説明

一酸化窒素の検出

本発明は、ガスセンサ内で検出信号を増幅する方法に関する。特に、本発明は、サンプル中の被検出ガス濃度を増大させる方法、または化学反応により、サンプル中のガスから直接得られるガス濃度を高める方法に関する。被検出ガスは、一酸化窒素(NO)である。特に、当該方法は、NoのNO2への選択変換に関し、これにより、単一の増幅サイクルにおいて、NOトレースガス分析での検体分子数の3倍の増幅が可能となる。得られたNO2のその後の反応または熱分解により、再度NOが生じ、これは、再度新たな増幅サイクルに導入される。複数回(n回)の増幅サイクルにより、3nの感度増幅が得られる。当該方法は、多くの検出方法と組み合わせることができるとともに、湿度に対する耐久性を有する。従って当該方法は、各種ソースからのNOの分析全般に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサ内での検出信号を増幅する方法に関する。特に、本発明は、サンプル中の被検出ガスの濃度を高める方法、または化学反応により、サンプル中のガスから直接得られるガスの濃度を高める方法に関する。被検出ガスは、一酸化窒素(NO)である。
【0002】
特に、当該方法は、NOからNO2への選択変換に関し、この方法では、単一の増幅サイクルで、NOトレースガス分析において検体分子数の3倍の増幅が可能となる。得られたNO2のその後の還元または熱分解により、再度NOが得られ、このガスは、新たな増幅サイクルに再度導入され得る。複数(n)の増幅サイクルにより、3nの感度増幅が得られる。この方法は、多数の検出方法と組み合わせることができ、高い湿度に対して耐性を有する。従ってこの方法は、各種ソースからのNOの一般的な分析に使用される。
【背景技術】
【0003】
NOは、無色、無臭の低分子量の気体であり、従来の方法では検出が難しい。医療用試験に関する限り、一酸化窒素は、人の呼吸呼気において最も重要なトレースガスの一つである。呼気試験では、様々な疾病を表す重要な生物マーカの非侵襲的な分析が可能である。従って、この方法は、多くの医療的な用途がある。
【0004】
呼気試験法は、重要な技術領域として、急速に発展している。この種類の評価試験法の一つの利点は、試験が非侵襲的であり、実施が比較的容易であり、分析が低コストなことである。呼気試験法の主な例は、喘息のモニタリング、呼気中のアルコールレベルのモニタリング、胃の障害の検出、急性器官拒絶の検出であり、さらに乳ガンおよび肺ガンの予備スクリーニングとしての簡便な指標としても使用することが可能である。Fruhbergerらの、センサおよびアクチュエータ、B76(2001)、p.226-234、のような、人の呼吸内の一酸化窒素濃度を測定する方法を示した多くの開示がある。特定の場合には、半導電性金属酸化物センサを用いて、一酸化窒素濃度が測定される。
【0005】
Salibaらの、J. Phys. Chem. A2001、105、p.10339-10346には、水の存在下でのホウケイ酸ガラス上での気体NOとHNO3との反応が示されている。これらの研究者は、基材表面で2分子の硝酸と、1分子の一酸化窒素とが反応し、3分子の二酸化窒素と1分子の水とが形成され、基材表面に水分子が残留するという反応の化学量論を確認している。硝酸は、シリカのような各種表面において、容易に吸着されることが知られている。
【0006】
この文献では、気相水蒸気濃度と表面の水分量の間の関係が調査されている。著者らは、硝酸は、乾燥セル内では容易に気相に脱着されるが、水が存在する場合、その大部分は、表面に残留すると結論づけている。彼らは、反応が進むためには、硝酸は、表面にある必要があり、水が存在する必要があると結論づけている。彼らは、硝酸は、表面および水分子に水素結合されており、これは、気相に比べて安定な配置を示していると結論づけている。
【0007】
二酸化窒素は、中間生成物として形成される中間亜硝酸(HONO)に比べて水に溶解しにくく、中間亜硝酸は、表面に残留し、吸着した硝酸とさらに反応するようになり、これにより前述の全体的な化学量論反応が生じる。著者らは、以下の式1に示す全体的な化学量論反応は、反応した一酸化窒素1分子当たり3分子の二酸化窒素の生成に対応し、反応が一酸化窒素に対して1次であることを確認している。
【0008】
【数1】

式1では、各NO分子は、2分子の固定化HNO3と反応することにより、結果的に3分子のNO2が形成され、このNO2が気相として放出される。
【0009】
米国特許第3399965号には、既存の硝酸プラントにおける硝酸の生成方法が示されている。この方法では、ガス中の一酸化窒素が窒素の高次酸化物に酸化されるような条件下で、既存のプラントからの冷却バーナガスの一部を、68乃至70%の硝酸に接触させることにより、公称58%の強さで形成された硝酸が、68乃至70%の硝酸の製造に転用される。反応には、1分子の一酸化窒素が2分子の硝酸と反応して、3分子の二酸化窒素と、1分子の水が生成される反応が含まれる。この方法では、反応は、約60から140゜F(15から60℃)の温度で、約80から150psiの圧力に維持される。
【0010】
