説明

三面鏡装置

【課題】高機能な照明装置により多様な照明効果を有する三面鏡装置を提供することを目的とする。
【解決手段】正面と上下の鏡面(20、22、24)を有する縦型の三面鏡本体(2)の正面鏡本体(21)の上下左右の側縁部に光源を設ける。光源としては可視光領域の波長の光を照射する蛍光灯や紫外領域の波長の光を照射する紫外管、所定の波長の光を照射する発光ダイオードなどを用いる。三面鏡本体は、90度回転して横型としても使用可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧やスキンケア、美肌トリートメントなどのために使用する三面鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より鏡として、一面鏡や、正面の鏡の左右にそれぞれ側鏡を配置した三面鏡が知られており、これらの鏡は化粧用として鏡台などに古くから用いられている。また、正面の鏡の上下にそれぞれ側鏡を配置した縦型の三面鏡も提案されている。この縦型の三面鏡は、頭頂部やあご下を見るのに便利が良く、整髪や化粧の際に利用されている。
【0003】
鏡の前で化粧を行う際には、一般的に室内の蛍光管を使用することが多いが、鏡に備え付けられている照明を使用することもある。この備え付けの照明は、化粧の具合を忠実に鏡に映し出すと共に顔に影ができないように、演色性に優れた光源を用いたり、配置を工夫したりしていた。
【特許文献1】実開平5−55957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、各種の光源の配置による多様な照明効果と、光の照射によるスキンケア機能及びトリートメント機能とにより、さらに便利良く化粧やスキンケア、美顔トリートメントなどに役立てることができる三面鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係る三面鏡装置は、正面鏡面を有する正面鏡本体と、上側鏡面を有する上側鏡本体と、下側鏡面を有する下側鏡本体とから三面鏡本体を形成し、前記正面鏡本体の上辺に上側鏡本体をまた正面鏡本体の下辺に下側鏡本体をそれぞれ取付け角度変更自在に連結すると共に、前記正面鏡本体の前記正面鏡面の周囲の上下左右の側縁部の少なくとも一側縁に照明用光源を備えて成る。
請求項2記載の三面鏡装置は、前記照明用光源を、可視光領域の波長の光を照射する可視光源と、紫外領域の波長の光を照射する紫外光源とから構成したことを特徴とする。
請求項3記載の三面鏡装置は、前記側縁部の少なくとも一縁に所定の波長領域の光を照射可能な美容用光源を設けたことを特徴とする。
請求項4記載の三面鏡装置は、前記美容用光源を少なくとも2種の波長領域の光を照射可能に構成すると共に、この美容用光源から照射される光の波長領域を選択する波長選択手段を備えていることを特徴とする。
請求項5記載の三面鏡装置は、前記側縁部を前記正面鏡面よりも手前に張り出したことを特徴とする。
請求項6記載の三面鏡装置は、前記側縁部の外縁側を内縁側よりも手前に張り出すと共に、この側縁部には内縁側と外縁側とにそれぞれ照明用光源又は美容用光源を配置し、外縁側に設けた前記光源を内縁側に設けた前記光源よりも手前に配置したことを特徴とする。
請求項7記載の三面鏡装置は、前記側縁部に二つ以上の光源を配置すると共に、光を照射する光源を選択する光源選択手段を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の三面鏡装置は、前記側縁部の少なくとも左右の側縁部にそれぞれ遮光板を設けたことを特徴とする。
請求項9記載の三面鏡装置は、前記三面鏡本体を、前記正面鏡面の面内方向に少なくとも90度回転可能に支持すると共に、前記側縁部の少なくとも上下に照明用光源を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載のごとく、正面鏡本体と、上側鏡本体と、下側鏡本体とを備えた三面鏡鏡本体の正面鏡面の周縁部の少なくとも一側縁に照明用光源を設けたことにより、前記光源から照射される光によって、上側鏡面を見上げたときと下側鏡面を見下ろしたときとで顔への照明の当たり具合が変化し、上側鏡本体を見上げたときには顔の正面よりもやや斜め下方向から照明が当たって顔に影ができないと共に見上げることにより顔の肌が張って若々しく見えるという照明効果を奏し、また、下側鏡本体を見下ろしたときには顔の斜め上方向から照明が当たって顔に影ができると共に見下ろすことにより顔の肉がたるんでしわなどが強調されて見えるという照明効果を奏し、鏡面部への顔の写り具合を容易に変化させて多様な表情を映し出すことができる。
