説明

一酸化二窒素の測定方法及び発生制御方法

【課題】コンポスト製造施設や、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所から発生する気体中の一酸化二窒素の測定方法及び発生を制御する方法を提供すること。
【解決手段】一酸化二窒素発生施設から発生する少なくとも一酸化二窒素と炭酸ガスと揮発性有機酸を含む気体を捕集する工程と、捕集された気体をアルカリ性の吸収剤に通して前記炭酸ガス、前記揮発性有機酸を分離する工程と、前記気体から酸素を除去する工程と、電子捕獲型検出器(ECD)で一酸化二窒素濃度を測定する工程とを有することを特徴とする一酸化二窒素の測定方法及び一酸化二窒素発生施設から発生する一酸化二窒素の濃度を測定し、測定された濃度が、基準値を超えた場合には好気化操作を行うことを特徴とする一酸化二窒素の発生制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一酸化二窒素の測定方法及び発生抑制方法に関し、詳しくはコンポスト製造施設や、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所から発生する気体中の一酸化二窒素の測定方法及び発生を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、最も重大な環境問題は地球温暖化である。
【0003】
地球温暖化の原因となる温室効果ガスとして、最も関心を集めているものは、二酸化炭素であるが、メタン、フロンの一種として知られるクロロフルオロカーボン類などと共に、一酸化二窒素(亜酸化窒素、NO)も挙げられる。
【0004】
一酸化二窒素の温室効果は、二酸化炭素に比べて200倍とも310倍ともいわれている。
【0005】
二酸化炭素同様、一酸化二窒素も大気中の濃度が増加傾向にあるので、温暖化の進行を抑えるためにも各々の発生源に具体的な抑制対策を講じることが今後求められてくると思われる。
【0006】
特許文献1には、無酸素好気回分活性汚泥法(AOSBR)を利用した水処理プロセスにおいて、一酸化二窒素濃度を指標としてプロセス全体の制御を行うことが記載されている。
【0007】
一酸化二窒素の検出と、硝化及び脱窒の進行状況との関連を見出したもので、無酸素工程において一酸化二窒素が検出された場合には、有機物を添加するあるいは無酸素時間を延長するなどの対応をとることが記載されている。
【特許文献1】特開2007−244949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、本発明者らは、コンポスト製造施設や、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所からも、一酸化二窒素が発生していることを見出した。
【0009】
コンポスト製造施設や水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所では、バクテリアや真菌類等、微生物の活動も活発になる。コンポスト、余剰汚泥、脱水ケーキでは、微生物(真菌類・細菌類)の活動によって、たんぱく質などの窒素を含む有機物がアンモニアに分解され、その後亜硝酸や硝酸へと酸化されるが、コンポストや余剰汚泥や脱水ケーキ内部の酸素は微生物の活動によって消費され、空気(酸素)の供給が十分でないと内部が嫌気的になる。
【0010】
嫌気的条件下では還元雰囲気となり、脱窒反応、つまり硝酸から窒素への(硝酸→亜硝酸→酸化窒素→一酸化二窒素→窒素)が起こる。
【0011】
ところが、この一連の還元反応を行う微生物のうち、還元反応を行う真菌類の中には、一酸化二窒素から窒素へと還元する酵素を持たない菌種が存在する。
【0012】
かかる真菌類によると、一酸化二窒素を還元することができないので、硝酸の還元は一酸化二窒素までで止まり、最終物質として一酸化二窒素が蓄積し、放出される。
【0013】
かかる一酸化二窒素が発生する状況は、進行すると、他の微生物によって硫化水素やアンモニアが発生する状況でもあるため、コンポスト製造施設や水処理施設の稼動が近隣住民の苦情によって停止せざるを得ない場合もある。またマクロ的にみれば地球温暖化の要因となる。
【0014】
施設の嫌気状態をメタンガスの濃度測定によって把握する手法も考えられるが、メタンガスは嫌気化がかなり進まないと検出できない。また、メタンガスは元来無臭であるので臭気を指標とした施設管理は行うことができない。
