説明

一液型接着剤組成物及びそれを接着層とする構成体

【課題】 可撓性、耐内容物性に優れた硬化皮膜を形成する一液型ウレタン系接着剤組成物及びその製造方法並びに該一液型接着剤組成物を接着層として構成された構成体を提供する。
【解決手段】
ケチミン基を有するポリウレタン化合物とエポキシ基含有化合物とを含有する一液型接着剤組成物及びそれを接着層として有する構成体。
前記ケチミン基を有するポリウレタン化合物は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーをアミン類と反応させて得られるアミノ基を有するポリウレタン化合物を過剰のケトンと反応させて得ることができる。
前記一液型接着剤組成物の硬化皮膜が可撓性、耐内容物性に優れ、また、接着強度、耐加水分解性にも優れたものであり、プラスチックフィルムラミネートの接着剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一液型接着剤組成物、特に、一液型ウレタン系接着剤組成物に関するものであり、さらに詳しくは、バイオマス材料を主材料とするものであり、接着層の硬化皮膜が可撓性に優れた一液型ウレタン系接着剤組成物及び該一液型ウレタン系接着剤組成物を接着層として用いることにより得られる構成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウレタン系接着剤は、その可撓性及び接着性からプラスチックフィルム同士をはじめとする多種多様な基材の接着剤として使用されている。そして、かかる基材の用途は、食品などの包材をはじめ建材、光学部品及び電子部品など広い分野にわたっている。従来から開発されているかかるウレタン系接着剤は、主剤と硬化剤とを使用前に混合することを要する主として二液型のものが殆どである。
【0003】
また、かかるウレタン系接着剤の原材料としては、石炭又は石油由来のものから環境保全に配慮したバイオ由来のものへの転換が要求されてきている。
【0004】
さらに、プラスチックフィルム用に用いられる接着剤は、可撓性を有することに加えて、充填物による影響を受けにくい耐内容物性に優れた接着剤が求められている。
【0005】
また、接着剤の使用面においては、二液型接着剤の場合、二液を施工時に現場で秤量配合し攪拌混合することを必要とする煩雑さ及びそれに伴なう配合ミス等の問題が指摘されており、かかる問題を解消することが求められている。
【0006】
一方、従来、一液型の接着剤は、シーリング材等の分野でイソシアネートの湿気硬化によるものが殆どであるが、これらはイソシアネートと水分との反応により発生する炭酸ガスにより硬化した接着剤層に発泡部を作り出すものである。
【0007】
しかし、前記の方法では、プラスチックフィルム用として使用した場合には、発泡により接着構成体の外観が損なわれるのみでなく、耐内容物性や接着強度の低下を招くという問題が指摘されてきた。
【0008】
従って、炭酸ガスを発生させない一液型接着剤としてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとオキサゾリジン環を有する化合物からなる接着剤が検討されてきた。例えば、特開平2−55715号公報(以下、「特許文献1」という。)には、硬化時において発泡を伴なわず、硬化性の良好な湿気硬化性の一液型ウレタン組成物として、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーにオキサゾリジン化合物と芳香族多官能イソシアネートを添加した組成物が有用な貯蔵安定性を示すことが記載されている。
【0009】
また、特開平9−278857号公報(以下、「特許文献2」という。)には、発泡を伴なわず、硬化性が良好な湿気硬化性ウレタン樹脂組成物として、末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーと、分子中に2個以上のオキサゾリジン環を有する化合物及び酸性物質からなる湿気硬化型ウレタン組成物が記載されている。
【0010】
さらに、特開平9−278857号公報(以下、「特許文献3」という。)にも、硬化時に発泡しない室温硬化型ポリウレタン組成物として、ウレタンプレポリマー、オキサゾリジン化合物及びオキサゾリジン環の開環促進化合物を含有するポリウレタン組成物が開示されている。
【0011】
しかしながら、オキサゾリジン環を有する化合物は、通常の市場において入手が容易でないという市場性に問題があること及びかかるオキサゾリジン環を有する化合物が加水分解して生成するアミンがエポキシ環などと反応した場合には、アミン以外の物質が残渣として接着剤皮膜の接着層中に残存する問題があることから、残存する物質の内容によっては包材用接着剤としてはその用途が限定されるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平2−055715号公報
【特許文献2】特開平9−169829号公報
