説明

三量化用触媒および1−ヘキセンの製造方法

【課題】エチレンの三量化反応において、反応器の壁や攪拌機への副生ポリマーの付着を抑制することができ、1−ヘキセンを効率的に製造することが可能なエチレン三量化用触媒を提供すること。
【解決手段】チタン原子を含むエチレン三量化用錯体と、周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とを接触させて得られるエチレン三量化用触媒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三量化用触媒および1−ヘキセンの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
α−オレフィンは金属触媒によるエチレンのオリゴマー化により製造される工業的に重要な原料モノマーである。しかしながら、エチレンのオリゴマー化は通常Schulz−Flory分布に従いα−オレフィンの混合物を与えるため、一種類のα−オレフィンを選択的に製造しうる触媒系の開発は産業的に非常に重要である。
【0003】
エチレンを選択的に三量化する錯体であるチタン原子を含む錯体が報告されている(例えば特許文献1,2、非特許文献1)。しかし、一般にエチレンの三量化反応では、ポリエチレンが副生し、このため工業的製造においては、反応器の壁や攪拌機などが汚れ、長期運転できない問題が生じる。
特許文献1、非特許文献1および特許文献2には、アルミノキサンを担体に担持した触媒成分と、三量化用錯体とを接触させて得られる三量化用触媒を用いる例が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2004−524959
【特許文献2】WO2009/005003
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Organometallics 2002,21,5122−5135.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、エチレンの三量化反応において、反応器の壁や攪拌機への副生ポリマーの付着を抑制しながら、1−ヘキセンを製造することが可能なエチレン三量化用触媒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の第1は、
チタン原子を含むエチレン三量化用錯体と、周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とを接触させて得られるエチレン三量化用触媒にかかるものである。
【0008】
また、本発明の第2は、
一般式(1−1)〜(1−3)


[式中、Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、Jは元素の周期律表の第13-16族から選択される単一の原子に基づく架橋基を表し、
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
及びRはそれぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
l及びmは1または0であり、l+mは(Jの価数−2)に等しい整数を表す。R、R、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R、R、R10、R11及びR12のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R13、R14、R15、R16及びR17のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合して、それらが結合しているJと一緒になって環を形成していてもよい。
、X及びXのうち、2つの基は結合して、Tiと一緒になって環を形成していてもよい。]のいずれかで表される、チタンを含むエチレン三量化用錯体と、周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とを接触させて得られるエチレン三量化用触媒にかかるものである。
【0009】
また、本発明の第3は、
一般式(2−1)〜(2−3)






[式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
29及びR30はそれぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
20、R21、R22及びR23のうち少なくとも一つは、ハロゲン原子、該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アラルキル基、該アラルキルオキシ基、該置換シリル基、または該2置換アミノ基であり、
20、R21、R22及びR23のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R24、R25、R26、R27及びR28のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R31、R32、R33、R34及びR35のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R36、R37、R38、R39及びR40のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R24、R41、R26、R42及びR28のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R31、R43、R33、R44及びR35のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R29及びR30は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]のいずれかで表される、チタンを含むエチレン三量化用錯体と、周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とを接触させて得られるエチレン三量化用触媒にかかるものである。
【0010】
また、本発明の第4は、前記エチレン三量化用触媒成分を用いた1−ヘキセンの製造方法にかかるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、エチレンの三量化反応において、反応器の壁や攪拌機への副生ポリマーの付着を抑制しながら、1−ヘキセンを製造することが可能なエチレン三量化用触媒成分を提供することができる。
さらに、本発明によれば、エチレン三量化用錯体として、一般式(1−1)〜(1−3)または(2−1)〜(2−3)で表される錯体を用いることにより、1−ヘキセンを効率的、選択的に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において「置換基」という語は、化合物や基を構成するハロゲン原子を包含したものである。
さらに、本発明において、一般式(6−1)〜(6−3)で表される置換シクロペンタジエン化合物には、各シクロペンタジエニル環の二重結合位置がそれぞれ異なる異性体が存在するが、本発明においては、該置換シクロペンタジエニル化合物は、それらのうちのいずれか、またはそれらの混合物を表わす。
【0013】
<エチレン三量化用錯体>
【0014】
本発明において使用されるエチレン三量化用錯体は、チタン原子を含むエチレン三量化用錯体である。チタン原子を含むエチレン三量化用錯体としては、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体、一般式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体、または特許文献2に記載されるフェノキシイミンチタン錯体類などを例示することができる。エチレン三量化用錯体として、好ましくは、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体、または一般式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体であり、より好ましくは、下記一般式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体である。
チタン原子を含む三量化用錯体は、メタロセン型重合触媒成分やチタン原子、マグネシウム原子などを含有するチーグラーナッタ型固体重合触媒成分などの重合触媒成分に対する被毒がなく好ましい。一般式(1−1)〜(1−3)または(2−1)〜(2−3)で表されるエチレン三量化用錯体は、エチレン三量化活性が高く、副生ポリマーが少ないため、より好ましい。一般式(2−1)〜(2−3)で表されるエチレン三量化用錯体は、さらにエチレン三量化活性が高く、副生ポリマー生成量に対する1−ヘキセン生成量の比が高く、もっとも好ましい。
【0015】
チタン原子を含むエチレン三量化用錯体としては、特許文献2に記載される、フェノキシイミンチタン錯体類を好適に挙げることができる。好ましくは、6−アダマンチル−4−メチル−2−[N−{2−(2−メトキシフェニル)}フェニル]イミノ−フェノキシチタニウムトリクロライドである。これらの化合物の合成は、例えばJournal of Organometallic Chemistry誌2003年678巻134−141に記載の方法に準拠して行うことができる。
【0016】
一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体および一般式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表されるエチレン三量化用錯体について説明する。
【0017】
前記遷移金属錯体(1−1)〜(1−3)および(2−1)〜(2−3)において、Cp、J、R〜R44およびX〜Xは、上述のとおりの定義であり、その具体例を以下に示す。
【0018】
Cpとして示されるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えばη−シクロぺンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−ジメチルシクロペンタジエニル基、η−トリメチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−エチルシクロぺンタジエニル基、η−n−プロピルシクロペンタジエニル基、η−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロぺンタジエニル基、η−n−ペンチルシクロぺンタジエニル基、η−ネオペンチルシクロぺンタジエニル基、η−n−ヘキシルシクロぺンタジエニル基、η−n−オクチルシクロぺンタジエニル基、η−フェニルシクロぺンタジエニル基、η−ナフチルシクロぺンタジエニル基、η−トリメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−トリエチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−インデニル基、η−メチルインデニル基、η−ジメチルインデニル基、η−エチルインデニル基、η−n−プロピルインデニル基、η−イソプロピルインデニル基、η−n−ブチルインデニル基、η−sec−ブチルインデニル基、η−tert−ブチルインデニル基、η−n−ペンチルインデニル基、η−ネオペンチルインデニル基、η−n−ヘキシルインデニル基、η−n−オクチルインデニル基、η−n−デシルインデニル基、η−フェニルインデニル基、η−メチルフェニルインデニル基、η−ナフチルインデニル基、η−トリメチルシリルインデニル基、η−トリエチルシリルインデニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルインデニル基、η−テトラヒドロインデニル基、η−フルオレニル基、η−メチルフルオレニル基、η−ジメチルフルオレニル基、η−エチルフルオレニル基、η−ジエチルフルオレニル基、η−n−プロピルフルオレニル基、η−ジ−n−プロピルフルオレニル基、η−イソプロピルフルオレニル基、η−ジイソプロピルフルオレニル基、η−n−ブチルフルオレニル基、η−sec−ブチルフルオレニル基、η−tert−ブチルフルオレニル基、η−ジ−n−ブチルフルオレニル基、η−ジ−sec−ブチルフルオレニル基、η−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、η−n−ペンチルフルオレニル基、η−ネオペンチルフルオレニル基、η−n−ヘキシルフルオレニル基、η−n−オクチルフルオレニル基、η−n−デシルフルオレニル基、η−n−ドデシルフルオレニル基、η−フェニルフルオレニル基、η−ジ−フェニルフルオレニル基、η−メチルフェニルフルオレニル基、η−ナフチルフルオレニル基、η−トリメチルシリルフルオレニル基、η−ビス−トリメチルシリルフルオレニル基、η−トリエチルシリルフルオレニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルフルオレニル基などが挙げられ、好ましくはη−シクロペンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−インデニル基、η−フルオレニル基などである。
【0019】
Jとして示される元素の周期律表の第13-16族から選択される単一の原子に基づく架橋基としては、例えば、ホウ素原子、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、好ましくは、炭素原子またはケイ素原子、より好ましくはケイ素原子である。
【0020】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。
【0021】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基の「炭素原子数1〜20のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びn−エイコシル基などが挙げられる。これらのうち好ましいアルキル基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基及びアミル基等を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数1〜20の範囲であると好ましく、炭素原子数1〜10の範囲がさらに好ましい。好適なハロゲン原子を置換基として有するアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
【0022】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基の「炭素原子数6〜20のアリール基」の具体例としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基などが挙げられる。これらのうち好ましいアリール基としては、炭素原子数6〜10のアリール基であり、さらに好ましはフェニル基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリール基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は6〜20の範囲であると好ましく、6〜10の範囲がさらに好ましい。具体的に好適な、ハロゲン原子を置換基として有するアリール基は、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基等を挙げることができる。
【0023】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基の「炭素原子数7〜20のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。これらのうち好ましいアラルキル基としては、炭素原子数7〜10のアラルキル基であり、さらに好ましくはベンジル基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は7〜20の範囲であると好ましく、7〜10の範囲がさらに好ましい。
【0024】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基の「炭素原子数1〜20のアルコキシ基」の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアルコキシ基としては、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルコキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数1〜20の範囲であると好ましく、1〜10の範囲がさらに好ましい。
【0025】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルコキシ基の「炭素原子数2〜20のアルコキシ基」の具体例としては、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアルコキシ基としては、炭素原子数2〜10のアルコキシ基であり、さらに好ましくはエトキシ基及びtert−ブトキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルコキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数2〜20の範囲であると好ましく、2〜10の範囲がさらに好ましい。
【0026】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の「炭素原子数6〜20のアリールオキシ基」の具体例としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基及びアントラセノキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基であり、さらに好ましくはフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリールオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリールオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は6〜20の範囲であると好ましく、6〜10の範囲がさらに好ましい。
【0027】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基の「炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基」の具体例としては、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアラルキルオキシ基としては、炭素原子数7〜10のアラルキルオキシ基であり、さらに好ましくはベンジルオキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキルオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキルオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は7〜20の範囲であると好ましく、7〜10の範囲がさらに好ましい。
【0028】
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基において、R18はそれぞれ独立に、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基など)、アリール基(フェニル基など)などのハイドロカルビル基;ハイドロカルビル基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わったハロゲン化ハイドロカルビル基であり、3つのR18の炭素原子数の合計が1〜20の範囲である。この3つのR18の炭素原子数の合計は3〜18の範囲が好ましい。該置換シリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を1つ有する1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を2つ有する2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を3つ有する3置換シリル基などが挙げられる。これらのうち好ましくは3置換シリル基であり、さらに好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0029】
−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基において、R19はそれぞれ独立に、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19の炭素原子数の合計が2〜20の範囲であり、2〜10の範囲がさらに好ましい。かかるハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基は、前記置換シリル基のハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基として説明したものと同じである。また、この2つのR19は互いに結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。かかる2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0030】
及びRは結合してそれらが結合しているJと一緒になって環を形成していてもよく、R29及びR30は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
、R、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R24、R25、R26、R27及びR28のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R24、R41、R26、R42及びR28のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
、R、R10、R11及びR12のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R31、R32、R33、R34及びR35のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R31、R43、R33、R44及びR35のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
13、R14、R15、R16及びR17のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R36、R37、R38、R39及びR40のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
20、R21、R22及びR23のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
ここでいう環とは、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換された、飽和もしくは不飽和のハイドロカルビル環、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換された、飽和もしくは不飽和のシラハイドロカルビル環などである。その具体例としては、シクロプロパン環、シクロプロペン環、シクロブタン環、シクロブテン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロヘプテン環、シクロオクタン環、シクロオクテン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、シラシクロプロパン環、シラシクロブタン環、シラシクロペンタン環、シラシクロヘキサン環である。
【0031】
エチレン三量化用錯体(1−1)〜(1−3)としては、次のような錯体を挙げることができる。
【0032】
[1−ジメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジエチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−エチルメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−メチルジフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−シクロヘキシルメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−メチル(n−オクタデシル)フェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリ(4−n−ブチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリ(3−メチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリ(3−イソプロピルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジメチル(3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジエチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジイソプロピルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(2,4,6−トリメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(ペンタメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ビス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)(3,5−ジエチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジフェニルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジベンジルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、などの塩素化チタン錯体が挙げられる。
【0033】
また、ここに例示する錯体において、一般式(1−1)〜(1−3)におけるJをケイ素原子から炭素原子に置き換えた錯体、「クロライド」を「フルオリド」に置き換えたフッ素化チタン錯体、「ブロマイド」に置き換えた臭素化チタン錯体、「アイオダイド」に置き換えたヨウ素化チタン錯体などのハロゲン化チタン錯体、「ハイドライド」に置き換えた水素化チタン錯体、「メチル」に置き換えたメチル化チタン錯体などのアルキル化チタン錯体、「フェニル」に置き換えたフェニル化チタン錯体などのアリール化チタン錯体、「ベンジル」に置き換えたベンジル化チタン錯体などのアラルキル化チタン錯体、「メトキシド」に置き換えたメトキシ化チタン錯体、「n−ブトキシド」に置き換えたn−ブトキシ化チタン錯体、「イソプロポキシド」に置き換えたイソプロポキシ化チタン錯体などのアルコキシ化チタン錯体、「フェノキシド」に置き換えたフェノキシ化チタン錯体などのアリールオキシ化チタン錯体、「ベンジロキシド」に置き換えたベンジロキシ化チタン錯体などのアラルキルオキシ化チタン錯体、「ジメチルアミド」に置き換えたジメチルアミド化チタン錯体、「ジエチルアミド」に置き換えたジエチルアミド化チタン錯体などのアミド化チタン錯体も同様に例示される。
【0034】
また、後述するエチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)の具体的な錯体も、エチレン三量化用錯体(1−1)〜(1−3)の好適な錯体として挙げることができる。
【0035】
以下、エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)について説明する。
前記エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)においてR20、R21、R22及びR23のうち、少なくとも一つは水素以外の置換基であり、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
【0036】
20、R21、R22及びR23の具体例としては、その部分構造式(3)

