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三員または四員複素環の触媒性カルボニル化
説明

三員または四員複素環の触媒性カルボニル化

【課題】エポキシド類のカルボニル化に用いる触媒系の触媒活性がそのカチオンの修飾により調整されること、および触媒系中のカチオンとしてカチオン性ルイス酸の使用が新しい手段を提供すること。
【解決手段】エポキシド類、アジリジン類、チイラン類、オキセタン類、ラクトン類、ラクタム類および類似化合物を一酸化炭素と、触媒性有効量の下記一般式[ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-y を有する触媒
(式中、Q はなんらかのリガンドで必ずしも存在せず、Mは元素周期表の 4、5、6、7、8、9および10 族の遷移金属よりなる群から選ばれる遷移金属であり、z はルイス酸の原子価で1 〜 6 の範囲にあり、w は金属カルボニルの電荷で1〜 4 の範囲にあり通常 1 であり、y は w 倍の y が z に等しいような数であり、x は{[QM(CO)xw-yについての安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数で 1 〜 9 の範囲にあり典型的には1 〜 4 である)
の存在下に反応せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の詳細な説明)
関連出願の相互参照
本出願は、2001年12月6日に出願された米国特許仮出願60/336,170の利益を享受する。この出願全体を出典明示により本明細書の一部とする。
【0002】
発明の分野
本発明は、エポキシド類、アジリジン類、チイラン類、オキセタン類、ラクトン類、ラクタム類および類似化合物の触媒性カルボニル化に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ポリ((R)-β-ヒドロキシブチレート)、すなわちR-PHBは、自然界に存在する熱可塑性ポリエステルであり、ポリ(プロピレン) の物理的および機械的性質の多くを共有するが、ポリプロピレンと異なり生分解性である。証明された性質および容易な適用にもかかわらず、生物学的方法を用いるバルクポリマーとしてのR-PHBの工業的生産は、今日のところ経済的に成立していない。この有望なポリマーについての可能性ある別の合成経路に、イソタクチック プロピレン/一酸化炭素 コポリマーのBaeyer-Villiger酸化、ケテンダイマーの開環重合化 (ROP) からの不飽和ポリエステルの不斉水素化、(R)-β-ブチロラクトン (R-BBL) のROPがある。最初の2経路は、ポリマー骨格の重合化後修飾を含むが、困難で信頼しがたい。第3の経路は、ラクトン重合化の確立した技術を用いるが、出発物質のR-BBL が商業的ポリマー生産に要求されるような容易に利用可能な便利さを有しない。このように、R-PHB の第3経路による営業的生産のために、R-BBL の生産についての効率的、効果的、費用の安い方法が必要である。
【0004】
R-BBL を生産するための最も有望な方法は、R-プロピレンオキシドと一酸化炭素からのR-BBLの触媒性合成である。R-プロピレンオキシドは、Tokunaga, M., et al., Science 277, 936-938 (1997) に記載のように、ヤコブセン加水分解速度論的分解によって容易に得ることができる。
【0005】
Drent,E.らのヨーロッパ特許出願 0577206 は、高圧および高温でコバルトおよびヒドロキシ置換ピリジン化合物を含む触媒系の存在での一酸化炭素との反応によるエポキシド類のカルボニル化法に関する。ヨーロッパ特許出願0577206の実施例5 に示されたデータによると、60 bar圧、75℃、6 時間での一酸化炭素の反応が、β-ブチロラクトン (BBL)への 90% 以上の選択性をもつプロピレンオキシドの 93% 転換をもたらす。しかし、Lee, T. L., et al., J. Org. Chem. 65, 518-521 (1999) および本発明者らは、Drentの結果を再現できず、BBL の収率が低く(15%)、望ましくないオリゴマー副産物がかなりあった。
【0006】
Lee, T.L., et al., J. Org. Chem. 64, 518-521 によると、[Ph3P=N=PPh3][Co(CO)4]と BF3EtO との混合物を触媒として用いるジメトキシエタン中での 900 psi CO、80℃によるプロピレンオキシドのカルボニル化24時間反応で収率77% のBBLが得られる (いくらかの α-メチル-β-プロピオラクトンも生産された)。この結果は、他の触媒系を考慮する余地を残す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要旨
エポキシド類のカルボニル化に用いる触媒系の触媒活性がそのカチオンの修飾により調整されること、および触媒系中のカチオンとしてカチオン性ルイス酸の使用が新しい手段を提供することを、今回発見した。Lee et al. の触媒における BF3 はルイス酸であるが、これは中性ルイス酸である。Lee et al. 触媒系でのカチオンは[Ph3P=N=PPh3+ であり、ルイス酸でない。カチオン性ルイス酸はDrent et al.のヨーロッパ特許出願 0577206 に記載のin situ 反応で形成され得る。本発明は、Drent et al. 触媒系またはそれから形成されるいかなる触媒も包含しておらず、カルボニル化反応に付帯的なカチオン性ルイス酸の形成のみを1サブセット中に包含し、基質と触媒を充填し、ついで一酸化炭素を加圧下で反応せしめる。
【0008】
本発明の好ましい実施態様において、この触媒系は短い反応時間で非常に高い収率を提供する (例えば、2 時間半未満でBBL または R-BBLの収率が95%を越える)。
【0009】
さらに、本発明の触媒系が R-プロピレンオキシドおよびプロピレンオキシドのカルボニル化に有用であるだけでなく、これらの類似物のカルボニル化および対応する四員複素環類のカルボニル化にも有用であることを今回発見した。BBLおよび類似物の該カルボニル化産物を重合して、その性質を改変する R-PHB への付加物として使用できるポリマーを作り得る。さらに、得られるキラルのラクトン類、ラクタム類、チオラクトン類、γ-ラクトン類および無水物類は有機合成に有用である。
【0010】
第1実施態様とよぶ本発明のひとつの実施態様は、下記式を有する化合物のカルボニル化方法に関する。
【化1】

【0011】
式中、R1、R2、R3および R4 は、水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよびC6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜 20 炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6 アルキレンであり、アルキル置換基はシリル上で置換された1〜3 個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容である他の官能基よりなる群から選ばれ、そしてR2 および R4 は環を形成でき、Xは、O、SおよびNR5よりなる群から選ばれ、うち、R5 は水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよび C6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜 20 炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6 アルキレンであり、アルキル置換はシリル上で置換された1〜3 個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容で転位を起こさない他の官能基よりなる群から選ばれ、n は 0 または 1 であり、Y は C=O またはCH2である。
【0012】
該方法は、化合物(I) を一酸化炭素と、触媒的有効量の一般式 [ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-yを有する触媒(式中、Q はなんらかのリガンドで必ずしも存在せず、M は元素周期表の 4、5、6、7、8、9および10 族の遷移金属よりなる群から選ばれる遷移金属であり、zはルイス酸の原子価で1 〜 6 の範囲にあり、w は金属カルボニルの電荷で1 〜 4 の範囲にあり通常 1 であり、y は w 倍の y が z に等しいような数であり、xは{[QM(CO)xw-y についての安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数で1 〜 9 の範囲にあり典型的には1 〜 4 である)の存在下に反応せしめ、下記の構造式:
【化2】


を有する産物をつくる工程を含む。
【0013】
式中、R1、R2、R3、R4および X は式 (I) のR1、R2、R3、R4 および X に対応し、R2および R4 は (I)で環であると環であり、n は (I) で 0 であると、(II) で 0 または 1 であり、n は (I) で1 であると、(II) で 1 であり、該触媒はコバルト源とヒドロキシ置換ピリジンの組合せから形成される触媒を除く。
【0014】
アルキルには、分枝と直鎖のアルキルがある。R1、R2、R3、R4 および R5の定義で用いられるC1-C100,000 アルキル、C2-C100,000アルケニルおよび C6-C100,000 アリールは複素環のためにポリマーに付属し得る。複素環はポリマーに付属せず、アルキルの範囲は例えばC1-C20 であり、アルケニルの範囲は例えば C2-C20 であり、アリールの範囲は例えばC6-C20であり得る。
【0015】
用語 “ハロゲン” は、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素を含む。
用語 “下記する触媒が寛容であるいかなる他の官能基”は、本明細書において、官能基が触媒を不活性にすることなしに存在し得ることを意味する。
【0016】
用語 “転位を起こさない” は、1 以上の部分、特に R5 が、例えばR5 が下記に示すようなベンゾイルである場合に、形成される環またはその部分になるか、さもなければ、上記のC=O 官能基の挿入を含まない出発の複素環に固有の結合性の程度を変える場合を除外する。
【0017】
用語 “{[QM(CO)xw-yについての安定なアニオン金属カルボニルを提供するような” は、本明細書において、{[QM(CO)xw-yが分析的手段、例えば、NMR、IR、 X-線結晶法、ラマン分光法および/または電子スピン共鳴 (EPR)により特徴つけられ、ルイス酸カチオンのためのアニオンとして触媒形態で分離可能な種またはin situで形成される種であって、Drent et al のヨーロッパ特許出願 0577206 に規定されるコバルト源、一酸化炭素およびヒドロキシ置換ピリジンの組合せから得られるものを除く。
【0018】
本発明の第1実施態様のサブセットにおいて、少なくとも1の R1、R2、R3 および R4 は水素でない。
n が (I) で0 であり、 (II) で 1 である本発明の第1実施態様のサブセットにおいて、エポキシドまたは類似物は二重にカルボニル化され、中間体ラクトンまたは類似物を分離する必要なしに結果の無水物または類似物となる。すなわち、いわゆる“ワンポット” 反応を提供する。
本発明の第1実施態様のサブセットにおいて、触媒は添加触媒である。すなわちカルボニル化反応中に in situ で形成されない。
【0019】
好ましい触媒は下記の構造式を有する:
【化3】


