説明

万引き防止装置用感知器

【課題】
一見すると単純な糸状、紐状又は帯状の物品をループとしたものであって、実際には電波式万引き防止装置用の万引き防止装置用感知器に利用可能な導電性を有したループとなせる物品を提供する。
【解決手段】
電波式万引き防止装置用感知器であって、この感知器は、アンテナ部と、コネクタ部と、よりなり、前記アンテナ部は、導電性を有する導電糸と、絶縁性を有する絶縁糸と、又は前記導電糸に対し絶縁処理してなる絶縁処理済導電糸と、のいずれか複数を用いてなるものであり、前記コネクタ部を結合することで、前記アンテナ部を構成する全ての導電糸が連なって一本の単一ループとなること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人が出入りをする場所に設置する、例えばゲート状の検知器と、個々の物品に附する、例えば紐や糸をループ(輪)にした感知器とよりなる、電波を用いた万引き防止装置において用いられる感知器に関するものであり、より具体的には例えば電波式万引き防止装置を構成するための感知器として用いることのできる導電性を有するループ状の感知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より小売業界では、営業時間中の商店や小売店等において、販売のために展示や陳列してある商品やそのための備品などを、購買客を装って売主に無断で持ち去り窃取しようとする、いわゆる万引きが常々問題となっている。
【0003】
その対策として、売主は売り場に監視カメラを設けて異常がないかを定期的に監視したり、専門の監視員を雇って万引きが行われていないか常時監視する、といった対応をとることがある。しかしこれらの方法であると、監視カメラでは死角になる場所があり、また継続的に監視しなければ異常が発生した時を見逃してしまう、監視員に監視させようにも監視員の死角で万引きが行われる、監視員のための人件費が必要となる、といった問題が発生してしまうため、必ずしも効果的な方法であるとは言い切れず、これだけに頼るのでは限界がある。
【0004】
そこで、人の目によるだけでは商品等の万引きを防ぎきれないのであれば機械的に監視をすれば良い、という発想のもとに、万引き防止装置を設置することが行われている。
【0005】
この万引き防止装置の方式につき簡単に説明すると、特に電子機器やソフトウェアなど高額商品の場合、磁性体(磁気式又はEMとも称す方式に用いる。)やICチップ(電波式又はRFとも称す方式に用いる。)を利用した商品タグや小型のブザー等を商品に貼付若しくは装着し、店舗入り口に設置された検知器で検出すると言う方式であり、これが一般的でもある。この方式ではコストはかかるものの、個々の商品に対し直接防犯対策を施せることから、各種量販店やレンタルビデオ店などでも普及している。
【0006】
磁気式の場合においては、商品タグ等に金属箔等を貼着することによって磁性を付与しておき、一方検知器では透磁率の変化を検知するようにしてあるので、商品を不法に持ち出そうとしても商品タグ等の磁性をキャンセル処理していないため、検知器を通過する時に透磁率の変化を検知器が検出し、その結果不法通過を防止できるようになっている。
【0007】
電波式の場合においては、商品タグ等に導電性を備えた回路(アンテナ)を作り込んでおき、一方検知器ではラジオ波を発信すると共に、共振による発信波形の変化を検知するようにしてあるので、商品を不法に持ち出そうとしても商品タグ等の導電性をキャンセル処理していないため、検知器を通過する時に電磁波の波形変化を検知器が検出し、その結果不法通過を防止できるようになっている。
【0008】
この方式において用いられる検知器は出口に設けられるゲート式のものが殆どであり、いわば検知器の中を通って出入りできるようになっている。一方、この方式において用いられる商品タグ等に関しては種々のものが提案されているが、いずれにせよ一次元状又は二次元状であって、必ず商品等に直接附する必要がある。そして例えば特許文献1に記載の発明では、一次元状と言える糸状の磁性体を用いてループを形成しこれを商品につける、というものが提案されている。また特許文献2に記載の発明では、二次元状と言える平面状であることを利用してこれを商品タグとして用いることが可能なものが提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−149073号公報
【特許文献2】特開2004−227508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この特許文献1にて開示された発明は、要すれば糸状の磁性体を用意し、その両端を結合させてループ状とすることを可能としているものであり、このような形状のものであれば商品に容易にかかることができるので好ましく、また物品の外観を損ねることもないのでやはり好適であると言える。しかしこの発明による取り付け具を万引き防止装置に用いるのであれば磁気式のものでなければ適用できず、問題であった。つまり、昨今の状況にあっては単純な磁気式のものでは万引き防止装置を突破されることもあり、また数多い商品をそれぞれ独立して個別に監視、管理するには磁気式では充分に対応できない、という場合も生じているので、電波式に対応できるものであることが望まれるようになってきているが、この特許文献1による取り付け具では電波式のものでは適用できない、という問題が生じているのである。
