説明

一体化されたサラウンドプロジェクションシステムを有するテレビジョンのためのシステムおよび方法

【課題】一体化されたサウンドプロジェクションシステムを有するテレビジョンの使用および動作を容易にするシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】テレビジョンであって、スクリーンと、サウンドプロジェクタと、該スクリーンおよびサウンドプロジェクタに連結されたコントロールシステムとを備え、該コントロールシステムは、該サウンドプロジェクタに、1つ以上のターゲット位置に向けて、部屋に1つ以上のサウンドビームを投影させ、該コントロールシステムは、該スクリーン上にグラフィカルユーザインタフェースを表示し、該グラフィカルユーザインタフェースは、該1つ以上のサウンドビームの該投影された経路のグラフィカル表示を含み、該1つ以上のサウンドビームの該投影された経路の角度を調整するためにユーザによって動作可能である、テレビジョン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、テレビジョンおよびサウンドプロジェクションシステムに関し、より具体的には、一体化されたサウンドプロジェクションシステムを有するテレビジョンの使用および動作を容易にするシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
TVおよび他の構成要素の能力が向上し、より入手しやすくなるにつれ、より多くの消費者が真のサラウンドサウンドを求めるようになってきた。サラウンドサウンドは、概して、左部サラウンドと、右部サラウンドと、「スクリーンチャネル」(例えば、中央部、前部左部および前部右部)とは反対側の後部サラウンドとのある組み合わせにおいて、聴衆を「取り囲む(surrounding)」チャネルへのマルチチャネルオーディオの適用をいう。4.0チャネル以上のサラウンドにおいて、システムは、典型的に、中央部チャネルスピーカ、左前部チャネルスピーカおよび右前部チャネルスピーカと、後部または後部および側部における2つ以上のサラウンドチャネルスピーカと、サブウーファを駆動するための低周波数エフェクトチャネルとを含む。例えば、5.1チャネルサラウンドにおいて、システムは、典型的に、中央部チャネルスピーカ、左前部チャネルスピーカおよび右前部チャネルスピーカと、左後部および右後部における2つのサラウンドチャネルスピーカと、サブウーファを駆動するための低周波数エフェクトチャネルとを含む。
【0003】
現在、消費者は、サウンドシステムスピーカを駆動するために、高級な(high end)オーディオビデオ受信器(AVR)を必要とする。AVRは、オーディオ供給源に依存して、利用可能なスピーカの数または利用可能なスピーカに対応するオーディオチャネルの個別の数に対応する多くのチャネルをオーディオ信号から抽出するデコーダを含む。例えば、5.1チャネルサラウンドシステムにおいて、デコーダは、オーディオ供給源に依存して、特別にエンコードされた2チャネルの供給源またはステレオ供給源のいずれかから、5つのオーディオチャネルと1つのLFEチャネルとを抽出し、そして5つのスピーカおよび1つのサブウーファに分配するか、または5つの個別のオーディオチャネルおよび1つのLFEチャネルを、6つのチャネル供給源から、5つのスピーカおよび1つのサブウーファに送達する。しかしながら、消費者にとって、AVR構成要素および複数のスピーカの追加は、ユーザの家庭用娯楽システムに付加的なレベルの複雑性を追加し、そのコントロールはしばしばフラストレーションを伴い得る。
【0004】
英国ケンブリッジの1 LTDのサウンドプロジェクション技術における近年の進歩は、AVR構成要素と、部屋の方々に配置され、AVRに有線で連結されるか、または無線で連結される複数のスピーカとに対する必要性を除去する。1 LTDのサウンドプロジェクション技術に従うと、サウンドのビームは単一の筐体(すなわちサウンドプロジェクタ)に据え付けられたスピーカのアレイから、サウンドプロジェクタが配置された部屋に放射され、部屋の壁および天井において反射され、部屋の内部でサラウンドサウンドを生み出す。さらに、サウンドプロジェクタはサウンドの1つ以上のビームを、部屋の内部の標的となる位置にビーム放射することが可能である。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5を参照されたい。これらの文献は本明細書において参照により援用される。
【0005】
現在では、サウンドプロジェクタは、TVとは別のスタンドアロンな構成要素であり、マイクロプロセッサによるコントロールを有し、そして追加のプロセッサ能力を有するカスタムのユニバーサルリモートコントロールを用いてユーザによって制御可能である。従って、TVのマイクロプロセッサコントロールシステムによってコントロールされ、リモートコントロールユニットのTVレイヤのTVリモートコントロールユニットを用いてユーザによって制御可能であり、構成可能である、一体化されたサウンドプロジェクションシステムをTVに提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1921890号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0204022号明細書
【特許文献3】国際公開第02/078388号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007/007083号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0151325号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本明細書において提供される実施形態は、一体化されたサウンドプロジェクションシステムを有するテレビジョンの使用および動作を容易にするシステムおよび方法に関する。一実施形態において、テレビジョンは、部屋の内部にサラウンドサウンドを作り出し、1つ以上のサウンドビームをターゲットの位置に投影するように動作可能なスピーカのアレイを組み込んだ一体化サウンドプロジェクションシステムを含む。テレビジョンは、好適には、オーディオビデオ入力接続と、コントロールシステムに連結されたサウンドプロジェクタおよびビデオスクリーンディスプレイなどのオーディオビデオ出力とを備える。コントロールシステムは、マイクロプロセッサと、不揮発性メモリ(システムコントロールソフトウェアが格納される)と、マイクロプロセッサに連結されるオンスクリーンディスプレイ(OSD)コントローラと、OSDコントローラおよびディスプレイスクリーンに連結されるイメージディスプレイエンジンとを含む。コントロールシステムは、マイクロプロセッサおよびサウンドプロジェクタに連結された、例えば、デジタルサウンドプロセッサなどのオーディオプロセッサをさらに備えている。オーディオ入力接続は、好適には、従来のオーディオ入力接続を含む。サウンドプロジェクタは、好適には、TVが配置される部屋にサウンドのビーム(これらのビームは壁および天井で反射されてサラウンドサウンドを作り出す)を導入するように構成可能であり、部屋に1つ以上の標的が定められたサウンドのビームを導入するように構成可能であるサウンドスピーカのアレイを備える。
【0008】
