一体成型ワイパを備えた化粧品パッケージ
基本要素、チューブ状容器及びアプリケータ棒が、単一本体として一体形成された、剛性のある低コスト化粧品容器が提供される。棒は、アプリケータ端部の形にプロダクトリザーバ内に容器の上部から内側に延びている。棒は容器の上端部から上向きに延びて、販売用のパッケージ上のキャップに近い寸法で設けることができるハンドルを形成する。容器及び棒は、容器の上端部で壊れやすい接続部によって分離されている。壊れやすい接続部。容器側壁面の底部縁は、プロダクトリザーバがある量のプロダクトで充填された後に、容器を挟む及び気密に密封することを可能にするように、実質的に縮小した厚さを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、化粧品プロダクトパッケージに関する。より詳細には、本発明は、分配されたプロダクトを計測するための一体型ワイパ手段と成型された化粧品プロダクトパッケージを対象としている。
【背景技術】
【０００２】
低コストの容器は、化粧品分野において少なくとも二つの重要な役割を果たす、すなわち単位用量ディスペンサ又はサンプラとして働く。単位用量ディスペンサは便利には、ユーザに予め計測した量のプロダクト、例えば一回のトリートメント又は塗布に十分なプロダクトを与える。サンプラ（プロダクトのサンプル寸法パッケージ）は普通、消費者に無料で提供され、それによって消費者は購入の決定を行なう前に、限られた量のプロダクトを経験することができる。サンプラに関して、プロダクトをサンプリングする経験が、販売用のパッケージ（購入用のパッケージ）を使用する経験に極めて近いことが重要である。
【０００３】
現在のサンプラはしばしば、販売用のパッケージのより縮小したバージョンである。例えば、マスカラ・プロダクト・サンプラはしばしば、ねじ付ネック及びキャップ、棒、ブラシ・アプリケータ及びエラストマー・ワイパ・インサートを有する販売用タイプの再密封可能な容器を備えた、販売用のパッケージの容量を少なくしたバージョンである。このようなサンプラは、部品の数及び品質（ボトル、キャップ、棒、ブラシ、ワイパ）、構造の複雑性、組立及び充填により、そのコストが比較的高くなる。
【０００４】
より高価でないボトル、圧搾チューブ又はブリスタパックを、それぞれブロー成型、押出又は真空成形することによって、代替サンプラを作ることができる。しかし、これらのあまり高価ではない代替物は、販売用のパッケージを使用する経験にほぼ近い品質サンプリング経験を与えることができない。さらに、これらの代替サンプラパッケージは、一般に非剛性であるので、ユーザは不注意でパッケージに多くの圧力を加えすぎ、望ましくない量のプロダクトを不用意に放出する又は吐き出す可能性がある。
【０００５】
ベネット(Bennett)の米国特許第4,732,287号及び第4,711,354号は、それぞれ開口部を備えた細長い中空円筒形容器、及び拡大部を容器の開口部内に密封又は溶接した状態で、容器内に設けられた細長いプラスチック物体（アプリケータ棒）を含む化粧品ディスペンサを開示している。基本的なディスペンサは、別々に製造され、その後に組み立てられる少なくとも二つの主な構成部品、円筒形容器及び物体（アプリケータ棒）を必要とし、それによって製造費用が増加する。プロダクトを計測するような寸法をしているワイパが設けられているようには見えない。
【０００６】
エルダー・ジュニア(Elder,Jr.)他の米国特許第2,814,420号は、チューブ状本体、本体の一端部に延びている円錐台形部、及び円錐台形部に破断可能な環状区域によって結合された柄を備えた密封されたパッケージ及び容器を開示している。本体、円錐台形部及び柄は、一体部分として形成されている。チューブ状本体は、プロダクトリザーバからプロダクトを放出するのを容易にするように圧搾することができる。したがって、ユーザが不注意に余分な圧力を加えた場合に、通常の処理中にプロダクトが不注意に放出される可能性がある。この問題を避けるために、円錐台形部は、本体内に延びる位置から本体から外向きに延びる位置にユーザによって反転される。この特徴はプロダクトの不注意な放出の発生を少なくすると考えられるが、問題を完全になくすことはできない。加えて、柄は円錐台形部の下に下向きに延びておらず、それによって柄を容器内のプロダクト内に浸漬させることが、不可能ではないとしても難しいと考えられる。アプリケータとして使用するためには、チューブ状本体からプロダクトを搾り出して柄をプロダクトで充填する必要があると考えられる。
【０００７】
クリスチャンセン(Kristiansen)の米国特許第6,039,487号は、容器の上端部から延びるチューブからなっている使い捨てディスペンサを開示している。容器の開口底端部は、容器がプロダクトで充填された後に密封される。充填及び密封前に、アプリケータ棒は、アプリケータ棒の上端部を摩擦嵌めで内部に受けるようになっているチューブに挿入される。チューブ及び容器のネックが結合された領域は弱くなっており、それによってチューブを容器から破断して分離することができる。プロダクトを計測するような寸法をしているワイパが設けられているようには見えない。
【０００８】
コートウェグ(Kortweg)の米国特許第4,952,204号は、ドライハンドル・スワッブ・アセンブリ及びユニットを開示している。コートウェグ特許は、クリスチャンセン特許で開示されているものとほぼ同じである、すなわちアプリケータ棒がチューブ内に固定された状態で、チューブが容器の上端部から延びている。コートウェグ特許は、ワイパを開示していない。
【０００９】
ロウ(Rowe)他の米国特許第5,826,600号は、クリスチャンセン特許に開示されているものとほぼ同じである、使い捨てのドライハンドル・マスカラ・アプリケータ・アセンブリを開示している、すなわちアプリケータ棒がチューブ内に固定された状態で、チューブが容器の上端部から延びている。ロウ他の特許は、アプリケータ棒がパッケージから引き出されたときに、アプリケータブラシから余分なプロダクトを取り除くような寸法をしているワイパを開示している。残念なことに、ロウ他の特許のワイパ装置は、一方向装置であると考えられる。ワイパを通してアプリケータブラシをパッケージ内に戻すあらゆる試みは、余分なマスカラがパッケージの外側に被着されるという結果となった。明らかに、これはユーザにとって望ましくない結果である。
【００１０】
モントリ(Montoli)の米国特許第6,709,181号は、販売用のパッケージと構造がほぼ同様の、すなわちねじ付ネックとキャップ、棒、ブラシ・アプリケータ及びエラストマー・ワイパ・インサートを有する再密封可能な容器を備えた、マスカラ・プロダクト・サンプラを開示している。製造及び組立の相対的複雑性は、自明のことである。
【００１１】
したがって、最小数の部品で作られ、より複雑でない剛性容器であって、プロダクトリザーバ内に延びたアプリケータと、該アプリケータでパッケージから引き出されたプロダクトを計測することが可能な一体型ワイパと、を備えた容器が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
本発明の目的は、単純であり、最小数の部品で実質的に完成する化粧品容器を提供することである。
【００１３】