【0011】
そこで特許文献2では、磁気式にも電波式にも対応すべく、平面状(タグ状)としたものが提案されている。この特許文献2にかかる発明であれば、軟磁性体を用いるので磁気式に対応可能であり、また平面状のループアンテナを用いるので電波式であっても対応可能である。
【0012】
しかしこの特許文献2であれば必ず平面を有するタグ状でなければ実施できない、という問題点があった。つまり、ループアンテナとして必要な長さを確保しつつ、かつ確実に動作するものを考えた場合、数センチ四方の平面内にアンテナ回路を設けるしか手段が存在していなかったのである。そして平面上でなければならないため、それは即ち特許文献1のような紐状とすることができないことを意味した。そしてこれを適用できる商品には限りがあった。つまり、特にかかる万引き防止が望まれている宝石・貴金属装飾品などであればこのような平面タグを直接貼付することはできず、よって紐でタグを結びつけるしかないのであるが、例えば直径が2cmもない高級な指輪に対し、3cm四方のタグを、紐を用いて結びつける、となると非常に見栄えが悪いので商売上問題があり、その結果これでは実用に供せず、またこのタグではある程度の大きさが必要なため、これを服飾などに用いてもタグが商品陳列状目障りになることもあり得るので、やはり必ずしも好ましいものとは言えない。
【0013】
かかる状況より、殆ど目立たず、商品陳列の邪魔にもならない、万引き防止装置に用いる具材としては糸状、紐状又は帯状のものを用いてなることが望ましいと言えるが、現在のところ糸状、紐状又は帯状のものを用いた具材であって電波式の万引き防止装置に有効に利用できると思われるものは存在していなかった。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、一見すると単純な糸状、紐状又は帯状の物品をループとしたものであって、実際には電波式万引き防止装置用の万引き防止装置用感知器に利用可能な導電性を有したループとなせる物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上の課題を解決するために、本願発明の請求項1にかかる発明は、人が出入りをする場所に設置する検知器と個々の物品に附する感知器とよりなる、電波を用いた万引き防止装置において用いられる感知器であって、前記感知器は、アンテナ部と、コネクタ部と、よりなり、前記アンテナ部は、導電性を有する導電糸と、絶縁性を有する絶縁糸と、又は前記導電糸に対し絶縁処理してなる絶縁処理済導電糸と、のいずれか複数を用いてなるものであって、前記導電糸が、金属線、金属箔をマイクロスリットしてなるマイクロスリット糸、基材の表面に少なくとも導電性物質を積層してなる導電性積層体をマイクロスリットしてなるマイクロスリット糸、又は合成繊維に湿式メッキを施してなる糸、のいずれか若しくはそれらを撚糸したものであること、又はこれらのいずれか若しくは複数を、他の糸と撚糸したものであり、また前記アンテナ部において用いられる前記導電糸の数NがN≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、前記絶縁糸が、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、又は合成繊維、のいずれか若しくは複数による糸であり、また前記アンテナ部において用いられる前記絶縁糸の数MがM≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、前記絶縁処理済導電糸が、前記導電糸と前記絶縁糸とを撚り合わせてなる撚り糸である、又は前記導電糸に対し絶縁性物質を被覆してなるものであり、また前記アンテナ部において用いられる前記絶縁処理済導電糸の数PがP≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、前記コネクタ部は、前記アンテナ部の両端に備えられてなり、また前記アンテナ部両端のそれぞれのコネクタ部が一組の対となって結合可能であり、前記コネクタ部を結合することで、前記アンテナ部を構成する全ての導電糸が連なって一本の単一ループとなること、を特徴とする。
【0016】
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の万引き防止装置用感知器であって、前記コネクタ部にチップコンデンサが備えられており、かつ前記コネクタ部を結合することで、前記ループが前記チップコンデンサに結合された状態となること、を特徴とする。
【0017】
本願発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の万引き防止装置用感知器であって、前記アンテナ部が、前記導電糸、前記絶縁糸、及び前記絶縁処理済導電糸のいずれか複数を用いてなる糸、紐、導線、又は帯、のいずれかの形状であること、を特徴とする。
【0018】
本願発明の請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の万引き防止装置用感知器であって、前記アンテナ部が、前記導電糸、前記絶縁糸、及び前記絶縁処理済導電糸のいずれか複数を用いて、織機にて織ること、編機にて編むこと、撚り糸機にて撚り糸とすること、製紐機にて紐とすること、のいずれか若しくは複数により得られること、を特徴とする。