動作中、TVのスクリーン上に表示可能であり、コントロールシステムソフトウェアによって生成されたメニューシステムおよびグラフィカルユーザインタフェースを用いて、ユーザは、ステレオ、サラウンド、モノターゲット、デュアルターゲットなどを含む動作の様々なモード間で選択を行い得、ユーザが視聴している部屋および構成要素の構成のためにサウンドプロジェクションシステムを構成し得、そして、コントロールシステムに連結可能であるマイクフォンを用いてサウンドプロジェクションシステムのサウンドビームパラメータを自動的にキャリブレーションするかまたはカスタマイズし得、あるいはグラフィカルユーザインタフェースベースのメニューシステムをナビゲートすることによって、サウンドビームパラメータを手動で調整し得る。部屋、構成要素およびサウンドビームパラメータがメモリにエントリされ、格納されると、コントロールシステムはサウンドビームのグラフィカル表示を描き、TVスクリーン上のユーザの視聴している部屋のグラフィカル表示内にサウンドビームのグラフィカル表示を表示する。ユーザは、サウンドビームのグラフィカル表示を提示されつつ、サウンドビームを視聴している部屋の周囲で動かすためにグラフィカルユーザインタフェースメニューデバイスをさらに用い得る。
【0009】
別の実施形態において、個別のオーディオ設定が所与のアクティビティに対する好適な視聴経験のために、それぞれのアクティビティごとに保存され得る。例えば、ゲームおよび映画の能力を提供する組み合わせデバイス(例えば、Playstation3、XBOX360およびその他)は、「ゲームをプレイする」および「映画を見る」などのそれぞれのアクティビティに対する別々のカラーオーディオ設定を有し得る。
【0010】
別の実施形態において、テレビジョンリモートコントロールユニットは、組み込み型マイクロフォンおよびマイクロプロセッサコントロールを装備し得、リモートコントロールユニットに組み込まれたマイクロフォンを介してオーディオレベルを測定する。リモートコントローラは、正確なシーケンスとテスト信号がTVから出力されたタイミングとをリモートコントローラが既知である場合にオーディオレベルを測定し得る。リモートコントローラは、次いで、特定のIRコードを介して、測定値をTVに戻す。組み込まれたマイクロフォンユニットを有するリモートコントロールは、サウンドプロジェクタまたは個別の外部サラウンドスピーカからのオーディオレベルを測定するために用いられ得る。
【0011】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点が、以下の図面および詳細な説明の考察の際に、当業者に対して明らかであるか、明らかになる。
【0012】
本発明はさらに以下の項目を提供する。
(項目1)
テレビジョンであって、
スクリーンと、
サウンドプロジェクタと、
該スクリーンおよびサウンドプロジェクタに連結されたコントロールシステムと
を備え、該コントロールシステムは、該サウンドプロジェクタに、1つ以上のターゲット位置に向けて、部屋に1つ以上のサウンドビームを投影させ、該コントロールシステムは、該スクリーン上にグラフィカルユーザインタフェースを表示し、該グラフィカルユーザインタフェースは、該1つ以上のサウンドビームの該投影された経路のグラフィカル表示を含み、該1つ以上のサウンドビームの該投影された経路の角度を調整するためにユーザによって動作可能である、テレビジョン。
(項目2)
上記コントロールシステムは、選択された視聴アクティビティと関連付けられる出力モードにおけるサウンドの出力を引き起こす、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目3)
上記インタフェースは、メニュー駆動フォーマットを用いて情報を入力することを、ユーザに促す、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目4)
上記メニュー駆動フォーマットは、1つ以上のテキストエントリ領域とメニュー駆動チョイスとを含む、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目5)
上記インタフェースは、視聴している部屋のパラメータを入力することを、上記ユーザに促す、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目6)
上記インタフェースは、サウンドビームの角度を入力することを、上記ユーザに促す、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目7)
上記インタフェースは、サウンド出力モード選択を入力することを、上記ユーザに促す、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目8)
上記視聴している部屋のパラメータは、部屋のサイズと、第一の壁のサイズと、第一の壁におけるTVの位置と、第二の壁のサイズと、該TVの位置からソファーの位置までの距離とを含む、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目9)
サウンドプロジェクタのキャリブレーションのための組み込み型マイクロフォンを有するリモートコントロールユニットをさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目10)
上記リモートコントロールユニットは、
上記組み込み型マイクロフォンに連結されたアンプと、
該アンプとマイクロプロセッサとに連結されたアナログデジタルコンバータと、
該マイクロプロセッサに連結された不揮発性メモリと、
該マイクロプロセッサに連結されたIRトランスミッタと
を備えている、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目11)
上記リモートコントロールユニットは、上記コントロールシステムをサウンドキャリブレーションモードに入らせるために、IR信号の上記TVへの伝送を引き起こすように、上記マイクロプロセッサに連結された専用の機能キーをさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載のテレビジョン。
(項目12)
ユーザに、部屋のサイズに関する第一のパラメータと、TVの位置に関する第二のパラメータと、TVからの視聴距離に関する第三のパラメータとをエントリすることを促すステップと、
該TVに組み込まれたサウンドプロジェクタから放射されるサウンドビームに対するビーム角を計算するステップと、
該サウンドプロジェクタから放射される該サウンドビームの経路に対応する第一の組の多角形を描くステップと、
該多角形をTVのスクリーン上に表示するステップと
を包含する、方法。
(項目13)
上記TVのユーザによってエントリされたビーム角の変化の結果として、上記サウンドプロジェクタから放射される上記サウンドビームの経路に対応する第二の組の多角形を描くステップをさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
ユーザに視聴アクティビティを選択することを促すステップと、
該ユーザに、動作の複数のオーディオモードのリストから1つのオーディオモードを選択することを促すステップであって、該動作の複数のオーディオモードは、該視聴アクティビティに割り当てられたサラウンドサウンド、ステレオ、モノターゲットビームおよびデュアルターゲットビームを含む、ステップと
をさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
