一元化されたプロセス制御システムインタフェース用グラフィック表示構成フレームワーク
プロセスおよびプラントの両方に対して、リアルタイムインタフェースを提供する、プラントオペレータ、プラント保守要員、および管理者のための共通のプロセス制御グラフィカルユーザインタフェースが開示されている。共通のインタフェースは設計がモジュール式であり、各ユーザタイプに対して各種の仕様をサポートすることができる。オペレータコンソールはプラントの各部に専用であると共に、例えば、保守、構成、シミュレーション、および監督情報等の追加機能を含んでいる。共通のグラフィカルユーザインタフェースは、単一ケースのアナログコントローラ、メータ、およびディジタル表示器で満たされた制御室の表示に取って替るものである。共通のインタフェースは、以前はパネルモータ起動/停止ボタンおよびステータス表示、チャート式記録計、表示器パネルおよびサブシステムインタフェースによって提供さられた機能を扱うものである。オペレータはコンソールから、アラームを管理し、新しい設定点または他のパラメータを入力することによってプロセスを調整し、詳細確認のためにプロセスの特定の部分を「ズームイン」し、他の特化されたアプリケーションを利用してそれらのバッチ、高度な制御、あるいはビジネスアプリケーションを処理する。インタフェースは専用モードおよび非専用モードの両方で実行され、リッチクライアントとして、あるいはウェブサービスを利用するブラウザ式インタフェースの一部として実行され、ワークステーション、ラップトップ、タブレットPC、ハンドヘルド、およびスマートフォン上で実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連アプリケーション
本出願は、優先権の目的のために、2004年5月4日に出願された、「プロセス制御システムを表わし、モニターし、それと対話するためのグラフィカルユーザインタフェース」と題する米国仮出願番号第60/567,980号に係る特典の正式に提出された出願であり、前記特典を請求するものであり、これを全体として参照により明示的に援用する。本出願は、「プロセスプラントにおけるグラフィック表示要素、プロセスモジュールおよび制御モジュールの統合」と題して、2003年7月21日に提出され、2004年8月5日に米国特許出願第2004/0153804号公報として公告された米国特許出願第10/625,481号にも関連しており、これは「プロセスプラントにおけるスマートプロセスモジュールおよびオブジェクト」と題して、2002年10月22日に提出され、2004年4月22日に米国特許出願第2004/0075689号公報として公告された、米国特許出願第10/278,469号の一部継続出願であり、これらの出願の全体の開示を、ここに明示的に参照により援用する。本出願は、「プロセスプラント構成システムにおけるモジュールクラスオブジェクト」と題して、2003年2月18日に提出され、2004年10月7日に米国特許出願2004/0199925号公報として公告された、米国特許出願第10/368,151号にも関連しており、この開示の全体を、ここで参照により明示的に援用する。本出願は、本出願と同じ日付で、国際(PCT)出願として提出された下記の特許出願にも関連しており、ここで参照によりそれら全体を本出願に援用する。すなわち、「プロセス環境における関連するグラフィック表示」(弁理士整理番号06005/41111)、「プロセス制御システム用のユーザにより構成可能なアラームおよびアラームトレンディング」(弁理士整理番号06005/41112)、「プロセスプラントにおけるプロセスモジュールおよびエキスパートシステムの統合」(弁理士整理番号06005/41113)、「統合環境における、カスタマイズされたプロセスグラフィック表示層を有するプロセスプラントユーザインタフェースシステム」(06005/41114)、「プロセス環境におけるスクリプトされたグラフィックス」(弁理士整理番号06005/41115)、「プロセス構成および制御環境へのグラフィックス統合」(弁理士整理番号06005/41116)、「プロセス環境における複数のビジュアライゼーションを有するグラフィック要素」(弁理士整理番号06005/41117)、「プロセスプラントにおいてグラフィック表示要素およびプロセスモジュールを構成するためのシステム(弁理士整理番号06005/41118)、「プロセスプラントユーザインタフェースにおけるマークアップ言語に基づく動的プロセスグラフィックス」(弁理士整理番号06005/41127)、「プロセス制御データを変更するための方法および装置」(弁理士整理番号06005/591622及び20040/59-11622)、「プロセス制御データにアクセスするための方法および装置」(弁理士整理番号06005/591623及び20040/59-11623)、「プロセス制御システム用の統合グラフィカル実行時インタフェース」(弁理士整理番号06005/591628及び20040/59-11628)、「プロセス制御システム用のサービス指向アーキテクチャ」(弁理士整理番号06005/591629及び20040/59-11629)。
【0002】
オペレータ、保守要員、管理者、およびその他のための共通のプロセス制御ユーザインタフェースが開示されている。本ユーザインタフェースは、各ユーザタイプに対する別々のインタフェースとは反対に、オペレータ、保守作業員、管理者、シミュレータエンジニア、構成エンジニアおよびその他、すなわち、全てのユーザタイプに対して、専用のグラフィックをサポートすることができる。この共通のインタフェースは、生データを、プロセス制御を改善するのに必要とされる処置を決定するのを支援することができる有用なアニメーション、トレンドおよびパターンに速く、かつ、正確な変換を提供する。この共通のインタフェースは、ユーザによって操作可能であるが、例えばアラーム通知等の遮断不能の部分を含んでいる。
【背景技術】
【0003】
プロセス制御システムは、製品が製造される、あるいは、プロセスが制御される工場および/またはプラント(例えば、薬品製造、発電所制御等)で、広く使用されている。プロセス制御システムは、例えば、油およびガスの掘削および処理プロセス等の天然資源の採取においても使用されている。農業を含む、ほとんどどんな製造プロセス、資源採取プロセスでも、一つ以上のプロセス制御システムの適用により自動化することができる。
【0004】
化学、石油または他のプロセスで使用されるような「分散」プロセス制御システムは、一般に、アナログ、ディジタル、または、アナログ/ディジタルの組合せのバスを介して、一つ以上の現場装置(フィールドデバイス)に通信により結合される一つ以上のプロセスコントローラを含んでいる。現場装置(これは、例えば、バルブ、バルブポジショナー、スイッチおよびトランスミッタ(例えば、温度、圧力、レベルおよび流量センサー)であってよい)は、プロセス環境内に設置され、例えば、バルブの開閉、プロセスパラメータの測定等のプロセス機能を行なう。スマート現場装置(例えば、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコルのような周知のFieldbusプロトコルに準拠した現場装置)は、一般にコントローラ内で実行される制御計算、警報機能、および他の制御機能も行なうことができる。
【0005】
プロセスコントローラは、現場装置により測定されたプロセス測定値および/または現場装置に関する他の情報を表わす信号を受け取り、例えば、プロセス制御決定を行ない、受け取った情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)およびFieldbus現場装置等の現場装置で実行されている制御モジュールまたはブロックと調和する異なる制御モジュールを実行させるコントローラアプリケーションを実行する。コントローラにおける制御モジュールは、通信ライン上で現場装置に制御信号を送り、それによりプロセスの動作を制御する。
【0006】
現場装置およびコントローラからの情報は通常、データハイウェイを介して、一般に制御室または他のより過酷なプラント環境から離れた場所に配置される、例えば、オペレータワークステーション、パソコン、データヒストリアン、レポートジェネレータ、セントラライズドデータベース等の、一つ以上の他のハードウェアデバイスで利用できるようにされる。これらハードウェアデバイスは、例えば、オペレータがプロセスに対して、例えば、プロセス制御ルーチンの設定を変更すること、コントローラまたは現場装置内で制御モジュールの動作を変更すること、プロセスの現在の状態を確認すること、現場装置およびコントローラによって生成されるアラームを確認すること、要員をトレーニングするまたはプロセス制御ソフトウェアを試験する目的でプロセスの動作をシミュレートすること、構成データベースを維持し更新すること等の機能を行なうことを可能にできるアプリケーションを実行する。
【0007】
例として、DeltaV(登録商標)制御システム(Emerson Process Management社により発売)は、プロセスプラント内のさまざまな場所に設置された異なるデバイス内に記憶され、それらによって実行される複数のアプリケーションを含んでいる。一つ以上のオペレータワークステーションに存在する構成アプリケーションは、ユーザがプロセス制御モジュールを生成あるいは変更し、これらプロセス制御モジュールを分散された専用のコントローラに、データハイウェイを介してダウンロードすることを可能にする。
【0008】
一般にこれら制御モジュールは、通信により相互接続された機能ブロックからなり、これらは制御スキーム内でそれらへの入力に基づいて機能を行ない、制御スキーム内の他の機能ブロックに出力を提供する、オブジェクト指向プログラミングプロトコルにおけるオブジェクトである。構成アプリケーションはまた、ビューイング(表示)アプリケーションによって使用されて、オペレータにデータを表示し、オペレータがプロセス制御ルーチン内での設定(例えば設定点)を変えることを可能にするオペレータインタフェースを、設計者が生成または変更することを可能にしてもよい。各専用コントローラおよび(場合によっては)現場装置は、実際のプロセス制御機能を実行するために、割り当てられダウンロードされた制御モジュールを実行させるコントローラアプリケーションを記憶し、実行する。
【0009】
ビューイングアプリケーション(一つ以上のオペレータワークステーション上で実行されることができる)は、コントローラアプリケーションからデータハイウェイを介してデータを受け取り、このデータをプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザに、ユーザインタフェースを用いて表示し、例えば、オペレータ用のビュー、エンジニア用のビュー、技術者用のビュー等の、任意の多数の異なるビューを提供してよい。データヒストリアンアプリケーションは一般にデータヒストリアンデバイスに記憶され、これにより実行され、データハイウェイ上で与えられたデータのうちの一部または全てを収集し記憶する一方、構成データベースアプリケーションはデータハイウェイに付加されたまた別のコンピュータで実行され、現在のプロセス制御ルーチン構成およびそれと関連したデータを記憶することができる。或いは、構成データベースは構成アプリケーションと同じワークステーション内に設置されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
プロセス制御環境で使用される制御およびサポートアプリケーションの数およびタイプが増大するにつれて、ユーザがこれらアプリケーションを効果的に構成し使用できるようにするため、さまざまなグラフィカル表示アプリケーションが提供されてきた。例えば、構成エンジニアが、プロセスプラント内の制御デバイスにダウンロードすべき制御プログラムをグラフィカリー(図式的)に生成できるようにするため、グラフィカル表示アプリケーションを使用して、制御構成アプリケーションをサポートすることが行なわれてきた。
【0011】
加えて、制御オペレータがプロセスプラントの現在の機能状態またはプロセスプラントのエリアを確認することを可能するため、保守要員がプロセスプラント内のハードウェアデバイスの状態を確認することを可能するため、プロセスプラントのシミュレーションを可能にするため等に、グラフィカル表示アプリケーションが使用されてきた。しかしながら、これらグラフィカル表示アプリケーションは、過去において、それらが関連している特定のアプリケーションの一部として、またはそれをサポートするために生成され、したがって一般にそれらの有用性は、それらが生成された目的である特定のプロセス機能に限定される。例えば、制御オペレータをサポートするよう生成された現在利用可能なグラフィカルプログラムを、保守、構成またはシミュレーション機能で用いることは、不可能とは言わないまでも困難である。逆に、保守技能者のために設計された現在利用可能なグラフィックプログラムを、制御オペレータ、構成エンジニアをサポートするために、あるいはシミュレーション機能で用いることは、不可能とは言わないまでも困難である。要約すると、現在利用可能なグラフィックプログラムは特化されており、多用途性はない。
【0012】
具体的な例として、いくつかのプロセス制御構成アプリケーションは、現在、プロセスプラントに対する制御計画(戦略)を生成するのに使用されるテンプレートオブジェクト、例えば、機能ブロックテンプレートオブジェクトおよび場合によっては制御モジュールテンプレートオブジェクトのライブラリを含んでいる。テンプレートオブジェクトは、デフォルトプロパティ、設定およびそれらと関連したメソッドを有しており、グラフィカル構成アプリケーションを用いるエンジニアは、これらテンプレートオブジェクトを選択し、選択されたテンプレートオブジェクトのコピーを実質的に構成スクリーンに配置して、制御モジュールを開発することができる。
【0013】
テンプレートオブジェクトを選択し、構成スクリーンに配置する過程の中で、エンジニアはこれらオブジェクトの入力および出力を相互接続し、それらのパラメータ、名称、タグおよび他のプロパティを変更して、プロセスプラントにおける特定の使用に対して特定の制御モジュールを生成する。一つ以上のこのような制御モジュールを生成後、エンジニアは次いで、制御モジュールをインスタンス化(実体化)し、それを適切な一つ以上のコントローラまたは現場装置にダウンロードして、プロセスプラントの運転中に実行することができる。
【0014】
その後、エンジニアは、さまざまなグラフィカル表示生成アプリケーションを用いて、表示生成アプリケーションで表示オブジェクトを選択し、構築することにより、プロセスプラント内のオペレータ、保守要員等に対して、一つ以上の表示を生成することができる。これらの表示は一般に、ワークステーションの一つ以上においてシステムワイドに(システム全体で)実行され、プラント内の制御システムまたはデバイスの動作状態について予め構成された表示をオペレータまたは保守要員に提供する。これら表示は、一般に、コントローラまたはプロセスプラント内のデバイスによって生成されるアラームを受け取り表示する警報表示、プロセスプラント内のコントローラおよび他のデバイスの動作状態を示す制御表示、プロセスプラント内のデバイスの機能状態を示す保守表示等の形態を取る。
【0015】
しかしながら、これら表示は、一般に予め構成され、プロセスプラント内のプロセス制御モジュールまたはデバイスから受け取った情報またはデータを表示する。ある既知のシステムではこのような表示は、物理的または論理的要素と関連付けられるグラフィックを有し、物理的または論理的要素に通信により結合されて物理的または論理的要素についてのデータを受け取るオブジェクトの使用によって生成される。オブジェクトは表示スクリーン上のグラフィックを、あるイベント、例えば、受信データ(例えば、タンクの充てん量が半分であることを示すデータ、流量センサーによって測定された流量を示すデータ等)に応じて変更することができる。しかしながら、個々のグラフィカルエディタは、オペレータ、保守要員、構成要員、シミュレーション要員、及び管理者のニーズを互いに変換することができず、構成、オペレータ制御、保守およびシミュレーション活動に使用されるグラフィカル表示は、現在異なるグラフィカルエディタを用いて互いに別々に生成される必要がある。
【0016】
したがって、制御構成アプリケーションと同様に、表示生成アプリケーションは、スクリーン上に任意の所望の構成で配置してオペレータ表示、保守表示等を生成できるテンプレートグラフィカル表示アイテム(例えば、タンク、バルブ、センサー、スライドバーのようなオペレータ制御ボタン、オン/オフスイッチ等)を有していてよい。個々のグラフィックアイテムは、スクリーン上に配置されるとき、ユーザに対して、プロセスプラントの内部動作についての何らかの情報またはその表示を提供する方法で、スクリーン上で相互接続されることができる。しかしながら、グラフィック表示をアニメート(アニメーション化)するためには、表示作成者はグラフィカルアイテムのそれぞれを、プロセスプラント内で生成されるデータ(例えば、センサーによって測定されるデータあるいはバルブの位置を示すデータ等)に、グラフィックアイテムとプロセスプラント内の当該データソースとの間の通信リンクを指定することによって、手動で結合しなければならない。この処理は単調で時間が掛かり、かつエラーを孕む恐れがあり、かつ、プロセス制御、保守シミュレータ、構成および監督職員に対して別々に行なわなければならない。
【0017】
制御構成アプリケーション内の制御テンプレートオブジェクトおよび表示生成アプリケーション内の表示アイテムは、それらをコピー及び使用して、多くの異なる制御モジュールおよびグラフィカル表示が生成できるので便利であるが、プロセスプラント内の異なる機器に対して、多数の同じ制御モジュールおよびグラフィカル表示を生成する必要が起こることが多い。例えば、多くの中型から大型プロセスプラントは、同じ基本的な汎用制御モジュールおよび表示を用いて制御し確認することができる、同じまたは同様の機器の実体を多数有している。
【0018】
しかしながら、これら多数の制御モジュールおよび表示を生成するためには、汎用制御モジュールまたは表示モジュールを生成し、次いで、適用可能なさまざまな機器のそれぞれに対して、この汎用制御または表示モジュールをコピーする。もちろん、コピーした後で、各新しい制御または表示モジュールのそれぞれを構成アプリケーション内で手動で変更して、それが付加される特定の機器を指定しなければならず、次いでこれらの制御および表示モジュールの全てをインスタンス化し、プロセス制御システムにダウンロードしなければならない。
【0019】
残念なことに、上述の制御モジュールおよび表示アイテムは、いかなる点でもモジュール式ではない。したがって、コピーした後で、制御モジュールおよび表示のそれぞれは、適切な構成アプリケーションを用いて手動でかつ個別に変更されることにより、それらが関連すべきプラント内の機器を指定しなければならない。同じタイプの機器のコピー(すなわち、複製(レプリケート)された機器)を多数有しているプラントでは、この処理は単調で時間が掛かり、オペレータがもたらすエラーを孕む恐れがある。更にまた、ひとたびプログラムされると、これらの異なる制御モジュールおよび表示は互いに他を感知しない。
【0020】
したがって、ひとたび生成された制御モジュールに変更を施すには、エンジニアまたはオペレータは、異なる複製された機器に対する異なる制御モジュールのそれぞれに対して同じ変更を手動で行なわなければならず、これまた時間が掛かり単調である。同じ問題は、プラント内の複製された機器の異なるセットに対して生成されるグラフィカルビューにも当てはまる。言い換えれば、ひとたび特定の制御モジュールまたは特定のグラフィカルビューが(個別にまたはテンプレートオブジェクトからのコピーによって)生成され、次いでプラント内の機器の特定のセットに結合されると、この制御モジュールまたはグラフィカルビューは、それと同じまたは同様の他の制御モジュールまたはグラフィカル表示に対していかなる自動的な感知もせず、システム内で別々のエンティティまたはオブジェクトとして存在する。
【0021】
結果として、特定のタイプの制御モジュールおよびグラフィカル表示のうちのいずれにも適用可能な変更を、それらのモジュールおよび表示に対して個別に施さなければならない。この問題は、グラフィカルビューが、同じ機器に対して生成されるがプラント内の異なる機能的コンテキスト(状況)で生成される場合、例えば、制御ビューイング、保守ビューイングおよびシミュレーション機能に対して生成される場合、より顕著になる。この場合、グラフィカルビューは、互いに他に対するいかなる認識または感知もなしに別々に生成される。
【0022】
