説明

三環式誘導体ならびにそれらの医薬用途および組成物

【解決手段】 本出願は化学式Iの三環式化合物に関するものであり、化学式Iはすべての立体異性体、立体異性体のすべての混合物、およびこれらの化合物の塩類を含む。本出願はまた、化学式Iの化合物、立体異性体、立体異性体のすべての混合物およびそれら塩を有する組成物、およびそれらの使用に関するものである。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
セロトニンは、中枢神経系に源を発する多数の容態、障害、および疾患に関連づけられている。これらは、気分、認知機能、睡眠、摂食、疼痛、うつ病、不安、統合失調症、および他の身体的状態に関連した、容態、障害、および疾患を含む。セロトニンは、胃腸系などの末梢系においても重要な役割を果たし、胃腸系では様々な収縮、分泌、および電気生理作用を媒介することが分かっている。
【背景技術】
【0002】
セロトニン受容体(5−HT)のスーパーファミリーは、神経伝達物質5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT、セロトニン)の作用を調節する14のヒトサブクラスを包含する7つのクラス(5−HT〜5−HT)を含む。5−HT受容体は、分子クローン化によりラットにおいてもヒトにおいても同定される最新のセロトニン受容体である。Mol.Pharmacol,1993,43,320−327;J Neurochem,1996,66,47−56。ヒト5−HT受容体は、Gタンパク質結合受容体(G protein−coupled receptor:GPCR)の構造と一致する7膜貫通型ドメインを有する440アミノ酸ポリペプチドである。ヒトにおける5−HT受容体とラットにおける5−HT受容体との間には約89%の配列相同性があり、脳における5−HT受容体mRNAの相対分布も類似しているようである。総合して、これらの観察は、ラットがヒトにおける5−HT受容体リガンドの薬理学を予測するための適切なモデルであるであることを示唆している。
【0003】
5−HT受容体は、中枢神経系に主として存在し、グルタミン酸作動性およびコリン作動性ニューロン活性に関与する。Curr Drug Targets CNS Neurol Disord,2004,3,59−79。5−HT受容体の機能の遮断は、アセチルコリン(acetylcholine:ACh)およびグルタミン酸塩媒介神経伝達を増加させること、ならびに認知過程を強化することが分かっている。いくつかの抗うつ薬および異型抗精神病薬が高い親和性で5−HT受容体に結合することも証明されている。この結合は、これらの薬物の治療プロフィールへの寄与因子である可能性がある。5−HT受容体活性は、全身性のストレスおよび不安状態にも関連づけられている。Life Sciences,1998,62,1473−1477。考え合わせると、これらの研究および観察は、5−HT受容体親和性を有する化合物が、中枢神経系(central nervous system:CNS)に関連した様々な容態、障害、または疾患、例えば認知疾患、神経変性疾患、統合失調症、不安、およびうつ病、の処置に有用である可能性があることを示唆している。5−HT受容体活性の調節による影響を受ける可能性のある他のCNS関連容態、障害、または疾患は、睡眠/覚醒障害ならびに侵害受容、すなわち、侵害刺激を符号化して処理する神経過程、を含む。
【0004】
5−HT受容体は、食物摂取または食物摂取量に関係づけられる容態、障害、または疾患、例えば食欲不振、悪液質、および肥満など、において役割を果たすことも証明されている。例えば、Drug Discovery Today,2006,11,283−299を参照されたい。5−HT受容体は、胃腸(gastrointestinal:GI)管に関連した容態、障害、または疾患、例えば過敏性腸症候群および腸機能障害、にも関与すると考えられる。
【0005】
セロトニンによって媒介される広範囲の生理作用を考えると、5−HT受容体によって直接または間接的に媒介される、制御される、もたらされる、または影響される容態、障害、または疾患を含めて、セロトニン作動系に作用する化合物の同定および開発にはとてつもなく興味深いものがある。5−HT受容体に対して親和性を有する、5−HT受容体と相互作用する、5−HT受容体を刺激する、または5−HT受容体を阻害する化合物は、一般に、5−HTリガンドと呼ばれる。
【0006】
本出願は、5−HT受容体に対して親和性を有する新規化合物、すなわち5−HTリガンドであって、中枢神経系(central nervous system:CNS)に関連した一定の容態、障害、もしくは疾患、例えば記憶障害、不安、癲癇、偏頭痛、パニック発作、うつ病、双極性障害、強迫性障害、認知力/認知障害、軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)、老人性痴ほう症、精神病、統合失調症、ADHD/ADD、の処置のための;または神経障害性疼痛および慢性疼痛含む疼痛;頭部外傷もしくは損傷の処置のための;または神経変性性の容態、障害、もしくは疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋委縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)、もしくは多発性硬化症の処置のための;または物質、例えば麻薬、エタノール(アルコール中毒)、ニコチン、および/もしくはベンゾジアゼピン、による依存症および/もしくは禁断症状に関連した容態、障害、もしくは疾患;睡眠/覚醒障害の処置のための;または胃腸の(gastrointestial:GI)容態、障害もしくは疾患、例えば過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)、腸機能障害の処置のため;または摂食行動もしくは食物摂取量に関連した容態、障害、もしくは疾患、例えば食欲不振、悪液質、および肥満、の処置のための医薬製剤における活性成分として有用である可能性がある新規化合物に関する。
【0007】
これらの化合物は、他の点では健常な被験者における認知力の改善(認知強化)および/または記憶の改善にも有用である可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願は、式Iの三環式化合物:
【化1】

【0009】
(これらの化合物のすべての立体異性体形および立体異性体形のすべての混合物を含む)
に関する。
【0010】
本出願は、式Iの化合物の塩、式Iの化合物を含む組成物、または式Iの化合物の塩にも関する。
【0011】
本出願は、さらに、式Iの化合物の医薬的に許容される塩、および式Iの化合物または式Iの化合物の医薬的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
【0012】
式Iの化合物および/またはそれらの医薬的に許容される塩は、セロトニン受容体(5−HT)ファミリーの1つまたはそれ以上のメンバー、例えば5−HTおよび5−HT受容体など、によって直接または間接的に制御される、媒介される、もたらされる、または影響される容態、障害、および疾患の処置に有用である。
【0013】
式Iの化合物は、5−HT受容体リガンドであり、従って、様々な容態、障害、または疾患、例えば、中枢神経系(central nervous system:CNS)および胃腸(gastrointestinal:GI)管に関連したものの処置に有用である。
【0014】
本出願において用いるセクションの見出しは、単に索引および検索を目的としたものであり、いかなる点においても限定とみなすべきでないと、解するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、式Iの化合物、式IIからVの化合物、ならびにこれらの様々な化学種およびより具体的な実施形態、中間体、および該当する他の化合物の追加の非限定的詳説を提供するものである。
【0016】
本明細書において用いる場合、用語「式Iの化合物(単数または複数)」は、相反する明確な言明がない限り、式IIから式Vの化合物を含むと解するべきである。
【0017】
本明細書において用いる場合、用語「化合物(単数または複数)」は、単独で用いていようと、いずれかの式と併用していようと、相反する明確な言明がない限り、すべての立体異性体、立体異性体のすべての混合物、ならびに前述の化合物、立体異性体、および立体異性体の混合物のすべての塩を含むと解するべきである。従って、「式Iの化合物またはその(それらの)塩」という句の使用は、式Iから式Vの化合物、すべての立体異性体、立体異性体のすべての混合物、ならびに前述の化合物、立体異性体、および立体異性体の混合物のすべての塩を指す、および含む。この解釈は、式Iの1つまたはそれ以上の化合物を利用するまたは含む医薬組成物および治療方法に及ぶ。
【0018】
本出願の1つの観点は、式Iの化合物:
【化2】

【0019】
各出現のRが、H、ハロゲン、CN、NO、NR、COR、CO、CONR、NCOR、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル(C−C)ハロアルコキシ、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール(C−C10)アルイルオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、から独立して選択され、およびpは0、1、2、または3であり、H、ハロゲン、CNおよびNOを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、
各出現のRが、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、および(C−C)アルキル(C−C10)アリールから選択的に選択され、qは0,1、または2であり、
がH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、CO(C−C)アルキル、CONH(C−C)アルキル、CO(C−C)アルキル、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、CO(C−C10)アリール、CONH(C−C10)アリール、CO(C−C10)アリール、SO(C−C10)アリール、SONH(C−C10)アリール、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)ヘテロアリール、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但し(C−C)ヘテロアリールは任意の(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールにおいて、1,3,4トリアゾールで選択的に置換されるものではなく、
YがCHまたはOであり、
Xが不在、O、NRまたは(C1−C4)アルキルであり、
RがHまたは(C−C)アルキルであり、
全ての出現においてRおよびRがH、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、Hを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、
mは1または2であり、
Zが(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、または、
ZがNRであり、RおよびRは各々独立してH、(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但しRおよびRは両方ともHではなく、または、
およびRは一緒になって、1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される(C−C)ヘテロシクロアルキル環を形成する化学式Iの化合物またはその塩に関する。
【0020】
本出願のもう1つの観点は、式IIの化合物:
【化3】

【0021】
各出現のRがH、ハロゲン、CN、NO、NR、COR、CO、CONR、NCOR、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル(C−C)ハロアルコキシ、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール(C−C10)アルイルオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、pは0、1、2、または3であり、H、ハロゲン、およびNOを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、
各出現のRがH、(C−C)アルキル、(C−C10)アリールおよび(C−C)アルキル(C−C10)アリールから独立して選択され、qは0、1または2であり、
がH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、CO(C−C)アルキル、CONH(C−C)アルキル、CO(C−C)アルキル、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、CO(C−C10)アリール、CONH(C−C10)アリール、CO(C−C10)アリール、SO(C−C10)アリール、SONH(C−C10)アリール、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)ヘテロアリール、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但し(C−C)ヘテロアリールは任意の(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールにおいて、1,3,4トリアゾールで選択的に置換されるものではなく、
YがCHまたはOであり、
Xが不在、O、NRまたは(C1−C4)アルキルであり、
がHまたは(C−C)アルキルであり、
全ての出現のRおよびRがH、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、Hを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、
mは1または2であり、
Zが(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、または、
ZがNRであり、RおよびRは各々独立してH、(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但しRおよびRは両方ともHではなく、または、
およびRが一緒になって、1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される(C−C)ヘテロシクロアルキル環を形成するものである化学式IIの化合物またはその塩を対象とする。
【0022】
化学式IIのいくつかの実施形態において、
Zが(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される。
【0023】
化学式IIの他の実施形態において、
がH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、および(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される。
【0024】
化学式IIの更なる実施形態において、
Zが(C−C10)アリールまたは(C−C)ヘテロアリールであり、上述のもののいずれか一方は1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される。
【0025】
化学式IIのさらに他の実施形態において、
pおよびqは各々0である。
【0026】
化学式IIのさらに他の実施形態において、
Xは不在であり、
がH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、および(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、および、
Zが(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される。
【0027】
さらに他の実施形態において、化学式IIの化合物は特にここに命名されたすべての化合物を含む。
【0028】
本出願のもう1つの観点は、式IIIの構造を有する式Iの化合物:
【化4】

【0029】
化学式IIIの構造を有する化学式Iの化合物またはその塩を対象とする。
【0030】
本出願の更なる1つの観点は、式IVの構造を有する式Iの化合物:
【化5】

【0031】
化学式IVの構造を有する化学式Iの化合物またはその塩を対象とする。
【0032】
本出願のもう1つの観点は、式Vの構造を有する式Iの化合物:
【化6】

