説明

一定のジシドール異性体をベースとする無定形の不飽和ポリエステルをベースとする水性分散液の使用

本発明は、一定のジシドール異性体およびカルボン酸をベースとする無定形の不飽和ポリエステルをベースとする水性分散液の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定のジシドール異性体およびカルボン酸をベースとする無定形の不飽和ポリエステルをベースとする水性分散液の使用に関する。
【0002】
不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)は、公知である。この不飽和ポリエステル樹脂は、飽和ジカルボン酸および不飽和ジカルボン酸またはこれらの無水物とジオールとの縮合によって製造される。この不飽和ポリエステル樹脂は、出発物質の種類および量比に十分に依存する。
【0003】
重合能を有する二重結合の担体としては、多くの場合にα,β−不飽和酸、第1にマレイン酸またはその無水物またはフマル酸が使用され;不飽和ジオールは、二次的に重要である。二重結合の含量が高ければ高いほど、即ち鎖状分子中の二重結合の距離が短ければ短いほど、ポリエステル樹脂は、ますます反応性になる。このポリエステル樹脂は、極めて急速に強い熱発生下および高い体積収縮下に硬度に架橋された最終製品に重合し、したがって比較的脆い最終製品に重合する。従って、ポリエステル分子中の反応能を有する二重結合は、脂肪族または芳香族の飽和ジカルボン酸を縮合導入することによって"希釈される"。アルコール成分としては、直鎖状ジオールおよび分枝鎖状ジオールが使用される。個々のUP樹脂型は、該UP樹脂型の製造に使用される成分によってだけでなく、重合の際に架橋密度を定める、飽和酸と不飽和酸との量比、縮合度、即ち分子量、酸価およびOH価、即ち鎖状分子中の末端基の種類、モノマー含量、添加剤の種類によっても区別される(Ullmann's Encyclopedia of in dustrial Chemictry, 第A21巻, 第217頁以降, 1992)。
【0004】
ジオール成分としてのジシドールをベースとするUP樹脂は、例えばドイツ連邦共和国特許第924889号明細書、ドイツ連邦共和国特許第953117号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2245110号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2721989号明細書、欧州特許第114208号明細書、欧州特許第934988号明細書の記載から公知である。
【0005】
本発明の課題は、公知技術水準の数多くの方法および幅広い変法から、新規の不飽和および無定形であり、さらに水分散可能で固体として透明であるポリエステル樹脂を見出すことであった。このポリエステル樹脂は、例えば水性被覆剤および接着剤の性質、例えば付着力および乾燥速度を改善するはずである。
【0006】
この課題は、今から詳説されるように解決された。
【0007】
本発明の対象は、無定形の不飽和ポリエステル樹脂をベースとする水性分散液の使用であり、この場合このポリエステル樹脂は、
I.アルコール成分、
II.1.α,β−不飽和カルボン酸成分20〜100モル%および
2.他のカルボン酸成分0〜80モル%、この場合II.1.およびII.2.からなる総和は、100モル%であり、および
III.少なくとも1つのイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを、親水性基または潜在的な親水性基と共にイソシアネート基に対して反応性の少なくとも1個の官能基を有する化合物と反応させることによって得ることができる、少なくとも1個の遊離NCO基を有する、少なくとも1個の親水性に変性されたイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートをI.とII.とからなるポリエステル1モル(Mnによる)に対して0〜2モルから構成されており、
この場合アルコール成分は、異性体化合物3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンおよび5,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンのジシドール混合物からなり、
この場合全ての異性体は、20〜40%の含量で混合物中に含有されていてよく、3つの異性体の総和は、90〜100%であり、混合物は、少なくとも10モル%がポリエステルのアルコール成分中に存在し、少なくとも1つの成分II.2および/またはIII.が存在し、
水性分散液は、
a)20質量%〜60質量%の非揮発性成分の含量、
b)0〜20質量%の溶剤含量、
c)5.0〜9.5のpH値、
d)20〜500mPasの20℃での粘度を有する。
【0008】
殊に、前記分散液は、
被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分として使用され;
スパチュラ材料、プライマー、充填剤、基礎ラッカー、上塗りラッカーおよびクリヤーラッカーにおける主要成分、基礎成分または添加成分として使用され;
金属、プラスチック、木材、厚紙、紙、繊維、皮革、鉱物質下地およびガラスの保護または加工のために使用され;
物理的に乾燥するか、酸化的に硬化するか、または化学的に架橋する被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分として使用され;
この場合には、他の水溶性または水分散可能なオリゴマーおよび/またはポリマーが含有されていてよく;
物理的に乾燥するか、酸化的に硬化するか、または化学的に架橋する被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分として使用され;
