三層筒状食品の製造方法及び装置
【課題】三層筒状食材の成形方法。
【解決手段】下面A1の両側縁よりも幅方向内側部分に前後方向に延びる第1凹部A2を有する第1板状食材Aを、当該第1板状食材Aの幅方向に延びる串の周りに、該第1板状食材の上面が該串に接するようにして巻く工程と、第1板状食材の第1凹部A2と同じ幅を有する第2板状食材Bを、第1凹部A2に嵌合させるようにしながら、串の周りに巻かれた第1板状食材の周りに巻く工程と、第1板状食材と同じ幅を有し、上面C1の幅方向内側部分に前後方向に延びる第2凹部C3を有する矩形の第3板状食材Cを、第2板状食材Bが巻かれた第1板状食材Aの周りに、第2凹部C3が、第1凹部A2の下面A1から突出する第2板状食材Bの部分と嵌合するようにして巻く工程とを有する。
【解決手段】下面A1の両側縁よりも幅方向内側部分に前後方向に延びる第1凹部A2を有する第1板状食材Aを、当該第1板状食材Aの幅方向に延びる串の周りに、該第1板状食材の上面が該串に接するようにして巻く工程と、第1板状食材の第1凹部A2と同じ幅を有する第2板状食材Bを、第1凹部A2に嵌合させるようにしながら、串の周りに巻かれた第1板状食材の周りに巻く工程と、第1板状食材と同じ幅を有し、上面C1の幅方向内側部分に前後方向に延びる第2凹部C3を有する矩形の第3板状食材Cを、第2板状食材Bが巻かれた第1板状食材Aの周りに、第2凹部C3が、第1凹部A2の下面A1から突出する第2板状食材Bの部分と嵌合するようにして巻く工程とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三層筒状食品の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、魚肉すり身からなる内側層及び外側層及びそれら外側層及び内側層の間に挟まれたチーズ材からなる中間層を有する三層構造のチーズ入り竹輪の開発をしており、(特許文献1)、また、そのような竹輪を具体例とする多層構造の筒状食品の製造装置も開発している(特許文献2)。
【0003】
これらの特許文献に開示された竹輪は、矩形の板状のすり身を串の周りに巻いて筒状の内側層とし、この内側層の周りに該内側層よりも幅の狭い矩形の板状のチーズ材を巻いて中間層とし、その周りに内側層と同じ幅の矩形の板状のすり身を巻いて三層構造の筒状として、中間層のチーズ材が外観に現れないように形成される。特許文献2に開示された装置は、回転ドラムの上に、筒状食品の内側層、中間層そして外側層となるそれぞれの矩形の板状食材(すり身、チーズ、すり身)を供給すると共に、該回転ドラムの外周面に近接した位置で該外周面を横断方向に延びる串を該外周面に沿って回転しながら搬送し、板状食材を該串に順次巻き付けて三層構造の筒状食材を成形するようになっている。
【0004】
本願出願人はまた、串の周りに筒状に成形された竹輪用の食材の外周面に焼色をつける装置を開発している(特許文献3)。この装置は、細長い電熱加熱板を備え、串の周りに筒状に成形された練り食材を、該加熱板の上で転動し、該加熱板からの熱によって、当該食材の表面に焼色をつけるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07-023747号
【特許文献2】特開H09−322738号
【特許文献3】特開平9-262071号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記三層構造の筒状食材では、中間層が内側及び外側層よりも幅が狭くされているために、それらを重ねてできる外観は、中間層がある部分が盛り上がった形状となる。しかし、そのような筒状食材の外周面に焼色をつける場合には、外周表面が盛り上がったままの形状では、該外周表面に適正な焼色をつけることが難しい。このために、上記成形の後に更に、上述のような盛り上がりがない、全体として円筒状の外周面を有するようにするための追加の成形工程が必要となる。
【0007】
特許文献2は、チーズ入り竹輪を具体例とする筒状食品の製造装置を開示しているが、比較的大きな直径のドラムの周りに、それぞれ、筒状食品の内側層、中間層そして外側層とされる魚肉すり身、チーズ、そして魚肉すり身などの板状食材をドラム外周面に供給する食材供給装置が周方向で順次設けられ、串は、串の両端を支持した搬送装置によってドラム外周面に隣接して周方向で搬送され、且つ、ドラムの周面に沿って張設された無端ベルトにより、串の両端をドラムの半径方向内側に抑えられながら回転し、ドラム上の上記板状の食材上を転動するようにして、それら板状の食材を順次巻き付けるようになっている。このため、串に対する食材の巻き付けの装置が大がかりなものとなる。
【0008】
特許文献3に開示の焼色付け装置は、円筒状とされた食材の外周面に焼色を付けるまで、細長い電熱加熱板の上を転動しなければならない。この場合転動が遅すぎると食材の外周面に火膨れが生じ易くなるために一定の速度で転動しなければならない。従って、当該電熱加熱板は、筒状の食材が、その外周面に焼色が付くまで転動するだけの長さが必要となる。
【0009】
このため、このような多層筒状食品を製造するための装置は大型となり、従って、大きな装置設定スペースが必要となる。一方、チーズ入り竹輪などでは、消費者の購買欲を刺激するために、店頭で、その製造過程を見られるようにしたいとの要望があり、その場合、製造装置を小型化することが必要となる。
【0010】
本発明は、上述のチーズ入り竹輪のように三層構造を有する筒状食品の製造において、特に、当該筒状食品の外周面全体の形状を、上述のような追加の成形工程を必要とすることなく円筒状にすることができる三層筒状食品の製造方法を提供することを目的としている。また、そのような方法を行うための構造が簡単で小型化が可能となる、三層筒状食品の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は、
前端縁、後端縁及び両側縁を有する上面と下面とを有する矩形の第1板状食材であって、該下面の前記両側縁よりも幅方向内側部分に前後方向に延びる第1凹部を有する第1板状食材を、当該第1板状食材の幅方向に延びる串の周りに、前記上面が該串に接するようにして巻く工程と、
前記第1板状食材の第1凹部と同じ幅を有する第2板状食材を、該第1凹部に嵌合させるようにしながら該第1板状食材の周りに巻く工程と、
前記第1板状食材と同じ幅を有する上面及び下面を有し、該上面の幅方向内側部分に前後方向に延びる、前記第1板状食材の第1凹部に対応する第2凹部を有する矩形の第3板状食材を、前記第2板状食材が巻かれた前記第1板状食材の周りに、該第2凹部が、前記第1凹部の前記下面から突出する前記第2板状食材の部分と嵌合するようにして巻く工程と
を有する三層筒状食材の成形方法を提供する。
【0012】
この成形方法では、三層筒状食品の内側層をなす第1板状食材及び外側層をなす第3板状食材に、それらが串の周りで筒状に巻かれたとき相互に半径方向で相互に対向するようになる第1及び第2凹部を設け、三層筒状食品の中間層をなす第2板状食材を、該第1及び第2凹部の間に嵌合するようにしたので、それら第1乃至第3板状食材を巻いて筒状の食材としたときに、該筒状食材の外周表面における第2板状食材を巻いた部分に対応する部分が盛り上がることはなく、該外周表面が全体として円筒状となるようにすることができる。尚、本明細書において、「上面」、「下面」といった位置を示す用語は、上記食材における相対的位置関係を示すためのものであり、空間内における絶対的上下関係を示すものではない。
