一様な流体流れのための積層壁
チャンバー内の均一な流体流れのための流体分配ネットワークを備えたチャンバーを提供する。チャンバーは、第1の面及び反対の内面を有する第1のチャンバー壁を含む。前記第1の面には、第1の組のチャンネルが形成され、内面はチャンバーの内部に曝され、かつ、複数の第1の組のチャンネルに接続された複数の内部ポートを含む。チャンバーは、また、第2の面及び反対の外面を有する第2のチャンバー壁を含む。第2の面は、第1の面が第2の面と合わされたときに、第1の組のチャンネルに部分的に交差する第2の組のチャンネルを有する。外面は、また、第2の組のチャンネルへの出入口を提供する、少なくとも一つの外部ポートを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一様な流体流れのための積層壁に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体及び磁気ディスクの製造の多くの製造工程では、液体環境でワークピースを処理し、次いで、ワークピースを乾燥させることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良く知られているように、乾燥工程中に付着した粒子や汚染物質は、結局、ワークピースに欠陥を引き起こす。加えて、非効率な乾燥工程は、処理時間を長くし、または、酸化を促進することに加えて、ワークピースの面に欠陥を残すことさえある。かくして、基板が乾燥されるときに、その面に残された不純物がないことが非常に重要である。効率的な乾燥を促進し、不純物を形成する可能性を減らすために、以下の記載された実施形態は、ワークピースが液体環境から取り出された後に、ワークピースを均一に分配された加熱ガスに曝す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施形態では、チャンバー内の均一な流体流れのための流体分配ネットワークを備えたチャンバーを提供する。チャンバーは、第1の面及び反対の内面を有する第1のチャンバー壁を含む。第1の面には、第1の組のチャンネルが形成され、内面はチャンバーの内部に曝される。チャンバーは、また、複数の第1の組のチャンネルに連結された複数の内部ポートを含む。チャンバーは、また、第2の面及び反対の外面を有する第2のチャンバー壁を含む。第2の面は、第1の面が第2の面と合わされたときに、第1の組のチャンネルに部分的に交差する第2の組のチャンネルを有する。外面は、また、第2の組のチャンネルへの出入口を提供する少なくとも一つの外部ポートを含む。
【0005】
他の実施形態では、流体分配チャンバーを提供する。流体分配チャンバーは、ベースを含み、該ベースはベースから延びる側壁を有する。ここで、側壁の一つは、互いに添えられた第1の部材及び第2の部材を含む。第1の部材は、第2の部材の外面と合う内面を有する。第1の部材の内面は、また、間隔を隔てた横列の第1のパターンに画成された複数のキャビティーを有する。外面は、間隔を隔てた縦列の第2のパターンに画成された複数のキャビティーを有する。第1のパターンのキャビティーは、第2のパターンの多数のキャビティーと部分的に交差する。
【0006】
さらなる他の実施形態では、流体を分配する方法を開示する。この方法は、均一な分配ネットワークを形成する、互いに添えられた第1及び第2の壁を有するチャンバーを提供する工程を含む。他の工程は、添えられた壁内の均一な分配ネットワークに連結されるポートを通して流体流れを開始する。他の工程では、添えられた壁内に流体流れを分配する。流体流れは、第1の壁の一部として形成され、第2の壁の一部として形成された対向する第2の組のチャンネルに部分的に交差する第1の組のチャンネルを通して、壁の間で均一に分配される。
【0007】
本発明の他の側面及び利点は、添付する図面と関連してなされ、本発明の原理を例示として示す、以下の詳細な記載から明らかになるだろう。
本発明は、そのさらなる利点とともに、添付する図面と関連してなされる以下の記載を参照することにより、最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による流体分配ネットワークを用いる基板洗浄システムの外観を示す、簡単化した概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による乾燥チャンバーを例示的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による乾燥チャンバーの一部の分解図を例示的に示す図である。
【図4A】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートの垂直及び水平チャンネルの配列を例示的に示す図である。
【図4B】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートの垂直及び水平チャンネルの配列を例示的に示す図である。
【図5A】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートを示す概略図である。
【図5B】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートを示す概略図である。
【図6A】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6B】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6C】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6D】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6E】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図7】本発明の一実施形態によるチャンバー内に流体を均一に分配する方法の例示的な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
チャンバー内に流体を均一に分配するための及び/又は除去のための発明を開示する。以下に記載するように、一実施形態では、流体は、基板材料の乾燥を実施するガスであるのがよい。しかしながら、特許請求の範囲は、チャンバー内に分配し及び/又は排出することのできる流体のタイプを乾燥ガスに限定すると解釈されない。当業者は、特許請求の範囲で請求した要旨を含むチャンバーを、液体又は気体に適応するように変更してもよいことを認識すべきである。他の実施形態は、ガスを分配するための形態から液を分配する体のための形態へ変換できるチャンバーを含む。加えて、以下の記載は、基板材料を乾燥するためのチャンバーを記載するが、他の実施形態では、チャンバーは、クリーンルームや建物全体のようなより大きな構造物のための流体循環を含むようにされてもよい。
【0010】
以下の記載では、本発明の完全な理解を提供するために複数の特定の詳細が記載される。しかしながら、本発明は、これらの特定な詳細のいくつか又は全てなしに実施してもよいことは、当業者に明らかであろう。他の例では、本発明を不必要にわかりにくくしないために、良く知られた処理ステップは、詳細には記載されていない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による流体分配ネットワークを用いた基板洗浄システム100の外観を示す、簡単化した概略図である。基板洗浄システム100は、乾燥チャンバー102と、洗浄タンク104と、輸送組立体108と、を含むことができる。基板材料は、洗浄タンク104内での一定時間の暴露の後、輸送組立手段108を介して乾燥チャンバー102へ送られる。輸送組立手段108のさらなる情報は、2006年9月14日に提出され、基板を乾燥するための装置及び方法と題され、ここに援用される米国特許出願第11/531905号を参照せよ。
