説明

三級アルコールのプロドラッグ

本発明の化合物は、カンナビノイド−1(CB1)受容体モジュレーターのプロドラッグであり、カンナビノイド−1(CB1)受容体によって介在される疾患の治療、予防及び抑制に有用である。特に、本発明の化合物はCB1受容体のアンタゴニスト又は逆作動薬のプロドラッグである。本発明は、カンナビノイド−1(CB1)受容体を調節する化合物に変換するためのこれらの化合物の使用に関する。従って、本発明の化合物は、精神病、記憶欠落、認知障害、アルツハイマー病、偏頭痛、神経病、多発性硬化症及びギラン・バレー症候群を含む神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、てんかん、パーキンソン病、運動障害及び統合失調症の治療において中心作用薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マリファナ(Cannabis sativa L.)及びその誘導体は何世紀も前から医学目的及び保養目的で使用されてきた。マリファナ及びハシシュの主要活性成分は、Δ9−テトラヒドロカンナビノール(Δ9−THC)であることが判明している。詳細な研究から、Δ9−THC及びカンナビノイドファミリーの他のメンバーの生物作用は、CB1及びCB2と命名された2種のG−タンパク質共役受容体を介して生じることが解明された。CB1受容体は主として中枢神経系及び末梢神経系に見出され、いくつかの末梢器官にも少しは見出される。CB2受容体は主としてリンパ系の組織及び細胞に見出される。アラキドン酸に由来するカンナビノイド受容体の3種の内因性リガンドが同定されている(アナンダミド、2−アラキドノイルグリセロール、2−アラキドノイルグリセロールエーテル)。各々は、鎮静、低体温、腸静止、抗痛、鎮痛、カタレプシー、制吐及び食欲刺激を含むΔ9−THCに類似の活性を有するアゴニストである。
【背景技術】
【0002】
現在では、摂食障害及び/又は禁煙を治療する臨床試験において、インバースアゴニスト又はアンタゴニストとして特徴づけられた少なくとも2種のCB1モジュレーター、アコンプリア(リモナバント、N−(1−ピペリジニル)−5−(4−クロロフェニル)−l−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド(SR141716A)及び3−(4−クロロフェニル−N’−(4−クロロフェニル)スルホニル−N−メチル−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−lH−ピラゾール−l−カルボキサミド(SLV−319)が存在する。ヒト用医薬、特に、改良された薬物動態学及び薬力学的特性を有する化合物のようなプロドラッグとして使用するための適当な薬物動態学的特性及び薬力学的特性を有する強力な低分子量CB1モジュレーターが依然として要望されている。
【0003】
WO03/077847、03/082190、03/086288、03/087037、04/048317、04/058145、05/009479、05/027837、05/044785は、非環式コアを有するCB1受容体アンタゴニスト/インバースアゴニストを開示している。Schultz,E.M,ら、J.Med Chem.1967,10,717及びPines,S.H.ら、Med.Chem.1967,10,725は、血漿コレステロール及びペニシリン配列に影響を及ぼすマレアミン酸を開示している。
【発明の開示】
【0004】
発明の要旨
本発明は、一般式I:
【0005】
【化1】

【0006】
の新規化合物、及び薬学的に許容されるその塩に関し、これは三級アルコール(R=水素)のプロドラッグであり、そしてカンナビノイド−1(CB1)受容体のアンタゴニスト及び/又はインバースアゴニストであり、カンナビノイド−1(CB1)受容体によって介在される疾患の治療、予防及び抑制に有用である。本発明は、カンナビノイド−1(CB1)受容体に選択的に拮抗することのできる、三級アルコール(R=水素)の薬学的性質を向上させる新規化合物の使用に関する。このように、本発明の化合物は、精神病、記憶欠落、認知障害、アルツハイマー病、偏頭痛、神経病、多発性硬化症及びギヤン−バレー症候群を含む神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性続発症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、てんかん、パーキンソン病、運動障害及び統合失調症の治療における中枢作用薬として有用である。前記化合物は、物質乱用障害、特に、アヘン、アルコール、マリファナ、及び喫煙の停止を含むニコチンの乱用及び/又は習慣性の治療にも有用である。前記化合物は、肥満症、又は過剰食物摂取、及び左心室肥大を含むそれらの合併症に関連する摂食障害の治療にも有用である。前記化合物は、便秘、及び慢性偽腸閉塞の治療にも有用である。肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療にも有用である。前記化合物は、喘息及び不眠症の増進の治療にも有用である。
【0007】
本発明は、これらの病状の治療、これらの病状の治療に有用な薬物の製造のための本発明の化合物の使用にも関する。本発明は、式Iの本発明の化合物と、他の利用できる医薬品との併用による、これらの病状の治療にも関する。
【0008】
本発明は、活性成分として前記化合物の1種を含む医薬製剤にも関する。
【0009】
更に、本発明は、本発明の化合物の製造方法に関する。
【0010】
発明の詳細な記載
本発明の化合物は、構造式I
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、Ar及びArはフェニルであり、Rから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
Arは、ピリジルであり、Rから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
は、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−S(O)mR、−S(O)mOR、−ONO、−P(O)(OR、−PH(O)(OR)、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)R、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)OR、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OS(O)、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OS(O)OR、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OP(O)(OR、及び−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OPH(O)(OR)から選択され;
は、水素及びC1−4アルキルから選択され、ここでアルキルはRから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
3a及びR3bは、水素及びC1−4アルキルから独立して選択され;
各Rは、−OR、−NRS(O)、ハロゲン、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−C(O)R、−OC(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CF、−OCF、及びシクロヘテロアルキルから独立して選択され;
各Rは、R、C1−10アルキル及びC3−6シクロアルキルから独立して選択され;
及びRは、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1−10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル及びヘテロアリール−C1−10アルキルから独立して選択され、又は
及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、酸素、硫黄及びN−Rから独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む4〜7員の複素環を形成し、そしてR及びRが水素以外である場合は、各R及びRは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換され;
各Rは、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1−10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル及びヘテロアリール−C1−10アルキルから独立して選択され、
ここで、Rが水素でない場合は、各Rは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換され;
各Rは、C1−10アルキル及び−C(O)Rから独立して選択され;
各Rは、ハロゲン、C1−10アルキル、−O−C1−4アルキル、−S(O)−C1−4アルキル、−CN、−CF及び−OCFから独立して選択され;そして
mは0、1及び2から選択される)
で表される化合物、又は薬学的に許容されるその塩である。
【0013】
構造式Iの化合物はカンナビノイド−1(CB1)受容体のモジュレーターのプロドラッグであり、カンナビノイド−1(CB1)受容体によって介在される疾患の治療、予防及び抑制に有用である。特に、本発明の化合物は、CB1受容体のアンタゴニスト又はインバースアゴニストのプロドラッグである。本発明は、カンナビノイド−1(CB1)受容体を調節する化合物に変換されるこれらの化合物の使用に関する。
【0014】
一実施態様においては、Ar及びArはフェニルであり、置換されていないか、又はRから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されている。
【0015】
一つのクラスにおいては、Arは、置換されていないか、又はRから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されているフェニルである。
【0016】
他のクラスにおいては、Arは、置換されていないか、又はRから選択される1個の置換基で置換されているフェニルである。
【0017】
一つのクラスにおいては、Arは、4位においてRで置換されているフェニルである。
【0018】
一つのクラスにおいては、Arは4−クロロフェニルである。
【0019】
一つのクラスにおいては、Arは、置換されていないか、又はRから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されているフェニルである。
【0020】
他のクラスにおいては、Arは、置換されていないか、又はRから選択される1個の置換基で置換されているフェニルである。
【0021】
一つのクラスにおいては、Arは、3位においてRで置換されているフェニルである。
【0022】
一つのサブクラスにおいては、Arは、3−シアノフェニル及び3−ブロモフェニルから選択される。他のサブクラスにおいては、Arは3−シアノフェニルである。
【0023】
一実施態様においては、Arは、置換されていないか、又はRから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されているピリジルである。
【0024】
一つのクラスにおいては、Arは、置換されていないか、又はRから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されているピリジルである。
【0025】
他のクラスにおいては、Arは、置換されていないか、又はメチル、クロロ、トリフルオロメチル及び−SOCHから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されているピリジルである。
【0026】
一実施態様においては、Rは、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)OR、−ONO、−P(O)(OR、−PH(O)(OR)、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)R、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)OR、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OS(O)、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OS(O)OR、−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OP(O)(OR、及び−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OPH(O)(OR)から選択される。
【0027】
他のクラスにおいては、Rは、−C(O)R、S(O)OR、−P(O)(OR、及び−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)Rから選択される。
【0028】
他のクラスにおいては、Rは、−C(O)R、S(O)OR、−P(O)(OR、及び−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)Rから選択され、ここで各Rは、メチル及びエチルから独立して選択される。
【0029】
一実施態様においては、Rは、水素及びC1−4アルキルから選択され、ここでアルキルは、Rから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい。
【0030】
他の実施態様においては、Rは、水素及びC1−4アルキルから選択され、ここでアルキルは、Rから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい。
【0031】
一つのクラスにおいては、Rは、水素及びC1−4アルキルから選択される。
【0032】
他のクラスにおいては、Rは、水素、メチル、エチル及びイソプロピルから選択される。
【0033】
一つのサブクラスにおいては、Rは、水素、メチル及びエチルから選択される。
【0034】
他のサブクラスにおいては、Rは、水素及びメチルから選択される。
【0035】
一実施態様においては、R3a及びR3bは、水素及びC1−4アルキルから独立して選択される。一つのクラスにおいては、R3a及びR3bは、水素、メチル及びエチルから独立して選択される。サブクラスにおいては、R3a及びR3bは、それぞれメチルである。
【0036】
一実施態様においては、各Rは、−OR、−NRS(O)、ハロゲン、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−C(O)R、−OC(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CF、−OCF及びシクロヘテロアルキルから独立して選択される。
【0037】
一つのクラスにおいては、各Rは、−OR、−NHS(O)、ハロゲン、−SR、−S(O)NR、−NR、−C(O)R、−OC(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−NHC(O)NR、−CF及び−OCFから独立して選択される。
【0038】
他のクラスにおいては、各Rは、ヒドロキシ、メトキシ、メチルカルボニルオキシ、フルオロ、クロロ、メチルチオ、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−メチルアミノ、メチルカルボニル、メトキシカルボニル、−CN、N−メチルカルボニル−アミノ−、N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ−、−CF及び−OCFから独立して選択される。
【0039】
更に他のクラスにおいては、各Rは、ヒドロキシ、メトキシ、メチルカルボニルオキシ、フルオロ、クロロ、N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ−及び−OCFから独立して選択される。
【0040】
更なる他のクラスにおいては、各Rは、フルオロ、ヒドロキシ、メチルカルボニルオキシ及びクロロから独立して選択される。
【0041】
一実施態様においては、各Rは、−OR、−NRS(O)、ハロゲン、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−C(O)R、−OC(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1−10アルキル及びC3−6シクロアルキルから独立して選択される。
【0042】
一つのクラスにおいては、各Rは、−OR、−NHS(O)、ハロゲン、−SOCH、−S(O)NR、−NR、−C(O)R、−OC(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−NHC(O)NR、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1−6アルキル及びC3−6シクロアルキルから独立して選択される。
【0043】
他のクラスにおいては、各Rは、−OR、ハロゲン、−SOCH、−NR、−C(O)CH、−OC(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1−6アルキル及びC3−6シクロアルキルから独立して選択される。
【0044】
更に他のクラスにおいては、各Rは、−OH、−OCH、−OCHCF、−Cl、−F、−Br、−I、−SOCH、−NH、−OC(O)CH、t−ブチルオキシカルボニル、−CN、−CF、−OCF、メチル、エチル、イソプロピル及びt−ブチルから独立して選択される。
【0045】
更に他のクラスにおいては、各Rは、−Cl、−F、−Br、−I、−SOCH、−CH及び−CNから独立して選択される。
【0046】
一実施態様においては、R及びRは、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1−10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル及びヘテロアリール−C1−10アルキルから独立して選択され、又はR及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、酸素、硫黄及びN−Rから独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む4〜7員の複素環を形成し、そしてR及びRが水素以外である場合には、各R及びRは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0047】
他の実施態様においては、各Rは、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1−10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル及びヘテロアリール−C1−10アルキルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0048】
この実施態様の一つのクラスにおいては、各Rは、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−メチル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−メチル、アリール、ヘテロアリール、アリール−メチル及びヘテロアリール−メチルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0049】
一つの他のクラスにおいては、各Rは、水素、C1−6アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル及びヘテロアリールから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0050】
一つのサブクラスにおいては、各Rは、水素及びメチルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0051】
一実施態様においては、各Rは、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1−10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル及びヘテロアリール−C1−10アルキルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0052】
一つのクラスにおいては、各Rは、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−メチル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−メチル、アリール、ヘテロアリール、アリール−メチル及びヘテロアリール−メチルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0053】
他のクラスにおいては、Rは、水素、C1−6アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0054】
更に他のクラスにおいては、各Rは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロヘテロアルキル、フェニル、ヘテロアリールから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各RはRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0055】
このクラスのサブクラスにおいては、各Rは、水素及びメチルから独立して選択される。
【0056】
一実施態様においては、R及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、酸素、硫黄及びN−Rから独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む4〜7員の複素環を形成し、ここで、R及びRによって形成された複素環は置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0057】
一つのクラスにおいては、R及びRは、それらが結合する原子と一緒になって4〜7員環の複素環を形成し、ここで、R及びRによって形成された複素環は置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0058】
一実施態様においては、各Rは、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1−10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル及びヘテロアリール−C1−10アルキルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各Rは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0059】
一つのクラスにおいては、各Rは、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−メチル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−メチル、アリール、ヘテロアリール、アリール−メチル及びヘテロアリール−メチルから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、各Rは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0060】
他のクラスにおいては、各Rは、水素、C1−6アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールから独立して選択され、ここで、Rが水素でない場合は、Rは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0061】
一つのサブクラスにおいては、各Rは、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CHCF及びt−ブチルから独立して選択される。
【0062】
一実施態様においては、各Rは、C1−10アルキル及び−C(O)Rから独立して選択される。
【0063】
一つのクラスにおいては、各Rは、C1−4アルキル及び−C(O)−C1−4アルキルから独立して選択される。
【0064】
他のクラスにおいては、各Rは、メチル又はメチルカルボニルである。
【0065】
一つのサブクラスにおいては、各Rはメチルである。
【0066】
