説明

一時的な戸外用グラフィックフィルム

本発明は、グラフィックフィルムに関する。より詳細には、本発明は、コンクリート、アスファルト舗装、歩道、壁、およびセラミックタイル、凹凸床など戸外または屋内表面(水平、垂直または傾斜した表面)に施用できる一時的なグラフィックフィルムに関する。コンクリートまたはアスファルト舗装など戸外の粗い表面に施用できる一時的なグラフィックフィルムが提供される。一時的なグラフィックフィルムは、耐久性があり、しかも除去が容易であり、流体流動を可能にする破壊可能な材料を含むことによってスリップおよび転倒事故を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願との相互参照)
本出願は、2008年6月6日に出願された、「Temporary OutdoorGraphic Film」と題された、米国仮特許出願第61/059,369号の利益を主張する。この仮特許出願は、本出願と同じ譲受人に譲渡されており、この仮特許出願の開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、グラフィックフィルムに関する。より詳細には、本発明は、コンクリート、アスファルト舗装、歩道、壁、およびセラミックタイル、凹凸床など戸外または屋内表面(水平、垂直または傾斜した表面)に施用できる一時的なグラフィックフィルムに関する。一時的なグラフィックフィルムは、耐久性があり、しかも除去が容易である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
大型でカスタムプリントしたシートは、広告を含めての広範囲の用途で使用されている。デジタルオフセットおよびワイドフォーマットインクジェットプリンタ、UVおよび溶媒系インクを用いたスクリーンプリンタを含めてのデジタルプリンタによって、末端ユーザーがシート上に「オンデマンド」で大型グラフィックをカスタムプリントすることが可能になっている。印刷後、ユーザーは、壁または窓に大型印刷シートを施用し、次いで、比較的短期間、通常、約1日〜約3カ月、場合によってさらに長期間以内でそのシートを除去することができる。
【0004】
一時的なグラフィックフィルムは、接着剤を裏打ちしたビニルフィルムを使用して製造されてきた。かかるフィルムは、垂直面に施用するのに有用であるが、徒歩交通または車両交通が、速やかに磨耗したりまたは画像が摩滅する恐れのあるビニルフィルム上を通過しなければならない水平面に施用するのに実用的でない。ビニルフィルムの端部は、容易に基板表面から剥離し、そのためにつまずきを誘引するものが創出され、ビニルフィルムの平滑面は、歩行者および車両運転者両方にスリップを誘引するものをもたらす恐れがある。加えて、ビニルフィルムは、一般に、適合性が高くなく、そのために、コンクリートおよびアスファルト舗装など不規則面によく接着しない。さらには、かかるフィルムは、表面にあふれる恐れのある流体、または湿度もしくは他の天候条件によって創出される恐れのある水分に対して不浸透性であり、スリップしやすい面および予想される危険要素を創出し得る。
【0005】
水平面にグラフィックを施用する代替法は、表面を塗装することである。しかし、塗料を用いて耐久性があり、しかも除去が容易なグラフィック画像を達成することは、不可能ではないが困難である。加えて、複雑なグラフィックまたは画像の特徴を創出することは困難であり、そのために、伝達すべき特定の画像またはメッセージのインパクトが限定される場合がある。水洗可能な塗料は、比較的短期間でも徒歩もしくは車両交通または天候条件に耐えるのに必要な耐久性を提供しない。戸外で使用するように特別に設計された塗料は、除去が容易ではなく、したがって、一時的なグラフィックとして使用するのには適切ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下で説明する本発明の実施形態は、包括的であることまたは以下の詳細な説明で開示される精密な形態に本発明を限定することを意図するものではない。それよりもむしろ、実施形態は、当業者が本発明の原理および実施を評価および理解できるように選定および説明されている。
【0007】
本発明は、表面が平滑であるかまたは容易に触覚で認識できる要素を有するかにかかわらず、水平、垂直および傾斜面に施用できる除去可能グラフィックを対象とする。本明細書で説明するグラフィックフィルムはまた、破壊可能であり、その結果、液体が表面から排出され得る、もっと正確に言えば、表面が元の状態である場合、スリップしやすい表面を有するという、予想される危険要素がそれによって軽減される。
【0008】
本発明の例示的な実施形態では、第1表面と第2表面とを備え、厚さが約10ミル未満、好ましくは、約3ミル未満である印刷可能ポリマー層を備える除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリが提供される。上記印刷可能フィルムは、表面上にコーティングした場合、脆性または破壊可能なフィルムを生成するのに使用されるブレンド材料を含む。例示的な調合物は、セルロースアセテートブチレートおよびスクロースアセテートイソブチレートを含むことができる。
【0009】
現在説明している実施形態の説明を続けると、第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、接着剤層の第1表面がポリマー層の第2表面に接着されている感圧接着剤層が提供される。グラフィックフィルムアセンブリは、破壊可能であり、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する表面に適合する。一時的なグラフィックフィルムアセンブリは、印刷可能層の第1表面または第2表面上に印刷層を備えることができる。印刷可能層は、透明であっても不透明であってもよい。
【0010】
本発明は、少なくとも1つの極性溶媒中でセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを混合することによってコーティング組成物を形成するステップと、除去可能な裏打ち材にコーティング組成物を次いで施用するステップとを含む、除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリを作製する方法をさらに対象とする。次に、コーティング組成物は、印刷可能ポリマー層を形成するために乾燥される。接着剤層は、裏打ち材の反対側のポリマー層の表面に施用され、印刷されたグラフィックは、印刷可能ポリマー層に施用される。
【0011】
