説明

上りリンク信号の伝送方法

【課題】本発明の目的は、上りリンク信号の伝送において、ACK/NACK信号とそれ以外の制御情報間の優先順位を考慮してそれらをリソース領域に効率的に配置して伝送する方法を提供することにある。
【解決手段】ACK/NACK信号、ACK/NACK信号以外の制御信号、及びデータ信号を含む上りリンク信号を伝送する方法が開示される。この方法は、制御信号及びデータ信号を直列的に多重化し、このように多重化された信号を、複数のシンボル及び複数の仮想副搬送波で構成される特定リソース領域内で時間軸優先マッピング方式によって順次にマッピングした後、ACK/NACK信号を、上記の複数のシンボルのうち、参照信号の伝送されるシンボルに隣接する両方のシンボルに配置する。これにより、優先順位の高い信号の受信信頼度を向上させて上りリンク信号を送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信技術に係り、特に、ACK/NACK信号、ACK/NACK信号以外の制御信号、及びデータ信号を含む上りリンク信号を伝送する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムのユーザ機器(UE)は、上りリンクを通じて様々な信号を伝送する。UEが伝送する上りリンク信号は、データと制御信号とに大別することができる。また、上りリンクで伝送される制御信号には、HARQ通信のための上りリンクACK/NACK信号、チャネル品質指示子(CQI)情報、PMI(Precoding Matrix Index)などがある。
【0003】
3GPP LTEシステムでは、上りリンク信号伝送のために単一波周波数分割多元接続 (Single Carrier Frequency Division Multiplexing Access;SC−FDMA)方式を用いている。また、3GPP LTE方式では、一般に、上記の上りリンク信号のうちのデータ信号及び制御信号がまず多重化され、下りリンクデータに対する上りリンクACK/NACK信号伝送が要求される場合、上記の多重化された信号にACK/NACK信号がデータまたは制御信号をパンクチャリングすることによって伝送されると規定している。以下では、ACK/NACK信号とACK/NACK以外の制御信号とを区別して説明するために、「制御信号」は、ACK/NACK信号以外の制御信号のみを指し、ACK/NACK信号を「ACK/NACK信号」と呼ぶものとする。
【0004】
一方、3GPP LTEに関するアテネ会議(#50)では、制御情報をデータと共に多重化して伝送する場合、データ情報は制御情報と共にレートマッチングされ、全ての制御情報は参照信号に近接して伝送すると決定された。これは、一般に、データに比べて制御信号に高い信頼度が要求されるからであり、制御信号を参照信号に近接して伝送することによってチャネル推定性能を向上させるためである。
【0005】
ただし、上りリンクで伝送される制御信号には、上記のように様々な信号が存在し、ACK/NACK信号には他の制御信号に比べてより高い信頼度が要求される。この場合、全ての制御信号を参照信号に近接させて伝送しながら上りリンクACK/NACK信号伝送が要求されると、ACK/NACK信号を、参照信号付近に配置された制御信号をパンクチャリングして伝送したり、または、ACK/NACK信号を参照信号に近接させて伝送することができないという問題があった。
【0006】
そこで、上りリンク信号伝送においてACK/NACK信号及びそれ以外の制御情報間の優先順位を考慮してそれらをリソース領域に効率的に配置して伝送する技術が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題を解決するためのもので、その目的は、上りリンク信号の伝送において、ACK/NACK信号とそれ以外の制御情報間の優先順位を考慮してそれらをリソース領域に効率的に配置して伝送する方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、上記の信号配置を用いて上りリンク信号を伝送する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態では、ACK/NACK信号、ACK/NACK信号以外の制御信号、及びデータ信号を含む上りリンク信号を伝送する方法を提供する。この方法は、制御信号及びデータ信号を直列的に多重化する段階と、多重化された信号を、複数のシンボル及び複数の仮想副搬送波を含む特定リソース領域内で時間軸優先マッピング方式によって順次にマッピングする段階と、ACK/NACK信号を、参照信号の伝送されるシンボルに隣接する両方のシンボルに配置する段階と、を含む。
【0010】
ここで、ACK/NACK信号は、多重化された信号の一部に上書きされてもよい。
【0011】