したがって、グラフィック表示は、プロセスプラント内で行なわれる一般的な異なる活動に対して使用される異なるアプリケーションで提供され、それらと関連付けられてきたが、これらグラフィック表示および関連グラフィック表示エディタは、一般にそれらがサポートするよう生成されたアプリケーションの機能レベルで追加されてきた。結果として、グラフィカルエディタはそれらが存在する範囲で、ユーザが、特定のアプリケーションによって必要とされる特定の機能をサポートするグラフィックを生成することを可能にしただけであった。以前のプロセスプラントは、プラント構成およびサポートのコンテキスト(状況)で行なわれる各種の活動または複数の活動のグラフィカルニーズによって使用され得る、またはそれをサポートし得るグラフィカル表示エディタを提供してこなかった。したがって、例えば制御構成活動をサポートし、あるいは可能にするのに使用されるグラフィカル表示エディタは、ユーザが制御プログラムを生成することを可能にするだけであり、オペレータまたは保守表示のニーズまたは機能をサポートしなかった。同様に、プラントの運転中に制御オペレータまたは保守技術者に提供されるオペレータビュー、保守ビュー等を生成するのに使用されるグラフィック表示エディタは、構成活動、シミュレーション活動等と関連した機能をサポートしなかった。
【0023】
グラフィック表示のニーズが、プロセスプラントの個々の機能レベルで(例えば、制御構成、保守サポート、制御オペレータサポートおよびシミュレーションサポート機能レベルで)サポートされる結果として、これら各種のエディタによって生成される様々な表示は、プラント内の同じ構成要素のモデリングおよび表現に終わり、結果としてプロセスプラントでの各種の様々な要員によるグラフィカル表示の労力が重複する。この労力の重複は、異なる用途に対して同じプロセス要素を表現する異なるグラフィカル表示を生成するのに必要な労力ばかりでなく、異なる表示アプリケーションで使用されるグラフィック要素を、それらが関連しているプロセスプラント内の実際のハードウェアまたはソフトウェア要素に結合するのに必要な労力に現れる。
【0024】
各種のプロセスプラント活動のためのグラフィカルサポートは、実際に活動が行なわれているという事実の後に、かつ行なわれている実際の活動の一部として提供されてきたので、グラフィカルサポートは、プラント環境において共通のグラフィックがプラント内で各種の異なる機能レベルで生成され、使用されることを可能にする方法で統合されていない。このグラフィックの非統合は、異なる機能に対して実際に生成されるグラフィックが、機能間で、またはアプリケーション間で異なることになり、これは一つの特定のタイプのグラフィカル表示には慣れているがプラント内の異なる動作または機能と関連した異なる表示を時々見なければならない、一部のユーザを混乱させ得るものある。
【0025】
例えば、運転、保守、および、運転および保守に関連する監督機能に対するグラフィカルサポートは一般に全て異なっており、統合されておらず、異なる技法を含み、トレーニングを必要とする。一方、プラントの各種の異なる機能レベル(例えば、運転、保守、管理、設置、およびセットアップ等)でグラフィカル表示サポートを提供することは、表示を生成すること、および表示内の要素をプラント内の実際のハードウェアまたはソフトウェア要素に適切に接続すること、の両方において、各種のグラフィックサポート要素の重複につながる。
【0026】
結果として、プロセスまたはプラントをサポートする各種の機能レベル(例えば、運転、保守、監督等)が単一のインタフェースプラットフォームに統合されることにより、統合されていないプログラムを使用することに伴う重複を無くし、全てのプロセス制御要員が、彼らの共同作業者によって使用されるインタフェースに精通するのをよりよく助ける、プロセス制御システムのための共通のグラフィックユーザインタフェースが求められている。このような共通の、または、汎用のグラフィックインタフェースは、エンドユーザが、いくつかの表示(例えば、アラームまたは他の命令型の表示)を遮断不能にした上で、エンドユーザによって容易に修正され、操作されるべきものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
プロセスおよびプラントの両方に対してリアルタイムインタフェースを提供する、プロセスプラント環境における各種の機能のオペレータ、保守要員、管理者、およびその他のためのグラフィカルインタフェースが開示されている。このインタフェースは、各ユーザタイプに対して各種の特化機能および機能をサポートすることができる。ユーザは構成データベースの使用により、複数のフローティングパネル表示で、それらのワークステーションを比較的自由に操作できる。構成データベースは、データソースおよびイベントを下位レベルの形状にバインドする。
【0028】
一実施形態では、インタフェースの構成データベースは、オペレータが、生データの有用なアニメーション、トレンドおよびパターンへの速く的確な変換を利用することによって、制御されているプロセスをフォローすることを可能にするダウンロード可能な表示を提供し、これは、オペレータの側で必要とされる処置を決定することを支援することができる。しかしながら、同じインタフェースはまた、オペレータによって制御されているプロセスについて、保守要員に適切な表示を提供し、かつ管理要員が使用するための各種のタイプのレポーティングデータを提供する。構成データベースからは、シミュレーションおよび構成表示も利用できる。これらの機能の全てが、単一のインタフェースプラットフォームによってサポートされる。
【0029】
一実施形態では、オペレータコンソールのインタフェースグラフィックは、例えば、保守および監督レポートの追加の機能を含むよう拡張される。インタフェースは、一つ以上のモニター、標準またはカスタムキーボード、サウンドカード、スピーカー、および、ポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、および/またはタッチスクリーン)を含みうるオペレータステーションで使用することができる。本開示のオペレータグラフィックインタフェースは、単一ケースのアナログコントローラ、メータ、ゲージおよびディジタル表示器で満たされた制御室の制御盤に取って替るものである。
【0030】
一実施形態では、本開示のインタフェースは、下記の機能、すなわち、パネルモータ起動/停止ボタン、ステータス表示、チャート式記録計、表示器パネルおよびサブシステムインタフェースのうちの一つ以上を含んでいる。
【0031】
一実施形態では、本開示のユーザインタフェースは、オペレータが下記のこと、すなわち、アラームを管理する、新しい設定点または他のパラメータを入力することによってプロセスを調整する、更なる詳細のためにプロセスの特定の部分を「ズームイン」する、および、実行及び制御されているプロセスに関連する他の専用アプリケーションを利用する、ことのうちの一つ以上を行なうことを可能にする。
【0032】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、専用モードおよび非専用モードの両方で実行することができる。
【0033】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、リッチクライアントとして、あるいは、ウェブサービスを利用するブラウザ式インタフェースの一部として、実行することができる。
【0034】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、ワークステーション、ラップトップ、タブレットPC、ハンドヘルド(携帯機器)、およびスマートフォン上で、実行することができる。
【0035】
一実施形態では、本開示のインタフェースは、制御室で、あるいは、表示装置を固定し、かつ/又は、アクセスを厳重に管理する必要がある任意の場所で使用するための専用モード(すなわち、キオスク型アプリケーション環境)を、サポートしている。
【0036】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースの構成機能は、柔軟性およびインタフェースの機能豊富(リッチ)性が優先的機能である、構成要員、エンジニア、プラント管理者、およびその他が使用するための非専用モードをサポートしている。
【0037】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースの構成機能は、リッチクライアント、ウェブブラウザ、ハンドヘルド、およびスマートフォンを含むが、それらに限定されない複数のユーザインタフェースデバイスをサポートしている。
【0038】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、下記の機能、すなわち、統合された音声および映像;例えばタブレットPCで使用されるような入力技術;埋め込みヒストリアンデータ、アラーム、イベント等を含むリアルタイムデータサービス;外部データサービス;XAMLファイル;他のサービスインタフェースへのアクセス;コンポジット構造を含むプロセスグラフィックス;クラスベースの制御階層;制御、警報、および異常状況管理および防止の統合;統合バッチオペレータインタフェース;統合高機能制御オペレータインタフェース;ルート管理;能率計算;最適化;質量およびエネルギーバランス;第三者アプリケーションの統合;DeltaV(登録商標)コアサブシステムからのアプリケーションの分離;多重データ収集システム(DCS)に対するサポート;複数のシステム(例えば、DeltaV(登録商標)およびPROVOX(登録商標))からのリアルタイムデータに対するサポート;複数のシステム(例えば、DeltaV(登録商標)およびPROVOX(登録商標))からの警報に対するサポート;遮断できない表示上のエリア(例えば、アラームバナー)に対するサポート、のうちの一つ以上をサポートしている。
【0039】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、表示および他のアプリケーションが実行時ワークスペースにロード(読み込み)されることを可能にする。実行時ワークスペースは、各種のアプリケーションを実行することができる安全な環境を提供する。実行時ワークスペースは、スマートフォン、ハンドヘルド、タブレット、ラップトップ、ワークステーション、およびマルチパネルワークステーションを含むが、それらに限定されない各ターゲット環境に対して、カスタマイズすることができる。
【0040】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、完全に統合された表示システムを構築する能力を提供する。
【0041】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、データ値およびイベントに対するグローバルトラック(追跡)バインディングを提供する。
【0042】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、表示が、システム内のどこで使用されているかを追跡する能力を提供する。
【0043】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、一つ以上の表示の完全なバージョン追跡能力を提供する。
【0044】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、他のソースからのデータをリンクする能力を提供する。
【0045】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、他のソースからのデータを使用する能力を提供する。
【0046】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、再使用可能な表示および表示構成要素のライブラリを定義する能力を提供する。
【0047】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、プラント標準を定義し、前記標準をロックし、前記標準のバージョン作成し、かつ、前記標準を異なる機能レベルの複数のユーザ間で容易に共有する能力を提供する。
【0048】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、プラント要員が、彼らの多種多様なデバイス上で使用するための、安全なビューを開発する手段を提供する。
【0049】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、異なる機能レベルの複数のユーザにとってアクセス可能な、回転、透明性等のための特殊な機能を有する十分に拡張性のある(スケーラブルな)グラフィックスを提供する。
【0050】
その他の機能および利点は、添付の図面および添付の請求項の参照による下記の詳細な説明から、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本開示の一元化されたグラフィカル表示構成の各種の機能が、添付の図面に示されている。
【0052】
図は一定の縮尺ではないこと、および本開示の実施形態は、グラフィックシンボル、概略的表現および断片的な図を用いて示されていることを理解されたい。本開示の実施形態の理解に不必要、あるいはその他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。もちろん、本開示はここで示されている特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0053】
図1は、システムレベルのグラフィカルサポートが、プラント10の各種の機能エリアに設けられているプロセスプラント10の例を示す。典型的に、プロセスプラント10は、入出力(I/O)デバイスまたはカード18(これは例えば、Fieldbusインタフェース、Profibus(登録商標)インタフェース、HART(登録商標)インタフェース、標準の4-20maインタフェース等であってよい)を介して一つ以上の現場装置14および16にそれぞれ接続された、一つ以上のコントローラ12を有する分散プロセス制御システムを含んでいる。コントローラ12は、例えばEthernet(登録商標)リンクであってよいデータハイウェイ24を介して、一つ以上のホストまたはオペレータワークステーション20〜23にも結合されている。
【0054】
データベース28は、データハイウェイ24に接続されることができ、プラント10内のコントローラおよび現場装置と関連するパラメータ、ステータスおよび他のデータを収集し、記憶するデータヒストリアンとして、および/または、コントローラ12および現場装置14および16にダウンロードされてそれらの内に記憶されているプラント10内のプロセス制御システムの現在の構成を記憶する構成データベースとして動作する。データベース28は、ここで述べる方法で生成されるグラフィカルオブジェクトを追加的に記憶して、プロセスプラント10内でグラフィカルサポートを提供することもできる。コントローラ12、I/Oカード18および現場装置14および16は、一般に、時に過酷なプラント環境内に設置され、分散されるが、オペレータワークステーション20〜23およびデータベース28は、一般にコントローラまたは保守要員が容易にアクセス可能な制御室、またはその他のより過酷でない環境内に設置される。
【0055】
周知のように、コントローラ12(例えば、Emerson Process Management社から発売されているDeltaV(登録商標)コントローラであってよい)のそれぞれは、任意の数の、異なる、独立して実行される、制御モジュールまたはブロック29を用いて制御計画を実行するコントローラアプリケーションを記憶し、実行する。制御モジュール29のそれぞれは一般に機能ブロックと呼ばれるもので構成することができ、これは各機能ブロックが全体的な制御ルーチンの一部またはサブルーチンであり、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと連動して動作して、プロセスプラント10内のプロセス制御ループを実行する。
【0056】
周知のように、オブジェクト指向プログラミングプロトコルでのオブジェクトであってよい機能ブロックは、一般に例えばトランスミッタ、センサーまたは他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連する入力機能、例えばPID、ファジイ論理等の制御を行なう制御ルーチンと関連する制御機能制御機能、または、バルブ等のある種のデバイスの動作を制御する出力機能のうちの一つを実行して、プロセスプラント10内でいくつかの物理的機能を行なう。もちろん、例えば、モデル予測コントローラ(MPC)、オプティマイザー等の、ハイブリッドおよび他の種類の複雑な機能ブロックも存在する。FieldbusプロトコルおよびDeltaV(登録商標)システムプロトコルは、オブジェクト指向プログラミングプロトコルで設計され、実行される制御モジュールおよび機能ブロックを使用するが、制御モジュールは、例えば、順次機能ブロック、ラダーロジック等を含む任意の所望の制御プログラミング方式を用いて設計することができ、また、機能ブロックまたは何か他の特定のプログラミング技法を用いて設計及び実行されることには限定されない。
【0057】
図1に示すプラント10では、コントローラ12に接続された現場装置14および16は、標準の4-20 maデバイスであってよく、プロセッサおよびメモリを含むスマート現場装置(例えば、HART(登録商標)、Profibus(登録商標)、またはFOUNDATION(登録商標) Fieldbus現場装置)であってよく、または任意の他の所望のタイプのデバイスであってよい。例えばFieldbus現場装置のようなこれらデバイス(図1において参照番号16で示す)のうちのいくつかは、例えばコントローラ12で実行される制御計画と関連する機能ブロックのようなモジュールまたはサブモジュールを記憶し、実行できる。Fieldbus現場装置16のうちの2つの異なるものの内に配置されているとして図1に示す機能ブロック30は、周知のように、コントローラ12内で制御モジュール29の実行と関連して実行されて、プロセス制御を実行してもよい。もちろん、現場装置14および16は、例えば、センサー、バルブ、トランスミッタ、ポジショナー等の任意のタイプのデバイスであってよく、また、I/Oデバイス18は、例えば、HART(登録商標)、Fieldbus、Profibus(登録商標)等の任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに準拠した任意のタイプのI/Oデバイスであってよい。
【0058】
図1のプロセスプラント10では、ワークステーション20〜23は、プラント10内の同じまたは異なる要員によって行なわれる各種の異なる機能に対して使用される各種のアプリケーションを含むことができる。ワークステーション20〜23のそれぞれは、各種のアプリケーション、プログラム、データ構造等を記憶しているメモリ31、およびメモリ31に記憶されているアプリケーションのうちの任意のものを実行するのに使用できるプロセッサ32を含んでいる。図1に示す例では、ワークステーション20は構成ワークステーションに指定され、権限を与えられた構成エンジニアがアクセスして、制御ルーチンまたはモジュール(例えば、モジュール29および30)を生成し、プラント10の各種のコントローラ12およびデバイス16にダウンロードすることができる、例えば、制御モジュール生成アプリケーション、オペレータインタフェースアプリケーションおよび他のデータ構造を含むことができる、一つ以上の構成アプリケーション33を含んでいる。
【0059】
ワークステーション21は、全体として制御オペレータビューイング(閲覧用)ワークステーションとして図1に示されており、プロセスプラント10の運転中に制御オペレータに各種の表示を与えて、オペレータがプロセスプラント10内で、またはプラントのさまざまな部分で起こることを確認するとともに、制御できるようにすることができる、多数の表示アプリケーション34を含んでいる。アプリケーション34は、例えば、制御診断アプリケーション、チューニングアプリケーション、レポート生成アプリケーション、または制御オペレータが制御機能を行なうのを支援するのに使用できる任意の他の制御サポートアプリケーションのような、サポートアプリケーション34aを含んでいてよい。
【0060】
同様に、ワークステーション22は、保守ビューイングワークステーションとして図示されており、各種の保守要員が、プラント10の保守ニーズを確認し、各種のデバイス12、14、16等の動作または稼動状況を確認するのに使用できる、多数の保守アプリケーション35を含んでいる。もちろん、アプリケーション35は、例えば、保守診断アプリケーション、較正アプリケーション、振動分析アプリケーション、レポート生成アプリケーション、または保守要員がプラント10内で保守機能を行なうのを支援するのに使用できる任意の他の保守サポートアプリケーションのような、サポートアプリケーション35aを含んでいてよい。
【0061】
加えてワークステーション23はシミュレーションワークステーションとして示されており、トレーニング目的、プラントの保守および制御を支援するプラントモデリング目的等を含む任意の多数の目的のために、プラント10またはプラント10の各種の部分の運転をシミュレートするのに使用できる多数のシミュレーションアプリケーション36を含んでいる。典型的には、ワークステーション20〜23のそれぞれは、表示スクリーン37を、キーボード、マウス等のような他の標準周辺装置と共に含んでいる。