上記ユーザによって選択される視聴アクティビティを開始するための命令を受信するステップと、
該視聴アクティビティに従って、上記表示スクリーン上にビデオコンテンツを表示するステップと、
該視聴アクティビティに割り当てられた上記オーディオモードに従って、該ビデオコンテンツに対応するサウンドを出力するステップと
をさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
TVに組み込まれた上記サウンドプロジェクタのキャリブレーションを開始するための命令を受信するステップと、
各サウンドビームに対するテスト信号のバーストを送信するステップと、
サウンドビームの測定されたレベルでIR信号を受信するステップと
をさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0013】
(摘要)
一体化されたサウンドプロジェクションシステムを有するテレビジョン(TV)の使用および動作を容易にするシステムおよび方法。サウンドプロジェクタは、好適には、壁および天井で反射されて、サラウンドサウンドを作り出すビームを投影するように構成可能であるスピーカのアレイを備えている。一実施形態において、ユーザは、グラフィカル表示を提示されたまま、視聴している部屋の方々でサウンドビームを動かすためにグラフィカルユーザインタフェースベースのメニューシステムを用い得る。別の実施形態において、TVのリモートコントロールユニットは、組み込み型マイクロフォンおよびマイクロプロセッサコントロールを装備し得、オーディオレベルを測定し、そしてそのレベルをTVに送信して戻し、このレベルはサラウンドシステムにおいてオーディオレベルおよび遅延を自動的にセットアップするために用いられる。別の実施形態において、個別のオーディオ設定が所与のアクティビティに対する好適な視聴経験のために、それぞれのアクティビティごとに保存され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、テレビジョンの概略図を描いており、該テレビジョンは、一体化されたサウンドプロジェクタおよびコントロールシステムを有する。
【図1B】図1Bは、テレビジョンの代替的な実施形態の概略図を描いており、一体化されたサウンドプロジェクタ、コントロールシステムおよびテレビジョンに連結されたサブウーファを有する。
【図2A】図2Aは、サウンドプロジェクタ構成メニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示されたグラフィカルユーザインタフェースベースのメニューを描く。
【図2B】図2Bは、サウンドプロジェクタ構成メニューおよびカスタムソフトキードロップダウンメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示されたグラフィカルユーザインタフェースベースのメニューを描く。
【図2C】図2Cは、オーディオモードドロップダウンメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示されたグラフィカルユーザインタフェースベースのメニューを描く。
【図2D】図2Dは、アクティビティドロップダウンメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示されたグラフィカルユーザインタフェースベースのメニューを描く。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、グラフィカルユーザインタフェース内の代替的なアクティビティ選択メニューを示すテレビジョンスクリーンの概略図である。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、グラフィカルユーザインタフェース内の代替的なアクティビティ選択メニューを示すテレビジョンスクリーンの概略図である。
【図4A】図4Aは、サウンドビームの経路のグラフィカルトレーシングが表示された、サウンドプロジェクタのサラウンドモードカスタムセットアップメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示された、グラフィカルユーザインターフェースベースのメニューを描く。
【図4B】図4Bは、ユーザによって修正されたとき、サウンドビームの経路のグラフィカルトレーシングが表示された、サウンドプロジェクタのサラウンドモードカスタムセットアップメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示された、グラフィカルユーザインターフェースベースのメニューを描く。
【図5】図5は、サウンドプロジェクタのステレオモードカスタムセットアップメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示された、グラフィカルユーザインターフェースベースのメニューを描く。
【図6】図6は、サウンドプロジェクタのモノターゲットモードカスタムセットアップメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示された、グラフィカルユーザインターフェースベースのメニューを描く。
【図7】図7は、サウンドプロジェクタのデュアルターゲットモードカスタムセットアップメニューが表示された、テレビジョンのスクリーン上に表示されたグラフィカルユーザインターフェースベースのメニューを描く。
【図8】図8は、一体化されたサウンドプロジェクタおよびコントロールシステムを有するテレビジョンに物理的に連結されたマイクロフォンを用いるサラウンドサウンドキャリブレーションプロセスの概略図を描く。
【図9】図9は、一体化されたサウンドプロジェクタおよびコントロールシステムを有するテレビジョン、ならびにサラウンドサウンドキャリブレーションのための組み込まれたマイクロフォンを有するテレビジョンリモートコントロールユニットの概略図を描く。
【図10】図10は、外部サラウンドサウンドスピーカに連結されたテレビジョンおよびサラウンドサウンドキャリブレーションのための組み込まれたマイクロフォンを有するテレビジョンリモートコントロールユニットの概略図を描く。
【発明を実施するための形態】
【0015】
製造、構造および動作を含む、本発明の詳細は、添付の図面を検討することにより、部分的に収集され得、添付の図面において、同様の参照数字は同様のパーツを参照する。図面の構成要素は、必ずしも縮尺を合わせられておらず、その代わりに、本発明の原理を示す際に強調されている。さらに、全ての図面は概念を伝えることを意図され、相対的なサイズ、形状および他の詳細な属性は、強調無しにまたは正確に示されず、むしろ概略的に示され得る。
【0016】
(詳細な説明)