【0033】
化学式Vの構造を有する化学式Iの化合物またはその塩を対象とする。
【0034】
もう1つの観点において、本出願は合成中間体および化学式Iの化合物を作る方法に関するものである。
【0035】
もう1つの観点において、本出願は、式Iの化合物の塩に関し、これらの塩は、医薬的に許容される塩である。
【0036】
もう1つの観点において、本出願は、式Iの1つもしくはそれ以上の化合物またはそれらの塩を含む組成物に関する。特定の具体的な実施形態において、前記塩は、医薬的に許容される塩である。追加の具体的な実施形態において、前記組成物は、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤をさらに含む。他の具体的な実施形態において、前記組成物は、少なくとも1つの追加の治療活性薬剤をさらに含む。
【0037】
もう1つの観点において、本出願は、セロトニン受容体(5−HT)ファミリーのメンバーによって媒介される、制御される、もたらされる、または影響される容態、障害、または疾患を処置する方法に関する。いくつかの実施形態において、前記容態、障害、または疾患は、5−HTまたは5−HT受容体の少なくとも一方によって媒介される、制御される、もたらされる、または影響される。いくつかの具体的な実施形態において、前記容態、障害、または疾患は、中枢神経系(central nervous system:CNS)に関連づけられ、例えば、記憶障害、不安、癲癇、偏頭痛、パニック発作、うつ病、双極性障害、強迫性障害、認知力/認知障害、軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)、老人性痴ほう症、精神病、統合失調症、ADHD/ADDであり;または神経障害性疼痛および慢性疼痛をはじめとする疼痛;頭部外傷もしくは損傷の処置の対象であり;神経変性性の容態、障害、もしくは疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋委縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)、もしくは多発性硬化症の処置の対象であり;または物質、例えば麻薬、エタノール(アルコール中毒)、ニコチン、および/もしくはベンゾジアゼピン、による依存症および/もしくは禁断症状に関連した容態、障害、もしくは疾患;睡眠/覚醒障害の処置の対象であり;または胃腸の(gastrointestial:GI)容態、障害、もしくは疾患、例えば過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)、腸機能障害の処置の対象であり;または摂食行動もしくは食物摂取量に関連した容態、障害、もしくは疾患、例えば、食欲不振、悪液質、および肥満、の処置の対象である。
【0038】
もう1つの観点において、本出願は、他の点では健常な被験者における認知力を改善する(認知強化)および/または記憶を改善するための方法に関する。
【0039】
もう1つの観点において、本出願は、5−HT受容体によって媒介される、制御される、もたらされる、または影響される容態、障害、または疾患を処置する方法に関し、これらの方法は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を投与することを含む。いくつかの具体的な実施形態において、前記方法は、少なくとも1つの追加の治療活性薬剤の投与をさらに含む。
【0040】
定義
本明細書に記載する化合物および中間体は、IUPAC(International Union for Pure and Applied Chemistry:国際純正・応用化学連合)命名法またはCAS(Chemical Abstracts Service:化学情報検索サービス)命名法のいずれかに従って命名したものである。
【0041】
本明細書に記載する様々な炭化水素含有部分を、その部分における炭素原子の最小および最大数を示す接頭部、すなわち「(C〜C)」、を用いて記載することがある。例えば、(C〜C)アルキルは、整数「a」から整数「b」(整数「b」を含む)の炭素原子のアルキル部分を示す。一定の部分を、特定の原子または原子団に具体的に言及してまたはせずに、構成員の最小および最大数に従って記載することもある。例えば、用語「a員からb員」または「aからbの間の構成員を有する」または「aからbの間の置換基」は、それぞれ、整数「a」から整数「b」(整数「b」を含む)の数の原子または置換基を有する部分を指す。
【0042】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アルキル」および「(C〜C)アルキル」は、上で説明したような必要数の炭素原子を含有する直鎖または分岐炭化水素基を指す。本明細書において用いる場合、アルキル基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。アルキル基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどを含む。
【0043】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アルコキシ」および「(C〜C)アルコキシ」は、上で説明したような必要数の炭素原子を含有する直鎖または分岐炭化水素基であって、酸素原子に結合しているものである炭化水素基を指す。本明細書において用いる場合、すべてのこのようなアルコキシ基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。アルコキシ基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばメトキシ、エトキシ、tert−ブトキシなどを含む。
【0044】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アミノアルキル」および「(C〜C)アミノアルキル」は、上で説明したとおりのアルキル基であって、任意の位置の少なくとも1つの水素原子が、アミノ基、すなわちNH、によって置換されているものであるアルキル基を指す。本明細書において用いる場合、アミノアルキル基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。
【0045】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アルケニル」および「(C〜C)アルケニル」は、上で説明したような必要数の炭素原子と少なくとも1つの二重結合とを含有する、直鎖または分岐炭化水素基を指す。本明細書において用いる場合、アルケニル基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。アルケニル基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばエテニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニルなどを含む。
【0046】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アルキニル」および「(C〜C)アルキニル」は、上で説明したような必要数の炭素原子と少なくとも1つの三重結合とを含有する、直鎖または分岐炭化水素基を指す。本明細書において用いる場合、アルキニル基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。アルキニル基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばエチニル、プロピニル、ブチニルなどを含む。
【0047】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「芳香族」は、4n+2のπ電子を含有する単環式および多環式共役環構造を指し、この場合のnは整数である。本明細書において用いる場合、芳香族は、炭素原子のみを含有する環構造(すなわち、「アリール」または「芳香族炭素環」)、ならびにN、O、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する環構造(すなわち、「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール」)を指す、および含む。本明細書において用いる場合、すべてのこのような芳香族環構造は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。
【0048】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「非芳香族」は、少なくとも1つの孤立した、すなわち共役π系の一部でない、二重結合を有する、単環式または多環式環構造を指す。本明細書において用いる場合、非芳香族は、炭素原子のみを含有する環構造、ならびにN、O、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する環構造、例えば1,2,5,6−テトラヒドロピリジンなど、を指す、および含む。本明細書において用いる場合、すべてのこのような非芳香族環構造は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。
【0049】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アリール」および「(C〜C10)アリール」は、上で説明したような必要数の炭素原子を有する単環式および多環式炭化水素環構造、すなわち炭素環、であって、少なくとも1つの環が上で説明したとおりの芳香族である環構造を指す。本明細書において用いる場合、アリール基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばフェニル(フェニレニル)、ナフチル(napthyl)(ナフチレネニル(napthylenenyl))、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレニルなどを含む。
【0050】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アリールアルキル」および「(C〜C)アルキル(C〜C10)アリール」は、上で定義したとおりのアルキル基であって、上で定義したとおりのアリール基を置換基として有するものであるアルキル基を指す。アリールアルキル基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばベンジル、フェニルエチルなどを含む。
【0051】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アリールオキシ」、「(C〜C10)アリールオキシ」、「アルコキシアリール」、および「(C〜C)アルコキシ(C〜C10)アリール」は、上で定義したとおりのアリール基であって、酸素原子にまたは上で定義したとおりのアルコキシ基にそれぞれ直接結合しているものであるアリール基を指す。これらの基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばフェノキシ、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、ナフチルオキシなどを含む。
【0052】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「炭素環式」および「炭素環」は、芳香族性に関係なく、環(単数または複数)内に炭素原子のみを含有する単環式および多環式環構造、すなわち炭化水素環構造、を指す。従って、炭素環式および炭素環は、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族である環構造、ならびに完全飽和、芳香族、および/または非芳香族部分を有する環構造を指す、および含む。用語、炭素環式および炭素環は、架橋、縮合、およびスピロ環式環構造をさらに含む。炭素環は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばシクロプロピル、シクロブチル、1,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、シクロヘキセニル、2,3−ジヒドロ−インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン、スピロ[3.4]オクタニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エニル(bicycle[2.2.1]hept−5−enyl)、アダマンタニル、ノルボルナニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。
【0053】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子および置換基を含む。これらの基をフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードと言うこともある。
【0054】
単独でまたは別の用語と共に本明細書において用いる場合、「ハロアルキル」および「(C〜C)ハロアルキル」は、上で定義したとおりのアルキル基であって、1つまたはそれ以上の水素原子が、上で定義したとおりのハロゲン原子によって置換されているものであるアルキル基を指す。ハロアルキル基内に1つより多くのハロゲン原子が存在する場合、それらのハロゲン原子は、同じであるもしくは異なる可能性があり、および/または同じ炭素原子上にもしくは異なる炭素原子上に位置する可能性があることは理解されるはずである。ハロアルキル基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、3−ブロモ−2−クロロ−プロピル、2,2−ジブロモエチル、2−ブロモ−2−クロロ−エチル、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−ブチルなどを含む。
【0055】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「ハロアルコキシ」および「(C〜C)ハロアルコキシ」は、上で定義したとおりのハロアルキル基であって、酸素原子に結合しているものであるハロアルキル基を指す。ハロアルコキシ基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、2,2−ジブロモエトキシ、3−ブロモ−2−クロロ−プロポキシ、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−ブトキシなどを含む。
【0056】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「シクロアルキル」および「(C〜C10)シクロアルキル」は、上で説明したような必要数の炭素原子を含有する単環式および多環式炭化水素環構造を指し、これらは、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。これらの用語は、完全に飽和されているまたは少なくとも1つの二重もしくは三重結合を含有する環構造、ならびに完全飽和または芳香族または非芳香族部分を伴う環構造、例えば1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレニルなど、を指す、および含む。これらの用語は、さらに、架橋および/または縮合多環式構造、例えばビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[5.2.0]ノナニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エニル、およびこれらに類するものなど、ならびに例えば、スピロ[3.4]オクタニル、スピロ[3.5]ノニルなどのようなスピロ環式構造を指す、および含むと、解するべきである。シクロアルキル基の他の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばシクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、イソプロピルシクロブチル、シクロペンチル、1,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル、ノルボルニル、デカヒドロナフタレニルなどを含む。
【0057】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「シクロアルキルオキシ」、「(C〜C10)シクロアルキルオキシ」、「アルコキシシクロアルキル」、「アルコキシ(C〜C10)シクロアルキル」、および「(C〜C)アルコキシ(C〜C10)シクロアルキル」は、上で説明したような必要数の炭素原子を有するシクロアルキル基であって、酸素原子にまたはアルコキシ基にそれぞれ直接結合しているものであるシクロアルキル基を指す。本明細書において用いる場合、これらの基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、2−シクロペンチル−エトキシ、シクロヘキシル−メトキシ、シクロヘキサ−3−イルオキシなどを含む。
【0058】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「ヘテロシクロアルキル」、「(C〜C)ヘテロシクロアルキル」、「複素環」、および「複素環式」は、上で説明したような必要数の炭素原子とN、O、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを含有する、単環式および多環式環構造を指す。これらの基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。これらの用語は、完全に飽和されているまたは少なくとも1つの二重もしくは三重結合を含有する環構造、ならびに完全飽和もしくは芳香族部分を有する環構造、例えばジヒドロベンゾ[1,4]−ジオキシニルなど、および/または非芳香族部分を有する環構造をさらに指す、および含む。多環式ヘテロシクロアルキル基は、縮合、架橋、およびスピロ環式環構造、ならびにNまたはSが酸化されている環構造、すなわち、1,1−ジオキシド−チオモルホリニル、1−オキソ−ピペリジニル、をさらに含むと、解するべきである。ヘテロシクロアルキル基の追加の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えばオキシラニル、チアラニル、アジリジニル、オキセタニル、チアタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオピラニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、1,4−オキサチアニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−ジチアニル、ピペラジニル、1,4−アザチアニル、オキセパニル、チエパニル、アゼパニル、1,4−ジオキセパニル、1,4−オキサチエパニル、1,4−オキサアゼパニル、1,4−ジチエパニル、1,4−チエアゼパニル、1,4−ジアゼパニル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、テトラヒドロチアジニル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、テトラヒドロアゼピニル、クロマニル、クロメニル、イソオキサゾリジニル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジニル、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、7−オキサ−1−アザ−スピロ[4,4]ノナニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、インドリニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、オクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニルなどを含む。
【0059】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「アルキルヘテロシクロアルキル」および「(C〜C)アルキル(C〜C)ヘテロシクロアルキル((C−C)alkyl(C−C)heterocycloalkyll)」は、上で定義したとおりのアルキル基であって、上で定義したとおりのヘテロシクロアルキル基を置換基として有するものであるアルキル基を指す。アルキルヘテロシクロアルキル基は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例としては、これらに限定されるものではないが、例えばピペリジニルメチル、ピロリジニルエチルなどを含む。
【0060】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「ヘテロシクロアルキルオキシ」、「(C〜C)ヘテロシクロアルキルオキシ」、「アルコキシ(C〜C)ヘテロシクロアルキル」および「(C〜C)アルコキシ(C〜C)ヘテロシクロアルキル」は、上で定義したとおりのヘテロシクロアルキル基であって、酸素原子にまたは上で定義したとおりのアルコキシ基に直接結合しているものであるヘテロシクロアルキル基を指し、および1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。代表例としては、これらに限定されるものではないが、例えばピロリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、アゼパン−4−イルオキシ、ピロリジン−1−イル−エトキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、テトラヒドロ−ピラン−3−イルプロピルオキシなどを含む。
【0061】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「ヘテロアリール」、「(C〜C)ヘテロアリール」、および「ヘテロ芳香族」は、上で説明したような必要数の炭素原子とN、O、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを含有する、単環式および多環式芳香族環構造を指す。本明細書において用いる場合、ヘテロ芳香族環構造は、多環式環構造であって、芳香族部分を含有するが、該環構造の他の部分は完全に飽和されているまたは非芳香族である可能性があるものである多環式環構造、例えばジヒドロベンゾ[1,4]−ジオキシニルなどを指す、および含む。ヘテロ芳香族環は、1から4の間の置換基で選択的に置換されている可能性がある。追加の代表例としては、これらに限定されるものではないが、例えばピロリル、フラニル、チオフェニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、1,3,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,3,5−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリジニル(ピリジル)、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、シンノリニル、プテリジニル、プリニル、6,7−ジヒドロ−5H−[1]ピリジニル、ベンゾ[b]チオフェニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリン−3−イル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアナフテニル、イソチアナフテニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、インドリル、インドリジニル、インダゾリル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン、1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オン、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−1−オン、1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−3−オン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピニル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピニル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピニルなどを含む。
【0062】
本明細書において用いる場合、以下の表示は、結合点を示す。
【0063】
【化7】

