上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体の設計方法、構造体
【課題】パイルド・ラフト基礎などの上部建物を支持する構造体を構築する上で、構造性能を確保した上で、コストを低減する。
【解決手段】上部構造20の応力を地盤に伝えるために設けられた基礎構造10の設計方法は、上部構造20の荷重により基礎構造10に作用する応力分布を求め、求めた応力分布に応じて基礎構造10の強度を決定する。
【解決手段】上部構造20の応力を地盤に伝えるために設けられた基礎構造10の設計方法は、上部構造20の荷重により基礎構造10に作用する応力分布を求め、求めた応力分布に応じて基礎構造10の強度を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の設計方法に関し、特に、直接基礎や、直接基礎と杭基礎の併用基礎や、耐圧盤などの上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体の設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物の基礎としてパイルド・ラフト基礎という杭基礎と直接基礎を併用した基礎が用いられている。パイルド・ラフト基礎は、杭のみではなく、基礎スラブからも建物の荷重を地盤に伝達することができるため、杭基礎に比べて杭の長さを短くできるという利点がある。このようなパイルド・ラフト基礎を設計する場合には、基礎スラブについては一様な接地圧を受けるものとして設計を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】社団法人 日本建築学会、「建築基礎構造設計指針」、第2版、社団法人 日本建築学会、2002年4月15日、p.171
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、実際の接地圧は柱に近いほど大きく、柱から遠ざかるにつれて小さくなる。このため、上記のように接地圧が一様であるとして設計したのでは、柱から遠い部分では構造上必要な厚さよりも厚くスラブを構築することとなり、必要以上にコンクリートを打設することになってしまう。特に、商業施設などの敷地面積の大きな建物では、スラブの厚さがわずかに厚くなっただけでも、必要となるコンクリート容積が大きくなるため、コスト高の原因となる。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、パイルド・ラフト基礎などの上部建物を支持する構造体を構築する上で、構造性能を確保した上で、コストを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の構造体の設計方法は、作用する荷重を地盤に伝えるために設けられる構造体の設計方法であって、前記荷重により前記構造体に生ずる応力分布を求めるステップと、前記求めた応力分布に基づいて前記構造体の位置に応じた強度を決定するステップと、を備えることを特徴とする。なお、上記の設計方法において、強度を決定するとは、構造体の寸法、鉄筋量、コンクリート強度などを決定することをいう。また、作用する荷重には、建物の柱などの構造体を介して伝達される上部構造の荷重や、構造物内に設置された機械設備などの荷重などが含まれる。
【0006】
上記の構造体の設計方法において、前記構造体は直接基礎であってもよい。
また、前記構造体はパイルド・ラフト基礎であってもよく、この場合、前記応力分布を求めるステップでは、前記パイルド・ラフト基礎の沈下を考慮して、応力分布を求めてもよい。
【0007】
また、本発明の構造体は、上記の設計方法により設計されたことを特徴とする。
また、本発明の構造体は、作用する荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、前記荷重により生ずる応力分布に応じた強度分布を有することを特徴とする。
また、本発明の構造体は、上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、前記上部構造の荷重を伝達する荷重伝達部材が接続された箇所を除く部分に、平均接地圧が一様に作用するとして設計した強度よりも低い強度の部分があることを特徴とする。なお、平均接地圧が一様に作用するとして強度を設計する方法は、例えば、上記の非特許文献1などに記載されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実際に作用する応力を算出し、この結果に基づき設計を行うため、接地圧を一様と仮定して設計した場合に比べて、必要とされる構造耐力が小さくなり、コンクリートの容量などを削減することができ、コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本実施形態の構造体の設計方法を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の設計方法による設計の対象となる基礎構造を示す図である。同図に示すように、基礎構造10は、基礎スラブ11と、基礎スラブ11の下面に接続された複数の杭12とからなるパイルド・ラフト基礎からなる。基礎構造10の上部には上部建物20が構築されており、上部建物20の柱21は、基礎構造10の杭12の上部に位置するように構築されている。
