一括成形された蓋栓、一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを有する装置、並びに関連する方法
本装置は、一括成形された第1の支持部、バルブカバー、および弾性アクチュエータを有する第1の部品と、射出成形された第2の支持部、バルブシート、および可変容積貯蔵チャンバプレフォームを有する第2の部品を有している。プレフォームは、可変容積貯蔵チャンバを画定する可撓性ポーチへとブロー成形されている。一方向バルブは、軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的剛性のバルブシートを含んでいる。バルブシート上に可撓性バルブ部材が重ね合わされていて、バルブシートの各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在してバルブシートの第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を画定する。可撓性バルブカバーおよびバルブシートは両者の間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉バルブシームを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2009年10月9日出願の米国仮特許出願第61/250,363号「一括成形された蓋栓、一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを有する装置、並びに関連する方法」を優先権主張し、その全文を本開示の一部として引用するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを有する装置に関し、より具体的には、新規および改良された一方向バルブ、一方向バルブおよび/または可変容積貯蔵チャンバを含む装置、並びに関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを含む従来技術による装置では、一方向バルブ、蓋栓、可変容積貯蔵チャンバおよび、そのような構成要素を1個以上収納する筐体を別々に製造することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような従来技術の装置は多数の構成要素の製造および組付けの分離が必要であり、このような多数の構成要素を組付ける前に滅菌する必要がある。そのような装置は、比較的高価であり、それらの製造は比較的長時間を要すると共に高価な場合がある。
【0005】
したがって、上述の短所および/または従来技術の不都合の1個以上を克服することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的堅いバルブシートを含む一方向バルブを提供する。可撓性バルブ部材は、バルブシート上に重ね合わされていて、バルブシートの各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在してバルブシートの第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を定める。可撓性バルブカバーおよびバルブシートは両者の間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉バルブシームを形成する。バルブシームは、概ね一端において入口を、および概ね他端において入口に対して軸方向に間隔を置いて出口を定める。バルブカバーおよびバルブシートは入口において両者の間に第1の程度の締めしろを、および出口において両者の間に第1の程度の締めしろより小さい第2の程度の締めしろを定める。バルブカバーは入口においてバルブ開放圧を上回る流体に反応して、(i)第1および第2の中央部が互いに接触して常時閉シームを定める常時閉位置と、(ii)流体が入口から出口までシームを通過できるように少なくともバルブカバーの一部がバルブシートから離されている第2の位置との間を移動可能である。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態において、バルブカバーとバルブシートの間の締めしろの程度は、第1の程度の締めしろから第2の程度の締めしろまで次第に減少する。いくつかの実施形態において、締めしろの程度は、第1の程度の締めしろから第2の程度の締めしろまでほぼ一様に減少する。いくつかの実施形態において、バルブカバーとバルブシートの間の締めしろの程度は、バルブカバーの中央部よりもバルブカバーの周縁部の方が高い。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態において、バルブカバーおよびバルブシートは、常時閉位置で、両者の間に密封シールを形成する。いくつかのそのような実施形態において、密封シールは、常時閉位置で、出口から入口への方向において細菌または病原菌の侵入を実質的に防止する。いくつかの実施形態において、バルブシートは半円等の曲線である。
【0009】
別の態様によれば、本発明は、弾性を有して実質的にゼロクリープの材料で形成された可撓性バルブカバーを提供する。いくつかの実施形態において、材料はシリコーンである。いくつかの実施形態において、弾性材料は抗菌添加物を含んでいる。いくつかの実施形態において、弾性材料は銀系抗菌添加物を含む比較的低硬度(デュロメータ)のシリコーンである。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、バルブカバーは自身の中央部のほぼ全体にわたりほぼ同一の厚さを定める。いくつかの実施形態において、バルブカバーは自身の周縁部のほぼ全体にわたりにほぼ同一の厚さを定める。いくつかの実施形態において、バルブカバーは自身の中央部および周縁部のほぼ全体にわたりほぼ同一の厚さを定める。いくつかの実施形態において、バルブシートの中央部は半円形等、略曲線状であって、いくつかの実施形態において、バルブシートの中央部および対向する周縁部は略半円形である。好適には、バルブカバーの中央部は自身の対向する周縁部同士の間で相当の張力が掛かっている。
【0011】
別の態様によれば、本発明は以下のステップを含む方法を提供する。
(i)支持部および一体型可変容積貯蔵チャンバのプレフォームを射出成形する、および
(ii)支持部ではなく、プレフォームを拡張形状にブロー成形して可変容積貯蔵チャンバを画定する可撓性ポーチを形成する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態において、本方法は更に以下のステップを含んでいる。
(i)可撓性ポーチおよび当該ポーチ内に形成された可変容積貯蔵チャンバを収縮させる、および
(ii)周囲空気に対して可変容積貯蔵チャンバの内部を封止する、および
(iii)封止された可変容積貯蔵チャンバを滅菌する。
【0013】
本発明の現時点で好適な実施形態は更に、蓋栓を型成形し(mold)、型成形された蓋栓を支持部に組付けて可変容積貯蔵チャンバを蓋栓で封止するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、蓋栓を型成形するステップは、支持部と一体型可撓性バルブカバーとを一括成形するステップを含んでいて、可撓性バルブカバーは好適には重層成形された液体シリコーンであり、好適には堅い支持部を射出成形するステップは、支持部および一体型バルブシートの射出成形を含み、蓋栓を支持部に組付けるステップは、バルブカバーをバルブシートに重ね合わせて、軸方向に延在する常時閉バルブシームを両者の間に形成するステップを含んでいる。現時点で好適な実施形態において、蓋栓は支持部にスナップ留めされて、蓋栓は、周縁の堅いスナップ留めリングおよび中央の弾性部材を1個の部品として定める。好適には、中央の弾性部材は、少なくとも2個の部分、すなわち(i)周縁の堅いスナップ留めリングの中央に残された空きスペースにまたがる橋のように延在するバルブ部、および(ii)装置を起動してバルブを通して複数回送給すべく手動で、または別途係合可能な、アクチュエータを形成する押下可能なドーム部を有するシリコーン部材である。中央の弾性部材は、蓋栓または第1の支持部を第2の支持部に組付けた後で、バルブ部がプレフォームのノズル部分と締まりばめを形成し、ドームがプレフォームの堅い圧縮チャンバ部分の上方に位置するように構成されている。圧縮チャンバの底部は、ブロー成形により可撓性ポーチとなる指のような形状のプレフォーム内側チャネルに連続して開口している。
【0014】
いくつかの実施形態において、蓋栓を型成形するステップは更に、好適には可撓性バルブカバーと上述の一体型ドーム形のアクチュエータである可撓性アクチュエータを一括成形するステップを含んでいて、蓋栓を支持部に組付けるステップは更に、可変容積貯蔵チャンバとバルブシームの間で流体が流通するように接続可能にアクチュエータと支持部の間に圧縮チャンバを形成するステップを含んでいる。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、蓋栓を型成形するステップは、支持部と貫入可能部分を一括成形するステップを含み、組付けステップは、貫入可能部分が可変容積貯蔵チャンバと流体が流通するように蓋栓を支持部に組付けるステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態は更に、充填前の滅菌ステップの後で、貫入可能部分を通して針等の注入部材を導入するステップと、注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、貫入可能部分から注入部材を引き抜くステップ、および結果的に貫入可能部分に形成された貫入開口を再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、再密封ステップは、結果的に生じた貫入開口に液体封止剤を適用して、貫入可能部分を液体封止剤により再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、液体封止剤は、概ね周囲温度で適用される。いくつかのそのような実施形態において、液体封止剤は、シリコーンであり、および/または、抗菌添加物を含み、および/または、金属または他の検出可能な粒子が添加されている。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、滅菌ステップは、封止された空の可変容積貯蔵チャンバに放射線を照射してチャンバを滅菌するステップを含んでいる。いくつかの実施形態は更に、封止された蓋栓および収縮したポーチを、収縮した空のポーチを内部に収納する比較的剛性の中空本体に組付けるステップを含んでいる。好適には、封止された蓋栓および収縮したポーチアセンブリは、これらを中空本体内に組付ける前に滅菌される。本発明のいくつかの実施形態において、収縮させるステップは、ポーチを空にするステップを含んでいる。本方法は更に、中空本体内に収納された収縮したポーチを無菌充填するステップを含んでいる。本方法は好適には更に、空またはほぼ空にされた可変容積貯蔵チャンバを充填することにより、ポーチを無菌充填する間、ポーチ内での泡の発生を防止するステップを含んでいる。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態は更に、蓋栓およびポーチアセンブリの表面に液体滅菌剤を適用するステップと、液体滅菌剤の適用を受ける表面に周囲温度より高い温度でろ過された気体を適用して液体滅菌剤を蒸発させるステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、液体滅菌剤は、蓋栓の貫入可能部分に適用され、本方法は更に、液体滅菌剤および/またはその上にろ過された気体を適用した後で、貫入可能部分を通して注入部材を導入するステップ、注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、貫入可能部分から注入部材を引き抜くステップ、および結果的に貫入可能部分に生じた貫入開口を再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、再密封ステップは、結果的に生じた貫入開口に合わせて液体封止剤を計量し、貫入可能部分を液体封止剤で再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態は更に、凹部内に貫入可能部分を形成するステップ、および貫入開口を再密封すべく凹部に合わせて液体封止剤を計量するステップを含んでいる。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、一方向バルブ、表面上に一方向バルブのバルブシートを形成する第1の支持部、および第1の支持部から外側へ延在してバルブシームへの入口と流体が流通するように接続可能な可変容積貯蔵チャンバを含む装置を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、第1の支持部は、可変容積貯蔵チャンバとバルブシームへの入口との間で流体が流通するように接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、第1の支持部は射出成形されたプレフォームにより定められ、可変容積貯蔵チャンバは射出成形されたプレフォームからブロー成形された可撓性ポーチにより画定される。本発明のいくつかの実施形態は更に、比較的堅い外部中空容器を含んでいる。可撓性ポーチは好適にはプレフォームから延伸ブロー成形されていて、外部中空本体内に収納され、第1の支持部は当該本体に固定的に取付けられている。本発明のいくつかの実施形態は更に、バルブカバーと一体的に形成されていて、バルブシートに重ね合わされたバルブカバーと共に第1の支持部に固定的に結合可能な第2の支持部を含む蓋栓を含んでいる。いくつかの実施形態において、第1の支持部は、可変容積貯蔵チャンバとバルブシームへの入口との間で流体が流通するように接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定し、第2の支持部は、一方向バルブを通して流体を送給すべくバルブ開放圧を超えて圧縮チャンバ内の流体に加圧すべく第1と第2の位置の間を移動可能なアクチュエータを含んでいる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、アクチュエータは、バルブカバーと一体的に形成された可撓性部材である。いくつかのそのような実施形態において、バルブカバーおよび可撓性アクチュエータは、第2の支持部と一括成形されている。いくつかのそのような実施形態において、アクチュエータは略ドーム形である。いくつかのそのような実施形態において、略ドーム形のアクチュエータは、手動で作動させることが可能であって、第1と第2の位置の間を移動可能な手動操作可能な表面を定める。本発明のいくつかのそのような実施形態において、蓋栓は、可撓性バルブ部材およびアクチュエータと一体的に形成された周辺封止部材を定めし、蓋栓と第1の支持部の間に乾式圧縮シールを形成する。第1および第2の支持部は一緒に封止され、好適には一緒にスナップ留めされて封止包体を形成する。第1および第2の支持部のサブアセンブリ自身が本質的に液体容器全体を形成し、これを組付け後に滅菌することができる。このサブアセンブリの利点の一つは、両者の間に流体密封シールを形成する2個の部品だけからなり、滅菌すべき体積を最小限にすべく好適には真空により収縮するポーチにより更に特徴付けられる。そのような滅菌が照射により実現できれば特に好都合である。当該包体サブアセンブリの別の利点は、プレフォームと一体に射出成形された透明な基部を含んでいることにより、包体全体の滅菌にパルスUV滅菌照射等の高エネルギー光が使用できる点である。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は更に、可変容積貯蔵チャンバに物質を無菌充填すべく注入部材物質を自身の内部へ収納すべく構成された貫入可能部分を含んでいる。これらの物質は現時点で公知または将来公知になる多くの異なる物質、例えば牛乳、乳製品および液体栄養製品を含むがこれに限定されない無菌食品または飲料、医薬品、眼科製品、クリーム、ジェルまたは他の任意の所望の粘性の液体を含む皮膚病用製品、および栄養剤の任意の形式であってよい。いくつかのそのような実施形態は更に、貫入可能部分から注入部材を除去した後で結果的に貫入可能部分に形成された貫入開口を覆って貫入開口を密封する封止剤を含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、封止剤は液体シリコーンである。いくつかのそのような実施形態において、液体シリコーンは、室温で硬化する。液体シリコーンその他の封止剤は、好適にはクリープがほぼゼロであり、第1の支持部の比較的剛性のスナップ留めリング上に重層成形された液体シリコーンその他の弾性材料と同一またはほぼ同一であることが好ましい。無菌充填用の貫入部材から生じたピンホールまたは他の貫入開口を封止すべく用いられた1滴以上の同一液体シリコーンその他の封止剤は好適には、以下の要素の一つまたはいくつかと混合される。(i)抗菌添加物、(ii)目視検査および品質管理用の顔料、および/または(iii)インライン磁気その他の自動化されたセンサにより粒子その他の検出可能な物質の量、従って貫入開口を再密封すべく適用された液体シリコーンの量を検出すべく液体シリコーン内に投入された金属その他の検出可能な粒子または物質。液体シリコーンその他の封止剤は、起動ドーム内または無菌充填用の貫入領域を画定する当該装置の他の表面に成形された凹部に適用してその内部に収納することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明および/または現時点で好適な実施形態の装置および方法の利点の一つは、基部がバルブシートを定めるように、蓋栓、バルブカバーおよびアクチュエータを単一の部分として一括成形することができ、圧縮チャンバと可変容積貯蔵チャンバプレフォームを単一の部分として射出成形することができるため、本装置は基本的に、例えば蓋栓を基部にスナップ嵌合することにより簡単に組付け可能な2個の部品で形成することができる。したがって、本装置は、従来技術による装置よりも大幅に少ない部品で製造可能であり、しかも従来技術による装置に匹敵するかまたは向上した機能を発揮できる。
