一時的格納器
【課題】温度に影響されやすい試薬に対する優れた格納システムを提供する。
【解決手段】分析対象物を検出又は定量する分析器であって、上記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のためのユニットを備えて成る。能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを一時的格納ユニットへと移送する段階と、上記試薬カセットが必要とされるまで、それを上記一時的格納ユニット内に保持する段階と、上記一時的格納ユニットから上記試薬カセットを、該試薬カセットを上記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階と、上記試薬の分注が完了したときに、上記試薬カセットを上記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階とを備えて成る。
【解決手段】分析対象物を検出又は定量する分析器であって、上記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のためのユニットを備えて成る。能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを一時的格納ユニットへと移送する段階と、上記試薬カセットが必要とされるまで、それを上記一時的格納ユニット内に保持する段階と、上記一時的格納ユニットから上記試薬カセットを、該試薬カセットを上記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階と、上記試薬の分注が完了したときに、上記試薬カセットを上記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階とを備えて成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析対象物を検出又は定量する自動分析器及び自動システム、並びに、サンプル中の分析対象物を検出又は定量する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、対象者の状態を診断するために、又は、ひとり以上の対象者からの複数のサンプルの貯蔵物を検査するために、自動分析器が使用される。1つのサンプル中の分析対象物を分析するために、複数種の試薬が必要とされる。斯かる試薬は、上記分析器に対して提供されると共に、該分析器内で配分されねばならない。故に、試薬は一般的に、上記分析器に対して装填又は装填解除され得る試薬カセット内に維持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、斯かる試薬は温度に影響されやすい。一定の分析器において、試薬は、単一回の装填に対して装填されるだけであり、その後に手動的に取出されて冷蔵器内へと移送される。また、供与時に冷却して格納を行う分析器も知られている。
本発明は、試薬に対する優れた格納システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析器であって、液体を移送するユニットであって、少なくとも1つの試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションを備えて成るユニットを備えて成る自動分析器にも関する。該分析器は付加的に、分析対象物を単離するユニットを備えて成る。更に、上記分析器は、上記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のためのユニットも備えて成る。
【0005】
本発明はまた、自動分析器において分析対象物を単離及び/又は分析するための試薬を収容する試薬カセットを分注デバイスへと呈示する方法であって、
能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを、一時的格納ユニットへと移送する段階と、
上記分析器により上記試薬カセットが必要とされるまで、それを上記一時的格納ユニット内に保持する段階と、
上記一時的格納ユニットから上記試薬カセットを、該試薬カセットを上記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階と、
上記試薬の分注が完了したときに、上記試薬カセットを上記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階とを備えて成る方法、にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】試薬格納器を備えて成る分析器における試薬カセットの作業の流れを示す図である。
【図1B】試薬格納器を備えて成る分析器における試薬カセットの作業の流れを示す図である。
【図2】積層器及び試薬格納器を備えた分析器モジュールの下側部分を示す図である。
【図3】密閉式の試薬格納器を示す図である。
【図4】試薬格納器内へと試薬カセットを装填する段階を示す図である。
【図5】複数の積層器と一時的格納器とを備えた分析器モジュールの下側部分を示す図である。
【図6】一時的格納器の外側部を示す図である。
【図7】緊急ドアが開かれた一時的格納器を示す図である。
【図8】一時的格納器の格納及び取出しシステムを示す図である。
【図9】試薬カセットを備えた一時的格納器の格納及び取出しシステムを示す図である。
【図10】分析システムの第1の概略図である。
【図11】分析システムの第2の概略図である。
【図12】分析システムの第3の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
試薬格納器:
本発明は、分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析器に関する。
【0008】
「分析装置」400及び「分析器」400及び「分析機器」400という語句は、互換的に使用される。分析システムは、分析器を備えて成る。分析器は、1つ以上のモジュール又は区画又はユニットを備えて成る。上記の各モジュール又は各区画又は各ユニットは、分析対象物の処理及び/又は分析を実施するステーションを備えて成る。
【0009】
本明細書中で用いられる如く「分析対象物」という語句は、検出の対象となる任意の種類の生体分子であり得ると共に、その検出は、生物の診断的状態を表す。上記生物は、動物、又は、一実施形態においては人間であり得る。分析対象物は、タンパク質、ポリペプチド、抗体又は核酸であり得る。一実施形態において、上記分析対象物は核酸である。上記分析対象物は液体サンプル中に存在し得るか、又は、それは担体に対して固着された固形サンプルとして存在し得る。固形サンプルは、組織を含むことがある。
【0010】
本明細書中で用いられる如く「検出」という語句は、分析対象物の定性的測定に関する。
【0011】
本発明の分析器は、液体を移送するユニットを備えて成る。
【0012】
本明細書中で用いられる如く「液体」という語句は、分析プロセスの間において移送されるべき任意の種類の液体に関する。故に、該語句は液体サンプルを包含する。それはまた、試薬、又は、試薬の懸濁液も包含する。
【0013】
液体を移送する上記ユニットは、分注デバイスに対して試薬カセットを呈示するステーションを備えて成る。一実施形態において上記ユニットは、上記試薬カセットから試薬が少なくとも1つの受容器に対して移送されるユニット又は区画又はモジュールである。一実施形態において上記ユニットは、上記少なくとも1つの受容器に対してサンプル容器からサンプルを移送する分注デバイスであって、上記少なくとも1つの受容器に対して制御試薬を移送する分注デバイスを備えて成る。本明細書においては、分注デバイス、試薬カセット、受容器及び制御試薬の各実施形態が更に記述される。一実施形態において、液体を移送する上記ユニットは、反応混合物を調製するユニットである。斯かるユニットにおいて、反応に先立ち、分析対象物に対して試薬が加えられる。試薬カセットとは、試薬の液体又は懸濁液を収容する容器を指し得る。又は、試薬カセットとは、試薬の液体又は懸濁液を収容する容器を保持するホルダであり得る。
【0014】
一実施形態において、上記分析器は、上記分析対象物を単離するユニットを更に備えて成る。上記分析対象物を単離する上記ユニット、及び、液体を移送する上記ユニットは処理デッキ上に配置され得ると共に、上記密閉式の試薬格納器は上記処理デッキの下方に配置され得る。このことは、スペースが節約され得ると共に、上記分析器の設置面積が相当に減少され得るという利点を有している。また、液体を移送する上記ユニット及び上記分析対象物を単離する上記ユニットが結合されて1つのユニットとされる、という一実施形態も構成される。
【0015】
更なる実施形態において、上記分析器は付加的に、上記分析対象物を反応させて検出可能信号を獲得するユニットを備えて成る。一実施形態において、上記分析対象物を反応させて検出可能信号を獲得する上記ユニットは、検出ユニットも備えて成る。別実施形態において、上記分析器は付加的に、別体的な検出ユニットを備えて成る。
【0016】
本明細書中で用いられる如く「処理デッキ」という語句は、自身上でサンプルが処理されるデッキに関している。上記処理デッキは、処理のために必要な全てのステーションが自身上に配置される1つのデッキであり得る。1つより多いモジュールを備えて成るシステムにおいて、「処理デッキ」という語句は、サンプルを処理するステーションを備えて成る異なる複数のモジュール内の全てのデッキを包含する。故に、「処理デッキ」という語句は、1つの分析器の複数の異なるモジュールにおける複数の異なるデッキも包含し得る。
【0017】
別実施形態において、液体を移送する上記ユニットは、分析対象物を単離して精製する分離ステーションを備えて成る。一実施形態において、試薬カセットを分注デバイスに対して呈示する上記ステーションもまた、上記処理デッキ上に配設される。一実施形態において、上記密閉式の試薬格納器は、低レベル、最も好適には上記処理デッキの下方に配設される。故に、一実施形態において、上記密閉式の試薬格納器と、試薬カセットを分注デバイスへと呈示する上記ステーションとは、別体的である。1つの利点は、上記分析器のスペースは、上記処理デッキの下方のスペースを同様に使用することで最適な様式で使用され得る、ということである。
【0018】
更に、上記分析器は、試薬カセットを格納する密閉式の試薬格納器を備えて成る。密閉式の試薬格納器とは、ケーシングを備えた保温器に関すると理解され、その場合、上記ケーシングは、周囲環境から断熱されると共に、該保温器を開閉して試薬カセットの付加又は取出しを許容する蓋体を備えて成る。蓋体の実施形態は、ドア又はシャッタであり、又は、一実施形態においては引出しである。上記試薬格納器は付加的に、試薬を収容する他の容器の格納に対して適切であり得る。
【0019】
試薬は、上記分析を実施するために必要な試薬を備えて成る。分析対象物の分析を実施するために必要な試薬としては、サンプル調製のための試薬、制御試薬、分析対象物と反応して検出可能信号を獲得する試薬、及び/又は、上記分析対象物を検出するために必要な試薬が挙げられる。斯かる試薬としては、分析対象物を単離する試薬、及び/又は、サンプルを処理する試薬、及び/又は、分析対象物と反応して検出可能信号を獲得する試薬、及び/又は、洗浄剤、及び/又は、希釈剤が挙げられる。
【0020】
上記密閉式の試薬格納器は、能動的冷却のための冷却ユニットを備えて成る。「能動的冷却」という語句は、上記保温器が所定範囲の温度内に維持されることを意味すると理解される。温度の範囲は、−4℃又は−2℃又は0℃又は2℃から、10℃又は8℃又は6℃又は4℃までである。
【0021】
更に、それは、内部格納/取出しユニットを備えて成る。該内部格納/取出しシステムは、試薬カセットを上記試薬格納器内及び格納位置へと搬送する搬送機構であって、一実施形態においては昇降器である搬送機構と、一実施形態においては試薬カセットを位置決めする中心合わせブロックを備えて成る少なくとも1つの回転盤とを備えて成る。これにより、効率的な内部格納及び取出しが許容される。一実施形態において、上記昇降器はY操作器を備えて成る。
【0022】
試薬カセットの投入及び取出しを許容するために、上記密閉式の試薬格納器内には蓋体が含まれる。
【0023】
上記密閉式の試薬格納器はまた、試薬カセットの内容物を識別する識別ユニットも備えて成る。
【0024】
上記密閉式の試薬格納器から上記分析器の他のステーションまでの間、及び、該試薬格納器に戻る各試薬カセットの自動搬送のために、上記分析器は、上記試薬格納器と、試薬カセットを呈示する上記ステーションとの間における上記試薬カセットの双方向搬送のための搬送システムも備えて成る。双方向搬送のための該システムは、コンベアを備えて成り得る。一実施形態において、上記搬送システムは少なくとも1つの操作器を備えて成る。一実施形態において、上記操作器システムは、少なくとも2個、又は、少なくとも3個の操作器を備えて成る。操作器システムの1つの利点は、上記密閉式の試薬格納器が上記処理デッキの下方に配置され得るということである。
【0025】
操作器及び分注デバイスは、当業界において公知である。
【0026】
本明細書中に記述された分析器の一実施形態において、該分析器は、上記密閉式の試薬格納器に対して命令を伝達する制御ユニットを備えて成り、上記命令は、上記システムにより要求される試薬カセットを指定する。斯かる制御ユニットは、プロセッサを備えて成り得ると共に、当業者に公知である。
【0027】
一実施形態において、上記格納器及び一時的格納器は、分析器の同一モジュール上に構成される。別実施形態において、それらは、分析器の異なるモジュール上に構成される。一実施形態において上記分析器は、開放空間内で、一切の空間的な分離なしで複数のステーションを備えて成る自己完結式の分析器である。
【0028】
本発明はまた、
分析システムに対して試薬を提供する方法であって、
各試薬カセットを試薬格納器の装填用インタフェース上へと装填する段階と、
上記各試薬カセットを識別する段階と、
上記各試薬カセットを上記試薬格納器内へと移送する段階と、
上記各試薬カセットを上記試薬格納器内で位置決めする段階と、
制御ユニットから上記試薬格納器に対して命令を伝達する段階であって、該命令は、上記システムにより、どの試薬カセットが要求されるかを指定する段階と、
試薬カセットを搬送システムに対して提供する段階と、
上記搬送システムにより上記試薬カセットを、該試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションまで搬送する段階と、
上記試薬カセットを上記試薬格納器まで戻し、又は、上記試薬カセットを廃棄物ステーションへと移送する段階と、を備えて成る方法にも関する。
【0029】
この方法によれば、部分的に使用された試薬カセットを、更なる使用時まで、上記冷却された試薬格納器に戻すことが許容される。故に、試薬の寿命が延長され得ると共に、カセット内の試薬は、該カセットが空になるまで使用され得る。
【0030】
