説明

三環式アザインドール

ジピリジル−ピロール誘導体化合物及びこれらの類似体、このような化合物を含む医薬組成物、及びこれらの化合物の製造方法が開示されている。化合物は、タンパク質キナーゼ・シグナル伝達、調節及び/又は変調の影響を受けやすい疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、タンパク質キナーゼ阻害薬、このような阻害薬を含む医薬組成物、及びこれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
タンパク質キナーゼは、多種多様な細胞プロセスを調節する上で中心的役割を果たし、ひいては細胞機能の制御を維持する上で広範囲のタンパク質群である。
このようなキナーゼの一部としては、Akt、Axl,Aurora A、Aurora B、Lck、Fyn,Lyn、Yes、dyrk2、cpha2、fgfr3、flt−3、vegfr3、igflr、IKK2、JNK3、Vegfr2、MEK1、MET、p70s6K、Plk1、PSK1、Src、TrkA、Zap70、cKit,bRaf、EGFR、Jak2、PI3K、NPM−Alk、c−Abl,BTK,FAK,PDGFR、TAK1、LimK、Flt3,Flt1、PDK1およびErkが挙げられる。
【0003】
タンパク質キナーゼが媒介する事象によって引き起こされる非常な細胞応答は、多様な疾患をもたらす。これらの疾患は自己免疫疾患、炎症性疾患、神経系疾患及び神経変性疾患、癌、心臓血管疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病及びホルモン関連疾患を含む。従って、治療薬として効果的なタンパク質キナーゼ阻害薬を見いだそうという多大な努力が医薬品化学分野において成されている。
【0004】
Srcキナーゼのようなタンパク質キナーゼの小分子阻害薬が最近報告されているが、しかし細胞質分裂に対するその効果はまだ詳細に研究されるべきである。
【0005】
Srcチロシンキナーゼ及びその阻害薬の役割は文献において報告されている。例えば、Garcia他は、ヒト乳癌細胞成長調節を促進する際の、SrcによるStat3キナーゼ及びJAKキナーゼの活性化を記載している(Oncogene, (2001), 20:2499-2513)。Mukhopadhyay他は、c−Srcの活性化を介して、ヒト血管内皮成長因子の発現を低酸素誘導することを示した(Nature [London], (1995), 375:577-581)。
【0006】
Bristol Myers Squibbによって記載された薬物ダサティニブは、扁平上皮細胞癌及び非小細胞肺癌細胞において浸潤を抑制し、また細胞周期停止及びアポトーシスを誘発するチロシンキナーゼ阻害薬として形成されている(Clin. Cancer Res., (2005), 11(19);6924-6932)。
【0007】
Serrels他は、ダサティニブによる結腸癌細胞のSrc活性の阻害を測定するための潜在的バイオマーカーの識別を開示した(Mol. Cancer Ther., (2006), 5(12):3014-3022)。
【0008】
PP Takeda Pharmaceuticals Co., Ltd.によって開示されたピリド−インドール誘導体は、チロシンキナーゼ及びサイクリン依存性キナーゼの阻害薬であり、従って抗腫瘍薬、抗菌薬、及び抗ウイルス薬として有用である(国際公開第2008/016184号パンフレット)。
【0009】
しかし、異常タンパク質キナーゼによるシグナル伝達を阻害、変調、及び/又は調節することができ、これにより増殖性疾患、例えば癌及び心臓血管疾患、神経変性疾患、炎症性疾患、及び内分泌関連疾患を効果的に治療することができるタンパク質キナーゼ阻害薬が必要である。このタンパク質キナーゼ阻害薬は、疾患治療のための併用療法において、また診断ツールとして有用であることも望まれる。
【0010】
本発明のこれらの化合物、及びこれらの化合物を含む医薬組成物は、個々に提供されるか、又はキットの形で提供される。本発明にはまた、調節されていないタンパク質キナーゼ活性をアクティブに変調するか又は阻害する化合物を調製する方法も含まれる。
【0011】
本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、以下の説明及び主張から当業者には明らかである。
【発明の概要】
【0012】
発明の概要
本発明の化合物は、Srcチロシンキナーゼの選択的な、そして極めて強力なアデノシントリホスフェート(ATP)競合的阻害剤である。本発明はまた、これらの化合物の医薬的に許容される誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体及び立体異性体を、あらゆる比を成すこれらの混合物を含めて提供する。これらの新規の化合物の使用によって治療される疾患は、一次、二次、及び転移癌、例えばメラノーマ、リンパ腫、白血病、結腸癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、腎臓癌、膵臓、腎臓癌、CNS、胃癌、卵巣癌、前立腺癌、及び子宮頸癌を含む。さらに、アレルギー、喘息、神経変性疾患、内分泌疾患、免疫疾患、心臓血管疾患、代謝疾患、及び増殖性疾患全てを、本発明の化合物の使用によって治療することができる。
【0013】
1つの態様において、本発明は式I:
【0014】
【化1】

【0015】
{式中、
RはH;ハロ;CN;NO2;C1−C6アルキル;CF3;アリール;ヘテロアリール;アラルキル;アルカリル;ヘテロアルキル;炭素環;C(=O)OR’;アルキル−C(=O)−;−C(=O)アリール;−C(=O)ヘテロアリール;−C(=O)NH−アリール;−C(=O)NH−ヘテロアリール;アリール−C(=O);ヘテロアリール−C(=O);OR’;R’−SO2−:SO2−R’;SR’;R’−NH−C(=O)−;アルキル−O−C(=O)−;R’−アルキル−;R’−C(=O);又はNR’R’であり;
R’はH;O;S;CONH2;アルキル;ハロアルキル;アルキルハロ;ハロアリール;ハロヘテロアリール;炭素環;アリール;ヘテロアリール;又はヘテロアリールであり;
YはH;ハロ;アリール;ヘテロアリール;NH−ヘテロアリール;NH−アリール;アリール−C(=O)−NH−NH−アリール−;アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−アリール−;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−アリール−アルキル−NH−;ヘテロアリール−アルキル−NH;アリール−C(=O)−NH−アリール−NH−;ヘテロアリール−C(=O)−NH−アリール−NH;ヘテロアリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アルキル−NH−SO2−;R’−NH−;R’−O−R’−NH−;NR’R’−アルキル−;又はR’−アルキル−であり;
-----は二重結合の存在又は不存在を表し;
アリール、ヘテロアリール、又は炭素環は任意に置換型又は無置換型であってよく、そしてアリール、ヘテロアリール、及び/又は炭素環の任意の組み合わせで、単環、二環又は三環構造であってよい。}
で表される化合物、並びに、医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体及び立体異性体を、あらゆる比の混合物を含めて提供する。
【0016】
好ましい実施態様の例は下記のものを含む:
第1の好ましい実施態様において、式Iに基づく化合物は、1種又は2種以上の医薬的に許容される希釈剤、賦形剤、担体などとともに医薬製剤中に組み込まれる。「希釈剤」、「賦形剤」及び「担体」という用語の重複は当業者には明らかである。
【0017】
本発明の第2の好ましい実施態様において、Rはエタノンであり、そしてYはベンズアミドフェニルアミノ部分である。
【0018】
本発明の第3の好ましい実施態様において、Rはエタノンであり、そしてYはフェニルアミノである。
【0019】
第3の好ましい実施態様の第1の下位実施態様の場合、Yはフェニルアミノであり、そしてRは3−クロロフェニルメタノンである。
【0020】
本発明の第4の好ましい実施態様において、Rは3−クロロ−ベンゼンスルホニルであり、そしてYはフェニルアミノである。
【0021】
式Iに基づく有効量のキナーゼ阻害薬を患者に投与することを含む、キナーゼタンパク質の阻害を必要とする患者を治療する方法も、本発明に含まれる。
【0022】
好ましい実施態様において、式Iに基づく化合物は、1種又は2種以上の医薬的に許容される希釈剤、賦形剤、担体などとともに医薬製剤中に組み込まれ、そしてこの医薬製剤はさらに任意には、キットとしてパッケージングされてよい。ここに提供されるのは、このような医薬組成物、及び、あらゆるタイプの癌を含む増殖性疾患を治療するために、調節されていない又はかく乱されたタンパク質キナーゼ活性を変調及び/又は阻害する方法であって、これを必要とする患者に、式Iに基づく有効量のキナーゼ阻害薬を投与することを含む方法である。さらなる態様の場合、本発明は、とりわけ腫瘍形成、血管形成、動脈硬化、眼疾患、炎症性疾患、関節炎、及び再狭窄から選択された一員である疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。この方法は、これを必要とする患者に、治療的に有効量の式I化合物又は医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、エナンチオマー、互変異性体、水和物、溶媒和物、又はラセミ混合物を投与することを含む。式I化合物はさらに、所定の既存の癌化学療法における相加又は相乗効果をもたらし、且つ/又は、所定の既存の癌化学療法及び放射線療法の効力を回復させるために使用することができる。
【0023】
また本発明の範囲には、化合物1−78及び医薬的に許容される塩、これらそれぞれのプロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、エナンチオマー又はラセミ混合物も入る。
【0024】
本明細書中に使用される、化合物の「溶媒和物」という用語は、化合物の塩の溶媒和物を含むものとする。
【0025】
本発明の付加的な実施態様は、薬剤として使用するための式I化合物;キナーゼタンパク質の阻害を必要とする患者を治療する薬剤を調製するための式I化合物の使用;及び単一部位癌又は転移性癌の細胞増殖を抑制又は低減する、又は癌転移を阻害又は抑制する薬剤を調製するための、式I化合物の使用、を含む。
【0026】
本発明はまた、治療において使用するための、例えばキナーゼタンパク質を変調又は阻害する必要のある増殖性疾患又は炎症性疾患の患者を治療するための式I化合物、又は、医薬的に許容されるその誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体及び立体異性体をも、あらゆる比のその混合物を含めて包含する。
【0027】
本発明の化合物を合成する方法も、本発明の範囲に含まれる。
【0028】
さらに、本発明は、キナーゼ関連の機能不全、特に哺乳動物における血管形成、癌、腫瘍の形成、成長及び増殖、動脈硬化、眼疾患、例えば加齢による黄斑変性症、脈絡膜血管新生、及び糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、神経変性疾患、乾癬、再狭窄、創傷治癒、移植片拒絶反応、代謝疾患、自己免疫疾患、肝硬変、糖尿病及び血管・免疫疾患のような疾患を治療する必要のある患者の治療のためのさらなる薬剤活性成分と一緒に、式I化合物を併用することに関する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
なし。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の詳細な説明
本発明は、タンパク質キナーゼによる、具体的にはSrcキナーゼによるシグナル伝達を阻害、調節、及び/又は変調する化合物に関する。
本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、及びキナーゼ関連疾患及び病状の治療に化合物を使用する方法に関する。
第1の態様において、本発明は、式I:
【0031】
【化2】