【0012】
基板材料の均一な加工暴露を提供するため、乾燥チャンバー102の長さの全体に亘って加熱乾燥ガスが分配される。加工の均一性を達成するために、乾燥チャンバー内の温度の変動を最小にするため、乾燥チャンバー全体に亘って乾燥ガスの均一な流れを有することが望ましい。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態による乾燥チャンバー102の例示図である。乾燥チャンバー102の内部は、水平分配プレート200a、200b及び端壁204a、204bにより形成される。以下に論ずるように、水平分配プレート200a、200bは、乾燥チャンバー102全体にわたる、流体の分配を助けるために、面に形成された水平チャンネル又は溝を有する。また以下にもっと詳細に論ずる垂直分配プレート202a、202bが水平分配プレート202a、202bに合わされる。図2に示すように、水平分配プレート200bは、乾燥チャンバー102の内部に開口するポート208を含むのがよい。ポート208は水平分配プレート200aにも見つけられるが、図2では見えないことを注意せよ。
【0014】
乾燥チャンバー102の一実施形態では、乾燥チャンバー102内の温度変動を最小にするために、加熱乾燥ガスがポート208から均一に分配される。他の実施形態では、異なる温度のガス、異なる温度の液体混合物、及び液体とガスの混合物を、ポート208から分配してもよいし又は排出してもよい。チャンバーの温度制御が望まれる実施形態のための遮断を提供するために、外壁214を垂直分配プレート202a、202bに添えるのがよい。外壁214は、チャンバーのロバスト性を増加させるためにも用いることができる。図2に示すポート208の位置、形状、及び数は例示であり、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。さらに、チャンバーの異なる用途は、異なる流体流れパターン及びチャンバーを出入りする異なる流体処理量を要求するので、ポート208の位置、大きさ、形状を変更してもよい。
【0015】
垂直分配プレート202a、202bは、それらのそれぞれの水平分配プレート200a、200bに積層され、又は固定されている。垂直分配プレート202a、202bは、乾燥チャンバー102全体の流体の分配を助けるため、水平分配プレート200a、200bの各水平溝に結合する面と合わされる垂直チャンネル又は溝を含む。垂直分配プレート202a、202bは、また、垂直チャンネルへの出入口を提供するポート206を含む。ある実施形態では、流体供給源は、流体をポート208に分配するためにポート206に取り付けることができる。他の実施形態では、ポート208を通じて流体を除去するため、真空源をポート206に取り付けることができる。流体供給源と、真空源の組合せを用いて、乾燥チャンバー102内で流体を循環させてもよい。
【0016】
前に論じたように、チャンバー102は、また、液体を循環させるために用いることができ、液体供給と戻りの組合せをチャンバー内で液体を循環させるために用いてもよい。例えば、洗浄タンク104は、ワークピースからの汚染物質の除去を容易にするために、洗浄液を分配及び循環させる積層壁を使用してもよい。ポート206の数は、各適用に基づいて構成することができ、必要な処理量及びチャンバー内での流体の形態に応じて変えることができる。チャンバーを複数の工程のために用いることができる他の実施形態では、ポート206を、ポート206の数を変更するために開閉してもよい。
【0017】
垂直分配プレート202a、202bと水平分配プレート200a、200bの両方は、また、乾燥チャンバー102の内部への出入口を提供する追加のポート212を含むことができる。ポート212は、乾燥チャンバー内の様々な状態を監視するために、限定されないが、レゾネーター、トランスデューサー、流量計、湿度計、及び熱電対などのセンサー又は他の装置を設置するために用いられてもよい。乾燥チャンバー102は、また、垂直分配プレート202a、202bに固定された外壁214を含むことができる。
【0018】
「水平」及び「垂直」との分配プレートの記載は、図2に示す実施形態を記載するつもりであることに注意せよ。分配プレートの他の実施形態は、分配プレート間で流体の分配を可能にする無限の様々なチャンネルの形状を有してもよいから、当業者は、「水平」及び「垂直」の記載は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではないことは認識すべきである。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態による乾燥チャンバー102の一部の分解図を例示的に示す図である。垂直溝は、垂直分配プレート202bの面に見ることができる。同様に、水平溝は、水平分配プレート200aの面に見ることができる。また、この実施形態では、ポート208と対角上に対向するポート201が、水平分配プレート200aの面に見られる。チャンバー内で望まれる流れの型に応じて、ポート208及びポート210は、様々な位置に配置されてもよい。他の実施形態では、追加のポート又はより少ないポートを、チャンバーに様々な流れを分配するために用いてもよい。図3に示す他の実施形態では、ポート210は、乾燥チャンバー102の下の領域へ流体を分配することができる。ポート210は、また、水平分配プレート200bに見いだされるが、図3では見られない。
【0020】
一実施形態では、ポート206が、垂直及び水平チャンネルを介して、分配される流体をポート210及びポート208に供給又は回収するために用いられる。他の実施形態では、チャンバーから流体を排出するために吸引機がポート206から吸引し、これにより、ポート208及びポート210を使用する。他の実施形態では、ポート206を通じた流体の供給及び真空の様々な形態とともに、垂直及び水平分配プレート内の様々な形態により、ポート208及び/又はポート210を通した流体の除去と流体の分配の両方を可能にすることができる。
【0021】
図4A及び4Bは、本発明の一実施形態による垂直分配プレート202bの垂直チャンネル及び水平分配プレート200bの水平チャンネルの配置の例示的な図である。この図において、垂直分配プレート202bの特徴を知るために、水平分配プレート200bは、半透明にされている。この実施形態で、ポート206a−206dは、水平分配プレート200b及び垂直分配プレート202bの間の交差により形成される分配ネットワークへの出入口を提供する。図4Aに見られるように、ポート206aは、複数のポート208aへの流体分配、及び/又は戻りを提供する。同様に、ポート206b−206dは、それぞれのポート208b及びポート210c、210dへの流体の分配及び又は排出を提供する。
【0022】
図4Bは、図4Aに示す水平及び垂直分配プレートの右側のさらなる詳細を示す。ポート206dからの流体の導入は、水平分配プレート200b及び垂直分配プレート202bのチャンネルの間の交差により作られる容積領域を通る。交差領域400a、400bにより、流体を、水平分配プレート200bの二つの別々の水平チャンネルに分割させる。一実施形態では、一列のチャンネルの断面積の合計は、水平分配プレート200b内の列ごとに実質的に等しい数となるだろう。同様に、垂直チャンネルの断面積の合計は、垂直分配プレート202bについて実質的に等しいものとなる。水平及び垂直チャンネルの列の間に同じ断面積を維持することは、ポート208及び210の全てへの均一な流量を促進する。
