説明

万能顔料調製物を製造するための組成物

本発明は、実際に気泡不含の水性顔料調製物ならびに溶剤含有および溶剤不含の顔料調製物のための良好な結合剤特性、湿潤特性および分散特性を有する新規組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実際に気泡不含の水性顔料調製物ならびに溶剤含有および溶剤不含の顔料調製物のための良好な結合剤特性、湿潤特性および分散特性を有する新規組成物に関する。
【0002】
充填剤および顔料を液状媒体中に分散させるためには、一般に分散剤が使用され、こうして固体の効果的な分散に必要とされる機械的剪断力を減少させ、同時にできるだけ高い充填度を実現させる。分散剤は、凝集体の破壊を促進し、界面活性剤として分散すべき粒子の表面を湿潤させおよび/または被覆し、前記表面を望ましくない再凝集に抗して安定させる。
【0003】
湿潤剤および分散剤は、染料および塗料の製造の際に重要な配合物成分として被覆の視覚上の外観像および物理化学的性質を本質的に決定する顔料および充填剤の混入を簡易化する。最適な利用のためには、前記固体は、一面で均一に塗料および染料中に分布されなければならず、他面、1回で達成される分布を安定させなければならない。安定化成分は、多くの場合に結合剤成分によっても知覚される。従って、この種の結合剤は、被覆剤にとって価値の高い成分でもある。それというのも、この結合剤は、生じる被膜の急速な乾燥および硬さの上昇に貢献するからである。
【0004】
万能顔料調製物における使用にとって重要なのは、第1に別の結合剤、例えば重要な長油性アルキド樹脂、植物油、炭化水素樹脂、アクリレート樹脂およびポリアミドとの万能の相容性であり、第2に有機溶剤中、例えば生態学的および毒物学的な理由からしばしば使用される純粋な脂肪族化合物および試験ベンジン中での万能の溶解性である。万能の相容性および溶解性を有する、含量調製物中で使用可能なかかる結合剤は、例えばドイツ連邦共和国特許第4404809号明細書中に記載されている。
【0005】
万能顔料調製物のための分散剤としては、殊に達成される顔料分布の立体安定性に貢献するアルキルフェノールエトキシレートまたは脂肪アルコールアルコキシレートが使用される。極めて性能のよりアルキルフェノールエトキシレートは、環境毒物学的理由から批判を受けている。洗浄剤および清浄剤への使用は、多数の国々で既に禁止されている。塗料工業および染料工業にとっても同様のことが予想されうる。脂肪アルコールエトキシレートは、多くの場合にアルキルフェノールエトキシレートの良好な顔料湿潤性の性質を達成しない。それというのも、この脂肪アルコールエトキシレートは、吸着性基に対する顔料湿潤性の性質を欠失しているからである。その上、この生成物基の吸着されない部分は、不所望にも水性顔料調製物中で気泡を安定化する。
【0006】
ブロックコポリマーのポリアルキレンオキシドは、毒物学的に懸念がなく、強い吸着性を有するが、しかし、殆んど気泡安定性ではない。このブロックコポリマーのポリアルキレンオキシドは、例えば欧州特許第1078946号明細書中に記載されている。しかし、前記生成物は、気泡形成の完全な制圧を達成することができない。従って、この場合も、水性顔料調製物には、消泡活性物質を添加しなければならない。しかし、前記物質は、別の不利な随伴現象、例えば望ましくない表面欠陥を有する。数多くの分散添加剤の使用は、区別される。それというのも、被覆の耐水性または耐候性は、不利に影響を及ぼされるからである。
【0007】
従って、本発明は、一面で良好な結合剤特性を使用し、他面、同時に良好な湿潤特性および分散特性を使用する組成物を見い出すという課題に基づくものであった。
【0008】
本発明の基礎となる課題は、意外なことに、ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドとケトン−アルデヒド樹脂との組合せ物を使用することによって解決することができた。
【0009】
意外なことに、ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドとケトン−アルデヒド樹脂との組合せ物は、溶剤不含万能顔料調製物、溶剤含有万能顔料調製物ならびに水性万能顔料調製物のための分散剤として有利に好適であることが見い出された。
【0010】
結合剤との幅広い相容性および万能顔料調製物に使用される有機溶剤中および水中での溶解性が見出された。更に、水性顔料調製物中での気泡形成は、極めて効率的に抑制される。被覆剤の性質、例えば乾固性および硬さは、当該被覆剤が本発明による顔料調製物を含有する場合には、プラスに影響を及ぼされる。公知技術水準の知識の場合には、個々の成分の組合せにより、記載された性質の全てを自由に使用することができる組成物が生じるとは、予想することができなかった。