【0032】
{式中、
RはH;ハロ;CN;NO2;C1−C6アルキル;CF3;アリール;ヘテロアリール;アラルキル;アルカリル;ヘテロアルキル;炭素環;C(=O)OR’;アルキル−C(=O)−;−C(=O)アリール;−C(=O)ヘテロアリール;−C(=O)NH−アリール;−C(=O)NH−ヘテロアリール;アリール−C(=O)−;ヘテロアリール−C(=O);OR’;R’−SO2−:SO2−R’;SR’;R’−NH−C(=O)−;アルキル−O−C(=O)−;R’−アルキル−;R’−C(=O);又はNR’R’;アリール−C(=O);アリール−NH−C(=O)−;アリール−C(=O)−;OR’;R’−SO2−;SO2−R’;SR’;R’−NH−C(=O)−;アルキル−O−C(=O)−;R’−アルキル−;R’−C(=O);又はNR’R’であり;
R’はH;O;S;アルキル;ハロアルキル;アルキルハロ;ハロアリール;ハロヘテロアリール;炭素環;アリール;ヘテロアリール;又はヘテロアルキルであり;
YはH;ハロ;アリール;ヘテロアリール;アリール−NH;NH−ヘテロアリール;NH−アリール;アリール−C(=O)−NH−NH−アリール−;アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−アリール−;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−アリール−アルキル−NH−;ヘテロアリール−アルキル−NH;アリール−C(=O)−NH−アリール−NH−;ヘテロアリール−C(=O)−NH−アリール−NH;ヘテロアリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;
アルキル−NH−SO2−;R’−NH−;R’−O−R’−NH−;NR’R’−アルキル−;又はR’−アルキル−であり;
-----は二重結合の存在又は不存在を表し;
アリール、ヘテロアリール、又は炭素環は任意に置換型又は無置換型であってよく、そしてアリール、ヘテロアリール、及び/又は炭素環の任意の組み合わせで、単環、二環又は三環構造であってよい。}
の構造を有する化合物、並びに、あらゆる比の混合物を含む、医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体及び立体異性体を提供する。
【0033】
好ましい実施態様において、式Iに基づく化合物は、1種又は2種以上の医薬的に許容される希釈剤、賦形剤、担体などとともに医薬製剤中に組み込まれる。「希釈剤」、「賦形剤」及び「担体」という用語の重複は当業者には明らかである。
【0034】
本発明の化合物は、タンパク質キナーゼの阻害又は変調を必要とする患者の治療に有用であり、ひいては炎症性及び/又は増殖性障害の治療にも有用である。
【0035】
本発明の第2の好ましい実施態様において、Rはエタノンであり、そしてYはベンズアミドフェニルアミノ部分である。
【0036】
第3の好ましい実施態様において、Rはエタノンであり、そしてYはフェニルアミノである。
【0037】
第3の好ましい実施態様の第1の下位実施態様の場合、Rは3−クロロフェニルメタノンであり、そしてYはフェニルアミノである。
【0038】
第3の好ましい実施態様の第2の下位実施態様の場合、Rは3−クロロ−フェニル−アミノ−メタノンであり、そしてYはフェニルアミノである。
【0039】
本発明の第4の好ましい実施態様において、Rは3−クロロ−ベンゼンスルホニルであり、そしてYはフェニルアミノである。
【0040】
本発明の第5の好ましい実施態様において、Rは3−クロロ−ベンゾイルであり、そしてYはアミノフェニルベンズアミドである。
【0041】
本発明の第6の好ましい実施態様において、Rはエタノンであり、そしてYはベンゼンスルホンアミドである。
【0042】
本発明の第7の好ましい実施態様において、Rはメタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノである。
【0043】
本発明の第7の好ましい実施態様の第1の好ましい下位実施態様の場合、Rはシクロプロピル−メタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノである。
【0044】
本発明の第7の好ましい実施態様の第2の好ましい下位実施態様の場合、Rはシクロブチルメタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノである。
【0045】
本発明の第7の好ましい実施態様の第3の好ましい下位実施態様の場合、Rはシクロペンチルメタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノである。
【0046】
本発明の第7の好ましい実施態様の第4の好ましい下位実施態様の場合、Rはシクロヘキシルメタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノである。
【0047】
本発明の第7の好ましい実施態様の第5の好ましい下位実施態様の場合、Rは2−メチル−プロパン−1−オンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノである。
【0048】
別の好ましい実施態様の場合、本発明は、少なくとも1種の式I化合物と、少なくとも1種のさらなる薬剤活性物質とを含む薬剤に関する。
【0049】
好ましくは、このような薬剤は、Srcチロシンキナーゼである酵素の阻害によって影響を与えられる疾患を治療するためのものである。本発明による極めて好ましい薬剤は、Srcキナーゼの変調又は阻害によって影響を与えられる疾患を治療するためのものである。
【0050】
別の好ましい実施態様において、本発明は、(a)有効量の本発明による式I化合物と、(b)有効量のさらなる薬剤活性成分とから成る別々のパックを含むキット又はセットに関する。
【0051】
本発明の化合物は、タンパク質キナーゼの阻害又は変調を必要とする患者の治療に有用であり、ひいては炎症性及び/又は増殖性障害、例えば癌の治療にも有用である。従って、キナーゼタンパク質の変調又は阻害を必要とする患者を治療する方法であって、式Iに基づく有効量のキナーゼ阻害薬を患者に投与することを含む方法も本発明に含まれる。式I化合物はさらに、既存の癌化学療法における相加又は相乗効果をもたらし、且つ/又は、既存の癌化学療法及び放射線療法の効力を回復させるために使用することができる。
【0052】
好ましい実施態様において、式Iに基づく化合物は、医薬的に許容される希釈剤、賦形剤、又は担体のうちの1種又は2種以上とともに医薬製剤中に組み込まれ、そしてさらに任意には、キットとしてパッケージングされてよい。
【0053】
さらなる態様において、本発明は、とりわけ腫瘍形成、血管形成、動脈硬化、眼疾患、炎症性疾患、関節炎、及び再狭窄から選択された一員である疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。この方法は、これを必要とする患者に、治療的に有効量の式I化合物又は医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、エナンチオマー、互変異性体、水和物、溶媒和物、又はラセミ混合物を投与することを含む。
【0054】
また本発明の範囲には、化合物1−78及び医薬的に許容される塩、これらそれぞれのプロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、エナンチオマー又はラセミ混合物も入る。
【0055】
本発明の付加的な実施態様は、薬剤として使用するための式I化合物;キナーゼタンパク質の阻害を必要とする患者を治療する薬剤を調製するための式I化合物の使用;及び単一部位癌又は転移性癌の細胞増殖を抑制又は低減する、又は癌転移を阻害又は抑制する薬剤を調製するための、式I化合物の使用、を含む。
【0056】
本発明はまた、キナーゼ関連の機能不全、特に哺乳動物における血管形成、癌、腫瘍の形成、成長及び増殖、動脈硬化、眼疾患、例えば加齢による黄斑変性症、脈絡膜血管新生、及び糖尿病性網膜症、炎症性疾患、血液病、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、神経変性疾患、乾癬、再狭窄、創傷治癒、移植片拒絶反応、代謝疾患、自己免疫疾患、肝硬変、糖尿病及び血管・免疫疾患のような疾患を治療する必要のある患者の治療のためのさらなる薬剤活性成分と一緒に、式I化合物を併用することに関する。
【0057】
II.定義
本明細書に使用される本発明の化合物の記述はいずれの事例においても、医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、エナンチオマー、立体異性体、類似体又は誘導体を含み、これらには、あらゆる比を成すこれらの混合物が含まれる。
【0058】
置換基が左から右へ書かれたコンベンショナルな化学式によって指定される場合、これらは任意には、右から左へ構造を書くことから生じる置換基を含み、
、例えば−CH2O−は任意には−OCH2−をも示す。
【0059】
「アルキル」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に断りのない限り、C原子数1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の非分枝状(線状)又は分枝状鎖、又は環状炭化水素基、又はこれらの組み合わせを意味する。この用語は好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチル、ペンチル、又はヘキシルを意味し、そしてシクロアルキル及びビシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びノルボルネンなどを意味する。定義されたアルキル鎖内の1〜7つの水素原子は、F、Cl及び/又はBrによって置換されていてよく、且つ/又は、1つ又は2つのCH2基は、O、S、SO、SO2及び/又はCH=CH基によって置換されていてよい。
【0060】
本明細書中に使用される「ハロアルキル」及び「アルキルハロ」という用語はそれぞれ、アルキル基に結合されたハロゲン原子、例えば塩素、臭素、ヨウ素、又はフッ素、及び、逆にハロゲン原子に結合されたアルキル基を意味する。
【0061】
「アルキレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、−CH2CH2CH2−によって例示されるような、アルカンから誘導される二価基を意味する。「アルキレン」は好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン又はtert−ブチレン、ペンチレン、1−、2−又は3−メチルブチレン、1,1−、1,2−又は2,2−ジメチルプロピレン、1−エチルプロピレン、ヘキシレン、1−、2−、3−又は4−メチルペンチレン、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−又は3,3−ジメチルブチレン、1−又は2−エチルブチレン、1−エチル−1−メチルプロピレン、1−エチル−2−メチルプロピレン、1,1,2−又は1,2,2−トリメチルプロピレン、又はジフルオロメチレンを意味する。特に好ましくは、C原子数1,2,3,4,5又は6のアルキレン、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン又はtert−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ジフルオロメチレン、テトラフルオロエチレン又は1,1−ジフルオロエチレンである。
【0062】
「環状アルキレン」(「シクロアルキレン」)は好ましくは、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン又はシクロへプチレンを意味する。
【0063】
「アリール」という用語は、特に断りのない限り、ポリ不飽和の芳香族単環又は多環、好ましくは1〜3つの環を意味し、多環は互いに縮合されるか又は共有結合される。「アリール」という用語は例えば、フェニル、o−、m−又はp−トリル、o−、m−又はp−エチルフェニル、o−、m−又はp−プロピルフェニル、o−、m−又はp−イソプロピルフェニル、o−、m−又はp−tert−ブチルフェニル、o−、m−又はp−ヒドロキシフェニル、o−、m−又はp−ニトロフェニル、o−、m−又はp−アミノフェニル、o−、m−又はp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−又はp−(N−メチルアミノカルボニル)−フェニル、o−、m−又はp−アセトアミドフェニル−、o−、m−又はp−メトキシフェニル、o−、m−又はp−エトキシフェニル、o−、m−又はp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−又はp−(N,N−ジメチル−アミノ)フェニル、o−、m−又はp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−又はp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−又はp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、ジフルオロフェニルを含むo−、m−又はp−フルオロフェニル、ジブロモフェニルを含むo−、m−又はp−ブロモフェニル、ジクロロフェニルを含むo−、m−又はp−クロロフェニル、o−、m−又はp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−又はp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−又はp−メチルスルファニルフェニル、o−、m−又はp−シアノフェニル、o−、m−又はp−カルボキシフェニル、o−、m−又はp−メトキシカルボニルフェニル、o−、m−又はp−ホルミルフェニル、o−、m−又はp−アセチルフェニル、o−、m−又はp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−又はp−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェニル、o−、m−又はp−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェニル、o−、m−又はp−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル、o−、m−又はp−(ピペリジニルカルボニル)フェニル、o−、m−又はp−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]フェニル、o−、m−又はp−[3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ]フェニル、o−、m−又はp−[3−(3−ジエチルアミノ−プロピル)ウレイド]フェニル、o−、m−又はp−(3−ジエチルアミノプロポキシカルボニルアミノ)フェニル、さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、又は3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、又は3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、又は3,5−ジブロモフェニル、2,4−、又は2,5−ジニトロフェニル、2,5−、又は3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−、又は2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−、又は3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−、又は3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、2−クロロ−4−フルオロ、5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、又は2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを意味する。好ましい実施態様の場合、「アリール」は好ましくは、無置換型であるか、又は1つ又は2つ以上のハロゲン、OR、CN、CONH2、CONH−アルキル又は複素環によって独立して一置換、二置換、又は三置換されたフェニルを意味し、RはH、アルキル、又は1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含むアルキル鎖であり、或いは置換基は、これらが結合されたフェニルの炭素原子と接合することにより、第2の環を形成し、これにより二環式構造を提供する。
【0064】
「ヘテロアリール」という用語は、N、O、S、Si、P及びBから選択された1〜4つのヘテロ原子を含有するアリール環を意味し、窒素原子及び硫黄原子は任意に酸化されており、そして窒素原子は任意に四級化されている。ヘテロアリール基は、炭素又はヘテロ原子を介して分子の残りに結合することができる。アリール及びヘテロアリール基の一例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、7−アザインドール、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、6−キノリル、1−ピペリジニル、3−ベンゾフラニル、及び4−ベンゾジオキシニルが挙げられる。上記アリール及びヘテロアリール環系のそれぞれに対する置換基は、下記の許容される置換基の群から選択される。
【0065】
簡略にするため、「アリール」という用語は、他の用語、例えばアリールオキシ、アリールチオキシ、又はアリールアルキルとの組み合わせで使用するときには、任意には、上記のアリール環及びヘテロアリール環の両方を含む。従って、「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は任意には、アリール基がアルキル基(例えばベンジル、フェネチル、及びピリジルメチルなど)に結合されている基を含む。このアルキル基は、炭素原子(例えばメチレン基)が例えば酸素原子(例えばフェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、及び3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)によって置換されているアルキル基を含む。これと同じ定義が逆に「アルカリル」という用語にも当てはまり、アルカリルは、アルキル基がアリール基に結合されている基を含む。用語「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」のそれぞれは、任意には、指示された基の無置換、一置換、二置換又は三置換形態を含む。
【0066】
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)という用語は、従来通りの意味において使用され、そしてそれぞれ酸素原子、アミノ基、又は硫黄原子を介して、分子の残りに結合されたアルキル基を意味する。
【0067】
アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルとしばしば呼ばれる基を含む、アルキル基及びヘテロアルキル基に対する置換基は、総称的に「アルキル基置換基」と呼び、これらは、例えば置換型又は無置換型アリール、置換型又は無置換型ヘテロアリール、置換型又は無置換型ヘテロシクロアルキル、及び−R1{−R1は−OH、O−アルキル、−CN、ハロ、−C(O)OH、−C(O)O(アルキル)、−C(O)NH2、−C(O)NH(アルキル)、−C(O)N(アルキル)2、−CH2OH、−CH2O(アルキル)、−CH2NH2、−CH2NH(アルキル)、CH2N(アルキル)2、−SO2OH、−SO2O(アルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(アルキル)、及び−SO2N(アルキル)2である}から選択された種々の基のうちの1つ又は2つ以上であり得る。置換基に関する上記考察から当業者には明らかなように、「アルキル」という用語は、水素基以外の基に結合された炭素原子を含む基、例えばハロアルキル(例えば−CF3及び−CH2CF3)及びアシル(例えば−C(O)CH3、−C(O)CF3、及び−C(O)CH2OCH3など)を含むものとする。
【0068】
アルキル基に関して記載された置換基と同様に、アリール基及びヘテロアリール基に対する置換基は総称的に「アリール基置換基」と呼ぶ。置換基は例えば、置換型又は無置換型アルキル、置換型又は無置換型アリール、置換型又は無置換型ヘテロアリール、置換型又は無置換型ヘテロシクロアルキル、−OH、−O−アルキル、−CN、−ハロ、−C(O)OH、−C(O)O(アルキル)、−C(O)NH2、−C(O)NH(アルキル)、−C(O)N(アルキル)2、−CH2OH、−CH2O(アルキル)、−CH2NH2、−CH2NH(アルキル)、−CH2N(アルキル)2、−SO2OH、−SO2O(アルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(アルキル)、N(アルキル)SO2(アルキル)、及び−SO2N(アルキル)2から選択される。
【0069】
本明細書中に使用される「アシル」という用語は、カルボニル残基を含有する置換基C(O)Rを意味する。Rに対応する模範的な種は、H、ハロゲン、置換型又は無置換型アルキル、置換型又は無置換型アリール、置換型又は無置換型ヘテロアリール、及び置換型又は無置換型ヘテロシクロアルキルを含む。
【0070】
本明細書中に使用される用語「縮合環系」は、少なくとも2つの環を意味する。それぞれの環は別の環と、少なくとも2つの原子を共有する。「縮合環系」は芳香環並びに非芳香環を含んでよい。「縮合環系」の例は、ナフタレン、インドール、キノリン、クロメン、及びノルボルナンなどである。
【0071】
本明細書中に使用される「治療」という用語は、特定の疾患の予防、又は既存の状態の治療の両方を意味する。
【0072】
本明細書中に使用される「治療的に有効量」という用語は、本発明の化合物、材料、又は本発明の化合物を含む組成物の量であって、哺乳動物におけるタンパク質キナーゼ受容体を同時にブロック又は阻害し、これにより、任意の医学的治療に適用できる妥当な損益比で、治療される細胞内のその経路の生物学的因果関係を遮断することによって、何らかの所期治療効果をもたらすのに効果的な量を意味する。
【0073】
「医薬的に許容される塩」という用語は、本明細書中に記載された化合物上に見いだされる具体的な置換基に応じて、相対的に非毒性の酸又は塩基で調製された活性化合物の塩を含む。本発明の化合物が相対的に酸性の官能基を含有する場合、このような化合物の中性形態を十分な量の所期塩基と、ニートの状態で又は好適な不活性溶媒中で接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。医薬的に許容される塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、又はマグネシウム塩、又は同様の塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能基を含有する場合、このような化合物の中性形態を、十分な量の所期酸と、ニートの状態で又は好適な不活性溶媒中で接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。医薬的に許容される酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸などから誘導された塩、並びに、相対的に非毒性の酸、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリスルホン酸、クエン酸、酒石酸、及びメタンスルホン酸などから誘導された塩を含む。また、アミノ酸、例えばアルギン酸などの塩、及び有機酸、例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸などの塩も含まれる(例えばBerge他、J. Pharma. Science, 1977, 66, 1-19参照)。本発明の或る特定の化合物は、化合物が塩基付加塩又は酸付加塩に変換されるのを可能にする塩基性及び酸性双方の官能基を含有する。
【0074】
化合物の中性形態は好ましくは、コンベンショナルな様式で、塩を塩基又は酸と接触させ、そして親化合物を単離することにより再生される。化合物の親形態は、所定の物理特性が種々の塩形態とは異なっているが、しかしその他の点では、塩は、本発明の目的上、化合物の親形態と等価である。
【0075】
本発明による化合物は、最終的な非塩形態で使用することができる。他方において、本発明はまた、これらの化合物をその医薬的に許容される塩の形態で使用することに関する。これらの塩は、種々の有機及び無機の酸及び塩基から、当業者に知られた手順によって誘導することができる。式I化合物の医薬的に許容される塩の形態は、大部分がコンベンショナルな方法によって調製される。式I化合物がカルボキシル基を含有する場合、その好適な塩のうちの1種は、対応する塩基付加塩を提供するように、化合物と好適な塩基とを反応させることによって形成することができる。このような塩基は例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウム及び水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムエトキシド、及びナトリウムプロポキシド;及び種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミン及びN−メチルグルタミンである。式I化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。或る特定の式I化合物の場合、これらの化合物を医薬的に許容される有機及び無機酸、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素、又はヨウ化水素、他の鉱物酸及びこれらの対応塩、例えば硫酸塩、硝酸塩、又はリン酸塩など、及びアルキル及びモノアリールスルホン酸塩、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、及びベンゼンスルホン酸塩、及びその他の有機酸、及びこれらの対応塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、及びアスコルビン酸塩などで処理することにより、酸付加塩を形成することができる。従って、式I化合物の医薬的に許容される酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタン−プロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二水素リン酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル−硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクテレート(粘液酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタン−スルホネート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、一水素リン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエート、ペクチン酸、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩を含むが、しかしこれは限定を表すものではない。
【0076】
さらに、本発明による化合物の塩基塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛塩を含むが、これは限定を表すものではない。上記塩のうち、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウム及びカリウム、及びアルカリ土類金属塩、カルシウム及びマグネシウムが好ましい。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される式I化合物の塩は、第一、第二、及び第三アミン、天然発生置換型アミンをも含む置換型アミン、環状アミン、及び塩基イオン交換体樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジル−エチレン−ジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン及びトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩を含むが、しかしこれは限定を表すものではない。
【0077】
塩基性窒素含有基を含有する本発明の化合物は、(C1−C4)−アルキルハロゲン化物、例えばメチル、エチル、イソプロピル、及びtert−ブチルクロリド、ブロミド及びヨージド;ジ(C1−C4)アルキルスルフェート、例えばジメチル、ジエチル、及びジアミルスルフェート;(C10−C18)アルキルハリド、例えばデシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチル、及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨージド;及びアリール−(C1−C4)アルキルハリド、例えばベンジルクロリド及びフェネチルブロミドのような物質を使用して四級化することができる。本発明による水溶性及び油溶性双方の化合物を、このような塩を使用して調製することができる。
【0078】
好ましい上述の医薬塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシレート、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸、トシル酸塩、及びトロメタミンを含むが、これは限定を表すものではない。
【0079】
特に好ましいのは、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩及びコハク酸塩である。
【0080】
塩基性式I化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を十分な量の所期酸と接触させることにより調製され、コンベンショナルな様式で塩が形成される。遊離塩基は、塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基をコンベンショナルな様式で単離することにより再生させることができる。遊離塩基形態は、或る物理特性、例えば極性溶媒中の溶解度が、その対応する塩形態とは或る点で異なってはいるものの、本発明の目的上、塩はその他の点ではそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
【0081】
上述のように、式I化合物の医薬的に許容される塩基付加塩は、金属又はアミン、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属又は有機アミンで形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムである。好ましい有機アミンはN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミン及びプロカインである。
【0082】
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形態を十分な量の所期塩基と接触させることにより調製され、コンベンショナルな様式で塩が形成される。遊離酸は、塩形態を酸と接触させ、遊離酸をコンベンショナルな様式で単離することにより再生させることができる。遊離酸形態は、或る物理特性、例えば極性溶媒中の溶解度が、その対応する塩形態とは或る点で異なってはいるものの、本発明の目的上、塩はその他の点ではそれぞれの遊離酸形態に相当する。
【0083】
本発明による化合物が、このタイプの医薬的に許容される塩を形成することができる2種以上の基を含有する場合、本発明はまた複数の塩を含有する。典型的な複数塩形態は、例えば二酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウム及び三塩酸塩を含むが、これは限定を表すものではない。
【0084】
本明細書中に含まれる「医薬的に許容される塩」は、式I化合物をその塩のうちの1つの形態で含む活性成分であって、具体的には、この塩形態が活性成分の遊離形態、又は活性成分の以前に使用されたその他の塩形態と比較して改善された薬物動態特性を活性成分に与える場合の活性成分を意味する。活性成分の医薬的に許容される塩形態は、以前は有することがなかった所期薬物動態特性を持って、この活性成分を初めて提供することもでき、また、体内の治療効力に関してこの活性成分の薬力学特性にポジティブな影響を与えることさえできる。
【0085】
本発明はさらに、少なくとも1種の式I化合物及び/又は医薬的に使用可能なその誘導体、溶媒和物、及び立体異性体(あらゆる比のその混合物)と、任意には賦形剤及び/又はアジュバントとを含む薬剤に関する。
【0086】
本明細書中に使用される「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で1種又は2種以上の化学変化を容易に受けることにより、本発明の化合物の活性形態を提供する化合物形態を意味する。例えば、典型的なプロドラッグは、本発明の化合物のカルボン酸エステル形態を含む。模範的な実施態様では、プロドラッグは、薬物分子が血液脳関門又は他の膜障壁を横切ることを必要とする疾患及び状態の治療及び/又は予防に適している。加えて、プロドラッグは、ex vivo環境内で化学的又は生化学的な方法によって、本発明の化合物に変換することもできる。例えば、プロドラッグは、好適な酵素又は化学試薬を有する経皮パッチ・リザーバ内に置かれると、本発明の化合物にゆっくりと変換することができる。
【0087】
本発明の或る特定の化合物は、「非溶媒和」形、並びに「水和」形を含む「溶媒和」形を成して存在している。一般に、溶媒和形は非溶媒和形と等価であり、両方とも本発明の範囲に含まれる。本発明の或る化合物は、多結晶形又は非晶質形を成して存在していてよい。一般に、全ての物理的形態を、ここで考えられた方法において使用することができ、これらの形態は本発明の範囲内に含まれるものとする。「化合物、又は化合物の医薬的に許容される塩、水和物、多形体、又は溶媒和物」という表現は、これらの状態のうちの1つ又は2つ以上で存在する材料を含むものとする。
【0088】
本明細書中で使用される「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、及びリン(P)を含む。
【0089】
「ヘテロアルキル」という用語はそれ自体で、又は別の用語との組み合わせで、特に断りがない限り、定められた数の炭素原子と、O、N、Si、B、P及びSから成る群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子とから成る、安定した直鎖又は分枝鎖、又は環状炭化水素基、又はこれらの組み合わせを意味し、そしてこの場合、窒素及び硫黄原子は任意には酸化することができ、窒素ヘテロ原子は任意には四級化することができる。ヘテロ原子O、N、S、B、P及びSiは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置、又はアルキル基が分子の残りに付着される位置に位置することができる。一例としては、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、Si(CH33、−CH2−CH=N−OCH3、及び−CH=CH−N(CH3)−CH3が挙げられる。最大2つのヘテロ原子が、例えばCH2−NH−OCH3及び−CH2−O−Si(CH33のように連続することができる。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語も、それ自体で、又は別の置換基の部分として、一例を挙げるならば−CH2−CH2−S−CH2−CH2及びCH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−によって示されるような、ヘテロアルキルから誘導される二価基を意味する。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子が、鎖末端のいずれか又は両方を占めることもできる(例えばアルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、及びアルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン連結基及びヘテロアルキレン連結基の場合、連結基の式が書かれている方向によって、アルキレン及びヘテロアルキレンに対する連結基の配向は暗示されない。例えば、式−CO2R’−は、−C(O)OR’及び−OC(O)R’の両方を表す。
【0090】
「シクロアルキル」又は「炭素環」及び「ヘテロシクロアルキル」という用語はこれら自体で、又は別の用語との組み合わせで、特に断りがない限り、それぞれ「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環状変更形を意味する。さらに、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は環内の任意の位置を占める。「シクロアルキル」、「炭素環」及び「ヘテロシクロアルキル」置換基は分子の残りに、直接に又はリンカーを介して付着することができる。リンカーは例えばアルキルである。シクロアルキルの一例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル、ノルボルナニル、及びノルボルネンなどが挙げられる。本明細書中に使用される「炭素環」という用語は、任意の完全飽和環構造を意味し、その一例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルなどが挙げられ、これらの単環、二環、三環形も含まれる。ヘテロシクロアルキルの一例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、及び2−ピペラジニルなどが挙げられる。
【0091】
特に断りがない限り、「ハロ」及び「ハロゲン」という用語はこれら自体で、又は別の置換基の部分として、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」のような用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むものとする。例えばハロ(C1−C4)アルキルという用語は、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、及び3−ブロモプロピルなどを含むものとする。
【0092】
本明細書中に使用される「三環式アザインドール」という用語は、下記構造配列:
【0093】
【化3】