【0019】
本願発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の万引き防止装置用感知器であって、前記コネクタ部が、いったん結合された後は、専用の結合解除機を用いない限り決して前記結合が解除できない構成を有してなること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本願発明にかかる万引き防止装置用感知器であれば、一次元の状態であるアンテナ部と、その両端にコネクタ部とを有してなる構成としたので、例えば一本の糸状、紐状、又は帯状の両端のコネクタ部を結合させてループにするだけであるので、簡単に商品に取り付けることができ、またかようにして簡単に商品に取り付けるだけで簡単に電波式万引き防止装置用感知器とすることができ、またこれを万引き防止のために個々の商品に附しても、一本の紐をループ状にしたものを附するだけなので、商品の外観、意匠、等を何ら妨げることがなく好適であると言える。また基本的に糸を織編する、又は撚り合わせるだけで得られる素材を用いるので、独特の意匠を得ることも容易に可能であり、単なる無機質な糸、紐又は帯のループとはしないことも容易に可能であり、独自性を呈することも可能である。
【0021】
そして一本のループとなるようにアンテナ部の両端のコネクタ部を結合させるだけであるので、アンテナ部を工夫するだけで、アンテナ部を構成する糸、紐又は帯そのものの長さがさほど長くなくとも任意の長さの共振回路を作ることが容易に可能であり、またアンテナ部の長さの数倍の全長を有するループとすることが可能となる。例えば一枚の帯の長さが10cmであり、この帯の中に導電性を有する糸がA〜Eの5本用いられていた場合、Aの端部−BのAの端部とは反対側の端部、Bの残りの端部−Cの端部、…、Eの残りの端部−Aの残りの端部、というようにつなげることによって、A〜Eの5本の導電性を有する糸が一本の導電性を有する糸となり、即ちアンテナ部の長さは10cm程度であっても、全体として50cmの長さを有する共振回路(ループ)とすることができる。
【0022】
また従来では必要な波長を得るためには2次元でしかなし得なかった共振回路が、本願発明にかかる感知器であれば糸、紐又は帯といった1次元の物品を用いて実現することが容易に可能となる。さらに両端を結合するにあたっては予めコネクタ部をその両端に用意しておき、両端のコネクタ部を一対として、それら一対のコネクタ部を結合させることで自動的に上述したような結合の仕方となるようにコネクタ部を設計しておけば、結果として、単純にコネクタ部同士を結合させるだけで所望の性能を有したループとすることができる。
【0023】
さらにコネクタ部にチップコンデンサを組み込んでおき、コネクタ部を接続することで自動的にチップコンデンサがループに接続する構成とすることも可能であるが、そのようにすることでループをより強力な共振回路とすることができる。またその際におけるチップコンデンサの必要な容量は計算式により簡単に導出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
尚、以下に述べる最良の形態の説明において同一の部材に関し、予めそれらを説明をしておく。
【0026】
まず最初に本願発明に用いられる導電糸につき説明する。
この導電糸とは、導電性を有した糸であって、従来公知のものであれば特段制限されない。即ち、導電性物質、例えば金、銅、又はアルミニウム等のような従来公知の物質をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリイミド(PI)フィルム等の高分子樹脂フィルムの表面に蒸着してなる金属蒸着フィルムをマイクロスリットと呼ばれる細断によりこれを糸状にしたものを直接糸として用いたり、又はそれを用いて撚糸した糸、等が考えられる。その他にも、銅線、ニクロム線、金線、銀線などの金属線(電線)やそれらを用いて撚糸した糸、銅箔、アルミニウム箔、銀箔、金箔等の金属箔をマイクロスリットしたものやこれらを用いて撚糸した糸、合成繊維糸に銀や銅を湿式メッキにてつけた導電糸、等が考えられる。
【0027】
また後述するように本願発明ではこの導電糸を他の糸と一緒に用いたり、導電糸同士を一緒に用いたりするのであるが、その際に導電糸が絡んだり接触したりすることでショートが発生することを防止するために導電糸それ自体に以下のようにして絶縁処理済導電糸とすることが考えられる。
【0028】
この絶縁処理について、即ち導電糸に絶縁性を付与するための絶縁処理について説明すると、例えば導電性物質を蒸着してなる蒸着フィルムをマイクロスリットしたものを導電糸として用いる場合、基材となるフィルムはPETフィルムやPIフィルム等のような絶縁性を有したものを用い、また導電性物質を蒸着したさらにその表面に、ポリイミド系樹脂や塩化ビニール系樹脂等のような絶縁性物質を従来公知の手法により積層してなることでこれを絶縁層とし、又はPETフィルムやPIフィルムを再びその表面に貼着することでこれを絶縁層とし、かかる積層フィルムをマイクロスリットすることで絶縁性を備えた糸を得ることが考えられる。また、かような積層フィルムをマイクロスリットした裁断面では導電性層が露出しているところ、マイクロスリット後、その部分に対しても何らかの従来公知の手法により絶縁性物質をコーティング等することで、略断面視において導電性層が絶縁性層(物質)によりくるまれている状態とすれば、個々の糸は導電性を備えてなるものの同時に外部に対し絶縁性を備えたものとすることができる。当然、かかる手法以外であっても、いかなる導電糸に対しても例えば直接絶縁性の物質をコーティングする、というものであっても構わず、また具体的には後述するが、次に述べる絶縁糸を導電糸の周囲に巻き付けるようにして撚り糸とすることにより絶縁性を付与し、絶縁処理済導電糸とすることも考えられる。いずれにせよ要すれば、文字通り最終的に個々の導電糸に対し従来公知の手法で絶縁処理が施されているものであって、ここではこれ以上の詳述は省略する。