米国特許第6284212号には、触媒溶液を用いて硝酸を形成する方法が示されている。この処理方法の全体的な化学量論反応には、4分子の一酸化窒素が3分子の酸素および2分子の水と反応して、4分子の硝酸が生成される反応が含まれることが記載されている。この文献において、この処理の目的は、水溶液からの一酸化窒素ガスの放出を抑制するとともに、不均一なガス相酸化を行わずに、一酸化窒素を窒素の高次酸化物に酸化する手段を提供することである。
【特許文献1】米国特許第6284212号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
先行技術文献には、一酸化窒素量を求めるため呼気サンプルを処理し分析する方法は、示されていない。
【0012】
呼気一酸化窒素を測定する場合の一つの問題は、それが呼気中に、ppbのレベルでしか生じないことであり、このため、重厚で高価な分光機器を用いてしか測定を行うことができないことである。従って、ガスサンプル中の極めて低レベルの一酸化窒素の検出が可能なシステムに対する要望がある。また、比較的容易に作動し、高価ではないシステムに対する要望もある。システムは、サンプル中のトレースガスの分子数を、少なくとも3倍に増幅することができる必要がある。従って、一酸化窒素の分子数を、呼気サンプル中の他の成分の量に比べて増加させることの可能なシステムに対する必要がある。
【0013】
出願人は、一酸化窒素成分の生成物への選択的な化学変化により、呼気サンプル中の一酸化窒素に起因する検出信号を高めることが可能であることを見出した。この生成物は、一酸化窒素から直接形成され、それ自身が従来の技術で容易に検出され、分析され得るものである。本発明は、これらの目的のいくつかまたは全てを満足する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様では、ガスサンプル中の一酸化窒素の濃度を定める方法であって、
a)一酸化窒素を含むガスサンプルを収集するステップと、
b)水の存在下で硝酸が結合された第1の基材に、前記サンプルを暴露して、前記一酸化窒素の酸化により、二酸化窒素を生成するステップと、
c)前記ステップb)で生成した二酸化窒素から、前記ガスサンプル中の前記一酸化窒素の濃度を定めるステップと、
を有する方法が提供される。
【0015】
従って、本発明では、ガスサンプル、例えば呼気サンプル中の一酸化窒素に起因した検出信号を増幅する方法が提供される。既知の体積のガスサンプルは、周囲の圧力および温度条件下で、あるいは圧力および温度の条件が既知の条件下で収集されても良い。サンプルの温度は、いかなる従来の手段で測定されても良い。酸化ステップ後に生成される二酸化窒素の濃度が測定され、この二酸化窒素の測定された濃度は、酸化処理における開始材料として使用される元々の一酸化窒素の3倍である。これは、この方法に使用される反応の化学量論によるものである。
【0016】
あるいは、二酸化窒素は、一酸化窒素に還元されても良く、その後、一酸化窒素の濃度が測定される。一酸化窒素の測定濃度は、この方法に使用される反応の化学量論により、還元処理における開始材料として使用される元々の二酸化窒素の濃度と同等である。
【0017】
さらなる化学的増幅が必要な場合、この方法は、多くの一連の還元および酸化ステップを有し、これらのステップは、初期酸化ステップに引き続き行われ、すなわちこれらの後続の還元および酸化ステップは、前述のステップ(c)で実施される酸化処理に引き続いて行われる。使用される各酸化ステップでは、水の存在下で硝酸が結合した基材に、一酸化窒素をさらすことにより、酸化が行われ、二酸化窒素が生成する。
【0018】
還元剤は、使用される各還元ステップ間で、同一であっても異なっていても良い。各場合において、これは、等しいことが好ましい。
【0019】
還元および酸化ステップは、必要な回数だけ繰り返しても良い。最終ステップは、酸化または還元のいずれであっても良い。最終ステップは、被濃度測定化学種が二酸化窒素であるような、酸化であることが好ましい。
【0020】
好適実施例では、一酸化窒素濃度または二酸化窒素濃度の測定は、非侵襲的であり、これは、いかなる材料も消費されないことを意味する。これは、ガス濃度の分光測定により可能となる。また測定は、従来のガスクロマトグラフィー法で行うことも可能である。従って、最終反応ステップ後に、ガス濃度の最終測定を行うことに加えて、全体の方法において全体的な処理を妨げないようにして、1または2以上の中間ステップ後に、二酸化窒素または一酸化窒素のいずれかの濃度が測定されても良い。
【0021】
ある実施例では、ガスサンプルは、呼吸呼気である
別の実施例では、一酸化窒素または二酸化窒素の濃度は、分光測定法により測定される。
【0022】
ある実施例では、化学スクラブユニットは、酸性または中性コラムであり、サンプルガスは、増幅処理の前に、最初にこの化学スクラブユニットを通過する。スクラブユニットは、酸性イオン交換式コラムであることが好ましい。
【0023】