また、上記方法は、特定リソース領域にマッピングされた信号を、複数のシンボルのそれぞれを単位として複数の仮想副搬送波のインデックスによって離散フーリエ変換(Discrete Furrier Transform;DFT)する段階と、DFTされたシンボル単位信号に逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Furrier Transform;IFFT)を行い、サイクリックプレフィックス(CP)を付加する段階と、CPの付加されたシンボル単位信号をそれぞれSC−FDMAシンボルとして伝送する段階と、をさらに含むことが好ましい。
【0012】
なお、特定リソース領域にマッピングされた信号を、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を通じて伝送する段階をさらに含むことが好ましい。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態では、ACK/NACK信号、ACK/NACK信号以外の制御信号、及びデータ信号を含む上りリンク信号を伝送する方法を提供する。この方法は、データ信号、制御信号、及びACK/NACK信号にそれぞれチャネルコーディングを行う段階と、それぞれチャネルコーディングされたデータ信号及び制御信号を直列的に多重化する段階と、多重化された信号を、複数のシンボル及び複数の仮想副搬送波で構成される特定リソース領域内で時間軸優先マッピング方式によって順次にマッピングする段階と、ACK/NACK信号を、参照信号の伝送されるシンボルに隣接する両方のシンボルに配置する段階と、を含むことが好ましい。
【0014】
ここで、データ信号にチャネルコーディングを行う段階は、データ信号伝送のための伝送ブロックに伝送ブロック用CRCを付加する段階と、伝送ブロック用CRCの付加された伝送ブロックをコードブロック単位に分割し、分割されたコードブロックにコードブロック用CRCを付加する段階と、コードブロック用CRCの付加されたデータにチャネルコーディングを行う段階と、チャネルコーディングされたデータにレートマッチング及びコードブロック連結を行う段階と、を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記の本発明の実施形態では、上りリンク信号伝送においてACK/NACK信号及びそれ以外の制御情報をそれらの優先順位にしたがってリソース領域に効率的に配置して伝送することができる。
【0016】
また、チャネル推定効果がさらに得られるように優先順位の高いACK/NACK信号を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】SC−FDMA方式で信号を伝送する方法を説明するための送信端のブロック図である。
【図2】上りリンク信号伝送のためにデータ、制御情報及びACK/NACK信号を多重化する過程を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態によって情報シーケンスを時間軸優先マッピング方式によってマッピングする例を説明する図である。
【図4】図3に示すように時間軸優先マッピング方式によってマッピングされた情報を、SC−FDMA方式で伝送する方法を説明する図である。
【図5】図3に示すように時間軸優先マッピング方式によってマッピングされた情報を、SC−FDMA方式で伝送する方法を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態によって上りリンク信号を伝送する方法を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態によってACK/NACK情報を伝送する場合のうち、伝送すべきACK/NACK情報の数が多い場合における処理方法を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態によってACK/NACK情報を伝送する場合のうち、伝送すべきACK/NACK情報の数が多い場合における処理方法を説明するための図である。
【図9】本発明の他の実施形態によってACK/NACK信号がデータの他に制御信号をもパンクチャリングして挿入される形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するためのもので、本発明の唯一の実施形態を表すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者には、本発明がそれらの具体的な細部事項がなくても実施できるということが理解できる。
【0019】
一方、場合によっては、本発明の概念が曖昧になるのを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示す。なお、本明細書全体において同一の構成要素については同一の符号を用いて説明する。
【0020】
上述の通り、本発明の一実施形態では、上りリンク信号伝送において、ACK/NACK信号とそれ以外の制御情報間の優先順位を考慮してそれらをリソース領域に効率的に配置して伝送する方法を提供する。そのために、まず、3GPP LTEシステムを取り上げて上りリンク信号伝送のための具体的な方法について説明する。
【0021】
図1は、SC−FDMA方式で信号を伝送する方法を説明するための送信端のブロック図である。