【0062】
もちろん、各種の構成、制御、保守およびシミュレーションアプリケーション33〜36は、それらの機能の一つに専用化された異なるワークステーションに設置されていることとして図1に示されているが、これらまたはその他のプラント機能と関連した各種のアプリケーション33〜36は、プラント10のニーズおよび設定により、プラント10内の異なるワークステーションまたはコンピュータに設置し、実行することができることが理解されよう。したがって、例えば、一つ以上のシミュレーションアプリケーション36および制御アプリケーション33は、同じワークステーション20〜23で実行することができ、一方、これらとは異なる個々のシミュレーションアプリケーション36または異なる個々の制御アプリケーション33は、ワークステーション20〜23のうちの異なるもので実行することができる。
【0063】
過去において、プラント10の異なる機能エリアで使用される異なるアプリケーションの開発は、全く独立的に行なわれた。したがって、構成アプリケーション33の開発は、シミュレーションアプリケーション36、保守アプリケーション35またはオペレータ制御アプリケーション34と統合されていなかった。事実上、多くの場合にプラントは、異なる会社またはソフトウェア供給者によって開発され、また事実上プラント10内の他のソフトウェアから独立して実行されるよう開発された、異なる機能エリアのためのアプリケーションを含んでいる場合があった。
【0064】
このようなプラント10の各種の機能エリアと関連した異なるアプリケーションの独立した開発および運転の結果として、プラント要員は一般に、構成、オペレータ制御、保守およびシミュレーション機能レベルのそれぞれにおいて、プラントを別々に構成またはセットアップする必要があった。具体的には、同じまたは異なるプラント要員は一般的に、異なるプログラムを用いて、機能レベルのそれぞれにおいて、新しいデータ構造およびグラフィック表示を設定しなければならなかった。したがって、図1では、各種のアプリケーション33〜36のそれぞれについて、行われた構成、制御、保守およびシミュレーション機能は、一般に、プラント要員がこれらの構成、オペレータ制御、保守およびシミュレーション機能を行なうのを支援するための、異なるグラフィック表示エディタおよびデータベース構造を含んでいたか、あるいは使用した。
【0065】
多くの場合、これらの異なるグラフィック表示エディタおよびデータベースは、異なるグラフィック表示を生成して、プラント10の同じ部分またはエリア、またはプラント10内の同じハードウェアを表現あるいはモデル化するために、また、異なるプラント要員が、構成、オペレータ制御、保守またはシミュレーション活動の状況において、プロセスプラントに何が起こりつつあるかを視覚化し理解するのを支援するのに使用された。
【0066】
アプリケーション33〜36およびプラント10内の各種の機能のそれぞれに対する関連する表示は、一般に互いに無関係に、時には異なる人々によって、また異なる会社によってすら開発され、実行されたため、プロセスプラントの異なる機能エリアにおいて生成されまたは使用されるグラフィカル表示は、グラフィカルなビジュアライゼーション(視覚性)を提供する点からは、首尾一貫したまたは容易に理解される方法では全く統合されていなかった。結果として、プラントの各種の異なる機能レベルにおけるグラフィカル表示の独立した生成および実行により、グラフィカル表示は機能間で異なる様相を呈し、グラフィック表示には、機能エリアにわたって首尾一貫した様相および印象がなかった。
【0067】
さらに、このような独立した生成は、プラントの同じ部分またはエリアだが異なる機能的用途のためにグラフィカル表示を生成する際に労力の重複となり、そのように生成されたグラフィカル表示は、例えばコントローラ12および現場装置14、16等のプラント10内の各種のデバイスに、プラント10の機能レベルごとに別々に結合され、それらからデータを受け取ることが必要とされた。この事実はまた、異なる表示のために同じハードウェア要素を追跡するのに、データベース構造の重複を必要とした。したがってこれまでは、例えば第1のアプリケーション(例えば、アプリケーション35のうちの一つ)は、保守目的のためにプラント10の一部を示す保守表示を生成するのに使用され、一方、第2のアプリケーション(例えば、アプリケーション34のうちの一つ)は、制御目的のために、プラント10の同じ部分を示す制御オペレータ表示を生成するのに使用された。
【0068】
これらの異なる表示エディタによって別々に生成された表示は、様相および印象において全く異なる場合があり、ユーザが保守表示とオペレータ表示との間で、混乱することなしに容易に、あるいは各タイプの表示についてトレーニングの必要なしに、行ったり来たりするよう切り換えるのは困難であった。同様に、異なるアプリケーション34および35において、両方の表示を独立して生成する際に労力が重複し、また保守表示および制御オペレータ表示を、プラント10内で同じハードウェア要素に別々に結合あるいは接続して、時には同じまたは同様のデータをそれらのハードウェア要素から受け取るためのデータベース構造を生成するには、さらなる追加の労力が必要であった。
【0069】
これらの非能率を軽減し、プラント10内でより広く有用で理解しやすいグラフィックを提供するためには、プロセスプラント10のシステムレベルにグラフィカルサポート層が設けられて、構成、オペレータビューイング、保守ビューイング、シミュレーションおよびプラント10の他の機能エリアを含むプラント10の各種の機能エリアのそれぞれのグラフィッカル表示およびデータ構造ニーズをサポートする。
【0070】
このシステムレベルのサポートは、プラント動作レベル40、プラント機能レベル42およびシステムレベル44を示す図2に図式的に表現されている。図2から分かるように、プラント動作レベル40は、コントローラ12、現場装置14、16等を含んでおり、これらは、制御ルーチンまたはモジュール29および30、並びにプラント10内で実行される他のソフトウェアを実行して、日次ベースにプラント運転を実行する。プラント機能レベル42は、構成機能ブロック46、制御機能ブロック47、保守機能ブロック48およびシミュレーションブロック49を含むこととして表現されているが、他のあるいは異なる機能も同様に設けられてよい。
【0071】
構成機能ブロック46は、プラント動作レベル40内の構成要素とインタフェース又は通信する構成ルーチン33を実行して、プラント動作レベル40に制御計画または制御モジュールを提供する。制御機能ブロック47は、制御ビューイングおよびその他のアプリケーション34および34aを含んでおり、これらも、プラント動作レベル40内の各種の物理的および論理的構成要素と一般的には直接にインタフェース又は通信することにより、プラント内で、オペレータにより起動された変更を実行する、制御表示34を介してオペレータに情報を提供する、制御アプリケーション34aのためのデータを獲得する等を行う。保守機能ブロック48は保守ルーチンおよびアプリケーション35および35aを含んでおり、これは、プラント動作レベル40内の各種の物理的および論理的構成要素とインタフェース又は通信することにより、保守手続きを実行する、保守データを収集する、保守表示35を介して保守要員に保守データまたは情報を提供する、診断アプリケーション35aを実行する等を行なう。同様に、シミュレーション機能ブロック49はシミュレーションルーチン36を含んでおり、これは、プラント10のシミュレーションを実行し、プラント動作レベル40内の構成要素に通信により結合してプラントについてのデータを得ることができる。
【0072】
図2に示すように、システムレベルサポート層44は、プラント機能性層42内で機能ブロック46〜49のそれぞれに結合し、それらをサポートすることにより、例えば、各種の機能エリア46〜49で使用するための共通のデータベースおよび表示構造(例えば、ソフトウェアオブジェクト、グラフィカル要素およびグラフィカル表示等)の生成および維持を可能にする。より詳しくは、システムレベルサポート層44は、機能ブロック46〜49のそれぞれで行なわれるグラフィカル活動を共に統合する、あるいはシステムサポート層44において生成される共通のデータベース構造およびグラフィカル要素を用いて開発することを可能にする、アプリケーション、データベースおよびグラフィカルサポート要素を含んでいる。
【0073】
このシステムレベルのサポートを提供するために、システムサポート層44は、グラフィカル表示エディタ50およびグラフィカルオブジェクトデータベース52を含んでいてよい。グラフィカルエディタ50は、グラフィカル要素54およびグラフィカル表示56を生成し、グラフィックオブジェクトデータベース52は、要素54および表示56をエディタ52およびブロック46〜49における各種のアプリケーションがアクセス可能なメモリに記憶する。データベース52は、他のオブジェクト58、および、グラフィカル要素54をプラント動作レベル40内の個々のハードウェアおよびソフトウェア要素に接続するデータ構造をも記憶していてよい。加えてデータベース52は、グラフィカル要素又は表示テンプレート、あるいはさらなるグラフィカル要素または表示を生成するのに使用できるプリミティブ(原型)を記憶していてよい。図2から分かるように、グラフィカル表示要素54、表示56および他のデータベース構造58は、機能ブロック46〜49のうちの任意の、および全てにおいて使用されることにより、それらの機能ブロックと関連したグラフィックスを生成し、使用することができる。
【0074】
理解されるように、システムレベルサポートブロック44は、図1のプロセスプラント10で使用されるグラフィックスを機能エリアの全てにおいて統合する方法を提供し、これにより、異なる機能的コンテキストにおいて同じプラント機器に対して異なるグラフィック要素を繰り返し生成する必要性を低減する又は排除し、ユーザが機能エリア46〜49のそれぞれにおいて、それらの機能エリアと関連したグラフィカルビューで表示されている機器と関連したデータを結合するのを容易にする。システムレベルサポート層44は、機能エリア46〜49のそれぞれにおける複数のアプリケーション、また、異なる機能エリア46〜49における異なるアプリケーション等に対して、グラフィックスおよびデータベースサポートを提供するのに使用できることが理解されよう。
【0075】
再び図1を参照すると、システムレベルサポートブロック44は、他のワークステーション20〜23のそれぞれに接続できる追加のワークステーションまたはユーザインタフェース60を用いて実装できる。ワークステーション60は、一般にグラフィックスエディタ50およびデータベース52を記憶することができ、所望であれば他の要素54、56および58を記憶してよい。加えて、ワークステーション60は、データバス24を介して、別々の有線または無線通信接続(図1に点線で示す)を介して、または、任意の他の所望の方法で、通信によりワークステーション20〜23に接続することができる。
【0076】
図1に示す構成では、ワークステーション60は、表示エディタ50を記憶及び実行して、ユーザが、グラフィカル要素を生成すること、及びそのような要素を一つ以上のグラフィカル表示にグループ化することを可能にし、ここではこれらの両方を表示モジュールと呼ぶ。これら表示モジュールは次いでデータベース52に記憶され、図2に示す各種の機能ブロック46〜49によってアクセス及び使用され、各種のワークステーション20〜23に実装されることができる。図示のため、システムレベルブロック44および機能レベルブロック46〜49の機能は、図1における異なるまたは別々のワークステーション20〜23および60で実装されることとして示してあるが、これら各種のブロックのうちの任意のものと関連したアプリケーションのうちの任意のものまたは全てが、同じまたは異なるワークステーション、または、プロセスプラント10内の又はこれと関連する他のコンピュータで実行され得ることが理解されよう。したがって、グラフィックスエディタ50は、他のワークステーション20〜23のうちの任意のもの、または、プラント10と関連する任意の他のコンピュータに記憶され、その上で実行されてよく、スタンドアロンまたは別のコンピュータに記憶され、その上で実行される必要はない。
【0077】
上述したように、図2のシステムレベル層44は、システムレベルの表示およびデータベースオブジェクトを実装し、これらは、各種の機能性環境で使用することができると共に、より上位レベルの表示機能を提供することができる。一般的に、図2のシステムレベル44で生成される表示オブジェクトは、グラフィカル要素およびグラフィカル表示として分類することができる。グラフィカル要素は、一般に、プラント内の特定の物理的エンティティ(例えば、バルブ、センサー、ポンプ、コントローラ等のようなハードウェアデバイス)と結びつけられたプリミティブまたは下位レベルの表示オブジェクトである。グラフィカル表示は一般に、一組(セット)の相互接続された表示要素からなり、プラント内のより複雑なハードウェアのセット(例えば、ユニット、エリア等)を表現しモデル化するのに使用され、異なるハードウェアユニット間の相互接続を含んでいる。追加的に、グラフィカル表示は、プラントや、他のアプリケーション(例えば、ワークステーション20〜23および60内で実行される診断およびビジネスアプリケーション)等から提供されるグラフ、チャートおよびその他のデータを含んでいてよい。
【0078】
図3は全体として、グラフィカル要素およびグラフィカル表示の開発、およびこれら要素および表示が存在しうる2つの環境、具体的には構成環境70および実行時環境72におけるグラフィック表示を示す。一般的に、グラフィカル要素74(別々の要素オブジェクト74a、74b等として表現されている)およびグラフィカル表示76(別々の表示オブジェクト76a、76b等として表現されている)の形態での表示オブジェクトは、例えば表示エディタ50を用いて構成環境70で生成される。オブジェクト74および76は、生成された後、データベース52に記憶されることができる。
【0079】
オブジェクト74および76は、プロセスプラント内の特定のハードウェアまたは論理的要素にバインドもしくは結合されないジェネリック(汎用)オブジェクトを定義するクラスオブジェクト(ここでは、表示モジュールクラスオブジェクトと呼ぶ)として生成されてよい。しかしながら、クラスオブジェクトは、クラスオブジェクトと同じ基本的なプロパティを有して、プロセスプラント内の特定のハードウェアに結合もしくはバインドされる実行時グラフィカルオブジェクトを生成するのに使用することができる。しかしながら、一般的にクラスオブジェクトは、それからインスタンス化された子オブジェクトに依然として結びつけられており、したがってクラスオブジェクトに対する変更は、子オブジェクトに自動的に伝播されることができ、これはこれら子オブジェクトが実行時環境内でインスタンス化される場合でも同様である。
【0080】
図3に示すように、グラフィック要素オブジェクト74のそれぞれは、多くの異なる状況で、グラフィカル要素を有用にする多数の構成要素を含んでいる。具体的には、各グラフィカル要素74は、一つ以上のビジュアライゼーション(視覚的特徴)77、任意の数のパラメータまたはプロパティ78、スクリプトまたはトリガとして実行できる任意の数の動作またはアニメーション79、及びバインディング80を含んでいる。一般的に、各ビジュアライゼーション77は、グラフィック要素が実行時環境72で実行される際、表示スクリーンに実際に表示されるべき視覚的プロパティまたは要素を定義する。
【0081】
典型的にはビジュアライゼーションは、物理的または論理的デバイスまたはデバイスのグループの表現を定義するが、ビジュアライゼーションはその他のエンティティを表現することもできる。ビジュアライゼーション77は、エンティティのグラフィカル描写の仕様を定義する任意の所望の記述またはプログラミングパラダイムを用いて実行時環境72で実行されることができる。一実施形態では、ビジュアライゼーション77は、PGXMLまたはAvalonコントロール(これらはMicrosoft(登録商標)によって供給される周知のコントロールであり、オブジェクトベーストであるため、ビジュアライゼーションを標準のWindows(登録商標)タイプ表示で容易に実行可能にし、表示環境間でポータブルにする方法を提供する)を用いて実行してよい。
【0082】
一般的、パラメータおよびプロパティ78は、ビジュアライゼーションによって表現されるエンティティと関連する変数またはその他のプロパティ(例えば、静的または可変の固有(intrinsic)プロパティ)を定義し、これらプロパティは要素74の作成者によって定義できる。同様に、動作およびアニメーション79は、ビジュアライゼーション77が表示スクリーンに表現された場合、ビジュアライゼーション77上又は用いて行なわれるプログラム(これは、スクリプトとして実装することができる)、ルーチンまたは挙動を定義することにより、ビジュアライゼーションに、より興味の持てる、理解しやすい、または有用なグラフィカルプロパティを提供する。場合によっては、これらの動作またはアニメーションは、ビジュアライゼーションの各種の構成要素の色、サイズ(例えば、高さおよび幅、線サイズ、フォント等)の変化、塗りつぶし色、およびアニメーション(例えば、色の変化、回転、サイズおよび縮尺の変化、傾斜角の変化等)の形態を取ることができる。
【0083】
これらの動作およびアニメーションは、グラフィカルプロパティ並びにユーザ対話プロパティをグラフィカル要素74に提供するものである。静的または固定バインド、またはエイリアス(別名)を用いるバインドであってよいバインディング80は、グラフィック要素74が、実行時環境72で表示の一部として実行される際に、パラメータまたはプロパティ78を実行時環境72内のデータ、タグまたはその他のエンティティにバインドする方法を定義する。基本的には、各グラフィカル要素74のためのバインディング80は、グラフィカル要素74を、プラント環境内のどこかで定義される一つ以上のエンティティまたはデータ要素に結合する方法を確定し、したがって、実際の実行時環境72とグラフィカル要素74との間のインタフェースを定義する。
【0084】
図3に示すように、グラフィック表示オブジェクト76のそれぞれは、例えば一つ以上のグラフィック要素81、コネクタ要素82、動作およびアニメーション83、プロパティ84およびバインディング85への参照のような、多数の構成要素を含んでいる。一般的に、グラフィック表示76は、パイプ、ライン、コンベヤベルト等を表わすコネクタ要素82と共に視覚的に接続されることができる各種のグラフィック要素81の相互作用を表現する表示であってよい。図3における点線は、グラフィック表示オブジェクト76aによるグラフィック要素74のうちの一つへの参照を示す。グラフィック要素を参照するグラフィック表示は、そのグラフィック要素のプロパティ、パラメータ、動作およびアニメーション等の全てを含んでいることが理解されよう。
【0085】
グラフィカル要素74と同様に、各グラフィカル表示76は、それに関連する一つ以上の動作またはアニメーションを含んでよく、これらは例えば、表示上のアニメーション、ユーザインタフェース対話、データ操作等を行うことができる。同様に、各グラフィカル表示76は、表示と関連する任意の数のプロパティを含んでいてよく、一般にこれらプロパティは、表示内で表現されるユニット、エリア、または要素の他のグループのプロパティを定義する。もちろん、バインディング85は、グラフィカル表示76を、プラント環境内のどこかで定義される一つ以上のエンティティまたはデータ要素に結合する方法を定義し、したがって、実際の実行時環境72とグラフィカル表示76との間のインタフェースを定義する。
【0086】
グラフィック表示76及びグラフィック要素74は、ひとたび生成されると、例えば図1のワークステーション20〜23のうちの任意のものにおいて、実行時環境72にバインドされ、そこで実行されてよい。具体的には、グラフィック要素74またはグラフィック表示76がクラスオブジェクトとして生成され、データベース52に記憶された後、その要素または表示は、実際の実行時オブジェクトとしてインスタンス化され、実行時環境72で実行されることができる。
【0087】
ブロック86で示すように、インスタンス化プロセスは、オブジェクト74および76で定義されたバインドを解決テーブルにフィルイン(記入)する。解決テーブルは、プロセスプラントまたはプロセス制御システム内の適切な変数名、タグ、エイリアス等をロードして、プロセスプラント内の実際のエンティティと、プラント内の表示デバイス上で実行されるグラフィックオブジェクトとの間に特定の接続を提供することができる。バインドプロセスの一部として、表示オブジェクト74および76は、解決テーブルによって定義されるようにプロセスプラント内のデータソースに接続することによりプラントへのアクセスを取得し、インスタンス化した表示オブジェクトをプロセスプラント10に論理的及び通信的に接続する。
【0088】
