説明

一時光学状態変化材料を用いる商品の認証

商品を認証するための一時光学状態変化セキュリティ材料の使用するものである。半導体集積回路を有するとともにデジタルデータを表わす一つ以上の光学データ変形を組み込まれている基板から成り、前記半導体集積回路は、前記光学データ変形の一つ以上の位置を突き止めるようにプログラムされている。IC(5)と光学的変形(7)を有するICカード(3)で構成されている。ICカードは、光学状態変化セキュリティ材料を備えるのが好ましい。光学状態変化データ変形と関連した光学状態変化セキュリティ材料が変形によって表わされた光学データの二つ以上光学データ読取りを光学式読取り装置によって光学状態変化材料の光学状態に応じてできるよう与えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に一時光学状態変化セキュリティ材料およびそれらを商品の認証のために使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の認証に対する要求は、今日著しい。多くの製品がそれらの構成要素のコストよりずっと多い価値がある。例えば、多数の電子装置、ソフトウェア・プログラム、財布、デザイナーの衣服、その他がそれらの製造に実際にかかったコストの何倍もで販売されている。そのような装置の値格およびそれらを製作するための比較的低いコストのために、違法偽造商品市場が大きくなった。偽造から護るのは、昔から蛍光物質またはリン光物質、または秘密に隠した真正マークを自称模倣者による検出が困難であると思われる方法で品物に付けることを含んでいた。都合の悪いことに、経験は、セキュリティ材料またはマークが模倣者によって暴かれて、偽造商品に再生されることがまれでないことを経験が示していた。
【0003】
偽造ソフトウェア・プログラムおよび不正変造データベースを検出することは特に難しい。それを検出する困難さは、そのようなソフトウェアまたはデータベースが記憶される媒体が真正であるが、プログラムまたはデータベースはそうでないとき、非常に大きくなる。例えば、市販のソフトウェアでプログラム・コードを変えて、ウイルスまたはそのようなコードがダウンロードされているその他のプログラム若しくはデータベースに人が不正にアクセスできるようにするその他のプログラム・コードを導入することは知られている。ハッカーが自分自身の利益のために事実を変えるように有効なデータベースを変えることも、また、知られている。例えば、ハッカーが 彼らの口座に入っている金額を変えるために銀行報告書に入ることがある。
【0004】
データを光媒体にその媒体の一層以上の離散的位置に置かれた光学的変形または光学マークの形で記憶することは、周知技術だった。そのような変形またはマーク(「データ変形」)は、光の反射に変化をもたらす。媒体上のデータ変形を読み取るために、光学式プレーヤまたは「読取り装置」が使われる。光学式読取り装置は、レーザー光の小さいスポット(「読出し」スポットとして知られている)を媒体の一部分を通してそのような光学データ変形を含んでいるデータ層に当てることによって機能することが多い。通常、光学式読取り装置または光学式読取り装置のレーザヘッドにある媒体は、回転または移動する。
【0005】
「光ディスク」型(例えばCD、DVD)の従来の「読出し専用の」光学媒体においては、データが一般に金属被覆されている一連のピットおよびランドによってコード化されている。金属被覆のない側から向けられた読出しスポットは、読出しスポットの光が読取り装置の中の光検出器にはね返されるようにして反射される。レーザー読取り側からいうとき、ピットは技術的にはバンプという。ピットおよびランドの間の遷移およびそのような遷移の間のタイミングは、チャネルビットを表す。したがって、それ自身の中のピットおよびランドは、一連のゼロまたは1の代わりではない。
【0006】
