一芯双方向光伝送システム、一芯双方向光増幅器及びそれらに用いる一芯双方向光伝送方法
【課題】 安価に一芯双方向の長距離化を図ることが可能な一芯双方向光伝送システムを提供する。
【解決手段】 第二の光送信器7から出力した光信号は光サーキュレータ6、一芯双方向伝送路5、光サーキュレータ4及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。第一の光送信器2から出力した光信号は分散補償器14及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。第一の光送信器2の直後に分散補償器14を挿入することによって、第一の光送信器2からの光信号が光増幅器11へ入力するパワーレベルと第二の光送信器7からの光信号が光増幅器11へ入力するパワーレベルとの差が小さくなるようにし、光増幅器11を伝送路の一端に設置しても双方向の信号とも利得が十分得られ、双方向一括増幅を実現する。
【解決手段】 第二の光送信器7から出力した光信号は光サーキュレータ6、一芯双方向伝送路5、光サーキュレータ4及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。第一の光送信器2から出力した光信号は分散補償器14及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。第一の光送信器2の直後に分散補償器14を挿入することによって、第一の光送信器2からの光信号が光増幅器11へ入力するパワーレベルと第二の光送信器7からの光信号が光増幅器11へ入力するパワーレベルとの差が小さくなるようにし、光増幅器11を伝送路の一端に設置しても双方向の信号とも利得が十分得られ、双方向一括増幅を実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一芯双方向光伝送システム、一芯双方向光増幅器及びそれらに用いる一芯双方向光伝送方法に関し、特に一芯の光ファイバにて双方向伝送を行う一芯双方向光ファイバ伝送において1台の光増幅器で双方向の光信号の一括増幅を行う一芯双方向光増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一本の光ファイバで双方向伝送を行う一芯双方向光伝送技術においては、二本のファイバがそれぞれ片方向の伝送を行う二芯双方向伝送と比較して、用いる光ファイバが1/2となるので、新規に光ファイバを敷設する場合には敷設ファイバが1/2、ダークファイバを用いる場合にはファイバ使用料が1/2となるため、経済的なシステムを構築することが可能である。
【0003】
光通信においては、長距離伝送を実現するために光増幅器を用いて伝送路の損失により減衰した光信号を光/電気(O/E)変換、電気/光(E/O)変換することなく、光のまま増幅している。光増幅器はビットレートや信号フォーマットに依存しない、波長多重信号の一括増幅が可能、等の特徴を有しており、柔軟で低コストなネットワークを実現することが可能である。
【0004】
一般に、光増幅器としてはエルビウムドープファイバに信号光とともに励起光を入射し、信号光を増幅するエルビウムドープファイバ増幅器が用いられている。この光増幅器は一方向に伝送する光を増幅するように作られており、その構成はさほど複雑ではない。そのため、一芯の光ファイバにおいて光信号が双方向に伝送する一芯双方向伝送路では、単純に光増幅器を挿入することはできない。
【0005】
そこで、構成は複雑であるが、一芯双方向伝送光増幅器として種々の手法が提案されている。例えば、図17に示すように、従来の光増幅器86,87を用い、一芯双方向伝送路84,89において上下それぞれ異なる方向に進行する信号252,262,272,282を光サーキュレータ83,85,88,90によって分離し、上下方向それぞれ別々に増幅した後、再びサーキュレータ83,85,88,90で合波する方法がある。
【0006】
この時、光増幅器86,87では励起光と信号光を合波するための光合波素子が必要である。また、一芯双方向伝送路84,89中の信号252,262,272,282を上下分離するためには、光分波素子が必要となる。この光合波素子と光分波素子とを4ポートの光サーキュレータで共用する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
さらに、光増幅器における励起光と信号光の合波の際に反射器を利用して、光合波素子と光分波素子との共用を図った構成(例えば、特許文献2参照)、あるいはこれに類似の構成も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
一方、上下方向の光信号を分離することなく増幅する手法としては、双方向伝送路にエルビウムドープファイバを接続して励起光を上下の両方向に加え、上り及び下りの光信号を双方向増幅する技術もある(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平6−342950号公報(第4〜6頁、図1)
【特許文献2】特開平11−274625号公報(第7,8頁、図1)
【特許文献3】特開2002−118313号公報(第5,6頁、図1)
【特許文献4】特開平3−92827号公報(第161頁右下欄、第162頁左上欄、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
光通信システム、特にメトロ領域を対象とする際にはコストが優先課題となり、低コスト品を使用することが望ましい。従来の一芯双方向光増幅器のうち、特許文献1,2,3に記載されているように、上下方向の光信号を分離し、それぞれ別々に増幅する手法では、光増幅器が上下方向で2台必要となり、コストが高くなる、装置サイズが大きくなる、消費電力が大きくなる等の問題がある。
【0011】
また、この手法では、双方向伝送の上下信号の分離と、光増幅器の信号光と励起光との合波を組合わせて、合分波素子の共用を図っているので、一芯双方向光増幅器専用のものを新規開発する必要があり、コストが高くなるという問題がある。
【0012】
一方、上下方向の光信号を分離することなく、光信号を増幅する手法としては特許文献4に記載の手法があるが、光増幅器ではエルビウムドープファイバと伝送路との接合点や伝送路等で起こる反射によって光増幅器内で発振が起こらないよう、光アイソレータの挿入が不可欠である。よって、このような構成は実現不可能であるという問題がある。
【0013】
また、従来の一芯双方向光増幅器では上下対称な伝送路を想定しており、上下方向の光信号を等しく増幅している。よって、一芯双方向伝送路の中央に光増幅器を設置しなければならず、設置条件が限定されるという問題がある。
【0014】
さらに、伝送距離が60kmを超え、1波長あたりの伝送速度が10Gbps以上の場合には、光増幅だけでなく、分散補償も必要であるが、これについて考慮されていないという問題がある。
【0015】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、安価に一芯双方向の長距離化を図ることができる一芯双方向光伝送システム、一芯双方向光増幅器及びそれらに用いる一芯双方向光伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による一芯双方向光伝送システムは、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムであって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備している。
【0017】
本発明による一芯双方向光増幅器は、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに用いられる一芯双方向光増幅器であって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備している。
【0018】
本発明による一芯双方向光伝送方法は、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに一芯双方向光増幅器を用いる一芯双方向光伝送方法であって、
前記一芯双方向光増幅器において、光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備している。
【0019】
すなわち、本発明の第1の一芯双方向光伝送システムでは、上記の目的を達成するために、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムにおいて、双方向の波長多重光信号を一台の光増幅器で一括増幅することを特徴としている。
【0020】
本発明の第2の一芯双方向光伝送システムでは、上記の一芯双方向光伝送システムにおいて、光増幅器を第一の光送受信端もしくは第二の光送受信端のみに配備することを特徴としている。
【0021】
本発明の第3の一芯双方向光伝送システムでは、上記の第一の光送受信端及び第二の光送受信端において、一芯双方向伝送路を介して伝送する波長多重光を方向分離器によって方向毎に分離することを特徴としている。
【0022】
本発明の第4の一芯双方向光伝送システムでは、上記の方向分離器が光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0023】
本発明の第5の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、第一の光分散補償器が光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光送信器と光合波素子とに接続され、第二の光分散補償器が光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光受信器と光分波素子とに接続され、光送信器から出力されかつ第一の分散補償器を通った光信号と一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、第二の分散補償器を介して光受信器へ出力する信号と一芯双方向伝送路に出力信号へと分波することを特徴としている。
【0024】
本発明の第6の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光合波素子及び光分波素子がBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0025】
本発明の第7の一芯双方向光伝送システムでは、上記の一芯双方向光伝送システムにおける光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光送信器から出力された光信号と一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号を合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光受信器と一芯双方向伝送路とへ出力することを特徴としている。
【0026】
本発明の第8の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光合波素子及び光分波素子がBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0027】
本発明の第9の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光方向分離素子が光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0028】
本発明の第9の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光増幅器が伝送路の中央に配備されることを特徴としている。
【0029】
上記のように、本発明は、一芯双方向伝送路のどちらか一端に光増幅器を挿入し、1台の光増幅器で双方向の光信号を一括増幅する一芯双方向光増幅器を実現するものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、安価に一芯双方向の長距離化を図ることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は本発明の第1の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図1において、伝送路の一端(光送受信端A)は一芯双方向用光増幅器1と、第一の光送信器(Tx)2と、第一の光受信器(Rx)3とから構成され、光サーキュレータ4を経て一芯双方向伝送路5に接続されている。