本発明の別の目的は、販売用の、サンプラ又は単位用量ディスペンサとしての使用に適した化粧品容器を提供することである。
【００１４】
本発明のさらに別の目的は、従来のアプリケータヘッド、例えばより線マスカラブラシの追加することで機能を向上させることができる基本的に二部品の化粧品容器を提供することである。
【００１５】
本発明の別の目的は、本体の内に格納されたアプリケータを保護し、使用中のプロダクト放出を防ぐ上で十分に剛性があるプロダクトリザーバ本体を備えた化粧品容器を提供することである。
【００１６】
本発明の別の目的は、より費用のかかる容器の外観及び感触を実質的に模倣した低コストの化粧品容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
したがって、基本要素、剛性のあるチューブ状容器、ネック、及びプロダクトを計測する寸法とされたワイパが、第一の単一本体として一体的に形成されている、剛性のある化粧品容器が提供される。ネックはクロージャを受けるようになっている。環状ワイパはネックから内部に懸架している。ワイパは、ネック通路と流体位置合わせされている孔を有する。孔は、棒が例えば、アプリケータから余分なプロダクトを取り除く、又はプロダクトをアプリケータ上により均一に分配するために引き出された場合に、プロダクトを計測するように選択された所定の寸法を有する。側壁面は、ネックから外部に懸架して、プロダクト貯蔵リザーバを画定する剛性ハウジングを形成する。側壁面は、本体の底端部を画定する底部縁で終端する。ネックと底部縁の間の側壁面の第一の実質的に剛性のあるチューブ状部は、変形に実質的に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。底部縁を含む側壁面の第二の部分は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、第二の厚さは、本体の底端部を気密に密封するように、底部縁を挟むことを可能にするように選択される。
【００１８】
棒は、キャップ（クロージャ）及びアプリケータ端部を備えた柄を含む第二の単一本体の形で提供される。柄は、ワイパを通してプロダクトリザーバ内にキャップから下向きに延びるようになっている。
【００１９】
棒のアプリケータ端部は、例えばプロダクトを取り出すためのディッパとして使用することができる、又はプロダクト装填及び/又はプロダクトの運搬を良くするために構造（例えば、溝、頂上部、孔、窪み）、又はスパチュラ状の平らな部分で向上させることができる。別の方法では、アプリケータをこれに固定することによって、アプリケータ端部を向上させることができる。例えば、スポンジ、繊維状物質、フロック加工又はブラシをアプリケータ端部に固定させて、プロダクトサンプルの装填及び配給性を向上させることができる。
【００２０】
本発明の化粧品容器は圧搾チューブタイプの容器のように見えるが、容器は実際には実質的に剛性である。すなわち、このタイプのパッケージの典型的な操作に関連する圧力下では実質的に非可撓性である。したがって、プロダクト及びアプリケータは十分に保護されており、処理中の不注意な流出又はプロダクト放出が実質的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明の化粧品パッケージの断面斜視図である。
【図２】化粧品パッケージと取り外された状態の棒の正面図である。
【図３】化粧品パッケージと取り外された状態の棒の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
次に図１〜３を参照すると、化粧品容器が参照番号1で全体的に示されている。化粧品容器は、ネック4、環状ワイパ6及び側壁面8を備えた一体成型された第一の単一本体2を備えている。上端壁面5は、ネックと側壁面8の間に設けることができる、又は側壁面8は、干渉構造のないネック4から直接懸架することができる。ネック4は、ネック通路10を画定する。ネック4は、例えば外部ねじ山12を備えることによって、キャップを受けるようになっている。ネック4はさらに、ネック通路10を通して長手軸14を画定する。環状ワイパ6は、ネック4から内部に懸架する。ワイパ6は、長手軸上に位置合わせされ、ネック通路10と流体位置合わせされた孔16を有する。孔16は、容器から引き出されたプロダクトを計測するのに適した所定の寸法を有する。側壁面8は、ネック4から外部に懸架して、孔16及びネック通路10と流体連通しているプロダクトリザーバ20を画定するチューブ状ハウジング18を形成する。側壁面は、第一の本体2の底端部24を画定する底部縁22で終端する。底端部24は、プロダクトリザーバ20への代替アクセスを提供する一時的充填通路27を画定する。ネック4と底部縁22の間の側壁面8の実質的に剛性のある第一のチューブ状部26は、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。底部縁22を含む側壁面の第二の部分28は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、第二の厚さは、プロダクトリザーバ20が充填通路27を通して充填された後に、一時的充填通路27を閉じ、第一の本体2の底端部24を（図２及び３に示すように）気密に密封するように、底部縁22を挟むことを可能にするように選択される。側壁面8の第二の部分28の上部は、破線32によってだいたい示されている。線32から、第二の部分28は、底端部24まで下に続いている。第二の厚さは、第二の部分28の高さを通して一定であってもよい、又は底端部24に近づくと共により薄くなるように次第にテーパ状になっていてもよい。
【００２３】
棒34は、パッケージ内に設けられる。棒は、一体成型された第二の単一本体36を備えている。第二の単一本体36は、キャップ38、柄42及びアプリケータ端部44を有する。キャップ38は、第二の本体36の第一の端部にある。キャップ38は、例えば、ネック4上の外部ねじ山12と協働するような寸法をしている内部ねじ山40によって受けられ、ネック4に固定されるようになっている。柄42は、アプリケータ端部44までキャップ38から懸架している。キャップ38がネック4に固定されると、柄42は側壁面8の実質的に剛性の第一のチューブ状部分26によって保護されるプロダクト貯蔵リザーバ20の一部にアプリケータ端部44を位置決めするように、長手軸14に沿ってネック4及びワイパ6を通して延びている。
【００２４】
アプリケータ46は、アプリケータ端部44に固定することができる。アプリケータ46は、例えば、スポンジ、繊維状パッド、ブラシ、エラストマーパドルなどの任意のよく知られているアプリケータ形態又は構造を備えることができる。アプリケータは、より線芯マスカラブラシ（図１〜３に略図的に示す）であることが好ましい。
【００２５】
ワイパ6内の孔16の所定の寸法は、棒34が容器から引き出された時に、プロダクトを計測するように選択される。計測する又は計測という用語は、例えば、棒のアプリケータ端部、又は棒のアプリケータ端部に取り付けられたアプリケータ上のプロダクトの量又は分配に影響を与えるように選択されることを意味していることを理解されたい。例えば、ワイパは余分なプロダクトを取り除く、又はプロダクトをアプリケータ端部又はアプリケータ上により均一に再分配する。
【００２６】