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、一体化されたサウンドプロジェクションシステムを有するテレビジョン(TV)、ならびにTVおよび一体化されたサウンドプロジェクションシステムの制御および動作に関する。さらに具体的には、一実施形態において、TVは一体化したサウンドプロジェクタを含み、該一体化したサウンドプロジェクタは、部屋の内部でサラウンドサウンドを作り出し、そして1つ以上のビームをターゲット位置に投影するように動作可能であるスピーカのアレイを備えている。スピーカのアレイは、TVが位置する部屋に、サウンドのビームを導入するように構成可能であり、このビームは、部屋の壁および天井で反射して、サラウンドサウンドを作り出す。スピーカのアレイは、また、部屋に1つ以上のサウンドのビームを導入し、そして1つ以上のビームを部屋の内部の所望の位置に標的を定めるようにも構成される。TVの外部にあり(すなわち、TV内に一体的には配置されていない)、そしてTVに連結可能な、スタンドアロンのサウンドプロジェクタおよびサウンドプロジェクションシステム、ならびにこのようなサウンドプロジェクタおよびサウンドプロジェクタシステムの動作の詳細な説明が、EP1921890A2、US2006/0204022A2、WO02/078388A2、WO2007/007083A1およびUS2004/0151325A1に記載され、これらは本明細書において参照により援用される。
【0017】
図面を詳細に参照して、図1Aは、スピーカのアレイ42を備えている一体化サウンドプロジェクタ40を有するTV10の一実施形態の概略図を描く。図1Bは、TV10のコントロールシステムに連結されたサブウーファを備えている代替の実施形態の概略図を描く。図1Aおよび図1Bに示されるように、TV10は、好適には、コントロールシステム12に連結された、ビデオディスプレイスクリーン30と、IR信号受信器24と、サウンドプロジェクタ40とを備える。コントロールシステム12は、マイクロプロセッサ20と、不揮発性メモリ22(システムソフトウェアならびにシステム情報およびユーザによってエントリされた情報とデータとが格納される)と、マイクロプロセッサ20に連結されるオンスクリーンディスプレイ(OSD)コントローラ14と、OSDコントローラ14およびディスプレイスクリーン30に連結されるイメージディスプレイエンジン16とを含む。コントロールシステム12は、マイクロプロセッサ20およびサウンドプロジェクタ40ならびに任意でサブウーファ47に連結された、例えば、オーディオデジタルサウンドプロセッサ(DSP)などのオーディオプロセッサ18をさらに備えている。
【0018】
システムソフトウェアは、好適には、一組の命令を備え、該一組の命令は、マイクロプロセッサ20および/またはオーディオプロセッサ18上で実行可能であり、サウンドプロジェクタ40のセットアップ、動作およびコントロールを含む、TV10のセットアップ、動作およびコントロールをイネーブルする。システムソフトウェアは、TVディスプレイ30上で、ユーザに表示または提示されているグラフィカルユーザインタフェースを介してユーザによってナビゲート可能なメニューベースのコントロールシステムを提供する。TVリモートコントロールユニットのTVレイヤ上にあるが、ユーザは、TV10と、TV10の一体化されたサウンドプロジェクタと、TV10に連結された外部A−V入力デバイス(例えば、DVD、VCR、ケーブルボックスなど)とをセットアップし、動作させ、そして制御するために、グラフィカルユーザインタフェースをナビゲートし得る。グラフィカルユーザインタフェースベースのメニューコントロールシステムおよびその動作の詳細な議論は、米国特許出願公開第2002/0171624 A1号において提供され、この出願公開は、本明細書において参照により援用される。
【0019】
動作中、TV10のディスプレイスクリーン30上に表示可能であり、マイクロプロセッサ20上で実行可能なシステムソフトウェアによって生成されたメニューシステムおよびグラフィカルユーザインタフェースを用いて、ユーザは、ステレオ、サラウンドサウンド、ターゲットシングルまたはモノサウンドビーム、ターゲットデュアルサウンドビームなどを含むオーディオ動作の様々なモード間で選択を行い得る。グラフィカルユーザインタフェースベースのメニューシステムを用いて、ユーザの視聴している部屋のパラメータ(例えば、部屋の寸法、TVの位置、カウチまたは主な着席領域のTVからの距離)に従って、サウンドプロジェクションシステムを構成し得、これらのパラメータは、メモリ22に格納される。サウンドプロジェクションシステムが、ユーザの視聴している部屋のパラメータに従って構成されると、ユーザは、コントロールシステムに連結可能なマイクロフォンを用いてサウンドビームレベルを自動的にキャリブレーションするように選択し得る。あるいは、ユーザは、サウンドビームレベルおよび角度(angel)などのサウンドビームパラメータを調整するように、グラフィカルユーザインタフェースベースのメニューシステムをナビゲートし得る。視聴している部屋のパラメータおよびサウンドビームパラメータがエントリされ、コントロールシステムによって受信されると、コントロールシステムは、TVのディスプレイスクリーン30上に、サウンドビームのグラフィカル表示を描き、ユーザの視聴している部屋のグラフィカル表示内にサウンドビームのグラフィカル表示を表示する。ユーザは、サウンドビームの角度を調整し、視聴している部屋の周囲でサウンドビームを動かし、一方で同一のグラフィカル表示を用いて提示するために、グラフィカルユーザインタフェースメニューシステムをさらに使用し得る。
【0020】
図2Aを参照して、(ユーザに、グラフィカルアイコンおよびメニューアイテムの中から選択を行い、そしてテキスト情報を入力することを促す)TVのグラフィカルユーザインタフェースベースのマルチレイヤメニューシステムを用いてサウンドプロジェクションシステムを構成することが議論される。TV10またはリモートコントロールユニット上のコントロールパネル上のメニューキーを押下すると、ユーザは、好適にはスクリーン30の左側に沿って、システム構成メニュー50を提示される。構成メニュー50は、好適には、ユーザが、例えば、AVデバイス50、字幕54、「ボックスの外の」システムセットアップ55、入力デバイス56およびセキュリティシステム58を構成し得る、機能および/またはデバイスに対応するメニューオプションを表す複数の選択可能なグラフィカルアイコンを備え、そして、これら複数のグラフィカルアイコンの中から選択を行うことをユーザに促す。ユーザはまた、「選択」82、「移動」83、「戻る」84および「ヘルプ」85などのナビゲーション機能を達成するために、リモートコントロール上のどのキーが押下されるかを示すナビゲーションキーまたはガイドを提示される。AVデバイス52のメニューオプションのアイコンの周囲のグレーの陰影を用いて描かれるようなハイライトが、メニュー内の位置および選択されたメニューアイテムを示すために使用される。
【0021】
システム構成メニュー50におけるAVデバイス52メニューオプションを選択すると、好適にはデバイス構成メニュー60が、スクリーン30の上部に沿って表示される。デバイス構成メニュー60は、好適には機能またはデバイスに対応するメニューオプションを表す複数の選択可能なグラフィカルアイコン(例えば、ビデオ62、オーディオ64、リセット65、ピクチャカラー66、インターネット67、サウンドプロジェクション68等)を含み、そして、それらの複数の選択可能なグラフィカルアイコンの中から選択を行うように、ユーザを促す。
【0022】
