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一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体
説明

一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体

【課題】水溶液の粘度安定性に優れるとともにその発泡が抑えられ、水に対する溶解性に優れながらも架橋皮膜の耐水性が高く、変性量及び重合度を高くすることができるビニルアルコール系重合体を提供する。
【解決手段】少なくとも二つのヒドロキシメチレン基で置換されたアルキル基を有し、以下の式(1)で示されるN−アルキル(メタ)アクリルアミド単位を有する一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体とする。式(1)においてR1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、nは2又は3である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニルアルコール系重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニルアルコール系重合体は、数少ない結晶性の水溶性高分子である。その優れた水溶性、皮膜特性(強度、耐油性、造膜性など)を利用して、ビニルアルコール系重合体は、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、繊維加工剤、各種バインダー、紙加工剤、接着剤、フィルムなどに広く用いられている。特殊な場合を除き、ビニルアルコール系重合体は使用に際して水溶液の状態を経るが、その際の取扱性に難点を有することがある。例えば、水溶液を調製するために高温が必要となることがある。また、水溶液とした後、特に水温が低い冬期において時間とともに水溶液の粘度が上昇して流動性が低下し、極端な場合にはゲル化により流動性を失うことがある。水溶液を調製する際の攪拌によって発泡し、生じた泡が消えにくい(泡切れが悪い)こともある。さらに、ビニルアルコール系重合体はその高い水溶性により、得られる皮膜の耐水性が低い等の問題もある。
【0003】
ビニルアルコール系重合体水溶液の粘度安定性を改善する方法として、ビニルアルコール系重合体に疎水基又はイオン性基を導入する方法がある。しかし、疎水基を導入する方法ではビニルアルコール系重合体の水に対する溶解性が低下して、水溶液の調製に高温が必要となったり、調製した水溶液の曇点が低くなることがある。イオン性基を導入する方法では、架橋剤を用いて形成した皮膜(架橋皮膜)の耐水性が低くなることがある。
【0004】
特許文献1には、水溶液の泡立ちの改善として、ヒドロキシアルキル基を側鎖に有するビニルアルコール系重合体が開示されているが、皮膜の耐水性に関しては何ら言及されていない。また、特許文献2,3には、側鎖に1,2−グリコール結合を有するビニルアルコール系重合体が開示され、水溶液の粘度安定性及びビニルアルコール系重合体の水溶解性が改善することが記載されているが、架橋剤との反応による耐水性向上の効果は限定的であり、皮膜の耐水性は未だ不十分である。
【0005】
また、特許文献3に記載の重合体は、変性種として3,4−ジアセトキシ−1−ブテンなどの不飽和単量体を用いて製造するため、不飽和単量体への連鎖移動により、変性量を上げると重合度・重合速度が低下し、工業的製造において変性量や重合度の制約を受ける。また、共重合性比の観点から、変性種が選択的に重合しないため、高重合率まで重合を追い込まない限り重合終了時に未反応の当該単量体が残留しやすい等の問題を抱えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−319318号公報
【特許文献2】特開2002−284818号公報
【特許文献3】特開2004−285143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、水溶液の粘度安定性に優れるとともにその発泡が抑えられ、水に対する溶解性に優れながらも架橋皮膜の耐水性が高く、さらに変性量及び重合度を高くすることができる新規なビニルアルコール系重合体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のビニルアルコール系重合体は、少なくとも二つのヒドロキシメチレン基で置換されたアルキル基を有し、以下の式(1)で示されるN−アルキル(メタ)アクリルアミド単位を有する一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体である。
【0009】
【化1】

【0010】
式(1)において、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、nは2又は3である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、水溶液の粘度安定性に優れるとともに水溶液の発泡が抑えられた重合体である。これに加えて、本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、水に対する溶解性に優れながらも、架橋剤を用いて形成した皮膜(架橋皮膜)の耐水性が高い。さらに、該ビニルアルコール系重合体の変性量及び重合度を高くすることができ、重合終了時に残留する未反応のコモノマー量を少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、以下の式(1)に示される構造単位を有する。式(1)において、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、nは2又は3である。R2のアルキル基は特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基である。nは好ましくは3であり、この場合、本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体と架橋剤との反応性が特に良好となり、架橋皮膜の耐水性がさらに高くなる。