(式中、R20、R21、R22及びR23は前記と同じ意味を表す。)
において、少なくとも一つは水素以外の置換基を有するシクロペンタジエニル部分構造であり、例えば、次のような部分構造を挙げることができる。
【0037】
メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、n−プロピルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、sec−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、フェニルシクロペンタジエニル、ベンジルシクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、メチルテトラヒドロインデニル、ジメチルテトラヒドロインデニル、オクタヒドロフルオレニル、
【0038】
ここに例示したシクロペンタジエニル部分構造のうち、好ましいシクロペンタジエニル部分構造はテトラメチルシクロペンタジエニルなどである。
【0039】
エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)においてR24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43及びR44は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
【0040】
24、R25、R26、R27及びR28の好ましい組み合わせ、R31、R32、R33、R34及びR35の好ましい組み合わせ、R36、R37、R38、R39及びR40の好ましい組み合わせ、R24、R41、R26、R42及びR28の好ましい組み合わせ、ならびにR31、R43、R33、R44及びR35の好ましい組み合わせとしては、それぞれ、その部分構造式(4−1)

(式中、R24、R25、R26、R27及びR28は前記と同じ意味を表す。)、
部分構造式(4−2)

(式中、R31、R32、R33、R34及びR35は前記と同じ意味を表す。)、およびその部分構造式(4−3)

(式中、R36、R37、R38、R39及びR40は前記と同じ意味を表す。)
部分構造式(4−4)

(式中、R24、R41、R26、R42及びR28は前記と同じ意味を表す。)、
部分構造式(4−5)

(式中、R31、R43、R33、R44及びR35は前記と同じ意味を表す。)
において、例えば、次のような部分構造を挙げることができる。
【0041】
フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、テトラメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、トリエチルフェニル、テトラエチルフェニル、ペンタエチルフェニル、tert−ブチルフェニル、ジ−tert−ブチルフェニル、tert−ブチルメチルフェニル、ジ(tert−ブチル)メチルフェニル、フェニルフェニル、ジフェニルフェニル、トリフェニルフェニル、テトラフェニルフェニル、ペンタフェニルフェニル、ベンジルフェニル、ジベンジルフェニル、トリベンジルフェニル、テトラベンジルフェニル、ペンタベンジルフェニル、ナフチル、アントラセニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、フルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル
【0042】
ここに例示した部分構造のうち、好ましい部分構造はフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、ジエチルフェニル、ジ−tert−ブチルフェニルなどである。
【0043】
エチレン三量化用錯体(2−1)においてR29及びR30は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、またはベンジル基が挙げられる。
【0044】
29及びR30のうち好ましい組み合わせとしては、その部分構造式(5)

(式中、R29及びR30は前記と同じ意味を表す。)
において、次のような部分構造を挙げることができる。
【0045】
ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、エチルメチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、メチル(n−プロピル)シリレン、ジ(n−ブチル)シリレン、n−ブチルメチルシリレン、n−ヘキシルメチルシリレン、メチル(n−オクチル)シリレン、n−デシルメチルシリレン、メチル(n−オクタデシル)シリレン、シクロヘキシルメチルシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、
【0046】
部分構造式(5)において、
29がメチル基であり、R30
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキル基
である部分構造式、
29及びR30が同一であり、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基
である部分構造式、または、
29及びR30が同一ではなく、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基
である構造式を好ましく挙げることができ、
具体的には、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、エチルメチルシリレン、n−ブチルメチルシリレン、シクロヘキシルメチルシリレン、シクロテトラメチレンシリレンなどである。
【0047】
エチレン三量化用錯体(2−1)において、好ましくは、R25及びR27が、それぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、または
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基である遷移金属錯体を挙げることができる。
【0048】
エチレン三量化用錯体(2−2)においてR30は、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基が挙げられる。
【0049】
エチレン三量化用錯体(2−2)において、好ましくは、R25、R27、R32、及びR34が、それぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、または
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基である遷移金属錯体を挙げることができる。
【0050】
エチレン三量化用錯体(2−3)として、好ましくは、R37、R39、R41、R42、R43、及びR44が、それぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、または
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基である遷移金属錯体を挙げることができる。
【0051】
エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)を具体的に例示すると、次のような錯体を挙げることができる。
【0052】
[1−ジメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジエチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−シクロテトラメチレン(フェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−エチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−メチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−メチルビス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−シクロヘキシルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−メチル(n−オクタデシル)フェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリ(4−n−ブチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリ(3−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリ(3−イソプロピルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジメチル(3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジエチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジイソプロピルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(2,4,6−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(ペンタメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ビス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)(3,5−ジエチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジフェニルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリス(3,5−ジベンジルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、
【0053】
などの塩素化チタン錯体が挙げられる。また、ここに例示する錯体において、「2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル」を「2−メチルシクロペンタジエニル」、「3−メチルシクロペンタジエニル」、「2,3−ジメチルシクロペンタジエニル」、「2,4−ジメチルシクロペンタジエニル」、「2,5−ジメチルシクロペンタジエニル」、「2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル」、「2−エチルシクロペンタジエニル」、「3−エチルシクロペンタジエニル」、「2−n−プロピルシクロペンタジエニル」、「3−n−プロピルシクロペンタジエニル」、「2−イソプロピルシクロペンタジエニル」、「3−イソプロピルシクロペンタジエニル」、「2−n−ブチルシクロペンタジエニル」、「3−n−ブチルシクロペンタジエニル」、「2−sec−ブチルシクロペンタジエニル」、「3−sec−ブチルシクロペンタジエニル」、「2−tert−ブチルシクロペンタジエニル」、「3−tert−ブチルシクロペンタジエニル」、「2−フェニルシクロペンタジエニル」、「3−フェニルシクロペンタジエニル」、「2−ベンジルシクロペンタジエニル」、「3−ベンジルシクロペンタジエニル」、「インデニル」、「2−メチルインデニル」、「フルオレニル」、「テトラヒドロインデニル」、「2−メチルテトラヒドロインデニル」、「オクタヒドロフルオレニル」に置き換えた塩素化チタン錯体も同様に例示される。
【0054】
さらに、ここに例示する錯体において、「クロライド」を「フルオリド」に置き換えたフッ素化チタン錯体、「ブロマイド」に置き換えた臭素化チタン錯体、「アイオダイド」に置き換えたヨウ素化チタン錯体などのハロゲン化チタン錯体、「ハイドライド」に置き換えた水素化チタン錯体、「メチル」に置き換えたメチル化チタン錯体などのアルキル化チタン錯体、「フェニル」に置き換えたフェニル化チタン錯体などのアリール化チタン錯体、「ベンジル」に置き換えたベンジル化チタン錯体などのアラルキル化チタン錯体、「メトキシド」に置き換えたメトキシ化チタン錯体、「n−ブトキシド」に置き換えたn−ブトキシ化チタン錯体、「イソプロポキシド」に置き換えたイソプロポキシ化チタン錯体などのアルコキシ化チタン錯体、「フェノキシド」に置き換えたフェノキシ化チタン錯体などのアリールオキシ化チタン錯体、「ベンジロキシド」に置き換えたベンジロキシ化チタン錯体などのアラルキルオキシ化チタン錯体、「ジメチルアミド」に置き換えたジメチルアミド化チタン錯体、「ジエチルアミド」に置き換えたジエチルアミド化チタン錯体などのアミド化チタン錯体も同様に例示される。
【0055】
<エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)の製造方法>
エチレン三量化用錯体(2−1)は式(6−1)で表される置換シクロペンタジエン化合物から、エチレン三量化用錯体(2−2)は式(6−2)で表される置換シクロペンタジエン化合物から、エチレン三量化用錯体(2−3)は式(6−3)で表される置換シクロペンタジエン化合物から、それぞれ同様にして製造することができる。
(6−1)

