説明

下水処理装置および固液分離膜モジュール

【課題】本発明は、従来の下水処理装置と比較して運転コストおよび維持管理の頻度や煩雑さを低減しつつ、効率的に膜面の目詰まりを解消することができる下水処理装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の下水処理装置S3は、流入する下水2を活性汚泥により処理する反応槽3と、この反応槽3内に配置された固液分離平膜5と、超音波Uを発生させる振動子12と、前記固液分離平膜5の膜面に沿って延びるように設置されるとともに前記振動子12が発生させた超音波を伝播する導音部11と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸漬型の固液分離膜モジュールを用いた下水処理装置および固液分離膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
浸漬型の固液分離膜モジュールを用いた下水処理装置としては、例えば、反応槽内で複数の外圧式の固液分離膜が、その膜面が垂直となるよう配置されたものが知られている。この下水処理装置は、反応槽の下部に設置された散気管から気泡を発生させている。このような気泡を発生させる目的としては、反応槽内の活性汚泥に酸素を供給すること、そして、気泡の上昇に伴って生起される水流により膜面の付着物を除去することで、膜面の目詰まりを抑制することが挙げられる。この下水処理装置では、濁質成分の流出を防ぐことが可能であるために、活性汚泥の濃度を高く設定して運転することが可能となる。その結果、この下水処理装置は、固液分離膜モジュールを用いない下水処理装置に比べて、装置自体を小型化することができるとともに、更に発生汚泥を低減することができる。しかし、散気量が従来の下水処理装置に比べて多く必要となるために、ブロワで多量の電気エネルギが消費されて、運転コストが高価になるという問題がある。
【0003】
そして、下水処理装置では、濾過運転を継続していると、膜面の目詰まりが徐々に進行する。したがって、この目詰まりを解消するために、数ヶ月あるいは数年に1回の頻度で膜面の薬液洗浄が実施されることとなる。この薬液洗浄は、浸漬されていた固液分離膜モジュールを反応槽から一度取り出して薬液洗浄槽に含浸して行われる。しかしながら、この下水処理装置では洗浄作業工程に手数を要し、更に固液分離膜モジュールの取り出しに、別途に装置が必要となるという問題がある。したがって、固液分離膜モジュールの洗浄に際しては、反応槽内に固液分離膜モジュールを浸漬した状態のままで洗浄することが望ましい。
【0004】
その一方で、従来、固液分離膜を使用した水処理技術としては、次の特許文献1ないし特許文献5に記載された技術がある。
特許文献1には、活性汚泥の収容される反応槽内で、固液分離膜の膜面へ向かう上昇攪拌流が増強されるように、固液分離膜モジュールと散気管との間に攪拌手段を設けた下水処理装置が記載されている。
この下水処理装置では、攪拌手段で生起したクロスフロー流によって、固液分離膜の膜面の洗浄が促進される。
【0005】
また、特許文献2には、処理槽の底部に振動子が配置された水処理装置が記載されている。
この水処理装置では、処理槽内に配置された固液分離膜を超音波で洗浄しながら被処理水を濾過している。
【0006】
また、特許文献3には、固液分離膜を収容するケーシングに振動子を取り付けた水処理装置が記載されている。
この水処理装置では、固液分離膜を逆洗する際に、振動子がケーシングを介して固液分離膜を振動させることで、固液分離膜の洗浄効率が高められるようになっている。
【0007】
また、特許文献4には、回転ブラシを固液分離膜の膜面上に配置した下水処理装置が記載されている。
この下水処理装置では、回転ブラシが固液分離膜の膜面上で回転することによって固液分離膜の目詰まりを防止するようになっている。
【0008】
また、特許文献5には、固液分離膜を有する濾板に、その上側部から下側部にわたってスリットを並列に複数設けた固液分離膜モジュールが記載されている。
この固液分離膜モジュールでは、この固液分離膜モジュールを槽内に浸漬した状態で、固液分離膜を洗浄する際に、所定のノズルから洗浄薬液が固液分離膜モジュール内に投入される。その一方で、固液分離膜モジュール内では、洗浄薬液がその比重差と密度流とに応じて拡散していく。そして、拡散した洗浄薬液によって固液分離膜が洗浄されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−251386号公報
【特許文献2】特開平11−319517号公報
【特許文献3】特開2004−181371号公報