この場合には、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエステル、アルキド樹脂、セルロースエーテル、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよび誘導体、ゴム、マレイン酸樹脂、フェノール/尿素−アルデヒド樹脂、アミノプラスト(例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、エポキシアクリレート、エポキシ樹脂、珪酸エステルおよびアルカリ金属珪酸塩(例えば、水ガラス)、天然樹脂、シリコーン油およびシリコーン樹脂、アミン樹脂および/または弗素含有ポリマーおよびその誘導体の群から選択された他の水溶性または水分散可能なオリゴマーおよび/またはポリマーが単独でかまたは組合せ物で含有されている。
【0009】
分散液は、欧州特許第1433803号明細書および欧州特許第1433805号明細書の記載から公知である。
【0010】
無定形の不飽和ポリエステルは、アルコール成分Iをカルボン酸成分IIならびに場合によっては親水性に変性されたジイソシアネートIIIと反応させることによって得ることができる。
【0011】
アルコール成分Iとして、本発明によれば、異性体化合物3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンおよび5,8-ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンのジシドール混合物が使用され、この場合それぞれの異性体は、20〜40%の含量が混合物中に含有されていてよく、3つの異性体の総和は、90〜100%、有利に95〜100%であり、この混合物は、少なくとも10%がポリエステルのアルコール成分中に存在する。ジシドール混合物の異性体含量は、定性的および定量的に、例えばGC分析によってかまたは定量的な分取GCまたはHPLCによる分離および引続くNMR分光分析によって測定されることができる。9位のジシドールの全ての相応する異性体は、正確にはシス異性体とトランス異性体が標準の実地の状況下で区別することができない程に適しているが、しかし、実際に上記異性体の鏡面対称のために適している。
【0012】
更に、ジシドール混合物は、ジシドールの他の異性体および/またはシクロペンタジエンからのディールス−アルダー反応生成物の三量体ジオールおよび/または高級異性体ジオールを10%まで含有することができる。好ましくは、アルコール成分は、ジシドール混合物20%、50%、有利に90%、特に有利に100%からなり、この場合このアルコール成分は、特に有利に上記の3つの異性体化合物95〜100%を含有する。
【0013】
アルコール成分Iは、ジシドール混合物と共に、他の直鎖状および/または分枝鎖状の脂肪族ジオールおよび/または脂肪族ポリオールおよび/または環状脂肪族ジオールおよび/または環状脂肪族ポリオールおよび/または芳香族ジオールおよび/または芳香族ポリオールを含有することができる。好ましくは、付加的なアルコールとして、エチレングリコール、1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−ブタンジオールおよび/または1,4−ブタンジオール、1,3−ブチルエチルプロパンジオール、1,3−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ビルフェノールA、B、C、F、ノルボルニレングリコール、1,4−ベンジルジメタノールおよび1,4−ベンジルジエタノール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび/またはペンタエリトリットが使用される。
【0014】
無定形の不飽和ポリエステル樹脂は、出発酸成分として少なくとも1つのα,β−不飽和ジカルボン酸を含有する。好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂は、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸および/またはメサコン酸を含有する。
【0015】
付加的に、芳香族モノカルボン酸および/または芳香族ジカルボン酸および/または芳香族ポリカルボン酸および/または脂肪族モノカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ポリカルボン酸および/または環状脂肪族モノカルボン酸および/または環状脂肪族ジカルボン酸および/または環状脂肪族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ドデカン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピロメリット酸および/またはトリメリット酸、イソノナン酸、2−エチルヘキサン酸が含有されていてもよい。好ましいのは、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸および/またはアゼライン酸である。
【0016】
カルボン酸成分IIは、部分的または完全に無水物および/または低分子量アルキルエステル、有利にメチルエステルおよび/またはエチルエステルからなることができる。
【0017】
一般に、アルコール成分は、カルボン酸成分に対して0.5〜2.0対1、有利に0.8〜1.5対1のモル比で含有されている。特に有利には、アルコール成分は、カルボン酸成分に対して1.0〜1.3対1のモル比で反応が行なわれる。
【0018】