【0023】
ポート206dと関連した分配ネットワークを見ると、流体を4つの水平チャンネル403a−403dへ移動させる4つの垂直チャンネル402a−402dは、二つの水平チャンネル401a、401bと交差している。ある実施形態では、水平チャンネル401a、401bは、水平チャンネルの列として見ることができ、垂直チャンネル402a−402dは、垂直チャンネルの列としてみることができる。同様に、水平チャンネル403a−403dも、また、水平チャンネルの列として見ることができる。かくして、分配ネットワークは、交差する垂直列及び水平列の集まりとして見ることができる。図4Bに示す実施形態では、ポート206dと関連した分配ネットワークは、5列の水平チャンネル及び5列の垂直チャンネル(ポート210dを含む)を有すると見ることができる。これは、5列の水平チャンネル及び4列の垂直チャンネルを有するポート208bと関連した分配ネットワークとわずかに異なる。
【0024】
前に記載したように、水平チャンネル401a、401bの断面積の合計は、水平チャンネル403a−403dの断面積の合計とほぼ等しい。流体が乾燥チャンバーの特定の長さにわたって均一に分配されるまで、ポート206dを通る流体は、垂直及び水平に分割され続ける。この例では、ポート206dを通して導かれた流体は、ついにはポート210dから現われ、ポート210の断面積の合計は、水平チャンネル401a及び401bの断面積の合計とほぼ等しい。
【0025】
ある実施形態では、ポート210dの各々の断面積を合計すると、ポート206dの断面積となる。他の実施形態では、流体を、ポート206dを通して除去することができ、水平分配プレート202bと垂直分配プレート200bの間に形成される分配ネットワークは、チャンバーの特定長さに亘って流体を均等に除去する。
【0026】
図5A、5Bは、本発明の一実施形態による垂直分配プレート202b及び水平分配プレートを示す概略図である。垂直分配プレート202b及び水平分配プレート200bを分離すると、垂直及び水平チャンネルの間のカスケードの性質は明らかである。チャンネルのカスケードの性質は、また、加熱又は冷却流体が、チャンバーへ流入している及びチャンバーから流出している場合に、チャンバー内にエネルギーの保存を可能にする。流体がチャンバーへ入力される実施形態では、チャンバー内のエネルギーの保存は、入って来る流体エネルギーの一部をチャンバー壁に伝達することにより促進される。流体が、真空を用いてチャンバーから排出される実施形態では、出て行く流体エネルギーの一部がチャンバー壁に伝達される。
【0027】
図5A及び5Bに示すように、ポート206a−206dは、ポート210及び/又はポート208と反対のプレート上にある。しかしながら、空間の制約が問題となる他の実施形態では、水平及び垂直のチャンネルは、ポート206a−206dが、ポート210及び/又は208と同じ分配プレートに位置するように、形成されてもよい。いずれの実施形態でも、空間の節約及びチャンバーの全面積の削減は、ポート206a−206dに必要な入力/出力ハードウエアをチャンバー面積内に配置することにより、実現される。
【0028】
図6A−6Eは、本発明の実施形態に従ってチャンバー内に確立される様々な流れパターンを示す例示的な概略図である。それぞれの図において、左右の小さな図形は、分配ネットワークに送り込むポートとの接続のタイプを示す。様々な流れの可能性及びポートの位置が、無限の流れ形状及び流れパターンを作るために使用することができるため、示された様々な形態は、限定するものと解釈すべきではない。当業者は、ガスと液体の何れかが、分配ネットワーク内に供給され、分配され、及び/又は戻してもよいことを認識すべきである。図6Aは、真空をチャンバーの底に位置するポートに適用し、チャンバーの頂部のポートを通して流体を導入することにより確立される流れのパターンを示す。この実施形態では、横流れがチャンバーの一方の側の頂部から、反対側の底まで確立される。
【0029】
図6Bは、真空をチャンバーの一方の側に吸引機を適用し、チャンバーの他方の側に流体を供給することにより、確立される横流れを示す。図6Cは、様々な真空及び流体供給源を、流体分配プレートを利用するチャンバーに適用することにより、誘発される他の例示的な流れパターンである。この実施形態では、真空がチャンバーの底から流体を排出しながら、チャンバーの頂部のポートを通じて流体を供給することができる。
【0030】
図6Dは、利用可能なポートの全てを使用しないことにより、つくり出すことができる例示的な流れのパターンを示す。この実施形態では、一方の側の底ポートは流体を供給するために使用することができ、反対側の上ポートは真空を引く。チャンバーから入力及び出力を作動させ又は解放する能力は、融通性を提供することができ、単一のチャンバーに複数の処理工程を行わせる。加えて、分配プレートは、これに限定されないが構造内に部屋を又は構造全体までも含む、様々な大きさのチャンバーに順応するように寸法決めすることができる。材料の単一のピースからの分配プレートの製作が困難である、より大きな実施形態では、製造工程を単純化するために、モジュール構造技術を使用することが必要だろう。
【0031】
図6Eは、チャンバーの内部から流体を除去する例示的な流れパターンが確立された実施形態を示す。下ポートの全て又はいくつかに真空を適用することにより、このような流れパターンが作り出される。他の実施機形態では、チャンバーから流体を吸引するために真空の代わりに、重力を用いることができる。
【0032】
図7は、本発明の一実施形態に従ってチャンバー内に流体を均一に分配する方法の例示的な操作を示すフローチャートである。操作700は、チャンバーに流体分配ネットワークを形成する壁を提供する。一実施形態では、流体分配ネットワークは、水平分配プレートと垂直分配プレートとの間に形成することができる。前に論じたように、分配プレートは、分配ネットワークを形成するために、互いに付着されたときに交差する又は重なるチャンネル又は溝を有することができる。
【0033】
操作702は、分配ネットワーク内に流体流れを開始する。前に論じたように、流体流れは分配ネットワークに接続されたポートを介して開始することができる。ある実施形態では、流体を分配ネットワークに入力することができ、他の実施形態では、流体を分配ネットワークから排出することができる。
【0034】
操作704は、分配プレートにより形成されたチャンバー内に流体流れを分配する。ある実施形態では、分配ネットワークのカスケード性質が流体の一様な分配を促進することができる。ある実施形態では、分配ネットワークは、流体が流れる一定な断面積を維持するために、個々のチャンネルの数を増やしながら、個々のチャンネルの断面積を減少させることにより、分配ネットワーク内の流体の一様な分配を促進することができる。
【0035】
