説明

三環式芳香族およびビス−フェニルスルフィニル誘導体

【課題】過剰な眠気のような疾患の処置に有用な置換チオアセトアミド誘導体を提供する。
【解決手段】下式(V2)で示される置換チオアセトアミド誘導体。


[式中、環AおよびBはベンゼン環等を表し、Xは存在しないか、結合等を表し、Rは水素原子等を表し、Rはアミノカルボニルメチル基等を表し、qは0、1または2を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は化学的組成物、その調製法および組成物の使用に関する。特に本発明は、過剰な眠気のような疾患の処置、覚醒(wakefulness)の促進および/または改善(好ましくは睡眠発作、睡眠時無呼吸(好ましくは閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下)および交替勤務障害に伴う過剰な眠気の患者における覚醒の改善)、パーキンソン病、アルツハイマー病、大脳虚血、発作、摂食障害、注意欠陥障害("ADD")、注意欠陥過活動性障害("ADHD")、鬱病、統合失調症、疲労(好ましくはガンまたは多発性硬化症のような神経学的変性、および慢性疲労症候群に伴う疲労)のような処置、食欲の刺激および体重増加および認知機能不全の改善における置換チオアセトアミドを含む組成物およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本明細書に開示する化合物は、モダフィニルの生物学的および化学的類似体に関する。2−(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド、または2−[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミド(覚醒促進活性を有する合成アセトアミド誘導体)としても知られているモダフィニルであるC1515NOSは、特許文献1および特許文献2(’290号特許)に記載された。これは睡眠発作に伴う過剰な日中の眠気を処置するために米国食品医薬品局により使用が認められた。モダフィニルおよび数種の誘導体の調製法は’290号特許に記載されている。モダフィニルの左施性異性体はさらなるモダフィニル誘導体と一緒に特許文献3に記載され、そして睡眠過剰、鬱病、アルツハイマー病の処置に有用であり、そして特に老人の痴呆および記憶喪失の症状に対する活性を有すると報告されている。
【0003】
モダフィニルはまた、パーキンソン病の処置に(特許文献4);虚血からの脳組織の保護に(特許文献5);尿および便失禁の処置に(特許文献6);および睡眠時無呼吸および中枢起源の障害の処置に(特許文献7)有用な薬剤として記載された。さらにモダフィニルは摂食障害の処置に、または体重増加を促進し、またはヒトまたは動物の食欲を刺激するために(特許文献8)、および注意欠陥過活動性障害(特許文献9)、および疲労、特に多発性硬化症に伴う疲労(特許文献10)の処置に使用することができる。特許文献11は中枢神経系の障害を処置するための治療に有用となる種々のベンズヒドリルスルフィニル誘導体を記載する。
【0004】
幾つかの公開された特許出願明細書は、モダフィニルの誘導体形および種々の障害の処置におけるモダフィニル誘導体の使用を記載する。例えばPCT出願である特許文献12は、薬剤が誘導する眠気、特にガン患者に対するモルホリンの投与に伴う眠気を処置するために有用であるとして、モダフィニルの様々な置換フェニル類似体を記載する。特許文献13はおよび特許文献14は、摂食挙動を修飾するために有用なモダフィニル誘導体を記載する。特許文献15はモダフィニルの種々の多形と一緒にモダフィニルの数種のモダフィニル誘導体を記載する。
【0005】
モダフィニル誘導体を記載するさらなる公報には、特許文献16および特許文献15がある。
【0006】
Terauchi,H,et al.は、ATP−aseインヒビターとして有用なニコチンアミド誘導体を記載する(非特許文献1)。特に数個のN−アルキル置換2−(ベ
ンズヒドリルスルフィニル)ニコチンアミドが記載されている。
【0007】
特許文献17および特許文献18は、ベンゾイルアミノフェノキシブタン酸誘導体を記載する。特にフェニルおよび置換フェニルリンカーをスルフィドおよびカルボニル間に含み、そして置換アリールを末端アミド位に含むモダフィニルのスルフィド誘導体が開示されている。
【0008】
末端フェニル基が連結基により束縛されている他のモダフィニル誘導体が記載された。例えば特許文献19は、末端アミド位に置換アリールを有する特定のキサンテニルおよびチアキサンテニル誘導体を報告する。
【0009】
別のキサンテニルおよびチアキサンテニル誘導体が、Annis,Iに非特許文献2(ペプチド合成における試薬として有用なエルマン試薬のキサンテニル誘導体の調製);非特許文献3(ペプチド合成における試薬として有用なS−キサンテニル保護システイン誘導体の調製);および非特許文献4(チオグリコール酸のチアキサンテノール誘導体)が開示されている。
【0010】
このようにモダフィニルの有益な特性に類似する特性を有する新規クラスの化合物に対する必要性が存在する。本明細書で置換チオアセトアミドと呼ぶクラスの化合物は、本明細書に開示する種々の疾患または障害を処置または防止する薬剤として有用であることが見いだされた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許第7805510号明細書
【特許文献2】米国特許第4,177,290号明細書
【特許文献3】米国特許第4,927,855号明細書
【特許文献4】米国特許第5,180,745号明細書
【特許文献5】米国特許第5,391,576号明細書
【特許文献6】米国特許第5,401,776号明細書
【特許文献7】米国特許第5,612,379号明細書
【特許文献8】米国特許第6,455,588号明細書
【特許文献9】米国特許第6,346,548号明細書
【特許文献10】米国特許第6,488,164号明細書
【特許文献11】米国特許第4,066,686号明細書
【特許文献12】国際公開第99/25329号パンフレット
【特許文献13】米国特許第5,719,168号明細書
【特許文献14】国際公開第95/01171号パンフレット
【特許文献15】国際公開第02/10125号パンフレット
【特許文献16】米国特許第6,492,396号明細書
【特許文献17】米国特許第4,980,372号明細書
【特許文献18】米国特許第4,935,240号明細書
【特許文献19】米国特許第5,563,169号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Terauchi,H,et al.,J.Med.Chem.40,313−321,1997
【非特許文献2】Annis,I;Barany,G.Pept.Proc.Am.Pept.Symp.15th(Meeting Date 1997)343−344,1999
【非特許文献3】Han,Y;Barany,G.J.Org.Chem.62,3841−3848,1997
【非特許文献4】El−Sakka,I.A.,et al.Arch.Pharm.(ワインハイム),327,133−135,1994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の要約
本発明は、1つの観点において過剰な眠気のような疾患の処置、覚醒の促進および/または改善(好ましくは睡眠発作、睡眠時無呼吸(好ましくは閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下)および交替勤務障害に伴う過剰な眠気の患者における覚醒の改善)、パーキンソン病、アルツハイマー病、大脳虚血、発作、摂食障害、注意欠陥障害("ADD")、注意欠陥過活動性障害("ADHD")、鬱病、統合失調症、疲労(好ましくはガンまたは多発性硬化症のような神経学的変性および慢性疲労症候群に伴う疲労)の処置、食欲の刺激および体重増加および認知機能不全の改善に有用な新規化合物を対象とする。
【0014】
これらの化合物は、構造:
【0015】
【化1】

【0016】
を有し、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩であり、ここで構成員は以下に定義する。
【0017】
別の観点では、本発明は製薬学的に許容され得る担体および治療に有効な量の本発明の化合物を含んでなる製薬学的組成物を対象とする。
【0018】
さらに別の観点では、本発明は本明細書に開示する疾患または障害を防止または処置する方法を対象とする。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明の1つの観点では、本明細書に提供する用途に式(A):
【0020】
【化2】

【0021】
[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立して:
a)1〜3個の炭素原子が酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子に置き換え
られることができる6員の芳香族炭素環式環;および
b)i)1個の炭素原子が酸素、窒素または硫黄原子に置き換えられることができるか;
ii)2個の炭素原子が硫黄および窒素原子、酸素および窒素原子、または2個の窒素原子に置き換えられることができるか;あるいは
iii)3個の炭素原子が3個の窒素原子、1個の酸素および2個の窒素原子、または1個の硫黄および2個の窒素原子に置き換えられることができる;
いずれかの5員の芳香族炭素環式環;
から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)、NR10、Cアルキレン、C2−3アルケニレン、C(=O)、C(R21NR10、C(R21)=N、N=C(R21)、C(=O)N(R10)またはNR10C(=O)であり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはH、C−Cアルキル、C−C10アリール、5〜6員のヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、または3〜7員のヘテロシクロアルキルであるが、ただしRがC(=O)NR1213であるならば、RはHであることはできず;
YはC−Cアルキレン−R(ここで1もしくは2個の炭素原子は1もしくは2個のO、NR10またはS(O)基に置き換えられることができるか、あるいは炭素原子はC−C10アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレン、C−Cシクロアルキレンまたは3〜6員のヘテロシクロアルキレン基に置き換えられることができる)、C−Cアルケニレン−RあるいはC−Cアルキニレン−Rであり、ここで該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
は、H、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、OC(=O)R11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立して、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって、3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで該アルキルおよびアリール基およびヘテロシクロアルキル環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C
(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−CアルキルおよびC−C10アリールから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
R=H、そしてYが(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならず;さらに
Yが(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213であるならば、RはC−Cアルキルでなければならない]
の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形が提供される。
【0022】
本発明のさらなる観点では、式(I):
【0023】
【化3】

【0024】
[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立して:
a)1〜3個の炭素原子が酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子に置き換えられることができる6員の芳香族炭素環式環;および
b)i)1個の炭素原子が酸素、窒素または硫黄原子に置き換えられることができるか;
ii)2個の炭素原子が硫黄および窒素原子、酸素および窒素原子、または2個の窒素原子に置き換えられることができるか;あるいは
iii)3個の炭素原子が3個の窒素原子、1個の酸素および2個の窒素原子、または1個の硫黄および2個の窒素原子に置き換えられることができる;
いずれかの5員の芳香族炭素環式環;
から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)、NR10、Cアルキレン、C2−3アルケニレン、C(=O)、C(R21NR10、C(R21)=N、N=C(R21)、C(=O)N(R10)またはNR10C(=O)であり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−R
d)C−Cアルキレン−O(CHOR21
e)1もしくは2個のOR21基で置換されたC−Cアルキル、ただしYは(CH1−4OR21であることはできず;および
f)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキルおよびアルキレンは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
ZはO、NR10A、S(O)、CR21=CR21、C=C(R21、C≡C、C−C10アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレン、C−Cシクロアルキレンまたは3〜6員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
は、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、OC(=O)R11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
は5〜6員のヘテロアリールであり、ここで該ヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立してH、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって、3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで該アルキルおよびアリール基およびヘテロシクロアルキル環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−CアルキルおよびC−C10アリー
ルから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4であり、
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)Yが(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213であるならば、RはC−Cアルキルでなければならない;
2)Yは
【0025】
【化4】

【0026】
ここでJはC−CアルキレンまたはC−Cアルキレン−CO−である、
であることができない;
3)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11、C(=O)NR1213またはC(=NR11)NR1213であるならば、C−Cアルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない;
4)Xが存在しない場合、YはC−Cアルキル−NR1213または−CH=CHCO11であることはできない;
5)Xが結合であり、そしてYがC−Cアルキレン−NR1213であるならば、R12およびR13は各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択される]
の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形が提供される。
【0027】
Xは存在しないか、または結合である場合、YはC−Cアルキレン−NR1213であることはできない式(I)の化合物の他の態様。別の観点では、Xが存在しない場合、RはNR1213であることはできない。さらなる観点では、RはC(=O)NR21OR14を含まない。さらなる観点では、Xが存在せず、RがHであり、そしてYがC−Cアルキレン−C(=O)NR1213であるならば、R12およびR13はOR21またはNR2324で置換されたアルキルを含まず;そして別の観点ではR12およびR13は置換アルキルを含まない。
【0028】
本発明のさらに別の態様では、式(II):
【0029】
【化5】

【0030】
[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立してフェニレン、ピリジレン、チエニレン、または1もしくは2個の炭素原子が窒素原子に置き換えられることができる5員の芳香族環から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)、NR10、CアルキレンまたはCアルケニレンであり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−RまたはC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレン−R
d)C−Cアルキレン−O(CHOR21
e)1もしくは2個のOR21基で置換されたC−Cアルキル、ただしYは(CH1−4OR21であることはできない;
f)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21CHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキルおよびアルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
はCR21=CR21、C=C(R21、C≡C、フェニレン、5〜6員のヘテロアリーレン、C−Cシクロアルキレンまたは5〜6員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで該フェニレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
はO、NR10A、S(O)であり;
はNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、OC(=O)R11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
は5〜6員のヘテロアリールであり、ここで該ヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立してH、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してH、C−Cアルキルおよ
びC−C10アリールから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで該アルキルおよびアリール基およびヘテロシクロアルキル環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−CスピロシクロアルキルC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−CアルキルおよびC−C10アリールから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4であり;
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)Yが(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213またはC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレン−C(=O)NR1213であるならば、RはC−Cアルキルでなければならない;
2)Yは
【0031】
【化6】

【0032】
ここでJはC−CアルキレンまたはC−Cアルキレン−CO−である、
であることができない;
3)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11、C(=O)NR1213またはC(=NR11)NR1213であるならば、C−Cアルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない;
4)Xが存在しない場合、YはC−Cアルキル−NR1213または−CH=
CHCO11であることはできない;
5)Xが結合であり、そしてYがC−Cアルキレン−NR1213であるならば、R12およびR13は各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択される]
の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形が提供される。
【0033】
Xは存在しないか、または結合である場合、YはC−Cアルキレン−NR1213であることはできない式(II)の化合物の他の態様。別の観点では、Xが存在しない場合、RはNR1213であることはできない。さらなる観点では、RはC(=O)NR21OR14を含まない。さらなる観点では、Xは存在せず、RはHであり、そしてYはC−Cアルキレン−C(=O)NR1213であるならば、R12およびR13はOR21またはNR2324で置換されたアルキルを含まず;そして別の観点ではR12およびR13は置換アルキルを含まない。
【0034】
本発明のさらに別の態様では、式(III):
【0035】
【化7】

【0036】
[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立してフェニレン、ピリジレン、フリレン、チエニレン、または1〜3個の炭素原子が窒素原子に置き換えられることができる5員の芳香族環から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)またはNR10であり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−RまたはC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレン−R
d)C−Cアルキレン−O(CHOR21
e)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH;および
f)CHCR21=C(R21またはXが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキルおよびアルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
はCR21=CR21、C=C(R21、C≡C、またはフェニレンであり、
ここで該フェニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
はO、NR10AまたはS(O)であり;
はNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
はピリジル、フリル、チエニルまたは1〜3個の窒素原子を含有する5員のヘテロアリール基であり、ここで該ヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立して、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで該アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4であり;
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)Yが(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213またはC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレン−C(=O)NR1213であるならば、RはC−Cアルキルでなければならない;
2)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、C−Cアルキレン基はスピロシク
ロアルキル基で置換されていなければならない;
3)Xが存在しない場合、YはC−Cアルキル−NR1213または−CH=CHCO11であることはできない;
4)Xが結合であり、そしてYがC−Cアルキレン−NR1213であるならば、R12およびR13は各々独立してHまたはC−Cアルキルから選択される]
の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形が提供される。
【0037】
Xは存在しないか、または結合である場合、YはC−Cアルキレン−NR1213であることはできない式(III)の化合物の他の態様。別の観点では、Xが存在しない場合、RはNR1213であることはできない。さらなる観点では、RがC(=O)NR21OR14を含まない。さらなる観点では、Xが存在せず、RがHであり、そしてYがC−Cアルキレン−C(=O)NR1213であるならば、R12およびR13はOR21またはNR2324で置換されたアルキルを含まず;そして別の観点ではR12およびR13は置換アルキルを含まない。
【0038】
本発明のさらなる態様では、式(IV):
【0039】
【化8】

