説明

下丹田用サポーター

【課題】意識されにくい部位である下丹田を意識しやすくすることで、着用者自ら下丹田に力を入れて姿勢を矯正するサポーターを提供する。
【解決手段】伸縮自在で胴に巻かれる帯状本体1と、帯状本体に設けられ腹の下丹田位置に当たる板状物10とを備えてなるサポーターである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下腹部に着用する下丹田用サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下腹部にある下丹田は、禅や武道において最も重視され、心身ともに重要な部位とされている。下丹田を意識して下腹に力を入れると、身体の重心と軸が安定し背筋が伸び姿勢も良くなる。
【0003】
しかしながら、近年、禅や武道に触れる機会が少なくなり、且つ、着物の着用時に下腹の下丹田部分を押圧し下丹田に意識を働きかけることのできていた腰ひもや腹帯なども、和服から洋服へと服装の移行とともに使用しなくなってきている。このような生活様式の変化にともない、日常生活において下腹部の下丹田は意識されにくい部位になってきている。従来、この種の帯状の健康促進器具(特許文献1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−250974
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
意識されにくい部位になってきている下丹田を、日常の生活の中で意識しやすくし、且つ、下丹田に力を入れやすくすることで、着用者自ら姿勢を矯正する物の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、洋服着用の日常生活において、下丹田を意識しやすくし、且つ、下丹田に力を入れやすくすることを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、伸縮自在で胴に巻かれる帯状本体と、帯状本体に設けられ腹の下丹田位置に当たる板状物とを備えてなることを特徴とする下丹田用サポーターである。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記帯状本体を、平筒状とし筒の内部に板状物を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記帯状本体を、エンドレスの輪状に形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記板状物を、上記帯状本体と同一の素材で一体化して形成してなることを特徴とするものであり、請求項5記載の発明は、上記帯状本体の両端部に、上記板状物をそれぞれ設けて形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記板状物を弾性部材で形成してなることを特徴とするものであり、請求項7の発明は、上記弾性部材は、シリコーンゴムからなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、伸縮自在で胴に巻かれる帯状本体と、帯状本体に設けられ腹の下丹田位置に当たる板状物とを備えてなることから、着用者は伸縮性を有する上記帯状本体に胴が着圧されることにより体幹の横軸と前後軸が定まり、又、下腹の下丹田部分が上記板状物の面幅で着圧されることにより下丹田を意識しやすく、更に、着用者が下丹田に力を入れると上記板状物の面幅で押圧されることにより下丹田に力が入りやすくなることで体幹の縦軸も定まり、身体の軸と重心が安定し直立時や歩行時のバランスがとりやすくなり、又、身体の軸と重心が安定することにより自ら背筋を伸ばし姿勢を矯正することができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記帯状本体を、平筒状に形成し筒の内部に上記板状物を設けてなるから、全体に上記帯状本体による身体への食い込みや締め付け感がなく着用することができる。又、請求項3記載の発明にあっては、上記帯状本体を、エンドレスの輪状に形成してなるから、簡単な形態となり着脱を容易とする。
【0010】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記板状物を、上記帯状本体と同一の素材で一体化して形成してなるから、下丹田用サポーターの製作を容易とし、又、着用者の身体によりフィットすることからウォーキング時や軽い運動時の着用に適する。
【0011】
又、請求項5記載の発明にあっては、上記帯状本体の両端部に、上記板状物をそれぞれ設けて形成してなるから、各々の上記板状物の裏側に面ファスナーを取り付け、この面ファスナーの貼り合わせにより着用されることから、洋服着用後でも下丹田用サポーターの着脱を容易とし短時間の着用や外出時の携帯用に適する。
【0012】
又、請求項6記載の発明にあっては、上記板状物を、弾性部材で形成してなることから、身体への着圧感を軽減することができ、又、請求項7記載の発明にあっては、上記弾性部材は、シリコーンゴムからなることから、シリコーンゴムは肌にやさしい素材であり、又、材質は弾性および伸縮性の両方を有していることから製作のバリエーションを拡大する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の全体の概略図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の輪状とする前の全体正面図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例のA−A線の拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の第一形態例の板状物の全体斜視図である。