ブロック87で示すように、表示要素74またはグラフィック表示76は、実行時環境72内の、いくつか挙げるならば構成表示、制御オペレータ表示、保守表示およびシミュレーション表示を含む多数の異なる機能内で、または、それらの一部として実行されることができる。加えて、表示オブジェクト74および76は、例えば図2で表現されている例えば予測制御または予測保守機能、システムレベルエラー検出等を含む機能レベルのうちの各種のものから得たデータを用いるような、システムレベル機能を行なう際に使用することもできる。事実上、表示76は、ひとたび構成環境70で生成され、データベース52に記憶されたら、多数の異なる活動において使用されてよい。
【0089】
更にまた、表示オブジェクト74および76は、任意の所望の表示またはコンピュータハードウェア(例えば、ワークステーション90、ラップトップコンピュータ91、携帯情報端末(PDA)や電話機等のようなハンドヘルドデバイス92)、または、任意の他の特殊ディスプレイ93(例えば、複数のモニターを有する大形スクリーンディスプレイ等)上で実行されてよい。所望なら、単一のグラフィック表示76は、一つ以上のビュー(例えば、構成ビュー、オペレータビュー、保守ビューおよびシミュレーションビュー)を含むよう、層(レイヤ)状にされてよい。或いは、別々のグラフィカル表示76がこれら別々のビューを提供し、これらの各種の機能に対して生成される表示にわたって首尾一貫した様相および印象を提供するように、同じまたは同様のグラフィカル要素81を用いて構成されてよい。
【0090】
ブロック95で示すように、実行時環境72に移植されるため、グラフィカル要素74またはグラフィカル表示76はコピーまたはインスタンス化され、実行時マシンにロードされてよい。一般的に、表示オブジェクト74または76は呼び出されるか、あるいは、実行時マシン上で実際に実行される時にのみ実行時環境72にバインドされることが望ましく、これをここでは実行時バインドと呼ぶ。すなわち、インスタンス化されたオブジェクトのそれぞれに対する解決テーブルは、表示オブジェクトが、実行時コンピュータ内で実際に動作または実行される時にのみ、実行時環境にフィルインまたはバインドされる。この手続きは、ビジュアライゼーション、制御、スクリプト等を含む表示オブジェクトが、オブジェクトの一つ以上のビジュアライゼーションが表示スクリーン上に実際にレンダリングされる時にのみ実行され、従ってその時のみ処理パワーを使用することを保証する。
【0091】
言い換えれば、表示オブジェクトは好ましくはオブジェクトが実行時コンピュータ上で実際に実行される時にのみ実行時環境72にバインドされる。このように、表示オブジェクト74および76を、これらオブジェクトによって生成されるビジュアライゼーションを見るユーザの活動によって規定されるように、実行時環境72に断続的に接続できることを意味する。具体的には、これらオブジェクトはそれらを見ることが要求された時点で実行時環境72にバインドされてよく、またユーザから見られない場合(例えばユーザが、これらオブジェクトがビジュアライゼーションを提供しているスクリーンを、最小化あるいは閉じる場合)には、アンバインドまたは解放してよい。
【0092】
表示オブジェクト74および76は、したがってスタンドアロン環境、すなわち構成環境70で生成されることができる単なるオブジェクトであるが、プロセスプラント内で定義される他のオブジェクトまたはデータ構造、または、例えば、任意の制御、シミュレーション、保守、または構成環境内で定義されるオブジェクト、データ構造等を含む、プロセスプラント環境内で実行される任意のアプリケーションと結合または接続されてよい。更にまた、表示オブジェクト74および76は、ひとたび生成されたら、直接参照、変数または解決テーブルによって定義されたタグを介して直接的に物理的または論理的プロセスエンティティに明確にバインドされてよく、或いは、表示オブジェクト74または76が実行時環境72内でダウンロードまたはインスタンス化される時、あるいは場合によっては、表示オブジェクト74または76が実行時環境72内で実際に実行されている時のいずれかに解決されることができる、エイリアス名称、変数およびパラメータの使用を通じて間接的に、物理的または論理的プロセスエンティティにバインドされてよい。
【0093】
表示エディタ50は、表示オブジェクト74および76の使用の容易さおよび汎用性を高めることを可能にするために、表示オブジェクト74および76を各種のレベルの詳細さで生成することができる。例えば、より基本的な物理的および論理的エンティティのプロパティおよび動作を定義するためにグラフィカル要素74をまず生成し、次いで、より複雑な物理的または論理的エンティティ、または物理的または論理的エンティティのグループを表現する、より上位レベル又はより複雑な表示を生成するために、一つ以上のグラフィカル要素74を相互接続することによってグラフィカル表示76を生成してもよい。
【0094】
図4は、遮断できない下部アラームバナー111を含んでいる表示110の例である。表示110は、表示110の垂直エッジに沿って伸張することもできる構成バナー112を含んでいる。アラームバナー111および構成バナー112の位置は明確に互換でき、表示110の他の部分または外観に配設することができる。示されている表示110は、通知部113、メイン部114および付加部115(これは、ロード可能フェースプレート、トレンドおよび他の表示オプションを含むことができる)を含む3つのメイン表示部を含んでいる。通知部113は主として、オペレータ、保守人員および監督要員に適用可能な通知に使用される。メイン表示114は、機器モジュールまたは全体的なシステム(例えば、上述の図3参照)のグラフィック表示を含むことができ、あるいは、数値、文字またはグラフィックの形態のデータを含むことができる。プロセス制御アラームおよびそれらの通知は、オペレータ要員の他、全ての要員にとって重要であると思われるので、アラームバナー111が遮断できない(閉じられない)ことが重要である。一実施形態では、アラームバナーは、拡縮可能または移動可能ではない。しかしながら、アラームバナー111の移動は、管理者、保守および構成エンジニアよりアラームバナーに対する関わりが少ない非オペレーティング要員にとって、有用である場合がある。
【0095】
表示110の構成機能112は、ユーザが表示110を、以下に述べるように、運転制御表示として、保守表示として、構成表示として、シミュレーション表示として、または、管理要員のために意図された表示として、あるいは、これらのうちの任意の一つ以上の組合せとして、構成することを可能にする。更に、ここで開示される表示は、単一のモニターワークステーション、複数のモニターワークステーション、PDAデバイス、電話またはタブレットPCタイプのデバイス上に示すことができる。
【0096】
本開示による表示110の構成は、下位レベルの形状および形状コンポジット77〜80の生成(図3参照)、図3の86で示すようなデータソースおよびイベントの、それらデータソースへのバインディング、完成した表示110の生成、表示81〜85の構成データベースへの記憶、表示の構成データベースからのダウンロード、およびリッチユーザインタフェースまたはウェブブラウザにロードするための構成データベースの実行時ロード可能ビューの生成を、含んでいる。図5にこの例が示されており、図示のように、実行時機能は構成バナー112からアクセス可能であり、表示ローディング、実行時ローディング、およびデータソースへのバインディングまたは接続を含んでいる。構成バナー112からは、背景オブジェクトおよび予測された障害としての、実行時シミュレーションにもアクセス可能である。矢印117、118は、構成データベース(これは、構成バナー112からアクセス可能である)からの各種のスクリプトのダウンロードを表現するよう意図されている。
【0097】
図6を参照すると、変更された表示110aが、1次またはメイン表示114a、114bおよび114cにおける遮断不能のアラームバナー111と共に示されている。114aでは、ポンプ121、制御バルブ122および蓄積タンク123を含む機器モジュールの一部の概略図が示されている。タンクが充てんされているので、データテーブル124はタンク123を充てんする方法を示している。しかしながら、追加の情報が必要な場合があり、したがって表示114bはタンク123充てんのグラフィカル表現125を含んでおり、また表示114cは進行中のデータ蓄積を数値形態で示すスプレッドシートまたはグリッド126のいずれかを含んでいる。このようにして、表示を、オーバービュー表示から始めて、システムの一つの曲面に焦点を合わせた詳細な表示に至るまでの、増大する詳細レベルで配置することができる。これらおよび他の表示は、本開示のインタフェースを用いて容易に構成することができ、また他の変形例は当業者には明らかであろう(以下にそのいくつかのを述べる)。
【0098】
図7を参照すると、本開示の表示グラフィックソフトウェアは、譲受人自身のDeltaV(登録商標) ソフトウェア、OVATION(登録商標)ソフトウェア、PROVOX(登録商標)ソフトウェア、およびオープンプロセスコントロール (OPC) ソフトウェアを含む他のデータソースおよびプログラムと互換できる。本開示されるグラフィック表示インタフェースは、図7に示すように、競合他社のデータベースおよびソフトウェアと通信することもできる。
【0099】
図8は、下部ツールバー152の起動されたボタン151で示されているオペレータのための、設計中のグラフィック表示110bの例である。グラフィック階層ビュー153は、表示110bのためのグラフィックオブジェクト階層を表示するよう意図されている。プロパティビュー154は初期状態ではドキュメントプロパティを表示し、表示110bの設計につれて次いで変化して、新しく選ばれたツールまたは現在選択されているオブジェクトに対するプロパティを表示する。パレットビュー155は、プロセス要素156a〜156dの複数のパレットを表示する。表示110bで使用される外部参照のリストは、157で示されているバインディングビューに見出すことができる。ユーザが生成または変更するどの表示または要素に対しても、別々のドキュメントウィンドウが開かれ、タイトルバーにファイルの名称が現れる。
【0100】
図8に示す表示エディタは、下記の機能も含んでいる。メニュー171は、特定のグラフィック要素に適用することができるユーザコマンドの全てを含んでいる。ツールバー172は、各種のメニューコマンドへのショートカットを含んでいる。グラフィック階層153は、ツリービュー153aおよびリストビュー153bを含む2つの要素を含んでいる。プロパティビューは、特定のグラフィック要素の固有プロパティおよびイベントをリストしている。メインスクリーン174は、メイン編集エリアである。パレット155は、システムで定義された各種のグラフィック要素156a〜156dをリストしている。図8に示すインタフェースは、水平ルーラ175および垂直ルーラ176も含んでいる。図8に示す実施形態は、運転層(レイヤ)151、保守層177、構成層178、シミュレーション層179および監督または管理層180を含む5つの層(レイヤ)をサポートすることができる。これら全て及びこれ以上又は以下の層が、利用可能な機能である。また、トレーニング層も利用することができる。
【0101】
図9は、図8に示すグラフィックプログラムを起動するための一手段の例である。図10は、生成されてデータベースの各種のファイルに記憶されている各種の表示を示すスクリーンの部分図である。「Display(表示)」158が選択された場合、ファイル159、160が次いでメインスクリーン161に現れる(図10参照)。
【0102】
図11を参照すると、PDA、タブレットPCまたはスマートフォンタイプのデバイスで使用することができるサンプル表示110bが示されている。図1〜10に関連して上述したグラフィック表示エディタは、これらのタイプのハンドヘルドデバイス上で使用することができる。
【0103】
更に、上記のように、上述の表示エディタは、例えば、図12および13に示すようなマルチスクリーンワークステーションで利用することができる。110c〜110hで示す表示は全て、運転またはプロセス制御、保守、構成、シミュレーションまたは監督要員のために構成することができる。各種の表示110c〜110hは個別に、プロセス制御、保守、シミュレーション、構成または監督表示であることができ、あるいは個々の表示パネル110c-110hはそれぞれグラフィック表示エディタによってサポート可能な各種の機能のうちの任意のものの組合せであることができる。したがって、本開示のシステムは、あるタイプのワークステーションまたはハンドヘルドデバイスに対する単一の表示システム、並びに複数の表示ワークステーション上に、複数の機能表示を提供する。
【0104】
以上、ある種の実施形態のみを記載したが、当業者には、上記の説明から、各種の変形例における代替の実施形態が明らかであろう。これらおよびその他の代替物は同等物とみなされ、本開示の趣旨および範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】プロセスプラント内の各種の機能と関連した表示ルーチンおよび他のアプリケーションを実行するオペレータワークステーション、並びに、プラントの各種の機能エリアのそれぞれに対して、表示要素および表示を生成するのに使用できるシステムレベルグラフィカルサポートを提供するワークステーションを含む、プロセスプラント内に設置された分散プロセス制御ネットワークのブロック図である。
【図2】プロセスプラント制御、ビューイングおよびシミュレーションシステム内のシステムレベルグラフィカルサポートの統合を示す論理的ブロック図である。
【図3】グラフィカル要素および表示が生成される構成環境、および、グラフィカル要素および表示を実行できる実行時環境を示す論理的図である。
【図4】ワークステーション、複数のパネルワークステーション、電話、ハンドヘルドデバイス、タブレットおよびラップトップを含む各種のターゲット環境に対してカスタマイズすることができる実行時グラフィカルインタフェースワークスペースの例である。
【図5】下位レベルの形状および形状コンポジットを生成するステップ、データソースおよびイベントをデータソースにバインドするステップ、完成した表示を生成するステップ、表示を構成データベースに格納するステップ、構成データベースから表示をダウンロードするステップ、および、リッチユーザインタフェースまたはウェブブラウザへのローディングに適した構成データベースの実行時ローダブルビューを生成するステップを概略的に示す、図1に示すグラフィックインタフェースの部分図である。
【図6】プロセス制御モジュールの概略図、データトレンドのグラフィック図、およびスプレッドシートまたはグリッドデータ表現を含む、複数のデータソースをサポートしているグラフィックインタフェースの概略図である。
【図7】複数のデータソースからのデータをサポートしている開示されるグラフィカルインタフェースの概略図である。
【図8】本開示に従って設計されたグラフィックエディタワークスペースの概略図である。
【図9】図8に示すエディタプログラムを起動するための一手段のワークスペースでの外観を示す。
【図10】図9に記載したエディタの探索機能を示す。
【図11】ハンドヘルドデバイス(例えば、PDA、スマートフォンまたはタブレットPC)上の本開示の表示を示す。
【図12】本開示のグラフィック表示エディタのマルチパネルまたはマルチスクリーンワークステーションへの適用性を示す。
【図13】本開示のグラフィック表示エディタのマルチパネルまたはマルチスクリーンワークステーションへの適用性を示す。
【技術分野】
【0001】
関連アプリケーション
本出願は、優先権の目的のために、2004年5月4日に出願された、「プロセス制御システムを表わし、モニターし、それと対話するためのグラフィカルユーザインタフェース」と題する米国仮出願番号第60/567,980号に係る特典の正式に提出された出願であり、前記特典を請求するものであり、これを全体として参照により明示的に援用する。本出願は、「プロセスプラントにおけるグラフィック表示要素、プロセスモジュールおよび制御モジュールの統合」と題して、2003年7月21日に提出され、2004年8月5日に米国特許出願第2004/0153804号公報として公告された米国特許出願第10/625,481号にも関連しており、これは「プロセスプラントにおけるスマートプロセスモジュールおよびオブジェクト」と題して、2002年10月22日に提出され、2004年4月22日に米国特許出願第2004/0075689号公報として公告された、米国特許出願第10/278,469号の一部継続出願であり、これらの出願の全体の開示を、ここに明示的に参照により援用する。本出願は、「プロセスプラント構成システムにおけるモジュールクラスオブジェクト」と題して、2003年2月18日に提出され、2004年10月7日に米国特許出願2004/0199925号公報として公告された、米国特許出願第10/368,151号にも関連しており、この開示の全体を、ここで参照により明示的に援用する。本出願は、本出願と同じ日付で、国際(PCT)出願として提出された下記の特許出願にも関連しており、ここで参照によりそれら全体を本出願に援用する。すなわち、「プロセス環境における関連するグラフィック表示」(弁理士整理番号06005/41111)、「プロセス制御システム用のユーザにより構成可能なアラームおよびアラームトレンディング」(弁理士整理番号06005/41112)、「プロセスプラントにおけるプロセスモジュールおよびエキスパートシステムの統合」(弁理士整理番号06005/41113)、「統合環境における、カスタマイズされたプロセスグラフィック表示層を有するプロセスプラントユーザインタフェースシステム」(06005/41114)、「プロセス環境におけるスクリプトされたグラフィックス」(弁理士整理番号06005/41115)、「プロセス構成および制御環境へのグラフィックス統合」(弁理士整理番号06005/41116)、「プロセス環境における複数のビジュアライゼーションを有するグラフィック要素」(弁理士整理番号06005/41117)、「プロセスプラントにおいてグラフィック表示要素およびプロセスモジュールを構成するためのシステム(弁理士整理番号06005/41118)、「プロセスプラントユーザインタフェースにおけるマークアップ言語に基づく動的プロセスグラフィックス」(弁理士整理番号06005/41127)、「プロセス制御データを変更するための方法および装置」(弁理士整理番号06005/591622及び20040/59-11622)、「プロセス制御データにアクセスするための方法および装置」(弁理士整理番号06005/591623及び20040/59-11623)、「プロセス制御システム用の統合グラフィカル実行時インタフェース」(弁理士整理番号06005/591628及び20040/59-11628)、「プロセス制御システム用のサービス指向アーキテクチャ」(弁理士整理番号06005/591629及び20040/59-11629)。
【0002】
オペレータ、保守要員、管理者、およびその他のための共通のプロセス制御ユーザインタフェースが開示されている。本ユーザインタフェースは、各ユーザタイプに対する別々のインタフェースとは反対に、オペレータ、保守作業員、管理者、シミュレータエンジニア、構成エンジニアおよびその他、すなわち、全てのユーザタイプに対して、専用のグラフィックをサポートすることができる。この共通のインタフェースは、生データを、プロセス制御を改善するのに必要とされる処置を決定するのを支援することができる有用なアニメーション、トレンドおよびパターンに速く、かつ、正確な変換を提供する。この共通のインタフェースは、ユーザによって操作可能であるが、例えばアラーム通知等の遮断不能の部分を含んでいる。
【背景技術】
【0003】
プロセス制御システムは、製品が製造される、あるいは、プロセスが制御される工場および/またはプラント(例えば、薬品製造、発電所制御等)で、広く使用されている。プロセス制御システムは、例えば、油およびガスの掘削および処理プロセス等の天然資源の採取においても使用されている。農業を含む、ほとんどどんな製造プロセス、資源採取プロセスでも、一つ以上のプロセス制御システムの適用により自動化することができる。
【0004】
化学、石油または他のプロセスで使用されるような「分散」プロセス制御システムは、一般に、アナログ、ディジタル、または、アナログ/ディジタルの組合せのバスを介して、一つ以上の現場装置(フィールドデバイス)に通信により結合される一つ以上のプロセスコントローラを含んでいる。現場装置(これは、例えば、バルブ、バルブポジショナー、スイッチおよびトランスミッタ(例えば、温度、圧力、レベルおよび流量センサー)であってよい)は、プロセス環境内に設置され、例えば、バルブの開閉、プロセスパラメータの測定等のプロセス機能を行なう。スマート現場装置(例えば、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコルのような周知のFieldbusプロトコルに準拠した現場装置)は、一般にコントローラ内で実行される制御計算、警報機能、および他の制御機能も行なうことができる。