式中、So はテトラヒドロフランであり、tBuは t-ブチル であり、M は Al またはCr である。M が Al であるこの触媒を触媒(G)と本明細書中で呼ぶ。
【0020】
他の好ましい触媒は下記の構造式を有する:
【化4】


式中、THF はテトラヒドロフランであり、tBuは t-ブチル であり、M は Al またはCr である。M が Al であるこの触媒を触媒(E1)と本明細書中で呼ぶ。
【0021】
他の好ましい触媒は下記の構造式を有する:
【化5】


式中、So はテトラヒドロフランであり、tBuは t-ブチルである。この触媒を触媒(H)と本明細書中で呼ぶ。
【0022】
他の好ましい触媒は下記の構造式を有する:
【化6】


式中、So はテトラヒドロフランであり、Phはフェニルである。この触媒を触媒(J)と本明細書中で呼ぶ。
【0023】
他の好ましい触媒は下記の構造式を有する:
【化7】


式中、M は原子価3を有するチタンである。この触媒を触媒(G1)と本明細書中で呼ぶ。
【0024】
他の好ましい触媒は下記の構造式を有する:
【化8】


式中、M は原子価3を有するサマリウムである。この触媒を触媒(G)と本明細書中で呼ぶ。
【0025】
第2実施態様と呼ぶ本発明の別の実施態様は、カルボニル化された化合物が下記の構造式を有する場合に関する:
【化9】


式中、Ph はフェニルである。
【0026】
該方法は、化合物(XI) を一酸化炭素と、触媒的有効量の一般式 [ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-yを有する触媒(式中、Q はなんらかのリガンドで必ずしも存在せず、M は元素周期表の 4、5、6、7、8、9および10 族の遷移金属よりなる群から選ばれる遷移金属であり、zはルイス酸の原子価で1 〜 6 の範囲にあり、w は金属カルボニルの電荷で1 〜 4 の範囲にあり、y は w 倍の y が z に等しいような数であり、x は{[QM(CO)xw-yについての安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数で 1 〜 9 の範囲にあり典型的には1 〜 4 である)の存在下に反応せしめ、下記の構造式の混合物を含む産物をつくる工程を含む。
【化10】

【0027】
化合物 (XI)は、n が 0 であり、XがNR5 であり、R5 がベンゾイルである構造式 (I) を有する。この場合、R5が転位に関与し、それによってR5 のカルボニルが産物の環の部分となり、R5 の Ph が産物の環に直接結合するようになる。
【0028】
本発明の第3実施態様は、本発明の第1および第2実施態様のカルボニル化反応に有用な新規の触媒に関する。
【0029】
第3実施態様についての新規な触媒の1種は、次の構造式を有する化合物である:
【化11】


式中、 tBu はt-ブチルであり、M は Al または Cr であり、So は中性の2つの電子供与体である。この種の好ましい触媒は、M が Alであり、中性の2つの電子供与体がテトラヒドロフランである構造式 (V) を有し、触媒(G)とよぶ。
【0030】
第3実施態様についての新規な触媒の他の種は、次の構造式を有する化合物である:
【化12】


式中、 tBu はt-ブチルであり、So は中性の2つの電子供与体である。この種の好ましい触媒は、中性の2つの電子供与体がテトラヒドロフランである構造式(VIII) を有し、触媒(B)とよぶ。
【0031】
第3実施態様についての新規な触媒の他の種は、次の構造式を有する化合物である:
【化13】


式中、 tBu はt-ブチルであり、So は中性の2つの電子供与体である。この種の好ましい触媒は、中性の2つの電子供与体がテトラヒドロフランである構造式(IX) を有し、触媒(F)とよぶ。
【0032】
さらに第3実施態様に含まれるものは、次の構造式を有する化合物である:
【化14】


式中、 tBu はt-ブチルであり、THF はテトラヒドロフランであり、M は Al である。この化合物を触媒(E1)とよぶ。
【0033】
第3実施態様についての新規な触媒の他の種は、次の構造式を有する化合物を含む:
【化15】


式中、 tBu はt-ブチルであり、So は中性の2つの電子供与体である。この種の好ましい触媒は、中性の2つの電子供与体がテトラヒドロフランである構造式(X) を有し、触媒(H)とよぶ。
【0034】
さらに、第3実施態様についての新規な触媒の他の種は、次の構造式を有する化合物を含む:
【化16】


式中、Ph はフェニルであり、Soは2つの電子供与体である。この種の好ましい触媒は、中性の2つの電子供与体がテトラヒドロフランである構造式 (XI) を有し、触媒 (J)とよぶ。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
下記式を有する化合物のカルボニル化方法であって、
【化1】


(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよびC6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜20炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6アルキレンであり、アルキル置換基はシリル上で置換された1〜3個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容である他の官能基よりなる群から選ばれ、そしてR2およびR4は環を形成でき、Xは、O、SおよびNR5よりなる群から選ばれ、うち、R5は水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよびC6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜20炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6アルキレンであり、アルキル置換はシリル上で置換された1〜3個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容で転位を起こさない他の官能基よりなる群から選ばれ、nは0または1であり、YはC=OまたはCH2である)
化合物(I)を一酸化炭素と、触媒的有効量の一般式[ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-yを有する触媒
(式中、Q はなんらかのリガンドで必ずしも存在せず、Mは元素周期表の 4、5、6、7、8、9および10 族の遷移金属よりなる群から選ばれる遷移金属であり、z はルイス酸の原子価で1 〜 6 の範囲にあり、w は金属カルボニルの電荷で1〜 4 の範囲にあり、y は w 倍の y が z に等しいような数であり、x は{[QM(CO)xw-yについての安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数である)
の存在下に反応せしめ、下記の構造式:
【化2】


(式中、R1、R2、R3、R4および X は式 (I) のR1、R2、R3、R4 および X に対応し、R2および R4 は (I)で環を形成する場合、環を形成し、(I)のn が0 であると、(II)のnは0 または 1 であり、(I)のn が1であると、(II)のnは1 であり、該触媒はコバルト源とヒドロキシ置換ピリジンの組合せから形成される触媒を除く)
を有する産物をつくる方法。
(項目2)
(I)におけるn が 0 であって、(I)の構造式が下記 (III) となり、
【化3】


産物が下記の構造式 (IV) または (II) :
【化4】


【化5】


(式中、n は1、Y は C=O である)
を有する、項目1の方法。
(項目3)
触媒が [(salph)Al(THF)2][Co(CO)4](式中、THF はテトラヒドロフランである)であり、
下記構造式:
【化6】


(式中、Soはテトラヒドロフラン、 tBu は t-ブチルである)
を有する、項目2の方法。
(項目4)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜120℃、触媒の存在下、化合物 (III) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目3の方法。
(項目5)
(III)における X が O である、項目4の方法。
(項目6)
化合物(III) がプロピレンオキシドである、項目4の方法。
(項目7)
化合物(III) が(R)-プロピレンオキシドであり、産物が (R)-β-ブチロラクトンである、項目4の方法。
(項目8)
反応が、圧850 〜 900 psi、温度0℃〜120℃、期間 0.75 〜 1.5 時間で実施される、項目7の方法。
(項目9)
化合物(III) が 1-ブテンオキシドである、項目4の方法。
(項目10)
化合物(III) がエピクロロヒドリンである、項目4の方法。
(項目11)
化合物(III) がイソブチレンオキシドである、項目4の方法。
(項目12)
化合物 (III)が 2,3-エポキシブタンである、項目4の方法。
(項目13)
X がNR5 である、項目4の方法。
(項目14)
化合物(III) が 1-ベンジル-2-メチルアジリジンである、項目13の方法。
(項目15)
化合物(III) が 1-トシル-2-メチルアジリジンである、項目13の方法。
(項目16)
化合物(III) が cis-1-ベンジル-2-(tert-ブチルジメチルシロキシメチル)-3-メチルアジリジンである、項目13の方法。
(項目17)
触媒が下記:
【化7】


(式中、tBu は t-ブチル、So はテトラヒドロフランである)
である、項目2の方法。
(項目18)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜120℃、触媒の存在下、化合物 (III) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目17の方法。
(項目19)
(III)における X が O である、項目18の方法。
(項目20)
化合物(III) がベンジルグリシジルエーテルである、項目19の方法。
(項目21)
触媒が下記:
【化8】


(式中、Soはテトラヒドロフラン、Ph はフェニルである)
である、項目2の方法。
(項目22)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜 120℃、触媒の存在下、化合物 (III) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目21の方法。
(項目23)
(III)における X が O である、項目22の方法。
(項目24)
化合物 (III)が 1-ブテンオキシドである、項目23の方法。
(項目25)
化合物(III) が 1-ヘプテンオキシドである、項目23の方法。
(項目26)
化合物(III) がシクロオクテンオキシドである、項目23の方法。
(項目27)
触媒が下記構造:
【化9】