【0064】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「医薬的に許容される」は、例えば担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、塩、またはプロドラッグなどの指定されているエンティティーが、調合物を構成する他の成分と一般に化学的におよび/もしくは物理的に相溶性であること、ならびに/またはそれらのレシピエントと一般に生理的に適合であることを示す。
【0065】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「被験者(単数または複数)」および「患者(単数または複数)」は、ヒトを含めて、哺乳動物を指す。
【0066】
単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に本明細書において用いる場合、「置換されている」は、分子上の水素原子が、異なる原子または原子団で置き換えられていることを示し、水素原子を置き換える原子または原子団が「置換基」である。用語「置換基(単数)」、「置換基(複数)」、「部分(単数)」、「部分(複数)」、「基(単数)」または「基(複数)」は、「・・・1から4の間の・・・によって選択的に置換されている」という句と共に用いられているとき、別の指定がない限り置換基(単数または複数)を指すと解するべきである。
【0067】
本明細書において用いる場合、置換基の代表例は、これらに限定されるものではないが、例えば水素(Hと表示することがある)、ハロゲン(ハロと表示することがある)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、カルボン酸(COOHと表示することがある)、ホルミル、(C〜C)アシル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、ヒドロキシル(OHと表示することがある)、(C〜C)アミノアルキル、C〜C)ヒドロキシアルキル、ニトロ(NOと表示することがある)、シアノ(CNと表示することがある)、アミノ(NHと表示することがある)、モノ−またはジ−(C〜C)アルキルアミノ(NHR、NR、またはN(Rと表示することがある)、オキソ(>=Oまたはカルボニルと表示することがある)、(C〜C10)アリール、(C〜C)アルキル(C〜C10)アリール、(C〜C10)アリールオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロアリールオキシ、(C〜C)アルキル(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルコキシ(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルコキシカルボニル(COOR、OCOR、またはCORと表示することがある)、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)シクロアルキルオキシ、(C〜C10)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)ヘテロシクロアルキルオキシ、(C〜C)アルキル(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルキル(C〜C)アルコキシカルボニル(RCOOR、OCOR、またはRCORと表示することがある)、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−およびジ−(C〜C)アルキルアミノカルボニル(NHCO、NHCO、NRCO、N(RCOと表示することがある)、(C〜C)アシルチオ、ならびに(C〜C)アシルオキシを含む。
【0068】
本明細書において用いる場合、「処置すること」、「処置される」、および「処置」は、単独で用いていようと、別の用語(単数または複数)と共に用いていようと、予防的(例えば予防医学的)、改善的、緩和的、および治癒的使用および結果、またはそれらの任意の組み合わせを含む。用語「予防すること」および「予防的」および「予防医学的」は、絶対的なものではなく、むしろ、化合物または組成物の投与が容態、症状、もしくは病状の尤度もしくは重症度を減少させる、および/または容態、症状、または病状の発現をある期間、遅延する場合の使用および結果を指すと、解するべきである。
【0069】
本明細書において用いる場合、用語「治療的」および「治療有効量」は、単独で用いていようと、別の用語(単数または複数)と共に用いていようと、本明細書に記載する(a)特定の疾患、容態または障害を処置または予防する;(b)特定の疾患、容態、または障害の1つまたはそれ以上の症状を減弱、改善、または排除する;(c)特定の疾患、容態、または障害の1つまたはそれ以上の症状の発現を予防または遅延する、化合物、組成物、または薬物の量を意味する。用語「治療的」および「治療的に有効な」は、上述の効果(a)〜(c)のいずれか1つを、単独で、または他のもの(a)〜(c)のいずれかとの組み合わせで、包含すると解するべきである。
【0070】
本明細書において用いる場合、「治療活性薬剤」は、単独で用いようと、別の用語(単数または複数)と共に用いようと、疾患または障害の処置に有用であると判っているが式Iによって描かれない任意の化合物、すなわち薬物、を指す。
【0071】
本明細書に記載する化合物(最終生成物および中間体を含む)は、単離してそれ自体で使用することができ、または塩の形態で単離することができる。単独でまたは別の用語(単数もしくは複数)と共に用いる用語「塩(単数または複数)」および「塩形態(単数または複数)」は、別の指定がない限り、本明細書の中で定義するとおりの工業的に許容される塩および本明細書の中で定義するとおりの医薬的に許容される塩を含めて、すべての無機および有機塩を包含すると解するべきである。本明細書において用いる場合、工業的に許容される塩は、一般に、製造および/または加工(精製を含む)にならびに輸送および保管に適している塩であるが、臨床または治療用途のために概して投与される塩でない可能性がある。工業的に許容される塩を実験室規模、すなわち、マルチグラムもしくはそれ以下で調製することができ、またはより大きい規模、すなわち、キログラムを含めてキログラムまでもしくはそれ以上で調製することができる。医薬的に許容される塩は、本明細書において用いる場合、調合物を構成する他の成分と一般に化学的におよび/もしくは物理的に相溶性である、ならびに/またはそれらのレシピエントと一般に生理的に適合性である、塩である。医薬的に許容される塩を実験室規模、すなわち、マルチグラムもしくはそれ以下で調製することができ、またはより大きい規模、すなわち、キログラムを含めてキログラムまでもしくはそれ以上で調製することができる。医薬的に許容される塩は、ヒトにおいて臨床または治療用途のために概して投与されるまたは(FDAなどの規制当局によって)認可されている塩に限定されないと解するべきである。一部の塩が工業的に許容される塩でもあり、医薬的に許容される塩でもあることは、当業者には容易に理解されるであろう。混合塩形態を含めてすべてのそのような塩は本出願の範囲内であると解するべきである。
【0072】
一般に、本出願の塩は、化合物(中間体を含む)の単離および/もしくは精製中にインサイチューで調製することができ、または別途、化合物(または中間体)と適する有機もしくは無機酸もしくは塩基(適宜)とを反応させ、このようにして形成された塩を単離することによって調製することができる。塩における電離度は、完全に電離されるものからほぼ電離されないものまで様々であり得る。実際、様々な塩を(1つまたはそれ以上の補助溶媒および/もしくは貧溶媒を添加して、もしくはせずに)沈殿させて濾過によって収集することができ、または溶媒(単数もしくは複数)の蒸発によって塩を回収することができる。本出願の塩は、「塩スイッチ」またはイオン交換/二重置換反応、すなわち、あるイオンを、同じ電荷を有する別のイオンで(完全にまたは部分的に)置換する反応、によって形成することもできる。単一の方法または方法の組み合わせを用いて塩を調製および/または単離できることは、当業者には理解されるであろう。
【0073】
代表的な塩は、これらに限定されるものではないが、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびこれらに類するものを含む。代表的な塩の他の例は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびこれらに類するものなどの、アルカリまたはアルカリ土類金属カチオン、ならびに、これらに限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、リシン、アルギニン、ベンザチン、コリン、トロメタミン、ジオラミン、グリシン、メグルミン、オラミン、およびこれらに類するものを含む、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンを含む。
【0074】
式Iの一定の化合物は、2つまたはそれ以上の不斉中心を有することがあり、従って、多数の立体異性体配置で存在する場合がある。その結果として、このような化合物は、エナンチオマーの混合物として、および/または個々の(純粋な)エナンチオマー、ならびにジアステレオマー、および異なるジアステレオマーの混合物として合成および/または単離することができる。本出願は、すべてのそのようなエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびにあらゆる比率でのそれらの混合物を含むと解するべきである。
【0075】
実際、純粋なエナンチオマーの分割および単離は、当業者に公知の方法を用いて、例えば結晶化により分離することができる、ジアステレオマー塩の形成;例えば結晶化、ガス−液体、もしくは液体クロマトグラフィーにより分離することができる、ジアステレオマー誘導体もしくは複合体の形成;エナンチオマー特異的試薬での一方のエナンチオマーの選択的反応、例えば酵素的エステル化;またはキラル環境での、例えばキラルリガンドが結合しているキラル支持体でのもしくはキラル溶媒の存在下での、ガス−液体または液体クロマトグラフィーによって、達成することができる。上に記載した分離手順のうちの1つによって望ましい立体異性体を別の化学エンティティーに転化させる場合、望ましいエナンチオマー形を遊離させるためにさらなる工程を必要とすることは理解されるであろう。あるいは、光学活性出発原料を使用することによって、光学活性試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を使用する不斉合成によって、または1つの立体異性体を不斉変換もしくは反転により他のものに転化させることによって、特定の立体異性体を合成することができる。
【0076】
1つまたはそれ以上の追加のステレオジェン中心を含有する式Iの化合物については、本明細書中で図示するおよび論ずる化合物のすべてのジアステレオマーおよび任意の量でのジアステレオマーの混合物が本出願の範囲内であることは当業者に理解されるであろう。ジアステレオマーとして存在する式Iの化合物を、当業者に公知の方法によって、例えば結晶化、ガス−液体または液体クロマトグラフィーによって、単離することができる。あるいは、ラセミ混合物として存在する、合成過程の中間体を、当業者に公知の方法によって、例えば結晶化により分離することができる、ジアステレオマー塩の形成;例えば結晶化、ガス−液体、もしくは液体クロマトグラフィーにより分離することができる、ジアステレオマー誘導体もしくは複合体の形成;エナンチオマー特異的試薬での一方のエナンチオマーの選択的反応、例えば酵素的エステル化;またはキラル環境での、例えばキラルリガンドが結合しているキラル支持体でのもしくはキラル溶媒の存在下での、ガス−液体または液体クロマトグラフィーによって、分割することができる。上に記載した分離手順のうちの1つによって望ましい立体異性体を別の化学エンティティーに転化させる場合、望ましいエナンチオマー形を遊離させるためにさらなる工程を必要とすることは理解されるであろう。あるいは、光学活性試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を使用する不斉合成によって、または1つの立体異性体を不斉変換もしくは反転により他のものに転化させることによって、特定の立体異性体を合成することができる。
【0077】
本出願の化合物をプロドラッグとして投与することができる。用語「プロドラッグ」は、インビボで変換されて式Iの化合物を生じさせる化合物を指す。このインビボ変換は、血液または他の生体液中での様々なメカニズム、例えば加水分解、によって起こる可能性がある。
【0078】
式Iの化合物のプロドラッグは、化合物中の1つまたはそれ以上の官能基、例えばアミノ、ヒドロキシル、またはカルボキシル基、を用いて従来の手法で形成することができる。例えば、式Iの化合物がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、(1)該酸基の水素を(C〜C)アルキルもしくは(C〜C10)アリールなどの基で置き換えることにより形成されるエステル;(2)該酸基の水素を−(CR)COOR’[この場合のCRは、スペーサーであり、Rは、Hもしくはメチルなどの基であり得、およびR’は、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C10)アリールなどの基であり得る]などの基で置き換えることにより形成される活性化エステル;および/または(3)該酸の水素原子をCHROCOOR’[この場合のRは、Hもしくはメチルなどの基であり得、およびR’は、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C10)アリールなどの基であり得る]などの基で置き換えることにより形成されるカルボナートを含むことができる。類似して、式Iの化合物がアルコール官能基を含有する場合、該アルコールの水素原子を(C〜C)アルカノイルオキシメチルもしくは(C〜C)アルカノイルオキシアリールなどの基で置き換えることによって、または例えばアミノ酸などとの縮合によりエステルを形成することによって、プロドラッグを形成することができる。式Iの化合物が第一級または第二級アミノ基を含有する場合、プロドラッグは、例えば、該アミノ基の水素原子の一方または両方を(C〜C10)アルカノイルまたは(C〜C10)アロイルで置き換えることにより形成されるアミドを含む可能性がある。アミンの他のプロドラッグは当業者に周知である。あるいは、式Iの一定の化合物は、それら自体が式Iの他の化合物のプロドラッグとして作用することができる。
【0079】
プロドラッグおよびそれらの使用に関する論考は、例えば、「Prodrugs as Novel Delivery Systems,」T.Higuchi and W.Stella,Vol.14 of the ACS Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,Pergamon Press,1987(ed.E B Roche,American Pharmaceutical Association)において見つけることができる。置換基のさらなる例は、上述の参考文献において見つけることができる。
【0080】
本出願は、式Iのすべての同位体標識化合物にも関する。本明細書において用いる場合、用語「同位体標識化合物」は、同じ原子番号を有するが異なる原子質量または質量数を有する原子によって少なくとも1つの原子が置き換えられるように調製された化合物を指す。
【0081】
式Iの化合物に組み込むことができる同位体の例は、水素の同位体、例えばHおよびH;炭素の同位体、例えば11C、13C、および14C;塩素の同位体、例えば36Cl;フッ素の同位体、例えば18F;ヨウ素の同位体、例えば123Iおよび125I;窒素の同位体、例えば13Nおよび15N;酸素の同位体、例えば15O、17O、および18O;リンの同位体、例えば32P;ならびに硫黄の同位体、例えば35Sを含む。式(I)の化合物は1つより多くの元素の同位体を含む可能性があることは理解されるはずである。例えば、式(I)の化合物は、水素と炭素両方の異性体を含む可能性がある。
【0082】
例えば放射性同位体を含んでいるものなどの、式Iの一定の同位体標識化合物は、薬および/または基質組織分布または診断研究において有用であるだろう。詳細には、放射性同位体、例えば、トリチウム、すなわちH、および炭素−14、すなわち14Cは、それらの組み込みの容易さおよび容易な検出手段にかんがみてこれらの目的に特に有用である。
【0083】
例えばジュウテリウム、すなわちH、を含んでいるものなどの、式Iの他の同位体標識化合物は、式(I)の未標識化合物に勝る一定の治療的利点を有する可能性がある。一定の状況下で、ジュウテリウム標識化合物は、該化合物の未標識バージョンと比較して大きな代謝安定性、増加されたインビボ半減期、および/または低減された投薬必要量を呈示することができる。
【0084】
他の同位体、例えば11C、18F、15O、および13N、の組み込みは、基質受容体占有率を調査するための陽電子放射断層撮影(Positron Emission Topography:PET)研究の際に有用であり得る。
【0085】
本開示の範囲内である式Iの同位体標識化合物のさらなる利点および用途は、当業者には容易に理解されるであろう。
【0086】
一般に、式Iの同位体標識化合物は、以前に用いられていた未標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、当業者に公知の従来の技術により、または添付の実施例および調製に記載するものに類似した工程により、調製することができる。
【0087】
調製および実施例
一般に、式Iの化合物は、本出願の調製、スキーム、および実験セクションにおいて説明する方法により、ならびに/または当業者の知識と併せて化学技術分野において公知の追加のもしくは代替の工程および手順により、調製することができる。以下の説明、反応スキーム、調製、および実験セクションに示す方法は、例証を目的としたものであり、本開示の範囲を限定するものと見なすべきでないことは理解されるはずである。
【0088】
代替試薬、中間体、出発原料、合成経路、および方法を、特に、当業者の知識と併せて本開示の範囲に照らして、実際に用いるまたは適応させることができる。そのような代替および変更は、本出願および請求項の精神および範囲内であると解するべきである。
【0089】
別の指示がない限り、スキームおよび/または調製において出現するまたは言及する変項は、上述のとおり定義される、または請求項において定義するとおりであると解するべきである。
【0090】
具体的な実施形態および/または個々の化合物を、特定のスキーム、調製、および/または実施例に関して説明するが、これらの実施形態および/または化合物は、本出願の範囲および精神に入る、より一般的な説明、属、亜属、式、種、実施形態、および化合物のうちの少数(すなわち部分集合)を例証するものであると解するべきである。従って、これらの具体的な実施形態および/または化合物は、いかなる点においても本開示の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
【0091】
一般合成
以下のスキームは、ここに記述される化合物を調製するのに用いられる可能性のある全般的な経路を表す。調製(P08からP01を通して)における、様々な中間体を作るのに用いられる可能性のある特定の反応順序を記述する。実施例は、いくつかの中間体の合成と化学式Iの化合物に関してさらなる詳細を提供するものである。
【0092】
【化8】

