説明

一体化バイオマスエネルギーシステム

サイクロン式燃焼器は、略円筒形状を有する燃焼チャンバを定形する燃焼ライナと、加圧下でバイオマス粒子を受容するバイオマス供給入口であって、前記燃焼チャンバの点火領域に、前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子を導入するように形成されたバイオマス供給入口と、圧縮空気を受けるため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの前記長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され複数の空気羽口と、を有する。直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムは、加圧供給システムと、サイクロン式燃焼器と、ガスタービンとを有する。サイクロン式燃焼器を作動する方法およびガスタービンを直接燃焼させる方法を示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体化バイオマスエネルギーシステムに関する。
【0002】
本願は、2005年4月12日に出願された、エリオットら(Gary R. Elliot、 Joseph P. Reynolds)の「一体化バイオマスエネルギーシステム」という題目の米国仮特許出願第60/670,565号の優先権を主張するものである。この文献の内容は、本願の参照文献として取り入れられている。
【背景技術】
【0003】
多量のバイオマスが発生する、多くの産業が存在する。2つの例を挙げると、これは林産業と農産業である。例えば、林産業では、おがくず、樹皮、小枝、枝、および他の廃木材を含む多くの量のバイオマスが生じる。同様に、農産業では、各収穫サイクルによって、サトウキビかす、トウモロコシの穂軸、籾殻、ならびに果樹園およびブドウの木の刈り取り物を含む多量のバイオマスが生じる。追加のバイオマス廃棄物には、スラッジおよび有機肥料が含まれる。この廃棄バイオマスは、多量に生じるにも関わらず、容易には利用することができない。
【0004】
バイオマスの処分に関する問題を軽減するため、従来バイオマスは、電力発生に利用されてきた。また、バイオマスは、再生可能資源であり、バイオマスは、自然分解された場合と同量の炭素を環境に放出するため、電力発生源としてのバイオマスの利用は、従来の化石燃料に関するいくつかの問題に対応し得る。
【0005】
これまでに開発されている電力発生にバイオマスを用いる一つの技術は、ガス化技術である。ガス化技術では、バイオマスは、可燃性ガスに変換され、その後、例えばガスタービンにおいて、このガスが用いられ、電力が発生する。しかしながら、小型電力システム(例えば、約10MW以下)で使用される場合、通常、これらのガス化技術は、以下に示す直接燃焼式ガスタービン電力システムに比べて低い熱効率を示し、資本コストおよび運転コストが増加する。同様に、通常、蒸気発生用のバイオマスのような固体燃料電池を用いる技術も、後述する直接燃焼式ガスタービン電力システムに比べて、熱効率が低く、資本コストおよび運転コストが増加する。
【0006】
また、ガス化および蒸気発生技術の代替として、バイオマスのような固体燃料を用いて、ガスタービンの駆動により電気を発生する電力システムが使用されている。固体燃料で作動するガスタービン電力システムは、間接燃焼式または直接燃焼式のシステムとして構成される。通常これらのシステムは、いくつかの基本部材を有し、これには空気コンプレッサ、炉または燃焼器、タービン、および電気発電器が含まれる。電気発電器および空気コンプレッサは、タービンを通る高温圧縮空気の膨脹により生じるエネルギーで駆動される。タービンを通って膨脹するこの高温圧縮空気は、圧縮機で空気を圧縮して、得られた圧縮空気を、炉または燃焼器で生じた熱エネルギーで加熱することにより生じる。
【0007】
間接燃焼式のシステムでは、通常炉または燃焼器は、空気圧縮機およびタービンを含む機能ユニットとは別の機能ユニットとして作動する。この間接燃焼方式の構成は、高温熱交換器を使用することにより、バイオマスで作動する炉または燃焼器からの高温排気ガスに含まれる腐食性の排出物および粒子状物質から、ガスタービンを保護する。高温熱交換器では、圧縮機からの圧縮空気を含むダクトは、炉または燃焼器からの高温排気ガスに耐えるダクトに近接して配置され、高温排気ガスから圧縮空気への熱交換が行われる。次にこの加熱および圧縮空気は、タービンを駆動し、このタービンは、空気圧縮機および電気発電器を駆動する。なお、高い資本コストと運転コストに加えて、これらの間接燃焼式システムでは、直接燃焼式のシステムに比べて、熱効率が低くなる。
【0008】
直接燃焼式システムでは、加圧された燃焼器内で固体燃料が燃焼し、燃焼器からの加熱排ガスがタービンに直接流通される。燃焼器は、一体化加圧ユニットの一部となっており、このユニットは、圧縮機とタービンの両方を含む。多くの場合、燃焼器とタービンの間には、ガス清浄化装置が設置され、腐食性排出物および粒子状物質がタービンに導入されることが抑制される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では、サイクロン式燃焼器が提供される。また本発明では、直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムが提供される。また本発明では、実質的に円筒形状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有するサイクロン式燃焼器を作動する方法が提供される。また本発明では、実質的に円筒状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有するサイクロン式燃焼器を作動させる方法が提供される。また本発明では、ガスタービンを直接燃焼させる方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
全般に、本発明の一態様は、サイクロン式燃焼器に特徴がある。サイクロン式燃焼器は、略円筒状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有する。さらに、サイクロン式燃焼器は、加圧下でバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼チャンバの点火領域に、前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子を導入するように形成されたバイオマス供給入口を有する。さらに、サイクロン式燃焼器は、圧縮空気を受けるため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの前記長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され、前記バイオマス供給入口から、前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の空気羽口を有する。さらに、サイクロン式燃焼器は、サイクロン式灰分離器を有する。サイクロン式灰分離器は、前記燃焼チャンバの断面積に比べて、小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバ出口と連通された入口を有するチョーク素子を有する。さらに、サイクロン式燃焼器は、前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、粒子状灰の少なくとも一部が、前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口を有する。
【0011】
本発明の別の態様では、別のサイクロン式燃焼器に特徴がある。このサイクロン式燃焼器は、略円筒形状を有する燃焼チャンバを定形する燃焼ライナであって、前記燃焼チャンバは、該燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された点火領域、燃焼領域、および希釈領域を有する、燃焼ライナを有する。さらに、サイクロン式燃焼器は、加圧下でバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼チャンバの一端に、前記燃焼ライナを貫通して形成されたバイオマス供給入口であって、前記燃焼チャンバの前記点火領域に、前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子が導入されるように形成されたバイオマス供給入口を有する。さらに、サイクロン式燃焼器は、圧縮空気を受けるため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され、前記バイオマス供給入口から、前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の空気羽口を有する。前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給する。前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給する。前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給する。
【0012】
本発明の別の態様では、直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムに特徴がある。このシステムは、加圧供給システムを有し、該加圧供給システムは、複数のチャンバであって、第1のチャンバは、大気圧下でバイオマス粒子を受容し、加圧下で第2のチャンバにバイオマス粒子を供給する複数のチャンバ、前記第1のチャンバの入口に設置された第1のバルブ、前記第1のチャンバの出口から前記第2のチャンバまでの間に設置された第2のバルブ、および前記第1のチャンバを加圧するように配置された空気圧縮機を有する。さらに当該システムは、加圧下でバイオマス粒子を燃焼し、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するサイクロン式燃焼器を有する。該サイクロン式燃焼器は、略円筒状の形状を有する燃焼チャンバを形成する燃焼ライナであって、前記燃焼チャンバは、前記加圧供給システムの前記第2のチャンバよりも低い圧力を有する燃焼ライナ、前記加圧供給システムから前記バイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子が前記燃焼チャンバに導入されるように形成されたバイオマス供給入口、および圧縮空気を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有した状態で、前記燃焼チャンバに前記圧縮空気を導入するように配置された複数の空気羽口を有する。さらに、当該システムは、ガスタービンを有し、該ガスタービンは、前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバと連通された入口を有するタービン区画であって、前記燃焼ガスによって駆動されるタービン区画を有する。さらに、ガスタービンは、前記タービン区画によって駆動される圧縮機区画であって、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに提供するように配置された圧縮機区画を有しても良い。さらに、当該システムは、前記ガスタービンに結合され、電力を発生する電気発電器であって、前記タービン区画により駆動される電気発電器を有しても良い。
【0013】
本発明の別の態様では、別の直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムに特徴がある。このシステムは、加圧供給システムと、加圧下でバイオマス粒子を燃焼し、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するサイクロン式燃焼器とを有する。前記サイクロン式燃焼器は、略円筒状の形状を有し、前記燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された、点火領域、燃焼領域および希釈領域を有する燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有する。また、前記サイクロン式燃焼器は、前記加圧供給システムからバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記バイオマス粒子を前記燃焼チャンバの前記点火領域に導入するように形成されたバイオマス供給入口を有する。また、前記サイクロン式燃焼器は、圧縮空気を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され、前記バイオマス供給入口から前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて配置された複数の空気羽口を有する。前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給する。前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給する。前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給する。さらに、当該システムは、ガスタービンを有し、該ガスタービンは、前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼器と連通された入口を有するタービン区画であって、前記燃焼ガスによって駆動されるタービン区画を有する。また、前記ガスタービンは、タービン区画によって駆動される圧縮機区画を有しても良く、該圧縮機区画は、前記燃焼チャンバに、圧縮空気を提供するように配置される。さらに、当該システムは、前記ガスタービンに結合され、電力を発生する電気発電器を有しても良く、該電気発電器は、前記タービン区画により駆動される。
