一価ヒト抗体を産生するトランスジェニック動物およびこれらの動物から得ることのできる抗体
本発明は、抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する一価抗体を産生する能力のある新規の非ヒトトランスジェニック動物、改変された重鎖トランスジーン、非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法、非ヒトトランスジェニック動物を免疫する方法、およびそのような免疫方法によって得ることのできる一価抗体に関する。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する一価抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物であって、該一価抗体が以下を含む重鎖を含む、非ヒトトランスジェニック動物:
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域、および任意でCH領域の他の領域、例えばCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCH領域とのジスルフィド結合、または同一のCH領域との他の共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変されている、ヒトCH領域。
【請求項2】
前記一価抗体が、以下を含む軽鎖をさらに含む、請求項1記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCL領域とのジスルフィド結合または同一のCL領域との他の共有結合を形成する能力のあるアミノ酸を全く含まないように改変されていてもよい、ヒトCL領域。
【請求項3】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的(productive)VDJ再構成およびアイソタイプスイッチを行う、機能的に連結された以下を含む重鎖トランスジーンをそのゲノムに含む、請求項1または2記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
(ii)ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変されたγCH遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列。
【請求項4】
以下を含むκ軽鎖トランスジーンを含む、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
(ii)請求項2に定義されたCL領域の改変をコードしていてもよい、ヒトκCL遺伝子。
【請求項5】
以下を含むλ軽鎖トランスジーンを含む、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
(ii)請求項2に定義されたCL領域の改変をコードしていてもよい、少なくとも一つのヒトλCL遺伝子。
【請求項6】
抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する一価IgG4抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物であって、該一価抗体が以下を含む、非ヒトトランスジェニック動物:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変されている、ヒトCH領域、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項7】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的V(D)J再構成およびアイソタイプスイッチを行う、そのゲノムに以下を含む、請求項6記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)機能的に連結された、
- 複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
- ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つのヒンジ改変Cγ4遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列
を含む重鎖トランスジーン、ならびに
(iia)
- 複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
- ヒトκCL遺伝子、
を含むκ軽鎖トランスジーン、および/または
(iib)
- 複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
- 少なくとも一つのヒトλCL遺伝子
を含むλ軽鎖トランスジーン。
【請求項8】
抗原刺激を受けると、選択された抗原に結合する、以下を含む一価IgG4抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変され、かつCH3領域がSEQ ID NO: 16に示される配列を有するが、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、ヒトCH領域:234位のThr(T)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;277位のArg(R)がAla(A)により置換されている、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項9】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的V(D)J再構成およびアイソタイプスイッチを行う、そのゲノム中に以下を含む、請求項8記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)機能的に連結された
- 複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
- ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変Cγ4遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列
を含む重鎖トランスジーン、
ならびに
(iia)
- 複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
- ヒトκCL遺伝子、
を含むκ軽鎖トランスジーン、および/または
(iib)
- 複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
- 少なくとも一つのヒトλCL遺伝子
を含むλ軽鎖トランスジーン。
【請求項10】
抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する、以下を含む一価IgG1抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物:
以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域およびCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCH領域とのジスルフィド結合、または同一のCH領域との他の共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変されている、ヒトCH領域、
ならびに
以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCL領域とのジスルフィド結合または同一のCL領域との他の共有結合を形成する能力のあるアミノ酸を全く含まないように改変されている、ヒトCL領域。
【請求項11】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的V(D)J再構成およびアイソタイプスイッチを行う、そのゲノム中に以下を含む、請求項10記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)機能的に連結された
- 複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
- ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変Cγ1遺伝子を含む複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列
を含む重鎖トランスジーン、
ならびに
(iia)
- 複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
- 改変ヒトκCL遺伝子、
を含むκ軽鎖トランスジーン、および/または
(iib)
- 複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
- 少なくとも一つの改変ヒトλCL遺伝子