【0093】
スキームIで示すように、化学式Iの化合物は適切に置換された三環式化合物IN−Aから調製される可能性があり、それにおけるWは例えば、ハロゲン、塩化物、臭化物、またはヨウ化物を表し、PGは保護基を意味する。この中間体は対応するチオエーテル、IN−B、を提供するためにウルマン型反応条件を用い望ましいチオール(Z−SH)と結合する可能性がある。ウルマン結合は、当技術分野で周知の多くの方法および条件により影響を受ける可能性がある。例えば、反応はおよそ70〜100℃のような高い温度で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはトルエンのような適切な溶媒中で、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)またはエチレングリコールおよびナトリウムtert−ブトキシド(NaOtBu)のような塩基の存在下で、CuI(ヨウ化銅)の触媒量により誘導される可能性がある。または、高温においてジオキサンのような溶媒中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)およびリチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)のような適切な塩基のようなパラジウム触媒の存在下、トリイソプロピルシリルチオール(TIPS−SH)のようなトリアルキルシリルチオールにより、三環ハロゲン化合物がトリアルキルシリルチオエーテルに変換される可能性がある。Halがヨウ化物のようなハロゲン化合物を意味する望ましいZ−Halと一緒にトリアルキルシリルチオエーテルを処理することにより、DMFのような適切な溶媒中においてCuIおよびセシウムフッ化物(CsF)の存在下で三環式チオエーテル、IN−B、が提供される。
【0094】
塩化メチレン(DCM)またはテトラヒドロフラン(THF)のような適切な溶媒存在下におけるメタクロロ過安息香酸(mCPBA)またはオキソン(登録商標)によるIN−Bの酸化は、すなわちmが1または2である対応するスルフィニル/スルホニル化合物を提供する。ベンゼンスルホニルー3−フェニルオキサジリジン(デイビス試薬)によるIN−Bの酸化はすなわちmが1である対応するスルフィニル化合物を提供する。
【0095】
あるいは、IN−Aは、直接望ましいスルフィン酸を用いスルホンに変換することが可能である。
【0096】
WがOHまたはNH2である化合物に、すなわちXが−O−または−NH−である対応するスルホン、IN−Cはアセトニトリル(MeCNまたはAcCN)またはDMFのような適切な溶媒において、セシウム炭酸塩(CsCO)またはDIEAのような適切な塩基の存在下で、それぞれ望ましい塩化スルホニル、Z−SOCl(図示せず)との反応を通し近づく可能性がある。実際には、これらの反応は高温で誘導される可能性がある。
【0097】
WがSOClである化合物への、望ましいアルコール、Z−OH(図示せず)、または望ましいアミンRN(図示せず)との反応は、対応するスルホン(INC)を提供する。実際には、これらの反応はDIEAのような適切な塩基の存在下で、DCMまたはDMFのような適切な溶媒において誘導される。
【0098】
保護基(PG)の開裂は、周知の技術である標準的な手順により影響を受ける可能性がある。
【0099】
の誘導は多くの標準的な手順を用い達成される可能性がある。例えば、望ましいハロゲン化合物、R−Hal(図示せず)によるN−アルキル化を通し、様々なR基が誘導される可能性があり、HalはN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)のような適切な塩基の存在下、DMFのような適切な溶媒の存在下で臭素またはヨウ素を示す。実際には、この反応は高温で誘導される可能性がある。他のR基は、望ましいアルデヒドまたはケトンによる還元的アミノ化、望ましいカルボキサミドによるアシル化、その他を通し添加される可能性がある。
【0100】
【化9】

【0101】
化学式IN−Aの様々な中間体は方法Aに示すように調製される可能性がある。ミツノブ条件により適切に置換された、Vはメトキシ基であり、Halは臭素またはヨウ素を示すハロフェノールとN−保護ピロール−2−イルメタノール(N−protected pyrrol−2−yl methanol)との結合は、対応するハロアリールエーテルを提供する。一般的に、THFのような適切な溶媒において、この結合反応は、DEAD(ジエチルアゾジカルボン酸塩)およびトリフェニル・ホスフィン(P(Ph))の存在下で進行する。実際には、この反応は、周囲温度または下記で誘導される可能性がある。
【0102】
結果として生じるハロアリール・エーテルは、トルエンのような適切な溶媒においてAIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))の存在下、水素化トリブチル(BuSnH)により環化される可能性がある。実際には、この反応は高温で誘導される可能性があり、環連結でシス型立体配置に独占的に誘導される。この変換に影響を及ぼす他の条件は、当技術分野で周知である。例えば、Tertahedron Letters,2001,42,6499−6502を参照のこと。
【0103】
Vがメトキシ基である三環付加物Vは、当技術分野で周知の標準的な手順を用い任意の多くの官能基に変換する可能性がある。例えば、三臭化ホウ素(BBr)による処理は、Wが様々なアミンまたはトリフラートに順に変換することが可能な水酸化物(−OH)である化合物を提供する。トリフラートをヨウ化物または臭素のようなハロゲン化合物に、順に変換することが可能である。
【0104】
当技術分野で周知の標準的な手順はまた、様々な官能基をVがHである三環付加物に誘導するのに用いられる可能性がある。たとえば、Vは当技術分野で周知の手順を用い対応するハロゲン化物に変換、またはニトロ基(NO)に変換することが可能である。ニトロ化合物は当技術分野で周知の標準的な還元手順を用い対応するアミンに還元されることが可能である。
【0105】
【化10】

