一枚式傘面用の傘骨構造
【課題】一枚式傘面用の傘骨構造の提供。
【解決手段】一般に傘の傘骨の配置は、傘面の引張り状況を考慮していない。この傘骨を一枚式傘面に運用すると、傘の開閉の制御が難しくなる。本発明は一枚式傘面に用いられる傘骨構造を提供する。これは傘骨と一枚式傘面を包含し、構造は中棒が中心とされ、一枚式傘面の交錯糸の対角線に沿って、或いは経線、緯線の方向に沿って基準線を形成する。傘骨は少なくとも四つの親骨を包含し、親骨は基準線に配置されるか、基準線を囲むように対称に配置される。傘骨の外端は、一枚式傘面の外辺縁と一つに接続され、傘骨に有効に一枚式傘面を支持して、傘開放後の円弧形状の上棚を形成し、傘を畳んだ後の傘骨と一枚式傘面もスムーズに収容される。
【解決手段】一般に傘の傘骨の配置は、傘面の引張り状況を考慮していない。この傘骨を一枚式傘面に運用すると、傘の開閉の制御が難しくなる。本発明は一枚式傘面に用いられる傘骨構造を提供する。これは傘骨と一枚式傘面を包含し、構造は中棒が中心とされ、一枚式傘面の交錯糸の対角線に沿って、或いは経線、緯線の方向に沿って基準線を形成する。傘骨は少なくとも四つの親骨を包含し、親骨は基準線に配置されるか、基準線を囲むように対称に配置される。傘骨の外端は、一枚式傘面の外辺縁と一つに接続され、傘骨に有効に一枚式傘面を支持して、傘開放後の円弧形状の上棚を形成し、傘を畳んだ後の傘骨と一枚式傘面もスムーズに収容される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は傘骨構造にかかわる一枚式傘面用の傘骨構造に関する発明。
【背景技術】
【0002】
一般に伝統的な傘面は、傘用に加工された生地を裁断し縫い合わせて製造する。
それは図1に示されるように生地を裁断して三角形生地Aを作成し、三角形生地Aの一辺Bを内に折った後に縫い合わせて全体の傘面を形成する。
しかし、このような構造の取り付けは比較的複雑であり、手作業での縫製が大量に必要で傘面の加工効率を低下させる。
【0003】
傘面の構造を簡易化するため、一体化傘面が発明された。
特許文献1に記載された傘面のようなものがあり、それは生地を裁断して構成する。
このような傘面は大幅に傘面の製造を簡易化するが、傘骨で傘面を引き伸ばすことにより立体形の傘を構成する必要がある。
したがって傘骨の強度要求がより高くなる。現在の傘骨構造では一体化傘面の要求を満足させることが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中華人民共和国特許出願第200710074654.9号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者の研究により明確になったことは、各傘骨の変形、湾曲またはねじれは同一にならないことである。
細かくみると傘面は経線(縦糸)、緯線(横糸)を機器で構成して形成される。これにより傘面には縦横に交錯する経線、緯線が排列される。
経線、緯線は一つの四角形のフレームから構成される。傘骨の張力を受ける過程で傘面の異なる位置に発生する張力はいずれも同じでない。
このため傘骨が一枚式傘面を支持する過程で、各傘骨が傘面を支持して受ける傘面の発生する反作用力はいずれも同じではなく、各傘骨の変形、湾曲またはねじれは同一にならない。
【0006】
一般の傘骨設置方式に照らし合わせて傘面の異なる角度の張力を考慮しなければ、一枚式傘面の傘の良好な開閉効果を達成することは難しい。
【0007】
本発明の目的は、一枚式傘面の傘骨構造を提供することにある。この傘骨構造は一枚式傘面を支持するのに十分な強度を有し、且つ良好な傘の開閉効果を達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するため、本発明の傘骨構造には、傘骨と一枚式傘面を包含する傘骨構造を有する。
この傘骨は中棒を中心とし、一枚式傘面の糸の対角線方向に沿ってまたは経線、緯線方向に沿って基準線とする。
傘骨は少なくとも四つの親骨を有し、且つ各親骨は基準線上に設置されるか、基準線で対称に設置される。
傘骨の外端は一枚式傘面の外辺縁の露先或いは連接部品に接合される。
【0009】
一枚式傘面の中心(中棒)より傘面の対角線に沿って形成した基準線に沿って設置した傘骨は、傘面の伸縮性が最もよい。
最大限傘面を引っ張って開くことができ、傘開放時に円弧状の頂点を形成できる。
開いた傘の傘形を保持させることができ、傘をたたむ時にはスムーズにたたむことができる。
【0010】
基準線に対称に設置された傘骨は、傘面の伸縮性は最大ではないが、対称な二つの傘骨に対応する傘面の伸縮性は完全に一致する。
また傘骨の支持力は同一となり、傘面の伸縮性も同一になる。
傘面の経線、緯線方向に設置された傘骨は、それに対応する傘面変形が最小であるが、傘面上の傘骨の分布は基準線に対して対称性を有する。
すなわち対称な傘骨は同じ支持力を有し、傘骨位置の傘面の変形も同一である。
【0011】
これにより、一枚式傘面が開かれ傘形を形成し、たたまれた後には傘骨及び傘面は完全に収納される。
上述の対称とは、傘骨を基準として、軸対称或いは点対称とし、かつ傘骨の配置位置の対称を指す。
【0012】
以上に述べた傘骨は、その各辺縁と中棒の中心の距離が等しい長さの時または対角線方向に位置する基準線に配置された傘骨が最長である時、傘面の経線或いは緯線方向に配置された傘骨は最短となり傘骨支持の平衡性を達成する。
【0013】
傘骨が等しい長さの時で、対角線方向に位置する基準線に配置された傘面の辺縁と中棒の中心距離が最短である時、傘面の経線或いは緯線方向に配置された傘面の辺縁と中棒の中心距離は最長である。
【0014】
以上に述べた傘骨の端尾に分岐構造を形成し、親骨の尾部が分岐して少なくとも二つの尾骨を形成する。
尾骨は基準線に対して二つが対称で、円弧形状で伸び、傘面辺縁の露先と一つに接続される。
【0015】
以上に述べた傘骨の長さは傘面の長さ以上であるか、傘骨と露先末端から傘面辺縁、傘骨と接合部品から傘面辺縁の長さが傘面の長さ以上とする。
【0016】
以上に述べた傘骨構造は、その傘骨の周辺に補助傘骨を設けてもよく、補助傘骨は基準線を軸線として対称に分布する。
補助傘骨は傘骨構造と同じとしても異なるものとしてもよく、一本の独立した直骨を採用するか、傘骨に尾端に枝分かれを採用した構造と類似の構造としてもよい。
【0017】
さらに、同一長さの傘骨と補助傘骨に対しては、対角線方向から離れて傘面の経線方向或いは経線方向に接近するほど、対応する傘面位置の傘面設置長さは長くなる。
反対に、対角線方向に接近し、傘面の糸の経線方向或いは緯線方向より離れるほど、対応する傘面位置の傘面長さは短くなる。