【0013】
具体的には、第2板状食材は、その横断面を平たい矩形状とすることができる。すなわち、第2板状食材は、その横断面を種々の形状にすることは可能であるが、代表的には「矩形状」とされる。
【0014】
また、本発明は、上述の三層筒状食材の成形方法に用いられる装置を提供する。この装置は、成形可能な軟質食材を受け入れて、搬送コンベアの搬送面上に軟質食材を押し出すことにより、該搬送面上に、該搬送面の搬送方向に沿った板状食材を成形するノズルを有し、該ノズルの前記軟質食材を前記搬送面上に押し出すためのノズル開口が、前記搬送面の横断方向で延びる第1開口縁と、該第1開口縁に対向して横断方向に延びる第2開口縁と、該第1及び第2開口縁の端部間に延びる開口側縁とを有する全体として平たい矩形状とされ、該第1開口縁は、その両端から前記横断方向で内側位置に該第2開口縁に向けて突出する突出縁を有しており、当該ノズルは、該ノズル開口を通して前記搬送面上に押し出される軟質食材における該第1開口縁に接して押し出されて形成される面が前記搬送面に接して前記第1板状食材となるようにする第1成形位置と、前記ノズル開口を通して前記搬送面上に押し出される軟質食材における該第2開口縁に接して押し出されて形成される面が前記搬送面に接して前記第3板状食材となるようにする第2成形位置との間で変位可能とされている食材供給装置を有することを特徴とする成形装置を提供する。
【0015】
すなわち、この成形装置では、1つのノズルを第1成形位置又は第2成形位置のいずれかに選択的に変位することにより、上述の第1板状食材又は第3板状食材を成形することができる。従って、前述の従来の装置のように、各板状食材を成形する装置をそれぞれ備えたものに較べて、構造が簡単になり、設置スペースも小さいものとすることができる。食品製造装置は定期的に装置の分解・洗浄・組立をすることが必要とされるが、本発明に係る上記成形装置では、構造が簡単となるために、その為の作業がしやすく、従ってまた、装置の衛生状態を維持しやすくなる。
【0016】
前記ノズルは、前記開口が前記搬送面に対して垂直方向で対向し、前記搬送面に対して垂直方向に延びる軸線を中心として前記第1成形位置と第2成形位置との間で回動可能とすることができる。このようにすることにより、ノズルはそのノズル開口を搬送ベルトの搬送面に近づけて設定しても、該搬送面と干渉することなく、第1成形位置と第2成形位置との間で変位することができる。
【0017】
また、この成形装置は、
前記搬送面の両側において前記串の両端を受け入れる串支持凹部を備える串支持部材と、
該串支持凹部によって支持された串を、該串への前記第1乃至第3板状食材の巻き付けに対応して、上方に持ち上げることにより巻き上げられる第1乃至第3板状食材が、該串によって加えられる圧力によって変形しないようにするための揺動アームと
を有するようにすることができる。
【0018】
前記揺動アームは、第1乃至第3板状食材が巻き付けられた串を、前記串支持凹部から排出するように上昇するようにすることができる。
【0019】
更に、前記搬送面の両側に設けられ、該搬送面の横断方向に延びるようにされた複数の串の両端を支持し、且つ、支持した串を相互に隣接するようにして続く列として支持する串供給路を有し、
前記揺動アームが、第1乃至第3板状食材が巻き付けられた串を、前記串支持凹部から排出した後に更に上昇することにより、前記列の前端にある串を持ち上げて前記串供給路から排出すると共に、当該揺動アームが下降することにより、該串供給路から排出した串を前記串支持凹部に入るようにすることができる。
以下、本発明を添付図面に示した実施形態に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る筒状食品製造装置の概要平面図である。
【図2】図1の製造装置の概要正面図である。
【図3】図1の筒状食品製造装置における食材成形装置の概要斜視図である。
【図4】図3の食材成形装置における食材を押し出すためのノズルのノズル開口を示す。
【図5】図3の食材成形装置における搬送コンベア上に第1乃至第3板状食材が押し出された状態を示す概要斜視図である。
【図6】図3の食材成形装置によって串の周りに形成された筒状食材の縦断面図である。
【図7】図6の筒状食材の斜視図である。
【図8A】図3の成形装置における串供給装置の概要を示す図であり、串を串支持部材に供給した状態を示す。
【図8B】図3の成形装置における串供給装置の概要を示す図であり、板状材料を巻き付けた串を串支持部材から取り出すと共に、串供給装置から新たな串を取り出した状態を示す。
【図9】図1の筒状食品製造装置における加熱装置で串の周りに形成された筒状食材を搬送するための螺旋コンベアの概要を示す図である。
【図10】図1の筒状食品製造装置における加熱装置を構成する焼き付け用ヒータを示す斜視図であり、無端加熱ベルトを除いて示してある。
【図11】図10の焼き付け用ヒータの平面図である。
【図12】図10の焼き付け用ヒータの正面図である。
【図13】図10の焼き付け用ヒータの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
先ず、図1及び図2に示す本発明に係る三層筒状食品の製造装置10につき説明する。この製造装置は、具体的には、魚肉すり身からなる内側層及び外側層並びにそれらの間に挟まれたチーズ材からなる中間層を有する、三層筒状食品としてのチーズ入り竹輪の製造装置である。図1の平面図で見て下側に左右方向に延びるように見える三層筒状食材の成形装置12と、図1で見て、該成形装置12の上側に左右方向に延びるように設けられ、成形装置12によって成形された三層筒状食品を加熱し、外周面に焼色をつけるための熱装置14とを有している。
【0022】
成形装置12は、図1乃至図3、特に図3に示すように、図で見て左方に動くようにされた搬送面20を有する搬送コンベア22を有し、この搬送面20に対して、三層筒状食品の内側層となる矩形の第1板状食材(具体的には魚肉すり身)Aと、中間層となる第2板状食材(カマンベールチーズなどの軟質チーズ)Bと、外側層となる矩形の第3板状食材(魚肉すり身)Cとを、当該搬送面20上に、その搬送方向Mで整列するようにして、順次供給し、搬送方向下流側において搬送面20に近接して搬送方向に対して直角方向に延びる串26を設定し、該串26のところに搬送されてくる第1乃至第3板状食材A〜Cを順次、該串26に巻きつけ、三層の筒状食品Tを成形するようになっている。
【0023】
第1及び第3板状食材、A,Cは、搬送面20の上流側に位置する第1食材供給装置28によって供給される。該第1食材供給装置28は、食材すなわちすり身を収納し供給するホッパー30と、該ホッパー30内の材料を攪拌する攪拌機32と、該ホッパー30から供給管34を介して供給される食材を受け入れて、搬送コンベア22の搬送面20上に供給するノズル36とを有している(図2)。ノズル36は、スイベルジョイント38によって接続された供給管34との接続部分から垂直に延びる軸線X(図3)の周りで回動可能とされており、食材(魚肉すり身)を搬送コンベア22に供給するノズル開口40は、搬送面20に対して垂直方向で対向し、上記軸線Xの周りで回動可能とされている。
【0024】