(式中、M は(VI) が安定であるような金属である)
を有する、項目2の方法。
(項目28)
触媒が、Mが3価のチタニウムである構造式 (VI) を有する、項目27の方法。
(項目29)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃ 〜 120℃、触媒の存在下、化合物 (III) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目28の方法。
(項目30)
(III)における X が O である、項目29の方法。
(項目31)
化合物(III) がプロピレンオキシドである、項目30の方法。
(項目32)
化合物(III) が R-プロピレンオキシドである、項目31の方法。
(項目33)
化合物(III) が1,2-エポキシブタンである、項目30の方法。
(項目34)
化合物(III) が1,2-エポキシ-5-ヘキセンである、項目30の方法。
(項目35)
化合物(III) がエピクロロヒドリンである、項目30の方法。
(項目36)
化合物(III) がイソブチレンオキシドである、項目30の方法。
(項目37)
化合物(III) が cis-2,3-エポキシブタンである、項目30の方法。
(項目38)
化合物(III) が trans-2,3-エポキシブタンである、項目30の方法。
(項目39)
化合物(III) におけるX が NR5 である、項目29の方法。
(項目40)
化合物(III) が1-ベンジル-2-メチルアジリジンである、項目39の方法。
(項目41)
化合物(III) が7-ベンジル-7-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンである、項目39の方法。
(項目42)
化合物(III) が1-トシル-2-メチルアジリジンである、項目39の方法。
(項目43)
化合物(III) がcis-1-ベンジル-2-(tert-ブチルメチルシリルオキシメチル)-3-メチルアジリジンである、項目39の方法。
(項目44)
(I) におけるn が 1、Y が C=O または CH2 である、項目1の方法。
(項目45)
触媒が下記構造:
【化10】


(式中、THFはテトラヒドロフラン、tBu は t-ブチル、M は Al である)
を有する、項目44の方法。
(項目46)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜 120℃、触媒の存在下、化合物 (I) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目45の方法。
(項目47)
化合物(I) がオキセタンである、項目46の方法。
(項目48)
Y がC=O、化合物 (I) における R1 および R3 がともに H である、項目46の方法。
(項目49)
化合物(I) における R4 がH である、項目48の方法。
(項目50)
化合物(I) における R2 がMe である、項目49の方法。
(項目51)
触媒が下記構造:
【化11】


(式中、M は3価のチタンである)
を有する、項目44の方法。
(項目52)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜 120℃、触媒の存在下、化合物 (I) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目51の方法。
(項目53)
Y がC=O である、項目52の方法。
(項目54)
化合物(I) におけるR1、R3 および R4 が H である、項目53の方法。
(項目55)
化合物(I) におけるR2 が Me である、項目54の方法。
(項目56)
化合物(I) におけるR2 が Et である、項目54の方法。
(項目57)
化合物(I) におけるR2 が CCl3 である、項目54の方法。
(項目58)
化合物(I) におけるR1、R2 および R4 が H である、項目52の方法。
(項目59)
化合物(I) におけるR が Me である、項目58の方法。
(項目60)
化合物(I) におけるR が Ph である、項目58の方法。
(項目61)
触媒が下記構造:
【化12】


(式中、M は3価のサマリウムである)
を有する、項目44の方法。
(項目62)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜 120℃、触媒の存在下、化合物 (I) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目61の方法。
(項目63)
化合物(I) におけるY が C=Oであり、R1 、R3 および R4 が H であり、化合物(I) における R2 が Me である、項目62の方法。
(項目64)
触媒の [ルイス酸]Z+ 部分において中性の2電子供与体が存在し、カチオン性ルイス酸の配位価を満たしている、項目1の方法。
(項目65)
触媒の [ルイス酸]Z+ 部分がアルミニウムまたはクロム中心を含有する、項目64の方法。
(項目66)
中性の2電子供与体がテトラヒドロフランである、項目65の方法。
(項目67)
触媒が下記構造:
【化13】


(式中、M は(VI) が安定であるような金属である)
を有する、項目1の方法。
(項目68)
反応が、一酸化炭素圧 100 〜 10,000 psi、温度0℃〜 120℃、触媒の存在下、化合物 (I) の触媒 (コバルトに基づく) に対するモル比1:1 〜 10,000:1 で実施される、項目67の方法。
(項目69)
下記の構造式を有する化合物のカルボニル化方法であって、
【化14】


(式中、Phはフェニルである)
該方法が、化合物 (XI) を一酸化炭素と、触媒的有効量の一般式 [ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-yを有する触媒
(式中、Q はなんらかのリガンドで必ずしも存在せず、Mは元素周期表の 4、5、6、7、8、9および10 族の遷移金属よりなる群から選ばれる遷移金属であり、z はルイス酸の原子価で1 〜 6 の範囲にあり、w は金属カルボニルの電荷で1〜 4 の範囲にあり、y は w 倍の y が z に等しいような数であり、x は{[QM(CO)xw-yについての安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数である)
の存在下に反応せしめ、下記の構造式:
【化15】


の混合物を含む産物をつくる方法。
(項目70)
下記構造式:
【化16】


(式中、tBu は t-ブチル、So は中性の2電子供与体である)
を有する化合物。
(項目71)
中性の2電子供与体がテトラヒドロフランである、項目70の化合物。
(項目72)
下記構造式:
【化17】


(式中、tBu は t-ブチル、So は中性の2電子供与体である)
を有する化合物。
(項目73)
中性の2電子供与体がテトラヒドロフランである、項目72の化合物。
(項目74)
下記構造式:
【化18】


(式中、tBu は t-ブチル、So は中性の2電子供与体である)
を有する化合物。
(項目75)
中性の2電子供与体がテトラヒドロフランである、項目74の化合物。
(項目76)
下記構造式:
【化19】


(式中、THFは テトラヒドロフランであり、tBu は t-ブチルである)
を有する化合物。
(項目77)
M がAl である、項目76の化合物。
(項目78)
M がCr である、項目76の化合物。
(項目79)
下記構造式:
【化20】


(式中、tBu は t-ブチル、So は中性の2電子供与体である)
を有する化合物。
(項目80)
中性の2電子供与体がテトラヒドロフランである、項目79の化合物。
(項目81)
下記構造式:
【化21】


(式中、Phはフェニル、Soは中性の2電子供与体である)
を有する化合物。
(項目82)
中性の2電子供与体がテトラヒドロフランである、項目81の化合物。
(項目83)
9-オキサ-ビシクロ[6.2.0]デカン-10-オン。
(項目84)
13-オキサ-ビシクロ[10.2.0]テトラデカン-14-オン。
(項目85)
触媒の [ルイス酸]z+ 部分が中性の2電子供与体を含有しない、項目1の方法。
金属およびリガンドの建築的構成についてのさらなる変更は、当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は触媒 (G) についての NMR データを示す。図におけるy-軸は任意強度である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
詳細な説明
ここで、第1実施態様においてカルボニル化される化合物について述べる。これは下記の式を有する:
【化17】

【0037】
式中、R1、R2、R3および R4 は、水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよびC6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜 20 炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6 アルキレン であり、アルキル置換基はシリル上で置換された1〜3 個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容である他の官能基よりなる群から選ばれ、R2 および R4 は環を形成でき、Xは、O、SおよびNR5よりなる群から選ばれ、うち、R5 は水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよびC6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜 20 炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6 アルキレン であり、アルキル置換基はシリル上で置換された1〜3 個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容で転位を起こさない他の官能基よりなる群から選ばれ、n は 0 または 1 であり、Y は C=O またはCH2である。
【0038】
ここで、n が0 であり、X が Oである化合物 (I) の例、すなわちエポキシド類について述べる。このうち最も興味深い化合物 (I) は R-プロピレンオキシドである。すなわち、Xが O であり、R1 がH、R2 が H、R3 が (R)-Me、R4が H である化合物 (I) である。なぜなら、この化合物のカルボニル化が R-BBL を提供するからである。他の単環エポキシド化合物 (I) は、例えば、エチレンオキシド(n が 0、 X が O、R1 が H、R2 がH、R3 が H、R4が Hである化合物 (I))、プロピレンオキシド (n が 0、X が O、R1 が H、R2 がH、R3が Me、R4 が Hである化合物 (I))、1,2-エポキシブタンともいう l-ブテンオキシド (n が 0、 X が O、R1が H、R2 がH、R3 が Et 、R4 が Hである化合物 (I))、1-ヘプテンオキシド(n が 0、 X が O、R1 が H、R2 がH、R3 が C5H11、R4 が Hである化合物 (I))、イソブチレンオキシド (n が 0、 X が O、R1 が H、R2がH、R3 が Me 、R4 が Meである化合物 (I))、2,3-エポキシブタン (n が 0、 X が O、R1が H、R2 がMe、R3 が Me 、R4 が H である化合物 (I))、エピクロロヒドリン(n が 0、 X が O、R1 が H、R2 がH、R3 がCH2Cl、R4が H である化合物 (I))、エピブロモヒドリン (n が 0、X が O、R1 が H、R2 がH、R3がCH2Br、R4 が H である化合物 (I))、1,2-エポキシ-5-ヘキセン (n が 0、X が O、R1が H、R2 がH、R3 がH、R4 が -(CH2)2CH=CH2)である化合物 (I)) および下記式:
【化18】