【0018】
以上に述べた傘骨は、その中心にヒンジ部が設置され、ヒンジ部は親骨に勘合固定される凸状であり、ヒンジ部を介して親骨は尾部に接合する。
【0019】
好例として、各傘骨にヒンジ部が配置され、尾骨はヒンジ部を介して親骨に接合される。
或いは、一つのヒンジ部を介して二つの親骨が並行して一つに接続され、其の他の傘骨がヒンジ部に接合され二つの親骨を支持する。
【0020】
以上に述べたヒンジ部は下向き傾斜角度を備えている。
ヒンジ部は親骨と下向き傾斜角度を形成するように設置され、傘骨の尾部が下向きの状態で傘面を支持し、傘を開く時に傘形を形成しヒンジ部はさらに対風能力を増加する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、傘骨は傘面の経線、緯線が構成する基準線に基づき配置され、これにより傘骨は基準線により均一に分布して均衡に傘面を支持する。
本発明の傘を開いた後は良好な傘形を備え、傘を閉じる際にもスムーズに収容でき、一枚式傘面と本発明の傘骨の良好なマッチングを達成する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】伝統的な製法により構成された傘面の表示図である。
【図2】一枚式傘面の構造表示図である。
【図3】本発明の第1実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図4】図3の方式の傘の立体図である。
【図5】本発明の第2実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図6】本発明の第3実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図7】本発明の第4実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図8】本発明の第5実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図9】本発明の第6実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図10】本発明の第7実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図11】本発明の第8実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図12】本発明の第9実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図13】本発明の第10実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2を参照されたい。図2は一枚式傘面を構成する糸表示図である。
その詳細構造は当図に示すように、複数の並列配置された緯線a及び縦向きに並列配置された経線bが交錯した線を使って生地に四角形の格子状の構造を形成させる。
張力により引き起こされる変形は四角形の位置により異なる。対角線c方向の変形は比較的大きく、緯線aと経線b方向の変形は比較的小さくなる。
これにより、緯線a或いは経線bを囲む異なる角度の傘骨が一枚式傘面に対して支持を形成する。一枚式傘面は角度位置に対応する変形が異なる。
【0024】
また、生地の変形は傘骨に反作用する。傘骨の形成する湾曲の弧度と変形も同様である。
したがって一枚式傘面に対しては、傘骨の変形を防止し有効な傘型を形成するため、傘骨に対して規律的な配置が必要である。
【0025】
図3は本発明の第1実施方式を示す。この一枚式傘面1は四角形で、かつ中棒3を中心とし、一枚式傘面1の対角線cが基準線となる。
基準線に沿って、四つの親骨2が配置され、この親骨2の末端に露先4が設置される。
露先4はこの一枚式傘面1に固定され、四つの親骨2は同じ長さに設置され、かつ中棒3の上端の上ろくろに接合する。
【0026】
これにより図4に示す傘が形成される。
傘を開く時、複数の親骨2が傘面1を開き、円弧形状の傘型を形成する。かつ四角形の傘面を形成し、受骨7、上ろくろ5、下ろくろ6、ハンドル8はいずれも既存の構造を採用できる。
【0027】
図5に示すのは、本発明の第2実施方式の表示図であり、中棒13を中心とし、一枚式傘面11の対角線cを基準線とする。
この基準線に添って親骨12を設置し、各親骨12の末端はヒンジ部17をとおり、二つの尾骨15、16として分岐させる。
この尾骨15、16は同一長で且つ円弧形状を形成して外向きに伸び出し、それぞれ一枚式傘面11の露先14に挿入される。
【0028】
このとき、隣り合う二つの露先14の形成する角度は45度であり、正八角形の一枚式傘面を形成できる。
尾骨は対称に分布し、これにより一枚式傘面11の各部分の受ける力は均一となり傘をスムーズに開くことができる。
【0029】
さらに一枚式傘面21に対する支持を強化するために、補助傘骨を増加して支持構造を強化できる。
図6に本発明の第3実施方式を示す。一枚式傘面21、親骨22、中棒23、露先24、尾骨25、26及びヒンジ部28からなり、それらの構造は図5に示す方式と一致する。
ただし、中棒23と露先24の間に、補助傘骨27が増設される。傘を開いた後この補助傘骨27が円弧形状を形成しかつそれと対応する露先24に接続する。
これは各親骨22の間にあって、一枚式傘面21の開きを補助し、一枚式傘面21の支持をよりしっかりしたものとする。
【0030】
図7を参照されたい。親骨32はヒンジ部38を通った後、少なくとも三つの尾骨として分岐し、一枚式傘面31を支持する。これは本発明の第4実施方式である。
中棒33を中心とし、一枚式傘面31の対角線cを基準線とし、かつこの基準線に添って親骨32が設置される。
親骨32の末端にヒンジ部38が配置され、ヒンジ部38をとおった後、外向きに三つの尾骨35、36、37が伸び出る。
尾骨35、36、37の外端はそれぞれ露先34中に挿入され、尾骨35、36、37は同じ長さに配置する。
【0031】
そのうち、尾骨36は親骨32と同様に、基準線上に位置し尾骨35と尾骨37は外向きに開き、円弧形状を形成して伸び出し、尾骨35、36、37と親骨32が同時に一枚式傘面31に対する支持を形成する。
【0032】
上述のいくつかの実施方式中、親骨は通常基準線上に配置されるが、これは全ての実施方式において親骨が基準線上に配置されることを代表するわけではなく、他の実施方式においては、親骨は基準線を囲むように配置可能で、親骨は基準線を軸線或いは中心線として対称に配置され得る。