本発明の一態様では、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する少なくとも1つの表面を備える基板と;上記基板に接着された除去可能な一時的グラフィックアセンブリであって、(a)第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、上記印刷可能フィルムがセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含む印刷可能ポリマー層と、(b)第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、上記接着剤層の第1表面がポリマー層の第2表面に接着されている感圧接着剤層とを備える、グラフィックアセンブリとを備え;上記除去可能な一時的グラフィックアセンブリが、グラフィックアセンブリに高圧水ジェットを施用することによって除去される、装飾基板複合材が提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様では、(a)第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムが、セルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含む、ポリマー層と、(b)第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、上記接着剤層の第1表面がポリマー層の第2表面に接着されている感圧接着剤層と、(c)印刷可能ポリマー層の第1表面または第2表面上に印刷されたグラフィック層とを備える、グラフィックアセンブリを最初に用意するステップを含む、基板表面に除去可能な一時的グラフィックアセンブリを施用する方法が提供される。次に、上記基板表面上にグラフィックアセンブリを位置させ、その表面は、端部を有する複数の突起物を備え、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する。上記印刷可能ポリマー層の第1表面に圧力を印加することによってグラフィックアセンブリを上記基板表面に適合させる。複数の破壊部(複数の破壊部分を上記グラフィックアセンブリ内に形成させる相互に水平に位置する隣接表面領域)は、上記基板表面の突起物端部に対応して上記グラフィックアセンブリ内に形成され得る。本発明の利点は、多様な凸凹面にグラフィックを施用できることである、すなわち、上記フィルムは、粗く一様でない表面に施用することができ、そのためにフィルムがその内部に破壊部分または亀裂を有するように見える。したがって、複数の破壊部分は、フィルムを粗い表面に施用した場合、グラフィックアセンブリ内で形成することができる。換言すれば、フィルム面には亀裂が入り複数の破壊部分をもたらし、施用後、骨材面に適合して、転倒、落下またはスリップを誘引しないように流体流動、例えば、水分が基板を貫通して移動することが可能になる。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者に明白になる。しかし、多様な実施形態および特定の実施例についての詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態およびその他の実施形態を示すものではあるが、例示のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。本発明の範囲内の多数の変更形態および改変形態は、本発明の趣旨から逸脱することなく作製可能であり、本発明は、かかる改変形態をすべて包含するものである。
【0014】
本発明のこうした目的および利点、ならびに他の目的および利点は、添付の図面と一緒に、本発明の現在好ましい例示的実施形態の以下のより詳細な説明を参照することによってより完全に理解および評価される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、フィルムがその外表面上で印刷されている本発明のグラフィック物品の実施形態の断面図である。
【図2】図2は、フィルムが接着剤層に隣接した表面上で印刷されている本発明のグラフィック物品の別の実施形態のグラフィック物品の断面図である。
【図3A】図3Aおよび3Bは、凹凸面に施用されたグラフィック物品の断面図である。
【図3B】図3Aおよび3Bは、凹凸面に施用されたグラフィック物品の断面図である。
【図4A】図4Aおよび4Bは、アスファルト面に施用されたグラフィック物品を示す写真である。
【図4B】図4Aおよび4Bは、アスファルト面に施用されたグラフィック物品を示す写真である。
【図5】図5は、説明される本発明に従って除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリを作製する方法を提供するブロック図である。
【図6】図6は、説明される本発明に従って基板表面に除去可能な一時的グラフィックアセンブリを施用するブロック図である。
【図7】図7は、逆反射マイクロビーズから構成される反射層が存在する、本発明のグラフィック物品の別の実施形態のグラフィック物品の断面図である。
【図8】図8は、一連のまたはある配列の微細キューブを備えるプリズム材料から構成される反射層が存在する、本発明のグラフィック物品の別の実施形態のグラフィック物品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施することについての現在公知のベストモードを表す以下の詳細な説明によって、本発明は、これからより詳細に例示される。しかし、本説明は、本発明を限定するために使用されるべきものではなく、むしろ、本発明の全体的な特徴を例示する目的で提供されることを理解されたい。
【0017】
本発明のグラフィックフィルムアセンブリは、短期のプロモーションまたは宣伝キャンペーンおよび特別イベントで使用するための一時的な戸外または屋内画像媒体を提供する。グラフィックフィルムアセンブリは、耐久性および除去容易性が所望される、歩道、壁、駐車空間、ビル表面、傾斜面または角付面、道路および他の粗い表面に施用するのに特に有用である。
【0018】
グラフィックフィルムは、薄いものであり、粗い表面の表面不規則性に対する適合性が非常によい。例えば、グラフィックフィルムは、コンクリートもしくはアスファルト舗装、軽量コンクリートブロック、スタッコ、砂岩、または、触覚要素(tactile element)を有してもよい任意の表面(床材料および、人工組織を有する材料を含む)に施用することができる。グラフィックフィルムはまた、石材またはセラミックタイルまたは敷石にも施用することができ、これをその後、移動し、異なる場所で再組立てすることができる。基板に対するフィルムの適合性によって、画像面のような外観が創出される、もっと正確に言えば、紙製の高品質な画像または印刷シートのように見え、しかも表面がスリップ防止性を保持することが可能になる。従来のビニルフィルムは基板表面から容易に剥離する傾向を有するが、本グラフィックフィルムは、薄いので、基板表面から容易に剥離しない。
【0019】
取付けは比較的容易であり、フィルムアセンブリ背側の接着剤面から剥離ライナーを除去し、このフィルムを配置し、次いで基板表面上のフィルムに小さい圧力を印加して施用することを要する。フィルムは、以下の道具:スキージ、熱ガン、レーザーナイフ、リベットブラシ、マスキングテープ、火炎除草機のうちの1つまたは複数を使用して施用することができる。
【0020】