従来の「光ディスク」の表面に形成された顕微鏡的なピットは、媒体の中央ハブで始まり、媒体の外リムの方に向かって終わる螺旋軌道の形に中央ハブから半径方向に間隔を置いて配置された軌道の形に配置されることが多い。媒体のピットのある側は、普通、アルミニウムまたは金の薄い層などの反射率層でおおわれている。金属被覆された側から見たときの「ピット」は、また、レーザーで読み取る側からの外観をいうとき、「バンプ」と呼ばれる。通常は、ラッカー層がピット側に保護層として塗布されている。読取り専用の媒体の表面から反射された光の光学式読取り装置で測定した強度は、情報トラックに沿ったピットの有無に従って変化する。読出しスポットがランドの上にあるとき、読出しスポットがピットの上にあるときより多くの光がディスクから直接に反射される。欠陥によって誘発されたエラーが読みの邪魔をすることがあるので、全ての光ディスクがそのようなエラーの効果をなくすためにエラー管理戦略を使用する。
【0007】
刊行物WO02/03386A2は、光媒体上のデータ変形(「光学状態変化データ変形」)に関してデータ変形が光学状態の中の読出し信号のデータ読取りに悪影響を与えないで、光学式文字読取り装置の入射ビームの波長に曝されるとすぐに読出し信号のデータ読取りに影響を及ぼす第2の光学状態に好ましくは時間遅延方式で変わるような方法で配置される光学状態変化セキュリティ材料である感光材料を記載している。WO02/03386A2の中に記載されている光学状態変化データ変形を形成する場合に使うことができる一つの好適な光学状態変化セキュリティ材料は、材料が光学式読取り装置読出しスポットによって活性化されるとき用いられる材料の光学状態の一時変化を引き起こす「一時光学状態変化材料」である。好ましくは一時光学状態変化データ変形における一時光学状態変化材料のための光学状態に関する復帰時間は、光学式読取り装置が最初の読取り時に最初の状態を、二番目の読取り時には、変更後の光学状態をそして三番目の読取り時には最初の状態を検出できるようにする。一時光学状態変化復帰プロセスは、最初の読取り、二番目の読取りおよび三番目の読取りが光学式読取り装置の読取り速度によって可能な最短時間枠内に互いに関して(すなわち、光学状態変化セキュリティ材料が置かれている位置に関して)起こる逐次読取りであるようなものであるのが好ましい。
【0008】
一時光学状態変化セキュリティ材料は、限定されるものではないが、光学式読取り装置からの信号に応じて光学状態を多少反射性になるように光学状態を変え、屈折率を変え、電磁放射線を放射し、色が変わり、不透明度を変え、光を(例えば、蛍光または化学ルミネセンスによる(しかしそれらに限定されない)などで)放射し、または一時光学状態変化セキュリティ材料から放射されたすべての波の角度を光学式読取り装置からの入射信号の角度と比較して変える材料であってもよい。最適一時光学状態変更セキュリティ材料は、光学的使用状態の下でしかもかなりの期間周囲条件にあるとき熱的および光化学的に安定している必要がある。この材料は、媒体を構成する母材に可溶性であるか、または、媒体に接着剤で貼付できる必要がある。最適一時光学状態変化セキュリティ材料は、エネルギーを外部から入れる必要なく、外部からの入力を必要とすることなくその最初の状態に戻る必要、および光学式読取り装置の入射波長の光学状態の変化を示す必要がある。当業者には分かるように、一時光学状態変更セキュリティ材料が、変形と関連している場所の読出し変化は、有効なデータセット読出しの無効なデータセット読出しへ、無有効なデータセット読出しの有効なデータセット読出しへ、または無効なデータセット読出しの無効なデータセット読出しへの変化に終わる。更に当業者には分かるように、有効なデータセット読出しの有効なデータセット読出しへの変化を終えると、データを以前従来技術で可能でなかった方法で圧縮することができる。すなわち、一時光学状態変化セキュリティ材料の光学的変形との妥当な関連が同じ変形をその二つの読出し状態と矛盾しない方法でデータを記憶するのに使用できるようにすることによって特定のデータ読出しを作るのに必要な変形の数を減らすのに使用できる。
【0009】
WO02/03386A2に指摘されているように、一時光学状態変化データ変形を光媒体上の一つ以上の所定の場所にある光媒体上の一時光学状態変化の検索(及び検出)を実施することによって商品を認証するのに使用できる。
【0010】