これにより親骨が受ける力が均等化し、一枚式傘面を傘型に保持する。また傘をたたんだ後に親骨が変形せずスムーズに傘をたためる。
【0033】
図8は本発明の第5実施方式である。これは、親骨42が図5の方式とは異なって配置され、中棒43を中心とする対角線cを軸線とし、対角線cの両側に対称に設置する。
また、親骨42とその近隣の対角線cに挟まれた角度は15度となる(また、15度より大きいか或いは小さくすることもできる)。
このような親骨42を対角線cに対して対称に設ける方式は、十分安定ししっかりと一枚式傘面41を支持できる。かつ傘を開くときに美しい傘型を形成できる。
【0034】
実施方式中のヒンジ部47の実施方式は図5と同じであり、親骨42の末端にヒンジ部47が設けられ、ヒンジ部47をとおり二つの尾骨45、46に分岐する。
露先44もまたこの一枚式傘面41に固定され、尾骨45、46は露先44中に挿入される。
【0035】
このとき、一つの親骨42に接続された二つの尾骨45、46が形成する円弧角度はあまり大きくなく、尾骨45、46で形成する角度は一般に15度程度である。
なお尾骨45、46は等間隔に配置される。
【0036】
図9を参照されたい。これは本発明の第6実施方式である。第1親骨52、第2親骨55が対角線cと緯線a、経線bを基準線として配置され、上ろくろを介して中棒53に接続される。
中棒53を中心として対角線cに配置された第1親骨52の外端には、第1ヒンジ部56を設ける。
この第1ヒンジ部56をとおり、円弧形状に分布する第1尾骨521、522を分岐させる。第1尾骨521、522は同一長である。
【0037】
中棒53を中心として緯線a或いは経線bを基準線として配置された第2親骨55の外端には第2ヒンジ部57が設けられ、この第2ヒンジ部57を介して、第2尾骨551、552が接続される。
また第2尾骨551、552は同一長さである。
【0038】
一枚式傘面51を開いた時に傘型を保持し、かつ第1親骨52、第2親骨55及び第1尾骨521、522、第2尾骨551、552が変形しないことを保証するため、第1尾骨521、522の長さは第2尾骨551、552より長く、親骨と尾骨が均衡した支持作用を有する。
【0039】
また、第1尾骨521、522、第2尾骨551、552の外端はいずれも露先54中に挿入され、露先54は一枚式傘面51の辺縁に固定される。
【0040】
このような親骨と尾骨の配置は、一枚式傘面の緯線a、経線b、対角線c及びその他の角度において力を受ける時の変形が不一致となることに対する改善を行う。
この親骨であると一枚式傘面の変形が大きい時も、十分な伸縮空間を有し、一枚式傘面を開く或いは閉じる時に変形しない。
親骨が糸の変形量が小さい一枚式傘面配置である時、傘を開く時親骨は一枚式傘面を支持し一枚式傘面の親骨に対する反作用力が親骨に変形を発生させる。
各親骨の間の受け力が不均衡であることから、支持力も不均衡となり有効な傘型を形成しにくく、また、傘を閉じた後親骨の変形が一定でないためいくつかの親骨が突出し、親骨と一枚式傘面を収容しにくい。
【0041】
これにより、同一長さの一枚式傘面にこのような親骨を使用するときの理想的な実施方式は以下のとおりである。
対角線cに近接する親骨は、この親骨のある位置の一枚式傘面の長さより長くする必要があり、そうすることにより傘型を有する。
さらに、対角線cに近接する親骨は緯線a、経線b近くにある親骨よりも長い必要がある。
対角線より緯線a、経線bの方向に設置された親骨は、緯線a、経線bに接近するほど、親骨の長さが短くかつ親骨の長さは親骨のある位置の一枚式傘面の長さに等しいかそれより大きくなる。
緯線a、経線b上の親骨の長さも、緯線a、経線bの一枚式傘面の長さより短くなく、ただし、対角線cに接近する親骨より短い。
【0042】
同一の形状長の親骨に対しては、対角線に近接する一枚式傘面は、経線、緯線に近接する一枚式傘面に較べて短くなければならず、さらに対角線に近接する親骨よりも短くなければならない。
これにより傘型を保持することになる。経線、緯線に近接する一枚式傘面は親骨の長さに等しいかそれより短くなければならないが、対角線に近接する一枚式傘面より長い。
【0043】
これと同様の理由で、図10に示す第7実施方式中、親骨の配置に対してはそのまま長さ分布の方式が採用される。
一枚式傘面61、親骨62、中棒63、露先64、尾骨621、622及びヒンジ部65の構造は、図5の方式と一致し、尾骨621、622の間の角度は、図5に示される構造方式より小さくなる。
これにより確保した空間に補助傘骨66を配置する。
【0044】
補助傘骨66は上ろくろを介して中棒63に接合され、補助傘骨66の外端は露先64中に挿入される。
対角線cを基準線として配置される親骨62の間にあって、補助傘骨66は二つ設けられる。
対向する円弧形状を形成して延長されて露先64に挿入される。
また親骨62の間の間隙を補填し、一枚式傘面61が開くのを補助する。
【0045】
尾骨621、622は同一長さに配置されるが、補助傘骨66の長さは尾骨と親骨の総長より短くする。これにより均一な支持力を作り出し親骨の変形を防止する。
【0046】
図11に示すのは、本発明の第8実施方式である。
中棒を中心とする対角線cと緯線a、経線bを基準線とし、親骨が配置される。
次に、親骨の外端に尾骨が配置され、親骨と尾骨の長さはその配置位置により長さが不統一となる。
【0047】
対角線cを基準線として第1親骨72が配置され、第1親骨72の端に、第1ヒンジ部75が配置される。この第1ヒンジ部75を介して、三つ又に分岐する第1尾骨721、722、723が配置される。
緯線a、経線bを基準線として第2親骨76が配置され、第2親骨76の端に、第2ヒンジ部77がある。この第2ヒンジ部77を介して、三つ叉に分岐する第2尾骨761、762、763が配置される。
第1尾骨721、723は同一長であり、第2尾骨761、763も互いに同一長である。しかし、第1尾骨721、723は第2尾骨761、763より長くなければならず、第1尾骨722はちょうど対角線上に位置する。
ゆえに、第1尾骨722の長さは第1尾骨721、723及び第2尾骨761、763より長い。
【0048】
第2尾骨762はちょうど緯線a、経線b上に位置することから、第2尾骨762の長さは第1尾骨721、723及び第2尾骨761、763より短い。
このような方式で一枚式傘面71に対して均一した支持を形成し、一枚式傘面71を開いた時の傘型を形成し、傘を閉じる時、親骨と尾骨(第1親骨、第2親骨、第1尾骨、第2尾骨を包含する)はいずれも変形しない。
【0049】
第1尾骨721、722、723と第2尾骨761、762、763の端は一枚式傘面71に固定された露先74に挿入され、安定した接合構造が形成される。