【特許文献4】特開平11−267472号公報
【特許文献5】特開平8−281264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の下水処理装置では、攪拌手段が気泡の上昇速度を大きくするために、反応槽内での気泡の滞留時間が減少する。その結果、被処理水中の酸素の溶解率が低下することとなって、活性汚泥への酸素供給量が不足する。そして、活性汚泥への酸素供給量を高めて処理安定性を確保しようとすると、散気量を増大させる必要がある。その結果、ブロワで消費される電力が増大して運転コストが増大することとなる。
また、一般に、公共下水(被処理水)には毛髪等の繊維状物質が多く含まれる。したがって、この下水処理装置では、攪拌手段に繊維状物質が絡みつく恐れがある。そして、この絡みつきは、一度発生すると加速度的に進行するために、攪拌手段の動力に見合った攪拌効果が得られないだけでなく、最終的には攪拌装置の停止を招くこととなる。したがって、この下水処理装置では、維持管理の頻度や煩雑さが増大するという問題がある。
【0011】
また、特許文献2および特許文献3に記載の水処理装置が下水処理装置に適用された場合を想定すると、反応槽内には複数の膜や散気管が備えられて構造が複雑になるばかりでなく、被処理水(下水)には気泡や活性汚泥が存在することとなる。その結果、超音波の発信源である振動子の配置位置が膜面から遠いこととも相俟って、超音波が膜面まで十分に伝わらない恐れがある。したがって、特許文献2および特許文献3に記載の水処理装置を下水処理装置に適用すると、固液分離膜の洗浄が充分に行われずに、固液分離膜の目詰まりが充分に解消されない場合がある。
【0012】
また、特許文献4に記載の下水処理装置では、前記した公共下水に含まれた繊維状物質が回転ブラシに絡みつく恐れがある。そして、この絡みつきは、活性汚泥をも巻き込んで加速度的に進行する。その結果、回転ブラシの駆動力に見合った目詰まりの防止効果が得られないだけでなく、絡みついた繊維状物質が固液分離膜を破損する恐れもある。したがって、この下水処理装置では、維持管理の頻度や煩雑さが増大するという問題がある。また、回転ブラシの回転安定性を確保しようとすると、駆動力を増大させる必要があるために、運転コストが増大することとなる。
【0013】
また、特許文献5に記載の固液分離膜モジュールでは、固液分離膜モジュール内で洗浄薬液を拡散させるために、固液分離膜モジュールが浸漬される槽内の液体と洗浄薬液との比重差による密度流を利用している。そのために、洗浄薬液の拡散性は、洗浄薬液の濃度や温度に依存する。したがって、この固液分離膜モジュールでは、洗浄薬液の濃度や温度の変化によって、所定の洗浄効果が得られる濃度で洗浄薬液が膜面の全体に行きわたらない場合がある。その結果、膜面の薬液洗浄効果に偏りが生じて、固液分離膜の膜面の目詰まりを充分に解消することができない場合がある。
【0014】
そこで、本発明は、従来の下水処理装置と比較して運転コストおよび維持管理の頻度や煩雑さを低減しつつ、効率的に膜面の目詰まりを解消することができる下水処理装置、および固液分離膜モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決する本発明の下水処理装置は、振動子が発生させた超音波を伝播する導音部が、固液分離平膜の膜面に沿って延びるように設置されている。
また、本発明の下水処理装置は、固液分離平膜の膜面に沿うように配置された板状体の端縁が固液分離平膜の膜面に沿うように配置されるとともに、膜面に沿って往復移動するようになっている。
また、本発明の固液分離膜モジュールは、固液分離膜モジュール内に形成された二次側領域に連通するようにノズルが形成されており、前記二次側領域に流入した液体の流れをこの流れと対向する方向に変える流路を形成するように、その二次側領域に仕切り部材が配置されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来の下水処理装置と比較して運転コストおよび維持管理の頻度や煩雑さを低減しつつ、効率的に膜面の目詰まりを解消することができる下水処理装置、および固液分離膜モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、(a)は、下水処理装置の上面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、(a)のB−B断面図である。
【図2】(a)は、反応槽内での下水の流れ方向、および気泡の流れ方向を説明するための模式図、(b)は、(a)のM部拡大図である。