【0022】
3GPP LTEシステムでは、上述した通り、SC−FDMA方式によって上りリンク信号を伝送する。具体的には、まず、伝送する情報シーケンスに、DFTを行うために直−並列変換を行う(101)。このように並列シーケンスに変換された信号にDFTが行われ(102)、その後、単一搬送波特性を有するようにIFFTを行うことができる(103)。このとき、IFFTモジュール103に挿入される情報の長さは、IFFTモジュール103の大きさと一致しなくても良いが、DFTモジュール102でDFTされた結果が、連続したIFFT入力インデックスでマッピングされることが要求される。
【0023】
IFFTを経た値は、続いて並−直列変換モジュール104により直列信号に変換される。その後、この信号は、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix、以下、「CP」と称する。)が付加されてOFDMシンボルの構造形態に変更され(105)、実時空間に伝送される。
【0024】
このようなSC−FDMA方式によれば、単一搬送波性質を維持しながらも、低いピーク対平均電力比(Peak Power-to-Average Power Ratio;PAPR)及び/またはCM(Cubic Metric)を有するという利点がある。ただし、このように単一搬送波の性質を維持しながらも、低いPAPR/CM条件を満たすためには、OFDM形式でIFFTモジュール103にDFTプリコーディングされた情報を入力する時に、情報を連続したインデックスでマッピングして入力することが要求される。すなわち、OFDMの連続した副搬送波にDFTプリコーディングされた情報を挿入することが要求される。したがって、上りリンクで情報を伝送する時には、異なる性質の情報(例えば、制御情報とデータ情報)であっても共に多重化され、一度でDFTプリコーディングされてOFDM方式で伝送されることが好ましい。
【0025】
以下、データと制御情報との多重化過程について説明する。
【0026】
図2は、上りリンク信号伝送のためにデータ、制御情報、及びACK/NACK信号を多重化する過程を説明するための図である。
【0027】
制御情報と多重化されるデータ情報は、上りリンクで伝送すべき伝送ブロック(Transport Block、以下、「TB」と称する。)にTB用CRCを付加した後(S201)、TBの大きさによって複数のコードブロック(Code block、以下、「CB」と称する。)に分けられる(S202)。その後、複数のCBにはCB用CRCが付加され(S203)、この結果の値にチャネルコーディングが行われる(S204)。なお、これらのチャネルコーディングされたデータはレートマッチング(S205)された後、これらのCBは互いに結合され(S206)、こうして連結されたCBは、制御情報と多重化される(S230)。一方、以上の過程は、データ伝送ブロックに対するチャネルコーディングチェーンによるものである場合がある。
【0028】
一方、制御情報は、データと別にチャネルコーディングすることもできる(S211)。このようにチャネルコーディングされた制御情報は、以降、データ及び制御チャネルレートマッピング多重化器によりデータ及び制御情報多重化を行うことができる(S230)。
【0029】
一方、ACK/NACK信号は、データ及び制御信号とは別にチャネルコーディングが行われ(S221)、データ及び制御信号多重化(S230)がなされた上りリンク信号のうち一部をパンクチャリングするなどの処理によって上りリンクで伝送することができる(S240)。
【0030】
上述したように、上りリンクでデータと共に伝送可能な制御情報は、2種類、即ち、下りリンクデータに対する確認信号である上りリンク(UL)ACK/NACK信号とそれ以外の制御情報とに分類することができる。下りリンクデータに対するACK/NACK信号は、下りリンクデータが存在する時にのみ伝送される。端末機(UE)は、UL ACK/NACK信号を伝送しなければならないにも関らず、下りリンクデータを受信するか否かを知らない場合があり、よって、上記の2種類の制御情報を区別してデータと共に上りリンクで伝送する。したがって、以下の説明では、ACK/NACK信号とACK/NACK以外の別に伝送される任意の制御信号とを区別して説明するために、「制御信号」は、ACK/NACK信号以外の任意の制御信号とし、ACK/NACK信号は「ACK/NACK信号」と称するものとする。より具体的な実施形態では、上記制御信号を、ACK/NACKの他にランク指示子も排除した制御信号とすることもできる。すなわち、特定実施形態では、制御信号がCQI及びPMIを表すことができる。ただし、以下の説明は、上記の制御信号、データ及びACK/NACK信号間の効率的な配置に関するものであるから、説明の便宜上、制御信号はACK/NACK以外の制御信号である限り、その具体的な形態を提案しないものとする。
【0031】
データ情報が上りリンクで伝送される時、データ情報を制御情報と共に伝送することができ、データ情報及び制御情報と共にACK/NACK情報も伝送することができる。また、データ情報及びACK/NACK情報のみを共に上りリンクで伝送することもできる。