【0094】
(上記式中A環及びC環は任意に置換されてよい)
によって示された骨格を意味する。
【0095】
本明細書中に含まれる、合成に利用される試薬は、特に断りのない限り、下記意味を有している:「S−Phos」は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルであり;「Pd(OAc)2」は酢酸パラジウム(II)であり;「K2CO3」は炭酸カリウムであり;「KOH」は水酸化カリウムであり;「X−Phos」は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルであり;「NaOtBu」はナトリウムtert−ブトキシドであり;「DIEA」はN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、そして「t−BuOH」はtert−ブチルヒドロキシドである。
【0096】
本発明の或る特定の化合物は、非対称の炭素原子(光心)又は二重結合を有しており、ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個々の異性体が本発明の範囲内に含まれる。光学活性の(R)−及び(S)−異性体は、キラル・シントン又はキラル試薬を使用して調製し、或いはコンベンショナルな技術を用いて分解することができる。本明細書中に記載された化合物がオレフィン二重結合、又は幾何学的非対称の他の中心を含有するときには、そして特に断りのない場合には、化合物はE及びZ幾何異性体を含むものとする。同様に、全ての互変異性形も含まれる。
【0097】
本明細書中に使用される「宿主」又は「これを必要とする患者」という用語は、任意の哺乳類種、例えば霊長類種、具体的にはヒト;齧歯類;ウサギ;馬、牛、羊、犬、猫などであってよい。動物モデルは、獣医学の治療及び実験的研究にとって重要であり、ヒトの疾患の治療のためのモデルを提供する。
【0098】
化合物の「治療的に有効量」とは、投与すると、これを必要とする宿主又は患者において所望の有益な結果をもたらす化合物量を意味する。この量は例えば宿主の年齢及び体重、治療を必要とする正確な疾患状態、及びその重症度、製剤の性質、及び投与方法を含む数多くのファクターに依存し、そして最終的には、医師又は獣医によって決定される。腫瘍性成長の治療のための本発明による化合物の有効量は、例えば、1日当たり、宿主受容者の体重1kg当たり0.1〜100mg/kg/日である。より具体的には、1日当たり体重1kg当たり1〜10mg/kg/日である。こうして、70kgの成体哺乳動物に対する1日当たりの実際量は、通常70〜700mgであり、この量は1日当たり単回の投与として投与することができ、或いは一連の部分投与、例えば1日当たり2、3、4、5又は6回の投与を行って、1日の総投与量が同じになるようにすることもできる。塩又は溶媒和物又はその生理的機能性誘導体の有効量は、本発明による化合物自体の有効量の一部として決定することができる。同様の投与が、上述の他の状態の治療にも適していると想定することができる。
【0099】
いかなる薬物投与量も、特定の化合物活性物質、特定の疾患、患者の状態などに依存する。治療投与量は典型的には、患者の生存能力が維持された状態で、標的組織内の不所望の細胞個体数を低減するようなレベルで十分であると考えられる。治療は一般に、細胞個体数の低減が発生するまで、例えば細胞負荷量が最小約50%低減するまで続けられ、そして体内で不所望な細胞がもはや事実上検出されなくなるまで、続けられてもよい。
【0100】
III. 医薬組成物、投与量、及び投与経路
本発明の化合物は生の化学物質として投与することができるが、これらの化合物を医薬組成物として提供することが好ましい。従って、本発明の1態様は、式I化合物又は医薬的に許容されるその塩、水和物又は溶媒和物を、医薬的に許容される1種又は2種以上の担体及び任意には1種又は2種以上の他の治療成分と一緒に含む、医薬組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と適合性があり、またその受容体に有害ではないという意味で「許容される」。「医薬的に許容される担体」という用語は、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、及び、医薬製剤中に組み込むのに適したその他の要素を含む。
【0101】
式I化合物を含有する医薬組成物は、単位投与形態で好都合に提供し、製薬分野でよく知られた方法のうちのいずれかによって調製することができる。好ましい単位投与製剤は、有効投与量、又はその適宜の一部の量の活性成分、又は医薬的に許容されるその塩を含有する製剤である。予防又は治療のための投与量の規模は典型的には、治療されるべき状態の性質及び重症度、及び投与経路とともに変化する。投与量、そしておそらく投与頻度は、個々の患者の年齢、体重、及び反応に応じても変化することになる。一般に、一日総投与量は、単回投与又は数回に分割された投与の形で、1日当たり約0.1mg〜1日当たり約7000mg、好ましくは1日当たり約1mg〜1日当たり約100mg、より好ましくは1日当たり約25mg〜1日当たり約50mgである。好ましい投与単位製剤は、上記のような一日投与量又は部分投与量、又は相応の一部の量の活性成分を含む製剤である。さらに、このタイプの医薬製剤は、製薬分野で概ね知られた方法を用いて調製することができる。いくつかの実施態様では、一日総投与量は、1日当たり約50mg〜1日当たり約500mg、好ましくは1日当たり約100mg〜1日当たり約500mgであってよい。通常、小児及び65歳を超える患者、及び腎臓又は肝臓の機能に障害がある患者は最初は少量を受容し、そして個体の反応及び/又は血中レベルに基づいて投与量を滴定することが推奨される。当業者には明らかなように、いくつかの事例では、これらの範囲外の投与量を用いることが必要な場合がある。さらに、臨床医又は治療担当医師は、個々の患者の反応と相俟って、どのように、そしていつ治療を中断、調節、又は終了するかを知っていることが重要である。
【0102】
医薬製剤は、任意の所期の好適な方法、例えば経口(口腔又は舌下を含む)、直腸、鼻腔、局所(口腔、舌下又は経皮を含む)、膣又は非経口(皮下、筋内、静脈内又は皮内を含む)法による投与に適合させることができる。このような製剤は、例えば活性成分と賦形剤又はアジュバントと組み合わせることによって、医薬分野で知られている全ての方法を用いて調製することができる。
【0103】
経口投与のために適合された医薬製剤は、別個の単位、例えばカプセル又は錠剤、粉末又は顆粒;水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液;食用泡状物質又は泡状食品;又は水中油液体エマルジョン又は油中水液体エマルジョンとして投与することができる。活性成分はボーラス、舐剤又はペーストとして存在していてもよい。
【0104】
こうして、例えば、錠剤又はカプセルの形態の経口投与の場合、活性成分は、経口用、非毒性の、医薬的に許容される不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、及び水などと組み合わせることができる。化合物を好適な微細なサイズに粉末化し、そしてこれを、同様に粉末化された医薬賦形剤、例えば食用炭水化物、例えば澱粉又はマンニトールと混合することにより、粉末が調製される。香味料、保存剤、分散剤及び色素が同様に存在していてもよい。
【0105】
上記のように粉末混合物を調製し、そして成形ゼラチン・シェルにこれを満たすことにより、カプセルが製造される。充填作業前に粉末混合物には、流動促進剤及び潤滑剤、例えば固形の高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又はポリエチレングリコールを添加することができる。カプセルを摂取した後、薬剤の効用を改善するために、崩壊剤又は可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウム又は炭酸ナトリウムを同様に添加することもできる。
【0106】
加えて、所望の場合又は必要な場合、好適なバインダー、潤滑剤及び崩壊剤、並びに色素を混合物中に取り入れることもできる。好適なバインダーは、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコース又はベータ−ラクトース、トウモロコシから作られた甘味剤、天然及び合成ゴム、例えばアカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、及びワックスなどを含む。これらの投与形態において使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤の一例としては、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、及びキサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を用意し、混合物を顆粒化又は乾式プレスし、潤滑剤及び崩壊剤を添加し、そして混合物全体をプレスして錠剤をもたらすことにより製剤される。粉末混合物は、上記のように、好適な様式で粉末化された化合物を希釈剤又はベースと混合し、そして任意には、バインダー、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン又はポリビニル−ピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラジン、吸収促進剤、例えば第四級塩、及び/又は吸収剤、例えばベントナイト、カオリン又はリン酸二カルシウムと混合することにより調製される。粉末混合物は、これをバインダー、例えばシロップ、澱粉ペースト、アカシアゴム、又はセルロース又はポリマー材料の溶液で湿潤し、これを、篩を通してプレスすることにより顆粒化することができる。顆粒化の代わりとして、粉末混合物を、打錠機を通して流動させ、不均一な形状の塊をもたらし、これらを粉砕して顆粒を形成することもできる。顆粒は、錠剤鋳型にくっつくのを防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク又は鉱物油を添加することにより潤滑することができる。潤滑された混合物を次いでプレスすることにより、錠剤を提供する。活性成分を自由流動性の不活性賦形剤と合体させ、次いでプレスすることにより、顆粒化工程又は乾式プレス工程を実施することなしに直接に錠剤を提供することもできる。シェラック・シーリング層から成る透明又は不透明保護層、糖又はポリマー材料から成る層、及びワックスから成る光沢層が存在していてよい。異なる投与単位同士を区別できるようにするために、これらのコーティングに色素を添加することができる。
【0107】
経口用液体、例えば溶液、シロップ及びエリキシル剤を投与単位形態で調製することができるので、所与の量が、予め指定された量の化合物を含む。シロップは、水溶液中に化合物を好適な香味剤とともに溶解することができるのに対して、エリキシル剤は、非毒性アルコール性ビヒクルを使用して調製される。懸濁液は非毒性ビヒクル中に式I化合物を分散させることにより製剤することができる。可溶化剤及び乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存剤、香味添加剤、例えばペパーミント油又は天然甘味料又はサッカリン、又はその他の人工的な甘味剤などを同様に添加することもできる。
【0108】
経口投与用の投与単位製剤は、所望の場合にはマイクロカプセル内に封入することができる。この製剤は、例えば粒子状材料をポリマー、ワックスなどの中にコーティングするか又は埋め込むことにより、放出が延長又は遅延されるように調製することもできる。
【0109】
式I化合物及びこれらの塩、溶媒和物、及び生理学的機能性誘導体は、リポソーム送達システム、例えば小単層ベシクル、大単層ベシクル、及び多層ベシクルの形態で投与することもできる。リポソームは、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成することができる。
【0110】
式I化合物及びこれらの塩、溶媒和物、及び生理学的機能性誘導体は、化合物分子がカップリングされている個々のキャリヤとしてモノクローナル抗体を使用して送達することもできる。化合物は、ターゲット薬剤キャリヤとしての可溶性ポリマーにカップリングすることもできる。このようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール又はパルミトイル基によって置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを含む。化合物はさらに、薬剤の制御放出を達成するのに適した生分解性ポリマーの類、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋型又は両親媒性のブロックコポリマーにカップリングされてもよい。
【0111】
経皮投与のために適合された医薬製剤は、受容者の表皮と広範囲に密接するために独立したプラスターとして投与することができる。従って、例えば活性成分は、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般論として記載されているように、イオントフォレーゼによってプラスターから送達することができる。
【0112】
局所投与のために適合された医薬化合物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレイ、エアロゾル又はオイルとして製剤することができる。
【0113】
眼又はその他の外部組織、例えば口腔及び皮膚を治療するために、製剤は好ましくは局所用軟膏又はクリームとして適用される。軟膏を投与するための製剤の場合、活性成分は、パラフィンベース又は水混和性クリームベースとともに採用することができる。或いは、活性成分は、水中油クリームベース又は油中水ベースを有するクリームを提供するように製剤することもできる。眼への局所適用のために適合された医薬製剤は、活性成分が好適なキャリヤ、具体的には水性溶媒中に溶解又は懸濁されている点眼剤を含む。
【0114】
口腔内の局所適用のために適合された医薬製剤は、キャンディ、トローチ、及びマウスウォッシュを含む。
【0115】
直腸投与のために適合された医薬製剤は、坐剤又は浣腸剤の形態で投与することができる。
【0116】
キャリヤ物質が固形である、鼻腔投与のために適合された医薬製剤は、粒度が例えば20〜500ミクロンの粗粉末を含み、これは鼻の近くに保持された、粉末を含有する容器から鼻道を介して素早く吸入することにより投与される。担体物質として液体を含む鼻腔スプレイ又は点鼻剤を投与するのに適した製剤は、水中又は油中の活性成分の溶液を含む。
【0117】
吸入による投与のために適合された医薬製剤は、微粒子状のダスト又はミストを含んでいる。これらのダスト又はミストは、種々のタイプのエアロゾルを含む加圧ディスペンサー、ネブライザー又は吸入器によって発生させることができる。
【0118】
膣投与のために適合された医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレイ製剤として投与することができる。
【0119】
非経口投与のために適合された医薬製剤は、製剤が治療されるべき受容者の血液と等張性にされる、抗酸化剤と緩衝剤と静菌剤と溶質とを含む水性及び非水性の滅菌注射液;及び、懸濁媒質と増粘剤とを含んでよい水性及び非水性の滅菌注射液を含んでいる。製剤は、単回投与又は複数回投与用容器、例えば密閉アンプル及びバイアルで投与し、そしてフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができるので、使用直前に滅菌キャリヤ液、例えば注射用水を加えるだけでよい。処方箋に従って調製される注射液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。前述の種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から、即席の注射溶液及び懸濁を調製することができる。直腸投与のための製剤は、通常の担体、例えばカカオバター又はポリエチレングリコールを有する坐剤として提供することができる。口腔内の局所投与、例えば口腔又は舌下投与のための製剤は、香味ベース、例えばスクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性成分を含むキャンディと、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアのようなベース中に活性成分を含むトローチを含む。
【0120】
製剤は、特定タイプの製剤に関して技術分野において通常に用いられる他の物質を含んでいてもよい。このように、例えば、経口投与に適した製剤は香味剤を含んでいてよい。
【0121】
化合物又は組成物の製剤は、非経口(皮下、皮内、筋内、静脈内、腹膜及び関節内)、直腸、イオン導入、鼻腔内、吸入、及び経口(皮膚、口腔、舌下及び眼内を含む)投与に適した任意の形態を含む。最も好適な経路は、受容体の状態及び障害に依存する。全ての方法は、化合物又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物(「活性成分」)を、1種又は2種以上の付属成分を形成する医薬的に許容される担体と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を液状担体又は微粉末固形担体又はその両方と均一且つ密接に会合させ、そして次いで、必要な場合、この製剤を所期生成物形状に成形することにより、調製される。経口用製剤は当業者によく知られており、これらの一般的な調製方法は、あらゆる標準的な製薬テキスト、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy., A. R. Gennaro編 (1995), Lippincottに見いだされる。
【0122】
本発明の1態様は、キット形態で販売されてよい医薬的活性物質を用いて疾患/状態を治療することを意図する。キットは、シリンジ、ボックス、及びバッグなどの内部に含有された本発明の化合物を含む。典型的には、キットは化合物の投与のための指示書を含む。キット形態は、種々異なる投与濃度及び/又は形態(例えば経口及び非経口)が販売される場合、又は、組み合わされた個々の成分の滴定が、処方した医師によって望まれる場合に特に有利である。
【0123】
このようなキットの一例はいわゆるブリスターパックである。ブリスターパックはパッケージング業界においてよく知られており、医薬単位投与形態(錠剤、カプセルなど)のパッケージングのために幅広く使用されている。これらは一般には、好ましくは透明のプラスチック材料フォイルでカバーされた比較的剛性の材料のシートから成っている。パッケージング過程中、プラスチック・フォイルに凹部が形成される。凹部は、パッケージングされるべき錠剤又はカプセルのサイズ及び形状を有している。錠剤又はカプセルを凹部内に置き、そして比較的剛性の材料のシートを、凹部が形成された方向とは反対側のフォイル面で、プラスチック・フォイルに対して密閉する。具体的な投与量情報が通常、それぞれのブリスターパック上にスタンプされる。
【0124】
本発明の別の特定の実施態様において、意図された使用の順序に従って、一日投与量を一回分ずつディスペンシングするように構成されたディスペンサーが提供される。
【0125】
IV. 治療又は予防の方法
別の態様の場合、本発明は、キナーゼ関連の機能不全、特に哺乳動物における血管形成、癌、腫瘍の形成、成長及び増殖、動脈硬化、眼疾患、例えば加齢による黄斑変性症、脈絡膜血管新生、及び糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、神経変性疾患、乾癬、再狭窄、創傷治癒、移植片拒絶反応、代謝疾患、自己免疫疾患、血液病、肝硬変、糖尿病及び血管・免疫疾患から選択された一員である疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。この方法は、これを必要とする患者に、治療的に有効量の式I化合物又は医薬的に許容されるその塩、水和物、プロドラッグ、互変異性体、エナンチオマー、又はラセミ混合物を投与することを含む。
【0126】
本発明による治療対象は、上記状態に対する治療を必要とするヒト(患者)及びその他の哺乳動物を含む。
【0127】
本発明の化合物は、細胞分裂の阻害に関して独自の薬理学的特性を有しており、そして細胞内のSrcキナーゼ酵素の活性に影響を与える。従って、これらの化合物は、Srcキナーゼ活性によって変調された状態及び障害、特に癌関連の腫瘍及び障害を治療するのに効果的である。1実施態様において、本発明の化合物は、他の現行の治療基準と比較して副作用が軽減されることと関連する。
【0128】
本発明の化合物は典型的には、既知の抗癌薬よりも選択性が高く、或る特定のタンパク質キナーゼ活性を阻害するためのより高い選択性を示す。化合物はまた、良好な生体利用性を含む有利な活性プロフィールを示す。従って、本発明の化合物は、調節されていない又はかく乱されたタンパク質キナーゼ活性と関連する障害を治療するための数多くの従来より周知の方法を凌ぐ利点をもたらす。
【0129】
本明細書中で定義した抗癌治療は、単独療法として適用されてよく、或いは、本発明の化合物に加えて、コンベンショナルな外科的手術又は放射線療法又は化学療法を伴ってよい。このような化学療法は、抗腫瘍薬の下記カテゴリーのうちの1つ又は2つ以上を含んでよい:
(i)内科的腫瘍学において使用されるような、抗増殖/抗腫瘍/DNA損傷剤及びこれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばcis−プラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナオトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン及びニトロソウレア;抗代謝剤、例えば抗葉酸剤(例えばフルオロピリミジン、例えば5−フルオロウラシル及びテガフル)、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア及びゲムシタビン;抗腫瘍抗生物質、例えばアントラサイクリン(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン及びミトラマイシン;抗有糸分裂剤、例えばビンカアルカロイド(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビン)、及びタクソイド(例えばタキソール及びタキソテール);トポイソメラーゼ阻害剤、例えばエピポドフィロトキシン(例えばエトポシド及びテニポシド)、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン及びカンプトセシン;及び細胞分化剤、例えばオールトランス・レチノイン酸、13−cis−レチノイン酸及びフェンレチニド;
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン剤、例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びヨードキシフェン;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター、例えばフルベストラント;抗アンドロゲン剤、例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及びシプロテロン酢酸塩;LHRHアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト、例えばゴセレリン、ロイプロレリン及びブセレリン;プロゲステロン、例えばメゲストロール酢酸塩;アロマターゼ阻害剤、例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール及びエキセメスタン;及び5’−レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii)癌細胞浸潤を阻害する物質、例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤(例えばマリマスタート)、ウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤;
(iv)成長因子機能の阻害剤、例えば成長因子抗体、成長因子受容体抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ[Herceptin(商標)]及び抗erbb1抗体セツキシマブ[C225];ファルネシル・トランスフェラーゼ阻害剤、セリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤及びセリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤、例えば上皮成長因子群の阻害剤、例えばEGFR群セリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤(例えばN(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N(3−エチニルフェニル)−6,7ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI-744)及び6アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033);血小板由来成長因子群の阻害剤;及び肝細胞成長因子群の阻害剤;
(v)抗血管新生剤、例えば血管内皮成長因子の効果を阻害するもの、例えば抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ[Avastin(商標)];
国際公開第97/22596号、同第97/30035号、同第97/32856号、及び同第98/13354号の各パンフレットに開示されているような化合物、及び他のメカニズムによって働く化合物(例えばリノミド、インテグリン機能の阻害剤、及びアンギオスタチン);
(vi)血管損傷剤、例えばコムブレタスタチンA4及び国際公開第99/02166号、同第00/40529号、同第00/41669号、同第01/92224号、同第02/04434号、及び同第02/08213号の各パンフレットに開示された化合物;
(vii)アンチセンス療法、例えば上記のものを標的としたもの、例えばISIS 2503、抗Rasアンチセンス;
(viii)遺伝子療法アプローチ、例えば異常遺伝子、例えば異常p53又は異常BRCA1又はBRCA2の置換アプローチ;遺伝子指向酵素プロドラッグ療法(GDEPT)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ又は細菌性ニトロレダクターゼ;及び化学療法又は放射線療法に対する患者の耐容度の増大、例えば多剤耐性遺伝子療法;及び
(ix)免疫療法、例えば患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるためのex-vivo及びin-vivoアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4、又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子によるトランスフェクション;T細胞アネルギーを低減するためのアプローチ、トランスフェクトされた免疫細胞、例えばサイトカインでトランスフェクトされた樹状細胞を使用したアプローチ;サイトカインでトランスフェクトされた腫瘍細胞系を使用したアプローチ;及び抗イディオタイプ抗体を使用したアプローチ。
【0130】
下記表1の薬剤は、専らというわけではないが、式I化合物と組み合わされることが好ましい。
【0131】
【表1】