【0023】
好適な実施形態の別の利点は、本装置および方法により、封止剤と同一またはほぼ同一の材料で作られた封止目的の空腔を設けたことにより、残留物の上からでも、粘性製品を室温で充填して再密封することが可能になる点である。
【0024】
現時点で好適な実施形態の別の利点は、充填後の一切の浸透を防止する、弾性を有し比較的厚いシリコーンドームアクチュエータの自己再密封特性である。その結果、再密封用にレーザーを含んでいる、および/または結果的に生じた貫入開口を機械的に再密封する追加的な部分の組付けを含んでいるかによらず、装置の充填に用いられる無菌充填機械が比較的安価になる。
【0025】
好適な実施形態の別の顕著な利点は、バルブが極めて単純であって、第2の支持部への組付け後の弾性バルブ部分の張力だけでバルブ特性を装置内に封入されてバルブを通して送給される製品の粘性に合わせることができる。バルブとその下にあるノズルの間に残留物があれば、バルブとノズルの間の締めしろ/フープ応力差により基部からバルブの送給端へ強制的に排出される。
【0026】
現時点で好適な実施形態の他の利点は、弾性バルブ部材を、包体の剛性下側ノズルに容易に組付けることができため、比較的安価なコストで高品質の製品を提供できることである。
【0027】
好適な実施形態の別の顕著な利点は、延伸されたブロー成形ポーチの壁が比較的薄いため、結果的に、2個の部品だけで作られる液体容器自体の製造に要するプラスチックが極めて少量で済む可能性である。更に別の利点は、包体が外側容器から自動的に取外し可能であるため、外部筐体または容器が完全に生物分解性を有する材料、再利用可能な材料、および/または完全に再生可能な材料で製造可能な点である。
【0028】
本発明、および/またはその現時点で好適な実施形態の他の目的および利点は、現時点で好適な実施形態および添付の図面を参照しながら以下の詳細説明を読めば容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一括成形された一方向バルブ、ドームバネアクチュエータ、およびバルブシートおよび可変容積貯蔵チャンバプレフォームを含む射出成形基部に固定的に結合された支持部を含む、組付けられた蓋栓の断面図である。
【図2】射出成形された可変容積貯蔵チャンバプレフォームを含み、射出成形されたプレフォームが可変容積貯蔵チャンバを形成する可撓性ポーチへとブロー成形される様子を連続的に示す図1の基部の斜視図である。
【図3】無菌充填の前に、真空を適用することにより可撓性ポーチが収縮する様子を連続的に示す図1の基部の斜視図である。
【図4】無菌充填の前に、一体型一方向バルブおよびドームバネアクチュエータ、および収縮した可撓性ポーチアセンブリを含めて組付けられた蓋栓を示す斜視図である。
【図5】無菌充填の前に、容器筐体への滅菌済みアセンブリの挿入過程を連続的に示す、滅菌済みアセンブリおよび収縮したポーチアセンブリの斜視図である。
【図6A】無菌充填の前に、過酸化水素ガス(「VHP」)等の液体滅菌剤および加熱された濾過済み空気によるその蒸発による表面滅菌を受けている、組立てられた送給機の斜視図を示す。
【図6B】無菌充填の前に、過酸化水素ガス(「VHP」)等の液体滅菌剤および加熱された濾過済み空気によるその蒸発による表面滅菌を受けている、組立てられた送給機の斜視図を示す。
【図7】可変容積貯蔵チャンバが無菌針により充填を受けている様子を連続的に示す組立てられた送給機の断面斜視図である。
【図8】蓋栓および可変容積貯蔵チャンバ内の無菌製品を再密封すべく、結果的に生じた貫入開口の、室温加硫シリコーン封止剤等の液体封止剤による再密封を示す斜視図である。
【図9】異なるサイズで本発明を実装する一群の送給機の斜視図である。
【図10】図1〜9の装置の一方向バルブの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜10において、本発明を実装する装置を一般に参照番号10で示す。装置10は、第2の部品14に固定的に取付けられて封止された空の装置を形成する第1の部品12を含んでいる。第1の部品12は、一体型である第1の支持部16、アクチュエータ18、および可撓性一方向バルブまたはバルブカバー20を定める。第1の部品12の構成要素は、第1の支持部16を射出成形して、アクチュエータ18およびバルブカバー20を第1の支持部16に重層成形させる等により、一括成形されている。第2の部品14は、第2の支持部22、バルブシートまたはノズル24、および可変容積貯蔵チャンバプレフォーム26を含んでいる。以下に図2との関連で更に詳述するように、第2の支持部22およびバルブシート24を除いた部分である、プレフォーム26は、可変容積貯蔵チャンバ30を画定する可撓性ポーチへとブロー成形される。
【0031】
第1の部品12は更に、凹部32を定め、当該凹部は図7、8との関連で以下に更に詳述するように、可変容積貯蔵チャンバ30を殺菌または無菌充填すべく針その他の注入部材が貫入可能な針貫入可能領域を定める。凹部32は、結果的に形成された針貫入開口を密封し、これにより無菌充填された物質を可変容積貯蔵チャンバ30内に密封する、充分に計量された量のシリコーン封止剤等の液体封止剤を受容すべく適合されている。
【0032】
以下に詳述するように、可撓性バルブカバー20および比較的堅いバルブシート24は、両者の間を軸方向に細長い、常時閉境界またはバルブシーム36を定める一方向バルブ34を形成する。第1の部品12および第2の部品14は協働して、可変容積貯蔵チャンバ30と入口40の間に、一方向バルブ34の常時閉バルブシーム36に流体が流通可能に接続され得る圧縮チャンバ34を画定する。環状のチェックバルブ42が、バルブカバーおよびアクチュエータと一括成形されて、可変容積貯蔵チャンバ30と圧縮チャンバ38の間に形成されている。以下に詳述するように、アクチュエータ18の移動により、可変容積貯蔵チャンバ30に保存された充分に計量された物質をチェックバルブ42を通して圧縮チャンバ38に引き入れ、次いで、圧縮チャンバ内の物質にバルブ開放圧を上回る圧力を加えて、物質を一方向バルブ34の常時閉バルブシーム36を通して装置外に送給する。第1の部品12は更に、バルブカバー、アクチュエータ、およびチェックバルブと一括成形されて第1の部分の周囲に延在する弾性封止部材44を定める。第2の部品14は、周囲空気に関して装置の内部を密封すべく弾性封止部材44と係合して両者の間に圧縮シールを形成する周辺シール面46を定める。第1の支持部16は、自身の内面に環状溝48および当該環状溝に隣接して形成された環状面取部50を定める。第2の支持部22は、2個の支持部を固定的に取付けるべく第1の支持部の環状凹部48内に収納される環状フランジ52を定める。環状面取部50は、第2の支持部22の第1の支持部16への移動、次いで周辺フランジ52の凹部48へのスナップ留めを容易にする。フランジ52が凹部48内に収納されたならば、封止面46は圧縮的に封止部材44と係合して乾式圧縮シールを形成する。
【0033】
図示の実施形態において、アクチュエータ18は略ドーム形であり、弾性および/またはゴム状弾性材料で形成されている。ドーム形のアクチュエータ18は、アクチュエータを内側へ押し込んで圧縮チャンバ38を圧縮し、次いで、一方向バルブ34を通して充分に計量された物質を送給することが可能な略ドーム形のばねを定める。第2の略ドーム形の部分であるばね54は、アクチュエータと一体的に形成されていて、アクチュエータ18の内径面から軸方向および半径方向に内側へ間隔を置いて配置されて両者の間に圧縮チャンバ38が画定される。図からわかるように、ばね54は、ばねに略ドーム形状を与える曲線状で略ドーム形の壁を定める。第2の部分22は、可変容積貯蔵チャンバ30の入口および出口を形成するボス56を定める。ばね54は、ボス56に対して軸方向および半径方向に間隔を置いた環状基部58を定めており、両者の間に環状の液体流路を形成する。第2の支持部22は、ばね54の環状基部58を収納する環状凹部60を定める。環状凹部60は、可変容積貯蔵チャンバ30と一方向チェックバルブ42の間に環状流体流路を画定する。
【0034】
装置10を起動すべく、アクチュエータ18は内側へ押し込まれて圧縮チャンバ38内の物質をバルブ開放圧を上回る圧力で圧縮する。アクチュエータ18が内側へ押し込まれるにつれて、ばね54の環状基部58は第2の支持部22の環状凹部60内で軸方向内側、且つ半径方向外側に移動する。このため弾性環状チェックバルブ42が第2の支持部22の環状封止面に対して半径方向外側に押し付けられ、これによりチェックバルブが閉止または封止位置に維持され、次いで圧縮チャンバ内の物質にバルブ開放圧を上回る圧力を掛けることが可能になる。環状凹部60はまた、アクチュエータ18の更なる内側への移動に伴い基部58の更なる軸方向および半径方向の移動を止めるべく動作することにより、アクチュエータ18が更に押し込まれた際に圧縮チャンバ38の容積を次第に減少させる。圧縮チャンバ38内の物質がバルブ開放圧を上回ったとき、物質は一方向バルブ34の入口40および常時閉シーム36を通して装置の外へ押し出される。次いで、アクチュエータ18は解放され、これにより、アクチュエータ18のドームばねおよびドームばね54が、図1に例示するように、アクチュエータを外側に、且つその周囲または休止位置まで移動させることができる。押下位置からの休止または周囲位置へ移動する間、圧縮チャンバ38は拡張され、次いで、充分に計量された物質を可変容積貯蔵チャンバ30から環状凹部60およびチェックバルブ42を通して、圧縮チャンバ38内に引き入れる。装置10は次いで、上述のステップを繰り返すことにより、別に計量された物質を送給する用意が整う。装置を持っているのと同じ手の1本又は複数本の指を用いて手動でアクチュエータ18を係合して押し込んでもよく、あるいは当該装置は、アクチュエータ18を係合してアクチュエータを押し込む起動装置を含む当業者に公知の機器に取付けられていてもよい。
【0035】
図10に最適に示すように、一方向バルブ34は、半環状且つ比較的堅いバルブシート24を含み、バルブシート24は、軸方向に延在して互いに対向する二つの第1の周縁部62、および対向する第1の周縁部62の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部64を定める。可撓性バルブ部材20は、バルブシート24に重ね合わされていて、バルブシート24の各第1の周縁部62に固定的に取付けられているかまたはこれに隣接する、軸方向に延在して互いに対向する二つの第2の周縁部66を定める。バルブカバー20は更に、対向する第1の周縁部66の間を斜め方向に延在してバルブシート24の第1の中央部64に重ね合わされ、且つ軸方向に延在する第2の中央部68を定める。図示の実施形態において、中央部64、68は、曲線状であって略半円形である。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に認識されるように、バルブシートおよびバルブカバーは、他の多くの曲線形状、他の多くの曲線と平坦な形状の組合せ、および/または略平坦または平面形状の任意のものを定めることができる。可撓性バルブカバー20およびバルブシート24は、軸方向および斜め方向に延在する常時閉バルブシーム36を両者の間に形成する。バルブシーム36は、その略一端において入口70を、およびその略他端において入口に対して軸方向に間隔を置いた出口72を定める。図10に示すように、バルブカバー20およびバルブシート24は、入口70において両者の間に第1の程度の締めしろ74、および出口72において両者の間に第1の程度の締めしろ74より小さい第2の程度の締めしろ76を定める。図10に示すように、バルブカバー20は、バルブ開放圧を上回る入口70における流体に反応して移動可能であって、この移動は(i)第1および第2の中央部64、68が互いに接触して常時閉シーム36を定める常時閉位置と、(ii)バルブカバー20の少なくとも一部がバルブシート24から間隔を空けられて流体その他の物質が入口70から出口72を通してシーム36を通過できるようにする第2の、または開放位置との間で行われる。例えば、図10に典型的に示すように、流体がバルブの入口から出口を通して移動する間に、加圧された流体により、バルブカバーの軸方向に間隔を置いた部分が、常時閉位置と開放位置の間を順次移動することができる。
【0036】
図示の実施形態において、図10の破線で示すように、バルブカバー20とバルブシート24の間の締めしろの程度は、第1の程度の締めしろ74から第2の程度の締めしろ76まで次第に減少する。すなわち、各々の界面から破線が深いほど締めしろが大きい。また、図示の実施形態において、締めしろの程度は、第1の程度の締めしろ74から第2の程度の締めしろ76までほぼ一様に減少する。また、図10の破線で示すように、バルブカバー20とバルブシート24の間の締めしろの程度は、バルブカバーの中央部68よりもバルブカバーの周縁部66、66の方が高い。図からわかるように、常時閉位置で、バルブカバー20およびバルブシート24は、シーム36で密封シールを形成する。図示の実施形態において、常時閉位置で、密封シールは出口から入口への細菌または病原菌の侵入を防止する。
【0037】
図示の実施形態において、可撓性バルブカバー20は、クリープがほぼゼロであるエラストマ材で形成されている。現時点で好適な一実施形態において、エラストマ材はシリコーンである。現時点で好適な別の実施形態において、エラストマ材は更に、細菌、病原菌または他の微生物がバルブのシーム36に侵入または別途バルブの分注端に堆積するのを防止すべく抗菌添加物を含んでいる。現時点で好適な別の実施形態において、エラストマ材は、銀系または他の抗菌添加物を含むシリコンエラストマである。アクチュエータおよび封止部材を含む、バルブカバーおよび/またはバルブカバーと一体的に形成された他の特徴を形成する例示的なシリコンエラストマ化合物は、General Electric社および/またはMomentive Performance Materialss社からLIM8040を含む商標名LIMRで販売されている任意の液体シリコンゴム、あるいはGeneral Electric社および/またはMomentive Performance Materialss社から商標名StatSilで販売されている抗菌性エラストマ等、他の液体シリコンゴム、シリコーンまたはシリコン系エラストマ等、多くの異なる液体シリコンゴムの任意のものを含んでいてよい。
【0038】
図からわかるように、現時点で好適な実施形態において、バルブカバー20は自身の中央部68のほぼ全体および自身の周縁部66のほぼ全体にわたり、ほぼ均一の厚さを定める。バルブカバー20の中央部68は、自身の対向する周縁部66、66の間で実質的に張力が掛かっている。図10に示すように、第2の支持部22は、バルブシートに対してバルブカバーを固定的に取付けるべく、バルブカバー20の周縁部66、66の下側と係合する複数の比較的鋭い突出部78を定める。図4に典型的に示すように、第1の支持部16は、バルブカバーの基部および周縁部を覆い、バルブカバーのこれらの部分をバルブシートおよび/または第2の支持部22に押し付けすることによりバルブカバーをバルブシートに固定的に取付けて一方向バルブを形成する。図4に示すように、第1の支持部16は、バルブの入口から出口へ向う方向に移動するときに、バルブカバーの周縁部に沿って、軸方向に延在し、バルブカバーの中央部分から半径方向外側へ次第に延在する円弧状の基部クランプ面80および対向する周縁部クランプ面82を定める。
【0039】
図2に典型的に示すように、第2の部品14は、射出成形プレフォーム26を含んでいて、可変容積貯蔵チャンバ30は、射出成形プレフォーム26からブロー成形された可撓性ポーチ28により画定される。この特徴の重要な利点は、可変容積貯蔵チャンバ、バルブシート、および圧縮チャンバの一部が第2の部分として一体的に形成可能な点である。更に別の利点として、バルブシートおよび第2の支持部を射出成形により比較的厳密な精度で形成でき、そのような精度を必要とする第2の部分の、プレフォーム以外の部分の形状について比較的厳密な精度を維持しながら、プレフォームを可撓性ポーチにブロー成形して可変容積貯蔵チャンバを形成可能である点がある。図2に示すように、第2の部品14を射出成形した後で、プレフォーム26を予熱し、次いで当業者に公知の方法で延伸ブロー成形してポーチ28を形成する。図示の実施形態において、第2の部品14、従ってプレフォーム26は、PETまたはPP(ポリプロピレン)製である。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、これらの構成要素は多くの異なる材料の任意のもので作られていて、第2の部分の異なる特徴を形成する現時点で公知または将来公知になる材料(単数または複数)の多くの異なる層または異なる材料の組合せの任意のものを定めることができる。例えば、第2の部分、またはそのプレフォームは、内部に保存する製品と接触する所望のバリア特性および/または内面を設けるべく多層または積層材料により形成することができる。