【0040】
[式中、
フェニレン環は各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、または結合であり;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)C−Cアルキレン−O(CHOR21
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH;および
e)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21CHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキレン基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
はピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
はフリル、チエニル、1〜2個の窒素原子を含有する5員のヘテロアリール基、またはトリアゾリルであり、ここで該R基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで該アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
12AおよびR13Aは各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよび5員のヘテロアリールから選択され;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
pは1、2、3または4であり;
qは1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、C−Cアルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならず;
2)Xが存在しない場合、YはC−Cアルキル−NR1213であることはできず、ここでNR1213はピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルである]の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形が提供される。
【0041】
Xが存在しないか、または結合である場合、YはC−Cアルキル−NR1213であることはできない式(IV)の化合物の他の態様、ここでNR1213はピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルである。別の観点では、Xが存在しない場合、Rはピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルまたはC(=O)NR21OR14であることはできない。さらなる観点では、Xが存在せず、RがHであり、そしてYがC−Cアルキレン−C(=O)NR1213であるならば、R12およびR13はOR21またはNR2324で置換されたアルキルを含まず;そして別の観点ではR12およびR13は置換アルキルを含まない。
【0042】
本発明のさらなる観点には、Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)C−Cアルキレン−O(CHOR21
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH
e)CHCH=CHまたはXが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHC(=C)CH
から選択され、ここで該アルキレン基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
がピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
がフリル、チエニルまたはトリアゾロニルであり、ここで該R基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13が各々存在する際には、各々独立してHおよび場合によりC(=O)NR12ANR13Aで置換されてもよいC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し;
12AおよびR13Aが各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびチエニルから選択され;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、=O、C(=O)R22、CO21、C(=O)NR2324またはNR21C(=O)R22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
pが1、2、3または4であり;
qが0、1または2である式(IV)の化合物を含む。
【0043】
本発明のさらなる態様では、式(V):
【0044】
【化9】

【0045】
[式中、
フェニレン環が各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xが結合、O、S(O)、NR10、CアルキレンまたはCアルケニレンであり,ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
RがHまたはC−Cアルキルであり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21CHCR21=C(R21
から選択され;
がピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213およびNR21S(O)11から選択され;
10が独立してH、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R14およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで該アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
yが0、1または2であるが,ただしR=H、Yが(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213であるならば、C−Cアルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない]
の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形が提供される。
【0046】
本発明のさらなる観点には、Xが結合であり、RがC−Cアルキルであり、YがC−Cアルキル−C(=O)NR1213である式(V)の化合物を含む。
【0047】
別の観点には、Xが結合であり、RがHであり、YがC−Cアルキル−Rであり、そしてRがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14またはNR21S(O)11から選択される式(V)の化合物を含む。
【0048】
さらなる観点には、Xが結合であり、そしてYがCHCR21=C(R21CH
CR21=C(R21である式(V)の化合物を含む。
【0049】
さらに別の観点では、YがCHCH=CHまたはCHC(=C)CHである式(V)の化合物が含まれる。
【0050】
さらなる観点には、フェニレン環が各々独立して1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
qが1であり;
Xが結合であり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)CHCH=CHまたはXが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHC(=C)CH
から選択され;
がピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213およびNR21S(O)11から選択され;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13が各々存在する際には、各々独立してHおよび場合によりC(=O)NR12ANR13Aで置換されてもよいC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し;
12AおよびR13Aが各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、=O、C(=O)R22、CO21、C(=O)NR2324またはNR21C(=O)R22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基である式(V)の化合物が提供される。
【0051】
さらに別の本発明の別の態様では、式(VI):
【0052】
【化10】

【0053】
[式中、
ArおよびArが各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されてもよいフェニルであり;
RがHまたはC−Cアルキルであり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)C−Cアルキレン−O(CHOR21
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH
から選択され;
がC(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
がフリル、チエニルまたはトリアゾリルであり、ここで該R基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
12AおよびR13Aは各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよび5員のヘテロアリールから選択され;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
pは1、2、3または4であり;
yは0、1または2であるが、ただしR=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、C−Cアルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない]
の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩が提供される。
【0054】
本発明のさらなる観点には、RがC−Cアルキルであり、そしてYがC−Cアルキル−C(=O)NR1213である式(VI)の化合物を含む。別の観点では、RがC(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、S(O)NR12A13AまたはPO(OR21である。
【0055】
別の観点にはRがHであり、そしてYがC−Cアルキル−Rであり、ここで該ア
ルキルはスピロシクロアルキルで置換され、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213である式(VI)の化合物を含む。
【0056】
さらなる観点には、RがC(=O)NR1213である式(VI)の化合物を含む。
【0057】
別の観点では、RがC(=O)R15、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択される式(VI)の化合物が含まれる。
【0058】
さらなる観点には、YがC−Cアルキレン−O(CHOR21である式(VI)の化合物を含む。
【0059】
さらなる観点には、YがCHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CHである式(VI)の化合物がある。
【0060】
さらなる観点では、ArおよびArが各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されてもよいフェニルであり;
RがHまたはC−Cアルキルであり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)CHCHO(CHOCH
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH
から選択され;
がC(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
がフリル、チエニルまたはトリアゾロニルであり;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
12AおよびR13Aは各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびチエニルから選択され;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cスピロシクロアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、C(=O)NR2324およびNR21C(=O)R22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であるが、ただし
1)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、RがCO11また
はC(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない式(VI)の化合物を含む。
【0061】
さらに別の観点には、RがHであり;またはRがC(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;またはYがC−Cアルキレン−Rである式(VI)の化合物である。
【0062】
本発明のさらなる観点では、qが1または2である任意の前記式の化合物が含まれる。特定の観点では、qは0である。別の観点ではqは1である。さらなる観点では、qは2である。
【0063】
本発明の別の観点では、qが前記態様の任意の部分であることができ、そしてRが以下のように選択され得る任意の前記式の化合物が含まれる。1つの観点ではRはHである。別の観点ではRはC−Cアルキルである。さらなる観点では、RはC−Cアルキルであり、好ましくはメチルまたはエチル、そしてさらに好ましくはメチルである。
【0064】
本発明の特定の態様には、qおよびRが前記態様の任意の部分であることができ、そして環AおよびBが以下のように選択され得る任意の前記式の化合物が含まれる。1つの観点では、環AおよびBはフェニレンである。別の観点では、環AおよびBは各々独立して:a)1〜3個の炭素原子が窒素原子により置き換えられることができる6員の芳香族炭素環式環、好ましくはピリジレン、ピラジニレンまたはピリミジニレン;およびb)i)1個の炭素原子が酸素、窒素または硫黄原子に置き換えられることができるか;ii)2個の炭素原子が硫黄および窒素原子、酸素および窒素原子、または2個の窒素原子に置き換えられることができるか;あるいはiii)3個の炭素原子が3個の窒素原子、1個の酸素および2個の窒素原子、または1個の硫黄および2個の窒素原子に置き換えられることができる、いずれかの5員の芳香族炭素環式環から選択される。さらなる観点では、環AおよびBは各々独立してフェニレン、ピリジレン、チエニレン、または1もしくは2個の炭素原子が窒素原子に置き換えられることができる5員の芳香族環から選択される。さらなる観点では、環AおよびBは各々独立して、フェニレン、ピリジレン、ピリジニレン、ピリミジニレン、ピロリレン、ピラゾリレン、イミダゾリレン、フリレンおよびチエニレンから選択される。
【0065】
本発明の別の観点では、q、Rおよび環AおよびBが前記態様の任意の部分であることができ、そしてXが以下のように選択されることができる任意の前記式の化合物が含まれる。1つの観点では、Xは存在せず、結合、O、CアルキレンまたはC(=O)である。さらなる観点では、Xは存在しないか、または結合である。さらなる観点では、Xが存在せず、そして好ましくはA−B−X部分がPhCHである。さらなる観点では、Xが結合であり、そして好ましくは三環式A−B−X部分がフルオレニルである。別の観点ではXがO、S(O)、NR10であり、そして好ましくはOである。別の観点にはCアルケニレンとしてのXを含む。さらなる観点では、XはC2−3アルケニレン、C(=O)、C(R21NR10、C(R21)=N、N=C(R21)、C(=O)N(R10)またはNR10C(=O)である。
【0066】
本発明の特定の観点では、q、R、環AおよびB、XおよびYが前記態様の任意の部分であることができ、そしてYがC−Cアルキレン−Rであり、特にYがC−Cアルキレン−Rであるか、またはYがCH−Rであるか、またはYがCHCH−Rである任意の前記式の化合物が含まれる。
【0067】
本発明の別の観点には、q、R、環AおよびB、およびXが前記態様の任意の部分であ
ることができ、そしてYが以下のように選択されることができる任意の前記式の化合物を含む。1つの観点では、YがC−Cアルキレン−Rであり、特にRがフリル、チエニルまたはトリアジニルであるか、または2−トリアゾロニルである化合物である。別の観点では、YがC−Cアルキレン−O(CHOR21であり、特にYがCHCHO(CHOCHである化合物である。さらなる観点では、Yが1もしくは2個のOR21基で置換されたC−Cアルキルであり、ここで該アルキル基は場合によりさらに1〜3個のR20基で置換され、そして特にYはCHC(OH)(CHまたはCHC(CHOHまたはCHC(OH)CFまたはCHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CHである。さらなる観点では、YはCHCR21=C(R21であり、そして特にYはCHCH=CHまたはCHC(=C)CHである。
【0068】
本発明のさらなる観点には、q、R、環AおよびB、XおよびYが前記態様の任意の部分であることができ、そしてYが(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−Rであり、特にYがC−Cアルキレン−Z−Rであるか、またはYがZ−C−Cアルキレン−Rであるか、またはYがC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレン−Rである化合物が含まれる。
【0069】
本発明のさらなる観点には、q、R、環AおよびB、XおよびYが前記態様の任意の部分であることができ、そしてZが以下のように選択され得る任意の前記式の化合物を含む。1つの観点では、ZがCR21=CR21、C≡Cまたはフェニレンであるか、またはより詳細にはZがCR21=CR21であるか、またはZがフェニレンである。他の観点にはZがCR21=CR21またはC≡Cである化合物を含む。他の観点には、ZがC−Cシクロアルキレンであり、そして特にシクロペンチレンまたはシクロヘキシレンである化合物を含む。他の観点には、Zが5〜10員のヘテロアリーレン、特に窒素、好ましくは1もしくは2個の窒素原子を含有する5〜6員のヘテロアリーレンである化合物を含む。さらなる観点には、Zが3〜6員のヘテロシクロアルキレンである化合物を含む。
【0070】
本発明のさらなる観点には、q、R、環AおよびB、XおよびYが前記態様の任意の部分であることができ、そしてYがC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレンであるか、またはYがC−Cアルキレン−Zであり、ここでZがO、NR10AまたはS(O)、特にZがOである化合物を含む。さらなる観点には、ZがNR10AであるYの任意の上記態様を含む。
【0071】
本発明のさらなる観点は、q、R、環AおよびB、X、Y、ZおよびZが前記態様の任意の部分であることができ、そしてRが以下に列挙する段落から選択される任意の部分であることができる化合物を含む:
1.NR1213、特にR12およびR13が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるもの、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキル、特にピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルを形成するもの。
2.NR21C(=O)R14
3.C(=O)R15、特にR15がC−Cアルキルまたはチエニルであるもの。
4.CO11、特にR11がC−Cアルキルであるもの。
5.OC(=O)R11
6.C(=O)NR1213
7.C(=O)NR21OR14
8.C(=NR11)NR1213
9.NR21S(O)11
10.S(O)NR1213
11.NR21S(O)NR1213
12.PO(OR21
【0072】
本発明の他のさらなる観点には、q、R、環AおよびB、X、Y、ZおよびZが前記態様の任意の部分であることができ、そしてRが前に列挙した段落から選択される値の組み合わせであることができる任意の前記式の化合物を含む。前に列挙した段落を組み合わせて、任意の前記式の化合物のさらに好適な態様を定義することができる。例えば1つのそのような組み合わせには、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、OC(=O)R11、C(=O)NR1213、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213またはPO(OR21を含む。さらなる組み合わせにはNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213またはPO(OR21を含む。
【0073】
第3のそのような組み合わせには、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR1213およびPO(OR21を含む。
【0074】
第4のそのような組み合わせには、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213、NR21S(O)11またはS(O)NR1213を含む。
【0075】
第5のそのような組み合わせには、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR1213およびPO(OR21を含む。
【0076】
第6のそのような組み合わせには、C(=O)R15、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21を含む。
【0077】
第7のそのような組み合わせには、C(=O)R15、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21を含む。
【0078】
第8のそのような組み合わせには、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213、NR21S(O)11およびS(O)NR1213を含む。
【0079】
本発明のさらなる観点には、q、R、環AおよびB、X、Y、Z、ZおよびRが前記態様の任意の部分であることができ、そしてR12およびR13が独立してHまたはC−Cアルキルであるか、またはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成する任意の前記式の化合物を含む。別の観点では、R12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって、1〜2個の窒素原子を含有する5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成するか、またはより好ましくはピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルを形成する。特定の観点では、ヘテロシクロアルキル環は1個のR20基で置換されることができ、そして別の観点ではヘテロシクロアルキル環は非置換である。
【0080】
本明細書に含まれる以下の用語および表現は、以下のように定義する:
本明細書で使用する用語「約」は、特定する値の±10%からの値の範囲を指す。例え
ば「約50mg」という句には、50の±10%、すなわち45〜55mgを含む。
【0081】
本明細書で使用する、「x〜y」または「xからy(x to y)」または「xからy(x through y)」の状態の値の範囲には、整数x、yおよびその間の整数を含む。例えば句「1〜6」または「1から6」または「1から6」は、整数1、2、3、4、5および6を含むことを意図している。好適な態様には、各個別の整数範囲、ならびに整数の任意のサブコンビネーションを含む。例えば「1〜6」の好適な整数には、1、2、3、4、5、6、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6等を含むことができる。
【0082】
本明細書で使用する「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純度までの単離に耐える(survive)ために十分丈夫であり、そして好ましくは効力のある治療薬に配合することができる化合物を称する。本発明は安定な化合物のみを対象とする。
【0083】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、ヘキシル、オクチル等のような1〜8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を称する。アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニル基のようなアルキル含有基のアルキル部分は、上記定義のアルキルと同じ意味を有する。好適な低級アルキル基は、1〜4個の炭素を含む上記定義のアルキル基である。「C−Cアルキル」のような表記は、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を称する。
【0084】
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する2〜8個の炭素原子の直鎖もしくは分枝炭化水素鎖を指す。「C−Cアルケニル」の表記は、2〜8個の炭素原子を含むアルケニル基を称する。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、2,4−ペンタジエニル等を含む。
【0085】
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する2〜8個の炭素原子の直鎖もしくは分枝炭化水素鎖を指す。「C−Cアルキニル」の表記は、2〜8個の炭素原子を含むアルキニル基を称する。例には、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、3,5−ヘキサジイニル等を含む。
【0086】
本明細書で使用する用語「アルキレン」は、2個の水素原子の除去により形成される1〜8個の炭素原子の置換もしくは非置換の分枝もしくは直鎖炭化水素を指す。「C−Cアルキレン」のような表記は、1〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を称する。例には、メチレン(−CH−)、プロピリデン(CHCHCH=)、1,2−エタンジイル(−CHCH−)等を含む。
【0087】
本明細書で使用する用語「フェニレン」は、さらなる水素原子が除かれたフェニル基、すなわち:
【0088】
【化11】