を有するベンジルグリシジルエーテル(R1 が H、R2 が H、R3 が CH2OCH2Ph、R4が H である化合物 (I))を含む。
【0039】
化合物 (I) についての二環状エポキシド類の例は、例えば、シクロヘキセンオキシド(R1 が H であり、R3 が H であり、R2 と R4 が-(CH2)4-を形成する化合物 (I) )、シクロペンテン オキシド (R1 が H であり、R3が H であり、R2 と R4 が -(CH2)-を形成する化合物(I) )、シクロオクテンオキシド (R1 が H であり、R3 が H であり、R2 とR4 が -(CH2)-を形成する化合物 (I) ) およびシクロドデセンオキシド (R1が H であり、R3 が H であり、R2 と R4 が -(CH2)10-を形成する化合物(I)) を含む。これらの単環および二環は、すべて市販されている。
【0040】
ここで、n が0であり、XがNR5 であり、うち、R5 は水素、C1-C100,000-アルキル、C2-C100,000-アルケニルおよび C6-C100,000-アリール(うち、アルキル、アルケニルおよびアリールはハロゲンまたはベンジルエーテルで任意的に置換される)、および1〜 20 炭素原子を含むアルキルアリール、エステル、ケトン、アルコール、酸、アルデヒド、アミドおよびトシル、およびベンジルエーテル、アルキル置換シリルエーテル(うち、エーテル基はC1-C6 アルキレンであり、アルキル置換はシリル上で置換された1〜3 個のC1-C6アルキルからなる)、および下記する触媒が寛容で転位を起こさない他の官能基よりなる群から選ばれる化合物 (I) の例について述べる。
【0041】
これらの化合物はアジリジン類である。これは、市販されている2-エチルアジリジンともいうエチルエチレンイミン (n が 0、X が NH、R1 が H、R2が H、R3 が Et、R4 が Hである化合物 (I)) を含む。本発明で有用な他のアジリジン類は、市販されており、Aldrichimica Acta 2001,34(2) に掲載されている。それらは、cis-2,3-ジフェニル-1-プロピルアジリジン; trans-2,3-ジフェニル-1-プロピルアジリジン;cis-1-イソプロピル-2,3-ジフェニルアジリジン; trans-1-イソプロピル-2,3-ジフェニルアジリジン; 2-メチルアジリジン;cis-1,2,3-トリフェニルアジリジン; 1-アジリジンエタノール; 1-ベンジル 2-メチル (S)-(-)-1,2-アジリジンカルボキシレート;(S)-(+)-2-ベンジル-1-(p-トリルスルホニル)アジリジン; メチル (S)-(-)-1-トリチル-2-アジリジンカルボキシレート; およびトリメチルオルプロパントリス(2-メチル-1-アジリジンプロピオネート) である。
【0042】
他の本発明で有用なアジリジンは、1-ベンジル-2-メチルアジリジン、すなわち、 n が 0、X が NCH2 (C6H5)、R1が H、R2 が H、R3 が H、R4 が Me である化合物 (I) である。この化合物は、Piotti,M.E., et al, J. Am. Chem. Soc. 118, 111-116 (1996) の記載のように製造できる。さらに他の本発明で有用なアジリジンは、7-ベンジル-7-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン、すなわち、nが 0、X が NCH2(C6H5)、R1 が H、R3が Hであり、R2 と R4 が -(CH2)4-で連結している化合物(I)である。この化合物は後述の背景例 1 で製造する。さらに他の本発明で有用なアジリジンは、1-トシル2-メチルアジリジン ( X が NOS(=O)2C7H8、R1が H、R2 が H、R3 が H、R4 がMeである化合物 (I))である。この化合物は後述の背景例2 で製造する。さらに他の本発明で有用なアジリジンは、cis-1-ベンジル-2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-3 アジリジン (X が NH、R1が CH2C5H5、R2 が H、R3 が H、R4がCH2OSi(CH3)2[C(CH3)3] である化合物(I))である。この化合物は、Piotti, M.E., et al., J. Am. Chem. Soc. 118, 111-116 (1996) に記載のようにつくる。他の本発明で有用なアジリジン類は、十分確立した合成経路で使用可能となる。例えば、第一級アミンでの開環およびエチルジアゾアセテートでの閉環によるエポキシド類から、および銅触媒を用いるR-N=N-R' とのアルカン類からである。
【0043】
ここで、n が0、X が S である化合物(I) について述べる。この化合物はチイラン類である。本発明で有用な チイラン類で、市販のものにgからkg量で購入できる脂肪族チイラン類、例えば、プロピレンスルフィド、エピチオクロロヒドリン、イソブチレンスルフィドがある。多くの他の官能基置換(すなわち、エステル、 酸、アミド、ケトンなど) チイラン類も、その多くはサブg量であるが、使用できる。
【0044】
ここで、n が1、X がO、Y が CH2 である化合物(I) の例について述べる。この化合物はオキセタン類である。本発明で有用なオキセタンは、n が1、Y が CH2 、R1、R2、 R3 および R4が H である構造 (I) を有し、オキセタンとよばれ、市販されている。他のオキセタン類は、市販されているか、化学文献に記載の標準的方法でつくり得る。
【0045】
ここで、X がO、n が 1、Y が C=O である化合物 (I) の例について述べる。この化合物はラクトン類である。本発明で有用なラクトン類は、X が O、n が 1、Yが C=O であり、R1、R3 および R4 が H、R2 が Me、Etまたは CCl3 であるか、R1、R2 および R4 が H、R3が Me または Ph である構造 (I) を有する化合物を含む。これらの化合物は市販されている。他のラクトン類は、本発明に記載の方法または下記に引用の文献に記載の方法により製造できる:Mahadevan, V., et al, Angew. Chem. Int. Ed. 41, No. 15, 2781-2784 (2002) およびGetzler, Y. D.Y.L., et al, J. Am. Chem. Soc. 124, No. 7, 1174-1175 (2002)。
【0046】
ここで、X がNR5、n が 1、Y が C=O である化合物 (I) の例について述べる。この化合物はラクタム類である。これらの化合物は、市販されているか、本明細書に記載の方法または化学文献に記載の方法でつくり得る。
【0047】
X が NR5、nが 1、Y が CH2 である化合物 (I) はアゼチジン類である。R5 が H、n が 1、Y が CH2 であり、R1、R2、R3 および R4 が H である化合物は市販されている。他のものは合成し得る。
【0048】
X が S、n が1、Y が C=O である化合物 (I) はチオラクトン類である。これらのいくつかは、化学文献に記載のように合成し得る。
【0049】
X が S、n が1、Y がCH2 である化合物 (I) はチエタン類である。X が S、n が 1、Y が CH2 であり、R1、R2、R3および R4 が Hである化合物は市販されている。他のものは合成し得る。
【0050】
ここで、第1実施態様の方法条件について述べる。すなわち、化合物 (I) と一酸化炭素とを、触媒性有効量の一般式 [ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-yを有する触媒の存在で反応せしめる工程である。式中、Q はいかなるリガンドおよび存在の必要なく、M は元素周期表の 4、5、6、7、8、9、10 族よりなる群から選ばれる遷移金属であり、z はルイス酸の価であって、1 から 6、例えば 1 または 2 であり、w は金属カルボニルの電荷であって、1 から 4 の範囲、通常 1 であり、y はw 倍の y が z に等しくなる数であり、x は {[QM(CO)xw-y について安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数であって、1から 9 の範囲、典型的には 1 から 4 である。
【0051】
反応式は下記のとおり:
【化19】