[式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は前記と同義である。]
(6−2)

[式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R30、R31、R32、R33、R34及びR35は前記と同義である。]
(6−3)

[式中、R20、R21、R22、R23、R24、R26、R28、R31、R33、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43及びR44は前記と同義である。]
以下、エチレン三量化用錯体(2−1)を例に説明する。エチレン三量化用錯体(2−1)は例えば、式(6−1)

[式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は前記と同義である。]
で示される置換シクロペンタジエン化合物(以下、「置換シクロペンタジエン化合物(6−1)」という。)と、塩基とをアミン化合物の存在下に反応させる工程;
前記置換シクロペンタジエン化合物(6−1)と塩基との反応物に、
以下の一般式(7)

(式中、X、X及びXは前記と同義であり、XはX、X及びXと同じ定義である。qは、0または1である。)
で示される遷移金属化合物(以下、「遷移金属化合物(7)」という。)を反応させる工程を有する製造方法により製造することができる。以下、前記置換シクロペンタジエン化合物(6−1)と塩基とをアミン化合物の存在下に反応させる工程を「第1反応工程」、前記置換シクロペンタジエン化合物(6−1)と塩基との反応物に、遷移金属化合物(7)を反応させる工程を「第2反応工程」ということがある。
【0056】
前記置換シクロペンタジエン化合物(6−1)において、そのシクロペンタジエン環の二重結合の位置が異なる異性体は以下の構造異性体のことである。

一般式(6−1)で表される化合物には、各シクロペンタジエニル環の二重結合位置がそれぞれ異なる異性体が存在するが、本発明においてはそれらのうちのいずれか、またはそれらの混合物を表わす。
【0057】
前記遷移金属化合物(7)において、置換基Xは上述のとおりの定義であり、その具体例としてはX、X及びXで挙げたものと同様のものを挙げることができる。
【0058】
前記遷移金属化合物(7)としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタンなどのハロゲン化チタン;テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、ジクロロビス(ジメチルアミノ)チタン、トリクロロ(ジメチルアミノ)チタン、テトラキス(ジエチルアミノ)チタンなどのアミドチタン;テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、ジクロロジイソプロポキシチタン、トリクロロイソプロポキシチタンなどのアルコキシチタンなどが挙げられる。これらのうち、好ましい遷移金属化合物(4)は四塩化チタンである。
【0059】
前記第1反応工程において、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)と反応させる塩基としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムトリメチルシリルアセチリド、リチウムアセチリド、トリメチルシリルメチルリチウム、ビニルリチウム、フェニルリチウム及びアリルリチウムなどの有機リチウム化合物に代表される有機アルカリ金属化合物などが挙げられる。
【0060】
塩基の使用量は、置換シクロペンタジエニル化合物(6−1)1モルあたり、0.5〜5モルの範囲であればよい。
【0061】
前記第1反応工程における置換シクロペンタジエン化合物(6−1)と塩基との反応においては、アミン化合物が用いられる。かかるアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、アニリン、エチレンジアミンなどの第1級アミン化合物;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−デシルアミン、ピロリジン、ヘキサメチルジシラザン、ジフェニルアミンなどの第2級アミン化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルピロリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの第3級アミン化合物;が挙げられる。かかるアミン化合物の使用量は、塩基1モルあたりに、10モル以下であると好ましく、0.5〜10モルの範囲であるとより好ましく、1〜5モルの範囲であるとさらに好ましい。
【0062】
前記第1反応工程において、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)と塩基とを反応させる際には溶媒の存在下で反応させることが好ましい。また、溶媒を用いるときには、該溶媒中で置換シクロペンタジエン化合物(6−1)及び塩基を反応させた後、この反応混合物中に遷移金属化合物(7)を加えることにより、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)及び塩基の反応物に、遷移金属化合物(7)をさらに反応させることができる。なお、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)及び塩基を反応させた反応混合物には固体が析出することがあるが、この場合には、析出した固体が溶解するまで溶媒を追加したり、析出した固体をろ過等により、一旦分離してもよく、分離した固体に溶媒を加えて溶解させたり、懸濁させた後で、遷移金属化合物(7)を加えてもよい。また、溶媒を用いる場合、該溶媒に置換シクロペンタジエン化合物(6−1)、塩基及び遷移金属化合物(7)を同時に加えることにより、第1反応工程と第2反応工程とを略同時に実施することもできる。
【0063】
第1反応工程又は、第1反応工程及び第2反応工程に用いる溶媒は、これらの工程に係る反応の進行を著しく妨げない不活性な溶媒が用いられる。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族ハイドロカルビル系溶媒;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族ハイドロカルビル系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒;ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒といった非プロトン性溶媒などが例示される。かかる溶媒は単独もしくは2種以上を混合して用いることができ、その使用量は、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)1重量部にあたり、1〜200重量部が好ましく、3〜50重量部がさらに好ましい。
【0064】
遷移金属化合物(7)の使用量は、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)1モルあたり、0.5〜3モルの範囲が好ましく、0.7〜1.5モルの範囲がさらに好ましい。
【0065】
第1反応工程及び第2反応工程における反応温度は、−100℃以上、溶媒の沸点以下であればよく、好ましくは−80〜100℃の範囲である。
【0066】
かくして第1反応工程及び第2反応工程を経て得られた反応混合物からは各種公知の精製方法により、生成したエチレン三量化用錯体(2−1)を取り出すことができる。例えば、第1反応工程及び第2反応工程の後に、生成した沈殿を濾別後、濾液を濃縮して遷移金属錯体を析出させた後、これを濾取する方法などによって目的のエチレン三量化用錯体(2−1)を得ることができる。
【0067】
また、エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)のX、XおよびXの一部が、水素原子、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基などなどで置換された化合物は、エチレン三量化用錯体(2−1)〜(2−3)のX、XおよびXがハロゲン原子である化合物と、対応するアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、またはアラルキルオキシ基をもつリチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物またはマグネシウム化合物との反応によっても得ることができる。
【0068】
<置換シクロペンタジエン化合物(6−1)〜(6−3)>
【0069】
置換シクロペンタジエン化合物(6−1)〜(6−3)において、置換基R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43及びR44は上述のとおりの定義である。
【0070】
置換シクロペンタジエン化合物(6−1)を具体的に例示すると、次のような置換シクロペンタジエン化合物を挙げることができる。
【0071】
1−ジメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジエチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルジ(n−プロピル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジイソプロピルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(n−ブチル)フェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(イソブチル)フェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(sec−ブチル)フェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(tert−ブチル)フェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−エチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(n−プロピル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(イソプロピル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−ブチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−イソブチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−sec−ブチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−tert−ブチルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−シクロヘキシルメチルフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(n−オクタデシル)フェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0072】
1−ジメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジエチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−(3,5−ジメチルフェニル)ジ(n−プロピル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジイソプロピル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(n−ブチル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(イソブチル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(sec−ブチル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(tert−ブチル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−エチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(3,5−ジメチルフェニル)(n−プロピル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(3,5−ジメチルフェニル)(イソプロピル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−ブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−イソブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−sec−ブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−tert−ブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−シクロヘキシルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(n−オクタデシル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0073】
また、ここに例示する置換シクロペンタジエン化合物において「2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン」を「2−メチルシクロペンタジエン」、「3−メチルシクロペンタジエン」、「2,3−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,4−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,5−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,3,5−トリメチルシクロペンタジエン」、「2−エチルシクロペンタジエン」、「3−エチルシクロペンタジエン」、「2−n−プロピルシクロペンタジエン」、「3−n−プロピルシクロペンタジエン」、「2−イソプロピルシクロペンタジエン」、「3−イソプロピルシクロペンタジエン」、「2−n−ブチルシクロペンタジエン」、「3−n−ブチルシクロペンタジエン」、「2−sec−ブチルシクロペンタジエン」、「3−sec−ブチルシクロペンタジエン」、「2−tert−ブチルシクロペンタジエン」、「3−tert−ブチルシクロペンタジエン」、「2−フェニルシクロペンタジエン」、「3−フェニルシクロペンタジエン」、「2−ベンジルシクロペンタジエン」、「3−ベンジルシクロペンタジエン」、「インデン」、「2−メチルインデン」、「フルオレン」、「テトラヒドロインデン」、「2−メチルテトラヒドロインデン」、「オクタヒドロフルオレン」に置き換えた、置換シクロペンタジエン化合物も同様に例示される。
【0074】
置換シクロペンタジエン化合物(6−2)を具体的に例示すると、次のような置換シクロペンタジエン化合物を挙げることができる。
【0075】
1−メチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−エチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−プロピルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−イソプロピルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−ブチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−イソブチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−sec−ブチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−tert−ブチルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−シクロヘキシルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−オクタデシルジフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(2−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(3−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(4−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(2,3−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(2,4−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(2,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(2,6−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(3,4,5−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0076】
1−エチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−プロピルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−イソプロピルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−ブチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−イソブチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−sec−ブチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−tert−ブチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−シクロヘキシルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−n−オクタデシルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(2−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(3−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(4−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(2,3−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(2,4−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(2,5−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルフェニル(2,6−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチルビス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−メチル(3,5−ジメチルフェニル)(3,4,5−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0077】
また、ここに例示する置換シクロペンタジエン化合物において「2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン」を「2−メチルシクロペンタジエン」、「3−メチルシクロペンタジエン」、「2,3−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,4−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,5−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,3,5−トリメチルシクロペンタジエン」、「2−エチルシクロペンタジエン」、「3−エチルシクロペンタジエン」、「2−n−プロピルシクロペンタジエン」、「3−n−プロピルシクロペンタジエン」、「2−イソプロピルシクロペンタジエン」、「3−イソプロピルシクロペンタジエン」、「2−n−ブチルシクロペンタジエン」、「3−n−ブチルシクロペンタジエン」、「2−sec−ブチルシクロペンタジエン」、「3−sec−ブチルシクロペンタジエン」、「2−tert−ブチルシクロペンタジエン」、「3−tert−ブチルシクロペンタジエン」、「2−フェニルシクロペンタジエン」、「3−フェニルシクロペンタジエン」、「2−ベンジルシクロペンタジエン」、「3−ベンジルシクロペンタジエン」、「インデン」、「2−メチルインデン」、「フルオレン」、「テトラヒドロインデン」、「2−メチルテトラヒドロインデン」、「オクタヒドロフルオレン」に置き換えた、置換シクロペンタジエン化合物も同様に例示される。
【0078】
置換シクロペンタジエン化合物(6−3)を具体的に例示すると、次のような置換シクロペンタジエン化合物を挙げることができる。
【0079】
1−トリフェニルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルジ(2−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルジ(3−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルジ(4−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルビス(2,3−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルビス(2,4−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルビス(2,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルビス(2,6−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルビス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニルビス(3,4,5−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0080】
1−ジフェニル(2−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(3−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(4−メチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(2,3−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(2,4−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(2,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(2,6−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジフェニル(3,4,5−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0081】
1−フェニル(2−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(3−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(4−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(2,3−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(2,4−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(2,5−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(2,6−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−フェニル(3,5−ジメチルフェニル)(3,4,5−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0082】
1−ジ(2−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(3−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ジ(4−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ビス(2,3−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ビス(2,4−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ビス(2,5−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−ビス(2,6−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、1−(3,5−ジメチルフェニル)ビス(3,4,5−トリメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン、
【0083】
また、ここに例示する置換シクロペンタジエン化合物において「2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン」を「2−メチルシクロペンタジエン」、「3−メチルシクロペンタジエン」、「2,3−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,4−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,5−ジメチルシクロペンタジエン」、「2,3,5−トリメチルシクロペンタジエン」、「2−エチルシクロペンタジエン」、「3−エチルシクロペンタジエン」、「2−n−プロピルシクロペンタジエン」、「3−n−プロピルシクロペンタジエン」、「2−イソプロピルシクロペンタジエン」、「3−イソプロピルシクロペンタジエン」、「2−n−ブチルシクロペンタジエン」、「3−n−ブチルシクロペンタジエン」、「2−sec−ブチルシクロペンタジエン」、「3−sec−ブチルシクロペンタジエン」、「2−tert−ブチルシクロペンタジエン」、「3−tert−ブチルシクロペンタジエン」、「2−フェニルシクロペンタジエン」、「3−フェニルシクロペンタジエン」、「2−ベンジルシクロペンタジエン」、「3−ベンジルシクロペンタジエン」、「インデン」、「2−メチルインデン」、「フルオレン」、「テトラヒドロインデン」、「2−メチルテトラヒドロインデン」、「オクタヒドロフルオレン」に置き換えた、置換シクロペンタジエン化合物も同様に例示される。
【0084】
<置換シクロペンタジエン化合物(−1)〜(6−3)の製造方法>
置換シクロペンタジエン化合物(6−1)は、式(8)で示される置換シクロペンタジエン化合物(以下「置換シクロペンタジエン化合物(8)」と略す)と、塩基とを反応させる工程;
前記置換シクロペンタジエン化合物(8)と塩基との反応物に、式(9−1)で示されるハロゲン化ケイ素化合物(以下「ハロゲン化ケイ素化合物(9−1)」と略す)を反応させる工程により、
置換シクロペンタジエン化合物(6−2)は、置換シクロペンタジエン化合物(8)と、塩基とを反応させる工程;
前記置換シクロペンタジエン化合物(8)と塩基との反応物に、式(9−2)で示されるハロゲン化ケイ素化合物(以下「ハロゲン化ケイ素化合物(9−2)」と略す)を反応させる工程により、
置換シクロペンタジエン化合物(6−3)は、置換シクロペンタジエン化合物(8)と、塩基とを反応させる工程;
前記置換シクロペンタジエン化合物(8)と塩基との反応物に、式(9−3)で示されるハロゲン化ケイ素化合物(以下「ハロゲン化ケイ素化合物(9−3)」と略す)を反応させる工程により、
それぞれ同様にして製造することができる。
一般式(8)