【図5】本発明の実施の第二形態例の全体正面図である。
【図6】本発明の実施の第二形態例の全体平面図である。
【図7】本発明の実施の第三形態例の全体平面図である。
【図8】本発明の実施の第三形態例の輪状とした全体平面図である。
【図9】本発明の実施の形態例を着用者の前方から見た状態の正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1乃至図9は本発明の実施の形態例を示し、図1は全体の概略図、図2乃至図4は第一形態例、図5,図6は第二形態例、図7、図8は、第三形態例、図9は、着用の状態の正面図である。
【0015】
図2、3の第一形態例において、1aは伸縮性を有する帯状本体であって、この帯状本体を平筒状とし筒口4又は5より弾性を有する板状物10aを挿入して板状物を設置し2及び3で袋状に縫合し、帯状本体の筒口4と5とを縫合してエンドレスの輪状に形成する。
【0016】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、着用に際し、身体への食い込みや締付け感がなく、下着を身に着けるように足元より下腹に着けるだけで着用でき着脱が簡単である。
【0017】
又、板状物1aが着用者の下腹の下丹田部分に適宜な面幅で着圧することで圧迫感なく下丹田を意識しやすくなり、且つ、下丹田に力をいれると板状物1aが面幅で押圧し下丹田に力を入れやすくなる。
【0018】
図5の第二形態例は別例構造を示し、この場合、伸縮性を有する帯状本体1bと弾性を有する板状物10bとが同一の素材、例えば、シリコーンゴム、合成ゴムなどの素材で一体化し形成している。
【0019】
この実施の第二形態例は、上記構成であるから、上記第一形態と同様な作用効果を得ることができ、更に、帯状本体1bと板状物10bが一体化していることにより、より身体にフィットしウォーキング時や軽い運動時の着用に適している。
【0020】
図7の第三形態例は別例構造を示し、この場合、伸縮性を有する帯状本体1cの両端それぞれに弾性を有する板状物10cを設け、各々の板状物10cの裏面に面ファスナー6と7を取り付け、着用に際し、着用者の下腹の下丹田部分で面ファスナー6と7を貼りあわせて輪状の形態として着用する。
【0021】
この実施の第三形態は、上記構成であるから、上記第一形態と同様な作用効果を得ることができ、更に、着脱が簡単であり、短時間の着用や外出時の携帯用に適している。
【0022】
上記帯状本体の素材としては、例えば、ナイロン、ポリウレタン、シルク、シリコーン、などの伸縮性を有し肌に優しい素材を使用して身体を締め付けないようにするとよい。
【0023】
上記板状物の部材は、例えば、シリコーン、ウレタン材、合成ゴム材などの弾性を有する素材を使用し、上記板状物の寸法は、下丹田に効果的に当たるように適宜設定されるが、好ましくは、肉厚は、約0.6cm以下、長さは、約7cm以下、高さは、約4cm以下、として、板状物による身体への圧迫感がないようにするとよい。
【0024】
上記板状物の形は、楕円形でなく、多角形、又は、物品、動物、植物などの擬似形態でも角に丸みがあり下腹部にフィットする形であればよい。
【0025】
上記帯状本体は、腰周りにソフトにフィットするように着用者の体型に合わせ、例えば、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等のサイズ別の下丹田用サポーターとし、日常生活の中で常時着用できるようにするとよい。
【0026】
尚、本発明は、上記実施の形態例に限られるものでなく、帯状本体1、板状物2の形態、材質等は適宜変更して設計される。
【0027】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 帯状本体
10、 板状物
2,3 縫合線
4、5 筒口
6,7 面ファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在で胴に巻かれる帯状本体と、帯状本体に設けられ腹の下丹田位置に当たる板状物とを備えてなることを特徴とする下丹田用サポーター。
【請求項2】
上記帯状本体を、平筒状とし筒の内部に板状物を設けて形成してなることを特徴とする請求項1記載の下丹田用サポーター。
【請求項3】
上記帯状本体を、エンドレスの輪状に形成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の下丹田用サポーター。
【請求項4】
上記板状物を、上記帯状本体と同一の素材で一体化して形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の下丹田用サポーター。
【請求項5】
上記帯状本体の両端部に、上記板状物をそれぞれ設けて形成してなることを特徴とする請求項1,又は4記載の下丹田用サポーター。
【請求項6】
上記板状物を、弾性部材で形成してなることを特徴とする請求項1、2、3,4又は5記載の下丹田用サポーター。
【請求項7】
上記弾性部材は、シリコーンゴムからなることを特徴とする請求項6記載の下丹田用サポーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−224973(P2012−224973A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−72374(P2012−72374)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【出願人】(511121458)
【Fターム(参考)】