装填用インタフェースとは、本明細書中に記述された蓋体に組み合わされたインタフェースであって、操作者により装填された試薬カセットを受容するインタフェースであり、好適実施形態は、本明細書中に記述された引出しである。一実施形態において操作者は、上記密閉式の試薬格納器の引出し内に、上記試薬カセットを手動的に装填する。次に、上記引出しは自動的に閉じられる。上記試薬カセットが識別される。一実施形態において、装填の後及び試薬カセットの取出しの前における全ての段階は、自動化される。
【0031】
本明細書中に記述された上記方法の一実施形態において、上記試薬格納器は、本明細書中に記述された如く、密閉式の試薬格納器である。故に、上記密閉式の試薬格納器は好適には、能動的冷却ユニットにより冷却される。一実施形態において、上記格納器内に上記カセットを位置決めする上記段階、及び、上記カセットを提供する段階は、内部格納/取出しユニットにより実施される。
【0032】
本明細書中に記述された上記方法の一実施形態において、上記試薬カセットは、情報を読取り且つ書き込むための少なくとも1つのタブを備えて成る。一実施形態において、上記方法は、上記タグに対して供与時間(onboard time)を記憶する段階を備えて成る。一実施形態において、上記タグに対して上記供与時間を記憶する上記段階は、上記格納器から上記カセットを上記操作器システムに対して提供するときに行われる。一実施形態において、供与時間を記憶する上記段階は、上記タグに対してタイムスタンプを書き込む段階を備えて成る。故に、一実施形態において上記方法は付加的に、供与時間を決定して記憶する段階を備えて成る。供与時間を決定して記憶する上記段階は、上記格納器から上記試薬カセットを上記搬送システムに対して提供するときにトリガされる。供与時間を記憶する上記段階は、上記試薬カセットを上記試薬格納器に対して戻す前に、段減カウンタにより行われ得る。更なる実施形態は、本明細書中に記述される。
【0033】
故に、一実施形態において、供与時間を記憶する上記段階は、供与時間をカウンタにより記憶する段階を備えて成る。該カウンタは、段減カウンタとされ得る。該段減カウンタの速度は、温度の上昇により増大される。故に、上記段減カウンタの速度は、長期の格納に対し、上記試薬カセットが存在する領域と上記試薬格納器との間における温度の差に関連し、又は、この差に比例する。供与タイムスタンプの実施形態に対し、その場合に上記タイムスタンプは実際の時刻と比較され、上記タイムスタンプ及び上記実際の時刻に基づいて供与時間が算出され、且つ、上記カセットを上記試薬格納器に戻す前に、累積された供与時間が算出されて上記タグに対して書き込まれる。
【0034】
供与タイムスタンプを書き込むことで供与時間を追尾する段階に関する処理段階が本明細書において記述されるときは常に、その同じ処理段階は、一実施形態にては段減カウンタであるカウンタを用いて供与時間を決定する段階により置き換えられ得ることは理解される。段増カウンタは、供与時間をカウントするための代替策である。
【0035】
故に、上記試薬の寿命は監視され得ると共に、試薬の使用が最適化され得る。
【0036】
「実際の時刻」という語句は、夫々の処理段階が実施される時刻であると理解される。
【0037】
試薬が分注デバイスに対して一旦呈示されたなら、該試薬は、上記試薬カセットを呈示する上記ステーションに保持された該試薬カセットから少なくとも1つの受容器まで分注デバイスにより移送される。
【0038】
図1A及び図1Bには、本明細書中に記述された上記方法に対する作業の流れの一実施形態が更に詳細に示される。試薬カセットは、情報を記憶するタグを備えて成る。上記情報は、一実施形態においては異なる温度の複数の区画における供与時間である供与時間に関する情報から成る。上記タグはRFIDタグである。試薬カセットは、上記分析器上に装填されると共に、本明細書中に記述された試薬格納器内に格納される。装填時には上記タグに対して装填フラグが書き込まれることで、装填日付が記憶される。上記制御システムは、試薬カセット内に収容された単一種類又は複数種類の試薬の種類と、上記格納器内における該試薬カセットの箇所とに関する情報を記憶する。上記分析システムにより要求される試薬に関する情報の受信時に、上記操作器システムは、要求された単一又は複数のカセットを取出し、それを、試薬カセットを分析器に対して呈示するステーションまで搬送する。上記タグ上のカウンタは、今やトリガされることで、上記試薬格納器の外部にて費やされる時間の間において段減的にカウントを行う。代替的に、上記タグに対しては供与タイムスタンプが書き込まれても良い。上記試薬カセットは今や、試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションまで、又は、本明細書中に記述される試薬の一時的格納器まで搬送される。もし、上記試薬カセットが、試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションまで搬送されるなら、該試薬カセットは、使用後には上記試薬格納器まで戻されるか、又は、廃棄物ステーションへと移送される。もし上記試薬カセットが上記試薬格納器へと戻し移送されるなら、上記タグに対しては供与タイムスタンプが書き込まれ得る。その後、上記プロセスは反復され得る。
【0039】
上記試薬カセットが上記一時的格納器へと搬送されるとして、タイムスタンプが供与時間を監視すべく使用されるなら、上記試薬カセットを上記一時的格納器内に載置する前に、上記タグに対しては供与タイムスタンプが書き込まれ得る。上記カウンタにより、上記一時的格納器における温度に従い段減カウントが行われる。上記一時的格納器における上記カセットの位置は、上記制御システムにより記憶される。もし上記システムが試薬を要求するなら、対応する試薬カセットは、試薬カセットを分注デバイスへと呈示するステーションへと移送される。上記一時的格納器の利点は、上記分注デバイスに対して試薬カセットが非常に迅速に呈示され得るということである。上記試薬カセットが、試薬カセットを呈示する上記ステーション上に配置されている間、試薬カセットを呈示する該ステーションにおける温度が上記一時的格納器におけるよりも高ければ、上記カウンタは上記一時的格納器におけるよりも高速にカウントを行う。上記試薬カセットは、再使用のために上記一時的格納器へと、又は、長時間の格納のために上記試薬格納器へと戻され得る。上記試薬格納器内での格納に先立ち、上記タグには供与タイムスタンプが書き込まれる。供与時間カウンタが更新される。上記試薬カセットはその後、それが再び要求されるまで、上記試薬格納器内に格納される。
【0040】
合計の供与時間が所定値を超過したなら、又は、上記試薬カセットにおける試薬レベルが低すぎるなら、又は、上記試薬カセットが誤りであるなら、それは、廃棄物ステーションへと、又は、手動的な取り外しのために投入/取出し位置へと搬送される。
【0041】
故に、本明細書中に記述された上記分析システムは、(図11に示された如き)読取り/書込みデバイス1160を備えて成る。
【0042】
また、本明細書中に記述された如く分析対象物を単離及び/又は分析する分析器及びシステムであって、本明細書中に記述された如き試薬格納器を備えて成る分析器及びシステムもまた、本発明の技術的範囲内である。
【0043】
更に、本明細書中に記述された如き試薬格納器を備えて成るシステムにおいて分析対象物を分析する方法もまた、本発明の技術的範囲内である。
【0044】
液体サンプル内に存在し得る分析対象物を単離して分析する方法が開示される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
a)上記液体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
b)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記液体サンプルを相互に組み合わせる段階;
c)分離ステーションにおいて、上記液体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
d)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記液体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0045】
一実施形態において、上記処理容器は1つ以上の受容器を備えて成る。一実施形態において、上記処理容器は多重ウェル・プレートである。上記方法は一実施形態において、
e)上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させる段階、
を付加的に備えて成る。
【0046】
本明細書中で用いられる「受容器」という語句は、単一の容器(又は管体)、又は、多重管体ユニット中に含まれる1つの管体、又は、多重ウェル・プレートの1つのウェル(又は容器)に関連している。
【0047】
また「容器」という語句は、単一の容器、又は、多重管体ユニットにおける単一の容器、多重ウェル・プレート若しくは多重管体ユニット、又は、多重ウェル・プレートの1つのウェルを意味すると理解される。
【0048】
一実施形態において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。更に、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成り得る。
【0049】
本明細書中で用いられる「反応する段階」という語句は、試薬に対する上記分析対象物の任意の種類の化学反応であって、検出可能信号を獲得するために必要である化学反応に関連する。一実施形態において、上記反応段階は、増幅から成る。増幅は、信号に対する任意の種類の強化として理解され得る。故に、増幅は酵素による分子の変換であり得ると共に、その場合に上記酵素は上記分析対象物に対して連結又は結合されて検出可能信号に繋がり、分析対象物分子が存在するよりも多くの信号分子が形成される。1つの斯かる非限定的な例は、例えばECLを用いた化学発光色素の形成である。増幅という語句は更に、上記分析対象物が核酸ならば、核酸増幅に関連する。これは、線形の等温的な増幅、及び、指数的な増幅の両方を包含する。核酸増幅方法の非限定的な例は、TMA、SDA、NASBA、及び、リアルタイムPCRを含むPCRである。当業者であれば、斯かる方法は公知である。
【0050】
本明細書中で用いられる「固体支持体」という語句は、吸着により直接的かつ非特異的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、例えばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものであり得る。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、又は目標核酸は、目標でない物質、又は目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマとされ得るか、又は、複数種類のポリマの組成物とされ得る。他の種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0051】
シリカ粒子に対する核酸の非特異的な結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、本明細書中に記述される間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。一実施形態において、上記固体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子を支持する。
【0052】
図2は、分析器のモジュールの下側部分1100を示している。頂部には、処理プレート1101がある。下側部分1100は、フレーム1110を備えて成る。上記処理プレートは、試薬カセット1102を呈示するステーションを備えて成る。積層器ユニットのハウジング1103も示される。該積層器ユニットは更に、試薬カセットが装填される試薬引出し1104を備えて成る。次に昇降器1105は、上記カセットを、それが試薬格納器1106内へと移送され得るレベルまで移動する。上記昇降器は、Y操作器1105及びZ軸1108を備えて成る。昇降器1105のスピンドル1109も示される。試薬格納器1106の後側ドアを開くための配置機構1111も視認可能である。図3には、試薬格納器1106及び後側ドア1112、並びに冷却ユニット1115が示される。
【0053】
図4は、試薬カセット引出し1104と、試薬格納器1106の開かれた前側ドア1125と、試薬挿入物1130を備えて成る試薬カセット1122とを示している。試薬カセット1102はY操作器1105上に位置決めされる。Y操作器1105は、試薬カセット1102を試薬格納器1106内に載置するところである。試薬格納器1106の内部は複数の回転盤1113を備えて成り、その上に、試薬カセット1102が載置されて位置決めされ得る。各回転盤1113は、内部にカセット1102が位置決めされる中心合わせブロック1114を備えて成る。中心合わせブロック1114の好適な個数は、4個のブロック1114である。
【0054】
図12には、核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400も開示される。該分析器は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。1つのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、好適には分離済み核酸を備えて成る多重ウェル・プレートの少なくとも1つの受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とを保温する温度制御式の保温器を備えて成る。
【0055】
図10に依れば、分析対象物を処理する分析システム440は、
a)液体サンプル1010を収容すると共に線形配置された複数の第1受容器1001と、液体サンプル1011を保持するn×mの配列の複数の受容器103を備えて成る処理プレート101と、線形配置とされた少なくとも2個の分注ユニット702を備えて成る第1分注デバイス700であって、上記分注ユニット702はピペット先端部3、4に対して結合される第1分注デバイス700と、a×(n×m)の配列の複数のピペット先端部3、4を備えて成る先端部用ラック70と、を備えて成る第1位置と、
b)上記処理プレート101に対するホルダ201、128と、上記先端部用ラック70に対するホルダ470と、ピペット先端部3、4(図10)に対して結合すべくn×mの配列の複数の分注ユニット702を備えて成る第2分注デバイス35と、を備えて成る第2位置と、を備えて成る。
本明細書中で用いられる如く、「ホルダ」という語句は、ラック又は処理プレートを受容し得る一切の配置機構に関している。
【0056】
本発明の分析システム440の利点は、本発明の上記方法に対して本明細書中に記述されたのと同様である。
【0057】
分析システム440の利点は、本明細書中に記述された如くである。
【0058】
一実施形態において、第1分注デバイス700の各分注ユニット702の位置は可変的である。上記第1分注デバイス700の各実施形態は、本明細書中に記述される。
【0059】