一時光学状態変化データ変形は、人が最初に使用されている光学状態変化セキュリティ材料を識別すること、次に、光学状態変化セキュリティ材料と関連している変形(例えばピットおよびランド)を識別すること、および、最後に、そのような光学状態変化セキュリティ材料を関連した変形だけが読出し時に使用されることになっている光学式読取り装置によって影響を受けるような方法で厳しく適用することを必要とする点で再生するのが困難である。WO02/03386A2に指適されているように、状態変化の検出は、媒体上にまたは媒体を読み込むために使用されるハードウェア上に組み込まれたソフトウェアによって所望の機能(例えば光媒体に記憶されたプログラムの読出し)の使用を実現するために使用できる。そのようなソフトウェアは、状態変化が起こることになっている場所で一時光学状態変化が検出されるかどうかに基づいて求められる機能の発効を制限するであろう。
【0011】
一般的には光ディスク以外の商品の一時光学状態変化セキュリティ材料による認証、および詳しくは光学状態変化データ変形でマークすることによる認証が有利であろう。一時光学状態変化セキュリティ材料を用いて変形を再生するのが困難であり、そのような変形が二つのデータ状態を持つことができるためにそのような変形をデータの圧縮に用いることのできるのであれば、本発明の発明者は、そのような技術を用いてすべての種類の商品(ソフトウェアおよび記憶されたデータ構造を含む)を認証するために有用な改良された認証方法を提供することが有利であることを見出した。
【0012】
半導体集積回路(IC)カード上に個人データを記憶するのを目指したかなりの動きがあった。現在入手可能なICカードの一つの用途がその上に貨幣価値を記憶することである。貨幣価値を記憶するために使用されるある種のICカード(いわゆる「スマートカード」)と関連している特定の問題は、そのようなカードのハッキングに対する責任である。ハッカーは、ICをフレーム分解し、かつ上側の保護層を不活性化層でなくすことさえもして、チップをリバースエンジニアリングするかまたはその上に含まれる機能および秘密データを改変すると知られていた。
【0013】
ICカードの作用は周知であり、回路をおおっている不活性化層を取り除くと推理によって理解できる。例えば、機能的情報を回路の結線の中の電流の流れを電子顕微鏡で観察することによってICについて推理できる。制御装置チップ装置を照射するとそれがセキュリティ関連のデータおよび/または機能へ多少簡単にアクセス可能な状態になる。メモリのコンテンツは、そうすることができる電子光学的ポテンシャルプローブを用いる分析によって識別できる。チップのデータ構造もまた、不法にアクセスされることもある。したがって、いわゆるスマートカードに関連した主な問題は、カードから半導体チップを取り外して、それをそれの作用を推理するかまたはそれのアクセス・コードを無効にしようとして調べる不正直な人の能力である。
【0014】
ICカード内の部材が分析されるのを防ぐために、不活性化層が除かれたとき、ICの動作を変えるカード上の光検出回路を含むことがこの分野の多くの人によって提案された(例えば、米国特許第4,952,796号および第6,232,591号参照)。そのような回路に関する問題は、それが非常に貴重な半導体面積を閉めるということである。これは、スペースに対する需要が重んじられているスマートカードにおいて特に不利である。
【0015】
同様に、ICカード内に保持されたデータが分析されるのを防ぐために、種々のソフトウェアベースのシステムが使用されてきた。例えば、多くのICカードがデータを保護するために保証書および符号化を用いた公開鍵アルゴリズムを用いている。そのようなデータ保護アルゴリズムに関する問題は、それらが大きくて、法外な記憶容量を必要とすることが多いことである。例えば、幾つもの役割を代表し、保証書の集中管理ではなく分散管理を認める必要と併せて、エンドユーザの公開鍵基盤(PKI)キー・リングの大きさは、最大のスマートカードの記憶容量をさえ上回ることが多い。同様に、生体計測アルゴリズム(ICカードのデータへのアクセスを特定された物理的特性を有する個人に制限するために使用される)は、しばしば広範囲で、アクセスを求める人のものに対して比較されるべき個人の物理的特性(例えば指紋)に関する大量のデータの記憶を必要とする。有効なデータ構造に関係する情報を相関商品(例えばPCのハードディスク)上の一時光学状態変化に対するアルゴリズムの基準を含むデータ構造自体の認証に関係するデータを交互に重ねてもよい。