親水化に必要とされる酸価は、カルボン酸成分II.2が完全には反応しないことによってもたらされうる。この場合、殊に三官能価または多官能価のカルボン酸、例えばポリメリット酸および/またはトリメリット酸を、少なくとも1個のカルボン酸基が反応されないように反応させることは、好ましいことが判明した。更に、他のカルボン酸成分II.2.の含量は、全部のカルボン酸成分に対して2〜80モル%であることができる。
【0019】
二者択一的に親水化のために、親水化されたジイソシアネートまたはポリイソシアネートとの反応(ウレタン化)(成分III)が実施されてよい。更に、このために、I.とII.とからなるポリエステル1モルに対して親水化されたジイソシアネートまたはポリイソシアネート0.1〜2モル(成分ES)(数平均分子量Mn)が使用される。
【0020】
無定形の不飽和ポリエステルのウレタン化による場合によっては必要な親水的変性は、無定形の不飽和ポリエステルと、少なくとも1つのイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを親水性基または潜在的な親水性基、即ち中和後に初めて親水性になるような基と共に、イソシアネート基に対して反応性の官能基、例えばヒドロキシ基またはアミノ基を有する化合物と反応させることによって得ることができる、少なくとも1個の遊離NCO基を有する少なくとも1つの親水性に変性されたイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートとの反応によって行なわれる。
【0021】
(ポリ)イソシアネートを親水性に変性するためのこの種の化合物の例は、アミノ酸ならびにモノヒドロキシアルキルカルボン酸およびポリヒドロキシアルキルカルボン酸である。更に、親水性の変性は、非イオノゲン基(例えば、ポリエーテル)または既に中和された化合物を用いて行なわれうる。
【0022】
有利には、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、1,1,1−トリメチロール酢酸、ヒドロキシピバリン酸またはこの種の酸の混合物が使用される。更に、モノヒドロキシホスホン酸またはポリヒドロキシホスホン酸、例えば2,3−ジヒドロキシプロパンホスホン酸が適している。
【0023】
従って、ヒドロキシカルボン酸、例えば殊にジメチロールプロピオン酸は、特に好ましい。それというのも、このヒドロキシカルボン酸は、揮発性塩基、例えばアミンで中和され、強い親水性の作用を示すが、しかし、揮発性塩基の蒸発後にこの作用は、著しく衰えるからである。従って、被膜は、例えば湿潤作用によって保護機能を失わない。それというのも、膨潤が起こらないからである。
【0024】
更に、ジメチロールプロピオン酸は、特に好ましい。それというのも、このジメチロールプロピオン酸は、2個のヒドロキシル基により2個の疎水性ポリイソシアネート(潜在的)を親水性に変性しうるからである。
【0025】
適当なポリイソシアネートは、特に二官能価ないし四官能価のポリイソシアネートである。このための例は、単独でかまたは混合物でのシクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、エチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロピルシクロヘキサンジイソシアネート、メチルジエチルシクロヘキサンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)メタン、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)または1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン(MPDI)、ヘプタンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート、例えば1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサンまたは1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン(TMDI)、ノナントリイソシアネート、例えば4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアナート(TIN)、デカンジ−および−トリイソシアネート、ウンデカンジ−および−トリイソシアネート、ドデカンジ−および−トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(H12MDI)、イソシアナトメチルメチルシクロ−ヘキシルイソシアネート、2,5(2,6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−H6−XDI)または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,4−H6−XDI)である。
【0026】
別の好ましい種類のポリイソシアネートは、簡単なジイソシアネートの二量体化または三量体化、アロファネート化、ビウレット化および/またはウレタン化によって製造される、1分子当たり2個以上のイソシアネート基を有する化合物、例えば簡単なジイソシアネート、例えばIPDI、HDIおよびH12MDIと多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット)または多価ポリアミンとの反応生成物、または簡単なジイソシアネート、例えばIPDI、HDIおよびH12MDIを三量体化することによって得られるトリイソシアヌレートである。
【0027】
特に好ましいのは、モル比1:2のジメチロールプロピオン酸またはその誘導体とIPDIおよび/またはTMDIおよび/またはH12MDIおよび/またはHDIからの親水性に変性されたポリイソシアネート(III)である。
【0028】
