説明

一体化キー付き液晶表示パネルおよび一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法

【課題】一体化キー付き液晶表示パネルおよび一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、トランジスター基板の一面に第1レベル信号を伝える第1導線を配設し、カラーフィルター基板の、トランジスター基板側の面に第2レベル信号を伝える第2導線を配設し、第1導線と隔たって交差し、キー区域を構成する。該キー区域が押されると、第1導線と第2導線が導通され、いずれかの信号レベルを改変するよう構成した。コントローラーは、第1導線と第2導線とのいずれかの信号レベル変化の検出を行い、信号レベルの変化を検出されたとき、該キー区域に対応するキー信号を出力するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示パネルに係わり、特に一種の一体化キー付き液晶表示パネルおよび一体化キー付き液晶パネルの一体化方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
通常の電子製品において、例えば、液晶表示装置、ノートパソコン、携帯情報端末、デジタル家電、カーナビゲーション装置などの表示インタフェースは、液晶表示パネルが使用される。そのうえ、キーボードまたは複数のキーを設けて、使用者の入力操作に用いられる。そして、従来の実質的なキーは、主に機械式、フィルム式とコンデンサー式などの3種類のスイッチキーに分けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、どの種類のキーにも少なくとも一組以上のプリント基板とフレキシブルフラットケーブルが必要である。キーをクリックすることによる信号は、プリント基板とフレキシブルフラットケーブルを介して、コンピュータまたはシステムに伝送しなければならない。しかしながら、それらの従来のキーは電子装置の使用空間に場所をとり、また、それに伴い、電子装置本体の重さとコストも高くなり、電子製品設計の自由度が制限されてしまう。
【0004】
そのほかに、電子製品の小型化(miniaturization)により、押しボタンと入力キーなどの入力装置は、利用可能なスペースがますます小さくなり、使用者の操作快適度と便利性に影響を与えてしまう。
【0005】
よって、液晶表示パネルを表示インタフェースとした電子製品においては、従来の実質的なキーを液晶表示パネルに一体化させることができれば、電子製品設計の自由度を大幅に増加できるばかりでなく、電子製品の非表示区域の厚みと面積も軽減できることから、全体使用の部品数(例として、実質的なキーに必要な機械式スイッチ、プリント基板とフレキシブルフラットケーブルなど)も前より大幅に削減することができる。
【0006】
簡素化構成のキー構造を液晶表示パネルに適合することにより、電子製品の実質的なキーを減少することだけでなく、電子製品の非表示区域の面積と部品数も削減し、カスタマイズ、軽薄、スリムベゼルなどの長所を有する、一種の一体化キー付き液晶表示パネルを提供することを本発明の主な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
さらに、本発明による一体化キー付き液晶表示パネルは、トランジスター基板とトランジスター基板の一面に貼り合わせたカラーフィルター基板を有し、トランジスター基板の、該カラーフィルター基板側の面には、第1レベル信号を伝える第1導線が配設され、かつカラーフィルター基板の、該トランジスター基板側の面には、第2レベル信号を伝える第2導線が配設され、第2導線と第1導線とは隔たって交差し、キー区域を構成する。該キー区域が押されると、第1導線と第2導線が導通され、そのうちのいずれかの信号レベルを変化させる。コントローラーは、第1導線と第2導線のいずれかの信号レベルの変化の検出を行い、信号レベルの変化が検出されたとき、該キー区域に対応するキー信号を出力する。
【0008】
導通効果をさらに、より一層確保するために、好ましくは第1導線と第2導線との交差箇所に導電性凸状物を設け、該キー区域が押されると、第1導線と第2導線の導通をサポートする。該導電性凸状物は、該第1導線と第2導線のいずれかに設けられ、かつ該導電性凸状物は表面に導電性材料が塗布されたスペーサーまたは内部に導電性材料を混合されたスペーサーである。
【0009】