【0089】
の構造を持つ部分を称する。
【0090】
本明細書で使用する用語「炭素環」、「炭素環式」または「カルボシクリル」は、飽和、部分的に飽和もしくは不飽和であり、そして3〜10個の環炭素原子を含む置換または非置換の安定な単環式または二環式炭化水素環系である。したがって炭素環式基は、芳香族または非芳香族であることができ、そして本明細書に定義するシクロアルキルおよびアリール化合物を含む。炭素環式基の環内炭素原子を連結する結合は、単、二重、三重または縮合芳香族部分の一部であることができる。
【0091】
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子を含有する飽和もしくは部分的に飽和の単または二環式アルキル環系を指す。「C−Cシクロアルキル」」のような表記は、5〜7個の環炭素原子を含有するシクロアルキル基を指す。好適なシクロアルキル基には、5もしく6個の環炭素原子を含有するものを含む。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ピネニルおよびアダマンタニルを含む。
【0092】
本明細書で使用する用語「アリール」は、6〜12個の環炭素原子を有する置換もしくは非置換の単もしくは二環式炭化水素芳香族環系を指す。例にはフェニルおよびナフチルを含む。好適なアリール基には非置換または置換フェニルおよびナフチル基を含む。「アリール」の定義に含まれるのは、縮合環系であり、例えば芳香族環がシクロアルキル環に縮合した環系を含む。そのような縮合環系の例には、例えばインダン、インデンおよびテトラヒドロナフタレンを含む。
【0093】
本明細書で使用する用語「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクリル」は、環部分がO、NまたはSのような少なくとも1個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換の炭素環式基を指す。窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されてもよく、そして窒素は場合により非芳香族環に置換されてもよい。複素環にはヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル基を含むものとする。
【0094】
本明細書で使用する用語「ヘテロシクロアルキル」は、1もしくは複数の環炭素原子が、−O−、−N−または−S−のような少なくとも1つのヘテロ原子により置き換えられたシクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキル基の例には、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラザリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、ジチオリル、オキサチオリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、ピラニル、オキサジニル、オキサチアジニルおよびオキサジアジニルを含む。
【0095】
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」とは、1もしくは複数の環炭素原子が−O−、−N−または−S−のような少なくとも1つのヘテロ原子により置き換えられている5〜10個の環炭素原子を含有する芳香族基を指す。ヘテロアリール基の例には、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサチオリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル(1,2,3トリアゾリル、1,2,4トリアゾリルおよび3−オキソ−1,2,4トリアゾリルを含む)、オキサトリアゾリル、フラザニル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピコリニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、プリニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チアナフテニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニルおよびキノキサリニルを含む。「ヘテロアリール」の定義に含まれるのは、例えば芳香族がヘテロシクロアルキル環に縮合した環系を含む縮合環系である。そのような縮合環系の例には、例えばフタルアミド、無水フタル酸、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロイソキノリン、クロマン、イソクロマン、クロメンおよびイソクロメンを含む。
【0096】
本明細書で使用する用語「アリールアルキル」は、アリール基で置換されているアルキル基を指す。アリールアルキル基の例には、限定するわけではないがベンジル、ブロモベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ジフェニルエチル、ナフチルメチル等を含む。
【0097】
本明細書で使用する用語「スピロシクロアルキル」は、シクロアルキル基および炭素鎖または炭素環部分に共通の炭素原子により、炭素鎖または炭素環部分に結合したシアルキル基を指す。例えばR基(ここでR基は5個の炭素原子を含有するスピロシクロアルキルである)で置換されたCアルキル基は:
【0098】
【化12】

【0099】
を指す。
【0100】
本明細書で使用する用語「アミノ酸」は、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する基を指す。アミノ酸の態様には、α−アミノ、β−アミノ、γ−アミノ酸がある。α−アミノ酸は一般式HOOC−CH(側鎖)−NHを有する。特定の態様では、本発明の化合物の置換基には、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基を含む;すなわち式−C(=O)CH(NH)−(側鎖)の基。アミノ酸はそれらのD、Lまたはラセミ立体配置であることができる。アミノ酸には天然に存在する、および天然には存在しない部分を含む。天然に存在するアミノ酸にはグリシン、セリン、チロシン、プロリン、ヒスチジン、グルタミン等のような、タンパク質に見いだされる標準の20種のα−アミノ酸を含む。天然に存在するアミノ酸は非α−アミノ酸(β−アラニン、γ−アミノ酪酸、ホモシステイン等のような)、希少なアミノ酸(4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリシン、3−メチルヒスチジン等のような)、および非タンパク質アミノ酸(シトルリン、オルニチン、カナバニン等のような)を含むこともできる。天然には存在しないアミノ酸は当該技術分野では周知であり、そして天然アミノ酸の類似体を含む。Lehninger,A.L.生化学(Biochemistry)、第2版;ワース(Worth)出版社:ニューヨーク、1975;71−77(この開示は引用により本明細書に編入する)を参照にされたい。天然には存在しないアミノ酸は側鎖が合成誘導体に置き換えられているα−アミノ酸を含む。天然に存在する、および天然には存在しないα−アミノ酸の代表的側鎖を、以下の表Aに示す。
【0101】
【表1】

【0102】
本明細書で使用する用語「個体」は、本明細書に記載する1もしくは複数の疾患および状態に罹患した、または罹患する恐れがある哺乳動物、好ましくはヒト、またはヒトの子供のような温血動物を指す。
【0103】
本明細書で使用する「治療に有効な量」は、特定の障害の症状を防止または処置するために効果的な本発明の化合物の量を指す。そのような疾患には限定するわけではないが、本明細書に記載する異常な活性に関連する病理学的および神経学的障害を含み、ここで処置または防止は、受容体を本発明の化合物と接触させることによりその活性を阻害すること、誘導すること、または強化することを含んでなる。
【0104】
本明細書で使用する用語「製薬学的に許容され得る」とは、医学的判断という範囲内で、過剰な毒性、炎症、アレルギー応答または他の問題のある合併症なしに、合理的に釣り合った利益/危険率でヒトおよび動物の組織と接触するために適切な化合物、材料、組成物および/または剤形を指す。
【0105】
本明細書で使用する用語「単位用量」とは、患者に投与することができ、そして容易に取り扱え、そして包装することができる単回用量を指し、活性化合物のみを含んでなるか、またはこれから記載する製薬学的に許容され得る組成物として、物理的および化学的に安定な単位用量として存在する。
【0106】
本発明の記載に使用する他のすべての用語は、当該技術分野で周知であるそれらの意味を有する。
【0107】
別の観点では本発明は上記化合物の製薬学的に許容され得る塩を対象とする。本明細書で使用する「製薬学的に許容され得る塩」は、本発明の化合物と非毒性の酸または塩基付加塩との組み合わせから誘導化されるそのような化合物の塩を含む。
【0108】
酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸のような無機酸、ならびに酢酸、クエン酸、プロピオン酸、酒石酸、グルタミン酸、サリチル酸、蓚酸、メタンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、コハク酸および安息香酸のような有機酸、ならびに関連する無機酸および有機酸を含む。
【0109】
塩基付加塩には、アンモニウムおよびアルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等のような無機塩基から誘導化されるもの、ならびに脂肪族および芳香族アミン、脂肪族ジアミン、ヒドロキシアルカミン等のような塩基性有機アミンから誘導化される塩を含む。本発明の塩を調製するために有用なそのような塩基は、このように水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、メチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン等を含む。
【0110】
製薬学的に許容され得る塩に加えて、他の塩も本発明に含まれる。それらは化合物の精製に、他の塩の調製に、あるいは化合物または中間体の同定および特性決定に中間体として役立つことができる。
【0111】
本発明の化合物の製薬学的に許容され得る塩は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル等とのような種々の溶媒和物として存在することができる。そのような溶媒和物の混合物も調製することができる。そのような溶媒和物の供給源は、調製または結晶化の溶媒に本質的な、またはそのような溶媒に二次的な結晶化の溶媒に由来することができる。そのような溶媒和物は本発明の範囲内である。
【0112】
また本発明は、本明細書に開示する化合物の製薬学的に許容され得るプロドラッグも包含する。本明細書で使用する「プロドラッグ」は、個体の体内での代謝過程により本発明の範囲の式を有する活性剤に転換される任意の化合物を含むことを意図する。プロドラッグは薬剤の数々の所望する品質(例えば溶解性、生物学的利用性、製造等)を強化することが知られているので、本発明の化合物をプロドラッグ形で送達することができる。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製に関する通例の手順は、例えばプロドラッグ(Prodrugs),Sloane,K.B.,編集;マルセルデッカー(Marcel Dekker);ニューヨーク、1992(引用により全部、本明細書に記載する)に記載されている。
【0113】
本発明の化合物は、種々の立体異性体形で存在することができると認識されている。そのように本発明の化合物は、ジアステレオマーまたはエナンチオマーのようなすべての立体異性体を含む。化合物は通常、ラセミ体として調製され、そして都合良くそのまま使用することができるが、個々の立体異性体を所望により通常の技術で単離または合成することができる。そのような立体異性体は本発明に含まれ、それらにはラセミ体および個々の
エナンチオマーおよびジアステレオマーおよびそれらの混合物を含む。
【0114】
当該技術分野では、そのような光学的に活性な形態をどのように調製し、そして単離するかよく知られている。特異的な立体異性体は、エナンチオマー的に純粋またはエナンチオマーが濃縮された出発材料を使用して立体特異的合成により調製することができる。出発材料または生成物のいずれかの特異的な立体異性体は、ラセミ体の分割、順相、逆相およびキラルクロマトグラフィー、再結晶化、酵素的分割、またはその目的に使用された試薬により形成された付加塩の分別再晶出のような当該技術分野で既知の技術により分割および回収することができる。特異的な立体異性体の分割および回収に有用な方法は、Eliel,E.L.;Wilen,S.H.有機化合物の立体化学(Stereochemistry of Organic Compounds);ウィリー:ニューヨーク、1994、およびJacques,J,et.al.エナンチオマー、ラセミ体および分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions);ウィリー:ニューヨーク、1981(各々、引用により本明細書に編入する)に記載されている。
【0115】
さらに本発明の化合物上に存在する官能基は、保護基を含むことができると認識されている。例えば本発明の化合物のアミノ酸側鎖の置換基は、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニル基のような保護基で置換され得る。保護基はそれ自体、ヒドロキシル基およびカルボキシル基のような官能性を選択的に加え、そして除去することができる化学的官能基として知られている。これらの基は化合物が曝される化学的反応条件に対しててそのような官能基を不活性にするために、化学的化合物中に存在する。本発明に任意の種々の保護基を使用することができる。ラクタムを保護するために好適な保護基には、t−ブチルジメチルシリル("TBDMS")のようなシリル基、ジメトキシベンズヒドリル("DMB")、アシル、ベンジル("Bn")、およびメトキシベンジル基を含む。ヒドロキシ基を保護するための好適な基には、TBS、アシル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル("CBZ")、t−ブチルオキシカルボニル("Boc")およびメトキシメチルがある。当業者に使用されている多くの他の標準的保護基は、Greene,T.W.and Wuts,P.G.M.,有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第2版、ウィリー&サンズ、1991に見いだすことができる。
【0116】
合成および実施例
本発明の化合物は、限定するわけではないが以下に記載するものを含め、当業者に周知な多数の方法で調製することができ、または有機合成の当業者に既知の標準技法を応用することによりこれらの修飾を介して調製することができる。試薬および出発材料は市販されているか、または当業者に周知な技術により容易に合成される。合成スキームにおけるすべての置換基は、他に示さない限り、前に定義した通りである。本発明と関連して開示するすべての方法は、ミリグラム、グラム、マルチグラム、キログラム、マルチキログラムまたは商業上の工業規模を含む任意の規模で実施されることを意図している。
【0117】
本明細書に開示する用途に有用な本発明により包含される化合物の具体例には、以下の表に説明するものを含む。この一覧は、代表例のみを意味し、本発明の範囲をどのようにも限定するものではない。
【0118】
【表2】

【0119】
【表3】

【0120】
【表4】

【0121】
本発明の化合物は、以下に示すような種々の合成プロトコールに従い生成することができる。
【0122】
【化13】

【0123】
化合物P2、P3およびP4に関する一般合成手順
化合物P4の合成は、化合物Pから開始することができる。すなわち化合物Pは、アルキルマグネシウムハライド(RMgX)試薬を用いた反応により、対応するヒドロキシル化合物P1に転換される。次いで化合物P1は、有機酸、例えばトリフルオロ酢酸の存在下でチオール化合物(末端カルボアルコキシ基を含有する)と反応して、化合物P2を生成することができる。カルボン酸部分を介する化合物P2から化合物P3への転換は、LiOHを用いた塩基性加水分解、続いてアミド化反応により行うことができる。適切な試薬、例えば酸性媒質中の過酸化水素または有機溶媒中のm−クロロ過安息香酸による化合物P3の酸化で、化合物P4を生じる。
【0124】
【化14】