無定形の不飽和ポリエステルは、KOH 1〜200mg/g、有利にKOH 1〜100mg/g、特に有利にKOH 10〜50mg/gの酸価ならびにKOH 1〜200mg/g、有利にKOH 1〜100mg/g、特に有利にKOH 10〜80mg/gのOH価を有することができる。
【0029】
無定形の不飽和ポリエステルのTgは、−30〜+80℃、有利に−20〜+50℃、特に有利に−10〜+40℃の間で変動する。
【0030】
1つの好ましい実施態様1において、不飽和ポリエステル(UP樹脂)は、異性体化合物3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンおよび5,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンのジシドール混合物少なくとも50%、有利に90%、特に有利に100%までを有するアルコール成分と、a)フマル酸(無水フマル酸)および/またはb)マレイン酸(無水マレイン酸)および/またはc)無水トリメリット酸とからなる。
【0031】
実施態様1のカルボン酸成分の組成は、
a)フマル酸0〜90モル%、
b)マレイン酸(無水マレイン酸)90〜0モル%、
この場合a)+b)の総和は、60〜90モル%であり、
c)無水トリメリット酸10〜40モル%であり、a)〜c)の総和は、100モル%である。
【0032】
更に、好ましい実施態様2において、ポリエステルは、上記項目1と同様に上記出発成分を含有するが、しかし、付加的にアジピン酸、ドデカン二酸および/またはフタル酸(無水フタル酸)から選択された他のカルボン酸成分d)を含有し、この場合α,β−不飽和カルボン酸成分と付加的なカルボン酸との比は、2対1〜1対4の間で変動しうる。好ましいのは、約1対1〜1対2の比である。
【0033】
実施態様2のカルボン酸成分の組成は、
a)フマル酸0〜80モル%、
b)マレイン酸(無水マレイン酸)80〜0モル%、この場合a)およびb)の総和は、少なくとも20モル%であり、
c)無水トリメリット酸5〜40モル%、
d)他のカルボン酸成分5〜75モル%であり、
c)およびd)の総和は、少なくとも20モル%であり、a)〜d)の総和は、100モル%である。
【0034】
1つの好ましい実施態様3において、本発明による不飽和ポリエステルは、異性体化合物3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンおよび5,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンのジシドール混合物少なくとも50%、有利に90%、特に有利に100%までを有するアルコール成分と、フマル酸(無水フマル酸)および/またはマレイン酸(無水マレイン酸)と、成分IIIとしてのイソホロンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)および/またはビス(イソシアナトメチルシクロヘキシル)メタン(H12MDI)および/または1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサンまたは1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン(TMDI)および2,2−ジメチロールプロピオン酸とからなる。
【0035】
更に、好ましい実施態様4において、ポリエステルは、上記項目3と同様に上記出発成分を含有するが、しかし、付加的にアジピン酸、ドデカン二酸および/またはフタル酸(無水フタル酸)から選択された他のカルボン酸成分を含有し、この場合α,β−不飽和カルボン酸と付加的なカルボン酸との比は、2対1〜1対4の間で変動しうる。好ましいのは、約1対1〜1対2の比である。
【0036】
本発明によるポリエステルは、抑制剤、有機溶剤、水、界面活性剤、酸素捕捉剤および/またはラジカル捕捉剤、触媒、光安定剤、色合い明澄化剤(Farbaufheller)、光増感剤および光開始剤、レオロジー特性に影響を及ぼす添加剤、例えばチキソトロープ剤および/または凝固剤、流展剤、皮膜阻止剤、消泡剤、帯電防止剤、滑剤、湿潤剤および分散剤、中和剤、保存剤、例えば殺真菌剤および/または殺生剤、熱可塑性添加剤、可塑剤、艶消剤、防火剤(Brandschutzausruestung)、内部離型剤、充填剤、染料、顔料および/または発泡剤から選択された助剤および添加剤を含有していてもよい。
【0037】
本発明によるポリエステルは、出発酸および出発アルコールを一工程または多工程の運転形式で(半)連続的または非連続的にエステル化し、場合によってはさらに成分IIIと反応させることによって製造される。
【0038】
本発明によるポリエステルは、適当な中和剤で中和されてよく、それによってさらに水希釈可能なポリエステルを得ることができる。このポリエステルは、場合によっては適当な補助溶剤、例えばアセトン、メチルエチルケトン等を使用しながら水中に分散させることができる。最終的に、使用される補助助剤は、場合によっては生じる分散液から蒸留により除去されることができる。
【0039】
無定形の不飽和ポリエステル樹脂の本発明による水性分散液は、次の実施例によって詳説されるが、しかし、この実施例の使用範囲に制限されるものではない。
【0040】
実施例
約1:1:1の異性体比での出発成分のジシドール混合物
実施例 ポリエステル1
アジピン酸1.1モルをジシドール3.4モルと、KOH 5mg/g未満の酸価が達成されるまで210℃で窒素雰囲気中で反応させる。次に、フマル酸1.1モルおよびヒドロキノン0.02%を添加する。2時間の攪拌後、KOH 5mg/g未満の酸価が達成されるまで、20ミリバールの真空に引く。製造されたポリエステル1300gに無水トリメリット酸150gを添加し、KOH 30mg/gの酸価が達成されるまで、200℃で1.5時間攪拌する。