【0050】
第6から第8実施方式の親骨配置からわかるように、親骨は実際の状況に基づいて長さ調整可能で、同様に一枚式傘面も実際の状況に基づいて長さ調整が可能である。
たとえば、ある特殊形状の一枚式傘面を加工するために、一枚式傘面及び親骨の長さが調整される。
【0051】
対角線cを基準線とし、親骨はこの基準線の両側に対称に配置でき、同様に、経線或いは緯線を基準線とし、親骨は経線或いは緯線の両側に対称に配置できる。
図12に本発明の第9実施方式を示す。すなわち、緯線a、経線bを基準線とし、両側に親骨を対称に配置した実施方式である。
【0052】
図12中、緯線はa、経線はbとし、上ろくろを介して中棒83に親骨82が接合されている。
4本の親骨は内に湾曲する円弧形状を形成して緯線aの両側に分布し、4本の親骨82は内向きに湾曲して円弧形状を形成して経線bの両側に分布する。
また、親骨82の端は露先84に挿入され、露先84は一枚式傘面81の辺縁に均一に配置され、安定した接合構造を形成する。
これにより、一枚式傘面81に対する安定してしっかりした支持を形成できる。
【0053】
図13を参照されたい。これは本発明の第10実施方式の親骨と一枚式傘面の表示図である。
親骨92は中棒93を囲むように均等に分布し、親骨92はまたヒンジ部94を介して外向きに伸ばした尾骨95、96に接続される。
尾骨95、96は円弧形状を形成しかつ外向きに伸び、尾骨95、96の最外端は一枚式傘面91の辺縁に固定される。こうして一枚式傘面91が支持される。
【0054】
親骨92は8本設けられ、いずれも中棒93の周囲に均等に配置される。また、これらの親骨92はa、b或いはcの軸線上に設置されず、これらの軸線は軸対称に配置される。
【0055】
総合すると、中棒を中心として一枚式傘面の対角線、或いはその経線、緯線を基準線として、各親骨が基準線に配置される。もしくは対称に分布して、親骨、一枚式傘面が平衡した作用力と支持力を受け、傘の開閉いずれもスムーズに行える。
【0056】
以上述べたことは、本発明の実施例にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本発明の権利のカバーする範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【0057】
a 緯線経線
b 経線緯線
c 対角線
1、11、21、31、41、51、61、71、81、91 一枚式傘面
2、12、22、32、42、62、82、92 親骨
52、72 第1親骨
55、76 第2親骨
27、66 補助傘骨
15、16、25、26、35、36、37、45、46、621、622、95、96 尾骨
521、522、721、722、723 第1尾骨
551、552、761、762、763 第2尾骨
17、28、38、47、65、94 ヒンジ部
56、75 第1ヒンジ部
57、77 第2ヒンジ部
3、13、23、33、43、53、63、83、93 中棒
4、14、24、34、44、54、64、74、84 露先
5 上ろくろ
6 下ろくろ
7 受け骨
8 ハンドル
A 三角形生地
B 辺
【技術分野】
【0001】
本発明は傘骨構造にかかわる一枚式傘面用の傘骨構造に関する発明。
【背景技術】
【0002】
一般に伝統的な傘面は、傘用に加工された生地を裁断し縫い合わせて製造する。
それは図1に示されるように生地を裁断して三角形生地Aを作成し、三角形生地Aの一辺Bを内に折った後に縫い合わせて全体の傘面を形成する。
しかし、このような構造の取り付けは比較的複雑であり、手作業での縫製が大量に必要で傘面の加工効率を低下させる。
【0003】
傘面の構造を簡易化するため、一体化傘面が発明された。
特許文献1に記載された傘面のようなものがあり、それは生地を裁断して構成する。
このような傘面は大幅に傘面の製造を簡易化するが、傘骨で傘面を引き伸ばすことにより立体形の傘を構成する必要がある。
したがって傘骨の強度要求がより高くなる。現在の傘骨構造では一体化傘面の要求を満足させることが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中華人民共和国特許出願第200710074654.9号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者の研究により明確になったことは、各傘骨の変形、湾曲またはねじれは同一にならないことである。
細かくみると傘面は経線(縦糸)、緯線(横糸)を機器で構成して形成される。これにより傘面には縦横に交錯する経線、緯線が排列される。
経線、緯線は一つの四角形のフレームから構成される。傘骨の張力を受ける過程で傘面の異なる位置に発生する張力はいずれも同じでない。
このため傘骨が一枚式傘面を支持する過程で、各傘骨が傘面を支持して受ける傘面の発生する反作用力はいずれも同じではなく、各傘骨の変形、湾曲またはねじれは同一にならない。
【0006】
一般の傘骨設置方式に照らし合わせて傘面の異なる角度の張力を考慮しなければ、一枚式傘面の傘の良好な開閉効果を達成することは難しい。
【0007】
本発明の目的は、一枚式傘面の傘骨構造を提供することにある。この傘骨構造は一枚式傘面を支持するのに十分な強度を有し、且つ良好な傘の開閉効果を達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するため、本発明の傘骨構造には、傘骨と一枚式傘面を包含する傘骨構造を有する。
この傘骨は中棒を中心とし、一枚式傘面の糸の対角線方向に沿ってまたは経線、緯線方向に沿って基準線とする。
傘骨は少なくとも四つの親骨を有し、且つ各親骨は基準線上に設置されるか、基準線で対称に設置される。
傘骨の外端は一枚式傘面の外辺縁の露先或いは連接部品に接合される。
【0009】
一枚式傘面の中心(中棒)より傘面の対角線に沿って形成した基準線に沿って設置した傘骨は、傘面の伸縮性が最もよい。
最大限傘面を引っ張って開くことができ、傘開放時に円弧状の頂点を形成できる。
開いた傘の傘形を保持させることができ、傘をたたむ時にはスムーズにたたむことができる。
【0010】
基準線に対称に設置された傘骨は、傘面の伸縮性は最大ではないが、対称な二つの傘骨に対応する傘面の伸縮性は完全に一致する。
また傘骨の支持力は同一となり、傘面の伸縮性も同一になる。
傘面の経線、緯線方向に設置された傘骨は、それに対応する傘面変形が最小であるが、傘面上の傘骨の分布は基準線に対して対称性を有する。
すなわち対称な傘骨は同じ支持力を有し、傘骨位置の傘面の変形も同一である。
【0011】
