説明

下りリンク共有チャネル上のシステム情報の送信

【課題】無線通信ネットワーク内で動作しているユーザ装置(UE)に対するシステム情報の送信方法であり,現在のウィンドウの期間中にシステム情報が予期されない場合に、UEがサブフレームを受信し、復調し、及び復号することを控えることを可能にする方法を提供する。
【解決手段】連続する複数のサブフレームとして構築された下りリンク共有チャネルでシステム情報を送信する方法は、規則的に発生する時間ウィンドウであって、数個の連続するサブフレームの範囲に及ぶ各時間ウィンドウ内でシステム情報を送信する(400−416)。さらに、所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームがシステム情報を搬送するかを受信側ユーザ装置に対して知らせる(406/408)。例えば、3GPP E−UTRA無線通信ネットワークにおける下りリンク共有チャネル又はその他の下りリンクチャネル上の動的なシステム情報の送信に対して適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して無線通信ネットワークに関するものであり、特に、3GPP LTE(Long Term Evolution)とも称される3GPP E−UTRA(evolved Universal Terrestrial Radio Access)標準規格に従って構成された無線通信ネットワークにおける基地局によるシステム情報の送信といった、そのようなネットワーク内で動作しているユーザ装置(UE)に対するシステム情報の送信に関するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP LTEにおいて、下りリンクのユーザデータ伝送は、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)トランスポート・チャネル上で実行される。LTEにおいて、時間領域は、長さ10msの無線フレームに分割され、各無線フレームは10サブフレームから成り、各々の長さ1msは14OFDM(直交周波数分割多重)シンボルに相当する。各サブフレームは2スロットから成り、各々の長さは0.5ms、即ち7OFDMシンボルである。なお、時分割複信(TDD)の場合、1フレームの複数のサブフレームの一部のみが下りリンク伝送に利用可能である。一方で、周波数分割複信(FDD)の場合、下りリンクの搬送波上の全サブフレームを下りリンク伝送に利用可能である。
【0003】
LTEにおいて、時間/周波数領域の物理リソースの全体は、複数のリソース・ブロックに分割され、各リソース・ブロックは、1スロットの期間において12OFDMサブキャリヤから成る。UEへのDL−SCH伝送は、1サブフレーム期間におけるこのような複数のリソース・ブロックのセットを使用して実行される。物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)としても知られているレイヤ1/レイヤ2(L1/L2)制御シグナリングは、各サブフレームの最初に送信される。L1/L2制御チャネルは、典型的には、種々の事項についてUEに通知するために使用される。例えば、L1/L2制御チャネルは、DL−SCHが所与のサブフレームにおいてUEに対するデータを搬送するかどうかを特定し得る。より具体的には、L1/L2制御チャネルは、DL−SCHが所与のサブフレームにおいてデータを搬送する対象のUEに関連付けられたRNTI(無線ネットワーク一時識別子:Radio Network Temporary Identifier)を含む。また、L1/L2制御チャネルは、物理リソース、より具体的には、所与のサブフレームにおいて特定のUEに対するDL−SCH伝送のために使用される複数のリソース・ブロックの特定のセットも特定する。さらに、L1/L2制御チャネルは、所与のサブフレームにおいて特定のUEに対するDL−SCH伝送のために使用されるトランスポート・フォーマット(例えば、変調方式及び符号化率)を特定する。異なる物理リソース(異なるリソース・ブロック)を使用する別々のDL−SCH伝送は、同一のサブフレームの期間中に異なるUEに対して実行され得る。この場合、所与のサブフレームにおけるDL−SCH伝送を受信する各UE用の、複数のL1/L2制御チャネルが存在する。
【0004】