式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、nは上記の定義のとおりである。
【0052】
反応は、0 ℃から120 ℃で、好ましくは40 から 80 ℃で実施する。
CO の化合物(I) に対するモル比は化学量論からして少なくとも 1:1 である。
反応は高濃度のCOで推進される。高濃度のCO を達成するひとつの手段は、高圧のCO 、すなわち 100 から 10,000 psi、好ましくは 75 から 1,200 psiの範囲である。
【0053】
ここで、反応触媒について述べる。上記のように、反応触媒は一般式[ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-y を有する。式中、Q はいかなるリガンドおよび存在の必要なく、M は元素周期表の 4、5、6、7、8、9、10 族よりなる群から選ばれる遷移金属であり、 z はルイス酸の価であって、1または 2 であり、w は金属カルボニルの電荷であって、1 から 4 の範囲、通常 1 であり、y は w 倍の y が z に等しくなる数であり、x は {[QM(CO)xw-yについて安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数であって、1 から 9 の範囲、典型的には 1 から 4 である。
【0054】
上記のように、ひとつのサブセットの触媒は加えられた触媒を意味する。用語“加えられた”は、触媒がカルボニル化反応に対し外的に形成され、加圧の前、間または後に、反応に課されることを意味する。
【0055】
ここで、[ルイス酸]z+、すなわち触媒のカチオン性ルイス酸部分について述べる。用語“ルイス酸”は、共有結合または配位結合のいずれかを形成する電子対供与体である分子またはイオンに結合できる電子対受容体を意味する。用語“カチオン性ルイス酸”は、1以上の陽性電荷を有するルイス酸を意味する。好ましくは、触媒のカチオン性ルイス酸部分は、金属、例えば、アルミニウムまたはクロムおよび金属に配位結合または共有結合する中性の2電子供与体を含有する。中性の2電子供与体は、カチオン性ルイス酸の配位価を満たす機能を有する。本発明でつくられる触媒、B、E1、E2、F、G、HおよびJにおいて、中性の2電子供与体はテトラヒドロフラン(THF) であり、触媒合成の所産である。THF以外の触媒のカチオン性ルイス酸部分についての他の中性の2電子供与体には、例えば、ジエチルエーテル、アセトニトリル、二硫化炭素、ピリジンがある。触媒合成において、中性の2電子供与体は他の反応体の前、間、または後に加え得る反応溶媒として準備できるが、触媒合成に好ましい空気のない環境を乱さないように加えるのが好ましい。中性の2電子供与体をもたない触媒のカチオン性ルイス酸部分も可能であり、溶媒を提供する中性の2電子供与体でない反応溶媒中で触媒を合成すること、または触媒のカチオン性ルイス酸部分が中性の2電子供与体を含有する触媒を加熱することにより準備できる。
【0056】
ここで、{[QM(CO)xw-yである触媒のアニオン部分について述べる。式中、Q はいかなるリガンドおよび存在の必要なく、M は元素周期表の 4、5、6、7、8、9、10 族よりなる群から選ばれる遷移金属であり、z はルイス酸の価であって、 1 または 2 またはそれ以上であり、w は金属カルボニルの電荷であって、1 から 4 の範囲、通常 1 であり、y は w 倍のy が z に等しくなる数であり、x は {[QM(CO)xw-y について安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数であって、1から 9 の範囲、典型的には 1 から 4 である。Q が存在しないときは、7 族および 9 族の金属が好ましい。7 族の金属には、例えば、マンガンがある。9族の金属には、コバルト、ロジウム、イリジウムがある。非常に好ましい金属 M はコバルトである。ここで、いかなるリガンドでもある選択的構成体Q について述べる。用語“リガンド”は、遷移金属M と別個の存在を持ち得る別々の種を意味するとして用いる。適当な構成体 Q には、例えば、トリフェニルホスフィン、シクロペンタジエニル (Cp)、ペンタメチルシクロペンタジエニル(Cp*) がある。リゲート金属カルボニルアニオンは、よく知られている化学的方法の1工程で、市販の Co2(CO)8の還元により得ることができる。
【0057】
反応触媒は、標準的グローブボックスおよび Schlenk-型技法を用いる空気のない環境で好ましくは形成せしめる。
w が 1、y がz に等しく、z が 1である触媒は、[ルイス酸]-X と [QM(CO)x]-Y との反応により形成する。式中、X は離脱基であり、YはX と塩を形成する部分である。あるいは、z が1 〜 6、例えば、1 または 2 である触媒は [ルイス酸m] と z/2Q2M2(CO)2xとのレドックス反応からつくり、[ルイス酸 (m+z)z+{[QM(CO)x-zを形成する。式中、m は金属の酸化状態であり、z はルイス酸の価およびそれに結合するアニオンの数の両者であり、1 〜 6 の範囲、例えば 1 または 2 であり、Mは元素周期表の4、5、6、7、8、9 および 10 族の遷移金属よりなる群から選ばれる遷移金属であり、x は {[QM(CO)x-zにとって安定なアニオン性カルボニルを形成するのに要する数である。[QM(CO)x]-Y 型の複合体はアニオン種 [QM(CO)x2の還元によりつくり得る。式中、Q、M および x は{[QM(CO)x-z について定義したものである。種[QM(CO)x2 は多くの場合、市販されている。還元剤には、アマルガムナトリウムおよび Edgell, W.F., et al., Inorg. Chem. 1970, 9, 1932-1933 に記載の水酸化ナトリウムがある。この方法は、触媒 D の合成 (後述の触媒製造3) に使用した。
【0058】
本発明の好ましい触媒の1種は下記の構造を有する:
【化20】


式中、M は (VI)が安定である金属である。安定とは触媒が反応中に活性を維持することを意味する。M は、例えば、3 価のチタン (触媒 (G1))、3 価のサマリウム(触媒 (G))、3 価のランタン、3 価のハフニウムであり得る。触媒 (G1) は、Merola, J.S.,et al. Inorg. Chem 28, 2950-2954 (1989) および Merola, J.S., et al., Inorg. Chim.Acta 165, 87-90 (1989) に記載のようにつくり得る。 触媒 (G2) は、Evans, W. J., et al.,Inorg. Chem. 24, 4620-4623 (1985) および Evans., W.J., et al., J. Am. Chem. Soc107, 941-946 (1985) に記載のようにつくり得る。他の触媒 (VI) は相当する方法でつくり得る。
【0059】
本発明の他の触媒は上記の触媒 (G) である。触媒 (G) の合成は後述の触媒製造実施例 1 に記載する。触媒 (G) は [(salph)Al(THF)2][Co(CO)4]と言及し得る。salph は N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチリデン)-1,2-フェニレンジアミノである。
【0060】
本発明で使用の他の触媒は、本明細書で触媒 B、D、E1、E2、F、H、J とよぶ触媒である。
触媒 (B) は下記の式を有する:
【化21】


式中、THFはテトラヒドロフランであり、tBuはt-ブチルである。触媒 (B) の合成を後述の触媒製造実施例 2 に記載する。触媒 (B) は非常に活性であるが、触媒製造実施例 2に記載されるようなその合成は再現が難しい。他の経路は、後述の背景実施例6 に記載の触媒 (F) をつくる経路である。
【0061】
触媒 (D) は式[Na]+[Co(CO)4-を有する。触媒 (D) の合成は後述の触媒実施例 3 に記載する。
触媒 (E1)および (E2) は下記式を有する:
【化22】


式中、THF は テトラヒドロフランであり、tBuは t-ブチル であり、M は 触媒 (E1) について Al、触媒 (E2) について Cr である。 触媒(E1) の合成は後述の触媒製造実施例 4 に記載する。触媒 (E) の合成は後述の触媒製造実施例 5 に記載する。
【0062】
触媒 (F) は下記式を有する:
【化23】


式中、THF は テトラヒドロフランであり、tBuは t-ブチル である。触媒 (F) の合成は後述の触媒製造実施例 6 に記載する。
【0063】
触媒 (H) は下記式を有する:
【化24】


式中、So は テトラヒドロフランであり、tBuは t-ブチル である。触媒 (H) の合成は後述の触媒製造実施例 7 に記載する。
【0064】
触媒 (J) は下記式を有する:
【化25】