【0013】
【化2】

【0014】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体における式(1)に示される構造単位の含有率は特に限定されないが、好ましくは0.2〜10モル%であり、より好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.8〜6モル%である。含有率がこれらの好ましい範囲にある場合、架橋皮膜の耐水性が特に高くなる。含有率が0.2モル%未満であると、式(1)に示される構造単位によってビニルアルコール系重合体が変性される効果が不十分となることがある。含有率が10モル%を超えると、ビニルアルコール系重合体の結晶性が低下し始める傾向にあり、架橋皮膜の耐水性が高くなる程度が減少することがある。本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、式(1)に示される構造単位を1種又は2種以上有することができる。2種以上の当該構造単位を有する場合、これら2種以上の構造単位の含有率の合計が上記範囲にあることが好ましい。本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体における式(1)に示される構造単位の含有率は、当該重合体の主鎖メチレン基に対する式(1)に示される構造単位のモル分率で表される。
【0015】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体の数平均分子量は特に限定されず、好ましくは4,000〜200,000であり、より好ましくは9,000〜150,000であり、さらに好ましくは20,000〜100,000である。数平均分子量が4000未満になると、ビニルアルコール系重合体としての特徴が低下する傾向にある。数平均分子量が200,000より大きいビニルアルコール系重合体は、一般に工業的な製造が難しい。数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
【0016】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体のけん化度は特に限定されない。水に対する溶解性の観点から、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80〜99.99モル%、特に好ましくは90〜99.5モル%である。けん化度が50モル%未満では、水に対する溶解性が十分に確保できないことがある。けん化度が99.99モル%より大きいビニルアルコール系重合体は、一般に製造が難しい。
【0017】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、本発明の効果が得られる限り、式(1)に示される構造単位、ビニルアルコール単位及び当該重合体の製造時に使用したビニルエステル系単量体に由来する構造単位以外の構造単位を有することができる。当該構造単位は、例えば、重合により式(1)に示される構造単位となる不飽和単量体及びビニルエステル系単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位である。エチレン性不飽和単量体は、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセンなどのα―オレフィン類;アクリル酸及びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸及びその塩:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n―プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその塩又はそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルである。
【0018】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、式(1)に示される1,3−ジオール構造を側鎖に有する。そのため、1,2−ジオール構造に比べて、架橋剤、特に無機系架橋剤に対する配位性が高い。さらに式(1)に示される構造単位では、水酸基が一級水酸基の状態で存在しているため、架橋皮膜の耐水性がより高くなる。
【0019】
架橋剤としては、例えば硝酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、チタンラクテート、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、イソシアネート系化合物、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、ピロメリト酸二無水物などの酸無水物、ポリアミドエピクロルヒドリン、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒド及びその塩、ジビニルスルホン化合物、メラミン系樹脂、メチロールメラミン、メチロール化ビスフェノールS等が挙げられる。架橋剤であるイソシアネート系化合物は分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、水素化TDI、トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル製、Desmodur L)、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスジフェニルイソシアネート(MDI)、水素化MDI、重合MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートである。イソシアネート化合物は、過剰のポリイソシアネートをポリオールに加えて予めポリマー化した、末端基がイソシアネート基を持つプレポリマーであってもよい。