特性値:
n:2500g/モル、Mw:12000g/モル、酸価:KOH 31mg/g、ヒドロキシル価:KOH 66mg/g、Tg:35℃。
【0041】
実施例 ポリエステル2
ジシドール2.22モル、ヘキサンジオール2.15モルおよびアジピン酸1.65モルを210℃で約KOH 5mg/gの酸価になるまで窒素雰囲気中で攪拌する。次に、無水マレイン酸1.65モルおよびヒドロキノン0.1%を添加し、KOH 1mg/g未満の酸価になるまで維持し、その際、縮合の最終段階で20ミリバールの真空に引く。その次に、無水トリメリット酸0.5モルを添加し、約KOH 30mg/gの酸価になるまで維持する。
特性値:
n:2000g/モル、酸価:KOH 27mg/g、ヒドロキシル価:KOH 55mg/g、Tg:9℃。
【0042】
水性分散液Iの製造例
実施例1によるポリエステルを50%でアセトン中に溶解する。次に、DMEAを添加する(中和度1.0)。水の添加後に、アセトンを留去する。約36%の固体を有する貯蔵安定性の分散液を得ることができる。
特性値:
酸価:KOH 27mg/g、粘度D=200:180mPas、pH:7.8、固体含量:36.0%。
【0043】
水性分散液IIの製造例
実施例2によるポリエステルを60%でアセトン中に溶解する。次に、DMEAを添加する(中和度0.7)。水の添加後に、アセトンを留去する。約37%の固体を有する貯蔵安定性の分散液を得ることができる。
特性値:
酸価:KOH 25mg/g、粘度D=200:155mPas、pH:7.5、固体含量:37.5%。
【0044】
水性分散液IIIの製造例
実施例2によるポリエステルを閉鎖された容器中で約120℃で溶融し、1.0の中和度に相応してDMEAを添加し、強力に攪拌しながら水を添加する。室温への冷却後に、約38%の固体含量を有する貯蔵安定性の分散液を得ることができる。
特性値:
酸価:KOH 27mg/g、粘度D=200:85mPas、pH:7.7、固体含量:38.5%。
【0045】
ウレタン化されたポリエステルA
アジピン酸1.25モルをジシドール3.675モルと、KOH 5mg/g未満の酸価が達成されるまで最大210℃で窒素雰囲気中で反応させる。次に、フマル酸1.25モルおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.05質量%(フマル酸に対して)を添加する。2時間の攪拌後、KOH 5mg/g未満の酸価が達成されるまで、20ミリバールの真空に引く。ポリエステルを冷却後に60%でアセトン中に溶解する。
【0046】
このポリエステル溶液1128gを、イソホロンジイソシアネート2モルとジメチロールプロピオン酸1モル(アセトン中の60%の溶液)とからなる付加物431.9gと、ジブチル錫ジラウレート1.0gの存在下に還流温度で14時間、0.1%未満のNCO含量が達成されるまで反応させる。
特性値:
酸価:KOH 26.6mg/g、固体含量:63.5%。
【0047】
水性分散液IVの製造
上記のウレタン化されたポリエステルAをアセトンで50%の固体含量に希釈し、1.05の中和度に相応してDMAEを添加する。
【0048】
強力に攪拌しながら脱塩水を添加し、さらに30分後にアセトンを弱い真空中で留去する。約27%の固体を有する貯蔵安定性の溶剤不含の分散液を得ることができる。
特性値:
粘度D=200:320mPas、pH値:8.8、固体含量:27.3%。
【0049】
ウレタン化されたポリエステルB
アジピン酸1.25モルをジシドール3.675モルと、KOH 5mg/g未満の酸価が達成されるまで最大210℃で窒素雰囲気中で反応させる。次に、フマル酸1.25モルおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.05質量%(フマル酸に対して)を添加する。2時間の攪拌後、KOH 5mg/g未満の酸価が達成されるまで、20ミリバールの真空に引く。ポリエステルを冷却後に60%でアセトン中に溶解する。
【0050】
このポリエステル溶液1129gを、イソホロンジイソシアネート2モルとジメチロールプロピオン酸1モル(アセトン中の60%の溶液)とからなる付加物431.9gと、ジブチル錫ジラウレート1.0gの存在下に還流温度で14時間、0.1%未満のNCO含量が達成されるまで反応させる。
特性値:
酸価:KOH 26.6mg/g、固体含量:60.8%。
【0051】
水性分散液Vの製造
上記のウレタン化されたポリエステルBをアセトンで50%の固体含量に希釈し、1.00の中和度に相応してDMAEを添加する。強力に攪拌しながら脱塩水を添加し、さらに30分後にアセトンを弱い真空中で留去する。約27%の固体を有する貯蔵安定性の溶剤不含の分散液を得ることができる。
特性値:
粘度D=200:370mPas、pH値:8.5、固体含量:27.3%。
【0052】
使用例:
Lipaton X 6030(Polymer Latex GmbH & Co. KG)にそれぞれ分散液I〜V 10%または20%を添加した。前記混合物を100μmのナイフで電気メッキされた鋼薄板上に塗布した。室温で72時間の貯蔵後、付着力を碁盤目試験(GT, DIN EN ISO 2409)により測定した。
【0053】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無定形の不飽和ポリエステル樹脂をベースとする水性分散液の使用であり、この場合このポリエステル樹脂は、
I.アルコール成分、
II.1.α,β−不飽和カルボン酸成分20〜100モル%および
2.他のカルボン酸成分0〜80モル%、この場合II.1.およびII.2.からなる総和は、100モル%であり、および