図4に示すように、ノズル開口40は、搬送面20の横断方向で延びる第1開口縁42と、該第1開口縁42に対向して横断方向に延びる第2開口縁44と、該第1及び第2開口縁42、44の端部間に延びる開口側縁46,48とを有する全体として平たい矩形状とされている。第1開口縁42は、その両端から上記横断方向で内側位置に第2開口縁44に向けて矩形状に突出する突出縁50を有しており、ノズル36は、上記軸線Xの周りで回動可能で、第1開口縁42が上記搬送方向Mにおいて第2開口縁44よりも上流側とされた第1成形位置(図4)と、第1開口縁42が上記搬送方向において第2開口縁44よりも下流側とされた第2成形位置との間で180°回動可能とされている。ノズル36が第1成形位置にあるときには、ノズル開口40から押し出される食材の搬送面20と接する下面A1に、ノズル開口40の第1開口縁42の突出縁50に対応する凹部A2(図5)が上記搬送方向に延びるように形成され、上記第1板状食材Aが形成される。ノズル36が第2成形位置にあるときには、ノズル開口40から押し出され食材の、搬送面20と接する下面C1が平坦な面となり、上面C2は、ノズル開口40の第1開口縁42の突出面に対応する凹部C3が上記搬送方向に延びるように形成され、上記第3板状食材Cが形成される。
【0025】
ホッパー30の下端で、供給管34との連結部分には食材送給のためのギアポンプ54が取り付けられており、該ギアポンプは間歇的に駆動される。すなわち、ノズル36が上記第1成形位置にあるときに所定時間だけの間、当該モータを駆動し、食材(魚肉すり身)をノズル開口40から搬送面20上に供給して、搬送方向で、所定の長さ(具体的には、串26の周りに巻きつけられたときに、該串26の周りを一周するだけの長さ)の第1板状食材Aを成形する。該第1板状食材Aが形成された後は、一定時間だけギアポンプを停止するとともに、ノズル36を上記第2成形位置に回動した後に、該モータを再駆動する。その場合の駆動時間は、搬送面20上に押し出された第3板状食材Cが、串26に巻かれた第1板状食材Aの周りに巻かれるときに、該第1板状食材Aの周りで一周するだけの長さとされる。すなわち、第3板状食材Cの方が第1板状食材Aよりも長くなるようにする。また、第1板状食材Aの凹部と第3板状食材Cの凹部との間には矩形の隙間が生じ、その隙間に、上述の中間層をなす軟質チーズなどの第2板状食材Bが配置可能なるようにされる。
【0026】
図3に示すように、搬送面20の搬送方向Mにおいて、上述の第1食材供給装置28よりも下流側には、第2板状食材Bを供給するための第2食材供給装置56が設けられている。図示の例では、第2食材供給装置として2台のチーズ供給装置56が設けられている。チーズ供給装置は、それぞれ、チーズ収納カートリッジ60、及び、該チーズ収納パッケージから搬送面20の上まで延びているチーズ供給管62を有しており、チーズ収納パッケージの交換を考慮し、これら2台のチーズ供給装置を交互に使用し、上述のように第1食材供給装置によって搬送面20状に供給された第1板状食材Aと第3板状食材Cとの間にチーズなどの軟質食材を一定長さだけ供給して上記第2板状食材Bとする。第2板状食材Bの上記搬送方向を横断する方向での幅は、上述の第1板状食材A及び第3板状食材Cに形成される凹部の幅に対応するものであり、串26に巻かれた内側層及び外側層の凹部の間に当該第2板状食材Bが嵌合されるようにされ、また、内側層の周りに一周だけ巻かれる程度の長さとされる。
【0027】
第2食材供給装置の下流側には、上述の第1乃至第3板状食材A〜Cを筒状に巻くための串26を供給する串供給装置64が設けられている。図3、図8A及び図8Bに示すように、この串供給装置は、搬送コンベア22の両側に沿って設けられた側壁70と、該側壁の内側面に蛇行するようにして相互に対称的に形成され、串26の両端を支持して案内する串供給路72と、供給路72によってその下端まで案内された串26を持ち上げて取り出すための一対の揺動アーム74と、該アームを枢軸76を中心に揺動するための電動シリンダ78と、搬送コンベア22の両側に取りつけられ、取り出された串26を受け止めて該串26が搬送コンベア22の搬送面20の上で横断方向に延びるように支持する串支持凹部80を備える串支持部材82を有する。揺動アーム74は、電動シリンダ78のロッド84が伸張されることにより上昇するようになっており、該揺動アーム74に取りつけられた串取り出し部83が、最下端にある串26aを持ち上げ(図8B)、次いで、電動シリンダ78のロッドが収縮されることにより下降をはじめ、最終的には串支持部材82の串支持凹部80内に落とすようになっている(図8A)。串26は、串支持凹部80内で、当該串26の軸線を中心に回転自在とされており、搬送面20に供給されて該串26の位置まで搬送されてくる第1乃至第3板状食材A〜Cと接触し、それらを順次巻き上げていく。本発明においては、この板状食材A〜Cの巻き上げが行われたときに、電動シリンダ78がロッドを適宜伸張させて揺動アーム74を適宜上昇させる。串26は、通常、ステンレス鋼で作られており、一定の重量を有しているために、板状食材A〜Cが該串26に巻き付くときに、その串26の重量をそのまま搬送面20上の板状食材A〜Cに掛かるようにすると、それら板状食材A〜C、特に第1及び第3板状食材Cに設けた上述の凹部が変形する虞があるために、串26を適宜持ち上げることにより、巻き上げられる板状食材A〜Cに巻き上げに適した圧力が掛かるようにしているのである。
【0028】
串支持部材82の上記搬送方向Mにおける下流側には、搬送コンベア22の両側に沿って延びる一対のチェーンコンベア86が設けられている。上述のように上昇されるアーム74は、板状食材A〜Cが巻き付けられた串を串支持凹部80から持ち上げて当該アームの先端に保持すると共に、串供給装置64の最下端にある串26aを持ち上げた後、上述のように下降することにより、板状食材A〜Cが巻き付けられた串をチェーンコンベア86に供給して当該成形装置12から排出し、同時に、串供給装置から取り出した新たな串を串支持凹部80内に供給する。。
【0029】
成形装置12から排出された串26は、適宜の搬送手段により、加熱装置14に運ばれる。加熱装置14は、上段の白焼き装置又はゲル化装置88と下段の焼色付け装置90からなる。白焼き装置88及び焼色付け装置90はともに、串26の両端を支持するだけの間隔をあけられた一対の螺旋コンベア92を有する。この螺旋コンベアは、細長い棒状のステンレス鋼を螺旋状にしたものであり、串26の端部を図9に示すように支持し、それぞれの螺旋の中心軸線を中心に一定方向に同期して回転されることにより、串26を一定方向に搬送するものである。図1に示す例では、上段の白焼き装置88は図における左端で板状食材を巻き付けた串26を受け入れ、右端に向けて搬送するようになっており、その搬送路に沿って設けられた図示しないヒータによって串26に巻き付けられた板状食材を加熱して、内側層及び外側層をなす魚肉すり身をゲル化するようになっている。
【0030】
白焼き装置88の右端まで搬送された串26は、適宜の搬送手段によって下段の焼色付き装置に移される。焼色付け装置90は、上述のように螺旋コンベア92を有しており、図1における右端で白焼きされた筒状食材Tを備える串26を受け入れ左端に向けて搬送する。焼色付け装置90における相互に平行に設定されている螺旋コンベア92の間の下方位置には、焼色付け用ヒータ94が設けられており、螺旋コンベア92によって搬送される串26に巻き付けられている筒状食材Tが、該焼色付けヒータ94上を転動しながら搬送されるようになっている。
【0031】