を含むλ軽鎖トランスジーン。
【請求項12】
請求項6〜9のいずれか一項に定義されるIgG4一価抗体を産生する能力がさらにある、請求項10または11記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項13】
内因性動物免疫グロブリン重鎖遺伝子座が不活化されている、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項14】
内因性動物免疫グロブリンκ軽鎖遺伝子座が不活化されている、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項15】
内因性動物免疫グロブリンλ軽鎖遺伝子座が不活化されている、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項16】
ヒトγCH遺伝子が、天然に存在するヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座よりもヒトμCH遺伝子の近くにある、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項17】
重鎖トランスジーンがSEQ ID NO: 19に示されるCH3領域を含むCH領域をコードするが、CH3領域は、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、請求項11記載の非ヒトトランスジェニック動物:238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;239位のAsp(D)がGlu(E)により置換されている;249位のThr(T)がAla(A)により置換されている;251位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;251位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;288位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;288位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;290位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;292位のLys(K)がArg(R)により置換されている;292位のLys(K)がAla(A)により置換されている;302位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項18】
一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われている、請求項17記載の非ヒトトランスジェニック動物:238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;239位のAsp(D)がGlu(E)により置換されている;292位のLys(K)がArg(R)により置換されている;302位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項19】
(i)238位のArg(R)がGln(Q)により置換されているか、
(ii)238位のArg(R)がGln(Q)により置換され、かつ328位のPro(P)がLeu(L)により置換されているか、または
(iii)9つのアミノ酸全てが置換されている、
請求項17〜18のいずれか記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項20】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 19に示されるCH1および/またはCH2領域をさらにコードする、前記請求項17〜19のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項21】
軽鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 18に示されるアミノ酸配列を有するカッパCL領域をコードするが、該配列は、106位の末端システイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるか欠失するように改変されている、前記請求項11または17〜20のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項22】
軽鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 17に示されるアミノ酸配列を有するラムダCL領域をコードするが、該配列は、104位のシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるか欠失するように改変されている、前記請求項11または17〜20のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項23】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 19に示されるCH1領域をさらにコードするが、CH1領域は、14位のSer(S)がシステイン残基により置換されるように改変されている、上記の請求項11または17〜20のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項24】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 20に示されるCH3領域を含むCH領域をコードするが、CH3領域は、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、請求項3記載の非ヒトトランスジェニック動物:234位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;245位のThr(T)がAla(A)により置換されている;247位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;247位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;276位のMet(M)がVal(V)により置換されている;284位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;284位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;286位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;288位のLys(K)がArg(R)により置換されている;288位のLys(K)がAla(A)により置換されている;298位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および324位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項25】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 20に示されるCH1および/またはCH2領域をさらにコードする、請求項24記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項26】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 21に示されるCH3領域を含むCH領域をコードするが、CH3領域は、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、請求項3記載の非ヒトトランスジェニック動物:285位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;296位のThr(T)がAla(A)により置換されている;298位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;298位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;314位のSer(S)がAsn(N)により置換されている;322位のAsn(N)がLys(K)により置換されている;327位のMet(M)がVal(V)により置換されている;335位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;335位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;337位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;339位のLys(K)がArg(R)により置換されている;339位のLys(K)がAla(A)により置換されている;349位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;352位のIle(I)がVal(V)により置換されている;365位のArg(R)がHis(H)により置換されている;366位のPhe(F)がTyr(Y)により置換されている;および375位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項27】