本発明の別の態様では、後に詳細を示すように、酸化剤(硝酸および水)および還元剤を含む反応チャンバは、別個の容器である必要はなく、単一のチャンバ内で両方の反応を実施することができる。両反応は、同時に有効に行われる。この場合、硝酸および水は、適当な基材上または基材内に固定化され、還元剤も、同じ材料もしくは同等の材料で構成された異なる基材上または基材内に固定化される。2つの基材は、同じ容器内に存在し、この容器は、反応チャンバである。両基材は、十分に混合され、または別個の層が形成されるように、あるいは他の同様の配置となるように混合されても良い。コラムは、複合コラムであっても良く、この場合、これは、単一の反応ゾーンで生じる酸化と還元の両方の反応に必要な全ての材料を含む。この場合、さらに別の実施例では、複合コラムは、ガス検出の前の、後続の別個の酸化または還元ステップと組み合わされても良く、これは、被分析ガスに依存する(NO2の酸化、検出、NOの還元、検出)。
【0024】
呼気呼吸サンプル中の一酸化窒素に起因する検出信号は、サンプル中の一酸化窒素から始まる1または2以上のステップにおいて、一酸化窒素成分の、化学変化によって直接形成される生成物への選択的な化学変化により増大される。元々の一酸化窒素から形成される生成物それ自身は、従来の技術を用いて、容易に検出され分析することができる。そのような生成物の一例は、二酸化窒素であり、これは、元の一酸化窒素の3倍に相当する量で生成される。この反応の化学量論は、1モルの一酸化窒素から3モルの二酸化窒素が形成されることを表す。その後、濃度の測定は、二酸化窒素自身に対して実施されても良い。従って、原理的に、検出可能な分子の全濃度が、3倍だけ選択的に増大するが、この第1の例では、被検出化学種は、NOではなくNO2となる。必要なケースでの、NO2のNOへの再還元については、後述する。
【0025】
また出願人は、第1の増幅ステップの生成物自身、例えば二酸化窒素を反応させて、同様に、従来の技術により容易に検出し分析することが可能な別の生成物を形成することが可能であることを見出した。すなわち、出願人は、第1の増幅ステップで生じた二酸化窒素が反応して、一酸化窒素が形成されることを見出した。
【0026】
一酸化窒素は、第1の増幅ステップで生じた二酸化窒素量に正確に相当する量で再形成される。この反応の化学量論は、1モルの二酸化窒素から、1モルの一酸化窒素が形成されることを表している。従って、必要な場合この段階で、形成された一酸化窒素の量を測定することができる。
【0027】
しかしながら、一酸化窒素は、第2の増幅ステップでさらに反応され、さらに別の生成物が形成されることがより好ましい。この生成物も同様に、従来の技術を用いて、容易に検出し分析することができる。このさらに別の生成物は、二酸化窒素であることが好ましい。この場合、第1の増幅ステップで形成される二酸化窒素濃度に比べて、または第1の増幅ステップの後に再形成される一酸化窒素に比べて、得られる濃度がさらに3倍増大する。その後、二酸化窒素の濃度が測定される。2つの増幅ステップの後の正味の効果は、所望の化学種の量、または1もしくは2以上の化学変化ステップにより、それから直接得られる化学種の量において、9倍の増幅(すなわち32)となる。同様に、この段階で形成される二酸化窒素をさらに反応させて、一酸化窒素を形成することも可能である。
【0028】
以下に、方式1として、この処理をまとめて示す。
【0029】
【数2】

再還元NOは、その後、別の増幅サイクルに逆供給される(式2.n)。原理上、nサイクル後には、システムに供給される各NO分子に対して、3nのNO分子が得られ、これは、3nの感度の向上に相当する(式3:例えば4サイクルでは、既に80倍の感度改善が可能である。)。従って、4乃至5サイクルにより、数10ppb程度の通常の呼吸濃度から、容易な検出が可能なppm範囲までの増幅が可能となる。増幅は、信頼性のある状態で繰り返し行うことができる。当該方法は、幅広く適用することができる。この方法は、NOおよびNO2の分析を基本とするNO検出方法と組み合わせることができるためである。
【0030】
また、本発明は、ガスサンプル中の一酸化窒素の濃度を測定する機器に関する。
【0031】
本発明の別の態様では、ガスサンプル中の一酸化窒素の濃度を測定する機器であって、
当該機器は、流体連通するように配置された以下の部材:
一酸化窒素を含むガスサンプルを収集する第1の容器と、
第1の基材を有し、前記第1の容器と流体連通された第1の反応チャンバであって、前記第1の基材の表面は、硝酸のソースと水を提供することができ、前記第1の基材に対する前記サンプルの暴露の後、二酸化窒素の生成が可能である、第1の反応チャンバと、
前記二酸化窒素から、前記一酸化窒素の濃度を定める手段と、
を有する機器が提供される。
【0032】
ある実施例では、還元反応において、第1の気体生成物が反応し、第2の気体生成物が生成されても良い。これは、還元剤を含む第2の反応チャンバ内で生じる。還元剤は、基材上に保持されていても良く、あるいはチャンバ内にそのまま存在しても良い。
【0033】