【特許文献3】特開平9−278857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の課題は、前記の欠点を解決し、主材料にバイオマス由来のものを用い、接着強度に優れ、しかもその接着層を構成する硬化皮膜が可撓性に加えて、耐内容物性を有する新規な一液型接着剤組成物及びその製造方法並びに該一液型接着組成物を接着層とする構成体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明者らは、前記の本発明の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、主剤としてケチミン基を有するポリウレタン化合物を用い、硬化剤としてエポキシ基含有化合物を用いることにより、その接着層の硬化皮膜が可撓性に富むとともに、種々のプラスチックスフィルムへの密着性にも優れ、さらには充填内容物の影響を受け難い耐内容物性に優れた一液型接着剤組成物及び該接着剤組成物の製造方法を提供できることに着目した。
【0015】
また、かかるウレタン系接着剤組成物を接着層として使用した構成体を提供できることを見い出し、かかる知見に基いて本発明に想到するに至った。
【0016】
かくして、本発明によれば、
請求項1において、ケチミン基を有するポリウレタン化合物とエポキシ基含有化合物とを含有してなることを特徴とする一液型接着剤組成物が提供される。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、
前記ケチミン基を有するポリウレタン化合物が、アミノ基を有するポリウレタン化合物と過剰のケトン類とを反応させることにより得られる反応生成物である請求項1に記載の一液型接着剤組成物が提供される。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、
前記ケチミン基を有するポリウレタン化合物中のケチミン基の含有量は、該ケチミン基を有するポリウレタン化合物の一分子中に2個以上である請求項1または2に記載の一液型接着剤組成物が提供される。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、
前記アミノ基を有するポリウレタン化合物は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(以下、単に「ウレタンプレポリマー」と言う。)とアミン類とを反応させることにより得られる反応生成物である請求項2に記載の一液型接着剤組成物が提供される。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、
前記アミノ基を有するポリウレタン化合物の前記アミノ基のウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対する当量比が1.1〜2.0である請求項4に記載の一液型接着剤組成物が提供される。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、
前記ウレタンプレポリマーは、NCO/OH比が2.0以下である請求項4又は5に記載の一液型接着剤組成物が提供される。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、
前記エポキシ基含有化合物のエポキシ基の含有量が、一分子中に2個以上6個以下である請求項1に記載の一液型接着剤組成物が提供される。
【0023】
請求項8に係る発明によれば、
請求項1〜7のいずれかの項に記載の一液型接着剤組成物であって、該一液型接着剤組成物の材料中のバイオマス材料の含有量が、乾燥硬化皮膜全重量基準として少なくとも40重量%であることを特徴とする一液型接着剤組成物が提供される。
【0024】
請求項9に係る発明によれば、
請求項1〜8項のいずれかの項に記載の一液型接着剤組成物を接着層として有することを特徴とする構成体が提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、一液型ウレタン系接着剤組成物を提供することができる。一液型接着剤は、使用前に現場で主剤と硬化剤を混合するような作業を要しないので、取扱いが容易である。また、かかるウレタン系接着剤組成物の硬化皮膜は可撓性及び耐内容物性に富み、接着強度にも優れたものであり、炭酸ガス発泡を抑制することができるので、かかる発泡による弊害が無いことから、プラスチックフィルム基材をラミネートする接着剤として優れた性能を発揮する。
【0026】
さらに、本発明によれば、バイオマス由来の原料を用いていることから環境保全性にも優れた接着剤組成物を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するにあたり詳細な事項を下記に示す。
【0028】
本発明に係る一液型接着剤組成物の一つの要素であるケチミン基を有するポリウレタン化合物は、特に限定されるものではないが、一般的にはアミノ基を有するポリウレタン化合物とケトン類とを反応させることにより得られる反応生成物を用いることができる。