すなわち、下方を向き下側鏡を見ると使用者の未来の顔が、上方を向き上側鏡を見ると使用者の過去の表情を見ることができる。これにより、過去・現在・未来の使用者自身の表情を知ることができ、化粧、スキンケアや美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0007】
請求項2記載のごとく、前記照明用光源を、可視光領域の波長の光を照射する可視光源と、紫外領域の波長の光を照射する紫外光源とから構成したことにより、可視光領域の波長の光によって顔を照らすと共に紫外光によって可視光では見えにくい肌の奥のメラニン色素などを浮かび上がらせることができ、化粧、スキンケアや美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0008】
請求項3記載のごとく、所定の波長領域の光を照射可能な美容用光源を設けたことにより、波長領域に応じた所定の効果が得られる光を照射して、美肌などのトリートメントを行うことができる。
【0009】
請求項4記載のごとく、美容用光源を少なくとも2種の波長領域の光を照射可能に構成すると共に、この美容用光源の波長を選択する波長選択手段を備えたことにより、美容用光源から照射される光の波長を選択して、シミの除去や肌質の改善などの所望の効果が得られる波長領域の光を肌面に照射して美肌などのトリートメントを行うことができる。
【0010】
請求項5記載のごとく、正面鏡本体の側縁部を正面鏡面よりも手前に張り出したことにより、正面鏡面よりも近い位置から効率よく光を照射することができる。
【0011】
請求項6記載のごとく、側縁部の外縁側を内縁側よりも手前に張り出すと共に、外縁側に設けた光源を内縁側に設けた光源よりも手前に配置したことにより、光源が立体的に配置されるため角度をもって顔に光が照射され、正面鏡面に映し出される顔に陰影が生じて、顔の全体像を立体的に見ることが可能となり、化粧、スキンケアや美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0012】
請求項7記載のごとく、光を照射する光源を選択する光源選択手段を設けたことにより、所望の一つ又は二つ以上の光源のみから光を照射して、照明の顔への当り具合を様々に変化させて多様な表情を映し出すことができ、化粧、スキンケアや美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0013】
請求項8記載のごとく、前記側縁部の少なくとも左右の側縁部にそれぞれ遮光板を設けたことにより、外部からの光を遮ることができ、光源の光を効果的に照射して所望の照明の当たり具合やトリートメント効果を効率的に得ることができる。
【0014】
請求項9記載のごとく、三面鏡本体を前記正面鏡面の面内方向に少なくとも90度回転可能に支持し、正面鏡面の上縁部と下縁部にそれぞれ照明用光源を設けたことにより、横型の三面鏡としても使用され、正面左右から照明をあてて顔全体をむらなく照らすと共に左右に配置された両側鏡面によりさらに多様な表情を映し出すことができ、化粧やスキンケア、美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る三面鏡装置について、図1乃至図13を参照して説明する。
【0016】
まず、本発明に係る三面鏡装置の第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。図1及び図2は本実施形態に係る三面鏡装置の三面鏡本体を開いた状態を示す斜視図であり、図3は三面鏡本体を閉じた状態を示す斜視図である。
【0017】