それに伴い、該第1レベル信号と該第2レベル信号のうちの一つは高レベル電圧であり、もう一つは低レベル電圧であるとよい。第1レベル信号と第2レベル信号との電圧差は、コントローラーが押された際に、該第1導線と第2導線のうちのいずれかの信号レベルの変化を十分に検出できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、液晶表示パネルのトランジスター基板とカラーフィルター基板と組み合わせて、前記キー構造を形成して、キー区域を構成して、使用者の押圧使用に供することにより、実質的なキーの類似効果を有する。さらに、コントローラーを介して、キー区域が押されたことの有無を検出すると、該押されたキー区域の対応するキー信号を生成し、システムに伝送することにより、本発明の目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一体化キー付き液晶表示パネルの第1実施形態の態様図であり、液晶表示パネルの画素はマトリクス配列であることを示している。
【図2】図1の液晶表示パネルにおけるパネル部分構造の拡大平面図である。
【図3】図2によるパネル部分構造の平面分解図である。
【図4】図2の3−3断面線におけるパネル構造断面図である。
【図5】図4のもう一つの変形実施形態である。
【図6】本発明の一実施形態の液晶表示パネルにおけるTFT基板とCF基板上に複数組のキー構造を設計し、それぞれのキー区域を構成する態様図の一つである。
【図7】本発明の一実施形態の液晶表示パネルにおけるTFT基板とCF基板上に複数組のキー構造を設計し、それぞれのキー区域を構成する態様図の一つである。
【図8】本発明の一実施形態の液晶表示パネルにおけるTFT基板とCF基板上に複数組のキー構造を設計し、それぞれのキー区域を構成する態様図の一つである。
【図9】本発明の一実施形態の液晶表示パネルにおけるTFT基板とCF基板上に複数組のキー構造を設計し、それぞれのキー区域を構成する態様図の一つである。
【図10】本発明の一実施形態の液晶表示パネルによる多重ループのキー構造態様図である。
【図11】本発明の一実施形態の各キー構造における第3導線と第1導線との導通方法態様図の一つである。
【図12】本発明の一実施形態の各キー構造における第3導線と第1導線との導通方法態様図の一つである。
【図13】本発明の一実施形態の各キー構造における第3導線と第1導線との導通方法態様図の一つである。
【図14】本発明の一体化キー付き液晶表示パネルの第2実施形態の態様図であり、TFT基板とCF基板にそれぞれを配設された第1導線と第2導線により、キー構造を構成した状態を示している。
【図15】本発明の一体化キー付き液晶表示パネルの第3実施形態の態様図であり、マトリクス配列方式の設計による複数のキー構造を示している。
【図16】本発明を応用する液晶表示パネルを示し、液晶表示パネルに対応された複数キー構造のバーチャルキーアイコンを示している。
【図17】図16による液晶表示パネルのスペーサー分布密度態様図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前記した本発明の技術内容、特長および効果については、以下の参考図面に沿っての3つの実施形態の詳細説明により明らかになろう。図1〜図4は、本発明による一体化キー付き液晶表示パネルの第1実施形態を示す。主に、トランジスター基板(本実施形態において、薄膜トランジスター基板を使用し、以下はTFT基板という。) 100、カラーフィルター基板(以下はCF基板という。)200、両者の間に充填される液晶分子層300と、キー構造400とを含む。図1は、液晶表示パネル1の画素(pixel)40がマトリクス配列であることを示す態様図であり、図2は、図1の局部区域110による実際なパネル構造の拡大平面図であり、図3は、図2によるパネル構造の平面分解図である。図4は、図2の3−3断面線におけるパネル構造断面図である。
【0013】
図4に示す通り、TFT基板100の、CF基板200側の面には、マトリクス状のITO電極10が配設され、CF基板200の、TFT基板100側の面には、ITO共電極層20が配設され、各ITO電極層10とITO共電極層20との間に、図1に示す各画素40が、図1と図4に示す通り、TFT基板100上各画素40に対応して、半導体プロセスからなるトランジスター50を設けており、各画素40を駆動する。さらに、各列のトランジスター50のゲート電極は、各列走査線G1〜Gmを介して走査駆動回路(図示しない)に接続し、各行のトランジスターのソース電極は各行走査線S1〜Snを介して、データー駆動回路(図示しない)に接続している。走査駆動回路は、1回ごとに1本の列走査線Gを駆動し、当該列のトランジスターを導通する。データー駆動回路はさらに行走査線Sを介して、ビデオ信号を該列の各画素40に伝送され、液晶表示パネル1より対応の画像を表示する。
【0014】