【0011】
本発明の対象は、本質的に
A)少なくとも1つのブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドと、
B)ケトン−アルデヒド樹脂5〜95質量%と
C)少なくとも1つの溶剤0〜80質量%と、但し、この場合成分A)〜C)の質量の記載の総和は、100質量%であるものとし、を含有する組成物である。
【0012】
ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドならびにケトン−アルデヒド樹脂は、水中で不溶性であるので、これら双方の化合物の組合せ物が水中で可溶性であり、水性顔料調製物中での使用を許容することは、全く意外なことであった。
【0013】
原理的に全てのブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドは、成分A)として適している。
【0014】
本発明において有利に使用される、ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドA)は、例えば欧州特許第1078946号明細書中に記載されている。当該ポリアルキレンオキシドA)は、一般式:
1O(SO)a(EO)b(PO)c(BO)d2
〔式中、R1は、8〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状または脂環式基を表わし、
2は、水素、アクリル基、それぞれ1〜8個のC原子を有するアルキル基またはカルボン酸基を表わし、
SOは、酸化スチレンを表わし、
EOは、酸化エチレンを表わし、
POは、酸化プロピレンを表わし、
BOは、酸化ブチレンを表わし、および
aは、1〜1.9を表わし、
bは、3〜50を表わし、
cは、0〜3を表わし、
dは、0〜3を表わし、
この場合、a、cまたはdは、0ではなく、bは、a+b+d以上である〕を有する。
【0015】
原理的に全てのケトン−アルデヒド樹脂は、成分B)として適している。
【0016】
ドイツ連邦共和国特許第4405809号明細書に記載されている好ましいケトン−アルデヒド樹脂B)は、脂環式ケトン、アルデヒドおよび場合によっては他のモノマーから製造される。
【0017】
この場合、このケトン−アルデヒド樹脂は、
I.1〜8個の炭素原子を有する1個以上のアルキル基を有する少なくとも1つのアルキル置換されたシクロヘキサノンを全ての使用されたケトンに対して40〜100モル%、
II.少なくとも1つの脂肪族アルデヒドを全ての使用されたケトン1モルに対して0.8〜2.0モルおよび
III.脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する他のケトンを全ての使用されるケトンに対して0〜60モル%含有し、
この場合当該の他のケトンは、同一かまたは異なり、再度、炭化水素鎖中の記載された炭化水素基で置換されていてよく、ならびに場合によってはフェノールおよび/または尿素またはその誘導体を含有する。
【0018】
特に好ましいC1〜C8−アルキル置換シクロヘキサノンは、4−第三ブチルシクロヘキサノンおよび3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンである。
【0019】
本発明による使用される、ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドとケトン−アルデヒド樹脂との混合比は、95:5〜5:95である。
【0020】
この混合物中に50質量%を上廻るケトン−アルデヒド樹脂が使用される場合には、粘度の理由から補助溶剤C)が使用されなければならない。
【0021】
成分C)として水および全ての有機溶剤がこれに該当する。有機溶剤には、例えばアルコール、エステル、ケトン、エーテル、グリコールエーテル、芳香族炭化水素、ヒドロ芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、テルペン炭化水素、脂肪族炭化水素、エステルアルコール、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0022】
溶剤含有の顔料調製物には、生態学的および毒物学的に懸念がなく、或る程度まで水と相容性であるかまたは混合可能である有機溶剤が好ましい。
【0023】
水性顔料調製物には、ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドA)とケトン−アルデヒド樹脂B)とからなる混合物が特に有機溶剤に対して成分C)を省略しうるように選択される。
【0024】