【0033】
伝送路の他端(光送受信端B)は第二の光送信器(Tx)7と第二の光受信器(Rx)8とから構成され、光サーキュレータ6を経て一芯のシングルモードファイバによる一芯双方向伝送路5に接続されている。
【0034】
一芯双方向光増幅器1は光増幅部(例えば、エルビウムドープファイバ増幅部)11と、光増幅部11の直前のBlue/Redフィルタ12及び光増幅部11の直後のBlue/Redフィルタ13とからなり、Blue/Redフィルタ12と第一の光送信器2との間及びBlue/Redフィルタ13と第一の光受信器3との間に分散補償器(DCF)14,15がそれぞれ挿入されている。
【0035】
図2は図1の光サーキュレータ4を示す図である。図2において、光サーキュレータ4は光信号の方向によって合分波を行う素子である。ポート4aからポート4bへの挿入損失は1dBで、ポート4aからポート4cへのアイソレーションは40dB以上である。よって、ポート4aからの光はポート4bのみに透過し、ポート4cへは進行しない。
【0036】
同様に、ポート4bからポート4cへの挿入損失は1dBで、ポート4bからポート4aへのアイソレーションは40dB以上である。よって、ポート4bからの光信号はポート4cのみに透過し、ポート4aへは進行しない。このようにして、ポート4b側では双方向伝送、ポート4a,4c側では片方向伝送が行われる。尚、図示していないが、光サーキュレータ6についても光サーキュレータ4と同様である。
【0037】
図3は図1のBlue/Redフィルタ12を示す図であり、図4はBlue/Redフィルタの特性を示す図である。Blue/Redフィルタ12は光信号の波長帯域によって光の合分波を行う素子である。ポート12a、ポート12b、ポート12cはそれぞれBlueポート、Commonポート及びRedポートとする。
【0038】
Blueポート12a及びRedポート12cの透過特性はそれぞれ図4に示すようになる。Blueポート12aとCommonポート12bとの挿入損失
、あるいはRedポート12cとCommonポート12bとの挿入損失はどちらも1dBで、Blueポート12aとRedポート12cとのアイソレーションは30dB以上である。
【0039】
また、Blueポート12a及びRedポート12cのパスバンドはそれぞれ1530.0〜1543.2nm、1547.4〜1561.0nmである。Blueポート12a及びRedポート12cではパスバンド内の波長の信号のみを透過し、Commonポート12bは光信号の波長にかかわらず透過するので、波長帯による合分波が行われる。
【0040】
第一の光送信器2からの光信号を伝送速度10Gbps、波長λ1を1558.98nmとし、第二の光送信器7からの光信号を伝送速度10Gbps、波長λ2を1540.56nmとすると、波長λ1の光信号はRedポート12cのみを透過し、波長λ2の光信号はBlueポート12aのみを透過するので、Blue/Redフィルタ12で波長による合分波が行われる。尚、図示していないが、Blue/Redフィルタ13についてもBlue/Redフィルタ12と同様である。
【0041】
光増幅部11は入力レベル−30〜−15dBm/ch、波長範囲1535.11〜1559.48nmでWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重)信号の各チャネルの光信号に等しい利得を与えるが、複数の入力信号のチャネル間のレベル差が大きく、パワーレベルが−30〜−15dBmの範囲外となった時、利得飽和領域に達して出力レベルが一定となり、十分利得が得られない場合や、WDM信号でチャネルによる利得のばらつきが生じる場合がある。よって、WDM信号での各チャネルの光信号のレベル差は小さいほうがよい。
【0042】
本実施例による一芯双方向光増幅器1では、第一の光送信器2の直後に分散補償器14を挿入することによって、第一の光送信器2からの光信号が光増幅部11へ入力するパワーレベルと、第二の光送信器7からの光信号が光増幅部11へ入力するパワーレベルとの差が小さくなるようにしている。
【0043】
第二の光送信器7から出力された光信号は光サーキュレータ6、一芯双方向伝送路5、光サーキュレータ4及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。一芯双方向伝送路5の損失を0.25dB/kmとし、距離を80kmとすると、第二の送信器7から出力された光信号は光増幅部11の入射直前までに合計23dBの損失を受ける。
【0044】
一方、第一の光送信器2から出力された光信号は分散補償器14及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。この時、分散補償量を80km伝送時の分散である−1360ps/nm、損失を10dBとすると、第一の送信器2から出力された光信号が光増幅部11の入射直前までに受ける損失の合計は11dBである。
【0045】
これによって、第一の光送信器2の出力及び第二の光送信器7の出力を共に−5dBmとすると、光信号が光増幅部11に入射する際の光信号のパワーレベルはそれぞれ−16dBm及び−28dBmとなり、パワーレベル差は12dBであるので、上下双方向の利得を十分に確保することができる範囲となる。
【0046】
また、光増幅部11の利得を25dBとすると、第一の光受信器3及び第二の光受信器8でのパワーは−14dBmとなり、10Gbps光IF(インタフェース)の受信感度である−18dBmを上回るので、問題が生ずることはない。
【0047】
さらに、光サーキュレータ4から一芯双方向伝送路5への入力は7dBmで非線形光学効果の影響も問題ない。以上説明したように、本発明の第1の実施例による一芯双方向光増幅器1を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【実施例2】
【0048】
図5は本発明の第2の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図5において、本発明の第2の実施例による一芯双方向光伝送システムは光サーキュレータ4,6をBlue/Redフィルタ16,17に置き換えて上下方向の光信号を合分波する構成とした以外は図1に示す本発明の第1の実施例と同様の構成となっている。また、同一構成要素の動作は本発明の第1の実施例と同様である。
【0049】
Blue/Redフィルタ16,17はBlue/Redフィルタ12,13と同じ波長のパスバンドである。これによって、本発明の第2の実施例では、上述した本発明の第1の実施例と同様に、一芯双方向増幅器1を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【実施例3】
【0050】
図6は本発明の第3の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図6において、本発明の第3の実施例による一芯双方向光伝送システムは光サーキュレータ4,6を光インタリーバ18,19に置き換えて上下方向の光信号を合分波する構成とした以外は図1に示す本発明の第1の実施例と同様の構成となっている。また、同一構成要素の動作は本発明の第1の実施例と同様である。
【0051】
図7は図6の光インタリーバ18を示す図である。図7において、ポート18bにおける波長間隔100GHzの多重信号は、光インタリーバ18を介してポート18aとポート18cとに対して、波長200GHz間隔の偶数チャネルと奇数チャネルとに分波される。
【0052】
逆にポート18aとポート18cとから入力した200GHz間隔の多重信号は、光インタリーバ18を介してポート18bに100GHz間隔の多重信号に合波される。波長λ1=1558.98、λ2=1540.56の周波数はそれぞれ192.30THz、194.60THzなので、λ1は光インタリーバ18のポート18a、λ2は光インタリーバのポート18bをそれぞれ透過する。
【0053】
光インタリーバ18の損失は1dBなので、光増幅部11に入力する波長λ1及び波長λ2の光信号パワーは−16dB及び−28dBとなり、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器1を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。尚、図示していないが、光インタリーバ19についても光インタリーバ18と同様である。
【実施例4】
【0054】
図8は本発明の第4の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図8において、本発明の第4の実施例による一芯双方向光伝送システムはBlue/Redフィルタ12,13を光インタリーバ21,22に置き換えて合分波を行う構成とした以外は図1に示す本発明の第1の実施例と同様の構成となっている。また、同一構成要素の動作は本発明の第1の実施例と同様である。
【0055】
光インタリーバ21,22は上述した本発明の第3の実施例における光インタリーバ18,19の特性と同様である。これによって、本実施例では、上述した本発明の第1の実施例と同様に、一芯双方向増幅器20を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【0056】
この時、本実施例では、光サーキュレータ21,22を、上述した本発明の第2の実施例と同様に、Blue/Redフィルタで置き換えても実現することができる。また、本実施例では、上述した本発明の第3の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6を光インタリーバとしても実現することができる。
【実施例5】
【0057】
図9は本発明の第5の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図9において、本発明の第5の実施例による一芯双方向光伝送システムは複数チャネルの光合波素子36,45及び光分波素子35,46を用いて合波及び分波を行うことによって片方向複数チャネルのWDM伝送を行う構成としたものである。
【0058】
本実施例では、2波/方向、計2×2波長の双方向伝送を行う構成となっている。各光送信器31,32,41,42からの光信号の波長がそれぞれλ11=1558.98nm、λ12=1557.36nm、λ13=1540.56nm、λ14=1538.98nmであり、光出力パワーが−1dBmである。
【0059】
図10はBlue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図であり、図11は光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。図10においては、信号光λ11〜λ14の波長配置とBlue/Redフィルタ12,13の帯域との関係を示している。
【0060】
Blueバンド及びRedバンドのパスバンド帯域幅は、上述した本発明の第1の実施例に示す帯域と同様である。波長λ11,λ12の光信号はRedバンドのみを透過し、波長λ13,λ14の光信号はBlueバンドのみを透過するので、波長λ11,λ12及び波長λ13,λ14の光信号は波長によって合分波される。
【0061】
光合波素子36,45及び光分波素子35,46の損失は3dB、一芯双方向伝送路5は80kmで、損失20dBとすると、光増幅部11に入力するパワーは、波長λ11,λ12がチャネルあたり−15dBm、波長λ13,λ14がチャネルあたり−27dBmとなり、入力光信号のパワーレベル差は12dBなので、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。
【0062】
また、利得が25dBなので、光受信器33,34,43,44での光パワーは−16dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器30を用いて10Gbps、80kmの4チャネル一芯双方向伝送を実現することができる。