三面鏡装置1は、三面鏡本体2と、この三面鏡本体2を支持する支柱10及び台座11とから構成される。三面鏡本体2は、中央に正面鏡面20を備えた正面鏡本体21と、正面鏡本体21の上辺と下辺とにそれぞれ取付け角度変更自在に連結した上側鏡本体23と下側鏡本体25とにより構成する。上側鏡本体23及び下側鏡本体25はそれぞれ上側鏡面22及び下側鏡面24を備えている。
【0018】
正面鏡面20の周囲の側縁部には上下左右にそれぞれ光透過性の窓部34a、34b、34c、34d(以下、窓部34とも称する。)を形成し、この窓部34の背後に照明用光源、美容用光源又は両方の光源を設ける。
【0019】
この三面鏡本体2を、正面鏡本体21の背面側に設けた回転機構27を介して支柱10に取り付ける。三面鏡本体2は、この回転機構27により、正面鏡本体21の左右方向を軸として角度変更自在に構成されると共に、正面鏡面20の面内方向に少なくとも90°回転可能に構成する。
【0020】
三面鏡本体2を90°回転可能とすることで、図1に示すような縦型の三面鏡としても、図2に示すような横型の三面鏡としても使用可能となり、便利がよい。ここで図2は、三面鏡本体を90°回転させた横型三面鏡状の三面鏡装置の斜視図である。
【0021】
上側鏡面22と下側鏡面24とはそれぞれ摺動可能に形成され、図2に示したように、上側鏡面22及び下側鏡面24をそれぞれ上側鏡本体23及び下側鏡本体25より引き出して、好適な位置で使用可能に構成している。
【0022】
上側鏡本体23と下側鏡本体25の背面側には、これを開閉するための取っ手部26、26をそれぞれ形成する。この上側鏡本体23と下側鏡本体25はそれぞれ正面鏡本体21の正面鏡面20を開閉可能に構成されている。両鏡本体23、25を共に正面鏡本体21側に回動させて折りたたむと、図3に示すように、正面鏡面20、上側鏡面22及び下側鏡面24が各鏡本体21、23、25の内側に収容される。
【0023】
図4に、三面鏡装置の側面図を示す。正面鏡面20は、背面側の回転機構27により、使用者にとってもっとも見やすい任意の角度に固定可能となっている。また、上側鏡本体23と下側鏡本体25とは、それぞれ正面鏡面20の鏡面から一定の角度範囲内A、Bにおいて任意の角度で固定可能に構成する。
【0024】
両鏡本体23、25の角度範囲は、上側鏡本体23の角度Aについては、135°乃至155°とするのがよく、130°乃至150°とするのがさらに好ましい。また、下側鏡本体25の角度Bについては、115°乃至135°とするのがよく、120°乃至130°とするのがさらに好ましい。各鏡本体23、25を上記角度範囲の任意の角度で固定しておくことにより、正面鏡本体21に設けた照明用光源による照明効果を好適に発揮させることができる。
【0025】
次に、図5を参照して照明用光源及び美容用光源について説明する。図5は、正面鏡本体の正面図である。
【0026】
まず、照明用光源について説明する。
【0027】
照明用光源は顔を照らすと共に所定の照明効果を得るために使用するもので、蛍光管、白熱電球または演色性に優れたハロゲンランプなどからなる。本実施形態においては、照明用光源を正面鏡面20の上側縁部及び下側縁部に形成した窓部34a、34bの背後に設置し、この窓部34を透過して光を照射する。
【0028】
また本実施形態においては、正面鏡面20の外縁側(窓部34aの上側及び窓部34bの下側)にそれぞれ設けた蛍光管30、31により照明用光源を構成している。蛍光管30、31は、それぞれ不図示のスイッチを備え、それぞれ上側の蛍光管30と下側の蛍光管31とを独立にオンオフ可能に構成する。このスイッチにより光源選択手段を構成する。
【0029】
次に、美容用光源について説明する。
【0030】
美容用光源は、それぞれ特定の波長領域の光を照射可能な発光ダイオード32、33を正面鏡面20の周縁に設けて形成する。この美容用光源は、単に顔を照らすだけでなく、特定の波長領域に応じた所定のトリートメント効果や照明効果を得ることを目的として使用する。
【0031】