フィルムは、基板の輪郭に適合し、破壊可能であるので、フィルムが、骨材または他の表面特徴、または、基板表面から突起している場合がある触覚要素を「包み」込むことが可能になる。フィルムの破壊により、水分などの流体流動が下方にある基板に入ったり出たりすることがさらに可能になる。グラフィックフィルムは、好ましくは表面の平均粗さRaが約5〜約200ミクロンの範囲内、または一実施形態では、約20〜約100ミクロンの範囲内、または少なくとも約25ミクロンである基板表面に接着する。一実施形態では、基板表面のプロフィルの平均最大高さRzは、約15〜約300ミクロンの範囲内、または約25〜約200ミクロンの範囲内、または少なくとも約50ミクロンである。
【0021】
除去可能な一時的グラフィックフィルムは、耐久性があり、普通の歩行者交通下では最長6カ月、普通の街路交通下では最長2カ月持続することができる。グラフィックフィルムを除去するには、有機溶媒または環境に好ましくない方法を使用する必要がない。グラフィックフィルムの除去は、高圧水ジェットまたは硬いブラシなどによる研削もしくは研磨、掃引、またはサンドブラストまたはこれらの組合せで達成することができる。したがって、日照り続きの状況では、フィルムの除去性は、厳しいものになる。
【0022】
本発明のグラフィックフィルム構造体は、薄くて適合性の印刷可能フィルムと、印刷層と、接着剤層とを備える。図1に例示される一実施形態では、グラフィックフィルム構造体10は、フィルム12の外側表面に印刷された印刷層14を有する印刷可能フィルムまたは層12と、フィルムまたは層12の反対側(または内側)の面に接着された感圧接着剤層16とを備える。除去可能な剥離ライナー18は、接着剤層16を保護するために接着剤層16に施用することができる。印刷可能フィルムまたは層12は、透明であっても不透明であってもよい。例えば、印刷可能フィルムまたは層12は、グラフィックフィルム構造体が基板に施用された場合に外表面上の印刷されたグラフィック14がより明確に見えるように白色に着色され得る。
【0023】
図2に例示された別の実施形態では、グラフィックフィルム構造体20は、フィルム12の内側表面に印刷された印刷層14を有する印刷可能フィルムまたは層12と、印刷層14に接着された連続感圧接着剤層16とを備える。除去可能な剥離ライナー18は、接着剤層16を保護するために接着剤層16に施用することができる。本実施形態の印刷可能層12は、透明である。接着剤層16は、透明であっても着色されていてもよい。例えば、接着剤層16は、グラフィックフィルム構造体が基板に施用された場合に印刷されたグラフィック14がより明確に見えるように白色に着色され得る。
【0024】
グラフィックフィルム構造体は、適合性であり、基板の不規則なまたは粗い表面に施用された場合、フィルムは、不規則面の輪郭上で壊れる。この破壊によって基板表面がその耐スリップ性を保持することが可能になり、その後のフィルムの除去を促進する。図3Aは、コンクリートまたはアスファルト舗装など粗い表面にフィルムを施用する前のグラフィックフィルム構造体の一実施形態を例示する。グラフィックフィルム構造体30は、印刷フィルム32に接着された接着剤層34を有する印刷フィルム32を備える。骨材粒子42は、底部基板40の表面から突出する。図3Bで例示されているように、基板40の表面に施用された場合、フィルム構造体30の接着剤層34および印刷層32は、突出した骨材粒子34に適合し、粒子の端部に沿って壊れる。
【0025】
図4Aは、アスファルト表面に施用されたときのグラフィックフィルム構造体を示す写真である。グラフィックフィルム構造体は、アスファルトの不規則な表面に適合し、外観が塗装面となる。
【0026】
図4Bは、アスファルト表面に施用されたときの印刷フィルムを示す写真である。フィルムは、その表面に適合し、表面の最も粗い領域またはピークで壊れるが、それでも印刷された画像は、明確でシャープのままである。
【0027】
一実施形態における印刷可能フィルムは、セルロースアセテートブチレート(CAB)とスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含むポリマーコーティング組成物から形成される。図5は、CABとSAIBのブレンドを混合することによって一時的なグラフィックフィルムアセンブリを作製する方法を示す。2つの成分を混合した後、コーティング組成物は、ステップ100で除去可能な裏打ち材に施用される。次いで、コーティング組成物は、ステップ110で印刷可能ポリマー層を形成するために乾燥される。接着剤層は、ステップ120で裏打ち材の反対側のポリマー層の表面に施用され、最後に印刷されたグラフィックは、ステップ130で印刷可能ポリマー層に施用される。有用なCABの例は、CAB553−0.4であり、これは水酸基含量が約4.8%であり、Eastman Chemical Companyから市販されている。有用なスクロースアセテートイソブチレートの例は、Eastman Chemical Companyから市販されているSAIB−100である。ブレンドでのCAB対SAIBの比は、約7:1〜約3:1の範囲内、または約6:1〜約5:1の範囲内である。一実施形態では、ポリマーコーティング組成物は、本質的に、溶媒中のCABとSAIBのブレンドおよび顔料からなる。一実施形態では、ポリマーコーティング組成物は、どんなアクリルポリマーも含まない。
【0028】
CABおよびSAIBを、1つまたは複数の極性溶媒に添加することによってコーティング組成物を形成することができる。適切な溶媒の例として、エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ギ酸、酢酸、プロピレングリコールおよびジアセトンアルコールが挙げられる。
【0029】
図6は、基板表面に除去可能な一時的グラフィックアセンブリを施用する方法を説明する。その方法は、最初にステップ200で、第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムが、セルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含む、ポリマー層と;第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、接着剤層の第1表面がポリマー層の第2表面に接着されている感圧接着剤層と;印刷可能ポリマー層の第1表面または第2表面上に印刷されたグラフィック層とを備える、グラフィックアセンブリを用意するステップを含む。2番目に、ステップ210で、グラフィックアセンブリが、基板表面上に配置され、表面は、端部を有する複数の突起物を備え、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する。3番目に、ステップ220で、印刷可能ポリマー層の第1表面に圧力を印加することによってグラフィックアセンブリを基板表面に適合させ、最後に、ステップ230で、基板表面の突起物端部に対応して複数の破壊部分を形成する。
【0030】