これにより、一枚式傘面が開かれ傘形を形成し、たたまれた後には傘骨及び傘面は完全に収納される。
上述の対称とは、傘骨を基準として、軸対称或いは点対称とし、かつ傘骨の配置位置の対称を指す。
【0012】
以上に述べた傘骨は、その各辺縁と中棒の中心の距離が等しい長さの時または対角線方向に位置する基準線に配置された傘骨が最長である時、傘面の経線或いは緯線方向に配置された傘骨は最短となり傘骨支持の平衡性を達成する。
【0013】
傘骨が等しい長さの時で、対角線方向に位置する基準線に配置された傘面の辺縁と中棒の中心距離が最短である時、傘面の経線或いは緯線方向に配置された傘面の辺縁と中棒の中心距離は最長である。
【0014】
以上に述べた傘骨の端尾に分岐構造を形成し、親骨の尾部が分岐して少なくとも二つの尾骨を形成する。
尾骨は基準線に対して二つが対称で、円弧形状で伸び、傘面辺縁の露先と一つに接続される。
【0015】
以上に述べた傘骨の長さは傘面の長さ以上であるか、傘骨と露先末端から傘面辺縁、傘骨と接合部品から傘面辺縁の長さが傘面の長さ以上とする。
【0016】
以上に述べた傘骨構造は、その傘骨の周辺に補助傘骨を設けてもよく、補助傘骨は基準線を軸線として対称に分布する。
補助傘骨は傘骨構造と同じとしても異なるものとしてもよく、一本の独立した直骨を採用するか、傘骨に尾端に枝分かれを採用した構造と類似の構造としてもよい。
【0017】
さらに、同一長さの傘骨と補助傘骨に対しては、対角線方向から離れて傘面の経線方向或いは経線方向に接近するほど、対応する傘面位置の傘面設置長さは長くなる。
反対に、対角線方向に接近し、傘面の糸の経線方向或いは緯線方向より離れるほど、対応する傘面位置の傘面長さは短くなる。
【0018】
以上に述べた傘骨は、その中心にヒンジ部が設置され、ヒンジ部は親骨に勘合固定される凸状であり、ヒンジ部を介して親骨は尾部に接合する。
【0019】
好例として、各傘骨にヒンジ部が配置され、尾骨はヒンジ部を介して親骨に接合される。
或いは、一つのヒンジ部を介して二つの親骨が並行して一つに接続され、其の他の傘骨がヒンジ部に接合され二つの親骨を支持する。
【0020】
以上に述べたヒンジ部は下向き傾斜角度を備えている。
ヒンジ部は親骨と下向き傾斜角度を形成するように設置され、傘骨の尾部が下向きの状態で傘面を支持し、傘を開く時に傘形を形成しヒンジ部はさらに対風能力を増加する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、傘骨は傘面の経線、緯線が構成する基準線に基づき配置され、これにより傘骨は基準線により均一に分布して均衡に傘面を支持する。
本発明の傘を開いた後は良好な傘形を備え、傘を閉じる際にもスムーズに収容でき、一枚式傘面と本発明の傘骨の良好なマッチングを達成する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】伝統的な製法により構成された傘面の表示図である。
【図2】一枚式傘面の構造表示図である。
【図3】本発明の第1実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図4】図3の方式の傘の立体図である。
【図5】本発明の第2実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図6】本発明の第3実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図7】本発明の第4実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図8】本発明の第5実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図9】本発明の第6実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図10】本発明の第7実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図11】本発明の第8実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図12】本発明の第9実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【図13】本発明の第10実施方式の一枚式傘面及び傘骨構造の表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2を参照されたい。図2は一枚式傘面を構成する糸表示図である。
その詳細構造は当図に示すように、複数の並列配置された緯線a及び縦向きに並列配置された経線bが交錯した線を使って生地に四角形の格子状の構造を形成させる。
張力により引き起こされる変形は四角形の位置により異なる。対角線c方向の変形は比較的大きく、緯線aと経線b方向の変形は比較的小さくなる。
これにより、緯線a或いは経線bを囲む異なる角度の傘骨が一枚式傘面に対して支持を形成する。一枚式傘面は角度位置に対応する変形が異なる。
【0024】
また、生地の変形は傘骨に反作用する。傘骨の形成する湾曲の弧度と変形も同様である。
したがって一枚式傘面に対しては、傘骨の変形を防止し有効な傘型を形成するため、傘骨に対して規律的な配置が必要である。
【0025】
図3は本発明の第1実施方式を示す。この一枚式傘面1は四角形で、かつ中棒3を中心とし、一枚式傘面1の対角線cが基準線となる。
基準線に沿って、四つの親骨2が配置され、この親骨2の末端に露先4が設置される。
露先4はこの一枚式傘面1に固定され、四つの親骨2は同じ長さに設置され、かつ中棒3の上端の上ろくろに接合する。
【0026】
これにより図4に示す傘が形成される。
傘を開く時、複数の親骨2が傘面1を開き、円弧形状の傘型を形成する。かつ四角形の傘面を形成し、受骨7、上ろくろ5、下ろくろ6、ハンドル8はいずれも既存の構造を採用できる。
【0027】
図5に示すのは、本発明の第2実施方式の表示図であり、中棒13を中心とし、一枚式傘面11の対角線cを基準線とする。
この基準線に添って親骨12を設置し、各親骨12の末端はヒンジ部17をとおり、二つの尾骨15、16として分岐させる。
この尾骨15、16は同一長で且つ円弧形状を形成して外向きに伸び出し、それぞれ一枚式傘面11の露先14に挿入される。
【0028】
このとき、隣り合う二つの露先14の形成する角度は45度であり、正八角形の一枚式傘面を形成できる。
尾骨は対称に分布し、これにより一枚式傘面11の各部分の受ける力は均一となり傘をスムーズに開くことができる。
【0029】