【0010】
従来技術の欄に記載したように、従来は、かかる構成の基礎構造10に地盤より作用する接地圧が均一であるとして基礎スラブ11の各部において必要とされる構造耐力を求め、この構造耐力が確保されるように基礎スラブ11の厚さや配筋量、コンクリート強度などを決定していた。しかしながら、実際には、接地圧は均一に作用しておらず、接地圧が均一であると仮定した場合の応力は実際より大きく算出されてしまうため、基礎スラブに必要以上の強度を持たせることになってしまう。
【0011】
また、従来は、基礎構造10に生ずる応力を算出する際に、杭12が沈下しないものとして応力を計算していた。しかしながら、実際には杭12もわずかに沈下しており、これにより、杭12近傍における応力が緩和される。このことを従来の設計では考慮しておらず、応力が実際より大きく算出されてしまう。
【0012】
そこで、発明者らは、まず、基礎構造10を構成する基礎スラブ11に作用する接地圧及び曲げモーメントの分布を正確に把握するため、パイルド・ラフト基礎からなる基礎構造に生ずる応力を、接地圧が一定であると仮定せず、また杭の沈下を考慮して数値解析により算出した場合と、従来の方法(すなわち接地圧を一定と仮定し、杭の沈下がないものとして応力を算出する方法)により算出した場合とを比較したので以下説明する。
【0013】
図2は、比較検討の対象として用いた建物の基礎構造の平面形状を、各部に作用する荷重とともに示す図である。本検討の対象とした基礎構造は比較的大規模であり、基礎構造全体をモデル化して数値解析することは困難であるため、本検討では、図3A〜図3Dを参照して説明する1スパンモデルと、図4A〜図4Bを参照して説明する帯状モデルについてFEMにより数値解析をおこなった。なお、数値解析では、荷重の作用直後及び圧密完了時(すなわち、十分な時間荷重を作用した後)における応力分布及び沈下量を算出した。
【0014】
図3A〜図3Dは、数値解析に用いた1スパンモデルを説明するための図であり、図3Aはモデル化した領域を示す図であり、図3B〜図3Dは、1スパンモデルを示す図であり、夫々、斜視図、平面図、立面図である。図3Aに示すように、1スパンモデルは、格子状に配置された杭により囲まれた部分を4分割した領域をモデル化したものであり、例えば、図2における基礎構造の中央近傍のように、数値解析を行う領域の応力分布が周囲のスパンの応力分布と略等しいような領域の応力分布を解析する場合に適している。
【0015】
また、図3B〜図3Dに示すように、基礎スラブはソリッド要素又は板要素、地盤はソリッド要素、杭は弾性のソリッド要素でモデル化し、杭と地盤との間にインターフェース要素を介在させることにより周面摩擦をモデル化した。これにより、杭の沈下及び杭周面の摩擦をモデル化することが可能となる。また、地盤とスラブの間には地盤改良層を介在させた。
【0016】
以上のような1スパンモデルについて、荷重が作用した直後の状態を解析する場合には、積載荷重及び柱から杭に作用する杭頭荷重を作用させ、圧密完了後の状態を解析する場合には、積載荷重、杭頭荷重、スラブ自重及び地盤の造成による盛土荷重を作用させた。
【0017】
図4Aは帯状モデルの斜視図であり、図4Bは帯状モデルにおける杭周辺の平面図である。図4A及び図4Bに示すように、帯状モデルは、平面的に帯状の領域をモデル化した解析モデルであり、同様の応力分布を持った帯状の領域が繰り返し現れることが想定される場合に適し、このような帯状の領域をモデル化したモデルである。帯状モデルにおいても、1スパンモデルと同様に、基礎スラブはソリッド要素又は板要素、杭はソリッド要素、地盤はソリッド要素によりモデル化し、杭周面摩擦はインターフェース要素によりモデル化している。これにより、杭の沈下についても考慮することが可能となる。
なお、これら1スパンモデル及び帯状モデルにおける各要素の特性については、各要素に対応する部材の特性に応じて弾性、弾塑性、非線形弾性など、適宜決定すればよい。
【0018】
モデルに作用させる荷重として、荷重が作用した直後の状態を解析する場合には、積載荷重及び各杭の上部の柱から作用する杭頭荷重を作用させ、圧密完了時を検討する際には、積載荷重、杭頭荷重、スラブ自重及び地盤造成による盛土荷重を作用させた。なお、圧密完了後の状態も考慮することにより、時間遅れで生じる沈下ひび割れなどを防止することができる。
【0019】
図5Aは、数値解析により得られた1スパンモデルにおける柱及び杭中心からの距離と、沈下量との関係を示すグラフであり、図5Bは、図3CにおけるI−I´断面における接地圧を示すグラフであり、図5Cは、図3CにおけるII−II´断面における接地圧を示すグラフであり、図5Dは、柱及び杭中心からの距離と基礎スラブに生じるせん断力との関係を示すグラフであり、図5Eは柱及び杭中心からの距離と基礎スラブに生じるモーメントとの関係を示すグラフである。
【0020】
また、図6Aは、帯状モデルにおける基礎スラブの沈下量を示すグラフであり、図6Bは、基礎スラブに生じた接地圧を示すグラフであり、図6Cは、基礎スラブに生じたせん断力を示すグラフであり、図6Dは、基礎スラブに生じたモーメントを示すグラフである。これらのグラフからわかるように、1スパンモデル、及び帯状モデルともに、基礎スラブに作用する接地圧は均一ではなく、柱及び杭の近傍に近づくほど大きいことがわかる。