【0029】
次に、本願発明に用いられる絶縁糸につき説明する。
この絶縁糸は、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、又は合成繊維等を用いることが考えられる。より具体的には、例えば綿、朝、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセル、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、プロミックスなどの半合成繊維、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、アラミド等の合成繊維、等を用いれば良いが、特段本願発明において何ら制限をするものではなく、文字通り導電性のない、絶縁性を有した糸であればそれで良いものである、と言うことを予め断っておく。
【0030】
ちなみに、後述する本願発明に関する実施の形態においてこの絶縁糸を用いる理由は次の通りである。主に導電糸と同時に用いて織、編、撚糸、組紐することにより導電糸同士が途中で短絡ショートすることを防止する目的のために用いるのであるが、それ以外の場合として、例えばアンテナ部の破断強度を強くするために絶縁糸を使用することも考えられる。
【0031】
また、本願発明にかかる万引き防止装置用感知器が用いられる万引き防止装置につき簡単に説明をしておく。
【0032】
本願発明において想定している万引き防止装置とは、例えば鞄に簡単に入る位の大きさの商品を取り扱っている商店やレンタルビデオショップや小売店等であって、かかる商品などを鞄などに隠し持って不当に店外等へ持ち出そうとする行為を防止するための装置であって、具体的には商店などの出入り口にゲート式の検知器を設け、一方、個々の商品には感知器を附しておき、これらの機器を組み合わせて運用することにより、万引き行為により商品などを不当に店外などへ持ち出すことを警告又は防止することを目的としているものである。
【0033】
この万引き防止装置には主に磁気式と電波式とがあるが、基本的にはいずれも同様であって、即ち磁気式の場合、ゲートでは磁界の変化を検知するように設定されており、一方感知器はマグネットなどの磁界を発生する物質を用いており、感知器がゲートを通過する際に磁界が変化することをゲートが検知することによりゲートより警告音が激しく鳴ることで不当に商品などが持ち出されようとすることを警告又は防止する。尚、正当に持ち出す場合には、感知器の磁界発生装置を予めキャンセラー機能を有する専用機器でキャンセルするなどの処理を施しておけば良い。
【0034】
一方電波式では、ゲート式の検知器ではラジオ波を常時発生させると共に、生じたラジオ波の変化を検知し、一方感知器は基本的にアンテナ構造を有することによって、感知器がゲートの発生するラジオ波の中を通過するとラジオ波と共振するようになっており、ゲートはこの共振を検知することにより警告音を激しく鳴らすことで商品等が不当に持ち出されないように警告又は予防するのである。尚、正当に持ち出す場合は感知器が動作しないように専用キャンセラー機器で感知器が反応しないように予め処理を施しておけば良い。
【0035】
また電波式の万引き防止装置においては、感知器の有する共振回路を強力にするためにループ状のアンテナにチップコンデンサを接続することが考えられるが。その際に用いられるコンデンサの容量は下記に示す数式により決定される。
【0036】
【数1】







ここでfrは検知機から出す特定周波数、Lはインダクタンス値、Cはコンデンサ容量である。
【0037】
まず、検知機から出す特定周波数frを決め、設計したアンテナのインダクタンス値Lをインダクタンスアナライザーにより計測し、それぞれの数値を、上記の算式に代入することにより、取り付けに必要なチップコンデンサの容量Cを求めることができる。この過程においてアンテナに用いる導電糸の抵抗値と長さ及びループ回数により計測されるインダクタンス値が自ずと異なり、それによりチップコンデンサの容量も変える必要がある。
【0038】
また、本願発明は電波式万引き防止に用いる感知器に関するものであるが、本願発明のアンテナ部に磁気糸を組み合わせると、磁気式と電波式を併用したさらに万引き突破し難い感知器にすることも可能であり、さらにコネクタ部に、ICチップを入れ、コネクタ部を接続することで自動的にループにICチップが接続される構造とすることにより、在庫管理、商品管理も簡単にできるICチップ入り万引き防止装置用感知器とすることもできるが、これに関してはここでのこれ以上の詳述は省略する。