【0029】
また、ケトン類としては、特に限定されるものではなく、具体的には、脂肪族飽和ケトンとして、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロン、ブチロン、ジイソプロピルケトン等、不飽和ケトンとして、メチルビニルケトン、メチルオキシド、メチルヘプテノン等、脂環式ケトンとして、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等、芳香族ケトンとして、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベンゾフェノン、ジベンジルケトン、2−アセトナフトン等、複素環式ケトンとして、アセトフェノン、2−アセトフロン等のケトン類をそれぞれ例示することができる。
【0030】
また、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類が挙げられるが、コストの点で溶剤として使用されるケトン類が実用上好ましい。
【0031】
ケチミン基を有するポリウレタン化合物の製造において、採用されるアミノ基を有するポリウレタン化合物とケトン類との比は、ケトンがアミノ基に対して当量以上の過剰であればよいが、1〜5当量が好ましく、特に1.5〜3当量が特に好ましい。
【0032】
前記アミノ基を有するポリウレタン化合物としては、特に限定されないが、一般的にはウレタンプレポリマーとアミン類、特にポリアミンとを反応させることにより得られる反応生成物が好ましい。
【0033】
ポリアミンは、多数のアミノ基を有するアミンを総称したものであり、第1級アミノ基を2個以上有するものであれば特に限定されないが、具体例として、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジアミノプロピルアミン、ビスアミノプロピルピペラジン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロへキサン、4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、ジアミノベンゼン、ヒドラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジフェニルメタンジアミン、キシレンジアミン、イソフォロンジアミン等のジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリオキシエチレントリアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等のポリアミンが挙げられる。
【0034】
ウレタンプレポリマーとポリアミンとの比はイソシアネート基に対するアミノ基の当量で1.1〜2.0が好ましい。
【0035】
本発明に係る一液型接着組成物の構成成分としてのケチミン基を有するポリウレタン化合物の製造原料としてのアミノ基を有するポリウレタン化合物の数平均分子量は1000〜40000であるものが好ましい。特に好ましい数平均分子量は1200〜38000である。アミノ基を有するポリウレタン化合物の数平均分子量が1000未満では初期接着力が低く好ましくなく、一方、数平均分子量が40000を超えると接着剤としての粘度が高くなり好ましくない。
【0036】
前記ウレタンプレポリマーは、特に限定されないが、一般的にはポリオールとポリイソシアネートとを反応させ、また必要に応じて鎖伸長剤を併用して公知の方法で得られる。
【0037】
本発明に係る一液型接着組成物の製造過程において使用されるウレタンプレポリマーの製造において使用されるポリオールとしては、通常のポリウレタンの製造に使用される従来公知のポリオールを、単独又は2種以上混合して使用することができる。ポリオールの分子量は300〜10000であるものが好ましい。特にポリオールの分子量が500〜5000のものを使用するとウレタンプレポリマーの粘度、硬化物の物性の点で好ましい。
【0038】
また、本発明のウレタンプレポリマーでの製造に使用されるポリオールとしては公知のものが使用でき、一般にポリウレタン化合物の製造に用いられる種々のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール又はポリマーポリオールを挙げることができる。
【0039】
ポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0040】
その他のポリオールとして、ポリ−ε−カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0041】