【0063】
この時、本実施例では、上述した本発明の第2の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6はBlue/Redフィルタ12,13と同じ帯域のBlue/Redフィルタを用いることができる。
【0064】
また、波長λ11から波長λ14までの各信号の周波数はそれぞれ192.30THz、192.50THz、194.60THz、194.40THzであり、信号光λ11〜λ14の周波数配置を図11に示すように、光インタリーバ37によって波長λ11,λ12及び波長λ13,λ14は別々のポートに分けられるので、光サーキュレータ4,6は、上述した本発明の第3の実施例と同様に、光インタリーバでも実現することが可能である。さらに、本実施例では、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器30中のBlue/Redフィルタ12,13が光インタリーバでもよい。
【実施例6】
【0065】
図12は本発明の第6の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図12において、本発明の第6の実施例による一芯双方向光伝送システムは分散補償器15の前後に光サーキュレータ51,52を設置し、分散補償器15の前後で上下方向の光信号を合波及び分波し、分散補償ファイバ上で双方向一括分散補償することによって、上述した本発明の第1〜第5の実施例で用いられていた2台の分散補償器14,15を1台の分散補償器15で一芯双方向光増幅器50を構成している。
【0066】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力波長は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、λ1=1558.98nm、λ2=1540.56nmである。分散補償器15の分散補償量は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、−1360ps/nmであり、損失は10dBである。
【0067】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力を−5dBmとすると、光増幅部11に入力する波長λ1,λ2の光パワーはそれぞれ−18dBm,−28dBmとなり、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。また、第一の光受信器3及び第二の光受信器8でのパワーは−16dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器50を用いて10GBps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【0068】
ここでも、光サーキュレータ4,6,51,52は、上述した本発明の第2及び第3の実施例と同様に、Blue/Redフィルタ12,13と同じ帯域のBlue/Redフィルタや光インタリーバを用いることができる。
【0069】
また、本実施例では、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器50中のBlue/Redフィルタ12,13が光インタリーバでもよい。さらに、本実施例では、上述した本発明の第5の実施例と同様に、光合波素子及び光分波素子を用いて片方向複数チャネルのWDM伝送を行うことも可能である。
【実施例7】
【0070】
図13は本発明の第7の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図13において、本発明の第7の実施例による一芯双方向光伝送システムは、一芯双方向光増幅器1を伝送路の途中に挿入した構成としたものである。
【0071】
一芯双方向光増幅器1の前後に光サーキュレータ4,61,62を設置することによって、上述した本発明の第1〜第6の実施例における伝送路の端局のみでなく、伝送路の途中に挿入することができる。
【0072】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力波長は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、λ1=1558.98nm、λ2=1540.56nmである。分散補償器14,15の分散補償量は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、−1360ps/nmであり、損失は10dBである。
【0073】
本実施例では、一芯双方向光増幅器1から光送受信端A及び光送受信端Bまでの距離をそれぞれ20km及び60km、この時の一芯双方向伝送路5,63の損失をそれぞれ5dB及び15dBとする。
【0074】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力を−5dBmとすると、光増幅部11に入力する波長λ1,λ2の光信号パワーはそれぞれ−23dBm,−23dBmとなり、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。また、第一の光受信器3及び第二の光受信器8での光パワーは−16dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器1の設置場所を伝送路の中央に限定することなく、10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【0075】
この時、本実施例では、上述した本発明の第2及び第3の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6,61,62の代わりにBlue/Redフィルタや光インタリーバを用いることが可能である。
【0076】
また、本実施例では、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器1中のBlue/Redフィルタ12,13を光インタリーバとしてもよい。さらに、本実施例では、上述した本発明の第5の実施例と同様に、光合波素子及び光分波素子を用いて片方向複数チャネルのWDM伝送を行うことも可能である。
【実施例8】
【0077】
図14は本発明の第8の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図14において、本発明の第8の実施例による一芯双方向光伝送システムは一芯双方向光増幅器70が光増幅部11及びその前後に置かれたBlue/Redフィルタ12,13からなり、伝送距離が短いので、分散補償器を使用しない構成としている。
【0078】
本実施例では、伝送距離60kmで、損失15dBとし、4波/方向、計4×2波長の双方向伝送を行う構成となっている。光合波素子74には低価格のカプラを用い、その損失が9dB、また光合波素子77及び光分波素子73,78の損失が5dBである。
【0079】
各光送信器71−1〜71−4,75−1〜75−4からの光信号の波長はλ21=1558.98nm、λ22=1557.36nm、λ23=1555.75nm、λ24=1554.13、λ25=1540.56nm、λ26=1538.98nm、λ27=1537.40、λ28=1535.82であり、光出力パワーは−5dBmである。
【0080】
図15はBlue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図であり、図16は光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。図15においては信号光λ21〜λ28の波長配置とBlue/Redフィルタ12,13の帯域との関係を示している。
【0081】
Blueバンド及びRedバンドのパスバンド帯域幅は、上述した本発明の第1の実施例に示す帯域と同様である。波長λ21〜λ24の光信号はRedバンドのみを透過し、波長λ25〜λ28の光信号はBlueバンドのみを透過するので、波長λ21〜λ24及び波長λ25〜λ28の光信号は波長によって合分波される。
【0082】
光増幅部11に入力する波長λ21〜24,λ25〜28のパワーはそれぞれチャネルあたり−15及び−28dBmであり、入力信号とのパワーレベル差は13dBなので、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。
【0083】
また、利得が25dBなので、光受信器72−1〜72−4,76−1〜76−4での光パワーは−8dBm及び−13dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器70を用いて10Gbps、60kmの8チャネル一芯双方向伝送を実現することができる。
【0084】
この時、本実施例では、上述した本発明の第2の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6がBlue/Redフィルタ12,13と同じ帯域のBlue/Redフィルタでもよい。
【0085】
また、本実施例では、波長λ21から波長λ28までの各信号の周波数がそれぞれ192.30THz、192.50THz、192.70THz、192.90z、194.60THz、194.80THz、195.00THz、195.20THzであり、信号光λ21〜λ28の周波数配置を、図16に示す光インタリーバ79によって波長λ21〜λ24,λ25〜λ28が別々のポートに分けられるので、Blue/Redフィルタ12,13、光サーキュレータ4,6は、上述した本発明の第3の実施例と同様に、光インタリーバでも実現可能である。さらに、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器70中のBlue/Redフィルタ12,13は光インタリーバでもよい。
【0086】
上述した説明では、光増幅部11をエルビウムドープファイバ増幅部としているが、これは増幅する光信号の波長によって他の希土類が添加されたファイバを用いた光増幅部や半導体光増幅部でもかまわない。
【0087】
また、Blue/RedフィルタもC−band Blue/Redフィルタとしたが、使用波長の範囲によって他のバンドで用いられるフィルタでもかまわない。
【0088】
さらに、本発明の構成では、伝送速度に依存する素子を使用しておらず、伝送速度が例えば2.4Gbpsでも10Gbpsでもよい。このように、上記の構成において、上述した機能を満たす限り、光信号波長や伝送速度、伝送距離が自由であり、上記の説明が本発明を限定するものではない。
【0089】
このように、本発明の一芯双方向光増幅器は、安価に実現することができ、一芯のファイバ上を双方向に伝送する一芯双方向伝送路5において、伝送路のどちらか一端にのみ光増幅器11を挿入し、1台の光増幅器11で上下双方向の光信号を一括で増幅することができるので、安価に一芯双方向の長距離化を図ることができる。また、本発明の一芯双方向光増幅器は、通常の光増幅器にパッシブ部品を追加するだけの簡単な構成で実現することができるので、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光サーキュレータを示す図である。
【図3】図1のBlue/Redフィルタを示す図である。
【図4】Blue/Redフィルタの特性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6の光インタリーバを示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図10】Blue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図である。
【図11】光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。
【図12】本発明の第6の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第7の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図15】Blue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図である。