式中、So は テトラヒドロフランであり、Phはフェニルである。触媒 (J) の合成は後述の触媒製造実施例 8 に記載する。
【0065】
z が 2 である触媒の例は[(salen)M]2+[Co(CO)42- であり、1当量の(salen)Sn(II) と1当量の Co2(CO)8 の反応から製造できる。salen は1当量のジアミンと2当量の2-ヒドロキシベンツアルデヒドから合成される四配位ジアニオン性リガンドである。Mは金属である。 (salen)Sn(II) は [(Me3Si)2 N]2Sn と (salen)H2 から容易に取得できる。(salen)H2 は Kuchta, et al.,J.C.S. Dalton Trans. 20, 3559 (1999) に示されるリガンドのプロトン付加型である。
触媒 [ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-yについて、上記以外のルイス酸およびその合成法は当業者に明らかであろう。
【0066】
充填する化合物(I) の充填する触媒に対するモル比は、例えば、1:1 〜 10,000:1 であり、好ましくは 100:1 〜 2,000:1 であり、想定の最良比率は1,000:1 である。モル比 100:1 が最良の転換をもたらしたが、約1,800:1 がさらに活性である。
【0067】
ここで、反応溶媒について述べる。反応は溶媒なしで実施できる。すなわち、追加の溶媒なく、化合物 (I) が反応ビヒクルであり、水の処分必要性を減じ、また精製を簡略化する。反応を溶媒なしで実施できないときは、ジグリム、トリグリム、ジメトキシエタン(以下、DME という) または好ましくはテトラヒドロフラン中で実施でき、あるいは触媒、基質および産物のすべてが溶性である溶媒中で実施できる。
【0068】
化合物 (I) が単環エポキシドで、単一のカルボニルを導入する場合、所望の反応産物はβ-ラクトンである。用語 “β-ラクトン” は、ラクトンを β-ヒドロキシ酸の脱水ラクトン化により形成せしめ得る。エポキシドが2環の場合、β-ラクトンのような通常の名前はなく、IUPACは2環命名法にしたがって産物を命名するようである。例えば、シクロヘキセンオキシドのカルボニル化産物は 7-オキサ-ビシクロ[4.2.0]オクタン-8-オンと名付けられよう。シクロオクテンオキシドおよびシクロドデセンオキシドのカルボニル化産物は、それぞれ9-オキサ-ビシクロ[6.2.0]デカン-10-オンおよび 13-オキサ-ビシクロ[10.2.0]テトラデカン-14-オンと名付けられ、カルボニル化実施例XLI および XLII でつくられる産物であり、本発明の実施態様である。
【0069】
化合物 (I) が単環アジリジンで、単一のカルボニルを導入する場合、所望の反応産物はβ-ラクタムである。
化合物 (I) が単環オキセタンで、単一のカルボニルを導入する場合、所望の反応産物はγ-ラクトンである。
【0070】
化合物 (I) が単環チイランで、単一のカルボニルを導入する場合、所望の反応産物はチオラクトンである。
化合物 (I) が単環ラクトンである場合、所望の反応産物は環状酸無水物である。
【0071】
X が NR5で、n が 1 で、Y が CH2 である化合物 (I) および化合物 (I) が単環である場合、すなわち化合物 (I) が単環アゼチジンの場合、所望の反応産物はγ-ラクタムである。
【0072】
X が NR5で、n が 1 で、Y がC=O である化合物 (I) および化合物 (I) が単環である場合、すなわち化合物 (I) がβ-ラクタムの場合、所望の反応産物は2,5-ピロリジンジオンである。
【0073】
X が Sで、nが 1 で、Y がC=O である化合物 (I) および化合物が単環である場合、すなわち化合物 (I) が単環チオラクトンの場合、所望の反応産物は環状無水スルフィドである。
【0074】
X が Sで、nが 1 で、Y がCH2 である化合物 (I) および化合物 (I) が単環である場合、すなわち化合物 (I) が単環チエタンの場合、所望の反応産物はγ-チオラクトンである。
【0075】
所望産物の収率は2要素から決まる。すなわち、消費される化合物 (I) の%と、全産物の%としての所望産物である%選択性であり、%転換時間%選択性が収率%をもたらす。得られた収率%は触媒および化合物(I) に関係した。プロピレンオキシドおよび R-プロピレンオキシドについて、触媒 (G) は%転換 95% 、選択性 99% 以上である。プロピレンオキシドについて、触媒(B) は%転換 99%、%選択性 99% 以上である。
【0076】
反応時間は%収率に影響を及ぼすパラメーターである。一般的に、反応時間は、例えば 15 分から 96 時間の範囲にあり得る。触媒(G) についての好ましい反応時間は、半時間から 2 時間および1時間半である。ただし、化合物(I) がエピクロロヒドリンの場合、8-12 時間がより適切であった。
【0077】
ここで、(I) につきn が 0 で、(II) につき n が1 である場合について述べる。エポキシドまたは類似体が二重にカルボニル化されて、結果の無水物になり、中間体のラクトンまたは類似体を単離する必要がなく、いわゆる“ワンポット”反応を提供する。これに主に影響を及ぼす反応条件は反応時間である。換言すると、十分な時間が第1カルボニル化反応に提供されると、反応の終了が促進されて、第2カルボニル化に作用する十分な時間が提供される。反応時間、mole%触媒、使用の触媒、使用の基質および溶媒も転換および選択性に影響を及ぼすことがある。
【0078】
β-ラクトン産物はポリマーに金属アルコキシド触媒で転換できる。参照Reith, L.R., et al, J. Am. Chem. Soc. 2002(論文受理済)。さらに参照、Muller, H. et al.,Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1993, 32, 477-502 および本明細書で引用の文献。β-ラクトン類の重合については下記も参照:Kurcok, P., et al., Macromolecules 1992, 25, 2017-2020; Hori, Y., et al.,Macromolecules 1993, 26, 5533-5534; Le Borgne, A., et al., Macromol. Rapid Commun.1994, 15, 955-960; Lenz, R. W., et al., Can. J. Microbiol. 1995, 41, 274-281;Cheng, M., et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 11018-11019; Schechtman, L. A.,et al., J. Polym. Prepr. (Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.) 1999, 40(1),508-509。
【0079】
R-BBLの重合産物、すなわちR-PHB の有用性は上記した。R-BBL 以外との他のコポリマーは、得られたポリマー性質、例えば、可塑性、バリアー性質、分解速度などを仲介する能力を付与する。ラクトン類、特にキラルラクトン類は有機化学における中間体の合成にも有用である(例えば、参照、Gellman, S. H., Chem. Res. 31, 173 (1988); Seebach, D., et al., Chem.Commun. 2015 (1997) )。この文献はアルドール類似体としてのキラルラクトン類に言及している。
【0080】
ラクタム産物はポリマーに金属アニオンまたは金属アミド触媒で転換できる。このポリマーは、ポリ(ラクタム)とよぶが、ポリ-β-ペプチドともよばれており、文献では “バイオミメティク物質” として論じられている。参照、例えば、Magriotis,P. A., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2001, Vol. 40, 4377-4379。
ラクタム類の重合からの産物は、例えば、薬物運搬に有用である。ラクタム類自体は抗生物質に使用されることがある。
【0081】
チオラクトン産物(4-アルキル-チエタン-2-オンともよぶ) はポリマーまたはコポリマーに転換され得る。例えば、BBL と 3-メルカプトプロピオネートのコポリマー (エチレンスルフィドのカルボニル化 からのチオラクトン) をつくり得る。このコポリマーは、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)のコポリマーに由来する性質を改変する。
n=1である化合物(I)およびその類似体のカルボニル化のためのγ-ラクトンおよび無水物産物は化学の分野で有用性を有する。
【0082】
ここで、下記式を有する化合物のカルボニル化方法に関する本発明の第2実施態様について述べる:
【化26】

【0083】
この方法は、化合物 (XI) を一酸化炭素と一般式 [ルイス酸]z+{[QM(CO)xw-zの触媒の触媒有効量の存在下に反応せしめる工程を含む。式中、Qはいかなるリガンドおよび存在の必要なく、M は元素周期表の 4、5、6、7、8、9、10 族よりなる群から選ばれる遷移金属であり、 z はルイス酸の価であって、1から 6、例えば 1 または 2 であり、w は金属カルボニルの電荷であって、1 から 4 の範囲、通常 1 であり、y は w 倍の y が z に等しくなる数であり、xは {[QM(CO)xw-y について安定なアニオン金属カルボニルを提供するような数である。
【0084】
反応は、一酸化炭素が100 〜 10,000 psi、好ましくは 75 〜 1,200 psi、温度が 0℃〜 120℃、好ましくは 40 〜 80℃で、触媒が化合物(XI) の触媒に対するモル比1:1 〜 10,000:1、好ましくは 100:1 〜 2000:1で、例えば、時間が 15 分〜 96 時間で実施する。第2実施態様で有用な触媒は第1実施態様で有用な触媒と同じである。第2実施態様で好ましい触媒は触媒(G1) であることが判明した。この産物は2異性体オキサジノンの混合物を含む。すなわち、下記式を有する 4-メチル-2-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,3]オキサジン-6-オン:
【化27】


および下記式を有する 5-メチル-2-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,3] オキサジン-6-オン:
【化28】