【0039】
本願発明はかかる電波式万引き防止装置に用いる感知器に関するものであり、以下その具体的な例につき説明をする。
【0040】
(実施の形態1)
本願発明にかかる万引き防止装置用感知器(以下、単に「感知器」とも言う。)につき、第1の実施の形態として図面を参照しつつ説明する。
【0041】
本実施の形態にかかる感知器は前述したような電波式の万引き防止装置に用いられるものであって、かつ感知器は、アンテナ部と、コネクタ部と、よりなる。そしてアンテナ部は、導電性を有する導電糸と、絶縁性を有する絶縁糸と、又は導電糸に対し絶縁処理してなる絶縁処理済導電糸と、のいずれか複数を用いてなるものであるが、これら導電糸、絶縁糸、又は絶縁処理済導電糸は先に説明した通りのものであり、また本実施の形態において導電糸の数NはN≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、絶縁糸の数MはM≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、さらに絶縁処理済導電糸の数PはP≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)である。そしてコネクタ部は、アンテナ部の両端に備えられてなり、またアンテナ部両端のそれぞれのコネクタ部が一組の対となって結合可能であり、コネクタ部を結合することで、アンテナ部を構成する全ての導電糸が連なって一本の単一ループとすることができる構成を有している。
【0042】
以下、順に説明をする。
感知器はアンテナ部とコネクタ部とからなるが、まずこのアンテナ部につき説明する。
図1は本実施の形態にかかる感知器のアンテナ部10の概念を示した図である。この図は単なる概念図であって、実際には図示したような、絶縁糸12に単純に絶縁処理済導電糸11を巻き付けたものに限るのではなく、もっと複雑な編み方であっても全く構わないが、ここでは説明をしやすくするため非常に単純化した状態で図示したものであることを予め断っておく。また以下の説明では絶縁糸12を芯糸とし、その周囲に絶縁処理済導電糸11を巻き付けたものについて説明をするが、これ以外にも、例えば絶縁処理済導電糸11の代わりに導電糸を用いても構わないし、それ以外の組み合わせであっても構わず、いずれにせよ構成の基本的な考え方は全て同一であることを予め断っておく。
【0043】
本実施の形態におけるアンテナ部10は、絶縁処理済導電糸11と絶縁糸12とよりなるものである。ここで用いる絶縁処理済導電糸11の実際の構成は、導電糸を芯とし、その外側に絶縁糸を撚糸機により巻き付けたもので、他の導電糸11と触れても電気的にショートしない構成としている。またここで外側に巻き付けている絶縁糸は芯糸として用いる絶縁糸12と同一であっても良く、異なる絶縁糸であっても良い。そして本実施の形態におけるアンテナ部10は一本の絶縁糸12と、5本の絶縁処理済導電糸11とを用いた組紐となっている。また絶縁糸12を芯糸として用いることで、本実施の形態のアンテナ部10の破断強度を強くすることができる。尚ここでは製紐機により組紐にした形状の一例を上げたが、織機にて織ること、編機にて編むこと、撚り糸機にて撚ってアンテナ部10の形状を作っても良い。またここでは絶縁処理済導電糸11を用いているので、絶縁処理済導電糸11同士が接触しても電気的に短絡することがないが、導電糸を用いた場合であれば、組紐とするに際して導電糸同士が接触しないように芯糸に導電糸を巻き付けていくような編み方で組紐とし、電気的な短絡を生じさせないようにすれば良いことを述べておく。
【0044】
そして5本の絶縁処理済導電糸11の両端部は端子としてそのまま導出している。より詳細には、絶縁処理済導電糸11の端部においては導電糸の周囲に絶縁糸が巻き付いておらず、導電糸そのものが剥き出しな状態となっており、これを端子とするのである。ここで各導電糸11の両端部をa−A、b−B、c−C、d−D、e−E、とする。(a、b、・・・は各導電糸11の導出部を、A、B、・・・はその反対側の導出部を指す。)
【0045】
このようにアンテナ部10を用意したら、図2に示すコネクタ部の概念図に示すように、まず導出部a、b、c、d、eをその内部で接続したものがコネクタ部31でアンテナ部10の端部に設ける。ここで導出部をコネクタ部に導入する手法については特段の制限を設けるものではない。同様に、反対側の導出部A、B、C、D、Eを前記同様に用いてアンテナ部10の反対側に設けるコネクタ部32とする。
【0046】
これらコネクタ部31、32に関し予め説明をしておくが、コネクタ部31とコネクタ32を接合した場合a−B、b−C、c−D、d−E、e−Aが接合することにより導電糸が一本のループ状の回路となる。このように接合した時に導電糸が一本のループ状の回路となる組み合わせであれば何ら制限するものではないことを述べておく。
【0047】
尚、コネクタ部の形状、外観等についても何ら制限するものではなく、これらが例えば凹凸の関係にあって容易に結合できる構成であることが好適であると言えるし、さらにいちどコネクタ部31、32を結合させてしまった後はこれを解除できない構成、若しくは専用の結合解除機を用いない限り決してその結合が解除できない構成を有していることが好ましいと言える。以下、本実施の形態では専用の結合解除機を用いない限り決して結合が解除できない構成を有しているものとしてさらに説明を続ける。
