Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
一体多層式のイオン交換複合膜
説明

一体多層式のイオン交換複合膜

【課題】架橋ポリマーの製造方法およびそのように製造されたポリマーを提供する。
【解決手段】架橋ポリマーの製造方法およびそのように製造されたポリマーが提供され、該方法は、式−SO2X(式中、XはF、Cl、Br、OH、または−O-+であり、ここでM+は一価のカチオンである)に従う基を含有するペンダント基を含む高フッ素化フルオロポリマー、典型的にはペルフッ素化フルオロポリマーを提供するステップと、前記フルオロポリマーを電子ビーム放射線に曝露して、架橋の形成をもたらすステップとを含む。典型的には、本発明に従う方法は、前記フルオロポリマーを、典型的に90ミクロン以下の厚さを有し、より典型的には60ミクロン以下、そして最も典型的には30ミクロン以下の厚さを有する膜に形成するステップを更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋ポリマーの製造方法およびそのように製造されたポリマーに関し、該方法は、式−SOX(式中、XはF、Cl、Br、OH、または−Oであり、ここでMは一価のカチオンである)に従う基を含有するペンダント基を含む高フッ素化フルオロポリマー、一般的にはペルフッ素化フルオロポリマーを提供するステップと、前記フルオロポリマーを電子ビーム放射線に曝露して、架橋の形成をもたらすステップとを含む。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,230,549号明細書は、その称するところでは、放射線グラフト化技法により製造され、電気化学セルにおいて使用されるポリマー膜を開示する。
【0003】
米国特許第6,225,368号明細書および同第6,387,964号明細書は、その称するところでは、放射線架橋およびグラフト化により製造されたモノマーグラフト化架橋ポリマーを開示する。いくつかの実施形態では、モノマーグラフト化架橋ポリマーは、フルオロポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、モノマーグラフト化架橋ポリマーは次にスルホン化されて、電気化学セルにおけるイオン交換膜として使用され得る。
【0004】
米国特許第6,255,370号明細書は、その称するところでは、固体高分子電解質膜を含む固体高分子電解質燃料電池を開示しており、負電極に隣接して、固体高分子電解質膜の含水量はより多い。1つの態様では、含水量は、その称するところでは、膜の架橋度を制御することにより制御される。この参照文献には、「側鎖が主鎖コポリマーのフィルム内に導入されるときに、側鎖のための材料または架橋材料はフィルムの一方の表面のみと接触され、それによって、フィルム内でこのように形成される側鎖の濃度またはフィルムの架橋度は、意図されるように制御され得る」と記載されている(370号特許、5欄、57−61行)。このような処理の後、スルホン化が行われる(370号特許、6欄、31〜48行)。
【0005】
米国特許第5,260,351号明細書は、その称するところでは、硬化剤を存在させずに放射線により硬化されるペルフルオロエラストマーを開示する。この参照文献は、その称するところでは、テトラフルオロエチレンと、ペルフルオロアルキルペルフルオロビニルエーテルと、得られるターポリマー中にニトリル、ペルフルオロフェニル、臭素またはヨウ素のうちの少なくとも1つをもたらす硬化部位または架橋単位とから調製されるものなどの完全フッ素化ポリマーの硬化に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡潔に言うと、本発明は、式−SOX(式中、XはF、Cl、Br、OHまたは−Oであり、ここでMは一価のカチオンである)に従う基を含有するペンダント基を含む高フッ素化フルオロポリマー、典型的にはペルフッ素化フルオロポリマーを提供するステップと、前記フルオロポリマーを電子ビーム放射線に曝露して、架橋の形成をもたらすステップとを含む架橋ポリマーの製造方法を提供する。ペンダント基は、典型的には、式−R−SOXに従い、式中Rは、1〜15個の炭素原子および0〜4個の酸素原子を含む分枝または非分枝状のペルフルオロアルキルまたはペルフルオロエーテル基であり、最も典型的には−O−(CF−SOXである。典型的には、本発明に従う方法は、前記フルオロポリマーを、典型的には90ミクロン以下の厚さ、より典型的には60ミクロン以下、そして最も典型的には30ミクロン以下の厚さを有する膜に形成するステップを更に含む。典型的には、電子ビーム放射は4Mrad以上の線量、より典型的には5Mrad以上、そして最も典型的には6Mrad以上の線量である。典型的には、電子ビーム放射は、14Mrad未満、より典型的には10Mrad未満の線量である。
【0007】
もう1つの態様では、本発明は、本発明の方法のいずれかに従って製造された架橋ポリマーを提供する。