である。
【0085】
このように、アジリジン上のベンゾイル置換基が、産物の環にベンゾイルを導入する転位に関与する。そこでは、ベンゾイルの酸素が環原子になり、ベンゾイルのカルボニルの二重結合が環の部分になり、ベンゾイルのフェニルが環炭素原子に直接結合する。
【0086】
ここで、本発明の第3実施態様について述べる。触媒 (B)、(E1)、(F)、(G)、(H) および (J) と同じであるが、THF と異なる中性の2電子供与体を有する触媒を、対応の触媒およびTHF と同じく調製でき、上記の一般的反応において [ルイス酸]-X と[QM(CO)x]-Y の反応について THF の代わりに異なる中性の2電子供与体(例えば、ジエチルエーテル、アセトニトリル、二硫化炭素、ピリジン) 源を加えることを含む方法による。
【0087】
下記の背景実施例1 および 2 は、反応実施例 XXIII および XXIV で使用のための化合物 (I) の合成を示す。下記の触媒合成実施例 1-8 は、反応実施例で使用される触媒の調製および第3実施態様の触媒の合成を示す。反応実施例で使用される触媒(H) は、Merola, J.S., et al., Inorg. Chem. 28, 2950-2954 (1989) に記載のように製造した。それ以降の反応実施例で使用される触媒(J) は、Evans, W.J., et al, Inorg. Chem. 24, 4620-4623 (1985) に記載のように製造した。
下記のワーキング実施例 I - XLIII および関連の表は、本発明の方法を示す。
【0088】
背景実施例 1
7-ベンジル-7-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンの合成
a) 2-ベンジルアミノ-シクロヘキサノールの合成
シクロヘキセンオキシド (5 g、51 mmol) の 10 ml CH3CN 溶液に、無水 LiC1O4(5.44 g、51 mmol) を加え、生じた塩が完全に溶解するまで攪拌した。得た溶液を必要量のベンジルアミン (5.5 g、51 mmol) で処理し室温で攪拌した。反応混合物をついで24 時間室温で攪拌した。反応終了時に 100 ml の水を加え、溶液を 30 分間攪拌し、ジエチルエーテル (3 x 25) で抽出し、最後に熱ヘキサンで結晶化した(5.0 g、50 % 収率)。
1H NMR (CDCL3, 300 MHz): δ0.93-1.10 (1H, m), 1.18-1.33 (4H, m), 1.71 (2H, m), 2.05 (1H, m), 2.15 (1H, m),2.31 (1H, m), 3.20 (1H, m), 3.35 (1h, br), 3.68 (1H, d, J = 12.9 Hz), 3.95 (1H,d, J = 13.0 Hz), 7.23-7.35 (5H, m).
【0089】
b) 2-ベンジルアミノ-シクロヘキサノールの環化
ジエチルアゾジカルボキシレート (Aldrich、95 %、 3.6 ml、22.6 mmol) を2-ベンジルアミノ-シクロヘキサノール (3.1 g、15mmol) および PPh3 (5.94 g、22.6 mmol) のエーテル溶液 (50 ml) に N2 下、攪拌しながら氷浴中で徐々に加えた。添加後に氷浴を除去し、混合物を室温で36 時間攪拌した。得られる結晶沈殿を濾過し、溶媒を濾液から回転蒸留により除き、粗製の産物を得た。このものをカラムクロマトグラフィー (石油エーテル:ジエチルエーテル= 50:50) で精製した (2.1 g、75 % 収率)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.31(4H, m), 1.63 (2H, m), 1.83 (4H, m), 3048 (2H, s), 7.31 (5H, m).
【0090】
背景実施例 2
2-メチル-1-トシルアジリジンの合成
2-メチルアジリジン(3.6 ml、51 mmol) を 10% KOH 水溶液 (30 ml) に加え、氷浴中で 30 分間冷やした。この溶液に p-トルエンスルホニルクロリド(9.9 g、52 mmol) を素早く加え、その間 4℃を維持した。得られた混合物を 30 分間 0℃で攪拌し、ついで室温で一夜攪拌した。白色沈殿を冷水で複数回洗い、減圧乾燥し、洗浄産物を熱石油エーテルに溶解、0℃で結晶化して、無色結晶を得た(6.3 g、57 収率)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ1.26 (3H, d, J = 6.0), 2.02 (1H, d, J = 4.5 Hz), 2.44 (3H, s), 2.58 (1H, d, J =6.9 Hz), 2.82 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.80 (2H, d, J = 8.1 Hz)
【0091】
触媒合成実施例 1
触媒 (G)の合成
すべての操作を厳密な空気のない状態で行った。すべての試薬および溶媒を乾燥し、使用前に空気除去を行った。乾燥ボックス中で、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチリデン)-1,2-フェニレンジアミン (1.38 g、2.55 mmol) を、ジエチルアルミニウムクロリド(Aldrich、1.8 M トルエン中) (1.42 ml、2.5 mmol)を充填した攪拌棒と空気のないじょうご付きの Schlenk 管に入れた。ベンチトップまでの除去で、リガンドを20ml の CH2Cl2 に溶解すると、淡オレンジ色の溶液を得た。追加のジエチルアルミニウムクロリド を室温で滴下すると、かなりの気体が生じ、これを発散させて黄色溶液を得た。CH2Cl2で数回じょうごを洗い、溶液を 8.5 時間攪拌し、豊富な量の黄色沈殿が形成した。減圧での溶媒除去で得た黄色固体を 3-4 回ヘキサン (10-20 ml) で洗い、ポンプで振り動かした。Schlenk管を乾燥ボックスに入れ、そこで、窒素中で -35℃に保存された白色粉状ナトリウムコバルトテトラカルボニル (0.49 g、2.53 mmol) を加えた。作業台に移し、テトラヒドロフラン(30 ml) を室温で加えると直ちに、溶液が深赤色になった。薄片で包んだ管を2日間動かし、5-10 ml に濃縮し、ヘキサン (50 ml) を加え、1日放置した。有意の量の黄白色沈殿およびマスのX-線質赤結晶が形成した。赤結晶は所望の産物、触媒 (G) であった。ヘキサンで繰り返し洗浄して精製でき、純触媒 [(salph)Al(THF)2][Co(CO)4]、(G)を単離した (2.10 g、93% 収率)。
【0092】
1H NMR (C6D6, 300 MHz) δ 9.53 (s, HC=N), 8.35(s, HAr), 8.14 (s, HAr), 7.92 (s, HAr), 7.50 (s, HAr), 7.16 (s, HC6D5),3.23 (s, O-CH2), 1.70 (s, C(CH3)3), 1.46 (s,C(CH3)3), 0.83 (s, OCH2CH2), 図1に示されるスペクトル、IR(KBr): vco = 1885 cm-1. 結晶データ: 三斜晶, a =12.0136(6) Å, b = 13.2447(7) Å, c = 15.2876(8) Å, α = 101.560(1)°, β =91.506(1)°, Y = 90.295(1)°, V = 2382.1(2) Å3, 空間群P-1; Z = 2, C40H46AlCoN2O42C4H8Oについての式量880.91, 密度 (calc.) = 1.228 g/ml; R(F) =0.0553, Rw(F) = 0.1474 (I>2σ(I)).
【0093】
触媒合成実施例 2
触媒 (B) の合成
グローブボックス中で、2.58 g (4.73 mmol) の (R,R)-(-)-N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチルアルデヒド)-1,2-シクロヘキサンジアミン、0.615g (5.01 mmol) のクロム (II) クロリド (Strem、99.9% 無水、受領のまま使用) およびテフロン(登録商標)被覆磁気攪拌棒を Schlenk 管に入れた。THFを加え、6 時間攪拌して反応を進め、ついで空気にさらし、12 時間攪拌した。得られた雲状の褐赤色溶液を別の漏斗で 500 ml tert-ブチルメチルエーテルに加え、4回300ml 飽和塩化アルミニウムで洗い、ついで4回 300 ml 飽和塩化ナトリウムで洗った。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、赤色固体を得た。アセトニトリルで再結晶して、大きい赤色ダイアモンド形結晶化合物(C) 1.33 g (43% 収率) を得た。IR および X-線結晶解析で特性を認めた。化合物 (C) は下記の構造を有することを決定した:
【化29】

【0094】
グローブボックス中で、1.03 g (0.80 mmol) 化合物 C、0.32 g (1.65 mmol) NaCo(CO)4(触媒(D)) およびテフロン(登録商標)被覆磁気攪拌棒を Schlenk 管に入れた。THF を加え、管を薄片で覆い、溶液を3日間攪拌し、その時点で減圧濃縮した。ヘキサンを暗赤色の溶液上に層として加え、溶液を6日間放置した。結晶が1日で形成し始めた。毛状の淡黄白色の沈殿を結晶の大きい赤色塊から、ヘキサンでの繰り返し洗浄により単離した。単離で純触媒 (B) 1.14 g (88% 収率) を得て、IR および X-線結晶解析で特性を調べた。
【0095】
触媒合成実施例 3
触媒 (D) の合成
触媒 (D) をEdgell, W. F., et al., Inorg. Chem. 1970, 9, 1932-1933 に記載のように合成した。
【0096】
触媒合成実施例 4
触媒 (E1)の合成
触媒 (E1)の合成は、触媒合成実施例 1 と1点のみが異なる。すなわち、本合成では (R,R)-(-)-N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチルアルデヒド)-1,2-シクロヘキサンジアミンをN,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチルアルデヒド)-1,2-フェニレンジアミンの代わりに用いた。
【0097】
触媒合成実施例 5
触媒 (E2)の合成
グローブボックス中で、0.64 g (1.06 mmol) (R,R)-(-)-N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチルアルデヒド)-1,2-シクロヘキサンジアミノクロム(III) クロリド (Aldrich)、0.21 g (1.06 mmol) NaCo(CO)4 (触媒 (D)) およびテフロン(登録商標)被覆磁気攪拌棒をSchlenk 管に入れた。THF を加え、管を薄片で覆い、溶液を2日間攪拌し、その時点で減圧濃縮した。ヘキサンを暗赤色の溶液上に層として加え、溶液を6日間放置した。結晶が1日で形成し始めた。毛状の淡黄白色の沈殿を結晶の大きい赤色塊から、ヘキサンでの繰り返し洗浄により単離した。単離で純触媒 (E2) 0.52 g (60% 収率) を得て、IRおよび X-線結晶解析で特性を調べた。
【0098】
触媒合成実施例 6
触媒 (F) の合成
グローブボックス中で、0.28 g (0.51 mmol) N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチルアルデヒド)-1,2-フェニレンジアミン、0.21g (5.18 mmol) 水素化ナトリウムおよびテフロン(登録商標)被覆磁気攪拌棒を Schlenk 管に入れた。THF を加えて、かなりの沸騰があった。上部を除き、溶液を50℃で 22 時間攪拌し、その時点で過剰の水素化ナトリウムを濾過で除き、空気のない条件で、0.07 g (0.55 mmol) クロム (II) クロリドおよびテフロン(登録商標)被覆磁気攪拌棒をSchlenk 管に入れた。上部を除き、溶液を 50℃で 6 時間加熱し、その時点で暗褐色溶液を濾過し、NaClを除去して、0.09g (0.26mmol) ジコバルトオクトカルボニルおよびテフロン(登録商標)被覆磁気攪拌棒を充填したSchlenk 管に入れ、24 時間攪拌した。溶液の量を減圧で減らし、ヘキサンを上部に入れた。2週間後に母液を単離し、残りの物質をヘキサンで数回洗って、暗赤色の結晶を単離し、触媒(F) 0.26 g (70%収率) を得て、その特性を IR および X-線結晶解析で調べた。
【0099】
触媒合成実施例 7
触媒 (H) の合成
この触媒は、出発物質が 4,5-ジメチル-[N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチリデネン)]-1,2-フェニレンジアミンであることを除き、触媒(G) (触媒合成実施例 1) と基本的に同じく製造した。
【0100】
触媒合成実施例 8
触媒 (J) の合成
この触媒は、出発物質が (TPP) CrCl であることを除き、触媒 (E') (触媒合成実施例 5) と基本的に同じく製造した。TPP は テトラフェニルポルフィリンを意味し、(TPP)CrCl は市販されている。
【0101】
カルボニル化反応実施例 I - XIII
本発明範囲のカルボニル化反応は、実施例 I-VI について下記するように、実施した。100 ml Parr 反応器を 90℃、減圧で一夜乾燥した。乾燥ボックス中で -35℃冷凍機で少なくとも1.5 時間冷やし、小試験管および磁気攪拌棒を装着した。試験管に下記の表1の化合物 (I) 0.500 ml を入れ -35℃で保存し、表1の触媒を下記の表2の量で加えた。乾燥ボックスを取り除き、反応器を下記表2の圧で加圧し、予め加熱した油浴に入れ、反応器を表2 の温度で、表 2 に示す時間攪拌した。表示の時間が過ぎたときに、圧が最小になるまで反応器を乾燥氷/アセトン浴中で冷やし、ついで徐々に発散させた。粗製混合物をNMR 分析にかけた。発散気体の捕捉によると、物質の 2-5% のみが消失した。発散気体は反応器中に残留する化合物と同じ比率 (3-4% 内) であった。結果を下記の表3 に示す。
【0102】
実施例 VII のカルボニル化反応の反応条件は下記のとおりであり、実施例VII について表 2 に示す条件を含む。気体の通過しないシリンジを用い、乾燥かつ気体除去ジグリム (20 ml) およびプロピレンオキシド (10 ml、143mmol) を100 ml Parr 圧反応器に注入した。この反応器には球バルブおよび隔壁が装着され、グローブボックス中に触媒 (B) (0.13 g,0.08 mmol) が予め充填されている。反応器を 1020 psi まで一酸化炭素で加圧し、添付の推進機で 75℃まで 21 時間攪拌し、その時点で 3℃まで氷浴で冷やし、発散せしめた。
【0103】
実施例 VIIIのカルボニル化反応の反応条件は下記のとおりであり、実施例 VIII について表 2 に示す条件を含む。気体のない目盛りシリンジを用い、20 ml (285mmol) プロピレンオキシドを 0.25 g (0.16 mmol) 触媒 (B) を有するParr 圧反応器に注入した。反応器を 810 psi まで一酸化炭素で加圧し、室温(22℃)で 16 時間攪拌し、その時点で 氷浴で冷やし、発散せしめた。
【0104】
実施例 IX のカルボニル化反応の反応条件は実施例VII の条件と同様であるが、ジグリムの代わりにトリグリムを用い、量が異なり (7 ml トリグリム、3.5 ml (50 mmol) プロピレンオキシド、0.15g (0.09 mmol) 触媒 (B))、下記表 2 に示すように追加の相違がある。
【0105】
実施例 X のカルボニル化反応の反応条件は実施例VIII の条件と同様であるが、0.07 g (0.09 mmol) 触媒 (B))の使用が異なり、下記表 2 に示すように追加の相違がある。
【0106】
実施例 XI のカルボニル化反応の反応条件は実施例VIII の条件と同様であるが、 触媒 (B) の代わりに0.08 g (0.10 mmol) 触媒 (E2) を用い、下記表 2 に示すように追加の相違がある。
【0107】
実施例 XII のカルボニル化反応の反応条件は実施例VIII の条件と同様であるが、5 ml (71 mmol) プロピレンオキシドおよび触媒 (B) の代わりの 0.05 g (0.04 mmol) 触媒(F) の使用が異なり、下記表 2 に示すように追加の相違がある。
実施例VII -XII の結果を下記の表 3 に示す。
【0108】
実施例 XIIIについてのカルボニル化反応は下記のように実施した。機械的攪拌機を装着した100 ml Parr reactor を 80℃ 減圧で一夜加熱した。反応器にプロピレンオキシドおよび触媒 (D) (0.15 M トリグリム溶液) を乾燥ボックス中で充填した。乾燥ボックスを取り除き、反応器を 1,000 psi に一酸化炭素で加圧し、80℃で16 時間攪拌しながら加熱した。触媒をエポキシド重量で 2 mole% Co 量使用した。16 時間後に、反応器を氷浴中で、圧が最小になるまで冷やし、徐々に発散させた。粗製混合物をNMR 分析に掛けた。触媒および化合物 (I) を下記の表 1 に示す。反応条件を下記の表 2 に示す。実施例 XIII の結果を下記の表 3 に示す。
【0109】
得られた β-ラクトン産物は粗製の混合物であった。精製β-ラクトン を得るための精製法は、減圧蒸留やフラッシュカラムクロマトグラフィーなどの標準的な精製法で容易に実施できる。
【0110】
実施例 I -XIII の各についての触媒および化合物 (I) を挙げる表 1 を下記する。
表1
【表1】