重鎖トランスジーンがSEQ ID NO: 21に示されるCH1および/またはCH2領域をさらにコードする、請求項26記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項28】
重鎖トランスジーンが、CH領域のヒンジ領域に対応する領域がシステイン残基を全く含まないように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項29】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 14のCH配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項30】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 14のCH配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸残基の一つがシステイン以外のアミノ酸残基で置換され、かつSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応する他方のアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項31】
重鎖トランスジーンが、アミノ酸残基106に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換され、かつアミノ酸残基109に対応するアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、請求項30記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項32】
重鎖トランスジーンが、アミノ酸残基106に対応するアミノ酸残基が欠失し、かつアミノ酸残基109に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換されるように改変されているCH領域をコードする、請求項30記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項33】
重鎖トランスジーンが、少なくともSEQ ID NO: 14のCH配列のアミノ酸残基106から109に対応するアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項34】
重鎖トランスジーンが、少なくともSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基99から110に対応するアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項35】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 16に示されるCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項36】
重鎖トランスジーンが、ヒンジ領域全体が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項37】
動物が、10-7 Mまたはそれ以下、例えば10-8 M、10-9 M、10-10 M、または10-11 Mもしくはそれ以下の解離定数(kd)で、選択された抗原、例えばc-Metに結合する一価抗体を産生する能力がある、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項38】
ラクダ科の動物、例えばラマもしくはラクダ、または齧歯類の動物、例えばマウス、ウサギ、モルモット、もしくはラットのような、哺乳動物である、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項39】
C57BL/6J、CBA/J、DBA/2J、129/sv、またはSJL/J系統に由来するマウスのような、マウスである、請求項38記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項40】
以下を含む重鎖トランスジーン:
(i)複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
(ii)ヒトγCH遺伝子が天然に存在するヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座よりもヒトμCH遺伝子の近くにある、ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変γCH遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連アイソタイプスイッチ配列。
【請求項41】
以下の工程を含む、選択された抗原に結合する一価抗体の作製方法:
(i)選択された抗原、選択された抗原を発現する細胞、もしくは選択された抗原をコードする核酸構築物、またはその組み合せを用いて、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の動物を免疫する工程、
(ii)トランスジェニック動物から、選択された抗原に結合する一価抗体を発現するB細胞を得る工程、
(iii)任意で、該B細胞からハイブリドーマを作製する工程
(iv)B細胞またはハイブリドーマにより産生される一価抗体の、選択された抗原に対する結合を試験する工程、および
(v)選択された抗原に対して結合する能力のある一つまたは複数の一価抗体を同定する工程。
【請求項42】
さらに以下の工程を含む、請求項41記載の方法:
(vi)一価抗体のコード配列を同定する工程、および
(vii)組み換え発現系において一価抗体を産生する工程。
【請求項43】
工程(iii)およびさらに以下の工程を含む、請求項41記載の方法:
(vi)ハイブリドーマから一価抗体を産生および精製する工程。
【請求項44】
抗原が、VEGF、c-Met、CD20、CD38、IL-8、CD25、CD74、FcalphaRI、FcepsilonRI、アセチルコリン受容体、fas、fasL、TRAIL、肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスのエンベロープE2、組織因子、組織因子と第VII因子の複合体、EGFr、CD4、およびCD28から選択される、請求項41〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
前記請求項41〜44のいずれか一項記載の方法によって得ることのできる一価抗体。
【請求項46】
前記請求項41〜44のいずれか一項記載の方法によって得られた一価抗体。
【請求項47】
以下を含む、請求項45記載の一価抗体:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変され、かつCH3領域がSEQ ID NO: 16に示される配列を有するが、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、ヒトCH領域:234位のThr(T)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;277位のArg(R)がAla(A)により置換されている、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項48】
以下を含む、選択された抗原に結合する一価IgG4抗体:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変され、かつCH3領域がSEQ ID NO: 16に示される配列を有するが、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、ヒトCH領域:234位のThr(T)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;277位のArg(R)がAla(A)により置換されている、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項49】
SEQ ID NO: 16に示されるCH3領域を含む、請求項48記載の一価抗体。
【請求項50】
225位のGlu(E)がAla(A)により置換されている、請求項49記載の一価抗体。
【請求項51】
234位のThr(T)がAla(A)により置換されている、請求項49から50のいずれか記載の一価抗体。
【請求項52】
236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項53】
236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項54】