発光ダイオード32、33は、例えば本実施形態においては好適な実施例として、赤色、緑色、青色、黄色、橙色発光ダイオードにより構成する。この発光ダイオード32、33は、正面鏡面20の上下左右に形成した光透過性の窓部34の背後に設けられ、この窓部34を透過して多様な波長領域の光が照射される。
【0032】
この美容用光源は波長選択手段(図示しない)を備えている。本実施形態において、この波長選択手段は各色の発光ダイオード32、33をそれぞれ別個に点滅させるオンオフ機構(図示しない)により構成している。
【0033】
次に、この光源の機能と作用について説明する。
【0034】
照明用光源を構成する蛍光管30は、三面鏡本体2を縦型で使用した場合には、正面鏡面20の正面に位置する顔を前上方から照らして正面鏡面20には顔に陰ができにくく化粧など顔を見るのに便利のよい状態を映し出す。
【0035】
また、上側鏡面22には顔の正面よりもやや斜め下方向から照明が当たって顔に影ができないと共に見上げることにより顔の肌が張って若々しく見える状態を映し出す。
【0036】
さらに、下側鏡面24には顔の斜め上方向から照明が当たって顔に影ができると共に見下ろすことにより顔の肉がたるんでしわなどが強調された状態を映し出す。
【0037】
縦型で三面鏡本体2を使用するときには、蛍光管30のみを点灯し、蛍光管31は使用しないほうが好適な照明効果を得られる。
【0038】
また、三面鏡本体2を横型にして使用した場合には、蛍光管30、31により正面左右から照明をあてて顔全体をむらなく照らして特に化粧に便利のよい状態を映し出す。
【0039】
美容用光源を構成する各色の発光ダイオード32、33からはそれぞれ所定の波長領域の光が照射され、その波長領域に応じて変わる皮膚への浸透度やメラニンへの吸収率により各種の美肌効果を得られる。
【0040】
以下に、各色の発光ダイオード32、33の機能と作用について、図6を参照して説明する。図6は、メラニン、酸化ヘモグロビン及び水の、光の波長−吸収特性を示すスペクトル図である。
【0041】
赤色発光ダイオードは、例えばピーク波長が641nmである。この波長領域の光は、他の発光ダイオードと比べて波長が長いため皮膚への浸透度が低く、また図6に示すように、メラニンに良く吸収されて、皮膚表面のシミなどの除去に効果的である。また、赤色の色相作用により、血行の促進効果などの活性効果を得ることができる。
【0042】
黄色発光ダイオードは、例えばピーク波長が590nmである。この波長領域の光は、皮膚への浸透度が比較的低く、また図6に示すように、メラニンや酸化ヘモグロビンによく吸収されて、皮膚表層のシミや赤アザなどの除去に効果的である。また、黄色の色相作用により、肌質の改善などの美肌効果を得ることができる。
【0043】
緑色発光ダイオードは、例えばピーク波長が522nmである。この波長領域の光は、皮膚への浸透度が比較的高く、また図6に示すように、メラニンや酸化ヘモグロビンによく吸収されて、皮膚深層のシミや赤アザなどの除去に効果的である。また、緑色の色相作用により、心身のリラックスなどの疲労回復効果を得ることができる。
【0044】
青色発光ダイオードは、例えばピーク波長が465nmである。この波長領域の光は、他の発光ダイオードと比べて波長が短いため皮膚への浸透度が高く、また図6に示すように、メラニンやヘモグロビンによく吸収されて、皮膚深部のシミや赤アザなどの除去に効果的である。また、青色の色相作用により、ストレスや緊張の緩和などの鎮静効果を得ることができる。
【0045】
橙色発光ダイオードは、例えばピーク波長が609nmである。この波長領域の光は、皮膚への浸透度が比較的低く、また図6に示すように、メラニンによく吸収されて皮膚表層のシミなどの除去に効果的である。また、橙色の色相作用により、代謝機能の改善などの美肌効果を得ることができる。
【0046】
上記のごとく構成した三面鏡装置は、以下に示す効果を奏する。
【0047】
縦型にした三面鏡本体の上側鏡本体を所定角度に固定してこれを見上げたときには、顔の正面よりもやや斜め下方向から照明が当たって顔に影ができないと共に見上げることにより顔の肌が張るため、一般的には5歳ほど若々しい表情が映し出されるという照明効果が得られる。
【0048】
