説明

一時的動的フローサイトメータ分析システム

【課題】シース流体ストリーム内を飛沫同伴する粒子または細胞に付随する情報を処理するためのフロー細胞測定装置(1)およびその方法であって、これにより移動速度が高速であってもこのような粒子または細胞の検査、区別、割り当て、分離を可能にする装置および方法を提供すること。
【解決手段】第1の信号プロセッサ(18)を個別に、または、少なくとも一つのさらなる信号プロセッサ(17)と組み合わせて、信号(15)からのデータに補償変換を行う。補償変換は、少なくとも一つの信号(15)からのデータを複素変換し、一つ以上の演算パラメータを補償することができる。補償されたパラメータは、第1の信号プロセッサ(18)に返されて、その補償されたパラメータに関する情報を提供し、粒子(3)を明確にし、かつ、他の粒子から区別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(I.発明の分野)
詳細には、粒子または細胞の査定、識別、割り当ておよび分離を高速で可能とする、シース流体ストリームに混入した粒子または細胞に付随する情報を処理するフローサイメトリ装置および方法である。
【背景技術】
【0002】
(II.背景)
フローサイメトリは長年存在してきた分野である。基本的には、フローサイメトリシステムは、シース流体内の少量の物質の位置付けを行うように動作する。流体力学的なフォーカシングおよび層状フローによって、物質は個々の粒子、細胞などに分離される。多くの用途において、解析のために、シース流体は、混入した物質と共にジェットおよび自由落下でノズルから出るか、または光学的に透明な経路で運ばれる。シース流体は識別された粒子特性の割り当てに基づいて、分離および収集される個々の粒子を包含する小滴を形成し得る。
【0003】
このタイプの解析は、このような物質を正確に分離するのに、ジェット内の均一の条件、非常に正確なタイミング、および混入した物質に付随する一貫した比較パラメータを必要とする。加えて、より高速なフローサイメトリに対する商業的および公的部門の一致した要求、さらに複雑な、かつ多重パラメータ解析に基づいて物質を識別する必要性、およびより高純度分離の必要性がある。残念なことに、装置動作、シース流体ストリーム力学、または観察される粒子特性における変動がいまだに存在し、混入された物質がジェットで運ばれるスピードを上げることによって、これはさらに悪化される。このように、シース流体ストリームに混入した物質の正確な解析および分離を提供するために、このような変動を補う必要性がある。
【0004】
流体ストリ−ムと小滴力学を理解し、対応しようとするいくつかの試みの概要が、米国特許第4317520号、第4318480号、第4318481号、第4318482号、第4318483号、および第4325483号に見られ得る。これらの特許の各々は本明細書中に参考として援用されている。上記特許が説明するように、従来のアプローチは、信号を算定し、このような情報に対してすぐに動作することであった。また認識された実践上の問題のいくつかは、検知と解析を行う限られた量の空間と時間しか存在しないという事実である。日本国特許第2024535号も検知システムに関してのみ認識するように、できるだけ小さい光学システムを有することが望ましくあり得る。
【0005】
理解し得るように、実質的な問題は、発生から生成されるデータは、きわめて短い時間で、検知され、反応しなければならないということであり得る。マイクロプロセッサなどのスピードを考えると、これは、一見、すぐに達成可能なように見える。このユニークなフローサイメトリ状況の難問は、最初のまたは未処理の信号データが最適に達せず、使用不可能でさえあり得ることである。このように、ユニークなフローサイメトリが使用されるとすれば、さらに解析または意思決定を達成するために、さらに処理されなければならない。この処理は複雑で、典型的な商業的システムだけでなく今日最速のコンピュータシステムで得られる以上のより速い処理スピードと性能が要求され得る。さらに、より高速な処理周波数への望みが追求されればされるほど、問題はさらに悪化し得る。スピードを極端に取り上げた1例は、米国特許第4361400号に示される。この特許は本明細書に参考として援用される。上記の特許では、300から800キロヘルツの範囲の小滴形成周波数が達成された。ほとんどの実践的小滴フローサイメトリは10kHzから50kHzの範囲で動作する。解析のスピードに関する問題は長年公知であるが、本発明に先だっては、フローサイメトリコンテキストにおけるデジタル解析を達成することはできないであろうというのが、明らかに一般に認められた考え方であった。本発明はこの予想が真実でないことを証明する。本発明の結果として、適切なデータ補正などを用いれば、いまや、50〜100〜200kHz以上の小滴形成スピードが可能である。
【0006】
しかし、これらのいかなるスピードでも、アナログ解析が、分析を行い、流体力学、粒子特性および装置の変動などを補正する唯一の実践方法であるという予想があったようだ。ある程度、これらの予想は一般的に普及しているので、品質の制御、優良な製造実践、規制承認および他の問題は傍らに押しやられたり、消えてしまったり、妥協さえされている。既存の技術がこの分野の実用性を支配している。
【0007】
フローサイメトリの従来の解析および変数の補正に関わるもう1つの重要な問題は、後続の処理工程前の流体ストリームに付随する発生から得られる最初の信号データの保存であり得る。最初の信号を解析または補正する時間量が短いので、今まで最初の信号データを保存または格納できなかったということがあり得る。このように、解析の効率を増し、フィードバック補正イベントを提供するために、最初または未処理の信号データのすべてまたは一部を犠牲にするということがあり得る。最初の未処理データを破棄するというやり方では、品質管理を改善して、優良な製造実践を確立し、一定の規制または法的要件のための処理上の閾値を得るためのデータ解析が妨げられ得る。
【0008】
しかし、従来の解析に関する別の問題は、高速逐次発生を処理できない、多重パラメータを補正できない、複雑な動作を行えない、最初のデータの変換補正を提供できない、または、補正されるパラメータを適用できないということであり得る。従来の解析は、1秒間に少なくとも10,000のレートで発生し得る逐次イベント間に処理して返し得る情報量によって制限され得る。
【0009】
上述の不可能なことの第1の側面は、フローサイメトリとともに使われる従来の信号プロセッサの本質に関わり得る。従来のフローサイメトリ信号プロセッサは、しばしば、アナログであるがゆえに、大量の信号情報を処理できない、低品質信号情報で動作できない、実際に複雑な変換動作(代数式または構造を用いた変換動作など)を実際に達成できない、または、後に後続パラメータ補正が行われる逐次、または多変量解析ではなく、単に反射的なフィードバック動作しか行わない。
【0010】
上述の不可能なことの第2の側面は、従来のデータ処理のインフラストラクチャに関わり得る。部分的には、従来のインフラストラクチャは情報の流れがどのように分配、割り当て,および調整されるかに対応し得ない。流体ストリームに付随する発生から得られるフローサイメトリ情報の従来の処理は、もともとは孤立したフィードバックループとして処理される。このように、フィードバックループの数が増加するにつれて、フローサイメトリ動作の種々の側面を同時進行させるのに難しさを増し得る。さらに、これらのフィードバックループは完全に分離され得る。例えば、小滴ブレークオフの位置などのストリームパラメータは、補正されている流体ストリーム内では粒子の異なる解析および粒子の分離から完全に切り離され得る。
【0011】
上述の不可能なことの第3の側面は、変換されたデータの適用において対称性縮約が不足するということであり得る。再び述べると、アナログ解析は、逐次発生、または並列多変量解析という複雑な解析における対称性縮約を妨げるか、または、最小化し得る。対称性縮約が不足するか、または対称性縮約を解析条件に適用できないことによって、実行時間が増加する。
【0012】
上述のように、長い間、複雑な信号変換を可能し、複雑な信号変換から生じる補正パラメータの使用、補正パラメータを使ったリアルタイム解析、または最初の信号データの格納が、流体ストリーム、機器の変動もしくは環境的な変動に伴って生じる装置および方法が必要であると考えられてきたが、この必要性は満たされていない。本発明は実践的解決に関する上記の問題のそれぞれに対処する。ある程度、当業者は本発明において追及される技術的方向から離れた方向をとってきたようなので、解決は達成されていないようだ。これは、当業者が問題の本質を本当に理解していなかったという事実から生じた結果か、あるいは考慮し得るシステムのタイプに関する見込みおよび仮定のいくつかによって、当業者が誤って導かれたという事実から生じた結果であり得る。本発明はデジタル信号処理(DSP)技術を使用して、フローサイメトリ動作に付随する発生からの情報を構成し、複雑な変換、補正、または解析動作を行い、こうした長く求められてきた目標を達成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(III.発明の開示)
本発明は、高速逐次発生、もしくは発生の多重パラメータ解析、またはこの2つを個々に行うか、もしくは組み合わせて行うことによって生じる問題を解決するために、DSP技術を有するフローサイメトリを開示する。本発明を説明するのに、特定の実例がフローサイメトリ用途のコンテキストにおいて提供されるが、これはフローサイメトリ内において、当該分野、または用途に対する本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明は、それ自体また、種々の分野においても、多数の用途を有し得る。例えば、米国特許第4,074,809号および米国特許第4,501,366号に開示される製品における欠陥の検知、米国特許第5,503,994号に開示されるフィールドフロー分別、液体クロマトグラフィ、または電気泳動、米国特許第5,880,457号に開示されるコンピュータ断層撮影法、ガンマカメラ、または飛行時間装置などの用途を有し得る。上記特許の各々が本明細書中に参考として援用される。本発明の基本的概念は、フローサイメトリの領域だけに適用されるのではなく、上記分野の各々、または他の分野でも適用し得る。他の分野とは、高い入射光の光束を有する逐次発生間もしくは多重パラメータに関するデータを生成する逐次発生間、または短時間に非常に多数の信号を生成する発生間の光生成信号など、パラメータに起きる小さな相違の検知および解析が必要または望まれ得る分野である。さらには、本発明は、種々の置換および併用で組み合わせ得る多くの実施形態に分割され得る。当然、本発明のこれらのいくつかの異なり、潜在的に独立した側面の結果として、本発明の目的はかなり多様化される。
【0014】
本発明の1実施形態の1つの幅広い目的は、、環境、機器、あるいは流体ストリームに付随して生じ、アナログ信号、デジタル信号を含むが、それに限らない、最初の信号を変換することであり得る。本発明のこの目的の1側面は、処理のために新たにデジタル化されたデータストリームに複数の異なるタイプの信号を一致(harmonize)させることであり得る。本発明のこの目的の別の側面は、その他の低品質または使用不可能な信号データを使用可能品質信号データに変換することであり得る。この点において、最初の信号は、流体ストリーム内の細胞のような単一粒子の1特性または多重特性に関し得る。あるいは、最初の信号は流体ストリーム内の一連の粒子の1特性または多重特性に関し得る。多数の信号それ自体は、同時発生(並列発生)の検知、または1つ、2つ、もしくは任意の数の追加的なパラメータも表す、時間に対して不連続に起こる発生(逐次発生)の検知から生成され得る。検知される発生率は、1秒当たり約10,000発生から1秒当たり約800,000以上の発生の間で変動し得る。例えば、ジェットまたはノズルでの流体力学の変化、機器そのものの性能における変動(光電子倍増管からのベースライン電子信号の変化など)、もしくは温度または圧力などの外部状況の変化による機器の性能の変動であり得る。上記の各々に関して、高率で発生、限定期間で発生、または最適に達しない様式で発生する場合でさえも、その発生は検知され、最初の信号に変換され、デジタル化され得る。