図10乃至図13は、焼色付けヒータ94を示している。図示のように、焼色付けヒータは、串26の搬送方向に伸張するフレーム96が設けられており、その幅方向中央上部に沿って細長い電気加熱板98が設けられている。フレーム96の両端にはベルトホイール100,102が回転可能に取りつけられており、該ベルトホイール100,102には薄いステンレス鋼からなる無端加熱ベルト104が掛けられ、その上部走行部106は電熱加熱板98の上面に押圧されるような張力を掛けられながら該上面の上を串26の搬送方向Yとは逆の方向Zに摺動するように駆動するようにされている。
【0032】
螺旋コンベア92によって図において左方へ搬送される串26の周りの筒状食材Tは、その外周面が無端加熱ベルト104の上部走行部106に係合され、それにより筒状食材Tが串26と共に転動しながら左方へ搬送されるようにされている。無端加熱ベルト104が停止していると仮定した場合に、その上を螺旋コンベア92によって搬送される筒状食材Tは、無端加熱ベルト104との係合によって串26と共に該無端加熱ベルト104上を転動することになるが、本願発明では、この無端加熱ベルト104の上部走行部106を筒状食材Tの搬送方向Yとは逆に動かされるようにされており、従って、筒状食材Tが、その搬送路の右端から左端に到るまでに無端加熱ベルト104の上部走行部106上で転動される回数は、該無端加熱ベルト104の速度の増加に従って増加されることになる。このため、無端加熱ベルト104に対する筒状食材の相対的走行距離は長くなり、従って、当該上部走行部106及び焼色付けヒータの全長が短くても筒状食材Tを十分加熱して焼色をつけることが可能となる。具体的な例としては、アルミニウムで作られた長さが600mm、幅30mmの電気加熱板98を、その表面温度が220℃〜250℃の温度範囲を維持するようにし、無端加熱ベルト104の上部走行部106の長さを800mmとすることにより、所要の焼色を付けることができた。これは前述の特許文献3に開示されているような細長い加熱板上に筒状食材を転動させて同様の焼色を付ける場合、該加熱板は2000mm程度の長さを必要としていたものと較べて、大幅に長さを短縮することができたことが分かる。
【0033】
所要の焼色がつけられた筒状食材Tは、焼色付けヒータの左端から排出され、図示しない串抜き工程に移送される。
【0034】
以上、本発明に係る実施形態につき述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、細長い電気加熱板98は、他のガスなどの加熱手段により加熱される加熱板と置き換えることができる。また、電動シリンダ78は、エアシリンダに置き換えることができる。
【符号の説明】
【0035】
三層筒状食品の製造装置10;成形装置12;熱処理装置14;搬送面20;搬送コンベア22;第1板状食材A;第2板状食材B;第3板状食材C;串26;第1食材供給装置28;ホッパー30;攪拌機32;供給管34;ノズル36;スイベルジョイント38;ノズル開口40;第1開口縁42;第2開口縁44;開口側縁46、48;突出縁50;ギアポンプ54;第2食材供給装置56;チーズ収納カートリッジ60;串供給装置64;側壁70;串供給路72;揺動アーム74;枢軸76;電動シリンダ78;串支持凹部80;串支持部材82;串取り出し部83;ロッド84;チェーンコンベア86;白焼き装置88;焼色付け装置90;螺旋コンベア92;焼色付け用ヒータ94;フレーム96;電気加熱板98;ベルトホイール100,102;無端加熱ベルト104;上部走行部106;スクレーパ110
【技術分野】
【0001】
本発明は、三層筒状食品の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、魚肉すり身からなる内側層及び外側層及びそれら外側層及び内側層の間に挟まれたチーズ材からなる中間層を有する三層構造のチーズ入り竹輪の開発をしており、(特許文献1)、また、そのような竹輪を具体例とする多層構造の筒状食品の製造装置も開発している(特許文献2)。
【0003】
これらの特許文献に開示された竹輪は、矩形の板状のすり身を串の周りに巻いて筒状の内側層とし、この内側層の周りに該内側層よりも幅の狭い矩形の板状のチーズ材を巻いて中間層とし、その周りに内側層と同じ幅の矩形の板状のすり身を巻いて三層構造の筒状として、中間層のチーズ材が外観に現れないように形成される。特許文献2に開示された装置は、回転ドラムの上に、筒状食品の内側層、中間層そして外側層となるそれぞれの矩形の板状食材(すり身、チーズ、すり身)を供給すると共に、該回転ドラムの外周面に近接した位置で該外周面を横断方向に延びる串を該外周面に沿って回転しながら搬送し、板状食材を該串に順次巻き付けて三層構造の筒状食材を成形するようになっている。
【0004】
本願出願人はまた、串の周りに筒状に成形された竹輪用の食材の外周面に焼色をつける装置を開発している(特許文献3)。この装置は、細長い電熱加熱板を備え、串の周りに筒状に成形された練り食材を、該加熱板の上で転動し、該加熱板からの熱によって、当該食材の表面に焼色をつけるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07-023747号
【特許文献2】特開H09−322738号
【特許文献3】特開平9-262071号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記三層構造の筒状食材では、中間層が内側及び外側層よりも幅が狭くされているために、それらを重ねてできる外観は、中間層がある部分が盛り上がった形状となる。しかし、そのような筒状食材の外周面に焼色をつける場合には、外周表面が盛り上がったままの形状では、該外周表面に適正な焼色をつけることが難しい。このために、上記成形の後に更に、上述のような盛り上がりがない、全体として円筒状の外周面を有するようにするための追加の成形工程が必要となる。
【0007】
特許文献2は、チーズ入り竹輪を具体例とする筒状食品の製造装置を開示しているが、比較的大きな直径のドラムの周りに、それぞれ、筒状食品の内側層、中間層そして外側層とされる魚肉すり身、チーズ、そして魚肉すり身などの板状食材をドラム外周面に供給する食材供給装置が周方向で順次設けられ、串は、串の両端を支持した搬送装置によってドラム外周面に隣接して周方向で搬送され、且つ、ドラムの周面に沿って張設された無端ベルトにより、串の両端をドラムの半径方向内側に抑えられながら回転し、ドラム上の上記板状の食材上を転動するようにして、それら板状の食材を順次巻き付けるようになっている。このため、串に対する食材の巻き付けの装置が大がかりなものとなる。
【0008】
特許文献3に開示の焼色付け装置は、円筒状とされた食材の外周面に焼色を付けるまで、細長い電熱加熱板の上を転動しなければならない。この場合転動が遅すぎると食材の外周面に火膨れが生じ易くなるために一定の速度で転動しなければならない。従って、当該電熱加熱板は、筒状の食材が、その外周面に焼色が付くまで転動するだけの長さが必要となる。
【0009】
このため、このような多層筒状食品を製造するための装置は大型となり、従って、大きな装置設定スペースが必要となる。一方、チーズ入り竹輪などでは、消費者の購買欲を刺激するために、店頭で、その製造過程を見られるようにしたいとの要望があり、その場合、製造装置を小型化することが必要となる。
【0010】
