説明

一方向導水性不織布シート

【課題】 ある面からは水系の液体を透過するが、もう一方の面からは透過させない一方向導水性不織布シートを提供する。
【解決手段】 一方向導水性不織布シートは、ポリオレフィン樹脂からなるスパンボンド不織布を少なくとも2層有するスパンボンド不織布積層体であって、各スパンボンド不織布のうち少なくとも1層が親水化されており、残りの層が親水化されていないスパンボンド不織布積層体である。親水化されていないスパンボンド不織布層は、撥水処理されていることが好ましい。また、必要に応じてスパンボンド不織布層の間に親水化されたメルトブロー不織布層を介在させてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性を有する不織布に関する。さらに詳しくは、ある面からは水系の液体を透過するが、もう一方の面からは透過させない一方向導水性不織布シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布に親水性を付与する従来の手法は、繊維に親水剤を塗布する手法及び繊維を構成する樹脂に親水剤を添加する手法が知られている(例えば特開2003−201670号公報)。しかしながら、塗布による親水性付与の手法は繰り返し使用時、塗布剤の脱落によって連続親水性能を維持することが困難である。また、樹脂に添加する手法は、連続親水性を有するものの、高い温度に曝されたあとの親水性能の維持が困難であった。
【特許文献1】特開2003−201670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ある面からは水系の液体を透過するが、もう一方の面からは透過させない一方向導水性不織布シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ポリオレフィン樹脂からなり親水化されたスパンボンド不織布と、親水化されていないスパンボンド不織布を積層することにより一方向導水性を有する不織布シートが形成できることを見出し、本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明の一方向導水性不織布シートは、親水剤を含有するポリオレフィン樹脂からなるスパンボンド不織布を少なくとも1層と、親水剤を含有しないポリオレフィン樹脂からなるスパンボンド不織布を少なくとも1層有した不織布積層体であって、ある面からは水系の液体を透過するが、もう一方の面からは透過させないことを特徴とする。
【0006】
前記親水剤を含有しないスパンボンド不織布は、撥水処理されていることが本発明の好適な態様である。
【0007】
前記スパンボンド不織布層の間に、必要に応じてメルトブロー不織布等を介在させてもよい。
【0008】
本発明は、前記親水化された不織布が、親水剤をポリオレフィン樹脂に含有させたマスターバッチを、ポリオレフィン樹脂とともに押出機で溶融、混練したあと、紡糸ノズルから押出して得られる親水化処理された不織布と、親水化処理をしていない不織布とを積層すことにより得られることを特徴とする一方向導水性不織布シートの製造方法を提供するものである。
【0009】
また、前記親水化処理をしていない不織布が、撥水剤をポリオレフィン樹脂に含有させたマスターバッチを、ポリオレフィン樹脂とともに押出機で溶融、混練したあと、紡糸ノズルから押出すことにより得られることを特徴とする一方向導水性不織布シートの製造方法を提供するものである。
【0010】
本発明の一方向導水性シートと、通気性を有するシートを積層したものは本発明の好ましい態様の1つである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ある面からは水系の液体を透過するが、もう一方の面からは透過させない不織布シートを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明においては、「シート」と「積層体」は同義で用いられる場合がある。
【0013】
本発明において、「液体」とは、水を溶媒とした水溶液、コロイド溶液をいい、懸濁状の場合も含む。多くの場合その水素イオン濃度を測定でき、通常はpH7.0±0.5のものをいう。
【0014】
また、本発明において「液体透過性」とは、主として溶媒である水の透過性を示すものであり、本発明においては「導水性」と表現することがある。また、「一方向導水性」とは、シートの一方の面からのみ液体透過性を示し、その裏面からは液体透過性を示さないことを言う。
【0015】
本発明において「親水化」とは、少なくとも親水剤が目的の不織布を構成する繊維表面上に存在させ親水性にすることを言うが、本明細書においては、不織布全体の表面の性質の変化として用いる場合もある。
【0016】
本発明において「親水化処理された不織布」とは、EDANA150. 2−92、93の方法で液体通過速度が30秒以内である不織布を言い、「親水化されていない不織布」とは、EDANA150. 2−92、93の方法で液体通過速度が30秒以上である不織布を言う。
【0017】
本発明において「撥水処理」されているとは、撥水剤が目的の不織布を構成する繊維の表面上に存在させる処理のことを言うが、本命最初においては、不織布全体の表面性質を処理するような意味に用いる場合もある。
【0018】
また、「撥水処理」されている不織布とは、EDANA150. 2−92、93の方法で液体通過が認められない不織布をいう。