236位のLeu(L)がGlu(E)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項55】
236位のLeu(L)がGly(G)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項56】
238位のLys(K)がAla(A)により置換されている、請求項49から55のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項57】
267位のAsp(D)がAla(A)により置換されている、請求項49から56のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項58】
273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項59】
273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項60】
273位のPhe(F)がAsp(D)により置換され、かつ/または275位のTyr(Y)がGlu(E)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項61】
273位のPhe(F)がThr(T)により置換され、かつ/または275位のTyr(Y)がGlu(E)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項62】
275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている、請求項49から59のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項63】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、118位のThr(T)がGln(Q)により置換され、かつ/または296位のMet(M)がLeu(L)により置換されている、請求項49から62のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項64】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、以下の置換のうち一つ、二つ、または三つ全てが行われている、請求項49から63のいずれか一項記載の一価抗体:120位のMet(M)がTyr(Y)により置換されている;122位のSer(S)がThr(T)により置換されている;および124位のThr(T)がGlu(E)により置換されている。
【請求項65】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、302位のAsn(N)がAla(A)により置換されている、請求項49から64のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項66】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、302位のAsn(N)がAla(A)により置換され、かつ175位のThr(T)がAla(A)により置換され、かつ248位のGlu(E)がAla(A)により置換されている、請求項49から65のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項67】
一価抗体を作製するための、請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物の使用。
【請求項68】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)非ヒト動物の胚幹細胞に、請求項40記載の重鎖トランスジーン構築物、および任意で請求項2に定義される軽鎖を産生する能力のある軽鎖トランスジーンを導入する工程、
(ii)トランスジーンを発現する胚幹細胞を選択する工程、
(iii)形質転換した胚幹細胞を胚盤胞の内細胞塊に注入する工程、
(iv)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に胚盤胞を移植する工程、
(v)子孫をトランスジーンの存在について試験する工程、および
(vi)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項69】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)非ヒト動物の受精卵の前核に、請求項40記載のトランスジーンを含むベクター構築物、および任意で請求項2に定義される軽鎖を産生する能力のある軽鎖トランスジーンを注入する工程、
(ii)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に受精卵を移植する工程、
(iii)子孫をトランスジーンの存在について試験する工程、および
(iv)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項70】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)既存のトランスジェニック配列を含んでいるためヒト抗体を産生できる非ヒトトランスジェニック動物の胚幹細胞に、請求項1〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCH領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーン、および任意で、請求項3〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCL領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーンを導入する工程であって、
ここで、該トランスジーンは、トランスジェニック動物ゲノムのゲノム組み込みならびに対応するヒトCH領域またはそのフラグメントの置換、および任意で、対応するヒトCL領域またはそのフラグメントの置換が起きると、残っている既存のトランスジェニック配列に機能的に連結するよう設計されており、それにより動物は請求項1〜36のいずれか一項に定義される一価抗体を産生できるようになる工程、
(ii)工程(i)で導入されたトランスジーンを発現する胚幹細胞を選択する工程、
(iii)形質転換した胚幹細胞を胚盤胞の内細胞塊に注入する工程、
(iv)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に胚盤胞を移植する工程、
(v)子孫をトランスジーンの存在について試験する工程、および
(vi)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項71】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)既存のトランスジェニック配列を含んでいるためヒト抗体を産生できる非ヒトトランスジェニック動物の受精卵の前核に、請求項1〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCH領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーン、および任意で、請求項3〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCL領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーンを注入する工程であって、
ここで、該トランスジーンは、トランスジェニック動物ゲノムのゲノム組み込みならびに対応するヒトCH領域またはそのフラグメントの置換、および任意で、対応するヒトCL領域またはそのフラグメントの置換が起きると、残っている既存のトランスジェニック配列に機能的に連結するよう設計されており、それにより動物は請求項1〜36のいずれか一項に定義される一価抗体を産生できるようになる工程、
(ii)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に受精卵を移植する工程、
(iii)子孫を工程(i)で導入したトランスジーンの存在について試験する工程、および
(iv)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項72】
工程(i)で提供される非ヒトトランスジェニック動物が、HuMab-Mouse(商標)、KM-Mouse(商標)、TC-Mouse(商標)、またはXenomouse(商標)のようなトランスジェニックマウスである、請求項70または71記載の方法。
【請求項73】
請求項68〜72のいずれか一項記載の方法によって得ることのできる非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項1】
抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する一価抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物であって、該一価抗体が以下を含む重鎖を含む、非ヒトトランスジェニック動物:
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域、および任意でCH領域の他の領域、例えばCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCH領域とのジスルフィド結合、または同一のCH領域との他の共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変されている、ヒトCH領域。
【請求項2】
前記一価抗体が、以下を含む軽鎖をさらに含む、請求項1記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCL領域とのジスルフィド結合または同一のCL領域との他の共有結合を形成する能力のあるアミノ酸を全く含まないように改変されていてもよい、ヒトCL領域。
【請求項3】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的(productive)VDJ再構成およびアイソタイプスイッチを行う、機能的に連結された以下を含む重鎖トランスジーンをそのゲノムに含む、請求項1または2記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
(ii)ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変されたγCH遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列。
【請求項4】
以下を含むκ軽鎖トランスジーンを含む、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
(ii)請求項2に定義されたCL領域の改変をコードしていてもよい、ヒトκCL遺伝子。
【請求項5】
以下を含むλ軽鎖トランスジーンを含む、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
(ii)請求項2に定義されたCL領域の改変をコードしていてもよい、少なくとも一つのヒトλCL遺伝子。
【請求項6】
抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する一価IgG4抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物であって、該一価抗体が以下を含む、非ヒトトランスジェニック動物:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変されている、ヒトCH領域、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項7】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的V(D)J再構成およびアイソタイプスイッチを行う、そのゲノムに以下を含む、請求項6記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)機能的に連結された、
- 複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
- ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つのヒンジ改変Cγ4遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列
を含む重鎖トランスジーン、ならびに
(iia)
- 複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
- ヒトκCL遺伝子、
を含むκ軽鎖トランスジーン、および/または
(iib)
- 複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
- 少なくとも一つのヒトλCL遺伝子
を含むλ軽鎖トランスジーン。
【請求項8】
抗原刺激を受けると、選択された抗原に結合する、以下を含む一価IgG4抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変され、かつCH3領域がSEQ ID NO: 16に示される配列を有するが、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、ヒトCH領域:234位のThr(T)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;277位のArg(R)がAla(A)により置換されている、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項9】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的V(D)J再構成およびアイソタイプスイッチを行う、そのゲノム中に以下を含む、請求項8記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)機能的に連結された
- 複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
- ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変Cγ4遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列
を含む重鎖トランスジーン、
ならびに
(iia)
- 複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
- ヒトκCL遺伝子、
を含むκ軽鎖トランスジーン、および/または
(iib)
- 複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
- 少なくとも一つのヒトλCL遺伝子
を含むλ軽鎖トランスジーン。
【請求項10】
抗原刺激を受けると選択された抗原に結合する、以下を含む一価IgG1抗体を産生する能力のある非ヒトトランスジェニック動物:
以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域およびCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCH領域とのジスルフィド結合、または同一のCH領域との他の共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変されている、ヒトCH領域、
ならびに
以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ポリクローナルヒトIgGの存在下で、同一のCL領域とのジスルフィド結合または同一のCL領域との他の共有結合を形成する能力のあるアミノ酸を全く含まないように改変されている、ヒトCL領域。
【請求項11】
トランスジーンが動物のリンパ球において生産的V(D)J再構成およびアイソタイプスイッチを行う、そのゲノム中に以下を含む、請求項10記載の非ヒトトランスジェニック動物:
(i)機能的に連結された
- 複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
- ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変Cγ1遺伝子を含む複数のヒトCH遺伝子および関連するアイソタイプスイッチ配列
を含む重鎖トランスジーン、
ならびに
(iia)
- 複数のヒトκV遺伝子、複数のヒトκJ遺伝子、および
- 改変ヒトκCL遺伝子、
を含むκ軽鎖トランスジーン、および/または
(iib)
- 複数のヒトλV遺伝子、少なくとも一つのヒトλJ遺伝子、および
- 少なくとも一つの改変ヒトλCL遺伝子
を含むλ軽鎖トランスジーン。
【請求項12】
請求項6〜9のいずれか一項に定義されるIgG4一価抗体を産生する能力がさらにある、請求項10または11記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項13】
内因性動物免疫グロブリン重鎖遺伝子座が不活化されている、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項14】
内因性動物免疫グロブリンκ軽鎖遺伝子座が不活化されている、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項15】
内因性動物免疫グロブリンλ軽鎖遺伝子座が不活化されている、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項16】
ヒトγCH遺伝子が、天然に存在するヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座よりもヒトμCH遺伝子の近くにある、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項17】