上記の発明が、理解の明確さの目的のため、ある程度詳細に記載されたが、或る変更及び修正を添付の特許請求の範囲内で実行してもよいことは明らかである。従って、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないと考えられるべきであり、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲及び均等物内で修正されるだろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一様な流体流れのための積層壁に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体及び磁気ディスクの製造の多くの製造工程では、液体環境でワークピースを処理し、次いで、ワークピースを乾燥させることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良く知られているように、乾燥工程中に付着した粒子や汚染物質は、結局、ワークピースに欠陥を引き起こす。加えて、非効率な乾燥工程は、処理時間を長くし、または、酸化を促進することに加えて、ワークピースの面に欠陥を残すことさえある。かくして、基板が乾燥されるときに、その面に残された不純物がないことが非常に重要である。効率的な乾燥を促進し、不純物を形成する可能性を減らすために、以下の記載された実施形態は、ワークピースが液体環境から取り出された後に、ワークピースを均一に分配された加熱ガスに曝す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施形態では、チャンバー内の均一な流体流れのための流体分配ネットワークを備えたチャンバーを提供する。チャンバーは、第1の面及び反対の内面を有する第1のチャンバー壁を含む。第1の面には、第1の組のチャンネルが形成され、内面はチャンバーの内部に曝される。チャンバーは、また、複数の第1の組のチャンネルに連結された複数の内部ポートを含む。チャンバーは、また、第2の面及び反対の外面を有する第2のチャンバー壁を含む。第2の面は、第1の面が第2の面と合わされたときに、第1の組のチャンネルに部分的に交差する第2の組のチャンネルを有する。外面は、また、第2の組のチャンネルへの出入口を提供する少なくとも一つの外部ポートを含む。
【0005】
他の実施形態では、流体分配チャンバーを提供する。流体分配チャンバーは、ベースを含み、該ベースはベースから延びる側壁を有する。ここで、側壁の一つは、互いに添えられた第1の部材及び第2の部材を含む。第1の部材は、第2の部材の外面と合う内面を有する。第1の部材の内面は、また、間隔を隔てた横列の第1のパターンに画成された複数のキャビティーを有する。外面は、間隔を隔てた縦列の第2のパターンに画成された複数のキャビティーを有する。第1のパターンのキャビティーは、第2のパターンの多数のキャビティーと部分的に交差する。
【0006】
さらなる他の実施形態では、流体を分配する方法を開示する。この方法は、均一な分配ネットワークを形成する、互いに添えられた第1及び第2の壁を有するチャンバーを提供する工程を含む。他の工程は、添えられた壁内の均一な分配ネットワークに連結されるポートを通して流体流れを開始する。他の工程では、添えられた壁内に流体流れを分配する。流体流れは、第1の壁の一部として形成され、第2の壁の一部として形成された対向する第2の組のチャンネルに部分的に交差する第1の組のチャンネルを通して、壁の間で均一に分配される。
【0007】
本発明の他の側面及び利点は、添付する図面と関連してなされ、本発明の原理を例示として示す、以下の詳細な記載から明らかになるだろう。
本発明は、そのさらなる利点とともに、添付する図面と関連してなされる以下の記載を参照することにより、最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による流体分配ネットワークを用いる基板洗浄システムの外観を示す、簡単化した概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による乾燥チャンバーを例示的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による乾燥チャンバーの一部の分解図を例示的に示す図である。
【図4A】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートの垂直及び水平チャンネルの配列を例示的に示す図である。
【図4B】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートの垂直及び水平チャンネルの配列を例示的に示す図である。
【図5A】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートを示す概略図である。
【図5B】本発明の一実施形態による垂直分配プレート及び水平分配プレートを示す概略図である。
【図6A】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6B】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6C】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6D】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図6E】本発明の実施形態によるチャンバー内に確立することができる様々な流れパターンを示す例示的概略図である。
【図7】本発明の一実施形態によるチャンバー内に流体を均一に分配する方法の例示的な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
チャンバー内に流体を均一に分配するための及び/又は除去のための発明を開示する。以下に記載するように、一実施形態では、流体は、基板材料の乾燥を実施するガスであるのがよい。しかしながら、特許請求の範囲は、チャンバー内に分配し及び/又は排出することのできる流体のタイプを乾燥ガスに限定すると解釈されない。当業者は、特許請求の範囲で請求した要旨を含むチャンバーを、液体又は気体に適応するように変更してもよいことを認識すべきである。他の実施形態は、ガスを分配するための形態から液を分配する体のための形態へ変換できるチャンバーを含む。加えて、以下の記載は、基板材料を乾燥するためのチャンバーを記載するが、他の実施形態では、チャンバーは、クリーンルームや建物全体のようなより大きな構造物のための流体循環を含むようにされてもよい。
【0010】
以下の記載では、本発明の完全な理解を提供するために複数の特定の詳細が記載される。しかしながら、本発明は、これらの特定な詳細のいくつか又は全てなしに実施してもよいことは、当業者に明らかであろう。他の例では、本発明を不必要にわかりにくくしないために、良く知られた処理ステップは、詳細には記載されていない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による流体分配ネットワークを用いた基板洗浄システム100の外観を示す、簡単化した概略図である。基板洗浄システム100は、乾燥チャンバー102と、洗浄タンク104と、輸送組立体108と、を含むことができる。基板材料は、洗浄タンク104内での一定時間の暴露の後、輸送組立手段108を介して乾燥チャンバー102へ送られる。輸送組立手段108のさらなる情報は、2006年9月14日に提出され、基板を乾燥するための装置及び方法と題され、ここに援用される米国特許出願第11/531905号を参照せよ。
【0012】