【0020】
架橋剤の含有量は特に限定されないが、一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体の種類に応じて決めることができ、例えば、架橋後の皮膜の耐水性の観点から、一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体100重量部に対し1重量部〜50重量部となるように定めるのが好ましい。
【0021】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体の架橋剤による架橋構造の構築は室温下で行うことができる。具体的には、当該ビニルアルコール系重合体を含有する溶液を調整し、そこに所望の架橋剤を添加して攪拌した後、得られた混合溶液を乾燥して溶媒を蒸発させればよい。乾燥は室温下で行うこともできるし、乾燥の度合いに応じて熱を加えても差し支えない。熱を加える場合は、室温〜200度の範囲が、得られる架橋皮膜の黄変抑制等の観点から好ましい。架橋の際に供する溶媒としては、水、低級アルコール等を用いることができる。
【0022】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体には、さらに、充填材、銅化合物などの加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型剤、補強剤、防かび剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤などの添加剤を、必要に応じて適宜配合できる。
【0023】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体の製造方法は特に限定されない。ビニルエステル系単量体と重合により式(1)に示される構造単位となる不飽和単量体とを共重合し、共重合により得られたビニルエステル系共重合体をけん化する方法が好ましく用いられる。重合により式(1)に示される構造単位となる不飽和単量体を、以下の式(2)に示す。
【0024】
【化3】

【0025】
式(2)において、R3は式(1)におけるR1と同じ基、R4は式(1)におけるR2と同じ基、R5はヒドロキシメチル基又はけん化によってヒドロキシメチル基となる当該基のエステル、mは2又は3である。式(2)に示される不飽和単量体に2又は3存在するR5は、互いに異なっていても同一であってもよい。R5のエステルは、例えば酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステルであり、原料入手性や副生成物の観点から、好ましくは酢酸エステルである。mは好ましくは3である。
【0026】
式(2)に示される具体的な不飽和単量体は、例えば、N−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アクリルアミド、N−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル](メタ)アクリルアミド、N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)プロピル](メタ)アクリルアミド、N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)ブチル]メタクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル](メタ)アクリルアミドである。原料の入手性及び架橋剤との反応性がさらに高くなることから、一級水酸基の数が多い不飽和単量体が好ましく、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル](メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
【0027】
式(2)に示される不飽和単量体は、ビニルエステル系単量体との共重合時に当該不飽和単量体が優先的に重合して重合系内に残留し難いことから、当該不飽和単量体への連鎖移動が生じにくい。したがって、本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、重合時における変性量及び重合度の制約が少なく、変性量及び重合度を高くすることができる。また、重合終了時に残留する未反応の当該不飽和単量体(コモノマー)の量が少ないことから、本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、工業的な製造時における環境面及びコスト面からの利点にも優れている。
【0028】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体の製造に用いられるビニルエステル系単量体は特に制限されないが、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等である。経済的観点からは酢酸ビニルが好ましい。
【0029】
式(2)に示される不飽和単量体とビニルエステル系単量体とを共重合する重合方式は、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよく、重合方法には塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法を適用できる。無溶媒又はアルコールなどの溶媒中で重合を進行させる塊状重合法又は溶液重合法が、通常採用される。高重合度のビニルエステル系共重合体を得る場合には、乳化重合法の採用が選択肢の一つとなる。溶液重合法の溶媒は限定されないが、例えばアルコールである。溶液重合法の溶媒に使用されるアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールである。重合系における溶媒の使用量は、目的とするビニルアルコール系重合体の重合度に応じて溶媒の連鎖移動定数を考慮して選択すればよく、例えば溶媒がメタノールの場合、溶媒と重合系に含まれる全単量体との重量比{=(溶媒)/(全単量体)}にして0.01〜10の範囲、好ましくは0.05〜3の範囲から選択される。