一実施態様においては、各Rは、ハロゲン、C1−10アルキル、−O−C1−4アルキル、−S(O)−C1−4アルキル、−CN、−CF及び−OCFから独立して選択される。
【0067】
一つのクラスにおいては、各Rは、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、−O−C1−2アルキル、−SCH、−S(O)−CH、−CN、−CF及び−OCFから独立して選択される。
【0068】
一つのサブクラスにおいては、各Rは、フルオロ、クロロ、メチル、−OCH、−S(O)CH、−CN、−CF及び−OCFから独立して選択される。
【0069】
「アルキル」、及びアルコキシ、アルカノイルのような「アルク」という接頭辞を有するその他の基は、直鎖状又は分枝状、又はそれらの組み合わせの炭素鎖を意味する。アルキル基の具体例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。
【0070】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、直鎖状又は分枝状、又はそれらの組み合わせの炭素鎖を意味する。アルケニルの具体例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が含まれる。
【0071】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有し、直鎖状又は分枝状、又はそれらの組み合わせの炭素鎖を意味する。アルキニルの具体例には、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が含まれる。
【0072】
「シクロアルキル」は、各々が3〜10個の炭素原子を有する単環式、二環式又は架橋した飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの具体例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル等が含まれる。本発明の一実施態様においては、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルから選択される。
【0073】
「アリール」は炭素原子のみを含有する単環式又は二環式の芳香環を意味する。アリールの具体例には、フェニル、ナフチル等が含まれる。一実施態様においては、アリールはフェニルである。
【0074】
「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、各々が5〜6個の原子を含有する、単環式又は二環式の芳香環を意味する。ヘテロアリールの具体例には、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリル、オキサゾリジニル等が含まれる。ヘテロアリール環は、1個以上の炭素原子上で置換されていてもよい。本発明の1実施態様においては、ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアゾリル、チエニル、7−アザインドリル、ベンゾイソキサゾリル、インドリニル、インドリル、インダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、イミダゾチアゾリル、イミダゾピリジル、ピラゾリルピリジル及びベンゾトリアゾリルから選択される。
【0075】
「シクロヘテロアルキル」は、N、S及びOから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含み、各々が3〜10個の原子を含有する、単環式、二環式又は架橋された飽和環を意味し、結合点は炭素又は窒素であってもよい。「シクロヘテロアルキル」の具体例には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ジオキサニル、オキサニル、アゼチジニル、ペルヒドロアゼピニル、テトラヒドロフラニル、1−チア−4−アザ−シクロヘキサン(チオモルホリニル)、ヘキサヒドロチエノ−ピリジニル、チエノピリジニル、アザシクロヘプチル等が含まれる。この用語には、窒素を介して結合した2−又は4−ピリドン又はN−置換−(lH,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換ウラシル)等の、部分的に不飽和の非芳香族単環も含まれる。シクロヘテロアルキル環は、環炭素及び/又は環窒素上で置換されていてもよい。本発明の一実施態様においては、シクロヘテロアルキルは、フラニル、チアジアゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、ジヒドロキノリニル及びジヒドロインドリルから選択される。
【0076】
ハロゲンには、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
【0077】
いずれかの成分又は式Iに任意の変数(例えば、R、R等)が1回以上存在する場合、各発現における定義は、他の発現における定義から独立している。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。置換変数における結合を横断する曲線は、結合のポイントを表わす。
【0078】
本発明の開示において用いられる標準的命名法の下では、指定した側鎖の末端部分を最初に記載し、次いで、隣接する官能基から結合点までの官能性で示す。例えば、C1−5アルキルカルボニルアミノC1−6アルキル置換基は、
【0079】
【化3】

【0080】
と等価である。
【0081】
本発明の化合物の選択においては、化学構造の結合性及び安定性に関する周知の原理に適合するように種々の置換基、すなわちR、R等を選択すべきであることは、当業者に明らかであろう。
【0082】
「置換された」なる用語は、記載の置換基による多重置換を含むことを意味する。多重置換部分が開示されているか又は特許請求の範囲に記載されている場合、置換化合物は、開示されたか又は特許請求の範囲に記載された置換部分の1個以上によって単独で又は複数で独立して置換されていてもよい。独立して置換されるという表現は、(2個以上の)置換基が同じでもよく異なってもよいことを意味する。
【0083】
式Iの化合物は、1個以上の不斉中心を含んでもよく、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生成し得る。本発明は、式Iの化合物のこのような異性体形態をすべて包含することを意図する。
【0084】
本明細書に記載される化合物のいくつかはオレフィン二重結合を含み、特に指定がなければE及びZの両方の幾何異性体を含むことを意味する。
【0085】
互変異性体は、化合物の1個の原子から化合物の他の原子への迅速なプロトンシフトが生じる化合物であると定義される。本明細書に記載される化合物のいくつかは、異なる水素結合点を有する互変異性体として存在し得る。このような例はケト−エノール互変異性体として公知のケトン及びそのエノール形である。個々の互変異性体及びそれらの混合物は式Iの化合物に包含される。
【0086】
式Iの化合物は、例えばMeOH又は酢酸エチル、又はそれらの混合物のような適当な溶媒から分別結晶化によって鏡像異性体のジアステレオ異性体対に分割し得る。このようにして得られた鏡像異性体対は慣用の手段、例えば、光学活性アミンを分割剤として用いるか、又はキラルHPLCカラムによって個々の立体異性体に分割し得る。
【0087】
また、公知の立体配置の光学的に純粋な出発材料又は試薬を用いる立体特異的合成によって一般式Iの化合物の鏡像異性体を得ることもありえる。
【0088】
更に、本発明の化合物の結晶質形態のいくつかは、多形晶として存在し得、これらも本発明に包含されることを意図する。更に、本発明の化合物のいくつかは、水又は一般的な有機溶媒と共に溶媒和物を形成することができる。このような溶媒和物も本発明の範囲に包含される。
【0089】
一般には、本発明の化合物を鏡像異性的に純粋な配合物として投与することが好ましい。ラセミ混合物は多くの慣用的方法のいずれかによって個々の鏡像異性体に分割してもよい。これらの方法には、キラルクロマトグラフィー、キラル補助剤で誘導体化し次いでクロマトグラフィー分離するか結晶化する方法、ジアステレオマー塩の分別結晶化が含まれる。
【0090】
「薬学的に許容される塩」なる用語は、無機又は有機の塩基、及び無機又は有機の酸を含む薬学的に許容される無毒の塩基又は酸から製造された塩を意味する。無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩である。薬学的に許容される無毒の有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、天然産生置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等が含まれる。「薬学的に許容される塩」という用語には、更に、酢酸塩、ラクトビオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、炭酸水素塩、マレイン酸塩、硫酸水素塩、マンデル酸塩、酒石酸水素塩、メシラート、ホウ酸塩、メチルブロマイド、臭化物、メチルニトレート、エデト酸カルシウム、メチルスルフェート、カムシラート、ムコ酸塩、炭酸塩、ナプシラート、塩化物、硝酸塩、クラブラン酸塩、N−メチルグルカミン、クエン酸塩、アンモニウム塩、二塩酸塩、オレイン酸塩、エデト酸塩、シュウ酸塩、エディシラート、パモ酸塩(embonate)、エストール酸塩、パルミチン酸塩、エシラート、パントテン酸塩、フマル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、グルセプト酸塩、ポリガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、ステアリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、硫酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、亜酢酸塩、ヒドラバミン、コハク酸塩、臭化水素酸塩、タンニン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、テオクラート、ヨウ化物、トシラート、イソチオン酸塩、トリエチヨーダイド、乳酸塩、パノエート、吉草酸塩等の任意の許容される塩が含まれ、これらは、溶解度特性又は加水分解特性を修飾する剤形で用いられてもよく、又は持続放出配合物又はプロドラッグ配合物として用いられてもよい。
【0091】
本明細書に用いる場合、式Iの化合物への言及は、薬学的に許容される塩も含むことを意図することが理解されるだろう。
【0092】
本発明の化合物はCB1受容体のモジュレーターである。特には、構造式Iの化合物はCB1受容体のアンタゴニスト又はインバースアゴニストである。
【0093】
「アゴニスト」は、受容体に結合し、収縮、弛緩、分泌、酵素活性の変化等の内因性調節化合物の作用を模倣する化合物(ホルモン、神経伝達物質又は合成化合物)である。「アンタゴニスト」は、固有の調節活性がなく、内因性アゴニストの結合を妨害するか又はアゴニストの作用を阻害することによってその効果を生じる化合物である。「インバースアゴニスト」は、受容体に作用するが特定受容体のアゴニストによる効果の反対の効果を生じる化合物である。
【0094】
本発明の化合物はCB1受容体のモジュレーターであり、従って、精神病、記憶欠落、認知障害、アルツハイマー病、偏頭痛、神経病、多発性硬化症及びギラン・バレー症候群を含む神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、てんかん、パーキンソン病、運動障害及び統合失調症の治療において中枢作用薬として有用である。特に、本発明の化合物はCB1受容体のアンタゴニスト/インバースアゴニストである。本発明の化合物は、物質乱用異常症、特にアヘン剤、アルコール、マリファナ及びニコチンの治療にも有用である。特に、本発明の化合物は禁煙に有用である。本発明の化合物は、肥満症又は摂食障害、及び左心室肥大を含む食物過剰摂取に関連する合併症の治療、及び犬及び猫を含む他の哺乳種における肥満症の治療及び予防にも有用である。本発明の化合物は、便秘及び慢性偽腸閉塞の治療にも有用である。本発明の化合物は、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療、不眠症の増進やぜんそくの治療にも有用である。
【0095】
化合物「の投与」又は「を投与する」なる用語は、本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを、治療の必要な個体に与えることを意味すると理解されるべきである。
【0096】
本発明の治療方法を実施するための構造式Iの化合物の投与は、このような治療又は予防の必要な哺乳動物患者への有効量の構造式Iの化合物の投与によって実施される。本発明の方法による予防的投与についての必要性は、周知の危険因子の使用によって決定される。個々の化合物の有効量は、最終の解析において、そのケースを担当する医師、獣医師によって決定されるが、治療される正確な疾患、疾患の重症度、患者に由来する他の疾患、病状、投与経路の選択、患者が付随して必要とする他の薬剤及び治療、及び医師の判断における他の要因に依存する。
【0097】
これらの疾患又は障害に対する本発明の化合物の有用性は、文献に報告された動物疾患モデルで証明され得る。以下は、このような動物疾患モデルの具体例である:(a)ラットの摂食抑制及びその結果として生じる体重減少(Life Sciences 1998,63,113−117);(b)キヌザルの甘い食べ物摂取の減少(Behavioural Pharm.1998,9,179−181);(c)マウスのショ糖及びエタノール摂取の減少(Psychopharm.1997,132,104−106);(d)ラットの運動活性及び位置条件つけの増加(Psychopharm.1998,135,324−332;Psychopharmacol 2000,151:25−30);(e)マウスの自発歩行活性(J.Pharm.Exp.Ther.1996,277,586−594);(f)マウスのアヘン剤自己投与の減少(Sci.1999,283,401−404);(g)喘息の種々の段階のモデルであるヒツジ及びモルモットの気管支過応答(例えば、W.M.Abrahamら、“α4−Integrins mediate antigen−induced late bronchial responses and prolonged airway hyperresponsiveness in sheep”J.Clin.Invest.93,776(1993)及びA.A.Y.Milne and P.P.Piper、“Role of VLA−4 integrin in leucocyte recruitment and bronchial hyperresponsiveness in the guinea−pig.”Eur.J.Pharmacol.,282,243(1995));(h)四塩化炭素によって誘発される進行肝硬変の血管拡張状態の考察(Nature Medicine,2001,7(7),827−832);(i)マカクザルのアミトリプチリン誘発便秘は緩下薬の評価に役立つ(Biol.Pharm.Bulletin(Japan),2000,23(5),657−9);(j)小児の慢性偽腸閉塞の神経病及び小児の慢性偽腸閉塞の神経病に関連した動物モデル(Journal of Pathology(England),2001,194(3),277−88)。
【0098】
予防的又は治療的に投与する式Iの化合物の投与量は、当然、治療すべき病状の種類及び重症度と、具体的な式Iの化合物及びその投与経路に従って変更される。また、個々の患者の年齢、体重及び応答に従って変更される。一般に、1日あたりの投与量は、単回又は分割投与で、哺乳動物の体重1kgあたり約0.001mg〜約100mgの範囲であり、好ましくは0.01mg〜約50mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kgであり、この量を1回で投与する。また、いくつかの場合にはこれらの範囲外の投与量を使用することが必要であろう。
【0099】
静脈内投与組成物を用いる場合には、式Iの化合物の適切な投与量範囲は、1日に体重1kgあたり約0.001mg〜約100mg、一実施態様においては、約0.01mg〜約50mg、他の実施態様においては、0.1mg〜10mgである。
【0100】
経口組成物を用いる場合には、式Iの化合物の適切な投与量範囲は、例えば1日あたり、約0.01mg〜約1000mgである。一実施態様においては、投与量範囲は、1日あたり約0.1mg〜約10mgである。経口投与の場合、治療される患者の薬用量を症状に応じて調節するために、場合によっては組成物を、好ましくは、0.01〜1,000mg、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、12、12.5、15、20、25、30、40、50、100、250、500、750又は1000ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供する。
【0101】
本発明の他の態様は、式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物中の「組成物」なる用語は、有効成分と、担体を構成する不活性成分(薬学的に許容される賦形剤)とを含む製品、並びに、2種以上の成分の組合せ、複合化又は凝集、又は、1種類又は複数の成分の解離、又は、1種類又は複数の成分の他の種類の反応又は相互作用から直接又は間接に得られる製品を含むように意図される。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの組成物、追加の有効成分及び医薬的に許容される賦形剤を混合することによって製造される組成物を包含する。
【0102】
哺乳動物、特にヒト又はイヌ若しくはネコのような愛がん動物に有効量の本発明の化合物を与えるため任意の投与経路を使用し得る。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼内、肺内、鼻腔内等の経路を使用し得る。剤形には、錠剤、トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾル等が含まれる。
【0103】
本発明の医薬組成物は、有効成分として式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含み、また、薬学的に許容される担体、及び場合によっては他の治療用成分を含む。「薬学的に許容される」なる表現は、担体、稀釈剤又は賦形剤が配合物の他の成分と適合しなければならないこと、及び、その受容者に有害であってはならないことを意味する。組成物は、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内、静脈内を含む)、眼内(眼科用)、肺内(エアロゾル吸入)又は鼻腔内投与に適した組成物を含むが、いずれの場合にも最適投与経路は治療される症状の種類及び重症度、及び有効成分の種類に依存するであろう。これらは単位剤形で提供されるのが好都合であり、薬学の分野において周知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0104】
吸入投与のためには、本発明の化合物を加圧パック又はネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で、又は配合可能な粉末の形態で送達するのが好都合であり、粉末組成物は吹送粉末の吸入装置を用いて吸入され得る。好ましい吸入剤送達システムは、炭化フッ素又は炭化水素のような適切な噴射剤中の式Iの化合物の懸濁液又は溶液として配合し得る計測量吸入(MDI)エアロゾル、又は、追加の賦形剤を使用し、又は使用しないで式Iの化合物の乾燥粉末として配合し得る乾燥粉末吸入(DPI)エアロゾルである。
【0105】
式Iの化合物の適当な局所用配合物には、経皮デバイス、エアロゾル、クリーム、溶液、軟膏、ジェル、ローション、散布用粉末等が含まれる。本発明の化合物を含む局所用医薬組成物は、通常は、約0.005〜5重量%の活性化合物を薬学的に許容される媒体と混合して含む。本発明の化合物を投与するために有用な経皮貼付薬は当業者によく知られた製品である。
【0106】
実際の使用においては、式Iの化合物は、有効成分として慣用の医薬配合技術に従って医薬担体と均質に混合する。担体は、投与に望ましい製剤の形態に応じて多様な形態、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)の形態を有してもよい。経口剤形の組成物を調製するためには任意の常用の医薬媒体を用いればよく、例えば懸濁液、エリキシル剤及び溶液のような経口液体製剤の場合には、水、グリコール、油、アルコール、芳香剤、保存剤、着色剤等を使用し、例えば粉末、カプセル及び錠剤のような経口固体製剤の場合には、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、稀釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤のような担体を用いる。固体経口製剤は液体製剤よりも好ましい。投与が容易であるという理由で、錠剤及びカプセル剤が最も有利な剤形単位であり、この場合には、明らかに固体医薬担体が使用される。所望の場合には、標準的な水性又は非水性技術によって錠剤をコーティングしてもよい。
【0107】
前記に挙げた常用の剤形以外に、式Iの化合物をUS第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第3,630,200号及び第4,008,719号に記載されているような制御放出手段及び/又は送達装置によって投与してもよい。
【0108】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、各々が所定量の有効成分を含有するカプセル(適時放出配合物及び持続放出配合物を含む)、丸剤、カシェ剤、散剤、顆粒剤、又は錠剤のような不連続単位として、散剤又は顆粒剤として、又は、エリキシル、チンキ、溶液、懸濁液、シロップ、エマルションを含む水性液体、非水性液体中の溶液又は懸濁液、水中油型エマルション又は油中水型エマルションとして提供され得る。このような組成物は、製薬のいずれかの方法によって調製してもよいが、すべての方法が1種又は複数の必要成分を構成する担体に有効成分を混合する段階を含む。一般に、組成物は、有効成分を液体担体又は微砕固体担体又は双方担体と均一及び均質に混合し、次いで、必要な場合には、製品を所望の外見に成型することによって調製される。例えば、錠剤は、場合によっては1種又は複数の成分と共に圧縮又は成形することによって調製してもよい。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、滑沢剤、不活性稀釈剤、表面活性剤又は分散剤と混合した粉末又は顆粒のような自由流動性形態の有効成分を適当な機械で圧縮することによって調製してもよい。成形錠剤は、不活性液体稀釈剤で湿潤させた本発明の粉末状化合物の混合物を適当な機械で成形することによって調製してもよい。治療される患者の症状に応じて投与量を調節するために錠剤、カシェ剤又はカプセルの各々が、約0.01〜1,000mg、特に0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、25、30、40、50、75、100、125、150、175、180、200、225、250、500、750及び1,000ミリグラムの有効成分を含有するのが望ましい。
【0109】
本発明の化合物の追加の適当な投与手段には、注射、静脈内又は注入、腹腔内、皮下、筋肉内、及び封鎖又は非封鎖の局所投与が含まれる。
【0110】
本発明の具体例は前記に記載の化合物のいずれかと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物である。本発明の具体例はまた、前記に記載の化合物のいずれかと医薬的に許容される担体とを組み合わせた医薬組成物である。本発明の1つの具体例は、前記に記載の化合物のいずれかと医薬的に許容される担体とを組み合わせる工程を含む医薬組成物の製造方法である。
【0111】
用法は、1日の投与量を1回で投与してもよく、又は1日の合計投与量を2回、3回又は4回に分割して投与してもよい。さらに、投与するのに選択した個々の化合物の特性に基づいて、更に少ない頻度、例えば週1回、隔週1回、月1回等で投与してもよい。投与頻度が少ないほど、これに対応する1回の投与量は、当然に増えるであろう。
【0112】
鼻腔経路、経皮経路、直腸又は膣内座薬剤、又は連続静脈内溶液で投与するとき、投与レジメを通じて投与は断続的でなく連続的であろう。
【0113】
以下の表は式Iの化合物の代表的な医薬剤形の例である。
【0114】
【化4】

【0115】
