二の端面とを備えた前記基板と、
前記基板の主面に取り付けられた少なくとも1つの回路構成要素と、
前記基板上に形成され且つ前記主面及び側面のうちの一方の上にコイル状に延びている導電部材とを含むプリント回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント回路装置であって、
前記少なくとも1つの回路構成要素であるリード線が、前記基板に形成された通路によって経路を定められているプリント回路装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプリント回路装置であって、
前記少なくとも1つの回路構成要素が、発光ダイオード(LED)及び当該LEDのためのリード線を含んでいるプリント回路装置。
【請求項4】
請求項3に記載のプリント回路装置であって、
前記LEDのための前記リード線が駆動リード線であるプリント回路装置。
【請求項5】
請求項2に記載のプリント回路装置であって、
前記少なくとも1つの回路構成要素のリード線が、前記基板内に形成された複数の通路によって経路が定められているプリント回路装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプリント回路装置であって、
前記複数の回路構成要素のリード線が、前記基板内に形成された複数の通路によって経路が定められているプリント回路装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプリント回路装置であって、
前記コイルが、前記基板に近接してへり結合によって結合されているプリント回路装置。
【請求項8】
請求項1に記載のプリント回路装置であって、
前記コイルが、外部装置に対してデータ信号を伝送するために使用されているプリント回路装置。
【請求項9】
請求項1に記載のプリント回路装置であって、
前記コイルが、外部電源からの電力の誘導伝送のために使用されているプリント回路装置。
【請求項10】
請求項1に記載のプリント回路装置であって、
当該プリント回路装置が、生物の体内の定量分析物測定を行う埋め込みセンサー装置の構成要素であるプリント回路装置。
【請求項11】
請求項10に記載のプリント回路装置であって、
前記少なくとも1つの回路構成要素が発光ダイオード(LED)を含み、前記プリント回路装置が少なくとも1つの光検知器を更に含んでいるプリント回路装置。
【請求項12】
プリント回路装置上に形成された集積回路とデータ及び/又は電力伝送のための誘導コイルとを備えた電子装置であって、
実質的にフェライト材料からなるプリント回路装置を形成すること、及び
前記プリント回路装置を前記誘導コイルのためのフェライトコアとして使用することを特徴とする電子装置。
【請求項13】
蛍光センサー装置であって、
媒体と相互作用する蛍光指示器内に光を導入するための光源と、
前記導入された光に応答して前記蛍光指示器によって発せられる光を検知し且つ検知した光に比例する信号を出力するための光検知器であって、前記蛍光指示器の応答は、前記媒体内の分析物の存在及び量に応じて変化するようになされた光検知器と、
外部電源からの電力を受け取り且つ外部処理装置に前記信号を送るためのコイルと、
実質的にフェライト材料によって形成された基板であって、前記光源及び前記光検知器が当該基板上に取り付けられ、前記コイルが、前記フェライト材料が前記コイルの誘導特性を増すように当該基板上に形成されている前記基板とを含む蛍光センサー装置。
【請求項14】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
前記光源及び前記光検知器が前記基板の第一の部分に取り付けられており、前記コイルが前記基板の第二の部分に形成されている蛍光センサー装置。
【請求項15】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
前記コイルが前記基板の反対側の面に近接して延びている蛍光センサー装置。
【請求項16】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
前記光源が、前記基板に形成された通路によって経路が定められている蛍光センサー装置。
【請求項17】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
前記コイルが前記基板に近接してへり巻き付けによって巻き付けられている蛍光センサー装置。
【請求項18】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
前記コイルが、外部装置へのデータ信号の伝送のために使用されている蛍光センサー装置。
【請求項19】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
前記コイルが、外部電源からの電力の誘導による受け取りのために使用されている蛍光センサー装置。
【請求項20】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
生物の体の内部の分析物定量測定を行う埋め込み可能なセンサー装置を含んでいる蛍光センサー装置。
【請求項21】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
生物の体の内部の分析物定性測定を行う埋め込み可能なセンサー装置を含んでいる蛍光センサー装置。
【請求項22】
請求項20に記載の蛍光センサー装置であって、
前記光源が発光ダイオード(LED)を含み、前記基板が少なくとも一つの光検知器を更に含んでいる蛍光センサー装置。
【請求項23】
請求項13に記載の蛍光センサー装置であって、
回路構成要素のための導電部材の経路を定めるために、前記基板内に形成された通路を更に含んでいる蛍光センサー装置。
【請求項24】
請求項1に記載のプリント回路装置であって、
回路構成要素のための導電部材の経路を定めるために、前記基板内に形成された通路を更に含んでいるプリント回路装置。
【請求項25】
蛍光センサー装置であって、
媒体と相互作用する蛍光指示器内に光を導入するための光源と、
前記導入された光に応答して前記蛍光指示器によって発せられる光を検知し且つ検知した光に比例する信号を出力するための光検知器であって、前記蛍光指示器の応答は、前記媒体内の分析物の存在及び量に応じて変化するようになされた光検知器と、
前記光源及び前記光検知器が取り付けられている基板とを含み、
光学フィルタが、前記光検知器上に直に配置されている蛍光センサー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−525858(P2007−525858A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509990(P2006−509990)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/011393
【国際公開番号】WO2004/093504
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(501078166)センサーズ・フォー・メデセン・アンド・サイエンス・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】