【0014】
本発明の別の態様では、別の直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムに特徴がある。このシステムは、加圧供給システムと、加圧下でバイオマス粒子を燃焼し、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するサイクロン式燃焼器とを有する。前記サイクロン式燃焼器は、略円筒状の形状を有し、燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有する。また、前記サイクロン式燃焼器は、前記加圧供給システムからバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記燃焼チャンバに前記バイオマス粒子が導入されるように形成されたバイオマス供給入口を有する。また、前記サイクロン式燃焼器は、圧縮空気を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記燃焼チャンバに前記圧縮空気を導入するように配置され、前記バイオマス供給入口から前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて配置された複数の空気羽口を有する。さらに、当該システムは、サイクロン式灰分離器を有する。前記サイクロン式灰分離器は、前記燃焼チャンバの断面積に比べて小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、前記燃焼チャンバからの燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバ出口と連通された入口を有するチョーク素子を有する。また、前記サイクロン式灰分離器は、前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、前記粒子状灰の少なくとも一部が前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口を有する。さらに、当該システムは、ガスタービンを有し、該ガスタービンは、前記燃焼チャンバからの燃焼ガスを受容するため、前記燃焼器と連通された入口を有するタービン区画であって、前記燃焼ガスによって駆動されるタービン区画を有する。また、前記ガスタービンは、前記ガスタービンのタービン区画によって駆動される圧縮機区画を有し、該圧縮機区画は、前記燃焼チャンバに圧縮空気を提供するように配置されても良い。さらに、当該システムは、前記ガスタービンに結合され、電力を発生する電気発電器を有しても良く、該電気発電器は、前記タービン区画により駆動される。
【0015】
本発明の別の態様では、実質的に円筒形状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有するサイクロン式燃焼器を作動する方法に特徴がある。当該方法は、加圧下で、前記燃焼チャンバに、バイオマス粒子を供給するステップであって、前記バイオマス粒子は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有する状態で、加圧された燃焼チャンバに輸送されるステップを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバに圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記燃焼チャンバに供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバを通過して移動するステップを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバ内で前記バイオマス粒子を燃焼して、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するステップであって、前記燃焼ガスおよび粒子状灰は、サイクロン的な動きで燃焼チャンバを通って移動する。さらに、当該方法は、前記サイクロン式燃焼器内にあるチョーク素子内の開口を介して、前記燃焼ガスの相当部分を移動させるステップであって、前記チョーク素子の開口は、前記燃焼チャンバの断面積に比べて小さな断面積を有するステップを有する。さらに、当該方法は、前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口を介して、前記粒子状灰の少なくとも一部が排出されるステップを有する。
【0016】
本発明の別の態様では、実質的に円筒形状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有するサイクロン式燃焼器を作動する別の方法に特徴がある。当該方法は、加圧下で、前記燃焼チャンバの点火領域に、バイオマス粒子を供給するステップであって、前記バイオマス粒子は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有する状態で、前記点火領域に輸送されるステップを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバの前記点火領域に、前記バイオマス粒子の燃焼開始に十分な量の圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記点火領域に供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバ内で回転するステップを有する。さらに、当該方法は、前記着火したバイオマス粒子を、前記燃焼チャンバの前記点火領域から、前記燃焼チャンバの燃焼領域に移動させるステップを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバの燃焼領域に、前記バイオマス粒子の燃焼を完遂させるのに十分な量の圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記燃焼領域に供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバ内で回転するステップを有する。さらに、当該方法は、前記バイオマス粒子の燃焼によって生成した燃焼ガスおよび粒子状灰を、前記燃焼チャンバの希釈領域に移動させるステップを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバの希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈してガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記希釈領域に供給され、前記粒子状灰および燃焼ガスは、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバ内で回転するステップを有する。
【0017】
本発明の別の態様では、ガスタービンを直接燃焼させる方法に特徴がある。当該方法は、第1のチャンバに、大気圧下でバイオマス粒子を供給するステップと、圧縮機からの圧縮空気で、前記第1のチャンバを加圧するステップとを有する。さらに、当該方法は、加圧された前記第1のチャンバから、加圧された第2のチャンバに、前記バイオマス粒子を輸送するステップを有する。さらに、当該方法は、加圧された前記第2のチャンバから、加圧された燃焼チャンバに、前記バイオマス粒子を輸送するステップであって、前記加圧された燃焼チャンバは、略円筒状の形状を有し、前記バイオマス粒子は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記加圧された燃焼チャンバに輸送されるステップを有する。さらに、当該方法は、前記加圧された燃焼チャンバに圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記加圧された燃焼チャンバに供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで前記燃焼チャンバ内で回転するステップを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバ内で前記バイオマス粒子を燃焼して、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するステップと、前記燃焼ガスから、前記粒子状灰の少なくとも一部を分離するステップとを有する。さらに、当該方法は、前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを、タービン区画を有するガスタービンに供給するステップと、前記ガスタービンのタービン区画を通り、前記燃焼ガスが膨脹して、機械的エネルギーが生じるステップと、を有する。さらに、当該方法は、前記タービン区画により生じた前記機械的エネルギーを用いて、前記ガスタービンの圧縮機区画が駆動され、圧縮空気流が発生するステップを有しても良い。さらに、当該方法は、前記タービン区画により生じた機械エネルギーを用いて、電気発電器を駆動し、電力を発生するステップを有しても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1には、新たな直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムを概略的に示す。このバイオマス燃料加圧ガスタービンシステムは、例えば、約10MW以下の小型電力システムに特に適しており、例えば、約10MW以下の電力発生に適している。ある例では、これは、約0.5から約10MWの範囲である。全般に図1に示すシステムは、加圧供給システム100と、燃焼チャンバ110と、サイクロン式灰分離器120と、ガスタービン130と、発電器140とを有する。バイオマス粒子は、実質的に大気圧で加圧供給システム100に供給される。加圧供給システム100の一実施例は、図2および3により詳細に示されている。加圧供給システム100は、加圧燃料供給ライン102を介して、実質的に燃焼チャンバ110の運転圧力で、燃焼チャンバ110にバイオマスを供給する。燃焼チャンバ110のいくつかの例は、図4および図8乃至10により詳細に示されている。
【0019】
加圧供給システムに供給されるバイオマス粒子は、適正ないかなるバイオマス源であっても良く、これには、おがくず、樹皮、小枝、枝および他の廃材、サトウキビかす、トウモロコシの穂軸、籾殻、果樹園およびブドウの木の刈り取り物、スラッジ、有機肥料、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。加圧供給システムに供給されるバイオマス粒子は、木材系のバイオマスを含むことが好ましい。加圧供給システムに供給されるバイオマス粒子は、サイクロン式燃焼に適した粒子サイズを有し、例えば、バイオマス粒子は、主として約3mm以下の寸法を有するように寸法が調整される。また、バイオマス粒子は、サイクロン式燃焼に適した水分量を有する必要があり、例えば、バイオマス粒子は、約30%以下の水分量を持ち、特に、水分量は、約8%から約16%の範囲であることが好ましい。通常、サイクロン式燃焼では、他のタイプの燃焼方式とは異なる供給仕様(例えば、寸法、水分量など)が必要とされることは、当業者には明らかである。
【0020】
バイオマス粒子は、加圧下の燃焼チャンバ110内で燃焼され、例えば、運転圧力は、約40ポンド/平方インチゲージ(「psig」)から約300psigの範囲であり、いくつかの実施例では、約50psigから約220psigの範囲であり、いくつかの実施例では、約100psigから約200psigの範囲である。バイオマス粒子のサイクロン式燃焼によって、灰粒子(パティュレート)が生成されるとともに、高温圧縮燃焼ガスが生じ、この温度は、例えば約1800゜Fから約2800゜Fの範囲であり、いくつかの実施例では、温度は、約2200゜Fから約2400゜Fの範囲である。ある実施例では、燃焼チャンバ110は、約150psigかつ約2100゜Fで運転される。
【0021】
また燃焼チャンバ110には、圧縮空気供給ライン112を介して、圧縮空気が供給される。圧縮空気が燃焼チャンバ110に供給されると、燃焼チャンバ110内で、サイクロン的な動きが促進される。例えば、図6および7に示すように、燃焼チャンバ110には、接線方向に沿って、圧縮空気が供給される。また、燃焼用の十分な酸素を供給するため、燃焼チャンバ110には、十分な量の圧縮空気が供給され、燃焼ガスがガスタービン130での使用に適した温度、例えば約2200゜F以下の温度になるように、燃焼ガスが希釈される。ある実施例では、この温度は、約1500゜Fから約2200゜Fの範囲である。
【0022】
次に、バイオマス粒子の燃焼により生じた燃焼ガスおよび灰粒子は、灰分離器120の方に供給される。サイクロン式灰分離器120は、遠心力を利用して、燃焼ガスから灰粒子を分離する。少なくとも約50%の灰粒子が、燃焼ガスから分離されることが好ましい。サイクロン式分離器120によって、燃焼ガスから大きな灰粒子(例えば、約10ミクロン以上)の少なくとも一部(および少なくとも相当の割合であることが好ましい)が分離されることは、当業者には明らかである。ただし、小さな灰粒子(例えば、約1ミクロン以下)は、相当な割合を分離しなくても良い。例えば、約10ミクロン以上の少なくとも約80%(好ましくは、少なくとも約90%)の灰粒子が、燃焼ガスから分離される。燃焼チャンバ110と一体化されたサイクロン式分離器120の一例は、図10により詳細に示されている。
【0023】