重鎖トランスジーンがSEQ ID NO: 19に示されるCH3領域を含むCH領域をコードするが、CH3領域は、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、請求項11記載の非ヒトトランスジェニック動物:238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;239位のAsp(D)がGlu(E)により置換されている;249位のThr(T)がAla(A)により置換されている;251位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;251位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;288位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;288位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;290位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;292位のLys(K)がArg(R)により置換されている;292位のLys(K)がAla(A)により置換されている;302位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項18】
一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われている、請求項17記載の非ヒトトランスジェニック動物:238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;239位のAsp(D)がGlu(E)により置換されている;292位のLys(K)がArg(R)により置換されている;302位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項19】
(i)238位のArg(R)がGln(Q)により置換されているか、
(ii)238位のArg(R)がGln(Q)により置換され、かつ328位のPro(P)がLeu(L)により置換されているか、または
(iii)9つのアミノ酸全てが置換されている、
請求項17〜18のいずれか記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項20】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 19に示されるCH1および/またはCH2領域をさらにコードする、前記請求項17〜19のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項21】
軽鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 18に示されるアミノ酸配列を有するカッパCL領域をコードするが、該配列は、106位の末端システイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるか欠失するように改変されている、前記請求項11または17〜20のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項22】
軽鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 17に示されるアミノ酸配列を有するラムダCL領域をコードするが、該配列は、104位のシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるか欠失するように改変されている、前記請求項11または17〜20のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項23】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 19に示されるCH1領域をさらにコードするが、CH1領域は、14位のSer(S)がシステイン残基により置換されるように改変されている、上記の請求項11または17〜20のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項24】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 20に示されるCH3領域を含むCH領域をコードするが、CH3領域は、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、請求項3記載の非ヒトトランスジェニック動物:234位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;245位のThr(T)がAla(A)により置換されている;247位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;247位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;276位のMet(M)がVal(V)により置換されている;284位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;284位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;286位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;288位のLys(K)がArg(R)により置換されている;288位のLys(K)がAla(A)により置換されている;298位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および324位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項25】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 20に示されるCH1および/またはCH2領域をさらにコードする、請求項24記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項26】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 21に示されるCH3領域を含むCH領域をコードするが、CH3領域は、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、請求項3記載の非ヒトトランスジェニック動物:285位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;296位のThr(T)がAla(A)により置換されている;298位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;298位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;314位のSer(S)がAsn(N)により置換されている;322位のAsn(N)がLys(K)により置換されている;327位のMet(M)がVal(V)により置換されている;335位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;335位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;337位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;339位のLys(K)がArg(R)により置換されている;339位のLys(K)がAla(A)により置換されている;349位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;352位のIle(I)がVal(V)により置換されている;365位のArg(R)がHis(H)により置換されている;366位のPhe(F)がTyr(Y)により置換されている;および375位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項27】
重鎖トランスジーンがSEQ ID NO: 21に示されるCH1および/またはCH2領域をさらにコードする、請求項26記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項28】
重鎖トランスジーンが、CH領域のヒンジ領域に対応する領域がシステイン残基を全く含まないように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項29】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 14のCH配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項30】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 14のCH配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸残基の一つがシステイン以外のアミノ酸残基で置換され、かつSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応する他方のアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項31】