当該技術分野において記載されておらず、本発明により提供されるのは、式−SOX(式中、XはF、Cl、Br、OH、または−Oである)に従う基を含有するペンダント基を含み、ポリマー電解質膜として使用するために典型的には膜であるポリマーを、電子ビーム放射線を用いて架橋する方法である。
【0008】
本出願では、
ポリマーの「当量」(EW)は、1当量の塩基を中和し得るポリマーの重量を意味し、
ポリマーの「水和物積(hydration product)」(HP)は、膜中に存在するスルホン酸基1当量につき膜により吸収された水の当量(モル)数にポリマーの当量を乗じた値を意味し、
「高フッ素化」は、40質量%以上、一般的には50質量%以上、そしてより典型的には60質量%以上の量のフッ素を含有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】2つの比較ポリマー(AおよびB)ならびに本発明に従う1つのポリマー(C)についての動的機械分析(DMA)結果を示すグラフである。
【図2】2つの比較ポリマー(0Mradおよび2Mrad)ならびに本発明に従う1つのポリマー(6Mrad)のTgを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、架橋ポリマーの製造方法を提供する。架橋すべきポリマーは、式−SOXに従う基を含有するペンダント基を含み、式中Xは、F、Cl、Br、OH、または−Oであり、ここでMは一価のカチオン、典型的には、Naなどのアルカリ金属カチオンであるが、最も典型的にはOHである。このようなポリマーは、燃料電池などの電解槽において使用されるようなポリマー電解質膜(PEM)の製造において有用であり得る。
【0011】
本発明に従う架橋ポリマーから製造されるPEMは、燃料電池で使用するための膜電極アセンブリ(MEA)の組立において使用することができる。MEAは、水素燃料電池などのプロトン交換膜燃料電池の中心となる要素である。燃料電池は、水素などの燃料と、酸素などの酸化剤との触媒される組み合わせによって使用可能な電気を生成する電気化学セルである。典型的なMEAは、固体電解質としての役割を果たすポリマー電解質膜(PEM)(イオン導電性膜(ICM)としても知られる)を含む。PEMの一方の面はアノード電極層と接触し、反対側の面はカソード電極層と接触する。各電極層は典型的には白金金属などの電気化学触媒を含む。気体拡散層(GDL)は、アノードおよびカソード電極材料との間の気体の輸送を容易にし、電流を導く。またGDLは、流体輸送層(FTL)またはディフューザ/電流コレクタ(DCC)と呼ばれることもある。アノードおよびカソード電極層は触媒インクの形態でGDLに施され、得られた被覆GDLはPEMと重ね合わせられ、5層MEAを形成することができる。あるいは、アノードおよびカソード電極層は触媒インクの形態でPEMの反対側に施され、得られた触媒被覆膜(CCM)は2つのGDLと重ね合わせられ、5層MEAを形成することができる。5層MEAの5つの層は、順に、アノードGDL、アノード電極層、PEM、カソード電極層、およびカソードGDLである。典型的なPEM燃料電池では、水素酸化によりアノードでプロトンが形成され、PEMを横切ってカソードへ輸送されて酸素と反応し、電極を接続する外部回路に電流を流させる。PEMは、耐久性、非多孔性、非導電性の機械的バリアを反応ガスの間に形成するが、Hイオンを容易に通過させる。
【0012】
架橋すべきポリマーは、分枝状でも非分枝状でもよいが典型的には非分枝状の骨格を含む。骨格は高フッ素化されており、より典型的にはペルフッ素化されたものである。骨格は、テトラフルオロエチレン(TFE)から誘導される単位と、式CF=CY−R(式中、Yは一般的にはFであるが、CFでもよく、Rは、式−SOX(式中、XはF、Cl、Br、OH、または−Oであり、ここでM+は一価のカチオンであり、典型的にはNaなどのアルカリ金属カチオンである)に従う基を含むペンダント基である)に従う少なくとも1つのものを典型的には含むコモノマーから誘導される単位とを含むことができる。Xは最も典型的にはOHである。別の実施形態では、側基Rは、グラフトすることにより骨格に付加することができる。典型的に、側基Rは高フッ素化されており、より典型的にはペルフッ素化されている。Rは、芳香族でも芳香族でなくてもよい。典型的に、Rは−R−SOXであり、式中R1は、1〜15個の炭素原子および0〜4個の酸素原子を含む分枝または非分枝状のペルフルオロアルキルまたはペルフルオロエーテル基である。R1は典型的には−O−R‐であり、式中Rは、1〜15個の炭素原子および0〜4個の酸素原子を含む分枝または非分枝状のペルフルオロアルキルまたはペルフルオロエーテル基である。Rはより典型的には−O−R−であり、式中Rは、1〜15個の炭素原子を含むペルフルオロアルキル基である。Rの例としては、
−(CF−(式中nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である)、
(−CFCF(CF)−)(式中nは、1、2、3、4または5である)、