III.少なくとも1つのイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを、親水性基または潜在的な親水性基と共にイソシアネート基に対して反応性の少なくとも1個の官能基を有する化合物と反応させることによって得ることができる、少なくとも1個の遊離NCO基を有する、少なくとも1個の親水性の変性されたイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートをI.とII.とからなるポリエステル1モル(Mnによる)に対して0〜2モルから構成されており、
この場合アルコール成分は、異性体化合物3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンおよび5,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンのジシドール混合物からなり、
この場合全ての異性体は、20〜40%の含量で混合物中に含有されていてよく、3つの異性体の総和は、90〜100%であり、混合物は、少なくとも10モル%がポリエステルのアルコール成分中に存在し、少なくとも1つの成分II.2および/またはIII.が存在し、
水性分散液は、a)20質量%〜60質量%の非揮発性成分の含量、b)0〜20質量%の溶剤含量、c)5.0〜9.5のpH値、d)20〜500mPasの20℃での粘度を有する、無定形の不飽和ポリエステル樹脂をベースとする水性分散液の使用。
【請求項2】
無定形の不飽和ポリエステル中にジシドールの他の異性体および/またはシクロペンタジエンからのディールス−アルダー反応生成物の三量体ジオールおよび/または高級異性体ジオールが10%まで含有される、請求項1記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項3】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分が他の直鎖状および/または分枝鎖状の脂肪族ジオールおよび/または脂肪族ポリオールおよび/または環状脂肪族ジオールおよび/または環状脂肪族ポリオールおよび/または芳香族ジオールおよび/または芳香族ポリオールを含有する、請求項1または2記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項4】
無定形の不飽和ポリエステル中に付加的なアルコールとして、エチレングリコール、1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−ブタンジオールおよび/または1,4−ブタンジオール、1,3−ブチルエチルプロパンジオール、1,3−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび/またはペンタエリトリット、ビルフェノールA、B、C、F、ノルボルニレングリコール、1,4−ベンジルジメタノールおよび1,4−ベンジルジエタノール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオールが含有される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項5】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、少なくとも20%がジシドールの異性体からなる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項6】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、少なくとも50%がジシドールの異性体からなる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項7】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、少なくとも90%がジシドールの異性体からなる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項8】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、100%がジシドールの異性体からなる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項9】
無定形の不飽和ポリエステル中でα,β−不飽和ジカルボン酸(II.1.)として、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸および/またはメサコン酸、特に有利にフマル酸および/またはマレイン酸(無水マレイン酸)が含有される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項10】
無定形の不飽和ポリエステル(II.2.)の他のカルボン酸成分として、芳香族モノカルボン酸および/または芳香族ジカルボン酸および/または芳香族ポリカルボン酸および/または脂肪族モノカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ポリカルボン酸および/または環状脂肪族モノカルボン酸および/または環状脂肪族ジカルボン酸および/または環状脂肪族ポリカルボン酸、これらの無水物および/またはアルキルエステルが含有される、請求項1または2記載の無定形の不飽和ポリエステルの水性分散液の使用。
【請求項11】