一実施形態において、先端部用ラック70は、a×(n×m)の配列とされた複数のピペット先端部3、4を備えて成る。一実施形態においては、先端部用ラック70内に第1形式4及び第2形式3のピペット先端部が含まれる。この実施形態において、第1形式のピペット先端部4はn×mの配列で配置され、且つ、第2形式のピペット先端部3は上記n×mの配列で配置される。一実施形態において、第1形式のピペット先端部4は、第2形式のピペット先端部3とは異なる容量を有する。一実施形態において、第1形式のピペット先端部4の容量は500μlより多く、且つ、第2形式のピペット先端部3の容量は500μlより少ない。この実施形態においては、a=2である。しかし、2種類より多いピペット先端部を備えることからa>2である本発明の実施形態もまた、本発明に包含される。
【0060】
1つの態様において、本発明の分析システム440は、サンプルの種類及び個々の試験を上記処理プレート101の個々の位置に対して割当てる制御ユニット1006を備えて成る。好適には、上記各位置は別体的な区画401、402である。
【0061】
本発明の1つの態様において、上記システムは付加的に、第1位置402と第2位置401との間において処理プレート101及びラック70を移送する移送システム480を備えて成る。移送システム480の実施形態は、コンベア・ベルト、又は、1つ以上の操作器である。
【0062】
更に、第2分注デバイス35の各分注ユニットは、第1位置402において使用されたピペット先端部3、4に対して係合される。
【0063】
本明細書中に記述されたシステム440の一実施形態は付加的に、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と共に上記分析対象物を保温する温度制御式の保温器を備えて成る第3ステーション403を備えて成る。第3ステーション403の更なる実施形態は、熱ブロックを備えて成る増幅ステーションである。各サンプル及び試験を上記のn×mの配列で割当てる更に最適な制御は、第1位置402に含まれた第1プロセッサ1004であって、該第1プロセッサに対しては、処理プレート101の容器103のn×mの配列における特定の複数の位置に対してサンプルの種類及び個々の試験を割当てる命令を制御ユニット1006が伝達する第1プロセッサ1004と、第2位置401に含まれた第2プロセッサ1005であって、該第2プロセッサに対しては、上記処理プレートの容器103のn×mの配列における特定の複数の位置に対してサンプルの種類及び個々の試験を割当てる命令を制御ユニット1006が伝達する第2プロセッサ1005と、により達成される。
【0064】
一実施形態において上記システムは付加的に、上記第1位置に配置された第1プロセッサと、上記第2位置に配置された第2プロセッサとを備えて成る。
【0065】
一実施形態において、第1プロセッサ1004は第1分注デバイス700を制御し、且つ、第2プロセッサ1005は第2分注デバイス35を制御する。
【0066】
一時的格納器
本開示内容はまた、分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析器であって、液体を移送するユニットであって、少なくとも1つの試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションを備えて成るユニットを備えて成る自動分析器にも関する。該分析器は付加的に、分析対象物を分析するユニットを備えて成る。更に、上記分析器は、上記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のためのユニットも備えて成る。
【0067】
上記一時的格納によれば、各試薬カセットが上記分析器により必要とされる間はそれらを格納し、且つ、それらがもはや必要とされないときにはそれらを取出すことが可能とされる。
【0068】
一実施形態において、液体を移送する上記ユニットは付加的に、分析対象物を単離する少なくとも1つのステーションを備えて成る。分析対象物を単離する上記ステーショの実施形態は、本明細書中に記述される。液体を移送する上記ユニット、及び、少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のための上記ユニットは好適には、少なくとも部分的に重なり合う。一実施形態において、分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示する上記ステーションは、上記重なり合い領域内に配置される。液体を移送する上記ユニットが少なくとも1つの分注デバイスを備えて成ることは理解される。一実施形態において、分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示する上記ステーションは、上記一時的格納器の外部に配置される。一実施形態において、上記重なり合い領域は昇降器プレートを備えて成る。
【0069】
本開示内容の更なる態様において、上記分析器は付加的に、分析対象物を含むサンプルを第1受容器から第2受容器へと移送するユニットを備えて成る。本開示内容の1つの態様において、上記分析器は付加的に、密閉式の試薬格納器を備えて成る。
【0070】
上記分析器の実施形態において、一時的格納のための上記ユニットは、冷却ユニットを備えて成る。上記一時的格納ユニットの更なる実施形態は、本明細書中に開示される。
【0071】
上記密閉式の試薬格納器の実施形態は、本明細書中に記述される。上記密閉式の試薬格納器の上記冷却ユニットは、該密閉式の試薬格納器の内部温度を、下側の指定温度と上側の指定温度との間に維持すべく設定される。上記温度の実施形態は、本明細書中に開示される。
【0072】
上記密閉式の試薬格納器は特に有用である、と言うのも、それは温度に影響されやすい試薬の長期の格納を提供するからである。斯かる試薬としては、限定的なものとしてでは無く、核酸を増幅するためのポリメラーゼの如き酵素、又は、呈色反応のための酵素を含む試薬が挙げられる。本開示内容に係る、試薬の長期の格納のための試薬格納器と、一時的格納器との組み合わせは、分析システムにおいて特に好適である。これにより、試薬カセット及びその内容物が、格納温度を超える温度に晒される時間が最小限まで減少される。斯かる分析器及びシステムにおいて、試薬を備えた試薬カセットが装填される頻度が減少され得ることから、操作者が離れる時間が増大される。試薬カセットを上記試薬格納器から上記一時的格納器へと移し換えることにより、各試薬カセットは、それらが上記試薬格納器から直接的に移送される場合よりも、更に迅速に上記分注デバイスに対して呈示される。これにより上記試薬格納器は、スペースが容易に利用可能である上記分析器の領域に載置され得る。上記一時的格納ユニットの各寸法は、現在の作業に必要な試薬カセットを格納するために必要なスペースまで低減され得ることから、上記一時的格納ユニットにより占有されるスペースを最小化し乍ら、それを、液体を移送する上記ユニットの直近に載置することが可能とされる。この設定は、夫々の試薬が必要とされるときに試薬カセットを分注デバイスに対して迅速かつ適時に呈示するために特に好適である。
【0073】
上記一時的格納器は、更なる利点を有している。1つの態様において、それは冷却ユニットを備えた密閉式の冷却領域を備えて成る。1つの態様において、上記冷却は能動的冷却ユニットである。該冷却ユニットは、温度を閾温度より低く維持すべく設定される。一実施形態において、上記閾温度は、40℃、更に好適には35℃又は30℃、最も好適には28℃である。上記冷却ユニットは、温度を斯かる閾値より低く維持すべく動作することのみが必要である。故に、上記試薬格納器に対するよりも少ないエネルギが必要とされる。他方、各試薬の寿命は最適化される、と言うのも、それらは、それらが必要とされる限りにおいてのみ上記一時的格納器内に保持されてから、長期の格納のために上記試薬格納器へと戻されるからである。故に、高温に対する露出が最小限とされる一方、分注デバイスに対する試薬カセットの迅速かつ適時の呈示が維持される。
【0074】
密閉式の試薬格納器の実施形態は、本明細書中に記述される。
【0075】
本発明の1つの好適な態様において、上記分析器は付加的に、上記密閉式の試薬格納器と、試薬カセットを呈示する上記ステーションとの間における上記試薬カセットの双方向搬送のための操作器システムを備えて成る。更なる好適実施形態は、本明細書中に記述される。
【0076】
本発明はまた、自動分析器において分析対象物を分析するための試薬を収容する試薬カセットを分注デバイスへと呈示する方法であって、
能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを、一時的格納ユニットへと移送する段階と、
上記分析器により上記試薬カセットが必要とされるまで、それを上記一時的格納ユニット内に保持する段階と、
上記一時的格納ユニットから上記試薬カセットを、該試薬カセットを上記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階であって、上記少なくとも1つの試薬カセットを呈示する上記ステーションは上記一時的格納器の外部に配置される段階と、
上記試薬の分注が完了したときに、上記試薬カセットを上記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階とを備えて成る、
方法にも関している。
【0077】
斯かる方法は好適である、と言うのも、試薬を収容する各試薬カセットは、それらが必要とされる間のみ、上記分析器内における高温領域に晒される一方、それらが分注に対して必要とされたときには迅速に起動され得るからである。
【0078】
1つの態様において、段階b)〜d)は、少なくとも一回だけ反復される。一実施形態において、上記試薬カセットは上記密閉式の試薬格納器から上記一時的格納ユニットへと、操作器システムにより移送される。
【0079】
一実施形態において、上記試薬カセットは、上記密閉式の試薬格納器から第1操作器により第1位置へと移送され、且つ、該第1位置から第2操作器により上記一時的格納器へと移送される。
【0080】
1つの態様において、上記試薬カセットは情報を記憶するタグを備えて成り、該タグには、上記自動分析器における供与時間の情報が記憶される。
【0081】
好適実施形態において、本明細書中に記述された上記方法は、もし上記試薬カセットが空でなければ、該試薬カセット内に収容された試薬が新たな試験に対して要求されるまで長期の格納のために該試薬カセットを上記密閉式の試薬格納器へと移送し、又は、上記試薬カセットを消耗品廃棄ステーションへと移送する段階を付加的に備えて成る。上記試薬カセットは付加的に、上記密閉式の試薬格納器の引出し内へと好適には手動的に装填され、上記試薬カセットは上記密閉式の試薬格納器内で自動的に移送される。
【0082】
一実施形態において、上記一時的格納器内の上記試薬カセットは、該試薬カセットを分注デバイスへと呈示する上記ステーションへと、昇降器により移送される。
【0083】
更なる好適実施形態は、本明細書中に記述される。
【0084】
本発明の上記分析器、及び、その構成要素、特に上記一時的格納ユニットの代表的実施形態は、本明細書中に示される。
【0085】
一実施形態において、本明細書中に記述された上記方法は付加的に、もし上記試薬カセットが空でなければ、該試薬カセット内に収容された試薬が新たな試験に対して要求されるまで長期の格納のために該試薬カセットを上記密閉式の試薬格納器へと移送し、又は、上記試薬カセットを消耗品廃棄ステーションへと移送する段階を備えて成る。上記試薬カセットは付加的に、上記密閉式の試薬格納器の引出し内へと手動的に装填され、上記試薬カセットは上記密閉式の試薬格納器内で自動的に移送される。
【0086】
更なる実施形態は、本明細書中に記述される。
【0087】
本明細書中に開示された如き上記分析器、及び、その構成要素、特に上記一時的格納ユニットの実施形態は、本明細書中に示される。
【0088】
図5は、分析器のモジュールであって、一実施形態においては処理モジュール402(図10)であるモジュールの下側部分1149を示している。下側部分1149の頂部は、処理プレート1150である。上記下側部分は更に、フレーム1157を備えて成る。積層器1151も示される。処理プレート1150は、(例えば図4に示された)試薬カセット1122を分注デバイスに対して呈示するステーション1156と、試薬カセット1122を分注デバイスに対して呈示する該ステーション1156の内側における昇降器プレート1152とを備えて成る。試薬カセット1122は、情報を記憶するタグ1160を備えて成る。昇降器プレート1156は、Z方向に移動され得る。一時的格納器1153も示される。図6は、一時的格納器1153と、試薬カセットを分注デバイスへと呈示するステーション1156と、上記格納物を取出すための緊急ドア1154と、空気吐出口1147とを示している。図7は、緊急ドア1154が取り外されると共に、カセット1102を一時的格納器1153の内側に保持する保持ユニット1155及びカセット1122が視認され得ることを除き、図6と同一の特徴を示している。図8及び図9には、上記一時的格納器の内側が示される。図8は、フレーム1158と、保持ユニット1155と、該保持ユニット内に保持された試薬カセット1122と、試薬カセット1122を呈示するステーション1156と、昇降器プレート1156とを示している。特に、図9は昇降器1159も示している。
【0089】
分析対象物を単離かつ分析する分析装置及び方法
流体サンプル中に存在し得る分析対象物を単離かつ分析する方法が開示される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
f)上記流体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
g)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記流体サンプルを相互に組み合わせる段階;
h)分離ステーションにおいて、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
i)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記流体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0090】
1つの態様において、段階a)において使用された上記ピペット先端部は、該段階a)の後で再使用される。
【0091】
本明細書において上記された方法の好適実施形態において、段階a)は、
a1)第1位置においてラック内に保持された第1形式の各ピペット先端部を、第1処理ヘッドに対して係合させる段階;
a2)第1処理ヘッドに対して係合された第1形式の各ピペット先端部により、上記流体サンプルをサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
a3)上記各ピペット先端部を上記ラック内に載置し、且つ、各ピペット先端部を上記処理ヘッドから係合解除する段階;
a4)上記各ピペット先端部を備えて成る上記ラックと、上記処理容器とを、第2位置へと搬送する段階;
a5)上記ラック内に保持された上記第1形式の各ピペット先端部を、上記第2位置において第2処理ヘッドに対して係合させる段階;
を更に備えて成り得る。
【0092】