[式中、R20、R21、R22及びR23は前記と同義であり

一般式(9−1)

[式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は前記と同義であり、Xはハロゲン原子である。]
一般式(9−2)

[式中、R24、R25、R26、R27、R28、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35は前記と同義であり、Xはハロゲン原子である。]
一般式(9−3)

[式中、R24、R26、R28、R31、R33、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、及びR44は前記と同義であり、Xはハロゲン原子である。]
以下、置換シクロペンタジエン化合物(6−1)を例に説明する。
【0085】
置換シクロペンタジエン化合物(8)は、下記のとおりである。

[式中、R20、R21、R22及びR23は前記と同義であり

【0086】
前記置換シクロペンタジエン化合物(8)としては、例えば、次のような化合物を挙げることができる。
【0087】
メチルシクロペンタジエン、1,2−ジメチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,2−ジエチルシクロペンタジエン、1,3−ジエチルシクロペンタジエン、1,2,3−トリエチルシクロペンタジエン、1,2,4−トリエチルシクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラエチルシクロペンタジエン、n−プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、n−ブチルシクロペンタジエン、sec−ブチルシクロペンタジエン、tert−ブチルシクロペンタジエン、n−ペンチルシクロペンタジエン、ネオペンチルシクロペンタジエン、n−ヘキシルシクロペンタジエン、n−オクチルシクロペンタジエン、フェニルシクロペンタジエン、ナフチルシクロペンタジエン、トリメチルシリルシクロペンタジエン、トリエチルシリルシクロペンタジエン、tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエン、インデン、2−メチルインデン、テトラヒドロインデン、2−メチルテトラヒドロインデン、3−メチルテトラヒドロインデン、2,3−ジメチルテトラヒドロインデン、2−エチルテトラヒドロインデン、2−n−プロピルテトラヒドロインデン、2−イソプロピルテトラヒドロインデン、2−n−ブチルテトラヒドロインデン、2−sec−ブチルテトラヒドロインデン、2−tert−ブチルテトラヒドロインデン、2−n−ペンチルテトラヒドロインデン、2−ネオペンチルテトラヒドロインデン、2−アミルテトラヒドロインデン、2−n−ヘキシルテトラヒドロインデン、2−シクロヘキシルテトラヒドロインデン、2−n−オクチルテトラヒドロインデン、2−n−デシルテトラヒドロインデン、2−フェニルテトラヒドロインデン、2−ベンジルテトラヒドロインデン、2−ナフチルテトラヒドロインデン、2−メトキシテトラヒドロインデン、2−フェノキシテトラヒドロインデン、2−ベンジルオキシテトラヒドロインデン、2−ジメチルアミノテトラヒドロインデン、2−トリメチルシリルテトラヒドロインデン、フルオレン、オクタヒドロフルオレン
【0088】
ここに例示する置換シクロペンタジエン化合物(8)において、シクロペンタジエン環の二重結合の位置が異なる異性体が存在する場合、これらの異性体混合物であってもよい。
【0089】
ハロゲン化ケイ素化合物(9−1)は、下記の通りである。