【0032】
データ情報を制御情報あるいはACK/NACK情報と多重化して伝送するために生成された伝送情報シーケンスは、SC−FDMA方式で伝送することができる。この場合、伝送情報シーケンスは、時間軸優先マッピング方法によってリソース領域にマッピングして伝送することができる。
【0033】
例えば、伝送される情報シーケンスが1個のリソースブロック、すなわち、12個のOFDM副搬送波を用いて伝送されるとし、情報は、1サブフレームを通じて伝送されるとする。また、1サブフレームは14個のSC−FDMAシンボルで構成されており、これらのうちの2個のSC−FDMAシンボルを、パイロット信号である参照信号に用いるとする。このとき、上りリンクで伝送できる情報の変調シンボルの数は、12*12=144個となる。
【0034】
144個の情報シーケンスシンボルを12個の仮想副搬送波と12個のSC−FDMAシンボルを通じて伝送することができる。これを12×12の行列構造で表したものを時間−周波数マッパーとし、上りリンクで伝送すべき情報シーケンスは、SC−FDMAシンボル軸にまず一個ずつマッピングされる。SC−FDMAシンボルは時間上で区分されている点で、時間軸優先マッピングと呼ぶ。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態によって情報シーケンスを時間軸優先マッピング方式でマッピングする例を説明する図であり、図4及び図5は、図3に示すように、時間軸優先マッピング方式によってマッピングされた情報を、SC−FDMA方式で伝送する方法を説明する図である。
【0036】
上りリンクで伝送すべき情報シーケンスは、時間−周波数マッパーで時間軸にまずシーケンスを図3のように整列する。すなわち、12個の情報が1番目の仮想副搬送波領域で時間軸方向にマッピングされ、次に、2番目の仮想副搬送波領域で後続する12個の情報が時間軸方向にマッピングされる。
【0037】
このように時間−周波数マッピングを行った後、図4及び図5に示すように、周波数軸に整列されたシーケンスにDFT過程を行い、所望の周波数帯域に挿入する。その後、各周波数領域情報にはIFFT及びサイクリックプレフィックス(CP)挿入が行われ、各周波数領域情報はSC−FDMAシンボルとして伝送することができる。図4及び図5は、このようにSC−FDMAシンボルを生成して伝送する過程を示しており、特に、図4は一般CPを用いる場合を、図5は拡張型CPを用いる場合を示している。
【0038】
上りリンクではデータを伝送する時に制御情報も同時に伝送することができる。この時、制御情報とデータ情報とはレートマッチングを通じて多重化される。しかし、ACK/NACK情報は、データ及び制御情報が多重化されたシンボルまたは単にデータ情報のビットストリームに上書きして伝送することができる。ここで、「上書きする」という言葉は、リソース領域にマッピングされた特定情報を除去し、当該領域にマッピングするということを意味し、これを通じて特定情報を挿入しながらも挿入後に情報全体の長さを同一に維持することができる。このような過程はパンクチャリング等で表現することもできる。
【0039】
一般的に、制御情報は、データに比べて高い信頼度を有すべきであり、そのためには、参照信号の近辺に多重化または挿入されなければならない。この場合、チャネル推定性能の効果が得られ、性能向上を期待することができる。
【0040】
ただし、制御情報の他にACK/NACK情報も受信端で高い信頼度が要求されるので、一般の制御情報を全て参照信号の付近に配置する場合は、ACK/NACK信号との優先順位を考慮しなければならない。
【0041】
したがって、以下の説明では、データ情報ビットストリーム、制御情報ビットストリーム、そしてACK/NACK情報シーケンスの多重化時に、各情報に対して異なる優先順位を与えて多重化する方法について、本発明の様々な実施形態として説明する。
【0042】
本発明の一実施形態では、制御情報をデータ情報と直列的に多重化して、上述の時間軸優先マッピング方式によって多重領域にマッピングする方法を提案する。ここで、制御情報とデータ情報を「直列的に多重化」するということは、多重化した結果に対応するシーケンスに制御情報をマッピングした後に連続してデータをマッピングする方式、またはその逆順のマッピング方式を意味するとする。また、ACK/NACK信号は、パイロットである参照信号が伝送されるシンボルに隣接する両方のシンボルを通じて伝送されるように配置することを提案する。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態によって上りリンク信号を伝送する方法を説明するための図である。
【0044】