【0015】
そこで、本発明者は、施設の嫌気状態の初期に発生する一酸化二窒素に着目し、その一酸化二窒素を簡便に測定する方法を完成すると共に、その濃度をトリガーとして、嫌気状態を解消する対策をとることで、施設の運転を停止することなく、結果として温室効果ガスの削減を可能にすることを見出し、本発明に至った。
【0016】
そこで本発明の課題は、コンポスト製造施設や、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所から発生する気体中の一酸化二窒素の測定方法及び発生を制御する方法を提供することにある。
【0017】
本発明の他の課題は以下の記載によって明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題は以下の各発明によって解決される。
【0019】
(請求項1)
一酸化二窒素発生施設から発生する少なくとも一酸化二窒素と炭酸ガスと揮発性有機酸を含む気体を捕集する工程と、捕集された気体をアルカリ性の吸収剤に通して前記炭酸ガス、前記揮発性有機酸を分離する工程と、前記気体から酸素を除去する工程と、電子捕獲型検出器(ECD)で一酸化二窒素濃度を測定する工程とを有することを特徴とする一酸化二窒素の測定方法。
【0020】
(請求項2)
一酸化二窒素発生施設が、コンポスト原料を好気性発酵させてコンポストを製造する施設である請求項1記載の一酸化二窒素の測定方法。
【0021】
(請求項3)
一酸化二窒素発生施設が、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所である請求項1記載の一酸化二窒素の測定方法。
【0022】
(請求項4)
一酸化二窒素発生施設から発生する一酸化二窒素の濃度を請求項1〜3の何れかに記載の一酸化二窒素の測定方法により測定し、測定された濃度が、基準値を超えた場合には好気化操作を行うことを特徴とする一酸化二窒素の発生制御方法。
【0023】
(請求項5)
一酸化二窒素発生施設が、コンポスト原料を好気性発酵させてコンポストを製造する施設である場合には、好気化操作として切り返しを行うことを特徴とする請求項4記載の一酸化二窒素の発生制御方法。
【0024】
(請求項6)
一酸化二窒素発生施設が、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽である場合には、好気化操作として汚泥の曝気処理を行うことを特徴とする請求項4記載の一酸化二窒素の発生制御方法。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、コンポスト製造施設や、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所から発生する気体中の一酸化二窒素の測定方法及び発生を制御する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
本発明におけるコンポスト製造施設は、下水処理場や農村集落排水処理場などから発生した汚泥を脱水した汚泥ケーキ、家畜糞尿や厨芥等の有機性廃棄物を主なコンポスト原料とし、好気性発酵させ、主に農作物や公園などの植物の肥料として利用されるコンポストを製造する施設である。
【0028】
本発明において、コンポストを製造する施設は、何ら限定されない。屋根やカバーなど、被覆する構造があり、内部の空気を排気する口が設けられて、コンポストから発生する気体を取り出すことができるものが好ましい。被覆する構造がなく、大気に開放されて通常の状態ではコンポストから発生する気体が発散している場合であっても、コンポストから発生する気体をサンプリングすることができれば本発明は有効に用いることができる。
【0029】
水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽は、汚泥濃縮槽や、汚泥濃縮槽から脱水機(脱水処理しない場合にはタンクローリになどにより外部に搬出される)に移送される過程で一時貯留する汚泥貯留槽などである。また脱水ケーキの保管場所は、脱水ケーキを焼却施設に移送して焼却する場合には、その一時的な保管場所が相当する。
【0030】