本実施形態は実質的なキーを液晶表示パネル1に一体化させるため、液晶表示パネル1においてキー構造400が内蔵されている。図1〜図4に示す通り、キー構造400はTFT基板100の、CF基板200側の面に設ける第1導線101と第2導線102と、およびCF基板200の、TFT基板100側の面に設ける第3導線201とを含む。
【0015】
第1導線101と第2導線102は、TFT基板100の片側に隔たって横方向に平行してTFT基板100上に延びている。両者の間の距離は、キーの必要な範囲のサイズによって決められる。さらに、使用者の操作便利を図るため、キー範囲のカーバ区域は、通常は約1本指の大きさの範囲とする。光透過率(開口率)への影響を避けるため、図2〜4に示す通り、第1導線101と第2導線102は、CF基板200上のブラックマスク(Black Mask)202に沿って、横方向に設置されている。すなわち、第1導線101と第2導線102は、ブラックマスク202の下に位置する。
【0016】
第3導線201は、CF基板200上のブラックマスク(Black Mask)202に沿って、縦方向へCF基板200上に延びて、第1導線101と第2導線102とは隔たって交差し、交差箇所にキー区域120を構成する。キー区域120が押されると、第3導線201は下方に移動して、第1導線101と第2導線102とを導通する。第1導線101と第2導線102は、CF基板200に配設し、第3導線201は、TFT基板100に配設しても良い。
【0017】
キー区域120が押されたとき、第1導線101と第2導線102は、第3導線201との導通を確保するために、本実施形態は、第3導線201と第1導線101の交差箇所と、第3導線201と第2導線102との交差箇所には、さらに導電性凸状物123を設け、キー区域120が押されると、第3導線201は、容易に該導電性凸状物123と第1導線102と第2導線201とを導通することができる。本実施形態において、導電性凸状物123は、第1導線101と第2導線102上、かつ第3導線201に向かって設けられ、キー区域120が押されていないときは、第3導線201と一定の間隔Dを維持する。勿論、図5に示す通り、導電性凸状物123は、第3導線201上、かつ第1導線101と第2導線102に向かって、キー区域120が押されていないときは、第1導線101および第2導線102と一定の間隔Dを維持することもできる。
【0018】
本実施形態による導電性凸状物103は、表面に導電性材料が塗布されたスペーサー(spacer)または内部に導電性材料を混合されたスペーサーを使用し、導線が交差して重ねた面積に従い、導電性凸状物103の形式、数量と密度を配設することができる。
【0019】
さらに、第3導線201と第1導線101および第2導線102の導通の有無を検出でき、キー区域120が押されているかどうかを判断するため、本実施形態において、第1導線101と第2導線102がTFT基板100側縁の一端をコントローラー60に接続し、該コントローラー60より第1レベル信号V1を第1導線101に提供し、第2レベル信号V2を第2導線102に提供し、第1導線101の信号レベルを検出する。本実施形態において、第1レベル信号V1は高レベル電圧であり、第2レベル信号V2は低レベル電圧(または接地電圧)であるが、この限りでない。第1レベル信号V1と第2レベル信号V2との間の電圧差はコントローラー60によって両者が異なるレベル信号を判断することができれば良い。
【0020】
これにより、キー区域120が押されていないとき、コントローラー60は、第1導線101より第1レベル信号V1を連続的に受信されているため、コントローラー60はこれにより、キー区域120が押されていないことを検出する。これに対して、キー区域120が押されているとき、第3導線201が押されて導電性凸状物103を介して第1導線101と第2導線102とを導通して、閉鎖ループを形成することにより、第1導線101上の信号レベルは、第1レベル信号V1から第2レベル信号V2に引き下げてコントローラー60に伝送する。引き続き、コントローラー60は、第1導線101上の電圧レベルの変化によって、キー区域120が押されたことを判断し、キー区域120に対応するキーコード(すなわち、キー区域の定義で、複数のキー区域があるとき、各キー区域に対応するキーコードは独自のものである。)をコンピュータまたはシステムに伝送し、しかるべき動作または反応をする。勿論、コントローラー60は、キー信号の発信を必要とせず、第1導線101上の信号レベルの変化が検出されたのみで、電子装置システムに既定のハードウエアまたはソフトウエアで制御することができる。
【0021】