定義
【0016】
「データ変形」記憶データを表し、光学式読取り装置によって読出しできる商品の表面上または中の構造的乱れ。
【0017】
「光媒体」光学式読取り装置によって読み取られることのできるデジタルデータを記憶することのできる任意の幾何学的形状(必ずしも円形ではない)の媒体。
【0018】
「光学式読取り装置」光媒体の読出しのための読取り装置(以下に定義されているような)。
【0019】
「光学状態変化データ変形」光学式読取り装置による変形のデータ読取りが光学状態変化セキュリティ材料の光学状態で変わるように光学状態変化セキュリティ材料と関連しているデータを表す商品上の光学的変形をいう。
【0020】
「光学状態変化セキュリティ材料」光学状態を最初の光学状態から二番目の光学状態へ変えることによって光学媒体を認証、識別、または保護するために用いられる無機または有機材料をいう。
【0021】
「永久一時光学状態変化セキュリティ材料」光媒体を光学式読取り装置によって読取る時に30回以上の間光学状態の変化を受ける一時光学状態変化セキュリティ材料を指す。
【0022】
「読取り装置」光媒体に記録されたデータを検出することができる任意の装置。用語「読取り装置」によって、プレーヤを含むことを意味するがこれに限定されるものではない。例としては、CDおよびDVD読取り装置がある。
【0023】
「読出し専用の光媒体」一連のピットおよびランドで表されたデジタルデータを有する光媒体。
【0024】
「記録層」データが読出し、再生またはコンピュータにアップロードするために記録される光媒体の部分。そのようなデータは、ソフトウェア・プログラム、ソフトウェア・データ、オーディオ・ファイルおよびビデオファイルを含むことがある。
【0025】
「再読出し」媒体に記録されたデータの部分をそれが最初に読取られたあとで読取ること。
【0026】
「一時光学状態変化セキュリティ材料」第1の光学状態と第2の光学状態の間で光学状態を一時的に変えることによって商品を認証、識別または、保護するために使用され、しばらくして前記第1の光学状態へ自発的に戻り、光学式読取り装置による読出しをそのような光学式読取り装置によって検出可能な方法で行う時に、二回以上そのような光学状態の変化を受けることがある無機または有機材料をいう。
【0027】
「一時光学状態変化データ変形」光学式読取り装置による変形のデータ読出しが一時光学状態変化セキュリティ材料の光学状態によって変化するような方法で一時光学状態変化セキュリティ材料と関連しているデータを表す商品上の光学的変形をいう。
【0028】
「臨時的一時光学状態変化セキュリティ材料」光媒体の光学式読取り装置による読出し時に30回未満の間光学状態の変化を受ける一時光学状態変化セキュリティ材料をいう。
【0029】
残りの開示の目的には、上記の用語は、かぎ括弧のあるなしに拘わらないものとする。
【特許文献1】WO02/03386A2
【特許文献2】米国特許第4952796号
【特許文献3】米国特許第6232591号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明は、商品およびある商品と関連している物品を光学状態変化セキュリティ材料、および特に一時光学状態変化セキュリティ材料を用いて認証する方法を提供する。
【0031】
一時光学状態変化セキュリティ材料が認証技術を商品に与えるためにいくつかの商品にその商品上にある光学データ変形と関連してまたは関連なく塗布されるかまたはその商品と結合されことができる。開示の広さは、商品またはその商品と関連している商品のそのような変化が発生することになっている位置における光学状態の変化を検出することによっていかなる商品の認証にも及ぶ。状態変化を引き起こすのに一時光学状態変化セキュリティ材料を使用すると、代用方法を用いてそのような状態変化を模倣する他人の能力を非常に減らすことが分かった。更に、本発明者は、一時光学状態変化データ変形を形成するためにそのような一時光学状態変化セキュリティ材料の光学データ変形との関連を見出した。そのような一時光学状態変化データ変形を再生することは一時光学状態変化セキュリティ材料を商品(または関連の商品)上の正しい位置に厳しい方法で単に塗布するよりずっと難しい一つ以上の方法で変えられた商品から認証商品を 識別するずっと厳しい構造を提供する。商品上の一時光学状態変化データ変形を再生する場合の困難は、変形が一様な寸法(例えば同じ深さのピット)でないとき一層難しい。