式Iの化合物は、式Iの化合物が有用な疾患又は病状の治療/予防/抑制又は改善に使用される他の薬剤と併用してもよい。このような他の薬剤は、それらの常用の経路及び量で式Iの化合物と同時又は連続的に投与してもよい。式Iの化合物を1種又は複数の他の薬剤と同時に用いる場合には、式Iの化合物に加えてこのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1種又は複数の他の有効成分も含有するものを包含する。式Iの化合物と併用することのできる他の有効成分の具体例には、抗精神病薬、認識増進薬、抗偏頭痛薬、抗喘息薬、抗炎症薬、不安寛解薬、抗パーキンソン薬、抗てんかん薬、食欲減退薬、セロトニン再吸収阻害剤、他の抗肥満薬、並びに抗糖尿病薬、脂質降下薬、降圧薬が含まれるがこれらに限定されず、これらは別個に投与してもよく、又は同一医薬組成物として投与してもよい。
【0116】
本発明はまた、CB1受容体モジュレーターが介在する疾患の治療又は予防方法を提供し、該方法は、CB1受容体モジュレーターが介在する疾患の治療の必要な患者又は該疾患が発症する危険のある患者に、CB1受容体モジュレーターと1種又は複数の有効成分とが一緒に効果的な軽減を与えるような量で投与する工程を含む。
【0117】
本発明の更なる態様においては、CB1受容体モジュレーターと1種類又は複数の有効成分とを、少なくとも1種類の医薬的に許容される担体又は賦形剤と共に含む医薬組成物が提供される。
【0118】
従って、本発明の更なる態様においては、CB1受容体モジュレーターが介在する疾患の治療又は予防用医薬を製造するためのCB1受容体モジュレーターと1種類又は複数の有効成分との使用が提供される。本発明の追加目的又は代替目的によれば、CB1受容体モジュレーター介在疾患の予防又は治療のためにCB1受容体モジュレーターと1種類又は複数の有効成分とを同時に、別々に、又は連続的に用いるために組み合わせた製剤として含む製品が提供される。このような組合せ製剤は、例えばツインパックの形態であってもよい。
【0119】
肥満症、神経性過食症及び強迫摂食障害を含む摂食障害を治療及び予防するために、本発明の化合物を他の食欲減退薬と併用し得ることは理解されるだろう。
【0120】
本発明はまた、このような治療の必要な患者に、一緒に効果的な軽減を与えるようなそれぞれの量の本発明の化合物と食欲減退薬とを投与する工程を含む摂食障害の治療又は予防方法を提供する。
【0121】
本発明の化合物と併用して用いられる適切な食欲減退薬には、アミノレックス、アンフェクローラル、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロホレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フエンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックス及びシブトラミン、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。特に適切な食欲減退薬のクラスは、クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス及びシブトラミンを含むハロゲン化アンフェタミン、及びそれらの薬学的に許容される塩である。本発明の化合物と併用して用いられる特定のハロゲン化アンフェタミン誘導体には、フェンフルラミン及びデクスフェンフルラミン及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0122】
本発明はまた、一緒になって有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と肥満症及び肥満関連状態の治療に有用な他の薬剤とを、治療の必要な患者に投与する工程を含む、肥満症の治療又は予防方法を提供する。
【0123】
本発明の化合物と併用して用いられる適切な薬剤には、
(a)以下のような抗糖尿病薬、(1)PPARγアゴニスト、例えば、グリタゾン(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン(ACTOS);ロシグリタゾン(AVANDIA);トログリタゾン;リボグリタゾン、BRL49653;CLX−0921;5−BTZD、GW−0207、LG−100641、R483及びLY−300512等、及び、WO97/10813、97/27857、97/28115、97/28137、97/27847、03/000685及び03/027112に開示された化合物、及びSPPARMS(選択的PPARガンマモジュレーター)、例えばT131(アムジェン)、FK614(フジサワ)、ネトグリタゾン及びメタグリダセン;(2)ビグアニド、例えば、ブホルミン;メトホルミン;及びフェンホルミン等;(3)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)インヒビター、例えば、ISIS113715、A−401674、A−364504、IDD−3、IDD2846、KP−40046、KR61639、MC52445、MC52453、C7、OC−060062、OC−86839、OC29796、TTP−277BC1、及びWO04/041799、04/050646、02/26707、02/26743、04/092146、03/048140、04/089918、03/002569、04/065387、04/127570及びUS第2004/167183号に開示された薬剤;(4)スルホニルウレア、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネーゼ;グリベンクラミド;グリピチド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド;及びトルブタミド等;(5)メグリチニド、例えば、レパグリニド、メチグリニド(GLUFAST)及びナテグリニド等;(6)アルファグルコシドヒドロラーゼインヒビター、例えば、アカルボース;アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;及びMOR14等;(7)アルファ−アミラーゼインヒビター、例えば、テンダミスタット、トレスタチン及びAl−3688等;(8)インスリン分泌促進薬、例えば、リノグリリド、ナテグリニド、ミチグリニド(GLUFAST)、ID1101 A−4166等;(9)脂肪酸酸化阻害剤、例えば、クロモキシル及びエトモキシル等;(10)A2アンタゴニスト、例えば、ミダグリゾール;イサグリドール;デリグリドール;イダゾキサン;イアロキサン;及びフルパロキサン等;(11)インスリン又はインスリン模倣薬、例えば、ビオタ、LP−100、ノバラピッド、インスリンデテミール、インスリンリスプロ、インスリングラルジン、インスリン亜鉛懸濁液(遅効及び超遅効);Lys−Proインスリン、GLP−1(17−36)、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);GLP−1(7−36)−NH)エキセナチド/エキセジン−4、エキセナチドLAR、リナグルチド、AVE0010、CJC1131、BIM51077、CS872、THO318、BAY−694326、GP010、ALBUGON(アルブミンに融合したGLP−1)、HGX−007(Epacアゴニスト)、S−23521、及びWO04/022004、WO04/37859に開示された化合物等;(12)ノンチアゾリジンジオン、例えば、JT−501及びファルグリタザール(GW−2570/GI−262579)等;(13)PPARα/γデュアルアゴニスト、例えば、AVE0847、CLX−0940、GW−1536、GW1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LBM 642、LR−90、LY510919、MK−0767、ONO5129、SB219994、TAK−559、TAK−654、677954(グラクソスミスクライン)、E−3030(エーザイ)、LY510929(リリー)、AK109(アサヒ)、DRF2655(ドクターレディー)、DRF8351(ドクターレディー)、MC3002(Maxocore)、TY51501(東亜エイヨー)、ナベグリタザール、ムラグリタザール、ペリグリタザール、テサグリタザール(GALIDA)、レグリタザール(JTT−501)、チグリタザール、及びWO99/16758、WO99/19313、WO99/20614、WO99/38850、WO00/23415、WO00/23417、WO00/23445、WO00/50414、WO01/00579、WO01/79150、WO02/062799、WO03/033481、WO03/033450、WO03/033453に開示された化合物;及び(14)他のインスリン感受性薬剤;(15)VPAC2受容体アゴニスト;(16)GLKモジュレーター、例えばPSN105、RO281675、RO274375、及びWO03/015774、WO03/000262、WO03/055482、WO04/046139、WO04/045614、WO04/063179、WO04/063194、WO04/050645に開示された化合物等;(17)レチノイドモジュレーター、例えば、WO03/000249に開示された化合物;(18)GSK3ベータ/GSK3阻害剤、例えば、4−[2−(2−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェニル−lH−イミダゾール−5−イル]ピリジン、CT21022、CT20026、CT−98023、SB−216763、SB410111、SB−675236、CP−70949、XD4241、及び、WO03/037869、03/03877、03/037891、03/024447、05/000192、05/019218に開示された化合物等;(19)グリコーゲンホスホリラーゼ(HGLPa)阻害剤、例えば、AVE5688、PSN357、GPi−879、WO03/037864、WO03/091213、WO04/092158、WO05/013975、WO05/013981、US第2004/0220229号及びJP2004−196702に開示された化合物等;(20)ATP消費促進剤、例えばWO03/007990に開示された化合物;(21)AVANDAMETのようなPPARγアゴニストとメトホルミンとの固定配合物;(22)PPARパンアゴニスト、例えば、GSK677954;(23)SNORF55とも呼ばれるGPR40(G−タンパク質結合受容体40)、例えば、BG700、及びWO04/041266、04/022551、03/099793に開示された化合物;(24)GPRl19(RUP3;SNORF25とも呼ばれる)、例えば、RUP3、HGPRBMY26、PFI007、SNORF25;(25)アデノシン受容体2Bアンタゴニスト、例えばATL−618、AT1−802、E3080等;(26)カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、ST1327及びST1326等;(27)フルクトース1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、例えば、CS−917、MB7803等;(28)グルカゴンアンタゴニスト、例えば、AT77077、BAY694326、GW4123X、NN2501、及び、WO03/064404、WO05/00781、US第2004/0209928号、第2004/029943号に開示された化合物等;(30)グルコース−6−ホスファーゼ阻害剤;(31)ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)阻害剤;(32)ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)活性化物質;(33)RXRアゴニスト、例えば、MC1036、CS00018、JNJ 10166806、及びWO04/089916、US第6759546号に開示された化合物等;(34)SGLT阻害剤、例えば、AVE2268、KGT1251、T1095/RWJ394718;(35)BLX−1002;
(b)脂質降下剤、例えば、(1)胆汁酸金属封鎖剤、例えば、コレスチラミン、コレセベレム、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標);及びQuestran(登録商標)等;(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、アトルバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン(ZD−4522)等、特にシンバスタチン;(3)HMG−CoAシンターゼ阻害剤;(4)コレステロール吸収阻害剤、例えば、FMVP4(Forbes Medi−Tech)、KT6−971(コトブキ製薬)、FM−VA12(Forbes Medi−Tech)、FM−VP−24(Forbes Medi−Tech)、スタノールエステル、ベータシトステロール、チケシドのようなステロールグリコシド;及び、エゼチミベのようなアゼチジン、及びWO04/005247に開示された化合物等;(5)アシル補酵素A−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、例えば、アバシミベ、エフルシミベ、パクチミベ(KY505)、SMP797(住友)、SM32504(住友)、及びWO03/091216に開示された化合物等;(6)CETP阻害剤、例えば、JTT705(日本タバコ)、トルセトラピブ、CP532,632、BAY63−2149(バイエル)、SC591、SC795等;(7)スクアレンシンターゼ阻害剤;(8)抗酸化剤、例えば、プロブコール等;(9)PPARアルファアゴニスト、例えば、ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、ジェムカベン及びジェムフィブロジル、GW7647、BM170744(コーワ)、LY518674(リリー)、GW590735(グラクソスミスクライン)、KRP−101(キョーリン)、DRF10945(ドクターレディー)、NS−220/R1593(日本新薬/ロッシュ)、ST1929(Sigma Tau)MC3001/MC3004(MaxoCore Pharmaceuticals、ジェムカベンカルシウム、他のフィブル酸誘導体、例えば、Atromid(登録商標)、Lopid(登録商標)及びTricor(登録商標)、及び、US第6,548,538号に開示された化合物等;(10)FXR受容体モジュレーター、例えば、GW 4064(グラクソスミスクライン)、SR103912、QRX401、LN−6691(ライオン バイオサイエンス)、及びWO02/064125、WO04/045511に開示された化合物等;(11)LXR受容体モジュレーター、例えば、GW3965(グラクソスミスクライン)、T9013137及びXTCO179628(X−Ceptor Therapeutics/Sanyo)、及びWO03/031408、WO03/063796、WO04/072041に開示された化合物等;(12)リポタンパク質合成阻害剤、例えば、ナイアシン;(13)レニンアンギオテンシン系阻害剤;(14)PPARδ部分アゴニスト、例えば、WO03/024395に開示された化合物;(15)胆汁酸再吸収阻害剤、例えば、BARI1453、SC435、PHA384640、S8921、AZD7706等;及び、胆汁酸金属封鎖剤、例えば、コレセベラム(WELCHOL/CHOLESTAGEL)、(16)PPARδアゴニスト、例えば、GW501516(Ligand、GSK)、GW590735、GW−0742(グラクソスミスクライン)、T659(アムジェン/トゥラリック)、LY934(リリー)、NNC610050(ノボ ノルディスク)、及びWO97/28149、WO01/79197、WO02/14291、WO02/46154、WO02/46176、WO02/076957、WO03/016291、WO03/033493、WO03/035603、WO03/072100、WO03/097607、WO04/005253、WO04/007439、及び、JP10237049に開示された化合物等;(17)トリグリセリド合成阻害剤;(18)ミクロソームトリグリセリド輸送(MTTP)阻害剤、例えば、インプリタピド、LAB687、JTT130(日本タバコ)、CP346086、及びWO03/072532に開示された化合物等;(19)転写モジュレーター;(20)スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;(21)低密度リポタンパク質(LDL)受容体誘発物質;(22)血小板凝集阻害剤;(23)5−LO又はFLAP阻害剤;及び(24)ナイアシン受容体アゴニスト、例えば、HM74A受容体アゴニスト;(25)PPARモジュレーター、例えば、WO01/25181、WO01/79150、WO02/79162、WO02/081428、WO03/016265、WO03/033453に開示された化合物;(26)WO03/039535に開示さているようなナイアシン結合クロム;(27)WO03/040114に開示されているような置換酸誘導体;(28)HDL浸剤、例えば、LUV/ETC−588(ファイザー)、APO−Al Milano/ETC216(ファイザー)、ETC−642(ファイザー)、ISIS301012、D4F(Bruin Pharma)、合成三量体性ApoAl、泡沫細胞を標的とするBioral Apo Al等;(29)IBATインヒビター、例えば、BARI143/HMR145A/HMR1453(サノフィーアベンティス)、PHA384640E(ファイザー)、S8921(シオノギ)、AZD7806(アストラゼネカ)、AK105(旭化成)等;(30)Lp−PLA2阻害剤、例えば、SB480848(グラクソスミスクライン)、659032 (グラクソスミスクライン)、677116(グラクソスミスクライン)等;(31)脂質組成に影響を与える他の薬剤、例えば、ETC1001/ESP31015(ファイザー)、ESP−55016(ファイザー)、AGI1067(AtheroGenics)、AC3056(Amylin)、AZD4619(アストラゼネカ);及び、
(c)降圧薬、例えば、(1)利尿薬、例えば、クロルサリドン、クロルチアジド、ジクロロフェナミド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド及びヒドロクロロチアジドを含むチアジド;ループ利尿薬、例えば、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド及びトルセミド;カリウム回避薬、アミロリド及びトリアムテレン;及びアルデステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン、エピレノン等;(2)ベータ−アドレナリン作動性ブロッカー、例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、インデノロール、メタプロロール、ナドロール、ネビボロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、テルタトロール、チリソロール及びチモロール等;(3)カルシウムチャンネルブロッカー、例えば、アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シナルジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、エフォニジピン、フェロジピン、ガロパミル、イソラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモデピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、マニジピン、プラニジピン及びベラパミル等;(4)アンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イミダプリル、ロシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、キナプリラット、ラミプリル、ペリンドプリル、ペリンドロプリル、クアニプリル、スピラプリル、テノカプリル、トランドラプリル及びゾフェノプリル等;(5)中性エンドペプチダーゼ阻害剤、例えばオマパトリラト、カドキサトリル及びエカドトリル、フォシドトリル、サンパトリラト、AVE7688、ER4030等;(6)エンドセリンアンタゴニスト、例えば、テゾセンタン、A308165及びYM62899等;(7)血管拡張薬、例えば、ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジル及びニコチニルアルコール等;(8)アンギオテンシン II受容体アンタゴニスト、例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プロトサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、及びEXP−3137、FI6828K及びRNH6270等;(9)α/βアドレナリン作動性遮断薬、例えば、ニプラジロール、アロチノロール及びアモスラロール等;(10)アルファ1ブロッカー、例えば、テラゾシン、ウラピジル、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナファトピジル、インドラミン、WHIP 164及びXEN010等;(11)アルファ2アゴニスト、例えば、ロフェキシジン、チアメニジン、モキソニジン、リルメニジン及びグアノベンズ等;(12)アルドステロン阻害剤;(13)WO03/030833に開示されたようなアンジオポエチン−2−結合薬剤、及び
(d)抗肥満薬、例えば(1)5HT(セロトニン)トランスポーター阻害剤、例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルトラリン及びイミプラミン、及びWO03/00663に開示された化合物、並びにセロトニン/ノルアドレナリン再吸収インヒビター、例えばシブトラミン(MERIDIA/REDUCTIL)、及び、ドーパミン吸収阻害剤/ノルエピネフリン吸収阻害剤、例えば、ラダファキシン塩酸塩、353162(グラクソスミスクライン)等;(2)NE(ノルエピネフリン)トランスポーター阻害剤、例えばGW320659、デスピラミン、タルスプラム及びノミフエンシン;(3)CBl(カンナビノイド−1受容体)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばリモナバント(アコンプリア サノフィ シンセラボ)、SR−147778(サノフィ シンセラボ)、AVE1625(サノフィ−アベンティス)、BAY 65−2520(バイエル)、SLV319(ソルベイ)、SLV326(ソルベイ)、CP945598(ファイザー)、E−6776(エステバ)、O1691(Organix)、ORG14481(オルガノン)、VER24343(Vernalis)、NESS0327(Univ of Sassari/Univ of Cagliari)、及び、US第4,973,587号、第5,013,837号、第5,081,122号、第5,112,820号、第5,292,736号、第5,532,237号、第5,624,941号、第6,028,084号及び第6,509367号;及びWO96/33159、WO97/29079、WO98/31227、WO98/33765、WO98/37061、WO98/41519、WO98/43635、WO98/43636、WO99/02499、WO00/10967、WO00/10968、WO01/09120、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO01/70700、WO01/96330、WO02/076949、WO03/006007、WO03/007887、WO03/020217、WO03/026647、WO03/026648、WO03/027069、WO03/027076、WO03/027114、WO03/037332、WO03/040107、WO04/096763、WO04/111039、WO04/111033、WO04/111034、WO04/111038、WO04/013120、WO05/000301、WO05/016286、WO05/066126及びEP−658546に開示された化合物等;(4)グレリンアゴニスト/アンタゴニスト、例えば、BVT81−97(BioVitrum)、RC1291(Rejuvenon)、SRD−04677(住友)、アシル化グレリン(TheraTechnologies)、及びWO01/87335、WO02/08250、WO05/012331に開示された化合物等;(5)H3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えば、チオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル N−(4−ペンテニル)カーバメート)、クロベンプロピット、ヨードフエンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)及びA331440、及びWO02/15905に開示された化合物;及びO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]カーバメート(Kiec−Kononowicz,K.ら、Pharmazie、55:349−55(2000))、ピペリジン含有ヒスタミンH3−受容体アンタゴニスト(Lazewska,D.