第2のチャンバは、第1のチャンバと流体連通されている。第1のチャンバ内で生じた二酸化窒素は、第2のチャンバに供給され、一酸化窒素に還元される。ある実施例では、第2のチャンバは、そこで生成された気体の濃度を測定する手段と流体連通される。その後、第2のチャンバと流体連通された測定手段を用いて、一酸化窒素の濃度が測定される。これは、分光測定器または従来のガスクロマトグラフィー機器であることが好ましい。あるいは、電界効果トランジスタを基本とする検出器(有機または無機FETのいずれか)を用いて、気体の濃度を測定しても良い。
【0034】
還元ステップで生じた一酸化窒素が、別の反応ステップにおいてさらに増幅される場合、その後第2のチャンバは、表面に硝酸と水が保持された基材を含む別のチャンバと流体連通される。これは、第3の反応チャンバであっても良い。ある実施例では、この別のチャンバは、第1のチャンバであっても良い。この実施例では、好適な配管、および必要な流量バルブ等により、第1の反応チャンバとの戻りの流体連通が提供され、酸化ステップが繰り返される。得られる二酸化窒素の濃度は、この時点で測定されても良い。ある実施例では、いずれの場合も、第2のチャンバに流体連通された測定手段が存在する場合、さらなる反応サイクルが完了する代わりに、一酸化窒素が進入することを抑制するため、バルブまたは他の制御手段が設けられる。
【0035】
これに代えてまたはこれに加えて、さらに別の反応チャンバで生じた得られた二酸化窒素は、還元剤を含む別のチャンバに供給され、一酸化窒素に還元されても良い。これは、第4の反応チャンバであっても良い。ある実施例では、第4の(別の)チャンバは、第2のチャンバであっても良い。この実施例では、好適な配管およびいかなる必要な流量バルブ等により、第2の反応チャンバとの流体連通が提供され、このチャンバで還元ステップが繰り返される。得られた一酸化窒素の濃度は、この時点で測定されても良い。
【0036】
従って、当該機器は、それぞれ、第1および第2のチャンバを用いて、各種酸化および還元のサイクルが実施されるループ形態であっても良いことは明らかである。従って、この実施例では、機器は、さらなる反応の原料として、第1のチャンバに一酸化窒素を再導入する手段を含む。従って、ある実施例では、第2の反応チャンバは、反応のため、一酸化窒素を第1のチャンバ、またはさらに別の(第3の)チャンバに搬送する手段を含む。
【0037】
本発明のある実施例では、第1および第2の反応チャンバにおいて、個々の仕切りは不要である。例えば、硝酸(水の存在下)は、例えば(開口した、または多孔質な)粒子群のような、適当な基材上にまたは基材内に固定化することができ、同様に還元剤は、同様のもしくは同じ(開口した)粒子群の形態の、異なる基材上または基材内に固定化される。その後、これらの粒子は、層として積層された配置、または部分的にもしくは完全に混合された配置で、単一のコラムに充填される(図3および該当する以下の記載参照)。コラムは、複合コラムであっても良く、この場合、これは、単一の反応ゾーンで生じる酸化および還元の両反応に必要な、全ての材料を含む。この場合、もはや個々の増幅ステップを区別することはできない。ガスサンプルは、そのような複合コラムを通過し、NOおよびNO2の濃度は、両方の反応の進行に必要な量に関して、コラムに十分に充填された試薬に応じて、常時、連続的に増大する。
【0038】
この実施例の状況は、クロマトグラフィー(またはコラム蒸留)において認められる状況と同様であり、静止と移動のフェーズの間で、理論的に多くの一連の分布ステップが生じる。しかしながら、実際には、これらのステップは、コラムのある部分には寄与しない。従って、クロマトグラフィ(またコラム蒸留)では、「多数の理論的な板」が使用され、これは、分離の結果に基づいて、生じた平均的な数の理論分布ステップを表す。同様に、そのようなコラムの場合、理論的な増幅サイクル数は、そのようなコラムを通過する前後のNO/NO2濃度を測定することにより定められる。本発明の分析技術の場合、この方法では、既知の濃度の混合ガスを用いた初期較正が必要である。酸化および還元は、コラムで同時に生じるため、排出混合ガスは、NOおよびNO2を含む。従って、別の実施例では、複合コラムは、ガス検出の前に、被分析ガスに応じて、純粋な酸化コラムまたは還元コラムと組み合わされる(NO2の酸化、検出、NOの還元、検出)。
【0039】
この複合配置において予想される一つの潜在的な問題は、酸化剤(HNO3)および還元剤の交差反応によるものである。これらは、相互に接近しているためである。実際に、個々の粒子が、相互に接触する場合がある。従って、これらの直接反応により、試薬に、ある程度の損失が生じることが予想される。しかしながら、これは、主に、そのようなコラムの充填時の問題である。コラムに平衡が生じ、気体反応生成物が除去された後には、顕著な影響は生じない。さらに別の実施例では、この問題は、コラムの充填/パッキングの間、好ましくはその内表面に活性剤を担持した、開口粒子または多孔質粒子を使用することにより、回避することができる。この場合、化合物は、相互に接触せず、交差反応が回避される。
【0040】
ある実施例では、第1のチャンバは、コラムである。別の実施例では、第2のチャンバは、コラムである。いずれの場合も、好適なコラムには、ガスクロマトグラフィーにおいて使用されるものが含まれる。コラムは、ステンレス鋼で構成されても良い。