各セル内において、ユーザデータに加えてシステム情報も下りリンクで送信される。システム情報は、例えば、セルが「属する」(複数の)オペレータを識別する公衆陸上移動ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Network)の識別子/複数の識別子と、隣接セルリスト、即ち、現在セルに隣接するセルのリストと、ランダム・アクセス・パラメータ及びセル・アクセス制限等の、システムにアクセスする際にユーザ端末によって使用される異なるパラメータとを含む。システム情報は、2つの部分に分割することができ、1つの部分は固定であり、もう1つの部分は動的である。システム情報の固定部分は、予め定められた物理リソース、即ち、特定の時間期間中におけるOFDMサブキャリヤの特定のセットで送信される。このため、システム情報の固定部分における情報量には柔軟性がない。システム情報の固定部分のために使用される送信構造(物理リソース及びトランスポート・フォーマット)にも柔軟性がない。LTEにおいて、システム情報の固定部分は、BCH(報知制御チャネル)トランスポート・チャネルを使用して送信される。さらに、LTE用に現在、BCHは各フレームのサブフレーム#0における中央の6個のリソース・ブロックで送信されることが想定されている。
【0005】
システム情報の動的部分は、上述のような通常のデータ伝送と同様に、DL−SCHトランスポート・チャネル、又は少なくともDL−SCHに類似したトランスポート・チャネルを使用して送信されることが想定されている。新たなUEは、電源オンに起因して、又はサービス圏外からの復帰に応じて、隣接セルから入ることにより、連続的にセルに「入る」とともに、当該UEはシステム情報を瞬時に取得しなければならない。このため、システム情報(BCH上の固定部分と、DL−SCH又はDL−SCHと類似したチャネル上の動的部分との両方)は、規則的に繰り返されるべきである。
【0006】
一例として、LTEにおいて(BCHを使用して送信される)システム情報の固定部分は、40msごとに繰り返されることが想定されている。また、システム情報の動的部分は、多かれ少なかれ規則的に繰り返されるべきである。しかしながら、システム情報の動的部分の異なる複数の部分は、いかに素早くUEがそれを取得するかという意味において、多かれ少なかれスピードが重視され、それにより多かれ少なかれ頻繁に繰り返される必要がある。これは、システム情報の動的部分が、システム情報メッセージ(System Information Message)とも称される、異なるいわゆるスケジューリング・ユニットに分割されるように、説明され得る。一般的に、スケジューリング・ユニット番号nに相当する情報は、スケジューリング・ユニット番号n+1に相当する情報よりも多く繰り返されるべきである。一例として、例えば、スケジューリング・ユニット#1(SU−1)は(おおよそ)80msごとにのみ繰り返されてもよく、スケジューリング・ユニット#2(SU−2)は(おおよそ)160msごとにのみ繰り返されてもよく、スケジューリング・ユニット#3(SU−3)は(おおよそ)320msごとにのみ繰り返されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下で説明する本発明は、低いUEの複雑度を可能にしつつ、同時に、これらの要求条件及び所望の特性を満足する、システム情報の動的部分の送信を可能にする。本明細書で提示する教示の一態様は、サブフレーム内のシステム情報の存在を示す特定のRNTIとともに、及びシステム情報の送信の最後を示す別の特定のRNTIとともに、規則的に発生する(システム情報)ウィンドウでシステム情報を送信することである。これにより、現在のウィンドウの期間中にそれ以上のシステム情報が予期されない場合に、UEがサブフレームを受信し、復調し、及び復号することを控えることを可能にする。
【0008】
一実施形態において、連続するサブフレームとして構築される下りリンク共有チャネル上でシステム情報を送信する方法は、時間ウィンドウが規則的に生じるシステム情報を送信するステップを含み、各時間ウィンドウは数個の連続するサブフレームに及ぶ。本方法は、さらに、所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームがシステム情報を搬送するかを受信側ユーザ装置に指示するステップを含む。
【0009】
当然ながら、本発明は上記の特徴及び利点に限定されることはない。実際に、当業者は、以下の詳細な説明を読むことによって、また添付の図面を見ることによって、追加的な特徴及び利点を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】定義済みの時間ウィンドウ内に収まるサブフレームを使用した動的なシステム情報の送信用の時間ウィンドウの繰り返しシーケンスを、重ね合わせるか又はさもなくば定義する無線ネットワークの一実施形態のブロック図である。
【図2】異なる繰り返し期間を有する異なるシステム情報時間ウィンドウの一実施形態の図である。
【図3】定義済みの時間ウィンドウ内に収まるサブフレームを使用した動的なシステム情報の送信用の時間ウィンドウの繰り返しシーケンスを、重ね合わせるか又はさもなくば定義する一実施形態の図である。
【図4】定義済みの時間ウィンドウ内に収まるサブフレームを使用した動的なシステム情報の送信用の時間ウィンドウの繰り返しシーケンスを、重ね合わせるか又はさもなくば定義するプログラム・ロジックの一実施形態のフロー図である。