プロダクトリザーバ20は、底部縁22が挟まれ気密に密封された後に（密封した底部縁は、図２及び３に示されている）、充填することができる。この場合、プロダクトリザーバは、ネック4を通して、すなわちワイパ6内の孔16を通してプロダクトを射出することによって充填される。充填の後に、キャップ38はネック上にしっかり設置されて、プロダクトをパッケージ内に密封する。
【００２７】
別の方法では、キャップ38は、プロダクトリザーバを充填する前にしっかり設置することができる。この代替形態の場合、プロダクトリザーバは、一時的充填通路27を通してプロダクトを射出することによって充填される。プロダクトリザーバを充填した後に、底部縁22は挟まれ、気密に密封される。
【００２８】
底部縁22は、例えば、側壁面8の第二の部分29の小さくした壁面厚さを緩衝するように加熱することによって密封される。底部縁はその後、音波溶接、熱溶融、接着又は他の知られている方法によって結合するように共に挟まれる。好ましい実施形態では、底部縁22は、底部縁22の下縁部に沿って約５mm幅の部分を溶接することによって、充填通路27を気密に密封するように熱及び圧力を受けて挟まれる又は加締められる。
【００２９】
第一の単一本体2及び第二の単一本体36は、それぞれ射出成型によって単一ユニットとして一体的に形成される。これにより、製造費用がかなり少なくなる。
【００３０】
棒34のアプリケータ端部44は、化粧品プロダクトを装填し、これをユーザのトリートメント領域に運搬するように、ディッパとして利用することができる。別の方法では、プロダクト装填及び配給性を向上させるために、アプリケータ端部は、構造物、例えば孔、溝、窪み、パターン、又は成形、例えばスパチュラ（図示せず）で良くすることができる。しかし、アプリケータ端部44はさらに、図１〜３に示されたように、例えば、アプリケータ46（略図的に示す）をアプリケータ端部44に固定することによって、化粧品プロダクトの装填、輸送及び塗布を容易するようになっていることが好ましい。アプリケータ46は、繊維又は発泡パッド、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、フロック加工された先端、成形されたエラストマー先端、又は化粧品プロダクトを装填、輸送及び塗布するのに適した任意の他の手段の形をとることができる。圧入、接着又は音波溶接などの従来の手段によって、アプリケータ46を固定することができる。アプリケータ端部44は、例えば、アプリケータ46（図３）の芯50を受けるような寸法をしている間隙48を設けることによって、アプリケータ46を支持するようになっていることが好ましい。芯は、例えば、典型的なマスカラブラシの線芯などの、より線芯の形をとることができる。芯は、これに限らないが、接着、音波溶接、圧入、又は熱処理を含む任意の適切な手段によって、間隙に固定することができる。
【００３１】
好ましい実施形態では、本発明の充填及び密封された化粧品容器は、搾りチューブ型容器（図２、３参照）であるように見えるが、実際には容器にかなりの剛性があり、すなわちこのタイプのパッケージの典型的な操作に関連する圧力では実質的に非可撓性の容器である。容器の剛性は、いくつかの要因によるものである。最初に、第一の単一本体2は射出成型されている。射出成型されたこのタイプでこの寸法の容器は、例えば、押出、ブロー成型、又は真空成形された容器より剛性がある傾向がある。剛性は、第一の単一本体2の材料、及びネック4と底部縁22の間の側壁面8の厚みを選択することにより、変形に実質的に耐えるように更に強化される。また、側壁面8の材料及び厚さは、プロダクトとの適合性を最大化し、破断を防ぐように選択される。
【００３２】
容器を実質的に剛性にする一つの利点は、アプリケータ46が損傷又は変形から保護されるということである。これは、より線マスカラ・ブラシ・アプリケータ等の精密アプリケータにとって特に重要である。このようなブラシの毛は、可撓性容器壁面との恒常的又は繰り返される望ましくない接触によって損傷又は変形される可能性がある。剛性容器の別の極めて重要な利点は、ユーザがプロダクトを不注意でネック4を通じて搾り出すのを防ぐことである。これは、容器からの予期しないプロダクトの放出が起こす不都合な流出又は染みの可能性を防止する。
【００３３】
容器を実質的に剛性にする欠点は、パッケージの底部の気密密封が、側壁面8の不撓性により実質的により難しいということである。本発明者は、側壁面の底部縁22に近い側壁面の第二の部分28の側壁面8の厚さ（すなわち、破線32のほぼ下）を小さくすることによって、この問題を解消した。したがって、ネック4と破線32の間の第一の部分の側壁面8は、通常の使用で握られた又は搾られた場合の変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。破線32と底端部24の間の第二の部分の側壁面8は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有する。第二の厚さは、充填通路27を気密に密封することを可能にするのに十分なほど側壁面8の変形に対応するように選択されている。好ましい実施形態では、底部縁22は、プロダクトがプロダクト貯蔵リザーバ20内に充填される前又はその後の何れかに、溶接によって充填通路27を気密に密封するように、熱及び圧力を受けて挟まれる。
【００３４】
充填通路を密封するために底部縁22を挟むための代替形態として、充填通路27に嵌合するような寸法をしているプラグを挿入することができる。プラグは、接着、溶接、圧入、又は他の適切な手段によって底部縁9に気密に固定することができる。
【００３５】
キャップ38は、ユーザが把持するためのハンドルを提供する上向きの拡張中空シェル19を備えている。シェル19は、より高価な化粧品パッケージ上の典型的なキャップの寸法により近づく。本発明は、より高価な品目の外観と感触のある比較的低コストのプロダクトパッケージを消費者に提供し、それゆえ、より高いコストのパッケージングの経験に極めて近似したプロダクト品質の経験を、あまり高価でないパッケージで消費者に与える。中空シェル19は、開口端部31を有する。中空シェルハンドルの外観を改良するために、開口端部31は、接着、溶接又は圧入によって固定することができる適当な寸法のプラグにより閉じることができる。
【００３６】
マスカラ容器として使用するために、ワイパ6内の孔16は、約３．５mmから４．５mmの範囲の直径を有することができる。他の化粧品又はアプリケータは、必要に応じて、より大きい又はより縮小した開口部を要することがある。
【００３７】