【図16】光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。
【図17】従来の一芯双方向光伝送システムを示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1,20,
30,50,70 一芯双方向用光増幅器
2 第一の光送信器
3 第一の光受信器
4,6,51,52,
61,62 光サーキュレータ
4a〜4c,
12a〜12c,
18a〜18c,
37a〜37c ポート
5,63 一芯双方向伝送路
7 第二の光送信器
8 第二の光受信器
11 光増幅部
12,13,16,17 Blue/Redフィルタ
14,15 分散補償器
18,19,
21,22,37,79 光インタリーバ
31,32,41,42,
71−1〜71−4,
75−1〜75−4 光送信器
33,34,43,44,
72−1〜72−4,
76−1〜76−4 光受信器
36,45,74,77 光合波素子
35,36,73,78 光分波素子
A,B 光送受信端
【技術分野】
【0001】
本発明は一芯双方向光伝送システム、一芯双方向光増幅器及びそれらに用いる一芯双方向光伝送方法に関し、特に一芯の光ファイバにて双方向伝送を行う一芯双方向光ファイバ伝送において1台の光増幅器で双方向の光信号の一括増幅を行う一芯双方向光増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一本の光ファイバで双方向伝送を行う一芯双方向光伝送技術においては、二本のファイバがそれぞれ片方向の伝送を行う二芯双方向伝送と比較して、用いる光ファイバが1/2となるので、新規に光ファイバを敷設する場合には敷設ファイバが1/2、ダークファイバを用いる場合にはファイバ使用料が1/2となるため、経済的なシステムを構築することが可能である。
【0003】
光通信においては、長距離伝送を実現するために光増幅器を用いて伝送路の損失により減衰した光信号を光/電気(O/E)変換、電気/光(E/O)変換することなく、光のまま増幅している。光増幅器はビットレートや信号フォーマットに依存しない、波長多重信号の一括増幅が可能、等の特徴を有しており、柔軟で低コストなネットワークを実現することが可能である。
【0004】
一般に、光増幅器としてはエルビウムドープファイバに信号光とともに励起光を入射し、信号光を増幅するエルビウムドープファイバ増幅器が用いられている。この光増幅器は一方向に伝送する光を増幅するように作られており、その構成はさほど複雑ではない。そのため、一芯の光ファイバにおいて光信号が双方向に伝送する一芯双方向伝送路では、単純に光増幅器を挿入することはできない。
【0005】
そこで、構成は複雑であるが、一芯双方向伝送光増幅器として種々の手法が提案されている。例えば、図17に示すように、従来の光増幅器86,87を用い、一芯双方向伝送路84,89において上下それぞれ異なる方向に進行する信号252,262,272,282を光サーキュレータ83,85,88,90によって分離し、上下方向それぞれ別々に増幅した後、再びサーキュレータ83,85,88,90で合波する方法がある。
【0006】
この時、光増幅器86,87では励起光と信号光を合波するための光合波素子が必要である。また、一芯双方向伝送路84,89中の信号252,262,272,282を上下分離するためには、光分波素子が必要となる。この光合波素子と光分波素子とを4ポートの光サーキュレータで共用する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
さらに、光増幅器における励起光と信号光の合波の際に反射器を利用して、光合波素子と光分波素子との共用を図った構成(例えば、特許文献2参照)、あるいはこれに類似の構成も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
一方、上下方向の光信号を分離することなく増幅する手法としては、双方向伝送路にエルビウムドープファイバを接続して励起光を上下の両方向に加え、上り及び下りの光信号を双方向増幅する技術もある(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平6−342950号公報(第4〜6頁、図1)
【特許文献2】特開平11−274625号公報(第7,8頁、図1)
【特許文献3】特開2002−118313号公報(第5,6頁、図1)
【特許文献4】特開平3−92827号公報(第161頁右下欄、第162頁左上欄、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
光通信システム、特にメトロ領域を対象とする際にはコストが優先課題となり、低コスト品を使用することが望ましい。従来の一芯双方向光増幅器のうち、特許文献1,2,3に記載されているように、上下方向の光信号を分離し、それぞれ別々に増幅する手法では、光増幅器が上下方向で2台必要となり、コストが高くなる、装置サイズが大きくなる、消費電力が大きくなる等の問題がある。
【0011】
また、この手法では、双方向伝送の上下信号の分離と、光増幅器の信号光と励起光との合波を組合わせて、合分波素子の共用を図っているので、一芯双方向光増幅器専用のものを新規開発する必要があり、コストが高くなるという問題がある。
【0012】
一方、上下方向の光信号を分離することなく、光信号を増幅する手法としては特許文献4に記載の手法があるが、光増幅器ではエルビウムドープファイバと伝送路との接合点や伝送路等で起こる反射によって光増幅器内で発振が起こらないよう、光アイソレータの挿入が不可欠である。よって、このような構成は実現不可能であるという問題がある。
【0013】
また、従来の一芯双方向光増幅器では上下対称な伝送路を想定しており、上下方向の光信号を等しく増幅している。よって、一芯双方向伝送路の中央に光増幅器を設置しなければならず、設置条件が限定されるという問題がある。
【0014】
さらに、伝送距離が60kmを超え、1波長あたりの伝送速度が10Gbps以上の場合には、光増幅だけでなく、分散補償も必要であるが、これについて考慮されていないという問題がある。
【0015】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、安価に一芯双方向の長距離化を図ることができる一芯双方向光伝送システム、一芯双方向光増幅器及びそれらに用いる一芯双方向光伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による一芯双方向光伝送システムは、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムであって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備している。
【0017】
本発明による一芯双方向光増幅器は、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに用いられる一芯双方向光増幅器であって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備している。
【0018】
本発明による一芯双方向光伝送方法は、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに一芯双方向光増幅器を用いる一芯双方向光伝送方法であって、
前記一芯双方向光増幅器において、光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備している。
【0019】
すなわち、本発明の第1の一芯双方向光伝送システムでは、上記の目的を達成するために、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムにおいて、双方向の波長多重光信号を一台の光増幅器で一括増幅することを特徴としている。
【0020】
本発明の第2の一芯双方向光伝送システムでは、上記の一芯双方向光伝送システムにおいて、光増幅器を第一の光送受信端もしくは第二の光送受信端のみに配備することを特徴としている。
【0021】
本発明の第3の一芯双方向光伝送システムでは、上記の第一の光送受信端及び第二の光送受信端において、一芯双方向伝送路を介して伝送する波長多重光を方向分離器によって方向毎に分離することを特徴としている。
【0022】
本発明の第4の一芯双方向光伝送システムでは、上記の方向分離器が光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0023】
本発明の第5の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、第一の光分散補償器が光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光送信器と光合波素子とに接続され、第二の光分散補償器が光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光受信器と光分波素子とに接続され、光送信器から出力されかつ第一の分散補償器を通った光信号と一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、第二の分散補償器を介して光受信器へ出力する信号と一芯双方向伝送路に出力信号へと分波することを特徴としている。
【0024】
本発明の第6の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光合波素子及び光分波素子がBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0025】
本発明の第7の一芯双方向光伝送システムでは、上記の一芯双方向光伝送システムにおける光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光送信器から出力された光信号と一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号を合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、光増幅器を配備した第一もしくは第二の光送受信端における光受信器と一芯双方向伝送路とへ出力することを特徴としている。
【0026】
本発明の第8の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光合波素子及び光分波素子がBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0027】
本発明の第9の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光方向分離素子が光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0028】
本発明の第9の一芯双方向光伝送システムでは、上記の光増幅器が伝送路の中央に配備されることを特徴としている。
【0029】
上記のように、本発明は、一芯双方向伝送路のどちらか一端に光増幅器を挿入し、1台の光増幅器で双方向の光信号を一括増幅する一芯双方向光増幅器を実現するものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、安価に一芯双方向の長距離化を図ることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は本発明の第1の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図1において、伝送路の一端(光送受信端A)は一芯双方向用光増幅器1と、第一の光送信器(Tx)2と、第一の光受信器(Rx)3とから構成され、光サーキュレータ4を経て一芯双方向伝送路5に接続されている。
【0033】
伝送路の他端(光送受信端B)は第二の光送信器(Tx)7と第二の光受信器(Rx)8とから構成され、光サーキュレータ6を経て一芯のシングルモードファイバによる一芯双方向伝送路5に接続されている。
【0034】