次に、サイクロン式分離器120からの燃焼ガスは、ガスタービン130に供給される。このガスタービンは、タービン区画131と、圧縮機区画132とを有する。タービン区画131を介しての燃焼ガスの膨脹により、機械的エネルギーが生じ、これが圧縮機区画132を駆動する。またタービン区画131を介しての燃焼ガスの膨脹により、電源発生用の発電器140の駆動に必要な機械的エネルギーが提供される。図1に示すように、ガスタービン130は、単一のシャフト133を有するため、タービン区画131と圧縮機区画132の両方は、単一のタービンによって駆動される。あるいは、タービン区画131に示されてはいないが、異なる回転シャフト速度で作動する2つのシャフトがあっても良く、例えば、第1のシャフト(図示されていない)を用いて、圧縮機区画132を駆動して、第2のシャフト(図示されていない)を使用して、発電器140を駆動しても良い。
【0024】
ガスタービン130は、適正ないかなるガスタービンであっても良い。例えば、ガスタービン130は、バーナが燃焼器110と置換されたガス燃焼タービンであっても良い。また、ガスタービン130は、いかなる圧力比を有しても良く、例えば、使用に適したガスタービンは、約8:1から約20:1の範囲の圧力比を有する。また、ガスタービン130は、2段燃焼方式としても良く、この場合、ガスタービンは、予備燃料を使用して燃焼され、例えば、気体、プロパンまたは液体燃料を用いて燃焼される。予備燃料は、例えば加圧供給システム100および/または燃料導入システム200、300(図2および3参照)が作動していない場合、例えば、システムの1つまたは2つが停止している場合に使用される。
【0025】
圧縮機区画132は、空気入口134を介して空気を吸入する。タービン区画131は、圧縮機区画132を駆動して、空気を圧縮し、圧縮空気流135を生成する。システムの起動の間、予備モータ(図示されていない)を用いて、圧縮機区画132を駆動しても良い。圧縮空気流135の第1の部分は、圧縮空気供給ライン112を介して、燃焼チャンバに供給される。圧縮機区画132の圧縮空気流135の第2の部分136は、加圧供給システム100から燃焼チャンバ110に、加圧燃料供給ライン102内のバイオマス粒子を搬送する。特定の用途に必要な場合、第2の圧縮機(図示されていない)を用いて、この第2の部分136をさらに圧縮しても良い。また、特定の用途に必要な場合、圧縮機区画132からの圧縮空気流135の第2の部分136は、熱交換器(図示されていない)で冷却され、燃焼チャンバ110に入る前のバイオマス粒子の燃焼を回避しても良い。
【0026】
燃焼ガスのタービン区画131を介した膨脹によって得られる排気流137は、大気圧または大気圧に近い圧力となっており、温度は、約600゜Fから約1200゜Fの範囲にある。いくつかの実施例では、この温度は、約900゜Fから約1000゜Fの範囲である。特定の用途のために必要な場合、排気流137を直接または間接的に使用して、特定の用途用の熱エネルギーを発生しても良い。例えば、排気流137を用いて、蒸気を発生させたり、加熱に使用され得る別の流体を加熱したり、バイオマス粒子を予備加熱したり、および/またはバイオマス粒子を乾燥したりしても良い。図1に示すように、排気流137を熱回収ユニット150(例えば、熱交換器)を通過させ、所望の用途に熱エネルギーを利用しても良い。熱回収ユニット150からの排気流152は、スタック160を介して、システムから排出される。
【0027】
再度図2を参照すると、この図には、加圧供給システム100の一例および燃料導入システム200の一例が概略的に示されている。燃料導入システム200は、寸法が調整された乾燥バイオマス粒子を、加圧供給システム100に供給する。通常、燃料導入システム200は、導入ホッパ210を有し、この導入ホッパは、1または2以上のバイオマス源(例えば、トラック、鉄道車、コンベアシステム、貯蔵箱、貯蔵庫等)から、バイオマス粒子を受容する。バイオマスコンベア220は、実質的に大気圧で、導入ホッパ210から導入チャンバ230に、バイオマス粒子を運搬する。バイオマスコンベア220は、導入チャンバ230へのバイオマス粒子の運搬に適したいかなる装置であっても良く、例えば、バイオマスコンベア220は、スクリュー式コンベアである。
【0028】
別の方法を用いて、加圧供給システム100に、寸法が調整された乾燥燃料が供給されても良い。例えば、図3には、代替導入システム300が概略的に示されている。代替燃料導入システム300は、図2の燃料導入システム200と同様であるが、この代替燃料システムは、さらに運搬コンベア310と、寸法調整装置320と、乾燥装置330と、バイオマス貯蔵サイロ340とを有する点が異なっている。代替燃料導入システム300には、生のバイオマスが供給され、生のバイオマスは、寸法調整され乾燥され、燃焼チャンバ110での燃焼に適したバイオマス粒子が生成される。
【0029】
図3に示すように、1または2以上のバイオマス源により、生のバイオマスが導入ホッパ210に供給されても良い。次に運搬コンベア310は、導入ホッパ210から生のバイオマスを寸法調整装置320の方に移動させる。コンベアシステムの代わりに、フロントエンドローダまたは他の適当な装置を使用して、生のバイオマスを寸法調整装置320の方に運んでも良い。寸法調整装置320は、生のバイオマスの寸法を小さくして、サイクロン式燃焼に適した寸法にするいかなる装置を有しても良く、例えば、バイオマスを主として約3mm以下の寸法にする。例えば、寸法調整装置320は、微細化装置、グラインダおよび/または粉砕器を有しても良い。次に、寸法調整装置320で生成されたバイオマス粒子は、乾燥装置330の方に移動される。乾燥装置330は、バイオマス粒子の水分量をサイクロン式燃焼に適したレベルにまで低下させることに適した、いかなる装置を有しても良く、例えば、水分量は、約30%以下にされる。適当な乾燥装置330の一例には、電気ドライバを備える回転ドラム式の乾燥器が含まれる。前述のように、排気流137から回収された熱を直接または間接的に使用して、乾燥装置330に必要な熱の少なくとも一部を提供しても良い。図3には示されていないが、寸法調整装置320および乾燥装置330に供給する前に、分離装置を使用して、生のバイオマスから非燃料材料(例えば、トランプ金属)を除去しても良い。乾燥装置330内で一度バイオマス粒子が乾燥されると、寸法調整され、乾燥したバイオマス粒子は、バイオマス貯蔵サイロ340に移動される。バイオマス粒子は、適当ないかなる方法により、バイオマス貯蔵サイロ340まで移動させても良く、例えば、これらは、空気圧方式で運搬されても良い。バイオマス貯蔵サイロ340は、特定の用途に対して十分な容量を有する密閉式サイロであっても良い。例えば、バイオマス貯蔵サイロ340は、直接燃焼式バイオマス燃焼加圧ガスタービンシステムへの24時間供給に対して、十分な容量を有しても良く、この場合、生のバイオマスの一時的な供給不足により、システムの運転が中断されることがなくなる。バイオマスコンベア220は、実質的に大気圧で、バイオマス粒子をバイオマス貯蔵サイロ340から導入チャンバ230の方に移動する。
【0030】
図3には示されていないが、ある実施例では、例えば、生のバイオマスが木の大枝(例えば、直径が最大約12インチ)を有する場合、生のバイオマスを、乾燥装置330での使用に適した寸法に微細化するため、寸法調整装置320は、微細化動作を含んでも良い。これらの実施例では、後続の乾燥装置330のため、追加の寸法調整装置(図示されていない)(例えば、グラインダ、粉砕器等)を用いて、生のバイオマスの寸法がさらに微細化され、燃焼チャンバ110でのサイクロン式燃焼に適した寸法にされる。
【0031】
図2および3には、加圧供給システム100が概略的に示されている。通常、加圧供給システム100は、実質的に大気圧でバイオマス粒子を受容し、加圧下でバイオマス粒子を燃焼チャンバ110に供給する。通常、加圧供給システムは、導入チャンバ230と、輸送チャンバ240と、供給チャンバ250と、回転バルブ260とを有する。バルブ242、244および空気圧縮機270によって、大気圧の導入チャンバ230から、燃焼チャンバ110の運転圧力を超える圧力で、供給チャンバ250にバイオマス粒子を輸送することが可能となる。
【0032】
第1のバルブ242は、輸送チャンバ240の入口に設置され、第2のバルブ244は、輸送チャンバ240の出口に設置される。図2および3には示されていないが、各バルブ242、244は、ソレノイドバルブによって電気的に制御されても良い。第1のバルブ242が開の状態では、導入チャンバ230内のバイオマス粒子は、輸送チャンバ240に移動される。第2のバルブ244が開の状態では、輸送チャンバ240内のバイオマス粒子は、供給チャンバ250の方に移動される。供給チャンバ250内の圧力を維持するため、第2のバルブ244が開の場合、第1のバルブ242は、閉にされる。導入チャンバ230から輸送チャンバ240、およびさらに供給チャンバ250へのバイオマス粒子の移動には、通常の場合、重力が利用される。バルブ242、244は、1分間に一度の周期で、またはより大きな周波数で、輸送チャンバ240と供給チャンバ250の間の圧力差を維持することが可能な、いかなる適当なバルブであっても良い。例えば、バルブ242、244は、スライドゲートバルブである。
【0033】
空気バルブ276を用いた、空気ライン278を介した空気リザーバ274からの圧縮空気の導入により、輸送チャンバ240の圧力を、燃焼チャンバ110の運転圧力よりも高い圧力にすることが可能になる。空気リザーバ274には、配管272を介して、空気圧縮機270から圧縮空気が供給される。バルブ246により、輸送チャンバ240を、例えば大気圧まで減圧することが可能となる。
【0034】
供給チャンバ250は、混合器252(例えば、パドルミキサ、リボンミキサまたは他の適当な混合装置)を有し、バイオマス粒子の凝集化が回避され(軽減され)、バイオマス粒子の回転バルブ260への移動が容易となる。
【0035】
回転バルブ260は、供給チャンバ250から加圧燃料供給ライン102に、加圧下でバイオマス粒子を供給する。回転バルブ260は、可変速駆動モータ(図示されていない)により、燃焼チャンバ110の運転要求に基づいて、可変量のバイオマス粒子を供給するように構成され配置される。さらに回転バルブ260は、バイオマス粒子の重量流束特性により受ける制限の範囲内で、可能な最小のバイオマス粒子量を排出することにより、燃焼チャンバ110内での燃焼による脈動を最小にするように構成される。バイオマス粒子の重量流束特性は、回転バルブ260の入口の前での混合器252の撹拌により最適化される。次に回転バルブ260は、回転バルブの幅方向にわたって特別に設計されたねじり式のポケットに、バイオマス粒子を受容する。バルブポケットの回転速度は、加圧燃料供給ライン102に供給されるバイオマス粒子の量を制御する。各バルブポケット内の最小の粒子量により、小さな脈動で、バイオマス粒子の燃焼チャンバ110へのスムーズな供給が可能となる。図2および3には示されていないが、回転バルブ260は、圧力容器の内部に取り付けられており、加圧下で作動することができ、例えば、燃焼チャンバ110の運転圧力よりも高い圧力で作動することができる。ある実施例では、回転バルブ260は、約150psigで作動する。
【0036】
加圧供給システム100を使用して、燃焼チャンバ110にバイオマス粒子を連続的に供給しても良い。運転の際、バイオマスコンベア220は、バイオマス粒子を導入チャンバ230に供給する。輸送チャンバ240へのバイオマス粒子の流れは、第1のバルブ242によって制御される。第1のバルブ242が開にされ、導入チャンバ230から輸送チャンバ240に、バイオマス粒子が搬送されても良い。供給チャンバ250内の圧力を維持するため、バイオマス粒子が輸送チャンバ240に搬送されている間、第2のバルブ244は、閉にされる。一度、バイオマス粒子が輸送チャンバ240に搬送されると、第1のバルブ242が閉じ、輸送チャンバ240が加圧される。輸送チャンバ240を加圧するため、空気バルブ276が開にされ、空気リザーバ274から輸送チャンバ240に、圧縮空気が導入される。輸送チャンバ240は、燃焼チャンバ110の運転圧力よりも高い圧力に加圧される必要がある。次に、第2のバルブ244が開になり、加圧下で、バイオマス粒子が輸送チャンバ240から供給チャンバ250の方に移動される。通常、供給チャンバ250は、加圧状態に維持されており、バイオマス粒子の燃焼チャンバ110への輸送は、容易に行われる。例えば、供給チャンバ250は、燃焼チャンバ110の運転圧力よりも高い圧力に維持されても良い。供給チャンバ250内の圧力を維持するため、第1のバルブ242は、供給チャンバ250へのバイオマス粒子の輸送の間、閉のまま維持する必要がある。バイオマス粒子の供給チャンバ250への搬送の後、第2のバルブ244が閉にされ、輸送チャンバ240は、バルブ246を開にすることにより、大気圧にまで減圧される。輸送チャンバ240における、大気圧から燃焼チャンバ110の運転圧力より大きな圧力までの圧力サイクルは、1分ごとに、またはより頻繁な回数で、繰り返される。ただし、この圧力サイクルは、1分間に1回よりも少ない頻度で行っても良い。その後、輸送チャンバ240へのバイオマス粒子の輸送が繰り返される。このサイクル時間は、バイオマス粒子の体積、輸送チャンバ230および供給チャンバ240の容量、ならびに燃焼チャンバ110へのバイオマス粒子の所望の流速など、多くの因子に基づいて変更しても良い。
【0037】
回転バルブ260は、加圧下で、供給チャンバ250から加圧供給ライン102に、バイオマス粒子を連続的に供給する。圧縮機区画132からの圧縮空気流135の第2の部分136は、加圧供給システム100から燃焼チャンバ110に、加圧供給ライン102内のバイオマス粒子を運搬する。バイオマス粒子は、燃焼チャンバ110の運転仕様に適合する速度で、燃焼チャンバ110に供給され、これによりガスタービン130から所望の出力電力が得られる。図2および3には示されていないが、空気圧縮機(空気圧縮機270または第2の空気圧縮機など)を用いて、加圧供給システム100から燃焼チャンバ110に、加圧供給ライン102内のバイオマス粒子を運搬しても良い。この空気圧縮機は、圧縮機区画132からの圧縮ガスの代わりに、またはこれと合わせて使用しても良い。
【0038】