【図3】第2の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、下水処理装置の上面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、(a)は、下水処理装置の上面図、(b)は、(a)のC−C断面図、(c)は、(b)のN部拡大図である。
【図5】第4の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、(a)は、下水処理装置の上面図、(b)は、(a)のD−D断面図、(c)は、(a)のL部拡大図、(d)は、(a)の下水処理装置における変形例を示す部分拡大図である。
【図6】(a)は、実施の形態に係る固液分離膜モジュールの斜視図、(b)は、固液分離膜モジュールの分解斜視図である。
【図7】(a)から(d)は、固液分離膜モジュールに洗浄薬液を注入した際の、洗浄薬液の濃度変化を示す模式図である。
【図8】(a)から(d)は、比較例の固液分離膜モジュールに洗浄薬液を注入した際の、洗浄薬液の濃度変化を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の下水処理装置に係る実施の形態と、この下水処理装置に好適に使用される固液分離膜モジュールの実施の形態について説明する。ここでは、まず、第1ないし第4の実施の形態に係る下水処理装置について説明した後に、固液分離膜モジュールについて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
下水処理装置における第1の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、図1は、第1の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、(a)は、下水処理装置の上面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、(a)のB−B断面図である。
【0020】
図1(a)、(b)および(c)に示すように、下水処理装置S1は、下水(被処理水)2の流入口1と、流出口6とが形成された反応槽3と、この反応槽3内に配置された隔壁4と、固液分離平膜5と、散気管8とを備えている。
【0021】
反応槽3の内側には、下水2が流れ込む領域Pが略直方体に区画されており、この領域Pには、後記する所定の流れ(下水2の流れ)が形成されるようになっている。そして、図1(a)および(c)に示すように、本実施の形態では、流入口1の形成位置が、領域P(略直方体)における水平方向の長手側の一端側であって、領域Pの上側手前角近傍に設定されている。また、流出口6の形成位置が、領域Pにおける水平方向の長手側の一端側であって、領域Pの上側奥角近傍に設定されている。そして、この反応槽3の内側の領域Pには、下水2とともに活性汚泥(図示せず)が存在することとなる。
【0022】
隔壁4は、図1(a)および(b)に示すように、板状体であって、反応槽3の内側で底部から上方に向かって板面が延びるように配置されている。そして、本実施の形態では、2枚の隔壁4が配置されている。そのうちの1枚は、下水2が流れ込む領域Pにおける水平方向の長手側の一端側から他端側に向かって延びるように配置され、他の1枚は長手側の他端側から一端側に向かって延びるように配置されている。そして、この隔壁4同士は、その面同士が相互に平行になっている。つまり、この隔壁4は、流入口1を介して反応槽3内に流入する下水2が、流出口6を介して反応槽3から排出されることで、流入した下水2の流れをこの流れと対向する方向に変える流路3aを形成している。
【0023】
固液分離平膜5は、外圧式のものであって、図1(b)および(c)に示すように、枠部材5aと、この枠部材5aを挟み込むように配置された一対の平膜5bと、枠部材5aと平膜5bとで区画する二次側領域Qに連通するノズル18とを備えている。
そして、この固液分離平膜5は、その膜面が隔壁4と平行となるように配置されている。
【0024】
散気管8は、図1(b)および(c)に示すように、反応槽3の底部と各固液分離平膜5のそれぞれとの間に配置されるとともに、固液分離平膜5の下縁に沿うように配置されている。この散気管8は、反応槽3内の下水2に気泡を発生させるものであり、散気管8から発生した気泡が、上昇しながら固液分離平膜5の膜面を曝すこととなる。
【0025】
次に、本実施の形態に係る下水処理装置S1の作用効果について適宜図面を参照しながら説明する。ここで参照する図面において、図2(a)は、反応槽内での下水の流れ方向、および気泡の流れ方向を説明するための模式図、図2 (b)は、図2(a)のM部拡大図である。