第一の単一本体及び第二の単一本体はそれぞれ、射出成型によって単一部品で作られていることが好ましい。好ましい材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)である。別の方法では、材料は低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、又は他の適切なプラスチック材料であってもよい。各本体では、二つ以上の部分を備えた金型は、それぞれの本体を形成するような寸法をしているキャビティを備えている。適切な溶融プラスチックは、ゲートを通してそれぞれのキャビティに射出される。ゲートは、キャビティの全ての部分に溶融プラスチックを流すのを容易にするように位置決めされている。金型は、溶融プラスチックを硬化させるのを可能にするのに十分なだけ冷却される。金型の部品はその後、完成された単一本体を解放するように分離される。単一本体が形成された後に、アプリケータは（必要に応じて）棒のアプリケータ端部に固定される。アプリケータは、ワイパを通して容器に柄を挿入する前に、棒に固定することができる。別の方法では、棒をネックに固定することができ、アプリケータを一時的充填通路27を通して棒のアプリケータ端部に固定することができる。別の代替形態として、溶融プラスチックを第二の本体（棒）用の金型内に射出する前に、例えばマスカラブラシなどのアプリケータは、ブラシの芯が棒のアプリケータ端部を形成するようになっているキャビティの一部に突出するように、金型に取り付けることができる。溶融プラスチックはその後、マスカラブラシ芯が中にしっかり埋め込まれた状態で、棒のアプリケータ端部を含む第二の単一本体が形成されるように射出される。したがって、マスカラブラシの芯は、最終位置にオーバーモールドされる。この方法により、第二の単一本体が形成された後に、マスカラブラシをアプリケータ端部内に別個に設置する必要性がなくなる。
【００３８】
本発明の化粧品容器は、サンプラ、一回使用のパッケージ、又は販売用のパッケージとしての使用に適した優れた低コストパッケージとして働く。この容器はより高価な販売用のパッケージの経験に近づく品質プロダクト経験をユーザに与える。パッケージは、マスカラ、リップグロス、アイシャドウ、リップライナ、口紅、ファンデーション、しわ取り又はしみ取りなどのトリートメントプロダクトに使用することができる。本発明は、低コストパッケージ解決法により利益が得られる任意の化粧品プロダクト用の理想的パッケージを提供する。
【００３９】
以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な部分の特定の形態と構成を、様々に変形と変更を行うことができることを理解されたい。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、化粧品プロダクトパッケージに関する。より詳細には、本発明は、分配されたプロダクトを計測するための一体型ワイパ手段と成型された化粧品プロダクトパッケージを対象としている。
【背景技術】
【０００２】
低コストの容器は、化粧品分野において少なくとも二つの重要な役割を果たす、すなわち単位用量ディスペンサ又はサンプラとして働く。単位用量ディスペンサは便利には、ユーザに予め計測した量のプロダクト、例えば一回のトリートメント又は塗布に十分なプロダクトを与える。サンプラ（プロダクトのサンプル寸法パッケージ）は普通、消費者に無料で提供され、それによって消費者は購入の決定を行なう前に、限られた量のプロダクトを経験することができる。サンプラに関して、プロダクトをサンプリングする経験が、販売用のパッケージ（購入用のパッケージ）を使用する経験に極めて近いことが重要である。
【０００３】
現在のサンプラはしばしば、販売用のパッケージのより縮小したバージョンである。例えば、マスカラ・プロダクト・サンプラはしばしば、ねじ付ネック及びキャップ、棒、ブラシ・アプリケータ及びエラストマー・ワイパ・インサートを有する販売用タイプの再密封可能な容器を備えた、販売用のパッケージの容量を少なくしたバージョンである。このようなサンプラは、部品の数及び品質（ボトル、キャップ、棒、ブラシ、ワイパ）、構造の複雑性、組立及び充填により、そのコストが比較的高くなる。
【０００４】
より高価でないボトル、圧搾チューブ又はブリスタパックを、それぞれブロー成型、押出又は真空成形することによって、代替サンプラを作ることができる。しかし、これらのあまり高価ではない代替物は、販売用のパッケージを使用する経験にほぼ近い品質サンプリング経験を与えることができない。さらに、これらの代替サンプラパッケージは、一般に非剛性であるので、ユーザは不注意でパッケージに多くの圧力を加えすぎ、望ましくない量のプロダクトを不用意に放出する又は吐き出す可能性がある。
【０００５】
ベネット(Bennett)の米国特許第4,732,287号及び第4,711,354号は、それぞれ開口部を備えた細長い中空円筒形容器、及び拡大部を容器の開口部内に密封又は溶接した状態で、容器内に設けられた細長いプラスチック物体（アプリケータ棒）を含む化粧品ディスペンサを開示している。基本的なディスペンサは、別々に製造され、その後に組み立てられる少なくとも二つの主な構成部品、円筒形容器及び物体（アプリケータ棒）を必要とし、それによって製造費用が増加する。プロダクトを計測するような寸法をしているワイパが設けられているようには見えない。
【０００６】
エルダー・ジュニア(Elder,Jr.)他の米国特許第2,814,420号は、チューブ状本体、本体の一端部に延びている円錐台形部、及び円錐台形部に破断可能な環状区域によって結合された柄を備えた密封されたパッケージ及び容器を開示している。本体、円錐台形部及び柄は、一体部分として形成されている。チューブ状本体は、プロダクトリザーバからプロダクトを放出するのを容易にするように圧搾することができる。したがって、ユーザが不注意に余分な圧力を加えた場合に、通常の処理中にプロダクトが不注意に放出される可能性がある。この問題を避けるために、円錐台形部は、本体内に延びる位置から本体から外向きに延びる位置にユーザによって反転される。この特徴はプロダクトの不注意な放出の発生を少なくすると考えられるが、問題を完全になくすことはできない。加えて、柄は円錐台形部の下に下向きに延びておらず、それによって柄を容器内のプロダクト内に浸漬させることが、不可能ではないとしても難しいと考えられる。アプリケータとして使用するためには、チューブ状本体からプロダクトを搾り出して柄をプロダクトで充填する必要があると考えられる。
【０００７】
クリスチャンセン(Kristiansen)の米国特許第6,039,487号は、容器の上端部から延びるチューブからなっている使い捨てディスペンサを開示している。容器の開口底端部は、容器がプロダクトで充填された後に密封される。充填及び密封前に、アプリケータ棒は、アプリケータ棒の上端部を摩擦嵌めで内部に受けるようになっているチューブに挿入される。チューブ及び容器のネックが結合された領域は弱くなっており、それによってチューブを容器から破断して分離することができる。プロダクトを計測するような寸法をしているワイパが設けられているようには見えない。
【０００８】
コートウェグ(Kortweg)の米国特許第4,952,204号は、ドライハンドル・スワッブ・アセンブリ及びユニットを開示している。コートウェグ特許は、クリスチャンセン特許で開示されているものとほぼ同じである、すなわちアプリケータ棒がチューブ内に固定された状態で、チューブが容器の上端部から延びている。コートウェグ特許は、ワイパを開示していない。
【０００９】