【0132】
【表2】

【0133】
【表3】

【0134】
【表4】

【0135】
【表5】

【0136】
個々の治療成分を同時に、又は連続して、又は別々にディスペンシングすることにより、このタイプの併用治療を達成することができる。このタイプの組み合わせ生成物は、本発明による化合物を採用する。
【0137】
V.一般的な合成
本発明の組成物は一般に、類似の化合物を合成するための当業者に知られた方法によって調製される。これらは下記一般スキーム、及び下記調製例によって示されている。ほとんどの出発材料は、例えばAldrich Chemicals Co. 又はSigma Chemical Companyのような供給会社から商業的に入手することができる。商業的に入手できない化合物は、 “Organic Reactions”, 第1-40巻, John Wiley & Sons (1991); “Rodd's Chemistry of Carbon Compounds”,第1-5巻及び補足、Eleservier Science Publishers (1989); “Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis”, 第1-15巻, John Wiley & Sons (1991); “Advanced Organic Chemistry”, Jerry March, John Wiley & Sons, 第4版 (1992); Luecking他, ChemMedChem 2007, 2, 63-77; 及びNicolaou他, Agew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 4490-4527のような参考文献に記載された下記手順によって当業者により合成されてよい。本発明の全ての化合物は、発明者によって開発されたプロセスによって合成した。
【0138】
【化4】

【0139】
【化5】

【0140】
VI.例:
例1
【0141】
【化6】

【0142】
N−[4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(1)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(500mg,1.78mmol)、N−(4−アミノ−フェニル)−ベンズアミド(454mg,2.14mmol)、Pd(OAc)2(20mg,0.09mmol)、X−Phos(85mg,0.18mmol)、及びKOH(300mg,5.35mmol)をtert−ブタノール(9.0mL)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次いでEtOAc/H2O中に懸濁した。結果として生じた析出物を濾過し、EtOAc/H2Oで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、1(255mg,収率37%)を黄褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=384, 観測値=384)。
【0143】
例2
【0144】
【化7】

【0145】
N−[4−(6−アセチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(2)
N−[4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(40mg,0.1mmol)、無水酢酸(13mg,0.13mmol)、及びトリエチルアミン(0.04mL,0.31mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、2(7mg,収率16%)をオフホワイトの固形物として提供した。LC-MS (M+H=426, 観測値=426)。
【0146】
例3
【0147】
【化8】

【0148】
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(3)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(100mg,0.48mmol)、アニリン(0.13mL,1.44mmol)、Pd(OAc)2(5mg,0.02mmol)、X−Phos(23mg,0.05mmol)、及びKOH(162mg,2.89mmol)をtert−ブタノール(2.0mL)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈し、そしてExtrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料をEtOAcと一緒に粉砕し、濾過し、EtOAcで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、黄褐色の固形物として3(63mg,収率50%)を提供した。LC-MS (M+H=265, 観測値=265)。
【0149】
例4
【0150】
【化9】

【0151】
ベンジル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(4)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(100mg,0.48mmol)、ベンジルアミン(0.16ml、1.44mmol)、Pd(OAc)2(5mg,0.02mmol)、X−Phos(23mg,0.05mmol)、及びKOH(162mg,2.89mmol)をtert−ブタノール(2.0mL)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈し、そしてExtrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料をEtOAcと一緒に粉砕し、濾過し、EtOAcで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、黄褐色の固形物として4(12mg,収率9%)を提供した。LC-MS (M+H=279, 観測値=279)。
【0152】
例5
【0153】
【化10】

【0154】
(4−フルオロ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(5)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(100mg,0.48mmol)、4−フルオロアニリン(0.14ml、1.44mmol)、Pd(OAc)2(5mg,0.02mmol)、2−X−Phos(23mg,0.05mmol)、及びKOH(162mg,2.89mmol)をtert−ブタノール(2.0mL)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈し、そしてExtrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料をEtOAcと一緒に粉砕し、濾過し、EtOAcで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、褐色の固形物として5(35mg,収率26%)を提供した。LC-MS (M+H=283, 観測値=283)。
【0155】
例6
【0156】
【化11】

【0157】
4−(4−フルオロ−フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(6)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(100mg,0.48mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(135mg,0.96mmol)、Pd(OAc)2(5mg,0.02mmol)、S−Phos(20mg,0.05mmol)、及びK2CO3(266mg,1.93mmol)をジオキサン/H2O(2.2mL,10/1,v/v)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈し、そしてExtrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料をEtOAcと一緒に粉砕し、濾過し、EtOAcで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、褐色の固形物として6(37mg,収率29%)を提供した。LC-MS (M+H=269, 観測値=269)。
【0158】
例7
【0159】
【化12】

【0160】
(4−フルオロ−フェニル)−(4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン(7)
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(25mg,0.09mmol)、4−フルオロベンゾイルクロリド(18mg,0.11mmol)、及びトリエチルアミン(0.04mL,0.28mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、7(33mg,収率90%)を黄褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=388, 観測値=388)。
【0161】
例8
【0162】
【化13】

【0163】
1−(4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−エタノン(8)
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(40mg,0.15mmol)、無水酢酸(18mg,0.18mmol)、及びトリエチルアミン(0.06mL,0.45mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、8(5mg,収率11%)を黄褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=307, 観測値=307)。
【0164】
例9
【0165】
【化14】

【0166】
(3−クロロ−フェニル)−(4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン(9)
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(40mg,0.15mmol)、3−クロロベンゾイルクロリド(32mg,0.18mmol)、及びトリエチルアミン(0.06mL,0.45mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、9(16mg,収率26%)を黄褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=403, 観測値=403)。
【0167】
例10
【0168】
【化15】

【0169】
4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(3−クロロ−フェニル)−アミド(10)
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(40mg,0.15mmol)、3−クロロフェニルイソシアネート(28mg,0.18mmol)、及びトリエチルアミン(0.06mL,0.45mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、10(16mg,収率25%)をオフホワイトの固形物として提供した。LC-MS (M+H=418, 観測値=418)。
【0170】
例11
【0171】
【化16】

【0172】
[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−フェニル−アミン(11)
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(40mg,0.15mmol)、3−クロロフェニルスルホニルクロリド(38mg,0.18mmol)、及びトリエチルアミン(0.06mL,0.45mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、11(15mg,収率23%)を褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=439, 観測値=439)。
【0173】
例12
【0174】
【化17】

【0175】
N−{4−[6−(3−クロロ−ベンゾイル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ]−フェニル}−ベンズアミド(12)
N−[4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(40mg,0.1mmol)、3−クロロベンゾイルクロリド(22mg,0.13mmol)、及びトリエチルアミン(0.04mL,0.31mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製することにより、12(26mg,収率48%)を褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=522, 観測値=522)。
【0176】
例13
【0177】
【化18】

【0178】
N−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド(13)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(150mg,0.61mmol)、(4−メチルアミノスルホニル)フェニルボロン酸(264mg,1.23mmol)、Pd(OAc)2(7mg,0.03mmol)、S−Phos(25mg,0.06mmol)、及びK2CO3(340mg,2.46mmol)をジオキサン/H2O(2.2mL,10/1,v/v)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈した。その結果生じた析出物を濾過し、EtOAcで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、黄色の固形物として13(107mg,収率51%)を提供した。LC-MS (M+H=343, 観測値=343)。
【0179】
例14
【0180】
【化19】

【0181】
4−(6−アセチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(14)
N−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド(75mg,0.22mmol)、無水酢酸(22mg,0.22mmol)、及びDIEA(0.07mL,0.44mmol)をジオキサン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で2時間にわたって攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈した。その結果生じた析出物を濾過し、EtOAcで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、黄褐色の固形物として14(40mg,収率48%)を提供した。LC-MS (M+H=385, 観測値=385)。
【0182】
例15
【0183】
【化20】