(−CF(CF)CF−)(式中nは、1、2、3、4または5である)、
(−CFCF(CF)−)−CF−(式中nは、1、2、3または4である)、
(−O−CFCF−)n(式中nは、1、2、3、4、5、6または7である)、
(−O−CFCFCF−)(式中nは、1、2、3、4または5である)、
(−O−CFCFCFCF−)(式中nは、1、2または3である)、
(−O−CFCF(CF)−)n(式中nは、1、2、3、4または5である)、
(−O−CFCF(CFCF)−)(式中nは、1、2または3である)、
(−O−CF(CF)CF−)(式中nは、1、2、3、4または5である)、
(−O−CF(CFCF)CF−)n(式中nは、1、2または3である)、
(−O−CFCF(CF)−)−O−CFCF−(式中nは、1、2、3または4である)、
(−O−CFCF(CFCF)−)−O−CFCF−(式中nは、1、2または3である)、
(−O−CF(CF)CF−)−O−CFCF−(式中nは、1、2、3または4である)、
(−O−CF(CFCF)CF−)−O−CFCF−(式中nは、1、2または3である)、
−O−(CF−(式中nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14である)
があげられる。
Rは、典型的には、−O−CFCFCFCF−SOXまたは−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOXであり、最も典型的には−O−CFCFCFCF−SOXであり、式中Xは、F、Cl、Br、OH、または−Oであるが、最も典型的にはOHである。
【0013】
式Iに従うフルオロモノマーは、米国特許第6,624,328号明細書に開示される方法を含む適切な手段によって合成することができる。
【0014】
架橋すべきポリマーは、バッチ式でも連続式でもよい乳化重合、押出重合、超臨界二酸化炭素中での重合、溶液または懸濁重合などを含む適切な方法によって製造することができる。
【0015】
酸官能性ペンダント基は、典型的には、15,000よりも多い水和物(HP)、より典型的には18,000よりも多く、より典型的には22,000よりも多く、そして最も典型的には25,000よりも多い水和物(HP)をもたらすのに十分な量で存在する。概して、より高いHPはより高いイオン導電率と相関する。
【0016】
酸官能性ペンダント基は、典型的には、1200よりも小さい当量(EW)、より典型的には1100よりも小さく、より典型的には1000よりも小さく、より典型的には900よりも小さい当量(EW)をもたらすのに十分な量で存在する。
【0017】
典型的には、ポリマーは、架橋の前に膜に形成される。適切な膜形成方法が使用され得る。ポリマーは、典型的には、懸濁液から注型される。バーコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング、ブラシコーティングなどを含む適切なキャスティング方法を使用することができる。あるいは、膜は、押出などの溶融方法において、ニートポリマー(neat polymer)から形成されてもよい。形成後、膜は、典型的には120℃以上、より典型的には130℃以上、最も典型的には150℃以上の温度でアニールされ得る。典型的には、膜は、90ミクロン以下、より典型的には60ミクロン以下、そして最も典型的には30ミクロン以下の厚さを有する。より薄い膜は、イオンの通過に対してより低い抵抗を提供することができる。燃料電池の使用では、この結果、より低温の動作(cooler operation)が得られる場合があり、使用可能なエネルギー出力が大きくなる。より薄い膜は、使用時にその構造の完全性を保持する材料から製造されなければならない。
【0018】
架橋ステップは、フルオロポリマーを電子ビーム放射線に暴露して、架橋の形成をもたらすステップを含む。典型的には、電子ビーム放射線は、4Mrad以上、より典型的には5Mrad以上、そして最も典型的には6Mrad以上の線量である。典型的には、電子ビーム放射線は、14Mrad未満、より典型的には10Mrad未満の線量である。適切な装置を使用することができる。連続的な暴露方法を用いてロールグッド(roll good)膜を処理することができる。
【0019】
必要に応じて、架橋剤が添加されてもよい。架橋剤は、膜に形成する前にポリマーとブレンドすることと、例えば架橋剤の溶液中に浸漬して架橋剤を膜に施すこととを含む適切な方法によって添加することができる。典型的な架橋剤としては、多官能性アルケン、多官能性アクリレート、多官能性ビニルエーテルなどの多官能性化合物が挙げられ、フッ素化されていなくても低レベルにフッ素化されていてもよいが、より典型的には高フッ素化されており、より典型的にはペルフッ素化されている。
【0020】