図1は温室効果ガスを発生させる設備からサンプリングしたサンプリングガスから、温暖化ガスを測定する装置の概略図である。
【0031】
本発明において、測定対象となる温室効果ガスは一酸化二窒素(NO)である。
【0032】
サンプリングガスは、アルカリ吸収剤に浸した充填材10を入れたアルカリ吸収管1を通して、サンプリングガス内の有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸)や二酸化炭素、硫化水素を除去する。これらの化合物はECD検出器の干渉成分となるためである。
【0033】
アルカリ吸収剤としては、アルカリ金属の水酸化物(たとえば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化カルシウム水溶液)、水酸化アンモニウム水溶液などが挙げられるが、吸収性に優れる水酸化ナトリウムが好ましい。そのpHは少なくとも8以上で、飽和に近い吸収も好ましい。
【0034】
充填材10は、一般の多孔質体でよく、好ましくは活性炭である。
【0035】
また本発明では、アルカリ吸収管1に代えて、図2のように、内部にアルカリ吸収剤を入れたバイアル4を用いても良い。バイアル4中には気相4aとアルカリ性の吸収剤からなる液相4bが形成されている。
【0036】
バイアル4を用いる場合は、より吸収の効果を高めるために、気相4aのガスをポンプ41によって吸引し、バイアル4内の液相4bに戻し、再びエアレーションすることもできる。
【0037】
次に、アルカリ吸収管1で有機酸や二酸化炭素、硫化水素を除去した後、酸素除去管2において、酸素を除去する。ECD検出器の干渉成分となるためである。
【0038】
酸素除去管2には、第一銅カラム、ピロガロールのアルカリ液等による、オルザットガス分析等で用いる通常の方法(O除去管)を用いることができる。
【0039】
また、サンプリングガス中に一酸化炭素が含まれる場合には銅化合物水溶液をアルカリ吸収剤に含有させてもよいし、あるいはアルカリ吸収後に銅化合物水溶液による吸収操作を行ってもよい。銅化合物水溶液としては、塩化第一銅のアルカリ性液など通常ガス分析に用いられる溶液を用いることができる。
【0040】
3は電子捕獲型検出器(ECD)を備えた一酸化二窒素計測機である。ECD検出器は、窒素を含む化合物を高感度に検出することができる。
【0041】
ECD検出器のキャリアガスとしては、高純度窒素、ヘリウム、アルゴンなどの、精製した状態のガスが好ましく、酸素を計測に支障のない程度にすることができるガスを用いることができる。
【0042】
これら一連の一酸化二窒素濃度測定は、常時または間欠的に行い、本発明者らは、コンポスト製造施設や、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所から、一酸化二窒素が各施設毎に設定した基準を超える濃度が検出された場合、好気化の処理を行うことで、発生を制御する。
【0043】
一酸化二窒素の発生の状況は、微生物の活動の程度によって異なるので、施設ごと、及び季節や気温、時間帯によって逐次変化することがある。発生の状況に対応しないで画一的に行う好気化処理(例えば一定時間毎)では、一酸化二窒素の発生に対して十分な制御効果を発揮することができない。
【0044】
本発明のように、一酸化二窒素濃度を測定しながら必要に応じて好気化処理を行うことで、より効率的に、効果の高い制御を実現することができる。
【0045】
コンポスト製造施設における好気化の処理は、切り返しが挙げられる。
【0046】
切り返しの手法としては、コンポストを攪拌して大気に接触させる方法や、コンポストの下に備えた空気導入管から圧縮された空気を送り、好気化する方法、機械などで攪拌し好気化する方法などが挙げられるが、何ら限定されない。
【0047】
水処理施設内の水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所における好気化の処理は、曝気や攪拌、切り返しを行う等の対応が挙げられる。
【0048】
これらの処理は、一酸化二窒素の濃度が所定の値を下回るまで行ってもよいし、規定回数行い、その後再測定して好気化処理の効果が足りない(規定濃度を超えている)場合は再び好気化処理を行うようにしてもよい。
【0049】
本発明においては、一酸化二窒素濃度の測定を行い、測定結果を入力し、測定結果が基準値を超える場合には、好気化の処理を行うように指示信号を出力する制御部5を設けることで、自動で一酸化二窒素の発生を制御することができる。