【0021】
また、図5Eに示すように、荷重作用直後の基礎スラブに作用するモーメントは、柱及び杭の近傍において約70KNm/m、柱及び杭間の中央部において約0KNm/mとなっている。これに対して、接地圧が略一定であると仮定した場合の荷重作用直後の基礎スラブに作用するモーメントを算出したところ、98KNm/m、柱及び杭間の中央部において37KNm/mであった。
【0022】
上記の結果から、接地圧が一様に分布すると仮定して計算を行った場合には、算出されたモーメントは実際に基礎スラブに作用するモーメントよりも大きく算出されることがわかる。このため、接地圧が一様に分布すると仮定して行った計算結果に基づき、基礎スラブを設計すると、実際に必要とされる構造耐力以上の耐力を持たせることとなり、スラブ厚を必要以上に厚くしたり、鉄筋の本数を増やす、又は強度の高いコンクリートを用いるなどの方法により強度を向上したりすることとなっていた。
【0023】
そこで、発明者らは以下のようにして基礎スラブを設計方法を提案する。以下、図7に示すような平面形状のパイルド・ラフト基礎からなる基礎構造を設計する場合を例として、本実施形態の基礎構造の設計方法を説明する。なお、本実施形態のパイルド・ラフト基礎では、上部構造の柱に対応する位置に杭が設けられている。
【0024】
まず、基礎構造における杭の配置と、杭径及び杭の長さを決定する。
次に、数値解析により基礎構造に生ずる応力分布を算出する。なお、上記の検討における数値解析と同様に、本実施形態では、基礎構造が大規模であり、基礎構造全体を数値解析することは難しいため、図8に示すように、基礎構造の中央付近の1スパン分をモデル化した1スパンモデルと、建物端部から中央部をモデル化した帯状モデルについて数値解析を行う。
【0025】
本解析における1スパンモデル及び帯状モデルにおいても、上記の検討における数値解析と同様に、各モデルにおいて、基礎スラブは板要素、杭はソリッド要素、地盤はソリッド要素とし、杭周面摩擦はインターフェース要素によりモデル化する。これにより、杭の沈下の影響を考慮して数値解析を行うことができる。なお、本実施形態では、各要素の特性は、実際の部材の特性に合わせて、基礎スラブ、杭、及び地盤ともに弾性とした。
【0026】
図9は、数値解析により得られた1スパンモデルにおける沈下量を示す図であり、図10は1スパンモデルにおける接地圧の分布を示す図である。なお、図中において、沈下量及び接地圧をモデルの変形と合わせて、色の濃淡により表している。
また、図11Aは、1スパンモデルにおける杭中心からの距離と沈下量との関係を示すグラフであり、図11Bは、杭及び柱の中心からの距離と作用する曲げモーメントとの関係を示すグラフであり、図11Cは、杭及び柱の中心からの距離と接地圧との関係を示すグラフであり、図11Dは杭及び柱の中心からの距離とせん断力との関係を示すグラフである。
【0027】
また、図12は、数値解析により得られた帯状モデルの杭中心の鉛直断面における沈下量を示す図である。
また、図13Aは、帯状モデルにおける沈下量を示すグラフであり、図13Bは、基礎スラブに作用する曲げモーメントを示すグラフであり、図13Cは基礎スラブに作用する接地圧を示すグラフであり、図13Dは基礎スラブに作用するせん断力を示すグラフである。
【0028】
図9及び図12より、上記の検討と同様に1スパンモデル及び帯状モデルを設定することにより杭及び柱の近傍の地盤の沈下を再現できていることがわかる。これにより、1スパンモデル及び帯状モデルをより正確に杭及び基礎スラブに作用する応力を算出することができることが確認できる。
【0029】
そして、これらの図11A〜図11D,図12、及び図13A〜図13Dからわかるように、1スパンモデル及び帯状モデルともに、基礎スラブに作用する接地圧は均一ではなく、杭の近傍に近づくほど大きい。
次に、上記算出した応力分布に基づき、各部に必要となる構造耐力を算出し、基礎スラブを設計する。
【0030】
図14は、設計した基礎構造の一例を示す鉛直断面図である。上記のように、杭12及び柱21の近傍では基礎スラブ11に作用する応力は大きく、杭12及び柱21より離れるほど応力が小さくなる。このため、基礎構造に必要とされる構造耐力は杭12及び柱21の近傍で大きく、杭12及び柱21から離れると小さくなる。そこで、例えば、図14に示すように、基礎スラブ11のスラブ厚を杭12の近傍の部分では厚くし、杭12より離れた部分では薄くする。このようにすることで、従来の方法に比べて杭12より離れた部分でのスラブ厚を減らすことができ、これにより、コンクリートの打設量や地盤の掘削量を削減することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の基礎構造の設計方法によれば、数値解析により算出した応力分布に基づき設計するため、スラブ厚を小さくすることができるため、コンクリートの打設量及び施工の際の地盤の掘削量を削減できる。これは、特に、大型商業施設などの敷地面積が大きい建物では、僅かなスラブ厚の低減であっても、削減されるコンクリート容量及び土砂の掘削量が大きくなるため、非常に有効である。