【0125】
化合物Bの調製
化合物A(5g、27.7ミリモル)の撹拌溶液(60mLの乾燥THF中)に、0℃でN下にてMeMgBr(3M、ジエチルエーテル中、9.24mL)を加えた。冷却浴を取り外し、そして混合物をさらに1.5時間撹拌した。さらにMeMgBr(0.8ml)を反応混合物に加え、続いてさらに3時間撹拌した。反応は氷水で慎重にクエンチし、そして酢酸エチル(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して化合物B(4.76g)を得た:H−NMR(DMSO−d)δ7.73(d,2H),7.53(dd,2H),7.36−7.28(m,4H),5.51(s,1H),1.57(s,3H)。
【0126】
化合物B1の調製
この化合物は、MeMgBrの代わりにEtMgBrを使用することを除き、化合物Bの合成について前に記載した類似の手順に従い調製した。このようにして5gの化合物Aから出発して、2.69gの化合物B1が得られた:H−NMR(DMSO−d)δ7.73(d,2H),7.47(d,2H),7.36−7.27(m,4H),5.51(s,3H),2.02(q,2H),0.42(t,3H)。
【0127】
化合物Cの調製
化合物B(1.5g、7.6ミリモル)、チオグリコール酸メチル(0.68mL、7.6ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(0.58mL、7.6ミリモル)の混合物(15mLのCHCl中)を室温で18時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウムでクエンチし、そしてCHClに抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(1×50mL)、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:酢酸エチル::8:1)、1.8gの生成物を淡黄色の固体として得た:H−NMR(DMSO−d)δ7.84−7.82(m,2H),7.57−7.55(m,2H),7.41−7.34(m,4H),3.21(s,3H),2.58(s,2H),1.71(s,3H)。
【0128】
化合物C1の調製
この化合物は、化合物Bの代わりに化合物B1を使用することを除き、化合物Cの合成について前に記載した類似の手順に従い調製した。このようにして2.68gの化合物B1から出発して、3.7gの生成物が得られた:H−NMR(DMSO−d)δ7.84−7.82(m,2H),7.51−7.49(m,2H),7.41−7.34(m,4H),3.21(s,3H),2.58(s,2H),2.23(q,2H),0.35(t,3H)。
【0129】
化合物Dの調製
化合物C(0.5g、1.75ミリモル)の溶液(6mLのメタノール中)に、室温でLiOH・HO(0.088g、2.1ミリモル)(2mLの水中)を加えた。反応混合物をこの温度で3時間撹拌し、次いで60℃で1時間撹拌した。次いでこれを濃縮し、水(20mL)で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄し(2×15mL)、2N HClで酸性化し(pH〜2)、そして酢酸エチルで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空化で濃縮して0.41gの生成物を得た:H−NMR(CDCl):δ9.30(bs,1H),7.70(d,2H),7.60(d,2H),7.30(m,4H),2.50(s,2H),1.80(s,3H)。
【0130】
実施例I−1
化合物I−1(化合物E、ここでNR=NH)の合成
化合物D(2.35g、8.6ミリモル)の還流溶液(18mLのベンゼン中)に、塩化チオニル(2.6mL、34.7ミリモル)を滴下した。反応混合物を1時間加熱し、真空下で濃縮し、ジクロロメタン(50mL)に溶解し、そして室温にて28%NHOH(10mL)で処理した。混合物を1時間激しく撹拌し、そして層が分離した。水性層をジクロロメタン(1×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×20mL)、ブライン(1×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して残渣を得、これをエーテルでトリチュレートして1.54gの生成物を得た:H−NMR(CDCl):δ7.70(d,2H),7.60(d,2H),7.30(m,4H),5.80(bs,1H),5.10(bs,1H),2.50(s,2H),1.80(s,3H)。
【0131】
実施例I−2
化合物I−2(化合物E、ここでNR=NMe)の合成
この化合物は、アミド化工程で28%NHOHの代わりにジメチルアミンガスを使用する実施例I−1に記載した類似の手順に従い調製し、そして最終生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン::1:1)により精製した。このようにして2.3gの化合物Dから出発して、1.8gの生成物を得た:H−NMR(CDCl):δ7.70−7.60(m,4H),7.30(m,4H),2.70(s,3H),2.60(s,3H),2.50(s,2H),1.80(s,3H)。
【0132】
実施例I−3
化合物I−3(化合物E、ここでNR=NH−(s)−CH(Me)CONH)の合成
化合物D(2g、7.35ミリモル)の溶液(10mLのDMF中)に室温で順次、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート("TBTU")(1.2当量)、そして−メチルモルホリン("NMM")(1mL)を加えた。混合物を10分間撹拌し、アラニン塩酸塩(1.37g、11ミリモル)およびNMM(2mL)の混合物(15mLのDMF中)で滴下処理し、そして一晩撹拌した。次いで反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×20mL)、ブライン(1×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗固体を得、これをエーテルでトリチュレートして2.50gの生成物を得た:H−NMR(DMSO−d):δ760−7.10(m,8H),7.00(s,1H),6.80(s,1H),3.70(m,1H),2.30(m,2H),2.20(s,1H),1.50(s,3H),0.80(d,3H)。
【0133】
実施例I−4
化合物I−4(化合物E、ここでNR−ピロリジニル)の合成
化合物C(1.76g、6.2ミリモル)、ピロリジン(2.58mL、31ミリモル)およびメタノール(10mL)の混合物を室温で65時間撹拌し、そして濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル::1:1)により精製して1.32gの生成物を得た:H−NMR(DMSO−d)δ7.85−7.83(m,2H),7.62−7.60(m,2H),7.42−7.35(m,4H),3.00(t,2H),2.83(t,2H),2.54(s,2H),1.72(s,3H),1.69−1.59(m,4H)。
【0134】
実施例I−5
化合物I−5(化合物E1、ここでNR=NH)の合成
化合物C1(1.24g、4.2ミリモル)、メタノール(5mL)およびNHガスの混合物を、50℃で密閉管中に20時間維持し、室温に冷却し、NHガスを再供給し、そして50℃でさらに20時間維持した。次いで反応混合物を濃縮し、そしてエーテルでトリチュレートして0.94gの生成物を得た。この物質をさらに精製せずに次の工程で使用した:H−NMR(DMSO−d)δ7.86−7.82(m,2H),7.65−7.52(2H),7.42−7.35(m,4H),7.12(br s,1H),6.83(br s,1H),2.48(s,2H),2.25(q,2H),0.35(t,3H)。
【0135】
実施例I−6
化合物I−6(化合物E1、ここでNR−ピロリジニル)の合成
この化合物は、室温で行うアミド化工程で28%NHOHの代わりにピロリジンを使用する前の実施例I−5に記載した類似の手順に従い調製し、そして最終生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン::1:1)により精製した。このようにして1.29gの化合物I−2から出発して、1.38gの生成物を得た:H−NMR(DMSO−d)δ7.86−7.83(m,2H),7.56−7.54(m,2H),7.41−7.35(m,4H),3.01(t,2H),2.84(t,2H),2.24(q,2H),2.50(m,2H),1.68−1.59(m,4H),0.37(t,3H)。
【0136】
実施例I−7
代表的化合物I−7(化合物F、ここでNR=NH)の合成
化合物I−1(1.18g、4.3ミリモル)(10mLの氷酢酸中)および50%水性H(1.1当量)の混合物を室温で2時間撹拌し、さらに過酸化物(0.2当量)で処理し、そしてさらに1時間撹拌した。次いでこれを水(20mL)で希釈し、そして酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層を2%水性重炭酸ナトリウム(2×10mL)、水(1×10mL)、そしてブライン(1×10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗固体を得、これをエーテルでトリチュレートして1.09gの生成物を得た:H−NMR(DMSO−d):δ7.80(t,2H),7.50−7.30(m,7H),6.90(b,1H),2.10−1.90(q,2H),1.80(s,3H)。
【0137】
実施例I−8
化合物I−8(化合物F1、ここでNR=NH)の合成
実施例I−7に記載した手順と同じ手順に従い、化合物I−5を酸化して生成物を得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.00(m,2H),7.50(m,6H),7.40(d,1H),7.10(d,1H),2.50(m,2H),2.20(dd,2H),0.50(t,3H)。
【0138】
実施例I−9
化合物I−9(化合物F、ここでNR=NMe)の合成
実施例I−7に記載した手順と同じ手順に従い、化合物I−2を酸化して生成物を得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.20−7.50(一連のm,8H),2.80(s,3H),2.50(s,3H),2.60−2.30(2d,2H),2.10(s,3H)。
【0139】
化合物I−10
化合物I−10(化合物F、ここでNR=NH−(s)−CH(Me)CONH)の合成
化合物I−3は、実施例I−7に記載した手順と同じ手順に従い酸化して生成物(ジアステレオマーの混合物)を得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.40−7.50(m,8H),7.40−6.80(2組のd,2H),4.00(m,1H),3.20(q,1H),2.50−2.30(m,2H),1.80(s,3H),1.10(m,3H)。
【0140】
化合物I−11
化合物I−11(化合物F、ここでNR−ピロリジニル)の合成
化合物I−4は、実施例I−7に記載した手順と同じ手順に従い酸化して生成物を得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.00(m,2H),7.50(m,6H),3.10−2.70(一連のm,4H),2.20(dd,2H),1.90(s,3H),1.70(m,4H)。
【0141】
化合物I−12
化合物I−12(化合物F1、ここでNR−ピロリジニル)の合成
化合物I−6は、実施例I−7に記載した手順と同じ手順に従い酸化して生成物を得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.00(m,2H),7.50(m,6H),3.10(m,2H),2.70(m,4H),2.20(dd,2H),1.70(m,4H),0.50(t,3H)。
【0142】
実施例I−13
化合物I−13の合成
スキームIの化合物Aの代わりに、ベンゾフェノンから出発して、生成物は前記実施例に記載したものと同じ多段階合成工程に従い調製した:H−NMR(DMSO−d):δ7.50(b,1H),7.40−7.20(m,10H),7.10(b,1H),2.80(dd,2H),1.80(s,3H)。
【0143】
【化15】

【0144】
一般スキームBにおける化合物に関する一般合成手順
種々の化合物の合成は、化合物P1から開始することができる。すなわち化合物P1は、酸性媒質、例えばHBr中のチオウレアを用いた反応により対応する化合物S1に転換される。化合物S1は塩基性加水分解工程で対応するチオール化合物T1に加水分解することができる。末端アミノ基を含む適切なアルキル化剤による化合物T1のその場でのアルキル化で化合物U1を得、これはさらに続く工程でアミノ位で誘導化することができる。適切な試薬、例えば酸性媒質中の過酸化水素または−クロロ過安息香酸による化合物U1の酸化により、化合物V1を得る。
【0145】
【化16】

【0146】
化合物bbの調製
化合物bbの合成は、引用により全部、本明細書に編入する米国特許第6,492,396号明細書に開示された。
【0147】
実施例II−1
化合物II−1の合成
化合物bb(2.13g、6.89ミリモル)の混合物(5mLの水中)に、70℃で4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(1.53g、8.2ミリモル)(5mLの水中)および10N NaOH(3mL)の混合物を加えた。反応混合物を110℃で1時間加熱し、冷却し、そしてエーテル(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を水(1×15mL)、ブライン(1×15mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;溶媒:酢酸エチル:ヘキサン::2:3)により精製して、1.48gの化合物II−1を得た:H−NMR(CDCl):δ7.70(m,4H),7.30(m,4H),4.90(s,1H),3.50(m,4H),2.20−1.90(m,8H)。
【0148】
実施例II−2
化合物II−2の合成
化合物II−1(1.45g、4.66ミリモル)の冷却(−15℃)溶液(15mLのジクロロメタン中)に、−クロロ過安息香酸(77%、0.8g、4.66ミリモル)を数回で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、2%水性重炭酸ナトリウム(50ml)でクエンチし、そしてジクロロメタン(100ml)で希釈した。分かれた有機層を2%水性重炭酸ナトリウム(2×20ml)、水(1×20ml)、そしてブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮して粗生成物を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル:酢酸エチル、続いてメタノール:ジクロロメタン::5:95)により精製して油を得、これをエーテルでトリチュレートして0.067gの化合物II−2を得た:H−NMR(CDCl):δ7.90−7.70(m,3H),7.60−7.30(m,5H),5.40(s,1H),3.6
0(m,3H),2.50(m,1H),2.30−2.20(m,5H),1.80−1.60(m,3H)。
【0149】
実施例II−3
化合物II−3の合成
この化合物は、末端モルホリニル基をピロリジニル基に代えることを除いて、実施例II−1およびII−2に記載されているものと同じ手順に従い調製した:H−NMR(CDCl):δ8.00−7.30(一連の m,8H),5.60(s,1H),3.20−2.40(一連の広いm,8H),1.40(広い,4H)。
【0150】
実施例II−4
化合物II−4の合成
この化合物は、末端モルホリニル基をピペリジニル基に代えることを除いて、実施例II−1およびII−2に記載されているものと同じ手順に従い調製した:H−NMR(CDCl):δ8.10−7.30(一連の m,8H),5.60(s,1H),3.20−2.40(一連の広いm,8H),1.70(広い,4H),1.60(広い,2H)。
【0151】
実施例II−5
化合物II−5の合成
この化合物は、反応物の1つとして2−クロロエチルアミン塩酸塩を4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩に代えて使用する実施例II−1に記載されているものと同じ手順に従い調製した。この物質を次の工程で直接使用した。
【0152】
実施例II−6
化合物II−6の合成
化合物II−5(0.73g、3.04ミリモル)およびトリエチルアミン(0.47ml、3.4ミリモル)の混合物(10mLのジクロロメタン中)に、メタンスルホニルクロライド(0.26mL、3.35ミリモル)を加えた。冷却浴を取り外し、そして反応混合物を室温で1時間撹拌し、2N HCl(20mL)で処理し、そしてジクロロメタン(2×25mL)に抽出した。合わせた有機層を水(1×10ml)、ブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して0.97gの化合物II−6を得、これを即座に次の工程に利用した。
【0153】
実施例II−7
化合物II−7の合成
化合物II−6(0.97g、3.03ミリモル)の混合物(10mLの氷酢酸中)に、室温でH(水中の50%、0.247mL)を加えた。混合物を0.5時間撹拌し、氷水で希釈し(100mL)、そしてさらに0.5時間撹拌した。分かれた固体を濾過し、そして水およびエーテルで順次、数回洗浄し、そして高真空下で乾燥させて0.56gの化合物II−7を得た:H−NMR(DMSO−d):δ7.80(t,2H),7.60(d,1H),7.50(d,1H),7.30(m,2H),7.20(m,3H),5.50(s,1H),2.90(m,2H),2.60(s,3H),1.90(m,2H)。
【0154】
実施例II−8
化合物II−8の合成
この化合物は、アセトアミド基を末端に使用することを除き、実施例II−6およびII−7に記載されているものと同じ合成スキームに従い調製した;H−NMR(DMSO−d):δ8.10−7.30(一連の m,8H),5.60(s,1H),3.
30(s,1H),3.20(m,2H),2.10(m,2H),1.80(s,3H)。
【0155】
【化17】

【0156】
一般スキームCにおける化合物に関する一般的合成手順
化合物V2の合成は、化合物T1から開始することができる。すなわち塩基の存在下での適切なアルキル化剤による化合物T1のアルキル化で化合物U2を生じ、これは適切な試薬、例えば酸性媒質中の過酸化水素または−クロロ過安息香酸による酸化で化合物V2を生成する。
【0157】
【化18】