また、ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多塩基性カルボン酸との重縮合物、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールとの重縮合物などがあり、これらに使用される多塩基酸カルボン酸類としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマール酸、マレイン酸、フタール酸、テレフタール酸、ダイマー酸、ピロメリット酸等、更にはこれら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。一方、多価アルコール類としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0042】
また、バイオマス由来のポリオールとしては、例えば、ひまし油およびひまし油系ポリオールを使用することができ、かかるバイオマス材料が乾燥硬化被膜として40重量%以上である一液型接着剤組成物を容易に完成することが可能となる。
【0043】
さらに、必要に応じてポリオールと併用する鎖伸長剤は公知のものを使用することができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリシロキサンポリオール、アクリルポリオール、ロジンのアルコール誘導体などを単独又は二種以上を混合して用いることができる。
【0044】
本発明に係るウレタンプレポリマーの製造において使用されるポリイソシアネートとしては公知のものが使用できる。例えば、トリレンジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネート−ジフェニルエーテル、メシチレンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、ジュリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネート、4,4−ジイソシアネートジベンジル、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−テトラメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどが挙げられる。
【0045】
ポリオール及び鎖伸長剤とポリイソシアネートとの比率はNCO/OHで1.1〜2.0であることが好ましい。
【0046】
本発明のウレタンプレポリマーの数平均分子量は1000〜40000であり、好ましくは1200〜35000である。ウレタンプレポリマーの分子量が1000以下では可撓性と接着力の点で好ましくなく、40000以上のものを使用すると接着剤としての性能に問題が生じ、好ましくない。
【0047】
本発明に係る一液型接着剤組成物を構成するエポキシ基含有化合物としては、多官能エポキシ系化合物が好適である。かかる多官能エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジβメチルグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフロロアセトンジグリシジルエーテル、テトラフェニルジグリシジルエーテルエタン、トリフェニルジグリシジルエーテルメタン、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル;ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの重合脂肪酸附加物;グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クロロ化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシウレタン樹脂、等のグリシジルエーテル型エポキシ系樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステル等のグリシジルエーテル・エステル型エポキシ系樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、等のグリシジルエステル型エポキシ系樹脂;ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、等のグリシジルアミン型エポキシ系樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ系樹脂、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、リモネンジオキサイド等の脂環族エポキシ系樹脂;ポリフェノールのポリグリシジルエーテル、ブタジエンオキサイドジグリシジルエーテル、2,6−グリシジルフェニルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジビニルベンゼンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンテン)エーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、2−グリシジルフェニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート;オクチレンオキサイド、スチレンオキサイド、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレゾールグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、アルキル置換フェニルグリシジルエーテル、ジペンテンモノオキサイド、アクリル酸グリシジルエステル、エポキシ化カダノールジルエステル、第3級カルボン酸グリシジルエステル、αピネンオキサイド等の単独又は混合物を挙げることができる。
【0048】
エポキシ基含有化合物の使用量は、ケチミン基を有するポリウレタン化合物のケチミン基とエポキシ基が当量になるように配合することが好ましい。
【0049】
本発明に係る一液型接着剤組成物には、目的によっては必須成分である前記化合物以外に本発明の効果を損なわない範囲で種々の添加剤、具体的には接着付与剤、各種の無機及び/又は有機顔料、耐電防止剤、粘度低下防止剤、加水分解防止剤、脱水剤、充填剤、硬化促進触媒、紫外線防止剤等を配合することができる。
【0050】
また、本発明に係る一液型接着剤組成物を接着層として有する構成体は、基材と、該基材上または複数の基材間に形成された硬化皮膜からなる接着層とからなるものである。基材の材質については、特に限定されるものではなく、弾性を有し、変形可能なものでもよい。具体的には、木材、金属、ゴム、プラスチック等の材料を挙げることができ、また、かかる基材の形状、構造等についても限定されるものではなく、種々の用途に応じて任意に決定することができる。
【0051】
本発明に係る一液型接着組成物を接着層とする好ましい構成体としては、複数のプラスチックフィルムを積層してなるプラスチックフィルムラミネート体を挙げることができる。
【実施例】
【0052】
次に、合成例、実施例及び比較例により、本発明について、さらに具体的に説明する。もっとも、本発明は、実施例等により限定されるものではない。
【0053】
合成例1−1(ウレタンプレポリマーの合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な2リットルのガラス製反応容器にひまし油由来の二官能ポリオール(伊藤製油(株)製URIC PH−5001(OH価44))500gと1,4ブタンジオール17.7g、酢酸エチル72g、更に反応触媒としてオクテン酸亜鉛0.10gを仕込み、加熱し内温が70〜80℃となったところでイソホロンジイソシアネート(IPDI)130.7gを添加し90〜100℃で3時間保持した(NCO/OH当量比=1.50)。サンプルを採取し、NCO%を測定し、40〜50℃に冷却し、酢酸エチル144gを添加した。
得られたウレタンプレポリマー(A−1)の数平均分子量は4970であり、NCO%は1.69%であった。
【0054】
合成例1−2(アミノ基含有ポリウレタン化合物の合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例1−1で得られたウレタンプレポリマー(A−1)417gを採取した。これに酢酸エチル137g添加し充分に攪拌混合して希釈した。
攪拌を停止し、イソプロピルアルコール(IPA)103g、イソホロンジアミン(IPDA)31.6g(NH2/NCO当量比=2.0)の順に添加し、添加終了と共に急激に攪拌を行い、内温を40〜50℃で1時間保持した後、攪拌を停止した。得られたアミノ基含有ポリウレタン化合物(B−1)の数平均分子量は、7843であり、アミン価は255μeq/gであった。
【0055】
実施例1
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例1−2で得られたアミノ基含有ポリウレタン化合物(B−1)400gに酢酸エチル96g、イソプロピルアルコール(IPA)41g、メチルエチルケトン(MEK)145gを添加混合し室温下で30分間攪拌した。得られたケチミン含有ポリウレタン化合物(C−1)10gに水約1gを添加し50~70℃の条件下で加水分解し得られたアミン末端ポリウレタン化合物のアミン価は151μeq/gであった。
これにエポキシ樹脂(ナガセケムテックッス(株)製「デナコールEX−611」(エポキシ当量167wpe、1分子中のエポキシ官能基数4))を17.2g添加し均一になるまで攪拌混合して一液型ウレタン系接着剤を調製した。
【0056】