【0015】
本発明の実施の別の広範な目的は、補償されたパラメータを提供するために、元の信号に対して補償変換を実行することであり得る。本目的の1局面は、第1の発生によって、および少なくとも1つの追加的発生によって共有されるパラメータ(単数または複数)を補償するために、第1の発生に付帯する第1の信号からの処理されたデータに補償変換を行なうこと、および、その後、1つ以上の発生に付帯する少なくとも1つのさらなる信号からの処理されたデータに補償変換を付与することであり得る。本目的の第2の局面は、パラメータ(1つまたは複数)の補償であり得、これは特性(1つまたは複数)を共有するので、「クロストーク」が排除されるか、または最小化され得る。クロストークの排除または最小化は、第2の、またはそれ以上の発生(単数または複数)から第1の発生を区別する向上した能力を提供する。識別された発生は、その後、クラスに割当てられ、分離され、そして回収される。
【0016】
本発明の実施形態の別の目的は、ハードウェアインフラストラクチャまたはソフトウェアインフラストラクチャを提供して、上述の元の信号から生成されたデータを割当て、整列させ、または調整することである。この目的の1つの局面は、信号データを処理する能力を高めるために、並列して動作し得る複数の信号プロセッサを提供することであり得る。本発明は、少なくとも、2つの並列信号プロセッサを利用し得るが、多くの並列信号プロセッサを利用し得る。並列信号プロセッサは、離れて位置するハードウェア、またはイーサネット(登録商標)接続またはインターネット接続を介して共に接続されたハードウェアであり得る。本発明の、この目的の第2の局面は、処理速度を最適化するために、異なった機能を様々な並列信号プロセッサに割当てることであり得る。本発明の、この目的の第3の局面は、線形アセンブラおよびレジスタ処理を用いて、少なくとも2つの信号プロセッサによって実行される特殊化された機能の並列動作を強化し、かつこの機能を調整することであり得る。この目的の第4の局面は、デジタルコードの並列処理の使用を最適化するソフトウェアを提することであり得る。本発明の、この目的の第5の局面は、処理の実行時間を低減するために、逐次的変換動作に対称的低減を行うことであり得る。
【0017】
本発明の実施形態の別の目的は、上述の元の信号での複合動作を実行することであり得る。複合動作は、動作が逐次的に、または並列して実行される必要がある速度、関わるパラメータの数、代数式または代数構造の利用、変数を規定する複素数の使用または同種のものが原因で、本発明の以前には可能ではなかったか、または実用的ではなかった動作であり得る。これらの局面のそれぞれは、個別の複合体か、組合わされた複合体であり得る。
【0018】
本発明の実施形態の別の目的は、元の信号をメモリ素子またはメモリストレージ素子に保存することであり得る。この発明の1局面は、元の信号の元の質、または元の量を変更することなく、元の信号を保存することであり得る。これは、質制御の問題にとって、または調整要求または法定(statutory)要求を満たすために必要か、所望であり得る。この目的の別の局面は、元の信号を血流測定器(cytometer)が動作する間に分析するために複製するか、または将来の再分析のために信号を複製し得る。
【0019】
本発明の実施形態の別の目的は、DSP技術に基づく様々なアプリケーションを実施するためのソフトウェアを提供することであり得る。この目的の第1の局面は、例示的補償変換動作を提供し得る。これは、2方式補償、3方式補償、その他、高次数補償セットの補償変換を含み得る。この目的の第2の局面は、例示的補償行列およびその様々な特性を提供することであり得る。この目的の第3の局面は、ソフトウェア表記法(notation)の様々な局面において、例示的な対称的低減を提供することであり得る。第4の局面は、それぞれの信号の色感度を直交(orthogonalize)させるために、蛍光信号の対または群の減法(subtraction)の例示的プログラムを提供することであり得る。
【0020】
しかしながら、本発明の実施形態の別の目的は、増幅された光電子増倍管(PMT)出力のアナログ−デジタル変換器を提供することであり得る。蛍光抗体ラベルの発光スペクトルは広帯域であるので、これらは、8個までの光電子増倍フィルタの通過帯域と重複し得る。従って、偶数番目の1つの抗体ラベルからのデジタル化されたPMT出力は、8個の抗体ラベルと同じ数の効果を含み得る。Shapiroによる「Practical Flow Cytometry」17〜19ページ、163〜166ページ(19 )を参照すべきであり、これは参考のため、本明細書中に援用する。この機能は、色感度が、それぞれの信号に対して直交されることを可能にし、特に、MoFlo(R)血流測定器に関連するアプリケーションを可能にし得る。
【0021】
しかしながら、本発明の実施形態の別の目的は、多数のパラーメータを同時か、または交換可能にラッチする能力、特に、任意の64のMoFlo(R)血流測定器パラメータの最大値を入力としてラッチする能力を提供することであり得る。
【0022】
本発明の実施形態の別の目的は、1対のパラメータ間で強化された補償を実行するために、クロスビーム時間アラインメントを提供することであり得る。この目的の1局面は、見掛けビーム間遷移時間を、3000分の1より少なくなるように、またはアナログ回路設計の実際の能力を超えるように見える、補償されたビーム間の10億分の1秒よりも少ない「時間ジッタ」に低減するということであり得る。
【0023】
本発明の実施形態の別の目的は、デジタルエラー補償を提供することであり得る。デジタル減法は、信号アラインメントの問題を回避するので魅力的であるが、デジタル化の重大なエラーが生じ得る。例えば、明るい信号が大きいダイナミックレンジに渡って補償されると、見た目では、補償密度(population)の杭垣(picket−fence)粗さが識別可能であり得る、デジタル化されたエラーが生じ得る。デジタルエラー補償は、これらのエラーを最小化し得、従って、デジタル情報の質を向上し得る。
【0024】
本発明の実施形態の別の目的は、対数増幅器の最適化を提供することであり得る。通常、対数増幅器は、レンジ全体に渡って理想的な対数作用と一致しない。例えば、一部の対数増幅器は0.4dbの変数を有する。すなわち、任意の所与の入力に対して、完全対数機能に期待された値より上の実際の対数増幅器からの出力信号の比率は、dbで以下のように表わされる。
【0025】
エラー=0.4db=20log10(Vout/Videal)
対数増幅器の最適化は、理想の増幅器により密接に近づく値を提供し得る。
【0026】
本発明の実施形態の別の目的は、オフローディングビンニング(off−loading bining)を提供することであり得る。例えば、粒子の密度の特性は、ビニング変換を用いる追加的な信号プロセッサのメモリに記憶され得る。平均、標準偏差、歪みおよび分離等の、これらの密度の統計的特性は、別個のプロセッサに送られ得、従って、このタスクをオフローディングし、従って、第1のプロセッサおよび区分したプロセッサの性能は向上する。
【0027】
当然のことながら、本発明のさらなる独立した目的は、明細書の他の部分に渡って開示される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) フロー細胞測定方法であって、
a.流体ストリームを確立するステップと、
b.該流体ストリーム中に粒子を入れるステップと、
c.該流体ストリームを撹乱させるステップと、
d.少なくとも一つの粒子に付随する第1の発生を検知するステップと、
e.第1の信号を生成するステップと、
f.該第1の信号からのデータを作成するステップと、
g.該少なくとも一つの粒子に付随する少なくとも一つのさらなる発生を検知するステップと、
h.少なくとも一つのさらなる信号を生成するステップと、
i.該少なくとも一つのさらなる信号からのデータを作成するステップと、
j.該第1の信号からのデータを処理するステップと、
k.該少なくとも一つのさらなる信号からのデータを処理するステップと、
l.少なくとも一つの変換操作を該第1の信号からの処理されたデータに適用するステップと、
m.少なくとも一つの変換操作を該少なくとも一つのさらなる信号からの処理されたデータに適用するステップと、
n.該第1の発生および該少なくとも一つのさらなる発生によって分けられた少なくとも一つのパラメータを補償するステップと、
o.該第1の発生と、少なくとも一つの補償されたパラメータに基づいた該少なくとも一つのさらなる発生とを区別するステップと、
p.該少なくとも一つの粒子を一つの分類に割り当てるステップと、
q.割り当てられた粒子を分離するステップと、
r.該割り当てられた粒子を分類別に収集するステップと
を包含する、方法。
(項目2) 前記少なくとも一つの粒子に付随する第1の発生を検知するステップおよび該少なくとも一つの粒子に付随する少なくとも一つのさらなる発生を検知するステップは、一つの粒子に付随する発生を検知するステップを包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目3) 前記少なくとも一つの粒子に付随する第1の発生を検知するステップおよび該少なくとも一つの粒子に付随する少なくとも一つのさらなる発生を検知するステップは、少なくとも2つの粒子に付随する発生を検知するステップを包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目4) 前記一つの粒子に付随する発生を検知するステップは、連続的発生を検知するステップを包含する、項目2に記載のフロー細胞測定方法。
(項目5) 前記少なくとも2つの粒子に付随する発生を検知するステップは、連続的発生を検知するステップを包含する、項目3に記載のフロー細胞測定方法。
(項目6) 前記一つの粒子に付随する発生を検知するステップは、並列的発生を検知するステップを包含する、項目4に記載のフロー細胞測定方法。
(項目7) 前記少なくとも2つの粒子に付随する発生を検知するステップは、並列的発生を検知するステップを包含する、項目5に記載のフロー細胞測定方法。
(項目8) 前記一つの粒子に付随する発生を検知するステップは、前記同じパラメータに付随する発生を検知するステップを包含する、項目2に記載のフロー細胞測定方法。
(項目9) 前記一つの粒子に付随する発生を検知するステップは、少なくとも2つのパラメータに付随する発生を検知するステップを包含する、項目2に記載のフロー細胞測定方法。
(項目10) 前記少なくとも2つの粒子に付随する発生を検知するステップは、前記同じパラメータに付随する発生を検知するステップを包含する、項目3に記載のフロー細胞測定方法。
(項目11) 前記少なくとも2つの粒子に付随する発生を検知するステップは、少なくとも2つのパラメータに付随する発生を検知するステップを包含する、項目3に記載のフロー細胞測定方法。