【0041】
ある実施例では、機器は、ガススクラブユニットを有する。これは、適当な配管および必要な場合流量制御バルブを介して、第1のチャンバに接続される。
【0042】
あるチャンバでの反応生成物を、別のチャンバに原料として再導入する際に、各種手段を使用することができることは明らかである。これは、例えば、ガスクロマトグラフィー等において、従来から使用されているような、ステンレス鋼配管の形態であっても良い。流路には、バルブおよび分岐器が含まれても良く、この場合、いかなる再循環ガスも、第1の容器に確実に導入することができ、これらがシステムから逸失することはない。再循環ガスは、第1の容器に入る前に、スクラブユニットを通過しても通過しなくても良い。
【0043】
機器は、携帯式で、使用の際に高い柔軟度を有する。ある実施例では、反応ゾーンは、反応ゾーンを含む機器の寸法が、0.5×0.5×0.5m3を超えないように配置されることが好ましい。この寸法は、0.3×0.3×0.3m3を超えないことがより好ましい。この寸法は、0.15×0.15×0.15m3を超えないことが、さらに好ましい。この機器に包囲される必要のある基本部材には、人の呼気を収集する手段であることが好ましい、ガス注入手段と、増幅を行う反応ゾーンと、検出器および必要な場合、検出システムに対する出口と、が含まれる。検出システムは、必要な場合、分離ユニットであっても良く、これは、増幅ユニットと容易に組み合わせることができる。増幅ユニットは、多くの異なる検出システムと組み合わされることが好ましく、NOまたはNO2のいずれかを検出する検出システムに対して、容易に調整することができる(例えば単一のスイッチを用いて)。電界効果トランジスタをベースとする検出器は、この目的に極めて適している。
【0044】
ある実施例では、増幅システムは、使い捨て式であり、すなわち、単一使用式のものである。これにより、測定に高い再現性が得られる。これは、ガスサンプルの入口と、検出システムへの接続用の出口とを有するブラックボックスとして使用しても良い。これは、検出システムに装着されるカートリッジであっても良い。またこれは、再利用可能であっても良い。この場合、このシステムには、再発生ユニットが設置され、このユニットは、HNO3、水および還元剤のリザーバを提供し、酸化コラムおよび還元コラムに、それぞれの化学種を再充填することが可能となる。また、再発生ユニットは、処理制御システムを提供し、再発生処理が制御される。
【0045】
(適当な検出システムと組み合わされた)増幅システムは、内部較正システムを備えても良く、この内部較正システムは、1または2以上のNOのソースのリザーバ(例えば、NO濃度の異なる混合ガス)と、リザーバからNOの制御された放出を行い、較正混合ガス中のNO濃度を、補正された検出信号と関連付ける制御システムと、を有する。
【0046】
コラムは、0.1乃至10mmの内径を有することが好ましく、1乃至5mmの内径を有することがより好ましい。使用されるコラムの全長は、その径に依存する。クロマトグラフィー型のコラムのような極めて薄いコラムでは、有効全長は、最大10m以上であり、厚いコラムは、これに比べて有意に短い。
【0047】
呼気呼吸は、複雑な混合物であり、数百もの多くの異なる成分を異なる濃度で含む。NOの最も一般的な物理的検出法は、赤外領域での電磁吸収スペクトルによるものである。NO2の場合、最も一般的な技術は、電磁スペクトルの可視範囲での分光法である。通常、これは、サンプル中の他の成分の吸収によって、妨害され、遅延される。他の成分が、異なる波長で最大吸収バンドを示す場合であっても、これらの成分が、NOまたはNO2に対して十分に高い濃度で存在する場合、しばしば、関心領域に大きな吸収が生じる。
【0048】
好ましくない吸収が生じる分子の例は、水または二酸化炭素である。同様の問題は、他の検出方法においても等しく生じる(例えば電界効果トランジスタ変調による検出)。しかしながら、本発明では、他の成分に比べてターゲット種の相対濃度を高くすることにより、この問題が処理され、他の成分からの干渉による、いかなる好ましくない吸収も軽減することができる。
【0049】
従って、検出方法の質およびその感度は、検体/「不純物」濃度比を高めることにより改善される。本発明の方法では、検体、すなわちNOまたはNO2の濃度が選択的に高められ、他の濃度は変化しない。
【0050】
またある実施例では、検体、すなわちNOまたはNO2の濃度を変化させずに、干渉成分を選択的に除去するシステムを用いることにより、妨害成分の濃度を低下させることができる。これは、例えば、分析前に検体を選択的に蓄積する選択吸着システムにより、行われる。
【0051】
前述の式1によるNOのNO2への変換は、NOにおいて1次のオーダの反応であり、これは、比較的容易に制御することができる。反応は、表面触媒反応であり、ホウケイ酸ガラスの表面で進行することが示されている。このガラスは、市販されている標準的なガラス種である。反応は、反応系の表面に、同時に存在するHNO3および水に依存する。
【0052】