無定形の不飽和ポリエステルにおいて他のカルボン酸成分(II.2.)としてフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ドデカン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピロメリット酸および/またはトリメリット酸、これらの酸無水物および/またはメチルエステルならびにイソノナン酸および/または2−エチルヘキサン酸、特に有利にトリメリット酸(無水トリメリット酸)、アジピン酸、ドデカン二酸および/またはフタル酸(無水フタル酸)が含有される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項12】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、カルボン酸成分に対して0.5〜2.0対1のモル比で含有される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項13】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、カルボン酸成分に対して0.8〜1.5対1のモル比で含有される、請求項1から12までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項14】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分は、カルボン酸成分に対して1.0〜1.3対1のモル比で含有される、請求項1から13までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項15】
この無定形の不飽和ポリエステル樹脂は、KOH 1〜200mg/g、有利にKOH 1〜100mg/g、特に有利にKOH 10〜50mg/gの酸価を有する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項16】
この無定形の不飽和ポリエステル樹脂は、KOH 1〜200mg/g、有利にKOH 1〜100mg/g、特に有利にKOH 10〜80mg/gのOH価を有する、請求項1から15までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項17】
親水化のために三官能価カルボン酸および/または多官能価カルボン酸が使用される、請求項1から16までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項18】
親水化のためにピロメリット酸および/またはトリメリット酸、特に有利に無水トリメリット酸が使用される、請求項1から17までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項19】
無定形の不飽和ポリエステル樹脂が親水化のために、少なくとも1つのイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを親水性基または潜在的な親水性基と共にイソシアネート基に対して反応性の少なくとも1個の官能基を有する化合物と反応させることによって得ることができる、少なくとも1個の遊離NCO基を有する親水性に変性されたイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートと反応される、請求項1から18までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項20】
親水性に変性されたジイソシアネートが芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび/または環状脂肪族ジイソシアネートを使用しながら製造される、請求項1から19までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項21】
ジイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートおよび/または1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサンまたは1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン(TMDI)および/またはヘキサメチレンジイソシアネートおよび/または4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)が単独でかまたは混合物で使用される、請求項1から20までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項22】
親水性に変性されたジイソシアネートが第3アミノアルコール、アミノカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸、例えばビスヒドロキシアルキルカルボン酸を使用しながら製造される、請求項1から21までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項23】
親水性に変性されたジイソシアネートが2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、1,1,1−トリメチロール酢酸、ヒドロキシピバリン酸を使用しながら製造される、請求項1から22までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項24】
助剤および添加剤が含有される、請求項1から23までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項25】
抑制剤、有機溶剤、水、界面活性剤、酸素捕捉剤および/またはラジカル捕捉剤、触媒、光安定剤、色合い明澄化剤、光増感剤および光開始剤、レオロジー特性に影響を及ぼす添加剤、例えばチキソトロープ剤および/または凝固剤、流展剤、皮膜阻止剤、消泡剤、帯電防止剤、滑剤、湿潤剤および分散剤、中和剤、保存剤、例えば殺真菌剤および/または殺生剤、熱可塑性添加剤、可塑剤、艶消剤、防火剤、内部離型剤、充填剤、染料、顔料および/または発泡剤から選択された助剤および添加剤が含有される、請求項1から24までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項26】