ロウ(Rowe)他の米国特許第5,826,600号は、クリスチャンセン特許に開示されているものとほぼ同じである、使い捨てのドライハンドル・マスカラ・アプリケータ・アセンブリを開示している、すなわちアプリケータ棒がチューブ内に固定された状態で、チューブが容器の上端部から延びている。ロウ他の特許は、アプリケータ棒がパッケージから引き出されたときに、アプリケータブラシから余分なプロダクトを取り除くような寸法をしているワイパを開示している。残念なことに、ロウ他の特許のワイパ装置は、一方向装置であると考えられる。ワイパを通してアプリケータブラシをパッケージ内に戻すあらゆる試みは、余分なマスカラがパッケージの外側に被着されるという結果となった。明らかに、これはユーザにとって望ましくない結果である。
【００１０】
モントリ(Montoli)の米国特許第6,709,181号は、販売用のパッケージと構造がほぼ同様の、すなわちねじ付ネックとキャップ、棒、ブラシ・アプリケータ及びエラストマー・ワイパ・インサートを有する再密封可能な容器を備えた、マスカラ・プロダクト・サンプラを開示している。製造及び組立の相対的複雑性は、自明のことである。
【００１１】
したがって、最小数の部品で作られ、より複雑でない剛性容器であって、プロダクトリザーバ内に延びたアプリケータと、該アプリケータでパッケージから引き出されたプロダクトを計測することが可能な一体型ワイパと、を備えた容器が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
本発明の目的は、単純であり、最小数の部品で実質的に完成する化粧品容器を提供することである。
【００１３】
本発明の別の目的は、販売用の、サンプラ又は単位用量ディスペンサとしての使用に適した化粧品容器を提供することである。
【００１４】
本発明のさらに別の目的は、従来のアプリケータヘッド、例えばより線マスカラブラシの追加することで機能を向上させることができる基本的に二部品の化粧品容器を提供することである。
【００１５】
本発明の別の目的は、本体の内に格納されたアプリケータを保護し、使用中のプロダクト放出を防ぐ上で十分に剛性があるプロダクトリザーバ本体を備えた化粧品容器を提供することである。
【００１６】
本発明の別の目的は、より費用のかかる容器の外観及び感触を実質的に模倣した低コストの化粧品容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
したがって、基本要素、剛性のあるチューブ状容器、ネック、及びプロダクトを計測する寸法とされたワイパが、第一の単一本体として一体的に形成されている、剛性のある化粧品容器が提供される。ネックはクロージャを受けるようになっている。環状ワイパはネックから内部に懸架している。ワイパは、ネック通路と流体位置合わせされている孔を有する。孔は、棒が例えば、アプリケータから余分なプロダクトを取り除く、又はプロダクトをアプリケータ上により均一に分配するために引き出された場合に、プロダクトを計測するように選択された所定の寸法を有する。側壁面は、ネックから外部に懸架して、プロダクト貯蔵リザーバを画定する剛性ハウジングを形成する。側壁面は、本体の底端部を画定する底部縁で終端する。ネックと底部縁の間の側壁面の第一の実質的に剛性のあるチューブ状部は、変形に実質的に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。底部縁を含む側壁面の第二の部分は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、第二の厚さは、本体の底端部を気密に密封するように、底部縁を挟むことを可能にするように選択される。
【００１８】
棒は、キャップ（クロージャ）及びアプリケータ端部を備えた柄を含む第二の単一本体の形で提供される。柄は、ワイパを通してプロダクトリザーバ内にキャップから下向きに延びるようになっている。
【００１９】
棒のアプリケータ端部は、例えばプロダクトを取り出すためのディッパとして使用することができる、又はプロダクト装填及び/又はプロダクトの運搬を良くするために構造（例えば、溝、頂上部、孔、窪み）、又はスパチュラ状の平らな部分で向上させることができる。別の方法では、アプリケータをこれに固定することによって、アプリケータ端部を向上させることができる。例えば、スポンジ、繊維状物質、フロック加工又はブラシをアプリケータ端部に固定させて、プロダクトサンプルの装填及び配給性を向上させることができる。
【００２０】
本発明の化粧品容器は圧搾チューブタイプの容器のように見えるが、容器は実際には実質的に剛性である。すなわち、このタイプのパッケージの典型的な操作に関連する圧力下では実質的に非可撓性である。したがって、プロダクト及びアプリケータは十分に保護されており、処理中の不注意な流出又はプロダクト放出が実質的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明の化粧品パッケージの断面斜視図である。
【図２】化粧品パッケージと取り外された状態の棒の正面図である。
【図３】化粧品パッケージと取り外された状態の棒の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
次に図１〜３を参照すると、化粧品容器が参照番号1で全体的に示されている。化粧品容器は、ネック4、環状ワイパ6及び側壁面8を備えた一体成型された第一の単一本体2を備えている。上端壁面5は、ネックと側壁面8の間に設けることができる、又は側壁面8は、干渉構造のないネック4から直接懸架することができる。ネック4は、ネック通路10を画定する。ネック4は、例えば外部ねじ山12を備えることによって、キャップを受けるようになっている。ネック4はさらに、ネック通路10を通して長手軸14を画定する。環状ワイパ6は、ネック4から内部に懸架する。ワイパ6は、長手軸上に位置合わせされ、ネック通路10と流体位置合わせされた孔16を有する。孔16は、容器から引き出されたプロダクトを計測するのに適した所定の寸法を有する。側壁面8は、ネック4から外部に懸架して、孔16及びネック通路10と流体連通しているプロダクトリザーバ20を画定するチューブ状ハウジング18を形成する。側壁面は、第一の本体2の底端部24を画定する底部縁22で終端する。底端部24は、プロダクトリザーバ20への代替アクセスを提供する一時的充填通路27を画定する。ネック4と底部縁22の間の側壁面8の実質的に剛性のある第一のチューブ状部26は、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。底部縁22を含む側壁面の第二の部分28は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、第二の厚さは、プロダクトリザーバ20が充填通路27を通して充填された後に、一時的充填通路27を閉じ、第一の本体2の底端部24を（図２及び３に示すように）気密に密封するように、底部縁22を挟むことを可能にするように選択される。側壁面8の第二の部分28の上部は、破線32によってだいたい示されている。線32から、第二の部分28は、底端部24まで下に続いている。第二の厚さは、第二の部分28の高さを通して一定であってもよい、又は底端部24に近づくと共により薄くなるように次第にテーパ状になっていてもよい。
【００２３】