合成例2−1(ウレタンプレポリマーの合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な2リットルのガラス製反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子(株)製エクセノール2020(OH価56))500gと1,4ブタンジオール22g、酢酸エチル75g更に反応触媒としてオクテン酸亜鉛0.10gを仕込み、加熱し内温が70〜80℃となったところでイソホロンジイソシアネート(IPDI)155gを添加し90〜100℃3時間保持した(NCO/OH当量比=1.40)。サンプルを採取しNCO%を測定し、40〜50℃に冷却し、酢酸エチル151gを添加した。得られたウレタンプレポリマー(A−2)の数平均分子量は、4221であり、NCO%は1.99%であった。
【0057】
合成例2−2(アミノ基含有ポリウレタン化合物の合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例2−1で得られたウレタンプレポリマー(A−2)301gを採取した。これに酢酸エチル99g添加し充分に攪拌混合して希釈した。
攪拌を停止し、イソプロピルアルコール(IPA)74g、イソホロンジアミン(IPDA)23.1g(NH2/NCO当量比=2.0)の順に添加し、添加終了と共に急激に攪拌を行い、内温を40〜50℃で1時間保持し、停止した。得られたアミノ基含有ポリウレタン化合物(B−2)の数平均分子量は、8065であり、アミン価は248μeq/gであった。
【0058】
実施例2
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例2で得られたアミノ基含有ウレタンプレポリマー(B−2)400gに酢酸エチル109g、イソプロピルアルコール(IPA)47g、メチルエチルケトン(MEK)153gを添加混合し室温下で30分間攪拌した。得られたケチミン含有ポリウレタン化合物(C−2)10gに水約1gを添加し50~70℃の条件下で加水分解し得られたアミン末端ポリウレタン化合物のアミン価は145μeq/gであった。
これにエポキシ樹脂(ナガセケムテックッス(株)製デナコールEX−611(エポキシ当量167wpe、1分子中の官能基数4))を17.2gを添加し均一になるまで攪拌混合して一液型ウレタン系接着剤を調製した。
【0059】
合成例3−1(ウレタンプレポリマーの合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な2リットルのガラス製反応容器に公知の方法で重縮合反応により得られたポリエステルポリオール(イソフタル酸/アジピン酸/NPG/EG=5/5/7/3(モル比)、exOH15%、OH価56)500gと1,4ブタンジオール22.5g、酢酸エチル75g、更に反応触媒としてオクテン酸亜鉛0.10gを仕込み、加熱し内温が70〜80℃となったところでイソホロンジイソシアネート(IPDI)155.3gを添加し90〜100℃3時間保持した。(NCO/OH当量比=1.40)サンプルを採取しNCO%を測定し、40〜50℃に冷却し、酢酸エチル151gを添加した。得られたウレタンプレポリマー(A−3)の数平均分子量は4242、NCO%は1.98%であった。
【0060】
合成例3−2(アミノ基含有ポリウレタン化合物の合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例3−1で得られたウレタンプレポリマー(A−3)301gを採取した。これに酢酸エチル99g添加し充分に攪拌混合して希釈した。
攪拌を停止し、これにイソプロピルアルコール(IPA)75g、イソホロンジアミン(IPDA)23.5g(NH2/NCO当量比=2.0)の順に添加し、添加終了と共に急激に攪拌を行い、内温を40〜50℃で1時間保持し、サンプルを採取しアミン価を測定し、停止した。
得られたアミノ基含有ポリウレタン化合物(B−3)の数平均分子量は、7752であり、アミン価は258μeq/gであった。
【0061】
実施例3
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例2で得られたアミノ基含有プレポリマー(B−3)400gに酢酸エチル110g、IPA47g、メチルイソブチルケトン(MIBK)153gを添加混合し室温下で30分間攪拌する。
得られたケチミン含有プレポリマー(C−3)10gに水約1gを添加し50~70℃の条件下で加水分解し得られたアミン末端ポリウレタン化合物のアミン価は159μeq/gであった。
これにエポキシ樹脂(ナガセケムテックッス社製デナコールEX−611(エポキシ当量167wpe、1分子中の官能基数4))を18.9gを添加し均一になるまで攪拌混合して一液型ウレタン系接着剤を調製した。
【0062】
合成例4−1(ウレタンプレポリマーの合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な2リットルのガラス製反応容器にポリカーボネートジオール(旭化成(株)製デュラノールT5652(OH価56))500gと1,4ブタンジオール11.3g、酢酸エチル69g更に反応触媒としてオクテン酸亜鉛0.10gを仕込み、加熱し内温が70〜80℃となったところでイソホロンジイソシアネート(IPDI)116.4gを添加し90〜100℃3時間保持した。(NCO/OH当量比=1.40)サンプルを採取しNCO%を測定し、40〜50℃に冷却し、酢酸エチル140gを添加した。得られたプレポリマー(A−4)の数平均分子量は、5000、NCO%は1.68%であった。