【0158】
実施例II−9
化合物II−9(化合物eeここでR=−CHCH=CH)の合成
化合物bb(14.12g、44ミリモル)、10N NaOH(14.9mL)および水(109mL)の混合物を、70℃に0.5時間加熱し、冷却し、氷水で希釈し、酸性化(pH〜2)し、そして酢酸エチルに抽出した(3×100mL)。合わせた有機層を水(1×50mL)、そしてブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して9.45gの化合物ccを得、これはさらに精製せずに次の工程に直接使用した:H−NMR(DMSO−d)δ7.89(d,2H),7.76(d,2H),7.43(m,4H),5.21(d,1H),3.55(d,1H)。
【0159】
すなわち化合物cc(2g、10.1ミリモル)(16mLのメタノール中)およびナトリウムメトキシド(メタノール中の0.5M、20.2mL)の混合物を60℃で0.5時間加熱し、ヨウ化アリル(4.66mL、50.5ミリモル)で処理し、さらに0.5時間加熱を続行し、冷却し、そして氷水でクエンチした。次いでこれを酸性化(pH〜2)し、そして酢酸エチル(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を水(1×50mL)、そしてブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗物質を得た。この物質を石油エーテル中(20mL)で撹拌し、そして濾過した。濾液は濃縮で1.97gの化合物dd(R=−CHCH=CH)を提供し、これを50%Hにより酸化して、前記実施例I−10に記載の手順に従い化合物II−9を得た:H−NMR(DMSO−d)δ8.00−7.20(一連の m,8H),5.60(s,1H),5.50(m,1H),5.50(m,2H),2.90(m,2H)。
【0160】
実施例II−10
化合物II−10(化合物eeここでR=−CHC(Me)=CH)の合成
この化合物は2−メチルプロピレン基を末端に使用することを除き、実施例II−9と同じスキームに従い調製した:H−NMR(DMSO−d)δ8.00−7.20(一連の m,8H),5.60(s,1H),4.90(s,1H),4.60(s,1H),2.60(dd,2H),1.50(s,3H)。
【0161】
実施例II−11
化合物II−11(化合物ddここでR=−CHCHMe)の合成
化合物cc(2g、10.1ミリモル)(16mLのメタノール中)およびナトリウムメトキシド(メタノール中の0.5M、20.2mL)の混合物を60℃で0.5時間加熱し、1−ヨード−2−メチルプロパン(6mL、50.5ミリモル)で処理し、さらに0.5時間加熱し、冷却し、そして氷水でクエンチした。次いでこれを酸性化(pH〜2)し、そして酢酸エチル(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を水(1×50mL)、そしてブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗物質を得た。この物質を石油エーテル中(20mL)で撹拌し、そして濾過した。濾液は濃縮で2.21gの化合物II−11を提供し、これを次の工程で直接使用した:H−NMR(DMSO−d)δ7.86(d,2H),7.64(d,2H),7.42(m,4H),5.13(s,1H),1.90(d,2H),1.36(m,1H),0.74(s,3H),0.72(s,3H)。
【0162】
実施例II−12
化合物II−12(化合物eeここでR=−CHCHMe)の合成
化合物II−11(1g、3.9ミリモル)の冷却(氷浴)溶液(4mLの氷酢酸中)に、50%H(0.27mL)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、そして濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶媒勾配:ヘキサン:酢酸エチル::4:1〜酢酸エチル)により0.71gの化合物II−12を得た:H−NMR(DMSO−d)δ7.97(t,2H),7.73(d,1H),7.63(d,1H),7.52(m,2H),7.38(m,2H),5.60(s,1H),1.89(dd,1H),1.76(m,1H),1.66(dd,1H),0.78(d,3H),0.76(d,3H)。
【0163】
実施例II−13
化合物II−13(化合物ddここでR=C)の合成
この化合物はアルキル化剤としてn−プロピルヨージドを使用したことを除き、化合物II−11の合成について前に記載したものと同じ手順に従い調製した。これを化合物II−14の合成に直ちに使用した。
【0164】
実施例II−14
化合物II−14(化合物eeここでR=C)の合成
化合物II−13を使用して、この化合物は化合物II−12の合成について前に記載
したものと同じ手順に従い調製した:H−NMR(DMSO−d)δ8.00−7.20(一連の m,8H),5.60(s,1H),1.90(2組の m,2H),1.50(m,2H),0.80(t,3H)。
【0165】
実施例II−15
化合物II−15(化合物eeここでR=CH)の合成
この化合物はKice,J.L.,Lotey,H.J.Org.Chem.1988,53,3593(これは引用により全部、本明細書に編入する)に記載されていた。
【0166】
実施例II−16
化合物II−16の合成
この化合物はMizuno,H.Matsuda,M.,Ino,M.J.Org.Chem.1981,46,520(これは引用により全部、本明細書に編入した)に記載されていた。
【0167】
実施例II−17
化合物II−14(化合物eeここでR=CHCN)の合成
この化合物はKice,J.L.,Lotey,H.J.Org.Chem.1988,53,3593(これは引用により全部、本明細書に編入した)に記載されていた。
【0168】
【化19】

【0169】
実施例II−18
化合物II−18の合成
化合物a(3.43g、19ミリモル)の冷却(−78℃)溶液(60mLの無水THF中)に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M、9.1mL、23ミリモル)を加えた。反応混合物をさらに0.5時間撹拌し、ジメチルジスルフィド(2.54mL、29ミリモル)で0.5時間にわたり2回で処理し、そしてさらに0.5時間撹拌した。これを次いで氷水(50mL)でクエンチし、そして酢酸エチル(2×50mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗物質を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)により精製して、3.33gの化合物II−18(黄色い固体)を得た:H−NMR(DMSO−d)δ7.85−7.82(m,2H),7.58−7.55(m,2H),7.40−7.35(m,4H),1.72(s,3H),1.32(s,3H)。この方法はJ.Med Chem 1986,29,1577(これは引用により全部、本明細書に編入する)に以前記載された手順から適合させた。
【0170】
実施例II−19
実施例II−19の合成
化合物II−18(3.32g、14.7ミリモル)の冷却(−78℃)溶液(50m
LのCHCl中)に、ゆっくりとm−クロロ過安息香酸(70〜75%、3.96g)の溶液(30mLのCHCl中)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、さらに0.8gのm−クロロ過安息香酸で処理し、そしてさらに2時間撹拌した。これを次いで飽和NaHCO(50mL)でクエンチした。有機層を分離し、そして飽和NaHCO(2×50mL)、そして水(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:4:1のヘキサン/酢酸エチル〜2:1のヘキサン/酢酸エチル)により精製して、3.06gの化合物II−19を得た:H−NMR(DMSO−d)δ8.00−7.95(m,2H),7.60−7.38(m,6H),1.91(s,3H),1.40(s,3H)。
【0171】
本発明により包含されるさらなる化合物には、以下の表に説明するものを含む。この一覧は代表となるものを意味するだけであり、本発明の範囲をどのようにも限定するものではない。試薬および出発材料は市販されているか、または当業者に周知な技術により容易に合成される。合成スキーム中のすべての置換基は、他に示さない限り前に定義した通りである。
【0172】
【表5】

【0173】
【表6】

【0174】
【化20】

【0175】
工程1、化合物31aおよび31bのための試薬:(i)10N NaOH/EtOH
/70℃;(ii)化合物35、還流2時間。工程2:水中50%H/HOAc/RTまたはm−クロロ過安息香酸、ジクロロメタン、0℃。
【0176】
工程1、化合物31cのための試薬;NaH/DMF/化合物35/室温〜70℃
【0177】
化合物31および35の調製
化合物31c(米国特許第4,066,686号明細書)および35(El−Hewehi,Z.;Runge,F.J.Prakt.Chem.1962,16,297)は文献に記載され、そして両文献とも引用により全部、本明細書に編入する。
【0178】
実施例III−1
化合物III−1の合成
NaH(油中の60%、745mg、18.62ミリモル)の撹拌混合物(15mLの乾燥DMF中)に、室温およびアルゴン下で、化合物31c(3.33g、16.64ミリモル)の溶液(3mLの乾燥DMF中)を滴下した。混合物を室温で15分間撹拌した。次いで反応混合物を化合物35(2.2g、16.98ミリモル)で処理し、続いて70℃に4時間加熱した。次いでこれを室温に冷却し、高真空下で濃縮し、水で希釈し、そしてEtOAcに抽出した。合わせた有機層を順次、水そしてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc::3:2)により精製して、化合物III−1(3.9g)を得た:H−NMR(DMSO−d):δ7.18−6.8(一連の m,11H),6.65(s,1H),5.25(s,1H),2.90(s,2H)。
【0179】
実施例III−2
化合物III−2の合成
化合物III−1(3.88g、13.24ミリモル)の溶液(25mLの酢酸中)に、過酸化水素(水中50%溶液、910μL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、そして粗生成物をEtOAc中で撹拌し、濾過し、そして乾燥させて化合物III−2(1.08g)、融点:165〜166℃を得た。H−NMR(DMSO−d):δ7.54−7.35(一連のm,12H),5.52(s,1H),4.23(d,1H),3.93(d,1H).MS:331.91(M+Na)。
【0180】
実施例III−3
化合物III−3の合成
第1工程で化合物31cおよびクロロアセトンを使用して、化合物III−3を合成した;融点:81〜82℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.32(一連の m,10H),5.34(s,1H),3.66(dd,2H),2.13(s,3H).MS:294.99(M+Na)。
【0181】
実施例III−4
化合物III−4の合成
第1工程で化合物31cおよびジイソプロピルブロモメチルホスホネートを使用して、化合物III−4を合成した;融点:127〜128℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.53−7.34(一連の m,10H),5.42(s,1H),4.58(m,2H),2.94(m,2H).MS:394.79(M+H)。
【0182】
実施例III−5
化合物III−5の合成
第1工程で化合物31cおよび3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オンを使用して、化合物III−5を合成した;融点:121〜122℃;H−NM
R(DMSO−d):δ7.72−7.32(一連の m,12H),5.37(s,1H),3.02(d,1H),2.69(d,1H).MS:366.92(M+Na)。
【0183】
実施例III−6
化合物III−6の合成
第1工程で化合物31cおよび2−クロロエトキシトリメチルシランを使用して、化合物III−6を合成した;融点:134℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.64−7.30(一連の m,10H),5.24(s,1H),4.94(m,1H),3.69(m,2H),2.64−2.49(2組のm,2H).MS:260.98(M+H)。
【0184】
実施例III−7
化合物III−7の合成
第1工程で化合物31cおよびブロモエチルメチルエーテルを使用して、化合物III−7を合成した;融点:71〜72℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.52−7.31(一連の m,10H),5.21(s,1H),3.51(m,2H),3.31(s,3H),2.75−2.53(2m,2H).MS:274.95(M+H)。
【0185】
実施例III−8
化合物III−8の合成
第1工程で31a/b/cの代わりにフラン−2−イル−メタンチオール、およびブロモジフェニルメタンを使用して、化合物III−8を合成した;融点:102〜103℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.71−7.33(一連の m,11H),6.45(s,1H),6.44(d,1H),5.29(s,1H),3.97(d,1H),3.71(d,1H).MS:296.89(M+H)。
【0186】
実施例III−9
化合物III−9の合成
第1工程で化合物31cおよび3−クロロメチル−1,2,4−トリアゾリン−5−オンを使用して、化合物III−9を合成した;融点:>300℃;H−NMR(DMSO−d):δ11.48(s,2H),7.65−7.34(一連の m,10H),5.42(s,1H),3.75(d,J=13.88Hz,1H),3.46(d,J=13.91Hz,1H).MS:313.93(M+H)。3−クロロメチル−1,2,4−トリアゾリン−5−オンは、Cowden,C.J.;Wilson R.D.;Bishop,B.C.Cottrell,I.F,;Davies,A.J.;Dolling,U−H.Tetrahedron Letters,2000,41,8661に記載された。この文献は引用により全部、本明細書に編入した。
【0187】
実施例III−10
化合物III−10の合成
第1工程でチエン−2−イル−メタンチオールおよびブロモジフェニルメタンを使用して、化合物III−10を合成した;融点:122〜124℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.67−7.34(一連の m,11H),7.03(m,1H),6.95(m,1H),5.26(ms,1H),4.17(d,1H),3.79(d,1H).MS:312.85(M+H)。
【0188】
実施例III−11
化合物III−11の合成
第1工程で化合物31bおよびクロロメタンスルホンアミドを使用して、化合物III−11を合成した;融点:92〜94℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.57−7.26(2組のm,10H),5.59(s,1H),4.27(d,1H),3.90(d,1H).MS:367.86(M+Na)。
【0189】
実施例III−12
化合物III−12の合成
第1工程で化合物31bおよびクロロアセトンを使用して、化合物III−12を調製した;融点:96〜97℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.52(m,10H),7.28−7.05(m,4H),5.40(s,1H),3.76(d,1H),3.61(d,1H),2.15(s,3H).MS:330.95(M+Na)。
【0190】
実施例III−13
化合物III−13の合成
第1工程で化合物31bおよび2−クロロエトキシトリメチルシランを使用して、化合物III−13を調製した;融点:91〜92℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.51(m,4H),7.27−7.21(m,4H),5.33(s,1H),4.97(t,1H),3.70(m,2H),7.67−2.60(m,1H),2.50−2.43(m,1H).MS:318.96(M+Na)。
【0191】
実施例III−14
化合物III−14の合成
第1工程で化合物31bおよび2−ブロモエチルメチルエーテルを使用して、化合物III−14を調製した;融点:83〜85℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.04(2m,8H),5.34(s,1H),3.61(m,2H),3.22(s,3H),2.76(m,1H),2.51(m,1H).MS:310.91(M+H)。
【0192】
実施例III−15
化合物III−15の合成
第1工程で化合物31bおよび1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタンを使用して、化合物III−15を調製した;融点:41〜42℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.22(2m,8H),5.37(s,1H),3.69(m,2H),3.50(m,2H),3.43(m,2H),3.31(s,3H),2.76(m,1H),2.50(m,1H).MS:376.93(M+Na)。
【0193】
【化21】

【0194】
工程1用の試薬:TBTU/DMF/室温またはHOBT・NH/EDCI
工程2用の試薬:水中50%H/HOAc/室温
【0195】
化合物37aの調製
化合物37aの調製は、米国特許第4,006,686号明細書(これは引用により全部、本明細書に編入する)に記載された。
【0196】
実施例IV−1
化合物IV−1の合成
化合物37a(7.45g、27.79ミリモル)、−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.75g、32.93ミリモル)、TBTU(11.4g、35.5ミリモル)およびNMM(10mL)の混合物(20mLの乾燥DMF中)を、室温で一晩撹拌した。過剰な溶媒を除去し、そして混合物をEtOAcで希釈し、これを順次、水、2%クエン酸、水、2%NaHCO、水そしてブラインで洗浄した。乾燥(MgSO)、そして溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 2:3)により精製して、7.71gの化合物IV−1を得た:H−NMR(DMSO−d):δ11.1(s,1H),7.43−7.22(一連の m,10H),5.43(s,1H),3.55(s,3H),2.86(s,2H)。
【0197】
実施例IV−2
化合物IV−2の合成
化合物IV−1(7.6g、26.48ミリモル)を、AcOH(25mL)中の過酸化水素(1当量)を用いて実施例III−2に記載されているように酸化して、化合物IV−2(5.98g)を得た;融点:140〜141℃;H−NMR(DMSO−d):δ11.36(s,1H),7.52−7.32(一連の m,10H),5.38(s,1H),3.56(s,3H),3.36(d,1H),3.04(d,1H).MS:303.88(M+H)。
【0198】
実施例IV−3
化合物IV−3の合成
工程1で化合物37aおよび−エチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用して、化合物IV−3を調製した;融点:65℃;H−NMR(DMSO−d):δ11.22(s,1H),7.50−7.34(一連の m,10H),5.38(s,1H),3.76(m,2H),3.31(d,1H),3.06(d,1H),1.11(m,3H).MS:317.92(M+H)。
【0199】
実施例IV−4
化合物IV−4の合成
工程1で化合物37bおよび−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用して、化合物IV−4を調製した;融点:103〜104℃;H−NMR(DMSO−d):δ11.34(s,1H),7.56−7.51(m,4H),7.28−7.24(m,4H),5.45(s,1H),3.56(s,3H),3.40(d,J=13.53Hz,1H),2.99(d,J=13.55Hz,1H).MS:361.89(M+Na)。
【0200】
【化22】