一芯双方向光増幅器1は光増幅部(例えば、エルビウムドープファイバ増幅部)11と、光増幅部11の直前のBlue/Redフィルタ12及び光増幅部11の直後のBlue/Redフィルタ13とからなり、Blue/Redフィルタ12と第一の光送信器2との間及びBlue/Redフィルタ13と第一の光受信器3との間に分散補償器(DCF)14,15がそれぞれ挿入されている。
【0035】
図2は図1の光サーキュレータ4を示す図である。図2において、光サーキュレータ4は光信号の方向によって合分波を行う素子である。ポート4aからポート4bへの挿入損失は1dBで、ポート4aからポート4cへのアイソレーションは40dB以上である。よって、ポート4aからの光はポート4bのみに透過し、ポート4cへは進行しない。
【0036】
同様に、ポート4bからポート4cへの挿入損失は1dBで、ポート4bからポート4aへのアイソレーションは40dB以上である。よって、ポート4bからの光信号はポート4cのみに透過し、ポート4aへは進行しない。このようにして、ポート4b側では双方向伝送、ポート4a,4c側では片方向伝送が行われる。尚、図示していないが、光サーキュレータ6についても光サーキュレータ4と同様である。
【0037】
図3は図1のBlue/Redフィルタ12を示す図であり、図4はBlue/Redフィルタの特性を示す図である。Blue/Redフィルタ12は光信号の波長帯域によって光の合分波を行う素子である。ポート12a、ポート12b、ポート12cはそれぞれBlueポート、Commonポート及びRedポートとする。
【0038】
Blueポート12a及びRedポート12cの透過特性はそれぞれ図4に示すようになる。Blueポート12aとCommonポート12bとの挿入損失
、あるいはRedポート12cとCommonポート12bとの挿入損失はどちらも1dBで、Blueポート12aとRedポート12cとのアイソレーションは30dB以上である。
【0039】
また、Blueポート12a及びRedポート12cのパスバンドはそれぞれ1530.0〜1543.2nm、1547.4〜1561.0nmである。Blueポート12a及びRedポート12cではパスバンド内の波長の信号のみを透過し、Commonポート12bは光信号の波長にかかわらず透過するので、波長帯による合分波が行われる。
【0040】
第一の光送信器2からの光信号を伝送速度10Gbps、波長λ1を1558.98nmとし、第二の光送信器7からの光信号を伝送速度10Gbps、波長λ2を1540.56nmとすると、波長λ1の光信号はRedポート12cのみを透過し、波長λ2の光信号はBlueポート12aのみを透過するので、Blue/Redフィルタ12で波長による合分波が行われる。尚、図示していないが、Blue/Redフィルタ13についてもBlue/Redフィルタ12と同様である。
【0041】
光増幅部11は入力レベル−30〜−15dBm/ch、波長範囲1535.11〜1559.48nmでWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重)信号の各チャネルの光信号に等しい利得を与えるが、複数の入力信号のチャネル間のレベル差が大きく、パワーレベルが−30〜−15dBmの範囲外となった時、利得飽和領域に達して出力レベルが一定となり、十分利得が得られない場合や、WDM信号でチャネルによる利得のばらつきが生じる場合がある。よって、WDM信号での各チャネルの光信号のレベル差は小さいほうがよい。
【0042】
本実施例による一芯双方向光増幅器1では、第一の光送信器2の直後に分散補償器14を挿入することによって、第一の光送信器2からの光信号が光増幅部11へ入力するパワーレベルと、第二の光送信器7からの光信号が光増幅部11へ入力するパワーレベルとの差が小さくなるようにしている。
【0043】
第二の光送信器7から出力された光信号は光サーキュレータ6、一芯双方向伝送路5、光サーキュレータ4及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。一芯双方向伝送路5の損失を0.25dB/kmとし、距離を80kmとすると、第二の送信器7から出力された光信号は光増幅部11の入射直前までに合計23dBの損失を受ける。
【0044】
一方、第一の光送信器2から出力された光信号は分散補償器14及びBlue/Redフィルタ12を通って光増幅部11に入射する。この時、分散補償量を80km伝送時の分散である−1360ps/nm、損失を10dBとすると、第一の送信器2から出力された光信号が光増幅部11の入射直前までに受ける損失の合計は11dBである。
【0045】
これによって、第一の光送信器2の出力及び第二の光送信器7の出力を共に−5dBmとすると、光信号が光増幅部11に入射する際の光信号のパワーレベルはそれぞれ−16dBm及び−28dBmとなり、パワーレベル差は12dBであるので、上下双方向の利得を十分に確保することができる範囲となる。
【0046】
また、光増幅部11の利得を25dBとすると、第一の光受信器3及び第二の光受信器8でのパワーは−14dBmとなり、10Gbps光IF(インタフェース)の受信感度である−18dBmを上回るので、問題が生ずることはない。
【0047】
さらに、光サーキュレータ4から一芯双方向伝送路5への入力は7dBmで非線形光学効果の影響も問題ない。以上説明したように、本発明の第1の実施例による一芯双方向光増幅器1を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【実施例2】
【0048】
図5は本発明の第2の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図5において、本発明の第2の実施例による一芯双方向光伝送システムは光サーキュレータ4,6をBlue/Redフィルタ16,17に置き換えて上下方向の光信号を合分波する構成とした以外は図1に示す本発明の第1の実施例と同様の構成となっている。また、同一構成要素の動作は本発明の第1の実施例と同様である。
【0049】
Blue/Redフィルタ16,17はBlue/Redフィルタ12,13と同じ波長のパスバンドである。これによって、本発明の第2の実施例では、上述した本発明の第1の実施例と同様に、一芯双方向増幅器1を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【実施例3】
【0050】
図6は本発明の第3の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図6において、本発明の第3の実施例による一芯双方向光伝送システムは光サーキュレータ4,6を光インタリーバ18,19に置き換えて上下方向の光信号を合分波する構成とした以外は図1に示す本発明の第1の実施例と同様の構成となっている。また、同一構成要素の動作は本発明の第1の実施例と同様である。
【0051】
図7は図6の光インタリーバ18を示す図である。図7において、ポート18bにおける波長間隔100GHzの多重信号は、光インタリーバ18を介してポート18aとポート18cとに対して、波長200GHz間隔の偶数チャネルと奇数チャネルとに分波される。
【0052】
逆にポート18aとポート18cとから入力した200GHz間隔の多重信号は、光インタリーバ18を介してポート18bに100GHz間隔の多重信号に合波される。波長λ1=1558.98、λ2=1540.56の周波数はそれぞれ192.30THz、194.60THzなので、λ1は光インタリーバ18のポート18a、λ2は光インタリーバのポート18bをそれぞれ透過する。
【0053】
光インタリーバ18の損失は1dBなので、光増幅部11に入力する波長λ1及び波長λ2の光信号パワーは−16dB及び−28dBとなり、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器1を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。尚、図示していないが、光インタリーバ19についても光インタリーバ18と同様である。
【実施例4】
【0054】
図8は本発明の第4の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図8において、本発明の第4の実施例による一芯双方向光伝送システムはBlue/Redフィルタ12,13を光インタリーバ21,22に置き換えて合分波を行う構成とした以外は図1に示す本発明の第1の実施例と同様の構成となっている。また、同一構成要素の動作は本発明の第1の実施例と同様である。
【0055】
光インタリーバ21,22は上述した本発明の第3の実施例における光インタリーバ18,19の特性と同様である。これによって、本実施例では、上述した本発明の第1の実施例と同様に、一芯双方向増幅器20を用いて10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【0056】
この時、本実施例では、光サーキュレータ21,22を、上述した本発明の第2の実施例と同様に、Blue/Redフィルタで置き換えても実現することができる。また、本実施例では、上述した本発明の第3の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6を光インタリーバとしても実現することができる。
【実施例5】
【0057】
図9は本発明の第5の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図9において、本発明の第5の実施例による一芯双方向光伝送システムは複数チャネルの光合波素子36,45及び光分波素子35,46を用いて合波及び分波を行うことによって片方向複数チャネルのWDM伝送を行う構成としたものである。
【0058】
本実施例では、2波/方向、計2×2波長の双方向伝送を行う構成となっている。各光送信器31,32,41,42からの光信号の波長がそれぞれλ11=1558.98nm、λ12=1557.36nm、λ13=1540.56nm、λ14=1538.98nmであり、光出力パワーが−1dBmである。
【0059】
図10はBlue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図であり、図11は光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。図10においては、信号光λ11〜λ14の波長配置とBlue/Redフィルタ12,13の帯域との関係を示している。
【0060】
Blueバンド及びRedバンドのパスバンド帯域幅は、上述した本発明の第1の実施例に示す帯域と同様である。波長λ11,λ12の光信号はRedバンドのみを透過し、波長λ13,λ14の光信号はBlueバンドのみを透過するので、波長λ11,λ12及び波長λ13,λ14の光信号は波長によって合分波される。
【0061】
光合波素子36,45及び光分波素子35,46の損失は3dB、一芯双方向伝送路5は80kmで、損失20dBとすると、光増幅部11に入力するパワーは、波長λ11,λ12がチャネルあたり−15dBm、波長λ13,λ14がチャネルあたり−27dBmとなり、入力光信号のパワーレベル差は12dBなので、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。
【0062】
また、利得が25dBなので、光受信器33,34,43,44での光パワーは−16dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器30を用いて10Gbps、80kmの4チャネル一芯双方向伝送を実現することができる。
【0063】
この時、本実施例では、上述した本発明の第2の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6はBlue/Redフィルタ12,13と同じ帯域のBlue/Redフィルタを用いることができる。
【0064】
また、波長λ11から波長λ14までの各信号の周波数はそれぞれ192.30THz、192.50THz、194.60THz、194.40THzであり、信号光λ11〜λ14の周波数配置を図11に示すように、光インタリーバ37によって波長λ11,λ12及び波長λ13,λ14は別々のポートに分けられるので、光サーキュレータ4,6は、上述した本発明の第3の実施例と同様に、光インタリーバでも実現することが可能である。さらに、本実施例では、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器30中のBlue/Redフィルタ12,13が光インタリーバでもよい。