ら、Pharmazie、56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体及び関連化合物(Sasse,A.ら、Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカーバメート(Reidemeister,S.ら、Pharmazie、55:83−6(2000))、及び、プロキシファン誘導体(Sasse,A.ら、J.Med.Chem.,43:3335−43(2000))、及びヒスタミンH3受容体モジュレーター、例えば、WO03/024928及びWO03/024929に開示された化合物;(6)メラニン凝集ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えば、T−226296(タケダ)、T71(タケダ/アムジェン)、AMGN−608450、AMGN−503796(アムジェン)、856464(グラクソスミスクライン)、A224940(アボット)、A798(アボット)、ATC0175/AR224349(アリーナ ファーマシューティカルズ)、GW803430(グラクソスミスクライン)、NBI−IA(Neurocrine Biosciences)、NGX−I(ニューロジェン)、SNP−7941(シナプティック)、SNAP9847(シナプティック)、T−226293(シェーリング プラウ)、TPI−1361−17(埼玉医科大学/カリフォルニア大学アーバイン校)、及び、WO01/21169、WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027、WO03/13574、WO03/15769、WO03/028641、WO03/035624、WO03/033476、WO03/033480、WO04/004611、WO04/004726、WO04/011438、WO04/028459、WO04/034702、WO04/039764、WO04/052848、WO04/087680;及びJP13226269、JP1437059、JP2004315511に開示された化合物等;(7)MCH2R(メラニン凝集ホルモン2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(8)NPYl(ニューロペプチドY Y1)アンタゴニスト、例えば、BMS205749、BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A;及び、US第6,001,836号;及びWO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示された化合物;(9)NPY5(ニューロペプチドY Y5)アンタゴニスト、例えば、152,804、S2367(シオノギ)、E−6999(エステバ)、GW−569180A、GW−594884A(グラクソスミスクライン)、GW−587081X、GW−548118X;FR235,208;FR226928、FR240662、FR252384;1229U91、GI−264879A、CGP71683A、C−75(Fasgen)LY−377897、LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A,S2367(シオノギ)、JCF−104及びH409/22;及びUS第6,140,354号、第6,191,160号、第6,258,837号、第6,313,298号、第6,326,375号、第6,329,395号、第6,335,345号、第6,337,332号、第6,329,395号及び第6,340,683;及びEP−01010691、EP−01044970及びFR252384;及びPCT公開WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/27063、WO00/107409、WO00/185714、WO00/185730、WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376、WO01/85714、WO01/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/20488、WO02/22592、WO02/48152、WO02/49648、WO02/051806、WO02/094789、WO03/009845、WO03/014083、WO03/022849、WO03/028726、WO05/014592、WO05/01493;及び、Normanら、J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示された化合物;(10)レプチン、例えば、組換えヒトレプチン(PEG−OB、ホフマン ラ ロッシュ)及び組換えメチオニルヒトレプチン(アムジェン);(11)レプチン誘導体、例えば、US第5,552,524号;第5,552,523号;第5,552,522号;第5,521,283号;及びWO96/23513;WO96/23514;WO96/23515;WO96/23516;WO96/23517;WO96/23518;WO96/23519;及びWO96/23520に開示された化合物;(12)オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレソン、ナロキソン及びナルトレキソン;及びWO00/21509に開示された化合物;(13)オレキシンアンタゴニスト、例えば、SB−334867−A(グラクソスミスクライン);及びWO01/96302、01/68609、02/44172、02/51232、02/51838、02/089800、02/090355、03/023561、03/032991、03/037847、04/004733、04/026866、04/041791、04/085403に開示された化合物等;(14)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト;(15)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えば、AR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623、PD170292、PD 149164、SR146131、SR125180、ブタビンジド、及びUS第5,739,106号に開示された化合物;(16)CNTF(毛様体神経栄養因子、例えば、GI−181771(グラクソスミスクライン);SR146131(サノフィ シンセラボ);ブタビンジド;及びPD170,292、PD149164(ファイザー);(17)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(Regeneron);及び、WO94/09134、WO98/22128及びWO99/43813に開示された化合物;(18)GHS(成長ホルモン分泌促進物質受容体)アゴニスト、例えば、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429及びL−163,255、及び、US第6358951号、第2002/049196号及び第2002/022637号;及びWO01/56592及びWO02/32888に開示された化合物;(19)5HT2c(セロトニン受容体2c)アゴニスト、例えば、APD3546/AR10A(アリーナ ファーマシューティカルズ)、ATH88651(Athersys)、ATH88740(Athersys)、BVT933(Biovitrum/GSK)、DPCA37215(BMS)、IK264;LY448100(リリー)、PNU22394;WAY470(ワイス)、WAY629(ワイス)、WAY161503(Biovitrum)、R−1065、VR1065(Vernalis/Roche)、YM348;及びUS第3,914,250号;及びPCT公開01/66548、02/36596、02/48124、02/10169、02/44152;02/51844、02/40456、02/40457、03/057698、05/000849に開示された化合物等;(20)M
c3r(メラノコルチン3受容体)アゴニスト;(21)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えば、CHIR86036(Chiron)、CHIR915(Chiron);ME−10142(Melacure)、ME−10145(Melacure)、HS−131(Melacure)、NBI72432(Neurocrine Biosciences)、NNC70−619(ノボ ノルディスク)、TTP2435(Transtech)、及び、PCT公開WO99/64002、00/74679、01/991752、01/0125192、01/52880、01/74844、01/70708、01/70337、01/91752、01/010842、02/059095、02/059107、02/059108、02/059117、02/062766、02/069095、02/12166、02/11715、02/12178、02/15909、02/38544、02/068387、02/068388、02/067869、02/081430、03/06604、03/007949、03/009847、03/009850、03/013509、03/031410、03/094918、04/028453、04/048345、04/050610、04/075823、04/083208、04/089951、05/000339、及びEP1460069、及びUS第2005049269号、及びJP2005042839に開示された化合物等;(22)モノアミン再吸収阻害剤、例えば、シブトラミン(Meridia(登録商標)/Reductil(登録商標))及びそれらの塩、及びUS第4,746,680号、第4,806,570号及び第5,436,272号及びUS公開2002/0006964、及び、WO01/27068及びWO01/62341に開示された化合物;(23)セロトニン再吸収阻害剤、例えば、デクスフェンフルラミン、フルオキセチン、及びUS第6,365,633号及びWO01/27060及びWO01/162341に開示された化合物;(24)GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)アゴニスト;(25)トピラメート(Topimax(登録商標));(26)植物性薬用化合物57(CP644,673);(27)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)インヒビター;(28)β3(ベータアドレナリン作動性受容体3)アゴニスト、例えば、ラフェベルグロン/AD9677/TAK677(大日本/タケダ)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、GRC1087(Glenmark Pharmaceuticals)、GW427353(ソラベグロン塩酸塩)、Trecadrine、Zeneca D7114、N−5984(ニッシン キョーリン)、LY−377604(リリー)、KT07924(キッセイ)、SR59119A、及びUS第5,705,515号、第5,451,677号;及びWO94/18161、WO95/29159、WO97/46556、WO98/04526、WO98/32753、WO01/74782、WO02/32897、WO03/014113、WO03/016276、WO03/016307、WO03/024948、WO03/024953、WO03/037881、WO04/108674に開示された化合物等;(29)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(30)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(31)FAS(脂肪酸シンターゼ)インヒビター、例えば、セルレニン及びC75;(32)PDE(ホスホジエステラーゼ)インヒビター、例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト、並びに、WO03/037432、WO03/037899に開示された化合物;(33)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えば、KB−2611(KaroBioBMS)、及び、WO02/15845;及びJP2000256190に開示された化合物;(34)UCP−1(非結合タンパク質1)、2又は3活性化物質、例えば、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、及びレチノイン酸;及びWO99/00123に開示された化合物;(35)アシルエストロゲン、例えば、del Mar−Grasa,M.ら、Obesity Research、9:202−9(2001)に開示されたオレオイルエストロン;(36)グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、CP472555(ファイザー)、KB3305、及びWO04/000869、WO04/075864に開示された化合物等;(37)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1)インヒビター、例えば、BVT3498(AMG331)、BVT2733、3−(l−アダマンチル)−4−エチル−5−(エチルチオ)−4H−l,2,4−トリアゾール、3−(1−アダマンチル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アダマンタニル−4,5,6,7,8,9,10,11,12,3a−デカヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a][11]アニュレーン、及びWO01/90091、01/90090、01/90092、02/072084、04/011410、04/033427、04/041264、04/027047、04/056744、04/065351、04/089415、04/037251に開示された化合物等;(38)SCD−1(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1)阻害剤;(39)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−4)阻害剤、例えば、シタグリプチン、イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、サキサグリプチン、NVP−DPP728、LAF237(ビルダグリプチン)、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、GSK823093、E3024、SYR322、TS021、SSR162369、GRC8200、K579、NN7201、CR14023、PHX1004、PHX1149、PT−630、SK−0403;及びWO02/083128、WO02/062764、WO02/14271、WO03/000180、WO03/000181、WO03/000250、WO03/002530、WO03/002531、WO03/002553、WO03/002593、WO03/004498、WO03/004496、WO03/005766、WO03/017936、WO03/024942、WO03/024965、WO03/033524、WO03/055881、WO03/057144、WO03/037327、WO04/041795、WO04/071454、WO04/0214870、WO04/041273、WO04/041820、WO04/050658、WO04/046106、WO04/067509、WO04/048532、WO04/099185、WO04/108730、WO05/009956、WO04/09806、WO05/023762、US第2005/043292号及びEP1258476に開示された化合物;(40)リパーゼ阻害剤、例えば、テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット/XENICAL)、ATL962(Alizyme/Takeda)、GT389255(Genzyme/Peptimmune)、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、ティーサポニン及びジエチルウンベリフェリルホスフェート、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン、エステラシン、エベラクトンA、エベラクトンB及びRHC80267、及びWO01/77094、WO04/111004及びUS第4,598,089号、第4,452,813号、第5,512,565号、第5,391,571号、第5,602,151号、第4,405,644号、第4,189,438号及び第4,242,453に開示された化合物等;(41)脂肪酸トランスポーター阻害剤;(42)ジカルボキシレートトランスポーター阻害剤;(43)グルコーストランスポーター阻害剤;及び、(44)ホスフェートトランスポーター阻害剤;(45)食欲減退二環化合物、例えば、1426(アベンティス)及び1954(アベンティス)、及びWO00/18749、WO01/32638、WO01/62746、WO01/62747及びWO03/015769に開示された化合物;(46)ペプチドYY及びPYYアゴニスト、例えば、PYY336(Nastech/メルク)、AC162352(IC Innovations/Curis/Amylin)、TM30335/TM30338(7TM Pharma)、PYY336(Emisphere Tehcnologies)、PEG化ペプチドYY3−36、WO03/026591、04/089279に開示された化合物等;(47)脂質代謝モジュレーター、例えば、マスリン酸、エリトロジオール、ウルソール酸、ウバオール、ベチューリン酸、ベチューリン等、及びWO03/011267に開示された化合物;(48)転写因子モジュレーター、例えば、WO03/026576に開示された化合物;(49)Mc5r(メラノコルチン5受容体)モジュレーター、例えば、WO97/19952、WO00/15826、WO00/15790、US第20030092041号に開示された化合物等;(50)脳由来神経栄養因子(BDNF)、(51)Mc1r(メラノコルチン1受容体モジュレーター、例えば、LK−184(プロクター&ギャンブル)等;(52)5HT6アンタゴニスト、例えば、BVT74316(BioVitrum)、BVT5182c(BioVitrum)、E−6795(エステバ)、E−6814(エステバ)、SB399885(グラクソスミスクライン)、SB271046(グラクソスミスクライン)、RO−046790(ロッシュ)等;(53)脂肪酸輸送タンパク質4(FATP4);(54)アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、例えば、CP640186、CP610431、CP640188(ファイザー);(55)C−末端成長ホルモンフラグメント、例えば、AOD9604(Monash Univ/Metabolic Pharmaceuticals)等;(56)オキシントモジューリン;(57)ニューロペプチドFF受容体アンタゴニスト、例えばWO04/083218に開示された化合物等;(58)アミリンアゴニスト、例えば、シンリン/プラムリンチド/AC137(Amylin);(59)Hoodia及びtrichocaulon抽出物;(60)BVT74713及びその他の腸脂質食欲抑制剤;(61)ドーパミンアゴニスト、例えば、ブプロピオン(WELLBUTRIN/グラクソスミスクライン);(62)ゾニサミド(ZONEGRAN/大日本/エラン)等;(63)オキシントモジュリンアナログ又はその誘導体等が含まれ、これらに限定されない。
【0124】
本発明の化合物と併用して用いられる特定の化合物には、シンバスタチン、メバスタチン、エゼチミブ、アトルバスタチン、シタグリプチン、メトホルミン、シブトラミン、オーリスタット、クネクサ(Qnexa)、トピラメート、ナルトレキソン、ブプリオピオン、フェンテルミン、及びロサルタン、及びヒドロクロロチアジドを含むロサルタンが含まれる。
【0125】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストには、N−[3−(4−クロロフェニル)−2(S)−フェニル−1(S)−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、及びそれらの薬学的に許容される塩を含む、WO03/077847に開示されたもの;及び以下のもの、すなわち、3−{1−[ビス(4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イリデン}−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンニトリル、1−{1−[1−(4−クロロフェニル)ペンチル]アゼチジン−3−イル}−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロパン−オール、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((4−クロロフェニル){3−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−(3−シアノフェニル)(4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、及び5−((4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)チオフェン−3−カルボニトリル、及びそれらの薬学的に許容される塩を含む、WO05/000809に開示されたもの;及び3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−クロロフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−シアノフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−2−メチル−2H−テトラゾール、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、5−{3−[(S)−{3−[(1S)−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}(4−クロロフェニル)メチル]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、4−{(S)−{3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}−ベンゾニトリル、及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0126】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のACC−1/2阻害剤には、1’−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;(5−{1’−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−6−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)メチルピバレート;5−{1’−[(8−シクロプロピル−4−メトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−6−イル}ニコチン酸;1’−(8−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−2−ナフトイル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;及び1’−[(4−エトキシ−8−エチルキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;及びそれらの薬学的に許容される塩及びエステルが含まれる。