【0201】
工程1用の試薬:RMgBrまたはNaBH(1.1〜6当量)/THF/0℃〜還流工程2用の試薬:水中50%のH/HOAc/室温
【0202】
化合物42bの調製
化合物42bは、引用により全部、本明細書に包含する米国特許第4,006,686号明細書に記載されているように調製した。
【0203】
実施例V−1
化合物V−1の合成
化合物42bおよび2−チオフェニルマグネシウムブロミド(THF中の1M、3.2当量)を使用して化合物44aを生成し、次いでこれを酸化して化合物V−1を得た;融点:130〜131℃;H−NMR(DMSO−d):δ8.09(d,1H),8.08(d,1H),7.84−7.24(一連の m,1H),5.51(s,1H),4.17(s,2H).MS:340.84(M+H)。
【0204】
実施例V−2
化合物V−2の合成
化合物42a(化合物III−3の調製からの中間体、6.4g、25ミリモル)の溶
液(60mLの無水THF中)を、0℃でメチルマグネシウムブロミドの溶液(THF中の1.4M;トルエン、22mL、30.8ミリモル)に滴下した。反応混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水そしてブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)そして濃縮して、化合物43aを生じた。次いでこれをHOAc(25mL)に取り、そして前に記載したように過酸化水素(水中50%、1.7mL)で酸化して、4.31gの化合物V−2を得た;融点:121〜122℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.53−7.30(一連の m,10H),5.22(s,1H),4.86(s,1H),2.71(d,1H),2.44(d,1H),1.18(s,31H),1.13(s,3H).MS:288.96(M+H)。
【0205】
実施例V−3
化合物V−3の合成
工程1で化合物42bおよびアセチレンマグネシウムブロミド(THF中の0.5M、6当量)を使用して化合物V−3を生成した;H−NMR(DMSO−d):δ7.54−7.31(一連の m,10H),6.99(s,1H),5.32(s,1H),3,69(2つのs,2H),3.15(d,1H),2.74(d,1H).MS:308.88(M+H)。
【0206】
実施例V−4
化合物V−4の合成
化合物42c(実施例III−12からの中間体)およびメチルマグネシウムブロミド(エーテル中の3M、1.1当量)を使用して化合物V−4(泡沫)を生成した;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.21(2m,8H),5.31(s,1H),4.87(s,1H),2.71(d,1H),2.39(d,1H),1.29(s,3H),1.14(s,3H).MS:324.95(M+H)。
【0207】
実施例V−5
化合物V−5の合成
化合物42c(4.85g、16.60ミリモル、実施例III−12からの中間体)の溶液(85mLのメタノールF中)に、水素化ホウ素ナトリウム(660mg、17.44ミリモル)を数回で加えた。次いで反応混合物を室温で0.5時間撹拌し、氷水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、そして濃縮して化合物43d(油、4.62g)を生成し、これを酸化して化合物V−5(ジアステレオマーの混合物)を生成した;融点:96〜98℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.56−7.21(2つのm,8H),5.38(s,0.72H),5.28(s,0.28H),5.05(m,0.28H),4.98(m,0.72H),3.95(m,1H),2.50(m,2H),1.13(d,2.16H),1.09(d,0.84H).MS:310.92(M+H)。
【0208】
【化23】

【0209】
工程1用の試薬:NaH/DMF/エチルブロモジフルオロアセテート(化合物32)/室温から70℃、4時間。
工程2用の試薬:化合物46について水素化リチウムアルミニウム("LAH"(EtO中の1M/THF/0℃、1.5時間;化合物47についてMeMgBr。
工程3用の試薬:−クロロ過安息香酸("m−CPBA")、ジクロロメタン、0℃。
【0210】
化合物31cの調製
化合物31cの調製は、引用により全部、本明細書に包含した米国特許第4,066,686号明細書に記載された。
【0211】
化合物46の合成
工程1:化合物31c(9.24g、46.2ミリモル)の溶液(3mLのDMF中)を、NaH(油中の60%、2.2g、55ミリモル)の撹拌混合物(15mLの乾燥DMF中、室温、アルゴン)にゆっくりと加えた。混合物を室温で15分間撹拌し、化合物32(11.41g、61ミリモル)で処理し、そして70℃で4時間加熱した。次いで反応混合物を室温に冷却し、高真空下で濃縮し、氷水でクエンチし、そしてEtOAcに抽出した。合わせた有機層を水、そしてブラインで順次洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして濃縮して化合物45(12.34g)を生成し、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0212】
工程2:すなわち水素化リチウムアルミニウム溶液(EtO中の1M)を、化合物45(6.08g、18.88ミリモル)の溶液(50mLの乾燥THF中、0℃、アルゴン下)にゆっくりと加えた。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、順次(慎重に)EtOAc(5mL)、水(5mL)、そして10%HSO(20mL)で処理した。次いで混合物をEtOAcに抽出した。合わせた有機層を水(2回)、そしてブラインで順次洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 4:1)、化合物46(シロップ、2.87g)を生成した:H−NMR(DMSO−d):δ7.47
−7.22(3m,10H),5.86(t,1H),5.78(s,1H),3.70(m,2H)。
【0213】
実施例VI−1
化合物VI−1の合成
実施例II−19に記載した手順に従い、化合物46(2.68g、9.57ミリモル)を−CPBA(77%、2.36g、10.53ミリモル)を用いて酸化して、化合物VI−1(2.08g)を生成した;融点:77〜79℃、H−NMR(DMSO−d):δ7.58−7.32(2つのm,10H),6.05(m,1H),5.68(s,1H),3.99−3.70(2つのm,2H).MS:318.96(M+H)。
【0214】
実施例VI−2
化合物VI−2の合成
工程2:化合物45(5.7g、17.7ミリモル)の溶液(40mLの乾燥THF中)を、メチルマグネシウムブロミド(トルエン中の1.4M,65mL、91ミリモル)の溶液にアルゴン下にて室温で滴下した。次いで反応混合物を6時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、そしてEtOAcに抽出した。合わせた有機層を水、そしてブラインで順次洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 1:1)により精製して、化合物47(766mg)を得、これを次の工程で使用した:H−NMR(DMSO−d):δ7.55−7.26(一連の m,10H),5.6(s,1H),4.84(s,1H),1.19(2つの重複する s,6H),1.09(s,3H),0.9(s,3H)。
【0215】
工程3:すなわち実施例III−2に記載した手順に従い、−CPBA(77%、0.625g、2.78ミリモル)を用いた化合物47(0.76g、2.53ミリモル)の酸化により、化合物VI−2(0.291g)を生成した;融点:103〜104℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.55−7.24(2つのm,10H),5.60(s,1H),4.84(s,1H),1.19(s,6H),1.09(s,3H),0.90(s,3H).MS:316.95(M+H)。
【0216】
【化24】

【0217】
工程1用の試薬:NaH/DMF/室温
工程2用の試薬:1N NaOH/EtOH/還流
工程3用の試薬:HOBT・NH/EDCI/DMF/室温
工程4用の試薬:水中50%のH/HOAc/室温
【0218】
実施例VII−1
化合物VII−1の合成
化合物31c(8.89g、44.45ミリモル)の溶液(20mLの乾燥DMF中)を、NaH(油中の60%、2.2g、55ミリモル)の撹拌混合物(40mLの乾燥DMF中、アルゴン下、室温)に滴下した。混合物を15分間撹拌し、化合物53(8mL、50.3ミリモル)で処理し、そして一晩撹拌した。過剰な溶媒を除去し、そして残渣を水でクエンチし、続いてEtOAcに抽出した。合わせた有機層を順次、水(2回)、そしてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc:3:2)により精製して、化合物VII−1(油、6.68g)を生成した:H−NMR(DMSO−d):δ7.44−7.20(m,10H),5.21(m,10H),5.21(s,1H),3.6(s,3H),2.7(m,1H),2.16(m,1H),1.98−1.15(一連の m,8H)。
【0219】
実施例VII−2
化合物VII−2の合成
化合物VII−1(6.68g、19.64ミリモル)、NaOH(1N、100mL)およびEtOH(100mL)の混合物を3時間、還流下で維持した。混合物を室温に冷却し、濃縮し、そしてエーテルで洗浄した。塩基性の水性層を濃HClで中和し、そしてEtOAcに抽出した。合わせた有機層を順次、水(2回)、そしてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して化合物55を得、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0220】
すなわち化合物55(4.96g、15.21ミリモル)、HOBT・NH錯体(5
g、32.89ミリモル、続いて2時間後にさらに2.5g、16.44ミリモルの量)、EDCI(3.5g、18.3ミリモル、続いて3時間後にさらに1.75g、9.1ミリモルの量)の混合物(50mLのDMF中)を室温で一晩撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、水、2%クエン酸、水、2%NaHCO、水そしてブラインで順次洗浄し、そして乾燥(MgSO)させた。溶媒を蒸発させて、粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc::1:2)により精製して、化合物VII−2(2.42g)を得た:H−NMR(DMSO−d):δ7.44−7.06(一連の m,10H),6.98(br s,2H),5.30(s,1H),3.03(m,1H),2.43(m,1H),1.83−1.11(一連の m,8H)。
【0221】
実施例VII−3
化合物VII−3の合成
化合物VII−2(2.2g、6.76ミリモル)の溶液(10mLのAcOH中)に、過酸化水素(水中の50%溶液、470μL)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、濾過し、そして濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc)により精製して化合物VII−3(0.593g)を生成した:H−NMR(DMSO−d):δ7.55−7.30(一連のm,11H),7.07(s,1H),5.14(s,1H),2.73(m,1H),2.63(m,1H),1.82−1.19(一連のm,8H).MS:342(M+Na)。
【0222】
【化25】

【0223】
工程1用の試薬:a)100℃;b):HOBT・NH/TBTU/DMF/室温
工程2用の試薬:水中50%のH/HOAc/0℃から室温
【0224】
化合物57の調製
化合物57の調製は、Seebach,D.;Teschner,M.Chem.Ber.1976,109,1601(これは引用により全部、本明細書に編入する)により記載された。
【0225】
実施例VIII−1
化合物VIII−1の合成
化合物57(2つのバッチにそれぞれ116mg、0.79ミリモルおよび304mg、2.08ミリモル)および化合物58(各々の場合で1当量)の混合物を100℃で1時間加熱し、そして室温に冷却して付加物を得、これを引き続きスキームVII、工程3に記載するようなアミド化に供し、化合物VIII−1(2つのバッチから0.346g)を生成した:H−NMR(DMSO−d):δ7.49−7.27(一連の m,11H),7.04(s,1H),5.23(s,1H),2.02−1.35(3m,8H)。
【0226】
実施例VIII−2
化合物VIII−2の合成
実施例III−2に記載した手順に従い、化合物VIII−1(342mg、1.09ミリモル)を過酸化水素(5mLのAcOH中の75μL)により酸化して、化合物VIII−2(0.282g)を生成した;融点:129〜130℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.47−7.28(m,11H),7.15(s,1H),5.13(s,1H),1.93−1.26(3m,8H).MS:328(M+H)。
【0227】
【化26】

【0228】
工程1用の試薬:a)10N NaOH/EtOH/70℃;b)化合物57、70℃、一晩。工程2用の試薬:HOBT・NH/TBTU/NMM/DMF/室温。
工程3用の試薬:水中50%のH/HOAc/室温。
【0229】
実施例IX−1
化合物IX−1の合成
化合物31a(2g、6.19ミリモル)、10N NaOH(3mL、30ミリモル)および水(3mL)の混合物をアルゴン下、70℃で15分間撹拌し、化合物57(1mL、6.17ミリモル)で処理し、続いて70℃で一晩加熱し、そして室温に冷却した。次いでこれをエーテルに抽出し、そして合わせた有機層を順次、水そしてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して化合物58a(1.46g)を得、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。すなわち化合物58a(1.45g、4.8ミリモル)、HOBT・NH錯体(1.63g、10.72ミリモル)、TBTU(1.87g、5.8ミリモル)、およびNMM(2mL)の混合物(10mLの乾燥DMF中)を室温で一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、そして水、2%クエン酸、水、2%NaHCO、水そしてブラインで順次洗浄した。乾燥(MgSO)させ、そして溶媒を蒸発させて、粗生成物を生成し、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc:3:7)により精製して、化合物IX−1(0.395g)を得た:H−NMR(DMSO−d):δ7.42−7.20(3m,10H),6.97(2つの重複する広いs,2H),5.37(s,1H),2.62(s,2H),0.97(m,2H),0.53(m,2H)。
【0230】
実施例IX−2
化合物IX−2の合成
実施例III−2に記載した手順に従い、化合物IX−1(384mg、1.29ミリモル)を過酸化水素(3mLのAcOH中の90μL)により酸化して、化合物IX−2(0.342g)を生成した;融点:158〜159℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.5−7.3(m,10H),6.9(2つの広い重複する s,2H),5.23(s,1H),3.13(d,1H),2.31(d,1H),1.23−0.62(4m,4H).MS:336(M+Na)。
【0231】
実施例IX−3
化合物IX−3の合成
工程1で化合物31bおよび化合物57を使用し、そして上記の手順に従い、化合物IX−3を生成した;融点:162℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.54−7.50(m,4H),7.26−7.21(m,4H),6.97(2つの重複する広いs,2H),5.32(s,1H),3.2(d,1H),2.19(d,1H),1.20−0.69(4m,4H).MS:350(M+H)。
【0232】
【化27】