【0184】
1−[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−エタノン(15)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(150mg,0.61mmol)、5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミン(316mg,1.84mmol)、Pd(OAc)2(7mg,0.03mmol)、X−Phos(29mg,0.06mmol)、及びKOH(276mg,4.92mmol)をtert−ブタノール(2.0mL)中に溶解し、そして100℃で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈し、そしてExtrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。
上記粗生成物、無水酢酸(45mg,0.44mmol)、及びDIEA(0.15mg,0.88mmol)をジオキサン(2.0mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc/H2Oで希釈し、そしてExtrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗生成物を、CH2Cl2/MeOH(9/1,v/v)で溶離するBiotageを介して精製した。MeOH中に溶解し、1.5MメタノールHClを添加し、そして濃縮することにより、精製済材料をHCl塩に変換して、これにより15(20mg,全収率10%)を黄褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=385, 観測値=385)。
【0185】
例16
【0186】
【化21】

【0187】
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イルメチル)−ベンゾニトリル(16)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg;0.24mmol)、3−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(56mg;0.29mmol)及びK2CO3(0.04mg;0.72mmol)をDMF(2ml)中に溶解し、そして室温で一晩にわたって攪拌した。調製LC−MS精製は16をオフホワイト粉末(21mg,収率27%)として提供した。LC-MS (M+H=323, 観測値=323)。
【0188】
例17
【0189】
【化22】

【0190】
3−クロロ−6−(3−メトキシ−ベンジル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(17)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg;0.24mmol)、3−メトキシベンジルブロミド(0.04mg;0.29mmol)及びK2CO3(0.04ml;0.72mmol)をDMF(2ml)中に溶解し、そして室温で一晩にわたって攪拌した。調製LC−MS精製は17をオフホワイト粉末(14mg,収率18%)として提供した。LC-MS (M+H=328, 観測値=328)。
【0191】
例18
【0192】
【化23】

【0193】
(4−クロロ−フェニル)−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン・塩酸塩(18)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。4−クロロベンゾイルクロリド(0.04mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応物をH2O(200mL)で急冷した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で一晩にわたって乾燥させた。析出物をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加し、そして0℃で一晩にわたって冷却することにより、HCl塩を形成した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、黄色の固形物として18(54mg,収率59%)を提供した。LC-MS (M+H=346, 観測値=346)。
【0194】
例19
【0195】
【化24】

【0196】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−フェニル−メタノン・塩酸塩(19)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。塩化ベンゾイル(0.03mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で一晩にわたって乾燥させることにより、19(33mg,収率40%)を淡黄色固体として提供した。LC-MS (M+H=312, 観測値=312)。
【0197】
例20
【0198】
【化25】

【0199】
(2−クロロ−フェニル)−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン・塩酸塩(20)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。2−クロロベンゾイルクロリド(0.04mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、20(47mg,収率51%)を淡黄色固体として提供した。LC-MS (M+H=347, 観測値=347)。
【0200】
例21
【0201】
【化26】

【0202】
(3−クロロ−フェニル)−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン・塩酸塩(21)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。3−クロロベンゾイルクロリド(0.04mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、21(56mg,収率61%)を淡黄色固体として提供した。LC-MS (M+H=347, 観測値=347)。
【0203】
例22
【0204】
【化27】

【0205】
4−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボニル)−ベンゾニトリル・塩酸塩(22)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。4−シアノベンゾイルクロリド(47.84mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、22(40mg,収率45%)を淡黄色固体として提供した。LC-MS (M+H=337, 観測値=337)。
【0206】
例23
【0207】
【化28】

【0208】
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボニル)−ベンゾニトリル・塩酸塩(23)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。3−シアノベンゾイルクロリド(48mg,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、23(25mg,収率28%)を淡黄色固体として提供した。LC-MS (M+H=337, 観測値=337)。
【0209】
例24
【0210】
【化29】

【0211】
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−(2−メトキシ−フェニル)−メタノン・塩酸塩(24)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。o−アニソイルクロリド(0.04mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、24(48mg,収率53%)をオフホワイトの固体として提供した。LC-MS (M+H=342, 観測値=342)。
【0212】
例25
【0213】
【化30】

【0214】
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−メタノン・塩酸塩(25)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。m−アニソイルクロリド(0.04mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、25(50mg,収率55%)をオフホワイトの固体として提供した。LC-MS (M+H=342, 観測値=342)。
【0215】
例26
【0216】
【化31】

【0217】
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メタノン・塩酸塩(26)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.05mL,0.29mmol)をTHF(2ml)中に溶解した。p−アニソイルクロリド(0.04mL,0.29mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、26(49mg,収率54%)をオフホワイトの固体として提供した。LC-MS (M+H=342, 観測値=342)。
【0218】
例27
【0219】
【化32】

【0220】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(4−メトキシ−フェニル)−アミド・塩酸塩(27)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。4−メトキシフェニルイソシアネート(0.03mL,0.26mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、27(15mg,収率16%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=359, 観測値=359)。
【0221】
例28
【0222】
【化33】

【0223】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(4−シアノ−フェニル)−アミド・塩酸塩(28)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。4−メトキシフェニルイソシアネート(34mg,0.24mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、28(60mg,収率64%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=353, 観測値=353)。
【0224】
例29
【0225】
【化34】

【0226】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(4−クロロ−フェニル)−アミド・塩酸塩(29)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。4−クロロフェニルイソシアネート(0.03mL,0.26mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、29(54mg,収率57%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=362, 観測値=362)。
【0227】
例30
【0228】
【化35】

【0229】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(3−メトキシ−フェニル)−アミド・塩酸塩(30)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。3−メトキシフェニルイソシアネート(0.03mL,0.24mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、30(28mg,収率30%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=357, 観測値=357)。
【0230】
例31
【0231】
【化36】

【0232】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(2−メトキシ−フェニル)−アミド・塩酸塩(31)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。3−メトキシフェニルイソシアネート(0.03mL,0.24mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、31(32mg,収率33%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=357, 観測値=357)。
【0233】
例32
【0234】
【化37】

【0235】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(3−クロロ−フェニル)−アミド・塩酸塩(32)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。3−クロロフェニルイソシアネート(0.03mL,0.26mmol)を液滴状に添加し、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(1ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、32(54mg,収率56%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=361, 観測値=361)。
【0236】
例33
【0237】
【化38】

【0238】
3−クロロ−6−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(33)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(56mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、33(92mg,収率99%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=382, 観測値=382)。
【0239】
例34
【0240】
【化39】

【0241】
3−クロロ−6−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(34)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、3−クロロベンゼンスルホニルクロリド(56mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、34(34mg,収率37%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=382, 観測値=382)。
【0242】
例35
【0243】
【化40】

【0244】
2−クロロ−6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(35)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、2−クロロベンゼンスルホニルクロリド(56mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、35(86mg,収率96%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=382, 観測値=382)。
【0245】
例36
【0246】
【化41】

【0247】
3−クロロ−6−(2,5−ジメトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(36)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、2,5−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド(63mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、36(94mg,収率96%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=408, 観測値=408)。
【0248】
例37
【0249】
【化42】

【0250】
3−クロロ−6−(2,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(37)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、2,5−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド(63mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、37(69mg,収率70%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=408, 観測値=408)。
【0251】
例38
【0252】
【化43】

【0253】
3−クロロ−6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(38)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、3−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.04mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、38(50mg,収率55%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=379, 観測値=379)。
【0254】
例39
【0255】
【化44】

【0256】
3−クロロ−6−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(39)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.04mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、39(61mg,収率67%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=379, 観測値=379)。
【0257】
例40
【0258】
【化45】

【0259】
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−スルホニル)ベンゾニトリル(40)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、3−シアノベンゼンスルホニルクロリド(53mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、40(68mg,収率76%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=373, 観測値=373)。
【0260】
例41
【0261】
【化46】

【0262】
4−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−スルホニル)ベンゾニトリル(41)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)のピリジン(2mL)中の溶液に、3−シアノベンゼンスルホニルクロリド(53mg,0.26mmol)を添加し、そして反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、41(55mg,収率62%)を黄色の固体として提供した。LC-MS (M+H=373, 観測値=373)。
【0263】
例42
【0264】
【化47】

【0265】
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(2−クロロ−フェニル)−アミド・塩酸塩(42)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(50mg,0.24mmol)、及びDIEA(0.04mL,0.24mmol)をDCM(2ml)中に溶解した。2−クロロフェニルイソシアネート(0.03mL,0.26mmol)を液滴状に添加し、そして反応溶液を室温で1時間にわたって攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、そして粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そして1M HCl/エーテル(2当量)を添加することにより、HCl塩に変換した。結果としての溶液を一晩にわたって冷凍した。追加のエーテルを添加することにより、析出物を形成させた。その結果生じた析出物を濾過し、そして真空下で乾燥させることにより、42(52mg,収率55%)を提供した。LC-MS (M+H=361, 観測値=361)。
【0266】
例43
【0267】
【化48】

【0268】
3−(4−フェノキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(43)
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.32mmol)、4−フェノキシアニリン(120mg,0.65mmol)、Pd(OAc)2(3mg,0.01mmol)、X−Phos(12mg,0.03mmol)、及びKOH(0.03ml,0.97mmol)をtert−アミルアルコール(2mL)中に懸濁し、そして95℃で一晩攪拌した。粗混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、ヘキサン中0〜100%の勾配のEtOAcで溶離するBiotageを介して精製することにより、43(39mg,収率26%)を褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=457, 観測値=457)。
【0269】
例44
【0270】
【化49】

【0271】
3−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(44)
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.32mmol)、p−アニシジン(48mg,0.39mmol)、Pd(OAc)2(3mg,0.01mmol)、X−Phos(12mg,0.03mmol)、及びKOH(0.03ml,0.97mmol)をtert−アミルアルコール(2mL)中に懸濁し、そして95℃で一晩攪拌した。粗混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、ヘキサン中0〜100%の勾配のEtOAcで溶離するBiotageを介して精製することにより、44(16mg,収率13%)を褐色の油として提供した。LC-MS (M+H=395, 観測値=395)。
【0272】
例45
【0273】
【化50】

【0274】
3−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(45)
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.32mmol)、o−アニシジン(48mg,0.39mmol)、Pd(OAc)2(3mg,0.01mmol)、X−Phos(12mg,0.03mmol)、及びKOH(0.03ml,0.97mmol)をtert−アミルアルコール(2mL)中に懸濁し、そして95℃で一晩攪拌した。粗混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、ヘキサン中〜100%の勾配のEtOAcで溶離するBiotageを介して精製することにより、45(9mg,収率7%)を褐色の油として提供した。LC-MS (M+H=395, 観測値=395)。
【0275】
例46
【0276】
【化51】

【0277】
3−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(46)
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.32mmol)、m−アニシジン(0.04mL,0.39mmol)、Pd(OAc)2(3mg,0.01mmol)、X−Phos(12mg,0.03mmol)、及びKOH(0.03ml,0.97mmol)をtert−アミルアルコール(2mL)中に懸濁し、そして95℃で一晩攪拌した。粗混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、ヘキサン中0〜100%の勾配のEtOAcで溶離するBiotageを介して精製することにより、46(9mg,収率5%)を褐色の油として提供した。LC-MS (M+H=395, 観測値=395)。
【0278】
例47
【0279】
【化52】

【0280】
(4−メトキシ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(47)
4−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.32mmol)、p−アニシジン(80mg,0.65mmol)、Pd(OAc)2(3mg,0.01mmol)、X−Phos(12mg,0.03mmol)、及びKOH(55mg,0.97mmol)をtert−アミルアルコール(2mL)中に懸濁し、そして95℃で一晩攪拌した。粗混合物を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、47(3mg,収率3%)を褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=295, 観測値=295)。
【0281】
例48
【0282】
【化53】

【0283】
(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(48)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、2−メチル−3−(トリフルオロメチル)アニリン(150mg,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、48(109mg,収率36%)を黄色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=347, 観測値=347)。
【0284】
例49
【0285】
【化54】

【0286】
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン・ビス塩酸塩(49)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、3−(トリフルオロメチル)アニリン(0.11mL,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、49(18mg,収率6%)を灰色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=333, 観測値=333)。
【0287】
例50
【0288】
【化55】

【0289】
(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(50)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、3−フルオロ−4−メチルアニリン(0.10mL,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、50(6mg,収率2%)を灰色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=297, 観測値=297)。
【0290】
例51
【0291】
【化56】

【0292】
(2−メトキシ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(51)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、o−アニシジン(0.10mL,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、51(20mg,収率8%)を灰色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=295, 観測値=295)。
【0293】
例52
【0294】
【化57】

【0295】
ピリジン−2−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(52)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、2−アミノピリジン(81mg,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、52(32mg,収率13%)を淡褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=266, 観測値=266)。
【0296】
例53
【0297】
【化58】

【0298】
(3−フルオロ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(53)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、3−フルオロアニリン(0.08mL,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、53(41mg,収率16%)を褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=282, 観測値=282)。
【0299】
例54
【0300】
【化59】

【0301】
(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(54)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、3−(トリフルオロメチル)−4−メチルアニリン(0.12mL,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、54(31mg,収率10%)を灰色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=347, 観測値=347)。
【0302】
例55
【0303】
【化60】