デバイス構成メニュー60におけるサウンドプロジェクション68メニューオプションを選択すると、サウンドプロジェクションンシステム構成メニュー70が、スクリーン30の中央部分に表示され、視聴している部屋のパラメータを選択およびエントリするように、ユーザを促す。視聴している部屋のパラメータは、視聴している部屋にサウンドビームを導入し、サウンドビームを壁および天井から反射させることにより、サラウンドサウンドを形成するように、プロジェクションサウンドシステムを構成するためにシステムソフトウェアによって必要とされる。サウンドプロジェクションシステム構成メニュー70は、イメージ90を含んでおり、このイメージは、ユーザのTVを視聴している部屋のグラフィカル表示と視聴している部屋のパラメータのリスト(例えば、TV位置71、TV側の壁の長さ(TV wall length)74、その他の壁の長さ(other wall length)76、TVからソファーまたは主な着席エリアまでの距離78)とを含む。視聴している部屋90のイメージに示されるように、TV側の壁の長さパラメータ74は、ユーザのTVを視聴している部屋における壁の長さを意味し、TV92が配置されて図示されている壁96に対応しており、その他の壁の長さパラメータ76は、ユーザのTVを視聴している部屋における壁の長さを意味し、TV92が配置されるように図示されていない壁98に対応する、TVからソファーまでのパラメータ78は、TVとソファーまたはユーザの視聴している部屋における主な着席領域との間の距離を意味し、視聴している部屋のイメージ90に図示されているTV92とソファー94とに対応している。
【0023】
動作中、ユーザは、まずTV位置71を入力または選択するように促される。セレクタインジケータ矢印73が、1つのTV位置オプション72から別のTV位置オプションに移動するとき、TV92は、好適には視聴している部屋のイメージ90における壁96に沿った選択された位置72に図示される。ユーザは、視聴している部屋のパラメータの間をナビゲートすることができ、パラメータ値75、77および79をエントリするように促されたり、あるいは、TV側の壁の長さ74、その他の壁の長さ76およびTVからソファーまでの距離78の値を連続してエントリするように促されたりし得る。
【0024】
ユーザによって部屋パラメータが入力され、コントロールシステム12によって受信され、メモリ22に格納されると、システムソフトウェアは、サラウンドサウンドビームのビーム角(例えば、前右ビーム、前左ビーム、中央ビーム、後右ビームおよび後左ビーム)を計算し、サウンドプロジェクタ40のスピーカアレイ42から放出させ、スピーカアレイ42の個々のスピーカをしかるべく方向付けたり、または、構成したりする。
【0025】
サウンドプロジェクション構成メニュー70における「カスタム」とラベル付けされたソフトキー80を選択することにより、ユーザは、図4Aに図示されているように、サウンドビームがTVを視聴している部屋において辿り得る(または辿る)経路のグラフィック表示のトレース140を提供される。トレース140(例えば、サラウンドサウンドの前左サウンドビーム141、前右サウンドビーム142、中央サウンドビーム146、後左サウンドビーム143、後右サウンドビーム144に対応する)は、TVを視聴している部屋を表すグラフィカルイメージ130におけるスクリーン30上に表示され、このTVを視聴している部屋は、前壁またはTV壁133、後壁136、側壁134および135、TV壁133に沿って配置されたTV132、TV132と離間した関係でTVを視聴している部屋のイメージ130内に配置されたカウチ138を有する。
【0026】
当業者であれば容易に理解し得るように、TVを視聴している部屋の壁から反射する反射するオーディオサウンドビームは、「入射角は反射角に等しい」という物理学における一般的な反射の法則にしたがう。トレース140を描くシステムソフトウェア内の機能は、サウンドビームの各セグメントを多角形として描くループを含む。多角形の頂点は、「ポイントバウンス(point bounce)」機能を介して計算され、この機能は、特定の寸法の部屋において特定の角度で特定の点から直線をのばしたときに、その直線が反跳(bounce)する点(この点において、反射の法則を用いると、上記直線が部屋の壁上で反跳角にて反射する)を見つける。ビームの各辺は、別々に計算されるが、ビームの2つの辺の直線は、スクリーン上で描写されるときには、ビーム多角形の4つの端点を表す。
【0027】
「ポイントバウンス」機能に対応する代表的なソフトウェアコードは、好適には以下を含む:
【0028】
【化1】

多角形を効率的に描写し、図4Aに図示されているようにその多角形をスクリーン30上に表示し、ユーザがリモートコントロールの右または左のカーソルキー83を押すことに応答して、図4Bに図示されているように部屋のあちこちでそれらを動かすために、サウンドプロセッサ18のレジスタは、リモートコントロールの電子キーと同期化される。サウンドプロセッサのレジスタとリモートコントロールのキーとの同期化を制御するプロセスは、リモートコントロールの電子キーを2の補数に変換することを含み、2の補数は、サウンドプロセッサにおける個別のチャンネルの各々に対してレジスタを設定および制御する際に、直接的に用いられる。ユーザがリモートコントロール上の左または右のカーソルキーを押したときにリモートコントロールの電子キーからのビットが2の補数に変換され、その2の補数がサウンドプロセッサ18に送信されることにより個別のチャネルを同期化するように、キーはリアルタイムに翻訳される。
【0029】
多角形を効率的にレンダリングする方法は、リモートコントロールの電子キーの繰り返しに基づく。ディスプレイスクリーン30上に複数の多角形を効率的にレンダリングすることによってサウンドビームの反射をシミュレートするためには、反復のたびにピクセルイメージを透明にし、再び特定の色および位置に戻すことにより、多角形イメージが新しいピクセル位置に存在しているように見えるようにしたり、ひいては、ディスプレイスクリーン30に沿って動いているように見えるようにしたりする方法が要求される。イメージを透明に変換することは、次の反復のためのクリーンなベースを提供する。多角形を効率的にレンダリングする方法は、事実上、リモートコントロールの電子キーのレートによって制御される内部反復子(internal iterator)である。上記レートが速くなるほど、イメージが透明に変換され、次の反復およびレンダリングのためのクリーンなベースを提供することが、速くなる。
【0030】
図4Aおよび図4Bに戻ると、ユーザは、サウンドプロジェクション構成メニュー70における「カスタム」ソフトキー80を選択することにより(図2)、グラフィカル多角形トレース140によって表されるサウンドビームの近似角度を見たり、調整したりすることができる。図示されているように、サウンドプロジェクタセットアップメニュー100は、グラフィカル多角形トレース140を含むTVを視聴している部屋のイメージ130と共に、スクリーン30上に表示される。サウンドプロジェクタセットアップメニュー100は、選択可能なメニューオプションを含み、それらのメニューオプションは、現在の値設定(左ビーム角12、右ビーム角104、中央ビーム角105、左サラウンドビーム角106、右サラウンドビーム角108に対応するものとして示されている)を有する。各ビーム角の値は、メニューキーまたはガイド120によって示されているリモートコントロール上の右または左のカーソルキー83を押すことによって調整され得る。カーソルキー83が押されると、選択されたメニューオプションの示されている角度の値、ならびに、対応する多角形トレースの角度、ひいては、位置が変化し得(その結果は、図4Bに図示されている)、ユーザが部屋の方々でサウンドビームを近似位置へと視覚的に動かすことを可能にする。
【0031】