【実施例6】
【0065】
図12は本発明の第6の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図12において、本発明の第6の実施例による一芯双方向光伝送システムは分散補償器15の前後に光サーキュレータ51,52を設置し、分散補償器15の前後で上下方向の光信号を合波及び分波し、分散補償ファイバ上で双方向一括分散補償することによって、上述した本発明の第1〜第5の実施例で用いられていた2台の分散補償器14,15を1台の分散補償器15で一芯双方向光増幅器50を構成している。
【0066】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力波長は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、λ1=1558.98nm、λ2=1540.56nmである。分散補償器15の分散補償量は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、−1360ps/nmであり、損失は10dBである。
【0067】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力を−5dBmとすると、光増幅部11に入力する波長λ1,λ2の光パワーはそれぞれ−18dBm,−28dBmとなり、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。また、第一の光受信器3及び第二の光受信器8でのパワーは−16dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器50を用いて10GBps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【0068】
ここでも、光サーキュレータ4,6,51,52は、上述した本発明の第2及び第3の実施例と同様に、Blue/Redフィルタ12,13と同じ帯域のBlue/Redフィルタや光インタリーバを用いることができる。
【0069】
また、本実施例では、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器50中のBlue/Redフィルタ12,13が光インタリーバでもよい。さらに、本実施例では、上述した本発明の第5の実施例と同様に、光合波素子及び光分波素子を用いて片方向複数チャネルのWDM伝送を行うことも可能である。
【実施例7】
【0070】
図13は本発明の第7の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図13において、本発明の第7の実施例による一芯双方向光伝送システムは、一芯双方向光増幅器1を伝送路の途中に挿入した構成としたものである。
【0071】
一芯双方向光増幅器1の前後に光サーキュレータ4,61,62を設置することによって、上述した本発明の第1〜第6の実施例における伝送路の端局のみでなく、伝送路の途中に挿入することができる。
【0072】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力波長は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、λ1=1558.98nm、λ2=1540.56nmである。分散補償器14,15の分散補償量は、上述した本発明の第1の実施例と同様に、−1360ps/nmであり、損失は10dBである。
【0073】
本実施例では、一芯双方向光増幅器1から光送受信端A及び光送受信端Bまでの距離をそれぞれ20km及び60km、この時の一芯双方向伝送路5,63の損失をそれぞれ5dB及び15dBとする。
【0074】
第一の光送信器2及び第二の光送信器7の出力を−5dBmとすると、光増幅部11に入力する波長λ1,λ2の光信号パワーはそれぞれ−23dBm,−23dBmとなり、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。また、第一の光受信器3及び第二の光受信器8での光パワーは−16dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器1の設置場所を伝送路の中央に限定することなく、10Gbps、80kmの一芯双方向伝送を実現することができる。
【0075】
この時、本実施例では、上述した本発明の第2及び第3の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6,61,62の代わりにBlue/Redフィルタや光インタリーバを用いることが可能である。
【0076】
また、本実施例では、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器1中のBlue/Redフィルタ12,13を光インタリーバとしてもよい。さらに、本実施例では、上述した本発明の第5の実施例と同様に、光合波素子及び光分波素子を用いて片方向複数チャネルのWDM伝送を行うことも可能である。
【実施例8】
【0077】
図14は本発明の第8の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。図14において、本発明の第8の実施例による一芯双方向光伝送システムは一芯双方向光増幅器70が光増幅部11及びその前後に置かれたBlue/Redフィルタ12,13からなり、伝送距離が短いので、分散補償器を使用しない構成としている。
【0078】
本実施例では、伝送距離60kmで、損失15dBとし、4波/方向、計4×2波長の双方向伝送を行う構成となっている。光合波素子74には低価格のカプラを用い、その損失が9dB、また光合波素子77及び光分波素子73,78の損失が5dBである。
【0079】
各光送信器71−1〜71−4,75−1〜75−4からの光信号の波長はλ21=1558.98nm、λ22=1557.36nm、λ23=1555.75nm、λ24=1554.13、λ25=1540.56nm、λ26=1538.98nm、λ27=1537.40、λ28=1535.82であり、光出力パワーは−5dBmである。
【0080】
図15はBlue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図であり、図16は光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。図15においては信号光λ21〜λ28の波長配置とBlue/Redフィルタ12,13の帯域との関係を示している。
【0081】
Blueバンド及びRedバンドのパスバンド帯域幅は、上述した本発明の第1の実施例に示す帯域と同様である。波長λ21〜λ24の光信号はRedバンドのみを透過し、波長λ25〜λ28の光信号はBlueバンドのみを透過するので、波長λ21〜λ24及び波長λ25〜λ28の光信号は波長によって合分波される。
【0082】
光増幅部11に入力する波長λ21〜24,λ25〜28のパワーはそれぞれチャネルあたり−15及び−28dBmであり、入力信号とのパワーレベル差は13dBなので、上述した本発明の第1の実施例と同様に、光増幅部11がリニアに動作する範囲である。
【0083】
また、利得が25dBなので、光受信器72−1〜72−4,76−1〜76−4での光パワーは−8dBm及び−13dBmとなり、受信可能なレベルである。これによって、本実施例では、一芯双方向光増幅器70を用いて10Gbps、60kmの8チャネル一芯双方向伝送を実現することができる。
【0084】
この時、本実施例では、上述した本発明の第2の実施例と同様に、光サーキュレータ4,6がBlue/Redフィルタ12,13と同じ帯域のBlue/Redフィルタでもよい。
【0085】
また、本実施例では、波長λ21から波長λ28までの各信号の周波数がそれぞれ192.30THz、192.50THz、192.70THz、192.90z、194.60THz、194.80THz、195.00THz、195.20THzであり、信号光λ21〜λ28の周波数配置を、図16に示す光インタリーバ79によって波長λ21〜λ24,λ25〜λ28が別々のポートに分けられるので、Blue/Redフィルタ12,13、光サーキュレータ4,6は、上述した本発明の第3の実施例と同様に、光インタリーバでも実現可能である。さらに、上述した本発明の第4の実施例と同様に、一芯双方向光増幅器70中のBlue/Redフィルタ12,13は光インタリーバでもよい。
【0086】
上述した説明では、光増幅部11をエルビウムドープファイバ増幅部としているが、これは増幅する光信号の波長によって他の希土類が添加されたファイバを用いた光増幅部や半導体光増幅部でもかまわない。
【0087】
また、Blue/RedフィルタもC−band Blue/Redフィルタとしたが、使用波長の範囲によって他のバンドで用いられるフィルタでもかまわない。
【0088】
さらに、本発明の構成では、伝送速度に依存する素子を使用しておらず、伝送速度が例えば2.4Gbpsでも10Gbpsでもよい。このように、上記の構成において、上述した機能を満たす限り、光信号波長や伝送速度、伝送距離が自由であり、上記の説明が本発明を限定するものではない。
【0089】
このように、本発明の一芯双方向光増幅器は、安価に実現することができ、一芯のファイバ上を双方向に伝送する一芯双方向伝送路5において、伝送路のどちらか一端にのみ光増幅器11を挿入し、1台の光増幅器11で上下双方向の光信号を一括で増幅することができるので、安価に一芯双方向の長距離化を図ることができる。また、本発明の一芯双方向光増幅器は、通常の光増幅器にパッシブ部品を追加するだけの簡単な構成で実現することができるので、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光サーキュレータを示す図である。
【図3】図1のBlue/Redフィルタを示す図である。
【図4】Blue/Redフィルタの特性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6の光インタリーバを示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図10】Blue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図である。
【図11】光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。
【図12】本発明の第6の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第7の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図15】Blue/Redフィルタの特性と波長配置とを示す図である。
【図16】光インタリーバの構成と波長配置とを示す図である。
【図17】従来の一芯双方向光伝送システムを示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1,20,
30,50,70 一芯双方向用光増幅器
2 第一の光送信器
3 第一の光受信器
4,6,51,52,
61,62 光サーキュレータ
4a〜4c,
12a〜12c,
18a〜18c,
37a〜37c ポート
5,63 一芯双方向伝送路
7 第二の光送信器
8 第二の光受信器
11 光増幅部
12,13,16,17 Blue/Redフィルタ
14,15 分散補償器
18,19,
21,22,37,79 光インタリーバ
31,32,41,42,
71−1〜71−4,
75−1〜75−4 光送信器
33,34,43,44,
72−1〜72−4,
76−1〜76−4 光受信器
36,45,74,77 光合波素子
35,36,73,78 光分波素子