【図5】定義済みの時間ウィンドウ内に収まるサブフレームに含まれる、動的なシステム情報を含む繰り返しシステム情報時間ウィンドウを処理するプログラム・ロジックの一実施形態のフロー図である。
【図6】システム情報の送信用の、可変サイズの繰り返しシステム情報時間ウィンドウの一実施形態の図である。
【図7】異なるシステム情報時間ウィンドウの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、1つ以上のUE120にサービスを提供する無線基地局等の、1つ以上のネットワーク送信機110を含む無線ネットワーク100の実施形態を示す。ネットワーク送信機110は、システム情報の動的部分を含む、1つ以上の(システム情報メッセージとも称される)スケジューリング・ユニット132を生成するベースバンド・プロセッサ130を含む。ネットワーク送信機110は、異なるシステム情報ウィンドウを使用して、スケジューリング・ユニット132をUE120へ送信する。一実施形態において、「SU−n」がn番目のスケジューリング・ユニットを表す図2に示すように、システム情報ウィンドウは、スケジューリング・ユニット132が最も頻繁に発生する繰り返し期間に対応する期間で発生する。最も頻繁に発生するスケジューリング・ユニット132に対応するシステム情報は、各システム情報ウィンドウ内で送信される一方で、発生回数の少ないスケジューリング・ユニット132は、システム情報ウィンドウのサブセット内でのみ送信される。ここで、図2においてシステム情報は共有領域として示されている。説明のみを目的として、2番目のスケジューリング・ユニット132に対応するシステム情報は2つごとのウィンドウ内で送信され、3番目のスケジューリング・ユニット132に対応するシステム情報は、4つごとのウィンドウ内で送信され、以下同様である。
【0012】
一実施形態において、ネットワーク100によって一定限度の量の送信期間が採用されている場合、各スケジューリング・ユニット132に対応する送信タイミングは事前に指定され得る。別の実施形態においては、送信されるスケジューリング・ユニット132用のより多くの指定値が指定される場合等に、ウィンドウ送信タイミングは、UE120へ伝達され得る。いずれにしても、システム情報の量が各ウィンドウにおいて同一ではない場合、可変のウィンドウサイズが使用され得る。一実施形態において、追加的なスケジューリング・ユニット132が送信される場合、ウィンドウサイズは増加される。
【0013】
図3は、明確な開始点(特定のサブフレーム)を有し、(連続する)サブフレームの数において一定のサイズの規則的に発生するウィンドウ内で、動的な(変化する可能性のある)システム情報を送信する一実施形態を示す。同図において、システム情報ウィンドウは、より一般的には、システム情報の送信用に定義された繰り返し時間ウィンドウとみなされ、フレーム番号8*kを有するフレームのサブフレーム#5において始まり、13サブフレームのサイズを有する。ネットワーク送信機110は、これらのウィンドウ内でシステム情報の動的部分のみを送信する。さらに、当該ウィンドウは、最も頻繁に繰り返されるシステム情報(LTEの用語では、上述の第1スケジューリング・ユニット132に対応するシステム情報)の繰り返しレートを満たすために十分な頻度で発生する(繰り返される)。
【0014】
1つ以上の実施形態において、各繰り返し時間ウィンドウ内で、システム情報の送信は、いくつかの例外はあるものの、DL−SCH(L1/L2制御チャネル上のシグナリングを用いる動的リソース及びトランスポート・フォーマット)上で、ユーザデータの送信と同様に実行される。特定のUE120のRNTIを使用する代わりに、全UE120によって読み取られるシステム情報が送信されることを示す、特定のシステム情報RNTI(SI−RNTI:System-Information RNTI)は、対応するL1/L2制御シグナリングに含まれる。また、ウィンドウ内で送信されるシステム情報の最後部について、SI−RNTIは、終端システム情報RNTI(ESI−RNTI:End-of-Sytem-Information RNTI)で置き換えられる。ESI−RNTIの受信は、UEに対して、それ以上のシステム情報がウィンドウ内で送信されることがないことを知らせる。ウィンドウ内で送信されるシステム情報がもはや存在しない場合、UE120は、L1/L2制御チャネルを復調及び復号することを停止することができ、それにより、UEの省電力性能を向上させることができる。
【0015】