【0026】
図1(a)に示す下水処理装置S1では、流入口1を介して領域Pに流れ込んだ下水2は、流出口6から排出されることで、隔壁4で仕切られた領域Pを蛇行する流路3aに沿うような流れを形成する。言い換えれば、図2(a)に示すように、下水2は、水平方向に向かって固液分離平膜5の膜面に沿うように流れて水平方向のベクトルX1(図2(b)参照)を生起する。
【0027】
そして、この下水処理装置S1では、固液分離平膜5の二次側領域Q(図1(b)参照)に存在する下水2の濾過液がノズル18(図1(b)参照)を介して吸引される。この吸引された濾過液は、この下水処理装置S1の外側の系(図示せず)に排出されることとなる。また、流出口6から排出される下水2は、反応槽3に還流されるか、またはこの下水処理装置S1の下流側に設けられた二次の下水処理装置に供給されることとなる。
【0028】
そして、図2(a)に示す散気管8が発生する気泡8aが反応槽3内を上昇することによって、気泡8aは、鉛直方向に固液分離平膜5の膜面に沿うように流れる。その結果、図2(b)に示す位置R1では、下水2が上昇する気泡8aとともに流れて鉛直方向の上側向きのベクトルY1(図2(b)参照)を生起する。また、気泡8aが存在しない位置R2では、下水2が鉛直方向の下側に流れることで鉛直方向の下側向きのベクトルY2(図2(b)参照)を生起する。その結果、固液分離平膜5の膜面においては、図2(b)に示すように、位置R1でベクトルX1とベクトルY1との和としてのベクトルZ1が生起するとともに、位置R2でベクトルX1とベクトルY2との和としてのベクトルZ2が生起する。
【0029】
そして、これらのベクトルZ1およびベクトルZ2は、固液分離平膜5に対して液が透過する方向にクロスする、いわゆるクロスフロー水流を生起する。その一方で、ベクトルZ1およびベクトルZ2の絶対値は、ベクトルX1を大きくすることで増大させることができる。具体的には、クロスフロー水流の流速は、散気管8からの気泡8aの上昇速度を増加させなくとも、領域Pを蛇行する流路3a(図1(a)参照)内における下水2の流速を増加させることで増加させることができる。
【0030】
したがって、この下水処理装置S1では、気泡8aの上昇速度を増加させなくとも、クロスフロー水流の流速を増加させることができるので、反応槽3内での気泡8aの滞留時間が減少することがない。その結果、下水2中の酸素の溶解率が低下することもなく、活性汚泥への酸素供給量が不足することもない。つまり、この下水処理装置S1によれば、ブロワで消費される電力を増大させなくとも、下水2の処理安定性を確保することができるので、従来の下水処理装置(例えば、特許文献1参照)と比較して運転コストを低減することができる。
【0031】
また、この下水処理装置S1では、従来の下水処理装置(例えば、特許文献1参照)と異なって、攪拌手段を必要としないので、維持管理の頻度や煩雑さを低減することができる。
【0032】
また、一般に、気泡8aの径が小さいと反応槽3内での下水2における溶存酸素の濃度は増加する。その一方で、気泡8aの径が小さいと気泡8aによる膜面の洗浄効果は低下する。しかしながら、本実施の形態に係る下水処理装置S1では、気泡8aの径が小さくとも前記したようにクロスフロー水流の流速を増加させることができる。その結果、この下水処理装置S1は、下水2における溶存酸素の濃度を増加させつつ、固液分離平膜5の洗浄効果をも向上させることができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
下水処理装置における第2の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、図3は、第2の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、下水処理装置の上面図である。なお、本実施の形態において、前記実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0034】
図3に示すように、この下水処理装置S2では、反応槽3内に2枚の固液分離平膜5が配置されている。そして、そのうちの1枚は、下水2が流れ込む領域Pにおける水平方向の長手側の一端側から他端側に向かって延びるように配置され、他の1枚は長手側の他端側から一端側に向かって延びるように配置されている。そして、この固液分離平膜5同士は、その膜面同士が相互に平行になっている。
【0035】