(項目12) 前記第1の信号からのデータを作成するステップおよび前記少なくとも一つのさらなる信号を生成するステップは、一つの情報のチャネルを生成するステップを包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目13) 前記第1の信号からのデータを作成するステップおよび前記少なくとも一つのさらなる信号を生成するステップは、複数の情報のチャネルを生成するステップを包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目14) 前記第1の信号からのデータを作成するステップおよび前記少なくとも一つのさらなる信号を生成するステップは、1秒あたり少なくとも10,000の割合で信号を生成するステップを包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目15) 前記物質から区別された成分を分離するステップは、
a.該区別された成分をドロップレットに封じ込めるステップと、
b.区別された成分の分類を有するドロップレットを容器に収集するステップと
を包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目16) 前記区別された成分の分類を有するドロップレットを容器に収集するステップは、1秒あたり少なくとも1,000の割合で発生する、項目15に記載のフロー細胞測定方法。
(項目17) 前記補償情報を第1の信号からの処理されたデータおよび少なくとも一つのさらなる信号からの処理されたデータに適用するステップは、該第1の信号からの処理されたデータおよび第2の信号からの処理されたデータに複素数操作を行うステップを包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目18) 前記第1の信号からの処理されたデータおよび前記第2の信号からの処理されたデータに複合操作を行うステップは、代数操作を行うステップを包含する、項目17に記載のフロー細胞測定方法。
(項目19) 前記代数操作を行うステップは、
a.パラメータ補償変換を前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号に適用するステップと、
b.第1の補償された信号および少なくとも一つのさらなる補償された信号を生成するステップと、
c.該第1の補償された信号および該少なくとも一つのさらなる補償された信号を比較するステップと
を包含する、項目18に記載のフロー細胞測定方法。
(項目20) 前記第1の補償された信号および前記少なくとも一つのさらなる補償された信号を比較するステップは、パラメータで分けられた特性を最小化するステップを包含する、項目19に記載のフロー細胞測定方法。
(項目21) 前記第1の補償された信号および前記少なくとも一つのさらなる補償された信号を比較するステップは、前記少なくとも2つの異なるパラメータで分けられた特性を最小化するステップを包含する、項目19に記載のフロー細胞測定方法。
(項目22) 前記同じパラメータで分けられた特性を最小化するステップは、スペクトルの重複を低減するステップを包含する、項目20に記載のフロー細胞測定方法。
(項目23) 前記少なくとも2つの異なるパラメータで分けられた特性を最小化するステップは、スペクトルの重複を低減するステップを包含する、項目21に記載のフロー細胞測定方法。
(項目24) 前記一つのパラメータで分けられた特性を最小化するステップは、時間的な連続的事象を実質的に整列させるステップを包含する、項目22に記載のフロー細胞測定方法。
(項目25) 前記少なくとも2つの異なるパラメータで分けられた特性を最小化するステップは、時間的な連続的事象を実質的に整列させるステップを包含する、項目23に記載のフロー細胞測定方法。
(項目26) 前記第1の信号からのデータおよび前記一つのさらなる信号からのデータを、少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて処理するステップをさらに包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目27) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップは、前記第1の信号プロセッサと並列で少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップを包含する、項目26に記載のフロー細胞測定方法。
(項目28) 前記第1の信号プロセッサと並列で少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップは、前記第1の信号プロセッサと前記第2の信号プロセッサとを同時に用いるステップを包含する、項目27に記載のフロー細胞測定方法。
(項目29) 前記第1の信号プロセッサと前記第2の信号プロセッサとを同時に用いるステップは、並列リニアコードの使用法を登録するステップを包含する、項目28に記載のフロー細胞測定方法。
(項目30) 前記並列リニアコードの使用法を登録するステップは、デジタル並列リニアコードを登録するステップを包含する、項目29に記載のフロー細胞測定方法。
(項目31) 補償行列を適用するステップをさらに包含する、項目30に記載のフロー細胞測定方法。
(項目32) 補償行列対称的減少を用いて実行時間を低減するステップをさらに包含する、項目31に記載のフロー細胞測定方法。
(項目33) a.前記第1の信号およびメモリ格納要素中の前記少なくとも一つのさらなる信号から元のデータをアッセイするステップと、
b.該第1の信号および修正なしに該メモリ格納要素中に保存された該少なくとも一つのさらなる信号から元のデータを引き出すステップと
をさらに包含する、項目1に記載のフロー細胞測定方法。
(項目34) a.前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号からの前記元のデータを複製するステップと、
b.複製信号を処理するステップと、
c.前記第1の発生および前記少なくとも一つのさらなる発生を、処理された複製信号を用いて翻訳するステップと
をさらに包含する、項目33に記載のフロー細胞測定方法。
(項目35) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサ中に情報を入れるステップをさらに包含する、項目34に記載のフロー細胞測定方法。
(項目36) a.流体ストリームと、
b.該流体ストリーム中に入れられた少なくとも一つの粒子と、
c.発振器と
d.第1のセンサと
e.少なくとも一つの信号生成器と
f.第1の発生に付随する該信号生成器からのデータと、
g.少なくとも一つのさらなる発生に付随する該信号生成器からのデータと、
h.信号プロセッサと、
i.該第1の発生に付随する該信号生成器からの該データの少なくとも一部に適用された変換操作と、
j.第2の発生に付随する該信号生成器からの該データの少なくとも一部に適用された変換操作と、
k.該第1の発生および該第2の発生によって分けられた補償されたパラメータと、
l.粒子区別要素と、
n.粒子割り当て要素と、
o.粒子分離器と、
p.分離された粒子が収集される少なくとも一つの容器と
を備える、フローサイトメータ。
(項目37) 前記信号プロセッサは、前記第1の発生に付随する信号生成器からの前記データの少なくとも一部、および前記第2の発生に付随する信号生成器からの前記データの少なくとも一部に複素数変換操作を行う、項目36に記載のフローサイトメータ。
(項目38) 少なくとも一つのさらなる信号プロセッサをさらに備える、項目37に記載のフローサイトメータ。
(項目39) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサは、前記第1の発生に付随する信号生成器からの前記データの少なくとも一部、および前記第2の発生に付随する信号生成器からの前記データの少なくとも一部に前記複素数変換操作を行う、項目38に記載のフローサイトメータ。
(項目40) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサがデジタル信号プロセッサである、項目39に記載のフローサイトメータ。
(項目41) 前記デジタル信号プロセッサに応答性のメモリ要素をさらに備え、ここで、前記信号生成器からの元のデータは格納され得る、項目40に記載のフローサイトメータ。
(項目42) 元のデータ引き出し要素をさらに備える、項目41に記載のフローサイトメータ。
(項目43) 元のデータ複製要素をさらに備える、項目42に記載のフローサイトメータ。
(項目44) 格納要素をさらに備える、項目43に記載のフローサイトメータ。
(項目45) フロー細胞測定方法であって、
a.流体ストリームを確立するステップと、
b.該流体ストリームを撹乱させるステップと、
c.該流体ストリームに付随する発生を検知するステップと、
d.該発生から信号を生成するステップと、
e.第1の信号プロセッサを用いて該信号を処理するステップと、
f.少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて該信号を処理するステップと、
g.該第1の信号プロセッサおよび該少なくとも一つのさらなる信号プロセッサからの出力を重ね合わせるステップと、
h.該発生を分類するために、重ね合わせた出力を付与するステップと
を包含する、方法。
(項目46) 少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて前記信号を処理するステップは、前記第1の信号プロセッサと並列で少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップを包含する、項目45に記載のフロー細胞測定方法。
(項目47) 前記第1の信号プロセッサと並列で少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップは、該第1の信号プロセッサおよび第2の信号プロセッサを同時に用いて前記信号の少なくとも一部を処理するステップを包含する、項目46に記載のフロー細胞測定方法。
(項目48) 前記第1の信号プロセッサおよび第2の信号プロセッサを同時に用いて前記信号の少なくとも一部を処理するステップは、並列リニアコードの使用法を登録するステップを包含する、項目47に記載のフロー細胞測定方法。
(項目49) 前記並列リニアコードの使用法を登録するステップは、並列デジタル化コードの使用法を登録するステップを包含する、項目48に記載のフロー細胞測定方法。
(項目50) a.前記信号に補償変換を実行するステップと、
b.補償された信号を生成するステップと
をさらに包含する、項目49に記載のフロー細胞測定方法。
(項目51) 前記信号に補償変換を実行するステップは、信号パラメータを補償するステップを包含する、項目50に記載のフロー細胞測定方法。
(項目52) 前記一つのパラメータを補償するステップは、アナログ信号を補償するステップを包含する、項目51に記載のフロー細胞測定方法。
(項目53) 前記アナログ信号を補償するステップは、位相、形状からなる群から選択される変動を最小化するステップを包含する、項目50に記載のフロー細胞測定方法。
(項目54) 前記信号に補償変換を実行するステップは、少なくとも2つの異なるパラメータを補償するステップを包含する、項目50に記載のフロー細胞測定方法。
(項目55) 前記少なくとも2つの異なるパラメータを補償するステップは、該少なくとも2つの異なるパラメータで分けられた特性を最小化するステップを包含する、項目54に記載のフロー細胞測定方法。
(項目56) 前記少なくとも2つの異なるパラメータで分けられた特性を最小化するステップは、スペクトルの重複を低減するステップを包含する、項目55に記載のフロー細胞測定方法。
(項目57) 前記補償変換を実行するステップは、代数操作を適用するステップを包含する、項目50に記載のフロー細胞測定方法。
(項目58) 補償行列を適用するステップをさらに包含する、項目57に記載のフロー細胞測定方法。