本発明は、上述のチーズ入り竹輪のように三層構造を有する筒状食品の製造において、特に、当該筒状食品の外周面全体の形状を、上述のような追加の成形工程を必要とすることなく円筒状にすることができる三層筒状食品の製造方法を提供することを目的としている。また、そのような方法を行うための構造が簡単で小型化が可能となる、三層筒状食品の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は、
前端縁、後端縁及び両側縁を有する上面と下面とを有する矩形の第1板状食材であって、該下面の前記両側縁よりも幅方向内側部分に前後方向に延びる第1凹部を有する第1板状食材を、当該第1板状食材の幅方向に延びる串の周りに、前記上面が該串に接するようにして巻く工程と、
前記第1板状食材の第1凹部と同じ幅を有する第2板状食材を、該第1凹部に嵌合させるようにしながら該第1板状食材の周りに巻く工程と、
前記第1板状食材と同じ幅を有する上面及び下面を有し、該上面の幅方向内側部分に前後方向に延びる、前記第1板状食材の第1凹部に対応する第2凹部を有する矩形の第3板状食材を、前記第2板状食材が巻かれた前記第1板状食材の周りに、該第2凹部が、前記第1凹部の前記下面から突出する前記第2板状食材の部分と嵌合するようにして巻く工程と
を有する三層筒状食材の成形方法を提供する。
【0012】
この成形方法では、三層筒状食品の内側層をなす第1板状食材及び外側層をなす第3板状食材に、それらが串の周りで筒状に巻かれたとき相互に半径方向で相互に対向するようになる第1及び第2凹部を設け、三層筒状食品の中間層をなす第2板状食材を、該第1及び第2凹部の間に嵌合するようにしたので、それら第1乃至第3板状食材を巻いて筒状の食材としたときに、該筒状食材の外周表面における第2板状食材を巻いた部分に対応する部分が盛り上がることはなく、該外周表面が全体として円筒状となるようにすることができる。尚、本明細書において、「上面」、「下面」といった位置を示す用語は、上記食材における相対的位置関係を示すためのものであり、空間内における絶対的上下関係を示すものではない。
【0013】
具体的には、第2板状食材は、その横断面を平たい矩形状とすることができる。すなわち、第2板状食材は、その横断面を種々の形状にすることは可能であるが、代表的には「矩形状」とされる。
【0014】
また、本発明は、上述の三層筒状食材の成形方法に用いられる装置を提供する。この装置は、成形可能な軟質食材を受け入れて、搬送コンベアの搬送面上に軟質食材を押し出すことにより、該搬送面上に、該搬送面の搬送方向に沿った板状食材を成形するノズルを有し、該ノズルの前記軟質食材を前記搬送面上に押し出すためのノズル開口が、前記搬送面の横断方向で延びる第1開口縁と、該第1開口縁に対向して横断方向に延びる第2開口縁と、該第1及び第2開口縁の端部間に延びる開口側縁とを有する全体として平たい矩形状とされ、該第1開口縁は、その両端から前記横断方向で内側位置に該第2開口縁に向けて突出する突出縁を有しており、当該ノズルは、該ノズル開口を通して前記搬送面上に押し出される軟質食材における該第1開口縁に接して押し出されて形成される面が前記搬送面に接して前記第1板状食材となるようにする第1成形位置と、前記ノズル開口を通して前記搬送面上に押し出される軟質食材における該第2開口縁に接して押し出されて形成される面が前記搬送面に接して前記第3板状食材となるようにする第2成形位置との間で変位可能とされている食材供給装置を有することを特徴とする成形装置を提供する。
【0015】
すなわち、この成形装置では、1つのノズルを第1成形位置又は第2成形位置のいずれかに選択的に変位することにより、上述の第1板状食材又は第3板状食材を成形することができる。従って、前述の従来の装置のように、各板状食材を成形する装置をそれぞれ備えたものに較べて、構造が簡単になり、設置スペースも小さいものとすることができる。食品製造装置は定期的に装置の分解・洗浄・組立をすることが必要とされるが、本発明に係る上記成形装置では、構造が簡単となるために、その為の作業がしやすく、従ってまた、装置の衛生状態を維持しやすくなる。
【0016】
前記ノズルは、前記開口が前記搬送面に対して垂直方向で対向し、前記搬送面に対して垂直方向に延びる軸線を中心として前記第1成形位置と第2成形位置との間で回動可能とすることができる。このようにすることにより、ノズルはそのノズル開口を搬送ベルトの搬送面に近づけて設定しても、該搬送面と干渉することなく、第1成形位置と第2成形位置との間で変位することができる。
【0017】
また、この成形装置は、
前記搬送面の両側において前記串の両端を受け入れる串支持凹部を備える串支持部材と、
該串支持凹部によって支持された串を、該串への前記第1乃至第3板状食材の巻き付けに対応して、上方に持ち上げることにより巻き上げられる第1乃至第3板状食材が、該串によって加えられる圧力によって変形しないようにするための揺動アームと
を有するようにすることができる。
【0018】
前記揺動アームは、第1乃至第3板状食材が巻き付けられた串を、前記串支持凹部から排出するように上昇するようにすることができる。
【0019】
更に、前記搬送面の両側に設けられ、該搬送面の横断方向に延びるようにされた複数の串の両端を支持し、且つ、支持した串を相互に隣接するようにして続く列として支持する串供給路を有し、
前記揺動アームが、第1乃至第3板状食材が巻き付けられた串を、前記串支持凹部から排出した後に更に上昇することにより、前記列の前端にある串を持ち上げて前記串供給路から排出すると共に、当該揺動アームが下降することにより、該串供給路から排出した串を前記串支持凹部に入るようにすることができる。
以下、本発明を添付図面に示した実施形態に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る筒状食品製造装置の概要平面図である。
【図2】図1の製造装置の概要正面図である。
【図3】図1の筒状食品製造装置における食材成形装置の概要斜視図である。
【図4】図3の食材成形装置における食材を押し出すためのノズルのノズル開口を示す。
【図5】図3の食材成形装置における搬送コンベア上に第1乃至第3板状食材が押し出された状態を示す概要斜視図である。
【図6】図3の食材成形装置によって串の周りに形成された筒状食材の縦断面図である。
【図7】図6の筒状食材の斜視図である。
【図8A】図3の成形装置における串供給装置の概要を示す図であり、串を串支持部材に供給した状態を示す。
【図8B】図3の成形装置における串供給装置の概要を示す図であり、板状材料を巻き付けた串を串支持部材から取り出すと共に、串供給装置から新たな串を取り出した状態を示す。
【図9】図1の筒状食品製造装置における加熱装置で串の周りに形成された筒状食材を搬送するための螺旋コンベアの概要を示す図である。
【図10】図1の筒状食品製造装置における加熱装置を構成する焼き付け用ヒータを示す斜視図であり、無端加熱ベルトを除いて示してある。
【図11】図10の焼き付け用ヒータの平面図である。
【図12】図10の焼き付け用ヒータの正面図である。
【図13】図10の焼き付け用ヒータの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
先ず、図1及び図2に示す本発明に係る三層筒状食品の製造装置10につき説明する。この製造装置は、具体的には、魚肉すり身からなる内側層及び外側層並びにそれらの間に挟まれたチーズ材からなる中間層を有する、三層筒状食品としてのチーズ入り竹輪の製造装置である。図1の平面図で見て下側に左右方向に延びるように見える三層筒状食材の成形装置12と、図1で見て、該成形装置12の上側に左右方向に延びるように設けられ、成形装置12によって成形された三層筒状食品を加熱し、外周面に焼色をつけるための熱装置14とを有している。