【0233】
工程1用の試薬:a)KCO/トルエン/室温から80℃。b)KCO/BuNHSO/トルエン/80℃。
工程2用の試薬:1N NaOH/MeOH/還流。
工程3用の試薬:HOBT・NH/EDCI/DMF/室温。
工程4用の試薬:水中50%のH/HOAc/室温。
【0234】
化合物59の調製
化合物59の調製は、Hoffman,H.M.R.;Eggert,U.;Walenta,A.;Weineck,E.;Schomburg,D.;Wartchow,R.;Allen,F.H.J.Org,Chem.1989,54,6096(これは引用により全部、本明細書に編入する)に記載された。
【0235】
化合物60の調製
化合物31c(3.66g、18.3ミリモル)、化合物59(6.3g、24.23ミリモル)、無水KCO(7.5g、54.34ミリモル)の混合物(50mLの無水トルエン中)を室温で96時間撹拌し、次いで80℃で3時間撹拌した。n−BuNHSO(450mg)を反応混合物に加え、そして80℃でさらに72時間撹拌した。次いで更なる量のKCO(3g)、BuNHSO(150mg)およびトルエン(20mL)を反応混合物に加え、そして加熱(80℃)をさらに96時間続行した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、そして残渣をジエチルエーテルで洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を濃縮して、粗生成物60(5.17g)を得、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0236】
化合物62の調製
化合物60(5.15g、17.28ミリモル)、NaOH(1N、100mL)、メタノール(100mL)の混合物を還流下で4時間維持し、室温に冷却し、そして濃縮して過剰なメタノールを除去した。塩基性の層を濃HClで酸性化し、そしてEtOAcに抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して化合物61(4.45g)を生成し、これをさらに直接次の工程に使用した。
【0237】
すなわち化合物61(4.43g、15.65ミリモル)、HOBT・NH錯体(5.3g、34.86ミリモル)、EDCI(3.5g、18.3ミリモル)、DMAP(380mg)の混合物(30mLのDMF中)を室温で一晩撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、そして水、2%クエン酸、水、2%NaHCO、水そしてブラインで順次洗浄し、そして乾燥(MgSO)させた。溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc1:1)により精製して、生成物(2.38g)を生じた:H−NMR(DMSO−d):δ7.45−7.21(3m,12H),5.37(s,1H),1.76(m,2H),0.82(m,2H)。
【0238】
実施例X−1
化合物X−1の合成
化合物62(2.34g、8.26ミリモル)を過酸化水素(12mLのAcOH中の570μL)により酸化して、化合物X−1(1.81g)を生成した;融点:148〜149℃;H−NMR(DMSO−d):δ7.5−7.31(m,11H),7.25(s,1H),5.51(s,1H),1.0(m,2H),0.63(m,2H).MS:322(M+Na)。
【0239】
用途
本発明は、処置が必要な個体に治療に有効な量の本発明の化合物を投与することを含んでなる、該個体の疾患および状態を処置する方法を提供する。例えば本発明の化合物は、過剰な眠気のような疾患の処置、覚醒の促進および/または改善(好ましくは睡眠発作、睡眠時無呼吸(好ましくは閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下)および交替勤務障害に伴う過剰な眠気の患者における覚醒の改善)、パーキンソン病、アルツハイマー病、大脳虚血、
発作、摂食障害、注意欠陥障害("ADD")、注意欠陥過活動性障害("ADHD")、鬱病、統合失調症、疲労(好ましくはガンまたは多発性硬化症のような神経学的変性に伴う疲労および慢性疲労症候群)のような処置、食欲の刺激および体重増加、および認知機能不全の改善に有用となり得る。
【0240】
方法:ラットを対象とした覚醒促進活性の評価
試験化合物の覚醒促進活性を評価するために使用した方法は、Edgar and Seidel,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,283:757−769,1997に記載されているものに基づき、そしてこれは全部、引用に本明細書に編入する。
【0241】
動物手術。オス成体のWisterラット(マサチューセッツ州、ウィルミントンのチャールズリバーラボラトリー(Charles River Laboratories)からの275〜320g)に、麻酔をかけ(Nembutal、45mg/kg、ip.)、そして持続的(chronic)EEG(脳造影)およびEMG(筋電図)記録用のインプラントを用いて外科的な準備をした。EEGインプラントは市販されている部品から作成した(プラスティック ワン(Plastic One)、ロアノーク、バージニア州)。EEGシグナルはステンレス鋼製のネジ型電極から記録した:2つの前頭(ブレグマから+3.0mm AP、±2.0mm ML)、および2つの後頭(ブレグマから−4.0mm、±2.0mm ML)。2つのテフロンコーティングしたステンレス鋼製のワイヤを、EMG記録用に靭帯の小菱形筋(unchal trapezoid muscle)下に配置した。すべての電極リードはコネクターペデスタルに挿入し、そしてペデスタルを歯科用のアクリル酸を適用することにより頭蓋骨に固定した。手術後に抗生物質を投与し、そして抗生物質クリームを感染を防ぐために傷の縁に適用した。手術と記録との間の期間は、少なくとも1週間を費やした。
【0242】
記録環境。手術後に、ラットは対で隔離部屋に収容された。食料および水を自由に与え、周囲温度は21℃であり、そして湿度は55%であった。記録の少なくとも24時間前に、それらを針金格子のフタが付いたNalgene容器(31×31×31cm)に入れ、そして部屋への侵入は投与以外、記録している日中に入ることを禁じた。容器は棚あたり4つの容器で、2つの棚があるラックに置いた。蛍光の頭頂光は、24時間の明/暗サイクルに設定した(7AMに入れ、7PMに切った)。容器の内側の光のレベルは、上および下の棚でそれぞれ38および25luxであった。バックグラウンドの白色騒音(容器内側で68db)は、周辺の音を遮断するために室内に存在した。
【0243】
データの獲得。EEGおよびEMGシグナルは、ケーブルを介して整流子(commutator)(プラスチック ワン)につながれ、次いで前置増幅器(モデル1700、A.Mシステムズ(Systems)、カールスバーグ、ワシントン州)につながれた。EEGおよびEMGシグナルは増幅され(それぞれ10Kおよび1K)、そして帯域(band)はフィルターを通した(EEGについては0.3から500Hzの間、そしてEMGについては10から500Hzの間)。これらのシグナルは、Labview 5.1ソフトウェアおよびデータ獲得ハードウェア(PCI−MIO−16E−4:ナショナル インスツルメント(National Instruments)、オースチン、テキサス州)下で行うICELUS睡眠調査ソフトウェアを使用して、秒あたり128サンプルでデジタル化した(M.Opp,U.Texas;Opp,Physiology and Behavior 63:67−74,1998、およびImeri,Mancia,and Opp,Neuroscience 92:745−749,1999を参照にされたい(これらは引用により全部、本明細書に編入する))。投与の日に、データは11AMに開始して6〜10時間、記録した。
【0244】
薬剤投与および実験計画。化合物は、1もしくは2回の別個の試験期間にわたり行った、4〜8匹のラット群について評価した。各動物は種々の化合物または賦形剤を用いて、最高10週間試験され、連続する試験の間には少なくとも7日間をおいた。賦形剤群をすべての実験に含め、そして各動物は賦形剤を4回目の試験毎に受けた。試験化合物は滅菌された0.25%メチルセルロース(pH6.2;アップジョン(Upjohn)社、カラマズー、ミシガン州)中に30mg/mLで懸濁された。特に記載しない限り、化合物は100mg/kgの単回用量で投与された。投与は正午に行い、この間、ラットは主に寝ていた。各ラットはその容器から取り出され、5mk/Kgで腹腔内注射され、そして戻された。投与にはラットあたり約30秒を要した。
睡眠/覚醒の採点。睡眠および覚醒活性は、ICELUSソフトウェアを使用したマニュアルの採点が含まれる手順を使用し、続いてマイクロソフト(Microsoft)のExcel(マイクロソフト社、レドモンド、ワシントン州)により書かれた自動採点プログラムの適用により決定した。ICELUSプログラムは、EEG周波数スペクトル(FFT)の振幅と一緒に6秒のブロックでEEGおよびEMGデータを表示する。目覚めている状態(arousal state)は、EEG周波数および振幅特性およびEMG活性の分析に従い、覚醒、急速眼球運動(REM)または徐波またはノン−REM睡眠と評価した(引用により全部、本明細書に編入するOpp and Krueger,1994;Van Gelder,et al.,1991;Edger,et al.,1991,1997;Seidel,et al.,1995)。本質的に覚醒活性は、中程度から高いレベルのEMG活性を伴い、0.5〜6Hzの周波数幅に比較的低い力(power)を持つ比較的低い振幅のEEG活性からなる。特定の覚醒状態では("シータ−覚醒(theta−waking)")、EEG力は比較的6〜9Hz(シータ)の範囲に集中するが、有意なEMG活性が常に存在する。NREM睡眠は、EMG活性がほとんど無いか、または無い0.5〜6Hzの低い周波数幅に、比較的大きな力を持つ比較的高い振幅のEEG活性を特徴とする。REM睡眠は、覚醒シータに類似するシータ(6〜9Hz)範囲に集中した中程度および一定の振幅を特徴とするが、EMG活性は無い。
【0245】
睡眠/覚醒段階の採点に対する生データを転換するために、通常は活性の最初の1時間(投与前)をマニュアルで睡眠、覚醒またはREM状態に採点する。続いて活性は、6秒の期間単位についてFFT振幅、シータ幅活性およびEMG活性を考慮するコンピューターアルゴリズムを使用して評価する。対話式の手法を使用して、コンピューターアルゴリズムにより採点された最初の時間のデータが、マニュアルの値に出来る限り近付いて合うまで、3種のパラメーター閾値を調整する。次いでこれらのパラメーター値を使用して、残る活性を採点する。次にデータを各6秒単位毎に、「覚醒」(覚醒+覚醒シータ活性)または「睡眠」(REM+ノン−REM)に変換する。次に覚醒して過ごした時間を、投与の特定時刻(およそ昼の12:00)に対して、各5および30分間隔について算出する。
【0246】
データ獲得および統計。
2つの基本的な結果の測定を使用して、化合物が覚醒強化活性を表すかどうかを確認した。第1は投与後各30分の間に、起きて過ごした時間の割合であった(0〜100%)。第2は投与後、最初の6回の30分の間に、起きて過ごした時間(分)の和であった(3時間AUG;最大180分)。
【0247】
試験化合物の活性を確認する目的で、覚醒活性値を対応する賦形剤値に対して比較した。賦形剤値は2種類であった。第1の種類は対応する実験内賦形剤であり、すなわち試験化合物と同時に行った賦形剤群に由来する値であった。第2の参照賦形剤値も比較のために使用し、これは試験化合物の評価として、同じ期間中に行った59の別個の実験における234匹の動物から算出された平均3時間のAUC値からなった(平均±SD=69.22±20.12;95%の信頼限界=66.63−71.81)。両側アンペアードt検定を、薬剤 対 賦形剤処置動物の覚醒時間値について行い、そしてp<0.05の化合物を有意な覚醒促進と見なした。試験化合物は、1もしくは複数の以下の3つの基準に合えば、覚醒促進剤と考えた。
(i)試験化合物に関する3時間のAUC値が、参照賦形剤群(N=234)に関する平均覚醒値よりも有意に大きかった(p<0.05)。
(ii)試験化合物に関する3時間のAUC値が、実験内賦形剤群に関して対応する値よりも有意に大きかった(p<0.05)。
(iii)試験化合物群において、投与から0.5〜2時間後の1もしくは複数の半時間覚醒時間値が、実験内賦形剤群に比べて有意に大きかった(p<0.05)。
【0248】
結果。
本発明の化合物は、覚醒促進活性が示されたか、またはそれに関する用途を示すと期待される。
【0249】
参考文献。以下の参考文献は(ある程度、本明細書に説明することを補足する例示的手順または他の詳細を提供する)、引用により全部、本明細書に編入する。
【0250】
【表7】

【0251】
投薬用量および製剤
治療目的には、本発明の化合物は、活性な作用物質と個体内での作用物質の作用部位との接触が生じる任意の手段により投与することができる。化合物は、個々の治療薬として、あるいは例えば鎮痛薬のような他の治療薬と組み合わせて、または限定するわけではないが三環式の抗鬱剤("TCA")、選択的セロトニン再取り込み阻害剤("SSRI")、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤("SNSRI")、ドーパミン再取り込み阻害剤("DRI")、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤("NRU")、ドーパミン、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤("DSNRI")、およびモノアミンオキシダーゼA型(PIMA)の可逆的阻害剤を含むモノアミンオキシダーゼ阻害剤("MAOI")を含む抗鬱剤と組み合わせたいずれかの薬剤と一緒に使用するために利用できる通例の手段により投与することができる。本発明の化合物は好ましくは本明細書に記載する疾患および障害を処置するために、治療に有効な量で投与される。
【0252】
治療に有効な量は、当業者のような担当医師により、通常の技術を使用することにより
容易に決定することができる。有効量は、活性剤の薬物動態学、疾患または障害の種類および進行の程度、特定患者の年齢、体重および健康状態、活性剤の配合およびその投与様式および頻度、ならびに副作用が最少の所望の効果を含め多くの因子に依存して変動するだろう。典型的には化合物は低用量レベルで投与され、所望の効果が達成されるまで次第に増加される。
【0253】
典型的な用量範囲は、1日あたり約0.01mg/kg〜約100mg/kg体重であり、好適な用量は1日あたり約0.01mg/kg〜約10mg/kg体重である。ヒト成人に関して典型的な毎日の用量は、約1〜約1000mgの活性剤、特に約1〜約400mg、そして25、50、85、100、150、170、200、255、250、255、340、400、425、500、600、700、750、800および900mg用量を含み、そしてヒトの小児には均等な用量を含む。
【0254】
化合物は1もしくは複数の単位剤形で投与することができ、そしてそれらは単回の毎日の用量で、または1日に2、3もしくは4回の用量で投与され得る。単位用量は、約1〜約1000mg、特に約1〜約400mgの範囲であり、そして25、50、85、100、150、170、200、250、255、340、400、425、500、600、700、750、800および900mgの単位用量、およびヒト幼児用に均等な単位用量を含む。特に単位投薬範囲は、1日に1〜4回、約1〜約500mgの範囲で投与され、好ましくは1日に2回、約10mg〜約300mgの範囲で投与される。有効用量を記載する別の方法では、経口の単位用量は個体において約0.05〜20μg/mlの血清レベル、そして好ましくは約1〜20μg/mlを達成するために必要な量である。
【0255】
本発明の化合物は、1もしくは複数の製薬学的に許容され得る賦形剤と混合することにより製薬学的組成物に配合することができる。活性剤は組成物の約0.5〜95重量%で存在することができる。賦形剤は選択した投与経路、および例えばレミングトン:製薬の科学および実践(Remington:Science and Practice of Phaemacy)、第20版;Gennaro,A.R.、編集:Lippincott Williams and Wilkins;フィラデルフィア、ペンシルバニア州、2000に記載されているような標準的な製薬学的プラクティスに基づき選択される。
【0256】
組成物は錠剤、ピル、粉末、カプセル、トローチ等を含む経口的手段;静脈内、筋肉内および皮下手段を含む非経口的手段;貼布、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、ゲル、溶液、懸濁液、エーロゾルおよび粉末等を含む局所または経皮的手段;鼻、直腸、膣、舌下および頬内手段を含む経粘膜手段;眼内または吸引手段により投与するために調製することができる。好ましくは組成物は経口投与用、特に錠剤、カプセルもしくはシロップの状態で;非経口投与用、特に液体溶液、懸濁液もしくは乳液の状態で;鼻内投与用、特に粉末、点鼻もしくはエーロゾル状態で;あるいは貼布、クリーム、軟膏およびローションのような局所投与用に調製される。
【0257】
経口投与用に、錠剤、ピル、粉末、カプセル、トローチ等は以下の1もしくは複数を含むことができる:澱粉またはセルロースのような希釈剤または充填剤;微結晶セルロース、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンのような結合剤;澱粉またはセルロース誘導体のような崩壊剤;タルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;コロイド状二酸化シリコンのような造粒促進剤;シュクロースまたはサッカリンのような甘味料;およびペパーミントまたはチェリー香料のような風味剤を含むことができる。カプセルは任意の上に列挙した成分を含むことができ、そしてまた半固体もしくはポリエチレングリコールのような液体担体を含むこともできる。固体の経口剤形は、糖、シェラックまたは腸溶性作用物質のコーティングを有することができる。液体調製物は水性または油性懸濁液、溶液、乳液、シロップ、エリキシル等であることができ、あるいは使用前に水または他の適切な賦形剤で再構成するための乾燥生成物として提供されることができる。そのような液体調製物は、表面活性剤、沈殿防止剤、乳化剤、希釈剤、甘味料および風味剤、色素および保存剤のような通例の添加剤を含むことができる。
【0258】
また組成物は、非経口的に投与してもよい。注射に許容できる製薬学的形態には、例えば滅菌水溶液または懸濁液を含む。水性担体には、アルコールおよび水、緩衝化媒質等の混合物を含む。非水性溶媒には、エタノールおよびポリエチレングリコールのようなアルコールおよびグリコール;植物油のような油;脂肪酸および脂肪酸エステル等を含む。加えることができる他の成分には、ヒドロキシプロピルセルロースのような表面活性剤;塩化ナトリウムのような張性調整剤;流体および栄養補充物質;電解質補充物質;モノステアリン酸アルミニウムおよび種々のコポリマーのような活性化合物の放出を制御する作用物質;クロロブタノールまたはフェノールのような抗菌剤;緩衝液;沈殿防止剤;増粘剤等を含む。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジまたは多用量バイアルに包含され得る。活性化合物用の他の潜在的に有用な非経口送達系には、エチレン−ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、移植可能な注入系およびリポソームがある。
【0259】
他の可能な投与様式には吸入用製剤があり、これは乾燥粉末、エーロゾルまたは液滴のような手段を含む。それらは例えばポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココーレイトおよびデオキシコーレイトを含有する水溶液、または点鼻状態で投与するための油性溶液、または鼻内に適用するゲルであることができる。局所的に使用するための製剤は、軟膏、クリームまたはゲルの状態である。典型的にはこれらの形態には、ペトロラタム、ラノリン、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコールまたは他の組み合わせのような担体、およびラウリル硫酸ナトリウムのような乳化剤、またはトラガカントのようなゲル化剤を含む。経皮的投与に適する製剤は、不連続貼布として、リザーバーもしくはミクロリザーバー系として、接着拡散−制御系またはマトリックス分散−型の系として提供することができる。頬内投与用の製剤には、例えばロゼンジまたは香錠を含み、そしてシュクロースまたはアカシアのような芳香基剤、およびグリココーレートのような他の賦形剤も含むことができる。直腸投与に適当な製剤は、好ましくはカカオ脂のような固体基材の担体を含む単位用量坐薬として提供され、そしてサリチレートを含むことができる。
【0260】
本発明の組成物は活性な作用物質(1もしくは複数)の放出を制御および/または遅延するために配合することができる。そのような放出制御、遅延、徐放性、または長期(extended)放出組成物は当該技術分野では周知であり、そして例えばリザーバーまたはマトリックス拡散製品、ならびに溶解系を含むことができる。組成物の中には例えば生物適合性、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコライドコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを賦形剤として使用することができるものもある。
【0261】
当業者は、上記の教示に照らして本発明の多数の修飾および変更が可能であると考えるだろう。したがって特許請求の範囲内で、本発明は本明細書に具体的に記載したもの以外を実施することができ、そして本発明の範囲にはそのようなすべての変更を包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立して:
a)1〜3個の炭素原子が酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子に置き換えられることができる6員の芳香族炭素環式環;および
b)i)1個の炭素原子が酸素、窒素または硫黄原子に置き換えられることができるか;
ii)2個の炭素原子が硫黄および窒素原子、酸素および窒素原子、または2個の窒素原子に置き換えられることができるか;あるいは
iii)3個の炭素原子が3個の窒素原子、1個の酸素および2個の窒素原子、または1個の硫黄および2個の窒素原子に置き換えられることができる;
いずれかの5員の芳香族炭素環式環;
から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)、NR10、Cアルキレン、C2−3アルケニレン、C(=O)、C(R21NR10、C(R21)=N、N=C(R21)、C(=O)N(R10)またはNR10C(=O)であり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−R
d)C−Cアルキレン−O(CHOR21
e)1もしくは2個のOR21基で置換されたC−Cアルキル、ただしYは(CH1−4OR21であることはできず;および
f)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキルおよびアルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
ZはO、NR10A、S(O)、CR21=CR21、C=C(R21、C≡C、C−C10アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレン、C−Cシクロアルキレンまたは3〜6員のヘテロシクロアルキレンであり、ここで該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
は、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、OC(=O)R11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
は5〜6員のヘテロアリールであり、ここで該ヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立して、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって、3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで該アルキルおよびアリール基およびヘテロシクロアルキル環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−CアルキルおよびC−C10アリールから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4であり、
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)R=Hであり、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならず;
2)Xが存在しない場合、RはNR1213であることはできない]の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形。
【請求項2】
qが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが存在しない請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Xが結合、O、CアルキレンまたはC(=O)である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Xが結合である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
環AおよびBがそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立して:
a)1〜3個の炭素原子が窒素原子に置き換えられることができる6員の芳香族炭素環式環;および
b)i)1個の炭素原子が酸素、窒素または硫黄原子に置き換えられることができ;
ii)2個の炭素原子が硫黄および窒素原子、酸素および窒素原子、または2個の窒素原子に置き換えられることができる;
いずれかの5員の芳香族炭素環式環;
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環AおよびBが各々独立して、フェニレン、ピリジレン、ピラジニレン、ピリミジニレン、ピロリレン、ピラゾリレン、イミダゾリレン、フリレンおよびチエニレンから選択される請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
RがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
RがC−Cアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
YがC−Cアルキレン−Rまたは(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−Rであり、ここで該アルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されてもよい請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
YがC−Cアルキレン−Rである請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
YがCH−Rである請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Yが(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−Rである請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
YがC−Cアルキレン−Rである請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
YがC−Cアルキレン−O(CHOR21である請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Yが1もしくは2個のOR21基で置換されたC−Cアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
YがCHCR21=C(R21である請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
がNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR1213およびPO(OR21から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
がNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213、NR21S(O)11およびS(O)NR1213から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
がNR21C(=O)R14、C(=O)NR1213、NR21S(O)11またはS(O)NR1213から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
がC(=O)NR1213である請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
式(III):
【化2】