この記載の利点から、別の加圧供給システムを使用して、加圧下でバイオマス粒子を燃焼チャンバ110に供給しても良いことは、当業者には明らかである。これにより、燃焼チャンバ110の運転仕様に合致する、十分なバイオマス粒子を供給することができる。
【0039】
図4には、燃焼チャンバ110内のバイオマス粒子の加圧燃焼用のサイクロン式燃焼器400の一例が概略的に示されている。図4に示すように、通常、サイクロン式燃焼器400は、金属外部ケーシング410と、実質的に円筒状に定形された燃焼チャンバ110を構成する燃焼ライナ420とを有する。さらにサイクロン式燃焼器400は、燃焼ライナ420を貫通して構成されたバイオマス供給入口414を有し、これにより、加圧供給システム100から加圧燃料供給ライン102を通過した、バイオマス粒子が受容される。バイオマス粒子の燃焼により、燃焼チャンバ110内で生じた燃焼ガスおよび灰粒子の排出のため、サイクロン式燃焼器は、さらに、燃焼チャンバ出口416を有する。また、複数の空気羽口430a、430b、430c等が配置され、燃焼チャンバ110に圧縮空気が導入される。
【0040】
外部ケーシング410は、略円筒形状を有する。金属外部ケーシングは、燃焼ライナ420を取り囲んでおり、これにより、外部ケーシング410と燃焼ライナ420の間に、空気供給プレナム412が定形される。燃焼ライナ420は、略円筒形状を有し、燃焼チャンバ110を定形しても良い。燃焼ライナ420は、燃焼チャンバ110の運転条件に適した材料を含む必要がある。いくつかの実施例では、これらの材料は、最大約3000゜Fの温度に適合する。適当な材料の例には、耐熱材料および耐熱金属が含まれる。
【0041】
燃焼チャンバ110は、燃焼チャンバ110の一端のバイオマス供給入口414を介して、燃焼用のバイオマス粒子を受容する。バイオマス供給入口414は、外部ケーシング410および燃焼ライナ420を貫通するように形成される。図5に示すように、バイオマス供給入口414は、燃焼ライナ420の長手軸に対して、接線方向の成分を有するように形成される。この配置により、燃焼チャンバ110内で、バイオマス粒子のサイクロン的な動きが促進される。空気羽口430aは、燃焼チャンバ110に供給されたバイオマス粒子を分散する圧縮空気を提供する。燃焼チャンバ110では、バイオマス粒子は、約80フィート/秒(「ft/sec」)を超える接線方向の速度で取り込まれ、いくつかの例では、これは、約100から約200ft/secの範囲である。
【0042】
通常、燃焼チャンバ110は、3つの異なる領域を有し、すなわち、点火領域402、燃焼領域404および希釈領域406を有する。これら3つの領域は、燃焼チャンバ110の軸に沿って、長手方向に配置され、点火領域402が燃焼チャンバ110の一端となり、また希釈領域406が、燃焼チャンバ110の他端となるように配置される。燃焼領域404は、点火領域402と希釈領域406の間に設置される。
【0043】
燃焼チャンバ110では、バイオマス粒子が燃焼して、粒子状の灰および高温圧縮燃焼ガスが生成される。バイオマス粒子は、燃焼チャンバ110の点火領域402に入る。点火領域402では、バイオマス粒子が着火する必要がある。点火領域402には、空気羽口430a、430b、430cを介して、バイオマス粒子が着火し、バイオマス粒子の少なくとも一部の燃焼が容易となるように、十分な量の圧縮空気が供給される。点火領域402には、空気羽口430a、430b、430cを介して、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給され、バイオマス粒子と圧縮空気内の酸素とにより、亜化学量論的な燃焼反応が生じても良い。いくつかの実施例では、バイオマス粒子のフレーム温度を制御するため、亜化学量論的な燃焼が望ましく、これにより、バイオマス粒子の燃焼による、窒素酸化物の形成が抑制される。
【0044】
バイオマス粒子および燃焼生成物は、点火領域402を通り燃焼領域404に至り、バイオマス粒子の燃焼が完了する。燃焼のための圧縮空気の十分な供給に加えて、空気羽口430d、430e、430f、430g、430hにより燃焼領域404に供給される圧縮空気は、燃焼生成物を希釈する。
【0045】
燃焼領域404を過ぎると、燃焼生成物は、希釈領域406に入る。希釈領域404には、空気羽口430i、430j、430k、430lにより、十分な量の圧縮空気が供給される必要があり、これにより、燃焼生成物の希釈が完了する。燃焼ガスの完全な希釈によって、ガスタービン130での使用に適した温度、例えば約2200゜F以下への、燃焼ガスの冷却が容易となる。ある実施例では、これは、約1500゜Fから約2200゜Fの範囲である。燃焼チャンバ110での希釈の完遂のため、例えば、燃焼器400は、さらに図10に示すようなサイクロン式分離器120を有することが好ましい。バイオマス粒子の燃焼により生じた燃焼ガスおよび粒子状の灰は、燃焼チャンバ出口416を通って、希釈領域404から排出される。燃焼チャンバ出口416は、燃焼チャンバ110のバイオマス供給入口414とは反対側の端部にある。
【0046】
前述のように、バイオマス粒子の燃焼および燃焼生成物の希釈に必要な圧縮空気は、燃焼ライナ420を貫通して形成された複数の空気羽口430a、430b、430c等を介して、燃焼チャンバ110に供給される。通常、羽口開口は、円錐形状(燃焼チャンバに向かって狭小となる)を有し、長さ/幅のアスペクト比は、約2:1を超え、いくつかの実施例では、これは、3:1から5:1の範囲である。図6および7に示すように、羽口430a、430b、430c等は、燃焼ライナ420の長手軸に対して、接線方向の成分を有するように形成される。この配置によって、燃焼チャンバ110内で、サイクロン的な動きが促進される。通常、圧縮空気は、約100ft/secを超える接線方向の速度で、複数の空気羽口430a、430b、430c等を介して供給され、いくつかの実施例では、これは約110ft/secから約150ft/secの範囲である。空気羽口430a、430b、430c等は、空気供給プレナム412と連通しており、圧縮空気供給ライン112を介して、圧縮機区画132から圧縮空気が供給される。圧縮空気供給ライン112は、外部ケーシング410を貫通して形成された空気入口418を介して、空気供給プレナム412に圧縮空気を供給する。
【0047】
羽口430a、430b、430c等は、燃焼チャンバ110の各領域に必要な空気を供給するように構成され、配置される。燃焼ライナ420の全長に沿って、複数の空気羽口430a、430b、430c等のうちの少なくとも一つを含む列が、約2列から約20以上の列の範囲で、間隔を空けて配置される。一例では、燃焼ライナ420の全長に沿って、12の列が配置される。ある例では、点火領域402に4列、燃焼領域404に5列、および希釈領域406に3列が配置される。各列は、同一平面に分配された、1から約20以上の羽口を有しても良い。図4乃至10に示すように、空気羽口430a、430b、430c等は、ねじれパターンで配置され、各列の少なくとも一つの羽口は、燃焼ライナ420の外周に沿って、前の列に対して90゜の角度で配置される。例えば、空気羽口430bは、燃焼ライナ420の長手軸に沿って、空気羽口430cに対して90゜の角度で配置されても良い。
【0048】
また、複数の羽口430a、430b、430c等の各々は、特定の用途に必要な場合、同じ寸法であっても、異なる寸法であっても良い。例えば、同じ列および/または領域内の羽口430a、430b、430c等は、特定の用途に必要な場合、同じ寸法であっても、異なる寸法であっても良い。羽口の寸法は、燃焼チャンバ110の各領域への空気流を制御するように調整され、さらには、バイオマス粒子のフレーム温度を制御するように調整される。必要であれば、フレーム温度は、燃焼によって生じる窒素酸化物の形成を抑制するように調整されても良い。いくつかの実施例では、各列における少なくとも一つの羽口は、バイオマス供給入口414から燃焼ライナ420の全長に沿って、寸法が増大する。一例では、羽口430a、430b、430c等は、寸法が直線的に増加する。図4には示されていないが、羽口430bは、羽口430aよりも大きく、羽口430cは、羽口430bよりも大きく、羽口430i、430j、430k、430lは、燃焼ライナ420内で最大の羽口であっても良い。いくつかの実施例では、点火領域402の羽口430a、430b、430c、および燃焼領域404の羽口430d、430e、430f、430g、430hは、バイオマス供給入口414から燃焼チャンバ110の長手軸に沿って、寸法が増加する。例えば、ある実施例では、燃焼領域404の羽口430d、430e、430f、430g、430hは、点火領域402の最大羽口よりも大きくても良い。希釈領域406の孔は、点火領域402および燃焼領域404の最大羽口と同等、またはより大きくても良い。
【0049】
計算流体モデルを用いて、最適な羽口寸法、圧縮空気の接線方向の速度、燃焼チャンバ110の各領域における羽口の数、および各領域に供給される圧縮空気の量を定めても良いことは、当業者には明らかである。
【0050】
さらに燃焼器400は、バーナ440を有しても良い。バーナ440は、天然ガス、プロパンまたは液体燃料のような予備燃料に効果がある。起動の間、燃焼器400のバーナ440を使用して、燃焼ライナ410をバイオマス粒子が着火する十分な温度に加熱し、バイオマス粒子に着火させても良く、および/または起動の際の所望の時間の間、バイオマス粒子を着火させても良い。バーナ440は、起動にのみ使用するように、寸法調整されても良く、またはバーナ440は、システムを介して、フル処理能力が可能となるように、寸法が調整されても良い。これにより、発電器140からの電力が一定に維持され、例えば、バイオマス粒子の供給を抑制することができる。ある例では、バーナ440を、ガスタービン130のような直接燃焼式ガスタービンとすることができる。
【0051】
図8には、別のサイクロン式燃焼器800を概略的に示す。サイクロン式燃焼器800は、図4に示したサイクロン式燃焼器400と同様であるが、サイクロン式燃焼器800は、外部ケーシング410と燃焼ライナ420の間に定形された複数の空気供給プレナム810、820、830を有する点が異なっている。複数の空気供給プレナム810、820、830は、複数のバッフル840、850によって分離されている。複数の空気供給プレナム810、820、830の各々は、複数の空気羽口430の少なくとも一つと連通されている。例えば、第1のチャンバ810は、空気羽口430a、430b、430cと連通されている。空気羽口430a、430b、430c等には、圧縮空気供給ライン112から、空気供給プレナム810、820、830を介して、空気が供給される。複数の空気供給プレナム810、820、830の各々は、圧縮機区画132からの圧縮空気供給ライン112の各部分112a、112b、112cと連通されている。複数の空気供給プレナム810、820、830の各々に供給される圧縮空気は、燃焼チャンバ110の各領域の運転仕様に応じて、それぞれ、複数のバルブ860、870、880によって制御される。例えば、バイオマス粒子に着火するための圧縮空気の十分な供給を確保するため、バルブ860は、燃焼チャンバ110の点火領域402への圧縮空気の供給を制御する必要がある。バイオマス粒子を完全燃焼させる圧縮空気の十分な供給を確保し、燃焼生成物の希釈を開始するため、バルブ870は、燃焼チャンバ110の燃焼領域404への圧縮空気の供給を制御する必要がある。バルブ880は、燃焼生成物を完全に希釈するための圧縮空気の十分な供給を確保するため、燃焼チャンバ110の希釈領域406への圧縮空気の供給を制御する必要がある。
【0052】
図9には、別のサイクロン式燃焼器900を概略的に示す。サイクロン式燃焼器900は、図8に示すサイクロン式燃焼器800と同様であるが、サイクロン式燃焼器900は、さらに、外部ケーシング410と燃焼ライナ420の間に、略円筒状の中間ライニング910を有する点が異なっている。外部ケーシング410と燃焼ライナ420の間には、冷却プレナム920が定形される。圧縮機区画からの圧縮空気は、圧縮空気供給ライン112を通って、冷却プレナム920に入り、燃焼チャンバ110からの輻射熱により予備加熱され、これにより燃焼チャンバ110が冷却される。予備加熱の後、この圧縮空気は、管930に入り、この管は、3つの部分930a、930b、930cに分岐する。複数の空気供給プレナム810、820、830の各々は、それぞれの部分860、870、880と連通されており、空気羽口430を介して、空気が燃焼チャンバ110の各領域に供給される。複数の空気供給プレナム810、820、830の各々に供給された圧縮空気量は、燃焼チャンバ110の各領域の運転仕様に応じて、それぞれ、複数のバルブ860、870、880によって制御される。
【0053】
図10には、別のサイクロン式燃焼器1000を概略的に示す。サイクロン式燃焼器1000は、図9に示したサイクロン式燃焼器900と同様であるが、サイクロン式燃焼器1000は、さらに、サイクロン式灰分離器120および遷移部組立体1010を有する点が異なっている。通常、サイクロン式灰分離器120は、チョーク素子1020を有し、チョーク素子1020と燃焼ライナ420の間には、粒子状灰開口1030が形成される。またサイクロン式灰分離器120は、粒子状灰開口1030を介して燃焼チャンバ110と連通された灰回収経路1040を有する。
【0054】
燃焼チャンバ110の希釈領域406の出口では、中心に配置されたチョーク素子1020に、開口1022が設けられる。チョーク素子1020の開口1022は、略円筒状であり、または他のいかなる適当な形状を有しても良い。例えば、開口1022は、略非環状の形状で形成されても良い。開口1022は、燃焼チャンバ110よりも小さな断面積を有する必要がある。例えば、開口1022は、燃焼チャンバ110の断面積の約80%から約90%の範囲の断面積を有しても良い。必要であれば、チョーク素子1020は、燃焼チャンバ110の運転条件下において適正に使用できる材料(例えば、耐熱材料または耐熱金属)でコーティングされても良い。
【0055】