【0030】
式(2)に示される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に使用される重合開始剤は、公知の重合開始剤、例えばアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤から重合方法に応じて選択される。アゾ系開始剤は、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)である。過酸化物系開始剤は、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテートである。過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などを上記開始剤に組み合わせて重合開始剤としてもよい。レドックス系開始剤は、例えば上記の過酸化物系開始剤と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元剤とを組み合わせた重合開始剤である。重合開始剤の使用量は、重合触媒により異なるために一概には決められないが、重合速度に応じて選択される。例えば重合開始剤にアゾイソブチロニトリルあるいは過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系単量体に対して0.01〜0.2モル%が好ましく、0.02〜0.15モル%がより好ましい。重合温度は特に限定されないが、室温〜150℃程度が適当であり、好ましくは40℃以上かつ使用する溶媒の沸点以下である。
【0031】
式(2)に示される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合は、本発明の効果が得られる限り、連鎖移動剤の存在下で行ってもよい。連鎖移動剤は、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;2−ヒドロキシエタンチオールなどのメルカプタン類;ホスフィン酸ナトリウム1水和物などのホスフィン酸塩類である。なかでもアルデヒド類及びケトン類が好適に用いられる。重合系への連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動係数及び目的とするビニルアルコール系重合体の重合度に応じて決定されるが、一般にビニルエステル系単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0032】
式(2)に示される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合により得られたビニルエステル系共重合体をけん化して、本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体を得ることができる。ビニルエステル系共重合体のけん化は、例えばアルコール又は含水アルコールに当該共重合体が溶解した状態で行う。けん化に使用するアルコールは、例えばメタノール、エタノールなどの低級アルコールであり、好ましくはメタノールである。けん化に使用するアルコールは、その重量の40重量%以下であれば、アセトン、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、ベンゼンなどの溶剤を含んでもよい。けん化に使用する触媒は、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ナトリウムメチラートなどのアルカリ触媒、鉱酸などの酸触媒である。けん化を行う温度は限定されないが、20〜60℃の範囲が適当である。けん化の進行に伴ってゲル状の生成物が析出してくる場合には生成物を粉砕し、洗浄、乾燥して本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体を得ることができる。けん化によるビニルエステル系共重合体からのビニルアルコール系重合体の形成には、上述した方法に限られず公知の方法を適用できる。
【0033】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体を成形する方法は限定されない。成形方法は、例えば当該重合体の溶媒である水又はジメチルスルホキシドなどに溶解した溶液の状態から成形する方法(例えばキャスト成形法);加熱により当該重合体を可塑化して成形する方法(例えば押出成形法、射出成形法、インフレ成形法、プレス成形法、ブロー成形法)である。これらの成形方法により、フィルム、シート、チューブ、ボトルなどの任意の形状を有する成形品が得られる。
【0034】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、その特性を利用して各種の用途に使用できる。例えば各種用途の界面活性剤;紙用コーティング剤;紙用内添剤及び顔料バインダーなどの紙用改質剤;木材用、紙用、アルミ箔用、無機物用の接着剤;不織布バインダー;塗料;経糸糊剤;繊維加工剤;ポリエステルなどの疎水性繊維の糊剤;各種のフィルム、シート、ボトル、繊維;増粘剤、凝集剤、土壌改質剤、イオン交換樹脂、イオン交換膜などに、本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体が使用できる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。本実施例における「%」は、「モル%」と記載している場合を除き「重量%」を意味する。また、ビニルアルコール系重合体をPVAと略記することがある。