(項目59) 前記補償行列に対称的減少を用いて前記信号に補償変換を実行する実行時間を最小化するステップをさらに包含する、項目58に記載のフロー細胞測定方法。
(項目60) 前記信号に補償変換を実行するステップは、1秒あたり少なくとも10,000の発生から生成した信号に補償変換を実行するステップを包含する、項目45に記載のフロー細胞測定方法。
(項目61) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサの情報を入れるステップをさらに包含する、項目45に記載のフロー細胞測定方法。
(項目62) a.メモリ格納要素中の前記信号からの元のデータをアッセイするステップと、
b.修正なしに該メモリ格納要素中に保存された該信号から元のデータを引き出すステップと
をさらに包含する、項目45に記載のフロー細胞測定方法。
(項目63) a.前記信号からの元のデータを複製するステップと、
b.複製信号を処理するステップと、
c.処理された複製信号を用いて前記発生を翻訳するステップと
をさらに包含する、項目45に記載のフロー細胞測定方法。
(項目64) a.流体ストリームと、
b.発生に反応性のセンサと、
c.該センサに結合した少なくとも一つの信号生成器と、
d.信号データに操作を実行するための第1の信号プロセッサと、
e.該信号データに操作を実行するための第2の信号プロセッサと、
f.該第1の信号プロセッサに戻された該第2の信号プロセッサからの補償されたパラメータ出力と、
g.該補償されたパラメータ出力に応答性の粒子区別要素と
を備える、フローサイトメータ。
(項目65) a.粒子割り当て要素と、
b.粒子分離器と、
c.分離された粒子が収集される少なくとも一つの容器と
をさらに備える、項目64に記載のフローサイトメータ。
(項目66) フロー細胞測定方法であって、
a.流体ストリームを確立するステップと、
b.該流体ストリームに付随する第1の信号を生成するステップと、
c.該流体ストリームに付随する少なくとも一つのさらなる信号を生成するステップと、
d.該第1の信号および該少なくとも一つのさらなる信号に、パラメータ補償変換を適用するステップと、
e.第1の補償された信号および少なくとも一つのさらなる補償された信号を生成するステップと、
f.該第1の補償された信号および該少なくとも一つのさらなる補償された信号を比較するステップと、
g.該第1の補償された信号および該少なくとも一つのさらなる補償信号の比較に基づいた発生を分類するステップと
を包含する、フロー細胞測定方法。
(項目67) 前記パラメータ補償変換からの出力に補償行列を適用するステップをさらに包含する、項目66に記載のフロー細胞測定方法。
(項目68) 前記実行時間を低減するために前記補償行列内に対称的減少を用いるステップをさらに包含する、項目67に記載のフロー細胞測定方法。
(項目69) 前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号をデジタル化するステップをさらに包含する、項目68に記載のフロー細胞測定方法。
(項目70) 第1の信号プロセッサと並列で少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号を処理するステップをさらに包含する、項目69に記載のフロー細胞測定方法。
(項目71) 前記第1の信号プロセッサと並列で少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップは、該第1の信号プロセッサおよび第2の信号プロセッサを同時に用いて該信号の少なくとも一部を処理するステップを包含する、項目70に記載のフロー細胞測定方法。
(項目72) 前記第1の信号プロセッサおよび第2の信号プロセッサを同時に用いて前記信号の少なくとも一部を処理するステップは、並列デジタルリニアコードの使用法を登録するステップを包含する、項目71に記載のフロー細胞測定方法。
(項目73) 前記第1の信号および少なくとも一つのさらなる信号に補償変換を行うステップは、1秒あたり少なくとも10,0000変換の割合で補償変換を行うステップを包含する、項目66、67、68、69、70、71または72のいずれかに記載のフロー細胞測定方法。
(項目74) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサ内に情報を入れるステップをさらに包含する、項目73に記載のフロー細胞測定方法。
(項目75) a.メモリ格納要素内の前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号から元のデータを分析するステップと、
b.該メモリ格納要素内に格納された該第1の信号および該少なくとも一つのさらなる信号から元のデータを変更することなく取り出すステップと
をさらに包含する、項目74に記載のフロー細胞測定方法。
(項目76) a.前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号から前記元のデータを重複させるステップと、
b.重複信号を処理するステップと、
c.処理された重複信号を用いて前記発生を翻訳処理するステップと
をさらに包含する、項目75に記載のフロー細胞測定方法。
(項目77) a.流体ストリームと、
b.発生に応答するセンサと、
c.該センサに接続された少なくとも一つの信号生成器と、
d.該少なくとも一つの信号生成器によって生成された第1の信号と、
e.該少なくとも一つの信号生成器によって生成された少なくとも一つのさらなる信号と、
f.該第1の信号と該少なくとも一つのさらなる信号とに応答する信号プロセッサと、
g.該第1の信号と該少なくとも一つのさらなる信号とに行われる変換演算と、
h.補償された信号比較要素と、
i.該補償された信号比較要素に応答する粒子区別要素と
を備える、フローサイトメータ。
(項目78) a.流体ストリームを確立するステップと、
b.該流体ストリームを混乱させるステップと、
c.該流体ストリームに付随する発生を検知するステップと、
d.該発生から信号を生成するステップと、
e.該信号に複素演算を行うステップと、
f.該複素演算による出力を用いてフロー細胞測定を行うステップと
を包含する、フロー細胞測定方法。
(項目79) 前記信号に複素演算を行うステップは、該信号に代数演算を行うステップを包含する、項目78に記載のフロー細胞測定方法。
(項目80) 前記信号に代数演算を行うステップは、該信号に補償変換を行うステップを包含する、項目79に記載のフロー細胞測定方法。
(項目81) 前記信号に補償変換を行うステップは、一つのパラメータを補償するステップを包含する、項目80に記載のフロー細胞測定方法。
(項目82) 前記一つのパラメータを補償するステップは、シリアルアナログ信号を補償するステップを包含する、項目81に記載のフロー細胞測定方法。
(項目83) 前記信号に補償変換を行うステップは、少なくとも二つのパラメータを補償するステップを包含する、項目80に記載のフロー細胞測定方法。
(項目84) 前記少なくとも二つのパラメータを補償するステップは、少なくとも二つのシリアルアナログ信号を補償するステップを包含する、項目83に記載のフロー細胞測定方法。
(項目85) 前記シリアルアナログ信号を補償するステップは、位相および形状からなる群から選択される変分を最小化するステップを包含する、項目81または84に記載のフロー細胞測定方法
(項目86) 前記補償変換を行うステップは、共通の特徴を最小化するステップを包含する、項目80に記載のフロー細胞測定方法。
(項目87) 前記共通の特徴を最小化するステップは、スペクトルの重なりを低減するステップを包含する、項目80に記載のフロー細胞測定方法。
(項目88) 前記補償変換を行うステップは、時間的に連続した事象を実質的に並べるステップを包含する、項目80に記載のフロー細胞測定方法。
(項目89) 補償行列を用いるステップをさらに包含する、項目80に記載のフロー細胞測定方法。
(項目90) 補償行列対称性減少を用いて実行時間を低減するステップをさらに包含する、項目89に記載のフロー細胞測定方法。
(項目91) 少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて前記信号からの前記データを処理するステップをさらに包含する、項目78に記載のフロー細胞測定方法。
(項目92) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いるステップは、少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを第1の信号プロセッサと並行して用いるステップを包含する、項目91に記載のフロー細胞測定方法。
(項目93) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを第1の信号プロセッサと並行して用いるステップは、該第1の信号プロセッサと前記第2の信号プロセッサとを同時に用いるステップを包含する、項目92に記載のフロー細胞測定方法。
(項目94) 前記第1の信号プロセッサと第2の信号プロセッサとを同時に用いるステップは、平行線コードの使用法を記録するステップを包含する、項目93に記載のフロー細胞測定方法。
(項目95) 前記平行線コードの使用法を記録するステップは、デジタル平行線コードを記録するステップを包含する、項目94に記載のフロー細胞測定方法。
(項目96) a.メモリ格納要素内の前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号から元のデータを分析するステップと、
b.該メモリ格納要素内に格納された該第1の信号および該少なくとも一つのさらなる信号から元のデータを変更することなく取り出すステップと
をさらに包含する、項目91に記載のフロー細胞測定方法。
(項目97) a.前記第1の信号および前記少なくとも一つのさらなる信号から前記元のデータを重複させるステップと、
b.重複信号を処理するステップと、
c.処理された重複信号を用いて、前記第1の発生と前記少なくとも1つのさらなる発生とを翻訳処理するステップと
をさらに包含する、項目96に記載のフロー細胞測定方法。
(項目98) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサ内に情報を入れるステップをさらに包含する、項目97に記載のフロー細胞測定方法。
(項目99) a.流体ストリームと、
b.発生に応答するセンサと、
c.該センサに接続された少なくとも一つの信号生成器と、
d.該少なくとも一つの信号生成器によって生成された信号と、
e.該第1の信号と該少なくとも一つのさらなる信号とに応答する信号プロセッサと、
f.該信号に用いられる複素演算と、
g.補償信号と
を備える、フローサイトメータ。
(項目100) a.流体ストリームを確立するステップと、
b.該流体ストリーム内の物質を飛沫同伴させるステップと、
c.該流体ストリームを混乱させるステップと、
d.該物質に付随する発生を検知するステップと、
e.該発生から信号を生成するステップと、
f.該信号をデジタル化するステップと、
g.該デジタル信号を用いて該発生を翻訳処理するステップと
を包含する、フロー細胞測定方法。
(項目101) 連続発生を検知するステップをさらに包含する、項目100に記載のフロー細胞測定方法。
(項目102) 複数の並行連続発生を検知するステップをさらに包含する、項目100に記載のフロー細胞測定方法。
(項目103) 前記連続発生は、1秒あたり少なくとも1,000の割合である、項目101または102に記載のフロー細胞測定方法。
(項目104) メモリ格納要素に前記デジタル信号を格納するステップをさらに包含する、項目103に記載のフロー細胞測定方法。