【0050】
図3に、コンポスト製造装置を例にとって説明する。
【0051】
図3において、7はコンポスト製造装置である。コンポスト製造装置7は、方形状または円筒状のコンポスト製造装置本体701の内部を複数の仕切壁702で仕切られた複数の槽703を持っており、槽703内でコンポストの発酵、熟成を行う。
【0052】
コンポスト原料投入口704から槽703に投入されたコンポスト原料が、コンポスト原料投入口704に近い槽からコンポスト製品取出口705に近い槽に移動しながら発酵と熟成がなされるような構造である。
【0053】
各々の槽703の底部はデッドスペースをなくすため傾斜部706が設けられ、槽703の下方は円錐状または角錐状に形成されている。
【0054】
傾斜部706の下方とコンポスト製造装置本体701の間は、空間が形成され、該空間にはそれぞれ温度調節のためのヒーター707が設けられている。
【0055】
槽703の底部には、コンポストに空気を導入するための空気供給管708が1または2以上設置され、空気供給管708は圧力空気供給のためのコンプレッサ709に接続されている。空気供給管708の先端は槽703内にあり、空気供給管708から加圧された空気が供給されることでコンポスト内部に空気を供給し、同時にコンポストの攪拌をすることができる。図3のコンポスト製造装置においては、この空気導入と攪拌によって「切り返し」が行われている。
【0056】
空気供給管708から導入される空気は温度制御可能に構成されることが好ましく、図示しないヒーターなどによって加温された空気が供給されることが好ましい。
【0057】
また、槽703には別の空気供給管(図示せず)を設け、加湿した空気を供給するブロワと接続し、圧力空気の他に加湿した空気を供給することも好ましい。
【0058】
710はコンポスト製造装置本体701の上部に設けられる排気口である。排気口710には排気の一部をサンプリングできるよう排気導入管61が接続されている。
【0059】
温暖化ガスの測定に供さない余分な排気は、そのまま排気口710から排出される。
【0060】
このようなコンポスト製造装置7を制御する制御部5における制御フローの例を図4に示す。
【0061】
まず、制御部5はサンプリングファン6を稼動させて、施設の排気口に設けられた排気導入管61から、コンポスト製造装置7の排気(サンプリングガス)を吸入しバイアル4に導入する(S1)。
【0062】
バイアル4でアルカリ性の吸収剤と導入された排気を接触させ、温暖化ガス測定の妨げとなる排気中の二酸化炭素などを吸収させる(S2)。また、必要に応じてポンプ41を稼動させる。
【0063】
酸素除去管2で、サンプリングガス中の酸素を除去する(S3)。
【0064】
一酸化二窒素計測機3により一酸化二窒素濃度を測定する(S4)。
【0065】
温暖化ガス濃度が、基準値を超えているか判断する(S5)。
【0066】
基準値は例えば10〜50ppmの範囲で任意に設定する。
【0067】
基準値を超えていなかった場合は嫌気的状態に陥っていないと判断され終了する。
【0068】
基準値を超えていた場合、制御部5はコンプレッサ709を稼動させて槽703内に空気を導入し、切り返しを行う(S6)。その後、S1に戻る。
【0069】
コンポスト製造装置が攪拌手段としてモーター駆動の攪拌翼等と、空気供給手段としてブロワ等を備えている場合には、制御部5はモーターおよびブロワを稼動させることで切り返しを行うように制御することができる。
【0070】
本発明において、一酸化二窒素濃度が基準値を超えた場合に、上記制御を行うと共に警告を発するようにすることもできる。警告は、例えば図示しないモニター画面上等において行うことができる。
【実施例】
【0071】
実施例1
下水汚泥にオガ粉を加え、水分率を調整した後、40℃に保って、培養器内で好気性発酵(コンポスト製造)を行った。
【0072】
ECD検出器を有するシステムガスクロマトグラフで、一酸化二窒素の濃度を測定し、基準値(10ppm)を超えた場合に振盪して攪拌する好気化処理を行った。
【0073】
試験を通して、培養器内の一酸化二窒素濃度は5〜10ppmだった。
【0074】
なお、好気化処理は、平均すると20〜40分に1度の頻度であった。
【0075】
比較例1