加えて、サウンドプロジェクタセットアップメニュー100は、選択可能なメニューオプションを含み、それらのメニューオプションは、現在の値設定(左ビーム110、右ビーム112、中央ビーム114、左サラウンドビーム116、右サラウンドビーム118のサラウンドレベルに対応するものとして示されている)を有する。各ビームのレベルもまた、スライダ122を用いることによって調整され得る。
【0032】
図4A、図4B、図5、図6および図7に図示されているように、一体化されたサウンドプロジェクタ40を有するTV10は、サラウンド、ステレオ、単一または多重のターゲットビームを含む、様々なオーディオモードで動作し得る。図2Bに図示されているように、「カスタム」ソフトキーが選択されたとき、オーディオモード構成ドロップダウンメニュー69または同様のメニューが表示され、構成のための動作のオーディオモード(例えば、ステレオ、サラウンド、モノターゲット、デュアルターゲット等)を選択するように、ユーザを促す。一旦オーディオモードが選択されると、自動/手動のドロップダウンメニュー69Aまたは同様のメニューが表示され、選択された動作のオーディオモードの自動または手動の構成を選択するように、ユーザを促す。「自動」オプションが選択された場合、サウンドビームのレベルは、以下で議論されるように、現在の視聴している部屋およびビームのパラメータ設定に基づいて、自動的にキャリブレーションされ得る。「手動」オプションが選択された場合、サウンドプロジェクションカスタム設定メニューとTVを視聴している部屋のイメージとが、スクリーン30上に表示され得、図4Aおよび図4Bに図示され、それらの図に関連して上記で議論されたように、ビーム角および/またはビームレベルを調整するように、ユーザを促し得る。
【0033】
図2Cに図示されているように、ユーザは、AVデバイス構成メニュー60におけるオーディオアイコン64を選択することにより、動作のオーディオモードを選択し得る。オーディオアイコン64が選択されるとき、オーディオモード選択ドロップダウンメニュー61または同様のメニューが表示され、所望の動作のオーディオモード(例えば、ステレオ、サラウンド、モノターゲット、デュアルターゲット等)を選択するように、ユーザを促し得る。オーディオモード設定の調整は、サウンドプロジェクション構成メニュー70に戻り、カスタムソフトキー80を選択することにより行われ得る。
【0034】
図2Bに図示されているように、カスタムソフトキー80が選択され、ステレオモードの手動構成がオーディオモード構成メニュー69および69Aから選択された場合、図5に図示されているように、ステレオモードに対するサウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー101とTVを視聴している部屋のイメージ131は、TV132のサウンドプロジェクタから放出された左ステレオビーム147と右ステレオビーム148とがスクリーン30上に表示されていることをグラフィカルに示す。図示されているように、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー101は、好適には、ステレオサウンドビーム147および148のサウンドレベル111に対応するメニューオプションのみを含み、そのメニューオプションは、スライド122を用いて調整され得る。あるいは、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー101は、ステレオサウンドビーム147および148の角度を調整することによりビームを部屋の方々に動かすための、ビーム角調整メニューオプションを含み得る。
【0035】
カスタムソフトキー80が選択され、単一またはモノターゲットビームモードの手動構成がオーディオモード構成メニュー69および69Aから選択された場合、図6に図示されているように、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー103とTVを視聴している部屋のイメージ137は、TV132のサウンドプロジェクタから放出された単一またはモノターゲットビーム145がスクリーン30上に表示されていることをグラフィカルに示す。図示されているように、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー103は、好適には、モノビームのビーム角107に対応するメニューオプションを含む。示されているように、ビーム角の値は、モノサウンドビームを部屋の方々に動かし、部屋内のターゲットの位置を近似するように、調整され得る。加えて、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー103は、好適には、モノビームのサウンドレベル113に対応するメニューオプションを含み得、このメニューオプションは、スライド122を用いて調整され得る。
【0036】
カスタムソフトキー80が選択され、デュアルターゲットビームモードの手動構成がオーディオモード構成メニューから選択された場合、図7に図示されているように、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー109とTVを視聴している部屋のイメージ139は、TV132のサウンドプロジェクタから放出される2つまたはデュアルサウンドビーム145および149がスクリーン30上に表示されることをグラフィカルに示す。図示されているように、サウンドプロジェクタカスタムセットアップメニュー109は、好適には、2つのビーム145および149のビーム角107および115に対応するメニューオプションを含む。示されているように、ビーム角の値は、2つのサウンドビームを部屋の方々に動かし、部屋内のターゲットの位置を近似するように、調整され得る。メニュー内の用語PIPの使用によって示唆されるように、デュアルビームモードは、2人の視聴者が、ピクチャインピクチャまたはスプリットスクリーンビデオを見ることを可能にするために用いられ得る。1つのビームまたは主要サウンドビーム145は、メインピクチャまたはスプリットスクリーン内のピクチャのうちの1つに割り当てられ、その他のビームまたはPIPサウンドビーム149は、PIPまたはスプリットスクリーン内のその他のピクチャに割り当てられる。
【0037】
加えて、サウンドプロジェクタセットアップメニュー109は、好適には、2つのビームのサウンドレベル117、119に対応するメニューオプションを含み、このメニューオプションは、スライド122を用いて調整され得る。
【0038】
別の実施形態においては、好適なオーディオ設定が割り当てられ得、様々な視聴経験または視聴アクティビティのために、メモリ内にセーブされ得る。例えば、アクティビティとは、「TVを見る(Watch TV)」、「映画を見る(Watch Movie)」、「ニュースを見る(Watch News)」、「スポーツを見る(Watch Sports)」、「ゲームをプレイする(Play Games)」等である。図2Dに図示されているように、ユーザは、AVデバイス構成メニュー60におけるアクティビティアイコン61を選択することにより、動作のオーディオモード(例えば、ステレオ、サラウンド、モノターゲット、デュアルターゲット等)を特定のアクティビティに割り当てることができる。アクティビティアイコン61が選択されると、アクティビティ選択ドロップダウンメニュー61Aまたは同様のメニューが表示され、所望のアクティビティを選択するように、ユーザを促す。例えば「映画を見る」が選択された場合、アクティビティ構成ドロップダウンメニュー61Bまたは同様のメニューが表示され、ビューイングオプションまたはリスニングオプション等を選択することにより選択されたアクティビティを構成するように、ユーザを促す。オーディオオプションが選択された場合、オーディオモード選択ドロップダウンメニュー61Cまたは同様のメニューが表示され、所望の動作のオーディオモードを選択するようにユーザを促す。選択された所望の動作のオーディオモードは、メモリ内にセーブされ、選択されたアクティビティに割り当てられる。例えば「サラウンド」モードが選択された場合、TVのコントロールシステムは、選択されたアクティビティのために、オーディオがサラウンドサウンドで出力されるようにし得る。