本発明の方法に使用される反応は、不均一反応であり、ガス相からのNOが、基材でNO2に変換され、その後結果的に、再度気相に放出される。従ってこの方法では、ターゲット種は、気相状態であり、従来の技術で容易に測定することができるため、気相分析用の既存のセンサシステムに対して、追加の制限が不要である。また、この方法は、それが100%までの相対湿度に対して耐久性を示す点で有意である。
【0053】
出力感度のゲインは、NOおよびNO2の検出感度が同等であると仮定した場合、3倍である。実際には、NOおよびNO2の検出方法は、大きく異なり、使用される検出方法に依存するため、感度ゲインは増減する。例えば、電磁スペクトルのIR領域では、気体NOの直接分光検出が最も選択的であるのに対して、NO2は、このラジカル種が茶色っぽい外観のため、スペクトルの可視領域で、選択的に(およびより経済的に)検出することができる。
【0054】
本発明の増幅方法は、各種最終検出方法と組み合わせることができる。適当な検出方法の一例は、多くの特許文献および非特許文献に示されており、従って、ここではこれ以上説明しない。
【0055】
人の呼気中の一酸化窒素濃度を測定する既知の一つの方法は、三酸化タングステン薄膜化学抵抗性センサ素子のような、半導電性金属酸化物センサに基づくものである。センサ素子は、二酸化窒素(NO2)に対して高感度である。NOのモニタリングは、過マンガン酸カリウム(KMnO4)支持アルミナのような酸化剤を用いた、呼気サンプル中のNO成分のNO2への酸化を介して行われる。そのようなセンサは、本発明の方法で生じたNO2の濃度測定に、容易に使用することができる。
【0056】
電界効果トランジスタの使用に関する、出願人の同時係属出願において、出願人は、ppbの濃度において、従来タイプの重厚なトレースガス分析機器を必要とせずに、一酸化窒素を測定する方法を示している。そのような検出器は、本発明の増幅方法により生じた、一酸化窒素の濃度測定に適している。測定は、ガスサンプル中の一酸化窒素と選択的に反応して、ガスサンプル中に存在する一酸化窒素の濃度を測定するように適合された、有機電界効果トランジスタを用いて、信頼性および再現性のある方法で行われる。
【0057】
電界効果トランジスタは、多層化ヘテロ構造であり、この構造は、無機半導体基材と、基材層を被覆する絶縁層と、ソースおよびドレイン電極と、絶縁層の上部に設置されたアリールアミン半導体層とを有し、この半導体層により、ソースおよびドレイン電極の間に、少なくとも連続層が提供される。無機半導体層に、既知の電位差が印加され、有機半導体層は、ガスサンプルに曝される。次に、ソースおよびドレイン電極の特性が測定される。この方法は、異なる測定により評価されており、閾値電圧応答、または一酸化窒素濃度と相関する、所与のゲートバイアス(電圧)でのドレイン電流の変化の測定により評価されている。
【0058】
このゲートバイアスは、無機半導体層に印加される電位差である。検出器は、一酸化窒素のない状態、および一酸化窒素濃度の各種レベルで、適正な閾値電圧、または所与のゲートバイアスでのドレイン電流を定めるように較正される。検出器は、多くの異なるゲートバイアス値を用いて較正されても良く、異なる既知の一酸化窒素濃度レベルで、各バイアス値に対して、ソースおよび/またはドレインの特性の範囲が測定される。この方法では、較正は、バイアス値および濃度の範囲に対して行われ、これにより、検出器出力の精度が改善される。
【0059】
本発明の方法では、検体濃度のさらなる増幅のため、以下のように、組み合わされた複数の増幅ステップを使用することが可能である。
【0060】
しかしながら、サイクリックな増幅処理には、新たなサイクルが開始する前に、NO2からNOへの、高温での還元または分解が必要である。NO2は、強酸化体であるため、多くの還元剤を使用して、この還元反応を行う必要がある。熱分解反応の化学量論は、式4で表される:
【0061】
【数3】

還元反応は、極めて選択的である。例えば芳香族アルコールは、対応するアルデヒドまで選択的に還元される(式5):
【0062】
【数4】

この反応は、交通規制の際に使用されるアルコール呼気分析から、良く知られている。他の有効な還元剤は、2基置換の硫化物、またはトリアルキルもしくはトリアリルホスフィンであり、これらは、対応するスルホキシドに選択的に還元される(式6):
【0063】
【数5】

または、ホスフィン酸に還元される(式7):
【0064】
【数6】

呼気の分析への増幅システムの適用は、硝酸との反応の際に窒素酸化物のソースとなり得る、他の窒素化合物の存在により、または通常の酸化可能な化合物により制限される。最も重要な化合物は、アンモニアであり、これは、存在するHNO3と激しく反応して、硝酸アンモニウムを生成し、さらにこの硝酸アンモニウムは、N2O3、NO2、またはNOのような窒素酸化物に分解し、または窒素酸化物にまで反応される。その結果、著しく多いNO量では、検出が難しくなる恐れがある。
【0065】