A,B 光送受信端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムであって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備することを特徴とする一芯双方向光伝送システム。
【請求項2】
前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端において、前記一芯双方向伝送路を介して伝送する前記波長多重光を方向毎に分離する方向分離器を含むことを特徴とする請求項1記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項3】
前記方向分離器は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのうちのいずれかであることを特徴とする請求項2記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項4】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、その出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、
前記第一の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器と前記光合波素子とに接続され、
前記第二の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記光分波素子とに接続され、
前記光送信器から出力されて前記第一の分散補償器を通った光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、前記第二の分散補償器を介して前記光受信器へ出力する信号と前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに分波することを特徴とする請求項2または請求項3記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項5】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項4記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項6】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、
前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器から出力された光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記一芯双方向伝送路とに出力することを特徴とする請求項2または請求項3記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項7】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項6記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項8】
前記光方向分離素子は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項6または請求項7記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項9】
前記光増幅器が伝送路の中央に配備されることを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか記載の一芯双方向伝送システム。
【請求項10】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに用いられる一芯双方向光増幅器であって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備することを特徴とする一芯双方向光増幅器。
【請求項11】
前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端において、前記一芯双方向伝送路を介して伝送する前記波長多重光を方向毎に分離する方向分離器を含むことを特徴とする請求項10記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項12】
前記方向分離器は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのうちのいずれかであることを特徴とする請求項11記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項13】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、その出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、
前記第一の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器と前記光合波素子とに接続され、
前記第二の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記光分波素子とに接続され、
前記光送信器から出力されて前記第一の分散補償器を通った光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、前記第二の分散補償器を介して前記光受信器へ出力する信号と前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに分波することを特徴とする請求項11または請求項12記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項14】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項13記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項15】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、
前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器から出力された光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記一芯双方向伝送路とに出力することを特徴とする請求項11または請求項12記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項16】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項15記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項17】
前記光方向分離素子は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項15または請求項16記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項18】
前記光増幅器が伝送路の中央に配備されることを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項19】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに一芯双方向光増幅器を用いる一芯双方向光伝送方法であって、
前記一芯双方向光増幅器において、光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備することを特徴とする一芯双方向光伝送方法。
【請求項20】
前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端において、前記一芯双方向伝送路を介して伝送する前記波長多重光を方向毎に分離する方向分離器を設けたことを特徴とする請求項19記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項21】
前記方向分離器が、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのうちのいずれかであることを特徴とする請求項20記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項22】
前記光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、その出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、
前記第一の光分散補償器が、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器と前記光合波素子とに接続され、
前記第二の光分散補償器が、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記光分波素子とに接続され、
前記光送信器から出力されて前記第一の分散補償器を通った光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、前記第二の分散補償器を介して前記光受信器へ出力する信号と前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに分波することを特徴とする請求項20または請求項21記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項23】
前記光合波素子及び前記光分波素子が、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項22記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項24】
前記光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、
前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器から出力された光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記一芯双方向伝送路とに出力することを特徴とする請求項20または請求項21記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項25】
前記光合波素子及び前記光分波素子が、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項24記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項26】
前記光方向分離素子が、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項24または請求項25記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項27】
前記光増幅器を伝送路の中央に配備したことを特徴とする請求項22から請求項26のいずれか記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項1】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムであって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備することを特徴とする一芯双方向光伝送システム。
【請求項2】
前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端において、前記一芯双方向伝送路を介して伝送する前記波長多重光を方向毎に分離する方向分離器を含むことを特徴とする請求項1記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項3】