図7で例示した別の実施形態では、グラフィックフィルム構造体26は、印刷された画像またはグラフィックを含むことができる印刷可能層12と、反射マイクロビーズ21を含む反射層と、除去可能な剥離ライナー18に付着した接着剤層16とを備える。反射層はまた、図8のグラフィックフィルム構造体28によって例示された通り、一連または複数の配列のマイクロキューブからなるある型のプリズム層24であってもよい。ガラスビーズが最も普通に使用されるが、ゾルゲル技法によって作製されたものなどのセラミックビーズも使用することができる。逆反射ビーズの屈折率は、一般に1.9〜2.5の範囲、より普通には2.0〜2.3の範囲、最も頻繁には2.10〜2.25の間である。逆反射ビーズの直径は、平均直径が約25〜約300ミクロン、20〜約120ミクロンの範囲、より頻繁には約40〜80ミクロンの範囲であることを特徴としてよい。反射層は、光沢様の外観効果を有する接着剤層または印刷可能層のいずれかのコンポーネントであってもよい。ビーズ入りのプリズムフィルムは、Avery Dennison Corporation、Graphic and Reflective Products Division、Painesville、オハイオから入手可能である。ビーズ入り逆反射フィルムの例は、米国特許第7264880号、プリズムフィルムは、RE40,700に示されており、両方が、本出願の譲受人であるAvery Dennison Corporationに譲渡されている。刊行物、特許および特許出願は、本開示全体にわたり参照されている。本明細書に引用された参考文献はすべて参照により本明細書に組み込まれている。
【0031】
グラフィックフィルム構造体の印刷可能フィルムは、薄くて適合性のポリマーフィルムを含む。一実施形態では、フィルムは、厚さが約3ミル未満、または約2.5ミル未満、または約1.0〜約2.5ミルの範囲内である。一実施形態では、印刷可能フィルムの厚さが約1.5〜約2.0ミルの範囲内である。印刷可能フィルムは、透明であっても、半透明であっても、不透明であってもよい。
【0032】
亀裂(破壊)またはその測定法に関連する如何なる特定の理論にも拘泥したいとは思わないが、一実施形態で印刷可能フィルムの引張り強度は、約0.01〜4psiの範囲内または約1.5である。一実施形態では、印刷可能フィルムの伸びは、約15%未満である。印刷可能フィルムのヤング率は、一実施形態で約40,000psi未満、または約100〜40,000psiの範囲内、好ましくは約24,500psiである。
【0033】
一実施形態における印刷可能フィルムは、セルロースアセテートブチレート(CAB)とスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含むポリマーコーティング組成物から形成される。有用なCABの例は、CAB553−0.4であり、これは水酸基含量が約4.8%であり、Eastman Chemical Companyから市販されている。有用なスクロースアセテートイソブチレートの例は、Eastman Chemical Companyから市販されているSAIB−100である。ブレンドでのCAB対SAIBの比は、約7:1〜約3:1の範囲内、または約6:1〜約5:1の範囲内である。一実施形態では、ポリマーコーティング組成物は、本質的に、溶媒中のCABとSAIBのブレンドおよび顔料からなる。一実施形態では、ポリマーコーティング組成物は、どんなアクリルポリマーも含まない。
【0034】
CABおよびSAIBを、1つまたは複数の極性溶媒に添加することによってコーティング組成物を形成することができる。適切な溶媒の例として、エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ギ酸、酢酸、プロピレングリコールおよびジアセトンアルコールが挙げられる。
【0035】
顔料は、組成物に添加することによって、不透明度を増加させ、そして/または、コーティングされたフィルムの空隙率を改変することができる。一実施形態では、白色顔料が、組成物に添加される。ワックス、消泡剤、酸化防止剤、UV安定剤などの他の添加剤は、組成物に含ませることによってある種の所望の特徴を取得することができる。一実施形態では、可塑剤がフィルム組成物に添加される。
【0036】
有用な感圧接着剤の説明は、Encyclopedia of PolymerScience and Engineering、13巻、Wiley-lnterscience Publishers(New York、1988年)で見ることができる。有用なPSAの追加の説明は、PolymerScience and Technology、1巻、Interscience Publishers(New York、1964年)で見ることができる。アクリル系PSA、ゴム系PSAおよびシリコーン系PSAを含めての従来のPSAが有用である。PSAは、溶媒系接着剤であっても、水性接着剤であってもよい。一実施形態では、PSAは、アクリルエマルジョン接着剤を含む。
【0037】
一実施形態では、接着剤は、アクリル系ポリマーから形成することができる。基板に接着するのに十分な粘着性を有する接着剤層を形成できる任意のアクリル系ポリマーは、本発明において機能できることが企図されている。ある種の実施形態では、感圧接着剤層用のアクリルポリマーは、米国特許第5264532号で開示されるような、アルキル基中に約4〜約12個の炭素原子を含み、ポリマーまたはコポリマーの約35〜95重量%の量で存在する少なくとも1つのアクリル酸アルキルモノマーの重合から形成されるものを含む。任意選択で、アクリル系感圧接着剤は、単一のポリマー種から形成され得る。
【0038】
アクリルポリマーを含むPSA層のガラス転移温度は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5264532号で教示されているように、コポリマー中の極性モノマー、すなわち「硬いモノマー」の量を調整することによって変えることができる。アクリルコポリマー中の硬いモノマーの重量%が大きいほど、益々ガラス転移温度は高くなる。本発明用として有用であると企図されている硬いモノマーは、ポリマーの約0〜約35重量%の範囲の濃度で、ビニルエステル、カルボン酸およびメタアクリレートを含む。
【0039】
PSAは、米国特許第5164444号(アクリルエマルジョン)、米国特許第5623011号(粘着性アクリルエマルジョン)および米国特許第6306982号で教示されるものなどのようなアクリル系であってよい。接着剤はまた、米国特許第5705551号(ゴムホットメルト)で教示されたものなどのゴム系であってもよい。接着剤はまた、米国特許第5232958号(UV硬化アクリル)および米国特許第5232958号(EB硬化)で教示されたものなど、モノマーと開始剤および他の成分との放射線硬化性混合物であってもよい。アクリル接着剤に関するこうした特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0040】
別の有用なアクリルPSAは、米国特許第6306982号の実施例2で概ね記載される通り、エマルジョンポリマー粒子と、分散粘着剤粒子のブレンドを含む。ポリマーは、米国特許第5164444号で記載されているように、アクリル酸2−エチルヘキシル、酢酸ビニル、マレイン酸ジオクチルおよびアクリルとメタクリルのコモノマーをエマルジョン重合させることによって作製され、ラテックス粒径の重量平均直径約0.2ミクロンおよび約60%のゲル含量がもたらされる。一実施形態では、接着剤は、Avery DennisonからAE3349として市販されているアクリル接着剤である。
【0041】