【0022】
成形装置12は、図1乃至図3、特に図3に示すように、図で見て左方に動くようにされた搬送面20を有する搬送コンベア22を有し、この搬送面20に対して、三層筒状食品の内側層となる矩形の第1板状食材(具体的には魚肉すり身)Aと、中間層となる第2板状食材(カマンベールチーズなどの軟質チーズ)Bと、外側層となる矩形の第3板状食材(魚肉すり身)Cとを、当該搬送面20上に、その搬送方向Mで整列するようにして、順次供給し、搬送方向下流側において搬送面20に近接して搬送方向に対して直角方向に延びる串26を設定し、該串26のところに搬送されてくる第1乃至第3板状食材A〜Cを順次、該串26に巻きつけ、三層の筒状食品Tを成形するようになっている。
【0023】
第1及び第3板状食材、A,Cは、搬送面20の上流側に位置する第1食材供給装置28によって供給される。該第1食材供給装置28は、食材すなわちすり身を収納し供給するホッパー30と、該ホッパー30内の材料を攪拌する攪拌機32と、該ホッパー30から供給管34を介して供給される食材を受け入れて、搬送コンベア22の搬送面20上に供給するノズル36とを有している(図2)。ノズル36は、スイベルジョイント38によって接続された供給管34との接続部分から垂直に延びる軸線X(図3)の周りで回動可能とされており、食材(魚肉すり身)を搬送コンベア22に供給するノズル開口40は、搬送面20に対して垂直方向で対向し、上記軸線Xの周りで回動可能とされている。
【0024】
図4に示すように、ノズル開口40は、搬送面20の横断方向で延びる第1開口縁42と、該第1開口縁42に対向して横断方向に延びる第2開口縁44と、該第1及び第2開口縁42、44の端部間に延びる開口側縁46,48とを有する全体として平たい矩形状とされている。第1開口縁42は、その両端から上記横断方向で内側位置に第2開口縁44に向けて矩形状に突出する突出縁50を有しており、ノズル36は、上記軸線Xの周りで回動可能で、第1開口縁42が上記搬送方向Mにおいて第2開口縁44よりも上流側とされた第1成形位置(図4)と、第1開口縁42が上記搬送方向において第2開口縁44よりも下流側とされた第2成形位置との間で180°回動可能とされている。ノズル36が第1成形位置にあるときには、ノズル開口40から押し出される食材の搬送面20と接する下面A1に、ノズル開口40の第1開口縁42の突出縁50に対応する凹部A2(図5)が上記搬送方向に延びるように形成され、上記第1板状食材Aが形成される。ノズル36が第2成形位置にあるときには、ノズル開口40から押し出され食材の、搬送面20と接する下面C1が平坦な面となり、上面C2は、ノズル開口40の第1開口縁42の突出面に対応する凹部C3が上記搬送方向に延びるように形成され、上記第3板状食材Cが形成される。
【0025】
ホッパー30の下端で、供給管34との連結部分には食材送給のためのギアポンプ54が取り付けられており、該ギアポンプは間歇的に駆動される。すなわち、ノズル36が上記第1成形位置にあるときに所定時間だけの間、当該モータを駆動し、食材(魚肉すり身)をノズル開口40から搬送面20上に供給して、搬送方向で、所定の長さ(具体的には、串26の周りに巻きつけられたときに、該串26の周りを一周するだけの長さ)の第1板状食材Aを成形する。該第1板状食材Aが形成された後は、一定時間だけギアポンプを停止するとともに、ノズル36を上記第2成形位置に回動した後に、該モータを再駆動する。その場合の駆動時間は、搬送面20上に押し出された第3板状食材Cが、串26に巻かれた第1板状食材Aの周りに巻かれるときに、該第1板状食材Aの周りで一周するだけの長さとされる。すなわち、第3板状食材Cの方が第1板状食材Aよりも長くなるようにする。また、第1板状食材Aの凹部と第3板状食材Cの凹部との間には矩形の隙間が生じ、その隙間に、上述の中間層をなす軟質チーズなどの第2板状食材Bが配置可能なるようにされる。
【0026】
図3に示すように、搬送面20の搬送方向Mにおいて、上述の第1食材供給装置28よりも下流側には、第2板状食材Bを供給するための第2食材供給装置56が設けられている。図示の例では、第2食材供給装置として2台のチーズ供給装置56が設けられている。チーズ供給装置は、それぞれ、チーズ収納カートリッジ60、及び、該チーズ収納パッケージから搬送面20の上まで延びているチーズ供給管62を有しており、チーズ収納パッケージの交換を考慮し、これら2台のチーズ供給装置を交互に使用し、上述のように第1食材供給装置によって搬送面20状に供給された第1板状食材Aと第3板状食材Cとの間にチーズなどの軟質食材を一定長さだけ供給して上記第2板状食材Bとする。第2板状食材Bの上記搬送方向を横断する方向での幅は、上述の第1板状食材A及び第3板状食材Cに形成される凹部の幅に対応するものであり、串26に巻かれた内側層及び外側層の凹部の間に当該第2板状食材Bが嵌合されるようにされ、また、内側層の周りに一周だけ巻かれる程度の長さとされる。
【0027】
第2食材供給装置の下流側には、上述の第1乃至第3板状食材A〜Cを筒状に巻くための串26を供給する串供給装置64が設けられている。図3、図8A及び図8Bに示すように、この串供給装置は、搬送コンベア22の両側に沿って設けられた側壁70と、該側壁の内側面に蛇行するようにして相互に対称的に形成され、串26の両端を支持して案内する串供給路72と、供給路72によってその下端まで案内された串26を持ち上げて取り出すための一対の揺動アーム74と、該アームを枢軸76を中心に揺動するための電動シリンダ78と、搬送コンベア22の両側に取りつけられ、取り出された串26を受け止めて該串26が搬送コンベア22の搬送面20の上で横断方向に延びるように支持する串支持凹部80を備える串支持部材82を有する。揺動アーム74は、電動シリンダ78のロッド84が伸張されることにより上昇するようになっており、該揺動アーム74に取りつけられた串取り出し部83が、最下端にある串26aを持ち上げ(図8B)、次いで、電動シリンダ78のロッドが収縮されることにより下降をはじめ、最終的には串支持部材82の串支持凹部80内に落とすようになっている(図8A)。串26は、串支持凹部80内で、当該串26の軸線を中心に回転自在とされており、搬送面20に供給されて該串26の位置まで搬送されてくる第1乃至第3板状食材A〜Cと接触し、それらを順次巻き上げていく。本発明においては、この板状食材A〜Cの巻き上げが行われたときに、電動シリンダ78がロッドを適宜伸張させて揺動アーム74を適宜上昇させる。串26は、通常、ステンレス鋼で作られており、一定の重量を有しているために、板状食材A〜Cが該串26に巻き付くときに、その串26の重量をそのまま搬送面20上の板状食材A〜Cに掛かるようにすると、それら板状食材A〜C、特に第1及び第3板状食材Cに設けた上述の凹部が変形する虞があるために、串26を適宜持ち上げることにより、巻き上げられる板状食材A〜Cに巻き上げに適した圧力が掛かるようにしているのである。
【0028】
串支持部材82の上記搬送方向Mにおける下流側には、搬送コンベア22の両側に沿って延びる一対のチェーンコンベア86が設けられている。上述のように上昇されるアーム74は、板状食材A〜Cが巻き付けられた串を串支持凹部80から持ち上げて当該アームの先端に保持すると共に、串供給装置64の最下端にある串26aを持ち上げた後、上述のように下降することにより、板状食材A〜Cが巻き付けられた串をチェーンコンベア86に供給して当該成形装置12から排出し、同時に、串供給装置から取り出した新たな串を串支持凹部80内に供給する。。