【0127】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のMCH1Rアンタゴニスト化合物には、1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−1−{4−[(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、1−[4−(アゼチジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(1−プロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、及び4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−(4−{[(2S)−1−エチルアゼチジン−2−イル]メトキシ}フェニル)ピリジン−2(1H)−オン、又はそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0128】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のH3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニストには、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[2,3−d]−ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−エチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2,5−ジメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−5−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−5−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−7−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−8−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロペンチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチルピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2,5−ジメチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、5−フルオロ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、5−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、7−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、5−フルオロ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、及びそれらの薬学的に許容される塩を含む、US第2005−0182045号、及びWO05/077905に開示されるものが含まれる。
【0129】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のCCK1Rアゴニストには、3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及び3−(4−{[1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0130】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のMC4Rアゴニストには、1)(5S)−1’−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];2)(5R)−1’−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];3)2−(1’−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−5−イル)−2−メチルプロパンニトリル;4)1’−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];5)N−[(3R,4R)−3−({3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−1’H,5H−スピロ[フロ−[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル}カルボニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−シクロペンチル]−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン;6)2−[3−クロロ−1’−({(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[メチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]−シクロペンチル}−カルボニル)−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−5−イル]−2−メチル−プロパン−硝酸:及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0131】
更に、ニューロキニン−1(NK−1)受容体アンタゴニストは、本発明の化合物と併用されて有利に用いられる。本発明において用いられるNK−1受容体アンタゴニストは、当該技術分野において完全に開示されている。本発明で用いられる特定のニューロキニン−1受容体アンタゴニストには、(±)−(2R3R,2S3S)−N−{[2−シクロプロポキシ−5−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]メチル}−2−フェニルピペリジン−3−アミン;2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン;アペルピタント;CJ17493;GW597599;GW679769;R673;RO67319;R1124;R1204;SSR146977;SSR240600;T−2328;及びT2763、又はそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0132】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のNPY5アンタゴニストには、3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、3−オキソ−N−(7−トリフルオロメチルピリド[3,2−b]ピリジン−2−イル)スピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピリミジニル)スピロ[シクロヘキサン−1,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−[1−(3−キノリル)−4−イミダゾリル]スピロ[シクロヘキサン−1,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)スピロ[4−アザイソ−ベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(2−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−イミダゾリル]−3−オキソスピロ[7−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−4−ピラゾリル)スピロ[4−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(2−フルオロフェニル)−3−ピラゾリル]−3−オキソスピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−3−ピラゾリル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、及びそれらの薬学的に許容される塩及びエステルが含まれる。
【0133】
本発明の化合物と併用して用いられる特定のDP−IV阻害剤は、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジンから選択される。特に、式Iの化合物は、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジン、及びその薬学的に許容される塩と有利に併用される。
【0134】
「肥満症」は、体脂肪が過剰である状態である。肥満症の操作的定義は、平方メートルの伸長に対する体重(kg/m)として計算される、肥満度指数(BMI)に基づいている。「肥満症」は30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有し、他の点では健康な対象である状態、又は対象が27kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有し、少なくとも1種の併存疾患を有する状態を意味する。「肥満の対象」は、30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有し、他の点では健康な対象であり、又は27kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有し、少なくとも1種の併存疾患を有する対象である。「肥満症の危険にある対象」は、25kg/m〜30kg/m未満のBMIを有し、他の点では健康な状態である対象、又は25kg/m〜27kg/m未満のBMIを有し、少なくとも1種の併存疾患を有する対象である。
【0135】
肥満症に関連する危険度の上昇は、アジアでは低い肥満度指数(BMI)で生じる。日本を含むアジアの国では、「肥満症」は、少なくとも1種の肥満症誘導又は肥満症関連性併存疾患を伴い、体重の減少を必要とするか、体重減少により改善されると考えられ、25kg/m以上のBMIを有する状態を意味する。日本を含むアジアの国々では、「肥満症の対象」は、少なくとも1種の肥満症誘導又は肥満症関連性併存疾患を伴い、体重の減少を必要とするか、体重減少により改善されると考えられ、25kg/m以上のBMIを有する対象を意味する。アジアの国々では、「肥満症の危険にある対象」は、23kg/mを超え、25kg/m未満のBMIを有する対象である。
【0136】
本明細書で用いる場合、「肥満症」なる用語は、肥満症の前記定義の全てを包含することを意図する。
【0137】
肥満症誘導性又は肥満症関連併存疾患には、糖尿病、非インシュリン依存性糖尿病−2型、グルコース耐性異常、異常な空腹時グルコース、インシュリン抵抗性症候群、脂質代謝異常、高血圧、高尿酸血症、痛風、冠状動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠時無呼吸症候群、ピックウィッキアン症候群、脂肪肝;脳梗塞、脳血栓、一過性脳虚血発作、整形外科障害、変性関節炎、腰痛、月経異常及び不妊症が含まれるが、これらに限定されない。特に、併存疾患には高血圧、高脂血症、脂質代謝異常、グルコース耐性異常、心血管疾患、睡眠時無呼吸、糖尿病及び他の肥満症関連病状が含まれる。
【0138】
(肥満症及び肥満症関連障害)の「治療」は、本発明の化合物を投与して、肥満症対象の体重を低減又は維持することを意味する。治療の一つの結果は、本発明の化合物投与直前における対象の体重と比較した肥満対象の体重の減少であり得る。治療の他の結果は、食事、運動又は薬物療法の結果として以前に失われた体重が戻ることを防ぐことであり得る。治療の更に他の結果は、肥満症関連疾患の発生及び/又は重症度の低下であり得る。この治療は、総食物摂取の低下、あるいは炭水化物又は脂肪のような食事の具体的な成分の摂取の減少を含む対象の食物又はカロリー摂取の減少;及び/又は栄養素吸収の阻害;及び/又は代謝速度低下の阻害;並びに治療の必要な患者の減量を適切に生じることもある。この治療は、代謝速度の減少ではなく、又はそれに加えて代謝速度の上昇等の代謝速度の変化;及び/又は通常は体重の減少によって生じる代謝抵抗性の最小化を生じることもある。
【0139】
(肥満症及び肥満症関連障害)の「予防」は、本発明の化合物を投与して、肥満の危険がある対象の体重を低減又は維持することを意味する。予防の一つの結果は、本発明の化合物の投与直前での対象の体重と比較した肥満の危険性がある対象の体重の減少であり得る。予防の他の結果は、食事、運動又は薬物療法の結果として以前失われた体重が戻ることを防ぐことであり得る。予防の更に他の結果は、肥満の危険がある対象における肥満発症の前に投与を行った場合の肥満発生の防止であり得る。予防の他の結果は、肥満の危険がある対象における肥満発症の前に投与を行った場合の肥満症関連障害の発生及び/又は重症度の低下であり得る。更に、すでに肥満である対象において治療を開始する場合、このような治療は、限定されないがアテローム性動脈硬化、2型糖尿病、多嚢胞卵巣、心血管疾患、変形性関節症、皮膚障害、高血圧、インシュリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び胆石症のような肥満症関連障害の発症、進行又は重症度を防止することであり得る。
【0140】
本明細書中の肥満症関連疾患は、肥満に付随するか又は肥満を原因とするか又は肥満の結果として生じる疾患である。肥満症関連疾患の具体例は、過食、食欲亢進症、高血圧、糖尿病、血漿インシュリン濃度及びインシュリン抵抗性の向上、脂質代謝異常、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨関節炎、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、異常心拍及び整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー・ウィリィ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損事象、正常変異体不足体質(normal variant short stature)、ターナー症候群、及び代謝活性の低下、又は、例えば、急性リンパ芽球白血病の小児では全無脂肪重量の割合として表される安静時エネルギー消費の減少を示すその他の病的状態である。肥満症関連疾患の別の具体例は、X症候群として知られるメタボリックシンドローム、インシュリン抵抗性症候群、不妊症、男性の性機能不全症、女性の多毛症等の性機能及び生殖機能の不全、胃食道逆流のような肥満関連胃腸の運動障害、肥満低換気症候群(ピクウィック症候群)のような呼吸障害、心血管障害、全身脈管系炎症のような炎症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、背下部疼痛、胆嚢病、痛風及び腎臓癌である。本発明の化合物はまた、左心室肥大の危険抑制のような肥満症の副作用の危険の抑制にも有効である。
【0141】
式Iの化合物は、また、猫及び犬における、肥満症及び肥満症関連障害の治療又は予防に有用である。そのようなものとして、「哺乳動物」なる用語には、猫及び犬のような愛がん動物が含まれる。
【0142】
本明細書で用いられる「糖尿病」なる用語には、インシュリン依存性糖尿病(1型糖尿病としても知られるIDDM)、及びインシュリン非依存性糖尿病(2型糖尿病としても知られるNIDDM)の両方が含まれる。1型糖尿病又はインシュリン依存性糖尿病は、インシュリンの絶対的不足の結果であり、そのホルモンがグルコースの利用を調節する。2型糖尿病又はインシュリン非依存性糖尿病(すなわち、非インシュリン依存性糖尿病)は、ときには、正常であるとき、又はインシュリンのレベルが上昇したときに生じ、又はインシュリンに対して適切に応答する組織の無能力の結果であると思われる。ほとんどの2型糖尿病は肥満である。本発明の化合物は、1型及び2型糖尿病の両方の治療に有用である。組成物は、特に2型糖尿病の治療に効果的である。本発明の化合物は、妊娠性糖尿病の治療及び/又は予防にも有用である。
【0143】
偏頭痛を治療又は予防するためには本発明の化合物を、エルゴタミン又は5−HTアゴニストのような他の抗偏頭痛薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルマトリプタン又はリザトリプタンと併用してもよいことが理解されるだろう。
【0144】
抑うつ又は不安の治療には、本発明の化合物を他の抗うつ薬又は抗不安薬と併用してもよいことは理解されるだろう。
【0145】
抗うつ薬の適切なクラスには、ノルエピネフリン再吸収阻害剤、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆性阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリンの再吸収阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレノレセプターアンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト及び非定型抗うつ薬が含まれる。
【0146】
適切なノルエピネフリン再吸収阻害剤には、第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系が含まれる。第三級アミン三環系の適切な具体例には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。第二級アミン三環系の適切な具体例には、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0147】
選択的セロトニン再吸収阻害剤の適切な具体例には、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、イミプラミン、セルトラリン及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0148】
適切なモノアミンオキシダーゼ阻害剤には、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレジリン及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0149】
適切なモノアミンオキシダーゼの可逆性阻害剤には、モクロベミド及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0150】
本発明に使用するために適当なセロトニン及びノルアドレナリンの再吸収阻害剤には、ベンラファキシン及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0151】
適当なCRFアンタゴニストには、国際特許出願WO94/13643、WO94/13644、WO94/13661、WO94/13676及びWO94/13677に記載された化合物が含まれる。更に、ニューロキニン(NK−1)受容体アンタゴニストは、本発明のCB1受容体モジュレータと好ましく併用してもよい。本発明において用いられるNK−1受容体アゴニストは先行技術に詳細に開示されている。本発明において用いられる特定のニューロキニン−1受容体アンタゴニストには、(±)−(2R3R,2S3S)−N−{[2−シクロプロポキシ−5−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]メチル}−2−フェニルピペリジン−3−アミン;2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン;アペルピタント;CJ17493;GW597599;GW679769;R673;RO67319;R1124;R1204;SSR146977;SSR240600;T−2328;及びT2763;又はそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0152】
適切な典型的な抗うつ薬には、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン、及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0153】
抗不安薬の適当なクラスには、ベンゾジアゼピン及び5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが含まれる。適切なベンゾジアゼピンには、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム、及び薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。適切な5−HT1A受容体アゴニスト又はアンタゴニストには、特に、5−HT1A受容体部分アゴニスト、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、及び薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。適切なコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストには、本明細書で既に議論したものが含まれる。
【0154】
本明細書で用いられる場合、「物質乱用症」なる用語は、生理学的依存性を伴ったり伴わなかったりする物質依存又は物質乱用を意味する。これらの症状に関連する物質は、アルコール、アンフェタミン(又はアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入薬、マリファナ、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン(又はフェンシクリジン様化合物)、鎮静−催眠剤又はベンゾジアゼピン、及び他の(又は未知の)物質及びこれらのすべての組み合わせである。
【0155】
特に、「物質乱用症」なる用語には、知覚的障害を伴うか又は伴わないアルコール禁断、アルコール禁断譫妄、アンフェタミン禁断、コカイン禁断、ニコチン禁断、オピオイド禁断、知覚的障害を伴うか又は伴わない鎮静剤、催眠剤又は不安寛解剤の禁断、鎮静剤、催眠剤又は不安寛解剤の禁断譫妄等の薬物禁断症状、及び他の物質に起因する禁断症状が含まれる。ニコチン禁断の治療は禁煙に付随する症候群の治療も含むことは理解されるだろう。
【0156】
他の「物質乱用症」には、禁断中に発症する物質誘発不安障害、禁断中に発症する物質誘発情緒障害、禁断中に発症する物質誘発睡眠障害が含まれる。
【0157】
特に、構造式Iの化合物は、タバコ消費の停止を支援するために有用であり、また、ニコチン依存及びニコチン禁断を治療するために有用である。式Iの化合物は、喫煙者のようなニコチン消費者の全面的又は部分的な禁煙を成功させる。更に、禁断症状を軽減し、禁煙に一般的に付随する体重増加を抑制又は阻止する。禁煙のためには、式Iの化合物をバレニクリン及びSSR591813のような選択的アルファ−4ベータ2ニコチン部分アゴニスト、又はモノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)のようなニコチンアゴニスト若しくはニコチン部分アゴニスト、又は禁煙の支援に有効な他の有効成分、例えば、ブプロピオン、ドキセピン、オルノルトリプチリンのような抗うつ剤又はブスピロン、クロニジンのような不安寛解剤と併用し得る。
【0158】
慣用の抗精神病薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが躁病の治療効果を増進することが理解されるだろう。このような組合せは、躁病エピソードを治療するために迅速に作用を開始すると期待され、従って「必要基剤として」処方できる。更に、このような組合せは、抗精神病薬の薬効を低下させることなく抗精神病薬の用量を減少することができるので、有害な副作用の危険を最小に抑制できる。このような組合せのまた別の利点は、CB1受容体モジュレーターの作用により、急性筋緊張異常(急性ジストニー)、運動不良(ジスキネジア)、長時正坐不能症(アカシジア)及び震顫のような抗精神病薬によって引き起こされる有害な副作用を抑制又は防止することができることである。
【0159】
従って、本発明の他の態様によれば、躁病の治療又は予防用医薬を製造するためのCB1受容体モジレーターと抗精神病薬との使用が提供される。
【0160】
本発明はまた、躁病の治療を要するか又は発症する危険のある患者に、一緒になって有効な軽減を達成するそれぞれの量のCB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とを投与する工程を含む、躁病の治療又は予防方法を提供する。
【0161】
本発明の他の態様においては、CB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とを少なくとも1種類の薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に含む医薬組成物が提供され、ここでCB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とが躁病を治療又は予防するために、同時に、個別に又は順次に用いられる組合せ製剤の形態を有してもよい。このような組合せ製剤は例えばツインパックの形態でよい。
【0162】
本発明の更なる又は代替の態様においては、躁病を治療又は予防するために、同時に、個別に又は順次に使用できる組合せ製剤としてCB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とを含む製品が提供される。
【0163】