[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立してフェニレン、ピリジレン、フリレン、チエニレン、または1〜3個の炭素原子が窒素原子に置き換えられることができる5員の芳香族環から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)またはNR10であり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)(C−Cアルキレン)−Z−(C−Cアルキレン)−RまたはC−Cアルキレン−Z−C−Cアルキレン−R
d)C−Cアルキレン−O(CHOR21
e)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH;および
f)CHCR21=C(R21またはXが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキルおよびアルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
はCR21=CR21、C=C(R21、C≡C、またはフェニレンであり、ここで該フェニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
はO、NR10AまたはS(O)であり;
はNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
はピリジル、フリル、チエニルまたは1〜3個の窒素原子を含有する5員のヘテロアリール基であり、ここで該ヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立して、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで該アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4であり;
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、RがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならず;
2)Xが存在しない場合、RはNR1213であることはできない]の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形。
【請求項23】
環AおよびBが各々独立して、フェニレン、ピリジレン、ピラジニレン、ピリミジニレン、ピロリレン、ピラゾリレン、イミダゾリレン、フリレンおよびチエニレンから選択される請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Xが存在しない請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Xが結合である請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
RがC−Cアルキルであり、そしてYがC−Cアルキレン−Rである請求項23に記載の化合物。
【請求項27】
RがHであり、そしてYがC−Cアルキレン−Rである請求項23に記載の化合物。
【請求項28】
YがCH−Rである請求項26または27に記載の化合物。
【請求項29】
がNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213、NR21S(O)11およびS(O)NR1213から選択される、請求項23に記載の化合物。
【請求項30】
がC(=O)NR1213である請求項23に記載の化合物。
【請求項31】
qが1であり、RがHであり、そしてYがC−Cアルキレン−C(=O)NR1213である請求項23に記載の化合物。
【請求項32】
qが1であり、RがHであり、YがC−Cアルキレン−Rであり、ここでRがNR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR1213およびPO(OR21から選択される、請求項21に記載の化合物。
【請求項33】
式(IV):
【化3】

[式中、
フェニレン環は各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、または結合であり;
RはHまたはC−Cアルキルであり;
Yは:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)C−Cアルキレン−O(CHOR21
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH;および
e)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21CHCR21=C(R21
から選択され、ここで該アルキレン基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
はピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
はフリル、チエニル、1〜2個の窒素原子を含有する5員のヘテロアリール基、またはトリアゾリルであり、ここで該R基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで該アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
12AおよびR13Aは各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよび5員のヘテロアリールから選択され;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
pは1、2、3または4であり;
qは1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならず;
2)Xが存在しない場合、Rはピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルであることはできない]の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形。
【請求項34】
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)C−Cアルキレン−O(CHOR21
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH、および
e)CHCH=CHまたはXが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHC=(C)CH
から選択され、ここで該アルキレン基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
がピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、NR21S(O)11、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
がフリル、チエニルまたはトリアゾロニルであり、ここで該R基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13が各々存在する際には、各々独立してHおよび場合によりC(=O)NR12A13Aで置換されてもよいC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し;
12AおよびR13Aが各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびチエニルから選択され;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、=O、C(=O)R22、CO21、C(=O)NR2324およびNR21C(=O)R22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
pが1、2、3または4であり;
qが1または2である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
式(V):
【化4】

[式中、
フェニレン環が各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xが結合、O、S(O)、NR10、CアルキレンまたはCアルケニレンであり,ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
RがHまたはC−Cアルキルであり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R;および
b)Xが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHCR21=C(R21
から選択され;
がピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213およびNR21S(O)11から選択され;
10が独立してH、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R14
およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで該アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は場合によりR20基で置換されていてもよく;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−CスピロシクロアルキルC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
yが0、1または2であるが、ただし
1)R=H、そしてYが(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない]の構造を有する請求項1に記載の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形。
【請求項36】
Xが結合であり、RがC−Cアルキルであり、YがC−Cアルキル−C(=O)NR1213である請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Xが結合であり、RがHであり、YがC−Cアルキル−Rであり、そしてRがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14またはNR21S(O)11から選択される請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
Xが結合であり、そしてYがCHCR21=C(R21CHCR21=C(R21である請求項35に記載の化合物。
【請求項39】
YがCHCH=CHまたはCHC(=C)CHである請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
フェニレン環が各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
qが1であり;
Xが結合であり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R;および
b)CHCH=CHまたはXが結合であり、そしてqが2である場合を除くCHC(=C)CH
から選択され;
がピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、NR21C(=O)R14、C(=O)NR1213およびNR21S(O)11から選択され;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13が各々存在する際には、各々独立してHおよび場合によりC(=O)NR12A13Aで置換されてもよいC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し;
12AおよびR13Aが各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、=O、C(=O)R22、CO21、C(=O)NR2324およびNR21C(=O)R22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基である請求項35に記載の化合物。
【請求項41】
式(VI):
【化5】

[式中、
ArおよびArが各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されてもよいフェニルであり;
RがHまたはC−Cアルキルであり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)C−Cアルキレン−O(CHOR21;および
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH
から選択され;
がC(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
がフリル、チエニルまたはトリアゾリルであり、ここで該R基は場合によりR
基で置換されていてもよく;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
12AおよびR13Aは各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよび5員のヘテロアリールから選択され;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびフェニルから選択され;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
pは1、2、3または4であり;
yは0、1または2であるが、ただし
1)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、RがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない]の構造を有する請求項1に記載の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形。
【請求項42】
RがC−Cアルキルであり、そしてYがC−Cアルキル−C(=O)NR1213である請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
RがHであり、そしてYがC−Cアルキル−Rであり、ここで該アルキルがスピロシクロアルキルで置換され、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213である請求項41に記載の化合物。
【請求項44】
がC(=O)NR1213である請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
がC(=O)R15、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択される請求項41に記載の化合物。
【請求項46】
YがC−Cアルキレン−O(CHOR21である請求項41に記載の化合物。
【請求項47】
YがCHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CHである請求項41に記載の化合物。
【請求項48】
ArおよびArが各々独立して場合により1〜3個のR20基で置換されてもよいフェニルであり;
RがHまたはC−Cアルキルであり;
Yが:
a)C−Cアルキレン−R
b)C−Cアルキレン−R
c)CHCHO(CHOCH;および
d)CHC(OH)(CH、CHC(CHOH、CHC(OH)CF、CHC(OH)(C≡CH)またはCHCH(OH)CH
から選択され;
がC(=O)R15、CO11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択され;
がフリル、チエニルまたはトリアゾロニルであり;
11が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
12およびR13が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
12AおよびR13Aが各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
14が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
15が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルおよびチエニルから選択され;
20が各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cスピロシクロアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、C(=O)NR2324およびNR21C(=O)R22から選択され;
21が各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22が各々存在する際には、独立してC−Cアルキルであり;
23およびR24が各々存在する際には、各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって5〜6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
25が各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であるが、ただし
1)R=H、Yが(C−Cアルキレン)−Rであり、そしてRがCO11またはC(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない請求項41に記載の化合物。
【請求項49】
RがHである請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
がC(=O)R15、C(=O)NR1213、C(=O)NR2114、S(O)NR12A13AおよびPO(OR21から選択される、請求項48に記載の化合物。
【請求項51】
YがC−Cアルキレン−Rである請求項48に記載の化合物。
【請求項52】
表1に従い選択される化合物。
【請求項53】
表2に従い選択される化合物。
【請求項54】
処置が必要な個体の睡眠発作、閉塞性睡眠時無呼吸または交替勤務障害に伴う過剰な眠気;パーキンソン病;アルツハイマー病;注意欠陥障害;注意欠陥過活動性障害;鬱病;
または疲労の処置法であって、該個体に治療に有効な量の式(A):
【化6】

[式中、
環AおよびBはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、各々独立して:
a)1〜3個の炭素原子が酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子に置き換えられることができる6員の芳香族炭素環式環;および
b)i)1個の炭素原子が酸素、窒素または硫黄原子に置き換えられることができるか;
ii)2個の炭素原子が硫黄および窒素原子、酸素および窒素原子、または2個の窒素原子に置き換えられることができるか;あるいは
iii)3個の炭素原子が3個の窒素原子、1個の酸素および2個の窒素原子、または1個の硫黄および2個の窒素原子に置き換えられることができる;
いずれかの5員の芳香族炭素環式環;
から選択され、ここで該環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
Xは存在しないか、結合、O、S(O)、NR10、Cアルキレン、C2−3アルケニレン、C(=O)、C(R21NR10、C(R21)=N、N=C(R21)、C(=O)N(R10)またはNR10C(=O)であり、ここで該アルキレンおよびアルケニレン基は、場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
RはH、C−Cアルキル、C−C10アリール、5〜6員のヘテロアリール、C−Cシクロアルキルまたは3〜7員のヘテロシクロアルキルであるが、ただしRがC(=O)NR1213である時、RはHであることはできず;
YはC−Cアルキレン−R(ここで1もしくは2個の炭素原子が1もしくは2個のO、NR10またはS(O)基に置き換えられることができるか、あるいは炭素原子はC−C10アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレン、C−Cシクロアルキレンまたは3〜6員のヘテロシクロアルキレン基に置き換えられることができる)、C−Cアルケニレン−RまたはC−Cアルキニレン−Rであり、ここで該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレン基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
は、H、NR1213、NR21C(=O)R14、C(=O)R15、CO11、OC(=O)R11、C(=O)NR1213、C(=O)NR21OR14、C(=NR11)NR1213、NR21S(O)11、S(O)NR1213、NR21S(O)NR1213およびPO(OR21から選択され;
10およびR10Aは各々存在する際には、独立して、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、C(=O)R15およびS(O)14から選択され、ここで該アルキルおよびアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
11は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され、ここで該アルキルは場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
12およびR13は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR12およびR13はそれらが結合している窒素と一緒になって、3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで該アルキルおよびアリール基およびヘテロシクロアルキル環は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
14は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリールおよびアリールアルキルから選択され、ここで該アルキル、アリールおよびアリールアルキル基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
15は各々存在する際には、独立してC−Cアルキル、C−C10アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから選択され、ここで該アルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリール基は場合により1〜3個のR20基で置換されていてもよく;
20は各々存在する際には、独立してF、Cl、Br、I、OR21、OR25、NR2324、NHOH、NO、CN、CF、C−Cアルキル、C−Cスピロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO21、OC(=O)R22、C(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21CO22、OC(=O)NR2324、NR21C(=O)R22、NR21C(=S)R22およびS(O)22から選択され;
21は各々存在する際には、独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
22は各々存在する際には、独立してC−CアルキルおよびC−C10アリールから選択され;
23およびR24は各々存在する際には、各々独立してH、C−CアルキルおよびC−C10アリールから選択されるか、あるいはR23およびR24はそれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
25は各々存在する際には、独立してカルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
qは0、1または2であり;
yは0、1または2であるが、ただしR=H、そしてYが(C−Cアルキレン)−C(=O)NR1213であるならば、アルキレン基はスピロシクロアルキル基で置換されていなければならない]の化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物または製薬学的に許容され得る塩形を投与することを含んでなる上記方法。
【請求項55】
化合物が睡眠発作、閉塞性睡眠時無呼吸または交替勤務障害に伴う過剰な眠気を処置するために投与される請求項54に記載の方法。
【請求項56】
請求項1に記載の化合物を1もしくは複数の製薬学的に許容され得る賦形剤との混合物に含んでなる製薬学的組成物。

【公開番号】特開2012−236836(P2012−236836A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−157434(P2012−157434)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2007−508587(P2007−508587)の分割
【原出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(599133646)セフアロン・インコーポレーテツド (10)
【Fターム(参考)】