【0019】
以下、本発明に係るオレフィン系重合体、親水剤、撥水剤、不織布および該不織布を積層した複合不織布について具体的に説明する。
[ポリオレフィン樹脂]
本発明に使用されるポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィン重合体及びそれらの共重合体を主成分とするものであり、低密度ポリエチレン、線型低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンーブテン共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は、ツィーグラー触媒を用いて製造された樹脂であっても、また、メタロセン触媒の如きシングルサイト触媒を用いて製造された樹脂であってもよい。
【0020】
これらの内、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、スパンボンド不織布製造の場合、メルトフローレート(以下、MFRと記す。)が通常1.5〜1000g/10分、好ましくは10〜100g/10分、更に好ましくは30〜80g/10分のものであり、メルトブロー不織布製造の場合、MFRが通常30g〜10000g/10分、好ましくは100g〜5000g/10分で、更に好ましくは200g〜2000g/10分のものである。MFRの測定は、各樹脂に応じて規格に基づいて測定され、例えばプロピレン系重合体では、ASTM D1238に基づいて、230℃、荷重2.16kgで測定されるものである。
【0021】
本発明において用いることのできるポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、通常1.5〜8.0である。紡糸性が良好で、かつ繊維強度が特に優れる複合繊維が得られる点で、Mw/Mnは1.5〜3.0が好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐出時および延伸中に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないことをいう。本発明において、Mw/Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、通常の方法で測定されるものである。
【0022】
本発明の不織布の製造で使用する樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
【0023】
他の成分としては、他の機能を付与するために配合する添加剤であり、用途に合わせて選択し、適宜配合することができる。
この他の成分としては、例えば、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤等が挙げられる。
【0024】
安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等の老化防止剤;テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、Irganox1010(ヒンダードフェノール系酸化防止剤:商品名)等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0025】
また、充填剤としては、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等の充填剤が挙げられる。
[親水剤]
本発明で使用する親水剤は、マスターバッチ化可能な親水剤であれば特に限定されない。具体的には脂肪酸グリセライド、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレンアルコール、脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、特殊アニオン等の界面活性剤の群、ポリエチレングリコール、ビニルアルコールとエチレンとの共重合体、及びポリエーテルブロックアミド共重合体のような化合物群から適宜に選択したものがあげられる。これらは単独であるいは混合物で用いることが出来る。
【0026】
なかでも以下の構造式を有するものが好ましい。
【0027】
−(hydrophilic oligomer)
上式中、Rは直鎖または分岐のアルキル基で、炭素数が22から40のものが好ましい。またhydrophilic oligomerは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレングリコール、エピクロロヒドリン、アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、カプロラクトン、ビニルアルコール、酢酸ビニル由来の単一またはオリゴマー単位からなり、その単位が2〜10で構成されているものが好ましい。
【0028】
より好ましくは、以下の構造式を有するものがあげられる。
【0029】
(OCHCHOH
上式中、xは2〜10の数である。
【0030】
更に具体的には、例えば、CHCH(CHCH13CHCH(OCHCH2.5OHがあげられる。ここで、エチレンオキサイドの付加数2.5は平均的な値である。
これらの構造の化合物は、2種類以上混合して用いることが出来る。
【0031】