基板材料の均一な加工暴露を提供するため、乾燥チャンバー102の長さの全体に亘って加熱乾燥ガスが分配される。加工の均一性を達成するために、乾燥チャンバー内の温度の変動を最小にするため、乾燥チャンバー全体に亘って乾燥ガスの均一な流れを有することが望ましい。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態による乾燥チャンバー102の例示図である。乾燥チャンバー102の内部は、水平分配プレート200a、200b及び端壁204a、204bにより形成される。以下に論ずるように、水平分配プレート200a、200bは、乾燥チャンバー102全体にわたる、流体の分配を助けるために、面に形成された水平チャンネル又は溝を有する。また以下にもっと詳細に論ずる垂直分配プレート202a、202bが水平分配プレート202a、202bに合わされる。図2に示すように、水平分配プレート200bは、乾燥チャンバー102の内部に開口するポート208を含むのがよい。ポート208は水平分配プレート200aにも見つけられるが、図2では見えないことを注意せよ。
【0014】
乾燥チャンバー102の一実施形態では、乾燥チャンバー102内の温度変動を最小にするために、加熱乾燥ガスがポート208から均一に分配される。他の実施形態では、異なる温度のガス、異なる温度の液体混合物、及び液体とガスの混合物を、ポート208から分配してもよいし又は排出してもよい。チャンバーの温度制御が望まれる実施形態のための遮断を提供するために、外壁214を垂直分配プレート202a、202bに添えるのがよい。外壁214は、チャンバーのロバスト性を増加させるためにも用いることができる。図2に示すポート208の位置、形状、及び数は例示であり、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。さらに、チャンバーの異なる用途は、異なる流体流れパターン及びチャンバーを出入りする異なる流体処理量を要求するので、ポート208の位置、大きさ、形状を変更してもよい。
【0015】
垂直分配プレート202a、202bは、それらのそれぞれの水平分配プレート200a、200bに積層され、又は固定されている。垂直分配プレート202a、202bは、乾燥チャンバー102全体の流体の分配を助けるため、水平分配プレート200a、200bの各水平溝に結合する面と合わされる垂直チャンネル又は溝を含む。垂直分配プレート202a、202bは、また、垂直チャンネルへの出入口を提供するポート206を含む。ある実施形態では、流体供給源は、流体をポート208に分配するためにポート206に取り付けることができる。他の実施形態では、ポート208を通じて流体を除去するため、真空源をポート206に取り付けることができる。流体供給源と、真空源の組合せを用いて、乾燥チャンバー102内で流体を循環させてもよい。
【0016】
前に論じたように、チャンバー102は、また、液体を循環させるために用いることができ、液体供給と戻りの組合せをチャンバー内で液体を循環させるために用いてもよい。例えば、洗浄タンク104は、ワークピースからの汚染物質の除去を容易にするために、洗浄液を分配及び循環させる積層壁を使用してもよい。ポート206の数は、各適用に基づいて構成することができ、必要な処理量及びチャンバー内での流体の形態に応じて変えることができる。チャンバーを複数の工程のために用いることができる他の実施形態では、ポート206を、ポート206の数を変更するために開閉してもよい。
【0017】
垂直分配プレート202a、202bと水平分配プレート200a、200bの両方は、また、乾燥チャンバー102の内部への出入口を提供する追加のポート212を含むことができる。ポート212は、乾燥チャンバー内の様々な状態を監視するために、限定されないが、レゾネーター、トランスデューサー、流量計、湿度計、及び熱電対などのセンサー又は他の装置を設置するために用いられてもよい。乾燥チャンバー102は、また、垂直分配プレート202a、202bに固定された外壁214を含むことができる。
【0018】
「水平」及び「垂直」との分配プレートの記載は、図2に示す実施形態を記載するつもりであることに注意せよ。分配プレートの他の実施形態は、分配プレート間で流体の分配を可能にする無限の様々なチャンネルの形状を有してもよいから、当業者は、「水平」及び「垂直」の記載は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではないことは認識すべきである。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態による乾燥チャンバー102の一部の分解図を例示的に示す図である。垂直溝は、垂直分配プレート202bの面に見ることができる。同様に、水平溝は、水平分配プレート200aの面に見ることができる。また、この実施形態では、ポート208と対角上に対向するポート201が、水平分配プレート200aの面に見られる。チャンバー内で望まれる流れの型に応じて、ポート208及びポート210は、様々な位置に配置されてもよい。他の実施形態では、追加のポート又はより少ないポートを、チャンバーに様々な流れを分配するために用いてもよい。図3に示す他の実施形態では、ポート210は、乾燥チャンバー102の下の領域へ流体を分配することができる。ポート210は、また、水平分配プレート200bに見いだされるが、図3では見られない。
【0020】
一実施形態では、ポート206が、垂直及び水平チャンネルを介して、分配される流体をポート210及びポート208に供給又は回収するために用いられる。他の実施形態では、チャンバーから流体を排出するために吸引機がポート206から吸引し、これにより、ポート208及びポート210を使用する。他の実施形態では、ポート206を通じた流体の供給及び真空の様々な形態とともに、垂直及び水平分配プレート内の様々な形態により、ポート208及び/又はポート210を通した流体の除去と流体の分配の両方を可能にすることができる。
【0021】
図4A及び4Bは、本発明の一実施形態による垂直分配プレート202bの垂直チャンネル及び水平分配プレート200bの水平チャンネルの配置の例示的な図である。この図において、垂直分配プレート202bの特徴を知るために、水平分配プレート200bは、半透明にされている。この実施形態で、ポート206a−206dは、水平分配プレート200b及び垂直分配プレート202bの間の交差により形成される分配ネットワークへの出入口を提供する。図4Aに見られるように、ポート206aは、複数のポート208aへの流体分配、及び/又は戻りを提供する。同様に、ポート206b−206dは、それぞれのポート208b及びポート210c、210dへの流体の分配及び又は排出を提供する。
【0022】
図4Bは、図4Aに示す水平及び垂直分配プレートの右側のさらなる詳細を示す。ポート206dからの流体の導入は、水平分配プレート200b及び垂直分配プレート202bのチャンネルの間の交差により作られる容積領域を通る。交差領域400a、400bにより、流体を、水平分配プレート200bの二つの別々の水平チャンネルに分割させる。一実施形態では、一列のチャンネルの断面積の合計は、水平分配プレート200b内の列ごとに実質的に等しい数となるだろう。同様に、垂直チャンネルの断面積の合計は、垂直分配プレート202bについて実質的に等しいものとなる。水平及び垂直チャンネルの列の間に同じ断面積を維持することは、ポート208及び210の全てへの均一な流量を促進する。
【0023】
ポート206dと関連した分配ネットワークを見ると、流体を4つの水平チャンネル403a−403dへ移動させる4つの垂直チャンネル402a−402dは、二つの水平チャンネル401a、401bと交差している。ある実施形態では、水平チャンネル401a、401bは、水平チャンネルの列として見ることができ、垂直チャンネル402a−402dは、垂直チャンネルの列としてみることができる。同様に、水平チャンネル403a−403dも、また、水平チャンネルの列として見ることができる。かくして、分配ネットワークは、交差する垂直列及び水平列の集まりとして見ることができる。図4Bに示す実施形態では、ポート206dと関連した分配ネットワークは、5列の水平チャンネル及び5列の垂直チャンネル(ポート210dを含む)を有すると見ることができる。これは、5列の水平チャンネル及び4列の垂直チャンネルを有するポート208bと関連した分配ネットワークとわずかに異なる。