【0106】
当技術分野で周知の手順および条件を用い、化学式IN−Aの他の中間体は、方法Bで示すように到達される可能性がある。例えば、WO96/31512、WO97/47602およびUS2006−080752を参照のこと。
【0107】
本明細書に特に記載しない他の有用な中間体および誘導体は、一般に、適切に置換されている材料から当該技術分野において公知の変換および/または反応順序と当業者の知識を併用して調製することができる。そのような手順および方法は、参考書、例えばCompendium of Organic Synthetic Methods,Vols.I−VI(Wiley−Interscience)および該化学文献の他の箇所、などに記載されている。
【0108】
場合により、多段階または一段階反応順序の中で保護基を必要とする可能性があることは、当業者には理解されるであろう。実際には、保護基を使用して、調製中に分子中の特定の部位/官能基を異なる部位/官能基での化学的変換に備えて隠ぺいまたは遮断する。特定の目標もしくは変換が完了した後、または合成経路におけるより後の何らかの特定の段階で、当業者に周知の方法を用いて保護基を除去することができる。保護基の導入、使用、および除去は、Protective Groups in Organic Synthesis,(3rd Ed.,John Wiley & Sons,1999)に余すところなく記載されている。
【0109】
組成物
式Iの化合物およびそのような化合物の医薬的に許容される塩を結晶質または非晶質材料として投与することができ、および単独で、または本明細書に記載する他の化合物の1つもしくはそれ以上と併用で投与することができる。加えて、式Iの化合物およびそのような化合物の医薬的に許容される塩を、1つまたはそれ以上の他の治療活性薬剤と併用で投与することができる。一般に、前記化合物(単数または複数)は、1つまたはそれ以上の医薬的に許容される賦形剤を伴って、調合物、すなわち医薬組成物、として投与されることとなる。本明細書において用いる場合の用語「賦形剤」は、式Iの化合物(単数または複数)および存在する可能性のある上記の追加の治療活性薬剤(単数または複数)以外の、調合物中の任意の成分を指す。従って、賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、溶媒、アジュバント、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、緩衝液、希釈剤、着香剤、着色剤/色素、崩壊剤、乳化剤、懸濁化剤、可塑剤、可溶化剤、充填剤、増量剤、およびこれらに類するものなどの成分を指す、および含む。賦形剤(単数または複数)の選択は、特定の投与方式;溶解度、安定性、および放出プロフィールに対する賦形剤(単数または複数)の効果;ならびに剤形の性質などの要因に主として依存することとなる。この要因リストが排他的でないことは、当業者には容易に理解されるであろう。一般式Iの化合物(単数または複数)および任意の追加の治療活性薬剤(存在する場合)を、一般に、調合物または医薬組成物中の活性成分(単数または複数)と呼ぶことがある。
【0110】
式Iの化合物の送達に適する医薬組成物およびそれらの調製方法は、当業者には容易にわかるであろう。そのような組成物およびそれらの調製方法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)において見つけることができる。
【0111】
前記医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル(硬もしくは軟カプセル(hard or soft filled))、ピル、粉末、徐放もしくは即時放出調合物、溶液、懸濁液のような経口投与に適する形態;滅菌溶液、懸濁液、もしくはエマルジョンのような非経口注射に適する形態;または軟膏もしくはクリームのような局所投与に適する形態である可能性がある。本明細書の中で特に触れないさらなる剤形が本出願の範囲内であると、当業者には容易に理解されるであろう。
【0112】
調合物または医薬組成物中の活性成分(単数または複数)および賦形剤(単数または複数)の相対量は、処置される被検者の個性、大きさ、および状態によって変わるであろうし、さらに、その組成物を投与することとなる経路によって変わるであろう。例として、前記組成物は、0.1%と100%(w/w)の間の活性成分を含む可能性がある。
【0113】
式Iの1つまたはそれ以上の化合物を含む医薬組成物をバルクで、1回分単位用量として、または多数の1回分単位用量として、調製、包装、配給、または販売することができる。本明細書において用いる場合、「単位用量」は、所定量の活性成分(単数または複数)を含む医薬組成物の個別量である。活性成分(単数または複数)の量は、被験者に投与されることとなる活性成分(単数もしくは複数)の投薬量に、またはそのような投薬量の適便な小部分、例えばそのような投薬量の二分の一もしくは三分の一など、に一般に等しい。
【0114】
投薬
最適な望ましい応答を生じさせるように投薬レジメンを調整することができる。例えば、単一ボーラスを投与することができ、いくつかの分割用量をある期間にわたって投与することができ、または治療状況の緊急性による指示に応じて比例的に用量を減少もしくは増加させることができる。投与の容易さおよび処置/治療効果の均一性のため、単位剤形での医薬組成物を調合するのが特に有利である。本明細書において用いる場合、単独でのまたは別の用語(単数もしくは複数)と併用での「単位剤形」または「単位用量」は、処置される患者または被験者への1回の投与に適する薬物、すなわち、医薬調合物中の活性成分(単数または複数)、の物理的に個別の量(単数または複数)を指し;それぞれの単位用量は、望ましい治療効果を生じさせるように計算された所定量の活性化合物(単数または複数)を、必要な製薬用担体とともに含有する。式Iの化合物を含む単位剤形のより具体的な組成は、多数の可変要素、例えば、(a)化学療法薬の独特の特徴および達成すべき特定の治療または予防医学的効果、ならびに(b)個体の感受性の処置のためにそのような活性化合物を調剤する技術分野における固有の制限などに左右され、直接依存する。
【0115】
このように、本明細書に提供する開示に基づき、用量および投薬レジメンを治療技術分野において周知の方法に従って調整することは、当業者には理解されるであろう。すなわち、最大耐用量を容易に確立することができ、および患者に検出可能な治療的利点をもたらすために有効な量を決定することもでき、該患者に検出可能な治療的利点をもたらすための各薬剤の投与についての時間的要件も決定することができる。従って、一定の用量および投与レジメンを本明細書に例示するが、これらの例は、本発明を実施する際に患者に提供される可能性のある用量および投与レジメンをいかなる点においても限定するものではない。
【0116】
投薬量および投薬レジメンが、軽減すべき容態のタイプおよび重症度に伴って変わる可能性があること、ならびに特定の期間(日または時間)にわたっての単回または多回用量の投与、すなわちQD(1日1回)、BID(1日2回)など、を含む可能性があることに留意されたい。いずれの特定の被験者または患者についても、具体的な投薬レジメンは、個々の必要、および医薬組成物を投与するまたは投与を指揮する人の専門的判断に従って、ある期間にわたって調整する必要があることが理解されるであろう。例えば、臨床効果、例えば毒性効果、および/または検査値を含むだろう薬物動態または薬力学的パラメータに基づいて、用量を調整することができる。従って、本出願は、当業者によって決定される一人の患者における用量漸増を包含する。適切な投薬量(単数または複数)および投薬レジメン(単数または複数)を決定するための手順および過程は関連技術分野において周知であり、これらの手順および過程を当業者は容易に突きとめることができる。従って、本明細書に示す投薬量範囲が単なる例示であり、本明細書に記載する医薬組成物の範囲または実施を限定することを意図したものではないことを当業者は容易に理解および認識するであろう。
【0117】
有用性
本出願は、5−HT受容体に対して親和性を有する新規化合物、すなわち5−HTリガンドであって、中枢神経系(central nervous system:CNS)に関連した一定の容態、障害、もしくは疾患、例えば、記憶障害、不安、癲癇、偏頭痛、パニック発作、うつ病、双極性障害、強迫性障害、認知力/認知障害、軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)、老人性痴ほう症、精神病、統合失調症、ADHD/ADDの処置のための;または神経障害性疼痛および慢性疼痛を含む疼痛;頭部外傷もしくは損傷の処置のための;または神経変性性の容態、障害、もしくは疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋委縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)、もしくは多発性硬化症の処置のための;または物質、例えば麻薬、エタノール、ニコチン、および/もしくはベンゾジアゼピン、による依存症および/もしくは禁断症状に関連した容態、障害、もしくは疾患;睡眠/覚醒障害の処置のための;または胃腸の(gastrointestial:GI)容態、障害、もしくは疾患、例えば、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)、腸機能障害の処置のための;または摂食行動もしくは食物摂取量に関連した容態、障害、もしくは疾患、例えば、食欲不振、悪液質、および肥満の処置のための医薬製剤中の活性成分として有用である可能性があるものである化合物に関する。
【0118】
これらの化合物は、他の点では健常な被験者における認知力の改善(認知強化)および/または記憶の改善にも有用である可能性がある。
【0119】
中枢神経系へのその独特な局在のため、5−HT受容体は、様々なCNS関連容態、障害、または疾患のための可能性のある処置剤の開発の魅力的なターゲットである。5−HT受容体の分布および特徴の網羅的全体像は、Current Drug Targets−CNS & Neurological Disorders,2004,3,59−79において見つけることができる。
【0120】
5−HT受容体親和性を有する化合物、特に、5−HT受体容アンタゴニストには、認知疾患、軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)、神経変性疾患、統合失調症、不安、およびうつ病の処置への治療応用の可能性があることを示唆する証拠は増え続けている。例えば、Curr Top Med Chem,2008,8,1035−48(5−HT受容体アンタゴニストおよびアルツハイマー病);Curr Opin Drug Discov Devel,2008,11,642−54(5−HT受容体アンタゴニストおよび認知障害);Neuropsychobiology,2001,43,113−116(セロトニン−6受容体多型および統合失調症);Am.J.Med.Genet.,2000,96,217−221(双極性感情障害における5−HT受容体遺伝子);Neuropharmacology,2007,52,1274−83(5−HTアンタゴニストSB−399885ならびに不安およびうつ病の動物モデル); Pharmacology,Biochemistry,and Behavior,2005,81,673−82(5−HT受容体アンタゴニストSB−357134およびSB−399885、ならびに記憶形成の改善);Pharmacol.Ther.,2005,108,320−333(5−HT受容体および認知強化);Neurotherapeutics,2008,5,458−469(アルツハイマー病のための認知強化剤としての5−HT受容体アンタゴニスト);Expert Opin.Invest.Drugs,2002,11,457−467(セロトニンアンタゴニストおよび抑うつ障害)を参照されたい。
【0121】
セロトニンが睡眠、覚醒、およびサーカディアンリズムに影響を及ぼすことも公知であるが、関与する具体的な5−HT受容体サブタイプおよびそれらのそれぞれの役割は、いまだ調査中である。5−HT受容体は、脳内の視床下部、視床、および線条と関連づけられている。これらの領域が睡眠および覚醒の調節に重要であることは公知であり、ラットにおける最近のデータは、5−HT受容体が睡眠−覚醒調節に関与する可能性があることを確証しているようである。Sleep,2008,31,34−44。この研究において、5−HT受容体アンタゴニストであるRO 4368554で処置したラットは、未処置の対照群と比較して、ノンREM(非急速眼球運動(non−rapid eye movement)すなわちNREM)睡眠の増加を経験した。この観察は、5−HT受容体と睡眠の質および/または睡眠の定着(すなわち、最小の中断で継続的に睡眠を維持できること)との間に関連があり得ることを示しており、そしてまたこれは、睡眠持続障害不眠症、すなわち、夜通し睡眠を維持することができないこと、の処置における5−HT受容体アンタゴニストの使用の可能性を示唆している。
【0122】
脳の他の領域、例えば皮質、扁桃、視床、水道周囲灰白質、脊髄、および後根神経節、への5−HT受容体および/またはそのmRNAの関連性は、疼痛への5−HT受容体の関与の可能性および侵害受容挙動の調節を暗示する。侵害受容における5−HT受容体の機能的役割が、最近、ラットにおいて立証された。European J.Pharmacol.,2007,569,59−63を参照されたい。この研究において、5−HTアンタゴニストであるSB−271046は、持続性の頑固な疼痛のラットモデルにおいて一時的な抗侵害受容効果を有するようであった。このデータは、5−HT受容体が侵害受容処理に関与する神経基質を調節できることを示唆している。
【0123】
5−HT受容体はまた、食物摂取量または摂食に関連した容態または障害の処置に関連して非常に高い関心を生んでいる。例えば、5−HT受容体アンチセンスオリゴヌクレオチドの慢性投与は、ラットにおいて食物摂取量および体質量を有意に減少させることが判明した。J.Psychopharmacol.,1997,11,A64。他のインビボ研究も、5−HTアンタゴニストが摂食行動および体重に影響を及ぼすことを示している。例えば、Br.J.Pharmacol.,1999,126,1537−1542;Int.J.Obes.,2003,27,Suppl.1.Abst T1,1−094;34th Annu.Meet.Soc.Neurosci.Abstract 75.8を参照されたい。これらのラット研究の結果は、5−HTアンタゴニストが、満腹を増進することにより食物摂取量を減少させることができることを示唆している。Drug Disc Today,2006,11,283−299;Pharmacology & Therapeutics,2008,117,207−231を参照されたい。
【0124】
人間での小規模臨床試験も、5−HTが食物摂取量および食欲に何らかの影響を及ぼす可能性があることを示唆しているようである。2009年9月11日にオンラインで発表されたSupprot Care Canserにおける「Treatment of cancer−related anorexia with olanzapine and megestrol acetate:a randomized trial」を参照されたい。この研究では、5−HT受容体の強力なアンタゴニストであるオランザピン(OLN)が、酢酸メゲストロール(MA)と併用で、癌関連食欲不振(cancer−related anorexia:CRA)を有する患者に投与された。第二の患者群は、MAのみを受けた。酢酸メゲストロールが癌患者において食欲刺激薬として少なくともある程度は有効であることは公知である。しかし、前記併用で処置した患者の群は、食欲、悪心、体重、および生活の質の有意な改善(一般活動性、気分、仕事量、歩行、および喜びの改善)を示した。5−HT受容体が、OLNとMAの併用を受けた患者において報告された改善の要因であったかどうかは不明であるが、著者らは、併用処置群における食欲の改善が気分の改善のためのものであったと仮定している。他の研究は、進行した疼痛および癌を有する患者において単剤としてのOLNが悪心を改善するまたは減少させることを証明している。J.Pain Symptom Manage.,2002,23,526−532;J.Palliative Care,2003,6,251−255;J.Pain Symptom Manage.,2003,25,587−582を参照されたい。
【0125】
5−HTアンタゴニストについてのもう1つの治療用途は、例えば物質および/またはアルコール依存症(アルコール中毒)などの依存症の処置のためのもの、ならびに薬物乱用、特に麻薬、アルコール(アルコール中毒)、ニコチン、およびベンゾジアゼピンによる禁断症状の処置におけるものであるだろう。ヒトの新奇性追求行動は、アルコール中毒および物質乱用と長きにわたり関連づけられている。Psychiatry Res,1979,1,255−264。伝統的に、新奇性追求行動は、ドーパミン媒介神経伝達に関連づけられている。しかし、新奇性に対する行動応答が5−HTによって媒介される可能性もあるという証拠がある。薬物使用の高予測因子であるヒト新奇性追求行動の信頼できる動物モデルが開発された。このモデルは、新奇性追求行動および関連行動、例えば物質乱用、への5−HTおよび5−HT受容体の潜在的寄与を洞察するために、最近、使用されている。Neuropsychobiology,1996,34,136−145;Exp.Clin.Psychopharmacol,2005,13,367−375を参照されたい。
【0126】
本明細書に記載する化合物を、5−HT受容体に結合するそれらの能力について試験した。5−HT受容体に結合する式Iの化合物の能力を、下で説明するアッセイおよび一般手順を用いて、または当該技術分野において公知の方法により、測定することができる。式Iの化合物は、一般に、5−HTリガンドであることが判明し、より具体的には、式Iの化合物は、一般に、5−HT受容体アンタゴニストであることが判明した。
【0127】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、500nM未満(<500nM)の、5−HT受容体に対する阻害定数Kを有する。
【0128】
他の実施形態において、式Iの化合物は、500nMより大きい(>500nM)が1000nM未満(<1000nM)の、5−HT受容体への阻害定数Kを有する。
【0129】
さらに他の実施形態において、式Iの化合物は、1000nMより大きい(>1000nM)、5−HT受容体への阻害定数Kを有する。
【0130】
ヒト5−HT受容体結合アッセイ
膜調製
ヒト5−HT受容体で安定的にトランスフェクトされたCHO−K1細胞(Euroscreen;ES−316−C)から膜を調製した。2%透析FBS(Hyclone Cat#SH30079.03)を含有するGibco Advanced DMEM−F12(Cat#12634010)において細胞を成長させた。細胞を採集して0.1mM EDTAを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)中に入れ、遠心分離(1000×g)によりペレット化し、上清を廃棄し、それらのペレットを膜調製まで−80℃で保管した。膜は、以前に説明されているように調製した(J Bio Chem.1992,267(14)9844−51)。簡単に言うと、緩衝液50mLあたり5mMのTris−HCl(pH7.5)と、5mMのEDTAと、1個の完全EDTA不含プロテアーゼインヒビター錠剤(Roche Applied Science、インディアナ州Indianapolis)とを含有する溶解緩衝液に、冷凍細胞ペレットを再浮遊させ、組織ホモジナイザーで均質化した。次に、その細胞溶解産物を40,000×gで30分間、4℃で遠心分離して、膜を回収した。組織ホモジナイザーを使用して膜緩衝液(緩衝液50mLあたり、50mMのTris−HCl(pH7.5)、0.6mMのEDTA、5mMのMgCl、1個の完全EDTA不含プロテアーゼインヒビター錠剤)でそれらの膜ペレットを洗浄した。その膜を40,000×gで30分間、4℃で遠心分離し、250mMのスクロースを含有する膜緩衝液にそれらのペレットを再浮遊させ、Coomassei Plusキット(Pierce Biotechnology、イリノイ州Rockford)を使用してタンパク質濃度を判定した。
【0131】
受容体結合アッセイ
組換えヒト5−HT受容体(h5−HT)を発現する細胞から調製した膜を、50mM Tris HCl(pH7.4)と、4mMのCaClと、10μg/mLのサポニンと、0.1%(w/v)のアスコルビン酸とを含有するアッセイ緩衝液に再浮遊させた。1ウエルあたり1.75μgの膜タンパク質および0.25mgのFlashBlueシンチレーションビーズ(Perkin Elmerカタログ#FB001)を使用して4℃で30分間、膜をプレインキュベートした。ビヒクルまたは試験化合物、および4nMの[H]LSD(Perkin Elmerカタログ#NET638)を添加し、96ウエルプレートにおいて80μLの最終容量で、3時間、室温でインキュベートした。全結合および非特異的結合のために試験化合物またはアッセイ対照を100x溶液としてDMSOで希釈し、およびPerkin Elmer JANUS Automated Workstationで半対数濃度まで系列希釈した。セロトニン(10μM 最終濃度)を使用して、そのアッセイにおける非特異的結合を決定した。Microbeta Trilux 1450 LSCおよび発光カウンターを使用してプレートを読み取った。XLfit4(ID Business Solutions Inc.)において用量応答方程式(可変的傾き)を用いる非線形回帰によりデータを解析して、IC50を計算した:
y=(最低値+((最高値−最低値)/(1+((IC50/x)^ヒルスロープ))))
【0132】
h5−HT膜への[H]LSDの結合は、Bmax=6.2pmol/mg タンパク質およびK=2.3nMで飽和可能であった。次に、チェン(Cheng)・プルソフ(Prusoff)法に従って、下の方程式(Cheng and Prusoff,1973)を用いてK値を計算した:
i,app=IC50/(1+([放射性リガンド]/K))
【0133】
上で説明した手順に従って、式Iの化合物を試験した。結果を、以下のキーに従って下の表1に示す:
A=K<500nM
B=K>500nMおよび<1000nM
C=K>1000nM
【0134】
【表1】