【0005】
プロセスコントローラは、現場装置により測定されたプロセス測定値および/または現場装置に関する他の情報を表わす信号を受け取り、例えば、プロセス制御決定を行ない、受け取った情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)およびFieldbus現場装置等の現場装置で実行されている制御モジュールまたはブロックと調和する異なる制御モジュールを実行させるコントローラアプリケーションを実行する。コントローラにおける制御モジュールは、通信ライン上で現場装置に制御信号を送り、それによりプロセスの動作を制御する。
【0006】
現場装置およびコントローラからの情報は通常、データハイウェイを介して、一般に制御室または他のより過酷なプラント環境から離れた場所に配置される、例えば、オペレータワークステーション、パソコン、データヒストリアン、レポートジェネレータ、セントラライズドデータベース等の、一つ以上の他のハードウェアデバイスで利用できるようにされる。これらハードウェアデバイスは、例えば、オペレータがプロセスに対して、例えば、プロセス制御ルーチンの設定を変更すること、コントローラまたは現場装置内で制御モジュールの動作を変更すること、プロセスの現在の状態を確認すること、現場装置およびコントローラによって生成されるアラームを確認すること、要員をトレーニングするまたはプロセス制御ソフトウェアを試験する目的でプロセスの動作をシミュレートすること、構成データベースを維持し更新すること等の機能を行なうことを可能にできるアプリケーションを実行する。
【0007】
例として、DeltaV(登録商標)制御システム(Emerson Process Management社により発売)は、プロセスプラント内のさまざまな場所に設置された異なるデバイス内に記憶され、それらによって実行される複数のアプリケーションを含んでいる。一つ以上のオペレータワークステーションに存在する構成アプリケーションは、ユーザがプロセス制御モジュールを生成あるいは変更し、これらプロセス制御モジュールを分散された専用のコントローラに、データハイウェイを介してダウンロードすることを可能にする。
【0008】
一般にこれら制御モジュールは、通信により相互接続された機能ブロックからなり、これらは制御スキーム内でそれらへの入力に基づいて機能を行ない、制御スキーム内の他の機能ブロックに出力を提供する、オブジェクト指向プログラミングプロトコルにおけるオブジェクトである。構成アプリケーションはまた、ビューイング(表示)アプリケーションによって使用されて、オペレータにデータを表示し、オペレータがプロセス制御ルーチン内での設定(例えば設定点)を変えることを可能にするオペレータインタフェースを、設計者が生成または変更することを可能にしてもよい。各専用コントローラおよび(場合によっては)現場装置は、実際のプロセス制御機能を実行するために、割り当てられダウンロードされた制御モジュールを実行させるコントローラアプリケーションを記憶し、実行する。
【0009】
ビューイングアプリケーション(一つ以上のオペレータワークステーション上で実行されることができる)は、コントローラアプリケーションからデータハイウェイを介してデータを受け取り、このデータをプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザに、ユーザインタフェースを用いて表示し、例えば、オペレータ用のビュー、エンジニア用のビュー、技術者用のビュー等の、任意の多数の異なるビューを提供してよい。データヒストリアンアプリケーションは一般にデータヒストリアンデバイスに記憶され、これにより実行され、データハイウェイ上で与えられたデータのうちの一部または全てを収集し記憶する一方、構成データベースアプリケーションはデータハイウェイに付加されたまた別のコンピュータで実行され、現在のプロセス制御ルーチン構成およびそれと関連したデータを記憶することができる。或いは、構成データベースは構成アプリケーションと同じワークステーション内に設置されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
プロセス制御環境で使用される制御およびサポートアプリケーションの数およびタイプが増大するにつれて、ユーザがこれらアプリケーションを効果的に構成し使用できるようにするため、さまざまなグラフィカル表示アプリケーションが提供されてきた。例えば、構成エンジニアが、プロセスプラント内の制御デバイスにダウンロードすべき制御プログラムをグラフィカリー(図式的)に生成できるようにするため、グラフィカル表示アプリケーションを使用して、制御構成アプリケーションをサポートすることが行なわれてきた。
【0011】
加えて、制御オペレータがプロセスプラントの現在の機能状態またはプロセスプラントのエリアを確認することを可能するため、保守要員がプロセスプラント内のハードウェアデバイスの状態を確認することを可能するため、プロセスプラントのシミュレーションを可能にするため等に、グラフィカル表示アプリケーションが使用されてきた。しかしながら、これらグラフィカル表示アプリケーションは、過去において、それらが関連している特定のアプリケーションの一部として、またはそれをサポートするために生成され、したがって一般にそれらの有用性は、それらが生成された目的である特定のプロセス機能に限定される。例えば、制御オペレータをサポートするよう生成された現在利用可能なグラフィカルプログラムを、保守、構成またはシミュレーション機能で用いることは、不可能とは言わないまでも困難である。逆に、保守技能者のために設計された現在利用可能なグラフィックプログラムを、制御オペレータ、構成エンジニアをサポートするために、あるいはシミュレーション機能で用いることは、不可能とは言わないまでも困難である。要約すると、現在利用可能なグラフィックプログラムは特化されており、多用途性はない。
【0012】
具体的な例として、いくつかのプロセス制御構成アプリケーションは、現在、プロセスプラントに対する制御計画(戦略)を生成するのに使用されるテンプレートオブジェクト、例えば、機能ブロックテンプレートオブジェクトおよび場合によっては制御モジュールテンプレートオブジェクトのライブラリを含んでいる。テンプレートオブジェクトは、デフォルトプロパティ、設定およびそれらと関連したメソッドを有しており、グラフィカル構成アプリケーションを用いるエンジニアは、これらテンプレートオブジェクトを選択し、選択されたテンプレートオブジェクトのコピーを実質的に構成スクリーンに配置して、制御モジュールを開発することができる。
【0013】
テンプレートオブジェクトを選択し、構成スクリーンに配置する過程の中で、エンジニアはこれらオブジェクトの入力および出力を相互接続し、それらのパラメータ、名称、タグおよび他のプロパティを変更して、プロセスプラントにおける特定の使用に対して特定の制御モジュールを生成する。一つ以上のこのような制御モジュールを生成後、エンジニアは次いで、制御モジュールをインスタンス化(実体化)し、それを適切な一つ以上のコントローラまたは現場装置にダウンロードして、プロセスプラントの運転中に実行することができる。
【0014】
その後、エンジニアは、さまざまなグラフィカル表示生成アプリケーションを用いて、表示生成アプリケーションで表示オブジェクトを選択し、構築することにより、プロセスプラント内のオペレータ、保守要員等に対して、一つ以上の表示を生成することができる。これらの表示は一般に、ワークステーションの一つ以上においてシステムワイドに(システム全体で)実行され、プラント内の制御システムまたはデバイスの動作状態について予め構成された表示をオペレータまたは保守要員に提供する。これら表示は、一般に、コントローラまたはプロセスプラント内のデバイスによって生成されるアラームを受け取り表示する警報表示、プロセスプラント内のコントローラおよび他のデバイスの動作状態を示す制御表示、プロセスプラント内のデバイスの機能状態を示す保守表示等の形態を取る。
【0015】
しかしながら、これら表示は、一般に予め構成され、プロセスプラント内のプロセス制御モジュールまたはデバイスから受け取った情報またはデータを表示する。ある既知のシステムではこのような表示は、物理的または論理的要素と関連付けられるグラフィックを有し、物理的または論理的要素に通信により結合されて物理的または論理的要素についてのデータを受け取るオブジェクトの使用によって生成される。オブジェクトは表示スクリーン上のグラフィックを、あるイベント、例えば、受信データ(例えば、タンクの充てん量が半分であることを示すデータ、流量センサーによって測定された流量を示すデータ等)に応じて変更することができる。しかしながら、個々のグラフィカルエディタは、オペレータ、保守要員、構成要員、シミュレーション要員、及び管理者のニーズを互いに変換することができず、構成、オペレータ制御、保守およびシミュレーション活動に使用されるグラフィカル表示は、現在異なるグラフィカルエディタを用いて互いに別々に生成される必要がある。
【0016】
したがって、制御構成アプリケーションと同様に、表示生成アプリケーションは、スクリーン上に任意の所望の構成で配置してオペレータ表示、保守表示等を生成できるテンプレートグラフィカル表示アイテム(例えば、タンク、バルブ、センサー、スライドバーのようなオペレータ制御ボタン、オン/オフスイッチ等)を有していてよい。個々のグラフィックアイテムは、スクリーン上に配置されるとき、ユーザに対して、プロセスプラントの内部動作についての何らかの情報またはその表示を提供する方法で、スクリーン上で相互接続されることができる。しかしながら、グラフィック表示をアニメート(アニメーション化)するためには、表示作成者はグラフィカルアイテムのそれぞれを、プロセスプラント内で生成されるデータ(例えば、センサーによって測定されるデータあるいはバルブの位置を示すデータ等)に、グラフィックアイテムとプロセスプラント内の当該データソースとの間の通信リンクを指定することによって、手動で結合しなければならない。この処理は単調で時間が掛かり、かつエラーを孕む恐れがあり、かつ、プロセス制御、保守シミュレータ、構成および監督職員に対して別々に行なわなければならない。
【0017】
制御構成アプリケーション内の制御テンプレートオブジェクトおよび表示生成アプリケーション内の表示アイテムは、それらをコピー及び使用して、多くの異なる制御モジュールおよびグラフィカル表示が生成できるので便利であるが、プロセスプラント内の異なる機器に対して、多数の同じ制御モジュールおよびグラフィカル表示を生成する必要が起こることが多い。例えば、多くの中型から大型プロセスプラントは、同じ基本的な汎用制御モジュールおよび表示を用いて制御し確認することができる、同じまたは同様の機器の実体を多数有している。
【0018】
しかしながら、これら多数の制御モジュールおよび表示を生成するためには、汎用制御モジュールまたは表示モジュールを生成し、次いで、適用可能なさまざまな機器のそれぞれに対して、この汎用制御または表示モジュールをコピーする。もちろん、コピーした後で、各新しい制御または表示モジュールのそれぞれを構成アプリケーション内で手動で変更して、それが付加される特定の機器を指定しなければならず、次いでこれらの制御および表示モジュールの全てをインスタンス化し、プロセス制御システムにダウンロードしなければならない。
【0019】
残念なことに、上述の制御モジュールおよび表示アイテムは、いかなる点でもモジュール式ではない。したがって、コピーした後で、制御モジュールおよび表示のそれぞれは、適切な構成アプリケーションを用いて手動でかつ個別に変更されることにより、それらが関連すべきプラント内の機器を指定しなければならない。同じタイプの機器のコピー(すなわち、複製(レプリケート)された機器)を多数有しているプラントでは、この処理は単調で時間が掛かり、オペレータがもたらすエラーを孕む恐れがある。更にまた、ひとたびプログラムされると、これらの異なる制御モジュールおよび表示は互いに他を感知しない。
【0020】
したがって、ひとたび生成された制御モジュールに変更を施すには、エンジニアまたはオペレータは、異なる複製された機器に対する異なる制御モジュールのそれぞれに対して同じ変更を手動で行なわなければならず、これまた時間が掛かり単調である。同じ問題は、プラント内の複製された機器の異なるセットに対して生成されるグラフィカルビューにも当てはまる。言い換えれば、ひとたび特定の制御モジュールまたは特定のグラフィカルビューが(個別にまたはテンプレートオブジェクトからのコピーによって)生成され、次いでプラント内の機器の特定のセットに結合されると、この制御モジュールまたはグラフィカルビューは、それと同じまたは同様の他の制御モジュールまたはグラフィカル表示に対していかなる自動的な感知もせず、システム内で別々のエンティティまたはオブジェクトとして存在する。
【0021】
結果として、特定のタイプの制御モジュールおよびグラフィカル表示のうちのいずれにも適用可能な変更を、それらのモジュールおよび表示に対して個別に施さなければならない。この問題は、グラフィカルビューが、同じ機器に対して生成されるがプラント内の異なる機能的コンテキスト(状況)で生成される場合、例えば、制御ビューイング、保守ビューイングおよびシミュレーション機能に対して生成される場合、より顕著になる。この場合、グラフィカルビューは、互いに他に対するいかなる認識または感知もなしに別々に生成される。
【0022】
したがって、グラフィック表示は、プロセスプラント内で行なわれる一般的な異なる活動に対して使用される異なるアプリケーションで提供され、それらと関連付けられてきたが、これらグラフィック表示および関連グラフィック表示エディタは、一般にそれらがサポートするよう生成されたアプリケーションの機能レベルで追加されてきた。結果として、グラフィカルエディタはそれらが存在する範囲で、ユーザが、特定のアプリケーションによって必要とされる特定の機能をサポートするグラフィックを生成することを可能にしただけであった。以前のプロセスプラントは、プラント構成およびサポートのコンテキスト(状況)で行なわれる各種の活動または複数の活動のグラフィカルニーズによって使用され得る、またはそれをサポートし得るグラフィカル表示エディタを提供してこなかった。したがって、例えば制御構成活動をサポートし、あるいは可能にするのに使用されるグラフィカル表示エディタは、ユーザが制御プログラムを生成することを可能にするだけであり、オペレータまたは保守表示のニーズまたは機能をサポートしなかった。同様に、プラントの運転中に制御オペレータまたは保守技術者に提供されるオペレータビュー、保守ビュー等を生成するのに使用されるグラフィック表示エディタは、構成活動、シミュレーション活動等と関連した機能をサポートしなかった。
【0023】
グラフィック表示のニーズが、プロセスプラントの個々の機能レベルで(例えば、制御構成、保守サポート、制御オペレータサポートおよびシミュレーションサポート機能レベルで)サポートされる結果として、これら各種のエディタによって生成される様々な表示は、プラント内の同じ構成要素のモデリングおよび表現に終わり、結果としてプロセスプラントでの各種の様々な要員によるグラフィカル表示の労力が重複する。この労力の重複は、異なる用途に対して同じプロセス要素を表現する異なるグラフィカル表示を生成するのに必要な労力ばかりでなく、異なる表示アプリケーションで使用されるグラフィック要素を、それらが関連しているプロセスプラント内の実際のハードウェアまたはソフトウェア要素に結合するのに必要な労力に現れる。
【0024】
各種のプロセスプラント活動のためのグラフィカルサポートは、実際に活動が行なわれているという事実の後に、かつ行なわれている実際の活動の一部として提供されてきたので、グラフィカルサポートは、プラント環境において共通のグラフィックがプラント内で各種の異なる機能レベルで生成され、使用されることを可能にする方法で統合されていない。このグラフィックの非統合は、異なる機能に対して実際に生成されるグラフィックが、機能間で、またはアプリケーション間で異なることになり、これは一つの特定のタイプのグラフィカル表示には慣れているがプラント内の異なる動作または機能と関連した異なる表示を時々見なければならない、一部のユーザを混乱させ得るものある。
【0025】
例えば、運転、保守、および、運転および保守に関連する監督機能に対するグラフィカルサポートは一般に全て異なっており、統合されておらず、異なる技法を含み、トレーニングを必要とする。一方、プラントの各種の異なる機能レベル(例えば、運転、保守、管理、設置、およびセットアップ等)でグラフィカル表示サポートを提供することは、表示を生成すること、および表示内の要素をプラント内の実際のハードウェアまたはソフトウェア要素に適切に接続すること、の両方において、各種のグラフィックサポート要素の重複につながる。
【0026】
結果として、プロセスまたはプラントをサポートする各種の機能レベル(例えば、運転、保守、監督等)が単一のインタフェースプラットフォームに統合されることにより、統合されていないプログラムを使用することに伴う重複を無くし、全てのプロセス制御要員が、彼らの共同作業者によって使用されるインタフェースに精通するのをよりよく助ける、プロセス制御システムのための共通のグラフィックユーザインタフェースが求められている。このような共通の、または、汎用のグラフィックインタフェースは、エンドユーザが、いくつかの表示(例えば、アラームまたは他の命令型の表示)を遮断不能にした上で、エンドユーザによって容易に修正され、操作されるべきものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
プロセスおよびプラントの両方に対してリアルタイムインタフェースを提供する、プロセスプラント環境における各種の機能のオペレータ、保守要員、管理者、およびその他のためのグラフィカルインタフェースが開示されている。このインタフェースは、各ユーザタイプに対して各種の特化機能および機能をサポートすることができる。ユーザは構成データベースの使用により、複数のフローティングパネル表示で、それらのワークステーションを比較的自由に操作できる。構成データベースは、データソースおよびイベントを下位レベルの形状にバインドする。
【0028】
一実施形態では、インタフェースの構成データベースは、オペレータが、生データの有用なアニメーション、トレンドおよびパターンへの速く的確な変換を利用することによって、制御されているプロセスをフォローすることを可能にするダウンロード可能な表示を提供し、これは、オペレータの側で必要とされる処置を決定することを支援することができる。しかしながら、同じインタフェースはまた、オペレータによって制御されているプロセスについて、保守要員に適切な表示を提供し、かつ管理要員が使用するための各種のタイプのレポーティングデータを提供する。構成データベースからは、シミュレーションおよび構成表示も利用できる。これらの機能の全てが、単一のインタフェースプラットフォームによってサポートされる。
【0029】
一実施形態では、オペレータコンソールのインタフェースグラフィックは、例えば、保守および監督レポートの追加の機能を含むよう拡張される。インタフェースは、一つ以上のモニター、標準またはカスタムキーボード、サウンドカード、スピーカー、および、ポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、および/またはタッチスクリーン)を含みうるオペレータステーションで使用することができる。本開示のオペレータグラフィックインタフェースは、単一ケースのアナログコントローラ、メータ、ゲージおよびディジタル表示器で満たされた制御室の制御盤に取って替るものである。
【0030】
一実施形態では、本開示のインタフェースは、下記の機能、すなわち、パネルモータ起動/停止ボタン、ステータス表示、チャート式記録計、表示器パネルおよびサブシステムインタフェースのうちの一つ以上を含んでいる。
【0031】
一実施形態では、本開示のユーザインタフェースは、オペレータが下記のこと、すなわち、アラームを管理する、新しい設定点または他のパラメータを入力することによってプロセスを調整する、更なる詳細のためにプロセスの特定の部分を「ズームイン」する、および、実行及び制御されているプロセスに関連する他の専用アプリケーションを利用する、ことのうちの一つ以上を行なうことを可能にする。
【0032】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、専用モードおよび非専用モードの両方で実行することができる。
【0033】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、リッチクライアントとして、あるいは、ウェブサービスを利用するブラウザ式インタフェースの一部として、実行することができる。
【0034】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、ワークステーション、ラップトップ、タブレットPC、ハンドヘルド(携帯機器)、およびスマートフォン上で、実行することができる。
【0035】