【0040】
図3に示すように、プレフォームをポーチ28へとブロー成形した後で、可変容積貯蔵チャンバ30を真空にする等により、ポーチは収縮する。次いで、図4に示すように、装置蓋栓を定める第1の部品12が第2の部品14に組付けられて可変容積貯蔵チャンバ30を密封して一方向バルブ34を形成する。上に示すように、第1の部品または蓋栓12は、周辺フランジ52および環状溝または凹部48において2個の部品をスナップ留めすることにより第2の部品14に組付けられる。第1および第2の部品12、14を組付けた後、封止された空の装置が滅菌される。図示の実施形態において、装置は電子線またはガンマ線照射等の放射線照射により滅菌される。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、現時点で公知または将来公知になる装置および/またはその内面および空腔を滅菌する多くの異なる方法または機器の任意のものも同様に利用できる。
【0041】
図5に示すように、装置10は更に、比較的堅い中空本体または筐体84を含んでいる。可撓性ポーチ28は中空本体84内に収納され、第1の支持部16は当該本体に固定的に取付けられている。筐体84は、図示の実施形態において表面上で装置を支持すべく広がった基部86、および筐体を蓋栓に取付けるべく蓋栓の第1の支持部16に固定された上側支持部88を含んでいる。図1に示すように、第2の支持部14は、従属する略環状フランジ90、および環状フランジと第1の支持部12の面取部50の間で半径方向に延在する略環状凹部92を定める。図7に示すように、筐体の上側支持部88は、組付けられた第1および第2の支持部12、14の各々に筐体を固定すべく環状凹部92内に収納された、上方へ延在する略環状フランジ94を定める。図示の実施形態において、環状フランジ94は環状凹部92内に圧入されている。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、フランジ94または筐体84は、現時点で公知または将来公知になる多くの異なる方法のいずれによっても、蓋栓または第1および/または第2の支持部に固定的に取付けることができる。
【0042】
図6に示すように、封止された、空の、滅菌済み装置は次いで、装置の貫入可能領域を再滅菌することにより滅菌または無菌充填材の用意が整う(再滅菌は、例えば、装置の滅菌後に輸送または組立てを行なう間、そのような表面が汚染される場合に行われる。)。最初に、アクチュエータ18の凹部32の貫入可能の表面に過酸化水素ガス等の液体滅菌剤を適用して、そのような表面(単数または複数)を再滅菌する。第二に、空気等の加熱した濾過済み気体を液体滅菌剤受容表面(単数または複数)に適用して、そのような滅菌剤を更に気化させて乾燥した滅菌済みの貫入可能表面が得られる。
【0043】
図7に示すように、封止された、空の滅菌済み装置は次いで、凹部32の基部において、貫入可能部分を通して針96等の注入部材を導入することにより、滅菌または無菌充填され、注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ30内に物質98が導入され、貫入可能部分から注入部材が引き抜かれ、貫入可能部分に結果的に生じた貫入開口が再密封される。充填前にポーチ28を収縮させる利点の一つは、充填前に可変容積貯蔵チャンバ30内に空気が極めて少量であるか、好適には殆ど存在しないため、液体物質98を充填する間、可変容積チャンバ内における泡の発生が防止されるかまたは実質的に防止される。これは特に、充填する間に泡が生じる傾向がある牛乳や乳製品、および他の液体製品等の流動食および飲料等の液体物質の充填速度を向上させるのに顕著な利点である。したがって、本発明の装置および方法は、従来技術と比較して充填速度を大幅に向上させることができる。
【0044】
図示の実施形態において、且つ図8に示すように、再密封ステップは、凹部32内に結果的に生じた貫入開口に液体封止剤100を適用して、液体封止剤により貫入可能部分を再密封するステップを含んでいる。図示の実施形態において、液体封止剤は、概ね周囲温度で適用される。現時点で好適な実施形態において、液体封止剤はシリコーンである。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、液体封止剤は現時点で公知の、または将来公知になる多くの異なる封止剤の任意の形態であってよい。図からわかるように、再密封装置102は針による充填の後で再密封される装置に取付けられる。再密封装置102は、液体封止剤100の供給源を含んでいるか、または液体封止剤の供給源との間で流体が流通するように供給源に結合されていて、貫入開口を再密封すべく計量された液体封止剤を装置の貫入領域にポンピング動作で押し出すことにより無菌充填された製品を可変容積貯蔵チャンバ30内に密封するポンプ104をも含んでいる。ポンプ104は、図に示すようにピストン式ポンプの形式をなしていても、あるいは加圧された液状封止剤および加圧された封止剤を放出するバルブ等を備えたシステム等、開口を封止すべく装置の貫入開口において液体封止剤の体積または他の数量を計量する、現時点で公知または将来公知になる他の多くの方式の任意のものであってよい。再密封装置102は、装置の分注ポート106を貫入開口(単数または複数)と整列配置させるべく装置10を搬送するモーター付コンベヤーに固定的に取付けられていても、または装置に相対的に移動可能であってもよい。超過圧力を掛けられた他の種類の気体の無菌濾過された空気が、針(単数または複数)および液体再密封装置(単数または複数)を含むチャンバまたは障壁包体内に供給されて、針による充填および液体再密封プロセスの間、装置の汚染を防止することができる。必要に応じて、本システムは、装置の貫入可能部分への挿入および取外しのため、垂直に駆動される多岐管に取付けられた複数の針を含んでいてよく、あるいは当該多岐管に取付けられた針が垂直に駆動されてもよく、また貫入開口を液体再密封すべくこれらの針に隣接して、またその下流に取付けられた複数の液体再密封装置を含んでいてもよい。
【0045】
代替的な実施形態において、針その他の注入部材で装置を無菌充填して、結果的に生じた貫入開口を再密封するのではなく、当該装置は、充填バルブを通して可変容積貯蔵チャンバの無菌充填を可能にする送給バルブと一体的に一括成形された第2の充填バルブを含んでいてよい。この代替的な実施形態において、蓋栓の第2支持部は、自身と一括成形された第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の一体型可撓性バルブカバーを含んでいる。第1の支持部は、第1のバルブシートおよび第2のバルブシートを含んでいる。第1のバルブカバーは、第1のバルブシートに重ね合わされて、第1の軸方向に延在する常時閉送給バルブシームを定める第1の送給バルブを形成し、第2のバルブカバーは、第2のバルブシートに重ね合わされて、第2の軸方向に延在する常時閉充填バルブシームを定める第2の充填バルブを形成する。第1の支持部は少なくとも部分的に、可変容積貯蔵チャンバと第1の分注バルブシームへの入口の間で流体が流通するように接続可能な圧縮チャンバを画定し、第2の支持部は、バルブ開放圧を上回る圧力で圧縮チャンバ内の流体に加圧すべく第1と第2の位置の間を移動可能であって、分注バルブを通して加圧流体を送給するアクチュエータを定める。ドーム形または他の可撓性アクチュエータは、第1および第2のバルブカバーと一体的かつ一括に成形されている。
【0046】
当該代替的な実施形態の装置の形成方法において、蓋栓を成形するステップは、第2の支持部を、第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の一体型可撓性バルブカバーと共に一括成形するステップを含んでいる。支持部を射出成形するステップは、支持部を第1の一体型バルブシートおよび第2の一体型バルブシートと共に射出成形するステップを含んでいる。蓋栓を支持部に組付けるステップは、(i)第1のバルブカバーを第1のバルブシートに重ね合わせて、第1の軸方向に延在する常時閉バルブシームを定める第1の送給バルブを形成するステップ、および(ii)第2のバルブカバーを第2のバルブシートに重ね合わせて、第2の軸方向に延在する常時閉バルブシームを定める第2の充填バルブを形成するステップを含んでいる。滅菌ステップの後で、ポンプまたは無菌充填すべき製品の加圧された供給源と流体が流通するように接続された中空カニューレ等の充填部材が、第2の充填バルブの常時閉バルブシームと流体が流通するように配置される。次いで、物質が充填部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内の第2の常時閉バルブシーム内に、第2の常時閉バルブシームのバルブ開放圧またはこれよりを上回る圧力で滅菌充填される。可変容積貯蔵チャンバに物質が滅菌充填された後で、第2のバルブから充填部材が引き抜かれる。無菌充填された物質は、保存可能な全期間にわたり、および第1の送給バルブを通して可変容積貯蔵チャンバから物質を複数回投与する間、可変容積貯蔵チャンバ内に密封されて保存される。
【0047】
本発明の装置および方法の利点の一つは、本装置が基本的に、針貫入および液体封止剤による再密封により、または現時点で公知または将来公知になる他の多くの無菌充填方法または装置による無菌充填の用意が整った、封止された空の無菌可変容積貯蔵チャンバを形成する2個の部品から製造できる点である。更に別の利点は、筐体または外部本体が、使用後に(1)再利用可能な収縮したビニール袋および蓋栓および(2)生物分解性を有する外部のビンまたは本体に自動的に分解される、再利用プラスチック、ボール紙、または他の生物分解性材料等の比較的安価な材料で製造できる点である。代替的に、収縮したポーチおよび包体を筐体から取外せるように、且つ新品のポーチおよび蓋栓を所望の回数だけ筐体に挿入できるように、筐体が再利用可能である。
【0048】
現時点で好適な実施形態の顕著な利点は、2個の部品だけで以下の特徴が得られる点である。すなわち、複数回投与システムにおいて細菌侵入の可能性がゼロ、非汚染バルブ、無菌充填ポート、計量投与ポンプ、封止された可変容積貯蔵チャンバを画定する収縮式ポーチ、および可変容積貯蔵チャンバと非汚染バルブの間で流体が流通するように接続して計量投与ポンプの一部を形成する圧縮チャンバである。さらに、現時点で好適な実施形態の別の利点は、それらが、2個の部品からなる収縮式なアセンブリのままであるか、または完全に生物分解性、再利用可能および/または再生可能なより堅い容器を加える可能性を提供する点である。また更なる利点は、ユニークなバルブが一切の病原菌、細菌その他の有害物質の侵入を防止し、従って装置内に保存された製品の汚染を防止し、それにより製品の安定性を大幅に向上させることができる点である。また更なる利点は、可変容積貯蔵チャンバは密封されたままであり、各送給は最初から最後まで滅菌状態にあるため、複数回送給した後でも、容器その他の装置を冷蔵する必要がない点である。現時点で好適な実施形態の別の利点は、当該包装が、従来技術の包装と比較して包装のカーボンフットプリントを減らすユニークな手段を提供する点である。例えば、充填後に製品を再加熱する(例えばレトルト処理のように)必要がなく、送給後または長期間にわたり複数回送給する間、製品または容器を冷蔵する必要がない。現時点で好適な実施形態の更に別の利点は、それらが高い、他の追随を許さない安全レベルを極めて安価な包装で保証できる点である。
【0049】
本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の上で述べた、および他の実施形態に多くの変更を加えることができる。例えば、針貫入およびレーザー再密封、またはバルブイン充填を含む多くの異なる方法のいずれによっても滅菌充填することができる。本装置のアクチュエータ、一方向バルブ、筐体および他の構成要素は、現時点で公知または将来公知になる、多くの異なる材料または材料の組合せの任意のもので形成でき、多くの異なる形状および/または構成の任意のものであってよく、且つ多くの異なる方法または技術の任意のものに従い製造することができる。また、本装置は本明細書に記載された実施形態よりも少ない、または多くの構成要素または特徴を含んでいてよい。更に、本可変容積貯蔵チャンバは、現時点で公知または将来公知になる多くの異なる製造技術の任意のものに従い、多くの異なる材料または構成の任意のもので形成することができる。また、「半環状」という用語は本明細書において、表面の360°以下の部分を意味するために用いられているが、表面が円形または円の一部により定められている必要はない。むしろ、半環状表面は、一部が曲線および/または一部がほぼ平坦であってもよい。したがって、現時点で好適な実施形態のこの詳細な説明は限定的なものではなく、説明目的である旨を理解されたい。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2009年10月9日出願の米国仮特許出願第61/250,363号「一括成形された蓋栓、一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを有する装置、並びに関連する方法」を優先権主張し、その全文を本開示の一部として引用するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを有する装置に関し、より具体的には、新規および改良された一方向バルブ、一方向バルブおよび/または可変容積貯蔵チャンバを含む装置、並びに関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一方向バルブおよび可変容積貯蔵チャンバを含む従来技術による装置では、一方向バルブ、蓋栓、可変容積貯蔵チャンバおよび、そのような構成要素を1個以上収納する筐体を別々に製造することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような従来技術の装置は多数の構成要素の製造および組付けの分離が必要であり、このような多数の構成要素を組付ける前に滅菌する必要がある。そのような装置は、比較的高価であり、それらの製造は比較的長時間を要すると共に高価な場合がある。
【0005】
したがって、上述の短所および/または従来技術の不都合の1個以上を克服することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的堅いバルブシートを含む一方向バルブを提供する。可撓性バルブ部材は、バルブシート上に重ね合わされていて、バルブシートの各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在してバルブシートの第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を定める。可撓性バルブカバーおよびバルブシートは両者の間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉バルブシームを形成する。バルブシームは、概ね一端において入口を、および概ね他端において入口に対して軸方向に間隔を置いて出口を定める。バルブカバーおよびバルブシートは入口において両者の間に第1の程度の締めしろを、および出口において両者の間に第1の程度の締めしろより小さい第2の程度の締めしろを定める。バルブカバーは入口においてバルブ開放圧を上回る流体に反応して、(i)第1および第2の中央部が互いに接触して常時閉シームを定める常時閉位置と、(ii)流体が入口から出口までシームを通過できるように少なくともバルブカバーの一部がバルブシートから離されている第2の位置との間を移動可能である。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態において、バルブカバーとバルブシートの間の締めしろの程度は、第1の程度の締めしろから第2の程度の締めしろまで次第に減少する。いくつかの実施形態において、締めしろの程度は、第1の程度の締めしろから第2の程度の締めしろまでほぼ一様に減少する。いくつかの実施形態において、バルブカバーとバルブシートの間の締めしろの程度は、バルブカバーの中央部よりもバルブカバーの周縁部の方が高い。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態において、バルブカバーおよびバルブシートは、常時閉位置で、両者の間に密封シールを形成する。いくつかのそのような実施形態において、密封シールは、常時閉位置で、出口から入口への方向において細菌または病原菌の侵入を実質的に防止する。いくつかの実施形態において、バルブシートは半円等の曲線である。
【0009】