(項目105) 前記メモリ格納要素に格納された前記デジタル信号を重複させるステップをさらに包含する、項目104に記載のフロー細胞測定方法。
(項目106) 第1の信号プロセッサを用いて重複デジタル信号を処理するステップをさらに包含する、項目105に記載のフロー細胞測定方法。
(項目107) 少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて前記重複デジタル信号を処理するステップをさらに包含する、項目106に記載のフロー細胞測定方法。
(項目108) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを前記第1の信号プロセッサと並行して用いるステップは、該第1の信号プロセッサと前記第2の信号プロセッサとを同時に用いて前記重複デジタル信号の少なくとも一部分を処理するステップを包含する、項目107に記載のフロー細胞測定方法。
(項目109) 前記第1の信号プロセッサと第2の信号プロセッサとを同時に用いてデジタル信号の少なくとも一部分を処理するステップは、デジタル平行線コードの使用法を記録するステップを包含する、項目108に記載のフロー細胞測定方法。
(項目110) 前記デジタル信号に複素演算を行うステップをさらに包含する、項目109に記載のフロー細胞測定方法。
(項目111) 前記デジタル信号に複素演算を行うステップは、該デジタル信号に代数演算を行うステップを包含する、項目110に記載のフロー細胞測定方法。
(項目112) 前記デジタル信号に代数演算を行うステップは、該信号に補償変換を行うステップを包含する、項目111に記載のフロー細胞測定方法。
(項目113) 前記信号に補償変換を行うステップは、一つのパラメータを補償するステップを包含する、項目112に記載のフロー細胞測定方法。
(項目114) 前記一つのパラメータを補償するステップは、シリアルアナログ信号を補償するステップを包含する、項目113に記載のフロー細胞測定方法。
(項目115) 前記シリアルアナログ信号を補償するステップは、位相および形状からなる群から選択される変分を最小化するステップを包含する、項目114に記載のフロー細胞測定方法。
(項目116) 前記信号に補償変換を行うステップは、少なくとも二つの異なるパラメータを補償するステップを包含する、項目112に記載のフロー細胞測定方法。
(項目117) 前記少なくとも二つの異なるパラメータを補償するステップは、該少なくとも二つの異なるパラメータに共通の特徴を最小化するステップを包含する、項目116に記載のフロー細胞測定方法。
(項目118) 前記少なくとも二つの異なるパラメータに共通の特徴を最小化するステップは、スペクトルの重なりを低減するステップを包含する、項目117に記載のフロー細胞測定方法。
(項目119) 補償信号を生成するステップをさらに包含する、項目118に記載のフロー細胞測定方法。
(項目120) 前記デジタル信号を再処理するステップをさらに包含する、項目119に記載のフロー細胞測定方法。
(項目121) 前記デジタル信号を用いて発生を翻訳処理するステップは、前記補償信号を用いて前記物質の成分を区別するステップを包含する、項目120に記載のフロー細胞測定方法。
(項目122) 区別成分を分類するステップをさらに包含する、項目121に記載のフロー細胞測定方法。
(項目123) 前記区別成分を前記物質から分離するステップをさらに包含する、項目122に記載のフロー細胞測定方法。
(項目124) 前記区別成分を前記物質から分離するステップは、
a.該区別成分をドロップレット内にカプセル化するステップと、
b.1クラスに属する区別成分を有するドロップレットを容器内に収集するステップと
を包含する、項目123に記載のフロー細胞測定方法。
(項目125) 前記1クラスに属する区別成分を有するドロップレットを容器内に収集するステップは、1秒あたり少なくとも1000の割合で生じる、項目124に記載のフロー細胞測定方法。
(項目126) a.流体ストリームと、
b.該流体ストリーム内で飛沫同伴する物質と、
c.該流体ストリーム内で飛沫同伴する該物質に付随する発生に応答するセンサと、
d.該センサに接続された少なくとも一つの信号生成器と、
e.該少なくとも一つの信号生成器によって生成された信号データと、
f.信号データディジタイザーと、
g.デジタル信号に応答するデジタル信号プロセッサと
を備える、フローサイトメータ。
(項目127) a.流体ストリームを確立するステップと、
b.該流体ストリームに付随する発生を検知するステップと、
c.該発生から元の信号を生成するステップと、
d.メモリ格納要素内に該元の信号を格納するステップと、
e.該元の信号を重複させるステップと、
f.重複信号を処理するステップと、
g.処理された重複信号を用いて該発生を翻訳処理するステップと
を包含する、フロー細胞測定方法。
(項目128) 前記メモリ格納要素に保存された前記元の信号を変更することなく取り出すステップをさらに包含する、項目127に記載のフロー細胞測定方法。
(項目129) 前記重複信号を再処理するステップをさらに包含する、項目128に記載のフロー細胞測定方法。
(項目130) 前記取り出された元の信号を再処理するステップをさらに包含する、項目129に記載のフロー細胞測定方法。
(項目131) 前記流体ストリーム内で物質を飛沫同伴させるステップをさらに包含する、項目130に記載のフロー細胞測定方法。
(項目132) 前記処理された重複信号を用いて発生を翻訳処理するステップは、該処理された重複信号を用いて前記物質の成分を区別するステップを包含する、項目131に記載のフロー細胞測定方法。
(項目133) 区別成分を分類するステップをさらに包含する、項目132に記載のフロー細胞測定方法。
(項目134) 前記区別成分を前記物質から分離するステップをさらに包含する、項目133に記載のフロー細胞測定方法。
(項目135) 前記区別成分を前記物質から分離するステップは、
a.該区別成分をドロップレット内にカプセル化するステップと、
b.1クラスに属する区別成分を有するドロップレットを容器内に収集するステップと
を包含する、項目134に記載のフロー細胞測定方法。
(項目136) 前記1クラスに属する区別成分を有するドロップレットを容器内に収集するステップは、1秒あたり少なくとも1000の割合で生じる、項目135に記載のフロー細胞測定方法。
(項目137) 前記流体ストリームに付随する発生を検知するステップは、連続発生を検知するステップを包含する、項目127に記載のフロー細胞測定方法。
(項目138) 前記流体ストリームに付随する発生を検知するステップは、複数の並行連続発生を検知するステップを包含する、項目127に記載のフロー細胞測定方法。
(項目139) 前記連続発生は、1秒あたり少なくとも10,000の割合を有する、項目138に記載のフロー細胞測定方法。
(項目140) 前記発生からの前記元のデータをデジタル化するステップをさらに包含する、項目127に記載のフロー細胞測定方法。
(項目141) 少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを用いて前記重複デジタル信号を処理するステップをさらに包含する、項目140に記載のフロー細胞測定方法。
(項目142) 前記少なくとも一つのさらなる信号プロセッサを第1の信号プロセッサと並行して用いるステップは、該第1の信号プロセッサと該少なくとも一つのさらなる信号プロセッサとを同時に用いて前記重複デジタル信号の少なくとも一部分を処理するステップを包含する、項目141に記載のフロー細胞測定方法。
(項目143) 前記第1の信号プロセッサと少なくとも一つのさらなる信号プロセッサとを同時に用いて重複デジタル信号の少なくとも一部分を処理するステップは、デジタル平行線コードの使用法を記録するステップを包含する、項目142に記載のフロー細胞測定方法。
(項目144) 前記重複デジタル信号に複素演算を行うステップをさらに包含する、項目141に記載のフロー細胞測定方法。
(項目145) 前記重複デジタル信号に複素演算を行うステップは、該重複デジタル信号に代数演算を行うステップを包含する、項目144に記載のフロー細胞測定方法。
(項目146) 前記重複デジタル信号に代数演算を行うステップは、該重複デジタル信号に補償変換を行うステップを包含する、項目145に記載のフロー細胞測定方法。
(項目147) 前記重複デジタル信号に補償変換を行うステップは、一つのパラメータを補償するステップを包含する、項目146に記載のフロー細胞測定方法。
(項目148) 前記一つのパラメータを補償するステップは、シリアルデジタルアナログ信号を補償するステップを包含する、項目147に記載のフロー細胞測定方法。
(項目149) 前記シリアルアナログ信号を補償するステップは、位相および形状からなる群から選択される変分を最小化するステップを包含する、項目148に記載のフロー細胞測定方法。
(項目150) 前記信号に補償変換を行うステップは、少なくとも二つの異なるパラメータを補償するステップを包含する、項目146に記載のフロー細胞測定方法。
(項目151) 前記少なくとも二つの異なるパラメータを補償するステップは、該少なくとも二つの異なるパラメータに共通の特徴を最小化するステップを包含する、項目150に記載のフロー細胞測定方法。
(項目152) 前記少なくとも二つの異なるパラメータに共通の特徴を最小化するステップは、スペクトルの重なりを低減するステップを包含する、項目151に記載のフロー細胞測定方法。
(項目153) a.流体ストリームと、
b.該流体ストリームに付随する発生と、
c.該流体ストリームに付随する該発生に応答するセンサと、
d.該センサに接続された少なくとも一つの信号生成器と、
e.該少なくとも一つの信号生成器によって生成された信号データと、
f.該信号データを格納するためのメモリ要素と、
g.格納された信号データ取り出し要素と、
h.格納された信号重複器と、
i.重複信号に応答する少なくとも一つの信号プロセッサと
を備える、フローサイトメータ。
(項目154) 項目1〜153に実質上記載かつ添付の実施例のうち任意の実施例に記載の方法。
(項目155) 項目1〜154に実質上記載かつ添付の実施例のうち任意の実施例に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、組合わされた様々な機能を示す、本発明の血流測定器実施形態の模式的横断面図を示す。
【図2】図2は、本発明の実施形態のハードウェアを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(V.本発明を実施するためのモード)
特に、強化血流測定器は、動作中に様々なパラメータに付帯する生信号情報または元の信号情報を処理するDSP技術および方法を利用し、環境パラメータ、計器パラメータまたはシース流体流れ内で同調(entrained)された粒子、あるいはセルに付帯するパラメータを含むが、これらに制限されず、それらの粒子またはセルの血流測定器が高速で動作されたとしても、複合評価、識別、割り当ておよび分離を可能にする。通常、データ取得、データ変換、パラメータ補償、および複数の並列の、または逐次的イベントを分離するための補償されたパラメータ利用化システムは、様々な分野およびアプリケーションにおいて有用であり得る。
【0030】
本発明のこれらの局面について述べる中で、MoFlo(R)(Cytomation,Incの商標)血流測定器システム、およびそれらのシステムのSummit(R)(同様に、Cytomation,Incの商標)の性能について言及され得る。これらのシステムのそれぞれは、最新技術の血流測定器性能を代表し、極めて高速の実用的血流測定システムというだけではなく、当業者に周知でもある。
【0031】