粘着剤に加えて、他の添加剤もPSA中に含ませることによって所望の特性を付与することができる。例えば、可塑剤を含ませることができ、可塑剤は、エラストマー性ポリマーを含む接着剤組成物のガラス転移温度を低下させることが公知である。酸化防止剤もまた接着剤組成物に含ませることができる。ワックスおよび界面活性剤などの油落とし剤もまた接着剤に含ませることができる。光安定剤、熱安定剤およびUV吸収剤もまた接着剤組成物に含ませることができる。紫外吸収剤として、ベンゾ−トリアゾール誘導体、ヒドロキシベンジルフェノン、安息香酸のエステル、シュウ酸、ジアミドなどが挙げられる。光安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤を含み、熱安定剤は、ジブチルジチオカルバメート亜鉛などのジチオカルバメート組成物を含む。
【0042】
接着剤層は、単一層であっても、多層の接着剤を含んでいてもよい。多層の接着剤は、当技術分野で公知の方法を使用して印刷可能層に同時に施用することができる。
【0043】
本発明のグラフィック物品構造体で利用できる剥離ライナーは、剥離ライナーとして適切であることが当業者に公知である多様な材料のうちの任意のものからなっていてもよい。一実施形態では、剥離ライナーは、90#ステイフラットライナーを含む。他の適切な剥離ライナーとして、当技術分野で公知であるシリコーンコーティングフィルムまたはポリコーティングクラフトが挙げられる。適切な予備シリコーン化剥離ライナーが市販されている。
【0044】
本発明のグラフィック物品構造体は、一実施形態では、ポリマーフィルムなどの裏打ちフィルム上に印刷可能フィルム組成物をリバースロールコーティングすることによって生成することができる。ポリマーフィルムは、ポリエステルシート、例えば、流延ポリエチレンテレフタレートフィルムであってよい。その上に印刷可能フィルム組成物がコーティングされる裏打ちフィルムはまた、従来のシリコーン剥離ライナーであってもよい。裏打ち材に施用されるフィルム組成物のコート重量は、約60〜約100gsmの範囲内、または一実施形態では約70〜約85gsmの範囲内であってよい。印刷可能フィルム組成物がいったん乾燥してしまうと、印刷可能フィルムは、除去可能な剥離ライナー上の感圧接着剤に積層することができる。あるいは、接着剤組成物は、印刷可能フィルム上にコーティングして硬化させてもよい。裏打ち層は、印刷可能フィルムの外表面が印刷できるように、印刷可能フィルムの表面から除去される。印刷可能フィルムは、印刷されたグラフィックが、グラフィック物品が施用される基板の表面から目立つように、透明であっても着色されていてもよい。
【0045】
別の実施形態では、印刷可能フィルムは、裏打ちフィルムが接着される表面の反対側の表面上に印刷される。印刷可能フィルムに印刷した後、接着剤層は、印刷層が印刷可能フィルムと接着剤層の間に位置するように、印刷可能フィルムの印刷面上に積層またはコーティングされる。この実施形態では、印刷フィルムは透明である。接着剤層は、着色されていてもいなくてもよい。印刷されたグラフィック層に着色された接着剤層を施用すると、印刷されたグラフィックが、フィルムが施用される基板表面からより良好に目立つことが可能になる場合がある。
【0046】
前述の実施例における印刷可能フィルムはまた、Avery Dennison Corporation、Graphic and Reflective Products Division of Painesville、オハイオから入手可能なEZ(商標)バンド製品などの、空気口および再配置可能特性を有するフィルムであってもよい。前述に加えて、印刷は、表面材料に対して逆形式で施用することができ、次いで、接着剤移動システムを使用して画像が施用される。
【0047】
加えて、前述の実施形態における印刷可能フィルムは、限定されないが、会社、スポーツチームまたは、オリンピック用の多色環など公式ライセンスが利用される特別行事など、多様な組織および目標のための公式ライセンスシンボル、句、絵画、単語または一連の単語を含むことができる。
【0048】
末端ユーザーは、デザインソフトウエアを使用して、グラフィックおよび/またはテキストからなる所望のレイアウトを創出することによってグラフィックフィルムシートに印刷することができる。ソフトウエアは、大フォーマットインクジェットプリンタまたは大フォーマットデジタルプリンタなど、ワイドフォーマットプリンタを制御する。グラフィックフィルムアセンブリは、連続供給ロールの形態でプリンタに供給することができ、または、連続供給ロールは、個別のシートに切断することもできる。印刷可能フィルムは、HP、Palo Alto、カリフォルニアから入手可能なIndigo(登録商標)などのデジタルプレス、および他のデジタルプリンタ技法、ならびに他のインクジェット、トナー系またはスクリーンプリント技法および他の従来の印刷法によって印刷することができる。
【0049】
印刷されたグラフィックフィルムアセンブリは、例えば、セメントもしくはアスファルト舗装、レンガ、小丸石、石材、セラミックタイルまたは触感要素を有する他の表面を含めての広範囲の基板に施用することができる。フィルムが施用される表面は、水平面でも、傾斜面でも垂直面でもよい。
【0050】
印刷アセンブリを施用するために、ユーザーは、剥離ライナーを除去し、所望の位置にアセンブリを置き、少なくとも1部分のシートを基板に接着し、例えば、スキージを用いて、フィルムが皺になることを防止するために短い重ねストロークを使用し中央部先端から下方および側方にシートを平滑にする。熱ガンなどの熱源を周辺部で使用することによってフィルムの端部を基板に固定することができる。
【0051】
印刷されたグラフィックフィルム構造体は、多様な用途で使用することができる。特定の例として、購買ポイントの広告、ビルボード、バナーおよび仮装飾など、一時的な広告または看板が挙げられる。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、本発明に従った方法および実施形態を例示するためのみのものであり、特許請求の範囲に制限を加えるものとみなすべきでない。
【0053】
(実施例1)
印刷可能フィルムの調製
フィルム組成物を、エチルアルコール56重量部とジアセトンアルコール18重量部を合わせ、セルロースアセテートブチレート(Eastman ChemicalからのCAB553−0.4)22重量部を溶媒ブレンドにゆっくり添加することによって調製する。この混合物に、スクロースアセテートイソブチレート(Eastman ChemicalからのSAIB−100)4重量部を添加する。顔料(二酸化チタン)を、樹脂/アルコールブレンド72重量部に対して顔料28重量部の量で樹脂/アルコールブレンドに添加する。
【0054】
【表1】

(実施例2)
印刷可能フィルムの調製
印刷可能フィルム組成物を、実質的に実施例1に従って調製するが、但し、顔料を樹脂/アルコールブレンド66重量部に対して顔料34重量部の量で樹脂/アルコールブレンドに添加する点を除く。
【0055】
(実施例3)
印刷可能フィルムの調製
印刷可能フィルム組成物を、実質的に実施例1に従って調製するが、但し、透明なトップコーティングを生成するために顔料を樹脂/アルコールブレンドに全く添加しない点を除く。