別の態様によれば、本発明は、弾性を有して実質的にゼロクリープの材料で形成された可撓性バルブカバーを提供する。いくつかの実施形態において、材料はシリコーンである。いくつかの実施形態において、弾性材料は抗菌添加物を含んでいる。いくつかの実施形態において、弾性材料は銀系抗菌添加物を含む比較的低硬度(デュロメータ)のシリコーンである。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、バルブカバーは自身の中央部のほぼ全体にわたりほぼ同一の厚さを定める。いくつかの実施形態において、バルブカバーは自身の周縁部のほぼ全体にわたりにほぼ同一の厚さを定める。いくつかの実施形態において、バルブカバーは自身の中央部および周縁部のほぼ全体にわたりほぼ同一の厚さを定める。いくつかの実施形態において、バルブシートの中央部は半円形等、略曲線状であって、いくつかの実施形態において、バルブシートの中央部および対向する周縁部は略半円形である。好適には、バルブカバーの中央部は自身の対向する周縁部同士の間で相当の張力が掛かっている。
【0011】
別の態様によれば、本発明は以下のステップを含む方法を提供する。
(i)支持部および一体型可変容積貯蔵チャンバのプレフォームを射出成形する、および
(ii)支持部ではなく、プレフォームを拡張形状にブロー成形して可変容積貯蔵チャンバを画定する可撓性ポーチを形成する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態において、本方法は更に以下のステップを含んでいる。
(i)可撓性ポーチおよび当該ポーチ内に形成された可変容積貯蔵チャンバを収縮させる、および
(ii)周囲空気に対して可変容積貯蔵チャンバの内部を封止する、および
(iii)封止された可変容積貯蔵チャンバを滅菌する。
【0013】
本発明の現時点で好適な実施形態は更に、蓋栓を型成形し(mold)、型成形された蓋栓を支持部に組付けて可変容積貯蔵チャンバを蓋栓で封止するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、蓋栓を型成形するステップは、支持部と一体型可撓性バルブカバーとを一括成形するステップを含んでいて、可撓性バルブカバーは好適には重層成形された液体シリコーンであり、好適には堅い支持部を射出成形するステップは、支持部および一体型バルブシートの射出成形を含み、蓋栓を支持部に組付けるステップは、バルブカバーをバルブシートに重ね合わせて、軸方向に延在する常時閉バルブシームを両者の間に形成するステップを含んでいる。現時点で好適な実施形態において、蓋栓は支持部にスナップ留めされて、蓋栓は、周縁の堅いスナップ留めリングおよび中央の弾性部材を1個の部品として定める。好適には、中央の弾性部材は、少なくとも2個の部分、すなわち(i)周縁の堅いスナップ留めリングの中央に残された空きスペースにまたがる橋のように延在するバルブ部、および(ii)装置を起動してバルブを通して複数回送給すべく手動で、または別途係合可能な、アクチュエータを形成する押下可能なドーム部を有するシリコーン部材である。中央の弾性部材は、蓋栓または第1の支持部を第2の支持部に組付けた後で、バルブ部がプレフォームのノズル部分と締まりばめを形成し、ドームがプレフォームの堅い圧縮チャンバ部分の上方に位置するように構成されている。圧縮チャンバの底部は、ブロー成形により可撓性ポーチとなる指のような形状のプレフォーム内側チャネルに連続して開口している。
【0014】
いくつかの実施形態において、蓋栓を型成形するステップは更に、好適には可撓性バルブカバーと上述の一体型ドーム形のアクチュエータである可撓性アクチュエータを一括成形するステップを含んでいて、蓋栓を支持部に組付けるステップは更に、可変容積貯蔵チャンバとバルブシームの間で流体が流通するように接続可能にアクチュエータと支持部の間に圧縮チャンバを形成するステップを含んでいる。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、蓋栓を型成形するステップは、支持部と貫入可能部分を一括成形するステップを含み、組付けステップは、貫入可能部分が可変容積貯蔵チャンバと流体が流通するように蓋栓を支持部に組付けるステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態は更に、充填前の滅菌ステップの後で、貫入可能部分を通して針等の注入部材を導入するステップと、注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、貫入可能部分から注入部材を引き抜くステップ、および結果的に貫入可能部分に形成された貫入開口を再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、再密封ステップは、結果的に生じた貫入開口に液体封止剤を適用して、貫入可能部分を液体封止剤により再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、液体封止剤は、概ね周囲温度で適用される。いくつかのそのような実施形態において、液体封止剤は、シリコーンであり、および/または、抗菌添加物を含み、および/または、金属または他の検出可能な粒子が添加されている。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、滅菌ステップは、封止された空の可変容積貯蔵チャンバに放射線を照射してチャンバを滅菌するステップを含んでいる。いくつかの実施形態は更に、封止された蓋栓および収縮したポーチを、収縮した空のポーチを内部に収納する比較的剛性の中空本体に組付けるステップを含んでいる。好適には、封止された蓋栓および収縮したポーチアセンブリは、これらを中空本体内に組付ける前に滅菌される。本発明のいくつかの実施形態において、収縮させるステップは、ポーチを空にするステップを含んでいる。本方法は更に、中空本体内に収納された収縮したポーチを無菌充填するステップを含んでいる。本方法は好適には更に、空またはほぼ空にされた可変容積貯蔵チャンバを充填することにより、ポーチを無菌充填する間、ポーチ内での泡の発生を防止するステップを含んでいる。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態は更に、蓋栓およびポーチアセンブリの表面に液体滅菌剤を適用するステップと、液体滅菌剤の適用を受ける表面に周囲温度より高い温度でろ過された気体を適用して液体滅菌剤を蒸発させるステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、液体滅菌剤は、蓋栓の貫入可能部分に適用され、本方法は更に、液体滅菌剤および/またはその上にろ過された気体を適用した後で、貫入可能部分を通して注入部材を導入するステップ、注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、貫入可能部分から注入部材を引き抜くステップ、および結果的に貫入可能部分に生じた貫入開口を再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、再密封ステップは、結果的に生じた貫入開口に合わせて液体封止剤を計量し、貫入可能部分を液体封止剤で再密封するステップを含んでいる。いくつかのそのような実施形態は更に、凹部内に貫入可能部分を形成するステップ、および貫入開口を再密封すべく凹部に合わせて液体封止剤を計量するステップを含んでいる。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、一方向バルブ、表面上に一方向バルブのバルブシートを形成する第1の支持部、および第1の支持部から外側へ延在してバルブシームへの入口と流体が流通するように接続可能な可変容積貯蔵チャンバを含む装置を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、第1の支持部は、可変容積貯蔵チャンバとバルブシームへの入口との間で流体が流通するように接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、第1の支持部は射出成形されたプレフォームにより定められ、可変容積貯蔵チャンバは射出成形されたプレフォームからブロー成形された可撓性ポーチにより画定される。本発明のいくつかの実施形態は更に、比較的堅い外部中空容器を含んでいる。可撓性ポーチは好適にはプレフォームから延伸ブロー成形されていて、外部中空本体内に収納され、第1の支持部は当該本体に固定的に取付けられている。本発明のいくつかの実施形態は更に、バルブカバーと一体的に形成されていて、バルブシートに重ね合わされたバルブカバーと共に第1の支持部に固定的に結合可能な第2の支持部を含む蓋栓を含んでいる。いくつかの実施形態において、第1の支持部は、可変容積貯蔵チャンバとバルブシームへの入口との間で流体が流通するように接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定し、第2の支持部は、一方向バルブを通して流体を送給すべくバルブ開放圧を超えて圧縮チャンバ内の流体に加圧すべく第1と第2の位置の間を移動可能なアクチュエータを含んでいる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、アクチュエータは、バルブカバーと一体的に形成された可撓性部材である。いくつかのそのような実施形態において、バルブカバーおよび可撓性アクチュエータは、第2の支持部と一括成形されている。いくつかのそのような実施形態において、アクチュエータは略ドーム形である。いくつかのそのような実施形態において、略ドーム形のアクチュエータは、手動で作動させることが可能であって、第1と第2の位置の間を移動可能な手動操作可能な表面を定める。本発明のいくつかのそのような実施形態において、蓋栓は、可撓性バルブ部材およびアクチュエータと一体的に形成された周辺封止部材を定めし、蓋栓と第1の支持部の間に乾式圧縮シールを形成する。第1および第2の支持部は一緒に封止され、好適には一緒にスナップ留めされて封止包体を形成する。第1および第2の支持部のサブアセンブリ自身が本質的に液体容器全体を形成し、これを組付け後に滅菌することができる。このサブアセンブリの利点の一つは、両者の間に流体密封シールを形成する2個の部品だけからなり、滅菌すべき体積を最小限にすべく好適には真空により収縮するポーチにより更に特徴付けられる。そのような滅菌が照射により実現できれば特に好都合である。当該包体サブアセンブリの別の利点は、プレフォームと一体に射出成形された透明な基部を含んでいることにより、包体全体の滅菌にパルスUV滅菌照射等の高エネルギー光が使用できる点である。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は更に、可変容積貯蔵チャンバに物質を無菌充填すべく注入部材物質を自身の内部へ収納すべく構成された貫入可能部分を含んでいる。これらの物質は現時点で公知または将来公知になる多くの異なる物質、例えば牛乳、乳製品および液体栄養製品を含むがこれに限定されない無菌食品または飲料、医薬品、眼科製品、クリーム、ジェルまたは他の任意の所望の粘性の液体を含む皮膚病用製品、および栄養剤の任意の形式であってよい。いくつかのそのような実施形態は更に、貫入可能部分から注入部材を除去した後で結果的に貫入可能部分に形成された貫入開口を覆って貫入開口を密封する封止剤を含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、封止剤は液体シリコーンである。いくつかのそのような実施形態において、液体シリコーンは、室温で硬化する。液体シリコーンその他の封止剤は、好適にはクリープがほぼゼロであり、第1の支持部の比較的剛性のスナップ留めリング上に重層成形された液体シリコーンその他の弾性材料と同一またはほぼ同一であることが好ましい。無菌充填用の貫入部材から生じたピンホールまたは他の貫入開口を封止すべく用いられた1滴以上の同一液体シリコーンその他の封止剤は好適には、以下の要素の一つまたはいくつかと混合される。(i)抗菌添加物、(ii)目視検査および品質管理用の顔料、および/または(iii)インライン磁気その他の自動化されたセンサにより粒子その他の検出可能な物質の量、従って貫入開口を再密封すべく適用された液体シリコーンの量を検出すべく液体シリコーン内に投入された金属その他の検出可能な粒子または物質。液体シリコーンその他の封止剤は、起動ドーム内または無菌充填用の貫入領域を画定する当該装置の他の表面に成形された凹部に適用してその内部に収納することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明および/または現時点で好適な実施形態の装置および方法の利点の一つは、基部がバルブシートを定めるように、蓋栓、バルブカバーおよびアクチュエータを単一の部分として一括成形することができ、圧縮チャンバと可変容積貯蔵チャンバプレフォームを単一の部分として射出成形することができるため、本装置は基本的に、例えば蓋栓を基部にスナップ嵌合することにより簡単に組付け可能な2個の部品で形成することができる。したがって、本装置は、従来技術による装置よりも大幅に少ない部品で製造可能であり、しかも従来技術による装置に匹敵するかまたは向上した機能を発揮できる。
【0023】
好適な実施形態の別の利点は、本装置および方法により、封止剤と同一またはほぼ同一の材料で作られた封止目的の空腔を設けたことにより、残留物の上からでも、粘性製品を室温で充填して再密封することが可能になる点である。
【0024】
現時点で好適な実施形態の別の利点は、充填後の一切の浸透を防止する、弾性を有し比較的厚いシリコーンドームアクチュエータの自己再密封特性である。その結果、再密封用にレーザーを含んでいる、および/または結果的に生じた貫入開口を機械的に再密封する追加的な部分の組付けを含んでいるかによらず、装置の充填に用いられる無菌充填機械が比較的安価になる。
【0025】
好適な実施形態の別の顕著な利点は、バルブが極めて単純であって、第2の支持部への組付け後の弾性バルブ部分の張力だけでバルブ特性を装置内に封入されてバルブを通して送給される製品の粘性に合わせることができる。バルブとその下にあるノズルの間に残留物があれば、バルブとノズルの間の締めしろ/フープ応力差により基部からバルブの送給端へ強制的に排出される。
【0026】
現時点で好適な実施形態の他の利点は、弾性バルブ部材を、包体の剛性下側ノズルに容易に組付けることができため、比較的安価なコストで高品質の製品を提供できることである。
【0027】
好適な実施形態の別の顕著な利点は、延伸されたブロー成形ポーチの壁が比較的薄いため、結果的に、2個の部品だけで作られる液体容器自体の製造に要するプラスチックが極めて少量で済む可能性である。更に別の利点は、包体が外側容器から自動的に取外し可能であるため、外部筐体または容器が完全に生物分解性を有する材料、再利用可能な材料、および/または完全に再生可能な材料で製造可能な点である。
【0028】
本発明、および/またはその現時点で好適な実施形態の他の目的および利点は、現時点で好適な実施形態および添付の図面を参照しながら以下の詳細説明を読めば容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一括成形された一方向バルブ、ドームバネアクチュエータ、およびバルブシートおよび可変容積貯蔵チャンバプレフォームを含む射出成形基部に固定的に結合された支持部を含む、組付けられた蓋栓の断面図である。
【図2】射出成形された可変容積貯蔵チャンバプレフォームを含み、射出成形されたプレフォームが可変容積貯蔵チャンバを形成する可撓性ポーチへとブロー成形される様子を連続的に示す図1の基部の斜視図である。
【図3】無菌充填の前に、真空を適用することにより可撓性ポーチが収縮する様子を連続的に示す図1の基部の斜視図である。
【図4】無菌充填の前に、一体型一方向バルブおよびドームバネアクチュエータ、および収縮した可撓性ポーチアセンブリを含めて組付けられた蓋栓を示す斜視図である。
【図5】無菌充填の前に、容器筐体への滅菌済みアセンブリの挿入過程を連続的に示す、滅菌済みアセンブリおよび収縮したポーチアセンブリの斜視図である。
【図6A】無菌充填の前に、過酸化水素ガス(「VHP」)等の液体滅菌剤および加熱された濾過済み空気によるその蒸発による表面滅菌を受けている、組立てられた送給機の斜視図を示す。
【図6B】無菌充填の前に、過酸化水素ガス(「VHP」)等の液体滅菌剤および加熱された濾過済み空気によるその蒸発による表面滅菌を受けている、組立てられた送給機の斜視図を示す。
【図7】可変容積貯蔵チャンバが無菌針により充填を受けている様子を連続的に示す組立てられた送給機の断面斜視図である。
【図8】蓋栓および可変容積貯蔵チャンバ内の無菌製品を再密封すべく、結果的に生じた貫入開口の、室温加硫シリコーン封止剤等の液体封止剤による再密封を示す斜視図である。
【図9】異なるサイズで本発明を実装する一群の送給機の斜視図である。