また、下側鏡本体を所定角度に固定してこれを見下ろしたときには、顔の斜め上方向から照明が当たって顔に影ができると共に見下ろすことにより顔の肉がたるんでしわなどが強調され、一般的には5歳ほど年齢を重ねた表情が映し出されるという照明効果が得られる。
【0049】
このように、本発明に係る三面鏡装置によれば、照明用光源によって鏡面部への顔の写り具合を容易に変化させて多様な表情を映し出すことができ、化粧やスキンケア、美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0050】
また、所定の波長領域の光を照射可能な美容用光源として各発光ダイオードを正面鏡面の周囲に設けたことにより、各発光ダイオードより光を肌面に照射して、シミの除去や肌質の改善などの所望の効果が得られる波長領域の光を肌面に照射して美肌などのトリートメントを行うことができる。
【0051】
また、三面鏡本体を前記正面鏡面の面内方向に少なくとも90度回転することができるため横型の三面鏡としても使用され、左右の蛍光管により顔全体をむらなく照らして化粧に便利がよく、また各種の照明効果により、夜の顔・昼の顔など様々なシチュエーションにあった表情を左右に配置された上側鏡面及び下側鏡面に多様な表情を映し出すことができる。
【0052】
次に、本発明に係る三面鏡装置の第2の実施形態について、図7乃至図11を参照して説明する。図7及び図8は第2の実施形態の三面鏡装置を示す斜視図である。
【0053】
図7及び図8に示すように、本実施形態の三面鏡装置4は、三面鏡本体5と、この三面鏡本体5を支持する支柱40及び台座41とから構成される。三面鏡本体5は、中央に正面鏡面50を備えた正面鏡本体51と、正面鏡本体51の上辺と下辺とにそれぞれ取付け角度変更自在に連結した上側鏡本体53と下側鏡本体55とにより構成する。上側鏡本体53及び下側鏡本体55はそれぞれ上側鏡面52及び下側鏡面54を備えている。
【0054】
本実施形態においては、正面鏡面50の周囲の上下左右の側縁部を、その外縁側を内縁側よりも手前に張り出している。この側縁部にそれぞれ窓部60a、60b、60c、60d(以下、窓部60とも称する。)を設けて、ここに可視光源として蛍光管61、62を配置し、紫外光源として紫外管63〜68を配置する。
【0055】
可視光源としては、白熱電球や演色性に優れたハロゲンランプなどを使用してもよい。また紫外光源としては、紫外領域の波長の光を照射可能な発光ダイオードなどを使用してもよい。
【0056】
次に、図9乃至図11を参照して、本実施形態に係る三面鏡装置の光源の配置について説明する。図9は、正面鏡本体の正面図であり、図10及び図11はそれぞれ図9のA−A断面の部分拡大図及び図9のB−B断面の部分拡大図である。
【0057】
照明用光源は、図9に示すように、上下の窓部60の外縁側に紫外管63、64を設け、内縁側に蛍光管61、62を設けて構成している。つまり、上側の窓部60aには下側(内側)に蛍光管61を、上側(外側)に紫外管63を設け、下側の窓部60bには、上側(内側)に蛍光管62を、下側(外側)に紫外管64を設けている。また、左右の窓部60には、それぞれ内縁側と外縁側の2本の紫外管65〜68を設けている。
【0058】
さらに美容用光源は、図9に示すように、上下の窓部60の最外縁側に複数の発光ダイオード69、69、・・・を並べて設けている。つまり、上側の窓部60aには紫外管63よりも上側に複数の発光ダイオード69を並べて設け、下側の窓部60bには紫外管64よりも下側に複数の発光ダイオード69を並べて設けている。
【0059】
正面鏡本体51の右側縁部の窓部60dに設けた紫外管67、68は、図10に示すように、外縁側の紫外管68を内縁側の紫外管67よりも手前側に突き出た位置に配置している。窓部60dの前面には透明板70が取り付ける。特に図示しないが、左側縁部の窓部60cに設けた紫外管65、66も紫外管67、68と左右対称に外側の紫外管66を内側の紫外管65よりも手前側に突き出た位置に配置する。
【0060】