よって、前記のキー構造400の設計は図6〜図9に示す通り、設計者は、液晶表示パネル1のTFT基板100とCF基板200上に複数組のキー構造61〜63、71〜73、81〜83及び91〜93を設計し、さまざまなキー区域64〜66、74〜76、84〜86及び94〜96とを構成する。当該キー区域のいずれかが押された場合に、コントローラー60は、該キー区域に対応するキー構造から伝送された電圧の変化を検出されることによって、キー区域が押されたことを検出する。
【0022】
このほか、キーの範囲のサイズに柔軟性をもたせるため、図10に示すように、キー構造は、多重ループ結構で構成しても良い。たとえば、TFT基板側に間隔おきに平行配列3本の第1導線103〜105、3本の第2導線106〜108及びCF基板側に3本の第3導線202〜204を配置し、そのうち、第3導線202は、押されると、第1導線103と第2導線106を導通し、第3導線203は、押されると、第1導線104と第2導線107を導通し、及び第3導線204は、押されると、第1導線105と第2導線108を導通する。範囲が異なっているが、重なる3つのキー区域111〜113を構成する。よって、これら3つのキー区域111〜113のいずれかを押されると、コントローラー60は、同じキーが作動されたことを判断する。
【0023】
各組のキー構造の導通方式は、図11に示すように、第1導線151〜153と第2導線154〜156をそれぞれ使用し、各第3導線157〜159が押されると、2つの導電性凸状物(図示しない)それぞれを介して、各第1導線151〜153と各第2導線154〜156を導通する。あるいは図12に示すように、各キー構造は、第1導線161〜163をそれぞれ使用し、第2導線164を共用する。さらに、各キー構造の第3導線165〜167の一端は、予めに導電性接着剤(図示しない)を介して、第2導線164に接続し、他端は、押されると、導電性凸状物(図示しない)を介して、対応の第1導線161〜163を導通する。または、図13に示すように、それぞれ第1導線131〜133、第2導線134〜136と第3導線137〜139を有し、かつ各第3導線137〜139の一端は、導電性接着剤(図示しない)を介して、各対応の第2導線134〜136に接続し、各第3導線137〜139の他端が押されると、それぞれ導電性凸状物(図示しない)を介して、各対応の第1導線131〜133を導通する。
【0024】
引き続き、図14に示すように本発明の第2実施形態によるもう一つのキー構造500を示す。第1実施形態と異なるところは、該キー構造500は、TFT基板またはCF基板のいずれかに第1レベル信号V1(図示しない)を伝える第1導線501を配設するほか、TFT基板またはCF基板のいずれかに、第2レベル信号V2(図示しない)を伝える第2導線502を配設される。第2導線502は、L型の外形を形成し、その一部分の線区間は第1導線501と平行し、他の部分の線区間は、第1導線501と垂直であり、第1導線502と隔たって交差し、交差箇所にキー区域503を構成する。そのうち、第1レベル信号V1と第2レベル信号V2は、コントローラー60またはその他の回路より提供する。同じく、第1導線501と第2導線502のいずれかは、交差箇所に導電性凸状物504を設け、キー区域503が押されると、コントローラー60は第1導線501の信号レベルの変化により、キー区域503が押されたことを検出し、第1実施形態と同じようにキー構造の目的を実現することができる。
【0025】
さらに、設置の必要があるキーが多い場合には、本発明の第3実施形態のようにマトリクス配列方式を採用して、走査機構と組み合わせて、キー構造を設計し、液晶表示パネルに2次元方式の9つのキーを設計することができる。その例示である図15に示すように、TFT基板100上に3本の間隔おきに、横方向に並列する第1導線R1〜R3と、3本の当該第1導線R1〜R3と間隔おきに横方向に並列する第2導線C1〜C3を設けると同時に、CF基板200上に、3本の当該第1導線R1〜R3および第2導線C1〜C3と垂直して交差する第3導線D1〜D3を配設し、当該第3導線D1〜D3と当該第1導線R1〜R3との交差箇所に、キー区域K1、K2、K3、…K9からなるキーマトリクスを形成する。
【0026】
当該第3導線D1〜D3と当該第1導線R1〜R3との交差箇所には、導電性凸状物(第1導線R1〜R3側または第3導線D1〜D3側に設置しても良い)を設ける。そのうち、第3導線D1の一端は、導電性接着剤により、第2導線C1と電気的に連接し、第3導線D2の一端は、導電性接着剤により、第2導線C2と電気的に連接し、さらに、第3導線D3の一端は、導電性接着剤により、第2導線C3と電気的に連接する。
【0027】