一実施形態では、本開示のインタフェースは、制御室で、あるいは、表示装置を固定し、かつ/又は、アクセスを厳重に管理する必要がある任意の場所で使用するための専用モード(すなわち、キオスク型アプリケーション環境)を、サポートしている。
【0036】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースの構成機能は、柔軟性およびインタフェースの機能豊富(リッチ)性が優先的機能である、構成要員、エンジニア、プラント管理者、およびその他が使用するための非専用モードをサポートしている。
【0037】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースの構成機能は、リッチクライアント、ウェブブラウザ、ハンドヘルド、およびスマートフォンを含むが、それらに限定されない複数のユーザインタフェースデバイスをサポートしている。
【0038】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、下記の機能、すなわち、統合された音声および映像;例えばタブレットPCで使用されるような入力技術;埋め込みヒストリアンデータ、アラーム、イベント等を含むリアルタイムデータサービス;外部データサービス;XAMLファイル;他のサービスインタフェースへのアクセス;コンポジット構造を含むプロセスグラフィックス;クラスベースの制御階層;制御、警報、および異常状況管理および防止の統合;統合バッチオペレータインタフェース;統合高機能制御オペレータインタフェース;ルート管理;能率計算;最適化;質量およびエネルギーバランス;第三者アプリケーションの統合;DeltaV(登録商標)コアサブシステムからのアプリケーションの分離;多重データ収集システム(DCS)に対するサポート;複数のシステム(例えば、DeltaV(登録商標)およびPROVOX(登録商標))からのリアルタイムデータに対するサポート;複数のシステム(例えば、DeltaV(登録商標)およびPROVOX(登録商標))からの警報に対するサポート;遮断できない表示上のエリア(例えば、アラームバナー)に対するサポート、のうちの一つ以上をサポートしている。
【0039】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、表示および他のアプリケーションが実行時ワークスペースにロード(読み込み)されることを可能にする。実行時ワークスペースは、各種のアプリケーションを実行することができる安全な環境を提供する。実行時ワークスペースは、スマートフォン、ハンドヘルド、タブレット、ラップトップ、ワークステーション、およびマルチパネルワークステーションを含むが、それらに限定されない各ターゲット環境に対して、カスタマイズすることができる。
【0040】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、完全に統合された表示システムを構築する能力を提供する。
【0041】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、データ値およびイベントに対するグローバルトラック(追跡)バインディングを提供する。
【0042】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、表示が、システム内のどこで使用されているかを追跡する能力を提供する。
【0043】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、一つ以上の表示の完全なバージョン追跡能力を提供する。
【0044】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、他のソースからのデータをリンクする能力を提供する。
【0045】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、他のソースからのデータを使用する能力を提供する。
【0046】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、再使用可能な表示および表示構成要素のライブラリを定義する能力を提供する。
【0047】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、プラント標準を定義し、前記標準をロックし、前記標準のバージョン作成し、かつ、前記標準を異なる機能レベルの複数のユーザ間で容易に共有する能力を提供する。
【0048】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、プラント要員が、彼らの多種多様なデバイス上で使用するための、安全なビューを開発する手段を提供する。
【0049】
一実施形態では、本開示のグラフィカルインタフェースは、異なる機能レベルの複数のユーザにとってアクセス可能な、回転、透明性等のための特殊な機能を有する十分に拡張性のある(スケーラブルな)グラフィックスを提供する。
【0050】
その他の機能および利点は、添付の図面および添付の請求項の参照による下記の詳細な説明から、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本開示の一元化されたグラフィカル表示構成の各種の機能が、添付の図面に示されている。
【0052】
図は一定の縮尺ではないこと、および本開示の実施形態は、グラフィックシンボル、概略的表現および断片的な図を用いて示されていることを理解されたい。本開示の実施形態の理解に不必要、あるいはその他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。もちろん、本開示はここで示されている特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0053】
図1は、システムレベルのグラフィカルサポートが、プラント10の各種の機能エリアに設けられているプロセスプラント10の例を示す。典型的に、プロセスプラント10は、入出力(I/O)デバイスまたはカード18(これは例えば、Fieldbusインタフェース、Profibus(登録商標)インタフェース、HART(登録商標)インタフェース、標準の4-20maインタフェース等であってよい)を介して一つ以上の現場装置14および16にそれぞれ接続された、一つ以上のコントローラ12を有する分散プロセス制御システムを含んでいる。コントローラ12は、例えばEthernet(登録商標)リンクであってよいデータハイウェイ24を介して、一つ以上のホストまたはオペレータワークステーション20〜23にも結合されている。
【0054】
データベース28は、データハイウェイ24に接続されることができ、プラント10内のコントローラおよび現場装置と関連するパラメータ、ステータスおよび他のデータを収集し、記憶するデータヒストリアンとして、および/または、コントローラ12および現場装置14および16にダウンロードされてそれらの内に記憶されているプラント10内のプロセス制御システムの現在の構成を記憶する構成データベースとして動作する。データベース28は、ここで述べる方法で生成されるグラフィカルオブジェクトを追加的に記憶して、プロセスプラント10内でグラフィカルサポートを提供することもできる。コントローラ12、I/Oカード18および現場装置14および16は、一般に、時に過酷なプラント環境内に設置され、分散されるが、オペレータワークステーション20〜23およびデータベース28は、一般にコントローラまたは保守要員が容易にアクセス可能な制御室、またはその他のより過酷でない環境内に設置される。
【0055】
周知のように、コントローラ12(例えば、Emerson Process Management社から発売されているDeltaV(登録商標)コントローラであってよい)のそれぞれは、任意の数の、異なる、独立して実行される、制御モジュールまたはブロック29を用いて制御計画を実行するコントローラアプリケーションを記憶し、実行する。制御モジュール29のそれぞれは一般に機能ブロックと呼ばれるもので構成することができ、これは各機能ブロックが全体的な制御ルーチンの一部またはサブルーチンであり、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと連動して動作して、プロセスプラント10内のプロセス制御ループを実行する。
【0056】
周知のように、オブジェクト指向プログラミングプロトコルでのオブジェクトであってよい機能ブロックは、一般に例えばトランスミッタ、センサーまたは他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連する入力機能、例えばPID、ファジイ論理等の制御を行なう制御ルーチンと関連する制御機能制御機能、または、バルブ等のある種のデバイスの動作を制御する出力機能のうちの一つを実行して、プロセスプラント10内でいくつかの物理的機能を行なう。もちろん、例えば、モデル予測コントローラ(MPC)、オプティマイザー等の、ハイブリッドおよび他の種類の複雑な機能ブロックも存在する。FieldbusプロトコルおよびDeltaV(登録商標)システムプロトコルは、オブジェクト指向プログラミングプロトコルで設計され、実行される制御モジュールおよび機能ブロックを使用するが、制御モジュールは、例えば、順次機能ブロック、ラダーロジック等を含む任意の所望の制御プログラミング方式を用いて設計することができ、また、機能ブロックまたは何か他の特定のプログラミング技法を用いて設計及び実行されることには限定されない。
【0057】
図1に示すプラント10では、コントローラ12に接続された現場装置14および16は、標準の4-20 maデバイスであってよく、プロセッサおよびメモリを含むスマート現場装置(例えば、HART(登録商標)、Profibus(登録商標)、またはFOUNDATION(登録商標) Fieldbus現場装置)であってよく、または任意の他の所望のタイプのデバイスであってよい。例えばFieldbus現場装置のようなこれらデバイス(図1において参照番号16で示す)のうちのいくつかは、例えばコントローラ12で実行される制御計画と関連する機能ブロックのようなモジュールまたはサブモジュールを記憶し、実行できる。Fieldbus現場装置16のうちの2つの異なるものの内に配置されているとして図1に示す機能ブロック30は、周知のように、コントローラ12内で制御モジュール29の実行と関連して実行されて、プロセス制御を実行してもよい。もちろん、現場装置14および16は、例えば、センサー、バルブ、トランスミッタ、ポジショナー等の任意のタイプのデバイスであってよく、また、I/Oデバイス18は、例えば、HART(登録商標)、Fieldbus、Profibus(登録商標)等の任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに準拠した任意のタイプのI/Oデバイスであってよい。
【0058】
図1のプロセスプラント10では、ワークステーション20〜23は、プラント10内の同じまたは異なる要員によって行なわれる各種の異なる機能に対して使用される各種のアプリケーションを含むことができる。ワークステーション20〜23のそれぞれは、各種のアプリケーション、プログラム、データ構造等を記憶しているメモリ31、およびメモリ31に記憶されているアプリケーションのうちの任意のものを実行するのに使用できるプロセッサ32を含んでいる。図1に示す例では、ワークステーション20は構成ワークステーションに指定され、権限を与えられた構成エンジニアがアクセスして、制御ルーチンまたはモジュール(例えば、モジュール29および30)を生成し、プラント10の各種のコントローラ12およびデバイス16にダウンロードすることができる、例えば、制御モジュール生成アプリケーション、オペレータインタフェースアプリケーションおよび他のデータ構造を含むことができる、一つ以上の構成アプリケーション33を含んでいる。
【0059】
ワークステーション21は、全体として制御オペレータビューイング(閲覧用)ワークステーションとして図1に示されており、プロセスプラント10の運転中に制御オペレータに各種の表示を与えて、オペレータがプロセスプラント10内で、またはプラントのさまざまな部分で起こることを確認するとともに、制御できるようにすることができる、多数の表示アプリケーション34を含んでいる。アプリケーション34は、例えば、制御診断アプリケーション、チューニングアプリケーション、レポート生成アプリケーション、または制御オペレータが制御機能を行なうのを支援するのに使用できる任意の他の制御サポートアプリケーションのような、サポートアプリケーション34aを含んでいてよい。
【0060】
同様に、ワークステーション22は、保守ビューイングワークステーションとして図示されており、各種の保守要員が、プラント10の保守ニーズを確認し、各種のデバイス12、14、16等の動作または稼動状況を確認するのに使用できる、多数の保守アプリケーション35を含んでいる。もちろん、アプリケーション35は、例えば、保守診断アプリケーション、較正アプリケーション、振動分析アプリケーション、レポート生成アプリケーション、または保守要員がプラント10内で保守機能を行なうのを支援するのに使用できる任意の他の保守サポートアプリケーションのような、サポートアプリケーション35aを含んでいてよい。
【0061】
加えてワークステーション23はシミュレーションワークステーションとして示されており、トレーニング目的、プラントの保守および制御を支援するプラントモデリング目的等を含む任意の多数の目的のために、プラント10またはプラント10の各種の部分の運転をシミュレートするのに使用できる多数のシミュレーションアプリケーション36を含んでいる。典型的には、ワークステーション20〜23のそれぞれは、表示スクリーン37を、キーボード、マウス等のような他の標準周辺装置と共に含んでいる。
【0062】
もちろん、各種の構成、制御、保守およびシミュレーションアプリケーション33〜36は、それらの機能の一つに専用化された異なるワークステーションに設置されていることとして図1に示されているが、これらまたはその他のプラント機能と関連した各種のアプリケーション33〜36は、プラント10のニーズおよび設定により、プラント10内の異なるワークステーションまたはコンピュータに設置し、実行することができることが理解されよう。したがって、例えば、一つ以上のシミュレーションアプリケーション36および制御アプリケーション33は、同じワークステーション20〜23で実行することができ、一方、これらとは異なる個々のシミュレーションアプリケーション36または異なる個々の制御アプリケーション33は、ワークステーション20〜23のうちの異なるもので実行することができる。
【0063】
過去において、プラント10の異なる機能エリアで使用される異なるアプリケーションの開発は、全く独立的に行なわれた。したがって、構成アプリケーション33の開発は、シミュレーションアプリケーション36、保守アプリケーション35またはオペレータ制御アプリケーション34と統合されていなかった。事実上、多くの場合にプラントは、異なる会社またはソフトウェア供給者によって開発され、また事実上プラント10内の他のソフトウェアから独立して実行されるよう開発された、異なる機能エリアのためのアプリケーションを含んでいる場合があった。
【0064】
このようなプラント10の各種の機能エリアと関連した異なるアプリケーションの独立した開発および運転の結果として、プラント要員は一般に、構成、オペレータ制御、保守およびシミュレーション機能レベルのそれぞれにおいて、プラントを別々に構成またはセットアップする必要があった。具体的には、同じまたは異なるプラント要員は一般的に、異なるプログラムを用いて、機能レベルのそれぞれにおいて、新しいデータ構造およびグラフィック表示を設定しなければならなかった。したがって、図1では、各種のアプリケーション33〜36のそれぞれについて、行われた構成、制御、保守およびシミュレーション機能は、一般に、プラント要員がこれらの構成、オペレータ制御、保守およびシミュレーション機能を行なうのを支援するための、異なるグラフィック表示エディタおよびデータベース構造を含んでいたか、あるいは使用した。
【0065】
多くの場合、これらの異なるグラフィック表示エディタおよびデータベースは、異なるグラフィック表示を生成して、プラント10の同じ部分またはエリア、またはプラント10内の同じハードウェアを表現あるいはモデル化するために、また、異なるプラント要員が、構成、オペレータ制御、保守またはシミュレーション活動の状況において、プロセスプラントに何が起こりつつあるかを視覚化し理解するのを支援するのに使用された。
【0066】
アプリケーション33〜36およびプラント10内の各種の機能のそれぞれに対する関連する表示は、一般に互いに無関係に、時には異なる人々によって、また異なる会社によってすら開発され、実行されたため、プロセスプラントの異なる機能エリアにおいて生成されまたは使用されるグラフィカル表示は、グラフィカルなビジュアライゼーション(視覚性)を提供する点からは、首尾一貫したまたは容易に理解される方法では全く統合されていなかった。結果として、プラントの各種の異なる機能レベルにおけるグラフィカル表示の独立した生成および実行により、グラフィカル表示は機能間で異なる様相を呈し、グラフィック表示には、機能エリアにわたって首尾一貫した様相および印象がなかった。
【0067】
さらに、このような独立した生成は、プラントの同じ部分またはエリアだが異なる機能的用途のためにグラフィカル表示を生成する際に労力の重複となり、そのように生成されたグラフィカル表示は、例えばコントローラ12および現場装置14、16等のプラント10内の各種のデバイスに、プラント10の機能レベルごとに別々に結合され、それらからデータを受け取ることが必要とされた。この事実はまた、異なる表示のために同じハードウェア要素を追跡するのに、データベース構造の重複を必要とした。したがってこれまでは、例えば第1のアプリケーション(例えば、アプリケーション35のうちの一つ)は、保守目的のためにプラント10の一部を示す保守表示を生成するのに使用され、一方、第2のアプリケーション(例えば、アプリケーション34のうちの一つ)は、制御目的のために、プラント10の同じ部分を示す制御オペレータ表示を生成するのに使用された。
【0068】
これらの異なる表示エディタによって別々に生成された表示は、様相および印象において全く異なる場合があり、ユーザが保守表示とオペレータ表示との間で、混乱することなしに容易に、あるいは各タイプの表示についてトレーニングの必要なしに、行ったり来たりするよう切り換えるのは困難であった。同様に、異なるアプリケーション34および35において、両方の表示を独立して生成する際に労力が重複し、また保守表示および制御オペレータ表示を、プラント10内で同じハードウェア要素に別々に結合あるいは接続して、時には同じまたは同様のデータをそれらのハードウェア要素から受け取るためのデータベース構造を生成するには、さらなる追加の労力が必要であった。
【0069】
これらの非能率を軽減し、プラント10内でより広く有用で理解しやすいグラフィックを提供するためには、プロセスプラント10のシステムレベルにグラフィカルサポート層が設けられて、構成、オペレータビューイング、保守ビューイング、シミュレーションおよびプラント10の他の機能エリアを含むプラント10の各種の機能エリアのそれぞれのグラフィッカル表示およびデータ構造ニーズをサポートする。
【0070】
このシステムレベルのサポートは、プラント動作レベル40、プラント機能レベル42およびシステムレベル44を示す図2に図式的に表現されている。図2から分かるように、プラント動作レベル40は、コントローラ12、現場装置14、16等を含んでおり、これらは、制御ルーチンまたはモジュール29および30、並びにプラント10内で実行される他のソフトウェアを実行して、日次ベースにプラント運転を実行する。プラント機能レベル42は、構成機能ブロック46、制御機能ブロック47、保守機能ブロック48およびシミュレーションブロック49を含むこととして表現されているが、他のあるいは異なる機能も同様に設けられてよい。
【0071】
構成機能ブロック46は、プラント動作レベル40内の構成要素とインタフェース又は通信する構成ルーチン33を実行して、プラント動作レベル40に制御計画または制御モジュールを提供する。制御機能ブロック47は、制御ビューイングおよびその他のアプリケーション34および34aを含んでおり、これらも、プラント動作レベル40内の各種の物理的および論理的構成要素と一般的には直接にインタフェース又は通信することにより、プラント内で、オペレータにより起動された変更を実行する、制御表示34を介してオペレータに情報を提供する、制御アプリケーション34aのためのデータを獲得する等を行う。保守機能ブロック48は保守ルーチンおよびアプリケーション35および35aを含んでおり、これは、プラント動作レベル40内の各種の物理的および論理的構成要素とインタフェース又は通信することにより、保守手続きを実行する、保守データを収集する、保守表示35を介して保守要員に保守データまたは情報を提供する、診断アプリケーション35aを実行する等を行なう。同様に、シミュレーション機能ブロック49はシミュレーションルーチン36を含んでおり、これは、プラント10のシミュレーションを実行し、プラント動作レベル40内の構成要素に通信により結合してプラントについてのデータを得ることができる。