この下水処理装置S2では、固液分離平膜5が、第1の実施の形態における隔壁4(図1(a)参照)と同様の作用効果を奏するようになっており、反応槽3内に流入した下水2の流れをこの流れと対向する方向に変える流路3aを形成するように固液分離平膜5が配置されている。
【0036】
次に、本実施の形態に係る下水処理装置S2の作用効果について適宜図面を参照しながら説明する。
この下水処理装置S2では、前記した第1の実施の形態に係る下水処理装置S1(図1(a)参照)と同様の作用効果を奏するとともに、次のような作用効果をも奏する。
【0037】
この下水処理装置S2では、第1の実施の形態に係る下水処理装置S1と異なって、隔壁4(図1(a)参照)を有していないので、反応槽3内を流れる下水2の抵抗が低減される。そして、反応槽3内では、固液分離平膜5が配置されることで下水2の流れに抵抗を生じさせるが、前記した流路3aを形成するように固液分離平膜5を配置することで、固液分離平膜5の抵抗が低減される。
【0038】
また、この下水処理装置S2では、隔壁4(図1(a)参照)を有していないので、第1の実施の形態に係る下水処理装置S1と比較して建設コストを低減することができる。
【0039】
また、この下水処理装置S2では、隔壁4(図1(a)参照)を有していないので、隔壁4で占有されていた体積の分だけ反応槽3を有効に活用することができる。その結果、この下水処理装置S2は、小型化を図ることが可能となる。
【0040】
また、この下水処理装置S2では、隔壁4で占有されていた体積の分だけ反応槽3を有効に活用することができるので、反応槽3内に配置する固液分離平膜5の数を増大することができる。その結果、この下水処理装置S2は、下水2の処理能力を向上させることができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
下水処理装置における第3の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、図4は、第3の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、(a)は、下水処理装置の上面図、(b)は、(a)のC−C断面図、(c)は、(b)のN部拡大図である。なお、本実施の形態において、前記実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0042】
図4(a)に示すように、この下水処理装置S3では、反応槽3内に3枚の固液分離平膜5が配置されている。そして、これらの固液分離平膜5は、下水2が流れ込む領域Pにおける水平方向の長手側に、その膜面が沿うよう配置されており、これらの固液分離平膜5同士は、その膜面同士が相互に平行になっている。なお、図示しないが、これらの固液分離平膜5のそれぞれには、図示しないが第1の実施の形態と同様にノズルが設けられている。なお、この下水処理装置S3では、これらの固液分離平膜5に代えて、中空糸膜が板状に束ねられた固液分離膜が使用されてもよい。
【0043】
そして、これらの固液分離平膜5同士の間に形成された下水2の流路3aには、導音部11が配置されている。この導音部11は、次に説明する振動子12が発生する超音波U(図4(c)参照)を伝播するものであり、剛性を有する板状体で形成されている。この導音部11の材質としては、ステンレス、鉄、アルミニウム等が挙げられる。この導音部11は、図4(a)および(b)に示すように、その板面が固液分離平膜5の膜面と平行になるように配置されている。そして、この導音部11の上方には、超音波Uを発生させる振動子12が接続されている。なお、この下水処理装置S3は、振動子12を複数備えたものであってもよい。
【0044】
次に、本実施の形態に係る下水処理装置S3の作用効果について適宜図面を参照しながら説明する。
この下水処理装置S3では、振動子12が超音波U(図4(c)参照)を発生すると、この超音波Uは、導音部11に伝播する。なお、この下水処理装置S3では、導音部11が剛性を有しているので、導音部11の全体が超音波Uを伝える。そして、図4(c)に示すように、導音部11に伝播した超音波Uは、導音部11から下水(図示せず)を介して固液分離平膜5の膜面を振動させるとともに、膜面の付着物19を振動させる。その結果、付着物19は、固液分離平膜5の膜面から離脱することとなる。
【0045】