【0029】
成形装置12から排出された串26は、適宜の搬送手段により、加熱装置14に運ばれる。加熱装置14は、上段の白焼き装置又はゲル化装置88と下段の焼色付け装置90からなる。白焼き装置88及び焼色付け装置90はともに、串26の両端を支持するだけの間隔をあけられた一対の螺旋コンベア92を有する。この螺旋コンベアは、細長い棒状のステンレス鋼を螺旋状にしたものであり、串26の端部を図9に示すように支持し、それぞれの螺旋の中心軸線を中心に一定方向に同期して回転されることにより、串26を一定方向に搬送するものである。図1に示す例では、上段の白焼き装置88は図における左端で板状食材を巻き付けた串26を受け入れ、右端に向けて搬送するようになっており、その搬送路に沿って設けられた図示しないヒータによって串26に巻き付けられた板状食材を加熱して、内側層及び外側層をなす魚肉すり身をゲル化するようになっている。
【0030】
白焼き装置88の右端まで搬送された串26は、適宜の搬送手段によって下段の焼色付き装置に移される。焼色付け装置90は、上述のように螺旋コンベア92を有しており、図1における右端で白焼きされた筒状食材Tを備える串26を受け入れ左端に向けて搬送する。焼色付け装置90における相互に平行に設定されている螺旋コンベア92の間の下方位置には、焼色付け用ヒータ94が設けられており、螺旋コンベア92によって搬送される串26に巻き付けられている筒状食材Tが、該焼色付けヒータ94上を転動しながら搬送されるようになっている。
【0031】
図10乃至図13は、焼色付けヒータ94を示している。図示のように、焼色付けヒータは、串26の搬送方向に伸張するフレーム96が設けられており、その幅方向中央上部に沿って細長い電気加熱板98が設けられている。フレーム96の両端にはベルトホイール100,102が回転可能に取りつけられており、該ベルトホイール100,102には薄いステンレス鋼からなる無端加熱ベルト104が掛けられ、その上部走行部106は電熱加熱板98の上面に押圧されるような張力を掛けられながら該上面の上を串26の搬送方向Yとは逆の方向Zに摺動するように駆動するようにされている。
【0032】
螺旋コンベア92によって図において左方へ搬送される串26の周りの筒状食材Tは、その外周面が無端加熱ベルト104の上部走行部106に係合され、それにより筒状食材Tが串26と共に転動しながら左方へ搬送されるようにされている。無端加熱ベルト104が停止していると仮定した場合に、その上を螺旋コンベア92によって搬送される筒状食材Tは、無端加熱ベルト104との係合によって串26と共に該無端加熱ベルト104上を転動することになるが、本願発明では、この無端加熱ベルト104の上部走行部106を筒状食材Tの搬送方向Yとは逆に動かされるようにされており、従って、筒状食材Tが、その搬送路の右端から左端に到るまでに無端加熱ベルト104の上部走行部106上で転動される回数は、該無端加熱ベルト104の速度の増加に従って増加されることになる。このため、無端加熱ベルト104に対する筒状食材の相対的走行距離は長くなり、従って、当該上部走行部106及び焼色付けヒータの全長が短くても筒状食材Tを十分加熱して焼色をつけることが可能となる。具体的な例としては、アルミニウムで作られた長さが600mm、幅30mmの電気加熱板98を、その表面温度が220℃〜250℃の温度範囲を維持するようにし、無端加熱ベルト104の上部走行部106の長さを800mmとすることにより、所要の焼色を付けることができた。これは前述の特許文献3に開示されているような細長い加熱板上に筒状食材を転動させて同様の焼色を付ける場合、該加熱板は2000mm程度の長さを必要としていたものと較べて、大幅に長さを短縮することができたことが分かる。
【0033】
所要の焼色がつけられた筒状食材Tは、焼色付けヒータの左端から排出され、図示しない串抜き工程に移送される。
【0034】
以上、本発明に係る実施形態につき述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、細長い電気加熱板98は、他のガスなどの加熱手段により加熱される加熱板と置き換えることができる。また、電動シリンダ78は、エアシリンダに置き換えることができる。
【符号の説明】
【0035】
三層筒状食品の製造装置10;成形装置12;熱処理装置14;搬送面20;搬送コンベア22;第1板状食材A;第2板状食材B;第3板状食材C;串26;第1食材供給装置28;ホッパー30;攪拌機32;供給管34;ノズル36;スイベルジョイント38;ノズル開口40;第1開口縁42;第2開口縁44;開口側縁46、48;突出縁50;ギアポンプ54;第2食材供給装置56;チーズ収納カートリッジ60;串供給装置64;側壁70;串供給路72;揺動アーム74;枢軸76;電動シリンダ78;串支持凹部80;串支持部材82;串取り出し部83;ロッド84;チェーンコンベア86;白焼き装置88;焼色付け装置90;螺旋コンベア92;焼色付け用ヒータ94;フレーム96;電気加熱板98;ベルトホイール100,102;無端加熱ベルト104;上部走行部106;スクレーパ110
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端縁、後端縁及び両側縁を有する上面と下面とを有する矩形の第1板状食材(A)であって、該下面(A1)の前記両側縁よりも幅方向内側部分に前後方向に延びる第1凹部(A2)を有する第1板状食材(A)を、当該第1板状食材(A)の幅方向に延びる串(26)の周りに、前記上面が該串(26)に接するようにして巻く工程と、
前記第1板状食材(A)の第1凹部(A2)と同じ幅を有する第2板状食材(B)を、該第1凹部(A2)に嵌合させるようにしながら、串(26)の周りに巻かれた前記第1板状食材(A)の周りに巻く工程と、
前記第1板状食材(A)と同じ幅を有する上面及び下面を有し、該上面(C1)の幅方向内側部分に前後方向に延びる、前記第1板状食材の第1凹部に対応する第2凹部(C3)を有する矩形の第3板状食材(C)を、前記第2板状食材(B)が巻かれた前記第1板状食材(A)の周りに、該第2凹部(C3)が、前記第1凹部(A2)の前記下面(A1)から突出する前記第2板状食材(B)の部分と嵌合するようにして巻く工程と
を有する三層筒状食材の成形方法。
【請求項2】
前記第2板状食材(B)の横断面を平たい矩形状とする請求項1に記載の三層筒状食材の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の三層筒状食材の成形方法に用いられる成形装置であって、
成形可能な軟質食材を受け入れて、搬送コンベア(22)の搬送面(20)上に軟質食材を押し出すことにより、該搬送面(20)上に、該搬送面(20)の搬送方向に沿って延びる板状食材を成形するノズル(36)を有し、該ノズル(36)の前記軟質食材を前記搬送面(20)上に押し出すためのノズル開口(40)が、前記搬送面(20)の横断方向で延びる第1開口縁(42)と、該第1開口縁(42)に対向して横断方向に延びる第2開口縁(44)と、該第1及び第2開口縁(44)の端部間に延びる開口側縁(46、48)とを有する全体として平たい矩形状とされ、該第1開口縁(42)は、その両端から前記横断方向で内側位置に該第2開口縁(44)に向けて突出する突出縁(50)を有しており、当該ノズル(36)は、該ノズル開口(40)を通して前記搬送面(20)上に押し出される軟質食材における該第1開口縁(42)に接して押し出されて形成される面が前記搬送面(20)に接して前記第1板状食材(A)となるようにする第1成形位置と、前記ノズル開口(40)を通して前記搬送面(20)上に押し出される軟質食材における該第2開口縁(44)に接して押し出されて形成される面が前記搬送面(20)に接して前記第3板状食材(C)となるようにする第2成形位置との間で変位可能とされていることを特徴とする食材供給装置(28)を備える成形装置。