棒34は、パッケージ内に設けられる。棒は、一体成型された第二の単一本体36を備えている。第二の単一本体36は、キャップ38、柄42及びアプリケータ端部44を有する。キャップ38は、第二の本体36の第一の端部にある。キャップ38は、例えば、ネック4上の外部ねじ山12と協働するような寸法をしている内部ねじ山40によって受けられ、ネック4に固定されるようになっている。柄42は、アプリケータ端部44までキャップ38から懸架している。キャップ38がネック4に固定されると、柄42は側壁面8の実質的に剛性の第一のチューブ状部分26によって保護されるプロダクト貯蔵リザーバ20の一部にアプリケータ端部44を位置決めするように、長手軸14に沿ってネック4及びワイパ6を通して延びている。
【００２４】
アプリケータ46は、アプリケータ端部44に固定することができる。アプリケータ46は、例えば、スポンジ、繊維状パッド、ブラシ、エラストマーパドルなどの任意のよく知られているアプリケータ形態又は構造を備えることができる。アプリケータは、より線芯マスカラブラシ（図１〜３に略図的に示す）であることが好ましい。
【００２５】
ワイパ6内の孔16の所定の寸法は、棒34が容器から引き出された時に、プロダクトを計測するように選択される。計測する又は計測という用語は、例えば、棒のアプリケータ端部、又は棒のアプリケータ端部に取り付けられたアプリケータ上のプロダクトの量又は分配に影響を与えるように選択されることを意味していることを理解されたい。例えば、ワイパは余分なプロダクトを取り除く、又はプロダクトをアプリケータ端部又はアプリケータ上により均一に再分配する。
【００２６】
プロダクトリザーバ20は、底部縁22が挟まれ気密に密封された後に（密封した底部縁は、図２及び３に示されている）、充填することができる。この場合、プロダクトリザーバは、ネック4を通して、すなわちワイパ6内の孔16を通してプロダクトを射出することによって充填される。充填の後に、キャップ38はネック上にしっかり設置されて、プロダクトをパッケージ内に密封する。
【００２７】
別の方法では、キャップ38は、プロダクトリザーバを充填する前にしっかり設置することができる。この代替形態の場合、プロダクトリザーバは、一時的充填通路27を通してプロダクトを射出することによって充填される。プロダクトリザーバを充填した後に、底部縁22は挟まれ、気密に密封される。
【００２８】
底部縁22は、例えば、側壁面8の第二の部分29の小さくした壁面厚さを緩衝するように加熱することによって密封される。底部縁はその後、音波溶接、熱溶融、接着又は他の知られている方法によって結合するように共に挟まれる。好ましい実施形態では、底部縁22は、底部縁22の下縁部に沿って約５mm幅の部分を溶接することによって、充填通路27を気密に密封するように熱及び圧力を受けて挟まれる又は加締められる。
【００２９】
第一の単一本体2及び第二の単一本体36は、それぞれ射出成型によって単一ユニットとして一体的に形成される。これにより、製造費用がかなり少なくなる。
【００３０】
棒34のアプリケータ端部44は、化粧品プロダクトを装填し、これをユーザのトリートメント領域に運搬するように、ディッパとして利用することができる。別の方法では、プロダクト装填及び配給性を向上させるために、アプリケータ端部は、構造物、例えば孔、溝、窪み、パターン、又は成形、例えばスパチュラ（図示せず）で良くすることができる。しかし、アプリケータ端部44はさらに、図１〜３に示されたように、例えば、アプリケータ46（略図的に示す）をアプリケータ端部44に固定することによって、化粧品プロダクトの装填、輸送及び塗布を容易するようになっていることが好ましい。アプリケータ46は、繊維又は発泡パッド、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、フロック加工された先端、成形されたエラストマー先端、又は化粧品プロダクトを装填、輸送及び塗布するのに適した任意の他の手段の形をとることができる。圧入、接着又は音波溶接などの従来の手段によって、アプリケータ46を固定することができる。アプリケータ端部44は、例えば、アプリケータ46（図３）の芯50を受けるような寸法をしている間隙48を設けることによって、アプリケータ46を支持するようになっていることが好ましい。芯は、例えば、典型的なマスカラブラシの線芯などの、より線芯の形をとることができる。芯は、これに限らないが、接着、音波溶接、圧入、又は熱処理を含む任意の適切な手段によって、間隙に固定することができる。
【００３１】
好ましい実施形態では、本発明の充填及び密封された化粧品容器は、搾りチューブ型容器（図２、３参照）であるように見えるが、実際には容器にかなりの剛性があり、すなわちこのタイプのパッケージの典型的な操作に関連する圧力では実質的に非可撓性の容器である。容器の剛性は、いくつかの要因によるものである。最初に、第一の単一本体2は射出成型されている。射出成型されたこのタイプでこの寸法の容器は、例えば、押出、ブロー成型、又は真空成形された容器より剛性がある傾向がある。剛性は、第一の単一本体2の材料、及びネック4と底部縁22の間の側壁面8の厚みを選択することにより、変形に実質的に耐えるように更に強化される。また、側壁面8の材料及び厚さは、プロダクトとの適合性を最大化し、破断を防ぐように選択される。
【００３２】
容器を実質的に剛性にする一つの利点は、アプリケータ46が損傷又は変形から保護されるということである。これは、より線マスカラ・ブラシ・アプリケータ等の精密アプリケータにとって特に重要である。このようなブラシの毛は、可撓性容器壁面との恒常的又は繰り返される望ましくない接触によって損傷又は変形される可能性がある。剛性容器の別の極めて重要な利点は、ユーザがプロダクトを不注意でネック4を通じて搾り出すのを防ぐことである。これは、容器からの予期しないプロダクトの放出が起こす不都合な流出又は染みの可能性を防止する。
【００３３】
容器を実質的に剛性にする欠点は、パッケージの底部の気密密封が、側壁面8の不撓性により実質的により難しいということである。本発明者は、側壁面の底部縁22に近い側壁面の第二の部分28の側壁面8の厚さ（すなわち、破線32のほぼ下）を小さくすることによって、この問題を解消した。したがって、ネック4と破線32の間の第一の部分の側壁面8は、通常の使用で握られた又は搾られた場合の変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。破線32と底端部24の間の第二の部分の側壁面8は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有する。第二の厚さは、充填通路27を気密に密封することを可能にするのに十分なほど側壁面8の変形に対応するように選択されている。好ましい実施形態では、底部縁22は、プロダクトがプロダクト貯蔵リザーバ20内に充填される前又はその後の何れかに、溶接によって充填通路27を気密に密封するように、熱及び圧力を受けて挟まれる。
【００３４】
充填通路を密封するために底部縁22を挟むための代替形態として、充填通路27に嵌合するような寸法をしているプラグを挿入することができる。プラグは、接着、溶接、圧入、又は他の適切な手段によって底部縁9に気密に固定することができる。
【００３５】