また、システム情報は、連続するサブフレームにおいて送信される必要がない。このように、高い優先度の下りリンク・データ伝送用に、又はTDDの場合に上りリンク伝送用にサブフレームが必要とされる場合等、サブフレームについてより差し迫った必要性が生じた場合に、ネットワーク送信機110は、一定のサブフレームにおいてシステム情報を送信することを動的に回避することができる。加えて、システム情報が実際に送信されるサブフレームのセットは、連続するウィンドウ間で同一である必要はない。さらに、ネットワーク送信機110は、UE120に関する事前知識を必要とすることなく(即ち、UE120がL1/L2制御チャネルを読み取る前に)、システム情報を搬送するために使用されるサブフレームの数を動的に変化させることができる。
【0016】
非限定的な例として本明細書で提示する、システム情報の送信に関する教示は、いくつかの望ましい特性をもたらす。例えば、システム情報の動的部分の送信について、いくつかの要求条件及び望ましい特性が存在する。UEの省電力の観点から、連続するサブフレームのセットにおける理想的なケースにおいて、システム情報の異なる部分を、相互に可能な限り時間的に近接して送信することが望ましい。これにより、UE120は、最小の受信時間の中で最大量のシステム情報を受信することが可能となり、それによりUEの受信時間及びUEの電力消費が低減される。
【0017】
本明細書における教示は、繰り返し時間ウィンドウにおいてシステム情報を送信することをも可能にし、システム情報を搬送するために各ウィンドウ内で特定のサブフレームを選択可能である。送信優先度等のその時点の状況によって許容される場合、システム情報は、時間ウィンドウ内の連続する複数のサブフレームのセット内で送信され得る。
【0018】
厳密にシステム情報がどこで送信されるか、即ち、厳密に所与の時間ウィンドウ内のサブフレームの何れのセットがシステム情報を搬送するかに関して、柔軟性を有することも望ましい。状況によっては、一部のフレームがシステム情報の伝送用に利用可能ではない可能性がある。例えば、一部のTDDサブフレームが下りリンク伝送に利用可能でない可能性がある。別の例においては、遅延のために、一部の状況において、システム情報の送信用に使用される連続するサブフレームがそれほど多くないことは有益であり、このようにそれらのサブフレームは下りリンクのユーザデータの送信用に利用不可能となる。または、厳密に何れのサブフレームでシステム情報を送信するかを動的に(低遅延で)決定することも望ましい。
【0019】
さらに、システム情報の異なる部分が繰り返されるレートに柔軟性があることが望ましい。このように、システム情報伝送のオーバヘッドの懸念が少なければ、全伝送帯域幅がより広帯域の場合等においてより高い繰り返しレート(より短い繰り返し期間)が使用され得る。システム情報を送信するために使用されるサブフレームの数には柔軟性があることが望ましい。一例として、全帯域幅がより狭い、又はセルがより大きい場合には、システム情報の所与のセットを送信するためにより多くのサブフレームが必要となる可能性がある。また、隣接リスト及びPLMNリスト等のシステム情報の量は、異なるセルについて異なるサイズである可能性がある。
【0020】
本明細書における教示は、システム情報が繰り返し時間ウィンドウ内で送信されるが、システム情報を搬送するために繰り返し時間ウィンドウ内のサブフレームが使用される柔軟な(自由度のある)セクションを有する方法及び装置を提供する。図4は、ネットワーク送信機110からUE120へシステム情報を送信するプログラム・ロジックの一実施形態を示す。この実施形態によれば、ネットワーク送信機110に含まれるベースバンド・プロセッサ130は、システム情報ウィンドウ内の1番目のサブフレームを初期化する(ステップ400)。次に、ベースバンド・プロセッサ130は、現在のサブフレームをシステム情報の送信用に使用するかを判定する(ステップ402)。使用すると判定した場合、ベースバンド・プロセッサ130は、現在のサブフレームがウィンドウ内の最後のサブフレームかどうかを判定する(ステップ404)。現在のサブフレームが最後のサブフレームである場合、当該サブフレームがシステム情報を含むウィンドウ内の最後のサブフレームであることをUE120に対して知らせるために、L1/L2制御チャネルRNTIは、ESI−RNTIに設定される(ステップ406)。さもなければ、当該サブフレームがシステム情報を含むが最後のサブフレームではないことをUE120に対して知らせるために、制御チャネルRNTIは、SI−RNTIに設定される(ステップ408)。対応するシステム情報は、DL−SCHにおいて現在のサブフレーム内で送信される(ステップ410)。ベースバンド・プロセッサ130は、最後のウィンドウ・サブフレームが送信されているかどうかを判定する(ステップ412)。送信されていないと判定した場合、当該ウィンドウ内の次のサブフレームについてステップ402−412が繰り返される。最後のサブフレームが送信された場合、システム情報送信プロセスは終了する(ステップ416)。
【0021】
