説明

一方向不連続繊維帯の製造装置および製造方法

【課題】牽切された繊維の牽切に用いるロールへの巻き付きや、繊維束のばらけを防止しつつ、連続繊維からなる繊維束を牽切して、低コストで一方向不連続繊維帯を製造できる装置および方法の提供。
【解決手段】繊維束Aを巻き出す巻出手段10、繊維束Aを開繊する開繊手段20、帯状繊維束Bの両面に支持体S,Sを供給して挟持する支持体供給手段30、支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bを、直列に配置した複数の延伸用ロールユニット40a,40b,40cにより、その長さ方向に延伸処理して、支持体S,Sを牽切することなく支持体S,Sで挟持された連続繊維を牽切する牽切手段40、帯状繊維束Cを支持体S,Sと共に巻き取る巻取手段50を具備する一方向不連続繊維帯の製造装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方向不連続繊維帯の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化樹脂成形品を得る際に使用する成形材として、一方向に配向した連続繊維材料に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させた一方向プリプレグが知られている。このような一方向連続繊維プリプレグでは、プリプレグ自体の変形が十分でないため曲面形状に賦形する場合には形状に沿わせることが難しく、所望の形状となるよう裁断してプリフォームを製作する必要がある。また、プリプレグでは保管期間や保管状態の管理も配慮する必要があるなど煩雑である。
【0003】
これに対して、繊維材料として一方向に配向した短繊維(一方向不連続繊維)を含むドライプリフォームも検討されている。一方向に配向した短繊維では擬似的に伸びるため、優れた曲面賦形性を発揮するものと期待される。すなわち、一方向連続繊維(長繊維)で立体形状のプリフォームを得る場合には、しわが発生するが、一方向不連続繊維は繊維が短いために、プリフォームとした際には擬似的に伸びる。よって、所望する任意の形状に成形した時に型へのなじみもよく、しわの発生も低減されると考えられ、低コストで高品位の成形が可能なドライプリフォームが得られる。
【0004】
化学繊維を牽切する牽切機としては、例えば、正方形に配置された4つの駆動シリンダと、駆動シリンダに接する押圧ローラからなる2つの5つ組みローラにより区画された切断区域にて、該切断区域の終端に位置する駆動シリンダを、切断区域の始端に位置する駆動シリンダより速く回転させて、アクリル繊維などの化学繊維を牽切する牽切機が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、不連続繊維からなる一方向シートの製造方法としては、例えばチョップド繊維を一方向に配列させたシートを、搬送用ローラよりも回転数の早い引き取り用ローラで引き取る(ドラフト)ことで、チョップド繊維を引き揃える方法が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−173122号公報
【特許文献2】特開2009−274412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の牽切機では、牽切された繊維が牽切に用いるロールに巻き付いたり、繊維束がばらけて品質が低下したりすることがあった。特に、高強度の連続繊維を牽切する際は、駆動シリンダの圧力を高めたり、回転速度差を大きくしたりする必要があり、ロールへの巻き付きが顕著であり、繊維束がばらけやすかった。
また、特許文献2に記載の方法では、チョップド繊維を用いるため、コストがかかりやすかった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、牽切された繊維の牽切に用いるロールへの巻き付きや、繊維束のばらけを防止しつつ、連続繊維からなる繊維束を牽切して、低コストで一方向不連続繊維帯を製造できる装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一方向不連続繊維帯の製造装置は、一方向に配向した連続繊維からなる繊維束の巻回物から繊維束を巻き出す巻出手段と、巻き出された繊維束を開繊して帯状繊維束とする開繊手段と、帯状繊維束の両面に支持体を供給し、帯状繊維束を支持体で挟持する支持体供給手段と、支持体で挟持された帯状繊維束を、直列に配置した複数の延伸用ロールユニットにより、その長さ方向に延伸処理して、支持体を牽切することなく支持体で挟持された連続繊維を牽切する牽切手段と、連続繊維が牽切された帯状繊維束を支持体と共に巻き取る巻取手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一方向不連続繊維帯の製造方法は、一方向に配向した連続繊維からなる繊維束の巻回物から繊維束を巻き出す巻出工程と、巻き出された繊維束を開繊して帯状繊維束とする開繊工程と、帯状繊維束の両面に支持体を供給し、帯状繊維束を支持体で挟持する支持体供給工程と