前記方向分離器は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのうちのいずれかであることを特徴とする請求項2記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項4】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、その出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、
前記第一の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器と前記光合波素子とに接続され、
前記第二の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記光分波素子とに接続され、
前記光送信器から出力されて前記第一の分散補償器を通った光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、前記第二の分散補償器を介して前記光受信器へ出力する信号と前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに分波することを特徴とする請求項2または請求項3記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項5】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項4記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項6】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、
前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器から出力された光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記一芯双方向伝送路とに出力することを特徴とする請求項2または請求項3記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項7】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項6記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項8】
前記光方向分離素子は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項6または請求項7記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項9】
前記光増幅器が伝送路の中央に配備されることを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか記載の一芯双方向伝送システム。
【請求項10】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに用いられる一芯双方向光増幅器であって、
光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備することを特徴とする一芯双方向光増幅器。
【請求項11】
前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端において、前記一芯双方向伝送路を介して伝送する前記波長多重光を方向毎に分離する方向分離器を含むことを特徴とする請求項10記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項12】
前記方向分離器は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのうちのいずれかであることを特徴とする請求項11記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項13】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、その出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、
前記第一の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器と前記光合波素子とに接続され、
前記第二の光分散補償器は、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記光分波素子とに接続され、
前記光送信器から出力されて前記第一の分散補償器を通った光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、前記第二の分散補償器を介して前記光受信器へ出力する信号と前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに分波することを特徴とする請求項11または請求項12記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項14】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項13記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項15】
前記光増幅器は、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、
前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器から出力された光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記一芯双方向伝送路とに出力することを特徴とする請求項11または請求項12記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項16】
前記光合波素子及び前記光分波素子は、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項15記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項17】
前記光方向分離素子は、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項15または請求項16記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項18】
前記光増幅器が伝送路の中央に配備されることを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか記載の一芯双方向光増幅器。
【請求項19】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに一芯双方向光増幅器を用いる一芯双方向光伝送方法であって、
前記一芯双方向光増幅器において、光増幅器を少なくとも前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端のいずれか一方に配備し、
前記光増幅器は、光増幅部とその両端にある光合分波器及び分散補償器とからなり、
前記光増幅部と、当該光増幅器が配備された光送受信端側の光送信器との間に前記分散補償器を配備することを特徴とする一芯双方向光伝送方法。
【請求項20】
前記第一の光送受信端及び前記第二の光送受信端において、前記一芯双方向伝送路を介して伝送する前記波長多重光を方向毎に分離する方向分離器を設けたことを特徴とする請求項19記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項21】
前記方向分離器が、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのうちのいずれかであることを特徴とする請求項20記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項22】
前記光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子及び第一の光分散補償器と、その出力側に置かれた光分波素子及び第二の光分散補償器とからなり、
前記第一の光分散補償器が、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器と前記光合波素子とに接続され、
前記第二の光分散補償器が、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記光分波素子とに接続され、
前記光送信器から出力されて前記第一の分散補償器を通った光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括増幅した後、前記第二の分散補償器を介して前記光受信器へ出力する信号と前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに分波することを特徴とする請求項20または請求項21記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項23】
前記光合波素子及び前記光分波素子が、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項22記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項24】
前記光増幅器が、光増幅部とその入力側に置かれた光合波素子と、出力側に置かれた光分波素子と、光分散補償器及びその両端に置かれた光方向分離素子とからなり、
前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光送信器から出力された光信号と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた光信号とを合波して一括分散補償及び一括増幅した後に分波し、前記光増幅器を配備した前記第一及び第二の光送受信端のいずれかにおける光受信器と前記一芯双方向伝送路とに出力することを特徴とする請求項20または請求項21記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項25】
前記光合波素子及び前記光分波素子が、少なくともBlue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項24記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項26】
前記光方向分離素子が、少なくとも光サーキュレータ、Blue/Redフィルタ、光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項24または請求項25記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項27】
前記光増幅器を伝送路の中央に配備したことを特徴とする請求項22から請求項26のいずれか記載の一芯双方向光伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−243968(P2007−243968A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101219(P2007−101219)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【分割の表示】特願2003−135224(P2003−135224)の分割
【原出願日】平成15年5月14日(2003.5.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【分割の表示】特願2003−135224(P2003−135224)の分割
【原出願日】平成15年5月14日(2003.5.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]