一実施形態において、上記処理容器は1つ以上の受容器を備えて成り得る。1つの態様において、上記処理容器は多重ウェル・プレートである。上記方法は好適には、
j)上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させる段階、
を付加的に備えて成る。
【0093】
各ピペット先端部の再使用は、上記分析方法において使用される使い捨て可能な消耗品の減少と、コスト削減とに繋がる。一実施形態において、段階d)における洗浄は、各ピペット先端部に対して係合された処理ヘッドにより吸引し、且つ、上記洗浄用緩衝液を供与する段階を備えて成る。
【0094】
一実施形態において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。1つの態様において、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成る。
【0095】
本明細書中に記述された上記方法の一実施形態において、上記各ピペット先端部を備えて成る上記ラックと、上記処理容器とを、第2位置へと搬送する段階は、分析機器の別体的な第1区画と、上記分析システムの処理区画とされ得る別体的な第2区画と、の間で行われる。1つの態様において、上記ラックは複数のピペット先端部を夫々収容する複数の独立的なチャンバを備えて成る。
【0096】
一実施形態において、上記第1形式のピペット先端部は、段階d)における洗浄に対して再使用される。
【0097】
一実施形態において、上記ラックは付加的に、第2形式のピペット先端部を備えて成る。更に、1つの態様において、本明細書中に記述された方法は、段階d)とe)との間において磁性粒子から分析対象物が溶出される段階を備えて成る。一実施形態は、上記第2形式の複数のピペット先端部により、好適には多重ウェル・プレートである上記処理容器から、好適には多重ウェル・プレートである反応容器への分析対象物の移し換えを備えて成る。
【0098】
本開示内容は、
a)分析対象物を含む液体サンプルを保持する第1受容器と、液体サンプルを保持するための第2受容器と、複数のピペット先端部を保持するラックと、上記第1受容器から第2受容器へと液体サンプルを移し換える第1処理ヘッドとを構成する第1位置と、
b)上記第2受容器を受容するステーションと、上記ラックを受容するラック保持ステーションとを構成する第2位置と、
c)上記第2受容器と複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを、上記第1位置と上記第2位置との間で移送する移送システムと、
を備えて成る、分析対象物を単離する分析システムを記述する。
【0099】
一実施形態において、上記各位置は夫々、別体的区画である。上記移送システムにより移送される上記ラックは、上記第1位置において使用された複数のピペット先端部を備えて成る。一実施形態において、上記第1受容器はサンプル容器であり且つ上記第2受容器は処理容器である。1つの態様において、上記処理容器は多重ウェル容器である。上記各ステーションの実施形態は、本明細書に記述される。
【0100】
本明細書にて記述される上記分析システムにおいて、上記搬送システムは好適には、上記受容器及び上記ラックを、上記第1位置から上記第2の別体的な位置へと移送する。1つの態様において、上記第2の別体的な位置は、磁気的分離ステーションを構成する。上記分析システムは付加的に、別の態様において、増幅ステーションを備えて成る。
【0101】
上記システムの一実施形態の上記搬送システムは、当該分析システム内において上記ラック及び上記処理容器を把持して第1箇所から第2箇所へと搬送すべく構成かつ配置された操作器を備えて成る。操作器は、当業者に公知である。
【0102】
一実施形態において、上記システムは完全に自動化される。
【0103】
本開示内容はまた、分析対象物を単離かつ分析する自動分析器であって、該分析器内に配設された複数のステーションを備えて成る自動分析器にも関している。上記複数のステーションは、第1箇所に配設されたサンプル供与ステーションを備えて成る。1つの態様において、上記サンプル供与ステーションは、分析対象物を含む液体サンプルを、ラック内に保持された各ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと供与すべく構成かつ配置される。1つの態様において、サンプル供与ステーションは、サンプル容器と、処理容器と、液体供与ユニットとを備えて成るステーションである。上記液体供与ユニットは、処理デバイスとされ得る。
【0104】
上記自動分析器は、第2箇所に配設された分離ステーションを更に備えて成る。1つの態様において、上記分離ステーションは、上記液体サンプルを保持している上記処理容器と、上記サンプル供与ステーションにおいて使用された複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを受容すべく、且つ、上記液体サンプル中に存在する他の物質から分析対象物を分離すべく、構成かつ配置される。分離ステーションの別の実施形態は、可動磁石を備えて成る分離ステーションである。
【0105】
上記自動分析器は第3箇所に配設された反応ステーションを更に備えて成り、該反応ステーションは、上記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得すべく構成かつ配置される。反応ステーションの別の実施形態は、保温器を備えて成るステーションである。1つの態様において、上記保温器は温度制御式の保温器である。別の態様において、上記保温器は1つの一定温度に保持される。保温器の別の実施形態は、熱サイクラ・ブロックである。1つの態様において、上記反応ステーションに対し、又は、上記保温器に対し、検出可能信号を検出する検出器が一体的に接続される。検出器の一実施形態は、周期的な測定及び定量のための核酸定量システムを備えて成る。1つの態様において、上記検出器は付加的に、信号を検出する核酸検出システムであって、閾値レベルを超える信号が検出されたか否かに基づいて反応受容器内の核酸の有無を確定するシステムを備えて成る。
【0106】
代替的に、上記自動分析器は付加的に、検出ステーションを備えて成る。該自動分析器は更に、搬送機構を備えて成る。該搬送機構は、消耗品を操作する操作器を備えて成る。該操作器は好適には、消耗品を各ステーション間で搬送する。一実施形態において上記搬送機構は、上記サンプル容器及び上記ラックを、上記サンプル供与ステーションから上記分離ステーションへと搬送すべく構成かつ配置される。本開示内容の上記自動分析器の更なる実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0107】
一実施形態において、本開示内容の分析装置400は分析対象物を処理する少なくとも1つのモジュール401を備えて成り、上記処理は液体の分注から成る。処理モジュール401は、
a)ピペット先端部3、4と係合する処理ヘッド35であって、該処理ヘッド35の下側表面61内に配置された位置決め要素36を備えて成る処理ヘッド35と、
b)ピペット先端部3、4を保持する先端部用ラック60、70であって、処理ヘッド35上の位置決め要素36と機械的に係合し得る位置決め要素31、32、33、34を備えて成る先端部用ラック60、70と、
を備えて成る。
【0108】
本明細書において上記された分析装置400の一実施形態において、処理モジュール401は、分析対象物の単離及び精製のためのモジュールである。故に、本明細書中で用いられる「処理」という語句は、分析対象物の単離及び/又は分離及び/又は捕捉及び/又は精製に関連すると理解される。1つの態様において、装置400は、処理のためにサンプルを調製するモジュール402を備えて成る。1つの態様において装置400は、上記分析対象物の増幅のためのモジュール403を備えて成る。一実施形態において上記装置は、増幅試薬を、格納受容器から、精製済み分析対象物を含む受容器へと移送するモジュール404を付加的に備えて成る。上記装置の更なる実施形態は、此処で本明細書において記述される。
【0109】
本開示内容はまた、核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400にも関し、該分析器は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。1つのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、1つの態様において分離済み核酸を備えて成る多重ウェル・プレートの少なくとも1つの受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とを保温する温度制御式の保温器を備えて成る。
【0110】
本開示内容はまた、本明細書中に記述された如く保持ステーションと多重ウェル・プレート・セットとを備えて成る分析システムにも関する。一実施形態において、上記多重ウェル・プレート・セットは上記保持ステーション内に固定される。一実施形態において、上記多重ウェル・プレートは複数の凹所を備える縁部を有する基部を備えて成り、上記各凹所に対しては、上記保持ステーション上の位置決め/固定要素、1つの態様においては掛止クリップ(図47a)及びb))が接触し、該接触により上記多重ウェル・プレートの上記基部に対して下向きの圧力が及ぼされることで、上記多重ウェル・プレートは上記保持ステーションに固定される。上記分析システムの更なる実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0111】
本開示内容はまた、
分析対象物を単離して精製する処理モジュールであって、複数のピペット先端部を備えて成るラックを保持する保持ステーション470を備えて成る処理モジュールであって、上記ラックは、該ラックの1つの側壁上に配置された少なくとも1つの凹所と、該ラックの逆側の第2の側壁上に配置された少なくとも1つの凹所とを備えて成り、上記保持ステーションは、固定要素、1つの態様においては掛止クリップを備えて成り、且つ、上記固定要素、又は、掛止クリップは、上記凹所の底部に対して力を及ぼすことにより該凹所と相互作用する、処理モジュールと、
上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させることにより、該分析対象物を分析するモジュール403と、
を備えて成る分析機器にも関している。
【0112】
上記分析機器は、1つの態様において、液体操作モジュール404、500を付加的に備えて成る。上記分析機器の更なる実施形態は、別体的に、又は、各実施形態の組み合わせとして本明細書中に記述される。1つの態様において、本開示内容に係る上記分析機器は好適には、シール・ステーション410を付加的に備えて成る。シール・ステーション410は、処理モジュール401内に配置される。
【0113】
「モジュール」及び「区画」という語句は、本明細書においては互換的に使用される。
【符号の説明】
【0114】
35 第2分注デバイス
400 自動分析器
401 処理モジュール
480 移送システム
700 第1分注デバイス
1102 試薬カセット
1105 昇降器/Y操作器
1106 試薬格納器
1112 後側ドア
1115 冷却ユニット
1122 試薬カセット
1153 一時的格納器
1156 試薬カセットを呈示するステーション
1159 昇降器
1160 タグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析対象物を検出又は定量する自動分析器及び自動システム、並びに、サンプル中の分析対象物を検出又は定量する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、対象者の状態を診断するために、又は、ひとり以上の対象者からの複数のサンプルの貯蔵物を検査するために、自動分析器が使用される。1つのサンプル中の分析対象物を分析するために、複数種の試薬が必要とされる。斯かる試薬は、上記分析器に対して提供されると共に、該分析器内で配分されねばならない。故に、試薬は一般的に、上記分析器に対して装填又は装填解除され得る試薬カセット内に維持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、斯かる試薬は温度に影響されやすい。一定の分析器において、試薬は、単一回の装填に対して装填されるだけであり、その後に手動的に取出されて冷蔵器内へと移送される。また、供与時に冷却して格納を行う分析器も知られている。
本発明は、試薬に対する優れた格納システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析器であって、液体を移送するユニットであって、少なくとも1つの試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションを備えて成るユニットを備えて成る自動分析器にも関する。該分析器は付加的に、分析対象物を単離するユニットを備えて成る。更に、上記分析器は、上記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のためのユニットも備えて成る。
【0005】
本発明はまた、自動分析器において分析対象物を単離及び/又は分析するための試薬を収容する試薬カセットを分注デバイスへと呈示する方法であって、
能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを、一時的格納ユニットへと移送する段階と、
上記分析器により上記試薬カセットが必要とされるまで、それを上記一時的格納ユニット内に保持する段階と、
上記一時的格納ユニットから上記試薬カセットを、該試薬カセットを上記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階と、
上記試薬の分注が完了したときに、上記試薬カセットを上記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階とを備えて成る方法、にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】試薬格納器を備えて成る分析器における試薬カセットの作業の流れを示す図である。
【図1B】試薬格納器を備えて成る分析器における試薬カセットの作業の流れを示す図である。
【図2】積層器及び試薬格納器を備えた分析器モジュールの下側部分を示す図である。
【図3】密閉式の試薬格納器を示す図である。
【図4】試薬格納器内へと試薬カセットを装填する段階を示す図である。
【図5】複数の積層器と一時的格納器とを備えた分析器モジュールの下側部分を示す図である。
【図6】一時的格納器の外側部を示す図である。
【図7】緊急ドアが開かれた一時的格納器を示す図である。
【図8】一時的格納器の格納及び取出しシステムを示す図である。
【図9】試薬カセットを備えた一時的格納器の格納及び取出しシステムを示す図である。
【図10】分析システムの第1の概略図である。
【図11】分析システムの第2の概略図である。
【図12】分析システムの第3の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
試薬格納器:
本発明は、分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析器に関する。
【0008】
「分析装置」400及び「分析器」400及び「分析機器」400という語句は、互換的に使用される。分析システムは、分析器を備えて成る。分析器は、1つ以上のモジュール又は区画又はユニットを備えて成る。上記の各モジュール又は各区画又は各ユニットは、分析対象物の処理及び/又は分析を実施するステーションを備えて成る。
【0009】
本明細書中で用いられる如く「分析対象物」という語句は、検出の対象となる任意の種類の生体分子であり得ると共に、その検出は、生物の診断的状態を表す。上記生物は、動物、又は、一実施形態においては人間であり得る。分析対象物は、タンパク質、ポリペプチド、抗体又は核酸であり得る。一実施形態において、上記分析対象物は核酸である。上記分析対象物は液体サンプル中に存在し得るか、又は、それは担体に対して固着された固形サンプルとして存在し得る。固形サンプルは、組織を含むことがある。
【0010】
本明細書中で用いられる如く「検出」という語句は、分析対象物の定性的測定に関する。
【0011】
本発明の分析器は、液体を移送するユニットを備えて成る。
【0012】
本明細書中で用いられる如く「液体」という語句は、分析プロセスの間において移送されるべき任意の種類の液体に関する。故に、該語句は液体サンプルを包含する。それはまた、試薬、又は、試薬の懸濁液も包含する。
【0013】
液体を移送する上記ユニットは、分注デバイスに対して試薬カセットを呈示するステーションを備えて成る。一実施形態において上記ユニットは、上記試薬カセットから試薬が少なくとも1つの受容器に対して移送されるユニット又は区画又はモジュールである。一実施形態において上記ユニットは、上記少なくとも1つの受容器に対してサンプル容器からサンプルを移送する分注デバイスであって、上記少なくとも1つの受容器に対して制御試薬を移送する分注デバイスを備えて成る。本明細書においては、分注デバイス、試薬カセット、受容器及び制御試薬の各実施形態が更に記述される。一実施形態において、液体を移送する上記ユニットは、反応混合物を調製するユニットである。斯かるユニットにおいて、反応に先立ち、分析対象物に対して試薬が加えられる。試薬カセットとは、試薬の液体又は懸濁液を収容する容器を指し得る。又は、試薬カセットとは、試薬の液体又は懸濁液を収容する容器を保持するホルダであり得る。
【0014】
一実施形態において、上記分析器は、上記分析対象物を単離するユニットを更に備えて成る。上記分析対象物を単離する上記ユニット、及び、液体を移送する上記ユニットは処理デッキ上に配置され得ると共に、上記密閉式の試薬格納器は上記処理デッキの下方に配置され得る。このことは、スペースが節約され得ると共に、上記分析器の設置面積が相当に減少され得るという利点を有している。また、液体を移送する上記ユニット及び上記分析対象物を単離する上記ユニットが結合されて1つのユニットとされる、という一実施形態も構成される。
【0015】
更なる実施形態において、上記分析器は付加的に、上記分析対象物を反応させて検出可能信号を獲得するユニットを備えて成る。一実施形態において、上記分析対象物を反応させて検出可能信号を獲得する上記ユニットは、検出ユニットも備えて成る。別実施形態において、上記分析器は付加的に、別体的な検出ユニットを備えて成る。
【0016】
本明細書中で用いられる如く「処理デッキ」という語句は、自身上でサンプルが処理されるデッキに関している。上記処理デッキは、処理のために必要な全てのステーションが自身上に配置される1つのデッキであり得る。1つより多いモジュールを備えて成るシステムにおいて、「処理デッキ」という語句は、サンプルを処理するステーションを備えて成る異なる複数のモジュール内の全てのデッキを包含する。故に、「処理デッキ」という語句は、1つの分析器の複数の異なるモジュールにおける複数の異なるデッキも包含し得る。
【0017】
別実施形態において、液体を移送する上記ユニットは、分析対象物を単離して精製する分離ステーションを備えて成る。一実施形態において、試薬カセットを分注デバイスに対して呈示する上記ステーションもまた、上記処理デッキ上に配設される。一実施形態において、上記密閉式の試薬格納器は、低レベル、最も好適には上記処理デッキの下方に配設される。故に、一実施形態において、上記密閉式の試薬格納器と、試薬カセットを分注デバイスへと呈示する上記ステーションとは、別体的である。1つの利点は、上記分析器のスペースは、上記処理デッキの下方のスペースを同様に使用することで最適な様式で使用され得る、ということである。
【0018】
更に、上記分析器は、試薬カセットを格納する密閉式の試薬格納器を備えて成る。密閉式の試薬格納器とは、ケーシングを備えた保温器に関すると理解され、その場合、上記ケーシングは、周囲環境から断熱されると共に、該保温器を開閉して試薬カセットの付加又は取出しを許容する蓋体を備えて成る。蓋体の実施形態は、ドア又はシャッタであり、又は、一実施形態においては引出しである。上記試薬格納器は付加的に、試薬を収容する他の容器の格納に対して適切であり得る。
【0019】
試薬は、上記分析を実施するために必要な試薬を備えて成る。分析対象物の分析を実施するために必要な試薬としては、サンプル調製のための試薬、制御試薬、分析対象物と反応して検出可能信号を獲得する試薬、及び/又は、上記分析対象物を検出するために必要な試薬が挙げられる。斯かる試薬としては、分析対象物を単離する試薬、及び/又は、サンプルを処理する試薬、及び/又は、分析対象物と反応して検出可能信号を獲得する試薬、及び/又は、洗浄剤、及び/又は、希釈剤が挙げられる。
【0020】
上記密閉式の試薬格納器は、能動的冷却のための冷却ユニットを備えて成る。「能動的冷却」という語句は、上記保温器が所定範囲の温度内に維持されることを意味すると理解される。温度の範囲は、−4℃又は−2℃又は0℃又は2℃から、10℃又は8℃又は6℃又は4℃までである。
【0021】
更に、それは、内部格納/取出しユニットを備えて成る。該内部格納/取出しシステムは、試薬カセットを上記試薬格納器内及び格納位置へと搬送する搬送機構であって、一実施形態においては昇降器である搬送機構と、一実施形態においては試薬カセットを位置決めする中心合わせブロックを備えて成る少なくとも1つの回転盤とを備えて成る。これにより、効率的な内部格納及び取出しが許容される。一実施形態において、上記昇降器はY操作器を備えて成る。
【0022】
試薬カセットの投入及び取出しを許容するために、上記密閉式の試薬格納器内には蓋体が含まれる。
【0023】
上記密閉式の試薬格納器はまた、試薬カセットの内容物を識別する識別ユニットも備えて成る。
【0024】
上記密閉式の試薬格納器から上記分析器の他のステーションまでの間、及び、該試薬格納器に戻る各試薬カセットの自動搬送のために、上記分析器は、上記試薬格納器と、試薬カセットを呈示する上記ステーションとの間における上記試薬カセットの双方向搬送のための搬送システムも備えて成る。双方向搬送のための該システムは、コンベアを備えて成り得る。一実施形態において、上記搬送システムは少なくとも1つの操作器を備えて成る。一実施形態において、上記操作器システムは、少なくとも2個、又は、少なくとも3個の操作器を備えて成る。操作器システムの1つの利点は、上記密閉式の試薬格納器が上記処理デッキの下方に配置され得るということである。
【0025】
操作器及び分注デバイスは、当業界において公知である。
【0026】
本明細書中に記述された分析器の一実施形態において、該分析器は、上記密閉式の試薬格納器に対して命令を伝達する制御ユニットを備えて成り、上記命令は、上記システムにより要求される試薬カセットを指定する。斯かる制御ユニットは、プロセッサを備えて成り得ると共に、当業者に公知である。
【0027】
一実施形態において、上記格納器及び一時的格納器は、分析器の同一モジュール上に構成される。別実施形態において、それらは、分析器の異なるモジュール上に構成される。一実施形態において上記分析器は、開放空間内で、一切の空間的な分離なしで複数のステーションを備えて成る自己完結式の分析器である。
【0028】
本発明はまた、
分析システムに対して試薬を提供する方法であって、
各試薬カセットを試薬格納器の装填用インタフェース上へと装填する段階と、
上記各試薬カセットを識別する段階と、
上記各試薬カセットを上記試薬格納器内へと移送する段階と、
上記各試薬カセットを上記試薬格納器内で位置決めする段階と、
制御ユニットから上記試薬格納器に対して命令を伝達する段階であって、該命令は、上記システムにより、どの試薬カセットが要求されるかを指定する段階と、
試薬カセットを搬送システムに対して提供する段階と、
上記搬送システムにより上記試薬カセットを、該試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションまで搬送する段階と、
上記試薬カセットを上記試薬格納器まで戻し、又は、上記試薬カセットを廃棄物ステーションへと移送する段階と、を備えて成る方法にも関する。
【0029】
この方法によれば、部分的に使用された試薬カセットを、更なる使用時まで、上記冷却された試薬格納器に戻すことが許容される。故に、試薬の寿命が延長され得ると共に、カセット内の試薬は、該カセットが空になるまで使用され得る。
【0030】
装填用インタフェースとは、本明細書中に記述された蓋体に組み合わされたインタフェースであって、操作者により装填された試薬カセットを受容するインタフェースであり、好適実施形態は、本明細書中に記述された引出しである。一実施形態において操作者は、上記密閉式の試薬格納器の引出し内に、上記試薬カセットを手動的に装填する。次に、上記引出しは自動的に閉じられる。上記試薬カセットが識別される。一実施形態において、装填の後及び試薬カセットの取出しの前における全ての段階は、自動化される。
【0031】
本明細書中に記述された上記方法の一実施形態において、上記試薬格納器は、本明細書中に記述された如く、密閉式の試薬格納器である。故に、上記密閉式の試薬格納器は好適には、能動的冷却ユニットにより冷却される。一実施形態において、上記格納器内に上記カセットを位置決めする上記段階、及び、上記カセットを提供する段階は、内部格納/取出しユニットにより実施される。
【0032】
本明細書中に記述された上記方法の一実施形態において、上記試薬カセットは、情報を読取り且つ書き込むための少なくとも1つのタブを備えて成る。一実施形態において、上記方法は、上記タグに対して供与時間(onboard time)を記憶する段階を備えて成る。一実施形態において、上記タグに対して上記供与時間を記憶する上記段階は、上記格納器から上記カセットを上記操作器システムに対して提供するときに行われる。一実施形態において、供与時間を記憶する上記段階は、上記タグに対してタイムスタンプを書き込む段階を備えて成る。故に、一実施形態において上記方法は付加的に、供与時間を決定して記憶する段階を備えて成る。供与時間を決定して記憶する上記段階は、上記格納器から上記試薬カセットを上記搬送システムに対して提供するときにトリガされる。供与時間を記憶する上記段階は、上記試薬カセットを上記試薬格納器に対して戻す前に、段減カウンタにより行われ得る。更なる実施形態は、本明細書中に記述される。
【0033】
故に、一実施形態において、供与時間を記憶する上記段階は、供与時間をカウンタにより記憶する段階を備えて成る。該カウンタは、段減カウンタとされ得る。該段減カウンタの速度は、温度の上昇により増大される。故に、上記段減カウンタの速度は、長期の格納に対し、上記試薬カセットが存在する領域と上記試薬格納器との間における温度の差に関連し、又は、この差に比例する。供与タイムスタンプの実施形態に対し、その場合に上記タイムスタンプは実際の時刻と比較され、上記タイムスタンプ及び上記実際の時刻に基づいて供与時間が算出され、且つ、上記カセットを上記試薬格納器に戻す前に、累積された供与時間が算出されて上記タグに対して書き込まれる。
【0034】
供与タイムスタンプを書き込むことで供与時間を追尾する段階に関する処理段階が本明細書において記述されるときは常に、その同じ処理段階は、一実施形態にては段減カウンタであるカウンタを用いて供与時間を決定する段階により置き換えられ得ることは理解される。段増カウンタは、供与時間をカウントするための代替策である。
【0035】
故に、上記試薬の寿命は監視され得ると共に、試薬の使用が最適化され得る。
【0036】
「実際の時刻」という語句は、夫々の処理段階が実施される時刻であると理解される。
【0037】
試薬が分注デバイスに対して一旦呈示されたなら、該試薬は、上記試薬カセットを呈示する上記ステーションに保持された該試薬カセットから少なくとも1つの受容器まで分注デバイスにより移送される。
【0038】
図1A及び図1Bには、本明細書中に記述された上記方法に対する作業の流れの一実施形態が更に詳細に示される。試薬カセットは、情報を記憶するタグを備えて成る。上記情報は、一実施形態においては異なる温度の複数の区画における供与時間である供与時間に関する情報から成る。上記タグはRFIDタグである。試薬カセットは、上記分析器上に装填されると共に、本明細書中に記述された試薬格納器内に格納される。装填時には上記タグに対して装填フラグが書き込まれることで、装填日付が記憶される。上記制御システムは、試薬カセット内に収容された単一種類又は複数種類の試薬の種類と、上記格納器内における該試薬カセットの箇所とに関する情報を記憶する。上記分析システムにより要求される試薬に関する情報の受信時に、上記操作器システムは、要求された単一又は複数のカセットを取出し、それを、試薬カセットを分析器に対して呈示するステーションまで搬送する。上記タグ上のカウンタは、今やトリガされることで、上記試薬格納器の外部にて費やされる時間の間において段減的にカウントを行う。代替的に、上記タグに対しては供与タイムスタンプが書き込まれても良い。上記試薬カセットは今や、試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションまで、又は、本明細書中に記述される試薬の一時的格納器まで搬送される。もし、上記試薬カセットが、試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションまで搬送されるなら、該試薬カセットは、使用後には上記試薬格納器まで戻されるか、又は、廃棄物ステーションへと移送される。もし上記試薬カセットが上記試薬格納器へと戻し移送されるなら、上記タグに対しては供与タイムスタンプが書き込まれ得る。その後、上記プロセスは反復され得る。
【0039】
上記試薬カセットが上記一時的格納器へと搬送されるとして、タイムスタンプが供与時間を監視すべく使用されるなら、上記試薬カセットを上記一時的格納器内に載置する前に、上記タグに対しては供与タイムスタンプが書き込まれ得る。上記カウンタにより、上記一時的格納器における温度に従い段減カウントが行われる。上記一時的格納器における上記カセットの位置は、上記制御システムにより記憶される。もし上記システムが試薬を要求するなら、対応する試薬カセットは、試薬カセットを分注デバイスへと呈示するステーションへと移送される。上記一時的格納器の利点は、上記分注デバイスに対して試薬カセットが非常に迅速に呈示され得るということである。上記試薬カセットが、試薬カセットを呈示する上記ステーション上に配置されている間、試薬カセットを呈示する該ステーションにおける温度が上記一時的格納器におけるよりも高ければ、上記カウンタは上記一時的格納器におけるよりも高速にカウントを行う。上記試薬カセットは、再使用のために上記一時的格納器へと、又は、長時間の格納のために上記試薬格納器へと戻され得る。上記試薬格納器内での格納に先立ち、上記タグには供与タイムスタンプが書き込まれる。供与時間カウンタが更新される。上記試薬カセットはその後、それが再び要求されるまで、上記試薬格納器内に格納される。