【0048】
このコネクタ部31、32についてさらに説明をすると、本実施の形態にかかる感知器を実際に万引き防止タグとして用いる場合、個々の商品に取り付けていく際に、アンテナ部10を例えば商品の品質表示タグ部分に通した後、コネクタ部31、32を結合させるだけで取り付けが完了するので、コネクタ部31、32は出来るだけ小さくコンパクトであることが好ましいと言える。さらに結合後に決して解除できないようにしておかないと、実際に万引きをしようとする者がその商品を万引きしようとする時に簡単にかかる結合部を解除されてしまい、その結果そもそも万引き防止装置用感知器としての役割を果たさなくなってしまうからである。さらにこの観点から言えばアンテナ部10それ自体が切断されにくい構成であると尚望ましいが、これについては説明を略す。
【0049】
また専用の結合解除機でなければコネクタ部31、32の結合を解除できないようにしておけばリサイクルの面からも好適であると言える。つまり、例えば商品支払いレジカウンターでこの専用結合解除機を用いてコネクタ部31、32の結合を解除して感知器を商品から取り外し、これを保管しておけば、別の新たに入荷した商品に対しこの感知器を再利用できるので、その結果、本実施の形態にかかる感知器を何度でも再利用することが可能となるのでいわゆるランニングコストを抑制することが可能となり、好適であると言える。尚、この専用の結合解除機及びこれを用いなければ決して解除できない結合の具体例については、保安上の要請もあるのでここではその詳細な説明を省略するものとする。
【0050】
このような本実施の形態にかかる感知器に用いるコネクタ部31、32についてさらに説明する。コネクタ部31、32内部において絶縁処理済導電糸11の端部a、b、c、d、eをどのように組み込むか、という点について図2のコネクタ部31及び32に関する概略図を参照しつつ説明すると、コネクタ部31では左から順にa、b、c、d、eとしているのに対し、対となるコネクタ部32ではそれぞれの相対部分(接する部分)をB、C、D、E、Aとしている。即ち、これらコネクタ部31とコネクタ部32とをこのまま結合した時に、相対部分にある接点が結合するのであるが、その時に上記のように一つずつ各絶縁処理済導電糸11の端部をずらすことで、最終的には全体が一本のループとなるようにしているのである。
【0051】
つまり、概略図に示した通りとすると、アンテナ部10の両端に設けたコネクタ部31、32を結合することにより、アンテナ部を構成する各絶縁処理済導電糸11の端部が、aに対してはBが、bに対してはCが、・・・、eに対してはAが、それぞれつながることとなり、その結果全ての絶縁処理済導電糸が一本のループにつながることとなるのである。
【0052】
即ち、例えば絶縁処理済導電糸11の単独の長さが10cmであるとすると、本実施の形態により得られるループは、個々の全長が10cmの輪が5つできるのではなく、全長50cmのらせんループが一本できあがるのである。
【0053】
そしてループの長さについては任意に決定すれば良く、例えばループの長さが50cm必要である、という結果となれば、10cmの導電糸11を5本用いれば良いし、75cm必要であるならば、15cmの導電糸11を5本用いれば良い。また以上の説明においては導電糸11は5本用いるものとしたが、この数に制限されるものではなく、一本以上何本であっても構わない。例えばループの長さが10cmで良ければ10cmの導電糸を一本用いれば良いし、48cm必要であれば、12cmのものを4本用いる、等のように種々の組み合わせを考えれば良い、ということである。
【0054】
尚、以上説明した万引き防止用感知器においてコネクタ部31、32のいずれか一方、若しくは双方においてチップコンデンサを備えておくことも考えられる。その詳細な構成についてはここでは省略するが、重要な点は、コネクタ部31とコネクタ部32とを結合して一本のループとした際に、そのループにチップコンデンサが接続しているようにコネクタ部31、32のいずれか若しくは双方に準備されていることである。つまり、コネクタ部31とコネクタ部32とを結合させることにより自動的にループ回路にコンデンサが接続されることとなり、その結果より一層強力なアンテナとして作動することとなり、その結果万引き防止タグの感度をより高めることが可能となる。
【0055】
(実施の形態2)
第1の実施の形態において、導線状(又は糸状)の外観を有する万引き防止装置用感知器につき説明したが、かかるアンテナ部が偏平な帯状及び紐状である場合につき、第2の実施の形態として説明する。
【0056】
尚、ここで示す帯状(又は紐状)とは、例えば文庫本などにつけられている帯状のしおりのような外観を示しているが、必ずしもその外観に限定するものではないことを予め断っておく。
【0057】