[式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は前記と同義であり、Xはハロゲン原子である。]
【0090】
ハロゲン化ケイ素化合物(9−1)を具体的に例示すると、次のようなハロゲン化ケイ素化合物を挙げることができる。
【0091】
クロロジメチルフェニルシラン、クロロジエチルフェニルシラン、クロロフェニルジ(n−プロピル)シラン、クロロジイソプロピルフェニルシラン、ジ(n−ブチル)クロロフェニルシラン、ジ(イソブチル)クロロフェニルシラン、ジ(sec−ブチル)クロロフェニルシラン、ジ(tert−ブチル)クロロフェニルシラン、クロロエチルメチルフェニルシラン、クロロメチルフェニル(n−プロピル)シラン、クロロメチルフェニル(イソプロピル)シラン、n−ブチルクロロメチルフェニルシラン、イソブチルクロロメチルフェニルシラン、sec−ブチルクロロメチルフェニルシラン、tert−ブチルクロロメチルフェニルシラン、クロロシクロヘキシルメチルフェニルシラン、クロロメチル(n−オクタデシル)フェニルシラン、
【0092】
クロロジメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロジエチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロ(3,5−ジメチルフェニル)ジ(n−プロピル)シラン、クロロジイソプロピル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、ジ(n−ブチル)クロロ(3,5−ジメチルフェニル)シラン、ジ(イソブチル)クロロ(3,5−ジメチルフェニル)シラン、ジ(sec−ブチル)クロロ(3,5−ジメチルフェニル)シラン、ジ(tert−ブチル)クロロ(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロエチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)(n−プロピル)シラン、クロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)(イソプロピル)シラン、n−ブチルクロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、イソブチルクロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、sec−ブチルクロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、tert−ブチルクロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロシクロヘキシルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(n−オクタデシル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、
【0093】
ここに例示する化合物において、「クロロ」を「フルオロ」、「ブロモ」、「ヨード」に置き換えたものも同様に例示される。
【0094】
ハロゲン化ケイ素化合物(9−2)を具体的に例示すると、次のようなハロゲン化ケイ素化合物を挙げることができる。
【0095】
クロロメチルジフェニルシラン、クロロエチルジフェニルシラン、クロロ−n−プロピルジフェニルシラン、クロロイソプロピルジフェニルシラン、n−ブチルクロロジフェニルシラン、イソブチルクロロジフェニルシラン、sec−ブチルクロロジフェニルシラン、tert−ブチルクロロジフェニルシラン、クロロシクロヘキシルジフェニルシラン、クロロ−n−オクタデシルジフェニルシラン、クロロメチルフェニル(2−メチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(3−メチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(4−メチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(2,3−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(2,4−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(2,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(2,6−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(3,4,5−トリメチルフェニル)シラン、
【0096】
クロロエチルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロ−n−プロピルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロイソプロピルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、n−ブチルクロロフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、イソブチルクロロフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、sec−ブチルクロロフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、tert−ブチルクロロフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロシクロヘキシルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロ−n−オクタデシルフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(2−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(3−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(4−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(2,3−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(2,4−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(2,5−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルフェニル(2,6−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチルビス(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロメチル(3,5−ジメチルフェニル)(3,4,5−トリメチルフェニル)シラン、
【0097】
ここに例示する化合物において、「クロロ」を「フルオロ」、「ブロモ」、「ヨード」に置き換えたものも同様に例示される。
【0098】
ハロゲン化ケイ素化合物(9−3)を具体的に例示すると、次のようなハロゲン化ケイ素化合物を挙げることができる。
【0099】
クロロトリフェニルシラン、クロロフェニルジ(2−メチルフェニル)シラン、クロロフェニルジ(3−メチルフェニル)シラン、クロロフェニルジ(4−メチルフェニル)シラン、クロロフェニルビス(2,3−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニルビス(2,4−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニルビス(2,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニルビス(2,6−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニルビス(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニルビス(3,4,5−トリメチルフェニル)シラン、
【0100】
クロロジフェニル(2−メチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(3−メチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(4−メチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(2,3−ジメチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(2,4−ジメチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(2,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(2,6−ジメチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロジフェニル(3,4,5−トリメチルフェニル)シラン、
【0101】
クロロフェニル(2−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(3−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(4−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(2,3−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(2,4−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(2,5−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(2,6−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロフェニル(3,5−ジメチルフェニル)(3,4,5−トリメチルフェニル)シラン、
【0102】
クロロジ(2−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロジ(3−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロジ(4−メチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロビス(2,3−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロビス(2,4−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロビス(2,5−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロビス(2,6−ジメチルフェニル)(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロトリス(3,5−ジメチルフェニル)シラン、クロロ(3,5−ジメチルフェニル)ビス(3,4,5−トリメチルフェニル)シラン、
【0103】
ここに例示する化合物において、「クロロ」を「フルオロ」、「ブロモ」、「ヨード」に置き換えたものも同様に例示される。
【0104】
置換シクロペンタジエン化合物(8)と反応させる塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、水素化カルシウムなどのアルカリ土類金属水素化物、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムトリメチルシリルアセチリド、リチウムアセチリド、トリメチルシリルメチルリチウム、ビニルリチウム、フェニルリチウム及びアリルリチウムなどの有機リチウム化合物に代表される有機アルカリ金属化合物などが挙げられ、その使用量は置換シクロペンタジエン化合物(8)に対して通常0.5〜3モル倍、好ましくは0.9〜2モル倍の範囲である。水素化ナトリウム、水素化カリウムについては、通常市販されているミネラルオイル含有品をそのまま使用できるが、もちろんヘキサン等のハイドロカルビル系溶媒でミネラルオイルを洗浄除去後使用してもよい。
【0105】
置換シクロペンタジエン化合物(8)と、塩基とを反応させる工程においては、アミン化合物を用いてもよい。かかるアミン化合物としては、例えば、アニリン、クロロアニリン、ブロモアニリン、フルオロアニリン、ジクロロアニリン、ジブロモアニリン、ジフルオロアニリン、トリクロロアニリン、トリブロモアニリン、トリフルオロアニリン、テトラクロロアニリン、テトラブロモアニリン、テトラフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタフルオロアニリン、ニトロアニリン、ジニトロアニリン、ヒドロキシアニリン、フェニレンジアミン、アニシジン、ジメトキシアニリン、トリメトキシアニリン、エトキシアニリン、ジエトキシアニリン、トリエトキシアニリン、n−プロポキシアニリン、イソプロポキシアニリン、n−ブトキシアニリン、sec−ブトキシアニリン、イソブトキシアニリン、t−ブトキシアニリン、フェノキシアニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、イソブチルアニリン、t−ブチルアニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジ−n−プロピルアニリン、ジイソプロピルアニリン、ジ−n−ブチルアニリン、ジ−sec−ブチルアニリン、ジイソブチルアニリン、ジ−t−ブチルアニリン、トリメチルアニリン、トリエチルアニリン、ジイソプロピルアニリン、フェニルアニリン、ベンジルアニリン、アミノ安息香酸、アミノ安息香酸メチルエステル、アミノ安息香酸エチルエステル、アミノ安息香酸n−プロピルエステル、アミノ安息香酸イソプロピルエステル、アミノ安息香酸n−ブチルエステル、アミノ安息香酸イソブチルエステル、アミノ安息香酸sec−ブチルエステル、アミノ安息香酸t−ブチルエステル等の1級アニリン類、さらにナフチルアミン、ナフチルメチルアミン、ベンジルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン等も含む1級アミン、
【0106】
N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジフェニルアミン、N−メチルクロロアニリン、N−メチルブロモアニリン、N−メチルフルオロアニリン、N−メチルアニシジン、N−メチルメチルアニリン、N−メチルエチルアニリン、N−メチル−n−プロピルアニリン、N−メチルイソプロピルアニリン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、モルホリン、ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピロリジン、2−メチルアミノピリジン、3−メチルアミノピリジン、4−メチルアミノピリジン、等の2級アミン、
【0107】
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルクロロアニリン、N,N−ジメチルブロモアニリン、N,N−ジメチルフルオロアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N−メチルメチルアニリン、N,N−ジメチルエチルアニリン、N,N−ジメチル−n−プロピルアニリン、N,N−ジメチルイソプロピルアニリン、1、4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、2−ジメチルアミノピリジン、3−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミンが挙げられ、好ましくは1級アミンまたは2級アミン、より好ましくは1級アニリン類が使用される。
【0108】
かかるアミン化合物の使用量は塩基に対して通常0.001〜2モル倍、好ましくは0.01〜0.5モル倍の範囲である。反応は通常、反応に対して不活性な溶媒中で行われる。かかる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族ハイドロカルビル系溶媒、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒といった非プロトン性溶媒が挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用量はシクロペンタジエン類に対して通常1〜200重量倍、好ましくは3〜30重量倍の範囲である。
【0109】
反応に際しては、例えば溶媒中で置換シクロペンタジエン化合物(8)、塩基、アミン化合物を同時に混合してもよいし、予め塩基とアミン化合物を混合した後に置換シクロペンタジエン化合物(8)を添加してもよい。反応温度は特に制限はないが、低温設備を必要としない温度領域が工業的には良く、例えば0〜70℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。かかる反応によって置換シクロペンタジエン化合物(8)の金属塩が効率よく生成する。かくして得られた置換シクロペンタジエン化合物(8)の金属塩は、反応混合物のまま用いてもよいし、該反応混合物から取り出して用いてもよいが、通常前者で充分である。
【0110】
置換シクロペンタジエン化合物(6−1)を得る反応は通常、反応に対して不活性な溶媒中で行われる。かかる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族ハイドロカルビル系溶媒、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒といった非プロトン性溶媒が挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用量は置換シクロペンタジエン化合物(8)に対して通常1〜200重量倍、好ましくは3〜30重量倍の範囲である。本反応は、例えば溶媒中で塩基、アミン化合物および置換シクロペンタジエン化合物(8)を混合した後、ハロゲン化ケイ素化合物(9−1)を添加することによって行われるのが通常であるが、一度に混合する方法を採用しても目的の置換シクロペンタジエン化合物(6−1)は生成する。反応温度は特に制限はないが、低温設備を必要としない温度領域が工業的には有利であり、例えば0〜70℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。
【0111】
置換シクロペンタジエン化合物(8)の使用量はハロゲン化ケイ素化合物(9−1)に対して通常0.5〜5モル倍、好ましくは0.8〜3モル倍の範囲である。
【0112】
反応終了後、得られた反応混合物に水、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液、または塩酸などの水溶液などを加えたのち、有機層と水層とに分液し、有機層として置換シクロペンタジエン化合物(6−1)の溶液が得られる。反応において水と相溶性の溶媒を用いた場合や反応における溶媒の使用量が少ないために有機層と水層とを容易に分液できない場合には、必要により該反応混合物にトルエン、酢酸エチル、クロロベンゼンなどの水に不溶の有機溶媒を加えた後に分液すればよい。得られた有機層を濃縮すれば置換シクロペンタジエン化合物(6−1)が得られるが、必要により、蒸留、カラムクロマトグラフ処理などの方法によって精製してもよい。
【0113】
<活性化助触媒成分>
本発明で用いられる活性化助触媒成分は、周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分であり、下記(a)、(b)および(c)を接触させて得られる活性化助触媒成分(以下、活性化助触媒成分−1という。)を挙げることができる。
(a):下記一般式[A1]で表される化合物
[A1]
(b):下記一般式[A2]で表される化合物
t−1H [A2]
(c):下記一般式[A3]で表される化合物
u−2T’H [A3]
(上記一般式[A1]〜[A3]において、Mは周期律表第12族の原子を表し、nはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良く、Eは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、E はハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、E が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。Tは周期律表の第15族または第16族の原子を表し、tはTの原子価を表す。T’は周期律表の第15族または第16族の原子を表し、uはUの原子価を表す。)
【0114】
上記一般式[A1]におけるMは、周期律表第12族の原子を表す。その具体例としては、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子等が挙げられる。Mとして特に好ましくは亜鉛原子である。上記一般式[A1]におけるnはMの原子価を表し、例えばMが亜鉛原子の場合nは2である。
【0115】
上記一般式[A1]におけるLは水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。Lにおけるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Lにおけるハイドロカルビル基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましい。
【0116】
ここでいうアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0117】
アリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。これらのアリール基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0118】
アラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、より好ましくはベンジル基である。これらのアラルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0119】
ハロゲン化ハイドロカルビル基としては、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。該ハロゲン化ハイドロカルビル基しては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが挙げられる。またこれらのハロゲン化アルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0120】