コントローラー60は、キー区域K1〜K9が押されたか否かと、どのキー区域が押されたかを検出するため、コントローラー60より第1レベル電圧V1を当該第1導線R1〜R3に提供し、順を追って、第2レベル信号V2を第2導線C1〜C3のいずれかに伝送し、ほかの2本の第2導線は、第1レベル電圧V1を提供する。これにより、そのうちの一つのキー区域は、たとえばK5が押されたときに、第1導線R2、第2導線C2と第3導線D2を導通して、閉鎖ループを構成する。コントローラー60は、第1導線R2の電圧レベルによって、第1レベル電圧V1から第2レベル電圧V2への変化することにより、キー区域K5が押されたことが検出される。
【0028】
これにより、前記マトリクスキー構造の設計により、キー数量が多いときに配線数量を減少させることができる。
【0029】
したがって、前記キー区域の位置に対応して、設計者は、電子装置の液晶表示パネル1において、あらかじめ特定のキーアイコンを印刷しておき、各キー区域の位置に対応するか、またはあらかじめ電子装置に設置したソフトウエアプログラムより、バーチャルキーアイコンを液晶表示パネルに対応した各キー区域の位置に表示させて、使用者は、該キーアイコンを押すことにより、対応のキー区域を作動させ、コントローラー60によって押されたキーに対応するキーアイコンのキー信号(キーコード)をシステムに伝送し、システムより該キーアイコンに対応した機能を生成する。該キーアイコンは、電子装置システムまたは機能の需求に応じるため、たとえば、一般的なキーボードのキーや、マルチメディアのファンクションキーや、金融取引インターフェスのファンクションキーなどである。ここで、電子装置は、液晶表示パネルを表示インターフェスとした携帯式消費電子製品、知能型リモコン、デジタル家電、金融取引マシン、カーナビゲーション装置、オフィスオートメーション設備、公共表示サービスステーションなど、商工業分野に応用する電子設備である。なお、同じ電子装置より形成されるバーチャルキーアイコンのソフトウエアプログラムは、異なる機能に応じて変更でき、それぞれのバーチャルキーアイコンを表示させ、電子装置に多種別の入力を提供し、同じキー構造によって、多種用途を実現できる。
【0030】
さらに、電子装置は、液晶表示パネルの表示方向(たとえば、90度または180度回転)あるいは解像度を調節するとき、バーチャルキーアイコンを生成するソフトウエアプログラムは、バーチャルキーアイコンの位置と範囲を再調整して、常に対応のキー区域の位置に対応できる。
【0031】
このほか、電子装置は、さらに触発キー(図示しない)を設けて、液晶表示パネル1のキー機能を起動することができる。すなわち、液晶表示パネル1は通常表示状態において、液晶表示パネル1に一体化されたキーの機能が無効状態で、かつ、バーチャルキーアイコンも表示されない。そして、触発キーが押されると、液晶表示パネル1に一体化されたキーの機能を有効とさせると同時に、バーチャルキーアイコンを表示し、使用者の操作を可能とする。そこで、使用者が一定の時間内に操作していない場合には、たとえば、2分間を経過した後、液晶表示パネル1に一体化されたキーの機能が無効状態に戻り、バーチャルキーアイコンも自動的に触発キーが再び押されるまでに消えてしまう。
【0032】
それに伴い、液晶表示パネル上の、押動可能なキー区域の面積を適切に管理すると同時に、パネル上のTFT基板とCF基板との間の間隔とパネルの耐圧強度と寿命を維持するため、本実施形態において、液晶表示パネルにおけるスペーサー(spacer)の高さ、サイズと密度を適宜に設計することができる。図16に示すように電子装置の液晶表示パネル1は、五つのキー機構が内蔵されている。それぞれに対応するバーチャルキーアイコン171〜175の位置は図示の通り、液晶表示パネル1のTFT基板100とCF基板200との間のスペーサー(spacer)の密度を適宜に配設し、図17に示す通り、そのうち、液晶表示パネル1のスペーサー密度は、H(高)、M(中)、L(低)によって、表示することができる。この図において、バーチャルキーアイコン171〜175の中間位置のスペーサー密度はLで、最も低い。バーチャルキーアイコン171〜175の外周位置のスペーサー密度はHで、最も高い。よって、バーチャルキーアイコン171〜175の中間位置が柔らかく設けられ、適切な押圧弾性係数を提供して、キーの特性を表し、使用者に知覚または触覚のフィードバックを有効に提供するほか、隣り合うキーの誤作動を避けることができる。
【0033】
前記説明のとおり、本発明は、液晶表示パネルのTFT基板とCF基板上に、これらと共働して前記キー構造を形成し、一つまたは複数のキー区域を構成して使用者の押圧使用に供することにより、実質的なキーの類似効果を有する。さらに、コントローラー60により各キー区域が押されたか否かを検出し、該押されたキー区域が対応するキー信号を生成してシステムに伝送することにより、本発明の目的を達成する。
【0034】