次に、図1を参照して、本発明の好適な実施形態が詳細に示され得る。流体源(2)を有する血流測定器(1)は、流体流れを確立し得、粒子(3)は、この中へ浮べられ得る。粒子のソース(4)は、少なくとも1つの粒子が流れの中で浮遊するように、および流体力学的に流れの中で集中されるように、粒子を時々挿入し得る。流体流れに反応を示す発振器(5)は、流体流れを激しくかき回す。流体流れ(2)および粒子(3)で構成されるジェット流または流体流れ(6)は、その後、血流測定器のノズル(7)の先端の下方に確立され得る。流れは、単一の粒子を包み込む小滴(8)が生じ、流れの連続部分から離脱するように、定常状態条件で確立される。この定常方式で流れが確立されると、安定した小滴の離脱点が確立され得る。小滴離脱点(9)の下に自由落下区域(10)が存在し得る。この自由落下区域は、小滴が流れの連続部分から離脱し小滴が移動する領域を例示する。レーザとレシーバとの組合わせ(または分離した)等のセンサー(12)は、粒子の流れをモニタリングするために用いられ得る。センサーは発生を感知し得、信号(15)を生成する。例えば、センサー(12)のそばで流体流れに向けられた光のコヒーレントビームは、流れ(6)の中で遮断し、その後、蛍光または散乱光線が放射され得る。放射された蛍光は、光電子増倍管等のレシーバによってキャプチャされ得、信号(15)が生成される。蛍光発生からセンサーによって生成された信号の分析に基づいて、粒子(単数または複数)は識別され、クラスに割当てられ得る。場所(11)を満たす小滴は、自由落下区域に沿った地点において存在し得る。粒子の割当てに基づいて、小滴は、積極的に満たされるか、消極的に満たされるか、または満たされない状態のままであり得る。
【0032】
荷電液滴は、自由落下ゾーンに落下するため、静電場(12)を通過し得る。液滴が正または負の電荷によって荷電される場合、これらの静電プレートの間に確立された電場は荷電液滴を反射して、反射された液滴(13)の軌道と中性液滴の軌道とは、1つの種類の粒子クラスを別の種類の粒子クラスから分離する機能を果たし得る。これらの分離された粒子は、次いで、容器(単数または複数)(14)内に収集され得る。さらに、異なる量の電荷を利用するなどの別の技術を用いて、多数のクラスの粒子の割当ておよび分離が達成され得る。粒子のクラスを分離する速度または分類速度は、少なくとも毎秒1000であり得る。
【0033】
センサ(12)を使用して監視または感知が行われ得、次いで、フローサイトメトリーまたは多数の他の機器(個別にまたは組み合わせて使用される)の操作に関連する種々のパラメータ(16)に付随する信号(15)の補助または生成が行われ得る。上記のように、未処理またはオリジナルの信号(単数または複数)は、流体ストリーム(2)によって運ばれる細胞などであり得る単一粒子(3)の単一特性または複数特性に関連付けられ得る。あるいは、オリジナルの信号は、一連の粒子(3)または流体ストリーム(2)内の細胞の単一特性または複数特性に関連付けられ得る。上記でさらに説明されるように、同時発生(平行発生)の感知、または時間離散発生(discrete occurreneces over time)(連続発生)の感知により、1つ、2つ、または任意の数の別のパラメータ(MoFlo(R)フローサイトメトリーにおいて、少なくとも64パラメータ)を表す多数の信号が生成され得る。感知される発生の速度は、毎秒いくつかの発生の間で異なり得るか、または毎秒約10,000発生〜毎秒約800,000発生、またはそれ以上であり得る。オリジナルの信号はまた、例えば、ジェットもしくはノズルにおける流体力学の変化、装置自体の性能の変化(例えば、光電子増倍管からの基準電子信号の変化など)、または温度もしくは圧力などの外部条件が変化したことによる装置の性能の変化を表し得る。具体的には、図1に示すように、パラメータは、励起されるとフルオレッセインイソチオシアネート(FITC)の蛍光発光に付随する種々の局面であり得、パルス幅、順方向散乱、側面散乱、FITCの未処理情報、未処理PE、未処理PECYSなどを含む。必然的に、多数の他のパラメータもまた監視され得、これらの特定の例は、包括的なリストよりむしろガイドとして使用されることを意図する。
【0034】
MoFlo(R)システムは、例えば、従来の12ビットパラメータのいくつかを監視し、このパラメータは、パルス幅、AD変換器(ADC)、チャネル出力、タイマー出力、ルックアップ表(LUT)出力、および分類器出力を含む。MoFlo(R)のユーザは、別のパラメータを計算する必要性または所望を有し得、それには、広帯域蛍光発光の不必要な副作用に関してADC出力を補償し、ADCチャネルの速度を計算し、かつ、ADCパラメータが3D以上の比較的高い次元の領域の内または外のどちらに入るかを計算することなどが含まれる。MoFlo(R)システム、他の種類のフローサイトメトリーシステム、または他の種類の機器などの機器の性能を発展させるため、本発明は、別の信号プロセッサ(17)を少なくとも1つ使用して、第1の信号からの処理されたデータと第2以上の信号からの処理されたデータとに補償操作を適用する。これは、第1の信号プロセッサ(18)のデータ処理と平行してまたは同時に起こり得る。信号(または、信号を生成した発生)によって共有されるパラメータの少なくとも1つに関する別の信号プロセッサからの補償出力は、補償パラメータ(単数または複数)に基づく第1の信号と第2の信号との間の分化の増強を可能にする。補償データは、次いで、例えば、第1の信号プロセッサの機能を管理するデータに組み合わせられ、発生を分類かつ分離するために適用され得る。
【0035】
(通過、変換、およびリターン)
図1を再び参照すると、上記のように、フローサイトメトリーから出現するデータは、別の信号プロセッサを少なくとも1つ利用し得、この別の信号プロセッサは、例えば、第1の信号プロセッサと同時に使用され得る平行デジタル信号プロセッサ(17)であり得る。フローサイトメトリーによって生成される各信号からのオリジナルの未処理データまたはオリジナルの未処理データの一部分は、16ビットのデータワードを32以上有する表としてアセンブルされ得る。第1の16データワードは、表面または内部マーカーとして使用される励起蛍光色素からの蛍光発光などの発生から得られる未処理データ出力であり得る。第1の16データワードは別の信号プロセッサを通過し得、変換された出力は、次いで、第2(またはそれ以上)の16データワードに提示され得る。最終補償パラメータは、第1の信号プロセッサに戻され、第1の信号プロセッサの出力と組み合わされ、次いで、提示または表示される。これは、多くの場合、通過およびリターンのデジタル信号パスと呼ばれる。
【0036】
必然的に、特定のアプリケーションに関する数字データフォーマットを一致させる必要がある。例えば、12ビットのMoFlo(R)未処理データは、12.0フォーマットの符号のない固定小数点の整数とみなされ得、すなわち、固定小数点の左側には12整数ビットがあり、固定小数点の右側には0分数ビットがある。これによって、0x000(0)〜0xFFF(4095)の範囲がもたらされる。第2の信号プロセッサ(17)からの補償パラメータ出力は、同じフォーマットである必要があり得る。内部データ操作を必要に応じて変更して、必須のアルゴリズムが実行され得る。使用され得る可能な内部データフォーマットは、例えば、2の補数、符号付きの整数、符号付きまたは符号なしの分数固定小数点の数字、または浮動小数点の小数である。種々のCPLD/FPGAまたはデジタル信号処理のフォンノイマンもしくはハーバードによるプログラム、データおよびI/Oアーキテクチャが、アルゴリズムを実行するために必要に応じて用いられ得る。補償パラメータに関するアルゴリズムおよびパラメータ係数は、機器を操作する間に変更され得る。所望であれば、例えば、MoFlo(R)システムにおいて、操作時間内にシステムの第1のコンピュータから、例えば、MFIO Rev B Control Word Busを介して、同じプログラミング規則を用いてダウンロードされ得る必要がある。
【0037】
平行して使用される別の信号プロセッサ(単数または複数)は、多数の信号、チャネル、またはパラメータからのデータが同時に補償変換されるほど十分に速い補償パラメータを提供し得る。第1の16データワードの群における操作の速度は、第2の16データワードの群が利用可能になる前に生じ得る。各データワードは、少なくとも毎150ナノ秒という速度で、別の信号プロセッサを通過し得る。従って、別の信号プロセッサは、最大で約2410ナノ秒の間に、割り当てられた16データワードの全ての操作を行い得る。
【0038】
このように、信号(単数または複数)からデータの補償変換操作を行うことによって、フローサイトメトリー操作の間に発生を分化するための補償パラメータが提供され得る。フローサイトメトリーまたは他の機器のこのような実時間の操作において、別の信号プロセッサ(単数または複数)は、分化される発生の速度が毎秒1000〜毎秒800,000発生の場合でも、選択されたパラメータに関して補償変換操作を行い得る。必然的に、この別の信号プロセッサ(単数または複数)は、低速度の発生にも補償変換操作を適用し得る。
【0039】
別の信号プロセッサ(単数または複数)によって生成された補償パラメータは、次いで、第1の信号プロセッサに戻される。このように、第1の信号プロセッサは別の信号プロセッサ(単数または複数)よりも、異なるタスクに関するデータを管理し得る。本発明の一実施形態において、第1の信号プロセッサは、データ管理および表示のタスクを実行し得、別の信号プロセッサは、数ある中でも、オリジナルの信号に対する補償変換機能を実行する。従って、データの管理および表示ならびにパラメータ補償変換のタスクの分離は、正確かつ信頼のおける機能を達成するための重要な要件であり得る。
【0040】
本発明を用いる一例にすぎないが、別の信号プロセッサ(単数または複数)の有無に関わらず、複雑な操作を含む補償変換を、8PMTフィルタの通過帯に重複する蛍光抗体ラベルの発光スペクトルにおいて実行してもよい。補償変換操作は以下の形式であり得、これは好適な構成であり得るが、多種多様の別の実施形態が可能である。
【0041】
(2方向補償)
0〜1000mvの2つの線形信号は、対数および線形電圧(linear voltage)が以下のように関連する様態でログ信号に変換される。
【0042】
log=A.log(Vlin/Vth) (1)
log=A.log(Vlin/Vth) (2)
ここで、
A=10000/log(10000/Vth
である。V/thは通常1ミリボルトである。この式は、1ミリボルト〜10000ミリボルトの入力が、10毎に2.5ボルトを用いて0ミリボルト〜10000ミリボルトのログ信号を生成することを保証する。補償パラメータは、2つのパラメータ間のクロストークを取り去ったパラメータである。これは、以下によって得られる。
【0043】
1clin=Vlin(1−C12)^Vlin/Vlin
(3)
2clin=Vlin(1−C21)^Vlin/Vlin
(4)
対数値からVlinおよびVlinを回収(recover)するために、(1)および(2)の逆関数が求められ得る。
【0044】
lin=Vthexp(Vlog/A)
(5)
lin=Vthexp(Vlog/A)
(6)
これらの線形値は、次いで、上記の(3)および(4)に適応され、(1)および(2)の再適用により対数に変換され得る。
【0045】
実際、この計算は、線形範囲(linear range)が0〜4095(デジタル化された後)であり、閾値が4095./10000.0であるデジタル値に関して実行される。
【0046】
(3方向補償)
これは、補償セットに関する式が以下のようであること以外は数学的に同じプロセスであり、より高いオーダーの補償セットに関しても同様である。
【0047】
1clin=Vlin(1−C12)^Vlin/Vlin(1−C13)^Vlin/Vlin...