さらに一枚式傘面21に対する支持を強化するために、補助傘骨を増加して支持構造を強化できる。
図6に本発明の第3実施方式を示す。一枚式傘面21、親骨22、中棒23、露先24、尾骨25、26及びヒンジ部28からなり、それらの構造は図5に示す方式と一致する。
ただし、中棒23と露先24の間に、補助傘骨27が増設される。傘を開いた後この補助傘骨27が円弧形状を形成しかつそれと対応する露先24に接続する。
これは各親骨22の間にあって、一枚式傘面21の開きを補助し、一枚式傘面21の支持をよりしっかりしたものとする。
【0030】
図7を参照されたい。親骨32はヒンジ部38を通った後、少なくとも三つの尾骨として分岐し、一枚式傘面31を支持する。これは本発明の第4実施方式である。
中棒33を中心とし、一枚式傘面31の対角線cを基準線とし、かつこの基準線に添って親骨32が設置される。
親骨32の末端にヒンジ部38が配置され、ヒンジ部38をとおった後、外向きに三つの尾骨35、36、37が伸び出る。
尾骨35、36、37の外端はそれぞれ露先34中に挿入され、尾骨35、36、37は同じ長さに配置する。
【0031】
そのうち、尾骨36は親骨32と同様に、基準線上に位置し尾骨35と尾骨37は外向きに開き、円弧形状を形成して伸び出し、尾骨35、36、37と親骨32が同時に一枚式傘面31に対する支持を形成する。
【0032】
上述のいくつかの実施方式中、親骨は通常基準線上に配置されるが、これは全ての実施方式において親骨が基準線上に配置されることを代表するわけではなく、他の実施方式においては、親骨は基準線を囲むように配置可能で、親骨は基準線を軸線或いは中心線として対称に配置され得る。
これにより親骨が受ける力が均等化し、一枚式傘面を傘型に保持する。また傘をたたんだ後に親骨が変形せずスムーズに傘をたためる。
【0033】
図8は本発明の第5実施方式である。これは、親骨42が図5の方式とは異なって配置され、中棒43を中心とする対角線cを軸線とし、対角線cの両側に対称に設置する。
また、親骨42とその近隣の対角線cに挟まれた角度は15度となる(また、15度より大きいか或いは小さくすることもできる)。
このような親骨42を対角線cに対して対称に設ける方式は、十分安定ししっかりと一枚式傘面41を支持できる。かつ傘を開くときに美しい傘型を形成できる。
【0034】
実施方式中のヒンジ部47の実施方式は図5と同じであり、親骨42の末端にヒンジ部47が設けられ、ヒンジ部47をとおり二つの尾骨45、46に分岐する。
露先44もまたこの一枚式傘面41に固定され、尾骨45、46は露先44中に挿入される。
【0035】
このとき、一つの親骨42に接続された二つの尾骨45、46が形成する円弧角度はあまり大きくなく、尾骨45、46で形成する角度は一般に15度程度である。
なお尾骨45、46は等間隔に配置される。
【0036】
図9を参照されたい。これは本発明の第6実施方式である。第1親骨52、第2親骨55が対角線cと緯線a、経線bを基準線として配置され、上ろくろを介して中棒53に接続される。
中棒53を中心として対角線cに配置された第1親骨52の外端には、第1ヒンジ部56を設ける。
この第1ヒンジ部56をとおり、円弧形状に分布する第1尾骨521、522を分岐させる。第1尾骨521、522は同一長である。
【0037】
中棒53を中心として緯線a或いは経線bを基準線として配置された第2親骨55の外端には第2ヒンジ部57が設けられ、この第2ヒンジ部57を介して、第2尾骨551、552が接続される。
また第2尾骨551、552は同一長さである。
【0038】
一枚式傘面51を開いた時に傘型を保持し、かつ第1親骨52、第2親骨55及び第1尾骨521、522、第2尾骨551、552が変形しないことを保証するため、第1尾骨521、522の長さは第2尾骨551、552より長く、親骨と尾骨が均衡した支持作用を有する。
【0039】
また、第1尾骨521、522、第2尾骨551、552の外端はいずれも露先54中に挿入され、露先54は一枚式傘面51の辺縁に固定される。
【0040】
このような親骨と尾骨の配置は、一枚式傘面の緯線a、経線b、対角線c及びその他の角度において力を受ける時の変形が不一致となることに対する改善を行う。
この親骨であると一枚式傘面の変形が大きい時も、十分な伸縮空間を有し、一枚式傘面を開く或いは閉じる時に変形しない。
親骨が糸の変形量が小さい一枚式傘面配置である時、傘を開く時親骨は一枚式傘面を支持し一枚式傘面の親骨に対する反作用力が親骨に変形を発生させる。
各親骨の間の受け力が不均衡であることから、支持力も不均衡となり有効な傘型を形成しにくく、また、傘を閉じた後親骨の変形が一定でないためいくつかの親骨が突出し、親骨と一枚式傘面を収容しにくい。
【0041】
これにより、同一長さの一枚式傘面にこのような親骨を使用するときの理想的な実施方式は以下のとおりである。
対角線cに近接する親骨は、この親骨のある位置の一枚式傘面の長さより長くする必要があり、そうすることにより傘型を有する。
さらに、対角線cに近接する親骨は緯線a、経線b近くにある親骨よりも長い必要がある。
対角線より緯線a、経線bの方向に設置された親骨は、緯線a、経線bに接近するほど、親骨の長さが短くかつ親骨の長さは親骨のある位置の一枚式傘面の長さに等しいかそれより大きくなる。
緯線a、経線b上の親骨の長さも、緯線a、経線bの一枚式傘面の長さより短くなく、ただし、対角線cに接近する親骨より短い。
【0042】
同一の形状長の親骨に対しては、対角線に近接する一枚式傘面は、経線、緯線に近接する一枚式傘面に較べて短くなければならず、さらに対角線に近接する親骨よりも短くなければならない。
これにより傘型を保持することになる。経線、緯線に近接する一枚式傘面は親骨の長さに等しいかそれより短くなければならないが、対角線に近接する一枚式傘面より長い。
【0043】
これと同様の理由で、図10に示す第7実施方式中、親骨の配置に対してはそのまま長さ分布の方式が採用される。
一枚式傘面61、親骨62、中棒63、露先64、尾骨621、622及びヒンジ部65の構造は、図5の方式と一致し、尾骨621、622の間の角度は、図5に示される構造方式より小さくなる。
これにより確保した空間に補助傘骨66を配置する。
【0044】
補助傘骨66は上ろくろを介して中棒63に接合され、補助傘骨66の外端は露先64中に挿入される。
対角線cを基準線として配置される親骨62の間にあって、補助傘骨66は二つ設けられる。
対向する円弧形状を形成して延長されて露先64に挿入される。
また親骨62の間の間隙を補填し、一枚式傘面61が開くのを補助する。
【0045】