【0063】
合成例4−2(アミノ基含有ポリウレタン化合物の合成)
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例4−1で得られたプレポリマー(A−4)301gを採取する。これに酢酸エチル96g添加し充分に攪拌混合して希釈する。
攪拌を停止し、これにイソプロピルアルコール(IPA)73g、イソホロンジアミン(IPDA)18.9g(NH2/NCO当量比=2.0)の順に添加し、添加終了と共に急激に攪拌を行い、内温を40〜50℃で1時間保持し、サンプルを採取しアミン価を測定し、停止する。
得られたアミノ基含有ポリウレタン化合物(B−4)の数平均分子量は、9570であり、アミン価は209μeq/gであった。
【0064】
実施例4
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例2で得られたアミノ基含有ポリウレタン化合物(B−4)400gに酢酸エチル108g、イソプロピルアルコール(IPA)46g、メチルイソブチルケトン(MIBK)152gを添加混合し室温下で30分間攪拌した。
得られたケチミン含有ポリウレタン化合物(C−4)10gに水約1gを添加し50~70℃の条件下で加水分解し得られたアミン末端ポリウレタン化合物のアミン価は128μeq/gであった。
これにエポキシ樹脂(東都化成製エポトートYD−128(エポキシ当量189wpe、1分子中の官能基数2))を17.1gを添加し均一になるまで攪拌混合して一液型ウレタン系接着剤を調製した。
【0065】
合成例5
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した加熱可能な1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例1−2で得られたウレタンプレポリマー(A−1)417gを採取した。これに酢酸エチルを133g添加し充分に攪拌混合して希釈した。
攪拌を停止し、公知の方法で得られた2−ペンチル−3−オキサゾリンジエタノール26.5g(OH/NCO当量比=2.0)を添加し、内温を40〜50℃で1時間保持し、サンプルを採取しNCO%を測定し、0.1%以下になったことを確認しイソプロピルアルコール(IPA)を102g添加混合し停止した。得られたオキサゾリジン含有ポリウレタン化合物(D)10gに水約1gを添加し50~70℃の条件下で加水分解し得られたアミン末端ポリウレタン化合物のアミン価は127μeq/gであった。
【0066】
比較例1
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管、乾燥窒素ガス導入口などを付与した1リットルのガラス製反応容器に乾燥窒素気流下で合成例5で得られたオキザゾリジン含有ポリウレタン化合物(D)400gに酢酸エチル211g、IPA91gを添加混合し室温下で30分間攪拌した。これにエポキシ樹脂(ナガセケムテックッス社製デナコールEX−611(エポキシ当量167wpe、1分子中の官能基数4))を14.9gを添加し均一になるまで攪拌混合して一液型ウレタン系接着剤を調製した。
【0067】
前記の通り、実施例1〜4及び比較例1で得られた新規接着剤の性能を評価する為に発泡性、接着強度、耐加水分解性、耐内容物性について、それぞれ下記の条件および操作により測定した。
【0068】
1.発泡性;接着強度(ピール強度)の試験試料と同様にしてラミネートした試験試料を直ちに60℃の恒温槽に1時間保管した後のラミネート物の外観を評価する。
○:発泡が認められない ×:発泡が確認できる
【0069】
2.接着強度(ピール強度[N/15mm])
・試験試料作成方法
(1)接着剤試料をワイヤーバーコーターNO.10で透明蒸着PETフィル上の蒸着面又はナイロンに約5ミクロン厚に塗工し、80℃で1分間乾燥後ニップロールで他の基材とラミネートし、下記の構成2−(1)、2−(2)および2−(3)のラミネート試験試料を調製した。
(2)構成2−(1)、2−(2)および2−(3)のラミネート試料を15mm巾の短冊状の測定試料を作成し、300mm/minの速度でT型剥離試験を実施し接着強度(ピール強度)を求めた。
・構成2−(1)透明蒸着PET(12μ)/透明蒸着PET(12μ)
2−(2)透明蒸着PET(12μ)/PAN(30μ)
2−(3)ナイロン(15μ)/LLDPE(30μ)
構成2−(1)、2−(2)および2−(3)のラミネート試験試料の調製に用いた材料は次の通りである。
透明蒸着PET;東洋メタライジング製 1011HG
PAN ;タマポリ製 ハイトロンBX
ナイロン ;ユニチカ製 エンブレムON
LLDPE ;東セロ製 TUX−FCD