(7)
2clin=Vlin(1−C21)^Vlin/Vlin(1−C23)^Vlin/Vlin...
(8)
3clin=Vlin(1−C31)^Vlin/Vlin(1−C32)^Vlin/Vlin...
(9)
ルックアップ表を用いて、N色の補償が以下の方法で行われ得る。変換に関するこの注釈に従うと、N色の補償がN−1の2Dルックアップに分解され得ることが明らかである。例えば、真数から対数に戻って遂行する際の3色の補償出力は、以下のようになり得る。
【0048】
1clog=Vlog−exp(Vlog−Vlog).log(1−c12)−exp(Vlog−Vlog).log(1−c13
最初の2つの項とこの式の最後の項とをひとまとめにすると、以下に等しくなる。
【0049】
1clog=LUT(Vlog,Vlog)−LUT(Vlog,Vlog
(変換の適用)
以下の表記規則を用いて、8×8の補償マトリックスを説明する。
n=0〜7の場合、pncは補償出力である。
n=0〜7の場合、pは入力ログ信号である。
jkが−.999〜.999の範囲の分数補償値である場合、cjkは補数係数=−Alog(1−Cjk)である。
e(p−p)=exp((p−p)/A)
A=4095.0/log(10000)=444.6
補償マトリックスは、以下のようであり得る。
【0050】
【数1】

jkは正または負であり、パラメータはマトリックスの対角線に沿っており、そのパラメータから他の値を引くことに留意されたい。
【0051】
(特性)
・対角線の周りは対称的であり、対角線の片側にあるe(p−p)項は反対側にある項の逆数である。しかし、整数算術DSPデバイスにおいて除算は時間のかかる操作であるため、これは有用な対称性でない。
・関数e(p−p)は、pが常に正でありかつ0〜4095の範囲であり得るため、exp(−4095/A)〜exp(4095/A)の範囲であり得る。これは、1/10000〜10000の10毎に8桁の範囲である。整数算術を素早く行うために、好適には、e(p−p)の計算は、メモリスペースを維持するために16ビットマップを用いて行われる必要がある。しかし、1.0より小さな比較的低い範囲の値が不適切に表されている。これは、計算の正確さが、e(p−p)のマッピングされた全ての値にわたって維持され得ないことを意味する。
・正確さを維持するために、2つのマップ(e()の正の独立変数に1つおよび負の独立変数に1つ)を有する必要があり得る。
これらの制約によって、このマトリックスを解くために必要であり得る操作の数を計算し得る。
【0052】
【数2】

6201DSPは、5nsクロックサイクルで動作する。従って、非最適実行のこの計算は5708=3540nsになる。MoFlo(R)パラメータバスは、フレームワードにつき150nsで動作し、従って、MoFlo(R)データワードの数は、以下の通りである。
【0053】
3540/150=23.6
最後の補償パラメータは、スロット10内にある。出力は、データワード16において準備ができている必要がある。対角線から外れた要素e(p−p)が全てのパラメータの混合体であり得るため、各MoFlo(R)パラメータに出くわすたびに計算マトリックスを行うことはできない。DSPのパイプライン処理および平行アーキテクチャは、この計算時間を実質的に減少させ得る。
【0054】
実行時間を減少させるために、このセットを対称的に減少させ得る。上記の方程式にe(p)を掛け合わせて、対角線の項を左側に移動させ得る。
【0055】
【数3】

【0056】
【数4】

このマトリックスの実行時間は2660nsであり、MoFlo(R)フレームワード=2660/150=17.7MoFlo(R)データワードである。
【0057】
直線アセンブラおよびレジスタ用法の最適化を用いて、並列動作を改良すると、本明細書中に参考として援用する付帯書Aに説明する、並列コードを得ることが可能である。このプログラムおよび上述の実施例は、特定のハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズム、アプリケーションまたは構成に本発明を限定することを意図しないが、種々の実施形態の形態を取り得る本発明を生成および使用する際にガイドとして提供される。本発明の特定の実施形態は、フロー血球計算器のコンテキストまたはその他の場合、以下のようであり得る。
【0058】
特定のアプリケーションにおいて、発生(occurrence)を時間的に分離することが可能である。時間的に分離された発生は、例えば、フロー血球計算器のコンテキストにおいて、粒子が種々のフロー血球計算器プロセスを移動するため、同じ粒子用に生成された異なる元または生の信号であり得る。上述したように、これらのフロー血球計算器プロセスは、流体ストリーム内へのエントレイメント、境界蛍光色素の励起、クラスへの割り当ておよび割り当てられたクラスへの粒子の分離を含む。時間的に分離された発生は、各種類の蛍光色素が異なる時間点において励起される、いくつかの異なる蛍光色素によってラベル付けされた粒子も含み得る。ここでも、時間的に分離された発生は、一連のラベル付けされた細胞からの蛍光色素の発光など、同じパラメータに関してそれぞれがモニタリングされる一連の別個の発生であったり、蛍光色素の発光が減衰する場合等に見られる蛍光色素の発光の特徴など、時間的に別個の期間においてモニタリングされる単一の発生であり得る。もちろん、時間的に分離された発生を有する多くの他の例を提供することが可能である。これらの空間的分離した発生により、時間的に分離された元の信号の出力が生じる。パススルー、補償変換およびリターンを用いて、さらなる信号プロセッサ(単数または複数)を用いると、この一時的分離が排除され得る。いくつかの場合、これにより、複数の分離レーザを用いて、経時的に複数の蛍光色素を励起させるような、これまでには可能ではなかった特定の用途を可能にし、他の場合には、元の信号により、器具の動作の間でさえも、発生と発生との間に適用される補償変換と、発生と発生との間のより正確な区別の方法とを実行することが可能である。類似の回路部によって一時的分離を排除することが困難であるため、しばしば、「時間変動」に対する許容度が低い動作などの動作を、類似の構成を用いて実行することが不可能である。
【0059】
特定の用途において、同じパラメータまたは異なるパラメータ間の「クロストーク(cross talk)」が生じ得る。元の信号または生信号における補償変換によって、同じ発生または異なる発生に付随する同じパラメータまたは異なるパラメータ間の「クロストーク」、同じパラメータに付随する異なる発生、またはに付随する「クロストーク」を排除し得る。上述したように、異なる種類の蛍光色素の発光間の「クロストーク」は、補償された。補償変換により、生の元の蛍光信号が可能になったり、または多くの他の種類の信号が補償されて、これにより、この結果得られ、補償されたパラメータが、クロストークを実際に排除し、ブランクの基準レベルを正しく位置決めする。これは、特に、米国特許第4,074,809号および第4,501,366号によって開示されるような製品内の欠陥の検出;米国特許第5,503,994号によって開示されるような流れ場分別、液体クロマトグラフィーまたは電気泳動;米国特許第5,880,457号によって開示されるようなコンピュータトモグラフィー、γ線カメラまたは飛行時間の計器;明るい蛍光値に関する米国特許第5,135,759号によって開示されたり、米国特許出願第60/2103089号によって記載されるようなフロー血球計算器のような他の種類の用途に関連し得る。これらの文献をそれぞれ、本明細書中に参考として援用する。この種類の補償変換は、多くのチャンネル(上述の実施例においては少なくとも8チャンネル)上で同時に実行され得、第一の信号プロセッサに戻り得る直交化データを提供する。
【0060】
特定のアプリケーションでは、複数色の補償が必要である。複数色の補償に関する補償の変換は、上述のフォーマットを取り得、動作の64要素のマトリックスによって実施される少なくとも8色の補償が可能になる。変換は、直線フォーマットデータまたは直交フォーマットデータ上で動作され得る。必然的に、説明したように、N色の補償を提供するために、高次の組を用いることが可能である。
【0061】
特定のアプリケーションでは、パラメータ動力学またはパラメータ比率を分析する必要がある。経時的な二つの信号間の比率は、細胞動力学の研究において重要な測定値である。元の信号を補償すると、比率を用いて、信号間の絶対的な差異の基準を提供することが可能である。例えば、カルシウム遊離は、細胞動力学の研究において重要な測定値であり得る。カルシウム遊離を測定するには、二つの蛍光発光信号の比率が必要であり得る。これらの蛍光発光信号は、正確性を維持するために必要な適切な時間フレームにおいて、比較用に補償された蛍光発光信号を提供するために補償変換を実行することが可能である。複数の比率を実行することが可能である。時間は、動力学測定に必須のパラメータであり得、内蔵時計によって提供され得る。内蔵時計は、数マイクロ秒から数年にわたる時間範囲を有し得、時間で刻印されたデータストリームにおいて十分な柔軟性を可能にしている。
【0062】
特定のアプリケーションでは、部分集団の区別および追跡が必要である。フロー血球計算器は、粒子の母集団の平均および幅を分析および規定するための、環境パラメータ、器具パラメータ、発生パラメータを含む(但し、これらに限定されない)種々のパラメータの安定性に依存する。残念ながら、これらのパラメータは、常に動的に不安定であり得る。これらの種々のパラメータからの元の信号を補償変換することによって、安定性を制御することが可能である。あるいは、補償変換によって、これらのパラメータ内のドリフトを追跡することが可能である。元の信号情報を補償変換すると、数ある用途の中でも、部分集団を分解または区別するためのパラメータ、部分集団の個々間で維持される分解のレベルを選択するためのパラメータ、部分集団から個々を割り当て、かつ、分離するための閾値を選択するためのパラメータ、部分集団から種々の網までの個々を連続的に区別および割り当てることを可能にするためのパラメータ、パラメータドリフトなど部分集団を追跡するためのパラメータ、再分析せずに分離された個々のプールの純度を評価するためのパラメータを選択することが可能になり得る。
【0063】
この観点において、粒子の二次元の母集団、粒子の三次元の母集団、または粒子のより高い次元の母集団を、種々の部分集団に区別および割り当てることが可能であり、多次元領域を用いて、本発明を用いる場合に部分集団を分離することが可能である。これは、フロー血球計算器および他の種類の器具上、ならびに他の分野のアプリケーション上で、以前には利用不可能であった多次元の部分集団に分離する、強力、かつ、直接の方法を提供する。
【0064】
部分集団の識別が重複する部分集団と密接に関与する別の局面を、重複の割合を検出するように設計され得る補償変換を用いて、重複を動的に特徴付けることによって、列挙することが可能である。多重機能の部分集団の正確な割合、平均、幅および分離を、本発明によって特徴付けることも可能である。対象の部分集団を規定、配置、分析、および分離できるように、対象の小さな部分集団を備えた粒子の広範な母集団を、動的に増幅するように絞ったり維持したり、増幅パラメータの変換補償を介して、絞ることが可能である。変換補償せずに、このような正確な記述は可能でないかもしれない。
【0065】