図5は、ネットワーク送信機110によって送信されるシステム情報を処理するためにUEによって実行されるプログラム・ロジックの一実施形態を示す。この実施形態によれば、UE120は、受信したサブフレームを復調及び復号するためのベースバンド・プロセッサ140を含む。ベースバンド・プロセッサ140内に含まれる、又はベースバンド・プロセッサ140に関連付けられたウィンドウ検出及び評価ユニット150は、ウィンドウ内で受信された1番目のサブフレームを初期化することによって、ウィンドウ受信プロセスを開始する(ステップ500)。次に、ベースバンド・プロセッサ140は、現在のサブフレームのL1/L2制御チャネルを復調及び復号する(ステップ502)。ウィンドウ検出及び評価ユニット150は、現在のサブフレームについてSI−RNTI又はESI−RNTIが検出されたかどうかを判定する(ステップ504)。検出されたと判定した場合、ベースバンド・プロセッサ140は、対応するDL−SCHトランスポート・ブロックを復調及び復号することにより、それらによって提供されるシステム情報を取り出す(ステップ506)。次に、ウィンドウ検出及び評価ユニット150は、制御チャネルのRNTIがESI−RNTIであるかどうか等、現在のサブフレームがウィンドウ内の最後のフレームであるか、又はシステム情報を含む最後のサブフレームであるかどうかを判定する(ステップ508)。何れの条件も成立しない場合、ウィンドウ内の次のサブフレームについてステップ502−508が繰り返される(ステップ510)。それ以上のシステム情報が来ないことを示す、最後のサブフレーム又はESI−RNTIが検出された場合、ベースバンド・プロセッサ140は、DL−SCHトランスポート・ブロックを復調及び復号することを停止する(ステップ512)。このようにしてUE129は、システム情報ウィンドウにおける最初のサブフレームで始まる制御チャネルを復調及び復号するとともに、ESI−RNTIが検出されるか、又は最後のウィンドウのサブフレームが受信されるまで、特定のシステム情報RNTIについてチェックする。
【0022】
上述のように、(スケジューリング・ユニット132に相当する)システム情報の一部の部分は、システム情報のその他の部分と同じ頻度で繰り返される必要がなくてもよく、このことは、一定のウィンドウが、他のウィンドウよりも多くのデータ(多くのスケジューリング・ユニット132)を含むであろうことを意味する。このため、より多くのシステム情報(多くのスケジューリング・ユニット132)が送信される時点においてより長いウィンドウであるように、ウィンドウサイズは長さが変化してもよい。図6は、可変長のウィンドウの実施形態の図を提供する。
【0023】
なお、ウィンドウサイズは、無線アクセスの仕様において指定されていてもよく、又は設定変更可能であってもよい。設定変更可能なウィンドウサイズの場合、UE120は、実際のウィンドウサイズについて(システム情報を介して)通知される前には、既定の(大きな)ウィンドウサイズを使用することができる。また、RNTIは、システム情報についての詳細等の、単なるシステム情報以上を示してもよい。一実施形態において、ESI−RNTI1、ESI−RNTI2、ESI−RNTI3、...等の、対応する複数のESI−RNTIとともに、SI−RNTI1、SI−RNTI2、SI−RNTI3、...等の、いくつかの異なるSI−RNTIが使用され得る。
【0024】
一実施形態においては、図7の上部に示すように、同時に送信される複数のスケジューリング・ユニット132は、同一のシステム情報ウィンドウを使用する。あるいは、図7の下部に示すように、複数のスケジューリング・ユニット132は、異なるシステム情報ウィンドウを使用して送信される。何れかの実施形態においても、システム情報は、サブフレーム内のシステム情報の存在を示す特定のRNSIとともに、及び、システム情報送信の終端を示す別の特定のRNTIとともに、規則的に発生するシステム情報ウィンドウにおいて送信される。
【0025】
当然ながら、他の変形も意図している。従って、上述の説明及び添付図面は、システム情報の送信について本明細書で教示した方法及び装置の非限定的な例を示している。また、本発明は、上述の説明及び添付図面に限定されることはない。その代わりに、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの法的な均等物によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークの下りリンクでシステム情報を送信する方法であって、
送信チャネル・サブフレームのシーケンスに重ね合わせられた複数の繰り返し時間ウィンドウ内でシステム情報を送信するステップ(410)と、
前記システム情報を搬送するために所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームを使用するかを動的に選択するステップ(402)と、