更なる実施形態では、ポリマーは、架橋の前に、典型的には90ミクロン以下、より典型的には60ミクロン以下、そして最も典型的には30ミクロン以下の厚さを有する薄膜形態である多孔性支持マトリックス内に吸収され得る。過圧、真空、ウィッキング、浸漬などを含む、ポリマーを支持マトリックスの細孔内に吸収する適切な方法を使用することができる。ブレンドは、架橋の際にマトリックス内に埋め込まれる。適切な支持マトリックスを使用することができる。典型的には、支持マトリックスは非導電性である。典型的には、支持マトリックスはフルオロポリマーで構成され、より典型的にはペルフッ素化されている。典型的なマトリックスとしては、2軸延伸PTFEウェブなどの多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がある。
【0021】
本発明の方法に従って製造されたポリマーおよび膜は、架橋の配置、酸官能基の配置、ペンダント基上の架橋または架橋上の酸官能基の有無などにおいて、その他の方法で製造されたものとは化学構造が異なり得ることが理解されるであろう。
【0022】
本発明は、燃料電池などの電解槽において使用するための強化ポリマー電解質膜の製造において有用である。
【0023】
本発明の目的および利点は、以下の実施例によって更に説明されるが、これらの実施例において列挙される特定の材料およびその量、ならびにその他の条件および詳細は、本発明を不当に限定すると解釈されてはならない。
【実施例】
【0024】
他に言及されない限り、全ての試薬は、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)から入手した。または入手可能である。もしくは、既知の方法によって合成することができる。
【0025】
ポリマー
本発明の実施例において使用されるポリマー電解質は、テトラフルオロエチレン(TFEと、米国特許第6,624,328号明細書に開示される方法により合成したCF=CF−O−(CF−SOF(MV4S)との乳化共重合によって製造した。
【0026】
ウルトラ‐タラックス(ULTRA‐TURRAX(登録商標))モデルT25分散器S25KV‐25F(独国スタウフェンのイカ‐ベルケ社(IKA‐Werke GmbH & Co.KG,Staufen,Germany))を用い、高せん断(24,000rpm)下で、MV4SをAPFO乳化剤(ペルフルオロオクタン酸アンモニウム、C15COONH)と共に水中で2分間予備乳化した。インペラ攪拌システムを備えた重合釜に、脱イオン水を入れた。釜を50℃まで加熱し、次に予備乳化物を無酸素の重合釜に入れた。50℃において、釜に、6バールの絶対反応圧力まで、気体のテトラフルオロエチレン(TFE)を更に入れた。50℃で240rpmの攪拌速度において、二亜硫酸ナトリウムおよびペルオキソ二硫酸アンモニウムの添加によって重合を開始させた。反応の過程において、反応温度を50℃に保持した。追加のTFEを気相中に供給することによって、反応圧力を6バールの絶対圧力に保持した。上記のとおりに第2のMV4S予備乳化物部分を調製した。反応の過程で、第2の予備乳化物部分を液相中に連続的に供給した。
【0027】
追加のTFEを供給した後、モノマーバルブを閉鎖して、モノマーの供給を遮断した。連続する重合によりモノマー気相の圧力は約2バールに低下した。その時点で、反応容器を通気し、窒素ガスを流した。
【0028】
こうして得られたポリマー分散液を、2〜3当量のLiOHおよび2当量のLiCO(フッ化スルホニル濃度に基づく当量)ならびに十分な水と混合し、20%ポリマー固形分の混合物を製造した。この混合物を4時間、250℃に加熱した。これらの条件下で、ほとんど(>95%)のポリマーが分散された。分散液をろ過して、LiFおよび分散していないポリマーを除去し、次に、三菱ダイヤイオン(Mitsubishi Diaion)SKT10Lイオン交換樹脂でイオン交換して、アイオノマーの酸形態を与えた。得られたポリマー電解質は、式−O−(CF−SOHに従う酸側鎖を有するペルフッ素化ポリマーである。得られた混合物は、18〜19%ポリマー固形分の酸分散液であった。この分散液をn‐プロパノールと混合し、次に真空で濃縮して、約30%水/70%n‐プロパノールの水/n‐プロパノール溶媒混合物中、所望の20%固形分の分散液を与えた。この基本の分散液を用いて膜を注型した。
【0029】

20%固形分を含有する水/プロパノール懸濁液(40%水/60%n‐プロパノール)から、ナイフコーティングによりガラスプレート上に、試験用のポリマー膜アセンブリを注型し、80℃で10分間乾燥させ、200℃で10分間アニールした。得られたフィルムの厚さは、約30ミクロンであった。次にフィルムをガラスプレートから取外し、ストリップに切断し、ポリエチレンバッグ内に入れて窒素でパージした。
【0030】
E‐ビーム
膜サンプルをe‐ビーム源(エネルギー・サイエンシーズ(Energy Sciences)CB300、マサチューセッツ州ウィルミルトンのエネルギー・サイエンシーズ社(Energy Sciences,Inc.,Wilmington,Massachusetts)に暴露した。1パスあたり2Mradに線量を制御した。サンプルに、全部で0、2または6Mradのe‐ビームの線量のために、0、1または3パスを受けさせた。