本発明の組み合わせを用いる場合、CB1受容体モジュレーター及び抗精神病薬が同じ薬学的に許容される担体中に存在し、それ故同時に投与されることが理解されるだろう。それらは、同時に投与される慣用的な経口投与形態のような別個の薬学的に許容される担体中に存在してもよい。「組み合わせ」なる用語は、化合物を別々の剤形で提供し、そして順次に投与する場合も含む。従って、例えば、抗精神病薬を錠剤として投与し、次いで適当な時間内にCB1受容体モジュレーターを錠剤のような経口剤形又は即時に溶解する経口剤形として投与してもよい。「即時に溶解する経口配合物」なる表現は、患者の舌に乗せると約10秒以内に溶解する経口送達形態を意味する。
【0164】
軽躁病を治療又は予防するためにCB1受容体モジュレーターを抗精神病薬と併用することも本発明の範囲に包含される。
【0165】
慣用の抗精神病薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが統合失調障害の治療効果を増進することが理解されるだろう。このような組合せは、統合失調症状の治療作用を迅速に開始すると期待され、従って「必要な基剤として」処方することができる。更にこのような組合せは、抗精神病薬の薬効を低下させることなくCNS薬の投与量を減少することができるので、有害な副作用の危険を最小に抑制することができる。このような組合せの他の利点は、CB1受容体モジュレーターの作用により、急性筋緊張異常(急性ジストニー)、運動不良(ジスキネジア)、長時正坐不能症(アカシジア)及び震顫のような抗精神病薬によって引き起こされる有害な副作用が抑制又は防止し得ることである。
【0166】
本明細書において用いられる場合、「統合失調障害」なる用語には、妄想性、解体型、緊張型、未分化型及び残遺統合失調症;統合失調症型障害;分裂情緒的異常症;妄想性異常症;暫定精神異常症;共有精神異常症;物質誘発精神異常症;特定されない精神異常症が含まれる。
【0167】
統合失調障害に付随するその他の状態でよく見られるものには、自傷行為(例えば、レッシュ・ナイハン症候群)及び自殺挙動が含まれる。
【0168】
CB1受容体モジュレーターと併用できる適切な抗精神病薬には、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロンクラスの抗精神病薬が含まれる。フェノチアジンの適切な具体例には、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオペラジンが含まれる。チオキサンテンの適切な具体例には、クロルプロチキセン及びチオエチキセンが含まれる。ジベンズアゼピンの適切な具体例には、クロザピン及びオランザピンが含まれる。ブチロフェノンの一例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例はピモジドである。インドロンの一例はモリンドロンである。他の抗精神病薬には、ロキサピン、スルピリド及びリスペリドンが含まれる。CB1受容体モジュレーターと併用する場合の抗精神病薬は薬学的に許容される塩の形態、例えば、クロルプロマジン塩酸塩、メソリダジンベシラート、チオリダジン塩酸塩、アセトフェナジンマレイン酸塩、フルフェナジン塩酸塩、フルフェナジンエナント酸塩、フルフェナジンデカン酸塩、トリフルオペラジン塩酸塩、チオチキセン塩酸塩、ハロペリドールデカン酸塩、ロキサピンコハク酸塩、モリンドン塩酸塩であり得ることは理解されよう。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、オランザピン、ハロペリドール、ピモジド及びリスペリドンは非塩形態で使用されるのが通常である。
【0169】
CB1受容体モジュレーターと併用される他のクラスの抗精神病薬には、ドーパミン受容体アンタゴニスト、特に、D2、D3及びD4ドーパミン受容体アンタゴニスト、及びムスカリン性m1受容体アゴニストが含まれる。D3ドーパミン受容体アンタゴニストの一例は化合物PNU−99194Aである。D4ドーパミン受容体アンタゴニストの一例は化合物PNU−101387である。ムスカリン性m1受容体アゴニストの一例はキサノメリンである。
【0170】
CB1受容体モジュレーターと併用される他のクラスの抗精神病薬は、5−HTA受容体アンタゴニストであり、その例はMDL100907及びファナンセリンである。同じくCB1受容体モジュレーターと併用されるのは、セロトニンドーパミンアンタゴニスト(SDA)であり、これらは5−HTA及びドーパミンの双方の受容体のアンタゴニスト活性を有すると考えられており、これらの例はオランザピン及びジペラシドンである。
【0171】
さらにまた、NK−1受容体アンタゴニストは本発明のCB1受容体モジュレーターと有利に併用され得る。本発明に使用するための好ましいNK−1受容体アンタゴニストは前述の化合物のクラスから選択される。
【0172】
慣用の抗喘息薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが喘息の治療効果を増進すること、喘息の治療又は予防に使用できること、この方法には、かかる治療の必要な患者に、一緒になって有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と抗喘息薬とを投与する工程を含むことは理解されよう。
【0173】
本発明の化合物と併用される適切な抗喘息薬には、(a)VLA−4アンタゴニスト、例えば、ナタリズマブ、及びUS第5,510,332号、WO97/03094、WO97/02289、WO96/40781、WO96/22966、WO96/20216、WO96/01644、WO96/06108、WO95/15973及びWO96/31206に記載の化合物;(b)ステロイド及びコルチコステロイド、例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン及びヒドロコルチゾン;(c)抗ヒスタミン(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えば、ブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェニルヒドミン、ジフェニルピラリン、トリペレンナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン等;(d)非ステロイド系抗喘息薬、例えば、β2−アゴニスト(例えば、テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロール、エピネフリン及びピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、イプラトロピウムブロミド、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、ザフィルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト及びSKB−106,203)、及びロイコトリエン生合成インヒビター(例えば、ジロイトン及びBAY−1005);(e)抗コリン作動薬、例えば、ムスカリン性アンタゴニスト(例えばイプラトロピウムブロミド及びアトロピン);及び(f)ケモカイン受容体のアンタゴニスト、特に、CCR−3;及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0174】
慣用の抗便秘薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが、便秘又は慢性の偽腸閉塞の治療効果を増進させること、便秘又は慢性の偽腸閉塞の治療又は予防用医薬の製造に使用され得ることは理解されよう。
【0175】
本発明はまた、治療の必要な患者に、一緒になって有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と抗喘息薬とを投与する工程を含む、便秘の治療又は予防方法を提供する。
【0176】
本発明の化合物と併用される適切な抗便秘薬には、浸透薬、緩下薬、洗浄性緩下薬(又は湿潤剤)、膨張剤及び刺激剤、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。浸透薬の特に適切なクラスには、ソルビトール、ラクツロース、ポリエチレングリコール、マグネシウム、ホスフェート、スルフェート及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。緩下薬及び洗浄性緩下薬の特に適切なクラスには、マグネシウム、ドクサートナトリウム、及びそれらの薬学的に許容され塩が含まれるが、これらに限定されない。膨張剤の特に適切なクラスには、プシリウム、メチルセルロース、カルシウムポリカルボフィル、及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。刺激剤の特に適切なクラスには、アントラキノン及びフェノールフタレイン、及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0177】
慣用の抗硬変薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが肝硬変の治療又は予防効果を増進させること、これらを肝硬変、並びに非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療又は予防用医薬の製造に用いられ得ることは理解されるだろう。
【0178】
本発明はまた、このような治療の必要な患者に、一緒になって有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と抗硬変薬とを投与する工程を含む、肝硬変の治療又は予防方法を提供する。
【0179】
本発明の化合物と併用される適切な抗硬変薬には、コルチコステロイド、ペニシラミン、コルチシン、インターフェロン−γ、2−オキソグルタレートアナローグ、プロスタグランジンアナローグ及びその他の抗炎症薬、及び抗代謝薬、例えば、アザチオプリン、メトトレキセート、レフルナミド、インドメタシン、ナプロキセン及び6−メルカプトプリン、及びそれらの薬学的に許容されるそれらの塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0180】
本発明の治療方法は、他のCB受容体又はG−タンパク質結合受容体に優先してCB1受容体に選択的に拮抗作用を示す無毒の治療的有効量の本発明の化合物を、治療が必要な患者に投与することによって、CB1受容体を調節し、CB1受容体介在疾患を治療する方法を含む。
【0181】
「治療的有効量」なる用語は、組織、系、動物又はヒト体内で研究者、獣医師、内科医又は他の医師が求める生物学的又は医学的応答を誘発する、構造式Iの化合物の量を意味し、上記応答には治療される障害の症状の緩和が含まれる。本発明の新規な治療方法は、当業者に公知の障害に対する治療方法である。「哺乳動物」なる用語は、ヒト、及びイヌやネコのような愛がん動物を含む。
【0182】
第二有効成分に対する式Iの化合物の重量比は変更してもよく、各成分の有効用量に依存するであろう。一般的に、各成分の有効用量を用いる。従って、例えば、式Iの化合物をβ−3アゴニストと組合せる場合には、β−3アゴニストに対する式Iの化合物の重量比は、一般には約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200であろう。式Iの化合物と他の有効成分との組合せも一般的に上記の範囲内であろうが、どの場合にも各有効成分の有効用量を用いるべきである。
【0183】
以下の反応スキーム及び実施例において用いた略号;aq.:水性;API−ES:大気圧イオン化電気スプレー(質量スペクトル);DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩;EPA:エチレンポリアクリルアミド(プラスチック);EtOAc:酢酸エチル;g:グラム;h:時間;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC:高圧液体クロマトグラフィー;HPLC/MS:高圧液体クロマトグラフィー/質量スペクトル;減圧下:回転蒸発(rotoevaporation);LC:液体クロマトグラフィー;LC/MS,LC−MS:液体クロマトグラフィー−質量スペクトル;LDA:リチウムジイソプロピルアミド;M:モル;Me:メチル;MeOH:メタノール;MHz:メガヘルツ;min:分;mL:ミリリットル;mmol:ミリモル;MS又はms:質量スペクトル;N:ノルマル;NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジド;NMR:核磁気共鳴;PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;Rt:保持時間;rt又はRT:室温;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー。
【0184】
本発明の化合物は、添付したスキームに示す方法によって製造することができる。
【0185】
【化5】

【0186】
スキーム1では、標準的なアミド結合形成条件下で適切に置換されたアミノ酸エステルAをカルボン酸Bと反応させてアミドCを得る。エステルを水素化ジメチルアルミニウムの存在下、N−メトキシ−N−メチルアミンとの反応により、活性化アミンDに変換する。アリルリチウム誘導体をDと反応させて、ケトンEを得てこれは後にベンジルグリニャール試薬と反応してアルコールFを形成する。次いで、F中のアルコール部分を多数の試薬と官能化させてG中にエステル及びエーテルを得る。
【0187】
本発明を説明するため、以下の実施例が含まれる。これらの実施例は本発明を限定するものではない。これらは、単に本発明を実施するための1つの方法を示唆するだけである。当業者は本発明を実施する他の方法を見つけることができ、これは当業者にとって明らかである。しかしながら、これらの方法もまた本発明の範囲内に包含されると考えるべきである。
【0188】
一般的手順
LC/MS分析は、YMC ODS−A 4.6×50mmカラムを利用するAGILENT 1100シリーズHPLCに結合したMICROMASS ZMD質量分析計を用い、10〜95%のBで4.5分かけて、次いで95%のBで0.5分の溶媒勾配を用い、2.5mL/分で溶出させることによって行った:溶媒A=0.06%のTFA−水;溶媒B=0.05%のTFA−アセトニトリル。H−NMRスペクトルは、示した通りにCDCl又はCDOD中で500MHz VARIAN分光計で得られた。化学シフトは溶媒ピークを参照として使用してδで示し、結合定数はヘルツ(Hz)で示す。
【0189】
参考実施例1
2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタン酸
工程A:ベンジル2−(2−ピリジルオキシ)プロピオネート
0℃で、2−ヒドロキシピリジン(2.9g,30ミリモル)、乳酸ベンジル(5.0g,21ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(12g,47ミリモル)の100mLの塩化メチレン中の混合物に、ジエチルアゾジカルボキシレート(7.8mL,45ミリモル)を加えた。反応物を室温で4時間加温した。得られた混合物をヘキサン(100mL)で希釈し、20gのシリカゲルを用いて濃縮した。材料をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン中10%酢酸で溶出して標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.00(dd,1H),7.68(ddd,1H),7.36−7.28(m,5H),6.94(dd,1H),6.84(dd,1H),5.30(q,1H),5.18(s,2H),1.59(d,3H)。LC−MS:m/e258(M+H)(3.3分)。
【0190】
工程B:ベンジル2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタノエート
−78℃で、ベンジル2−(2−ピリジルオキシ)−プロピオネート(1.6g,6.2ミリモル)及びヨウ化エチル(1.5mL,25ミリモル)の10mLの無水テトラヒドロフラン中の溶液に、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(テトラヒドロフラン中、1M,9.3mL,9.3ミリモル)を加えた(同様の結果を得るために、トルエン中のカリウムヘキサメチルジシラジドを用いてもよい。)。反応物を2時間かけて室温まで加温し、飽和塩化アンモニウム(100mL)及び酢酸エチル(100mL)で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、10%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.87(dd,1H),7.63(ddd,1H),7.27(m,3H),7.18.(m,2H),6.85(dd,1H),6.74(dd,1H),5.08(ABq,2H),2.13(m,1H),1.94(m,1H),1.65(s,3H),0.95(t,3H)。LC−MS:m/e286(M+H)(3.8分)。
【0191】
工程C:2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタン酸
50mLのメタノール中、ベンジル2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタノエート(1.6g,5.5ミリモル)及び10%のパラジウムカーボン(50mg)の混合物を脱気し、バルーンを用いて水素で満たした。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をセライト珪藻土でろ過し、メタノール(20mL)で洗浄し、ろ液を濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.03(dd,1H),7.64(ddd,1H),6.89(dd,1H),6.76(dd,1H),2.14(m,1H),1.94(m,1H),1.64(s,3H),0.99(t,3H)。LC−MS:m/e196(M+H)(1.8分)。
【0192】
参考実施例2
2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
工程Bにおいて、ヨウ化エチル及びナトリウムヘキサメチルジシラジドを、それぞれヨウ化メチル及びカリウムヘキサメチルジシラジドに置換し、参考実施例1について記載した方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.04(dd,1H),7.64(ddd,1H),6.89(dd,1H),6.76(dd,1H),1.66(s,6H)。LC−MS:m/e182(M+H)(1.5分)。
【0193】
参考実施例3
2−(3−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
工程Aにおいて2−ヒドロキシピリジンを3−ヒドロキシピリジンに、工程Bにおいてヨウ化エチルをヨウ化メチルに置換し、参考実施例1について記載した方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.21(d,1H),8.19(dd,1H),7.43−7.35(m,2H),1.62(s,6H)。LC−MS:m/e182(M+H)(0.3分)。
【0194】
参考実施例4
2−(4−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
工程A:N−トリメチルシリルエトキシメチル−4−ピリドン
4−ヒドロキシピリジン(3.0g,32ミリモル)及びトリメチルシリルエトキシメチルクロライド(5.5mL,32ミリモル)の30mLのアセトニトリル中の溶液に、炭酸セシウム(11g,34ミリモル)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を食塩水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。一緒にした抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物をO−アルキル化生成物として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.92(d,2H),6.49(d,2H),5.28(s,2H),3.62(t,2H),0.96(t,2H),0.024(s,9H)。
【0195】
工程B:ベンジル2−(4−ピリジルオキシ)プロピオネート
−20℃で、乳酸ベンジル(6.0g,33ミリモル)及びN−メチルモルホリン(2.7mL,33ミリモル)の100mLの無水塩化メチレン中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.6mL,33ミリモル)を加えた。−20℃で1時間撹拌した後、反応混合物を100mLのヘキサンで希釈し、希硫酸水素ナトリウム水溶液、及び食塩水/飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、10%エーテル(ヘキサン中)で溶出して精製し、ベンジル2−トリフルオロメタンスルホニル−オキシプロピオネート(6.4g)を得て、これは後の反応に直ちに用いた。従って、N−トリメチルシリルエトキシメチル−4−ピリドン(工程A,3.4g,15ミリモル)及びベンジル2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−プロピオネート(4.7g,15ミリモル)の混合物を60℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を塩化メチレンに溶解しシリカゲルカラムに乗せ、塩化メチレン中5%メタノールで溶出し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.57(d,2H),7.42(d,2H),7.4−7.3(m,5H),5.44(q,1H),5.24(ABq,2H),1.72(d,3H)。LC−MS:m/e258(M+H)(1.8分)。
【0196】
工程C:2−(4−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
参考実施例13、工程B〜Cに記載された方法に従い、工程Bにおけるベンジル2−(2−ピリジルオキシ)プロピオネート及びヨウ化エチルを、ベンジル2−(4−ピリジルオキシ)プロピオネート及びヨウ化メチルに置換し、工程Bの生成物(4.5g,18ミリモル)を標題の化合物に変換した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.44(d,2H),7.14(d,2H),1.70(s,6H)。LC−MS:m/e18(M+H)(0.28分)。
【0197】
参考実施例5
2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程A:エチル2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
5−クロロ−2−ヒドロキシピリジン(5.0g,39ミリモル)、エチル2−ブロモイソブチレート(5.7mL,39ミリモル)及び炭酸セシウム(25g,77ミリモル)の50mLのアセトニトリル中の混合物を50℃で一晩加熱した。揮発性物質をロータリーエバポレーターにより濃縮することによって除去し、残渣を水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、5%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.99(d,1H),7.67(dd,1H),6.68(d,1H),4.13(q,2H),1.64(s,6H),1.14(t,3H)。LC−MS:m/e244(M+H)(3.41分)。
【0198】
工程B:2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
エチル2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート及び水酸化ナトリウム(0.85g,21ミリモル)の15mLのアセトニトリル及び15mLの水中の混合物を50℃で一晩加熱した。揮発性物質をロータリーエバポレーターにより濃縮することによって除去し、残渣を2M塩酸(100mL)及びエーテル(100mL)で分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.02(d,1H),7.65(dd,1H),6.77(d,1H),1.62(s,6H)。LC−MS:m/e216(M+H)(2.33分)。
【0199】
参考実施例6
2−メチル−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程Aにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンを5−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピリジンに置換し、参考実施例5に記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.38(br s,1H),7.93(dd,1H),7.13(d,1H),1.70(s,6H)。LC−MS:m/e250(M+H)(2.6分)。
【0200】
参考実施例7