無定形の不飽和ポリエステルのアルコール成分が請求項1または2記載のジシドール混合物少なくとも50%からなり、フマル酸(無水フマル酸)および/またはマレイン酸(無水マレイン酸)および無水トリメリット酸またはジメチロールプロピオン酸およびイソホロンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネートおよび/または4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)が含有される、請求項1から25までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項27】
無定形の不飽和ポリエステル中で付加的にアジピン酸、ドデカン二酸および/またはフタル酸(無水フタル酸)がカルボン酸成分として、3対1〜1対4、有利に1対1〜1対2のα,β−不飽和カルボン酸対付加的なカルボン酸の比で含有される、請求項1から26までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項28】
無定形の不飽和ポリエステルの酸基の少なくとも一部分が中和される、請求項1から27までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項29】
中和のためにアミンおよび/または無機アルカリ液が使用される、請求項1から28までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項30】
中和度が0.3〜1.1、有利に0.4〜1.1、特に有利に0.5〜1.05の間にある、請求項1から29までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項31】
被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分としての請求項1から30までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項32】
スパチュラ材料、プライマー、充填剤、基礎ラッカー、上塗りラッカーおよび透明ラッカーにおける主要成分、基礎成分または添加成分としての請求項1から31までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項33】
金属、プラスチック、木材、厚紙、紙、繊維、皮革、鉱物質下地およびガラスの保護または加工のための請求項1から32までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項34】
放射線硬化性被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分としての請求項1から33までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用において、他の水溶性または水分散可能なオリゴマーおよび/またはポリマーが含有されることを特徴とする、放射線硬化性被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分としての請求項1から33までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項35】
放射線硬化性被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分としての請求項1から34までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用において、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエステル、アルキド樹脂、セルロースエーテル、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよび誘導体、ゴム、マレイン酸樹脂、フェノール/尿素−アルデヒド樹脂、アミノプラスト(例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、エポキシアクリレート、エポキシ樹脂、珪酸エステルおよびアルカリ金属珪酸塩(例えば、水ガラス)、天然樹脂、シリコーン油およびシリコーン樹脂、アミン樹脂および/または弗素含有ポリマーおよびその誘導体の群から選択された他の水溶性または水分散可能なオリゴマーおよび/またはポリマーが単独でかまたは組合せ物で含有されることを特徴とする、放射線硬化性被覆材料、接着剤、印刷用インクおよびインク、ゲルコート、艶出し剤、釉薬、顔料ペースト、スパチュラ材料、化粧製品および/またはパッキン材料および断熱材料における主要成分、基礎成分または添加成分としての請求項1から34までのいずれか1項に記載の無定形の不飽和ポリエステル樹脂の水性分散液の使用。
【請求項36】
請求項1から35までのいずれか1項に記載の組成物を用いて製造された被覆された物体。

【公表番号】特表2008−518066(P2008−518066A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538371(P2007−538371)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054333
【国際公開番号】WO2006/045661
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】