粒子状灰開口1030は、チョーク素子1020と燃焼ライナ420の間に配置される。粒子状灰開口1030は、燃焼ライナ420の下側半分の周囲に沿って、90゜から約180゜の角度で延在している。灰回収経路1040は、粒子状灰開口1030を介して、燃焼チャンバ110と連通されている。
【0056】
通常、遷移部組立体1010は、サイクロン式燃焼器1000からガスタービン130への力の遷移を最小化するように構成され、配置される。通常の場合、遷移部組立体1010は、外部ケーシング1050と、内部シェル1060とを有し、実質的に円筒状の燃焼ガス経路1070が形成される。
【0057】
外部ケーシング1050は、冷却チャンバ110に隣接して広い端部を有するような、略円錐形状であっても良い。あるいは、外部ケーシング1050は、円筒状形状または非環状形状であっても良い。外部ケーシング1050は、内部シェル1060を取り囲んでおり、外部ケーシング1050と内部シェルの間には、冷却プレナム1080が定形される。遷移部組立体1010は、遷移部組立体1010の冷却プレナム1080が、サイクロン式燃焼器1000の冷却プレナム920と連通するように構成され、配置される必要がある。図10には示していないが、遷移部組立体1010の外部ケーシング1050は、いかなる適当な方法を用いて、サイクロン式燃焼器1000の外部ケーシング410に結合されても良く、例えば、ボルト締めフランジを用いて、外部ケーシング1050が外部ケーシング410に結合される。
【0058】
内部シェル1060によって、入口および出口を有する実質的に円筒状の燃焼ガス経路1070が定形される。あるいは、燃焼ガス経路1070は、他のいかなる適当な形状であっても良く、例えば、非環状であっても良い。燃焼ガス経路1070は、サイクロン式灰分離器120から遷移部組立体出口1090に向かってテーパ化されていても良く、これにより、燃焼ガス経路1070の出口を、入口よりも小さな断面積とすることができる。遷移部組立体1010は、サイクロン式灰分離器102のチョーク素子1020内の開口1022を介して、燃焼ガス経路1070が燃焼チャンバ110と連通するように構成され、配置される必要がある。
【0059】
運転の際、燃焼チャンバ110内での燃焼ガスおよび粒子状灰の接線方向の大きな速度、ならびにサイクロン的な動きにより、大きな遠心力が発生する。遠心力の結果として、粒子状灰は、燃焼ライナ410と隣接する燃焼チャンバ110内で旋回し、粒子状灰は、粒子状灰開口1030を通り、さらに灰回収経路1040を通り、灰ホッパ(図示されていない)に至り、これらの灰が回収される。通常、燃焼ガスは、燃焼チャンバ110から、チョーク素子1020内の開口1022の方に移動し、燃焼ガス経路1070に至る。燃焼ガス経路1070を通る間、燃焼ガスは、圧縮空気供給ライン112からの冷却プレナム1080内の圧縮空気との熱交換によって冷却される。圧縮空気は、冷却プレナム1080を通り、燃焼器1000の冷却プレナム920に至る。通常、燃焼ガスは、燃焼ガス経路1070を通った後、遷移部組立体出口1090を介して、遷移部組立体1010から排出される。その後、この燃焼ガスは、図1に示すガスタービン130に供給される。
【0060】
本願で使用される「結合」という用語は、間接的なまたは直接的な接続のいずれかを意味するものである。従って、第1の装置が第2の装置に「結合」された場合、この接続は、直接接続であっても、他の装置および接続部を介しての、間接的な電気的接続であっても良い。
【0061】
このように、本発明は、前述のおよび固有の課題の実施ならびに目的の達成に良く適合されている。本発明の一例を参照して、本発明を示し説明したが、そのような参照は、本発明を限定するものではなく、そのような限定を推定するものでもない。本発明には、形態および機能の点で、多くの修正、変更および等価物があることは、この開示の利益を甘受する当業者には、明らかである。描かれ示された例示は、本発明を網羅しきれてはいない。従って、本発明は、特許請求の範囲に記載の思想および範囲によってのみ限定され、等価物は、あらゆる点で完全に認知される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例による一体型バイオマスエネルギーシステムの一例の概略図である。
【図2】本発明の一実施例による燃料導入システムおよび加圧供給システムの一例の概略図である。
【図3】本発明の別の実施例による燃料導入システムおよび加圧供給システムの一例の概略図である。
【図4】本発明の一実施例による燃焼器の一例の概略図である。
【図5】図4の5-5線に沿った供給入口の断面図である。
【図6】図4の6-6線に沿った空気入口の断面図である。
【図7】図4の7-7線に沿った空気入口の断面図である。
【図8】本発明の別の実施例による燃焼器の一例の概略図である。
【図9】本発明の別の実施例による燃焼器の一例の概略図である。
【図10】本発明の一実施例によるサイクロン式灰分離器を有する燃焼器の一例の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒形状を有する燃焼チャンバを定形する燃焼ライナと、
加圧下でバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼チャンバの点火領域に、前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子を導入するように形成されたバイオマス供給入口と、
圧縮空気を受けるため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、
前記燃焼ライナの前記長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され、
前記バイオマス供給入口から、前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の空気羽口と、
サイクロン式灰分離器と、
を有するサイクロン式燃焼器であって、
前記サイクロン式灰分離器は、
前記燃焼チャンバの断面積に比べて、小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバ出口と連通された入口を有するチョーク素子、および
前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、粒子状灰の少なくとも一部が、前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口、
を有する、サイクロン式燃焼器。
【請求項2】
前記燃焼器チャンバは、該燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された、点火領域、燃焼領域、および希釈領域を有し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼を完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給することを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項3】
前記点火領域には、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項2に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項4】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて複数の列に配置され、
各列は、同一平面に分布された少なくとも一つの羽口を有し、
前記複数の列のうち1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前記燃焼ライナの外周に沿って、前の列に対して約90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項5】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一平面に分布された少なくとも一つの羽口を有し、
前記複数の列のうち1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気羽口よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項6】
さらに、当該サイクロン式燃焼器は、略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングを有し、
前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通され、前記空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに前記圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項7】
当該サイクロン式燃焼器は、さらに、
略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む内部ライニングであって、
前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間に、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通され、前記少なくとも一つの空気供給プレナムを介して、前記圧縮空気が前記燃焼チャンバに供給される内部ライニングと、
略円筒状の形状を有し、前記内部ライニングを取り囲む外部ケーシングであって、
前記外部ケーシングと前記内部ライニングの間には、冷却プレナムが定形され、
前記冷却プレナムは、前記少なくとも一つの空気プレナムと連通され、前記冷却プレナムを介して、前記空気プレナムに前記圧縮空気が供給される外部ケーシングと、
を有することを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項8】
略円筒形状を有する燃焼チャンバを定形する燃焼ライナであって、前記燃焼チャンバは、該燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された点火領域、燃焼領域、および希釈領域を有する、燃焼ライナと、
加圧下でバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼チャンバの一端に、前記燃焼ライナを貫通して形成されたバイオマス供給入口であって、前記燃焼チャンバの前記点火領域に、前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子が導入されるように形成されたバイオマス供給入口と、
圧縮空気を受けるため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、
前記燃焼ライナの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され、
前記バイオマス供給入口から、前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の空気羽口と、
を有するサイクロン式燃焼器であって、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給することを特徴とするサイクロン式燃焼器。
【請求項9】
前記点火領域には、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項8に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項10】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、寸法が増加することを特徴とする請求項8に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項11】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一平面に沿って分布された少なくとも一つの羽口を有することを特徴とする請求項8に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項12】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前記燃焼ライナの周囲に沿って、前の列に対して約90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項11に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項13】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気羽口よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項14】
当該サイクロン式燃焼器は、さらに、略円筒形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングを有し、
前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通されており、前記圧縮空気は、前記空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給されることを特徴とする請求項8に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項15】
当該サイクロン式燃焼器は、さらに、
略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む内部ライニングであって、
前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通されており、