【0040】
合計の供与時間が所定値を超過したなら、又は、上記試薬カセットにおける試薬レベルが低すぎるなら、又は、上記試薬カセットが誤りであるなら、それは、廃棄物ステーションへと、又は、手動的な取り外しのために投入/取出し位置へと搬送される。
【0041】
故に、本明細書中に記述された上記分析システムは、(図11に示された如き)読取り/書込みデバイス1160を備えて成る。
【0042】
また、本明細書中に記述された如く分析対象物を単離及び/又は分析する分析器及びシステムであって、本明細書中に記述された如き試薬格納器を備えて成る分析器及びシステムもまた、本発明の技術的範囲内である。
【0043】
更に、本明細書中に記述された如き試薬格納器を備えて成るシステムにおいて分析対象物を分析する方法もまた、本発明の技術的範囲内である。
【0044】
液体サンプル内に存在し得る分析対象物を単離して分析する方法が開示される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
a)上記液体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
b)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記液体サンプルを相互に組み合わせる段階;
c)分離ステーションにおいて、上記液体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
d)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記液体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0045】
一実施形態において、上記処理容器は1つ以上の受容器を備えて成る。一実施形態において、上記処理容器は多重ウェル・プレートである。上記方法は一実施形態において、
e)上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させる段階、
を付加的に備えて成る。
【0046】
本明細書中で用いられる「受容器」という語句は、単一の容器(又は管体)、又は、多重管体ユニット中に含まれる1つの管体、又は、多重ウェル・プレートの1つのウェル(又は容器)に関連している。
【0047】
また「容器」という語句は、単一の容器、又は、多重管体ユニットにおける単一の容器、多重ウェル・プレート若しくは多重管体ユニット、又は、多重ウェル・プレートの1つのウェルを意味すると理解される。
【0048】
一実施形態において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。更に、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成り得る。
【0049】
本明細書中で用いられる「反応する段階」という語句は、試薬に対する上記分析対象物の任意の種類の化学反応であって、検出可能信号を獲得するために必要である化学反応に関連する。一実施形態において、上記反応段階は、増幅から成る。増幅は、信号に対する任意の種類の強化として理解され得る。故に、増幅は酵素による分子の変換であり得ると共に、その場合に上記酵素は上記分析対象物に対して連結又は結合されて検出可能信号に繋がり、分析対象物分子が存在するよりも多くの信号分子が形成される。1つの斯かる非限定的な例は、例えばECLを用いた化学発光色素の形成である。増幅という語句は更に、上記分析対象物が核酸ならば、核酸増幅に関連する。これは、線形の等温的な増幅、及び、指数的な増幅の両方を包含する。核酸増幅方法の非限定的な例は、TMA、SDA、NASBA、及び、リアルタイムPCRを含むPCRである。当業者であれば、斯かる方法は公知である。
【0050】
本明細書中で用いられる「固体支持体」という語句は、吸着により直接的かつ非特異的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、例えばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものであり得る。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、又は目標核酸は、目標でない物質、又は目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマとされ得るか、又は、複数種類のポリマの組成物とされ得る。他の種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0051】
シリカ粒子に対する核酸の非特異的な結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、本明細書中に記述される間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。一実施形態において、上記固体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子を支持する。
【0052】
図2は、分析器のモジュールの下側部分1100を示している。頂部には、処理プレート1101がある。下側部分1100は、フレーム1110を備えて成る。上記処理プレートは、試薬カセット1102を呈示するステーションを備えて成る。積層器ユニットのハウジング1103も示される。該積層器ユニットは更に、試薬カセットが装填される試薬引出し1104を備えて成る。次に昇降器1105は、上記カセットを、それが試薬格納器1106内へと移送され得るレベルまで移動する。上記昇降器は、Y操作器1105及びZ軸1108を備えて成る。昇降器1105のスピンドル1109も示される。試薬格納器1106の後側ドアを開くための配置機構1111も視認可能である。図3には、試薬格納器1106及び後側ドア1112、並びに冷却ユニット1115が示される。
【0053】
図4は、試薬カセット引出し1104と、試薬格納器1106の開かれた前側ドア1125と、試薬挿入物1130を備えて成る試薬カセット1122とを示している。試薬カセット1102はY操作器1105上に位置決めされる。Y操作器1105は、試薬カセット1102を試薬格納器1106内に載置するところである。試薬格納器1106の内部は複数の回転盤1113を備えて成り、その上に、試薬カセット1102が載置されて位置決めされ得る。各回転盤1113は、内部にカセット1102が位置決めされる中心合わせブロック1114を備えて成る。中心合わせブロック1114の好適な個数は、4個のブロック1114である。
【0054】
図12には、核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400も開示される。該分析器は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。1つのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、好適には分離済み核酸を備えて成る多重ウェル・プレートの少なくとも1つの受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とを保温する温度制御式の保温器を備えて成る。
【0055】
図10に依れば、分析対象物を処理する分析システム440は、
a)液体サンプル1010を収容すると共に線形配置された複数の第1受容器1001と、液体サンプル1011を保持するn×mの配列の複数の受容器103を備えて成る処理プレート101と、線形配置とされた少なくとも2個の分注ユニット702を備えて成る第1分注デバイス700であって、上記分注ユニット702はピペット先端部3、4に対して結合される第1分注デバイス700と、a×(n×m)の配列の複数のピペット先端部3、4を備えて成る先端部用ラック70と、を備えて成る第1位置と、
b)上記処理プレート101に対するホルダ201、128と、上記先端部用ラック70に対するホルダ470と、ピペット先端部3、4(図10)に対して結合すべくn×mの配列の複数の分注ユニット702を備えて成る第2分注デバイス35と、を備えて成る第2位置と、を備えて成る。
本明細書中で用いられる如く、「ホルダ」という語句は、ラック又は処理プレートを受容し得る一切の配置機構に関している。
【0056】
本発明の分析システム440の利点は、本発明の上記方法に対して本明細書中に記述されたのと同様である。
【0057】
分析システム440の利点は、本明細書中に記述された如くである。
【0058】
一実施形態において、第1分注デバイス700の各分注ユニット702の位置は可変的である。上記第1分注デバイス700の各実施形態は、本明細書中に記述される。
【0059】
一実施形態において、先端部用ラック70は、a×(n×m)の配列とされた複数のピペット先端部3、4を備えて成る。一実施形態においては、先端部用ラック70内に第1形式4及び第2形式3のピペット先端部が含まれる。この実施形態において、第1形式のピペット先端部4はn×mの配列で配置され、且つ、第2形式のピペット先端部3は上記n×mの配列で配置される。一実施形態において、第1形式のピペット先端部4は、第2形式のピペット先端部3とは異なる容量を有する。一実施形態において、第1形式のピペット先端部4の容量は500μlより多く、且つ、第2形式のピペット先端部3の容量は500μlより少ない。この実施形態においては、a=2である。しかし、2種類より多いピペット先端部を備えることからa>2である本発明の実施形態もまた、本発明に包含される。
【0060】
1つの態様において、本発明の分析システム440は、サンプルの種類及び個々の試験を上記処理プレート101の個々の位置に対して割当てる制御ユニット1006を備えて成る。好適には、上記各位置は別体的な区画401、402である。
【0061】
本発明の1つの態様において、上記システムは付加的に、第1位置402と第2位置401との間において処理プレート101及びラック70を移送する移送システム480を備えて成る。移送システム480の実施形態は、コンベア・ベルト、又は、1つ以上の操作器である。
【0062】
更に、第2分注デバイス35の各分注ユニットは、第1位置402において使用されたピペット先端部3、4に対して係合される。
【0063】
本明細書中に記述されたシステム440の一実施形態は付加的に、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と共に上記分析対象物を保温する温度制御式の保温器を備えて成る第3ステーション403を備えて成る。第3ステーション403の更なる実施形態は、熱ブロックを備えて成る増幅ステーションである。各サンプル及び試験を上記のn×mの配列で割当てる更に最適な制御は、第1位置402に含まれた第1プロセッサ1004であって、該第1プロセッサに対しては、処理プレート101の容器103のn×mの配列における特定の複数の位置に対してサンプルの種類及び個々の試験を割当てる命令を制御ユニット1006が伝達する第1プロセッサ1004と、第2位置401に含まれた第2プロセッサ1005であって、該第2プロセッサに対しては、上記処理プレートの容器103のn×mの配列における特定の複数の位置に対してサンプルの種類及び個々の試験を割当てる命令を制御ユニット1006が伝達する第2プロセッサ1005と、により達成される。
【0064】
一実施形態において上記システムは付加的に、上記第1位置に配置された第1プロセッサと、上記第2位置に配置された第2プロセッサとを備えて成る。
【0065】
一実施形態において、第1プロセッサ1004は第1分注デバイス700を制御し、且つ、第2プロセッサ1005は第2分注デバイス35を制御する。
【0066】
一時的格納器
本開示内容はまた、分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析器であって、液体を移送するユニットであって、少なくとも1つの試薬カセットを分注デバイスに対して呈示するステーションを備えて成るユニットを備えて成る自動分析器にも関する。該分析器は付加的に、分析対象物を分析するユニットを備えて成る。更に、上記分析器は、上記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のためのユニットも備えて成る。
【0067】
上記一時的格納によれば、各試薬カセットが上記分析器により必要とされる間はそれらを格納し、且つ、それらがもはや必要とされないときにはそれらを取出すことが可能とされる。
【0068】
一実施形態において、液体を移送する上記ユニットは付加的に、分析対象物を単離する少なくとも1つのステーションを備えて成る。分析対象物を単離する上記ステーショの実施形態は、本明細書中に記述される。液体を移送する上記ユニット、及び、少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納のための上記ユニットは好適には、少なくとも部分的に重なり合う。一実施形態において、分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示する上記ステーションは、上記重なり合い領域内に配置される。液体を移送する上記ユニットが少なくとも1つの分注デバイスを備えて成ることは理解される。一実施形態において、分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示する上記ステーションは、上記一時的格納器の外部に配置される。一実施形態において、上記重なり合い領域は昇降器プレートを備えて成る。
【0069】
本開示内容の更なる態様において、上記分析器は付加的に、分析対象物を含むサンプルを第1受容器から第2受容器へと移送するユニットを備えて成る。本開示内容の1つの態様において、上記分析器は付加的に、密閉式の試薬格納器を備えて成る。
【0070】
上記分析器の実施形態において、一時的格納のための上記ユニットは、冷却ユニットを備えて成る。上記一時的格納ユニットの更なる実施形態は、本明細書中に開示される。
【0071】
上記密閉式の試薬格納器の実施形態は、本明細書中に記述される。上記密閉式の試薬格納器の上記冷却ユニットは、該密閉式の試薬格納器の内部温度を、下側の指定温度と上側の指定温度との間に維持すべく設定される。上記温度の実施形態は、本明細書中に開示される。
【0072】