上記一般式[A1]におけるLとして好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくはアルキル基である。
【0121】
上記一般式[A2]におけるTは、周期律表の第15族または第16族の原子を表す。上記一般式[A3]におけるT’は周期律表の第15族または第16族の原子を表す。第15族原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などが、第16族原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。Tとして好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは、Tは酸素原子である。T’として好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは、T’は酸素原子である。上記一般式[A2]におけるtはTの原子価を表し、Tが第15族原子の場合はtは3であり、Tが第16族原子の場合はtは2である。上記一般式[A3]におけるuはT’の原子価を表し、T’が第15族原子の場合はuは3であり、T’が第16族原子の場合はuは2である。
【0122】
上記一般式[A2]におけるEは、電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、E が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
【0123】
電子吸引性基の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホン基、フェニル基等が挙げられる。電子吸引性基を含有する基としてはハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基、シアノ化アリール基、ニトロ化アリール基、エステル基(アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基やアリールオキシカルボニル基)、アシル基、ハロゲン化アシル基等が挙げられる。
【0124】
ハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基等が挙げられる。
【0125】
ハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタヨードフェニル基等が挙げられる。
【0126】
(ハロゲン化アルキル)アリール基の具体例としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
【0127】
シアノ化アリール基の具体例としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0128】
ニトロ化アリール基の具体例としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0129】
エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ノルマルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0130】
アシル基の具体例としては、ホルミル基、エタノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロエタノイル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、パーフルオロエタノイル基、パーフルオロプロパノイル基、パーフルオロブタノイル基、パーフルオロペンタノイル基、パーフルオロヘキサノイル基、パーフルオロヘプタノイル基、パーフルオロオクタノイル基、パーフルオロノナノイル基、パーフルオロデカノイル基、パーフルオロウンデカノイル基、パーフルオロドデカノイル基等が挙げられる。
【0131】
1 として好ましくはハロゲン化ハイドロカルビル基であり、より好ましくはハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基である。さらに好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3.4−ジフルオロフェニル基、3.5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、またはペンタクロロフェニル基であり、特に好ましくは、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、さらに好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、3,5−ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基であり、最も好ましくは、3,4,5−トリフルオロフェニル基である。
【0132】
上記一般式[A3]におけるEはハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。E におけるハイドロカルビル基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましく、一般式[A1]におけるLとして説明したと同様のハイドロカルビル基が用いられる。E におけるハロゲン化ハイドロカルビル基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基等が挙げられ、上記一般式[A2]のEにおける電子吸引性基の具体例として挙げたものと同様のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基が用いられる。
【0133】
上記一般式[A3]におけるEとして好ましくはハロゲン化ハイドロカルビル基であり、さらに好ましくはフッ化ハイドロカルビル基である。
【0134】
化合物(a)として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジアリル亜鉛またはビス(シクロペンタジエニル)亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0135】
化合物(b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリス(ペンタフルオロフェニル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル)アミン、ビス(4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフチル)アミンまたはビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、3,4,5−トリス(ペンタフルオロフェニル)フェノール、3,5−ジフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノール、または4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフトール、カルボン酸類としては、ペンタフルオロ安息香酸、またはトリフルオロ酢酸、スルホン酸類としては、トリフルオロメタンスルホン酸である。
【0136】
化合物(b)としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、またはビス(4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフトール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフロエタノールであり、特に好ましくは3,4,5−トリフルオロフェノールである。
【0137】
化合物(c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、ハロゲン化アルキルアミン、ハロゲン化アリールアミン、(ハロゲン化アルキル)アリールアミンであり、さらに好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
【0138】
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−__トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
【0139】
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、または2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリンである。
【0140】
より好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−キシリルアミン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
【0141】
活性化助触媒成分−1は、上記のような化合物(a)、(b)および(c)を接触させて得られる。(a)、(b)および(c)を接触させる順序としては特に限定されることはないが、例えば以下に挙げる順序を採用することが出来る。
(1) (a)と(b)を接触させた後に(c)を接触させる方法。
(2) (a)と(c)を接触させた後に(b)を接触させる方法。
(3) (b)と(c)を接触させた後に(a)を接触させる方法。
接触順序として好ましくは(1)または(2)であり、即ち本発明の化合物として好ましくは、(a)と(b)とを接触させて得られた接触物と(c)とを接触させて得られる化合物、または(a)と(c)とを接触させて得られた接触物と(b)とを接触させて得られる化合物である。
【0142】
このような接触処理は不活性気体雰囲気にて実施されるのが好ましい。処理温度は通常−100〜200℃であり、好ましくは−80〜150℃である。処理時間は通常1分間〜36時間であり、好ましくは10分間〜24時間である。また、このような処理は溶媒を用いてもよく、溶媒を用いることなくこれらの化合物を直接接触させてもよい。使用される溶媒は化合物(a)、(b)および(c)に対して不活性である脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒などの非極性溶媒であってもく、エーテル系溶媒などの極性溶媒であってもよい。
【0143】
各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を(a):(b):(c)=1:y:zのモル比率とすると、yおよびzが下記式(11)を実質的に満足することが好ましい。
n=y+2z (11)
(上記式(11)において、nはMの原子価を表す。)上記式(11)におけるyとして好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.20〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.25〜1.50の数であり、最も好ましくは0.50〜1.00の数である。上記式(11)におけるzは、n、yおよび上記式(11)によって決定される数である。
【0144】
各化合物の使用量のモル比率を、(a):(b):(c)=1:y:zのモル比率とすると、yおよびzが下記式(12)を満足することがより好ましい。
0≦|n−y−2z|≦0.2 (12)
(上記式(12)において、nはMの原子価を表す。)
【0145】
本発明の化合物としては、このような接触処理の結果、原料である(a)、(b)および/または(c)が未反応物として残存してもよい。また、このような接触処理の後、生成物から溶媒を留去し、25℃以上の温度で減圧下1時間以上乾燥を行うことが好ましい。さらに好ましくは60〜200℃の温度で1〜24時間、最も好ましくは80〜160℃の温度で4〜18時間乾燥を行うことが好ましい。
【0146】
活性化助触媒成分−1の製造方法の具体例を、Mが亜鉛原子であり、化合物(b)がペンタフルオロフェノールであり、化合物(c)が水である場合についてさらに詳細に以下に示す。テトラヒドロフランを溶媒とし、そこへジエチル亜鉛のヘキサン溶液を加え、0℃に冷却し、そこへジエチル亜鉛に対して等モル量のペンタフルオロフェノールを滴下し室温にて10分〜24時間攪拌を行った後、さらにジエチル亜鉛に対して0.5倍モル量の水を滴下し室温にて10分〜24時間撹袢する。その後、溶媒を留去し、120℃で減圧下8時間乾燥を行う方法を採用することができる。もちろん、これらの処理において使用する化合物はペンタフルオロフェノールや水に限定されることはなく、出発原料である化合物も亜鉛化合物に限定されるものではなく、乾燥時の条件も120℃、8時間に限定されるものではない。
【0147】
活性化助触媒成分として、は、下記(a)、(b)、(c)および担体を接触させて得られる活性化助触媒成分(以下、活性化助触媒成分−2という。)を挙げることができる。
(a):下記一般式[A1]で表される化合物
[A1]
(b):下記一般式[A2]で表される化合物
t−1H [A2]
(c):下記一般式[A3]で表される化合物
u−2T’H [A3]
(上記一般式[A1]〜[A3]においてそれぞれ、Mは周期律表第12族の原子を表し、nはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良く、Eは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、E はハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、E が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。Tは周期律表の第15族または第16族の原子を表し、tはTの原子価を表す。T’は周期律表の第15族または第16族の原子を表し、uはT’の原子価を表す。)
【0148】
担体としては一般的に用いられているものが好ましく使用され、粒径の整った、多孔性の物質が好ましく、無機物質または有機ポリマーが好適に使用され、無機物質がより好適に使用される。担体としては、得られるポリマーの粒径分布の観点から、担体の粒径の体積基準の幾何標準偏差として好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.7以下である。
【0149】
担体として用いられ得る無機物質の例としては、無機酸化物等が挙げられ、粘土や粘土鉱物等も使用可能である。これらは混合して用いてもかまわない。無機酸化物の具体例としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、およびこれらの混合物、例えば、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを例示することができる。これらの無機酸化物の中では、SiO2および/またはAl23が好ましく、特にSiO2(即ちシリカ)が好ましい。なお、上記無機酸化物には少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもかまわない。
【0150】
粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、またはサポナイトであり、さらに好ましくはモンモリロナイト、またはヘクトライトである。
【0151】
これらの無機物質のうちでは、無機酸化物が好適に用いられる。これらの無機物質は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない無機物質について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
【0152】
また、無機酸化物には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物としてはその表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物を使用しても良い。この際の置換基はシリル基が好ましい。改質無機酸化物として具体的には、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン、ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン、テトラクロロシランなどと接触処理した無機酸化物が挙げられる。
【0153】
無機物質の平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜100μmである。細孔容量として好ましくは0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m2/g、より好ましくは100〜500m2/gである。
【0154】
担体として用いられ得る有機ポリマーとしては、どの有機ポリマーを用いても良く、また複数種の有機ポリマーを混合物として用いても構わない。有機ポリマーとしては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
【0155】
(a)、(b)、(c)および担体を接触させる順序としては特に限定されることはない。
【0156】
このような接触処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。処理温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。処理時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。また、このような処理は溶媒を用いてもよく、溶媒を用いることなくこれらの化合物を直接接触させてもよい。
【0157】
溶媒としては、その溶媒を使用するときに接触させる成分のそれぞれや接触させて得られる接触物と反応しない溶媒が通常用いられる。
【0158】
上記(a)、(b)、(c)各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を(a):(b):(c)=1:y:zのモル比率とすると、yおよびzが下記式(13)を実質的に満足することが好ましい。
|n−y−2z|<1 (13)
(上記式(13)において、nはM の原子価を表す。)上記式(13)におけるyとして好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数であり、また上記式(13)におけるzの同様の好ましい範囲は、n、yおよび上記式(13)によって決定される。
【0159】
本発明で用いる、上記の(a)、(b)、(c)および担体を接触させて得られる活性化助触媒成分−2の調製において、(a)に対して使用する担体の量としては、(a)と担体との接触により得られる粒子に含まれる(a)に由来する金属原子が、得られる活性化助触媒成分の1gに含まれる金属原子のモル数にして、0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましいので、該範囲になるように適宜決めればよい。
【0160】
上記のような接触処理の後、反応をより進行させるため、加熱することも好ましく行われる。加熱に際しては、より高温とするためより沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、そのために接触処理に用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置換してもよい。
【0161】
本発明で用いる、上記の(a)、(b)、(c)および担体を接触させて得られる活性化助触媒成分−2としては、このような接触処理の結果、原料である(a)、(b)、(c)および/または担体が未反応物として残存していてもよい。しかし、エチレン三量化反応に適用する場合、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同一でも異なっていても良い。
【0162】
活性化助触媒成分−2の製造方法の具体例を、Mが亜鉛原子であり、化合物(b)がペンタフルオロフェノールであり、化合物(c)が水であり、担体がシリカである場合についてさらに詳細に以下に示す。テトラヒドロフランを溶媒とし、そこへジエチル亜鉛のヘキサン溶液を加え、3℃に冷却し、そこへジエチル亜鉛に対して等モル量のペンタフルオロフェノールを滴下し室温にて10分間〜24時間攪拌を行った後、さらにジエチル亜鉛に対して0.5倍モル量の水を滴下し室温にて10分間〜24時間撹袢する。その後、溶媒を留去し、120℃で減圧下8時間乾燥を行う。以上の操作によって得られた固体成分に、テトラヒドロフラン、シリカを加え、40℃で2時間攪拌する。固体成分をテトラヒドロフランで洗浄した後、120℃で減圧下8時間乾燥を行う。かくして本発明で用いる、上記の(a)、(b)、(c)および担体を接触させて得られる粒子を製造することができる。
【0163】
<有機アルミニウム化合物>
エチレンの三量化反応においては、下記有機アルミニウム化合物(B)をあわせて用いてもよい。
化合物(B):一般式 (QAl(G)3−aで表される有機アルミニウム化合物
(式中、Qは、炭素原子数1〜8のハイドロカルビル基を表し、Gは、水素原子またはハロゲン原子を表し、aは1〜3の整数を表す。Qが複数ある場合、複数のQは互いに同じであっても異なっていてもよい。Gが複数ある場合、複数のGは互いに同じであっても異なっていてもよい。)
【0164】
化合物(B)において、Qにおける炭素原子数1〜8のハイドロカルビル基としては、例えば、炭素原子数1〜8のアルキル基などが挙げられ、炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
【0165】
一般式 (QAl(G)3−aで表される有機アルミニウム化合物(B)としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ、トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムなどが挙げられ、ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライドなどが挙げられ、アルキルアルミニウムジクロライドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライドなどが挙げられ、ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0166】
<エチレン三量化用触媒>
本発明のエチレン三量化用触媒とは、上記のチタン原子を含むエチレン三量化用錯体と周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とを接触させて得られるものであり、エチレンを三量化させて1−ヘキセンを製造することができる触媒である。
【0167】