前記少なくとも一つの空気供給プレナムを介して、前記圧縮空気が前記燃焼チャンバに供給される内部ライニングと、
略円筒状の形状を有し、前記内部ライニングを取り囲む外部ケーシングであって、
前記外部ケーシングと前記内部ライニングの間には、冷却プレナムが定形され、
前記冷却プレナムは、前記少なくとも一つの空気プレナムと連通されており、
前記冷却プレナムを介して、前記空気プレナムに前記圧縮空気が供給される外部ケーシングと、
を有することを特徴とする請求項8に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項16】
さらに、サイクロン式灰分離器を有し、該サイクロン式灰分離器は、
前記燃焼チャンバの断面積に比べて小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバ出口と連通された入口、および前記燃焼ガスを前記ガスタービンに供給するため、該ガスタービンのタービン区画と連通された出口を有するチョーク素子と、
前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、粒子状灰の少なくとも一部が前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口と、
を有することを特徴とする請求項8に記載のサイクロン式燃焼器。
【請求項17】
加圧供給システムと、
加圧下でバイオマス粒子を燃焼し、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するサイクロン式燃焼器と、
ガスタービンと、
を有する直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムであって、
前記加圧供給システムは、
複数のチャンバであって、第1のチャンバは、大気圧下でバイオマス粒子を受容し、加圧下で第2のチャンバにバイオマス粒子を供給する複数のチャンバ、
前記第1のチャンバの入口に設置された第1のバルブ、
前記第1のチャンバの出口から前記第2のチャンバまでの間に設置された第2のバルブ、および
前記第1のチャンバを加圧するように配置された空気圧縮機と、
を有し、
前記サイクロン式燃焼器は、
略円筒状の形状を有する燃焼チャンバを形成する燃焼ライナであって、前記燃焼チャンバは、前記加圧供給システムの前記第2のチャンバよりも低い圧力を有する燃焼ライナ、
前記加圧供給システムから前記バイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有した状態で、前記バイオマス粒子が前記燃焼チャンバに導入されるように形成されたバイオマス供給入口、および
圧縮空気を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有した状態で、前記燃焼チャンバに前記圧縮空気を導入するように配置された複数の空気羽口
を有し、
前記ガスタービンは、
前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバと連通された入口を有するタービン区画であって、前記燃焼ガスによって駆動されるタービン区画を有することを特徴とする直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステム。
【請求項18】
前記加圧供給システムは、さらに、前記燃焼チャンバに可変量のバイオマス粒子を供給するように配置された回転バルブを有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のバルブおよび第2のバルブは、スライド式のガスバルブであることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記燃焼チャンバは、前記燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された、点火領域、燃焼領域および希釈領域を有し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記点火領域には、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、寸法が増加することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一平面に分布された少なくとも一つの羽口を有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前駆複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前記燃焼ライナの外周に沿って、前の列に対して90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気羽口よりも大きいことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記サイクロン式燃焼器は、さらに、略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングを有し、前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通されており、
前記圧縮空気は、前記空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも一つの空気プレナムの各々は、対応する圧縮空気供給部と連通され、
前記対応する圧縮空気供給部は、バルブを有し、該バルブは、該バルブと連通された前記空気プレナムを介した、前記燃焼チャンバへの前記圧縮空気の供給を制御することを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記サイクロン式燃焼器は、さらに、
略円筒状形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む内部ライニングであって、
前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通され、
前記少なくとも一つの空気供給プレナムを介して、前記圧縮空気が前記燃焼チャンバに供給される、内部ライニングと、
略円筒状の形状を有し、前記内部ライニングを取り囲む外部ケーシングであって、
前記外部ケーシングと前記内部ライニングの間には、冷却プレナムが定形され、
前記冷却プレナムは、前記少なくとも一つの空気プレナムと連通され、
前記冷却プレナムを介して、前記空気プレナムに前記圧縮空気が供給される外部ケーシングと、
を有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項29】
前記ガスタービンは、さらに、前記ガスタービンのタービン区画によって駆動される圧縮機区画を有し、前記圧縮機区画は、前記燃焼チャンバに前記圧縮空気を提供するように配置されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項30】
前記圧縮機区画からの前記圧縮空気の第1の部分は、前記燃焼チャンバに供給され、
前記圧縮空気の第2の部分は、前記加圧供給システムから前記燃焼チャンバに、前記バイオマス粒子を運搬することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項31】
さらに、前記圧縮機区画からの前記圧縮空気の前記第2の部分を冷却する、熱交換器を有することを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記ガスタービンは、約8:1から約20:1の範囲の圧力比を有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項33】
さらに、電力発生のため、前記ガスタービンに結合された電気発電器を有し、
該電気発電器は、前記ガスタービンのタービン区画により駆動されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項34】
当該システムは、約10MW以下の電力を発生するように構成され、配置されることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記ガスタービンは、前記圧縮機区画および前記電気発電器を駆動する単一のシャフトを有することを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
当該システムは、さらに、前記ガスタービンのタービン区画からの排気流と連通された熱回収ユニットを有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項37】
さらに、サイクロン式灰分離器を有し、
該サイクロン式灰分離器は、
前記燃焼チャンバの断面積に比べて、小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、
前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバの出口と連通された入口、および
前記ガスタービンに前記燃焼ガスを供給するため、前記ガスタービンのタービン区画と連通された出口、
を有するチョーク素子と、
前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、粒子状灰の少なくとも一部が前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口と、
を有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項38】
さらに、燃焼ガス経路を形成する内部ライニングを有する遷移部組立体を有し、
前記燃焼ガス経路は、
前記燃焼ガスを受容するため、前記チョーク素子の出口と連通された入口と、
前記ガスタービンに前記燃焼ガスを供給するため、前記ガスタービンと連通された出口と、
を有することを特徴とする請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記燃焼ガス経路は、出口において入口よりも小さな断面積を有することを特徴とする請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
さらに、前記内部ライニングを取り囲む外部ケーシングを有し、
前記外部ケーシングと前記内部シェルの間には、冷却プレナムが定形され、
前記冷却プレナムは、前記複数の空気羽口と連通されていることを特徴とする請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
さらに、サイクロン式灰分離器を有し、
該サイクロン式灰分離器は、前記燃焼ガスと粒子状灰の混合物を受容するため、前記燃焼チャンバ出口と連通された入口を有し、前記サイクロン式灰分離器は、前記燃焼ガスと前記粒子状灰を少なくとも部分的に分離し、
前記サイクロン式灰分離器は、さらに、前記ガスタービンに前記燃焼ガスを供給するため、前記ガスタービンのタービン区画と連通された出口を有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項42】
さらに、前記加圧供給システムに、寸法が調整され乾燥されたバイオマス粒子を提供する燃料導入システムを有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項43】
さらに、前記加圧供給システムから前記燃焼チャンバに前記バイオマス粒子を運搬する圧縮空気を供給するように配置された、第2の空気圧縮機を有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項44】
さらに、サイクロン式燃焼器に接続されたバーナを有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項45】
加圧供給システムと、
加圧下でバイオマス粒子を燃焼し、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するサイクロン式燃焼器と、
ガスタービンと、
を有する直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムであって、
前記サイクロン式燃焼器は、
略円筒状の形状を有し、前記燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された、点火領域、燃焼領域および希釈領域を有する燃焼チャンバを形成する燃焼ライナ、
前記加圧供給システムからバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記バイオマス粒子を前記燃焼チャンバの前記点火領域に導入するように形成されたバイオマス供給入口、ならびに
圧縮空気を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記圧縮空気を前記燃焼チャンバに導入するように配置され、前記バイオマス供給入口から前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて配置された複数の空気羽口
を有し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記ガスタービンは、
前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを受容するため、前記燃焼器と連通された入口を有するタービン区画であって、前記燃焼ガスによって駆動されるタービン区画を有することを特徴とする直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステム。
【請求項46】
前記加圧供給システムは、
複数のチャンバであって、第1のチャンバは、大気圧下でバイオマス粒子を受容し、第2のチャンバに、加圧下でバイオマス粒子を供給する複数のチャンバと、