また、図11に示すように、下側縁部の窓部60bに設けた蛍光管62及び紫外管64は、外側縁部の紫外管64を内側縁部の蛍光管62よりも手前側に突き出た位置に配置する。蛍光管62の正面には、窓部60bの前面に取り付けた透明板70の裏側に光拡散板71を取り付けている。特に図示しないが、上側の窓部60aに設けた蛍光管61及び紫外管63も、下側の窓部60bと上下対称に、外側の紫外管63を内側の蛍光管61よりも手前側に突き出た位置に配置する。また、図11に示すように、発光ダイオード69は紫外管63、64よりも下側に配置される。
【0061】
本実施形態の三面鏡装置4には、台座部41の正面側に操作部42を設けている。この操作部42により光を照射する光源を選択する光源選択手段や、照射する光の波長を選択する波長選択手段を構成する。光源選択手段により、窓部60ごとにそれぞれ光源をオンオフしたり、または各光源ごとにそれぞれ光源をオンオフ可能に構成される。また、波長選択手段により、発光ダイオードから照射される光の波長を変化させたり、または各発光ダイオードごとにオンオフ可能とすることで、照射される光の波長を選択する。
【0062】
上記のごとく構成した第2の実施形態の三面鏡装置は、以下に示す効果を奏する。
【0063】
照明用光源を蛍光管と紫外管とから構成したことにより、可視領域の波長の光に加えて紫外領域の波長の光が照射可能となり、この紫外光が皮膚深部まで達すると共にメラニンに吸収されてメラニンの部分は暗く見え、メラニンのない部分は明るく見えるため、可視光では見えない皮膚深部のシミを映し出すことができて、化粧やスキンケア、美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0064】
さらに、紫外光を顔に照射すると共に下側鏡本体を見下ろすことにより、シミを映し出すと共に顔に陰を作ってしわや肉のたるみを強調することにより、より年を重ねた表情を映し出し、化粧やスキンケア、美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0065】
また、正面鏡本体の側縁部外縁を正面鏡面よりも手前側に張り出して光源を立体的に配置したことにより、光源からの光が角度をもって複数の位置から照射されるため、正面鏡面に映し出される顔に陰影が付き、顔の全体像を立体的に見ることができて、化粧やスキンケア、美顔トリートメントなどに役立てることができる。
【0066】
次に、本発明に係る三面鏡装置の第3の実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、第3の実施形態の三面鏡装置を示す斜視図であり、図13は、第3の実施形態の三面鏡装置を示す平面図である。
【0067】
本実施形態の三面鏡装置8は、図12及び図13に示すように、三面鏡本体7と、この三面鏡本体7を回転機構78を介して支持する支柱80及び台座81とから構成される。三面鏡本体7は、中央に正面鏡面70を備えた正面鏡本体71と、正面鏡本体71の上辺と下辺とにそれぞれ取付け角度変更自在に連結した上側鏡本体73と下側鏡本体75とにより構成する。上側鏡本体73及び下側鏡本体75はそれぞれ上側鏡面72及び下側鏡面74を備えている。
【0068】
本実施形態の三面鏡装置8は、遮光板77を備えている点で前述の実施形態とは異なっている。本実施形態の正面鏡本体71は、左右の側縁部に、その左辺及び右辺を手前に突き出した収納部76、76を備えており、この収納部76、76にそれぞれ遮光板77、77が収納されている。収納部76にはそれぞれ切欠き79を形成し、遮光板77を使用するときは、この切欠き79により遮光板77をつまんで収納部76より引き出して、手前に突出させる。
【0069】
上記のごとく構成した三面鏡装置は、以下に示す効果を奏する。
【0070】
正面鏡本体の左右に遮光板を設けて手前に突出可能に構成したことにより、この遮光板によって外部の光を遮り、照明用光源を顔に照射したときの陰影による照明効果が外部の光によって弱められることがなく、三面鏡装置に設けた各種の光源による照明効果を効果的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の三面鏡装置の三面鏡本体を開いた状態を示す斜視図である。