【0304】
ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩(55)
4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール・ビスヒドロクロリド(200mg,0.71mmol)、3,4−(メチレンジオキシ)アニリン(117mg,0.86mmol)、Pd(OAc)2(8mg,0.04mmol)、X−Phos(34mg,0.07mmol)、及びKOH(240mg,4.28mmol)をtert−ブタノール(3mL)中に懸濁し、そして100℃で一晩攪拌した。反応物を濃縮し、そして反応混合物をDMSO(1mL)及びH2O(15mL)中に懸濁した。結果として生じる析出物を濾過し、そしてMeOH(2ml)中、及びエーテル中の2M HCl(3当量)中に溶解した。エーテル(10mL)を溶液に液滴状に添加することにより、析出物を形成させた。その結果としての析出物を濾過することにより、54(33mg,収率12%)を褐色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=309, 観測値=309)。
【0305】
例56
【0306】
【化61】

【0307】
1−[4−(ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(56)
ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(50mg,0.16mmol)、無水酢酸(18μL、0.19mmol)、及びトリエチルアミン(67μL、0.49mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、56(25mg,収率44%)を黄褐色の粉末として提供した。LC-MS (M+H=351, 観測値=351)。
【0308】
例57
【0309】
【化62】

【0310】
1−[4−(ナフタレン−1−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(57)
ナフタレン−1−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(40mg,0.13mmol)、無水酢酸(12μL、0.13mmol)、及びトリエチルアミン(53μL、0.38mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で3時間にわたって攪拌した。反応混合物をBiotageカラムに直接に添加した。粗生成物を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、57(10mg,収率22%)を黄褐色の粉末として提供した。LC-MS (M+H=357, 観測値=357)。
【0311】
例58
【0312】
【化63】

【0313】
1−[4−(3−フルオロ−4−メチル−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(58)
(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(50mg,0.17mmol)、無水酢酸(17μL、0.17mmol)、及びトリエチルアミン(70μL、0.51mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で一晩攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。ExtrelutカラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗生成物を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、58(9mg,収率14%)を黄褐色の粉末として提供した。LC-MS (M+H=339, 観測値=339)。
【0314】
例59
【0315】
【化64】

【0316】
1−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(59)
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン(75mg,0.24mmol)、無水酢酸(25μL、0.24mmol)、及びトリエチルアミン(98μL、0.71mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で30分間にわたって攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。ExtrelutカラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、59(22mg,収率26%)を黄褐色の粉末として提供した。LC-MS (M+H=361, 観測値=361)。
【0317】
例60
【0318】
【化65】

【0319】
1−[4−(ナフタレン−2−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(60)
ナフタレン−2−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(79mg,0.25mmol)、無水酢酸(25μL、0.25mmol)、及びトリエチルアミン(104μL、0.75mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で30分間にわたって攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。カラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、60(24mg,収率26%)を黄褐色の粉末として提供した。LC-MS (M+H=357, 観測値=357)。
【0320】
例61
【0321】
【化66】

【0322】
1−[4−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(61)
(3−フルオロ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(15mg,0.05mmol)、無水酢酸(53μL、0.05mmol)、及びトリエチルアミン(22μL、0.16mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で30分間にわたって攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。ExtrelutカラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、61(3mg,収率15%)を油性残留物として提供した。LC-MS (M+H=325, 観測値=325)。
【0323】
例62
【0324】
【化67】

【0325】
1−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(62)
(4−フルオロ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(45mg,0.16mmol)、無水酢酸(16μL、0.16mmol)、及びトリエチルアミン(66μL、0.48mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で30分間にわたって攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。ExtrelutカラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、62(7mg,収率13%)を油性残留物として提供した。LC-MS (M+H=325, 観測値=325)。
【0326】
例63
【0327】
【化68】

【0328】
1−[4−(3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(63)
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(40mg,0.12mmol)、無水酢酸(12μL、0.12mmol)、及びトリエチルアミン(50μL、0.36mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で30分間にわたって攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。ExtrelutカラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、63(7mg,収率16%)を油性残留物として提供した。LC-MS (M+H=375, 観測値=375)。
【0329】
例64
【0330】
【化69】

【0331】
1−[4−(インダン−5−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン(64)
インダン−5−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン(75mg,0.25mmol)、無水酢酸(25μL、0.25mmol)、及びトリエチルアミン(102μL、0.74mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)中に溶解し、そして室温で30分間にわたって攪拌した。反応物をH2Oで急冷し、その結果としての材料を、Extrelutカラムを通して濾過した。ExtrelutカラムをEtOAcで洗浄し、そして濾液を濃縮した。粗材料を、DCM中0〜10%の勾配のMeOHで溶離するBiotageを介して精製した。精製済生成物を凍結することにより、64(21mg,収率25%)を油性残留物として提供した。LC-MS (M+H=347, 観測値=347)。
【0332】
例65
【0333】
【化70】

【0334】
[2−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−エチル]−ジエチル−アミン・塩酸塩(65)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(100mg,0.48mmol)、2−ジエチルアミノエチルクロリドヒドロクロリド(91mg,0.53mmol)、K2CO3(0.08mL,1.44mmol)、及びNaI(0.02mL,0.53mmol)をDMF(2mL)中に懸濁し、そして室温で一晩攪拌した。反応溶液をH2Oで希釈し、そしてEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗材料をMeOH(2ml)中に溶解し、そしてエーテル中の2M HCl(2当量)を液滴状に添加することにより、粗生成物をHCl塩に変換した。その結果としての析出物を濾過することにより、65(54mg,収率37%)を白色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=307, 観測値=307)。
【0335】
例66
【0336】
【化71】

【0337】
3−クロロ−6−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(66)
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール(100mg,0.48mmol)、4−(2−クロロエチル)モルホリンヒドロクロリド(99mg,0.53mmol)、K2CO3(0.08mL,1.44mmol)、及びNaI(0.02mL,0.53mmol)をDMF(2mL)中に懸濁した。反応溶液をH2Oで希釈し、そしてEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮することにより、66(66mg,収率43%)を黄色の固形物として提供した。LC-MS (M+H=321, 観測値=321)。
【0338】
例67
【0339】
【化72】

【0340】
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−フェニル−メタノン(67)
(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−アミン(100mg,0.29mmol)、及びDIEA(0.15mL,0.88mmol)を1,2−ジクロロエタン(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。塩化ベンゾイル(0.03mL,0.35mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応溶液を濃縮した。粗材料をDMSO(3mL)中に溶解し、そして濾過した。濾液を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、67(13mg,収率10%)を白い綿毛状固形物として提供した。LC-MS (M+H=447, 観測値=447)。
【0341】
例68
【0342】
【化73】

【0343】
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロプロピル−メタノン(68)
(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−アミン(100mg,0.29mmol)、及びDIEA(0.15mL,0.88mmol)を1,2−ジクロロエタン(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。シクロプロパンカルボニルクロリド(0.03mL,0.35mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応物を濃縮した。粗材料をDMSO(3mL)中に溶解し、そして濾過した。濾液を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、68(42mg,収率35%)を白い綿毛状固形物として提供した。LC-MS (M+H=411, 観測値=411)。
【0344】
例69
【0345】
【化74】

【0346】
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロブチル−メタノン(69)
(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−アミン(100mg,0.29mmol)、及びDIEA(0.15mL,0.88mmol)を1,2−ジクロロエタン(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。シクロプロパンカルボニルクロリド(0.04mL,0.35mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応物を濃縮した。粗材料をDMSO(3mL)中に溶解し、そして濾過した。濾液を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、69(37mg,収率30%)を白い綿毛状固形物として提供した。LC-MS (M+H=425, 観測値=425)。
【0347】
例70
【0348】
【化75】

【0349】
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロペンチル−メタノン(70)
(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−アミン(100mg,0.29mmol)、及びDIEA(0.15mL,0.88mmol)を1,2−ジクロロエタン(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。シクロプロパンカルボニルクロリド(0.04mL,0.35mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応物を濃縮した。粗材料をDMSO(3mL)中に溶解し、そして濾過した。濾液を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、70(43mg,収率33%)を白い綿毛状固形物として提供した。LC-MS (M+H=439, 観測値=439)。
【0350】
例71
【0351】
【化76】

【0352】
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロヘキシル−メタノン(71)
(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−アミン(75mg,0.22mmol)、及びDIEA(0.11mL,0.66mmol)を1,2−ジクロロエタン(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。シクロプロパンカルボニルクロリド(0.04mL,0.26mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応物を濃縮した。粗材料をDMSO(3mL)中に溶解し、そして濾過した。濾液を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、71(43mg,収率33%)を白い綿毛状固形物として提供した。LC-MS (M+H=453, 観測値=453)。
【0353】
例72
【0354】
【化77】

【0355】
1−[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン(72)
(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−アミン(75mg,0.22mmol)、及びDIEA(0.11mL,0.66mmol)を1,2−ジクロロエタン(2ml)中に溶解し、そして室温で攪拌した。イソブチリルクロリド(0.03mL,0.26mmol)を液滴状に添加し、そして反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。反応物を濃縮した。粗材料をDMSO(3mL)中に溶解し、そして濾過した。濾液を調製LC−MSを介して直接に精製することにより、72(14mg,収率15%)を白い綿毛状固形物として提供した。LC-MS (M+H=413, 観測値=413)。
【0356】
例73
【0357】
【化78】

【0358】
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−プロピオンアミドの合成
中間体73.1:3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.00g;3.25mmol)のメタノール(50mL)中の溶液に、塩化水素(16.3ml;2M;32.5mmol)のジエチルエーテル溶液を添加した。黄色の溶液を3日間にわたって25℃で攪拌し、ベージュの析出物をゆっくり形成させる。エーテル(50mL)を添加し、そしてベージュの懸濁液を15分間にわたって攪拌した。析出物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、中間体1.1(992mg,98%)の塩酸塩をベージュの固形物として提供した(HPLC:99.9%,RT:1.18分)。1H NMR (DMSO−d6)δ11.99(br s,1H),9.68(br s,2H),8.17(d,J=2.6Hz,1H),8.08(d,J=2.2Hz,1H),4.26(br s,2H),3.45(br q,J=5.9Hz,2H),3.05(br t,J=5.9Hz,2H),MS(m/z)208[M+H]+35Cl)。
【0359】
例73:3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−プロピオンアミド
中間体1.1(100mg;0.36mmol)及び3−クロロプロピオンアミド(42.2mg;0.39mmol)の無水DMF(2mL)中の懸濁液に、炭酸カリウム(148mg;1.07mmol)及びヨウ化ナトリウム(59mg;0.39mmol)を添加した。結果として生じた反応混合物を3日間にわたって50℃の温度で攪拌し、そして真空下で濃縮した。ジクロロメタン及びメタノールを溶離剤として使用して、Isoleraシステムを備えたBiotage KP-KHカラム上のクロマトグラフィによって、残留物を精製することにより、標題化合物(59mg,59%)を白色固形物(HPLC:91%,RT:0.54分)を提供した。
1H NMR (DMSO−d6,回転異性体)δ11.58(br s,1H,メジャー回転異性体),11.52(br s,1H,マイナー回転異性体),8.06(dd,J=4.8,2.2Hz,1H),7.85(d,J=2.2Hz),7.40(br s,1H),6.80(br s,1H),3.81(br s,2H,マイナー回転異性体),3.56(br s,2H,メジャー回転異性体),3.02(t,J=5.9Hz,2H,マイナー回転異性体),2.78(s,3H),2.76(t,J=6.7Hz,2H,マイナー回転異性体),2.67(t,J=5.5Hz,2H,メジャー回転異性体),2.32(t,J=7.0Hz,2H,メジャー回転異性体);回転異性体比は20℃でほぼ57:43;MS(m/z)279[M+H]+35Cl)。
【0360】
例74
【0361】
【化79】

【0362】
3−クロロ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロールの合成
中間体1.1及び4−(3−クロロプロピル)モルホリンから、例1に関して記載した手順に従って、53%の収率で標題化合物を得た(HPLC:91%,RT:2.18分)。1H NMR (DMSO−d6)δ11.56(br s,1H),8.06(d,J=2.6Hz,1H),7.88(d,J=2.6Hz,1H),3.57(t,J=4.4Hz,4H),3.53(s,2H),2.77(s,4H),2.54(t,J=7.0Hz,2H),2.37−2.29(m,6H),1.69(quint., J=7.1Hz,2H);MS(m/z)235[M+H]+35Cl)。
【0363】
例75
【0364】
【化80】

【0365】
3−クロロ−6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロールの合成
中間体1.1及び1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジンジヒドロクロリドから、例1に関して記載した手順に従って、58%の収率で標題化合物を得た(HPLC:93%,RT:2.25分)。1H NMR (DMSO−d6)δ11.56(br s,1H),8.06(d,J=2.6Hz,1H),7.88(d,J=2.2Hz,1H),3.53(s,2H),2.77(s,4H),2.30(t,J=7.0Hz,6H),2.55−2.50(m,6H),2.14(s,3H),1.68(quint., J=7.0Hz,2H);MS(m/z)248[M+H]+35Cl)。
【0366】
例76
【0367】
【化81】

【0368】
3−チオフェン−3−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロールの合成
中間体1.1(50mg;0.18mmol)、3−チエニルボロン酸(46mg;0.36mmol)、酢酸パラジウム(II)(2mg;0.01mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(11mg;0.03mmol)、及び炭酸カリウム(99mg;0.71mmol)の、ジオキサン(2mL)及び水(0.2mL)中の懸濁液を、マイクロ波管内に入れた。管をシーリングし、そして黄色の懸濁液を100℃で一晩加熱した。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮した。ジクロロメタン及びメタノールを溶離剤として使用して、Isoleraシステムを備えたBiotage KP-KHカラム上のクロマトグラフィによって、残留物を精製することにより、標題化合物(76mg,88%)を白色固形物(HPLC:99%,RT:2.39分)を提供した。1H NMR (DMSO−d6)δ11.78(br s,1H),9.13(br s,2H),8.61(d,J=2.2Hz,1H),8.27(d,J=2.2Hz,1H),7.87(dd,J=2.9,1.5Hz,1H),7.69(dd,J=5.1,2.9Hz,1H),7.62(dd,J=5.1,1.5Hz,1H),4.36(s,2H),3.53(br q,J=5.5Hz,2H),3.04(br t,J=5.7Hz,2H),MS(m/z)256[M+H]+
【0369】
例77
【0370】
【化82】