【0036】
本実施例において作製したビニルアルコール系重合体の一次構造は、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR、270MHz、重溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド又は重水)により評価した。
【0037】
本実施例において作製したビニルアルコール系重合体について、その数平均分子量、水溶液(濃度10%)の粘度安定性、水溶液(濃度4%)の発泡性、水に対する溶解性及び架橋皮膜の耐水性を以下の方法により評価した。
【0038】
[数平均分子量]
ビニルアルコール系重合体の数平均分子量は、GPCシステム(東ソー製、HLC−8220GPC)を用いて評価した。その際、カラムに東ソー製、GMHHR−H(S)を使用した。また、移動相は濃度20mMのCF3COONaが溶解したヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)とし、ビニルアルコール系重合体のHFIP溶液(濃度0.1%)に対して評価を行った。基準物質にはポリメタクリル酸メチル(PMMA)を使用した。
【0039】
[水溶液の粘度安定性]
ビニルアルコール系重合体の水溶液(温度5℃、濃度10%)を調製し、調製した水溶液の温度を5℃に保持したまま放置した。調製後1時間経過した時点における当該水溶液の粘度及び24時間経過した時点における当該水溶液の粘度を測定し、その比である増粘倍率{=(24時間経過後の粘度)/(1時間経過後の粘度)}を求め、以下のように評価した。なお、水溶液の粘度としてB型粘度(ブルックフィールド粘度)を測定した。
A:増粘倍率が6倍未満
B:増粘倍率が6倍以上10倍未満
C:増粘倍率が10倍以上
【0040】
[水溶液の発泡性]
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液を、垂直に立てたガラス管(内径4.5cm、高さ150cm)に当該水溶液の深さが13cmとなるように仕込んだ。次に、ポンプを用いて、ガラス管の下端から水溶液を抜き取り、抜き取った水溶液をガラス管の上端から戻す循環を1.5L/分の循環速度で10分間実施した。その後、この循環によってガラス管の内部に発生した泡の高さを測定し、以下のように評価した。
A:発生した泡の高さが27cm未満
B:発生した泡の高さが27cm以上40cm未満
C:発生した泡の高さが40cm以上
【0041】
[フィルムの溶解性]
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に流延した後、20℃で1週間乾燥させ、さらに真空乾燥機で一晩乾燥させてビニルアルコール系重合体のフィルム(未架橋フィルム、厚さ40μm)を得た。これとは別に、体積1Lのイオン交換水を投入した内容積1Lのビーカーを20℃に温度をコントロールしたバスに浸して、ビーカー内の水温を20℃に保った。そしてビーカー内の水を長さ30mmのマグネティックスターラー(テフロン(登録商標)製)を用いて回転速度300rpmで攪拌しているところに、金属枠に固定した上記フィルム(サイズ40mm×40mmに切り出し済み)を投入し、攪拌を続けながら当該フィルムが完全に水に溶解するまでの時間を測定した。測定に使用したフィルムの厚さは40μmとしたが、厚さ40μmのフィルムが得られなかった場合、測定した時間を以下の式(3)に従ってフィルム厚40μmの値に換算した。測定結果は以下のように評価した。
換算溶解時間(秒)=[40/フィルム厚(μm)]2×サンプル溶解時間(秒) (3)
A:30分以内に完全溶解する。
B:30分以上経過しても完全溶解しない。
【0042】
[架橋皮膜の耐水性]
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度5%)を調製し、調製した水溶液に硝酸ジルコニルの水溶液(濃度2%)を、ビニルアルコール系重合体100重量部に対して硝酸ジルコニルが10重量部となるように攪拌しながら添加した。次に、得られた混合水溶液をPETフィルム上に流延し20℃で1週間乾燥させた後、室温にて12時間真空乾燥させて、厚さ約50μmのビニルアルコール系重合体の架橋皮膜(架橋フィルム)を得た。次に、得られた架橋フィルムの重量(重量A)を測定後、室温にて24時間、水に浸漬させ、浸漬後のフィルムを60℃の真空乾燥機で乾燥させて、再度、重量(重量B)を測定した。測定した重量A,Bから以下の式(4)によりビニルアルコール系重合体の水への溶出率を求め、以下のようにして架橋皮膜の耐水性を評価した。
溶出率(%)=(重量A−重量B)/重量A×100(%) (4)
A:溶出率が20%未満
B:溶出率が20%以上40%未満
C:溶出率が40%以上
【0043】
(実施例1)
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー滴下口及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に、酢酸ビニル640g、メタノール116g、コモノマーとしてN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド(NAT)7.729gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。これとは別に、ディレー溶液としてNATをメタノールに溶解して濃度5%としたコモノマー溶液を調製し、これをアルゴンガスバブリングによりアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し内温が60℃となったところで、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.096gを添加し、酢酸ビニルとNATとの共重合を開始した。重合反応の進行中は、調製したディレー溶液を系内に滴下することで重合溶液におけるモノマー組成(酢酸ビニルとNATとのモル比率)が一定となるようにした。重合は60℃で200分間進行させた。その後、系を冷却し重合を停止させた。重合を停止するまでに加えたコモノマー溶液の総量は511mLであった。重合停止時の重合率は25%であり、コモノマーのNATは重合系内にほとんど残存していなかった。