フロー血球計算器を用いたアプリケーションにおいて、種々の対象の母集団(単数または複数)/部分集団を備えた粒子をスクリーニングし、これらの母集団をうまく描く対象の領域を生成することが可能である。対象の粒子のリアルタイムの物理的分離をソーティングできるように、フロー血球計算器のソーティング電子工学に、これらの領域を自動的に割り当てることが可能である。フロー血球計算器を用いて、培養、トランスフェクション、授精、生化学の組換え、タンパク表示などを行うために特定の種類の細胞の高体積を分離する場合に、この自動化プロセスは重要であり得る。
【0066】
ビニング(binning)変換を用いて、さらなる信号プロセッサ(単数または複数)のメモリ内に、粒子の母集団を格納することが可能である。平均、標準偏差、歪度および分離などの、これらの母集団の統計特徴を、データを表示、格納または取り出すためのワークステーションであり得る第一の信号プロセッサに戻すことが可能である。したがって、さらなる信号プロセッサにこのタスクをオフロードすると、ワークステーションの性能が向上し得る。
【0067】
上述および付帯書Aに説明する方法は、メモリ格納要素内に生信号データを保存し得る。コストを考慮すると、しばしば、アナログシステム上のこの機能が排除される。生または元の信号データを保存することは、変換されたデータが間違って動作された場合、元の信号データを取り出せるという点で、よい製造の慣例(Good Manufacturing Practice)にも準拠する。以後の処理用に、元の信号データを保存し、元の信号データを複製すると、デジタル「ルーフィング」または「フローリング」によって失われ得る元の生信号データの要素を維持することが可能である。これにより、FDA要件および信号の再分析のために、元の信号を取り出し、データのバックトラッキングすることが可能になり得る。
【0068】
ここで図2を参照して、MoFlo(R)のフロー血球計算器による本発明のアプリケーションに関した、ハードウェアの好適な実施形態が示される。理解され得るように、さらなる信号プロセッサ(17)を、器具の中心の内部または外部に配置することが可能である。(上述の実施例に基づいて)各補償変換動作には、最低限、12ビットまたはそれより幅が広い56キロワードのデータメモリサイズが必要であり得る。最低限、TBDキロワードのI/Oメモリスペースも必要であり得る。種々のCPLD/FPGAまたはデジタル信号処理Von NeumanおよびHarvardプログラム、データ、およびI/Oアーキテクチャなどを用いて、上に指定したような補償変換アルゴリズムを実行することが可能である。
【0069】
さらなるプロセッサ(17)は、動作の並列処理を向上させることに役立ち、これにより、これまでには達成不可能であった速度の変換が可能になる。この向上した処理力によって、代数的およびほぼ超越的な動作が可能になる。超越的動作は、無限数の工程を必要とする動作であると考えられ得る。しかし、極端に速い処理速度は、実施可能、かつ、正確な計算とほぼ変わらない無限の近似値を提供し得る。
【0070】
上述の説明から容易に理解され得るように、本発明の基本概念を、種々の方法で実施することが可能である。本発明は、適切な信号処理を達成するための信号処理技術およびデバイスの両方に関する。本願において、処理技術は、記載する種々のデバイスによって達成される図示する結果の一部として、および使用に固有の工程として、開示される。これらの処理技術は、単に、意図され、かつ、記載されるようにデバイスを用いた自然の帰結である。さらに、いくつかのデバイスを開示する一方、これらは、特定の方法を達成するだけでなく、複数の方法で変更され得ることが理解されるべきである。重要なことは、すべての上述の説明に関して、すべてのこれらの面が、本開示によって包括されることが理解されるべきである。
【0071】
本仮出願に含まれる本開示は、基本的な説明として機能することが意図される。読み手は、特定の議論がすべての可能な実施形態を明示的には説明し得ず、多くの変更が含意されていることを認識すべきである。さらに、この特定の議論は、本発明の総称的な特質を完全には説明し得ず、各特徴または要素が、より広い機能あるいは別の要素または均等の要素の多くの変形を実際にはいかに表し得るかを明示的には示し得ない。再度、これらは、本開示に暗に含まれる。機能指向の用語で説明する本発明において、機能の各局面は、デバイス、サブルーチンまたはプログラムによって達成される。装置の特許請求の範囲は、説明したデバイス用に含まれ得るだけでなく、方法の特許請求の範囲またはプロセスの特許請求の範囲も本発明および各要素が実行する機能を達成するために含まれ得る。説明も用語も、ここに含まれる特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0072】
さらに、本発明および特許請求の範囲の様々な要素の各々を様々な様式で達成することも可能である。本開示内容は、このような改変例、任意の装置実施形態の一実施形態の変更例、方法の実施形態もしくはプロセスの実施形態、またはこれらのうちの任意の要素の単なる改変物をそれぞれ包含するものとして理解されるべきである。詳細には、本開示内容は本発明の要素に関連するため、各要素に対応する単語は−たとえ当該要素から得られる機能または結果のみが同じである場合であっても−それに相当する装置の用語または方法用語によって表される場合があることが理解されるべきである。このような均等で、広義でありまたより一般的な用語は、各要素または作用に関する説明に含まれるものとしてみなされるべきである。このような用語は、本発明が関連する暗示的で広義の用語法を明確にすることが望まれる場合、当該用語の代替物として用いられる得る。これは一例に過ぎないが、全ての作用は、当該作用を受ける手段としてまたは当該作用を発生させる要素として表され得ることが理解されるべきである。同様に、開示内容中の各物理的要素は、当該物理的要素によって容易化される作用の開示内容をも包含するものとして理解されるべきである。これは一例に過ぎないが、この最後の局面について、「プロセッサ」についての開示内容は、―それが明示的に言及されているか否かに関係なく―「処理」という用語の開示内容を包含するものとして理解されるべきである。逆に言えば、「処理」という作業の開示内容のみがある場合、そのような開示内容は、「プロセッサ」および「処理」手段の開示内容をも包含するものとして理解されるべきである。このような変更例および代替的用語は、本明細書中の記載に明示的に含まれるものとして理解されるものである。
【0073】
さらに、全ての要素または適用例の様々な組み合わせおよび変更が生成および提示され得る。これらの組み合わせおよび変更は全て、特定の用途における性能を最適化するために行われ得る。
【0074】
本願において特許について記載された法律、法令、規則または規定のあらゆる施行、または、本願において特許について記載された特許、公開文献、もしくは他の参考文献を参考のため援用する。具体的には、本明細書中、米国特許出願第60/160,719号を、その図面または添付物を全て含むものとして参考のため援用する。下記の参考文献の表に記載の参考文献をそれぞれ、参考のために援用する。
【0075】
【表1】



【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

加えて、用いられる各用語については、本願において各用語の用法が一般的な辞書に記載のそれと矛盾しない限り、各用語の意味は、各用語およびすべての定義、代替的用語ならびに同義語(例えば、Random House Webster’s Unabridged Dictionary、second editionに記載のもの。同辞書を参考のため援用する。)は一般的な辞書に記載の定義を含むものとして理解されるべきである。しかし、上記の各々について、このような言明のうち、このような参考として援用された情報または言明が本発明(単数または複数)の特許内容と矛盾し得うると考えられる範囲に入る内容は、本願の出願人(単数または複数)によってなされたものとして明示的にみなされない。
加えて、文脈から他の意味としてとられない限り、「comprise」という用語またはその変化したもの(例えば、「comprises」または「comprising」)は、記載の要素もしくは工程または要素もしくは工程の群を含むものであって、他の要素もしくは工程または要素もしくは工程の群をいずれかを排除するものであることを意図していることが理解されるべきである。このような用語は、オーストラリアなどの国において法が許す限り最も広範囲な包括範囲が本出願人に与えられるよう、そのもっとも広範囲な様態で解釈されるべきである。
【0078】
従って、本出願人(単数または複数)は、少なくとも以下のものを請求するための基盤を有する者として理解されるべきである。:すなわち、i)本明細書中開示および記載された処理デバイスまたはサブルーチンの各々、ii)開示および記載された関連する方法、iii)これらのデバイスおよび方法にそれぞれに類似し、相当しさらにはこれらのデバイスおよび方法を暗示する改変物、iv)開示および記載された機能それぞれを達成する代替的設計、v)開示および記載されたものを達成する暗示的物として図示された機能それぞれを達成する代替的設計および代替的方法、vi)別個および独立した発明として図示された各特徴、構成要素および工程、vii)開示された様々なシステムまたは構成要素によって向上されたアプリケーション、viii)そのようなシステムまたは構成要素によって生成された製品、ix)本明細書の上記部分においてそして本明細書に付随する実施例のいずれかを参照して本明細書中に実質的に記載された方法および装置、x)開示された要素それぞれの様々な組み合わせおよび並び換え、xi)上記の説明の随所にて記載したコンピュータによる支援を得てまたはそのようなコンピュータ上にて行われるプロセス、xii)上記記載の随所において言及したプログラマブル装置、xiii)デジタル読出しが可能なメモリであって、上記記載の随所において言及したように機能する手段または要素を含むプロセッサへの命令を出すためのデータで符号化されたメモリ、xiv)本明細書中開示および記載されたコンピュータ、xv)本明細書中開示および記載された、個々のまたは組み合わされたサブルーチンおよびプログラム、xvi)開示および記載された関連方法、xvii)これらのシステムおよび方法それぞれに類似し、相当し、さらにはそのようなシステムおよび方法を暗示する改変物、xviii)開示および記載された機能それぞれを達成する代替的設計、xix)開示および記載された機能を達成することを暗示するものとして図示された機能の各々を達成する代替的設計および代替的方法、xx)別個かつ独立した発明として示されたプログラマブルな機能、構成要素、および工程の各々、ならびにxxi)上記の各々の様々な組み合わせおよび並び換え。
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【表4−4】

【表4−5】

【表4−6】

【表4−7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−58253(P2012−58253A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−243830(P2011−243830)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2001−531523(P2001−531523)の分割
【原出願日】平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】