好気化処理を、一酸化二窒素の濃度に応じて行うのではなく、30分に1度行うようにした以外は実施例1と同様にして好気性発酵(コンポスト製造)を行った。
【0076】
試験を通して、培養器内の一酸化二窒素濃度は5〜1500ppmだった。
【0077】
実施例2
搾乳牛糞尿の固液分離後の固形分について、実施例1と同様に培養器内で好気性発酵を行った。
【0078】
一酸化二窒素の基準値は、50ppmとした。
【0079】
試験を通して、培養器内の一酸化二窒素濃度は10〜50ppmだった。
【0080】
なお、好気化処理は、平均すると20〜40分に1度の頻度であった。
【0081】
比較例2
好気化処理を、一酸化二窒素の濃度に応じてではなく、一義的に30分に1度行うようにした以外は実施例2と同様にして好気性発酵(コンポスト製造)を行った。
【0082】
試験を通して、培養器内の一酸化二窒素濃度は100〜800ppmだった。
【0083】
実施例3
下水の活性汚泥処理施設の屋内汚泥貯留槽上にガスサンプリング部を設置し、採取したガスを別室のFID検出器を有するガス分析計(アルカリ性スクラバー−FID)によって連続計測を行い、一酸化二窒素ガス濃度が10ppm以下に維持できるように汚泥貯留槽の攪拌及びエアレーションを行った。
【0084】
制御を行わない場合に比べ、一酸化二窒素の発生量(貯留槽の単位面積あたり)を1/10以下に抑えることができた。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】温暖化ガスを測定する装置の概略図
【図2】温暖化ガスを測定する装置の他の例を示す概略図
【図3】本発明のコンポスト製造方法に用いられる一態様を示す図
【図4】コンポスト製造装置を制御する制御部における制御フロー図
【符号の説明】
【0086】
1:アルカリ吸収管
2:酸素除去管
3:一酸化二窒素計測機
4:バイアル
4a:気相
4b:液相
5:制御部
6:サンプリングファン
61:排気導入管
7:コンポスト製造装置
701:コンポスト製造装置本体
702:仕切壁
703:槽
704:コンポスト原料投入口
705:コンポスト製品取出口
706:傾斜部
707:ヒーター
708:空気供給管
709:コンプレッサ
710:排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一酸化二窒素発生施設から発生する少なくとも一酸化二窒素と炭酸ガスと揮発性有機酸を含む気体を捕集する工程と、
捕集された気体をアルカリ性の吸収剤に通して前記炭酸ガス、前記揮発性有機酸を分離する工程と、
前記気体から酸素を除去する工程と、
電子捕獲型検出器(ECD)で一酸化二窒素濃度を測定する工程とを有することを特徴とする一酸化二窒素の測定方法。
【請求項2】
一酸化二窒素発生施設が、コンポスト原料を好気性発酵させてコンポストを製造する施設である請求項1記載の一酸化二窒素の測定方法。
【請求項3】
一酸化二窒素発生施設が、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽や脱水ケーキの保管場所である請求項1記載の一酸化二窒素の測定方法。
【請求項4】
一酸化二窒素発生施設から発生する一酸化二窒素の濃度を請求項1〜3の何れかに記載の一酸化二窒素の測定方法により測定し、測定された濃度が、基準値を超えた場合には好気化操作を行うことを特徴とする一酸化二窒素の発生制御方法。
【請求項5】
一酸化二窒素発生施設が、コンポスト原料を好気性発酵させてコンポストを製造する施設である場合には、好気化操作として切り返しを行うことを特徴とする請求項4記載の一酸化二窒素の発生制御方法。
【請求項6】
一酸化二窒素発生施設が、水処理施設内の余剰汚泥の貯留槽である場合には、好気化操作として汚泥の曝気処理を行うことを特徴とする請求項4記載の一酸化二窒素の発生制御方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−54240(P2010−54240A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217157(P2008−217157)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(504300088)国立大学法人帯広畜産大学 (96)
【Fターム(参考)】