また、本発明の対象は、本質的に
A)少なくとも1つのブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドと、
B)ケトン−アルデヒド樹脂5〜95質量%と
C)少なくとも1つの溶剤0〜80質量%と、但し、この場合成分A)〜C)の質量の記載の総和は、100質量%であるものとし、を含有する組成物を、
化合物A)、B)およびC)を20〜100℃の温度で攪拌釜中で混合することにより、製造する方法である。
【0025】
本発明による組成物は、万能顔料調製物中に使用される。
【0026】
ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドとケトン−アルデヒド樹脂とからなる組成物は、使用の際に先に分散すべき顔料と混合されてもよいし、直接に水性分散媒体または溶剤含有分散媒体中に顔料の添加前または顔料の添加と同時に溶解されてもよい。
【0027】
顔料としては、例えば無機顔料または有機顔料ならびにカーボンブラックが使用されうる。
【0028】
無機顔料としては、二酸化チタンおよび酸化鉄が例示される。
【0029】
考慮に入れるべき有機顔料は、例えばアゾ顔料、金属錯体顔料、アントラキノイデ顔料(anthrachinoide Pigmente)、フタロシアニン顔料、多環式顔料、殊にチオインジゴ系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ピロロ系、ナフタリンテトラカルボン酸系、ペリレン系、イソアミドリン(オン)系、フラバントロン系、ピラントロン系またはイソビオラントロン系(Isoviolanthron-Reihe)である。
【0030】
カーボンブラックとしては、ガスカーボンブラック、フレームカーボンブラックまたはファーネスカーボンブラックが使用されうる。このカーボンブラックは、付加的に後酸化されていてよくおよび/またはパール化されていてよい。
【0031】
顔料と共に、充填剤も当業者に公知の量で共用されてよい。水性ラッカーおよび/または溶剤含有ラッカー中に分散されてよい充填剤は、例えばカオリン、タルク、雲母、別の珪酸塩、石英、クリストバライト(Christobalit)、珪灰石、パーライト、珪藻土、繊維充填剤、水酸化アルミニウム、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムをベースとする充填剤である。
【0032】
本発明による組成物は、顔料に対する極めて良好な吸着能、優れた気泡破壊性および低い粘度を示す。更に、乾燥速度、耐水性および耐化学薬品性ならびに被膜の硬さは、プラスに影響を及ぼされる。
【0033】
次の例は、本発明をさらに説明するが、しかしそれらの使用範囲を限定するものではない:

1)酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドの製造(本発明によらない)
トリメチルシクロヘキサノール336.4g(2.34モル)およびカリウムメチラート16.3g(0.23モル)を反応器中に装入した。純粋な窒素で注意深く洗浄した後、110℃に加熱し、酸化スチレン308.2g(2.554モル)を1時間で添加した。更に、2時間後、酸化スチレンの添加が終結し、酸化スチレンの残留含量を確認することができ、この残留含量は、ガスクロマトグラムによれば、0.1質量%未満であった。引続き、酸化エチレン339.2g(7.71モル)を、内分温度が120℃を上廻らずかつ圧力が6バールを上廻らないように急速に反応器中に計量供給した。酸化エチレンが完全に導入された後、一定のマノメーター圧力が後反応の終結を示すまで間、115℃に維持した。最後に、80〜90℃で未反応の残留モノマーを真空中で除去した。得られた生成物を燐酸で中和し、水を蒸留によって除去し、生じたリン酸カリウムを濾過によって濾過助剤と一緒に除去した。1の想定された官能価の際にヒドロキシル価の測定による分子量は、M=467g/molであった。
【0034】
2)ケトン−アルデヒド樹脂の製造(本発明によらない)
4−第三ブチルシクロヘキサノン176.7g、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン481.7g、シクロヘキサノン112.4gおよび30質量%のホルマリン溶液373.1gを装入し、60℃に加熱した。その後に、50質量%の水酸化ナトリウム溶液114.5gを15分間で滴加し、80℃に加熱した。引続き、90分間でホルマリン溶液200.0gを滴加し、還流下に85℃で4時間、維持した。生じた樹脂を氷酢酸の添加後に水で中和するまで洗浄した。蒸留後、85℃の軟化点を有する明黄色の脆い樹脂が生じた。
【0035】
3)本発明による組成物の製造