従って、塩基性の窒素ガスは、増幅前に、混合分析ガスから除去する必要がある。これは、最も容易には、混合ガスを適当な化学スクラブユニットに通過させ、いくつかのまたは全ての好ましくない成分を除去することにより、行うことができる。これは、例えば、酸性または中性のコラムであり、最初に、増幅処理の前に、サンプルガスは、このコラムを通過する。スクラブユニットは、全ての塩基性成分を吸収することができるほど、十分な容量を有する必要がある。そのようなコラムの一例は、酸性イオン交換式コラムである(これらは、シリカのような、官能化されたスルホン酸の担持材料、または他の等価な配置をベースとする)。ただし、未改質シリカは、強塩基性アンモニアの完全な除去に、既に十分に有効である場合がある。さらに、慎重なブランク測定および制御測定により、いかなる副反応の制御およびモニタリングも得ることができる。
【0066】
NO検出用の増幅システムは、各種コラム構成で実現することができる。重要な特徴は、例えば水素結合により、硝酸および水のそれぞれと結合することの可能な基材として、化学的に中性のまたは弱酸性の材料を用いることである。基材材料は、少なくとも弱親水性である必要がある。理想的な材料は、ホウケイ酸ガラスまたはシリカである。親水性の高分子もしくは表面親水化高分子、または化学的な変化を生じさせず、水分子と硝酸分子の可逆結合に適した表面官能基を有する高分子、が使用されても良い。α-Al2O3、TiO2、γ-Fe2O3、CaOおよびMgOのようないくつかの他の材料を用いても良いが、これらの材料は、HNO3と金属酸化物との化学反応による硝酸の吸着の問題が生じ得るため、慎重に使用する必要がある。
【0067】
基材は、緩やかな粒子の塊状の形態であることが好ましく、好ましくはサブmmサイズの小粒径の粒子を含む。より好ましい粒子サイズは、1乃至1000μmであり、さらに好ましい粒子サイズは、20乃至200μmである。これは、表面対体積比が高くなり、結果的に比較的大きな活性表面積が得られるため、有意である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下、図面を参照して、本発明を説明する。
【0069】
図1(a)には、市販の薄いガスキャピラリをベースとした、例えばガスクロマトグラフィー分析システムにおいて使用されるようなコラム1を示す。そのようなコラムは、高温引抜法により、標準的なホウケイ酸ガラスキャピラリから、容易に製造することができる。これらでは、大きな内表面が提供され、コラムを介してHNO3を通すことにより、この内表面に、硝酸を容易に設置することができる(あるいは、NO2またはN2O5+H2O+O2)。乾燥HNO3ガスを使用することは、有意である。内表面は、十分な親水性となるように化学的に処理されても良く、これにより静止相の効果的な結合が可能となる。
【0070】
図1(b)には、基材3が充填された、全長が短く幅広のコラム2を示す。例えば、この基材は、各種形状のガラス球であっても良く、不均一反応のための十分に大きな表面積が提供される。ガラス球は、例えば濃縮硝酸溶液を用いて、または気相を介して充填されても良い。
【0071】
図1(c)には、図1(b)に示したコラムと同様のコラム4を示すが、この場合、コラムは、より小さな粒子サイズの基材5で充填されている。適当な基材には、シリカが含まれる(例えば、数μmの直径のシリカゲル微小球)。小さな粒子サイズにより、図1(b)の場合に比べて、単位コラム体積当たりの高い表面密度が得られる。HNO3による充填は、気相を介して、または溶液による暴露を介して行われる。同様のタイプのコラムは、還元反応ステップにも使用することができ、この中でNO2は、NOに還元される。これらは、不活性担持材料で充填されても良く、その表面は、還元剤の薄膜で改質されている。(図1a乃至1cのコラム内のサポートに保持される)。あるいは、ガスの流通に対して、コラムが十分に開いている(多孔質な)場合、これらは、そのままの状態の還元剤で充填されても良い。
【0072】
図2には、本発明の第1の態様による処理の概略図を示す。この場合、循環処理において、多くの酸化および還元ステップが、連続的に実施される。一酸化窒素を含む既知の体積のガスサンプル6が収集され、温度および圧力が記録される。サンプルは、適当な配管8により、任意に設置されたスクラバー7に供給される。スクラバー7は、必要な際に設置される、適当な配管10および任意に設置されたバルブ11により、反応チャンバ9と流体連通される。反応チャンバ9は、基材12を収容しており、この基材は、硝酸のソースおよび水を提供することができる。化学反応により生成された二酸化窒素は、チャンバ9から、適当な配管13を介して、第2の反応チャンバ14(存在する場合)または検出器15のいずれかに供給される。バルブ16(必要な場合、設けられる)は、チャンバ9からの流量を制御する。二酸化窒素が第2の反応チャンバ14に供給されると、このガスは、還元剤17と反応する。還元剤は、基材上に支持されていても、されていなくても良い。次に、この反応により生成した一酸化窒素は、適当な配管18を介して、検出器19、またはさらなる反応のため、第1の反応チャンバ9のいずれかに供給される。カウンタ20および21は、材料がそれぞれチャンバ9および14を通過した時間数を記録し、これにより、ガス濃度の測定値に基づいて、一酸化窒素の初期濃度の計算が可能となる。サイクルは、生じた気体生成物の検出の前に、必要な場合、何回繰り返されても良く、酸化ステップまたは還元ステップのいずれかに続いて、検出が行われる。