【図10】図1〜9の装置の一方向バルブの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜10において、本発明を実装する装置を一般に参照番号10で示す。装置10は、第2の部品14に固定的に取付けられて封止された空の装置を形成する第1の部品12を含んでいる。第1の部品12は、一体型である第1の支持部16、アクチュエータ18、および可撓性一方向バルブまたはバルブカバー20を定める。第1の部品12の構成要素は、第1の支持部16を射出成形して、アクチュエータ18およびバルブカバー20を第1の支持部16に重層成形させる等により、一括成形されている。第2の部品14は、第2の支持部22、バルブシートまたはノズル24、および可変容積貯蔵チャンバプレフォーム26を含んでいる。以下に図2との関連で更に詳述するように、第2の支持部22およびバルブシート24を除いた部分である、プレフォーム26は、可変容積貯蔵チャンバ30を画定する可撓性ポーチへとブロー成形される。
【0031】
第1の部品12は更に、凹部32を定め、当該凹部は図7、8との関連で以下に更に詳述するように、可変容積貯蔵チャンバ30を殺菌または無菌充填すべく針その他の注入部材が貫入可能な針貫入可能領域を定める。凹部32は、結果的に形成された針貫入開口を密封し、これにより無菌充填された物質を可変容積貯蔵チャンバ30内に密封する、充分に計量された量のシリコーン封止剤等の液体封止剤を受容すべく適合されている。
【0032】
以下に詳述するように、可撓性バルブカバー20および比較的堅いバルブシート24は、両者の間を軸方向に細長い、常時閉境界またはバルブシーム36を定める一方向バルブ34を形成する。第1の部品12および第2の部品14は協働して、可変容積貯蔵チャンバ30と入口40の間に、一方向バルブ34の常時閉バルブシーム36に流体が流通可能に接続され得る圧縮チャンバ34を画定する。環状のチェックバルブ42が、バルブカバーおよびアクチュエータと一括成形されて、可変容積貯蔵チャンバ30と圧縮チャンバ38の間に形成されている。以下に詳述するように、アクチュエータ18の移動により、可変容積貯蔵チャンバ30に保存された充分に計量された物質をチェックバルブ42を通して圧縮チャンバ38に引き入れ、次いで、圧縮チャンバ内の物質にバルブ開放圧を上回る圧力を加えて、物質を一方向バルブ34の常時閉バルブシーム36を通して装置外に送給する。第1の部品12は更に、バルブカバー、アクチュエータ、およびチェックバルブと一括成形されて第1の部分の周囲に延在する弾性封止部材44を定める。第2の部品14は、周囲空気に関して装置の内部を密封すべく弾性封止部材44と係合して両者の間に圧縮シールを形成する周辺シール面46を定める。第1の支持部16は、自身の内面に環状溝48および当該環状溝に隣接して形成された環状面取部50を定める。第2の支持部22は、2個の支持部を固定的に取付けるべく第1の支持部の環状凹部48内に収納される環状フランジ52を定める。環状面取部50は、第2の支持部22の第1の支持部16への移動、次いで周辺フランジ52の凹部48へのスナップ留めを容易にする。フランジ52が凹部48内に収納されたならば、封止面46は圧縮的に封止部材44と係合して乾式圧縮シールを形成する。
【0033】
図示の実施形態において、アクチュエータ18は略ドーム形であり、弾性および/またはゴム状弾性材料で形成されている。ドーム形のアクチュエータ18は、アクチュエータを内側へ押し込んで圧縮チャンバ38を圧縮し、次いで、一方向バルブ34を通して充分に計量された物質を送給することが可能な略ドーム形のばねを定める。第2の略ドーム形の部分であるばね54は、アクチュエータと一体的に形成されていて、アクチュエータ18の内径面から軸方向および半径方向に内側へ間隔を置いて配置されて両者の間に圧縮チャンバ38が画定される。図からわかるように、ばね54は、ばねに略ドーム形状を与える曲線状で略ドーム形の壁を定める。第2の部分22は、可変容積貯蔵チャンバ30の入口および出口を形成するボス56を定める。ばね54は、ボス56に対して軸方向および半径方向に間隔を置いた環状基部58を定めており、両者の間に環状の液体流路を形成する。第2の支持部22は、ばね54の環状基部58を収納する環状凹部60を定める。環状凹部60は、可変容積貯蔵チャンバ30と一方向チェックバルブ42の間に環状流体流路を画定する。
【0034】
装置10を起動すべく、アクチュエータ18は内側へ押し込まれて圧縮チャンバ38内の物質をバルブ開放圧を上回る圧力で圧縮する。アクチュエータ18が内側へ押し込まれるにつれて、ばね54の環状基部58は第2の支持部22の環状凹部60内で軸方向内側、且つ半径方向外側に移動する。このため弾性環状チェックバルブ42が第2の支持部22の環状封止面に対して半径方向外側に押し付けられ、これによりチェックバルブが閉止または封止位置に維持され、次いで圧縮チャンバ内の物質にバルブ開放圧を上回る圧力を掛けることが可能になる。環状凹部60はまた、アクチュエータ18の更なる内側への移動に伴い基部58の更なる軸方向および半径方向の移動を止めるべく動作することにより、アクチュエータ18が更に押し込まれた際に圧縮チャンバ38の容積を次第に減少させる。圧縮チャンバ38内の物質がバルブ開放圧を上回ったとき、物質は一方向バルブ34の入口40および常時閉シーム36を通して装置の外へ押し出される。次いで、アクチュエータ18は解放され、これにより、アクチュエータ18のドームばねおよびドームばね54が、図1に例示するように、アクチュエータを外側に、且つその周囲または休止位置まで移動させることができる。押下位置からの休止または周囲位置へ移動する間、圧縮チャンバ38は拡張され、次いで、充分に計量された物質を可変容積貯蔵チャンバ30から環状凹部60およびチェックバルブ42を通して、圧縮チャンバ38内に引き入れる。装置10は次いで、上述のステップを繰り返すことにより、別に計量された物質を送給する用意が整う。装置を持っているのと同じ手の1本又は複数本の指を用いて手動でアクチュエータ18を係合して押し込んでもよく、あるいは当該装置は、アクチュエータ18を係合してアクチュエータを押し込む起動装置を含む当業者に公知の機器に取付けられていてもよい。
【0035】
図10に最適に示すように、一方向バルブ34は、半環状且つ比較的堅いバルブシート24を含み、バルブシート24は、軸方向に延在して互いに対向する二つの第1の周縁部62、および対向する第1の周縁部62の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部64を定める。可撓性バルブ部材20は、バルブシート24に重ね合わされていて、バルブシート24の各第1の周縁部62に固定的に取付けられているかまたはこれに隣接する、軸方向に延在して互いに対向する二つの第2の周縁部66を定める。バルブカバー20は更に、対向する第1の周縁部66の間を斜め方向に延在してバルブシート24の第1の中央部64に重ね合わされ、且つ軸方向に延在する第2の中央部68を定める。図示の実施形態において、中央部64、68は、曲線状であって略半円形である。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に認識されるように、バルブシートおよびバルブカバーは、他の多くの曲線形状、他の多くの曲線と平坦な形状の組合せ、および/または略平坦または平面形状の任意のものを定めることができる。可撓性バルブカバー20およびバルブシート24は、軸方向および斜め方向に延在する常時閉バルブシーム36を両者の間に形成する。バルブシーム36は、その略一端において入口70を、およびその略他端において入口に対して軸方向に間隔を置いた出口72を定める。図10に示すように、バルブカバー20およびバルブシート24は、入口70において両者の間に第1の程度の締めしろ74、および出口72において両者の間に第1の程度の締めしろ74より小さい第2の程度の締めしろ76を定める。図10に示すように、バルブカバー20は、バルブ開放圧を上回る入口70における流体に反応して移動可能であって、この移動は(i)第1および第2の中央部64、68が互いに接触して常時閉シーム36を定める常時閉位置と、(ii)バルブカバー20の少なくとも一部がバルブシート24から間隔を空けられて流体その他の物質が入口70から出口72を通してシーム36を通過できるようにする第2の、または開放位置との間で行われる。例えば、図10に典型的に示すように、流体がバルブの入口から出口を通して移動する間に、加圧された流体により、バルブカバーの軸方向に間隔を置いた部分が、常時閉位置と開放位置の間を順次移動することができる。
【0036】
図示の実施形態において、図10の破線で示すように、バルブカバー20とバルブシート24の間の締めしろの程度は、第1の程度の締めしろ74から第2の程度の締めしろ76まで次第に減少する。すなわち、各々の界面から破線が深いほど締めしろが大きい。また、図示の実施形態において、締めしろの程度は、第1の程度の締めしろ74から第2の程度の締めしろ76までほぼ一様に減少する。また、図10の破線で示すように、バルブカバー20とバルブシート24の間の締めしろの程度は、バルブカバーの中央部68よりもバルブカバーの周縁部66、66の方が高い。図からわかるように、常時閉位置で、バルブカバー20およびバルブシート24は、シーム36で密封シールを形成する。図示の実施形態において、常時閉位置で、密封シールは出口から入口への細菌または病原菌の侵入を防止する。
【0037】
図示の実施形態において、可撓性バルブカバー20は、クリープがほぼゼロであるエラストマ材で形成されている。現時点で好適な一実施形態において、エラストマ材はシリコーンである。現時点で好適な別の実施形態において、エラストマ材は更に、細菌、病原菌または他の微生物がバルブのシーム36に侵入または別途バルブの分注端に堆積するのを防止すべく抗菌添加物を含んでいる。現時点で好適な別の実施形態において、エラストマ材は、銀系または他の抗菌添加物を含むシリコンエラストマである。アクチュエータおよび封止部材を含む、バルブカバーおよび/またはバルブカバーと一体的に形成された他の特徴を形成する例示的なシリコンエラストマ化合物は、General Electric社および/またはMomentive Performance Materialss社からLIM8040を含む商標名LIMRで販売されている任意の液体シリコンゴム、あるいはGeneral Electric社および/またはMomentive Performance Materialss社から商標名StatSilで販売されている抗菌性エラストマ等、他の液体シリコンゴム、シリコーンまたはシリコン系エラストマ等、多くの異なる液体シリコンゴムの任意のものを含んでいてよい。
【0038】
図からわかるように、現時点で好適な実施形態において、バルブカバー20は自身の中央部68のほぼ全体および自身の周縁部66のほぼ全体にわたり、ほぼ均一の厚さを定める。バルブカバー20の中央部68は、自身の対向する周縁部66、66の間で実質的に張力が掛かっている。図10に示すように、第2の支持部22は、バルブシートに対してバルブカバーを固定的に取付けるべく、バルブカバー20の周縁部66、66の下側と係合する複数の比較的鋭い突出部78を定める。図4に典型的に示すように、第1の支持部16は、バルブカバーの基部および周縁部を覆い、バルブカバーのこれらの部分をバルブシートおよび/または第2の支持部22に押し付けすることによりバルブカバーをバルブシートに固定的に取付けて一方向バルブを形成する。図4に示すように、第1の支持部16は、バルブの入口から出口へ向う方向に移動するときに、バルブカバーの周縁部に沿って、軸方向に延在し、バルブカバーの中央部分から半径方向外側へ次第に延在する円弧状の基部クランプ面80および対向する周縁部クランプ面82を定める。
【0039】
図2に典型的に示すように、第2の部品14は、射出成形プレフォーム26を含んでいて、可変容積貯蔵チャンバ30は、射出成形プレフォーム26からブロー成形された可撓性ポーチ28により画定される。この特徴の重要な利点は、可変容積貯蔵チャンバ、バルブシート、および圧縮チャンバの一部が第2の部分として一体的に形成可能な点である。更に別の利点として、バルブシートおよび第2の支持部を射出成形により比較的厳密な精度で形成でき、そのような精度を必要とする第2の部分の、プレフォーム以外の部分の形状について比較的厳密な精度を維持しながら、プレフォームを可撓性ポーチにブロー成形して可変容積貯蔵チャンバを形成可能である点がある。図2に示すように、第2の部品14を射出成形した後で、プレフォーム26を予熱し、次いで当業者に公知の方法で延伸ブロー成形してポーチ28を形成する。図示の実施形態において、第2の部品14、従ってプレフォーム26は、PETまたはPP(ポリプロピレン)製である。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、これらの構成要素は多くの異なる材料の任意のもので作られていて、第2の部分の異なる特徴を形成する現時点で公知または将来公知になる材料(単数または複数)の多くの異なる層または異なる材料の組合せの任意のものを定めることができる。例えば、第2の部分、またはそのプレフォームは、内部に保存する製品と接触する所望のバリア特性および/または内面を設けるべく多層または積層材料により形成することができる。
【0040】
図3に示すように、プレフォームをポーチ28へとブロー成形した後で、可変容積貯蔵チャンバ30を真空にする等により、ポーチは収縮する。次いで、図4に示すように、装置蓋栓を定める第1の部品12が第2の部品14に組付けられて可変容積貯蔵チャンバ30を密封して一方向バルブ34を形成する。上に示すように、第1の部品または蓋栓12は、周辺フランジ52および環状溝または凹部48において2個の部品をスナップ留めすることにより第2の部品14に組付けられる。第1および第2の部品12、14を組付けた後、封止された空の装置が滅菌される。図示の実施形態において、装置は電子線またはガンマ線照射等の放射線照射により滅菌される。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、現時点で公知または将来公知になる装置および/またはその内面および空腔を滅菌する多くの異なる方法または機器の任意のものも同様に利用できる。
【0041】
図5に示すように、装置10は更に、比較的堅い中空本体または筐体84を含んでいる。可撓性ポーチ28は中空本体84内に収納され、第1の支持部16は当該本体に固定的に取付けられている。筐体84は、図示の実施形態において表面上で装置を支持すべく広がった基部86、および筐体を蓋栓に取付けるべく蓋栓の第1の支持部16に固定された上側支持部88を含んでいる。図1に示すように、第2の支持部14は、従属する略環状フランジ90、および環状フランジと第1の支持部12の面取部50の間で半径方向に延在する略環状凹部92を定める。図7に示すように、筐体の上側支持部88は、組付けられた第1および第2の支持部12、14の各々に筐体を固定すべく環状凹部92内に収納された、上方へ延在する略環状フランジ94を定める。図示の実施形態において、環状フランジ94は環状凹部92内に圧入されている。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、フランジ94または筐体84は、現時点で公知または将来公知になる多くの異なる方法のいずれによっても、蓋栓または第1および/または第2の支持部に固定的に取付けることができる。
【0042】
図6に示すように、封止された、空の、滅菌済み装置は次いで、装置の貫入可能領域を再滅菌することにより滅菌または無菌充填材の用意が整う(再滅菌は、例えば、装置の滅菌後に輸送または組立てを行なう間、そのような表面が汚染される場合に行われる。)。最初に、アクチュエータ18の凹部32の貫入可能の表面に過酸化水素ガス等の液体滅菌剤を適用して、そのような表面(単数または複数)を再滅菌する。第二に、空気等の加熱した濾過済み気体を液体滅菌剤受容表面(単数または複数)に適用して、そのような滅菌剤を更に気化させて乾燥した滅菌済みの貫入可能表面が得られる。
【0043】
図7に示すように、封止された、空の滅菌済み装置は次いで、凹部32の基部において、貫入可能部分を通して針96等の注入部材を導入することにより、滅菌または無菌充填され、注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ30内に物質98が導入され、貫入可能部分から注入部材が引き抜かれ、貫入可能部分に結果的に生じた貫入開口が再密封される。充填前にポーチ28を収縮させる利点の一つは、充填前に可変容積貯蔵チャンバ30内に空気が極めて少量であるか、好適には殆ど存在しないため、液体物質98を充填する間、可変容積チャンバ内における泡の発生が防止されるかまたは実質的に防止される。これは特に、充填する間に泡が生じる傾向がある牛乳や乳製品、および他の液体製品等の流動食および飲料等の液体物質の充填速度を向上させるのに顕著な利点である。したがって、本発明の装置および方法は、従来技術と比較して充填速度を大幅に向上させることができる。
【0044】