重鎖トランスジーンが、アミノ酸残基106に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換され、かつアミノ酸残基109に対応するアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、請求項30記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項32】
重鎖トランスジーンが、アミノ酸残基106に対応するアミノ酸残基が欠失し、かつアミノ酸残基109に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換されるように改変されているCH領域をコードする、請求項30記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項33】
重鎖トランスジーンが、少なくともSEQ ID NO: 14のCH配列のアミノ酸残基106から109に対応するアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項34】
重鎖トランスジーンが、少なくともSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基99から110に対応するアミノ酸残基が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項35】
重鎖トランスジーンが、SEQ ID NO: 16に示されるCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項36】
重鎖トランスジーンが、ヒンジ領域全体が欠失するように改変されているCH領域をコードする、前記請求項3〜27のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項37】
動物が、10-7 Mまたはそれ以下、例えば10-8 M、10-9 M、10-10 M、または10-11 Mもしくはそれ以下の解離定数(kd)で、選択された抗原、例えばc-Metに結合する一価抗体を産生する能力がある、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項38】
ラクダ科の動物、例えばラマもしくはラクダ、または齧歯類の動物、例えばマウス、ウサギ、モルモット、もしくはラットのような、哺乳動物である、前記請求項のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項39】
C57BL/6J、CBA/J、DBA/2J、129/sv、またはSJL/J系統に由来するマウスのような、マウスである、請求項38記載の非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項40】
以下を含む重鎖トランスジーン:
(i)複数のヒトV遺伝子、複数のヒトD遺伝子、複数のヒトJ遺伝子、および
(ii)ヒトγCH遺伝子が天然に存在するヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座よりもヒトμCH遺伝子の近くにある、ヒトμCH遺伝子および少なくとも一つの改変γCH遺伝子を含む、複数のヒトCH遺伝子および関連アイソタイプスイッチ配列。
【請求項41】
以下の工程を含む、選択された抗原に結合する一価抗体の作製方法:
(i)選択された抗原、選択された抗原を発現する細胞、もしくは選択された抗原をコードする核酸構築物、またはその組み合せを用いて、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の動物を免疫する工程、
(ii)トランスジェニック動物から、選択された抗原に結合する一価抗体を発現するB細胞を得る工程、
(iii)任意で、該B細胞からハイブリドーマを作製する工程
(iv)B細胞またはハイブリドーマにより産生される一価抗体の、選択された抗原に対する結合を試験する工程、および
(v)選択された抗原に対して結合する能力のある一つまたは複数の一価抗体を同定する工程。
【請求項42】
さらに以下の工程を含む、請求項41記載の方法:
(vi)一価抗体のコード配列を同定する工程、および
(vii)組み換え発現系において一価抗体を産生する工程。
【請求項43】
工程(iii)およびさらに以下の工程を含む、請求項41記載の方法:
(vi)ハイブリドーマから一価抗体を産生および精製する工程。
【請求項44】
抗原が、VEGF、c-Met、CD20、CD38、IL-8、CD25、CD74、FcalphaRI、FcepsilonRI、アセチルコリン受容体、fas、fasL、TRAIL、肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスのエンベロープE2、組織因子、組織因子と第VII因子の複合体、EGFr、CD4、およびCD28から選択される、請求項41〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
前記請求項41〜44のいずれか一項記載の方法によって得ることのできる一価抗体。
【請求項46】
前記請求項41〜44のいずれか一項記載の方法によって得られた一価抗体。
【請求項47】
以下を含む、請求項45記載の一価抗体:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変され、かつCH3領域がSEQ ID NO: 16に示される配列を有するが、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、ヒトCH領域:234位のThr(T)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;277位のArg(R)がAla(A)により置換されている、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項48】
以下を含む、選択された抗原に結合する一価IgG4抗体:
- 以下を含む重鎖
(i)ヒトVH領域、および
(ii)ヒンジ領域に対応する領域が、同一のCH領域とのジスルフィド結合を形成する能力のあるアミノ酸残基を全く含まないように改変され、かつCH3領域がSEQ ID NO: 16に示される配列を有するが、一つまたは複数の以下のアミノ酸置換が行われるように改変されている、ヒトCH領域:234位のThr(T)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている;236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている;273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている;273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている;275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている;277位のArg(R)がAla(A)により置換されている、
ならびに
- 以下を含む軽鎖
(i)ヒトVL領域、および
(ii)ヒトCL領域。
【請求項49】
SEQ ID NO: 16に示されるCH3領域を含む、請求項48記載の一価抗体。
【請求項50】
225位のGlu(E)がAla(A)により置換されている、請求項49記載の一価抗体。
【請求項51】
234位のThr(T)がAla(A)により置換されている、請求項49から50のいずれか記載の一価抗体。
【請求項52】
236位のLeu(L)がAla(A)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項53】
236位のLeu(L)がVal(V)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項54】
236位のLeu(L)がGlu(E)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項55】
236位のLeu(L)がGly(G)により置換されている、請求項49から51のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項56】
238位のLys(K)がAla(A)により置換されている、請求項49から55のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項57】