尾骨621、622は同一長さに配置されるが、補助傘骨66の長さは尾骨と親骨の総長より短くする。これにより均一な支持力を作り出し親骨の変形を防止する。
【0046】
図11に示すのは、本発明の第8実施方式である。
中棒を中心とする対角線cと緯線a、経線bを基準線とし、親骨が配置される。
次に、親骨の外端に尾骨が配置され、親骨と尾骨の長さはその配置位置により長さが不統一となる。
【0047】
対角線cを基準線として第1親骨72が配置され、第1親骨72の端に、第1ヒンジ部75が配置される。この第1ヒンジ部75を介して、三つ又に分岐する第1尾骨721、722、723が配置される。
緯線a、経線bを基準線として第2親骨76が配置され、第2親骨76の端に、第2ヒンジ部77がある。この第2ヒンジ部77を介して、三つ叉に分岐する第2尾骨761、762、763が配置される。
第1尾骨721、723は同一長であり、第2尾骨761、763も互いに同一長である。しかし、第1尾骨721、723は第2尾骨761、763より長くなければならず、第1尾骨722はちょうど対角線上に位置する。
ゆえに、第1尾骨722の長さは第1尾骨721、723及び第2尾骨761、763より長い。
【0048】
第2尾骨762はちょうど緯線a、経線b上に位置することから、第2尾骨762の長さは第1尾骨721、723及び第2尾骨761、763より短い。
このような方式で一枚式傘面71に対して均一した支持を形成し、一枚式傘面71を開いた時の傘型を形成し、傘を閉じる時、親骨と尾骨(第1親骨、第2親骨、第1尾骨、第2尾骨を包含する)はいずれも変形しない。
【0049】
第1尾骨721、722、723と第2尾骨761、762、763の端は一枚式傘面71に固定された露先74に挿入され、安定した接合構造が形成される。
【0050】
第6から第8実施方式の親骨配置からわかるように、親骨は実際の状況に基づいて長さ調整可能で、同様に一枚式傘面も実際の状況に基づいて長さ調整が可能である。
たとえば、ある特殊形状の一枚式傘面を加工するために、一枚式傘面及び親骨の長さが調整される。
【0051】
対角線cを基準線とし、親骨はこの基準線の両側に対称に配置でき、同様に、経線或いは緯線を基準線とし、親骨は経線或いは緯線の両側に対称に配置できる。
図12に本発明の第9実施方式を示す。すなわち、緯線a、経線bを基準線とし、両側に親骨を対称に配置した実施方式である。
【0052】
図12中、緯線はa、経線はbとし、上ろくろを介して中棒83に親骨82が接合されている。
4本の親骨は内に湾曲する円弧形状を形成して緯線aの両側に分布し、4本の親骨82は内向きに湾曲して円弧形状を形成して経線bの両側に分布する。
また、親骨82の端は露先84に挿入され、露先84は一枚式傘面81の辺縁に均一に配置され、安定した接合構造を形成する。
これにより、一枚式傘面81に対する安定してしっかりした支持を形成できる。
【0053】
図13を参照されたい。これは本発明の第10実施方式の親骨と一枚式傘面の表示図である。
親骨92は中棒93を囲むように均等に分布し、親骨92はまたヒンジ部94を介して外向きに伸ばした尾骨95、96に接続される。
尾骨95、96は円弧形状を形成しかつ外向きに伸び、尾骨95、96の最外端は一枚式傘面91の辺縁に固定される。こうして一枚式傘面91が支持される。
【0054】
親骨92は8本設けられ、いずれも中棒93の周囲に均等に配置される。また、これらの親骨92はa、b或いはcの軸線上に設置されず、これらの軸線は軸対称に配置される。
【0055】
総合すると、中棒を中心として一枚式傘面の対角線、或いはその経線、緯線を基準線として、各親骨が基準線に配置される。もしくは対称に分布して、親骨、一枚式傘面が平衡した作用力と支持力を受け、傘の開閉いずれもスムーズに行える。
【0056】
以上述べたことは、本発明の実施例にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本発明の権利のカバーする範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【0057】
a 緯線経線
b 経線緯線
c 対角線
1、11、21、31、41、51、61、71、81、91 一枚式傘面
2、12、22、32、42、62、82、92 親骨
52、72 第1親骨
55、76 第2親骨
27、66 補助傘骨
15、16、25、26、35、36、37、45、46、621、622、95、96 尾骨
521、522、721、722、723 第1尾骨
551、552、761、762、763 第2尾骨
17、28、38、47、65、94 ヒンジ部
56、75 第1ヒンジ部
57、77 第2ヒンジ部
3、13、23、33、43、53、63、83、93 中棒
4、14、24、34、44、54、64、74、84 露先
5 上ろくろ
6 下ろくろ
7 受け骨
8 ハンドル
A 三角形生地
B 辺
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚式傘面用の傘骨構造において、
一枚式傘面の中心に設けられる中棒、
複数の経線、緯線が交錯するよう構成された一枚式傘面であって、この一枚式傘面の対角線、経線或いは緯線方向に基準線が設けられた上記一枚式傘面、
傘骨であって、少なくとも4つの親骨を包含し、親骨は中棒を中心とし基準線に設置されるか、基準線の周囲に対称に配置され、
傘骨の端は一枚式傘面の外辺縁の露先または接続部品に接続されることを特徴とする一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項2】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨が同一長の時、対角線の方向に位置する基準線位置に配置された一枚式傘面の辺縁から中棒の中心までの距離が最短となり、
また一枚式傘面の経線或いは緯線方向位置に配置された一枚式傘面の辺縁から中棒の中心までの距離が最長であることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項3】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、一枚式傘面の各辺縁から中棒の中心までの距離が同一長の時、対角線方向の基準線に設置された傘骨が最長となり、
また一枚式傘面の経線或いは緯線方向に設置された傘骨が最短であることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項4】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、親骨の端に分岐構造が設けられ、親骨の尾部が分岐して二つ或いは二つ以上の尾骨が形成され、