本実施形態では、制御情報とデータ情報とが多重化される時に直列的に連結されて、時間軸優先マッピング方式によりSC−FDMAシンボルにマッピングされて上りリンクに伝送されることを提案する。もし、ACK/NACK情報も伝送しなければならない場合は、直列的に多重化されたデータのうち、参照信号付近に位置している変調シンボルをパンクチャリングしてACK/NACK信号を挿入することを提案する。図6で、符号601は、ACK/NACK信号が伝送されない場合、データ及び制御信号が直列的に多重化された形態を示すものであり、符号602は、上りリンクでACK/NACK信号を伝送しなければならない場合、ACK/NACK信号が、多重化されたデータをパンクチャリングして配置される形態を示すものである。また、符号603は、符号602のような情報シーケンスが時間軸優先マッピング方式によって時間−周波数領域にマッピングされた形態を示している。図6の符号603で、参照信号はシンボルインデックス#3及び#4の間及びシンボルインデックス#9及び#10の間を通じて伝送されるとする。
【0045】
図6の符号603に示すマッピング形態からわかるように、制御信号及びデータは直列的に連結して多重化された後、時間軸優先マッピング方式によって時間−周波数領域でマッピングされ、ACK/NACK信号は、参照信号が伝送されるSC−FDMAシンボルの両側の2個のシンボル(図6では、シンボル#3、4、9及び10)に多重化されたデータ信号に上書きして伝送されるように設定することができる。
【0046】
図7及び図8は、本発明の一実施形態によってACK/NACK情報を伝送する場合のうち、伝送すべきACK/NACK情報の数が多い場合における処理方法を説明するための図である。
【0047】
具体的に、伝送すべきACK/NACK情報の数が、参照信号の前後にデータが伝送される(仮想周波数領域の)副搬送波の個数よりも多い時、ACK/NACK情報は、参照信号に最も近接する両方のシンボルの他に、追加のSC−FDMAシンボルを通じて伝送することができる。図7及び図8では、参照シンボルに隣接する両方のシンボルの他に、参照シンボルに近接する順番に従う追加のシンボルを通じてACK/NACKを伝送する場合を示している。
【0048】
このとき、図8に示すように、上りリンクのSC−FDMAサブフレームの構造によって参照信号を中心に存在するSC−FDMAシンボルの数が対称に構成されない場合もある。したがって、ACK/NACK情報をパンクチャリングして挿入する時にはこれを考慮して挿入しなければならない。
【0049】
本発明の上記実施形態によって制御情報が時間軸上で整列されるとき、制御情報はデータ情報と順次に整列してリソース領域にマッピングすることができる。また、ACK/NACK情報が参照信号の付近に配置される場合、ACK/NACK情報が上書きする情報は、データ情報だけでなく制御情報も可能である。
【0050】
図9は、本発明の他の実施形態によってACK/NACK信号が、データの他に制御信号をもパンクチャリングして挿入される形態を示す図である。
【0051】
実質的にACK/NACK情報も制御情報であるから、本実施形態では、制御情報チャネル相互間に優先順位を与え、高い優先順位を有する制御情報チャネルは、チャネル推定の保護を受けるために参照信号の付近に配置し、優先順位の比較的低い制御情報チャネルは、時間上に順次にマッピングして伝送することを提案する。特に、本実施形態では、制御情報及びACK/NACK情報のうち、ACK/NACK情報が制御情報よりも優先順位が高いとする。このとき、制御情報はデータと共に時間軸優先マッピング方式によって時間上に順次に整列されてデータと多重化され、ACK/NACK情報は、参照信号の付近に位置するデータ/制御情報をパンクチャリングして挿入することを提案する。
【0052】
具体的に、図9の符号901は、ACK/NACK信号を伝送する必要がない場合、データ及び制御信号を多重化した形態を示し、図9の符号902は、ACK/NACK信号を伝送すべき場合、データ、制御信号及びACK/NACK信号の多重化された形態を示す図である。なお、図9の符号903は、符号902のように多重化された上りリンク信号を、時間−周波数領域にマッピングして伝送する形態を示している。
【0053】
図9の符号903に示すように、本実施形態では、ACK/NACKを、参照信号の付近にマッピングされたデータの他に制御信号もパンクチャリングして挿入することができる。このように制御情報間に優先順位を与えてリソースマッピングをすると、ACK/NACK情報は参照信号の付近にあるため、良いチャネル推定効果を示すことができる。一方、ACK/NACK情報によってパンクチャリングされてなくなる制御情報の数は少ないから、性能が大きく低下することはない。図9に示す一実施形態で、ACK/NACK信号は、仮想周波数軸に均等に分布した制御信号/データをパンクチャリングすることができる。すなわち、ACK/NACK信号によりパンクチャリングされうる仮想副搬送波の個数が「N」で、SC−FDMAシンボル当たり伝送されるACK/NACK信号の個数が「m」である場合、ACK/NACK信号は、「N/m」またはこれと同等な間隔で均等に分布した制御信号/データをパンクチャリングすることができる。
【0054】
また、制御情報とデータ情報との多重化が、簡単で連続して伝送される構造とされるため、多重化ブロックを簡単に具現することができる。
【0055】
以下では、以上の本発明の実施形態によって上りリンク信号を伝送する全般的な手順について説明する。説明の便宜上、図2を参照して説明する。