【課題を解決するための手段】
【0032】
一つの実施例において、本発明は、データを表わす光学的変形を有する商品を認証する方法を提供し、その方法では、一つ以上の変形が一時光学状態セキュリティ材料と関連して、変形に関するデータ読出しが一時光学状態セキュリティ材料の光学状態に基づいて変化するようになっている。
【0033】
もう一つの実施例では、一時光学状態変化セキュリティ材料と関連して変形を繰り返す場合の困難を増やすために、ランドおよびピットからなる光学変形が設けられ、その場合にランドは、高さがほとんど同一であり(光学式読取り装置によってランドを読み取られるように)、一方、ピットは少なくとも二つの異なる深さ(第1のピット深さおよび異なる第2のピット深さ)のものである。都合よくは、第1のピット深さと第2のピット深さの間の違いは、一時光学状態変化セキュリティ材料がそれらと関連していれば、光学式読取り装置が各ピットをある時は情報ピットとして読出し、ある時には、より大きな深さを有する情報ピットを情報ピット以外(例えばランド)のものとして読み出すような大きさのものである。例えば、第1の深さの情報ピットは、読出し専用の光媒体の通常の深さ(すなわち0.2500)のものであり、一方、異なる第2の深さの情報ピットの深さは0.5000であってもよい。
【0034】
従来の読出し専用の光媒体においては、光学式文字読取り装置は情報ピットをダークとして、そして情報ランドをブライトとして読み出す。そのような実施例におけるより大きな深さの情報ピットに関しては、そのような従来の読取り装置がこれらのピットを一度はダークとして次にはブライトとして読取りできるようにすることが目標であってもよい。うまく反射された信号への鍵が情報ピットと情報ランドの間の深さの違いであるということが分かる。本開示によれば、ピット深さの選択が当業者にはすぐ分かるであろう。
【0035】
他のピットとは異なる深さのものであるピットを構成する一時光学状態変化データ変形を(a)情報ピットと情報ランドを表面に有する第1の主要面および比較的平らな第2の主要面を有するように基板を成形するステップ(前記第1の主要面上の前記情報ピットは、二つの異なる深さの情報ピットから成る)、(b)前記情報ピットと情報ランドを覆うように第1の主要面の上に反射材料を塗布するステップ、(c)大きいほうの深さの前記情報ピットを覆う反射材料を取り除くステップおよび(d)光学状態変化セキュリティ材料から成る層を前記第1の主要面の上に塗布するステップからなる方法によって作ることができる。情報ピットの二つの深さは、通常は 変形を読み取るために用いられる光学式文字読取り装置および光学的に可変なセキュリティ材料を考慮してあらかじめ選択されるべきである。
【0036】
製作された光媒体の中の情報ピットは、光学的に可変なセキュリティ材料が第1の光学状態または第2の光学状態にあるかどうかに関係なく、前記光学式読取り装置によって第2の主要面を通って向けられた信号によって読出しできる。都合のよいのは、前記情報ピットの二つの深さは、光学式読取り装置が前記光媒体からあらゆる反射信号を記録するようなファクターだけ異なることであり、情報ピットの深さと情報ランドの高さの間の差によって判断される場合に、例えば、1/4波長だけ光媒体に光学式読取り装置によって向けられた信号と異なる。都合のよいのは、光学式読取り装置の読出しは、光学状態変化セキュリティ材料がそれの光学状態のうちの一つにあって他の光学状態にないとき情報ピットと情報ランドの物理的構造に忠実であることである。好ましい一つの実施例では、情報ピットの二つの深さは、約2倍だけ異なる。
【0037】