前記第1のチャンバの入口に設置された第1のバルブと、
前記第1のチャンバの出口から前記第2のチャンバまでの間に設置された、第2のバルブと、
前記第1のチャンバを加圧するように配置された空気圧縮機と、
を有することを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記点火領域に、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項48】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、寸法が増加することを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項49】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて配置された複数の列に配置され、
各列は、同一平面に沿って分布された少なくとも一つの羽口を有することを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項50】
前駆複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記燃焼ライナの外周に沿って、前の列に対して約90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前駆複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気プレナムよりも大きいことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
前記ガスタービンは、さらに、前記ガスタービンのタービン区画によって駆動される圧縮機区画を有し、
該圧縮機区画は、前記燃焼チャンバに、圧縮空気を提供するように配置されることを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項53】
さらに、前記ガスタービンに結合され、電力を発生する電気発電器を有し、
該電気発電器は、前記ガスタービンのタービン区画によって駆動されることを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項54】
さらに、サイクロン式灰分離器を有し、
該サイクロン式灰分離器は、
前記燃焼チャンバの断面積に比べて、小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、
前記燃焼チャンバからの燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバの出口と連通された入口、および
前記ガスタービンに燃焼ガスを供給するため、前記ガスタービンのタービン区画と連通された出口を有するチョーク素子と、
前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、前記粒子状灰の少なくとも一部が前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口と、
を有することを特徴とする請求項45に記載のシステム。
【請求項55】
さらに、燃焼ガス経路を形成する内部ライニングを有する遷移部組立体を有し、
前記燃焼ガス経路は、
前記燃焼ガスを受容するため、前記チョーク素子の出口と連通された入口と、
前記ガスタービンに燃焼ガスを供給するための、前記ガスタービンと連通された出口と、
を有することを特徴とする請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
加圧供給システムと、
加圧下でバイオマス粒子を燃焼し、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するサイクロン式燃焼器と、
ガスタービンと、
を有する直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステムであって、
前記サイクロン式燃焼器は、
略円筒状の形状を有し、燃焼チャンバを形成する燃焼ライナ、
前記加圧供給システムからバイオマス粒子を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された、前記燃焼チャンバの一端のバイオマス供給入口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記燃焼チャンバに前記バイオマス粒子が導入されるように形成されたバイオマス供給入口、
圧縮空気を受容するため、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の空気羽口であって、前記燃焼ライナの長手軸に対して、接線方向の成分を有する状態で、前記燃焼チャンバに前記圧縮空気を導入するように配置され、前記バイオマス供給入口から前記燃焼ライナの全長に沿って、間隔を空けて配置された複数の空気羽口、ならびに
サイクロン式灰分離器
を有し、前記サイクロン式灰分離器は、
前記燃焼チャンバの断面積に比べて小さな断面積の開口を有するチョーク素子であって、前記燃焼チャンバからの燃焼ガスを受容するため、前記燃焼チャンバ出口と連通された入口を有するチョーク素子と、
前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口であって、前記粒子状灰の少なくとも一部が前記燃焼チャンバから排出される粒子状灰開口と、
を有し、
前記ガスタービンは、
前記燃焼チャンバからの燃焼ガスを受容するため、前記燃焼器と連通された入口を有するタービン区画であって、前記燃焼ガスによって駆動されるタービン区画を有することを特徴とする直接燃焼式バイオマス燃料加圧ガスタービンシステム。
【請求項57】
前記加圧供給システムは、
複数のチャンバであって、第1のチャンバは、大気圧下でバイオマス粒子を受容し、加圧下でバイオマス粒子を第2のチャンバに供給する複数のチャンバと、
前記第1のチャンバの入口に配置された第1のバルブと、
前記第1のチャンバの出口から前記第2のチャンバまでの間に設置された第2のバルブと、
前記第1のチャンバを加圧するように配置された空気圧縮機と、
を有することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記燃焼チャンバは、前記燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された、点火領域、燃焼領域および希釈領域を有し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記点火領域に、前記バイオマス粒子が着火して、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記燃焼領域に、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気を供給し、
前記複数の空気羽口の少なくとも一つは、前記希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記点火領域には、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一平面に分布された少なくとも一つの羽口を有し、
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナの外周に沿って、約90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項61】
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一面に分布された少なくとも一つの羽口を有し、
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気羽口よりも大きいことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項62】
前記サイクロン式燃焼器は、さらに、略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングを有し、
前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、
前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通されており、
前記空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項63】
前記サイクロン式燃焼器は、さらに、
略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む内部ライニングであって、前記外部ケーシングと前記燃焼ライナの間には、少なくとも一つの空気プレナムが定形され、前記少なくとも一つの空気プレナムは、前記複数の空気羽口を介して、前記燃焼チャンバと連通されており、前記少なくとも一つの空気供給プレナムを介して、前記燃焼チャンバに圧縮空気が供給される内部ライニングと、
略円筒状の形状を有し、前記内部ライニングを取り囲む外部ケーシングであって、前記外部ケーシングと前記内部ライニングの間には、冷却プレナムが定形され、該冷却プレナムは、少なくとも一つの空気プレナムと連通されており、前記冷却プレナムを介して、前記空気プレナムに圧縮空気が供給される、外部ケーシングと、
を有することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項64】
前記ガスタービンは、さらに、前記ガスタービンのタービン区画によって駆動される圧縮機区画を有し、
前記圧縮機区画は、前記燃焼チャンバに圧縮空気を提供するように配置されることを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項65】
さらに、前記ガスタービンに結合され、電力を発生する電気発電器を有し、
該電気発電器は、前記ガスタービンのタービン区画によって駆動されることを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項66】
さらに、燃焼ガス経路を形成する内部ライニングを有する遷移部組立体を有し、
前記燃焼ガス経路は、燃焼ガスを受容するため、前記チョーク素子の出口と連通された入口と、前記燃焼ガスを前記ガスタービンに供給するため、前記ガスタービンと連通された出口とを有することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項67】
さらに、前記内部ライニングを取り囲む外部ケーシングを有し、
前記外部ケーシングと前記内部シェルの間には、冷却プレナムが定形され、
前記冷却プレナムは、前記複数の空気羽口と連通されていることを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
実質的に円筒形状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有するサイクロン式燃焼器を作動する方法であって、
加圧下で、前記燃焼チャンバの点火領域に、バイオマス粒子を供給するステップであって、前記バイオマス粒子は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有する状態で、前記点火領域に輸送されるステップと、
前記燃焼チャンバの前記点火領域に、前記バイオマス粒子の燃焼開始に十分な量の圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記点火領域に供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバ内で回転するステップと、
前記着火したバイオマス粒子を、前記燃焼チャンバの前記点火領域から、前記燃焼チャンバの燃焼領域に移動させるステップと、
前記燃焼チャンバの燃焼領域に、前記バイオマス粒子の燃焼を完遂させるのに十分な量の圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記燃焼領域に供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバ内で回転するステップと、
前記バイオマス粒子の燃焼によって生成した燃焼ガスおよび粒子状灰を、前記燃焼チャンバの希釈領域に移動させるステップと、
前記燃焼チャンバの希釈領域に、前記燃焼ガスを希釈してガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記希釈領域に供給され、前記粒子状灰および燃焼ガスは、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバ内で回転するステップと、
を有する方法。
【請求項69】
前記圧縮空気は、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の羽口を介して、前記点火領域、燃焼領域および希釈領域に供給されることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記燃焼ライナ内の複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一面上に分布された少なくとも一つの羽口を有することを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前記燃焼ライナの外周に沿って、前の列に対して、約90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気羽口よりも大きいことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記点火領域には、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項74】