【0032】
なお、本実施形態では、建築物における杭と基礎スラブからなるパイルド・ラフト基礎における基礎スラブを設計する場合について説明したが、これに限らず、例えば、べた基礎やフーチング基礎などの直接基礎や、土木構造物や原子力関連施設における同様の設計にも本発明を適用することができる。
【0033】
また、本実施形態では、杭から離れた、応力の小さい部分のスラブ厚を低減するものとしたが、これに限らず、鉄筋量を削減したり、低強度のコンクリート強度を用いたりしてもよい。このような方法によっても、施工コストを削減することができる。
また、本実施形態では、柱を介して荷重が作用する基礎構造を設計する場合について説明したが、これに限らず、例えば、大型機械などの機械設備の荷重が作用する基礎構造を設計する場合であっても本発明の設計方法を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態の設計方法による設計の対象となる基礎構造を示す図である。
【図2】比較検討の対象として用いた建物の基礎構造の平面形状及び基礎構造に作用する荷重を示す図である。
【図3A】数値解析に用いた1スパンモデルを説明するための図であり、はモデル化した領域を示す。
【図3B】1スパンモデルの斜視図である。
【図3C】1スパンモデルの平面図である。
【図3D】1スパンモデルの立面図である。
【図4A】数値解析に用いた帯状モデルの斜視図である。
【図4B】帯状モデルにおける杭周辺の平面図である。
【図5A】数値解析により得られた1スパンモデルにおける杭中心からの距離と、沈下量との関係を示すグラフである。
【図5B】1スパンモデルの図3(C)のI−I´断面における接地圧を示すグラフである。
【図5C】1スパンモデルの図3(C)のII−II´断面における接地圧を示すグラフである。
【図5D】杭中心からの距離と基礎スラブに生じるせん断力との関係を示すグラフである。
【図5E】杭中心からの距離と基礎スラブに生じるモーメントとの関係を示すグラフである。
【図6A】帯状モデルにおける基礎スラブの沈下量を示すグラフである。
【図6B】帯状モデルにおける基礎スラブに生じた接地圧を示すグラフである。
【図6C】帯状モデルにおける基礎スラブに生じたせん断力を示すグラフである。
【図6D】帯状モデルにおける基礎スラブに生じたモーメントを示すグラフである。
【図7】本実施形態の基礎構造の設計方法の設計の対象となる基礎構造の平面図である。
【図8】1スパンモデル及び帯状モデルによりモデル化した領域を示す図である。
【図9】数値解析により得られた1スパンモデルにおける沈下量を示す図である。
【図10】1スパンモデルにおける接地圧の分布を示す図である。
【図11A】1スパンモデルにおける杭中心からの距離と沈下量との関係を示すグラフである。
【図11B】1スパンモデルにおける杭中心からの距離と作用する曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図11C】1スパンモデルにおける杭中心からの距離と接地圧との関係を示すグラフである。
【図11D】1スパンモデルにおける杭中心からの距離とせん断力との関係を示すグラフである。
【図12】数値解析により得られた帯状モデルにおける沈下量を示す図である。
【図13A】帯状モデルにおける沈下量を示すグラフである。
【図13B】帯状モデルにおける基礎スラブに作用する曲げモーメントを示すグラフである。
【図13C】帯状モデルにおける基礎スラブに作用する接地圧を示すグラフである。
【図13D】帯状モデルにおける基礎スラブに作用するせん断力を示すグラフである。
【図14】設計した基礎構造の一例を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 基礎構造
11 基礎スラブ
12 杭
20 上部構造
21 柱
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の設計方法に関し、特に、直接基礎や、直接基礎と杭基礎の併用基礎や、耐圧盤などの上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体の設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物の基礎としてパイルド・ラフト基礎という杭基礎と直接基礎を併用した基礎が用いられている。パイルド・ラフト基礎は、杭のみではなく、基礎スラブからも建物の荷重を地盤に伝達することができるため、杭基礎に比べて杭の長さを短くできるという利点がある。このようなパイルド・ラフト基礎を設計する場合には、基礎スラブについては一様な接地圧を受けるものとして設計を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】社団法人 日本建築学会、「建築基礎構造設計指針」、第2版、社団法人 日本建築学会、2002年4月15日、p.171