【0024】
前に記載したように、水平チャンネル401a、401bの断面積の合計は、水平チャンネル403a−403dの断面積の合計とほぼ等しい。流体が乾燥チャンバーの特定の長さにわたって均一に分配されるまで、ポート206dを通る流体は、垂直及び水平に分割され続ける。この例では、ポート206dを通して導かれた流体は、ついにはポート210dから現われ、ポート210の断面積の合計は、水平チャンネル401a及び401bの断面積の合計とほぼ等しい。
【0025】
ある実施形態では、ポート210dの各々の断面積を合計すると、ポート206dの断面積となる。他の実施形態では、流体を、ポート206dを通して除去することができ、水平分配プレート202bと垂直分配プレート200bの間に形成される分配ネットワークは、チャンバーの特定長さに亘って流体を均等に除去する。
【0026】
図5A、5Bは、本発明の一実施形態による垂直分配プレート202b及び水平分配プレートを示す概略図である。垂直分配プレート202b及び水平分配プレート200bを分離すると、垂直及び水平チャンネルの間のカスケードの性質は明らかである。チャンネルのカスケードの性質は、また、加熱又は冷却流体が、チャンバーへ流入している及びチャンバーから流出している場合に、チャンバー内にエネルギーの保存を可能にする。流体がチャンバーへ入力される実施形態では、チャンバー内のエネルギーの保存は、入って来る流体エネルギーの一部をチャンバー壁に伝達することにより促進される。流体が、真空を用いてチャンバーから排出される実施形態では、出て行く流体エネルギーの一部がチャンバー壁に伝達される。
【0027】
図5A及び5Bに示すように、ポート206a−206dは、ポート210及び/又はポート208と反対のプレート上にある。しかしながら、空間の制約が問題となる他の実施形態では、水平及び垂直のチャンネルは、ポート206a−206dが、ポート210及び/又は208と同じ分配プレートに位置するように、形成されてもよい。いずれの実施形態でも、空間の節約及びチャンバーの全面積の削減は、ポート206a−206dに必要な入力/出力ハードウエアをチャンバー面積内に配置することにより、実現される。
【0028】
図6A−6Eは、本発明の実施形態に従ってチャンバー内に確立される様々な流れパターンを示す例示的な概略図である。それぞれの図において、左右の小さな図形は、分配ネットワークに送り込むポートとの接続のタイプを示す。様々な流れの可能性及びポートの位置が、無限の流れ形状及び流れパターンを作るために使用することができるため、示された様々な形態は、限定するものと解釈すべきではない。当業者は、ガスと液体の何れかが、分配ネットワーク内に供給され、分配され、及び/又は戻してもよいことを認識すべきである。図6Aは、真空をチャンバーの底に位置するポートに適用し、チャンバーの頂部のポートを通して流体を導入することにより確立される流れのパターンを示す。この実施形態では、横流れがチャンバーの一方の側の頂部から、反対側の底まで確立される。
【0029】
図6Bは、真空をチャンバーの一方の側に吸引機を適用し、チャンバーの他方の側に流体を供給することにより、確立される横流れを示す。図6Cは、様々な真空及び流体供給源を、流体分配プレートを利用するチャンバーに適用することにより、誘発される他の例示的な流れパターンである。この実施形態では、真空がチャンバーの底から流体を排出しながら、チャンバーの頂部のポートを通じて流体を供給することができる。
【0030】
図6Dは、利用可能なポートの全てを使用しないことにより、つくり出すことができる例示的な流れのパターンを示す。この実施形態では、一方の側の底ポートは流体を供給するために使用することができ、反対側の上ポートは真空を引く。チャンバーから入力及び出力を作動させ又は解放する能力は、融通性を提供することができ、単一のチャンバーに複数の処理工程を行わせる。加えて、分配プレートは、これに限定されないが構造内に部屋を又は構造全体までも含む、様々な大きさのチャンバーに順応するように寸法決めすることができる。材料の単一のピースからの分配プレートの製作が困難である、より大きな実施形態では、製造工程を単純化するために、モジュール構造技術を使用することが必要だろう。
【0031】
図6Eは、チャンバーの内部から流体を除去する例示的な流れパターンが確立された実施形態を示す。下ポートの全て又はいくつかに真空を適用することにより、このような流れパターンが作り出される。他の実施機形態では、チャンバーから流体を吸引するために真空の代わりに、重力を用いることができる。
【0032】
図7は、本発明の一実施形態に従ってチャンバー内に流体を均一に分配する方法の例示的な操作を示すフローチャートである。操作700は、チャンバーに流体分配ネットワークを形成する壁を提供する。一実施形態では、流体分配ネットワークは、水平分配プレートと垂直分配プレートとの間に形成することができる。前に論じたように、分配プレートは、分配ネットワークを形成するために、互いに付着されたときに交差する又は重なるチャンネル又は溝を有することができる。
【0033】
操作702は、分配ネットワーク内に流体流れを開始する。前に論じたように、流体流れは分配ネットワークに接続されたポートを介して開始することができる。ある実施形態では、流体を分配ネットワークに入力することができ、他の実施形態では、流体を分配ネットワークから排出することができる。
【0034】
操作704は、分配プレートにより形成されたチャンバー内に流体流れを分配する。ある実施形態では、分配ネットワークのカスケード性質が流体の一様な分配を促進することができる。ある実施形態では、分配ネットワークは、流体が流れる一定な断面積を維持するために、個々のチャンネルの数を増やしながら、個々のチャンネルの断面積を減少させることにより、分配ネットワーク内の流体の一様な分配を促進することができる。
【0035】
上記の発明が、理解の明確さの目的のため、ある程度詳細に記載されたが、或る変更及び修正を添付の特許請求の範囲内で実行してもよいことは明らかである。従って、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないと考えられるべきであり、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲及び均等物内で修正されるだろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー内での均一な流体流れのための分配ネットワークを含むチャンバーであって、
第1の面及び反対の内面を有する第1のチャンバーを含み、前記第1の面には、第1の組のチャンネルが形成され、前記内面はチャンバーの内部に曝され、かつ、第1の組の複数のチャンネルに接続された複数の内部ポートを含み、
第2の面及び半値亜の外面を有する第2のチャンバーを含み、前記第2の面は、第2の組のチャンネルを有し、前記第2の組のチャンネルは、前記第1の面が前記第2の面と合わされた時に、前記第1の組のチャンネルに部分的に交差し、前記外面は前記第2のチャンネルへの出入口を提供する少なくとも一つの外部ポートを含むことを特徴とするチャンバー。
【請求項2】
請求項1記載のチャンバーであって、
前記第1の組のチャンネルは、複数の実質的に水平なチャンネルを含む、チャンバー。
【請求項3】
請求項2記載のチャンバーであって、