2−メチル−2−(6−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程Aにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンを6−メチル−2−ヒドロキシピリジンに置換し、参考実施例5に記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.51(t,1H),6.74(d,1H),6.53(d,1H),2.34(s,3H),1.64(s,6H)。LC−MS:m/e196(M+H)(1.3分)。
【0201】
参考実施例8
2−メチル−2−(4,6−ジメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程Aにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンを4,6−ジメチル−2−ヒドロキシピリジンに置換し、参考実施例5に記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。LC−MS:m/e210(M+H)(1.17分)。
【0202】
参考実施例9
2−メチル−2−(6−クロロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程Aにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンを6−クロロ−2−ヒドロキシピリジンに置換し、参考実施例5に記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.64(t,1H),6.95(d,1H),6.72(d,1H),1.65(s,6H)。LC−MS:m/e216(M+H)(2.4分)。
【0203】
参考実施例10
2−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程Aにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンを4−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピリジンに置換し、参考実施例5に記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.30(d,1H),7.18(d,1H),7.05(s,1H),1.71(s,6H)。
【0204】
参考実施例11
2−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程A:2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
乳酸リチウム(7.8g,81ミリモル)の100mLの無水ジメチルホルムアミド中の懸濁液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液、3.2g、80ミリモル)を加えた。室温で30分間撹拌した後、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ピリジン(10g,55ミリモル)を加え、混合物を100℃で一晩加熱した。反応物を室温に冷却し、500mLの水に注ぎ入れ、ヘキサン(200mL)で洗浄した。濃塩酸(pH>2)で水溶液を酸性化し、エーテル(2×500mL)で抽出した。一緒にした抽出物を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。
【0205】
工程B:メチル2−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
0℃で、2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸(工程A,15g,55ミリモル)の100mLの塩化メチレン及び100mLのメタノール中の100mL溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中、2M溶液)を黄色が持続するまで加えた。室温で15分間撹拌した後、反応混合物を濃縮して乾燥し、残渣を、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより、0〜10%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し、メチル2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオネートを得て、これは、ヨウ化エチルをヨウ化メチルに置換するほかは参考実施例13、工程Bに記載の方法に従ってすぐにメチル化に用いられた。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.25(d,1H),7.18(d,1H),7.15(s,1H),3.65(s,3H),1.65(s,6H)。
【0206】
工程C:2−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
メチル2−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオネート(工程B,7.5g,29モル)の50mLのメタノール、50mLのテトラヒドロフラン及び50mLの水中の溶液に、水酸化ナトリウム(2.3g,57ミリモル)を加えた。50℃で5時間撹拌した後、反応混合物を一部濃縮し、2M塩酸をpH>2まで加えた。得られた混合物を酢酸エチル(2×200mL)で抽出し、一緒にした抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.28(d,1H),7.17(d,1H),7.05(s,1H),1.70(s,6H)。
【0207】
参考実施例12
2−メチル−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
乳酸リチウムを、ヒドロキシイソ酪酸に及び2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリジンを2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジンに置換し、1.5過剰当量の水素化ナトリウムを用い、参考実施例11、工程Aに記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.38(br,1H),7.94(dd,1H),6.93(d,1H),1.69(s,6H)。
【0208】
参考実施例13
2(R)−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程A:2(R)−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
2−ヒドロキシピリジンを5−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピリジンに、乳酸ベンジルを(S)−乳酸ベンジルに置換し、参考実施例11、工程Aに記載の方法に従い、標題の化合物を得た。LC−MS:m/e 326(M+H) (3.1分)。
【0209】
工程B:2(R)−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
ベンジル2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタノエートを2(R)−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオネートに置換し(工程A)、実施例13、工程Cに記載の方法に従い、標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.70(s,1H),7.67(d,1H),6.63(d,1H),5.30(q,1H),1.67(d,3H)。
【0210】
参考実施例14
2−メチル−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
それぞれ、温度計及び還流冷却器を取り付け、窒素を流した2個の12Lの三口丸底フラスコを、KHMDS(0.91M,それぞれ3.52L,3.205モル,1.5当量):THF中でチャージした。溶液を−70℃に冷却し、磁気的に撹拌した。各フラスコに、エチル−2−ヒドロキシイソブチレート(98%)(463mL,447g,3.38モル)を、反応温度を−62℃以下に維持しながら30分かけて加えた。10分後、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン(388g,2.14モル)を各フラスコに一度に加えた。冷却した浴を除去し、反応物を20℃に一晩加温した(約16時間)。反応をTLC(シリカ、90/10ヘキサン/酢酸エチル)及びHPLCで監視した。
【0211】
それぞれの反応フラスコに水酸化ナトリウム(1.36L,5N)を加え、反応物を一晩(約22時間)還流した。反応物をロータリーエバポレーターで一緒に濃縮し、THFを除去した。濃縮物に、水(4L)を加え、n−ヘプタン(2×4L)で溶液を抽出した。10分かけて、水層を2N HCl(9L,18モル)に撹拌しながら加えた。得られた懸濁液を30分間(温度30℃)、熟成させ、次いでろ過した。ケーキを水(3×2L)で洗浄し、空気乾燥し、湿気のある黄褐色の固体を得た。
【0212】
材料を65℃でn−ヘプタン(4L)に溶解した。IPAc(1L)及びDARCO KB(40g,100メッシュ)を加えた。混合物を15分間撹拌し、セライト珪藻土でろ過し、ケーキを4:1ヘプタン/IPAc(3×500mL)で洗浄した。ろ液を約2Lに濃縮し、白色の懸濁液を得た。スラリーをヘプタン(2×3L)で流し、約3Lに濃縮した。得られた白色の懸濁液を0℃に冷却し、1時間熟成させた。生成物をろ過し、ケーキを冷却したヘプタン(1L)で洗浄し、標題の化合物を白色の結晶性物質として得た。HPLCカラム:YMC Combiscreen Pro C18,50×4.6mm;移動相:A.0.1%TFA−水;B.CHCNの勾配:90/10 A/B〜10/90 A/B(4分間)。流速:4mL/分。検出:254nm。保持時間2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン、2.1分。保持時間2−エトキシ−5−トリフルオロメチルピリジン、2.9分。保持時間、生成物エステル、3.1分。保持時間、最終の酸、2.05分。
【0213】
参考実施例15
2−メチル−2−(5−メチルスルホニル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
工程A:エチル2−(5−メチルスルホニル−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
エチル2−ヒドロキシイソブチレート(0.41mL,3.0ミリモル)、2,5−ビス(メチルスルホニル)ピリジン(J.Heterocycl.Chem.1985,22,1583)(0.70g,3.0ミリモル)及び水素化ナトリウム(鉱油中、60%懸濁液、0.14g,3.6ミリモル)の30mLの無水DMF中の混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)及びエーテル(200mL)で分配した。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、0〜80%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し2−エトキシ−5−メチルスルホニルピリジンとの1:1混合物として標題の化合物を得た。LC−MS:m/e288(M+H) (0.70分)。
【0214】
工程B:2−メチル−2−(5−メチルスルホニル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
エチル2−メチル−2−(5−メチルスルホニル−2−ピリジルオキシ)プロピオネート(工程A,0.45g,1.6モル)の5mLのMeOH、10mLのTHF及び10mLの水中の溶液に、水酸化ナトリウム(0.19g,4.7ミリモル)を加えた。室温で3日間撹拌した後、反応混合物を一部濃縮し、2M塩酸をpH>2まで加えた。得られた混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出し、一緒にした抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.60(d,1H),8.16(dd,1H),7.17(d,1H),3.15(s,3H),1.71(s,6H)。
【0215】
参考実施例16
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ]プロピル}アミン塩酸塩
工程A:1−ブロモ−3−{[(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アセチル}ベンゼン
−78℃で、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(8.8mL,69ミリモル)の200mLのエーテル中の溶液に、tert−ブチルリチウム(ペンタン中、1.7M,40mL,69ミリモル)を加えた。−78℃で30分間撹拌した後、N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシンN’−メトキシ−N’−メチルアミド(5.0g,23ミリモル)の100mLのテトラヒドロフラン中の溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、反応物を0℃に加温し、希塩化アンモニウム水溶液(200mL)で反応を停止した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、5〜10%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ8.12(s,1H),7.97(d,1H),7.80(d,1H),7.43(t,1H),4.50(s,2H),1.42(s,9H)。
【0216】
工程B:3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−1−[(N−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシ]プロパン
−78℃で、1−ブロモ−3−{[(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アセチル}ベンゼン(0.65g,2.1ミリモル)の25mLのエーテル中の溶液に、4−クロロベニルマグネシウムクロライド(エーテル中、0.25M,21mL,5.2ミリモル)を加えた。反応物を−10℃に3.5時間加温し、−10℃で、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を用いて反応を停止した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、5〜10%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ7.5−7.1(m,4H),7.10(d,2H),6.92(d,2H),3.55(d,2H),3.40(d,2H),3.02(ABq,2H),1.38(s,9H)。
【0217】
工程C:N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ]プロピル}アミン塩酸塩
3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−1−[(N−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシ]プロパン(0.38g,0.86ミリモル)の酢酸エチル(10mL)中の溶液に、4M塩化水素/ジオキサン(20mL)を加えた。1時間撹拌した後、混合物を濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。LC−MS:m/e340(M+H)(2.8分)。
【0218】
参考実施例17
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ]プロピル}アミン塩酸塩(参考実施例16、0.35g,0.93ミリモル)及び2−(5−トリフルオロ−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸(参考実施例37、0.35g,1.4ミリモル)の5mLの塩化メチレン中の混合物に、N−メチルモルホリン(0.62mL,5.6ミリモル)及びトリス(ピロリジニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.73g,1.4ミリモル)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をシリカゲルカラムに載せ、15〜20%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出し、標題の化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ8.24(br s,1H),7.92(dd,1H),7.42(s,1H),7.30(d,1H),7.20(d,1H),7.15−7.05(m,3H),7.92−7.85(m,3H),3.76(d,2H),3.42(d,2H),2.98(ABq,2H),1.57(s,3H),1.48(s,3H)。LC−MS:m/e593(M+Na)(4.3分)。
【0219】
参考実施例18
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα及びβ)
工程A:N−{[2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジニル)−2−メチル]プロピオニル−L−アラニンメチルエステル
L−アラニンメチルエステル(Aldrich,5.0g,36ミリモル)及び2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸(参考実施例6又は12、6.3g,25ミリモル)の100mLの塩化メチレン中の混合物に、N−メチルモルホリン(14mL,0.10モル)及びトリス(ピロリジニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(20g,38ミリモル)を加えた。室温で4時間撹拌した後、反応混合物をエーテル(300mL)で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣をシリカゲルカラムに載せ、15〜20%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ8.38(d,1H),7.94(dd,1H),6.99(d,1H),4.42(q,1H),3.64(s,3H),1.71(s,3H),1.69(s,3H),1.27(d,3H)。
【0220】
工程B:N−{[2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチル]プロピオニル−L−アラニンN’−メトキシ−N’−メチルアミド
0℃で、N−メトキシ−N−メチルアミン塩酸塩(4.4g,45ミリモル)の100mLの塩化メチレン中の懸濁液に、塩化ジメチルアルミニウム(4.0mL,45ミリモル)を加えた。室温で10分間撹拌した後、N−{[2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチル]プロピオニル−L−アラニンメチルエステル(7.0g,21ミリモル)の塩化メチレン(100mL)中の溶液を加え、得られた混合物を2時間撹拌した。2M HCl(200mL)及び氷(200g)の撹拌混合物中に反応混合物を注ぎ入れることによって反応を停止した。有機層を分離し、水層をエーテル(2×100m)で抽出した。一緒にした抽出物を2M HCl、希水酸化ナトリウム水溶液、水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで一晩乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を得て、これは更に精製することなく用いた。
【0221】
工程C:N−[1(S)−(3−ブロモベンゾイル)エチル]−2−(6−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
−78℃で、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(7.7mL,60ミリモル)の100mLのエーテル中の溶液に、tert−ブチルリチウム(ペンタン中、1.7M,35mL,60ミリモル)を加えた。−78℃で15分間撹拌した後、N−{[2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチル]プロピオニル−L−アラニンN’−メトキシ−N’−メチルアミド(7.7g,21ミリモル)の50mLのエーテル中の溶液を加えた。−78℃で30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)で反応を停止し、室温に加温した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム(200mL)及びエーテル/ヘキサン(1:1、200mL)で分配した。有機層を分離し、水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより0〜60%エーテル(ヘキサン中)で溶出して精製し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.2−6.9(m.7H),5.28(q,1H),1.63(s,3H),1.62(s,3H),1.27(d,3H)。
【0222】
工程D:N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチル−プロパンアミド(ジアステレオマーα及びβ)
−10℃で、N−[1(S)−(3−ブロモベンゾイル)エチル]−2−(6−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(6.6g,14ミリモル)の50mLのエーテル中の溶液に、4−クロロベニルマグネシウムクロライド(エーテル中、0.25M,125mL,31ミリモル)を加えた。反応物を2時間かけて0℃に加温し、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)中に注ぎ入れることにより反応を停止した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより0〜50%酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して精製し、早く溶出するジアステレオマー(ジアステレオマーα、tert−ブチルメチルエーテル及びヘキサンから再結晶後)、及び遅く溶出するジアステレオマー(ジアステレオマーβ)、及びジアステレオマー及び回収した出発材料の両方を含む混合フラクションとして標題の化合物を得た。ジアステレオマーα:H NMR(500MHz,CDOD):δ8.34(d,1H),8.00(dd,1H),7.38(m,1H),7.34(m,1H),7.22−7.16(m,2H),7.08(d,1H),7.03(d,2H),6.68(d,2H),4.46(q,1H),2.91(ABq,2H),1.82(s,3H),1.78(s,3H),0.80(d,3H)。LC−MS:m/e585(M+H)(4.4分)。ジアステレオマーβ:H NMR(500MHz,CDOD):δ8.30(d,1H),7.33(dd,1H),7.26(ddd,1H),7.12(ddd,1H),7.09−7.02(m,3H),6.92(d,1H),6.82(d,2H),4.46(q,1H),3.07(ABq,2H),1.49(s,3H),1.28(s,3H),1.24(d,3H)。LC−MS:m/e585(M+H)(4.4分)。
【0223】
参考実施例19
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)