【0072】
図2に示すように、システムレベルサポート層44は、プラント機能性層42内で機能ブロック46〜49のそれぞれに結合し、それらをサポートすることにより、例えば、各種の機能エリア46〜49で使用するための共通のデータベースおよび表示構造(例えば、ソフトウェアオブジェクト、グラフィカル要素およびグラフィカル表示等)の生成および維持を可能にする。より詳しくは、システムレベルサポート層44は、機能ブロック46〜49のそれぞれで行なわれるグラフィカル活動を共に統合する、あるいはシステムサポート層44において生成される共通のデータベース構造およびグラフィカル要素を用いて開発することを可能にする、アプリケーション、データベースおよびグラフィカルサポート要素を含んでいる。
【0073】
このシステムレベルのサポートを提供するために、システムサポート層44は、グラフィカル表示エディタ50およびグラフィカルオブジェクトデータベース52を含んでいてよい。グラフィカルエディタ50は、グラフィカル要素54およびグラフィカル表示56を生成し、グラフィックオブジェクトデータベース52は、要素54および表示56をエディタ52およびブロック46〜49における各種のアプリケーションがアクセス可能なメモリに記憶する。データベース52は、他のオブジェクト58、および、グラフィカル要素54をプラント動作レベル40内の個々のハードウェアおよびソフトウェア要素に接続するデータ構造をも記憶していてよい。加えてデータベース52は、グラフィカル要素又は表示テンプレート、あるいはさらなるグラフィカル要素または表示を生成するのに使用できるプリミティブ(原型)を記憶していてよい。図2から分かるように、グラフィカル表示要素54、表示56および他のデータベース構造58は、機能ブロック46〜49のうちの任意の、および全てにおいて使用されることにより、それらの機能ブロックと関連したグラフィックスを生成し、使用することができる。
【0074】
理解されるように、システムレベルサポートブロック44は、図1のプロセスプラント10で使用されるグラフィックスを機能エリアの全てにおいて統合する方法を提供し、これにより、異なる機能的コンテキストにおいて同じプラント機器に対して異なるグラフィック要素を繰り返し生成する必要性を低減する又は排除し、ユーザが機能エリア46〜49のそれぞれにおいて、それらの機能エリアと関連したグラフィカルビューで表示されている機器と関連したデータを結合するのを容易にする。システムレベルサポート層44は、機能エリア46〜49のそれぞれにおける複数のアプリケーション、また、異なる機能エリア46〜49における異なるアプリケーション等に対して、グラフィックスおよびデータベースサポートを提供するのに使用できることが理解されよう。
【0075】
再び図1を参照すると、システムレベルサポートブロック44は、他のワークステーション20〜23のそれぞれに接続できる追加のワークステーションまたはユーザインタフェース60を用いて実装できる。ワークステーション60は、一般にグラフィックスエディタ50およびデータベース52を記憶することができ、所望であれば他の要素54、56および58を記憶してよい。加えて、ワークステーション60は、データバス24を介して、別々の有線または無線通信接続(図1に点線で示す)を介して、または、任意の他の所望の方法で、通信によりワークステーション20〜23に接続することができる。
【0076】
図1に示す構成では、ワークステーション60は、表示エディタ50を記憶及び実行して、ユーザが、グラフィカル要素を生成すること、及びそのような要素を一つ以上のグラフィカル表示にグループ化することを可能にし、ここではこれらの両方を表示モジュールと呼ぶ。これら表示モジュールは次いでデータベース52に記憶され、図2に示す各種の機能ブロック46〜49によってアクセス及び使用され、各種のワークステーション20〜23に実装されることができる。図示のため、システムレベルブロック44および機能レベルブロック46〜49の機能は、図1における異なるまたは別々のワークステーション20〜23および60で実装されることとして示してあるが、これら各種のブロックのうちの任意のものと関連したアプリケーションのうちの任意のものまたは全てが、同じまたは異なるワークステーション、または、プロセスプラント10内の又はこれと関連する他のコンピュータで実行され得ることが理解されよう。したがって、グラフィックスエディタ50は、他のワークステーション20〜23のうちの任意のもの、または、プラント10と関連する任意の他のコンピュータに記憶され、その上で実行されてよく、スタンドアロンまたは別のコンピュータに記憶され、その上で実行される必要はない。
【0077】
上述したように、図2のシステムレベル層44は、システムレベルの表示およびデータベースオブジェクトを実装し、これらは、各種の機能性環境で使用することができると共に、より上位レベルの表示機能を提供することができる。一般的に、図2のシステムレベル44で生成される表示オブジェクトは、グラフィカル要素およびグラフィカル表示として分類することができる。グラフィカル要素は、一般に、プラント内の特定の物理的エンティティ(例えば、バルブ、センサー、ポンプ、コントローラ等のようなハードウェアデバイス)と結びつけられたプリミティブまたは下位レベルの表示オブジェクトである。グラフィカル表示は一般に、一組(セット)の相互接続された表示要素からなり、プラント内のより複雑なハードウェアのセット(例えば、ユニット、エリア等)を表現しモデル化するのに使用され、異なるハードウェアユニット間の相互接続を含んでいる。追加的に、グラフィカル表示は、プラントや、他のアプリケーション(例えば、ワークステーション20〜23および60内で実行される診断およびビジネスアプリケーション)等から提供されるグラフ、チャートおよびその他のデータを含んでいてよい。
【0078】
図3は全体として、グラフィカル要素およびグラフィカル表示の開発、およびこれら要素および表示が存在しうる2つの環境、具体的には構成環境70および実行時環境72におけるグラフィック表示を示す。一般的に、グラフィカル要素74(別々の要素オブジェクト74a、74b等として表現されている)およびグラフィカル表示76(別々の表示オブジェクト76a、76b等として表現されている)の形態での表示オブジェクトは、例えば表示エディタ50を用いて構成環境70で生成される。オブジェクト74および76は、生成された後、データベース52に記憶されることができる。
【0079】
オブジェクト74および76は、プロセスプラント内の特定のハードウェアまたは論理的要素にバインドもしくは結合されないジェネリック(汎用)オブジェクトを定義するクラスオブジェクト(ここでは、表示モジュールクラスオブジェクトと呼ぶ)として生成されてよい。しかしながら、クラスオブジェクトは、クラスオブジェクトと同じ基本的なプロパティを有して、プロセスプラント内の特定のハードウェアに結合もしくはバインドされる実行時グラフィカルオブジェクトを生成するのに使用することができる。しかしながら、一般的にクラスオブジェクトは、それからインスタンス化された子オブジェクトに依然として結びつけられており、したがってクラスオブジェクトに対する変更は、子オブジェクトに自動的に伝播されることができ、これはこれら子オブジェクトが実行時環境内でインスタンス化される場合でも同様である。
【0080】
図3に示すように、グラフィック要素オブジェクト74のそれぞれは、多くの異なる状況で、グラフィカル要素を有用にする多数の構成要素を含んでいる。具体的には、各グラフィカル要素74は、一つ以上のビジュアライゼーション(視覚的特徴)77、任意の数のパラメータまたはプロパティ78、スクリプトまたはトリガとして実行できる任意の数の動作またはアニメーション79、及びバインディング80を含んでいる。一般的に、各ビジュアライゼーション77は、グラフィック要素が実行時環境72で実行される際、表示スクリーンに実際に表示されるべき視覚的プロパティまたは要素を定義する。
【0081】
典型的にはビジュアライゼーションは、物理的または論理的デバイスまたはデバイスのグループの表現を定義するが、ビジュアライゼーションはその他のエンティティを表現することもできる。ビジュアライゼーション77は、エンティティのグラフィカル描写の仕様を定義する任意の所望の記述またはプログラミングパラダイムを用いて実行時環境72で実行されることができる。一実施形態では、ビジュアライゼーション77は、PGXMLまたはAvalonコントロール(これらはMicrosoft(登録商標)によって供給される周知のコントロールであり、オブジェクトベーストであるため、ビジュアライゼーションを標準のWindows(登録商標)タイプ表示で容易に実行可能にし、表示環境間でポータブルにする方法を提供する)を用いて実行してよい。
【0082】
一般的、パラメータおよびプロパティ78は、ビジュアライゼーションによって表現されるエンティティと関連する変数またはその他のプロパティ(例えば、静的または可変の固有(intrinsic)プロパティ)を定義し、これらプロパティは要素74の作成者によって定義できる。同様に、動作およびアニメーション79は、ビジュアライゼーション77が表示スクリーンに表現された場合、ビジュアライゼーション77上又は用いて行なわれるプログラム(これは、スクリプトとして実装することができる)、ルーチンまたは挙動を定義することにより、ビジュアライゼーションに、より興味の持てる、理解しやすい、または有用なグラフィカルプロパティを提供する。場合によっては、これらの動作またはアニメーションは、ビジュアライゼーションの各種の構成要素の色、サイズ(例えば、高さおよび幅、線サイズ、フォント等)の変化、塗りつぶし色、およびアニメーション(例えば、色の変化、回転、サイズおよび縮尺の変化、傾斜角の変化等)の形態を取ることができる。
【0083】
これらの動作およびアニメーションは、グラフィカルプロパティ並びにユーザ対話プロパティをグラフィカル要素74に提供するものである。静的または固定バインド、またはエイリアス(別名)を用いるバインドであってよいバインディング80は、グラフィック要素74が、実行時環境72で表示の一部として実行される際に、パラメータまたはプロパティ78を実行時環境72内のデータ、タグまたはその他のエンティティにバインドする方法を定義する。基本的には、各グラフィカル要素74のためのバインディング80は、グラフィカル要素74を、プラント環境内のどこかで定義される一つ以上のエンティティまたはデータ要素に結合する方法を確定し、したがって、実際の実行時環境72とグラフィカル要素74との間のインタフェースを定義する。
【0084】
図3に示すように、グラフィック表示オブジェクト76のそれぞれは、例えば一つ以上のグラフィック要素81、コネクタ要素82、動作およびアニメーション83、プロパティ84およびバインディング85への参照のような、多数の構成要素を含んでいる。一般的に、グラフィック表示76は、パイプ、ライン、コンベヤベルト等を表わすコネクタ要素82と共に視覚的に接続されることができる各種のグラフィック要素81の相互作用を表現する表示であってよい。図3における点線は、グラフィック表示オブジェクト76aによるグラフィック要素74のうちの一つへの参照を示す。グラフィック要素を参照するグラフィック表示は、そのグラフィック要素のプロパティ、パラメータ、動作およびアニメーション等の全てを含んでいることが理解されよう。
【0085】
グラフィカル要素74と同様に、各グラフィカル表示76は、それに関連する一つ以上の動作またはアニメーションを含んでよく、これらは例えば、表示上のアニメーション、ユーザインタフェース対話、データ操作等を行うことができる。同様に、各グラフィカル表示76は、表示と関連する任意の数のプロパティを含んでいてよく、一般にこれらプロパティは、表示内で表現されるユニット、エリア、または要素の他のグループのプロパティを定義する。もちろん、バインディング85は、グラフィカル表示76を、プラント環境内のどこかで定義される一つ以上のエンティティまたはデータ要素に結合する方法を定義し、したがって、実際の実行時環境72とグラフィカル表示76との間のインタフェースを定義する。
【0086】
グラフィック表示76及びグラフィック要素74は、ひとたび生成されると、例えば図1のワークステーション20〜23のうちの任意のものにおいて、実行時環境72にバインドされ、そこで実行されてよい。具体的には、グラフィック要素74またはグラフィック表示76がクラスオブジェクトとして生成され、データベース52に記憶された後、その要素または表示は、実際の実行時オブジェクトとしてインスタンス化され、実行時環境72で実行されることができる。
【0087】
ブロック86で示すように、インスタンス化プロセスは、オブジェクト74および76で定義されたバインドを解決テーブルにフィルイン(記入)する。解決テーブルは、プロセスプラントまたはプロセス制御システム内の適切な変数名、タグ、エイリアス等をロードして、プロセスプラント内の実際のエンティティと、プラント内の表示デバイス上で実行されるグラフィックオブジェクトとの間に特定の接続を提供することができる。バインドプロセスの一部として、表示オブジェクト74および76は、解決テーブルによって定義されるようにプロセスプラント内のデータソースに接続することによりプラントへのアクセスを取得し、インスタンス化した表示オブジェクトをプロセスプラント10に論理的及び通信的に接続する。
【0088】
ブロック87で示すように、表示要素74またはグラフィック表示76は、実行時環境72内の、いくつか挙げるならば構成表示、制御オペレータ表示、保守表示およびシミュレーション表示を含む多数の異なる機能内で、または、それらの一部として実行されることができる。加えて、表示オブジェクト74および76は、例えば図2で表現されている例えば予測制御または予測保守機能、システムレベルエラー検出等を含む機能レベルのうちの各種のものから得たデータを用いるような、システムレベル機能を行なう際に使用することもできる。事実上、表示76は、ひとたび構成環境70で生成され、データベース52に記憶されたら、多数の異なる活動において使用されてよい。
【0089】
更にまた、表示オブジェクト74および76は、任意の所望の表示またはコンピュータハードウェア(例えば、ワークステーション90、ラップトップコンピュータ91、携帯情報端末(PDA)や電話機等のようなハンドヘルドデバイス92)、または、任意の他の特殊ディスプレイ93(例えば、複数のモニターを有する大形スクリーンディスプレイ等)上で実行されてよい。所望なら、単一のグラフィック表示76は、一つ以上のビュー(例えば、構成ビュー、オペレータビュー、保守ビューおよびシミュレーションビュー)を含むよう、層(レイヤ)状にされてよい。或いは、別々のグラフィカル表示76がこれら別々のビューを提供し、これらの各種の機能に対して生成される表示にわたって首尾一貫した様相および印象を提供するように、同じまたは同様のグラフィカル要素81を用いて構成されてよい。
【0090】
ブロック95で示すように、実行時環境72に移植されるため、グラフィカル要素74またはグラフィカル表示76はコピーまたはインスタンス化され、実行時マシンにロードされてよい。一般的に、表示オブジェクト74または76は呼び出されるか、あるいは、実行時マシン上で実際に実行される時にのみ実行時環境72にバインドされることが望ましく、これをここでは実行時バインドと呼ぶ。すなわち、インスタンス化されたオブジェクトのそれぞれに対する解決テーブルは、表示オブジェクトが、実行時コンピュータ内で実際に動作または実行される時にのみ、実行時環境にフィルインまたはバインドされる。この手続きは、ビジュアライゼーション、制御、スクリプト等を含む表示オブジェクトが、オブジェクトの一つ以上のビジュアライゼーションが表示スクリーン上に実際にレンダリングされる時にのみ実行され、従ってその時のみ処理パワーを使用することを保証する。
【0091】
言い換えれば、表示オブジェクトは好ましくはオブジェクトが実行時コンピュータ上で実際に実行される時にのみ実行時環境72にバインドされる。このように、表示オブジェクト74および76を、これらオブジェクトによって生成されるビジュアライゼーションを見るユーザの活動によって規定されるように、実行時環境72に断続的に接続できることを意味する。具体的には、これらオブジェクトはそれらを見ることが要求された時点で実行時環境72にバインドされてよく、またユーザから見られない場合(例えばユーザが、これらオブジェクトがビジュアライゼーションを提供しているスクリーンを、最小化あるいは閉じる場合)には、アンバインドまたは解放してよい。
【0092】
表示オブジェクト74および76は、したがってスタンドアロン環境、すなわち構成環境70で生成されることができる単なるオブジェクトであるが、プロセスプラント内で定義される他のオブジェクトまたはデータ構造、または、例えば、任意の制御、シミュレーション、保守、または構成環境内で定義されるオブジェクト、データ構造等を含む、プロセスプラント環境内で実行される任意のアプリケーションと結合または接続されてよい。更にまた、表示オブジェクト74および76は、ひとたび生成されたら、直接参照、変数または解決テーブルによって定義されたタグを介して直接的に物理的または論理的プロセスエンティティに明確にバインドされてよく、或いは、表示オブジェクト74または76が実行時環境72内でダウンロードまたはインスタンス化される時、あるいは場合によっては、表示オブジェクト74または76が実行時環境72内で実際に実行されている時のいずれかに解決されることができる、エイリアス名称、変数およびパラメータの使用を通じて間接的に、物理的または論理的プロセスエンティティにバインドされてよい。
【0093】
表示エディタ50は、表示オブジェクト74および76の使用の容易さおよび汎用性を高めることを可能にするために、表示オブジェクト74および76を各種のレベルの詳細さで生成することができる。例えば、より基本的な物理的および論理的エンティティのプロパティおよび動作を定義するためにグラフィカル要素74をまず生成し、次いで、より複雑な物理的または論理的エンティティ、または物理的または論理的エンティティのグループを表現する、より上位レベル又はより複雑な表示を生成するために、一つ以上のグラフィカル要素74を相互接続することによってグラフィカル表示76を生成してもよい。
【0094】
図4は、遮断できない下部アラームバナー111を含んでいる表示110の例である。表示110は、表示110の垂直エッジに沿って伸張することもできる構成バナー112を含んでいる。アラームバナー111および構成バナー112の位置は明確に互換でき、表示110の他の部分または外観に配設することができる。示されている表示110は、通知部113、メイン部114および付加部115(これは、ロード可能フェースプレート、トレンドおよび他の表示オプションを含むことができる)を含む3つのメイン表示部を含んでいる。通知部113は主として、オペレータ、保守人員および監督要員に適用可能な通知に使用される。メイン表示114は、機器モジュールまたは全体的なシステム(例えば、上述の図3参照)のグラフィック表示を含むことができ、あるいは、数値、文字またはグラフィックの形態のデータを含むことができる。プロセス制御アラームおよびそれらの通知は、オペレータ要員の他、全ての要員にとって重要であると思われるので、アラームバナー111が遮断できない(閉じられない)ことが重要である。一実施形態では、アラームバナーは、拡縮可能または移動可能ではない。しかしながら、アラームバナー111の移動は、管理者、保守および構成エンジニアよりアラームバナーに対する関わりが少ない非オペレーティング要員にとって、有用である場合がある。
【0095】
表示110の構成機能112は、ユーザが表示110を、以下に述べるように、運転制御表示として、保守表示として、構成表示として、シミュレーション表示として、または、管理要員のために意図された表示として、あるいは、これらのうちの任意の一つ以上の組合せとして、構成することを可能にする。更に、ここで開示される表示は、単一のモニターワークステーション、複数のモニターワークステーション、PDAデバイス、電話またはタブレットPCタイプのデバイス上に示すことができる。
【0096】
本開示による表示110の構成は、下位レベルの形状および形状コンポジット77〜80の生成(図3参照)、図3の86で示すようなデータソースおよびイベントの、それらデータソースへのバインディング、完成した表示110の生成、表示81〜85の構成データベースへの記憶、表示の構成データベースからのダウンロード、およびリッチユーザインタフェースまたはウェブブラウザにロードするための構成データベースの実行時ロード可能ビューの生成を、含んでいる。図5にこの例が示されており、図示のように、実行時機能は構成バナー112からアクセス可能であり、表示ローディング、実行時ローディング、およびデータソースへのバインディングまたは接続を含んでいる。構成バナー112からは、背景オブジェクトおよび予測された障害としての、実行時シミュレーションにもアクセス可能である。矢印117、118は、構成データベース(これは、構成バナー112からアクセス可能である)からの各種のスクリプトのダウンロードを表現するよう意図されている。