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、実際の接地圧は柱に近いほど大きく、柱から遠ざかるにつれて小さくなる。このため、上記のように接地圧が一様であるとして設計したのでは、柱から遠い部分では構造上必要な厚さよりも厚くスラブを構築することとなり、必要以上にコンクリートを打設することになってしまう。特に、商業施設などの敷地面積の大きな建物では、スラブの厚さがわずかに厚くなっただけでも、必要となるコンクリート容積が大きくなるため、コスト高の原因となる。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、パイルド・ラフト基礎などの上部建物を支持する構造体を構築する上で、構造性能を確保した上で、コストを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の構造体の設計方法は、作用する荷重を地盤に伝えるために設けられる構造体の設計方法であって、前記荷重により前記構造体に生ずる応力分布を求めるステップと、前記求めた応力分布に基づいて前記構造体の位置に応じた強度を決定するステップと、を備えることを特徴とする。なお、上記の設計方法において、強度を決定するとは、構造体の寸法、鉄筋量、コンクリート強度などを決定することをいう。また、作用する荷重には、建物の柱などの構造体を介して伝達される上部構造の荷重や、構造物内に設置された機械設備などの荷重などが含まれる。
【0006】
上記の構造体の設計方法において、前記構造体は直接基礎であってもよい。
また、前記構造体はパイルド・ラフト基礎であってもよく、この場合、前記応力分布を求めるステップでは、前記パイルド・ラフト基礎の沈下を考慮して、応力分布を求めてもよい。
【0007】
また、本発明の構造体は、上記の設計方法により設計されたことを特徴とする。
また、本発明の構造体は、作用する荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、前記荷重により生ずる応力分布に応じた強度分布を有することを特徴とする。
また、本発明の構造体は、上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、前記上部構造の荷重を伝達する荷重伝達部材が接続された箇所を除く部分に、平均接地圧が一様に作用するとして設計した強度よりも低い強度の部分があることを特徴とする。なお、平均接地圧が一様に作用するとして強度を設計する方法は、例えば、上記の非特許文献1などに記載されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実際に作用する応力を算出し、この結果に基づき設計を行うため、接地圧を一様と仮定して設計した場合に比べて、必要とされる構造耐力が小さくなり、コンクリートの容量などを削減することができ、コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本実施形態の構造体の設計方法を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の設計方法による設計の対象となる基礎構造を示す図である。同図に示すように、基礎構造10は、基礎スラブ11と、基礎スラブ11の下面に接続された複数の杭12とからなるパイルド・ラフト基礎からなる。基礎構造10の上部には上部建物20が構築されており、上部建物20の柱21は、基礎構造10の杭12の上部に位置するように構築されている。
【0010】
従来技術の欄に記載したように、従来は、かかる構成の基礎構造10に地盤より作用する接地圧が均一であるとして基礎スラブ11の各部において必要とされる構造耐力を求め、この構造耐力が確保されるように基礎スラブ11の厚さや配筋量、コンクリート強度などを決定していた。しかしながら、実際には、接地圧は均一に作用しておらず、接地圧が均一であると仮定した場合の応力は実際より大きく算出されてしまうため、基礎スラブに必要以上の強度を持たせることになってしまう。
【0011】
また、従来は、基礎構造10に生ずる応力を算出する際に、杭12が沈下しないものとして応力を計算していた。しかしながら、実際には杭12もわずかに沈下しており、これにより、杭12近傍における応力が緩和される。このことを従来の設計では考慮しておらず、応力が実際より大きく算出されてしまう。
【0012】
そこで、発明者らは、まず、基礎構造10を構成する基礎スラブ11に作用する接地圧及び曲げモーメントの分布を正確に把握するため、パイルド・ラフト基礎からなる基礎構造に生ずる応力を、接地圧が一定であると仮定せず、また杭の沈下を考慮して数値解析により算出した場合と、従来の方法(すなわち接地圧を一定と仮定し、杭の沈下がないものとして応力を算出する方法)により算出した場合とを比較したので以下説明する。
【0013】
図2は、比較検討の対象として用いた建物の基礎構造の平面形状を、各部に作用する荷重とともに示す図である。本検討の対象とした基礎構造は比較的大規模であり、基礎構造全体をモデル化して数値解析することは困難であるため、本検討では、図3A〜図3Dを参照して説明する1スパンモデルと、図4A〜図4Bを参照して説明する帯状モデルについてFEMにより数値解析をおこなった。なお、数値解析では、荷重の作用直後及び圧密完了時(すなわち、十分な時間荷重を作用した後)における応力分布及び沈下量を算出した。
【0014】