【0073】
図3には、本発明の第2の態様によるコラムを示す。この場合、コラム22は、第1の基材23と、第2の基材24とを有し、これらの基材は、層状に配置され(図3a、3bおよび3d)、あるいは十分に混合される(図3c)。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】コラム構造の3つの例を示す図である。
【図2】本発明の第1の態様による処理の概略的な図である。
【図3】本発明の第2の態様によるコラムを示す図である。
【図1a】

【図1b】

【図1c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスサンプル中の一酸化窒素の濃度を定める方法であって、
a)一酸化窒素を含むガスサンプルを収集するステップと、
b)水の存在下で硝酸が結合された第1の基材に、前記サンプルを暴露して、前記一酸化窒素との反応により、二酸化窒素を生成するステップと、
c)前記ステップb)で生成した二酸化窒素から、前記ガスサンプル中の前記一酸化窒素の濃度を定めるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
さらに、
d)還元剤に関連する第2の基材に前記二酸化窒素を暴露して、存在する二酸化窒素から、増幅された一酸化窒素を生成するステップと、
e)前記増幅された一酸化窒素から、前記ガスサンプル中の一酸化窒素の濃度を定めるステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
前記ガスサンプルに対して、1または2以上の一連の暴露ステップb)およびd)を実施して、増幅された一酸化窒素を得るステップと、その後、
暴露ステップd)の実施後に、前記実施ステップが停止された場合、得られた増幅された一酸化窒素の濃度を測定し、暴露ステップb)の実施後に、前記実施ステップが停止された場合は、前記得られた二酸化窒素の濃度を測定するステップと、
を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2の基材は、同じ材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記一酸化窒素の濃度は、分光測定またはガスクロマトグラフィー技術により定められることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、ステップa)とb)の間に、
少なくとも一つの化学スクラブユニットに、前記サンプルを通過させるステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記化学スクラブユニットは、酸性または中性のコラムであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ガスサンプル中の一酸化窒素の濃度を測定する機器であって、
当該機器は、流体連通するように配置された以下の部材:
一酸化窒素を含むガスサンプルを収集する第1の容器と、
第1の基材を有し、前記第1の容器と流体連通された第1の反応チャンバであって、前記第1の基材の表面は、硝酸のソースと水を提供することができ、前記第1の基材に対する前記サンプルの暴露の後、二酸化窒素の生成が可能である、第1の反応チャンバと、
前記二酸化窒素から、前記一酸化窒素の濃度を定める手段と、
を有する機器。
【請求項9】
さらに、
前記第1の反応チャンバと流体連通され、第2の基材を収容する第2の反応チャンバであって、前記第2の基材の表面は、還元剤を有し、該還元剤は、前記二酸化窒素が接触した際に、増幅された一酸化窒素を生成する、反応チャンバを有し、
前記定める手段は、さらに、前記増幅された一酸化窒素から、前記一酸化窒素濃度を定めることを特徴とする請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記第1および第2の基材は、十分に混合されていることを特徴とする請求項8に記載の機器。
【請求項11】
前記第1および第2の基材は、前記第1の反応チャンバ内に、分離した層として存在することを特徴とする請求項8に記載の機器。

【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【公表番号】特表2009−507241(P2009−507241A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529741(P2008−529741)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053095
【国際公開番号】WO2007/029164
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】