【0056】
(実施例4)
接着剤物品の調製
実施例1の印刷可能フィルム組成物を、コート重量約58gsmで1.42ミルサテンPETフィルム上にコーティングし、150〜210°Fの温度で乾燥することによって2.0ミルフィルムを生成する。45gsmのアクリルエマルジョン接着剤層をフィルム上にコーティングし、この接着剤を乾燥することによって接着剤層を形成する。次いで、90#ステイフラット剥離ライナーを、接着剤層に接着する。
【0057】
かくして、本発明に従って非常に有利な一時的な戸外グラフィックフィルムが提供されたことが理解される。本発明が、最も実際的で好ましい実施形態であると現在みなされているものと連携して説明されたが、当業者には、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多数の改変形態および等価な配列の作製が可能であることが明白である。その範囲は、等価な構造物および生成物をすべて包含するように添付の特許請求の範囲を最も広く解釈したものに一致すべきである。
(項目1)
第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムが破壊可能な材料のブレンドを含む、ポリマー層と、
第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、該接着剤層の該第1表面が該ポリマー層の該第2表面に接着されている、感圧接着剤層とを備え、
グラフィックフィルムアセンブリが、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する表面に適合性である、除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリ。
(項目2)
前記ブレンドが、前記ブレンド中において約7:1〜約3:1の範囲内のセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートの比を有する、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目3)
前記感圧接着剤が透明または着色されている、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目4)
前記接着剤層の前記第2表面に接着した除去可能な剥離ライナーをさらに備える、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目5)
前記印刷可能ポリマー層の前記第1表面上に印刷層をさらに備える、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目6)
前記印刷可能ポリマー層が不透明である、項目5に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目7)
前記印刷可能ポリマー層の前記第2表面上に印刷層をさらに備える、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目8)
前記印刷可能ポリマー層に施用された印刷されたグラフィック像を含む、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目9)
前記印刷されたグラフィック像が、前記印刷可能ポリマー層に逆施用されている、項目8に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目10)
前記破壊可能な材料が、流体流動が可能である、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目11)
前記印刷可能層が、記号、句、絵画、単語または一連の単語を含む群から選択される識別子を含む、項目1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目12)
第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムが破壊可能な材料のブレンドを含む、ポリマー層と、
該印刷可能層の下方に配置された反射層と、
第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層とを備え、
少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する表面に適合性である、一時的なグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目13)
前記反射層が、逆反射ビーズを含む、項目12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目14)
前記反射層がプリズム層である、項目12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目15)
前記印刷可能層が、清澄、透明、不透明または着色されている、項目12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目16)
前記逆反射ビーズが、25〜300ミクロンの範囲の平均直径を有する、項目13に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目17)
前記逆反射ビーズが、1.9〜2.3の範囲の屈折率を有する、項目13に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目18)
前記接着剤層の前記第1表面が逆反射層に接着されている、項目12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目19)
前記接着剤層の前記第1表面が前記ポリマー層の前記第2表面に接着されている、項目12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目20)
前記印刷可能層が、会社の記号、句、絵画、単語または一連の単語を含む群から選択される識別子を含む、項目12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
(項目21)
少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する少なくとも1つの表面を備える基板と、
該基板に接着された除去可能な一時的グラフィックアセンブリであって、(a)第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である適合性印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムがセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含む印刷可能ポリマー層と、(b)第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、該接着剤層の該第1表面が前記ポリマー層の該第2表面に接着されている、感圧接着剤層とを備え、適合性印刷可能ポリマー層が該表面の粗さに適合性であるグラフィックアセンブリとを備え、