【0371】
N−メチル−2−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−ベンズアミドの合成
中間体77.1:4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール
4−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.00g;3.25mmol)のメタノール(50mL)中の溶液に、塩化水素(16.25ml;2.00M;32.49mmol)のジエチルエーテル溶液を添加した。黄色の溶液を室温で一晩攪拌し、ベージュの析出物をゆっくり形成させる。エーテル(50mL)を添加し、そして黄色の懸濁液を15分間にわたって攪拌した。析出物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥させることにより、中間体5.1(877mg,96%)の塩酸塩をベージュの固形物として提供した。1H NMR (DMSO−d6)δ12.21(br s,1H),9.73(br s,2H),8.15(d,J=5.1Hz,1H),7.20(d,J=5.1Hz,1H),4.46(br s,2H),3.46(br q,J=6.2Hz,2H),3.07(br t,J=5.9Hz,2H),MS(m/z)208[M+H]+35Cl)。
【0372】
例77:N−メチル−2−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−ベンズアミド
中間体1.5(100mg;0.36mmol)、2−アミノ−n−メチルベンズアミド(64mg;0.43mmol)、酢酸パラジウム(II)(4mg;0.02mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(26mg;0.05mmol)、及び水酸化カリウム(80mg;1.43mmol)のtert−ブタノール(2mL)中の懸濁液を、マイクロ波管内に入れた。管をシーリングし、そして黄色の懸濁液を100℃で一晩加熱した。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮した。ジクロロメタン及びメタノール中の1%アンモニアを溶離剤として使用して、Isoleraシステムを備えたBiotage KP-KHカラム上のクロマトグラフィによって、残留物を精製することにより、標題化合物(34mg,28%)を黄色固形物(HPLC:93%,RT:3.97分)を提供した。1H NMR (DMSO−d6)δ11.13(br s,1H),10.17(br s,1H),8.66(q,J=4.8Hz,1H),7.85(d,J=5.5Hz,1H),7.68(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.56(d,J=7.3Hz,1H),7.43(td,J=7.3,1.5Hz,1H),6.98(t,J=8.1Hz,1H),6.83(d,J=5.5Hz,1H),4.15(s,2H),2.99(br t,J=5.7Hz,2H),2.78(d,J=4.8Hz,1H),2.63(br t,J=5.1Hz,2H);MS(m/z)322[M+H]+
【0373】
例78
【0374】
【化83】

【0375】
N−メチル−N−{3−[(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−メタンスルホンアミドの合成
中間体5.1及びN−(3−アミノメチル−ピリジン−2−イル)−n−メチル−メタンスルホンアミドから、例5に関して記載した手順に従って、7%の収率で標題化合物を得た(HPLC:99%,RT:2.13分)。1H NMR (DMSO−d6)δ9.39(br s,1H),8.49(dd,J=4.8,1.8Hz,1H),7.97(d,J=7.0Hz,1H),7.94(t,J=6.6Hz,1H),7.79(dd,J=8.1,1.8Hz,1H),7.43(dd,J=7.7,4.8Hz,1H),6.29(d,J=7.3Hz,1H),4.78(d,J=5.9Hz,2H),4.62(s,2H)、3.50(br q,J=5.1Hz,2H),3.28(s,3H),3.18(s,3H),3.03(t,J=5.5Hz,2H),2.63(br t,J=5.1Hz,2H);MS(m/z)387[M+H]+
【0376】
VII.生物学的データ
本発明による化合物を用いた治療に対する特定の細胞の感受性を、in vitro試験によって見極めた。典型的には、活性物質が細胞死を誘発し得るのに十分な時間、又は移動を阻害するのに十分な時間、通常は約1時間〜1週間にわたって、種々の濃度で細胞の培養物を本発明による化合物と組み合わせた。生検試料からの培養細胞を使用して、in vitro試験を実施した。次いで、処理後に残った生存細胞をカウントした。
【0377】
アッセイ
例において記載された式I化合物は、下記アッセイによって試験され、キナーゼ阻害活性を有することが見いだされた。他のアッセイが文献より知られており、当業者によって容易に実施することができる(例えばDhanabal他, Cancer Res. 59:189-197; Xin他, J. Biol. Chem. 274:9116-9121; Sheu他, Aticancer Res. 18:4435-4441; Ausprunk他, Dev. Biol. 38: 237-248; Gimbrone他, J. Natl. Cancer Inst. 52:413-427; Nicosia他, In Vitro 18:538-549参照)。
【0378】
【表6】

【0379】
【表7】

【0380】
本発明の教示内容に照らして、本発明の思想及び範囲を逸脱することなしに、当業者が何らかの変更及び改変をこれに加え得ることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
RはH;ハロ;CN;NO2;C1−C6アルキル;CF3;アリール;ヘテロアリール;アラルキル;アルカリル;ヘテロアルキル;炭素環;C(=O)OR’;アルキル−C(=O);アリール−C(=O);−C(=O)アリール;−C(=O)ヘテロアリール;−C(=O)NH−アリール;−C(=O)NH−ヘテロアリール;アリール−C(=O)−;ヘテロアリール−C(=O);OR’;R’−SO2−:SO2−R’;SR’;R’−NH−C(=O)−;アルキル−O−C(=O)−;R’−アルキル−;R’−C(=O);又はNR’R’;アリール−NH−C(=O)−;アリール−C(=O)−;OR’;R’−SO2−;SO2−R’;SR’;R’−NH−C(=O)−;アルキル−O−C(=O)−;R’−アルキル−;R’−C(=O);又はNR’R’であり;
R’はH;O;S;CONH2;アルキル;ハロアルキル;アルキルハロ;ハロアリール;ハロヘテロアリール;シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロアルキル;又はヘテロアリールであり;
YはH;ハロ;アリール;ヘテロアリール;NH−ヘテロアリール;NH−アリール;アリール−C(=O)−NH−NH−アリール−;アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−アリール−;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−アリール−アルキル−NH−;ヘテロアリール−アルキル−NH;アリール−C(=O)−NH−アリール−NH−;ヘテロアリール−C(=O)−NH−アリール−NH;ヘテロアリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アルキル−NH−SO2−;R’−NH−;R’−O−R’−NH−;NR’R’−アルキル−;又はR’−アルキル−であり;
-----は二重結合の存在又は不存在を表し;
アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル又はシクロアルキルは任意に置換型又は無置換型であってよく、そしてアリール、ヘテロアリール、及び/又はシクロアルキル環の任意の組み合わせで、単環、二環又は三環構造であってよい。}
で表される化合物、並びに、あらゆる比の混合物を含む、医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体及び立体異性体。
【請求項2】
Rはメタノンであり、そしてYは、H;ハロ;アリール;ヘテロアリール;NH−アリール;アリール−C(=O)−NH−NH−アリール−;−アリール−C(=O)−NH−;ヘテロアリール−C(=O)NH;−ヘテロアリール−C(=O)−NH−NH−アリール;−ヘテロアリール−C(=O)NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−NH−ヘテロアリール;−アリール−C(=O)−NH−;−ヘテロアリール−C(=O)NH;−アリール−アルキル−NH−;ヘテロアリール−アルキル−NH;アリール−C(=O)−NH−アリール−NH−;ヘテロアリール−C(=O)−NH−アリール−NH;ヘテロアリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アリール−C(=O)−NH−ヘテロアリール−NH;アルキル−NH−SO2−;R’−NH−;R’−O−R’−NH−;NR’R’−アルキル−;及びR’−アルキル−から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yはアリール−C(=O)−NH−アリール−NH−であり、そしてアリールはフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
YはR’−NH又はR’である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R’はハロヘテロアリールである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Rはシクロアルキルメタノンであり、そしてYはR’−NH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Rはシクロブチルメタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ−ジオキソイル−4−アミノである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Rはシクロヘキシルメタノンであり、そしてYは5−クロロ−ベンゾ−ジオキソイル−4−イルアミノである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
RはR’−SO2−であり、そしてYはR’−NHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Rは3−クロロベンゼンスルホニルであり、そしてYはフェニルアミンである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
N−[4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド;
N−[4−(6−アセチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド;
フェニル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン;
ベンジル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン;
(4−フルオロ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン;
4−(4−フルオロ−フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
(4−フルオロ−フェニル)−(4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン;
1−(4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−エタノン;
(3−クロロ−フェニル)−(4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン;
4−フェニルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(3−クロロ−フェニル)−アミド;
[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル]−フェニル−アミン;
N−{4−[6−(3−クロロ−ベンゾイル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ]−フェニル}−ベンズアミド;
N−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
4−(6−アセチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド;
1−[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−エタノン;
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イルメチル)−ベンゾニトリル;
3−クロロ−6−(3−メトキシ−ベンジル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
(4−クロロ−フェニル)−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン・塩酸塩;
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−フェニル−メタノン・塩酸塩;
(2−クロロ−フェニル)−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン・塩酸塩;
(3−クロロ−フェニル)−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−メタノン・塩酸塩;
4−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボニル)−ベンゾニトリル・塩酸塩;
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボニル)−ベンゾニトリル・塩酸塩;
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−(2−メトキシ−フェニル)−メタノン・塩酸塩;
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−メタノン・塩酸塩;
(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メタノン・塩酸塩;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(4−メトキシ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(4−シアノ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(4−クロロ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(3−メトキシ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(2−メトキシ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(3−クロロ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−クロロ−6−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−クロロ−6−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
2−クロロ−6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−クロロ−6−(2,5−ジメトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−クロロ−6−(2,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−クロロ−6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−クロロ−6−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸(2−クロロ−フェニル)−アミド・塩酸塩;
3−(4−フェノキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル;
3−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル;
3−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル;
3−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール−6−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(4−メトキシ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン;
(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン・ビス塩酸塩;
(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
(2−メトキシ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
ピリジン−2−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
(3−フルオロ−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イル)−アミン・ビス塩酸塩;
1−[4−(ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(ナフタレン−1−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(3−フルオロ−4−メチル−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(ナフタレン−2−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
1−[4−(インダン−5−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−エタノン;
[2−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−エチル]−ジエチル−アミン・塩酸塩;
3−クロロ−6−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−フェニル−メタノン;
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−フェニル−メタノン;
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロプロピル−メタノン;
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロブチル−メタノン;
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロペンチル−メタノン;
[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−シクロヘキシル−メタノン;
1−[4−(5−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソル−4−イルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン;
3−(3−クロロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−6−イル)−プロピオンアミド;
3−クロロ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−クロロ−6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;
3−チオフェン−3−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロール;及び
N−メチル−2−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ジピリド[2,3−b;3’,4’−d]ピロル−4−イルアミノ)−ベンズアミド
から成る群から選択された化合物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体又は立体異性体、又はその任意の混合物と、医薬的に許容される担体、賦形剤、アジュバント及び/又は希釈剤とを含む医薬組成物又は薬剤。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載の化合物、及び医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体又は立体異性体、又はその任意の混合物の、タンパク質キナーゼ・シグナル伝達の過剰発現又は異常活性に起因する宿主の疾患を治療する薬剤の製造のための使用。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物の、タンパク質キナーゼの阻害によって改善又は予防される疾患を治療する薬剤の製造のための使用。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物の、Src酵素の阻害によって改善又は予防される疾患を治療する薬剤の製造のための使用。
【請求項16】
宿主が哺乳動物である、請求項12に記載の使用。
【請求項17】
該哺乳動物がヒトである、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
治療されるべき疾患が、癌、心筋梗塞、骨粗鬆症、脳卒中、及び炎症から成る群から選択される、請求項14又は15に記載の使用。
【請求項19】
治療されるべき疾患が癌である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
治療されるべき疾患が炎症である、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
癌が、メラノーマ、白血病、結腸癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、リンパ腫、神経芽細胞腫、膵臓、膀胱癌、脳腫瘍、及び肺癌から成る群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項22】
請求項1から11のいずれか1項に記載の一般式Iの少なくとも1種の化合物、及び/又は、任意の混合物を含む、医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体又は立体異性体と、少なくとも1種のさらなる薬剤活性物質とを含む、薬剤。
【請求項23】
請求項1に記載の一般式Iの化合物を製造する方法であって、
(a)X−Phos、Pd(OAc)2、KOH及びt−BuOHの存在において、4−クロロ−ジピリジル−ピロールと第二アミンとを反応させることにより、4−(二置換型アミノ)ジピリジル−ピロールを中間化合物として提供し;そして
(b)工程(a)からの中間化合物を、R−Xと反応させることにより、最終生成化合物をもたらすこと、
を含む、方法。
【請求項24】
(a)有効量の、請求項1から11までのいずれか1項に記載の化合物、又は、あらゆる比の混合物を含む、医薬的に許容されるそのプロドラッグ、誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体及び立体異性体と、
(b)有効量の第2の薬剤活性成分と
の別々のパックから成るキット。

【公表番号】特表2012−512871(P2012−512871A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542220(P2011−542220)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066534
【国際公開番号】WO2010/080253
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】