本発明における各触媒成分の使用量比(モル比)は、特に限定されることはない。活性化助触媒成分−1を用いる場合、活性化助触媒成分−1とエチレン三量化用錯体とのモル比は通常、(活性化助触媒成分−1):(エチレン三量化用錯体)=1:1〜10000:1の範囲のモル比であり、好ましくは1:1〜5000:1であり、さらに好ましくは1:1〜1000:1の範囲のモル比である。有機アルミニウム化合物(B)を使用する場合の使用量は通常、(エチレン三量化用錯体):(B)=1:0.1〜1:10000の範囲のモル比であり、好ましくは1:1〜1:1000の範囲のモル比である。
活性化助触媒成分−2を用いる場合、エチレン三量化用錯体の使用量は、(活性化助触媒成分−2)1gに対し通常1×10-6〜1×10-2molであり、好ましくは1×10-5〜1×10-3molである。また有機アルミニウム化合物(B)を使用する場合の使用量は、通常、エチレン三量化用錯体:(B)=1:0.01〜1:10000であることが好ましく、1:0.1〜1:5000であることがより好ましく、1:1〜1:2000であることが最も好ましい。
【0168】
本発明のエチレン三量化用触媒は、活性化助触媒成分、およびエチレン三量化用錯体、場合によってはさらに有機アルミニウム化合物(B)を接触させることにより得られるが、その接触方法は特に限定されるものではない。例えば、活性化助触媒成分およびエチレン三量化用錯体、場合によってはさらに有機アルミニウム化合物(B)を同時に接触させてもよく、それらの内の任意の2つの成分を予め接触させて、その後もう一つの成分を接触させてもよく、それらの内の各成分を任意の順序で接触させてもよい。また、これらの接触の一部、または全てを反応器中で行ってもよく、その際の投入順序も、特に限定されるものではない。
【0169】
溶媒中で各触媒成分を接触させることが好ましい。溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、またはメチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられ、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が好ましい。
【0170】
活性化助触媒成分−1を用い、溶媒中で各触媒成分を接触させる場合、活性化助触媒成分−1および有機アルミニウム化合物(B)の濃度は、金属原子換算でそれぞれ通常0.001〜100ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜5ミリモル/リットルである。また、エチレン三量化用錯体の濃度は、金属原子換算で通常0.0001〜100ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜10ミリモル/リットルである。
【0171】
活性化助触媒成分−2を用い、溶媒中で各触媒成分を接触させる場合、活性化助触媒成分−2の濃度は、通常0.01〜100g/リットル、好ましくは0.1〜10g/リットルである。有機アルミニウム化合物(B)の濃度は、Al原子換算で通常0.001〜100ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜10ミリモル/リットルである。エチレン三量化用錯体の濃度は、遷移金属原子換算で通常0.0001〜10ミリモル/リットル、好ましくは0.001〜10ミリモル/リットルである。
【0172】
<1−ヘキセンの製造方法>
本発明の1−ヘキセンの製造方法とは、エチレンから1−ヘキセンを製造する方法であり、エチレンの三量化反応により1−ヘキセンを製造する方法である。
【0173】
三量化反応は、特に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族ハイドロカルビル、ベンゼン、トルエン等の芳香族ハイドロカルビル、又はメチレンジクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化ハイドロカルビルを溶媒として用いるスラリー状態での三量化反応、または、ガス状のエチレン中での三量化反応等が可能である。
【0174】
三量化反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれかの方法において行うことができる。
【0175】
エチレンの圧力は、通常、常圧〜10MPaであるが、好ましくは常圧〜5MPaの範囲である。
【0176】
三量化反応の温度は、通常−50℃〜220℃の範囲を取り得る。好ましくは0℃〜170℃の範囲であり、より好ましくは50℃〜120℃の範囲である。
【0177】
三量化反応の時間は、一般的に、目的とする反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。
【0178】
<オレフィン重合用触媒成分>
本発明のエチレン三量化用触媒をオレフィン重合用触媒成分と併用することにより、高価なα−オレフィンを使用せずに、エチレンのみからブチル分岐を有するオレフィン重合体を製造することができる。オレフィン重合用触媒成分としては、エチレン三量化用錯体を被毒しなければ、どのようなものでも良く、多くの重合用触媒成分が使用可能である。例えば、チーグラーナッタ型の固体触媒成分、メタロセン錯体などを挙げることができ、メタロセン錯体の中でも、シクロペンタジエン環を1つ有し、かつ幾何拘束構造を有するメタロセン錯体、シクロペンタジエン環を2つ有するメタロセン錯体、シクロペンタジエン環を3つ有するメタロセン錯体などを挙げることができる。α―オレフィンの共重合性が高い、シクロペンタジエン環を1つ有し、かつ幾何拘束構造を有するメタロセン錯体やシクロペンタジエン環を2つ有するメタロセン錯体を、好ましい重合錯体として挙げることができる。さらに好ましい重合錯体としては、シクロペンタジエン環を1つ有し、かつ幾何拘束構造を有するメタロセン錯体と2つのシクロペンタジエン環が架橋されているメタロセン錯体を挙げることが出来る。
【0179】
オレフィン重合用触媒成分の具体例としては、例えば、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドなどが挙げられ、好ましくは、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドであり、さらに好ましくは、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドである。
【0180】
上記のオレフィン重合用触媒成分は、各種の活性化助触媒成分とあわせて用いてもよく、本発明で用いる周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とあわせて用いてもよく、アルミノキサンおよびホウ素含有化合物など、周期律表第13族の元素を含む活性化助触媒成分として通常用いられる成分とあわせて用いてもよい。
【実施例】
【0181】
以下、参考例、調製例および実施例により本発明を説明する。
<遷移金属錯体の製造>
物性測定は次の方法で行った。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)
装置:日本電子社製 EX270
試料セル:5mmφチューブ
測定溶媒:CDCl
試料濃度:10mg/0.5mL(CDCl
測定温度:室温(約25℃)
測定パラメータ:5mmφプローブ、EXMOD NON、OBNUC 1H、積算回数16回以上
繰り返し時間:ACQTM 6秒、PD 1秒
内部標準:CDCl(7.26ppm)
【0182】
(2)カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)
装置:日本電子社製 EX270
試料セル:5mmφチューブ
測定溶媒:CDCl
試料濃度:30mg/0.5mL(CDCl
測定温度:室温(約25℃)
測定パラメータ:5mmφプローブ、EXMOD BCM、OBNUC 13C、積算回数256回以上
繰り返し時間:ACQTM 1.79秒、PD 1.21秒
内部標準:CDCl(77.0ppm)
【0183】
(3)質量スペクトル
[電子イオン化質量分析(EI−MS)]
装置:日本電子社製 JMS−T100GC
イオン化電圧:70eV
イオン源温度:230℃
加速電圧:7kV
MASS RANGE:m/z 35−800
【0184】
[参考例1]
「[1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(以下、「錯体1」という。)の合成」
【0185】
「1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエンの合成」
窒素雰囲気下、ミネラルオイル中に分散した水素化ナトリウム(水素化ナトリウムとして0.49g、20.45mmol)、テトラヒドロフラン(23mL)を加えた。この混合物を50℃に昇温し、アニリン(0.13g、1.36mmol)を加え、50℃で1時間攪拌した。ここに1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ−1,3−ジエン(1.83g、15.00mmol)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解させた溶液を滴下し、50℃で3時間半攪拌した。これを0℃に冷却し、この溶液にクロロトリス(3,5−ジメチルフェニル)シラン(5.17g、13.64mmol)をトルエン(6mL)に溶解させた溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した後、50℃で22時間攪拌した。得られた混合物を0℃で10%炭酸ナトリウム水溶液(40mL)に滴下した。トルエン(50mL)を加えて分液し、油相を水(50mL)で2回洗浄し、さらに飽和食塩水(50mL)で洗浄した。油相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して溶媒を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製後、得られた固体に50℃のヘキサンを加えて濾過することにより不溶物を除去し、濾液から溶媒を減圧下で濃縮した。得られた固体を少量のヘキサンで洗浄した後、減圧乾燥することにより、1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエンを得た(1.49g、収率23.4%)。
H−NMR(CDCl、δppm):1.54(s、6H)、1.60(s、6H)、2.27(s、18H)、3.73(s、1H)、6.98(s、3H)、7.17(s、6H)
質量スペクトル(EI−MS、m/z):464(M
【0186】
「錯体1の合成」
窒素雰囲気下、1−トリス(3,5−ジメチルフェニル)シリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン(0.93g、2.00mmol)、トリエチルアミン(1.01g、10.00mmol)のトルエン溶液(20mL)に、−78℃でn−ブチルリチウムの1.67Mヘキサン溶液(1.32mL、2.20mmol)を滴下し、徐々に室温まで昇温させた後、室温で5時間攪拌した。得られた混合物を−78℃になるまで冷却し、同温度で四塩化チタン(0.42g、2.20mmol)をトルエン(2mL)に溶解させた溶液を滴下した。徐々に室温まで昇温させた後、室温で終夜攪拌した。反応後、溶媒を減圧下で濃縮した後、残渣にヘプタンを加えて濾過することにより不溶物を除去し、濾液から溶媒を減圧下で濃縮した。さらに、得られた残渣にジエチルエーテルを加えて濾過することにより不溶物を除去し、濾液から溶媒を減圧下で濃縮した。ペンタンを加え−20℃に冷却し、得られた固体を濾過して少量のペンタンで洗浄した後、減圧乾燥することにより、錯体1(0.03g、収率2.7%)をオレンジ色固体として得た。
H−NMR(CDCl、δppm):2.03(s、6H)、2.27(s、18H)、2.36(s、6H)、7.06(s、3H)、7.20(s、6H)
13C−NMR(CDCl、δppm):14.52、17.83、21.41、131.63、132.93、134.60、137.03、142.26、146.34
質量スペクトル(EI−MS、m/z):616(M
【0187】
[1−(1−メチル−1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(以下、「錯体2」という。)は公知の手法(Organometallics 2002,21,5122−5135.)に従って合成した。
【0188】
6−アダマンチル−4−メチル−2−[N−{2−(2−メトキシフェニル)}フェニル]イミノ−フェノキシチタニウムトリクロライド(以下、「錯体3」という。)は公知の手法(WO2009/005003)に従って合成した。
【0189】
<活性化助触媒成分の製造>
(1)元素分析
Zn:試料を硫酸水溶液(1mol/L)に投じたのち超音波をあてて金属成分を抽出した。得られた液体部分についてICP発光分析法により定量した。
F:酸素を充填させたフラスコ中で試料を燃焼させて生じた燃焼ガスを水酸化ナトリウム水溶液(10%)に吸収させ、得られた当該水溶液についてイオン電極法を用いて定量した。
【0190】
<1−ヘキセンの製造>
(1)1−ヘキセン活性
ガスクロマトグラフィー(島津GC−2010、DB−1カラム)を用いて分析した。
(2)ファウリング状態の評価
ファウリング状態の評価は、反応後にオートクレーブを開放し、攪拌翼に付着する不定形の固体付着量から判断した。攪拌翼全面に不定形の固体が付着した状態(×)、攪拌翼の一部(半分以上)に不定形の固体が付着した状態(△)、攪拌翼の一部(半分以下)に不定形の固体が付着した状態(○)、攪拌翼に不定形の固体の付着がほとんど認められない状態(◎)に分けて判定した。結果を表1に示す。
【0191】
[調製例1]活性化助触媒成分の調製
窒素雰囲気下、脱水トルエン70mL、51wt%ジエチル亜鉛ヘキサン溶液(14.2mL)、及び脱水ヘキサン10.8mLを200mLフラスコに加えた。氷浴で0℃に冷却した後、3,4,5-トリフルオロフェノール(5.55g)を攪拌しながら添加した。添加後、40℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、室温に冷却し、水(0.79mL)を添加し、さらに1時間半攪拌した。その後、40℃に昇温し、2時間攪拌し、さらに80℃に昇温し2時間攪拌した。その後、ろ過、洗浄、乾燥することにより、活性化助触媒成分を白色粉末として得た。収量が8.34gであり、元素分析(重量%)の結果、Zn:34%、F:18%であった。
【0192】
[参考例(SiO/MAO調製例)]
窒素雰囲気下、乾燥したシリカ1g(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)を200mLフラスコに秤量し、これに脱水トルエン15mLを添加した。氷浴で0℃に冷却した後、トルエンで希釈した3.5mol/L MAO(東ソー社製)5.0mL(17.5mmol)をゆっくり30分かけて攪拌しながら滴下漏斗を用いて添加した。滴下後、95℃に昇温し、4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、上澄み液をデカンテーションにより除去した。さらにこれにトルエン15mLを添加して攪拌し、この後静置して再度上澄み液をデカンテーションで除去した。この洗浄操作を3回行い、最後に100℃で1時間減圧乾燥して目的の固体(SiO/MAOということもある。)を得た。収量は1.2gであり、元素分析(重量%)の結果、Si:24%であり、Al:19%であった。
【0193】
[実施例1]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、濃度が0.93mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン溶液2.2mLを仕込み、系内の温度を80℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体1のトルエン溶液(1μmol/mL)1.0mLを投入し、続いて調製例1で得た活性化助触媒成分63.5mgを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、80℃で30分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが7.6×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が0.64×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0194】
[実施例2]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、濃度が0.93mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン溶液2.2mLを仕込み、系内の温度を80℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体2のトルエン溶液(1μmol/mL)1.0mLを投入し、続いて調製例1で得た活性化助触媒成分62.5mgを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、80℃で30分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが1.6×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が0.29×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0195】
[実施例3]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、濃度が0.93mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン溶液2.2mLを仕込み、系内の温度を80℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体3のトルエン溶液(1μmol/mL)1.0mLを投入し、続いて調製例1で得た活性化助触媒成分54.6mgを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、80℃で30分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが0.14×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が0.81×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0196】
[実施例4]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、濃度が0.93mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン溶液2.2mLを仕込み、系内の温度を40℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体1のトルエン溶液(1μmol/mL)1.0mLを投入し、続いて調製例1で得た活性化助触媒成分59.1mgを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、40℃で30分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが20.6×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が0.49×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0197】
[実施例5]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、濃度が0.93mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン溶液2.2mLを仕込み、系内の温度を40℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体2のトルエン溶液(1μmol/mL)1.0mLを投入し、続いて調製例1で得た活性化助触媒成分81.8mgを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、40℃で30分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが13.2×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が0.55×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0198】
[実施例6]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、濃度が0.93mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン溶液2.2mLを仕込み、系内の温度を40℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体3のトルエン溶液(1μmol/mL)1.0mLを投入し、続いて調製例1で得た活性化助触媒成分49.7mgを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、40℃で30分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが1.79×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が7.44×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0199】
[比較例1]
減圧乾燥後、窒素で置換した0.4リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トルエンを90mL、Al濃度が3.6mmol/mLであるメチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソー・ファインケム社製 TMAO−s)0.35mLを仕込み、系内の温度を80℃まで昇温した後、エチレンを2.0MPaまで導入し、系内を安定させた。これに、錯体1のトルエン溶液(1μmol/mL)0.25mLを投入した。反応中は全圧を一定に維持するように、エチレンガスを連続的に供給しながら、80℃で60分反応し、エタノールを2.0mL投入して反応を停止した。その後、エチレンをパージして、オートクレーブ内の内容物をエタノール−塩酸で脱灰し、ろ過した。1−ヘキセンが16.9×10g/mol錯体/hの活性で得られ、重合体が0.65×10g/mol錯体/hの活性で得られた。
【0200】
表1
ファウリング状態の評価