図示の実施形態において、且つ図8に示すように、再密封ステップは、凹部32内に結果的に生じた貫入開口に液体封止剤100を適用して、液体封止剤により貫入可能部分を再密封するステップを含んでいる。図示の実施形態において、液体封止剤は、概ね周囲温度で適用される。現時点で好適な実施形態において、液体封止剤はシリコーンである。しかし、本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、液体封止剤は現時点で公知の、または将来公知になる多くの異なる封止剤の任意の形態であってよい。図からわかるように、再密封装置102は針による充填の後で再密封される装置に取付けられる。再密封装置102は、液体封止剤100の供給源を含んでいるか、または液体封止剤の供給源との間で流体が流通するように供給源に結合されていて、貫入開口を再密封すべく計量された液体封止剤を装置の貫入領域にポンピング動作で押し出すことにより無菌充填された製品を可変容積貯蔵チャンバ30内に密封するポンプ104をも含んでいる。ポンプ104は、図に示すようにピストン式ポンプの形式をなしていても、あるいは加圧された液状封止剤および加圧された封止剤を放出するバルブ等を備えたシステム等、開口を封止すべく装置の貫入開口において液体封止剤の体積または他の数量を計量する、現時点で公知または将来公知になる他の多くの方式の任意のものであってよい。再密封装置102は、装置の分注ポート106を貫入開口(単数または複数)と整列配置させるべく装置10を搬送するモーター付コンベヤーに固定的に取付けられていても、または装置に相対的に移動可能であってもよい。超過圧力を掛けられた他の種類の気体の無菌濾過された空気が、針(単数または複数)および液体再密封装置(単数または複数)を含むチャンバまたは障壁包体内に供給されて、針による充填および液体再密封プロセスの間、装置の汚染を防止することができる。必要に応じて、本システムは、装置の貫入可能部分への挿入および取外しのため、垂直に駆動される多岐管に取付けられた複数の針を含んでいてよく、あるいは当該多岐管に取付けられた針が垂直に駆動されてもよく、また貫入開口を液体再密封すべくこれらの針に隣接して、またその下流に取付けられた複数の液体再密封装置を含んでいてもよい。
【0045】
代替的な実施形態において、針その他の注入部材で装置を無菌充填して、結果的に生じた貫入開口を再密封するのではなく、当該装置は、充填バルブを通して可変容積貯蔵チャンバの無菌充填を可能にする送給バルブと一体的に一括成形された第2の充填バルブを含んでいてよい。この代替的な実施形態において、蓋栓の第2支持部は、自身と一括成形された第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の一体型可撓性バルブカバーを含んでいる。第1の支持部は、第1のバルブシートおよび第2のバルブシートを含んでいる。第1のバルブカバーは、第1のバルブシートに重ね合わされて、第1の軸方向に延在する常時閉送給バルブシームを定める第1の送給バルブを形成し、第2のバルブカバーは、第2のバルブシートに重ね合わされて、第2の軸方向に延在する常時閉充填バルブシームを定める第2の充填バルブを形成する。第1の支持部は少なくとも部分的に、可変容積貯蔵チャンバと第1の分注バルブシームへの入口の間で流体が流通するように接続可能な圧縮チャンバを画定し、第2の支持部は、バルブ開放圧を上回る圧力で圧縮チャンバ内の流体に加圧すべく第1と第2の位置の間を移動可能であって、分注バルブを通して加圧流体を送給するアクチュエータを定める。ドーム形または他の可撓性アクチュエータは、第1および第2のバルブカバーと一体的かつ一括に成形されている。
【0046】
当該代替的な実施形態の装置の形成方法において、蓋栓を成形するステップは、第2の支持部を、第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の一体型可撓性バルブカバーと共に一括成形するステップを含んでいる。支持部を射出成形するステップは、支持部を第1の一体型バルブシートおよび第2の一体型バルブシートと共に射出成形するステップを含んでいる。蓋栓を支持部に組付けるステップは、(i)第1のバルブカバーを第1のバルブシートに重ね合わせて、第1の軸方向に延在する常時閉バルブシームを定める第1の送給バルブを形成するステップ、および(ii)第2のバルブカバーを第2のバルブシートに重ね合わせて、第2の軸方向に延在する常時閉バルブシームを定める第2の充填バルブを形成するステップを含んでいる。滅菌ステップの後で、ポンプまたは無菌充填すべき製品の加圧された供給源と流体が流通するように接続された中空カニューレ等の充填部材が、第2の充填バルブの常時閉バルブシームと流体が流通するように配置される。次いで、物質が充填部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内の第2の常時閉バルブシーム内に、第2の常時閉バルブシームのバルブ開放圧またはこれよりを上回る圧力で滅菌充填される。可変容積貯蔵チャンバに物質が滅菌充填された後で、第2のバルブから充填部材が引き抜かれる。無菌充填された物質は、保存可能な全期間にわたり、および第1の送給バルブを通して可変容積貯蔵チャンバから物質を複数回投与する間、可変容積貯蔵チャンバ内に密封されて保存される。
【0047】
本発明の装置および方法の利点の一つは、本装置が基本的に、針貫入および液体封止剤による再密封により、または現時点で公知または将来公知になる他の多くの無菌充填方法または装置による無菌充填の用意が整った、封止された空の無菌可変容積貯蔵チャンバを形成する2個の部品から製造できる点である。更に別の利点は、筐体または外部本体が、使用後に(1)再利用可能な収縮したビニール袋および蓋栓および(2)生物分解性を有する外部のビンまたは本体に自動的に分解される、再利用プラスチック、ボール紙、または他の生物分解性材料等の比較的安価な材料で製造できる点である。代替的に、収縮したポーチおよび包体を筐体から取外せるように、且つ新品のポーチおよび蓋栓を所望の回数だけ筐体に挿入できるように、筐体が再利用可能である。
【0048】
現時点で好適な実施形態の顕著な利点は、2個の部品だけで以下の特徴が得られる点である。すなわち、複数回投与システムにおいて細菌侵入の可能性がゼロ、非汚染バルブ、無菌充填ポート、計量投与ポンプ、封止された可変容積貯蔵チャンバを画定する収縮式ポーチ、および可変容積貯蔵チャンバと非汚染バルブの間で流体が流通するように接続して計量投与ポンプの一部を形成する圧縮チャンバである。さらに、現時点で好適な実施形態の別の利点は、それらが、2個の部品からなる収縮式なアセンブリのままであるか、または完全に生物分解性、再利用可能および/または再生可能なより堅い容器を加える可能性を提供する点である。また更なる利点は、ユニークなバルブが一切の病原菌、細菌その他の有害物質の侵入を防止し、従って装置内に保存された製品の汚染を防止し、それにより製品の安定性を大幅に向上させることができる点である。また更なる利点は、可変容積貯蔵チャンバは密封されたままであり、各送給は最初から最後まで滅菌状態にあるため、複数回送給した後でも、容器その他の装置を冷蔵する必要がない点である。現時点で好適な実施形態の別の利点は、当該包装が、従来技術の包装と比較して包装のカーボンフットプリントを減らすユニークな手段を提供する点である。例えば、充填後に製品を再加熱する(例えばレトルト処理のように)必要がなく、送給後または長期間にわたり複数回送給する間、製品または容器を冷蔵する必要がない。現時点で好適な実施形態の更に別の利点は、それらが高い、他の追随を許さない安全レベルを極めて安価な包装で保証できる点である。
【0049】
本明細書の開示内容に基づいて当業者に理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の上で述べた、および他の実施形態に多くの変更を加えることができる。例えば、針貫入およびレーザー再密封、またはバルブイン充填を含む多くの異なる方法のいずれによっても滅菌充填することができる。本装置のアクチュエータ、一方向バルブ、筐体および他の構成要素は、現時点で公知または将来公知になる、多くの異なる材料または材料の組合せの任意のもので形成でき、多くの異なる形状および/または構成の任意のものであってよく、且つ多くの異なる方法または技術の任意のものに従い製造することができる。また、本装置は本明細書に記載された実施形態よりも少ない、または多くの構成要素または特徴を含んでいてよい。更に、本可変容積貯蔵チャンバは、現時点で公知または将来公知になる多くの異なる製造技術の任意のものに従い、多くの異なる材料または構成の任意のもので形成することができる。また、「半環状」という用語は本明細書において、表面の360°以下の部分を意味するために用いられているが、表面が円形または円の一部により定められている必要はない。むしろ、半環状表面は、一部が曲線および/または一部がほぼ平坦であってもよい。したがって、現時点で好適な実施形態のこの詳細な説明は限定的なものではなく、説明目的である旨を理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的堅いバルブシートと、
前記バルブシートに重ね合わされていて、前記バルブシートの各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在して前記バルブシートの前記第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を定める、可撓性のバルブ部材と、
を含み、前記バルブシートが、前記可撓性バルブ部材との間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉のバルブシームを形成する、一方向バルブであって、
前記バルブシームが、概ね一端において入口を、および概ね他端において前記入口に対して軸方向に間隔を置いて出口を定め、前記バルブカバーおよびバルブシートが前記入口において両者の間に第1の程度の締めしろを、および前記出口において両者の間に前記第1の程度の締めしろより小さい第2の程度の締めしろを定め、前記バルブカバーが、前記入口においてバルブ開放圧を上回る流体に反応して、(i)前記第1と第2の中央部が互いに接触して常時閉の前記バルブシームを定める常時閉位置と、(ii)流体が前記入口から前記出口まで前記バルブシームを通過できるように少なくとも前記バルブカバーの一部が前記バルブシートから離されている第2の位置との間を移動可能である一方向バルブ。
【請求項2】
前記バルブカバーと前記バルブシートの間の前記締めしろの程度が、前記第1の程度の締めしろから前記第2の程度の締めしろまで次第に減少する、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項3】
前記締めしろの程度が、前記第1の程度の締めしろから前記第2の程度の締めしろまでほぼ一様に減少する、請求項2に記載の一方向バルブ。
【請求項4】
前記バルブカバーと前記バルブシートの間の前記締めしろの程度が、前記バルブカバーの中央部よりも前記バルブカバーの周縁部の方が高い、請求項2に記載の一方向バルブ。
【請求項5】
常時閉位置において、前記バルブカバーと前記バルブシートが、両者の間に密封シールを形成する、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項6】
常時閉位置において、前記密封シールが前記出口から前記入口への方向における細菌または病原菌の侵入を防止する、請求項5に記載の一方向バルブ。
【請求項7】
可撓性の前記バルブカバーが、ほぼゼロのクリープを示すエラストマ材で形成されている、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項8】
前記エラストマ材がシリコーンである、請求項7に記載の一方向バルブ。
【請求項9】
前記エラストマ材が抗菌添加物を含んでいる、請求項7に記載の一方向バルブ。
【請求項10】
前記エラストマ材が、銀系抗菌添加物を含むシリコンエラストマである、請求項9に記載の一方向バルブ。
【請求項11】
前記バルブカバーが、自身の中央部のほぼ全体にわたりにほぼ同一の厚さを定める、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項12】
前記バルブカバーが、自身の周縁部のほぼ全体にわたりにほぼ同一の厚さを定める、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項13】
前記バルブカバーが、自身のほぼ中央部および周縁部の全体にわたりほぼ同一の厚さを定める、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項14】
前記バルブシートの中央部が略曲線状である、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項15】
前記バルブシートの中央部および対向する二つの周縁部が略半円形である、請求項14に記載の一方向バルブ。
【請求項16】
前記カバーの中央部が、自身の対向する二つの周縁部の間で実質的に張力が掛かっている、請求項15に記載の一方向バルブ。
【請求項17】
請求項1に記載の一方向バルブを含む装置であって、
前記一方向バルブの前記バルブシートが表面に形成された第1の支持部と、
前記第1の支持部から外側へ延在していて、前記入口と流体が流通するように前記バルブシームと接続可能な可変容積貯蔵チャンバと、
を含む、装置。
【請求項18】
前記第1の支持部が、前記可変容積貯蔵チャンバと前記入口の間で流体流通するように前記バルブシームと接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の支持部が射出成形されたプレフォームにより定められる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記可変容積貯蔵チャンバが、前記射出成形されたプレフォームからブロー成形された可撓性ポーチにより画定される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
比較的堅い中空本体を更に含み、前記可撓性ポーチが前記中空本体内に収納され、前記第1の支持部が前記中空本体に固定されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記バルブカバーと一体的に形成され、前記バルブカバーが前記バルブシートに重ね合わされた状態で前記第1の支持部に固定的に結合可能な第2の支持部を含む蓋栓を更に含む、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記第1および第2の支持部の少なくとも一方が、1個以上の比較的窪んだ表面を含み、前記第1および第2の支持部の少なくとも一方の他方が、各々の窪んだ表面内に収納されて前記第1および第2の支持部を固定的に結合する比較的盛り上がった表面を含んでいる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の支持部が、前記可変容積貯蔵チャンバと前記入口の間で流体流通するように前記バルブシームと接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第2の支持部が、前記バルブ開放圧を上回る圧力で前記圧縮チャンバ内の流体を加圧し、次いで前記一方向バルブを通して加圧流体を送給すべく第1と第2の位置の間を移動可能なアクチュエータを定める、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記アクチュエータが、前記バルブカバーと一体的に形成された可撓性部材である、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記バルブカバーおよび可撓性の前記アクチュエータが、前記第2の支持部と一括成形されている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記アクチュエータが略ドーム形である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
略ドーム形の前記アクチュエータが、前記第1と第2の位置の間において手動で作動可能且つ移動可能である、手動操作可能面を定める、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記バルブカバーおよび可撓性のアクチュエータが、第2の支持部に重層成形されている、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記蓋栓が、可撓性の前記バルブ部材およびアクチュエータと一体的に形成されていて、前記蓋栓と前記第1の支持部の間に乾式圧縮シールを形成する周辺封止部材を定める、請求項24に記載の装置。
【請求項31】
前記可変容積貯蔵チャンバに物質を無菌充填する注入部材を、自身に貫通させて受容すべく構成された貫入可能部分を更に含む、請求項22に記載の装置。
【請求項32】
前記貫入可能部分から前記注入部材を除去した後で前記貫入可能部分に結果的に形成される貫入開口を覆い、前記貫入開口を密封する封止剤を更に含む、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記封止剤が液体シリコーンである、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記液体シリコーンが室温硬化する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的堅いバルブシートを形成する第1の手段と、
前記第1の手段に重ね合わされていて、前記第1の手段の各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在して前記第1の手段の前記第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を定める、第2の手段と、