上記密閉式の試薬格納器は特に有用である、と言うのも、それは温度に影響されやすい試薬の長期の格納を提供するからである。斯かる試薬としては、限定的なものとしてでは無く、核酸を増幅するためのポリメラーゼの如き酵素、又は、呈色反応のための酵素を含む試薬が挙げられる。本開示内容に係る、試薬の長期の格納のための試薬格納器と、一時的格納器との組み合わせは、分析システムにおいて特に好適である。これにより、試薬カセット及びその内容物が、格納温度を超える温度に晒される時間が最小限まで減少される。斯かる分析器及びシステムにおいて、試薬を備えた試薬カセットが装填される頻度が減少され得ることから、操作者が離れる時間が増大される。試薬カセットを上記試薬格納器から上記一時的格納器へと移し換えることにより、各試薬カセットは、それらが上記試薬格納器から直接的に移送される場合よりも、更に迅速に上記分注デバイスに対して呈示される。これにより上記試薬格納器は、スペースが容易に利用可能である上記分析器の領域に載置され得る。上記一時的格納ユニットの各寸法は、現在の作業に必要な試薬カセットを格納するために必要なスペースまで低減され得ることから、上記一時的格納ユニットにより占有されるスペースを最小化し乍ら、それを、液体を移送する上記ユニットの直近に載置することが可能とされる。この設定は、夫々の試薬が必要とされるときに試薬カセットを分注デバイスに対して迅速かつ適時に呈示するために特に好適である。
【0073】
上記一時的格納器は、更なる利点を有している。1つの態様において、それは冷却ユニットを備えた密閉式の冷却領域を備えて成る。1つの態様において、上記冷却は能動的冷却ユニットである。該冷却ユニットは、温度を閾温度より低く維持すべく設定される。一実施形態において、上記閾温度は、40℃、更に好適には35℃又は30℃、最も好適には28℃である。上記冷却ユニットは、温度を斯かる閾値より低く維持すべく動作することのみが必要である。故に、上記試薬格納器に対するよりも少ないエネルギが必要とされる。他方、各試薬の寿命は最適化される、と言うのも、それらは、それらが必要とされる限りにおいてのみ上記一時的格納器内に保持されてから、長期の格納のために上記試薬格納器へと戻されるからである。故に、高温に対する露出が最小限とされる一方、分注デバイスに対する試薬カセットの迅速かつ適時の呈示が維持される。
【0074】
密閉式の試薬格納器の実施形態は、本明細書中に記述される。
【0075】
本発明の1つの好適な態様において、上記分析器は付加的に、上記密閉式の試薬格納器と、試薬カセットを呈示する上記ステーションとの間における上記試薬カセットの双方向搬送のための操作器システムを備えて成る。更なる好適実施形態は、本明細書中に記述される。
【0076】
本発明はまた、自動分析器において分析対象物を分析するための試薬を収容する試薬カセットを分注デバイスへと呈示する方法であって、
能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを、一時的格納ユニットへと移送する段階と、
上記分析器により上記試薬カセットが必要とされるまで、それを上記一時的格納ユニット内に保持する段階と、
上記一時的格納ユニットから上記試薬カセットを、該試薬カセットを上記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階であって、上記少なくとも1つの試薬カセットを呈示する上記ステーションは上記一時的格納器の外部に配置される段階と、
上記試薬の分注が完了したときに、上記試薬カセットを上記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階とを備えて成る、
方法にも関している。
【0077】
斯かる方法は好適である、と言うのも、試薬を収容する各試薬カセットは、それらが必要とされる間のみ、上記分析器内における高温領域に晒される一方、それらが分注に対して必要とされたときには迅速に起動され得るからである。
【0078】
1つの態様において、段階b)〜d)は、少なくとも一回だけ反復される。一実施形態において、上記試薬カセットは上記密閉式の試薬格納器から上記一時的格納ユニットへと、操作器システムにより移送される。
【0079】
一実施形態において、上記試薬カセットは、上記密閉式の試薬格納器から第1操作器により第1位置へと移送され、且つ、該第1位置から第2操作器により上記一時的格納器へと移送される。
【0080】
1つの態様において、上記試薬カセットは情報を記憶するタグを備えて成り、該タグには、上記自動分析器における供与時間の情報が記憶される。
【0081】
好適実施形態において、本明細書中に記述された上記方法は、もし上記試薬カセットが空でなければ、該試薬カセット内に収容された試薬が新たな試験に対して要求されるまで長期の格納のために該試薬カセットを上記密閉式の試薬格納器へと移送し、又は、上記試薬カセットを消耗品廃棄ステーションへと移送する段階を付加的に備えて成る。上記試薬カセットは付加的に、上記密閉式の試薬格納器の引出し内へと好適には手動的に装填され、上記試薬カセットは上記密閉式の試薬格納器内で自動的に移送される。
【0082】
一実施形態において、上記一時的格納器内の上記試薬カセットは、該試薬カセットを分注デバイスへと呈示する上記ステーションへと、昇降器により移送される。
【0083】
更なる好適実施形態は、本明細書中に記述される。
【0084】
本発明の上記分析器、及び、その構成要素、特に上記一時的格納ユニットの代表的実施形態は、本明細書中に示される。
【0085】
一実施形態において、本明細書中に記述された上記方法は付加的に、もし上記試薬カセットが空でなければ、該試薬カセット内に収容された試薬が新たな試験に対して要求されるまで長期の格納のために該試薬カセットを上記密閉式の試薬格納器へと移送し、又は、上記試薬カセットを消耗品廃棄ステーションへと移送する段階を備えて成る。上記試薬カセットは付加的に、上記密閉式の試薬格納器の引出し内へと手動的に装填され、上記試薬カセットは上記密閉式の試薬格納器内で自動的に移送される。
【0086】
更なる実施形態は、本明細書中に記述される。
【0087】
本明細書中に開示された如き上記分析器、及び、その構成要素、特に上記一時的格納ユニットの実施形態は、本明細書中に示される。
【0088】
図5は、分析器のモジュールであって、一実施形態においては処理モジュール402(図10)であるモジュールの下側部分1149を示している。下側部分1149の頂部は、処理プレート1150である。上記下側部分は更に、フレーム1157を備えて成る。積層器1151も示される。処理プレート1150は、(例えば図4に示された)試薬カセット1122を分注デバイスに対して呈示するステーション1156と、試薬カセット1122を分注デバイスに対して呈示する該ステーション1156の内側における昇降器プレート1152とを備えて成る。試薬カセット1122は、情報を記憶するタグ1160を備えて成る。昇降器プレート1156は、Z方向に移動され得る。一時的格納器1153も示される。図6は、一時的格納器1153と、試薬カセットを分注デバイスへと呈示するステーション1156と、上記格納物を取出すための緊急ドア1154と、空気吐出口1147とを示している。図7は、緊急ドア1154が取り外されると共に、カセット1102を一時的格納器1153の内側に保持する保持ユニット1155及びカセット1122が視認され得ることを除き、図6と同一の特徴を示している。図8及び図9には、上記一時的格納器の内側が示される。図8は、フレーム1158と、保持ユニット1155と、該保持ユニット内に保持された試薬カセット1122と、試薬カセット1122を呈示するステーション1156と、昇降器プレート1156とを示している。特に、図9は昇降器1159も示している。
【0089】
分析対象物を単離かつ分析する分析装置及び方法
流体サンプル中に存在し得る分析対象物を単離かつ分析する方法が開示される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
f)上記流体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
g)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記流体サンプルを相互に組み合わせる段階;
h)分離ステーションにおいて、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
i)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記流体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0090】
1つの態様において、段階a)において使用された上記ピペット先端部は、該段階a)の後で再使用される。
【0091】
本明細書において上記された方法の好適実施形態において、段階a)は、
a1)第1位置においてラック内に保持された第1形式の各ピペット先端部を、第1処理ヘッドに対して係合させる段階;
a2)第1処理ヘッドに対して係合された第1形式の各ピペット先端部により、上記流体サンプルをサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
a3)上記各ピペット先端部を上記ラック内に載置し、且つ、各ピペット先端部を上記処理ヘッドから係合解除する段階;
a4)上記各ピペット先端部を備えて成る上記ラックと、上記処理容器とを、第2位置へと搬送する段階;
a5)上記ラック内に保持された上記第1形式の各ピペット先端部を、上記第2位置において第2処理ヘッドに対して係合させる段階;
を更に備えて成り得る。
【0092】
一実施形態において、上記処理容器は1つ以上の受容器を備えて成り得る。1つの態様において、上記処理容器は多重ウェル・プレートである。上記方法は好適には、
j)上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させる段階、
を付加的に備えて成る。
【0093】
各ピペット先端部の再使用は、上記分析方法において使用される使い捨て可能な消耗品の減少と、コスト削減とに繋がる。一実施形態において、段階d)における洗浄は、各ピペット先端部に対して係合された処理ヘッドにより吸引し、且つ、上記洗浄用緩衝液を供与する段階を備えて成る。
【0094】
一実施形態において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。1つの態様において、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成る。
【0095】
本明細書中に記述された上記方法の一実施形態において、上記各ピペット先端部を備えて成る上記ラックと、上記処理容器とを、第2位置へと搬送する段階は、分析機器の別体的な第1区画と、上記分析システムの処理区画とされ得る別体的な第2区画と、の間で行われる。1つの態様において、上記ラックは複数のピペット先端部を夫々収容する複数の独立的なチャンバを備えて成る。
【0096】
一実施形態において、上記第1形式のピペット先端部は、段階d)における洗浄に対して再使用される。
【0097】
一実施形態において、上記ラックは付加的に、第2形式のピペット先端部を備えて成る。更に、1つの態様において、本明細書中に記述された方法は、段階d)とe)との間において磁性粒子から分析対象物が溶出される段階を備えて成る。一実施形態は、上記第2形式の複数のピペット先端部により、好適には多重ウェル・プレートである上記処理容器から、好適には多重ウェル・プレートである反応容器への分析対象物の移し換えを備えて成る。
【0098】
本開示内容は、
a)分析対象物を含む液体サンプルを保持する第1受容器と、液体サンプルを保持するための第2受容器と、複数のピペット先端部を保持するラックと、上記第1受容器から第2受容器へと液体サンプルを移し換える第1処理ヘッドとを構成する第1位置と、
b)上記第2受容器を受容するステーションと、上記ラックを受容するラック保持ステーションとを構成する第2位置と、
c)上記第2受容器と複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを、上記第1位置と上記第2位置との間で移送する移送システムと、
を備えて成る、分析対象物を単離する分析システムを記述する。
【0099】
一実施形態において、上記各位置は夫々、別体的区画である。上記移送システムにより移送される上記ラックは、上記第1位置において使用された複数のピペット先端部を備えて成る。一実施形態において、上記第1受容器はサンプル容器であり且つ上記第2受容器は処理容器である。1つの態様において、上記処理容器は多重ウェル容器である。上記各ステーションの実施形態は、本明細書に記述される。
【0100】
本明細書にて記述される上記分析システムにおいて、上記搬送システムは好適には、上記受容器及び上記ラックを、上記第1位置から上記第2の別体的な位置へと移送する。1つの態様において、上記第2の別体的な位置は、磁気的分離ステーションを構成する。上記分析システムは付加的に、別の態様において、増幅ステーションを備えて成る。
【0101】
上記システムの一実施形態の上記搬送システムは、当該分析システム内において上記ラック及び上記処理容器を把持して第1箇所から第2箇所へと搬送すべく構成かつ配置された操作器を備えて成る。操作器は、当業者に公知である。
【0102】
一実施形態において、上記システムは完全に自動化される。
【0103】
本開示内容はまた、分析対象物を単離かつ分析する自動分析器であって、該分析器内に配設された複数のステーションを備えて成る自動分析器にも関している。上記複数のステーションは、第1箇所に配設されたサンプル供与ステーションを備えて成る。1つの態様において、上記サンプル供与ステーションは、分析対象物を含む液体サンプルを、ラック内に保持された各ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと供与すべく構成かつ配置される。1つの態様において、サンプル供与ステーションは、サンプル容器と、処理容器と、液体供与ユニットとを備えて成るステーションである。上記液体供与ユニットは、処理デバイスとされ得る。
【0104】
上記自動分析器は、第2箇所に配設された分離ステーションを更に備えて成る。1つの態様において、上記分離ステーションは、上記液体サンプルを保持している上記処理容器と、上記サンプル供与ステーションにおいて使用された複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを受容すべく、且つ、上記液体サンプル中に存在する他の物質から分析対象物を分離すべく、構成かつ配置される。分離ステーションの別の実施形態は、可動磁石を備えて成る分離ステーションである。
【0105】
上記自動分析器は第3箇所に配設された反応ステーションを更に備えて成り、該反応ステーションは、上記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得すべく構成かつ配置される。反応ステーションの別の実施形態は、保温器を備えて成るステーションである。1つの態様において、上記保温器は温度制御式の保温器である。別の態様において、上記保温器は1つの一定温度に保持される。保温器の別の実施形態は、熱サイクラ・ブロックである。1つの態様において、上記反応ステーションに対し、又は、上記保温器に対し、検出可能信号を検出する検出器が一体的に接続される。検出器の一実施形態は、周期的な測定及び定量のための核酸定量システムを備えて成る。1つの態様において、上記検出器は付加的に、信号を検出する核酸検出システムであって、閾値レベルを超える信号が検出されたか否かに基づいて反応受容器内の核酸の有無を確定するシステムを備えて成る。