【0097】
図6を参照すると、変更された表示110aが、1次またはメイン表示114a、114bおよび114cにおける遮断不能のアラームバナー111と共に示されている。114aでは、ポンプ121、制御バルブ122および蓄積タンク123を含む機器モジュールの一部の概略図が示されている。タンクが充てんされているので、データテーブル124はタンク123を充てんする方法を示している。しかしながら、追加の情報が必要な場合があり、したがって表示114bはタンク123充てんのグラフィカル表現125を含んでおり、また表示114cは進行中のデータ蓄積を数値形態で示すスプレッドシートまたはグリッド126のいずれかを含んでいる。このようにして、表示を、オーバービュー表示から始めて、システムの一つの曲面に焦点を合わせた詳細な表示に至るまでの、増大する詳細レベルで配置することができる。これらおよび他の表示は、本開示のインタフェースを用いて容易に構成することができ、また他の変形例は当業者には明らかであろう(以下にそのいくつかのを述べる)。
【0098】
図7を参照すると、本開示の表示グラフィックソフトウェアは、譲受人自身のDeltaV(登録商標) ソフトウェア、OVATION(登録商標)ソフトウェア、PROVOX(登録商標)ソフトウェア、およびオープンプロセスコントロール (OPC) ソフトウェアを含む他のデータソースおよびプログラムと互換できる。本開示されるグラフィック表示インタフェースは、図7に示すように、競合他社のデータベースおよびソフトウェアと通信することもできる。
【0099】
図8は、下部ツールバー152の起動されたボタン151で示されているオペレータのための、設計中のグラフィック表示110bの例である。グラフィック階層ビュー153は、表示110bのためのグラフィックオブジェクト階層を表示するよう意図されている。プロパティビュー154は初期状態ではドキュメントプロパティを表示し、表示110bの設計につれて次いで変化して、新しく選ばれたツールまたは現在選択されているオブジェクトに対するプロパティを表示する。パレットビュー155は、プロセス要素156a〜156dの複数のパレットを表示する。表示110bで使用される外部参照のリストは、157で示されているバインディングビューに見出すことができる。ユーザが生成または変更するどの表示または要素に対しても、別々のドキュメントウィンドウが開かれ、タイトルバーにファイルの名称が現れる。
【0100】
図8に示す表示エディタは、下記の機能も含んでいる。メニュー171は、特定のグラフィック要素に適用することができるユーザコマンドの全てを含んでいる。ツールバー172は、各種のメニューコマンドへのショートカットを含んでいる。グラフィック階層153は、ツリービュー153aおよびリストビュー153bを含む2つの要素を含んでいる。プロパティビューは、特定のグラフィック要素の固有プロパティおよびイベントをリストしている。メインスクリーン174は、メイン編集エリアである。パレット155は、システムで定義された各種のグラフィック要素156a〜156dをリストしている。図8に示すインタフェースは、水平ルーラ175および垂直ルーラ176も含んでいる。図8に示す実施形態は、運転層(レイヤ)151、保守層177、構成層178、シミュレーション層179および監督または管理層180を含む5つの層(レイヤ)をサポートすることができる。これら全て及びこれ以上又は以下の層が、利用可能な機能である。また、トレーニング層も利用することができる。
【0101】
図9は、図8に示すグラフィックプログラムを起動するための一手段の例である。図10は、生成されてデータベースの各種のファイルに記憶されている各種の表示を示すスクリーンの部分図である。「Display(表示)」158が選択された場合、ファイル159、160が次いでメインスクリーン161に現れる(図10参照)。
【0102】
図11を参照すると、PDA、タブレットPCまたはスマートフォンタイプのデバイスで使用することができるサンプル表示110bが示されている。図1〜10に関連して上述したグラフィック表示エディタは、これらのタイプのハンドヘルドデバイス上で使用することができる。
【0103】
更に、上記のように、上述の表示エディタは、例えば、図12および13に示すようなマルチスクリーンワークステーションで利用することができる。110c〜110hで示す表示は全て、運転またはプロセス制御、保守、構成、シミュレーションまたは監督要員のために構成することができる。各種の表示110c〜110hは個別に、プロセス制御、保守、シミュレーション、構成または監督表示であることができ、あるいは個々の表示パネル110c-110hはそれぞれグラフィック表示エディタによってサポート可能な各種の機能のうちの任意のものの組合せであることができる。したがって、本開示のシステムは、あるタイプのワークステーションまたはハンドヘルドデバイスに対する単一の表示システム、並びに複数の表示ワークステーション上に、複数の機能表示を提供する。
【0104】
以上、ある種の実施形態のみを記載したが、当業者には、上記の説明から、各種の変形例における代替の実施形態が明らかであろう。これらおよびその他の代替物は同等物とみなされ、本開示の趣旨および範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】プロセスプラント内の各種の機能と関連した表示ルーチンおよび他のアプリケーションを実行するオペレータワークステーション、並びに、プラントの各種の機能エリアのそれぞれに対して、表示要素および表示を生成するのに使用できるシステムレベルグラフィカルサポートを提供するワークステーションを含む、プロセスプラント内に設置された分散プロセス制御ネットワークのブロック図である。
【図2】プロセスプラント制御、ビューイングおよびシミュレーションシステム内のシステムレベルグラフィカルサポートの統合を示す論理的ブロック図である。
【図3】グラフィカル要素および表示が生成される構成環境、および、グラフィカル要素および表示を実行できる実行時環境を示す論理的図である。
【図4】ワークステーション、複数のパネルワークステーション、電話、ハンドヘルドデバイス、タブレットおよびラップトップを含む各種のターゲット環境に対してカスタマイズすることができる実行時グラフィカルインタフェースワークスペースの例である。
【図5】下位レベルの形状および形状コンポジットを生成するステップ、データソースおよびイベントをデータソースにバインドするステップ、完成した表示を生成するステップ、表示を構成データベースに格納するステップ、構成データベースから表示をダウンロードするステップ、および、リッチユーザインタフェースまたはウェブブラウザへのローディングに適した構成データベースの実行時ローダブルビューを生成するステップを概略的に示す、図1に示すグラフィックインタフェースの部分図である。
【図6】プロセス制御モジュールの概略図、データトレンドのグラフィック図、およびスプレッドシートまたはグリッドデータ表現を含む、複数のデータソースをサポートしているグラフィックインタフェースの概略図である。
【図7】複数のデータソースからのデータをサポートしている開示されるグラフィカルインタフェースの概略図である。
【図8】本開示に従って設計されたグラフィックエディタワークスペースの概略図である。
【図9】図8に示すエディタプログラムを起動するための一手段のワークスペースでの外観を示す。
【図10】図9に記載したエディタの探索機能を示す。
【図11】ハンドヘルドデバイス(例えば、PDA、スマートフォンまたはタブレットPC)上の本開示の表示を示す。
【図12】本開示のグラフィック表示エディタのマルチパネルまたはマルチスクリーンワークステーションへの適用性を示す。
【図13】本開示のグラフィック表示エディタのマルチパネルまたはマルチスクリーンワークステーションへの適用性を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス制御環境のための統合グラフィカルユーザインタフェースであって、
プロセスプラントの運転、保守、構成、シミュレーションおよび管理機能のためのインタフェースグラフィックおよび別々の機能と、
運転、保守、構成、およびシミュレーション機能のためのリアルタイムインタフェース機能と、
を含み、
前記インタフェースは、運転、保守、構成およびシミュレーション機能のうちの一つ以上に対してリアルタイム表示を提供することを特徴とするインタフェース。
【請求項2】
生データの動作アニメーションおよび動作トレンドへの変換、および、前記動作アニメーションおよび動作トレンドのグラフィカル表示を更に含む、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項3】
保守リクエスト、保守レポートおよび監督レポートのグラフィカル表現を更に含む、請求項2に記載のインタフェース。
【請求項4】
パネルモータ起動/停止ボタン、ステータス表示、チャート式記録計、表示器パネル、サブシステムインタフェースおよびこれらの組合せのうちの一つ以上の機能を更に含む、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項5】
アラーム管理、プロセスパラメータの入力によるプロセスパラメータ調整、機能強化された詳細ビューイングのためのプロセスの一部分のズームインビューイング、前記プロセスに関連する専用アプリケーションの利用のうちの一つ以上の機能を更に含む、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項6】
前記インタフェースは、専用および非専用モードで実行することができる請求項1に記載のインタフェース。
【請求項7】
前記インタフェースは、リッチクライアントとして、あるいは、ウェブサービスを利用するブラウザ式インタフェースの一部として、実行することができる請求項1に記載のインタフェース。
【請求項8】
前記インタフェースは、ワークステーション、ラップトップ、PDA、およびスマートフォンのうちの一つ以上において実行することができる請求項1に記載のインタフェース。
【請求項9】
前記インタフェースは、固定表示配置のための専用モードをサポートしている請求項1に記載のインタフェース。
【請求項10】
前記インタフェースは、構成要員が使用するための非専用モードをサポートしている請求項1に記載のインタフェース。
【請求項11】
前記インタフェースは、複数のユーザインタフェースデバイスをサポートしている請求項1に記載のインタフェース。
【請求項12】
前記インタフェースは、統合された音声および映像;リアルタイムデータサービス;外部データサービス;XMLファイル;他のサービスインタフェースへのアクセス;コンポジット構造プロセスグラフィック;クラスベース制御階層;制御、警報、および異常状況管理および防止の統合;統合バッチオペレータインタフェース;統合高機能制御オペレータインタフェース;ルート管理;能率計算;最適化;質量およびエネルギーバランス;第三者アプリケーションの統合;多重データ収集システム(DCS)、およびこれらの組合せのうちの一つ以上をサポートしている、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項13】
前記インタフェースは、実行時ワークスペースにロードされるべき表示および他のアプリケーションを受け取る請求項1に記載のインタフェース。
【請求項14】
制御システムの複数のワークステーション上の運転、保守、構成、およびシミュレーション機能に対して、透過的グラフィカル表示を提供する統合されたグラフィカルインタフェースであって、
どの表示が、前記システム内のどのワークステーション上で使用されているかを追跡するための追跡機能
を含み、
前記インタフェースは、運転、保守、構成およびシミュレーション機能のうちの一つ以上に対してリアルタイム表示を提供することを特徴とするインタフェース。
【請求項15】
外部ソースからのデータをリンクするためのリンク機能を更に含む、請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項16】
外部ソースからのデータを使用するための手段を更に含む、請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項17】
プラント標準を定義するための手段、前記プラント標準をロックするための手段、および前記プラント標準をシステムの複数のワークステーション間に分散するための手段、を更に含む、請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項18】
拡張可能グラフィックを更に含む請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項19】
命令を記憶する機械可読媒体であって、前記命令は実行されると機械に、
制御システムの複数のワークステーション上の運転、保守、構成、およびシミュレーション機能に対して透過的グラフィカル表示を提供し、運転、保守、構成およびシミュレーション機能のうちの一つ以上に対してリアルタイム表示を提供すること、
どの表示が、システム内のどのワークステーション上で使用されているかを追跡するための追跡機能を提供すること、
運転制御および保守要員に対して、リアルタイムインタフェース機能を提供すること、
を実行させることを特徴とする機械可読媒体。
【請求項20】
前記命令は実行されると前記機械に、前記グラフィックを回転させる能力および前記グラフィックの一部分を透明にする能力を有する十分に拡張可能なグラフィックを提供させる、請求項19に記載の命令を記憶する機械可読媒体。
【請求項1】
プロセス制御環境のための統合グラフィカルユーザインタフェースであって、
プロセスプラントの運転、保守、構成、シミュレーションおよび管理機能のためのインタフェースグラフィックおよび別々の機能と、
運転、保守、構成、およびシミュレーション機能のためのリアルタイムインタフェース機能と、
を含み、
前記インタフェースは、運転、保守、構成およびシミュレーション機能のうちの一つ以上に対してリアルタイム表示を提供することを特徴とするインタフェース。
【請求項2】
生データの動作アニメーションおよび動作トレンドへの変換、および、前記動作アニメーションおよび動作トレンドのグラフィカル表示を更に含む、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項3】
保守リクエスト、保守レポートおよび監督レポートのグラフィカル表現を更に含む、請求項2に記載のインタフェース。
【請求項4】
パネルモータ起動/停止ボタン、ステータス表示、チャート式記録計、表示器パネル、サブシステムインタフェースおよびこれらの組合せのうちの一つ以上の機能を更に含む、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項5】
アラーム管理、プロセスパラメータの入力によるプロセスパラメータ調整、機能強化された詳細ビューイングのためのプロセスの一部分のズームインビューイング、前記プロセスに関連する専用アプリケーションの利用のうちの一つ以上の機能を更に含む、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項6】
前記インタフェースは、専用および非専用モードで実行することができる請求項1に記載のインタフェース。
【請求項7】
前記インタフェースは、リッチクライアントとして、あるいは、ウェブサービスを利用するブラウザ式インタフェースの一部として、実行することができる請求項1に記載のインタフェース。
【請求項8】
前記インタフェースは、ワークステーション、ラップトップ、PDA、およびスマートフォンのうちの一つ以上において実行することができる請求項1に記載のインタフェース。
【請求項9】
前記インタフェースは、固定表示配置のための専用モードをサポートしている請求項1に記載のインタフェース。
【請求項10】
前記インタフェースは、構成要員が使用するための非専用モードをサポートしている請求項1に記載のインタフェース。
【請求項11】
前記インタフェースは、複数のユーザインタフェースデバイスをサポートしている請求項1に記載のインタフェース。
【請求項12】
前記インタフェースは、統合された音声および映像;リアルタイムデータサービス;外部データサービス;XMLファイル;他のサービスインタフェースへのアクセス;コンポジット構造プロセスグラフィック;クラスベース制御階層;制御、警報、および異常状況管理および防止の統合;統合バッチオペレータインタフェース;統合高機能制御オペレータインタフェース;ルート管理;能率計算;最適化;質量およびエネルギーバランス;第三者アプリケーションの統合;多重データ収集システム(DCS)、およびこれらの組合せのうちの一つ以上をサポートしている、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項13】
前記インタフェースは、実行時ワークスペースにロードされるべき表示および他のアプリケーションを受け取る請求項1に記載のインタフェース。
【請求項14】
制御システムの複数のワークステーション上の運転、保守、構成、およびシミュレーション機能に対して、透過的グラフィカル表示を提供する統合されたグラフィカルインタフェースであって、
どの表示が、前記システム内のどのワークステーション上で使用されているかを追跡するための追跡機能
を含み、
前記インタフェースは、運転、保守、構成およびシミュレーション機能のうちの一つ以上に対してリアルタイム表示を提供することを特徴とするインタフェース。
【請求項15】
外部ソースからのデータをリンクするためのリンク機能を更に含む、請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項16】
外部ソースからのデータを使用するための手段を更に含む、請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項17】
プラント標準を定義するための手段、前記プラント標準をロックするための手段、および前記プラント標準をシステムの複数のワークステーション間に分散するための手段、を更に含む、請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項18】
拡張可能グラフィックを更に含む請求項14に記載のグラフィカルインタフェース。
【請求項19】
命令を記憶する機械可読媒体であって、前記命令は実行されると機械に、
制御システムの複数のワークステーション上の運転、保守、構成、およびシミュレーション機能に対して透過的グラフィカル表示を提供し、運転、保守、構成およびシミュレーション機能のうちの一つ以上に対してリアルタイム表示を提供すること、
どの表示が、システム内のどのワークステーション上で使用されているかを追跡するための追跡機能を提供すること、
運転制御および保守要員に対して、リアルタイムインタフェース機能を提供すること、
を実行させることを特徴とする機械可読媒体。
【請求項20】
前記命令は実行されると前記機械に、前記グラフィックを回転させる能力および前記グラフィックの一部分を透明にする能力を有する十分に拡張可能なグラフィックを提供させる、請求項19に記載の命令を記憶する機械可読媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−537513(P2007−537513A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511520(P2007−511520)
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015393
【国際公開番号】WO2005/107409
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506266023)フィッシャー−ローズマウント・システムズ・インコーポレーテッド (37)
【氏名又は名称原語表記】Fisher−Rosemount Systems, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015393
【国際公開番号】WO2005/107409
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506266023)フィッシャー−ローズマウント・システムズ・インコーポレーテッド (37)
【氏名又は名称原語表記】Fisher−Rosemount Systems, Inc.
【Fターム(参考)】
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