該除去可能な一時的グラフィックアセンブリが、グラフィックアセンブリに高圧水ジェットを施用することによって除去される、装飾基板複合材。
(項目22)
前記ブレンド中のセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートの比が、約7:1〜約3:1の範囲内である、項目21に記載の基板複合材。
(項目23)
前記感圧接着剤が、アクリルエマルジョン接着剤を含む、項目21に記載の基板複合材。
(項目24)
前記印刷可能ポリマー層の前記第1表面上に印刷層をさらに備える、項目21に記載の基板複合材。
(項目25)
前記印刷可能ポリマー層が、不透明である、項目24に記載の基板複合材。
(項目26)
前記印刷可能ポリマー層の前記第2表面上に印刷層をさらに備える、項目21に記載の基板複合材。
(項目27)
前記基板が、コンクリート、アスファルト、石材、砂利、タイルまたはそれらの組合せを含む群から選択される、項目21に記載の基板複合材。
(項目28)
前記適合層が破壊可能材料のブレンドを含む、項目21に記載の基板複合材。
(項目29)
破壊可能材料の前記ブレンドを含む前記適合性層が、流体流動を可能にする、項目28に記載の基板複合材。
(項目30)
前記グラフィックアセンブリが、前記印刷可能ポリマー層および前記接着剤層中に複数の破壊部分をさらに含む、項目21に記載の基板複合材。
(項目31)
少なくとも1つの極性溶媒中でセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを混合することによってコーティング組成物を形成するステップと、
除去可能な裏打ち材に該コーティング組成物を施用するステップと、
該コーティング組成物を乾燥することによって印刷可能ポリマー層を形成するステップと、
該裏打ち材の反対側の該ポリマー層の表面に接着剤層を施用するステップと、
該印刷可能ポリマー層に印刷されたグラフィックを施用するステップと
を含む、除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリを作製する方法。
(項目32)
前記印刷可能ポリマー層の前記表面に印刷されたグラフィックを施用する前に前記裏打ち材が除去される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記印刷可能ポリマー層に前記接着剤層を施用する前に印刷されたグラフィックが前記印刷可能ポリマー層に施用される、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記コーティング組成物が、約60〜約100gsmのコート重量で前記裏打ち材に施用される、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記印刷されたグラフィックが、デジタル印刷装置を用いて印刷ポリマーフィルムに施用される、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記接着剤層が、前記ポリマー層に接着剤層を積層することによって施用される、項目31に記載の方法。
(項目37)
接着剤組成物を前記ポリマー層上にコーティングし、次いで前記接着剤コーティング組成物を乾燥して接着剤層を形成することによって前記接着剤層が施用される、項目31に記載の方法。
(項目38)
(a)第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムが、セルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含む、ポリマー層と、(b)第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、該接着剤層の該第1表面が該ポリマー層の該第2表面に接着されている感圧接着剤層と、(c)該印刷可能ポリマー層の該第1表面上または第2表面上に印刷されたグラフィック層とを備える、グラフィックアセンブリを用意するステップと、
基板表面上に該グラフィックアセンブリを位置させるステップであって、該表面が、端部を有する複数の突起物を備え、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有するステップと、
該印刷可能ポリマー層の該第1表面に圧力を印加することによって該グラフィックアセンブリを該基板表面に適合させるステップと、
該基板表面の該突起物端部に対応して該グラフィックアセンブリに複数の破壊部分を形成するステップと
を含む、該基板表面に除去可能な一時的グラフィックアセンブリを施用する方法。
(項目39)
形成ステップの後に高圧水ジェットを施用することによって前記グラフィックアセンブリを除去するさらなるステップを含む、項目38に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面と第2表面とを備え、厚さが0.117インチ未満である印刷可能ポリマー層であって、該印刷可能ポリマー層が、不規則面の輪郭上で壊れる、破壊可能な材料のブレンドを含む、ポリマー層と、
第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、該接着剤層の該第1表面が該ポリマー層の該第2表面に接着されている、感圧接着剤層とを備え、
グラフィックフィルムアセンブリが、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する表面に適合性である、除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項2】
前記ブレンドが、約7:1〜約3:1の範囲内の比のセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートおよびコーティング組成物を形成するための溶媒を含む、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項3】
前記感圧接着剤が透明または着色されている、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項4】
前記接着剤層の前記第2表面に接着した除去可能な剥離ライナーをさらに備える、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項5】
前記印刷可能ポリマー層の前記第1表面上に印刷層をさらに備える、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項6】
前記印刷可能ポリマー層が不透明である、請求項5に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項7】
前記印刷可能ポリマー層の前記第2表面上に印刷層をさらに備える、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項8】
前記印刷可能ポリマー層に施用された印刷されたグラフィック像を含む、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項9】