さらに、前記加圧燃焼チャンバと連通された少なくとも一つの空気プレナムに、圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記少なくとも一つのプレナムを介して、前記燃焼チャンバの各領域に供給され、前記少なくとも一つのプレナムは、前記燃焼ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングによって定形されるステップを有することを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項75】
さらに、
前記加圧燃焼チャンバと連通された少なくとも一つの空気プレナムに、圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記少なくとも一つの空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバの各領域に供給され、前記少なくとも一つのプレナムは、前記燃焼ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む中間ライナによって定形されるステップと、
前記少なくとも一つの空気プレナムと連通された冷却プレナムに、前記圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記冷却チャンバを介して、前記少なくとも一つの空気プレナムに供給され、前記冷却チャンバは、前記中間ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記中間ライナを取り囲む外部ケーシングによって定形されるステップと、
を有することを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項76】
実質的に円筒状の燃焼チャンバを形成する燃焼ライナを有するサイクロン式燃焼器を作動させる方法であって、
加圧下で前記燃焼チャンバにバイオマス粒子を供給するステップであって、前記バイオマス粒子は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記加圧燃焼チャンバに輸送されるステップと、
前記加圧燃焼チャンバに、圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記燃焼チャンバに供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで前記燃焼チャンバを通って移動するステップと、
前記燃焼チャンバ内で、前記バイオマス粒子を燃焼して、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するステップであって、前記燃焼ガスおよび粒子状灰は、サイクロン的な動きで、前記燃焼チャンバを通って移動するステップと、
前記サイクロン式燃焼器内にあるチョーク素子の開口を介して、前記燃焼ガスの相当部分を移動させるステップであって、前記チョーク素子の開口は、前記燃焼チャンバの断面積に比べて、小さな断面積を有するステップと、
前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口を介して、前記粒子状灰の少なくとも一部が燃焼チャンバから排出されるステップと、
を有する方法。
【請求項77】
前記圧縮空気は、前記燃焼ライナを貫通して形成された複数の羽口を介して、前記燃焼領域に供給され、
前記複数の羽口は、前記燃焼ライナの長手軸の全長に沿って、間隔を空けて設置された複数の列に配置され、
各列は、同一平面上に分布された少なくとも一つの羽口を有することを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前記燃焼ライナの外周に沿って、前の列に対して約90゜の角度で配置されることを特徴とする請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記複数の列のうちの1または2以上において、前記少なくとも一つの空気羽口は、前の列に対して、前記燃焼ライナでの少なくとも一つの空気羽口よりも大きいことを特徴とする請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記燃焼チャンバは、前記燃焼チャンバの軸に沿って長手方向に配置された、点火領域、燃焼領域および希釈領域を有し、
前記点火領域には、前記バイオマス粒子が着火し、燃焼が開始されるのに十分な量の圧縮空気が供給され、
前記燃焼領域には、前記点火領域からの前記バイオマス粒子の燃焼が完遂するのに十分な量の圧縮空気が供給され、
前記希釈領域には、前記燃焼ガスを希釈して、該燃焼ガスをガスタービンでの使用に適した温度にするのに十分な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記点火領域には、亜化学量論的な量の圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項82】
さらに、前記加圧燃焼チャンバと連通された少なくとも一つの空気プレナムに、圧縮空気を供給するステップを有し、
前記圧縮空気は、前記少なくとも一つの空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給され、
前記少なくとも一つのプレナムは、前記燃焼ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングによって、定形されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項83】
さらに、
前記加圧燃焼チャンバと連通された少なくとも一つの空気プレナムに、圧縮空気を供給するステップであって、
前記圧縮空気は、前記少なくとも一つの空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給され、
前記少なくとも一つのプレナムは、前記燃焼ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む中間ライナによって定形されるステップと、
前記少なくとも一つの空気プレナムと連通された冷却プレナムに、前記圧縮空気を供給するステップであって、
前記圧縮空気は、冷却チャンバを介して、前記少なくとも一つの空気プレナムに供給され、
前記冷却チャンバは、前記中間ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記中間ライナを取り囲む外部ケーシングによって定形されるステップと、
を有することを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項84】
ガスタービンを直接燃焼させる方法であって、
第1のチャンバに、大気圧下でバイオマス粒子を供給するステップと、
圧縮機からの圧縮空気で、前記第1のチャンバを加圧するステップと、
加圧された前記第1のチャンバから、加圧された第2のチャンバに、前記バイオマス粒子を輸送するステップと、
加圧された前記第2のチャンバから、加圧された燃焼チャンバに、前記バイオマス粒子を輸送するステップであって、前記加圧された燃焼チャンバは、略円筒状の形状を有し、前記バイオマス粒子は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記加圧された燃焼チャンバに輸送されるステップと、
前記加圧された燃焼チャンバに圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記燃焼チャンバの長手軸に対して接線方向の成分を有した状態で、前記加圧された燃焼チャンバに供給され、前記バイオマス粒子は、サイクロン的な動きで前記燃焼チャンバ内で回転するステップと、
前記燃焼チャンバ内で前記バイオマス粒子を燃焼して、燃焼ガスおよび粒子状灰を生成するステップと、
前記燃焼ガスから、前記粒子状灰の少なくとも一部を分離するステップと、
前記燃焼チャンバからの前記燃焼ガスを、タービン区画を有するガスタービンに供給するステップと、
前記ガスタービンのタービン区画を通り、前記燃焼ガスが膨脹して、機械的エネルギーが生じるステップと、
を有する方法。
【請求項85】
前記第1のチャンバに供給された前記バイオマス粒子は、主として約3mm以下の寸法を有することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1のチャンバを加圧するステップは、1分間に約1回の頻度、またはより少ない頻度で生じることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記バイオマス粒子は、約40ポンド/平方インチから約300ポンド/平方インチの範囲の圧力で、前記加圧された燃焼チャンバに輸送されることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項88】
さらに、前記タービン区画により生じた前記機械的エネルギーを用いて、前記ガスタービンの圧縮機区画が駆動され、圧縮空気流が発生するステップを有することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項89】
前記圧縮機区画からの前記圧縮空気流の少なくとも一部は、前記加圧された第2のチャンバから加圧された燃焼チャンバに、前記バイオマス粒子を運搬することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項90】
前記圧縮空気流の少なくとも一部は、前記加圧された燃焼チャンバに供給された前記圧縮空気であることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項91】
さらに、前記タービン区画により生じた前記機械的エネルギーで、電気発電器を駆動することにより、電力が発生するステップを有することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項92】
前記タービン区画からの排気流を用いて、熱エネルギーが提供されることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項93】
さらに、前記加圧された燃焼チャンバと連通された少なくとも一つの空気プレナムに、圧縮空気を供給するステップを有し、
前記圧縮空気は、前記少なくとも一つの空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給され、前記少なくとも一つのプレナムは、前記加圧燃焼チャンバを形成する燃焼ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む外部ケーシングによって定形されることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項94】
さらに、
前記加圧された燃焼チャンバと連通された少なくとも一つの空気プレナムに、圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、前記少なくとも一つの空気プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給され、前記少なくとも一つのプレナムは、前記加圧された燃焼チャンバを形成する燃焼ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記燃焼ライナを取り囲む中間ライナによって定形されるステップと、
前記少なくとも一つの空気プレナムと連通された冷却プレナムに、前記圧縮空気を供給するステップであって、前記圧縮空気は、冷却チャンバを介して、前記少なくとも一つの空気プレナムに供給され、前記冷却チャンバは、前記中間ライナ、および略円筒状の形状を有し、前記中間ライナを取り囲む外部ケーシングによって、定形されるステップと、
を有することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項95】
前記燃焼ガスから前記粒子状灰の少なくとも一部を分離するステップは、
前記加圧された燃焼チャンバと連通されているチョーク素子内の開口を介して、前記燃焼ガスの相当部分を移動させるステップであって、前記チョーク素子の開口は、前記燃焼チャンバの断面積に比べて小さな断面積を有するステップと、
前記粒子状灰の少なくとも一部が、前記チョーク素子と前記燃焼ライナの間に定形された粒子状灰開口を介して、前記燃焼チャンバから排出されるステップと、
を有することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項96】
前記燃焼ガスは、遷移部組立体内の経路を介して、ガスタービンに供給され、
前記開口は、内部ライニングによって形成されることを特徴とする請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記圧縮ガスは、前記燃焼チャンバと連通された冷却プレナムを介して、前記燃焼チャンバに供給され、
前記冷却プレナムは、前記遷移部組立体の内部ライニングと、該内部ライニングを取り囲む外部シェルとの間に定形されることを特徴とする請求項96に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−536091(P2008−536091A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506687(P2008−506687)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013843
【国際公開番号】WO2006/110870
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507337887)ジルカ バイオマス エナジー エルエルシー (1)