図3A〜図3Dは、数値解析に用いた1スパンモデルを説明するための図であり、図3Aはモデル化した領域を示す図であり、図3B〜図3Dは、1スパンモデルを示す図であり、夫々、斜視図、平面図、立面図である。図3Aに示すように、1スパンモデルは、格子状に配置された杭により囲まれた部分を4分割した領域をモデル化したものであり、例えば、図2における基礎構造の中央近傍のように、数値解析を行う領域の応力分布が周囲のスパンの応力分布と略等しいような領域の応力分布を解析する場合に適している。
【0015】
また、図3B〜図3Dに示すように、基礎スラブはソリッド要素又は板要素、地盤はソリッド要素、杭は弾性のソリッド要素でモデル化し、杭と地盤との間にインターフェース要素を介在させることにより周面摩擦をモデル化した。これにより、杭の沈下及び杭周面の摩擦をモデル化することが可能となる。また、地盤とスラブの間には地盤改良層を介在させた。
【0016】
以上のような1スパンモデルについて、荷重が作用した直後の状態を解析する場合には、積載荷重及び柱から杭に作用する杭頭荷重を作用させ、圧密完了後の状態を解析する場合には、積載荷重、杭頭荷重、スラブ自重及び地盤の造成による盛土荷重を作用させた。
【0017】
図4Aは帯状モデルの斜視図であり、図4Bは帯状モデルにおける杭周辺の平面図である。図4A及び図4Bに示すように、帯状モデルは、平面的に帯状の領域をモデル化した解析モデルであり、同様の応力分布を持った帯状の領域が繰り返し現れることが想定される場合に適し、このような帯状の領域をモデル化したモデルである。帯状モデルにおいても、1スパンモデルと同様に、基礎スラブはソリッド要素又は板要素、杭はソリッド要素、地盤はソリッド要素によりモデル化し、杭周面摩擦はインターフェース要素によりモデル化している。これにより、杭の沈下についても考慮することが可能となる。
なお、これら1スパンモデル及び帯状モデルにおける各要素の特性については、各要素に対応する部材の特性に応じて弾性、弾塑性、非線形弾性など、適宜決定すればよい。
【0018】
モデルに作用させる荷重として、荷重が作用した直後の状態を解析する場合には、積載荷重及び各杭の上部の柱から作用する杭頭荷重を作用させ、圧密完了時を検討する際には、積載荷重、杭頭荷重、スラブ自重及び地盤造成による盛土荷重を作用させた。なお、圧密完了後の状態も考慮することにより、時間遅れで生じる沈下ひび割れなどを防止することができる。
【0019】
図5Aは、数値解析により得られた1スパンモデルにおける柱及び杭中心からの距離と、沈下量との関係を示すグラフであり、図5Bは、図3CにおけるI−I´断面における接地圧を示すグラフであり、図5Cは、図3CにおけるII−II´断面における接地圧を示すグラフであり、図5Dは、柱及び杭中心からの距離と基礎スラブに生じるせん断力との関係を示すグラフであり、図5Eは柱及び杭中心からの距離と基礎スラブに生じるモーメントとの関係を示すグラフである。
【0020】
また、図6Aは、帯状モデルにおける基礎スラブの沈下量を示すグラフであり、図6Bは、基礎スラブに生じた接地圧を示すグラフであり、図6Cは、基礎スラブに生じたせん断力を示すグラフであり、図6Dは、基礎スラブに生じたモーメントを示すグラフである。これらのグラフからわかるように、1スパンモデル、及び帯状モデルともに、基礎スラブに作用する接地圧は均一ではなく、柱及び杭の近傍に近づくほど大きいことがわかる。
【0021】
また、図5Eに示すように、荷重作用直後の基礎スラブに作用するモーメントは、柱及び杭の近傍において約70KNm/m、柱及び杭間の中央部において約0KNm/mとなっている。これに対して、接地圧が略一定であると仮定した場合の荷重作用直後の基礎スラブに作用するモーメントを算出したところ、98KNm/m、柱及び杭間の中央部において37KNm/mであった。
【0022】
上記の結果から、接地圧が一様に分布すると仮定して計算を行った場合には、算出されたモーメントは実際に基礎スラブに作用するモーメントよりも大きく算出されることがわかる。このため、接地圧が一様に分布すると仮定して行った計算結果に基づき、基礎スラブを設計すると、実際に必要とされる構造耐力以上の耐力を持たせることとなり、スラブ厚を必要以上に厚くしたり、鉄筋の本数を増やす、又は強度の高いコンクリートを用いるなどの方法により強度を向上したりすることとなっていた。
【0023】
そこで、発明者らは以下のようにして基礎スラブを設計方法を提案する。以下、図7に示すような平面形状のパイルド・ラフト基礎からなる基礎構造を設計する場合を例として、本実施形態の基礎構造の設計方法を説明する。なお、本実施形態のパイルド・ラフト基礎では、上部構造の柱に対応する位置に杭が設けられている。
【0024】
まず、基礎構造における杭の配置と、杭径及び杭の長さを決定する。
次に、数値解析により基礎構造に生ずる応力分布を算出する。なお、上記の検討における数値解析と同様に、本実施形態では、基礎構造が大規模であり、基礎構造全体を数値解析することは難しいため、図8に示すように、基礎構造の中央付近の1スパン分をモデル化した1スパンモデルと、建物端部から中央部をモデル化した帯状モデルについて数値解析を行う。
【0025】