光学状態変化セキュリティ材料の光学変化は、光学素子(最も好ましくは)をだましてピットをランドと見誤らせるのに十分な強度を有するピックアップでの光学読出しによって検出されなければならない。反射率の一時的位相変化が光学状態変化セキュリティ材料によって生じる場合、反射率変化は効果的でなければならないだろう。一つの段階において、前記材料はよく反射すべきであり、二重深さ(例えば)の情報ピットは、前記材料の鏡面(拡散に対して)反射率のためにブライトであろう。他の段階においては、二重深さピット(例えば)は、光学状態変化セキュリティ材料からの拡散(鏡面に対して)反射のために、ダークであろう。もちろん、「一時的ピット」(光学式読取り装置によって読取り可能な光学的に可変なセキュリティ材料を有する深さの型のもの)または、さらに一般的にいえば、一時光学状態変化データ変形の応答は、EFM復調、CIRC復号化およびブロック復号化を介してリバースエンジニアリングされなければならないであろう。本開示によれば、そのようなものが当業者の範囲内にあることを強く主張する。
【0038】
本発明の特に有用な実施例において、商品の動作またはその上にある若しくはそこからのデータの読出しは、商品の上/中にまたは光学式読取り装置と関連する部材の上/中に記憶された認証アルゴリズム、または光学式読取り装置自体によって制御できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明は、物体、コンピュータ・プログラムコードおよび商品上の、または商品と関連する(プログラム・コード、物理的接続、伝達性接続、または他の方法によるかどうかに関係なく)物体上の光学状態変化を検出することによるデータを含む商品の認証を可能にする。光学状態変化は、商品または商品と関連している物体に既知の位置に配置された光学状態変化セキュリティ材料によって果される。使用する光学状態変化セキュリティ材料の特徴としての光学状態変化が既知の位置にあるという証拠が真正商品を表す。適切に書かれたプログラムの適用によって、そのような光学状態変化の検出による商品の認証が商品に関連した機能を呼び出しまたは引き受けできるようにするために用いることができる。例えば、データの呼び出しを行ってデータの伝達を達成するのにプログラミングをできるし、および/または商品の認証に応じて商品を動かしたり転々と移したり、仕舞い込んだりするためのプログラミングを使用できる。
【0040】
特に本発明の好適な光学状態変化セキュリティ材料は、一時光学状態変化セキュリティ材料であり、そのような材料は、商品に関するそれらの配置だけでなく、光学状態変化から最初の光学状態へ戻る場合に必要な時間も商品の真正なことを判断するために使うことができる固有の特性となるので、商品の偽造に予想外に大きな抑止力を与える。そのような材料が材料の光学状態によって光学式読取り装置のデータ読出しを変えるような方法で光学データ変形と関連しているとき、複製するのに特に難しい構造が自称偽造者に進呈される。自称偽造者にとってはさらに克服しがたいハードルが光学データ構造の中の従来の変形の中に異例な光学的変形(例えば二重深さピット対従来の深さのピット)を含めることによって達成された。それらの関連の関係を光学状態変化セキュリティ材料で慎重に制御することによって、光学状態変化データ変形を二つの正当な構造状態を有する光学データ状態として光学式読取り装置によって読み出される(例えば、両方を光学状態変化セキュリティ材料の状態次第でピットおよびランドとしての読出す)ように設計できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
実施例1
本発明の一実施例では、図1に示すようにIC(5)と光学的変形(7)を有するICカード(3)が提供されている。ICカードは、光学状態変化セキュリティ材料(好ましくは一時光学状態変化セキュリティ材料)を備えるのが好ましい。
本発明の好ましい実施例において、光学状態変化データ変形と関連した光学状態変化セキュリティ材料が変形によって表わされた光学データの二つ以上光学データ読取りを光学式読取り装置によって光学状態変化材料の光学状態に応じてできるよう与えられている。二つの光学状態が一時光学状態変化セキュリティ材料の読出しによって有効にされるとき、一つのそのような光学状態は、光学式読取り装置にピットとして現れ、一方、第2の光学状態は、ランドとして現れる。光学データ変形と関連している、または関連していない光学状態変化セキュリティ材料は、カード上または内部の何所にでも置くことができ、またICのデパシベーションをするとICの完全な活動のために必要な認証材料および/または構造を取り除くことになるようにICのパシベーション層内に置いてもよい。