なお、振動子12を作動させる時間としては、特に限定されず、固液分離平膜5を介した濾過運転を行っている間でもよいし、濾過運転を停止している時間でもよい。また、振動子12が超音波Uを発生させるタイミングは、所定の制御装置で制御することもできる。この際、例えば、ノズル18(図1(a)参照)を介して吸引濾過する際の差圧に基づいて、この制御装置は前記したタイミングを制御してもよい。具体的には、制御装置は、所定のセンサで検出した初期の吸引濾過の吸引圧力と、吸引濾過を継続していきながら検出した吸引圧力との差が、予め設定した閾値を超えたときに、前記した制御装置が振動子12を作動させるように構成されていてもよい。また、制御装置は、予め設定した時間ごとに振動子12を作動させるように構成されていてもよい。このように制御装置が振動子12を作動させることで、下水処理装置S3は、その消費エネルギを低減することができる。
【0046】
このような下水処理装置S3によれば、超音波U(図4(c)参照)が固液分離平膜5の膜面に作用する際に、導音部11が固液分離平膜5同士の間に配置されており、従来の下水処理装置(例えば、特許文献2および特許文献3等参照)と異なって、超音波Uの振動源(導音部11)から固液分離平膜5の膜面までの距離が短い。その結果、この下水処理装置S3は、固液分離平膜5と導音部11までの間に存在する気泡や活性汚泥による超音波Uの減衰量を小さくすることができる。つまり、この下水処理装置S3は、固液分離平膜5の膜面や付着物19を効率良く振動させることができるので、付着物19を膜面から容易に剥離させることができ、固液分離平膜5に対して優れた洗浄効果を発揮することができる。
【0047】
また、この下水処理装置S3では、導音部11が固液分離平膜5同士の間に配置されているので、超音波Uが回折ではなく、直接に固液分離平膜5にまで伝播する。その結果、この下水処理装置S3によれば、固液分離平膜5の膜面を均一に洗浄することができる。
【0048】
また、この下水処理装置S3は、前記した付着物19の洗浄効果を発揮するのみならず、固液分離平膜5の膜面に対する付着物19の付着を抑制することができる。その結果、この下水処理装置S3は、散気管8からの散気量を低減することができるので、ブロワで消費される電力量を低減することができる。
【0049】
また、この下水処理装置S3では、振動子12が固液分離平膜5に直接、取り付けられていない。したがって、振動子12が振動した際に、固液分離平膜5自体に掛かる負荷応力が低減される。その結果、下水処理装置S3では、長期間使用しても固液分離平膜5に対する負荷応力の蓄積が低減されるので、固液分離平膜5の耐久時間が向上する。
【0050】
(第4の実施の形態)
下水処理装置における第4の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、図5は、第4の実施の形態に係る下水処理装置の構成説明図であり、(a)は、下水処理装置の上面図、(b)は、(a)のD−D断面図、(c)は、(a)のL部拡大図、(d)は、(a)の下水処理装置における変形例を示す部分拡大図である。なお、本実施の形態において、前記実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0051】
図5(a)に示すように、この下水処理装置S4は、掻取り機構15が設けられている。この掻取り機構15は、図5(a)および(b)に示すように、長尺の板状体15aと、この板状体15aを支持する支持部材15bと、この支持部材15bを往復移動させる駆動装置15cとを備えている。
【0052】
板状体15aは、図5(a)および(b)に示すように、その長手方向の端縁が固液分離平膜5の膜面に接触するように配置されるとともに、固液分離平膜5の上下方向(反応槽3の上下方向)に延びるように配置されている。ちなみに、本実施の形態での板状体15aは、図5(a)に示すように、固液分離平膜5同士の間、反応槽3の内壁と固液分離平膜5との間に複数配置されており、各板状体15aは、それぞれの固液分離平膜5の膜面方向に等間隔で並ぶように配置されている。そして、この板状体15aの配置間隔は、後記するように、板状体15aが支持部材15bおよび駆動装置15cを介して固液分離平膜5の膜面方向(横幅方向)に往復移動する際に、板状体15aの端縁が固液分離平膜5の膜面と接触しない箇所が無いように、つまり、膜面の全てが端縁の摺動面となるように設定されることが望ましい。
【0053】
このような板状体15aの材質としては、固液分離平膜5と接触しても固液分離平膜5に損傷を与えない材質が望ましく、例えば、シリコーンゴム等の弾性材料が挙げられる。また、この板状体15aは、単一の材料で形成されていなくてもよい。具体的には、板状体15aは、少なくとも固液分離平膜5の膜面と接触する端縁部分が固液分離平膜5に損傷を与えない材質で形成されており、この端縁部分以外の部分が「他の材質」で形成されたものであってもよい。ここでの「他の材質」としては、次に説明する支持部材15bに強固に支持されるような剛性を有する樹脂、金属等が挙げられる。