【0111】
実施例 I -XIII の各についての反応条件 を挙げる表 2 を下記する。
表2
【表2】


Co 基礎を、充填化合物(I) /充填触媒のモル比を定義するのに用いたのは、すべての触媒が Co(CO)4 アニオンの共通特性を有し、これで標準化できるからである。
【0112】
実施例I-XIII についての結果を下記の表 3 に示す。転換%および選択性%は上述のとおりであり、TON は転換数であって、消費された化合物 (I) のモル数を充填触媒のモル数で除す。
表3
【表3】


実施例 I において、産物はR-BBLであった。
実施例 XIII において、6%アセトンおよび 40% ポリマーも産生された。
【0113】
カルボニル化反応実施例 XIV - XXI
これらの実施例のカルボニル化反応を 5 mole % 触媒 G (0.2Mn DME) の存在で 一酸化炭素圧 900 psi で実施した。各例において、化合物 (I) は1.92 mmol 量で存在する。実施例番号、化合物 (I)、反応温度、反応時間、産物および 収率を下記の表 4 に示す。
【0114】
表4
【表4】

【0115】
収率は H NMR 分光法で測定した。実施例 XV についての鏡像異性過剰は 99% (R)-β-ブチロラクトンより大きかった。実施例 XIV、XV、XVI、XVII、XVIII、XX、XXIについての結果は、100% 位置選択的であり、これは、より少なく置換された炭素で生じる挿入である。実施例XIX の場合、より置換された炭素での挿入が存在し、その2産物を示す。表4 において、実施例 XIV の化合物 (I) はプロピレン オキシド、実施例 XV の化合物 (I) は (R)-プロピレンオキシド、実施例 XVI の化合物(I) は 1,2-エポキシブタン、実施例 XVII の化合物 (I) は1,2-エポキシ-5-ヘキセン、実施例 XVIII の化合物 (I) はエピクロロヒドリン、実施例XIX の化合物 (I) はイソブチレンオキシド、実施例 XX の化合物 (I) はcis-2,3-エポキシブタン、実施例 XXI の化合物 (I) はtrans-2,3-エポキシブタンである。
【0116】
カルボニル化実施例XXII-XXV
これらの実施例のカルボニル化反応を、5 mole % 触媒 (G) 存在下に、そして各基質について触媒 (H) (0.2M、DME中) で、一酸化炭素圧 900 psi で実施した。各例において、化合物(I) は 1.92 mmol 量存在する。実施例番号、化合物 (I)、反応温度、反応時間、産物、収率を下記の表 5 に示す。
【0117】
表5
【表5】

【0118】
収率は H NMR 分光法で測定した。実施例XXII、XXIII、XXIV についての結果は、100% 位置選択的であり、これは、より少なく置換された炭素で生じる挿入である。実施例XXVの場合、より置換された炭素での挿入が存在し、2産物を表 5 に示す。表5において、Ph はフェニル、Tsはトシル、TBSOは tert-ブチルジメチルシリルオキシである。化合物(I) は、実施例 XXII について 1-ベンジル-2-メチルアジリジン、実施例 XXIII について 7-ベンジル-7-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン、実施例XXIVについて 1-トシル2-メチルアジリジン、実施例 XXV について cis-1-ベンジル-2-(tert-ブチルジメチルシロキシメチル)-3-メチルアジリジンである。
【0119】
カルボニル化実施例XXVI
オキセタンを 1mole % 触媒 (E1)、一酸化炭素圧 880 psi、溶媒なし、1.5 時間、50℃でカルボニル化した。所望の産物は下記である。
【化30】


転換%は約30% であった (所望の産物および他の産物を含む)。
【0120】
カルボニル化実施例XXVII - XXXVII
これらの実施例は、 β-ラクトン類のカルボニル化を含み、下記の反応式による。
【化31】


出発物質、反応条件、結果を下記の表 6 に示す。出発物質に関し、各例において R1 および R4 は H である。
【0121】
表6
【表6】


上記の表中、Me はメチル、Etはエチル、Ph はフェニル、DME はジメトキシエタンである。
【0122】
カルボニル化実施例XXXVIII
化合物 (I) はベンジルグリシジルエーテルである。ベンジルグリシジルエーテルを、1 mole % 触媒 (H) の存在下、溶媒なし、一酸化炭素圧 800 psi、15 時間、50℃でカルボニル化した。
【0123】
カルボニル化実施例XXXIX、XL、XLI
実施例XXXIX について化合物 (I) は 1-ブテンオキシド、XL について化合物 (I) は 1-ヘプテンオキシド、実施例 XLI について化合物 (I) はシクロオクテンオキシドである。各例において、化合物(I) を、0.4 mole % 触媒 (J) の存在、溶媒なし、一酸化炭素圧 1,000 psi、20 時間、60℃でカルボニルした。カルボニル化実施例XLI の産物は 9-オキサ-ビシクロ[6.2.0]デカン-10-オンであって、下記構造を有する。
【化32】

【0124】
カルボニル化実施例XLII
化合物 (I) はシクロドデセンオキシドである。シクロドデセンオキシドを、1.67mole % 触媒 (G) の存在、溶媒なし、一酸化炭素圧 1400 psi、6 時間、50℃でカルボニル化した。産物は 13-オキサ-ビシクロ[10.2.0]テトラデカン-14-オンであり、下記の構造を有する。
【化33】

【0125】
カルボニル化実施例XLIII
化合物 (I) を下記する。
【化34】

【0126】
化合物 (I) を、5mole % 触媒 (G1) の存在、ジメトキシエタン中、一酸化炭素圧 900 psi、4 時間、50℃でカルボニル化した。反応産物は下記の2種の異性体オキサジノンの混合物であった。
【化35】

【0127】
改変
多くの改変が当業者に明らかであろう。本発明の範囲は請求項により明らかにされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【公開番号】特開2011−74076(P2011−74076A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244791(P2010−244791)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【分割の表示】特願2003−551177(P2003−551177)の分割
【原出願日】平成14年12月2日(2002.12.2)
【出願人】(592035453)コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED
【Fターム(参考)】