キャップ38は、ユーザが把持するためのハンドルを提供する上向きの拡張中空シェル19を備えている。シェル19は、より高価な化粧品パッケージ上の典型的なキャップの寸法により近づく。本発明は、より高価な品目の外観と感触のある比較的低コストのプロダクトパッケージを消費者に提供し、それゆえ、より高いコストのパッケージングの経験に極めて近似したプロダクト品質の経験を、あまり高価でないパッケージで消費者に与える。中空シェル19は、開口端部31を有する。中空シェルハンドルの外観を改良するために、開口端部31は、接着、溶接又は圧入によって固定することができる適当な寸法のプラグにより閉じることができる。
【００３６】
マスカラ容器として使用するために、ワイパ6内の孔16は、約３．５mmから４．５mmの範囲の直径を有することができる。他の化粧品又はアプリケータは、必要に応じて、より大きい又はより縮小した開口部を要することがある。
【００３７】
第一の単一本体及び第二の単一本体はそれぞれ、射出成型によって単一部品で作られていることが好ましい。好ましい材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)である。別の方法では、材料は低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、又は他の適切なプラスチック材料であってもよい。各本体では、二つ以上の部分を備えた金型は、それぞれの本体を形成するような寸法をしているキャビティを備えている。適切な溶融プラスチックは、ゲートを通してそれぞれのキャビティに射出される。ゲートは、キャビティの全ての部分に溶融プラスチックを流すのを容易にするように位置決めされている。金型は、溶融プラスチックを硬化させるのを可能にするのに十分なだけ冷却される。金型の部品はその後、完成された単一本体を解放するように分離される。単一本体が形成された後に、アプリケータは（必要に応じて）棒のアプリケータ端部に固定される。アプリケータは、ワイパを通して容器に柄を挿入する前に、棒に固定することができる。別の方法では、棒をネックに固定することができ、アプリケータを一時的充填通路27を通して棒のアプリケータ端部に固定することができる。別の代替形態として、溶融プラスチックを第二の本体（棒）用の金型内に射出する前に、例えばマスカラブラシなどのアプリケータは、ブラシの芯が棒のアプリケータ端部を形成するようになっているキャビティの一部に突出するように、金型に取り付けることができる。溶融プラスチックはその後、マスカラブラシ芯が中にしっかり埋め込まれた状態で、棒のアプリケータ端部を含む第二の単一本体が形成されるように射出される。したがって、マスカラブラシの芯は、最終位置にオーバーモールドされる。この方法により、第二の単一本体が形成された後に、マスカラブラシをアプリケータ端部内に別個に設置する必要性がなくなる。
【００３８】
本発明の化粧品容器は、サンプラ、一回使用のパッケージ、又は販売用のパッケージとしての使用に適した優れた低コストパッケージとして働く。この容器はより高価な販売用のパッケージの経験に近づく品質プロダクト経験をユーザに与える。パッケージは、マスカラ、リップグロス、アイシャドウ、リップライナ、口紅、ファンデーション、しわ取り又はしみ取りなどのトリートメントプロダクトに使用することができる。本発明は、低コストパッケージ解決法により利益が得られる任意の化粧品プロダクト用の理想的パッケージを提供する。
【００３９】
以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な部分の特定の形態と構成を、様々に変形と変更を行うことができることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ネック通路を画定し、キャップを受けるに適し、更に前記ネック通路を通して長手軸を画定するネックと、
前記ネックから内側に懸架し、前記ネック通路と流体的に整合する所定の寸法の孔を有する環状ワイパと、
前記ネックから外側に懸架し、プロダクト貯蔵リザーバを画定するハウジングを形成する側壁面と、を含む一体成型された第一の単一本体を備えた化粧品容器であって、
前記側壁面は、前記本体の底端を画定する底部縁で終端し、
前記ネックと前記底部縁の間の前記側壁面の実質的に剛性の第一のチューブ状部は、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有し、
前記底部縁を含む前記側壁面の第二の部分は、前記第一の厚さより小さい第二の厚さを有し、
前記第二の厚さは、前記底部縁を挟み前記本体の前記底端を気密に封止することができる厚さに選択されている、化粧品容器。
【請求項２】
前記ネックは、更にクロージャを受けるように外部ねじ山を備えている、請求項１に記載の化粧品容器。
【請求項３】
前記ネックによって受けられ、これに固定されるようになっているキャップを第一の端部に有する、一体成型された第二の単一本体の形の棒と、
前記キャップからアプリケータ端部まで懸架している柄であって、前記キャップが前記ネックに固定された場合に、前記側壁面の前記実質的に剛性がある第一のチューブ状部によって形成された前記プロダクト貯蔵リザーバの一部に前記アプリケータ端部を位置決めするように、前記ネック及びワイパを通して延びる柄と、を更に備えた請求項１に記載の化粧品容器。
【請求項４】
一体成型された第二の単一本体の形態である棒及びキャップからアプリケータ端部まで懸架した柄を更に備えた化粧品容器であって、
前記棒は、前記キャップを第一の端部に有し、前記キャップは、前記ネックの外向きねじ山によって受けられ固定される内向きねじ山を有し、
前記柄は、前記ネック及びワイパを通して延びて、前記側壁面の前記実質的に剛性の第一のチューブ状部によって形成された前記プロダクト貯蔵リザーバの一部に、前記アプリケータ端部を位置決めする、請求項２に記載の化粧品容器。
【請求項５】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項２に記載の化粧品容器。
【請求項６】
前記アプリケータは、より線芯マスカラブラシである、請求項５に記載の化粧品容器。
【請求項７】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項３に記載の化粧品容器。
【請求項８】
前記アプリケータは、より線芯マスカラブラシである、請求項７に記載の化粧品容器。
【請求項９】
前記所定の寸法はさらに、前記棒が前記容器から引き出された場合に、プロダクトを計測するように選択された、請求項１に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項１０】
ネック通路を画定し、クロージャを受けるようになっており、さらに前記ネック通路を通して長手軸を画定するネック、
前記ネックから内部に懸架し、前記ネック通路と流体位置合わせされ、所定の寸法を有する孔を有する環状ワイパ、及び
プロダクト貯蔵リザーバを画定するハウジングを形成するように、前記ネックから外部に懸架し、前記本体の底端部を画定する底部縁で終端する側壁面であって、前記ネックと前記底部縁の間の前記側壁面の実質的に剛性の第一のチューブ状部が、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有し、前記底部縁を含む前記側壁面の第二の部分が、前記第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、前記第二の厚さが、前記本体の前記底端部を気密に密封するように前記底部縁を挟むことを可能にするように選択された側壁面を含む一体成型された第一の単一本体と、