【図2】三面鏡本体を回転させて横型にした状態の三面鏡装置を示す斜視図である。
【図3】三面鏡本体を閉じた状態を示す斜視図である。
【図4】三面鏡本体を開いた状態を示す側面図である。
【図5】三面鏡本体の正面鏡本体の正面図である。
【図6】メラニン等の吸収特性を示すスペクトル図である。
【図7】本発明に係る第2の実施形態の三面鏡装置の三面鏡本体を開いた状態を示す斜視図である。
【図8】第2の実施形態の三面鏡本体を閉じた状態を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態の三面鏡本体の正面鏡本体の正面図である。
【図10】第2の実施形態の三面鏡装置の横断面の一部を示す図である。
【図11】第2の実施形態の三面鏡装置の縦断面の一部を示す図である。
【図12】本発明に係る第3の実施形態の三面鏡装置の三面鏡本体を開いた状態を示す斜視図である。
【図13】第3の実施形態の三面鏡装置の平面図である。
【符号の説明】
【0072】
1、4、8 三面鏡装置
10、40、80 支柱
11、41、81 台座
2、5、7 三面鏡本体
20、50、70 正面鏡面
21、51、71 正面鏡本体
22、52、72 上側鏡面
23、53、73 上側鏡本体
24、54、74 下側鏡面
25、55、75 下側鏡本体
26 取っ手部
27、78 回転機構
30、31、61、62 蛍光管
32、33、69 発光ダイオード
34、60、70 窓部
63〜68 紫外管
76 収納部
77 遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面鏡面を有する正面鏡本体と、上側鏡面を有する上側鏡本体と、下側鏡面を有する下側鏡本体とから三面鏡本体を形成し、前記正面鏡本体の上辺に上側鏡本体をまた正面鏡本体の下辺に下側鏡本体をそれぞれ取付け角度変更自在に連結すると共に、前記正面鏡本体の前記正面鏡面の周囲の上下左右の側縁部の少なくとも一側縁に照明用光源を備えて成る三面鏡装置。
【請求項2】
前記照明用光源を、可視光領域の波長の光を照射する可視光源と、紫外領域の波長の光を照射する紫外光源とから構成したことを特徴とする請求項1記載の三面鏡装置。
【請求項3】
前記側縁部の少なくとも一縁に所定の波長領域の光を照射可能な美容用光源を設けたことを特徴とする請求項1記載の三面鏡装置。
【請求項4】
前記美容用光源を少なくとも2種の波長領域の光を照射可能に構成すると共に、この美容用光源から照射される光の波長領域を選択する波長選択手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の三面鏡装置。
【請求項5】
前記側縁部を前記正面鏡面よりも手前に張り出したことを特徴とする請求項1記載の三面鏡装置。
【請求項6】
前記側縁部の外縁側を内縁側よりも手前に張り出すと共に、この側縁部には内縁側と外縁側とにそれぞれ照明用光源又は美容用光源を配置し、外縁側に設けた前記光源を内縁側に設けた前記光源よりも手前に配置したことを特徴とする請求項5記載の三面鏡装置。
【請求項7】
前記側縁部に二つ以上の光源を配置すると共に、光を照射する光源を選択する光源選択手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の三面鏡装置。
【請求項8】
前記側縁部の少なくとも左右の側縁部にそれぞれ遮光板を設けたことを特徴とする請求項1記載の三面鏡装置。
【請求項9】
前記三面鏡本体を、前記正面鏡面の面内方向に少なくとも90度回転可能に支持すると共に、前記側縁部の少なくとも上下に照明用光源を備えたことを特徴とする請求項1記載の三面鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−272333(P2008−272333A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121958(P2007−121958)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(000114628)ヤーマン株式会社 (31)
【Fターム(参考)】