【0044】
次に、30℃の減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーを除去して、ビニルエステル系共重合体であるN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド/酢酸ビニル共重合体(NAT変性PVAc)のメタノール溶液(濃度15.5%)を得た。
【0045】
次に、得られた当該メタノール溶液258g(溶液中のNAT変性PVAcは40.0g)にメタノールを加えて263gとし、これに3.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの12%メタノール溶液)を添加して40℃で1時間けん化を行った(けん化溶液におけるNAT変性PVAc濃度15%、NAT変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比が0.025)。けん化終了後、酢酸メチル200gを溶液に加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が完了したことを確認した後、溶液を濾別して白色固体を得た。次に、得られた白色固体にメタノール500gを加えて室温で3時間放置することで当該固体を洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を真空乾燥機を用いて40℃で24時間乾燥させて、一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体であるNAT変性PVAを得た。得られたNAT変性PVAの数平均分子量は7万、けん化度は98.4モル%、NAT変性量(NATに由来する構造単位の含有率)は5.7モル%であった。
【0046】
(実施例2〜7)
重合条件(酢酸ビニルモノマー、メタノール及びコモノマーの初期仕込み量ならびに重合時に使用するコモノマーの種類)とけん化条件(けん化時における変性PVAcの濃度及び酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)を以下の表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、各種の一級水酸基含有PVA(実施例2〜7)を作製した。なお、実施例4のみ、ディレー溶液のコモノマー濃度を10%とした。
【0047】
(比較例1)
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に酢酸ビニル700g、メタノール300gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで重合開始剤としてAIBN0.25gを添加し、酢酸ビニルの重合を開始した。重合は60℃で3時間進行させ、その後、系を冷却して重合を停止させた。重合停止時の固形分濃度は17.0%であった。
【0048】
次に、30℃の減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーを除去して、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。
【0049】
次に、得られた当該メタノール溶液にさらにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液496.5g(溶液中のPVAcは100.0g)に14.0gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液におけるPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比が0.03)。アルカリ溶液を添加後1分以内にゲル状物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し40℃で1時間放置してけん化を進行させた。その後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が完了したことを確認した後、溶液を濾別して白色固体を得た。次に、得られた白色固体にメタノール2000gを加えて室温で3時間放置して当該固体を洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を65℃に保持した乾燥機内で2日乾燥させて無変性のPVAを得た。得られたPVAの数平均分子量は7万、けん化度は98.5モル%であった。
【0050】
(比較例2)
けん化条件(けん化時におけるPVAcの濃度及び酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)を以下の表1に示すように変更した以外は比較例1と同様にして、無変性PVAを作製した。
【0051】
(比較例3)
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー滴下口及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に、酢酸ビニル640g、メタノール170g、コモノマーとして3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(DAB)39.629gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで重合開始剤としてAIBN0.194gを添加し、酢酸ビニルとDABとの共重合を開始した。重合を開始した時点から系内の固形分濃度を分析しつつ270分間重合を進行させ、重合率が40%に達した時点で系を冷却し重合を停止させた。重合により得られたペースト中には約20gのコモノマーが残存していた。