以上は、本発明の好ましい実施形態であり、本発明の権利範囲に制限を加えるものではない。よって、本発明の権利範囲および明細書の内容による効果等の変化や変更はなお本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0035】
1…液晶表示パネル、10…ITO電極、20…ITO共電極層、40…画素、50…トランジスター、60…コントローラー、100…TFT基板、101、103〜105、151〜153、161〜163…第1導線、131〜133、501、R1〜R3…第1導線、102、106〜108、154〜156、164…第2導線、134〜136、502、C1〜C3…、第2導線、120、64〜66、74〜76、84〜86…キー区域、94〜96、111〜113、K1〜K9…キー区域、123、504…導電性凸状物、171〜175…バーチャルキーアイコン、201、202〜204、157〜159…第3導線、165〜167、137〜139、D1〜D3…第3導線、200…CF基板。202…ブラックマスク、300…液晶分子層、400、61〜63、71〜73、81〜83、91〜93、500…キー構造、V1…第1レベル信号、V2…第2レベル信号、G1〜Gm、G…列走査線、S1〜Sn、S…行走査線、D…間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体化キー付き液晶表示パネルにおいて、
トランジスター基板と、
前記トランジスター基板の一面に貼り合わせられたカラーフィルター基板と、
前記トランジスター基板の、前記カラーフィルター基板側の面に配設され、第1レベル信号を伝える第1導線と、
前記カラーフィルター基板の、前記トランジスター基板側の面に配設され、第2レベル信号を伝える第2導線と
を備え、
前記第2導線は、前記第1導線と隔たって交差し、キー区域を構成して、前記キー区域が押されたとき、前記第1導線と前記第2導線が導通となり、そのうちの一つの信号レベルを変化させることを特徴とする、一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項2】
コントローラーを備え、
前記コントローラーは、前記第1導線と前記第2導線のうちの一つの信号レベルの変化を検出し、信号レベルの変化を検出すると、前記キー区域に対応するキー信号を出力することを特徴とする、請求項1記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項3】
さらに前記第1導線と前記第2導線との間に設けられた導電性凸状物を備え、
前記キー区域が押されたときに、前記第1導線と前記第2導線とを導通することを特徴とする、請求項1記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項4】
前記導電性凸状物は、前記第1導線または前記第2導線のいずれかに設けることを特徴とする、請求項3記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項5】
前記導電性凸状物は、表面に導電性材料を塗布したスペーサーまたは内部に導電性材料が混合されたスペーサーであることを特徴とする、請求項4記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項6】
前記第1レベル信号と前記第2レベル信号のうち、一つは高レベル電圧であり、もう一つは低レベル電圧であることを特徴とする、請求項1記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項7】
一体化キー付き液晶表示パネルにおいて、
トランジスター基板と、
前記トランジスター基板の一面に貼り合わされたカラーフィルター基板と、
前記トランジスター基板の、前記カラーフィルター基板側の面に配設され、第1レベル信号を伝える第1導線と、
前記トランジスター基板の、前記カラーフィルター基板側の面に配設され、第2レベル信号を伝える第2導線と、
前記カラーフィルター基板の、前記トランジスター基板に側の面に配設された第3導線と
を備え、
前記第3導線は、前記第1導線と前記第2導線と隔たって交差し、キー区域を構成して、前記キー区域が押されたとき、前記第3導線と前記第1導線及び前記第2導線とが導通となり、前記第1導線と前記第2導線のうちの一つの信号レベルを変化させることを特徴とする、一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項8】
さらにコントローラーを備え、
前記コントローラーは、前記第1導線と前記第2導線のうちの一つの信号レベルの変化を検出し、信号レベルの変化を検出すると、前記キー区域に対応するキー信号を出力することを特徴とする、請求項7記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項9】