一体成型された第二の単一本体を備え、第一の端部にキャップを有する棒、及びアプリケータ端部まで前記キャップから懸架する柄であって、前記キャップは、前記ネックに受けられ、これに固定されるようになっており、前記キャップが前記容器に受けられると、前記柄は、前記側壁面の前記実質的に剛性がある第一のチューブ状部によって形成された前記プロダクト貯蔵リザーバの一部に前記アプリケータ端部を位置決めするように、前記ネック及びワイパを通して延びている柄とを備えた化粧品容器。
【請求項１１】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項１０に記載の化粧品容器。
【請求項１２】
前記アプリケータは、より線芯マスカラブラシである、請求項１１に記載の化粧品容器。
【請求項１】
ネック通路を画定し、キャップを受けるに適し、更に前記ネック通路を通して長手軸を画定するネックと、
前記ネックから内側に懸架し、前記ネック通路と流体的に整合する所定の寸法の孔を有する環状ワイパと、
前記ネックから外側に懸架し、プロダクト貯蔵リザーバを画定するハウジングを形成する側壁面と、を含む一体成型された第一の単一本体を備えた化粧品容器であって、
前記側壁面は、前記本体の底端を画定する底部縁で終端し、
前記ネックと前記底部縁の間の前記側壁面の実質的に剛性の第一のチューブ状部は、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有し、
前記底部縁を含む前記側壁面の第二の部分は、前記第一の厚さより小さい第二の厚さを有し、
前記第二の厚さは、前記底部縁を挟み前記本体の前記底端を気密に封止することができる厚さに選択されている、化粧品容器。
【請求項２】
前記ネックは、更にクロージャを受けるように外部ねじ山を備えている、請求項１に記載の化粧品容器。
【請求項３】
前記ネックによって受けられ、これに固定されるようになっているキャップを第一の端部に有する、一体成型された第二の単一本体の形の棒と、
前記キャップからアプリケータ端部まで懸架している柄であって、前記キャップが前記ネックに固定された場合に、前記側壁面の前記実質的に剛性がある第一のチューブ状部によって形成された前記プロダクト貯蔵リザーバの一部に前記アプリケータ端部を位置決めするように、前記ネック及びワイパを通して延びる柄と、を更に備えた請求項１に記載の化粧品容器。
【請求項４】
一体成型された第二の単一本体の形態である棒及びキャップからアプリケータ端部まで懸架した柄を更に備えた化粧品容器であって、
前記棒は、前記キャップを第一の端部に有し、前記キャップは、前記ネックの外向きねじ山によって受けられ固定される内向きねじ山を有し、
前記柄は、前記ネック及びワイパを通して延びて、前記側壁面の前記実質的に剛性の第一のチューブ状部によって形成された前記プロダクト貯蔵リザーバの一部に、前記アプリケータ端部を位置決めする、請求項２に記載の化粧品容器。
【請求項５】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項２に記載の化粧品容器。
【請求項６】
前記アプリケータは、より線芯マスカラブラシである、請求項５に記載の化粧品容器。
【請求項７】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項３に記載の化粧品容器。
【請求項８】
前記アプリケータは、より線芯マスカラブラシである、請求項７に記載の化粧品容器。
【請求項９】
前記所定の寸法はさらに、前記棒が前記容器から引き出された場合に、プロダクトを計測するように選択された、請求項１に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項１０】
ネック通路を画定し、クロージャを受けるようになっており、さらに前記ネック通路を通して長手軸を画定するネック、
前記ネックから内部に懸架し、前記ネック通路と流体位置合わせされ、所定の寸法を有する孔を有する環状ワイパ、及び
プロダクト貯蔵リザーバを画定するハウジングを形成するように、前記ネックから外部に懸架し、前記本体の底端部を画定する底部縁で終端する側壁面であって、前記ネックと前記底部縁の間の前記側壁面の実質的に剛性の第一のチューブ状部が、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有し、前記底部縁を含む前記側壁面の第二の部分が、前記第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、前記第二の厚さが、前記本体の前記底端部を気密に密封するように前記底部縁を挟むことを可能にするように選択された側壁面を含む一体成型された第一の単一本体と、
一体成型された第二の単一本体を備え、第一の端部にキャップを有する棒、及びアプリケータ端部まで前記キャップから懸架する柄であって、前記キャップは、前記ネックに受けられ、これに固定されるようになっており、前記キャップが前記容器に受けられると、前記柄は、前記側壁面の前記実質的に剛性がある第一のチューブ状部によって形成された前記プロダクト貯蔵リザーバの一部に前記アプリケータ端部を位置決めするように、前記ネック及びワイパを通して延びている柄とを備えた化粧品容器。
【請求項１１】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項１０に記載の化粧品容器。
【請求項１２】
前記アプリケータは、より線芯マスカラブラシである、請求項１１に記載の化粧品容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公表番号】特表２０１１−５２６１８３（Ｐ２０１１−５２６１８３Ａ）
【公表日】平成２３年１０月６日（２０１１．１０．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−５１６６０９（Ｐ２０１１−５１６６０９）
【出願日】平成２１年６月２４日（２００９．６．２４）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００９／０４８４７２
【国際公開番号】ＷＯ２００９／１５８４１０
【国際公開日】平成２１年１２月３０日（２００９．１２．３０）
【出願人】（５９８１００１２８）イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【公表日】平成２３年１０月６日（２０１１．１０．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月２４日（２００９．６．２４）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００９／０４８４７２
【国際公開番号】ＷＯ２００９／１５８４１０
【国際公開日】平成２１年１２月３０日（２００９．１２．３０）
【出願人】（５９８１００１２８）イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
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