本実施の形態にかかる感知器の構成は第1の実施の形態において説明した感知器と同様であって、即ちアンテナ部とコネクタ部とより構成されてなるものである。またアンテナ部においてはやはり先の実施の形態と同様に、アンテナ部は、導電性を有する導電糸と、絶縁性を有する絶縁糸と、又は導電糸に対し絶縁処理してなる絶縁処理済導電糸と、のいずれか複数を用いてなるものであるが、これら導電糸、絶縁糸、又は絶縁処理済導電糸は先に説明した通りのものであり、また本実施の形態において導電糸の数NはN≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、絶縁糸の数MはM≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、さらに絶縁処理済導電糸の数PはP≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)である。そしてコネクタ部は、アンテナ部の両端に備えられてなり、またアンテナ部両端のそれぞれのコネクタ部が一組の対となって結合可能であり、コネクタ部を結合することで、アンテナ部を構成する全ての導電糸が連なって一本の単一ループとすることができる構成を有している。
【0058】
しかしこの第2の実施の形態では、アンテナ部の形状が先の実施の形態の場合とは異なる。即ち偏平な帯状とも言える外観であり、その概念図を図3に示す。尚、この図3は本実施の形態にかかる感知器のアンテナ部20の概念を示した図である。この図は単なる概念図であって、実際には図示したような、単純に糸を直線上に接合したものではなく、例えば平織、3枚斜紋織、4枚斜紋織、5枚朱子織、重ね朱子織、裏朱子織、といった織物であっても良く、またこれら以外の編みによる諸々の編物であっても同様に捉えられるものであること、しかしここでは説明をしやすくするため非常に単純化した状態で図示したものであること、を予め断っておく。また図3において、図中「a」の反対側は(途中を省略して)「B」となっているが、あくまでも一本の導電糸11の両端は「a」に対しては「A」、「b」に対しては「B」、・・・、「e」に対しては「E」であること、しかし上記のようにずれているのは、アダプタの取り付けを簡単にするため意図的に作り込んだ形態としたからであり、これ以外の形態として例えば図4に示すようにするとコネクタ部の取り付け方が複雑になるものの、「a」に対応する部分に「A」が位置することで、織編の方法という観点から考えると簡単なものとできる。
【0059】
また図3に示すように第2の実施の形態にかかる感知器は絶縁処理済導電糸11と絶縁糸12とを織り込むこととしているがこれに限定されるものではない。本実施の形態の場合、第1の実施の形態において説明した感知器のアンテナ部とは異なり平面的又は偏平的なものであり、また必要とする糸の全体量も第1の実施の形態の場合に比して増えることもあり、また絶縁処理済導電糸11を用いているとはいえ、より一層確実に導電糸の絶縁性を確保するために絶縁糸12を用いているのである。また絶縁処理済導電糸11を用いる代わりに導電糸を用いたとしても第1の実施の形態に比べ導電糸同士が隣り合わせになって接触することのないように織編する方法は多様なものがあるので、そのように織編することを前提に導電糸を用いても構わないが、基本的な構成や考え方は同一であるので、以下の説明においては絶縁処理済導電糸11と絶縁糸12とを用いてなるものとして説明を続ける。
【0060】
本実施の形態にかかる感知器のアンテナ部20の考え方は第1の実施の形態の場合と同様である。即ち、図3に例示した場合で説明すると、5本の絶縁処理済導電糸11と絶縁糸12とを用いて偏平な帯状に織り込んだアンテナ部20の両端を導出しておき、アンテナ部20の両端部における導出部分をコネクタ部31、32を用いて結合し、但し一本ずつずれるように結合し、その結果全体として一本のループとなる結合、ということである。導出する部分については第1の実施の形態において説明のと同様であって、ここではその説明を省略する。
【0061】
第1の実施の形態と異なる点としては、繰り返し述べているように偏平である、ということであるが、偏平であるとすることで、第1の実施の形態の場合に比して意匠性をアンテナ部20に付与することが容易に可能となる、という効果を得ることができる。
【0062】
即ち、絶縁処理済導電糸11及び絶縁糸12を用いて偏平な帯又は紐状に織り込む、ということであるが、要するにこれは普通に糸を織り込んで帯や紐を作る作業と全く同様であり、つまり例えば用いる糸の色を選択することにより単調ではない意匠を呈することが可能であり、より具体的には例えば平織、3枚斜紋織、4枚斜紋織、5枚朱子織、重ね朱子織、裏朱子織、といった複雑な織り方を用いることで、ある程度意匠性を持たせた帯状のものとすることができるのである。
【0063】
そして意匠性を持たせることにより、本実施の形態にかかる感知器を用いる商品に対しても新たな意匠性を付与することも考えられ、またあえて強い存在感を放つ意匠性とすれば、本実施の形態にかかる感知器を実際に商品に用いた時に万引き防止装置そのものの存在を強調することにもなり、ひいては心理的にも万引きそのものをあきらめさせる、つまり万引きを防止する、という効果につなげることも考えられるのである。
【0064】
また糸だけで織編することでアンテナ部20を得られるので、かかるアンテナ部20が帯状の形状とするために、絶縁処理済導電糸11と絶縁糸12とを用いて、織機にて織ること、編機にて編むこと、撚り糸機にて撚り糸とすること、製紐機にて紐とすること、のいずれか若しくは複数により得られるもの、であれば良いと言えるし、またこれら従来の機械をそのまま製造に用いることができるので好適であると言える。
【0065】