を含み、前記第1の手段が、前記第2の手段との間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉のシームを形成する、一方向バルブであって、
前記シームが、概ね一端において入口を、および概ね他端において前記入口に対して軸方向に間隔を置いて出口を定め、前記第1および第2の手段が前記入口において両者の間に第1の程度の締めしろを、および前記出口において両者の間に前記第1の程度の締めしろより小さい第2の程度の締めしろを定め、前記第2の手段が、前記入口においてバルブ開放圧を上回る流体に反応して、(i)前記第1と第2の中央部が互いに接触して常時閉の前記シームを定める常時閉位置と、(ii)流体が前記入口から前記出口まで前記シームを通過できるように少なくとも前記第2の手段の一部が前記第1の手段から離されている第2の位置との間を移動可能である一方向バルブ。
【請求項36】
前記第1の手段がバルブシートであり、前記第2の手段がバルブカバーである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
支持部および一体型の可変容積貯蔵チャンバプレフォームを射出成形するステップと、
前記可変容積貯蔵チャンバを画定する可撓性ポーチを形成する拡張された形状に前記プレフォームをブロー成形するステップと、を含む方法。
【請求項38】
前記可撓性ポーチおよび前記可撓性ポーチ内に形成された前記可変容積貯蔵チャンバを収縮させるステップと、
前記可変容積貯蔵チャンバの内部を周囲空気に対して封止するステップと、
封止された前記可変容積貯蔵チャンバを滅菌するステップと、
を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
蓋栓を成形するステップと、成形された前記蓋栓を前記支持部に組付けて当該蓋栓により可変容積貯蔵チャンバを封止するステップと、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
蓋栓を成形する前記ステップが、第2の支持部と一体型の可撓性バルブカバーを一括成形するステップを含み、支持部を射出成形する前記ステップが、前記支持部および一体型のバルブシートを射出成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、バルブカバーをバルブシートに重ね合わせて、両者の間を軸方向に延在する常時閉のバルブシームを形成するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
蓋栓を成形する前記ステップが、可撓性アクチュエータを前記可撓性バルブカバーと一体的に一括成形するステップを更に含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、前記可変容積貯蔵チャンバと前記バルブシームの間で流体が流通するように接続可能な支持部と、前記アクチュエータとの間に圧縮チャンバを形成するステップを更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
蓋栓を成形する前記ステップが、第2の支持部と貫入可能部分を一体的に一括成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、貫入可能部分が前記可変容積貯蔵チャンバと流体が流通するように前記蓋栓を前記支持部に組付けるステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記滅菌するステップの後で、前記貫入可能部分を通して注入部材を導入するステップ、注入部材を通して前記可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、前記注入部材を前記貫入可能部分から引き抜くステップ、および前記貫入可能部分に結果的に生じた貫入開口を再封止するステップを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記再封止するステップが、前記結果的に生じた貫入開口に液体封止剤を適用して、前記貫入可能部分を前記液体封止剤により再密封するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記液体封止剤が概ね周囲温度で適用される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記液体封止剤がシリコーンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記滅菌するステップが、前記封止された、空の可変容積貯蔵チャンバに放射線を照射するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記可変容積貯蔵チャンバを形成する材料が、前記放射線滅菌に対して実質的に透過的である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記滅菌するステップが、高エネルギー光滅菌の適用を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記高エネルギー光がパルス紫外光である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
封止された蓋栓と収縮した可撓性ポーチのアセンブリを、空の収縮した前記可撓性ポーチを内部に収納する比較的堅い中空本体内に組付けるステップを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
封止された蓋栓と収縮した可撓性ポーチの前記アセンブリを、前記中空本体に組付ける前に滅菌するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記中空本体内に収納された収縮した前記可撓性ポーチを無菌充填するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記可撓性ポーチを無菌充填する間、その内部で泡の発生を実質的に防止するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
可撓性ポーチを収縮させる前記ステップが、当該可撓性ポーチを空にするステップを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
蓋栓および可撓性ポーチの前記アセンブリの表面に液体滅菌剤を適用するステップ、および前記液体滅菌剤を受容する表面に、ろ過された気体を周囲温度より高い温度で適用するステップを更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記封止剤の硬化を容易にすべく、酸素その他の気体を液体封止剤に適用するステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記封止剤を硬化させるべく前記気体が概ね所定の温度で適用される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記液体滅菌剤が前記蓋栓の貫入可能部分に適用され、液体滅菌剤およびろ過された気体の内部への適用後に前記貫入可能部分を通して注入部材を導入するステップ、前記注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、前記貫入可能部分から前記注入部材を引き抜くステップ、および貫入可能部分に結果的に生じた貫入開口を再封止するステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記再封止するステップが、結果的に生じた前記貫入開口に合わせて液体封止剤を計量し、前記貫入可能部分を前記液体封止剤で再密封するステップを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
凹部内に貫入可能部分を形成するステップ、および前記凹部に合わせて液体封止剤を計量するステップを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記可撓性ポーチを実質的に空にすることにより前記可撓性ポーチを収縮させるステップ、および実質的に空にされた前記可撓性ポーチを液体製品により無菌充填することにより前記可撓性ポーチ内における泡の発生を実質的に防止するステップを更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項63】
蓋栓を成形する前記ステップが、前記蓋栓に可撓性シールを一体成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、前記蓋栓と前記支持部の間に前記可撓性シールにより乾式密封シールを形成するステップ含む、請求項40に記載の方法。
【請求項64】
使用後に前記可撓性ポーチを廃棄して、新品の可撓性ポーチと共に前記中空本体を再利用するステップを更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項65】
蓋栓を成形する前記ステップが、第2の支持部を第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の一体型可撓性バルブカバーと一括成形するステップを含み、支持部を射出成形する前記ステップが、前記支持部を第1の一体型前記バルブシートおよび第2の一体型前記バルブシートと射出成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、(i)前記第1のバルブシートに前記第1のバルブカバーを重ね合わせて、第1の軸方向に延在する常時閉バルブシームを定める第1の送給バルブを形成するステップ、および(ii)前記第2のバルブシートに第2のバルブカバーを重ね合わせて、第2の軸方向に延在する常時閉のバルブシームを定める第2の充填バルブを形成するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項66】
前記無菌充填の後で、充填部材を前記第2の充填バルブの常時閉のバルブシームと流体が流れるように配置するステップと、第2の常時閉のバルブシームのバルブ開放圧またはこれを上回る圧力で、前記充填部材を通して第2の常時閉のバルブシーム内に、および前記可変容積貯蔵チャンバ内に、物質を滅菌充填するステップと、第2のバルブから充填部材を引き抜くステップとを更に含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記可変容積貯蔵チャンバ内に密封された無菌充填物質を、保存可能な全期間にわたり、および前記第1の送給バルブを通して前記可変容積貯蔵チャンバから複数回物質を送給する間、保存するステップを更に含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記蓋栓の前記第2の支持部が、自身と一括成形された第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の可撓性バルブ一体型可撓性バルブカバーを含み、前記第1の支持部が第1のバルブシートおよび第2のバルブシート含んでいて、前記第1のバルブカバーが前記第1のバルブシートに重ね合わされて、第1の軸方向に延在する常時閉送給バルブシームを定める第1の送給バルブを形成し、前記第2のバルブカバーが前記第2のバルブシートに重ね合わされて、第2の軸方向に延在する常時閉充填バルブシームを定める第2の充填バルブを形成する、請求項22に記載の装置。
【請求項69】
前記第1の支持部が、前記可変容積貯蔵チャンバ前記バルブシームへの前記入口と間で流体が流れるように接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第2の支持部が、前記バルブ開放圧を上回る圧力で前記圧縮チャンバ内の流体を加圧して前記加圧された流体を前記一方向バルブを通して送給すべく第1と第2の位置の間を移動可能なアクチュエータを画定する、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記アクチュエータが、前記第1および前記第2のバルブカバーと一体的に一括成形された可撓性部材である、請求項69に記載の装置。
【請求項1】
軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的堅いバルブシートと、
前記バルブシートに重ね合わされていて、前記バルブシートの各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在して前記バルブシートの前記第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を定める、可撓性のバルブ部材と、
を含み、前記バルブシートが、前記可撓性バルブ部材との間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉のバルブシームを形成する、一方向バルブであって、
前記バルブシームが、概ね一端において入口を、および概ね他端において前記入口に対して軸方向に間隔を置いて出口を定め、前記バルブカバーおよびバルブシートが前記入口において両者の間に第1の程度の締めしろを、および前記出口において両者の間に前記第1の程度の締めしろより小さい第2の程度の締めしろを定め、前記バルブカバーが、前記入口においてバルブ開放圧を上回る流体に反応して、(i)前記第1と第2の中央部が互いに接触して常時閉の前記バルブシームを定める常時閉位置と、(ii)流体が前記入口から前記出口まで前記バルブシームを通過できるように少なくとも前記バルブカバーの一部が前記バルブシートから離されている第2の位置との間を移動可能である一方向バルブ。
【請求項2】
前記バルブカバーと前記バルブシートの間の前記締めしろの程度が、前記第1の程度の締めしろから前記第2の程度の締めしろまで次第に減少する、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項3】
前記締めしろの程度が、前記第1の程度の締めしろから前記第2の程度の締めしろまでほぼ一様に減少する、請求項2に記載の一方向バルブ。
【請求項4】
前記バルブカバーと前記バルブシートの間の前記締めしろの程度が、前記バルブカバーの中央部よりも前記バルブカバーの周縁部の方が高い、請求項2に記載の一方向バルブ。
【請求項5】
常時閉位置において、前記バルブカバーと前記バルブシートが、両者の間に密封シールを形成する、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項6】
常時閉位置において、前記密封シールが前記出口から前記入口への方向における細菌または病原菌の侵入を防止する、請求項5に記載の一方向バルブ。
【請求項7】
可撓性の前記バルブカバーが、ほぼゼロのクリープを示すエラストマ材で形成されている、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項8】
前記エラストマ材がシリコーンである、請求項7に記載の一方向バルブ。
【請求項9】
前記エラストマ材が抗菌添加物を含んでいる、請求項7に記載の一方向バルブ。
【請求項10】
前記エラストマ材が、銀系抗菌添加物を含むシリコンエラストマである、請求項9に記載の一方向バルブ。
【請求項11】
前記バルブカバーが、自身の中央部のほぼ全体にわたりにほぼ同一の厚さを定める、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項12】
前記バルブカバーが、自身の周縁部のほぼ全体にわたりにほぼ同一の厚さを定める、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項13】
前記バルブカバーが、自身のほぼ中央部および周縁部の全体にわたりほぼ同一の厚さを定める、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項14】
前記バルブシートの中央部が略曲線状である、請求項1に記載の一方向バルブ。
【請求項15】
前記バルブシートの中央部および対向する二つの周縁部が略半円形である、請求項14に記載の一方向バルブ。
【請求項16】
前記カバーの中央部が、自身の対向する二つの周縁部の間で実質的に張力が掛かっている、請求項15に記載の一方向バルブ。
【請求項17】
請求項1に記載の一方向バルブを含む装置であって、
前記一方向バルブの前記バルブシートが表面に形成された第1の支持部と、
前記第1の支持部から外側へ延在していて、前記入口と流体が流通するように前記バルブシームと接続可能な可変容積貯蔵チャンバと、
を含む、装置。
【請求項18】
前記第1の支持部が、前記可変容積貯蔵チャンバと前記入口の間で流体流通するように前記バルブシームと接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の支持部が射出成形されたプレフォームにより定められる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記可変容積貯蔵チャンバが、前記射出成形されたプレフォームからブロー成形された可撓性ポーチにより画定される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