前記選択されたサブフレームの各々に、当該サブフレームがシステム情報を搬送することを受信側ユーザ装置に対して知らせるためのインジケータを含めるステップ(406/408)と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記システム情報を搬送するために所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームを使用するかを動的に選択する前記ステップは、
前記所与の時間ウィンドウ内の連続する複数のサブフレームのセットを選択するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システム情報を搬送するために所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームを使用するかを動的に選択する前記ステップは、
前記所与の時間ウィンドウ内の連続しない複数のサブフレームのセットを選択するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記システム情報を搬送するために所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームを使用するかを動的に選択する前記ステップは、
他の制御シグナリング又はデータ・シグナリングに関連する競合する伝送特性を考慮して、システム情報の送信用に何れのサブフレームを使用するかを選択するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記選択されたサブフレームの各々に、当該サブフレームがシステム情報を搬送することを受信側ユーザ装置に対して知らせるためのインジケータを含める前記ステップは、
前記サブフレームがシステム情報を搬送することを示すRNTI(無線ネットワーク一時識別子)を使用するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたサブフレームの各々に、当該サブフレームがシステム情報を搬送することを受信側ユーザ装置に対して知らせるためのインジケータを含める前記ステップは、
システム情報を搬送する前記所与の時間ウィンドウの最後のサブフレーム内で、システム情報の終端のインジケータを使用するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の繰り返し時間ウィンドウのウィンドウサイズを変化させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の繰り返し時間ウィンドウについてのウィンドウサイズを動的に設定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記選択されたサブフレームの各々に、当該サブフレームがシステム情報を搬送することを受信側ユーザ装置に対して知らせるためのインジケータを含める前記ステップは、
特定のサブフレーム用に使用される前記インジケータが、当該サブフレーム内で搬送されるシステム情報の種類を知らせるように、異なる複数の種類のシステム情報に対応する異なる複数のインジケータを使用するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ベースバンド・プロセッサ(130)を備えるネットワーク送信機(110)であって、
前記ベースバンド・プロセッサは、
送信チャネル・サブフレームのシーケンスに重ね合わせられた複数の繰り返し時間ウィンドウ内システム情報を生成し、
ステム情報を搬送するために所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームを使用するかを動的に選択し、
前記選択されたサブフレームの各々に、当該サブフレームがシステム情報を搬送することを受信側ユーザ装置に対して知らせるためのインジケータを含める
ことを特徴とするネットワーク送信機。
【請求項11】
前記ネットワーク送信機は、3GPP E−UTRA標準規格に従って動作する無線基地局から成ることを特徴とする請求項10に記載のネットワーク送信機。
【請求項12】
連続する複数のサブフレームとして構築された下りリンク共有チャネルでシステム情報を送信する方法であって、
各時間ウィンドウが数個の連続するサブフレームの範囲に及ぶ、規則的に発生する複数の時間ウィンドウ内でシステム情報を送信するステップ(400−416)と
与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームがシステム情報を搬送するかを受信側ユーザ装置に対して知らせるステップ(406/408)と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームがシステム情報を搬送するかを受信側ユーザ装置に対して知らせる前記ステップは、