【0052】
次に、30℃の減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマー及びDABを除去して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン/酢酸ビニル共重合体(DAB変性PVAc)のメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。
【0053】
次に、得られた当該メタノール溶液140g(溶液中のDAB変性PVAcは50.0g)にメタノールを加えて243gとし、これに6.4gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10.9%メタノール溶液)を添加して40℃でけん化を行った(けん化溶液におけるDAB変性PVAc濃度20%、DAB変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比が0.03)。アルカリ溶液を添加後6.5分以内にゲル状物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し40℃で53分放置してけん化を進行させた。その後、酢酸メチル200gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が完了したことを確認した後、溶液を濾別して白色固体を得た。次に、得られた白色固体にメタノール500mLを加えて洗浄した後、再度メタノールを除去し水400gを加えた。これを90℃に昇温して白色固体を溶解させた後、得られた溶液をメタノール4L中に滴下し再沈殿させて洗浄し、白色固体を回収した。得られた白色固体を真空乾燥機にて40℃で24時間乾燥させてDAB変性PVAを得た。得られたDAB変性PVAの数平均分子量は7万、けん化度は98.9モル%、DAB変性量(DABに由来する構造単位の含有率)は2.9モル%であった。
【0054】
以下の表1に、各実施例及び比較例における重合条件及びけん化条件を示す。
【0055】
【表1】

【0056】
各実施例及び比較例で作製したビニルアルコール系重合体の評価結果を以下の表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
表2に示すように、1,3−ジオール構造を側鎖に有する本発明のビニルアルコール系重合体(実施例1〜7)は、水への溶解性や水溶液の粘度安定性、水溶液の泡立ちなどの取り扱い性が改善されており、工業的に使用する際には有用である。また、2つのヒドロキシメチレン基が架橋剤と反応することにより耐水性にも優れていることが分かる。とりわけ、側鎖にトリヒドロキシアルキル構造を有する実施例1〜6においては、耐水性向上効果が顕著であった。一方、変性を実施していない場合(比較例1,2)は、水溶液の取り扱い性が不十分であり、架橋による耐水化効果も十分には得られなかった。また、1,2−グリコール結合を側鎖に有するDAB変性PVA(比較例3)においては、水溶液の取り扱い性は改善するが、架橋による耐水化効果は不十分であった。
【0059】
さらに、比較例3の場合は、重合終了後も多くのコモノマーが系内に残留していた。このことは、DAB変性PVAを工業的に製造する際に、廃棄物が増加する、製造した変性PVAの洗浄システムが必要になる、など環境面及びコスト面からの問題となりうる。一方、本発明のビニルアルコール系重合体(実施例1〜7)は、変性量及び重合度を高くすることができるため、重合終了時に未反応のコモノマーが系内にほとんど残存しておらず、上記のような問題は生じないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体は、従来のビニルアルコール系重合体と同様の用途に使用できる。用途は、例えば各種用途の界面活性剤;紙用コーティング剤;紙用内添剤及び顔料バインダーなどの紙用改質剤;木材用、紙用、アルミ箔用、無機物用の接着剤;不織布バインダー;塗料;経糸糊剤;繊維加工剤;ポリエステルなどの疎水性繊維の糊剤;各種のフィルム、シート、ボトル、繊維;増粘剤、凝集剤、土壌改質剤、イオン交換樹脂、イオン交換膜である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つのヒドロキシメチレン基で置換されたアルキル基を有し、以下の式(1)で示されるN−アルキル(メタ)アクリルアミド単位を有する一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。
【化1】

式(1)において、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、nは2又は3である。
【請求項2】
式(1)に示される構造単位の含有率が0.2〜10モル%である請求項1に記載の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。
【請求項3】
数平均分子量が4,000〜200,000である請求項1又は2に記載の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。
【請求項4】
式(1)において、nが3である請求項1〜3のいずれかに記載の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。

【公開番号】特開2013−95869(P2013−95869A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241022(P2011−241022)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】