比較的堅い中空本体を更に含み、前記可撓性ポーチが前記中空本体内に収納され、前記第1の支持部が前記中空本体に固定されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記バルブカバーと一体的に形成され、前記バルブカバーが前記バルブシートに重ね合わされた状態で前記第1の支持部に固定的に結合可能な第2の支持部を含む蓋栓を更に含む、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記第1および第2の支持部の少なくとも一方が、1個以上の比較的窪んだ表面を含み、前記第1および第2の支持部の少なくとも一方の他方が、各々の窪んだ表面内に収納されて前記第1および第2の支持部を固定的に結合する比較的盛り上がった表面を含んでいる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の支持部が、前記可変容積貯蔵チャンバと前記入口の間で流体流通するように前記バルブシームと接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第2の支持部が、前記バルブ開放圧を上回る圧力で前記圧縮チャンバ内の流体を加圧し、次いで前記一方向バルブを通して加圧流体を送給すべく第1と第2の位置の間を移動可能なアクチュエータを定める、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記アクチュエータが、前記バルブカバーと一体的に形成された可撓性部材である、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記バルブカバーおよび可撓性の前記アクチュエータが、前記第2の支持部と一括成形されている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記アクチュエータが略ドーム形である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
略ドーム形の前記アクチュエータが、前記第1と第2の位置の間において手動で作動可能且つ移動可能である、手動操作可能面を定める、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記バルブカバーおよび可撓性のアクチュエータが、第2の支持部に重層成形されている、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記蓋栓が、可撓性の前記バルブ部材およびアクチュエータと一体的に形成されていて、前記蓋栓と前記第1の支持部の間に乾式圧縮シールを形成する周辺封止部材を定める、請求項24に記載の装置。
【請求項31】
前記可変容積貯蔵チャンバに物質を無菌充填する注入部材を、自身に貫通させて受容すべく構成された貫入可能部分を更に含む、請求項22に記載の装置。
【請求項32】
前記貫入可能部分から前記注入部材を除去した後で前記貫入可能部分に結果的に形成される貫入開口を覆い、前記貫入開口を密封する封止剤を更に含む、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記封止剤が液体シリコーンである、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記液体シリコーンが室温硬化する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
軸方向に延在して対向する二つの第1の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在する第1の中央部を定める、半環状で比較的堅いバルブシートを形成する第1の手段と、
前記第1の手段に重ね合わされていて、前記第1の手段の各第1の周縁部上に、またはこれに隣接して、固定的に取付けられて軸方向に延在して対向する二つの第2の周縁部、および対向する前記第1の周縁部の間を斜め方向に延在すると共に軸方向に延在して前記第1の手段の前記第1の中央部に重ね合わされる第2の中央部を定める、第2の手段と、
を含み、前記第1の手段が、前記第2の手段との間に、軸方向および斜め方向に延在する常時閉のシームを形成する、一方向バルブであって、
前記シームが、概ね一端において入口を、および概ね他端において前記入口に対して軸方向に間隔を置いて出口を定め、前記第1および第2の手段が前記入口において両者の間に第1の程度の締めしろを、および前記出口において両者の間に前記第1の程度の締めしろより小さい第2の程度の締めしろを定め、前記第2の手段が、前記入口においてバルブ開放圧を上回る流体に反応して、(i)前記第1と第2の中央部が互いに接触して常時閉の前記シームを定める常時閉位置と、(ii)流体が前記入口から前記出口まで前記シームを通過できるように少なくとも前記第2の手段の一部が前記第1の手段から離されている第2の位置との間を移動可能である一方向バルブ。
【請求項36】
前記第1の手段がバルブシートであり、前記第2の手段がバルブカバーである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
支持部および一体型の可変容積貯蔵チャンバプレフォームを射出成形するステップと、
前記可変容積貯蔵チャンバを画定する可撓性ポーチを形成する拡張された形状に前記プレフォームをブロー成形するステップと、を含む方法。
【請求項38】
前記可撓性ポーチおよび前記可撓性ポーチ内に形成された前記可変容積貯蔵チャンバを収縮させるステップと、
前記可変容積貯蔵チャンバの内部を周囲空気に対して封止するステップと、
封止された前記可変容積貯蔵チャンバを滅菌するステップと、
を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
蓋栓を成形するステップと、成形された前記蓋栓を前記支持部に組付けて当該蓋栓により可変容積貯蔵チャンバを封止するステップと、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
蓋栓を成形する前記ステップが、第2の支持部と一体型の可撓性バルブカバーを一括成形するステップを含み、支持部を射出成形する前記ステップが、前記支持部および一体型のバルブシートを射出成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、バルブカバーをバルブシートに重ね合わせて、両者の間を軸方向に延在する常時閉のバルブシームを形成するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
蓋栓を成形する前記ステップが、可撓性アクチュエータを前記可撓性バルブカバーと一体的に一括成形するステップを更に含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、前記可変容積貯蔵チャンバと前記バルブシームの間で流体が流通するように接続可能な支持部と、前記アクチュエータとの間に圧縮チャンバを形成するステップを更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
蓋栓を成形する前記ステップが、第2の支持部と貫入可能部分を一体的に一括成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、貫入可能部分が前記可変容積貯蔵チャンバと流体が流通するように前記蓋栓を前記支持部に組付けるステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記滅菌するステップの後で、前記貫入可能部分を通して注入部材を導入するステップ、注入部材を通して前記可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、前記注入部材を前記貫入可能部分から引き抜くステップ、および前記貫入可能部分に結果的に生じた貫入開口を再封止するステップを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記再封止するステップが、前記結果的に生じた貫入開口に液体封止剤を適用して、前記貫入可能部分を前記液体封止剤により再密封するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記液体封止剤が概ね周囲温度で適用される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記液体封止剤がシリコーンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記滅菌するステップが、前記封止された、空の可変容積貯蔵チャンバに放射線を照射するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記可変容積貯蔵チャンバを形成する材料が、前記放射線滅菌に対して実質的に透過的である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記滅菌するステップが、高エネルギー光滅菌の適用を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記高エネルギー光がパルス紫外光である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
封止された蓋栓と収縮した可撓性ポーチのアセンブリを、空の収縮した前記可撓性ポーチを内部に収納する比較的堅い中空本体内に組付けるステップを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
封止された蓋栓と収縮した可撓性ポーチの前記アセンブリを、前記中空本体に組付ける前に滅菌するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記中空本体内に収納された収縮した前記可撓性ポーチを無菌充填するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記可撓性ポーチを無菌充填する間、その内部で泡の発生を実質的に防止するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
可撓性ポーチを収縮させる前記ステップが、当該可撓性ポーチを空にするステップを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
蓋栓および可撓性ポーチの前記アセンブリの表面に液体滅菌剤を適用するステップ、および前記液体滅菌剤を受容する表面に、ろ過された気体を周囲温度より高い温度で適用するステップを更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記封止剤の硬化を容易にすべく、酸素その他の気体を液体封止剤に適用するステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記封止剤を硬化させるべく前記気体が概ね所定の温度で適用される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記液体滅菌剤が前記蓋栓の貫入可能部分に適用され、液体滅菌剤およびろ過された気体の内部への適用後に前記貫入可能部分を通して注入部材を導入するステップ、前記注入部材を通して可変容積貯蔵チャンバ内に物質を導入するステップ、前記貫入可能部分から前記注入部材を引き抜くステップ、および貫入可能部分に結果的に生じた貫入開口を再封止するステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記再封止するステップが、結果的に生じた前記貫入開口に合わせて液体封止剤を計量し、前記貫入可能部分を前記液体封止剤で再密封するステップを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
凹部内に貫入可能部分を形成するステップ、および前記凹部に合わせて液体封止剤を計量するステップを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記可撓性ポーチを実質的に空にすることにより前記可撓性ポーチを収縮させるステップ、および実質的に空にされた前記可撓性ポーチを液体製品により無菌充填することにより前記可撓性ポーチ内における泡の発生を実質的に防止するステップを更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項63】
蓋栓を成形する前記ステップが、前記蓋栓に可撓性シールを一体成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、前記蓋栓と前記支持部の間に前記可撓性シールにより乾式密封シールを形成するステップ含む、請求項40に記載の方法。
【請求項64】
使用後に前記可撓性ポーチを廃棄して、新品の可撓性ポーチと共に前記中空本体を再利用するステップを更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項65】
蓋栓を成形する前記ステップが、第2の支持部を第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の一体型可撓性バルブカバーと一括成形するステップを含み、支持部を射出成形する前記ステップが、前記支持部を第1の一体型前記バルブシートおよび第2の一体型前記バルブシートと射出成形するステップを含み、蓋栓を支持部に組付ける前記ステップが、(i)前記第1のバルブシートに前記第1のバルブカバーを重ね合わせて、第1の軸方向に延在する常時閉バルブシームを定める第1の送給バルブを形成するステップ、および(ii)前記第2のバルブシートに第2のバルブカバーを重ね合わせて、第2の軸方向に延在する常時閉のバルブシームを定める第2の充填バルブを形成するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項66】
前記無菌充填の後で、充填部材を前記第2の充填バルブの常時閉のバルブシームと流体が流れるように配置するステップと、第2の常時閉のバルブシームのバルブ開放圧またはこれを上回る圧力で、前記充填部材を通して第2の常時閉のバルブシーム内に、および前記可変容積貯蔵チャンバ内に、物質を滅菌充填するステップと、第2のバルブから充填部材を引き抜くステップとを更に含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記可変容積貯蔵チャンバ内に密封された無菌充填物質を、保存可能な全期間にわたり、および前記第1の送給バルブを通して前記可変容積貯蔵チャンバから複数回物質を送給する間、保存するステップを更に含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記蓋栓の前記第2の支持部が、自身と一括成形された第1の一体型可撓性バルブカバーおよび第2の可撓性バルブ一体型可撓性バルブカバーを含み、前記第1の支持部が第1のバルブシートおよび第2のバルブシート含んでいて、前記第1のバルブカバーが前記第1のバルブシートに重ね合わされて、第1の軸方向に延在する常時閉送給バルブシームを定める第1の送給バルブを形成し、前記第2のバルブカバーが前記第2のバルブシートに重ね合わされて、第2の軸方向に延在する常時閉充填バルブシームを定める第2の充填バルブを形成する、請求項22に記載の装置。
【請求項69】
前記第1の支持部が、前記可変容積貯蔵チャンバ前記バルブシームへの前記入口と間で流体が流れるように接続可能な圧縮チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第2の支持部が、前記バルブ開放圧を上回る圧力で前記圧縮チャンバ内の流体を加圧して前記加圧された流体を前記一方向バルブを通して送給すべく第1と第2の位置の間を移動可能なアクチュエータを画定する、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記アクチュエータが、前記第1および前記第2のバルブカバーと一体的に一括成形された可撓性部材である、請求項69に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−507590(P2013−507590A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533372(P2012−533372)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/052102
【国際公開番号】WO2011/044531
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512092379)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/052102
【国際公開番号】WO2011/044531
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512092379)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]