【0070】
3.接着強度(シール強度[N/15mm])
・試験試料作成方法
(1)〔接着強度(ピール強度[N/15mm])〕で作成しラミネートをPAN側同志を内側にして重ね所定の条件でシールする。
シール条件 構成3−(1);170℃、0.1MPa、1秒間
構成3−(2);160℃、0.1MPa、1秒間
(2)シール試料を15mm巾の短冊状の測定試料を作成し、300mm/minの速度でT型剥離試験を実施し接着強度(シール強度)を求めた。
・構成3−(1)透明蒸着PET(12μ)/PAN(30μ)
3−(2)ナイロン(15μ)/LLDPE(40μ)
構成3−(1)及び3−(2)の試験試料の調製に用いた材料は次の通りである。
透明蒸着PET;東洋メタライジング製 1011HG
PAN ;タマポリ製 ハイトロンBX
ナイロン ;ユニチカ製 エンブレムON
LLDPE ;東セロ製 TUX−FCD
【0071】
4.耐加水分解性;試験試料(構成3−(1)及び3−(2))を温度70℃、湿度95%条件下で4週間放置した後の接着強度を〔接着強度(ピール強度)〕の方法と同様にして測定する。
【0072】
5.耐内容物性(1)
〔接着強度(シール強度[N/15mm])〕の測定で用いた試料の作成方法と同一の方法で作成した構成3−(1)のラミネート物を裁断し、100mm×100mmの袋とする。これにトマトケチャップ/サラダオイル/食酢=1/1/1(重量比)の混合物を充填し包装したものを105℃/30分間レトルト殺菌してデラミの状態を確認した。
○;デラミ無し ×;デラミ △;僅かな浮きあり
【0073】
6.耐内容物性(2)
構成3−(2)を〔耐内容物性(1)〕の測定に用いた方法と同様にして作成した製袋に蒸留水を充填し包装したものを98℃/30分間のボイル殺菌処理をしたものから内容物を抜き取り臭気の有無を確認した。
○;異臭無し ×;異臭あり
【0074】
7.バイオマス比率;配合接着剤の樹脂分中のバイオマス由来材料の比率を重量%で算出した。
【0075】
各接着剤の性能評価結果を下記の表−1にまとめた。
【表−1】

【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る一液型接着剤組成物は、発泡性を抑制されたものであり、バイオマス材料を主原料とし、その接着層の硬化皮膜は、接着強度に優れ、また、可撓性及び耐内容物性に優れているのでプラスチックフィルムをはじめ広範な材料の接着に適用できるので、産業上の利用可能性は極めて高いものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケチミン基を有するポリウレタン化合物とエポキシ基含有化合物とを含有してなることを特徴とする一液型接着剤組成物。
【請求項2】
前記ケチミン基を有するポリウレタン化合物が、アミノ基を有するポリウレタン化合物と過剰のケトン類とを反応させることにより得られる反応生成物である請求項1に記載の一液型接着剤組成物。
【請求項3】
前記ケチミン基を有するポリウレタン化合物中のケチミン基の含有量は、該ケチミン基を有するポリウレタン化合物の一分子中に2個以上である請求項1または2に記載の一液型接着剤組成物。
【請求項4】
前記アミノ基を有するポリウレタン化合物は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとアミン類とを反応させることにより得られる反応生成物である請求項2に記載の一液型接着剤組成物。
【請求項5】
前記アミノ基を有するポリウレタン化合物の前記アミノ基の前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対する当量比が1.1〜2.0である請求項4に記載の一液型接着剤組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、NCO/OH比が2.0以下である請求項4又は5に記載の一液型接着剤組成物。
【請求項7】
前記エポキシ基含有化合物のエポキシ基の含有量が、一分子中に2個以上6個以下である請求項1に記載の一液型接着剤組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかの項に記載の一液型接着剤組成物であって、該一液型接着剤組成物の材料中のバイオマス材料の含有量が、乾燥硬化皮膜全重量基準として少なくとも50重量%であることを特徴とする一液型接着剤組成物。
【請求項9】
請求項1〜8項のいずれかの項に記載の一液型接着剤組成物を接着層として有することを特徴とする構成体。

【公開番号】特開2012−201813(P2012−201813A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68241(P2011−68241)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(000238256)浮間合成株式会社 (99)
【Fターム(参考)】