、支持体で挟持された帯状繊維束を、直列に配置した複数の延伸用ロールユニットにより、その長さ方向に延伸処理して、支持体を牽切することなく支持体で挟持された連続繊維を牽切する牽切工程と、連続繊維が牽切された帯状繊維束を支持体と共に巻き取る巻取工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一方向不連続繊維帯の製造装置および製造方法によれば、牽切された繊維の牽切に用いるロールへの巻き付きや、繊維束のばらけを防止しつつ、連続繊維からなる繊維束を牽切して、低コストで一方向不連続繊維帯を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一方向不連続繊維帯の製造装置の一例を模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一方向不連続繊維帯の製造装置の一例を模式的に示す概略構成図である。
この例の一方向不連続繊維帯の製造装置1は、一方向に配向した連続繊維からなる繊維束Aの巻回物から繊維束Aを巻き出す巻出手段10と、巻き出された繊維束Aを開繊して帯状繊維束Bとする開繊手段20と、帯状繊維束Bの両面に支持体S,Sを供給し、帯状繊維束Bを支持体S,Sで挟持する支持体供給手段30と、支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bをその長さ方向に延伸処理して、支持体S,Sを牽切することなく支持体S,Sで挟持された連続繊維を牽切する牽切手段40と、連続繊維が牽切された帯状繊維束(一方向不連続繊維帯)Cを支持体S,Sと共に巻き取る巻取手段50とを具備する。
【0014】
上記製造装置1における巻出手段10は、繊維束Aの巻回物から繊維束Aを巻き出す手段である。
開繊手段20は、ジグザグ状に配置された複数のバー21からなり、繊維束Aの走行方向を屈曲させることにより、繊維束Aをバー21で擦過もしくは揺動によって開繊して、帯状繊維束Bとする手段である。
支持体供給手段30は、帯状繊維束Bの両面に支持体S,Sを供給し、帯状繊維束Bを支持体S,Sで挟持する手段である。
巻取手段50は、連続繊維が牽切された帯状繊維束(一方向不連続繊維帯)Cを支持体S,Sと共に巻き取る手段である。
【0015】
牽切手段40は、支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bをその長さ方向に延伸処理して、繊維束を構成する連続繊維を支持体S,Sを牽切することなく牽切する手段である。
この牽切手段40は、回転駆動する2本の主動ロール41,41と、主動ロール41,41に隣接する従動ロール42とを備えた3つの延伸用ロールユニット40a,40b,40cを備える。3つの延伸用ロールユニット40a,40b,40cは、直列かつ互いに平行に配置され、上流側から下流側に向かって主動ロール41,41の回転速度が速くなるように設定されている。また、各延伸用ロールユニット40a,40b,40cにおいては、主動ロール41,41と従動ロール42との間に、支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bが通過するようになっている。
【0016】
上記製造装置1を用いた一方向不連続繊維帯の製造方法の一例について説明する。
この製造方法では、まず、巻出手段10により一方向に配向した連続繊維からなる繊維束Aを連続的もしくは間欠的に巻き出す(巻出工程)。
ここで、連続繊維としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等を使用できる。これらの中でも、比強度、比剛性に優れることから、炭素繊維が好ましい。
【0017】
ついで、繊維束Aを開繊手段20に備わる複数のバー21で擦過もしくは揺動によって開繊して、帯状繊維束Bとする(開繊工程)。
ついで、開繊された帯状繊維束Bの両面に、支持体供給手段30から支持体S,Sを供給し、この支持体S,Sにより帯状繊維束Bを挟持して、帯状繊維束Bを支持体S,Sと共に牽切手段40へと送る(支持体供給工程)。
【0018】
本発明においては、支持体S,Sが、連続繊維を牽切する牽切工程により牽切されないことを特徴とする。
【0019】
支持体S,Sとしては、連続繊維を牽切する牽切工程により牽切されなければ特に限定されないが、樹脂フィルムやゴムシートなどが挙げられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。
ゴムシートとしては、天然ゴムシートや、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴムシート等が挙げられる。
【0020】
牽切工程により支持体S,Sが牽切されないようにするには、支持体S,Sの伸び率が、牽切手段40の延伸処理における総ドラフト率よりも大きくなるように、支持体を選択して用いたり、延伸処理における総ドラフト率を制御したりすることが好ましい。
総ドラフト率は、牽切手段40の最上流に位置する延伸用ロールユニット40aの引き出し速度(V1a)と、最下流に位置する延伸用ロールユニット40cの引き取り速度(V2c)との比で表され、具体的に下記式(1)より求められる。