例1からの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシド600gおよび例2)からのケトン−アルデヒド樹脂400gを撹拌下に80℃で互いに混合した。生成物は、明澄であり、23℃で13446mPasの粘度を有していた。
【0036】
4)結合剤特性および分散特性を有する本発明による組成物の製造
例1からの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシド500gおよび例2)からのケトン−アルデヒド樹脂500gを撹拌下に80℃で互いに混合した。生成物は、明澄であり、23℃で88810mPasの粘度を有していた。
【0037】
結合剤特性を有する分散添加剤としての本発明による組成物の作用ならびに比較化合物の作用を試験するために、次のように行なった:
5)顔料調製物の製造
そのために、それぞれの添加剤を水および/または有機溶剤と混合し、その後に顔料を添加した。分散を2mmのガラス玉の添加後に35℃および3000rpmでディスパーメイト中で30分間行なった。水性顔料調製物をジメチルアミノエタノールと水とからなる混合物(1:1質量%)で約9のpH値に調節した。
【0038】
5A)黒色の水性顔料調製物の配合(本発明による)
水62.9g、
例3からの本発明による組成物8.0g、
スペシャルブラック(Spezialschwarz)4 20.0g(Degussa AG社)。
【0039】
この黒色の顔料調製物は、簡単に攪拌可能であり、気泡を含んでいない。
【0040】
5B)黒色の水性顔料調製物の配合(比較)
水70.9g、
例1からの本発明によらない化合物8.0g、
スペシャルブラック(Spezialschwarz)4 20.0g(Degussa AG社)。
【0041】
この黒色の顔料調製物は、高粘稠であり、強く発泡した。
【0042】
5C)黒色の溶剤含有顔料調製物の配合(本発明による)
ブチルグリコール75.0g、
例4からの本発明による組成物25.0g、
スペシャルブラック(Spezialschwarz)4 20.0g(Degussa AG社)。
【0043】
この黒色の顔料調製物は、低粘度であった。
【0044】
5D)黒色の水性顔料調製物の配合(本発明による)
水80.0g、
例3からの本発明による組成物20.0g、
ヘリオゲンブルー(Heliogenblau)6975F 48.0g(BASF AG)。
【0045】
58mPasの粘度を有する、青色の当該顔料調製物は、簡単に攪拌可能であり、気泡を含んでいない。また、この顔料調製物は、50℃で1週間を上廻る貯蔵後に不変のまま安定性であった。
【0046】
5E)黒色の水性顔料調製物の配合(比較)
水80.0g、
例1からの本発明によらない化合物20.0g、
ヘリオゲンブルー(Heliogenblau)6975F 48.0g(BASF AG)。
【0047】
この黒色の顔料調製物は、高粘稠であり、強く発泡した。
【0048】
6)顔料調製物からの被覆剤の製造
被覆剤の製造のために、顔料調製物を装入し、ラッカー塗布用化合物(Auflackverbindungen)を添加した。
【0049】
6A)黒色の溶剤不含被覆剤の製造
本発明による顔料調製物および本発明によらない顔料調製物を水性ポリウレタン分散液と一緒にラッカー塗布した。
【0050】
【表1】

【0051】
6B)溶剤含有の黒色被覆剤および溶剤貧有の黒色被覆剤の製造
本発明による溶剤含有の黒色顔料調製物を溶剤含有でラッカー塗布し、ならびに水性でラッカー塗布した。
【0052】
【表2】

【0053】
7)調色された染料の製造
調色されたラッカーの製造のために、青色の顔料調製物を白色ラッカーと混合した。
【0054】
この白色ラッカーは、Alberdingk U 800 70.89g(Alberdingk Boley GmbH)、Kronos 2310 28.24g(Kronos Titan GmbH)およびAerosil 200 0.07g(Degussa AG)から形成されていた。
【0055】
【表3】

【0056】
結合剤−白色顔料比は、1:1であり、青色顔料と白色ラッカーとの比は、1:100であった。
【0057】
100μmの引張枠(Ziehrahmen)で塗布された調色ラッカーから、2分間の乾燥後に練り合せ試験を行なった。その上、色の強さを測定した。
【0058】
【表4】

【0059】
本発明による組成物をベースとする調色ラッカーは、本誌的に比較調色ラッカーより急速に乾燥した。
【0060】