【0056】
本発明の各実施形態によって上りリンク信号を伝送するために、送信側は、データ、制御信号及びACK/NACK信号にそれぞれチャネルコーディングを行う。各上りリンク信号に対するチャネルコーディングは、図2に示すように、独立して行うことができる。
【0057】
この場合、データ信号にチャネルコーディングを行う過程は、図2に示すように、データ信号伝送のためのTBにTB用CRCを付加する過程(S201)、TB用CRCの付加されたTBをCB単位に分割し(S202)、これらの分割されたCBにCB用CRCを付加する過程(S203)、CB用CRCの付加されたデータにチャネルコーディングを行う過程(S204)、及び、チャネルコーディングされたデータにレートマッチング(S206)及びCB連結(S207)を行う過程を含むことができる。
【0058】
本発明の一実施形態では、このようにそれぞれチャネルコーディングされたデータ及び制御信号を直列的に多重化することを提案する。直列的多重化は、順次のインデックスにデータをマッピングした後、続いて制御信号をマッピングしたり、その逆の順序でマッピングすることを意味する。一方、こうして多重化された信号は、複数のシンボル(例えば、12個のSC−FDMAシンボル)及び複数の仮想副搬送波で構成される特定リソース領域内で優先的に時間軸方向に順次にマッピングすることができる。
【0059】
なお、本実施形態で、ACK/NACK信号は、複数のシンボルのうち、参照信号の伝送されるシンボルに隣接するシンボルに配置することが好ましい。
【0060】
以上の本発明の好適な実施形態についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現し実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施形態を例に挙げて本発明を説明したが、当該技術分野における当業者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更が可能であるということが理解できる。
【0061】
したがって、本発明は、ここに開示された実施形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上記の実施形態についての説明は、3GPP LTE方式システムの他に、上りリンクを通じてデータ、制御信号及びACK/NACK信号を伝送することが要求される様々なシステムに適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照信号と、ACK/NACK信号、前記ACK/NACK信号以外の制御信号、及びデータ信号を含む上りリンク信号と、を受信機に伝送する方法であって、
複数のタイムドメインユニットと複数の周波数ドメインユニットとを含む2次元リソース領域の所定のタイムドメインユニット上に前記参照信号をマッピングする段階と、
前記ACK/NACK信号を多重化せずに前記制御信号及び前記データ信号を直列的に多重化する段階と、
第1周波数ドメインユニットにおいて第1から最終タイムドメインユニットまで、第2周波数ドメインユニットにおいて第1から最終タイムドメインユニットまで等、前記の多重化された信号が全て前記2次元リソース領域にマッピングされるように、前記の多重化された信号をマッピングする段階と、
前記ACK/NACK信号を、前記参照信号がマッピングされる前記所定のタイムドメインユニットに隣接する両方のタイムドメインユニットにマッピングする段階であって、前記ACK/NACK信号は、前記の多重化された信号の一部であって、前記制御信号及び前記データ信号のうち1つ以上含む一部に上書きする段階と、
前記複数の周波数ドメインユニットの各インデックスに従って、前記2次元リソース領域の各タイムドメインユニット単位で、前記2次元リソース領域上にマッピングされ、前記2次元リソース領域から取り出された前記上りリンク信号に対して離散フーリエ変換(DFT)を実行する段階と、
前記のDFTが実行された上りリンク信号に対して、逆高速フーリエ変換(IFFT)を実行し、それにサイクリックプレフィックス(CP)を付加する段階と、
物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を通じて、単一波周波数分割多元接続(SC−FDMA)シンボルとして、前記CPが付加された前記上りリンク信号を送信する段階と、
を含むことを特徴とする上りリンク信号の伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−102505(P2013−102505A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4901(P2013−4901)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2010−524774(P2010−524774)の分割
【原出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】