【0031】
分析
0、2または6Mradのe‐ビーム線量に曝露したサンプルについて、動的機械分析(DMA)によってTgを測定した。DMAでは、試験すべきポリマーのサンプルは、振動力を加えて、その結果生じるサンプルの変位を測定する試験装置内に固定される。この方法は、温度制御された環境で実行される。温度は、測定が行われるにつれて上方へ傾斜される。このデータから、装置は、通常、サンプルの弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、および減衰率(タンデルタ)を、温度の関数として計算、記録および表示する。Tgは、タンデルタが最大であるように取られる。
【0032】
本発明の実施例では、レオメトリックス・ソリッド・アナライザ(Rheometrics Solid Analyzer)RSA II(米国デラウェア州ニューカッスルのTAインストルメンツ(TA Instruments,New Castle,Delaware,USA))を1ヘルツ(6.28rad/秒)の周波数で使用した。約6.5mm幅×約25mm長さのサンプルの薄いストリップを試験した。測定は、25℃〜200℃の温度範囲にわたって張力をかけて行った。
【0033】
図1は、各線量におけるDMA結果を示すグラフである。トレースAは0Mrad(比較)を表し、トレースBは2Mrad(比較)を表し、トレースCは6Mrad(本発明)を表す。図2は、各線量におけるTgを示すグラフであり、Tgは、図1に表されるタンデルタデータの最大値として取られる。6Mradのe‐ビーム放射に暴露されたサンプルではTgが上昇し、架橋が生じたことを示す。
【0034】
本発明の様々な修正および変更は、本発明の範囲および原理から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。そして、本発明が上文に記載された説明的な実施形態に不当に限定されてはならないことは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式−SOX(式中、XはF、Cl、Br、OHまたは−Oであり、ここでMは一価のカチオンである)に従う基を含有するペンダント基を含む高フッ素化フルオロポリマーを提供するステップと、
b)前記フルオロポリマーを電子ビーム放射線に曝露して、架橋の形成をもたらすステップと、
を含む架橋ポリマーの製造方法。
【請求項2】
前記方法が、前記ステップb)の前に、
c)前記フルオロポリマーを膜に形成するステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記膜が、90ミクロン以下の厚さを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップc)が、前記フルオロポリマーを多孔性支持マトリックス内に吸収させることを含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔性支持マトリックスが、多孔性ポリテトラフルオロエチレンウェブである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フルオロポリマーを電子ビーム放射線に曝露する前記ステップが、前記フルオロポリマーを4Mradよりも大きい電子ビーム放射線に曝露することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記高フッ素化フルオロポリマーが、ペルフッ素化されたものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ペンダント基が、式−R−SOX(式中、Rは、1〜15個の炭素原子および0〜4個の酸素原子を含む分枝または非分枝状のペルフルオロアルキルまたはペルフルオロエーテル基であり、XはF、Cl、Br、OHまたは−Oであり、ここでMは一価のカチオンである)に従う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ペンダント基が、式−O−(CF−SOX(式中、XはF、Cl、Br、OHまたは−Oであり、ここでMは一価のカチオンである)に従う基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法に従って製造された架橋ポリマーを含むポリマー電解質膜。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−180529(P2012−180529A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−118371(P2012−118371)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【分割の表示】特願2006−539505(P2006−539505)の分割
【原出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】