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン原子を含むエチレン三量化用錯体と、周期律表第12族の元素を含む活性化助触媒成分とを接触させて得られるエチレン三量化用触媒。
【請求項2】
エチレン三量化用錯体が、一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される錯体である請求項1に記載の触媒。





[式中、Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、Jは元素の周期律表の第13-16族から選択される単一の原子に基づく架橋基を表し、
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
及びRはそれぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
l及びmは1または0であり、l+mは(Jの価数−2)に等しい整数を表す。R、R、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R、R、R10、R11及びR12のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R13、R14、R15、R16及びR17のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合して、それらが結合しているJと一緒になって環を形成していてもよい。
、X及びXのうち、2つの基は結合して、Tiと一緒になって環を形成していてもよい。]
【請求項3】
一般式(1−1)〜(1−3)におけるJがケイ素原子である請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
エチレン三量化用錯体が、一般式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表される錯体である請求項3に記載の触媒。





[式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
29及びR30はそれぞれ独立に、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R18(3つのR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのR18にある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
または−N(R19(2つのR19はそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのR19にある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
20、R21、R22及びR23のうち少なくとも一つは、ハロゲン原子、該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アラルキル基、該アラルキルオキシ基、該置換シリル基、または該2置換アミノ基であり、
またはR20、R21、R22及びR23のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R24、R25、R26、R27及びR28のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R31、R32、R33、R34及びR35のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R36、R37、R38、R39及びR40のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R24、R41、R26、R42及びR28のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R31、R43、R33、R44及びR35のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R29及びR30は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]
【請求項5】
20、R21、R22及びR23がメチル基である請求項4に記載の触媒。
【請求項6】
エチレン三量化用錯体が一般式(2−3)で表される錯体である、請求項4または5に記載の触媒。
【請求項7】
37、R39、R41、R42、R43及びR44が、それぞれ独立に
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、または
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基である請求項6に記載の触媒。
【請求項8】
活性化助触媒成分が、下記(a)、(b)および(c)を接触させて得られる成分である請求項1に記載の触媒。
(a):下記一般式[A1]で表される化合物
[A1]
(b):下記一般式[A2]で表される化合物
t−1H [A2]
(c):下記一般式[A3]で表される化合物
u-2T’H2 [A3]
(上記一般式[A1]〜[A3]において、Mは周期律表第12族の原子を表し、nはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良く、Eは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、E はハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Eが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。Tは周期律表第15族または第16族の原子を表し、tはTの原子価を表す。T’は第15族または第16族の原子を表し、uはT’の原子価を表す。)
【請求項9】
活性化助触媒成分が、下記(a)、(b)、(c)および担体を接触させて得られる粒子である請求項1に記載の触媒。
(a):下記一般式[A1]で表される化合物
[A1]
(b):下記一般式[A2]で表される化合物
t−1H [A2]
(c):下記一般式[A3]で表される化合物
u-2T’H2 [A3]
(上記一般式[A1]〜[A3]において、Mは周期律表第12族の原子を表し、nはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良く、Eは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、E はハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、Eが複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。Tは周期律表第15族または第16族の原子を表し、tはTの原子価を表す。T’は第15族または第16族の原子を表し、uはT’の原子価を表す。)
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の触媒の存在下、エチレンを三量化させる1−ヘキセンの製造方法。

【公開番号】特開2012−223755(P2012−223755A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71304(P2012−71304)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】