そしてこのアンテナ部20の両端に接続するコネクタ部31、32については先に説明した第1の実施の形態の場合と同様であり、即ち結合させやすいこと、結合させるだけで自動的に両端部が一つづつずれて結合されること、一端結合させると専用機器を用いない限り結合解除できない構成とすることも考えられること、チップコンデンサを備えること、につき同様であるので、ここではこれ以上の説明を省略する。
【0066】
尚、図3の説明において述べた、両端部のずれであるが、結局のところどのようにずれてもコネクタ部31、32において一つずつずれた形で端部が接続されるように構成しておけば良いのであって、つまりは端部で生じるずれもコネクタ部31、32において調整すれば良いのである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本願発明にかかる感知器を構成するアンテナ部の一例を示した概略図である。
【図2】本願発明にかかる感知器を構成するコネクタ部の一例を示した概念図である。
【図3】アンテナ部の別な一例を示した概略図である。
【図4】図3とは異なる織り方によるアンテナ部の一例を示した概略図である。
【符号の説明】
【0068】
10 アンテナ部
11 導電糸
12 絶縁糸
20 アンテナ部
31 コネクタ部
32 コネクタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が出入りをする場所に設置する検知器と個々の物品に附する感知器とよりなる、電波を用いた万引き防止装置において用いられる感知器であって、
前記感知器は、アンテナ部と、コネクタ部と、よりなり、
前記アンテナ部は、導電性を有する導電糸と、絶縁性を有する絶縁糸と、又は前記導電糸に対し絶縁処理してなる絶縁処理済導電糸と、のいずれか複数を用いてなるものであって、
前記導電糸が、金属線、金属箔をマイクロスリットしてなるマイクロスリット糸、基材の表面に少なくとも導電性物質を積層してなる導電性積層体をマイクロスリットしてなるマイクロスリット糸、又は合成繊維に湿式メッキを施してなる糸、のいずれか若しくはそれらを撚糸したものであること、又はこれらのいずれか若しくは複数を、他の糸と撚糸したものであり、また前記アンテナ部において用いられる前記導電糸の数NがN≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、
前記絶縁糸が、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、又は合成繊維、のいずれか若しくは複数による糸であり、また前記アンテナ部において用いられる前記絶縁糸の数MがM≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、
前記絶縁処理済導電糸が、前記導電糸と前記絶縁糸とを撚り合わせてなる撚り糸である、又は前記導電糸に対し絶縁性物質を被覆してなるものであり、また前記アンテナ部において用いられる前記絶縁処理済導電糸の数PがP≧1+a(aは0又は1以上の自然数。)であり、
前記コネクタ部は、前記アンテナ部の両端に備えられてなり、また前記アンテナ部両端のそれぞれのコネクタ部が一組の対となって結合可能であり、
前記コネクタ部を結合することで、前記アンテナ部を構成する全ての導電糸が連なって一本の単一ループとなること、
を特徴とする、万引き防止装置用感知器。
【請求項2】
請求項1に記載の万引き防止装置用感知器であって、
前記コネクタ部にチップコンデンサが備えられており、かつ前記コネクタ部を結合することで、前記ループが前記チップコンデンサに結合された状態となること、
を特徴とする、万引き防止装置用感知器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の万引き防止装置用感知器であって、
前記アンテナ部が、前記導電糸、前記絶縁糸、及び前記絶縁処理済導電糸のいずれか複数を用いてなる糸、紐、導線、又は帯、のいずれかの形状であること、
を特徴とする、万引き防止装置用感知器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の万引き防止装置用感知器であって、
前記アンテナ部が、前記導電糸、前記絶縁糸、及び前記絶縁処理済導電糸のいずれか複数を用いて、織機にて織ること、編機にて編むこと、撚り糸機にて撚り糸とすること、製紐機にて紐とすること、のいずれか若しくは複数により得られること、
を特徴とする、万引き防止用装置用感知器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の万引き防止装置用感知器であって、
前記コネクタ部が、いったん結合された後は、専用の結合解除機を用いない限り決して前記結合が解除できない構成を有してなること、
を特徴とする、万引き防止装置用感知器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−93542(P2009−93542A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265568(P2007−265568)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(301054830)尾池テック株式会社 (6)
【出願人】(593027864)
【Fターム(参考)】