【請求項4】
前記ノズル(36)は、前記ノズル開口(40)が前記搬送面(20)に対して垂直方向で対向し、前記搬送面(20)に対して垂直方向に延びる軸線(X)を中心として前記第1成形位置と第2成形位置との間で回動可能とした請求項3に記載の成形装置。
【請求項5】
前記搬送面(20)の両側において前記串(26)の両端を受け入れる串支持凹部(80)を備える串支持部材(82)と、
該串支持凹部(80)によって支持された串26を、該串26への前記第1乃至第3板状食材(A〜C)の巻き付けに対応して、上方に持ち上げることにより巻き上げられる第1乃至第3板状食材(A〜C)が、該串(26)によって加えられる圧力によって変形しないようにする揺動アーム(74)と
を有する請求項3又は4のいずれかに記載の成形装置。
【請求項6】
前記揺動アーム(74)は、第1乃至第3板状食材(A〜C)が巻き付けられた串(26)を、前記串支持凹部(80)から排出するように上昇するようにされている請求項5に記載の成形装置。
【請求項7】
前記搬送面(20)の両側に設けられ、該搬送面(20)の横断方向に延びるようにされた複数の串(26)の両端を支持し、且つ、支持した串(26)を相互に隣接するように続く列として支持する串供給路(72)を有し、
前記揺動アーム(74)が、第1乃至第3板状食材(A〜C)が巻き付けられた串(26)を、前記串支持凹部(80)から排出した後に更に上昇することにより、前記列の前端にある串(26)を持ち上げて前記串供給路(72)から排出すると共に、当該揺動アーム(74)が下降することにより、該串供給路(72)から排出した串(26)を前記串支持凹部(80)に入るようにした請求項6に記載の成形装置。
【請求項1】
前端縁、後端縁及び両側縁を有する上面と下面とを有する矩形の第1板状食材(A)であって、該下面(A1)の前記両側縁よりも幅方向内側部分に前後方向に延びる第1凹部(A2)を有する第1板状食材(A)を、当該第1板状食材(A)の幅方向に延びる串(26)の周りに、前記上面が該串(26)に接するようにして巻く工程と、
前記第1板状食材(A)の第1凹部(A2)と同じ幅を有する第2板状食材(B)を、該第1凹部(A2)に嵌合させるようにしながら、串(26)の周りに巻かれた前記第1板状食材(A)の周りに巻く工程と、
前記第1板状食材(A)と同じ幅を有する上面及び下面を有し、該上面(C1)の幅方向内側部分に前後方向に延びる、前記第1板状食材の第1凹部に対応する第2凹部(C3)を有する矩形の第3板状食材(C)を、前記第2板状食材(B)が巻かれた前記第1板状食材(A)の周りに、該第2凹部(C3)が、前記第1凹部(A2)の前記下面(A1)から突出する前記第2板状食材(B)の部分と嵌合するようにして巻く工程と
を有する三層筒状食材の成形方法。
【請求項2】
前記第2板状食材(B)の横断面を平たい矩形状とする請求項1に記載の三層筒状食材の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の三層筒状食材の成形方法に用いられる成形装置であって、
成形可能な軟質食材を受け入れて、搬送コンベア(22)の搬送面(20)上に軟質食材を押し出すことにより、該搬送面(20)上に、該搬送面(20)の搬送方向に沿って延びる板状食材を成形するノズル(36)を有し、該ノズル(36)の前記軟質食材を前記搬送面(20)上に押し出すためのノズル開口(40)が、前記搬送面(20)の横断方向で延びる第1開口縁(42)と、該第1開口縁(42)に対向して横断方向に延びる第2開口縁(44)と、該第1及び第2開口縁(44)の端部間に延びる開口側縁(46、48)とを有する全体として平たい矩形状とされ、該第1開口縁(42)は、その両端から前記横断方向で内側位置に該第2開口縁(44)に向けて突出する突出縁(50)を有しており、当該ノズル(36)は、該ノズル開口(40)を通して前記搬送面(20)上に押し出される軟質食材における該第1開口縁(42)に接して押し出されて形成される面が前記搬送面(20)に接して前記第1板状食材(A)となるようにする第1成形位置と、前記ノズル開口(40)を通して前記搬送面(20)上に押し出される軟質食材における該第2開口縁(44)に接して押し出されて形成される面が前記搬送面(20)に接して前記第3板状食材(C)となるようにする第2成形位置との間で変位可能とされていることを特徴とする食材供給装置(28)を備える成形装置。
【請求項4】
前記ノズル(36)は、前記ノズル開口(40)が前記搬送面(20)に対して垂直方向で対向し、前記搬送面(20)に対して垂直方向に延びる軸線(X)を中心として前記第1成形位置と第2成形位置との間で回動可能とした請求項3に記載の成形装置。
【請求項5】
前記搬送面(20)の両側において前記串(26)の両端を受け入れる串支持凹部(80)を備える串支持部材(82)と、
該串支持凹部(80)によって支持された串26を、該串26への前記第1乃至第3板状食材(A〜C)の巻き付けに対応して、上方に持ち上げることにより巻き上げられる第1乃至第3板状食材(A〜C)が、該串(26)によって加えられる圧力によって変形しないようにする揺動アーム(74)と
を有する請求項3又は4のいずれかに記載の成形装置。
【請求項6】
前記揺動アーム(74)は、第1乃至第3板状食材(A〜C)が巻き付けられた串(26)を、前記串支持凹部(80)から排出するように上昇するようにされている請求項5に記載の成形装置。
【請求項7】
前記搬送面(20)の両側に設けられ、該搬送面(20)の横断方向に延びるようにされた複数の串(26)の両端を支持し、且つ、支持した串(26)を相互に隣接するように続く列として支持する串供給路(72)を有し、
前記揺動アーム(74)が、第1乃至第3板状食材(A〜C)が巻き付けられた串(26)を、前記串支持凹部(80)から排出した後に更に上昇することにより、前記列の前端にある串(26)を持ち上げて前記串供給路(72)から排出すると共に、当該揺動アーム(74)が下降することにより、該串供給路(72)から排出した串(26)を前記串支持凹部(80)に入るようにした請求項6に記載の成形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−147708(P2012−147708A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7837(P2011−7837)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000141509)株式会社紀文食品 (39)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000141509)株式会社紀文食品 (39)
【Fターム(参考)】
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