本発明による組成物を用いると、溶剤含有顔料調製物、溶剤貧有顔料調製物ならびに溶剤不含顔料調製物および被覆剤を製造することができる。水性顔料調製物は、比較例とは異なり、低粘度であり、実際に気泡を含んでいない。その上、顔料調製物の色の強さの展開および凝集安定性ならびに被膜の乾燥は、プラスに影響を及ぼされた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に
A)少なくとも1つのブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドと、
B)ケトン−アルデヒド樹脂5〜95質量%と
C)少なくとも1つの溶剤0〜80質量%と、但し、この場合成分A)〜C)の質量の記載の総和は、100質量%であるものとし、を含有する組成物。
【請求項2】
ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドA)が一般式I
1O(SO)a(EO)b(PO)c(BO)d2
〔式中、R1は、8〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状または脂環式基を表わし、
2は、水素、アクリル基、それぞれ1〜8個のC原子を有するアルキル基またはカルボン酸基を表わし、
SOは、酸化スチレンを表わし、
EOは、酸化エチレンを表わし、
POは、酸化プロピレンを表わし、
BOは、酸化ブチレンを表わし、および
aは、1〜1.9を表わし、
bは、3〜50を表わし、
cは、0〜3を表わし、
dは、0〜3を表わし、
この場合、a、cまたはdは、0ではなく、bは、a+b+d以上である〕を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ケトン−アルデヒド樹脂B)が
I.1〜8個の炭素原子を有する1個以上のアルキル基を有する少なくとも1つのアルキル置換されたシクロヘキサノンを全ての使用されたケトンに対して40〜100モル%、
II.少なくとも1つの脂肪族アルデヒドを全ての使用されたケトン1モルに対して0.8〜2.0モルおよび
III.脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を有する他のケトンを全ての使用されるケトンに対して0〜60モル%含有し、
この場合当該の他のケトンは、同一かまたは異なり、再度、炭化水素鎖中の記載された炭化水素基で置換されていてよく、ならびに場合によってはフェノールおよび/または尿素またはその誘導体を含有する、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
ブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドA)とケトン−アルデヒド樹脂B)との混合比は、95:5〜5:95である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
溶剤C)として水が含有されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
溶剤C)として有機溶剤が含有されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
溶剤C)として、少なくとも1つのアルコール、エステル、ケトン、エーテル、グリコールエーテル、芳香族炭化水素、ヒドロ芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、テルペン炭化水素、脂肪族炭化水素、エステルアルコール、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドが単独でかまたは混合物で含有されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載の顔料調製物。
【請求項8】
本質的に
A)少なくとも1つのブロックコポリマーの酸化スチレン含有ポリアルキレンオキシドと、
B)ケトン−アルデヒド樹脂5〜95質量%と
C)少なくとも1つの溶剤0〜80質量%と、但し、この場合成分A)〜C)の質量の記載の総和は、100質量%であるものとし、を含有する組成物を製造する方法において、化合物A)、B)およびC)を20〜100℃の温度で攪拌釜中で混合することを特徴とする、前記組成物の製造法。

【公表番号】特表2008−533257(P2008−533257A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501252(P2008−501252)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050436
【国際公開番号】WO2006/097378
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】