50mLのジオキサン中、N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα,参考実施例18、1.8g,3.1ミリモル)、シアン化ナトリウム(0.23g,4.6ミリモル)、18−クラウン−6(1.2g,4.6ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.8g,1.6ミリモル)の混合物を、窒素雰囲気下、100℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をエーテル(200mL)及び水(200mL)で分配した。有機層を分離し、水層をエーテル(200mL)で抽出した。一緒にした抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより5〜20%酢酸エチル(ヘキサン/塩化メチレン(1:1)中)で溶出して精製し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、標題の化合物を得た。50〜100%アセトニトリル/水(各溶媒中、0.1%トリフルオロ酢酸)で溶出する逆相HPLCにより分析的に純粋な試料を調製し、酢酸エチル及びヘキサンから再結晶した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.32(br s,1H),7.98(dd,1H),7.58−7.41(m,3H),7.42(dd,1H),7.07(d,1H),7.02(d,2H),6.68(d,2H),4.49(q,1H),2.94(ABq,2H),1.80(s,3H),1.77(s,3H),0.78(d,3H)。LC−MS:m/e532(M+H)(4.0分)。
【0224】
参考実施例20
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−1(R)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)
D−アラニンメチルエステルから出発し、参考実施例19に記載したような方法に従い、標題の化合物を製造した。LC−MS:m/e532(M+H)(4.0分)。
【0225】
実施例1
【0226】
【化6】

【0227】
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−アセトキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)
0℃で、参考実施例19由来のN−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)の塩化メチレン中の溶液を、無水酢酸及びピリジン(1:1)で処理する。室温で一晩撹拌した後、溶液をロータリーエバポレーターにより濃縮し、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出し、標題の化合物を単離する。
【0228】
実施例2
【0229】
【化7】

【0230】
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−(ジエチルホスホリル)−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)
参考実施例19由来のN−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)を、Stowell及びWidlanskiに開示された方法(Tetrahedron Letters,36,1825(1995))に従い、ヨウ化トリエチルホスホリルと反応させる。すなわち、0℃で、ヨウ素(1.1当量)を、トリエチルホスフェート(1.2当量)の塩化メチレン中の溶液に加える。5分間撹拌した後、反応物を室温に加温し、この溶液を、0℃の参考実施例19由来のN−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα、1.0当量)、及びピリジン(4当量)の塩化メチレン中の溶液に滴下して加える。0℃で10分間撹拌した後、反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、次いで、25%炭酸水素ナトリウム水溶液(3×5mL)、10%リン酸ナトリウムバッファー水溶液(pH=7)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶液をろ過し、ロータリーエバポレーターにより濃縮する。シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して標題の化合物を単離する。
【0231】
実施例3
【0232】
【化8】

【0233】
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−メタンスルホニルオキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)
参考実施例19由来のN−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)を、塩化メチレン中、ジイソプロピルエチルアミン(1.1当量)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.1当量)の存在下、塩化メタンスルホニル(1.1当量)と一晩室温で反応させる。次いで、溶液をロータリーエバポレーターにより濃縮し、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して標題の化合物を単離する。
【0234】
実施例4
【0235】
【化9】

【0236】
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−エトキシスルホニルオキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)
参考実施例19由来のN−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ジアステレオマーα)を、D.C.Morrison,J.Am.Chem.Soc.76,3224(1954)に開示された方法に従い、クロロホルム中、ピリジン(1.1当量)の存在下、エチルクロロサルフェート(1.1当量)と、0℃で2〜4時間反応させる。次いで、溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出して標題の化合物を単離する。
【0237】
生物学的実施例1
カンナビノイド受容体−1(CB1)結合アッセイ
結合親和性の定量は、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞(Felderら、Mol.Pharmacol.48:443−450,1995)で発現された組換えヒトCB1受容体に基づいて行う。全アッセイ用量を250μL(240μLのCB1受容体膜溶液+5μLの試験化合物溶液+5μLの[3H]CP−55940溶液)とする。[3H]CP−55940の最終濃度は0.6nMである。結合バッファーは、50mMのトリス−HCl、pH7.4、2.5mMのEDTA、5mMのMgCl、0.5mg/mLの無脂肪ウシ血清アルブミン及びプロテアーゼ阻害剤(Cat#P8340、Sigma製)を含む。結合反応を開始させるために、5μLの放射リガンド溶液を加え、混合物をシェーカーに乗せて緩やかに撹拌しながら30℃で1.5時間インキュベートする。96ウェルのハーベスターを使用し、0.05%ポリエチレンイミンに予め浸したGF/Cフィルターで濾過することによって結合を終了させる。シンチレーションカウンターを用いて結合放射ラベルを定量する。種々の化合物に対する見掛け結合親和性を IC50値から計算する(DeBlasiら、Trends Pharmacol Sci 10:227−229,1989)。
【0238】
CHO細胞中で発現された組換えヒトCB2受容体を使用し同様の手順でCB2受容体の結合アッセイを行う。
【0239】
本発明の選択的CB1アンタゴニスト/インバースアゴニストプロドラッグの活性部分は、CB2結合アッセイにおいてCB1アッセイの100倍を越えるIC50を示し、一般には、CB2結合アッセイにおいては1マイクロモルを越えるIC50を示す。
【0240】
本発明のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストプロドラッグの活性部分は、CB1結合アッセイにおいては100ナノモル未満のIC50を示す。
【0241】
生物学的実施例2
カンナビノイド受容体−1(CB1)機能活性アッセイ
CB1受容体の機能活性化は、CHO細胞(Felderら、Mol.Pharmacol.48:443−450,1995)で発現された組換えヒトCB1受容体に基づく。試験化合物のアゴニスト活性又はインバースアゴニスト活性を定量するために、50μLのCB1−CHO細胞懸濁液を試験化合物と混合し、0.34mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン及び5.1μMのforskolinを含有する70μLのアッセイバッファーとを96−ウェルプレートで混合する。アッセイバッファーは、5mMのMgCl、1mMのグルタミン、10mMのHEPES及び1mg/mLのウシ血清アルブミンを補充したEarleの平衡塩類溶液からなる。混合物を室温で30分間インキュベートし、30μl/ウェルの0.5MのHClを加えて反応停止させる。New England Nuclear Flashplate及びcAMPラジオイムノアッセイキットを使用して細胞内cAMP全レベルを定量する。
【0242】
試験化合物のアンタゴニスト活性を定量するためには、反応混合物に、0.5nMのアゴニストCP55940も含有させ、CP55940効果の逆転を定量する。又は、CP55940の一連の用量応答曲線を、各用量応答曲線における被験化合物の濃度を増加させながら作成する。
【0243】
CHO細胞中で発現された組換えヒトCB2受容体を使用し同様の手順でCB2受容体の機能アッセイを行う。
【0244】
本発明のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストプロドラッグの活性部分は、CB1機能アッセイにおいて1マイクロモル未満のEC50を有し、選択的CB1アンタゴニスト/インバースアゴニストは、CB2機能アッセイにおいて1マイクロモルを超えるEC50を有する。
【0245】
生物学的実施例3
ラット又はマウスの短期的摂食試験:一般手順
これらの試験では成体のラット又はマウスを用いる。飼育箱の条件(湿度及び温度の管理、24時間のうち12時間の昼光)に少なくとも2日間馴化させた後、齧歯類のケージから餌を撤去する。実験化合物又はそれらの賦形剤を、経口、腹腔内、皮下又は静脈内経路で投与した後、既知量の餌をケージに戻す。化合物の投与から餌を戻すまでの最適間隔は、化合物の脳内濃度が最大になる時間に基づいた化合物の半減期に基づく。残っている餌を定期的に数回測定する。測定から測定までの時間に摂取した餌の量を体重1グラムあたりの摂取グラムとして摂食量を計算し、化合物の食欲抑制効果を賦形剤の効果と比較する。これらの実験ではマウス又はラットの多くの系統、及び数種類の齧歯類標準食を用いることができる。
【0246】
生物学的実施例4
ラット又はマウスの長期的体重減少試験:一般手順
これらの試験では成体のラット又はマウスを用いる。離乳時又は離乳直後から対照食餌よりも高い割合の脂肪及びショ糖を含有する食餌を独占的に与えることによってラット又はマウスを肥満させる。常用のラット系はCharles River Laboratoriesで飼育したスプレーグ・ドーリーである。いくつかのマウス系を用いることができるが、c57Bl/6マウスは他の系統よりも肥満症になりやすく、高インスリン血症になりやすい。肥満症の誘発に使用した常食は、:Research Diets D12266B(32%脂肪)又はD12451(45%脂肪)及びBioServ S3282(60%脂肪)である。齧歯類が対照食餌のラットよりも有意に体重が増え体脂肪の割合が高くなるまでこれらの食餌を与えるが、この期間はしばしば9週間である。齧歯類に実験化合物又はそれらの賦形剤を、経口、腹腔内、皮下又は静脈内の経路で注射(1〜4回/日)又は連続注入する。食物摂取量と体重とを毎日又は更に高頻度で測定する。測定から測定までの時間に摂取した餌の量を体重1グラムあたりの摂取グラムとして摂食量を計算し、化合物の食欲抑制及び体重減少効果を賦形剤の効果と比較する。
【0247】
生物学的実施例5
尾懸垂試験
尾懸垂試験は、マウス(Steruら、1987)、ラット(Izumiら、1997)及びアレチネズミ(Vartyら、2003)での化合物の抗うつ薬様効果のスクリーニングを行うのに広く用いられている。これは、動物を標準的な持続的嫌悪状態に曝した場合に無力感が生じるという原理に基づくものである。すなわち、動物を尾で吊り下げた場合に、この動物が、いくつかの逃避指向的行動を示し、一時的に不動の期間があって、時間が経過すると完全に不動状態となる。三環系化合物、モノアミン取り込み遮断薬又ははセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のような非常に広い範囲の抗うつ剤を予め投与しておくと、試験を通じて不動の期間が有意に減少するが、不安緩解剤や抗精神病薬ではそれは起こらない(Wongら、2000;Oxenkrug 1999)。
【0248】
対象
温度(22℃)及び湿度(30〜70%)を一定に維持したコロニー室で雄マウスを飼育し、飼料(ハーラン・テクラド(Harlan Teklad)飼料#7012、5%脂肪;3.75kcal/g)及び飲料水を自由に摂取させる。挙動実験に関しては、マウスを逆明/暗周期(21:00に点灯し、09:00に消灯)下で群飼育し(10匹/ケージ)、試験は10:00〜14:00で行う。
【0249】
薬剤
式(1)の化合物を、1%Tween80−生理食塩水溶液に溶かし、溶解度を上げるためにDMSOを加えてもよい。化合物を、0.1mLの容量で腹腔内投与する。
【0250】
尾懸垂試験
精密直線負荷セルに接続された尾ハンガーのある自動尾懸垂装置(TSE Systems,Bad Homburg,Germany)を用いる。マウスの尾1cmを尾ハンガーに挿入し、非刺激性粘着テープで固定する。マウスを、テーブル天板から35cmの高さに6分間にわたって尾で懸垂させる。この間、負荷セルがマウスの動きを記録し、この情報を中央コンピュータに送り、そこで期間内での不動率を記録し、合計不動期間を計算する。合計不動期間を、処置に関する一元配置分散分析(ANOVA)で従属変数として用いる。
【0251】
本発明の特定の実施形態を参照しながら本発明について記述及び説明したが、当業者には本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいて、各種の変更、修正及び置換が可能であることは明らかであろう。例えば、前記で示した本発明の化合物における適応症に関して治療を受ける哺乳動物の応答性の変動の結果として、前記の本明細書に記載の特定の用量以外の有効な用量が適用可能となる場合がある。同様に、観察される具体的な薬理応答は、選択される特定の活性化合物又は医薬担体の有無、並びに使用される製剤の種類及び投与形態に応じて変動し得るものであり、結果におけるそのような予想される変動又は相違は、本発明の目的及び実施に従って想到されるものである。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義され、そのような特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I
【化1】

(式中、Ar及びArはフェニルであり、Rから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
Arは、ピリジルであり、Rから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
は、
(1)−C(O)R
(2)−C(O)OR
(3)−C(O)NR
(4)−S(O)mR
(5)−S(O)mOR
(6)−ONO
(7)−P(O)(OR
(8)−PH(O)(OR)、
(9)−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)R
(10)−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)OR
(11)−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OS(O)
(12)−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OS(O)OR
(13)−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OP(O)(OR、及び
(14)−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OPH(O)(OR)、から選択され;
は、水素及びC1−4アルキルから選択され、ここでアルキルは、Rから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
3a及びR3bは、水素及びC1−4アルキルから独立して選択され;
各Rは、
(1)−OR
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−S(O)
(5)−S(O)NR
(6)−NR
(7)−C(O)R
(8)−OC(O)R
(9)−CO
(10)−CN、
(11)−C(O)NR
(12)−NRC(O)R
(13)−NRC(O)OR
(14)−NRC(O)NR
(15)−CF
(16)−OCF、及び
(17)シクロヘテロアルキル、から独立して選択され;
各Rは、
(1)R
(2)C1−10アルキル、及び
(3)C3−6シクロアルキル、から独立して選択され;
及びRは、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1−10アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル、及び
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル、から独立して選択され、又は
及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、酸素、硫黄及びN−Rから独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む4〜7員の複素環を形成し、そしてR及びRが水素以外である場合は、各R及びRは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換され;
各Rは、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1−10アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル、及び
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル、から独立して選択され、
ここで、Rが水素でない場合は、各Rは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換され;
各Rは、
(1)C1−10アルキル、及び
(2)−C(O)R、から独立して選択され、
各Rは、
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S(O)−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF、及び
(7)−OCF、から独立して選択され;そして
mは、0、1及び2から選択される)で表される化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
Arは、置換されていないか、又はRから選択される1個の置換基で置換されているフェニルであり;
Arは、置換されていないか、又はRから選択される1個の置換基で置換されているフェニルであり;
Arは、置換されていないか、又はRから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されているピリジルであり;
は、−C(O)R、S(O)OR、−P(O)(OR、及び−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)Rから選択され;
は、水素及びC1−4アルキルから選択され;
3a及びR3bは、水素、メチル及びエチルから独立して選択され;
各Rは、
(1)−OH、
(2)−OCH
(3)−OCHCF
(4)−Cl、
(5)−F、
(6)−Br、
(7)−I、
(8)−SOCH
(9)−NH
(10)−OC(O)CH
(11)t−ブチルオキシカルボニル、
(12)−CN、
(13)−CF
(14)−OCF
(15)メチル、
(16)エチル、
(17)イソプロピル、及び
(18)t−ブチル、から独立して選択され;
各Rは、
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)シクロアルキル、
(4)シクロヘテロアルキル、
(5)アリール、及び
(6)ヘテロアリール、から独立して選択され、
ここでRが水素でない場合は、Rは置換されていないか、又はRから選択される1〜3個の置換基で置換され;
各Rは、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、−O−C1−2アルキル、−SCH、−S(O)−CH、−CN、−CF及び−OCFから独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Arは、4−クロロフェニルであり、
Arは、3−シアノフェニルであり、
Arは、置換されていないか、又はRから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されているピリジルであり、
は、−C(O)R、S(O)OR、−P(O)(OR、及び−CH(2−m)(C1−6アルキル)−OC(O)Rから選択され;
は、水素及びメチルから選択され;
3a及びR3bは、それぞれメチルであり;
各Rは、−Cl、−F、−Br、−I、−SOCH、−CH及び−CNから独立して選択され;
各Rは、メチル及びエチルから独立して選択され;
mは、0、1及び2から選択される、請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−アセトキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−(ジエチルホスホリル)−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−メタンスルホニルオキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;及び
N−{[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−2−エトキシスルホニルオキシ−1(S)−メチル]プロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;から選択される、請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
カンナビノイド−1受容体によって介在される疾患を治療するのに有用な薬剤を製造するための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項6】
カンナビノイド−1受容体によって介在される疾患が、精神病、記憶欠落、認知障害、アルツハイマー病、偏頭痛、神経病、神経炎症障害、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、てんかん、パーキンソン病、統合失調症、物質乱用障害、便秘、慢性偽腸閉塞、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、喘息、肥満症及び他の過食に関連する摂食障害から選択される、請求項5記載の使用。
【請求項7】
カンナビノイド−1受容体によって介在される疾患が、物質乱用障害及び過食に関連する摂食障害から選択される、請求項6記載の使用。
【請求項8】
物質乱用障害が、アヘン、アルコール、マリファナ及びニコチンから選択される物質を乱用又は常用する障害であり、前記過食に関連する摂食障害が、肥満症、多食症及び強迫神経性摂食障害から選択される、請求項7記載の使用。
【請求項9】
過食に関連する摂食障害が肥満症である、請求項8記載の使用。
【請求項10】
肥満症のリスクのあるヒトにおいて肥満症を予防するのに有用な薬剤を製造するための請求項1記載の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物、及びシンバスタチン、エゼチミブ及びシタグリプチンから選択される化合物、並びに薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項13】
治療の必要な患者において不眠症の増進に有用な薬物の製造するための請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−537523(P2009−537523A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510985(P2009−510985)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/011368
【国際公開番号】WO2007/136571
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】