ICは、カードの上または内部および/またはパシベーション層の上または内部の正しい場所に光学状態変化材料(またはより好ましくは、一時光学状態変化セキュリティ材料)を置くことができないと、ICチップに記憶データおよび/またはプログラミングを削除させ、そのプログラミングを変えさせ、チップがハックされたらしいことを示している信号を用いると同時に送信させ、カードから信号を送信するのを防がせ、デジタルデータをICの中に受け入れることを防がせ、またはその反対にカードの機能に影響を与えさせて自称ハッカーに対してそれの有用性を下げるようにしてプログラムすることができる。
【0042】
データをICカード上の光学的変形の形で記憶してICの電子情報記憶を減らすようにすることが特に有効であることが分かった。ICのデータ記憶装置は、カードに後で加えることができる情報またはプログラミングの電子記憶のために光学データ構造に比べて大きな余地を残すので、鍵、生物測定データおよびその他の大きなアルゴリズムなどのそのような変形をICのデータ記憶装置の中にではなく光学データ構造の中に記憶することが特に有効であると分かった。変形が光学状態変化データ変形であるとき、光学的変形の複寫を防ぐことが、使用されている特定の光学状態変化セキュリティ材料を検出することだけではなく、そのような材料と関連しているデータ構造を判断する場合も困難であれば非常に強化されることが分かる。光学的変形が普通でない大きさをした変形からなるとき、例えば、通常の深さのピット、および拡大深さ(例えば倍の深さピット)のピットが光学状態変化セキュリティ材料に関連して使用されるとき、相当の保護が与えられる。
【0043】
本発明の光学状態変化データ変形の形でのデータの記憶が、情報の厄介なダウンロードを防ぐ場合には、同じデータの電子記憶以上にかなり強化されたセキュリティを提供することができる。変形は、複雑な解読アルゴリズムを必要とするように構成されてもよい。
【0044】
一時光学状態変化データ変形が二つのデータ読出し(その両方が特定の光学式読取り装置に有効)を同じ物理的データ構造で表すことができるようにして、データを記憶するためのその他の変形と連動して使うことができるので、相当なデータ圧縮を達成することができる。すなわち、光学状態変化データ変形は、両方が有効と判断されるデータの補完的なデータ・シーケンス(CDSs)を提供するように構成されることによってデータの圧縮を実現するために用いてもよい。
【0045】
実施例2
本発明のさらにもう一つの実施例においては、一時光学状態変化セキュリティ材料は、認証されるべき商品に組み込まれ、一つ以上のランドの側にある深いピット(読出し側からはバンプ)が商品に予め定められた場所で作り込まれている。
ピットは、材料が入射読出しレーザビームに曝されたことにより状態を変えるとき、光学式読取り装置のPUHによる読出しに十分に反射できない拡大バンプ(読出し側から見たとき)間に干渉計を形成するほどの深さのものであるように構成されることができる。このシステムは、従って、二つの構成要素、すなわち、商品(例えば光ディスクの中のポリカーボネート)を構成している材料の全体にわたって分布した一時光学状態変化セキュリティ材料、および ファブリ−ペロー型(「FPI」)干渉計を使用する。深いピットは、FPIの壁として作用し、一方、下部の反射性ランドは主要な反射面として作用する。一時光学式位相変化セキュリティ材料を慎重に選択することによって、一組の条件(強度、波長、角度)の下では、光源へ戻る相当な反射があり、一方、第2の一組の条件の下では、光源へ戻る反射光がかなり少なくなるだろう。これらの二つの状態は、商品を構成している基板の中に配置されるセキュリティ材料によって決められる。
【0046】