【0039】
そのような視聴アクティビティは、図3Aおよび図3Bに図示されているように、TVディスプレイスクリーン30上またはリモートコントロールのディスプレイスクリーン上のアクティビティメニュー46に提示され、TV上またはリモートコントロール上の専用のアクティビティキーまたはタスクキーを選択することによりアクティビティを選択するように、ユーザを促す。特定のアクティビティが選択されると、TVのコントロールシステムは、特定のアクティビティに割り当てられたモードでオーディオが出力されるようにする。好適には特定のアクティビティを選択することにより、TVと特定のアクティビティに関連する接続されたデバイス(例えば、映画を見るためのDVD)とが、自動的にオンにされたり、選択されたアクティビティのための好適な接続または設定が、実施されたりし得る。例えば「映画を見る」が選択された場合、以下のアクティビティが実施され得る。
1.Bluerayプレイヤーが電源オンにされる。
2.TVがオンにされ、Bluerayプレイヤーが入力供給源として選択される。
3.オーディオモード等の映画ビデオ設定が適用され、割り当てられたモードでサウンドが出力される。
【0040】
動作のオーディオモードをセーブし、特定のアクティビティにその動作のオーディオモードを割り当てることは、多重モードのデバイス(例えば、メディアセンターPC、Playstation3、XBOX360等)が存在し、ゲームをプレイする、映画を見る、写真を見る等のために用いられ得、ユーザがデバイスアクティビティモード(例えば、「ゲームをプレイする」、「映画を見る」等)ごとに異なるアクティビティプリファランスを設定することを所望する場合に、特に有用である。メディアセンターPCが3Dゲームをプレイする(アクティビティメニューにおける「ゲームをプレイする」)ように選択されたとき、好適にはTVは、もし利用可能であれば、自身の3Dモード設定に入る。メディアセンターPCがBlueRay映画を再生すること(「映画を見る」アクティビティメニュー)を選択されたとき、TVは自身の映画を見る設定に入り、このとき、3D設定をディセーブルする。したがって、ゲーム能力と映画能力とを提供する組み合わせ型デバイス(例えば、Playstation3、XBOX360等)のユーザは、「ゲームをプレイする」と「映画を見る」との各アクティビティのために、別個の最適化されたモーディオモード設定を有し得る。
【0041】
図8に移ると、ビームサウンドレベルを自動的にキャリブレーションするために、マイクロフォン170は、有線を介してTV10のコントロールシステム12に連結可能である。マイクロフォンは、サウンドプロジェクタ40から放出される平均サウンドレベルのサウンドバースト信号(例えば、図示されているように、右バースト信号172、左バースト信号173、中央バースト信号171、左後バースト信号175、右後バースト信号176、そしてオプションとしてサブウーファサウンドバースト)を感知またはキャプチャするために用いられ得る。各サウンドビームに対するサウンドバーストの送信のシーケンスは、TV10のコントロールシステム12がテスト信号と同期化された信号レベルを測定することができるように、予め決定される。マイクロフォン170は、各サウンドチャネルに対する平均レベルをキャプチャする。コントロールシステム12は、そのレベルを用いることにより、各サウンドチャネルと構成された条件とを自動的に比較し得る。
【0042】
図9に移ると、サラウンドサウンドのセットアップおよび構成に関連した複雑さの一部を排除した代替的な実施形態において、TVリモートコントロールユニット150には、サウンドビームのオーディオレベルを測定し、それをTV10のコントロールシステム12に戻すために、組み込み型マイクロフォン152とマイクロプロセッサ160とが装備される。リモートコントロール150は、TV10のサウンドプロジェクタ40から出力されるテスト信号の正確なシーケンスとタイミングとがわかるときに、ビームのオーディオレベルを測定することができる。リモートコントロール150は、特定のIRコードを介することにより、測定結果をTV10に返し得る。
【0043】
図10に図示されているように、個別の外部サラウンドスピーカからのオーディオレベルを測定するために、組み込み型マイクロフォンユニットを有するリモートコントロール150が用いられ得る。個別の外部サラウンドスピーカは、例えば、中央スピーカ41(これは図示されているように、例えばTVスピーカであり得る)、前左スピーカ43、後右スピーカ44、後左スピーカ45、後右スピーカ46である。
【0044】
図9および図10に図示されているように、リモートコントロール150は、好適には、組み込み型マイクロフォン152に連結されたアンプ154と、アンプ154とマイクロプロセッサ160とに連結されたアナログデジタル変換器156と、マイクロプロセッサに連結された不揮発性メモリ158と、マイクロプロセッサ162に連結されたIR送信器162とを含む。リモートコントロール150を制御したり動作させたりし、かつ、マイクロプロセッサ160上で実行可能な一連の命令を含むソフトウェアは、好適にはメモリ158内に格納される。加えて、リモートコントロール150は、例えばマイクロプロセッサに連結されたサウンドキャリブレーションボタン164のような専用機能キーを含み得る。専用機能キーは、押されたときに、リモートコントロール150に、IRコードに組み込まれた一連の命令を含むコマンドをTV10へと送信させることにより、コントロールシステム12をサウンドキャリブレーションモードに入れさせる。
【0045】
TV10は、各サウンドビームまたはスピーカに対して、そしてオプションとしてサブウーファに対して、テスト信号のバーストを連続的に送信し得る。例示的なテストバースト信号が、右バースト信号168として図示されている。テスト信号のシーケンスは、好適には、テスト信号と同期化された信号レベルをリモートコントロール150が測定することができるように、TV10とリモートコントロール150との両方によって、予め決定され、知られている。リモートコントロール150は、各サウンドチャネルに対する平均レベルをキャプチャし、測定されたレベルでIRメッセージを返信する。例示的なIRコードが、右信号レベルIRコード166として図示されている。TV10は、測定されたレベルを用いることにより、各サウンドチャネルとキャリブレーションされた条件とを自動的に比較し得る。
【0046】
当業者は、このプロセスが、オーディオレベルとサラウンドシステム(TVがAVR機能を担い、一体化されたサラウンドサウンドデコーダと、サウンドプロジェクタ、電力アンプ、個別の外部スピーカに対する無線送信器のいずれかを含む)における遅延との自動設定のために用いられ得ることを、容易に認識するだろう。