前記印刷されたグラフィック像が、前記印刷可能ポリマー層に逆施用されている、請求項8に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項10】
前記フィルムの亀裂が、前記フィルム内の複数の破壊部分が前記フィルム全体で流体流動が可能になるようにする、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項11】
前記印刷可能層が、記号、句、絵画、単語または一連の単語を含む群から選択される識別子を含む、請求項1に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項12】
第1表面と第2表面とを備え、厚さが0.117インチ未満である印刷可能ポリマー層であって、該印刷可能ポリマー層が、不規則面の輪郭上で壊れる、破壊可能な材料のブレンドを含む、ポリマー層と、
該印刷可能層の下方に配置された反射層と、
第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層とを備え、
少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有する表面に適合性である、一時的なグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項13】
前記反射層が、逆反射ビーズを含む、請求項12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項14】
前記反射層がプリズム層である、請求項12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項15】
前記印刷可能層が、清澄、透明、不透明または着色されている、請求項12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項16】
前記逆反射ビーズが、25〜300ミクロンの範囲の平均直径を有する、請求項13に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項17】
前記逆反射ビーズが、1.9〜2.3の範囲の屈折率を有する、請求項13に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項18】
前記接着剤層の前記第1表面が逆反射層に接着されている、請求項12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項19】
前記接着剤層の前記第1表面が前記ポリマー層の前記第2表面に接着されている、請求項12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項20】
前記印刷可能層が、会社の記号、句、絵画、単語または一連の単語を含む群から選択される識別子を含む、請求項12に記載のグラフィックフィルムアセンブリ。
【請求項31】
少なくとも1つの極性溶媒中でセルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを混合することによってコーティング組成物を形成するステップと、
除去可能な裏打ち材に該コーティング組成物を施用するステップと、
該コーティング組成物を乾燥することによって外側表面を有する印刷可能ポリマー層を形成するステップと、
該裏打ち材の反対側の該ポリマー層の表面に接着剤層を施用するステップと、
該印刷可能ポリマー層の外側表面に印刷されたグラフィックを施用するステップと
を含む、除去可能な一時的グラフィックフィルムアセンブリを作製する方法。
【請求項32】
前記印刷可能ポリマー層の前記表面に印刷されたグラフィックを施用する前に前記裏打ち材が除去される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記印刷可能ポリマー層に前記接着剤層を施用する前に印刷されたグラフィックが前記印刷可能ポリマー層に施用される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記コーティング組成物が、約60〜約100gsmのコート重量で前記裏打ち材に施用される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記印刷されたグラフィックが、デジタル印刷装置を用いて印刷ポリマーフィルムに施用される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記接着剤層が、前記ポリマー層に接着剤層を積層することによって施用される、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
接着剤組成物を前記ポリマー層上にコーティングし、次いで前記接着剤コーティング組成物を乾燥して接着剤層を形成することによって前記接着剤層が施用される、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
(a)第1表面と第2表面とを備え、厚さが3ミル未満である印刷可能ポリマー層であって、印刷可能フィルムが、セルロースアセテートブチレートとスクロースアセテートイソブチレートのブレンドを含む、ポリマー層と、(b)第1表面と第2表面とを備える感圧接着剤層であって、該接着剤層の該第1表面が該ポリマー層の該第2表面に接着されている感圧接着剤層と、(c)該印刷可能ポリマー層の該第1表面上または第2表面上に印刷されたグラフィック層とを備える、グラフィックアセンブリを用意するステップと、
基板表面上に該グラフィックアセンブリを位置させるステップであって、該表面が、端部を有する複数の突起物を備え、少なくとも25ミクロンの平均粗さRaを有するステップと、
該印刷可能ポリマー層の該第1表面に圧力を印加することによって該グラフィックアセンブリを該基板表面に適合させるステップと、
該基板表面の該突起物端部に対応して該グラフィックアセンブリに複数の破壊部分を形成するステップと
を含む、該基板表面に除去可能な一時的グラフィックアセンブリを施用する方法。
【請求項39】
形成ステップの後に高圧水ジェットを施用することによって前記グラフィックアセンブリを除去するさらなるステップを含む、請求項38に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−525248(P2011−525248A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512629(P2011−512629)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/046194
【国際公開番号】WO2009/149225
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(594177391)エーブリー デニソン コーポレイション (26)
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
【Fターム(参考)】