干渉計が適切に作られ、一時光学状態変化セキュリティ材料および基板材料が適切に選択された場合、商品にある材料はピックアップ・ヘッドに対して本質的に透過性であり、全てのデータが一つの状態として読出されるであろう。読出しの間、材料は、エネルギーを吸収する。十分なエネルギーが材料によって吸収されたとき、その透過率は減少し(通過エネルギーが減る)、それは屈折率のわずかな変化を引き起こす。透過率の減った第2の状態では、適切に設計されれば、FPIに対する入力エネルギー閾値を越せるようにされることができ、ごくわずかな信号しか反射されない。セキュリティ材料および基板の中のそれの濃度を慎重に選択することによって、人は、そのようなデータを読み出すことできるように光学データ構造に十分な信号を生じさせることができる。一方では、材料が読取りビームによって活性化されるとき、RIが変わるとすれば、セキュリティ材料とそれの濃度およびピット(非読出し側から)の深さは、FPI閾値を越えて反射率の減少をもたらす波長の変化を生じさせるほどのものである必要があるが、波長の変化は通常の大きさの光学データ構造がなお分析されるに十分に小さい必要がある。
【0047】
本発明を好ましい実施例に関して説明したが、当業者は種々の変化および/または変更を添付の請求の範囲によって限定された本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく本発明に行うことができるということを容易に認めるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0048】
偽造されやすい種々の商品の真偽の判定を必要とする分野への利用価値がだいである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】上に一時光学状態変化データ変形を有するICカードを例示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路を有するとともにデジタルデータを表わす一つ以上の光学データ変形を組み込まれている基板から成り、前記半導体集積回路は、前記光学データ変形の一つ以上の位置を突き止めるようにプログラムされているICカード。
【請求項2】
一つ以上の前記光学変形は、光学状態変化セキュリティ材料と関連している請求項1のICカード。
【請求項3】
光学状態変化セキュリティ材料は、一時光学状態変化セキュリティ材料である請求項2のICカード。
【請求項4】
一時光学状態変化材料は、光学データ変形を光学式読取り装置によって読出すとき、二つの光学データ読出しを与えるように光学データ変形と関連している請求項3のICカード。
【請求項5】
前記光学データ読出しは有効なデータを表わす請求項4のICカード
【請求項6】
一つの光学データ読出しは有効なデータの表し、もう一方の光学データ読出しは無効なデータを表す請求項4のICカード。
【請求項7】
光学データ読出しの各々は無効である請求項4のICカード。
【請求項8】
光学データ変形は、ピットおよびランドから成る請求項4のICカード。
【請求項9】
前記ピットは、二つの明確に異なる深さのピットから成る請求項8のICカード。
【請求項10】
一つ以上のピットがファブリ‐ペロー型干渉計として作用する請求項8のICカード。
【請求項11】
(a)商品または商品と関連している基板上で一時光学状態変化材料を検出するステップ、(b)そのような材料が真正の商品または前記商品と関連している基板に置かれている場所を決めるステップ、および(c)そのような検出が生じて、一時光学状態変化材料が真正の商品と同じ場所に見出されるとき、その商品を真正と宣告するステップから成る商品を認証する方法。
【請求項12】
一時光学状態変化材料は、そのような変形が光学式読取り装置によって読出されるとき、そのような変形の光学式読出しを二つ以上の状態の間で変えるよう光学データ変形と関連している請求項11の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−501547(P2006−501547A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540285(P2004−540285)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/030896
【国際公開番号】WO2004/029914
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(504220362)ベリフィケーション テクノロジーズ インコーポレーション (5)
【Fターム(参考)】