総ドラフト率(%)={(V2c−V1a)/V1a}×100 ・・・(1)
【0021】
ここで、引き出し速度(V1a)とは、最上流に位置する延伸用ロールユニット40aから支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bが引き出される速度であり、引き取り速度(V2c)とは、最下流に位置する延伸用ロールユニット40cに支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bが引き取られる速度であり、これらは各延伸用ロールユニットの主動ロール41,41の回転速度を調整することで制御できる。
【0022】
なお、牽切手段では複数の延伸用ロールユニットを備えるため、それぞれの延伸用ロールユニット間においてドラフト率が求められる。本発明においては、最上流に位置する延伸用ロールユニット速度と、最下流に位置する延伸用ロールユニット速度において求められる総ドラフト率よりも、支持体の伸び率が大きいことが好ましい。総ドラフト率よりも支持体の伸び率が大きいことは、同じ総ドラフト率で支持体を牽切手段で処理しても、支持体が牽切されないことを意味する。
【0023】
総ドラフト率は、5〜110%であることが好ましい。総ドラフト率が5%以上であれば、確実に帯状繊維束Bに張力を付与し連続繊維を牽切することができる。一方、総ドラフト率が110%以下であれば、連続繊維をランダムな位置で牽切でき、長さ方向における短繊維(不連続繊維)の間隔が長くなることを防ぎ、繊維強化樹脂成形品において十分な機械的物性を確実に発現できる。
【0024】
ついで、支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bを、下流側になるにつれて主動ロール41,41の回転速度が速くなっている延伸用ロールユニット40a,40b,40cに、順次通過させる。これら延伸用ロールユニット40a,40b,40cに、支持体S,Sで挟持された帯状繊維束Bを通過させることにより、帯状繊維束Bの長さ方向に引張力を付与することができる。そして、その引張力によって帯状繊維束Bを、連続繊維の配向方向に延伸させる。この延伸処理によって支持体S,Sを牽切することなく牽切帯状繊維束B中の連続繊維を牽切する(牽切工程)。具体的には、支持体S,Sの伸び率が、延伸処理における総ドラフト率よりも大きくなるようにすることで、牽切工程において支持体S,Sを牽切することなく連続繊維のみを牽切できる。
【0025】
牽切工程では、下流側になるにつれて主動ロール41,41の回転速度が速くなっていれば、その速度は特に限定されないが、例えば図1に示す牽切手段40の場合、最上流に位置する延伸用ロールユニット40aの引き出し速度(V1a)と、その直後に位置する延伸用ロールユニット40bの引き取り速度(V2b)との比で表されるドラフト率(D)(下記式(2)参照)が、2〜40%であることが好ましい。
ドラフト率(D)={(V2b−V1a)/V1a}×100 ・・・(2)
【0026】
ドラフト率(D)が2%以上であれば、確実に帯状繊維束Bに張力を付与し連続繊維を牽切することができる。一方、ドラフト率(D)が40%以下であれば、連続繊維をランダムな位置で牽切でき、長さ方向における短繊維(不連続繊維)の間隔が長くなることを防ぎ、繊維強化樹脂成形品において十分な機械的物性を確実に発現できる。
【0027】
また、延伸用ロールユニット40bの引き出し速度(V1b)と、その直後に位置する延伸用ロールユニット40cの引き取り速度(V2c)との比で表されるドラフト率(D)(下記式(3)参照)が、3〜50%であることが好ましい。
ドラフト率(D)={(V2c−V1b)/V1b}×100 ・・・(3)
【0028】
ドラフト率(D)が3%以上であれば、確実に帯状繊維束Bに張力を付与し連続繊維を牽切することができる。一方、ドラフト率(D)が50%以下であれば、連続繊維をランダムな位置で牽切でき、長さ方向における短繊維(不連続繊維)の間隔が長くなることを防ぎ、繊維強化樹脂成形品において十分な機械的物性を確実に発現できる。
【0029】
また、牽切工程では、複数の延伸用ロールユニットを通過させて帯状繊維束を延伸させるため、延伸処理は2回以上行われるが、牽切工程での延伸処理におけるドラフト率は、下流側になるにつれて大きくなることが好ましい。例えば図1に示す牽切手段40の場合は、ドラフト率(D)よりもドラフト率(D)の方が大きいことが好ましい。
延伸処理におけるドラフト率が下流側になるにつれて大きくなることで、帯状繊維束Bに過度な負荷を与えることなく、十分に連続繊維を一様な分布でランダムな位置に牽切でき、比較的一様な繊維長の帯状繊維束(一方向不連続繊維帯)Cとすることができる。
【0030】
ついで、牽切工程後の帯状繊維束(一方向不連続繊維帯)Cを、その両面に配置された支持体S,Sと共に巻取手段50で巻き取る(巻取工程)。
このような方法により、支持体S,Sに支持された巻回物の形態で、一方向不連続繊維帯Cを得ることができる。