【0135】
化合物の選択からの実際のデータを下記において提供する。
【0136】
【表2】

【0137】
実施例
以下の非限定的実施例および調製は、本出願の化合物の調製を例証するものである。プロトン(H)核磁気共鳴(Nuclear magnetic resonance:NMR)スペクトルは、すべての場合、提案構造と一致した。主要ピークの呼称についての従来の略記:例えば、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br、広幅を用いて、テトラメチルシランから低磁場側への百万分率で特性化学シフト(δ)を与える。質量スペクトル(m/z)は、エレクトロスプレーイオン化(electrospray ionisation:ESI)または大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionisation:APCI)のいずれかを用いて記録した。一般的な溶媒、試薬、または反応条件については以下の略記を用いた:CDCl、ジュウテロクロロホルム;D−DMSO、ジュウテロジメチルスルホキシド;CDOD、ジュウテロメタノール;THF、テトラヒドロフラン;DCM、ジクロロメタン;TFA、トリフルオロ酢酸、MeCN、AcCN、またはACN、アセトニトリル;DMF、N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO、ジメチルスルホキシド;MeOH、メタノール;mCPBA、メタ−クロロ過安息香酸;HCl、塩酸;DIEA、N,N−ジエチルイソプロピルアミン;DBU、(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン);EtOAc、酢酸エチル;rt、RT、またはr.t.、室温;h.v.、ハウスバキューム;dec.、分解;SFC、超臨界流体クロマトグラフィー(chromatographie)。薄層クロマトグラフィー(thin layer chromatography:TLC)を用いた場合、それは、シリカゲル60 F254プレートを使用するシリカゲルTLCを指し、Rは、TLCプレート上の溶媒先端まで移動した距離で割った、化合物まで移動した距離である。
【0138】
分取LC−MS
下で説明する様々な化合物を、分取LC−MSを用いて精製した。別の記載がない限り、YMC Pack Pro C18カラム(5μm、120Å、50×20mm)を装備したWATERS Fractionlynxシステムおよび次の溶媒系:HO、AcCN、およびHO中2%TFA、を用いて化合物を精製した。具体的な溶出勾配は、分析用LC−MSで得た保持時間に基づくものであったが、一般に、HOおよびMeCNのすべての溶出勾配を、35mL/分の流速で実行時間7分にわたって実行した。オートブレンド法を用いて、各実行を通して0.1%TFAの濃度を確保した。
【0139】
あるいは、XBridge Prep C18 OBDカラム(5μm、30×75mm)を装備したWATERS Fractionlynxシステムを使用し、上で説明した溶媒系およびオートブレンド法を用いて化合物を精製した。具体的な溶出勾配は、分析用LC−MSで得た保持時間に基づくものであったが、一般に、HOおよびMeCNのすべての溶出勾配を50mL/分の流速で実行時間8分にわたって実行した。
【0140】
分析用LC−MS
分析用LC−MSは、ACQUITY UPLC BEH C18カラム(2.1×50mm、1.7μm)を装備したWATERS Acquity UPLC−MS計器で、45℃のカラム温度で、次の溶媒系:溶媒A:HO中0.1%HCOOH;および溶媒B:AcCN中0.1%HCOOH、を用いて行った。同じ溶出勾配、すなわち、0.6mL/分の流速で実行時間1.5分にわたって5%から95%溶媒B、を用いてすべての化合物を実行した。
【0141】
分取キラルSFC分離
Berger Minigram SFC計器を使用し、次のカラム:ChiralPak AS−H(10×250mm)、ChiralPak IA(10×250mm)、ChiralPak AD−H(21×250mm)、Phenomenex Lux−2(21.2×250mm)、またはChiralPak IC(10×250mm)、のうちの1つを用い、2.5mL/分の流速および35℃のカラム温度で、MeOH中0.1%ジエチルアミン/CO、またはEtOH中0.1%ジエチルアミン/CO、またはイソプロパノール中0.1%ジエチルアミン/COのいずれかで溶出させることにより、立体異性体混合物を分離した。
【0142】
分析用キラルSFC分離
JASCO分析用SFC計器を使用し、次のカラム:ChiralPak AS−H(4.6×250mm)、ChiralPak IA(4.6×250mm)、ChiralPak AD−H(4.6×250mm)、Phenomenex Lux−2(4.6×250mm)、またはChiralPak IC(4.6×250mm)、のうちの1つを用い、6.0mL/分の流速および35℃のカラム温度で、MeOH中0.1%ジエチルアミン/CO、またはEtOH中0.1%のジエチルアミン/CO、またはイソプロパノール中0.1%ジエチルアミン/COのいずれかで溶出させることにより、立体異性体混合物または単一エナンチオマーを分析した。
【0143】
本明細書で例示される化合物について、環の接合点でのその立体配置がシスであることは理解されるはずである。例えば、ラセミ混合物をキラル分離に付す場合、単離される化合物の絶対立体化学を断定しなかった。
【0144】
P01
Tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
【化11】

【0145】
工程1
Tert−ブチル2−[(2−ブロモ−5−メトキシフェノキシ)メチル]−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸塩
【化12】

【0146】
THF(180mL)中のtert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸塩(8.96g、0.45mol Specialty Chemicals社製)および2−ブロモ−5−メトキシフェノール(9.32g、0.46mol)の溶液を0℃でトルエン(40重量%)中のDEAD(20.5mL)に滴加した。反応を室温で21時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残留物をメチルtert−ブチルエーテル(50mL)に懸濁し、溶液を濾過し濃縮させた。結果として生じる残留物をDCMに溶解させ、0.6NのNaOH(2×25mL)で洗浄し、層を分離した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。16.4gの表題の産物を提供するため、ISCO装置(330gのRediSep(登録商標)カラム)を用い、ヘプタン中の酢酸エチルの段階勾配(6分間の0%から20%の酢酸エチル、その後の20分間の29%の酢酸エチル)で溶出し、粗生成物を精製した。
【0147】
工程2
Tert−ブチル7−メトキシ−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
【化13】

【0148】
Tert−ブチル2−[(2−ブロモ−5−メトキシフェノキシ)メチル]−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸塩(16.4g、0.43mol)をトルエン(790mL)に溶解させ、20分間50℃で過熱した。この溶液にAIBN(781mg、0.047mol)および水素化トリブチル(17.9mL、0.67mol)を加えた。反応混合物を16時間80℃で撹拌し、室温に冷却し、DBU(10.7g、0.70mol)を添加した。結果として生じる懸濁液をシリカゲル(100g)のパッドで濾過し、固体をメチルtert−ブチルエーテルで洗浄した。濾過液を蒸発させ、結果として生じる油をヘプタン(10mL)で粉末にした。粗生成物を濾過を通し集め、表題の産物を提供するためISCO装置(330gのRediSep(登録商標)カラム)を用い、ヘプタン中の酢酸メチルの段階勾配(5%−20%)で溶出し、精製した。MS m/z 249[M−tBu+H]
工程3
Tert−ブチル7−ヒドロキシ−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
【化14】

【0149】
DCM(204mL)中の三臭化ホウ素(88mL、1M、88mmol)の溶液を30分間以上、−78℃でtert−ブチル7−メトキシ−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(8.6g、29mmol)の溶液に添加した。反応混合物を−78℃に30分間静置し、0℃で30分間撹拌した。水(29mL)およびNaOH(95mL、3M)の水溶液を添加し、ジ−tert−ブチル・ジカーボネート(11.4g、52.3mmol)を続けて添加した。3時間撹拌後、層を分離した。有機層を0.1N HCl(HO)で洗浄し、溶媒を除去した。結果として生じる残留物は、ヘプタンを用い粉末にした。粗生成物を濾過を通し回収し、さらに精製をせず次の反応工程に用いた。MS m/z 235[M−tBu+H]
工程4
Tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.94g、23mmol)の溶液を−78℃でDCM(234mL)中のtert−ブチル7−ヒドロキシ−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(6.82g、23.4mol)およびトリエチルアミン(46.9g)の溶液に滴加した。1時間撹拌後、HO(150mL)を添加し、層を分離した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、更なる精製なしで用いる粗生成物を提供するため濃縮させた。
【0150】
tert−ブチル7−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(8.46g、20mmol)、DCM(571mg、0.7mmol)中の[1,1'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムII、およびDCE(200mL)中の[1,1'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセン](388mg、0.7mmol)をジイソプロピルエチルアミン(10.4mL、60mmol)に添加し、ピナコールボラン(8.8mL、60mmol)を続いて添加した。反応混合物を2時間80℃で加熱し、溶媒を蒸発させた。ISCO装置(120gのRediSep(登録商標)カラム)を用い、ヘプタン中の酢酸エチルの段階勾配(3分間の20%の酢酸エチル、4分間の20%から30%までの酢酸エチル、10分間の30%の酢酸エチル)で溶出し、粗生成物を部分的に精製した。産物を含むフラクションを集め、溶媒を蒸発させた。結果として生じる残留物はDCMに溶解させ、溶液はピナコールボロン酸エステル産物を沈殿させるため濃縮させ、濾過を通して集めた。
【0151】
Tert−ブチル7−(4,4,5,5−テトラメsチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(6.15g、15mmol)をTHF(150mL)に溶解させ、MeOH(90mL)中のクロラミンT(12.6g、45mmol)の溶液に添加した。それから、HO(90mL)中のヨウ化ナトリウム(6.75g、45mmol)溶液を20分間添加した。反応混合物を24時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をISCO装置(120gのRediSep(登録商標)カラム)を用いヘプタン中の30%で酢酸エチルで溶出し精製した。産物を含むフラクションを集め、溶媒を蒸発させた。表題の化合物を沈殿させるため、結果として生じる残留物をアセトニトリルに溶解させた。MS m/z 424[M+Na]
【0152】
tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P01のセラミ混合物の分離はChiralpak IAカラム(3×15cm)でベルガーミニグラムSFC装置を用い、100barで0.1%のジエチルアミンおよびCO、100mL/分の流量を用い50%のMeOHで溶出し行った。各々の鏡像異性体はフリー塩基として得られ、その後、産物をDCMに溶解させ、Et2Oに1MのHClを添加し、溶媒を蒸発させることにより、塩化水素酸性塩に変換させた。
【0153】
Tert−ブチル7−ヨードー3,4,4a,9aテトラヒドロ[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−2(1H)−カルボン酸塩、鏡像異性体1 P02。MS m/z 424[M+Na]
【0154】
Tert−ブチル7−ヨード3,4,4a,9aテトラヒドロ[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−2(1H)−カルボン酸塩、鏡像異性体1 P03。MS m/z 424[M+Na]
【0155】
P04
Tert−ブチル8−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
【化15】

【0156】
工程1
Tert−ブチル2−[(2−ブロモ−フェノキシ)メチル]−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸塩
【化16】

【0157】
トルエン(40重量%)中のDEAD(25.1mL)の溶液を0℃でTHF(219mL)中のtert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸塩(10g、0.56mol)および2−ブロモ−5−メトキシフェノール(10.9g(0.55mol)の溶液に滴加した。添加の後、反応を室温で18時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。結果として生じる残留物をメチルtert−ブチルエーテル(50mL)に懸濁し濾過した。混合した濾液を0.6NのNaOH(2×25mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。14.2gのブロモエーテルを提供するため、ISCO装置(330gのRediSep(登録商標)カラム)を用い、ヘプタン中の酢酸エチルの段階勾配(10分間の10%の酢酸エチルから、その後の20分間の20%の酢酸エチルで溶出し、結果として生じる残留物を精製した。
【0158】
工程2
Tert−ブチル1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
【化17】

【0159】
Tert−ブチル2−[(2−ブロモ−フェノキシ)メチル]−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸塩(14.2g、0.38mol)をトルエン(707mL)に溶解させ、20分間、50℃で加熱した。室温でこの溶液にAIBN(688mg、0.049mol)および水素化トリブチル(16mL、0.61mol)を添加した。反応混合物を16時間80℃で撹拌し、その後DBU(9.5mL、0.62mol)を添加した。結果として生じる懸濁液をシリカゲル(100g)のパッドで濾過し、固体をメチルtert−ブチルエーテルで洗浄した。濾液を蒸発させた。表題の産物を供給するため、ISCO装置(330gのRediSep(登録商標)カラム)を用い、ヘプタン中の酢酸エチルの段階勾配(10分間の10%の酢酸エチルから、その後の15分間の20%の酢酸エチル)で溶出し、粗生成物を精製した。MS m/z 299[M+Na]
【0160】
工程3
Tert−ブチル8−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P04
塩化亜鉛(2.49g、18.3mmol)およびベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨウ素酸塩(4.25g、12.2mmol)を酢酸(30mL)中のtert−ブチル1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(2.8g、10.2mmol)の懸濁液に添加した。反応混合液を50℃で16時間撹拌し、室温まで冷却し、DCM(60mL)を添加し続いてHO(60mL)を添加した。層を分離した。有機層をHO(2×)で洗浄し、NaHSO(15mL)で飽和させ、8−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロールを供給するため、溶媒を蒸発させ、それを直接次の工程に用いた。
【0161】
DCM(20mL)中の8−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール(750mg、2.5mmol)の溶液をジ−tert−ブチルジカーボネート(858μL、3.74mmol)に添加した。反応混合液を30分間撹拌し、溶媒を蒸発させた。表題の産物P04を提供するため、ISCO装置(330gのRediSep(登録商標)カラム)を用い、ヘプタン中の酢酸エチルの段階勾配(20分間の0%の酢酸エチルから、20%の酢酸エチル)で溶出し、残留物を精製した。MS m/z 424[M+Na]
【0162】
tert−ブチル8−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P04のセラミ混合物の分離はPhenomenEx Lux−2カラム(21.2×250cm)でベルガーミニグラムSFC装置を用い、100barで0.1%のジエチルアミンおよびCO、52mL/分の流量を用い20%のMeOHで溶出し行った。各々の鏡像異性体はフリー塩基として得られ、その後、産物をDCMに溶解させ、EtOに1MのHClを添加し、溶媒を蒸発させることにより、塩化水素酸性塩に変換させた。
【0163】
Tert−ブチル8−ヨード3,4,4a,9aテトラヒドロ[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−2(1H)−カルボン酸塩、鏡像異性体1 P05。MS m/z 424[M+Na]
【0164】
Tert−ブチル8−ヨードー3,4,4a,9aテトラヒドロ[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−2(1H)−カルボン酸塩、鏡像異性体2 P06。MS m/z 424[M+Na]
【0165】
【化18】