本解析における1スパンモデル及び帯状モデルにおいても、上記の検討における数値解析と同様に、各モデルにおいて、基礎スラブは板要素、杭はソリッド要素、地盤はソリッド要素とし、杭周面摩擦はインターフェース要素によりモデル化する。これにより、杭の沈下の影響を考慮して数値解析を行うことができる。なお、本実施形態では、各要素の特性は、実際の部材の特性に合わせて、基礎スラブ、杭、及び地盤ともに弾性とした。
【0026】
図9は、数値解析により得られた1スパンモデルにおける沈下量を示す図であり、図10は1スパンモデルにおける接地圧の分布を示す図である。なお、図中において、沈下量及び接地圧をモデルの変形と合わせて、色の濃淡により表している。
また、図11Aは、1スパンモデルにおける杭中心からの距離と沈下量との関係を示すグラフであり、図11Bは、杭及び柱の中心からの距離と作用する曲げモーメントとの関係を示すグラフであり、図11Cは、杭及び柱の中心からの距離と接地圧との関係を示すグラフであり、図11Dは杭及び柱の中心からの距離とせん断力との関係を示すグラフである。
【0027】
また、図12は、数値解析により得られた帯状モデルの杭中心の鉛直断面における沈下量を示す図である。
また、図13Aは、帯状モデルにおける沈下量を示すグラフであり、図13Bは、基礎スラブに作用する曲げモーメントを示すグラフであり、図13Cは基礎スラブに作用する接地圧を示すグラフであり、図13Dは基礎スラブに作用するせん断力を示すグラフである。
【0028】
図9及び図12より、上記の検討と同様に1スパンモデル及び帯状モデルを設定することにより杭及び柱の近傍の地盤の沈下を再現できていることがわかる。これにより、1スパンモデル及び帯状モデルをより正確に杭及び基礎スラブに作用する応力を算出することができることが確認できる。
【0029】
そして、これらの図11A〜図11D,図12、及び図13A〜図13Dからわかるように、1スパンモデル及び帯状モデルともに、基礎スラブに作用する接地圧は均一ではなく、杭の近傍に近づくほど大きい。
次に、上記算出した応力分布に基づき、各部に必要となる構造耐力を算出し、基礎スラブを設計する。
【0030】
図14は、設計した基礎構造の一例を示す鉛直断面図である。上記のように、杭12及び柱21の近傍では基礎スラブ11に作用する応力は大きく、杭12及び柱21より離れるほど応力が小さくなる。このため、基礎構造に必要とされる構造耐力は杭12及び柱21の近傍で大きく、杭12及び柱21から離れると小さくなる。そこで、例えば、図14に示すように、基礎スラブ11のスラブ厚を杭12の近傍の部分では厚くし、杭12より離れた部分では薄くする。このようにすることで、従来の方法に比べて杭12より離れた部分でのスラブ厚を減らすことができ、これにより、コンクリートの打設量や地盤の掘削量を削減することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の基礎構造の設計方法によれば、数値解析により算出した応力分布に基づき設計するため、スラブ厚を小さくすることができるため、コンクリートの打設量及び施工の際の地盤の掘削量を削減できる。これは、特に、大型商業施設などの敷地面積が大きい建物では、僅かなスラブ厚の低減であっても、削減されるコンクリート容量及び土砂の掘削量が大きくなるため、非常に有効である。
【0032】
なお、本実施形態では、建築物における杭と基礎スラブからなるパイルド・ラフト基礎における基礎スラブを設計する場合について説明したが、これに限らず、例えば、べた基礎やフーチング基礎などの直接基礎や、土木構造物や原子力関連施設における同様の設計にも本発明を適用することができる。
【0033】
また、本実施形態では、杭から離れた、応力の小さい部分のスラブ厚を低減するものとしたが、これに限らず、鉄筋量を削減したり、低強度のコンクリート強度を用いたりしてもよい。このような方法によっても、施工コストを削減することができる。
また、本実施形態では、柱を介して荷重が作用する基礎構造を設計する場合について説明したが、これに限らず、例えば、大型機械などの機械設備の荷重が作用する基礎構造を設計する場合であっても本発明の設計方法を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態の設計方法による設計の対象となる基礎構造を示す図である。
【図2】比較検討の対象として用いた建物の基礎構造の平面形状及び基礎構造に作用する荷重を示す図である。
【図3A】数値解析に用いた1スパンモデルを説明するための図であり、はモデル化した領域を示す。
【図3B】1スパンモデルの斜視図である。
【図3C】1スパンモデルの平面図である。
【図3D】1スパンモデルの立面図である。
【図4A】数値解析に用いた帯状モデルの斜視図である。
【図4B】帯状モデルにおける杭周辺の平面図である。
【図5A】数値解析により得られた1スパンモデルにおける杭中心からの距離と、沈下量との関係を示すグラフである。
【図5B】1スパンモデルの図3(C)のI−I´断面における接地圧を示すグラフである。
【図5C】1スパンモデルの図3(C)のII−II´断面における接地圧を示すグラフである。
【図5D】杭中心からの距離と基礎スラブに生じるせん断力との関係を示すグラフである。
【図5E】杭中心からの距離と基礎スラブに生じるモーメントとの関係を示すグラフである。