さらに二つの、前記第1導線と前記第3導線の交差箇所と、前記第2導線と前記第3導線の交差箇所に導電性凸状物をそれぞれ含んでおり、
前記キー区域が押されたときに、前記第3導線が前記第1導線と前記第2導線とを導通することを特徴とする、請求項7記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項10】
前記二つの導電性凸状物は、前記第1導線と前記第2導線側、または前記第3導線側に設けられていることを特徴とする、請求項9記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項11】
前記第3導線の一端は前記第1導線と前記第2導線のうちの一つと電気的に連接し、前記第3導線の他端は前記第1導線または前記第2導線のうちのもう一つの交差箇所に、導電性凸状物を設けており、前記導電性凸状物は前記キー区域が押されると、前記第3導線と前記第1導線または前記第2導線のうちのもう一つに導通することを特徴とする、請求項7記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項12】
前記導電性凸状物は、表面に導電性材料を塗布したスペーサーまたは内部に導電性材料が混合されたスペーサーであることを特徴とする、請求項10または11に記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項13】
前記第1レベル信号と前記第2レベル信号のうち、一つは高レベル電圧であり、もう一つは低レベル電圧であることを特徴とする、請求項7記載の一体化キー付き液晶表示パネル。
【請求項14】
一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法において、
前記液晶表示パネルは、トランジスター基板と、前記トランジスター基板の一面に貼り合わされたカラーフィルター基板とを有し、
当該一体化方法は、
イ.前記トランジスター基板の、前記カラーフィルター基板側の面に、第1レベル信号を伝える第1導線が配設され、
ロ.前記カラーフィルター基板の、前記トランジスター基板側の面に、第2レベル信号を伝える第2導線が配設され、前記第2導線と前記第1導線と隔たって交差して、キー区域を構成し、前記キー区域が押されたときに、前記第1導線と前記第2導線が導通となり、そのうちの一つの信号レベルを変化させるように構成し、
ハ.前記第1導線と前記第2導線のうちの一つの信号レベルの変化を検出すると、前記キー区域に対応するキー信号を出力するようにした
ことを特徴とする一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法。
【請求項15】
前記第1導線と前記第2導線との間に導電性凸状物を設け、前記キー区域が押されたとき、前記第1導線と第前記2導線を導通することを特徴とする、請求項14記載の一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法
【請求項16】
前記導電性凸状物は、前記第1導線または前記第2導線のいずれかに設けられることを特徴とする、請求項15記載の一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法。
【請求項17】
前記導電性凸状物は、表面に導電性材料を塗布したスペーサーまたは内部に導電性材料が混合されたスペーサーであることを特徴とする、請求項16記載の一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法。
【請求項18】
前記第1レベル信号と前記第2レベル信号のうち、一つは高レベル電圧であり、もう一つは低レベル電圧であることを特徴とする、請求項14記載の一体化キー付き液晶表示パネルの一体化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−182286(P2010−182286A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139305(P2009−139305)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(509024640)エイサー インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】8F, 88, Section 1, Hsin Tai Wu Road,Hsichih,Taipei Hsien 221, Taiwan
【Fターム(参考)】