【0166】
P07
Tert−ブチル7−[(トリプロパン−2−イルシリル)スルファニル]−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(鏡像異性体1)
【0167】
【化19】

【0168】
無水ジオキサンは使用する前に1Hアルゴンガスでスパージした。トリイソプロピルシランチオール(0.95mL、4.4mmol)を無水1,4−ジオキサン(3mL)に溶解し、これにTHF(4.2mL、4.2mmol)中の1.0Mのリチウムヘキサメチルジシラジドをゆっくり添加した。反応を2.5時間撹拌した。一部のリチウムトリイソプロピルシランチオール酸溶液(2.64、1.32mmol)を、アルゴン存在下、1,4−ジオキサン(2mL)中tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P02(480mg、1.2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(139mg、0.12mmol)の懸濁液に添加した。反応混合物を16時間60℃で撹拌し、溶媒を蒸発させた。残留物を無水ヘキサンで粉末にし、セライトのプラグで濾過し、更なる精製を行わず次の工程において用いた粗生成物を生成するため濾液を濃縮させた。MS m/z 408[M−tBu+H]
【0169】
P08
Tert−ブチル7−[(トリプロパン−2−イルシリル)スルファニル]−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(鏡像異性体2)
【0170】
tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P03の鏡像異性体2から出発したtert−ブチル7−[(トリプロパン−2−イルシリル)スルファニル]−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P07の鏡像異性体1を解説されるように調製した。MS m/z 408[M−tBu+H]
【0171】
【化20】

(実施例1)
7−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(鏡像異性体1)
【0172】
【化21】

【0173】
工程1
Tert−ブチル7−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩
【0174】
【化22】

【0175】
無水ジオキサンは使用する前に1Hアルゴンガスでスパージした。反応バイアルをDMF中のtert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P02(60mg、0.150mmol)の0.625Mのストック溶液の375μL、DMF中のネオクプロイン(3.1mg、0.015mmol)の0.10Mのストック溶液の150μLおよびDMF中でヨウ化銅(I)(17mg、0.09mmol)の0.31Mのストック溶液の290μLで満たした。これに3−フルオロ−ベンゼンチオール(42μL、0.33mmol、2.2eq)を添加し、続いてDMF中でナトリウムtert−ブトキシド(30.2mg、0.315mmol)の1.0Mのストック溶液の315μLを添加した。反応混合液を16時間100℃で震盪させ溶媒を蒸発させた。残留物は、DCE:MeOH 95:5(2.0mL)に懸濁し、シリカゲルカラム(1g)に通し、DCE:MeOH 95:5(3×2.0mL)で溶出した。更なる精製を行わず次の工程において用いた粗tert−ブチル7−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩を生成するため、溶離液を濃縮させた。
【0176】
工程2
7−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(鏡像異性体1)
【0177】
Tert−ブチル7−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(0.15mmol、1.0eq)をDCE(1mL)中で懸濁し、これにDCE(1.2mL、0.6mmol、4.0eq)中の0.5Mのm−CPBA(ACROSから70%)の溶液をゆっくり添加した。反応混合物を10分間震盪させ、DCE(2.0mL)で希釈し、1NのNaOH水溶液(2mL)を添加した。混合液を震盪させ、遠心分離し水層を除去した。それから、有機溶液を1N NaOH水溶液(2mL)で2回、およびHO(2mL)で1回洗浄した。有機層を新たなガラス管に移し変え、溶媒を蒸発させた。結果として生じる油をTFA:DCMが1:1の混合物に溶解させた(2.0mL)。溶液を30分間震盪させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物を分取LC/MSにより精製し、三フルオロ酢酸性塩として産物を供給するために濃縮させた。それから、ジエチルエーテル中の1.0NのHClで処理した少量のDCMに産物を溶解させ、7−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[4,5]フロ[2,3−c]ピリジンを供給するために、溶媒を蒸発させた。MS m/z 334[M+H]+。H−NMR(400MHz、DMSO−d6):H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.92−1.97(m、1H)、2.51−2.54(m、1H)、2.98(bs、1H)、3.20(bs、1H)、3.72(q、J=1.4Hz、1H)、4.1(bs、1H)、4.24−4.32(m、2H)、7.49(s、1H)、7.55−7.71(m、4H)、7.83(d、J=1.9Hz、1H)、7.87(d、J=1.9Hz、1H)、9.08(bs、1H)、9.78(bs、1H)。
【0178】
以下の実施例は、基本的に先述したように調製した。すべての化合物は、HCl塩とし単離した。
【0179】
実施例21、22、および23は、LC−MS精製後、同一の反応混合物から得た。
【0180】
【表3】




(実施例25)
7−(フェニルスルフィニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール
【0181】
【化23】

【0182】
tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P02およびベンゼンチオールから出発しているtert−ブチル7−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(実施例1を参照)について解説されるようにTert−ブチル7−(フェニルスルファニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩を調製した。酸化工程(下記)は、ラセミ化合物産物を提供した。
【0183】
チオエーテル(57.5mg、0.15mmol)を無水DCM(1.0mL)に溶解させた。2−ベンゼンスルホニル−3−フェニル−オキサジリジン(58.8mg、0.22mmol)を添加し、反応を4.5時間室温で撹拌した。反応溶液を濃縮させ、残留物をDCM:TFA(1:1、2.0mL)に溶解させた。反応を15分間震盪させ、濃縮し、粗生成物を分取LC/MSにより精製した。産物をDCMに溶解し、EtO中の1MのHClを添加し、溶媒を蒸発させることにより、HCl塩への変換を行った。MS m/z 300.1[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.91(bs、1H)、2.51−2.54(m、1H)、2.96(bs、1H)、3.19(bs、1H)、3.63−3.68(m、1H)、4.07(bs、1H)、4.14−4.28(m、2H)、7.24(s、1H)、7.33−7.56(m、5H)、7.72−7.78(m、2H)、9.05(bs、1H)、9.74(bs、1H)。
(実施例26)
7−(フェニルスルフィニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール
【0184】
tert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P03から出発している実施例25に解説されるように調製した。酸化はラセミ化合物産物を提供した。MS m/z300.1[M+H]+。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.91(bs、1H)、2.45−2.54(m、1H)、2.96(bs、1H)、3.19(bs、1H)、3.62−3.68(m、1H)、4.07(bs、1H)、4.19−4.28(m、2H)、7.24(s、1H)、7.33−7.56(m、5H)、7.72−7.78(m、2H)、9.05(bs、1H)、9.75(bs、1H)。
(実施例27)
7−{[3−フルオロ−5−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]スルホニル}−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(鏡像異性体1)
【0185】
【化24】

【0186】
工程1
Tert−ブチル7−{[3−フルオロ−5−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]スルファニル}−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール、鏡像異性体1
【0187】
【化25】

【0188】
無水DMFは使用する前に1Hアルゴンガスでスパージした。1つのドラムバイアルに、3−フルオロ−5−イソプロポキシ−ヨードベンゼン(63μL、0.45mmol、1.5eq)、DMF中のtert−ブチル7−[(トリプロパン−2−イルシリル)スルファニル]−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P07の0.5Mのストック溶液の300のμL(0.15mmol)、DMF中のネオクプロイン(3.12mg、0.015mmol)の0.10Mのストック溶液の150のμLおよびヨウ化銅(I)(10mg、0.05mmol)の0.30Mのストック溶液の175μLを満たした。固体フッ化セシウム(25mg、0.16mmol)を添加し、反応混合物を16時間90℃で震盪させた。溶媒を蒸発させ、残留物をDCE:MeOH 95:5(1.0mL)に懸濁し、シリカゲルカラム(1g)に通し、DCE:MeOH 95:5(3×2.0mL)で溶出した。粗tert−ブチル7−{[3−フルオロ−5−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]スルファニル}−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール、鏡像異性体1、を生成するため、溶離液を濃縮させ、それを更なる精製を行わず使用した。
【0189】
工程2
7−{[3−フルオロ−5−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]スルホニル}−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール、鏡像異性体1
【0190】
tert−ブチル7−{[3−フルオロ−5−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]スルファニル}−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(鏡像異性体1)から出発している7−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(実施例1、工程2)について解説されるように調製した。MS m/z 392.1[M+H]+。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.26(d、J=2.0Hz、1H)、1.91−2.0(m、1H)、2.51−2.54(m、1H)、2.99(bs、1H)、3.16−3.23(m、1H)、4.10(bs、1H)、4.26−4.32(m、2H)、4.73−4.79(m、1H)、7.18(d、、J=3.0Hz 1H)、7.30(s、1H)、7.37(d、、J=1.8Hz 1H)、7.51−7.64(m、3H)、9.08(bs、1H)、9.76(bs、1H)。
【0191】
以下の実施例は、基本的に先述したように調製した。すべての化合物は、HCl塩類として単離した。
【0192】
【表5】





【0193】
【化26】

【0194】
(実施例53)
8−(フェニルスルホニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(鏡像異性体1)
【0195】
【化27】

【0196】
ヨウ化銅(I)(19mg、0.10mmol)をDMSO(2mL)中のN,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン(21μL、0.20mmol)の撹拌溶液に添加した。反応を10分間室温で撹拌した。それから、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(130μL、0.75mmol)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(245mg、1.5mmol)およびtert−ブチル−8−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩(P05、鏡像異性体1、200mg、0.5mmol)を順に添加した。反応を18時間100℃で撹拌した。室温に冷却後に水(24mL)を添加し、結果として生じる懸濁液をDCM(3×)で抽出した。混合した有機層を水(2×)および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮させた。結果として生じる油を、TFA:DCM(1:1,2mL)中で30分間撹拌し、溶媒を蒸発させた。この粗生成物を分取LC/MSにより精製した。結果として生じる物質をDCMに懸濁し、1N水酸化ナトリウム水溶液(3×)および水(3×)で洗浄し、溶媒を蒸発させた。少量のDCMでフリー塩基を溶解し、ジエチルエーテルの中に1.0N HClを添加し、132mgの8−(フェニルスルホニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール(鏡像異性体1)を提供するために溶媒を蒸発させることにより、産物をHCl塩に変換させた。MS m/z 316[M+H]+。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.91−1.97(m、1H)、2.53−2.60(m、1H)、2.98−3.02(m、1H)、3.19−3.22(m、1H)、3.72−3.77(m、1H)、4.09(bs、1H)、4.24−4.32(m、2H)、7.09(d、J=2.1Hz、1H)、7.59−7.74(m、4H)、7.94−7.99(m、3H)、9.13(bs、1H)、9.79(bs、1H)。
【0197】
上記の合成工程において解説されるように、基本的に以下の実施例を調製した。すべての化合物は、HCl塩類として単離した。
【0198】
【表6】

【0199】
実施例54。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.89−1.97(m、1H)、2.53−2.60(m、1H)、2.96−3.02(m、1H)、3.18−3.24(m、1H)、3.75(q、J=1.8Hz 1H)、4.10(bs、1H)、4.25−4.32(m、2H)、7.09(d、J=2.1Hz、1H)、7.49−7.75(m、4H)、7.94−7.98(m、3H)、9.11(bs、1H)、9.70(bs、1H)。
【0200】
実施例55(フリー塩基)。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.56−1.69(m、1H)、2.32−2.34(m、1H)、2.76−2.90(m、3H)、3.23(q、J=2.0Hz、1H)、3.4(bs、1H)、3.62(t、J=2.3Hz、1H)、3.98(dd、J=0.80、J=1.9Hz、1H)、7.30(s、1H)、7.45(s、1H)、7.59−7.70(m、3H)、7.95(d、J=1.9Hz、1H)。
【0201】
実施例56(フリー塩基)。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.56−1.67(m、1H)、2.27−2.39(m、1H)、2.73−2.91(m、3H)、3.23(q、J=2.0Hz、1H)、3.4(bs、1H)、3.62(t、J=2.2Hz、1H)、3.98(d、J=2.8Hz、1H)、7.29(s、1H)、7.45(s、1H)、7.59−7.70(m、3H)、7.95(d、J=1.9Hz、1H)。
【0202】
【化28】