また尾骨は、二つが基準線に対して対称で、円弧形状を形成して伸展し、一枚式傘面の辺縁に設置された露先と接続されることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項5】
請求項1或いは2記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨の長さは一枚式傘面の長さと等しいかそれより長い、
あるいは傘骨と露先から一枚式傘面の辺縁、傘骨と接合部品から一枚式傘面辺縁までの長さが一枚式傘面の長さと同一かそれより長いことを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項6】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨の周辺に補助傘骨が設けられ、補助傘骨は基準線を軸線として対称に分布し、
この補助傘骨はその配置位置が親骨とは異なり、補助傘骨は一枚式傘面を支持することを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項7】
請求項6記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、同一長の傘骨と補助傘骨に対しては、対角線方向を離れて、傘面の経線方向或いは経線方向に接近するほど、対応する傘面位置の傘面設置長さは長くなり、反対に、対角線方向に接近し、傘面の経線方向或いは緯線方向より離れるほど、対応する傘面位置の傘面長さは短くなることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項8】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨の中部にヒンジ部が設置され、このヒンジ部は親骨に勘合固定される凸塊であることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項1】
一枚式傘面用の傘骨構造において、
一枚式傘面の中心に設けられる中棒、
複数の経線、緯線が交錯するよう構成された一枚式傘面であって、この一枚式傘面の対角線、経線或いは緯線方向に基準線が設けられた上記一枚式傘面、
傘骨であって、少なくとも4つの親骨を包含し、親骨は中棒を中心とし基準線に設置されるか、基準線の周囲に対称に配置され、
傘骨の端は一枚式傘面の外辺縁の露先または接続部品に接続されることを特徴とする一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項2】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨が同一長の時、対角線の方向に位置する基準線位置に配置された一枚式傘面の辺縁から中棒の中心までの距離が最短となり、
また一枚式傘面の経線或いは緯線方向位置に配置された一枚式傘面の辺縁から中棒の中心までの距離が最長であることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項3】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、一枚式傘面の各辺縁から中棒の中心までの距離が同一長の時、対角線方向の基準線に設置された傘骨が最長となり、
また一枚式傘面の経線或いは緯線方向に設置された傘骨が最短であることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項4】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、親骨の端に分岐構造が設けられ、親骨の尾部が分岐して二つ或いは二つ以上の尾骨が形成され、
また尾骨は、二つが基準線に対して対称で、円弧形状を形成して伸展し、一枚式傘面の辺縁に設置された露先と接続されることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項5】
請求項1或いは2記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨の長さは一枚式傘面の長さと等しいかそれより長い、
あるいは傘骨と露先から一枚式傘面の辺縁、傘骨と接合部品から一枚式傘面辺縁までの長さが一枚式傘面の長さと同一かそれより長いことを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項6】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨の周辺に補助傘骨が設けられ、補助傘骨は基準線を軸線として対称に分布し、
この補助傘骨はその配置位置が親骨とは異なり、補助傘骨は一枚式傘面を支持することを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項7】
請求項6記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、同一長の傘骨と補助傘骨に対しては、対角線方向を離れて、傘面の経線方向或いは経線方向に接近するほど、対応する傘面位置の傘面設置長さは長くなり、反対に、対角線方向に接近し、傘面の経線方向或いは緯線方向より離れるほど、対応する傘面位置の傘面長さは短くなることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【請求項8】
請求項1記載の一枚式傘面用の傘骨構造において、傘骨の中部にヒンジ部が設置され、このヒンジ部は親骨に勘合固定される凸塊であることを特徴とする、一枚式傘面用の傘骨構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−187381(P2012−187381A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155534(P2011−155534)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(511091944)
【出願人】(511171947)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(511091944)
【出願人】(511171947)
【Fターム(参考)】
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