第2の組のチャンネルは、複数の実質的に垂直なチャンネルの列を含み、前記垂直なチャンネルは対応する水平なチャンネルに部分的に交差する、チャンバー。
【請求項4】
請求項1記載のチャンバーであって、
複数の内部ポートの断面積は、外部ポートの断面積と実質的に同じである、チャンバー。
【請求項5】
請求項3記載のチャンバーであって、
一列の垂直チャンネルの列の断面積と、一列の水平チャンネルの列の断面積は等しい、チャンバー。
【請求項6】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
流体を、第1の複数の内部ポートを通して、前記チャンバーの内部に導入するように第1の外部ポートは形成され、第2の外部ポートは、流体を第2の複数の内部ポートを通して、チャンバーの内部から除去するように形成されていることを特徴とする流体分配ネットワーク。
【請求項7】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
前記外部ポートからの流体は、前記第1の組及び第2の組のチャンネルを通して、前記第1のチャンバー壁及び第2のチャンバー壁の間に分配され、かつ、前記内部ポートを通じて前記チャンバーの内部内に分配されている、流体分配ネットワーク。
【請求項8】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
流体は、前記第1及び第2の組のチャンネルを通じて、かつ、前記外部ポートを通じて前記第1及び第2のチャンバー壁の間を、前記内部ポートを介して、前記チャンバーの内側から流体を引き込むことにより、排出される、流体分配ネットワーク。
【請求項9】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
前記チャンバーを横切って前記第1及び第2のチャンバー壁を再現するように形成された、第3のチャンバー壁及び第4のチャンバー壁を、さらに含み、
前記第3のチャンバー壁及び第4のチャンバー壁は、第1及び第2のチャンバー壁の反対に配置され、前記第3のチャンバー壁は、複数の第2の内部ポート及びチャンネルを有し、前記第4のチャンバー壁は、第2の複数のチャンネル及び外部ポートを有する、流体分配ネットワーク。
【請求項10】
請求項9記載の流体分配ネットワークであって、
前記第2の複数の内部ポートは、対角上に前記複数の内部ポートに対向する、流体分配ネットワーク。
【請求項11】
流体分配チャンバーであって、
側壁を有するベースを備え、前記側壁はベースから延び、
前記側壁の一つは、互いに添えられた第1の部材及び第2の部材を含み、
前記第1の部材は、第2の部材の外面と合う内面を有し、
前記第1の部材の内面は、間隔を隔てた横列の第1のパターンに画定された複数のキャビティーを有し、
前記外面は、間隔を隔てた縦列の第2のパターンに画定された複数のキャビティーを有し、
前記第1のパターンのキャビティーは、前記第2のパターンの複数のキャビティーと部分的に交差することを特徴とする、流体分配チャンバー。
【請求項12】
請求項11記載の流体分配チャンバーであって、
前記横列及び縦列の断面積の合計は、横列及び縦列に亘って実質的に一定であることを特徴とする、流体分配チャンバー。
【請求項13】
請求項11記載の流体分配チャンバーであって、
間隔を隔てた横列の第1のパターンのキャビティーは、間隔を隔てた縦列の第2のパターンのキャビティーの延長軸と垂直な延長軸を有することを特徴とする、流体分配チャンバー。
【請求項14】
請求項11記載の流体分配チャンバーであって、
追加のポートを、さらに、含み、ポートは、付属品を収容するように形成されている、流体分配チャンバー。
【請求項15】
流体を分配する方法であって、
均一な流体の分配ネットワークを形成する、互いに添えられた第1及び第2の壁を有するチャンバーを提供する工程と、
ポートを通して流体流れを開始する工程と、を含み、前記ポートは、前記添えられたた壁内の均一な流体分配ネットワークに接続され、
前記添えられた壁内に流体流れを分配させる工程を含み、前記流体流れは、前記第1の壁の一部として形成され、前記第2の壁の一部として形成された対向する第2の組のチャンネルと部分的に交差する第1の組のチャンネルを使用して壁の間に均一に分配される、ことを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項15記載の流体を分配する方法であって、
前記第1の組のチャンネルは、前記流体流れを第1の方向に分配し、前記第2の組のチャンネルは、前記流体流れを第2の方向に分配し、前記第2の方向は、前記第1の方向と実質的に直交することを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項15記載の流体を分配する方法であって、
加工領域を、第1及び第2の組のチャンネルに接続された出力/入力ポートを経て、分配流体流れに曝すステップと、
ワークピースを加工領域に輸送することにより、ワークピースを前記チャンバー内に分配された流体流れに曝すステップと、を含む、方法。
【請求項18】
請求項17記載の流体を分配する方法であって、
前記第1の組のチャンネルと第2の組のチャンネルの間の交差は、前記流体流れを、増加する数の連続する個々のチャンネルへ分配し、前記増加する数の連続する個々のチャンネルは、入力/出力ポートの等しい全断面積を維持するために、断面積が減少することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の流体を分配する方法であって、
前記第1の組のチャンネルと第2の組のチャンネルの間の交差は、真空を、減少する数の連続する個々のチャンネルへ分配し、前記減少する数の連続する個々のチャンネルは、入力/出力ポートの等しい全断面積を維持するために、断面積が増加することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18記載の流体を分配する方法であって、
流体が均一に分配され、複数の出口ポートを通じて前記チャンバー内に分配されるように流体を入口ポートに流入させるステップを、さらに含む、方法。
【請求項21】
請求項18記載の流体を分配する方法であって、
流体が複数の出口ポートを通して前記チャンバーから均一に引き出されるように、真空を前記入口ポートに適用するステップを、さらに含む、方法。
【請求項22】
請求項18記載の流体を分配する方法であって、
流体を前記チャンバーから除去するために、流体を前記複数のポートを通して引く、重力排出を発生させる、方法。
【請求項1】
チャンバー内での均一な流体流れのための分配ネットワークを含むチャンバーであって、
第1の面及び反対の内面を有する第1のチャンバーを含み、前記第1の面には、第1の組のチャンネルが形成され、前記内面はチャンバーの内部に曝され、かつ、第1の組の複数のチャンネルに接続された複数の内部ポートを含み、
第2の面及び半値亜の外面を有する第2のチャンバーを含み、前記第2の面は、第2の組のチャンネルを有し、前記第2の組のチャンネルは、前記第1の面が前記第2の面と合わされた時に、前記第1の組のチャンネルに部分的に交差し、前記外面は前記第2のチャンネルへの出入口を提供する少なくとも一つの外部ポートを含むことを特徴とするチャンバー。
【請求項2】
請求項1記載のチャンバーであって、
前記第1の組のチャンネルは、複数の実質的に水平なチャンネルを含む、チャンバー。
【請求項3】
請求項2記載のチャンバーであって、
第2の組のチャンネルは、複数の実質的に垂直なチャンネルの列を含み、前記垂直なチャンネルは対応する水平なチャンネルに部分的に交差する、チャンバー。