【図6A】帯状モデルにおける基礎スラブの沈下量を示すグラフである。
【図6B】帯状モデルにおける基礎スラブに生じた接地圧を示すグラフである。
【図6C】帯状モデルにおける基礎スラブに生じたせん断力を示すグラフである。
【図6D】帯状モデルにおける基礎スラブに生じたモーメントを示すグラフである。
【図7】本実施形態の基礎構造の設計方法の設計の対象となる基礎構造の平面図である。
【図8】1スパンモデル及び帯状モデルによりモデル化した領域を示す図である。
【図9】数値解析により得られた1スパンモデルにおける沈下量を示す図である。
【図10】1スパンモデルにおける接地圧の分布を示す図である。
【図11A】1スパンモデルにおける杭中心からの距離と沈下量との関係を示すグラフである。
【図11B】1スパンモデルにおける杭中心からの距離と作用する曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図11C】1スパンモデルにおける杭中心からの距離と接地圧との関係を示すグラフである。
【図11D】1スパンモデルにおける杭中心からの距離とせん断力との関係を示すグラフである。
【図12】数値解析により得られた帯状モデルにおける沈下量を示す図である。
【図13A】帯状モデルにおける沈下量を示すグラフである。
【図13B】帯状モデルにおける基礎スラブに作用する曲げモーメントを示すグラフである。
【図13C】帯状モデルにおける基礎スラブに作用する接地圧を示すグラフである。
【図13D】帯状モデルにおける基礎スラブに作用するせん断力を示すグラフである。
【図14】設計した基礎構造の一例を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 基礎構造
11 基礎スラブ
12 杭
20 上部構造
21 柱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用する荷重を地盤に伝えるために設けられる構造体の設計方法であって、
前記荷重により前記構造体に生ずる応力分布を求めるステップと、
前記求めた応力分布に基づいて前記構造体の位置に応じた強度を決定するステップと、
を備えることを特徴とする構造体の設計方法。
【請求項2】
前記構造体は直接基礎であることを特徴とする請求項1記載の構造体の設計方法。
【請求項3】
前記構造体はパイルド・ラフト基礎であることを特徴とする請求項1記載の構造体の設計方法。
【請求項4】
前記応力分布を求めるステップでは、
前記パイルド・ラフト基礎の沈下を考慮して、応力分布を求めることを特徴とする請求項3記載の構造体の設計方法。
【請求項5】
請求項1から4のうち何れかに記載の設計方法により設計されたことを特徴とする構造体。
【請求項6】
作用する荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、
前記荷重により生ずる応力分布に応じた強度分布を有することを特徴とする構造体。
【請求項7】
上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、
前記上部構造の荷重を伝達する荷重伝達部材が接続された箇所を除く部分に、平均接地圧が一様に作用するとして設計した強度よりも低い強度の部分があることを特徴とする構造体。
【請求項1】
作用する荷重を地盤に伝えるために設けられる構造体の設計方法であって、
前記荷重により前記構造体に生ずる応力分布を求めるステップと、
前記求めた応力分布に基づいて前記構造体の位置に応じた強度を決定するステップと、
を備えることを特徴とする構造体の設計方法。
【請求項2】
前記構造体は直接基礎であることを特徴とする請求項1記載の構造体の設計方法。
【請求項3】
前記構造体はパイルド・ラフト基礎であることを特徴とする請求項1記載の構造体の設計方法。
【請求項4】
前記応力分布を求めるステップでは、
前記パイルド・ラフト基礎の沈下を考慮して、応力分布を求めることを特徴とする請求項3記載の構造体の設計方法。
【請求項5】
請求項1から4のうち何れかに記載の設計方法により設計されたことを特徴とする構造体。
【請求項6】
作用する荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、
前記荷重により生ずる応力分布に応じた強度分布を有することを特徴とする構造体。
【請求項7】
上部構造の荷重を地盤に伝えるために設けられた構造体であって、
前記上部構造の荷重を伝達する荷重伝達部材が接続された箇所を除く部分に、平均接地圧が一様に作用するとして設計した強度よりも低い強度の部分があることを特徴とする構造体。
【図1】
【図14】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【公開番号】特開2009−74315(P2009−74315A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245814(P2007−245814)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
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