【0203】
(実施例57)
7−(フェニルスルホニル)−3−(プロパン−2−イル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール
【0204】
【化29】

【0205】
7−(フェニルスルホニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール塩酸塩(鏡像異性体1、実施例55、20mg、0.08mmol)を500μLのDCE:MeOH(9:1)に溶解した。10分間の撹拌後、プロパン−2−1(7μL、1.5eq)、THF(0.16mL、0.16mmol)中のナトリウムシアノボロハイドライドの1Mの溶液および酢酸(50のμL)を順に添加した。16時間の撹拌後、反応混合物をシリカゲルのプラグに通し、溶媒を蒸発させた。残留物を標準的な手順を用い分取LC/MSにより精製した。結果として生じる物質を少量のDCMに溶解させ、ジエチルエーテル中の1.0NのHClで処理し、7−(フェニルスルホニル)−3−(プロパン−2−イル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール塩酸塩を提供するため溶媒を蒸発させた。MS m/z 358.1[M+H]+。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.30(d、J=1.6Hz、3H)、1.35(d、J=1.6Hz、3H)、1.83−1−88(m、1H)、2.62−2.66(m、1H)、3.21−3.24(m、1H)、3.37(bs、1H)、3.66−3.72(m、2H)、4.10−4.24(m、3H)、4.23−4.41(m、1H)、7.45(s、1H)、7.52−7.77(m、5H)、7.97(d、J=2Hz 1H)、10.4(bs、1H)。
【0206】
以下の実施例は、基本的に先述したように調製した。以下の化合物の全ては、HCl塩類として単離した。
【0207】
【表7】





【0208】
(実施例88)
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.67−1.91(m、3H)、2.13−2.20(m、1H)、2.26−2.36(m、3H)、2.69−2.78(m、1H)、3.06−3.14(m、1H)、3.32−3.39(m、1H)、3.85(q、J=1.8Hz 1H)、3.93−4.11(m、2H)、4.28−4.36(m、2H)、7.11(d、J=2.1Hz、1H)、7.56−7.76(m、4H)、7.98−8.01(m、3H)、10.6(s、1H)。
【0209】
(実施例89)
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.67−1.89(m、3H)、2.13−2.20(m、1H)、2.26−2.37(m、3H)、2.71−2.76(m、1H)、3.08−3.12(m、1H)、3.32−3.37(m、1H)、3.85(q、J=1.8Hz 1H)、3.91−4.01(m、2H)、4.28−4.36(m、2H)、7.11(d、J=2.2Hz、1H)、7.59−7.75(m、4H)、7.94−7.98(m、3H)、10.6(s、1H)。
【0210】
(実施例90)
2−[7−(フェニルスルホニル)−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−イル)]エタノール
【0211】
【化30】

【0212】
DMF(4mL)中の7−(フェニルスルホニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサハイドロクロメノ[3,4−b]ピロール塩酸(鏡像異性体1、実施例55、343mg、0.8mmol)の0.20Nストック溶液を調製した。このストック溶液の400μL(0.08mmol)を、DIEA(21μL、1.5eq)および1−ブロモエタノール(9μL、0.9eq)に添加した。反応を16時間60℃で撹拌し、溶媒を蒸発させた。結果として生じる粗生成物を分取LC/MSにより精製し、三フルオロ酢酸性塩として産物を供給するため濃縮させた。産物をDCMに溶解し、EtO中の1MのHClを添加し、溶媒を蒸発させることにより、HCl塩への変換を行った。MS m/z 360.1[M+H]+。H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ1.71(bs、1H)、2.69(bs、1H)、3.25(bs、2H)、3.55(bs、2H)、3.70−3.83(m、3H)、4.12(bs、1H)、4.23−4.32(m、2H)、5.36(bs、1H)、7.43(bs、1H)、7.52−7.68(m、6H)、7.97(d、、J=2Hz 1H)、10.0(bs、1H)。
【0213】
上記の合成工程において解説されるように、以下の実施例を基本的に調製した。すべての化合物は、HCl塩類として単離した。
【0214】
【表8】


【0215】
下の表の中の実施例104、105、106、107、108、109、110、111は基本的に、ラセミ化合物のtert−ブチル7−ヨード−1,3a,4,9b−テトラヒドロクロメノ[3,4−b]ピロール−3(2H)−カルボン酸塩P01および対応するチオールから出発した実施例1に記述されるように調製した。以下の化合物の全ては、HCl塩類として単離した。
【0216】
【表9】

【0217】
SM01
1−エトキシ−3−フルオロ−5−ヨードベンゼン
【0218】
【化31】

【0219】
(3−エトキシ−5−フルオロフェニル)ボロン酸(2.5g、0.014mol)をTHF(30mL)に溶解させ、HO(15mL)中のヨウ化ナトリウム(4.1g、0.028mol)の溶液を添加し、HO(15mL)中のクロラミンT(7.8g、0.1mol)の溶液を続いて添加した。20時間撹拌後、反応混合物をジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。有機層を混合し溶媒を蒸発させた。結果として生じる残留物はヘキサン(3×)で粉末にし、ヘキサン層を混合した。オレンジ油として1−エトキシ−3−フルオロ−5−ヨードベンゼンを生成するため溶媒を蒸発させた。産物は更なる精製を行わず次の反応工程において使用した。
【0220】
真上において解説されるように、以下の実施例は基本的に調製された。
【0221】
【表10】

【0222】
SM05
3−ヨード−N,N−ジメチルベンズアミド
【0223】
【化32】

【0224】
EDCI(1.3g、6.6mmol)をTHF中のジメチルアミンの溶液(2M、6mL、10mmol)および3−ヨード安息香酸(1.5g、6mmol)に添加した。18時間攪拌した後、反応物を水に移し入れて、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて生成物を粘稠透明油として得た。その生成物をさらに精製せずに次の反応工程で使用した。MS m/z 276[M+H]
【0225】
SM06
3−トリフルオロメチル−5−トリイソプロピルシリルスルファニル−ピリジン
【0226】
【化33】

【0227】
無水トルエンは使用する前に1Hアルゴンガスでスパージした。酢酸パラジウム(0.050g、0.22mmol)、トリフェニルホスフィン(0.255g、0.973mmol)、セシウム炭酸塩(1.87g、5.75mmol)および3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ピリジン(1.00g、4.42mmol)をアルゴン存在下で50mLの丸底フラスコに導入した。トルエン(10mL)およびトリイソプロピルシランチオール(1.23mL、5.75mmol)を添加した。反応を一晩中100℃で撹拌し、室温に冷却させ、ヘキサンで希釈した。懸濁液をセライトのプラグで濾過した。更なる精製を行わず次の反応工程において用いた3−トリフルオロメチル−5−トリイソプロピルシリルスルファニル−ピリジンを提供するため濾液を濃縮させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式Iの化合物またはその塩であって、
【化34】

各出現のRはH、ハロゲン、CN、NO、NR、COR、CO、CONR、NCOR、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル(C−C)ハロアルコキシ、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール(C−C10)アルイルオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、且つpは0、1、2、または3であり、H、ハロゲン、CNおよびNOを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものであり、
各出現のRはH、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、および(C−C)アルキル(C−C10)アリールから独立して選択され、qは0,1、または2であり、
はH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、CO(C−C)アルキル、CONH(C−C)アルキル、CO(C−C)アルキル、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、CO(C−C10)アリール、CONH(C−C10)アリール、CO(C−C10)アリール、SO(C−C10)アリール、SONH(C−C10)アリール、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)ヘテロアリール、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但し、(C−C)ヘテロアリールは任意の(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールにおいて、1,3,4トリアゾールで選択的に置換されるものではなく、
YはCHまたはOであり、
Xは不在、O、NRまたは(C1−C4)アルキルであり、
はHまたは(C−C)アルキルであり、
全ての出現のRおよびRはH、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものであり、
mは1または2であり、
Zは(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものであり、または、
ZはNRであり、RおよびRは各々独立してH、(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但しRおよびRは両方ともHではなく、または、
およびRは一緒になって、1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される(C−C)ヘテロシクロアルキル環を形成するものである、
化学式Iの化合物またはその塩。
【請求項2】
化学式IIの構造を有する請求項1記載の化合物またはその塩であって、
【化35】

各出現のRはH、ハロゲン、CN、NO、NR、COR、CO、CONR、NCOR、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル(C−C)ハロアルコキシ、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール(C−C10)アルイルオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、且つpは0、1、2、または3であり、H、ハロゲン、およびNOを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものであり、
各出現のRはH、(C−C)アルキル、(C−C10)アリールおよび(C−C)アルキル(C−C10)アリールから独立して選択され、qは0、1、または2であり、
はH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、CO(C−C)アルキル、CONH(C−C)アルキル、CO(C−C)アルキル、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、CO(C−C10)アリール、CONH(C−C10)アリール、CO(C−C10)アリール、SO(C−C10)アリール、SONH(C−C10)アリール、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)ヘテロアリール、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、SONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但し(C−C)ヘテロアリールは任意の(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、CONH(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリール、およびCO(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールにおいて、1,3,4トリアゾールで選択的に置換されるものではなく、
YはCHまたはOであり、
Xは不在、O、NRまたは(C1−C4)アルキルであり、
はHまたは(C−C)アルキルであり、
全ての出現のRおよびRはH、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから独立して選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、
mは1または2であり、
Zは(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものであり、または、
ZはNRであり、RおよびRは各々独立してH、(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換され、但しRおよびRは両方ともHではなく、または、
およびRは一緒になって、1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換される(C−C)ヘテロシクロアルキル環を形成するものである、
化合物またはその塩。
【請求項3】
請求項2記載の化合物またはその塩において、
Zは(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択されるものであり、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものである、
化合物またはその塩。
【請求項4】
請求項2記載の化合物またはその塩において、
はH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、および(C−C)ヘテロアリールから選択されるものであり、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものである、
化合物またはその塩。
【請求項5】
請求項2記載の化合物またはその塩において、
Zは(C−C10)アリールまたは(C−C)ヘテロアリールであり、上述のもののいずれか一方は1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものである、
化合物またはその塩。
【請求項6】
請求項2記載の化合物またはその塩において、
pおよびqは各々0である、
化合物またはその塩。
【請求項7】
請求項6記載の化合物またはその塩において、
Xは不在であり、
はH、(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、および(C−C)ヘテロアリールから選択され、Hを除く任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものであり、
Zは(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキル(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、および(C−C)アルキル(C−C)ヘテロアリールから選択され、任意の上述のものは1若しくはそれ以上の置換基で選択的に置換されるものである、
化合物またはその塩。
【請求項8】
請求項1記載の化合物またはその塩であって、以下の化学式IIIの構造を有するものである、化合物またはその塩。
【化36】

【請求項9】
請求項1記載の化合物またはその塩であって、以下の化学式IVの構造を有するものである、化合物またはその塩。
【化37】

【請求項10】
請求項1記載の化合物またはその塩であって、以下の化学式Vの構造を有するものである、化合物またはその塩。
【化38】

【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物または薬理学的に許容されるその塩、および少なくとも1つの薬理学的に許容される添加剤を有する組成物。
【請求項12】
健康状態、障害、または病気を治療する方法であって、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与する工程を有し、前記治療される健康状態、障害または病気は、記憶障害、不安神経症、てんかん、片頭痛、パニック発作、鬱病、双極性障害、強迫性障害、認識/認知障害、軽度認知障害(MCI)、老人性痴呆症、精神病、統合失調症、ADHD/ADD、神経障害性疼痛および慢性痛を含む痛み、頭部損傷または外傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または多発性硬化症、麻薬、エタノール(アルコール中毒)、ニコチンおよび/またはベンゾジアゼピンのような物質の中毒および/または禁断症状、睡眠/覚醒障害、または過敏性大腸症候群(IBS)、機能性腸疾患のような胃腸(GI)の健康状態、障害または病気の治療、たまは拒食症、悪液質および肥満のような摂食行動または食物摂取に関する健康状態、障害または病気の治療から選択されるものである、方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、前記治療される健康状態、障害、または病気は、ADHD/ADD、軽度認知障害(MCI)、または睡眠/覚醒障害から選択されるものである方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、前記治療される健康状態、障害、または病気は、アルツハイマー病、老人性痴呆症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または多発性硬化症から選択されるものである方法。
【請求項15】
健康状態、障害または病気を治療する方法であって、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与する工程を有し、前記治療される健康状態、障害、または病気は5−HTレセプターにより媒介されるものである方法。
【請求項16】
請求項15記載方法において、前記健康状態、障害、または病気は、ADHD/ADD、軽度認知障害(MCI)、または睡眠/覚醒障害から選択されるものである方法。
【請求項17】
被験者の認識または記憶を改善する方法であって、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物または薬理学的に許容されるその塩を投与する工程を有するものである方法。
【請求項18】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物であって、被検者の認識または記憶の改善に用いられるものである化合物。
【請求項19】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物またはその塩であって、治療に用いられるものである、化合物またはその塩。
【請求項20】
化学式1の化合物を調製する方法であって、以下の工程を有し、
【化39】

Halは臭素またはヨウ素であり、VはメトキシまたはHである、方法。
【請求項21】
請求項19記載の方法であって、以下の工程を有するものである、方法。
【化40】


【公表番号】特表2013−515065(P2013−515065A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546072(P2012−546072)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/060938
【国際公開番号】WO2011/087713
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(509021085)セファロン、インク. (24)
【Fターム(参考)】