267位のAsp(D)がAla(A)により置換されている、請求項49から56のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項58】
273位のPhe(F)がAla(A)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項59】
273位のPhe(F)がLeu(L)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項60】
273位のPhe(F)がAsp(D)により置換され、かつ/または275位のTyr(Y)がGlu(E)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項61】
273位のPhe(F)がThr(T)により置換され、かつ/または275位のTyr(Y)がGlu(E)により置換されている、請求項49から57のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項62】
275位のTyr(Y)がAla(A)により置換されている、請求項49から59のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項63】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、118位のThr(T)がGln(Q)により置換され、かつ/または296位のMet(M)がLeu(L)により置換されている、請求項49から62のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項64】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、以下の置換のうち一つ、二つ、または三つ全てが行われている、請求項49から63のいずれか一項記載の一価抗体:120位のMet(M)がTyr(Y)により置換されている;122位のSer(S)がThr(T)により置換されている;および124位のThr(T)がGlu(E)により置換されている。
【請求項65】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、302位のAsn(N)がAla(A)により置換されている、請求項49から64のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項66】
SEQ ID NO: 16に示されるCH2領域をさらに含むが、302位のAsn(N)がAla(A)により置換され、かつ175位のThr(T)がAla(A)により置換され、かつ248位のGlu(E)がAla(A)により置換されている、請求項49から65のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項67】
一価抗体を作製するための、請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物の使用。
【請求項68】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)非ヒト動物の胚幹細胞に、請求項40記載の重鎖トランスジーン構築物、および任意で請求項2に定義される軽鎖を産生する能力のある軽鎖トランスジーンを導入する工程、
(ii)トランスジーンを発現する胚幹細胞を選択する工程、
(iii)形質転換した胚幹細胞を胚盤胞の内細胞塊に注入する工程、
(iv)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に胚盤胞を移植する工程、
(v)子孫をトランスジーンの存在について試験する工程、および
(vi)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項69】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)非ヒト動物の受精卵の前核に、請求項40記載のトランスジーンを含むベクター構築物、および任意で請求項2に定義される軽鎖を産生する能力のある軽鎖トランスジーンを注入する工程、
(ii)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に受精卵を移植する工程、
(iii)子孫をトランスジーンの存在について試験する工程、および
(iv)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項70】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)既存のトランスジェニック配列を含んでいるためヒト抗体を産生できる非ヒトトランスジェニック動物の胚幹細胞に、請求項1〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCH領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーン、および任意で、請求項3〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCL領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーンを導入する工程であって、
ここで、該トランスジーンは、トランスジェニック動物ゲノムのゲノム組み込みならびに対応するヒトCH領域またはそのフラグメントの置換、および任意で、対応するヒトCL領域またはそのフラグメントの置換が起きると、残っている既存のトランスジェニック配列に機能的に連結するよう設計されており、それにより動物は請求項1〜36のいずれか一項に定義される一価抗体を産生できるようになる工程、
(ii)工程(i)で導入されたトランスジーンを発現する胚幹細胞を選択する工程、
(iii)形質転換した胚幹細胞を胚盤胞の内細胞塊に注入する工程、
(iv)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に胚盤胞を移植する工程、
(v)子孫をトランスジーンの存在について試験する工程、および
(vi)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項71】
以下の工程を含む、前記請求項1〜39のいずれか一項記載の非ヒトトランスジェニック動物を作製する方法:
(i)既存のトランスジェニック配列を含んでいるためヒト抗体を産生できる非ヒトトランスジェニック動物の受精卵の前核に、請求項1〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCH領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーン、および任意で、請求項3〜36のいずれか一項に定義される改変を含むCL領域またはそのフラグメントをコードする配列を含むトランスジーンを注入する工程であって、
ここで、該トランスジーンは、トランスジェニック動物ゲノムのゲノム組み込みならびに対応するヒトCH領域またはそのフラグメントの置換、および任意で、対応するヒトCL領域またはそのフラグメントの置換が起きると、残っている既存のトランスジェニック配列に機能的に連結するよう設計されており、それにより動物は請求項1〜36のいずれか一項に定義される一価抗体を産生できるようになる工程、
(ii)偽妊娠した非ヒトメス動物の子宮または卵管に受精卵を移植する工程、
(iii)子孫を工程(i)で導入したトランスジーンの存在について試験する工程、および
(iv)二つのヘテロ接合の子孫を交配して非ヒト動物のホモ接合トランスジェニック系統を作製する工程。
【請求項72】
工程(i)で提供される非ヒトトランスジェニック動物が、HuMab-Mouse(商標)、KM-Mouse(商標)、TC-Mouse(商標)、またはXenomouse(商標)のようなトランスジェニックマウスである、請求項70または71記載の方法。
【請求項73】
請求項68〜72のいずれか一項記載の方法によって得ることのできる非ヒトトランスジェニック動物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2010−527622(P2010−527622A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509681(P2010−509681)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050127
【国際公開番号】WO2008/145140
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(507316398)ゲンマブ エー/エス (18)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050127
【国際公開番号】WO2008/145140
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(507316398)ゲンマブ エー/エス (18)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]