システム情報を搬送する前記所与の時間ウィンドウ内の最後のサブフレームを知らせることにより、前記受信側ユーザ装置が当該所与の時間ウィンドウ内のシステム情報を監視することを停止させるステップを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
システム情報を搬送するために所与の時間ウィンドウ内の何れのサブフレームを使用するかを動的に選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
対応する無線通信ネットワークからシステム情報を移動局が受信する方法であって、
各繰り返し時間ウィンドウが多数のサブフレームの範囲に及ぶ、システム情報の送信に使用される連続する複数の繰り返し時間ウィンドウ内で、各時間ウィンドウの最初においてシステム情報の受信の監視を開始するステップ(500及び502)と、
各時間ウィンドウ内で、システム情報の表示について各信号サブフレームを監視するとともに、当該システム情報が存在する場合に当該信号サブフレームからシステム情報を読み取るステップ(504−510)と、
少なくとも前記時間ウィンドウの終端で監視を終了するステップ(512)と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記時間ウィンドウ内で受信した信号サブフレーム内のシステム情報の終端のインジケータを認識するとともに、それに応じて、当該時間ウィンドウの監視を終了するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記時間ウィンドウ用に使用される、変化するウィンドウサイズ又は設定変更可能なウィンドウサイズに適応するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
システム情報の送信を監視するための既定のウィンドウサイズを格納するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記既定のウィンドウサイズではなく受信した情報に表示された特定のウィンドウサイズに基づいて、システム情報の送信について監視するステップをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
異なる複数の信号サブフレーム内の異なる複数のシステム情報インジケータを認識することに基づいて、異なる複数の種類のシステム情報を認識するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
ベースバンド・プロセッサ(140)を備える移動局(120)であって
記ベースバンド・プロセッサは、
各繰り返し時間ウィンドウが多数のサブフレームの範囲に及ぶ、システム情報の送信に使用される連続する複数の繰り返し時間ウィンドウ内で、各時間ウィンドウの最初においてシステム情報の受信の監視を開始し、
各時間ウィンドウ内で、システム情報の表示について各信号サブフレームを監視するとともに、当該システム情報が存在する場合に当該信号サブフレームからシステム情報を読み取り、
少なくとも前記時間ウィンドウの終端で監視を終了する
ことを特徴とする移動局。
【請求項22】
前記ベースバンド・プロセッサは、
前記時間ウィンドウ内で受信した信号サブフレーム内のシステム情報の終端のインジケータを認識するとともに、それに応じて、当該時間ウィンドウの監視を終了することを特徴とする請求項21に記載の移動局。
【請求項23】
前記ベースバンド・プロセッサは、
前記時間ウィンドウ用に使用される、変化するウィンドウサイズ又は設定変更可能なウィンドウサイズに適応することを特徴とする請求項21に記載の移動局。
【請求項24】
前記ベースバンド・プロセッサは、
既定のウィンドウサイズではなく受信した情報に表示された特定のウィンドウサイズに基づいて、システム情報の送信について監視することを特徴とする請求項21に記載の移動局。
【請求項25】
前記ベースバンド・プロセッサは、
異なる複数の信号サブフレーム内の異なる複数のシステム情報インジケータに基づいて、異なる複数の種類のシステム情報を認識することを特徴とする請求項21に記載の移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−95323(P2012−95323A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−272686(P2011−272686)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【分割の表示】特願2010−513158(P2010−513158)の分割
【原出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】