【0047】
上述の明細書において、本発明は、特定の実施形態に関連して記載されてきた。しかしながら、本発明の広い精神および範囲から逸脱することなしに、それらの実施形態に対して様々な改変および変更がなされ得ることは、明白である。例えば読者は、本明細書中に記載されているプロセス流れ図に示されているプロセス動作の特定の順序および組み合わせは、特に断りがない限り単なる例示に過ぎず、本発明が異なるプロセス動作または追加的なプロセス動作、あるいは、プロセス動作の異なる組み合わせまたは順序を用いて実行され得ることを、理解すべきである。別の例として、一実施形態の各特徴は、その他の実施形態に示されるその他の特徴と混合されたり、マッチされたりし得る。当業者に公知な特徴およびプロセスが、必要に応じて、同様に組み込まれ得る。加えて、明らかなことであるが、特徴は必要に応じて追加されたり、削除されたりし得る。したがって、本発明は特許請求の範囲とその均等物の範囲以外によっては、制限されるべきではない。
【符号の説明】
【0048】
10 TV
12 コントロールシステム
14 OSD(オンスクリーンディスプレイ)コントローラ
16 イメージディスプレイエンジン
18 オーディオプロセッサ
20 マイクロプロセッサ
22 メモリ
24 IR信号受信器
30 ディスプレイスクリーン
40 サウンドプロジェクタ
42 スピーカのアレイ
47 サブウーファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョンであって、
スクリーンと、
サウンドプロジェクタと、
該スクリーンおよびサウンドプロジェクタに連結されたコントロールシステムと
を備え、該コントロールシステムは、該サウンドプロジェクタに、1つ以上のターゲット位置に向けて、部屋に1つ以上のサウンドビームを投影させ、該コントロールシステムは、該スクリーン上にグラフィカルユーザインタフェースを表示し、該グラフィカルユーザインタフェースは、該1つ以上のサウンドビームの該投影された経路のグラフィカル表示を含み、該1つ以上のサウンドビームの該投影された経路の角度を調整するためにユーザによって動作可能である、テレビジョン。
【請求項2】
前記コントロールシステムは、選択された視聴アクティビティと関連付けられる出力モードにおけるサウンドの出力を引き起こす、請求項1に記載のテレビジョン。
【請求項3】
前記インタフェースは、メニュー駆動フォーマットを用いて情報を入力することを、ユーザに促す、請求項1に記載のテレビジョン。
【請求項4】
前記メニュー駆動フォーマットは、1つ以上のテキストエントリ領域とメニュー駆動チョイスとを含む、請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項5】
前記インタフェースは、視聴している部屋のパラメータを入力することを、前記ユーザに促す、請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項6】
前記インタフェースは、サウンドビームの角度を入力することを、前記ユーザに促す、請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項7】
前記インタフェースは、サウンド出力モード選択を入力することを、前記ユーザに促す、請求項2に記載のテレビジョン。
【請求項8】
前記視聴している部屋のパラメータは、部屋のサイズと、第一の壁のサイズと、第一の壁におけるTVの位置と、第二の壁のサイズと、該TVの位置からソファーの位置までの距離とを含む、請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項9】
サウンドプロジェクタのキャリブレーションのための組み込み型マイクロフォンを有するリモートコントロールユニットをさらに備えている、請求項1に記載のテレビジョン。
【請求項10】
前記リモートコントロールユニットは、
前記組み込み型マイクロフォンに連結されたアンプと、
該アンプとマイクロプロセッサとに連結されたアナログデジタルコンバータと、
該マイクロプロセッサに連結された不揮発性メモリと、
該マイクロプロセッサに連結されたIRトランスミッタと
を備えている、請求項9に記載のテレビジョン。
【請求項11】
前記リモートコントロールユニットは、前記コントロールシステムをサウンドキャリブレーションモードに入らせるために、IR信号の前記TVへの伝送を引き起こすように、前記マイクロプロセッサに連結された専用の機能キーをさらに備えている、請求項10に記載のテレビジョン。
【請求項12】
ユーザに、部屋のサイズに関する第一のパラメータと、TVの位置に関する第二のパラメータと、TVからの視聴距離に関する第三のパラメータとをエントリすることを促すステップと、
該TVに組み込まれたサウンドプロジェクタから放射されるサウンドビームに対するビーム角を計算するステップと、
該サウンドプロジェクタから放射される該サウンドビームの経路に対応する第一の組の多角形を描くステップと、
該多角形をTVのスクリーン上に表示するステップと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記TVのユーザによってエントリされたビーム角の変化の結果として、前記サウンドプロジェクタから放射される前記サウンドビームの経路に対応する第二の組の多角形を描くステップをさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザに視聴アクティビティを選択することを促すステップと、
該ユーザに、動作の複数のオーディオモードのリストから1つのオーディオモードを選択することを促すステップであって、該動作の複数のオーディオモードは、該視聴アクティビティに割り当てられたサラウンドサウンド、ステレオ、モノターゲットビームおよびデュアルターゲットビームを含む、ステップと
をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザによって選択される視聴アクティビティを開始するための命令を受信するステップと、
該視聴アクティビティに従って、前記表示スクリーン上にビデオコンテンツを表示するステップと、
該視聴アクティビティに割り当てられた前記オーディオモードに従って、該ビデオコンテンツに対応するサウンドを出力するステップと
をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
TVに組み込まれた前記サウンドプロジェクタのキャリブレーションを開始するための命令を受信するステップと、
各サウンドビームに対するテスト信号のバーストを送信するステップと、
サウンドビームの測定されたレベルでIR信号を受信するステップと
をさらに包含する、請求項12に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−11461(P2010−11461A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152165(P2009−152165)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(507002398)ミツビシ デジタル エレクトロニクス アメリカ, インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】