【0106】
代替的に、上記自動分析器は付加的に、検出ステーションを備えて成る。該自動分析器は更に、搬送機構を備えて成る。該搬送機構は、消耗品を操作する操作器を備えて成る。該操作器は好適には、消耗品を各ステーション間で搬送する。一実施形態において上記搬送機構は、上記サンプル容器及び上記ラックを、上記サンプル供与ステーションから上記分離ステーションへと搬送すべく構成かつ配置される。本開示内容の上記自動分析器の更なる実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0107】
一実施形態において、本開示内容の分析装置400は分析対象物を処理する少なくとも1つのモジュール401を備えて成り、上記処理は液体の分注から成る。処理モジュール401は、
a)ピペット先端部3、4と係合する処理ヘッド35であって、該処理ヘッド35の下側表面61内に配置された位置決め要素36を備えて成る処理ヘッド35と、
b)ピペット先端部3、4を保持する先端部用ラック60、70であって、処理ヘッド35上の位置決め要素36と機械的に係合し得る位置決め要素31、32、33、34を備えて成る先端部用ラック60、70と、
を備えて成る。
【0108】
本明細書において上記された分析装置400の一実施形態において、処理モジュール401は、分析対象物の単離及び精製のためのモジュールである。故に、本明細書中で用いられる「処理」という語句は、分析対象物の単離及び/又は分離及び/又は捕捉及び/又は精製に関連すると理解される。1つの態様において、装置400は、処理のためにサンプルを調製するモジュール402を備えて成る。1つの態様において装置400は、上記分析対象物の増幅のためのモジュール403を備えて成る。一実施形態において上記装置は、増幅試薬を、格納受容器から、精製済み分析対象物を含む受容器へと移送するモジュール404を付加的に備えて成る。上記装置の更なる実施形態は、此処で本明細書において記述される。
【0109】
本開示内容はまた、核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400にも関し、該分析器は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。1つのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、1つの態様において分離済み核酸を備えて成る多重ウェル・プレートの少なくとも1つの受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とを保温する温度制御式の保温器を備えて成る。
【0110】
本開示内容はまた、本明細書中に記述された如く保持ステーションと多重ウェル・プレート・セットとを備えて成る分析システムにも関する。一実施形態において、上記多重ウェル・プレート・セットは上記保持ステーション内に固定される。一実施形態において、上記多重ウェル・プレートは複数の凹所を備える縁部を有する基部を備えて成り、上記各凹所に対しては、上記保持ステーション上の位置決め/固定要素、1つの態様においては掛止クリップ(図47a)及びb))が接触し、該接触により上記多重ウェル・プレートの上記基部に対して下向きの圧力が及ぼされることで、上記多重ウェル・プレートは上記保持ステーションに固定される。上記分析システムの更なる実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0111】
本開示内容はまた、
分析対象物を単離して精製する処理モジュールであって、複数のピペット先端部を備えて成るラックを保持する保持ステーション470を備えて成る処理モジュールであって、上記ラックは、該ラックの1つの側壁上に配置された少なくとも1つの凹所と、該ラックの逆側の第2の側壁上に配置された少なくとも1つの凹所とを備えて成り、上記保持ステーションは、固定要素、1つの態様においては掛止クリップを備えて成り、且つ、上記固定要素、又は、掛止クリップは、上記凹所の底部に対して力を及ぼすことにより該凹所と相互作用する、処理モジュールと、
上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させることにより、該分析対象物を分析するモジュール403と、
を備えて成る分析機器にも関している。
【0112】
上記分析機器は、1つの態様において、液体操作モジュール404、500を付加的に備えて成る。上記分析機器の更なる実施形態は、別体的に、又は、各実施形態の組み合わせとして本明細書中に記述される。1つの態様において、本開示内容に係る上記分析機器は好適には、シール・ステーション410を付加的に備えて成る。シール・ステーション410は、処理モジュール401内に配置される。
【0113】
「モジュール」及び「区画」という語句は、本明細書においては互換的に使用される。
【符号の説明】
【0114】
35 第2分注デバイス
400 自動分析器
401 処理モジュール
480 移送システム
700 第1分注デバイス
1102 試薬カセット
1105 昇降器/Y操作器
1106 試薬格納器
1112 後側ドア
1115 冷却ユニット
1122 試薬カセット
1153 一時的格納器
1156 試薬カセットを呈示するステーション
1159 昇降器
1160 タグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象物を検出又は定量する自動分析器であって、
前記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納器のユニットであって、冷却ユニットを有する該一時的格納器ユニットと、
分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示するステーションを有して液体を移送する移送ユニットであって、分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示する前記ステーションが前記一時的格納ユニットの外部に配置される移送ユニットと、
前記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得する分析ユニットと、
密閉式の試薬格納器であって、
a.該試薬格納器の能動的冷却のための冷却ユニットと、
b.内部格納/取出しシステムと、
c.試薬の投入及び取出しのための蓋体と、
d.試薬カセットの内容物を識別するための識別ユニットと、
を有する密閉式の試薬格納器と、
を具備する自動分析器。
【請求項2】
液体を移送する前記移送ユニットが、分析対象物を単離する少なくとも1つのステーションをさらに有する請求項1に記載の分析器。
【請求項3】
前記試薬カセットが情報を記憶するタグを有し、前記情報が前記試薬カセットの供与時間を含む請求項1又は2に記載の分析器。
【請求項4】
前記一時的格納器の前記冷却ユニットが、該一時的格納器の内側の温度を閾温度より低く維持するように設定される請求項1から3のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項5】
前記情報が、異なる複数の温度における供与時間を含む請求項3又は4に記載の分析器。
【請求項6】
自動分析器において分析対象物を分析するための試薬を収容する試薬カセットを分注デバイスへと呈示する方法であって、
a)能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを、一時的格納ユニットへと移送する段階であって、前記一時的格納ユニットが冷却ユニットを有する段階と、
b)前記自動分析器により前記試薬カセットが必要とされるまで、前記試薬カセットを前記一時的格納ユニット内に保持する段階と、
c)前記一時的格納ユニットから前記試薬カセットを、該試薬カセットを前記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階であって、前記少なくとも1つの試薬カセットを呈示する前記ステーションが前記一時的格納器の外部に配置される段階と、
d)前記試薬の分注が完了したときに、前記試薬カセットを前記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階と、を含み、
前記試薬カセットが情報を記憶するタグを有し、且つ、該タグには、前記自動分析器の供与時間の情報が記憶される方法。
【請求項7】
前記段階b)〜d)が、少なくとも一回だけ反復される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記試薬カセットが、前記密閉式の試薬格納器から前記一時的格納ユニットまで、操作器システムにより移送される請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記試薬カセットが、前記密閉式の試薬格納器から第1位置まで第1操作器により移送され、且つ、前記第1位置から前記一時的格納器まで第2操作器により移送される請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記試薬カセットが情報を記憶するタグを有し、且つ、該タグには、前記自動分析器の異なる温度の複数の区画における供与時間の情報が記憶される請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
e)前記試薬カセットが空でなければ、該試薬カセット内に収容された試薬が新たな試験のために要求されるまで長期の格納のために該試薬カセットを前記密閉式の試薬格納器へと移送し、又は、前記試薬カセットを消耗品廃棄ステーションへと移送する段階をさらに含む請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記一時的格納器内の前記試薬カセットが、該試薬カセットを分注デバイスへと呈示する前記ステーションへと、昇降器により移送される請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
分析対象物を検出又は定量する自動分析器であって、
前記分析対象物を単離及び/又は分析するために必要な試薬を収容する少なくとも1つの試薬カセットの一時的格納器のユニットであって、冷却ユニットを有する該一時的格納器ユニットと、
分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示するステーションを有して液体を移送する移送ユニットであって、分注デバイスに対して少なくとも1つの試薬カセットを呈示する前記ステーションが前記一時的格納ユニットの外部に配置される移送ユニットと、
前記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得する分析ユニットと、
密閉式の試薬格納器であって、
a.該試薬格納器の能動的冷却のための冷却ユニットと、
b.内部格納/取出しシステムと、
c.試薬の投入及び取出しのための蓋体と、
d.試薬カセットの内容物を識別するための識別ユニットと、
を有する密閉式の試薬格納器と、
を具備する自動分析器。
【請求項2】
液体を移送する前記移送ユニットが、分析対象物を単離する少なくとも1つのステーションをさらに有する請求項1に記載の分析器。
【請求項3】
前記試薬カセットが情報を記憶するタグを有し、前記情報が前記試薬カセットの供与時間を含む請求項1又は2に記載の分析器。
【請求項4】
前記一時的格納器の前記冷却ユニットが、該一時的格納器の内側の温度を閾温度より低く維持するように設定される請求項1から3のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項5】
前記情報が、異なる複数の温度における供与時間を含む請求項3又は4に記載の分析器。
【請求項6】
自動分析器において分析対象物を分析するための試薬を収容する試薬カセットを分注デバイスへと呈示する方法であって、
a)能動的冷却を行う密閉式の試薬格納器内に格納された試薬カセットを、一時的格納ユニットへと移送する段階であって、前記一時的格納ユニットが冷却ユニットを有する段階と、
b)前記自動分析器により前記試薬カセットが必要とされるまで、前記試薬カセットを前記一時的格納ユニット内に保持する段階と、
c)前記一時的格納ユニットから前記試薬カセットを、該試薬カセットを前記分注デバイスへと呈示するステーションへと移送する段階であって、前記少なくとも1つの試薬カセットを呈示する前記ステーションが前記一時的格納器の外部に配置される段階と、
d)前記試薬の分注が完了したときに、前記試薬カセットを前記一時的格納ユニットへと戻し移送する段階と、を含み、
前記試薬カセットが情報を記憶するタグを有し、且つ、該タグには、前記自動分析器の供与時間の情報が記憶される方法。
【請求項7】
前記段階b)〜d)が、少なくとも一回だけ反復される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記試薬カセットが、前記密閉式の試薬格納器から前記一時的格納ユニットまで、操作器システムにより移送される請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記試薬カセットが、前記密閉式の試薬格納器から第1位置まで第1操作器により移送され、且つ、前記第1位置から前記一時的格納器まで第2操作器により移送される請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記試薬カセットが情報を記憶するタグを有し、且つ、該タグには、前記自動分析器の異なる温度の複数の区画における供与時間の情報が記憶される請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
e)前記試薬カセットが空でなければ、該試薬カセット内に収容された試薬が新たな試験のために要求されるまで長期の格納のために該試薬カセットを前記密閉式の試薬格納器へと移送し、又は、前記試薬カセットを消耗品廃棄ステーションへと移送する段階をさらに含む請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記一時的格納器内の前記試薬カセットが、該試薬カセットを分注デバイスへと呈示する前記ステーションへと、昇降器により移送される請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−112942(P2012−112942A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−250563(P2011−250563)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250563(P2011−250563)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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