本発明に適用可能な親水剤は、230℃でのMFRが5〜800g/10分のオレフィン系重合体に5〜70wt%の割合で含有したマスターバッチの形で添加することが好ましい。ここで用いるポリオレフィン樹脂には、不織布を構成するオレフィン系重合体と同種のものが好ましい。
【0032】
マスターバッチの添加量の範囲は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.1〜10wt%、より好ましくは0.5〜5wt%である。
[撥水剤]
本発明を実施するにあたっては、撥水剤を使用することがより好適である。撥水剤の利用の形態は、撥水性を付与することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、撥水コーティング剤を塗布する方法や、撥水剤を上記のようなポリオレフィン樹脂に加え溶融混練して作成した撥水剤マスターバッチを不織布形成時に原料として利用する方法が挙げられる。
【0033】
撥水剤の種類も、撥水性を付与できるものであれば特に限定されるものでなく、具体的にはパーフルオロアルキル基含有重合体のようなフッ素系撥水剤、メチルハイドロジエンポリシロキサンのようなシリコン系撥水剤、パラフィン、ポリオレフィンワックスのようなワックス系撥水剤、ジルコニウム脂肪酸塩のようなジルコニウム系撥水剤、オクタデシルエチレン尿素のようなエチレン尿素系撥水剤、N-メチロールステアリン酸アミドのようなメチロールアミド系撥水剤ステアラミドメチルピリジニウムクロライドのようなピリジニウム塩系撥水剤などがある。これらの中では、フッ素系撥水剤が撥水性能において優れているので好ましい。
[不織布]
本発明の不織布は、ポリオレフィン樹脂の繊維からなるスパンボンド不織布を少なくとも2層以上有するスパンボンド不織布積層体である。
【0034】
スパンボンド不織布の製造は、例えば次のようになる。不織布の原料の樹脂組成物を、押出機等で溶融し、紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、長繊維を紡出させる。そして紡出された長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。次いで、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波シール等の手段による交絡処理、あるいは熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う。熱エンボスロールによる熱融着処理の場合、エンボスロールのエンボス面積率は、通常5〜30%が好ましい。
【0035】
スパンボンド不織布の繊維径は、本発明の目的を損なわないのであれば特に限定されないが、不織布の液体透過性および強度を考慮すると、繊度として1〜10dtexが好ましい。また、目付量は3〜50g/mが好ましく、さらには5〜20g/mが好ましい。
【0036】
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてメルトブロー不織布層を各スパンボンド不織布層の間に介在させた、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド不織布積層体の如き構成としてもよい。
【0037】
メルトブロー不織布の製造方法は、親水剤を所定濃度となるように熱可塑性樹脂に加え溶融混練して作製した親水剤マスターバッチと、不織布の原料の熱可塑性樹脂とを所定割合で混合し、押出機等で溶融し、溶融物をメルトブロー紡糸口金から吐出して得られた繊維を、高温高速の気体によって極細繊維に牽引細化後、捕集装置により捕集して極細繊維ウェブとし、必要に応じてさらに熱融着処理することからなる。熱融着処理は熱エンボスロールによるのが好ましい。熱エンボスロールによる熱融着処理の場合、エンボスロールのエンボス面積率は、通常5〜30%が好ましい。
【0038】
メルトブロー不織布の繊維径は、本発明の目的を損なわないのであれば特に限定されないが、不織布の風合いおよび液体の透過性を考慮すると、平均繊維径は、1〜50μmが好ましく、さらには1〜10μmが好ましい。また、目付量は0.1〜5g/mが好ましく、さらには0.5〜3g/m好ましい。
【0039】
本発明の不織布は、また、スパンボンド不織布とスパンボンド不織布、もしくは、メルトブロー不織布を介在させた積層不織布を用いて形成されることが好ましい。積層不織布であっても前記の平均繊維径と目付の範囲にあることが好ましいが、本発明の目的を達成できるものであれば、前記の平均繊維径と目付の範囲から外れる不織布が積層されていることを妨げるものではない。
【0040】
スパンボンド不織布を積層する方法には、例えば、複数のスパンボンド不織布、および、必要に応じてメルトブロー不織布を重ね、熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う方法、或いは、スパンボンド不織布の上に、所定の繊度にされた長繊維を直接堆積させ、次いで、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波シール等の手段による交絡処理、あるいは熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う方法等が用いられる。
【実施例】
【0041】
ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製S119)に、親水剤としてアルキルポリオキシエチレンアルコール(CHCH(CHCH)13CHCH(OCHCH)2.5OH)を60重量%となるように添加し、溶融混練してマスターバッチのペレットを作製した。このマスターバッチのMFRは30g/10分であった。次いでこのマスターバッチを、ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製S119、MFR=60g/10分)100重量部に対して3重量部の割合で加え、押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸しエンボス加工して、繊度2.2デニール、目付20g/mのスパンボンド不織布(不織布を構成する樹脂組成物のMFR=60g/10分)を製造した。この不織布をJIS L1042−1992に記載の低温タンブリング乾燥法により60℃1時間の加熱処理を行い、室温下に放置した。その結果、2時間後には親水性を発現した。
ここで、親水性は、EDANA150 2−93に示される液通過速度の測定において10秒以内で液通過が認められたもの親水性を有するものとして評価した。
[比較例]
ポリプロピレン樹脂(Basell HF461X)に、親水剤としてアルキルポリオキシエチレンアルコール(CHCH(CHCH)13CHCH(OCHCH)2.5OH)を60重量%となるように添加し、溶融混練してマスターバッチのペレットを作製した。このマスターバッチのMFRは400g/10分であった。次いでこのマスターバッチを、ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製S119、MFR=60g/10分)100重量部に対して3重量部の割合で加え、押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸しエンボス加工して、繊度2.2デニール、目付20g/mのスパンボンド不織布(不織布を構成する樹脂組成物のMFR==60g/10分)を製造した。この不織布をJIS L1042−1992に記載の低温タンブリング乾燥法により60℃1時間の加熱処理を行い、室温下に放置した。その結果、2週間経過後も親水性が発現しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の親水性不織布は、優れた一方向導水性を有するので、従来の親水性不織布では解決できなかった液戻りが解決できる。このため使用部位が制限される分野への展開が可能になる。本発明により、医療用、衛生材用、包装材、産業用材料などの用途に好適に用いられ、用途としてシーツ、ペットシート、野菜等のつゆ吸収シート、ドリップシート、ガウン、おしぼり、パップ材、傷パット、包帯、作業着、ワイパー、ウェットテイッシュ、ガーゼ、フキン、タオル、オシリフキ、トイレクリーナー、フローリングクリーナー、レンジクリーナー、化粧落としめがね拭き等に応用できる。特に使い捨ておむつや生理用ナプキンの部材として好ましく用いることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン樹脂からなる不織布を少なくとも2層有する不織布積層体であって、ある面方向からは液体透過性を有し、反対方向からは液体透過性を有しない一方向導水性不織布シート。
【請求項2】
前記不織布積層体のうち、少なくとも1層が親水化された不織布であり、残りが親水化されていない不織布であることを特徴とする請求項1に記載の一方向導水性不織布シート。
【請求項3】
前記不織布のうち、少なくとも2層がスパンボンド不織布である請求項1に記載の一方向導水性不織布シート。
【請求項4】
前記不織布のうち、少なくとも2層がメルトブロー不織布である請求項1に記載の一方向導水性不織布シート。
【請求項5】
前記親水化された不織布が、親水剤のコーティングにより親水化されている請求項2に記載の一方向導水性不織布シート。
【請求項6】
前記親水化されていない不織布が、撥水処理されている不織布である請求項1の一方向導水性不織布シート。
【請求項7】
前記撥水処理されている不織布が、撥水剤のコーティングにより撥水処理されている請求項1に記載の一方向導水性不織布シート。
【請求項8】
前記親水化された不織布が、親水剤をポリオレフィン樹脂に含有させたマスターバッチを、ポリオレフィン樹脂とともに押出機で溶融、混練したあと、紡糸ノズルから押出して得られる親水化処理された不織布と、親水化処理をしていない不織布とを積層すことにより得られることを特徴とする一方向導水性不織布シートの製造方法。
【請求項9】
前記親水化処理をしていない不織布が、撥水剤をポリオレフィン樹脂に含有させたマスターバッチを、ポリオレフィン樹脂とともに押出機で溶融、混練したあと、紡糸ノズルから押出すことにより得られることを特徴とする請求項7に記載の一方向導水性不織布シートの製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の一方向導水性シートと、通気性を有するシートを積層した製品。

【公開番号】特開2006−51649(P2006−51649A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234025(P2004−234025)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】