【0031】
こうして得られた一方向不連続繊維帯がプリプレグの製造に使用される場合には、図示略のプリプレグ化工程において、一方向不連続繊維帯Cを挟持する支持体S,Sを剥がして、一方向不連続繊維帯Cに対して熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させて、プリプレグを製造する。
具体的には、一方向不連続繊維帯Cを挟持する支持体S,Sのうち、一方向不連続繊維帯Cの上側に位置する支持体Sを剥がし、一方向不連続繊維帯Cの露出した面側から熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させる。ついで、これを逆さまにした後、もう一方の支持体Sを剥がし、一方向不連続繊維帯Cの露出した面側から熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させて、プリプレグを得る。
得られたプリプレグは、製造する成形物の形状、強度などに応じて、複数枚重ねられて成形に供される。
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、一方向の連続繊維からなる繊維束を支持体で挟持して、支持体を牽切することなく連続繊維のみを牽切するので、連続繊維を牽切して得られる不連続繊維は支持体で挟持される。従って、主動ロールや従動ロールなど、牽切に用いるロールに不連続繊維が巻き付つくのを抑制できる。加えて、牽切後の帯状繊維束(一方向不連続繊維帯)がばらけてフィラメントの配向が乱れてしまうことがない。さらに、一方向不連続繊維帯を、その両面に配置された支持体と共に巻き取るので、繊維束が巻回物の外側に向けてばらけることもない。
また、特許文献2に記載のように、チョップド繊維を用いる必要がないため、低コスト、かつ簡易な装置で一方向不連続繊維帯を連続的に製造することができる。
【0033】
このようにして得られた一方向不連続繊維帯は、一方向連続繊維帯と同等程度の物性を有すると共に、優れた曲面賦形性も有する。従って、所望する任意の形状に成形した時に型へのなじみもよく、しわの発生も低減されると考えられ、低コストで高品位の成形が可能なドライプリフォームが得られる。
【0034】
なお、図1に示す一方向不連続繊維帯の製造装置1は、3つの延伸用ロールユニット40a,40b,40cを備えた牽切手段40を具備しているが、延伸用ロールユニットの数は複数であれば、2つであってもよいし、4つ以上であてもよい。
【0035】
また、上述した例では、一方向不連続繊維帯として、1束の一方向に配向した連続繊維からなる繊維束(長繊維束)から形成されたものを例示したが、複数本の繊維束が幅方向に並べられた繊維材料から形成されたものであってもよい。この場合、巻出手段から複数の繊維束を幅方向に並べた状態で巻き出せばよい。このような方法によれば、幅の大きな一方向不連続繊維帯を得ることができる。
繊維束の本数は、得られた一方向不連続繊維帯を用いたプリプレグの用途や、成形品に求められる物性などに応じて適宜設計でき、特に制限はない。
【符号の説明】
【0036】
1:一方向不連続繊維帯の製造装置、
10:巻出手段、
20:開繊手段、
30:支持体供給手段、
40:牽切手段、
40a,40b,40c:延伸用ロールユニット、
50:巻取手段、
A:繊維束、
B:帯状繊維束、
C:帯状繊維束(一方向不連続繊維帯)、
S:支持体。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に配向した連続繊維からなる繊維束の巻回物から繊維束を巻き出す巻出手段と、巻き出された繊維束を開繊して帯状繊維束とする開繊手段と、帯状繊維束の両面に支持体を供給し、帯状繊維束を支持体で挟持する支持体供給手段と、支持体で挟持された帯状繊維束を、直列に配置した複数の延伸用ロールユニットにより、その長さ方向に延伸処理して、支持体を牽切することなく支持体で挟持された連続繊維を牽切する牽切手段と、連続繊維が牽切された帯状繊維束を支持体と共に巻き取る巻取手段とを具備する、一方向不連続繊維帯の製造装置。
【請求項2】
一方向に配向した連続繊維からなる繊維束の巻回物から繊維束を巻き出す巻出工程と、巻き出された繊維束を開繊して帯状繊維束とする開繊工程と、帯状繊維束の両面に支持体を供給し、帯状繊維束を支持体で挟持する支持体供給工程と、支持体で挟持された帯状繊維束を、直列に配置した複数の延伸用ロールユニットにより、その長さ方向に延伸処理して、支持体を牽切することなく支持体で挟持された連続繊維を牽切する牽切工程と、連続繊維が牽切された帯状繊維束を支持体と共に巻き取る巻取工程とを有する、一方向不連続繊維帯の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−53392(P2013−53392A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193802(P2011−193802)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】