【請求項4】
請求項1記載のチャンバーであって、
複数の内部ポートの断面積は、外部ポートの断面積と実質的に同じである、チャンバー。
【請求項5】
請求項3記載のチャンバーであって、
一列の垂直チャンネルの列の断面積と、一列の水平チャンネルの列の断面積は等しい、チャンバー。
【請求項6】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
流体を、第1の複数の内部ポートを通して、前記チャンバーの内部に導入するように第1の外部ポートは形成され、第2の外部ポートは、流体を第2の複数の内部ポートを通して、チャンバーの内部から除去するように形成されていることを特徴とする流体分配ネットワーク。
【請求項7】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
前記外部ポートからの流体は、前記第1の組及び第2の組のチャンネルを通して、前記第1のチャンバー壁及び第2のチャンバー壁の間に分配され、かつ、前記内部ポートを通じて前記チャンバーの内部内に分配されている、流体分配ネットワーク。
【請求項8】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
流体は、前記第1及び第2の組のチャンネルを通じて、かつ、前記外部ポートを通じて前記第1及び第2のチャンバー壁の間を、前記内部ポートを介して、前記チャンバーの内側から流体を引き込むことにより、排出される、流体分配ネットワーク。
【請求項9】
請求項1記載の流体分配ネットワークであって、
前記チャンバーを横切って前記第1及び第2のチャンバー壁を再現するように形成された、第3のチャンバー壁及び第4のチャンバー壁を、さらに含み、
前記第3のチャンバー壁及び第4のチャンバー壁は、第1及び第2のチャンバー壁の反対に配置され、前記第3のチャンバー壁は、複数の第2の内部ポート及びチャンネルを有し、前記第4のチャンバー壁は、第2の複数のチャンネル及び外部ポートを有する、流体分配ネットワーク。
【請求項10】
請求項9記載の流体分配ネットワークであって、
前記第2の複数の内部ポートは、対角上に前記複数の内部ポートに対向する、流体分配ネットワーク。
【請求項11】
流体分配チャンバーであって、
側壁を有するベースを備え、前記側壁はベースから延び、
前記側壁の一つは、互いに添えられた第1の部材及び第2の部材を含み、
前記第1の部材は、第2の部材の外面と合う内面を有し、
前記第1の部材の内面は、間隔を隔てた横列の第1のパターンに画定された複数のキャビティーを有し、
前記外面は、間隔を隔てた縦列の第2のパターンに画定された複数のキャビティーを有し、
前記第1のパターンのキャビティーは、前記第2のパターンの複数のキャビティーと部分的に交差することを特徴とする、流体分配チャンバー。
【請求項12】
請求項11記載の流体分配チャンバーであって、
前記横列及び縦列の断面積の合計は、横列及び縦列に亘って実質的に一定であることを特徴とする、流体分配チャンバー。
【請求項13】
請求項11記載の流体分配チャンバーであって、
間隔を隔てた横列の第1のパターンのキャビティーは、間隔を隔てた縦列の第2のパターンのキャビティーの延長軸と垂直な延長軸を有することを特徴とする、流体分配チャンバー。
【請求項14】
請求項11記載の流体分配チャンバーであって、
追加のポートを、さらに、含み、ポートは、付属品を収容するように形成されている、流体分配チャンバー。
【請求項15】
流体を分配する方法であって、
均一な流体の分配ネットワークを形成する、互いに添えられた第1及び第2の壁を有するチャンバーを提供する工程と、
ポートを通して流体流れを開始する工程と、を含み、前記ポートは、前記添えられたた壁内の均一な流体分配ネットワークに接続され、
前記添えられた壁内に流体流れを分配させる工程を含み、前記流体流れは、前記第1の壁の一部として形成され、前記第2の壁の一部として形成された対向する第2の組のチャンネルと部分的に交差する第1の組のチャンネルを使用して壁の間に均一に分配される、ことを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項15記載の流体を分配する方法であって、
前記第1の組のチャンネルは、前記流体流れを第1の方向に分配し、前記第2の組のチャンネルは、前記流体流れを第2の方向に分配し、前記第2の方向は、前記第1の方向と実質的に直交することを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項15記載の流体を分配する方法であって、
加工領域を、第1及び第2の組のチャンネルに接続された出力/入力ポートを経て、分配流体流れに曝すステップと、
ワークピースを加工領域に輸送することにより、ワークピースを前記チャンバー内に分配された流体流れに曝すステップと、を含む、方法。
【請求項18】
請求項17記載の流体を分配する方法であって、
前記第1の組のチャンネルと第2の組のチャンネルの間の交差は、前記流体流れを、増加する数の連続する個々のチャンネルへ分配し、前記増加する数の連続する個々のチャンネルは、入力/出力ポートの等しい全断面積を維持するために、断面積が減少することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の流体を分配する方法であって、
前記第1の組のチャンネルと第2の組のチャンネルの間の交差は、真空を、減少する数の連続する個々のチャンネルへ分配し、前記減少する数の連続する個々のチャンネルは、入力/出力ポートの等しい全断面積を維持するために、断面積が増加することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18記載の流体を分配する方法であって、
流体が均一に分配され、複数の出口ポートを通じて前記チャンバー内に分配されるように流体を入口ポートに流入させるステップを、さらに含む、方法。
【請求項21】
請求項18記載の流体を分配する方法であって、
流体が複数の出口ポートを通して前記チャンバーから均一に引き出されるように、真空を前記入口ポートに適用するステップを、さらに含む、方法。
【請求項22】
請求項18記載の流体を分配する方法であって、
流体を前記チャンバーから除去するために、流体を前記複数のポートを通して引く、重力排出を発生させる、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【公表番号】特表2011−524628(P2011−524628A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509672(P2011−509672)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/043851
【国際公開番号】WO2009/140431
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510243517)ザイラテックス テクノロジー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/043851
【国際公開番号】WO2009/140431
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510243517)ザイラテックス テクノロジー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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