【0054】
支持部材15bは、図5(a)および(b)に示すように、板状体15aの上端部を支持する棒状部材であって、反応槽3の上方で固液分離平膜5の膜面方向に沿うように配置されている。ちなみに、本実施の形態では、支持部材15bは、固液分離平膜5同士の間、および反応槽3の内壁と固液分離平膜5との間に4本配置されている。そして、これらの支持部材15bの両端部は相互に接合されて一体となっている。
【0055】
駆動装置15cは、図5(a)および(b)に示すように、反応槽3の両側の上方に2機配置されている。そして、これらの駆動装置15cは、各支持部材15bの両端を一体に接合した接合部を係止するとともに、各支持部材15bを固液分離平膜5の膜面の方向に沿う方向に往復移動させるように構成されている。
【0056】
なお、駆動装置15cを作動させる時間としては、特に限定されず、固液分離平膜5を介した濾過運転を行っている間でもよいし、濾過運転を停止している時間でもよい。また、駆動装置15cを作動させるタイミングは、所定の制御装置で制御することもできる。この際、例えば、ノズル18(図1(a)参照)を介して吸引濾過する際の差圧に基づいて、この制御装置は前記したタイミングを制御してもよい。具体的には、制御装置は、所定のセンサで検出した初期の吸引濾過の吸引圧力と、吸引濾過を継続していきながら検出した吸引圧力との差が、予め設定した閾値を超えたときに、前記した制御装置が駆動装置15cを作動させるように構成されていてもよい。また、制御装置は、予め設定した時間ごとに駆動装置15cを作動させるように構成されていてもよい。このように制御装置が駆動装置15cを作動させることで、下水処理装置S4は、その消費エネルギを低減することができる。
【0057】
次に、本実施の形態に係る下水処理装置S4の作用効果について適宜図面を参照しながら説明する。
この下水処理装置S4では、駆動装置15cが支持部材15bを往復移動させると、この支持部材15bに支持された各板状体15aの端縁は、固液分離平膜5の膜面に接触しながら膜面方向に往復移動する。
その結果、図5(c)に示すように、各板状体15aの端縁は、固液分離平膜5の膜面の付着物19を掻き取るようにして膜面から除去する。また、板状体15aは、往復移動する際に、膜面近傍の下水(図示せず)を揺動させる。その結果、膜面近傍で揺動した下水によっても付着物19は固液分離平膜5の膜面から除去される。
【0058】
また、この下水処理装置S4では、板状体15aが固液分離平膜5の上下方向(反応槽3の上下方向)に延びるように配置されているので、図5(b)に示す散気管8から発生する気泡(図示せず)が上昇する際に板状体15aと接触する割合が低減される。その結果、気泡が合体することによる気泡の径の増大が防止される。したがって、この下水処理装置S4では、気泡の径の増大による下水中の溶存酸素の濃度低下を防止することができる。
【0059】
また、この下水処理装置S4では、板状体15aで付着物19を掻き取るようになっているので、回転ブラシで付着物を掻き取るもの(例えば、特許文献4参照)と異なって、下水中の繊維状物質が掻取り部分に絡みつくことが防止される。その結果、この下水処理装置S4によれば、維持管理が容易となる。
【0060】
また、この下水処理装置S4は、前記した付着物19の掻取り効果を発揮するのみならず、固液分離平膜5の膜面に対する付着物19の付着を抑制することができる。その結果、この下水処理装置S4では、散気管8からの散気量を低減することができるので、ブロワで消費される電力量を低減することができる。
【0061】
なお、以上のような下水処理装置S4は、板状体15aの端縁が固液分離平膜5の膜面に接触するように配置されているが、この端縁が固液分離平膜5の膜面に沿うように配置されればこれに限定されない。つまり、図5(d)に示すように、下水処理装置S4での板状体15aの端縁は、固液分離平膜5の膜面の近傍で接触しないように配置されてもよい。このような下水処理装置S4では、板状体15aは、往復移動する際に、膜面近傍の下水(図示せず)を揺動させることで付着物19を固液分離平膜5の膜面から除去することとなる。そして、この下水処理装置S4によれば、板状体15aが固液分離平膜5の膜面に接触しないので、板状体15aによる固液分離平膜5の摩耗等のおそれがない。その結果、この下水処理装置S4は、固液分離平膜5の耐久時間を向上させることができる。
【0062】
(固液分離膜モジュール)
次に、本発明の固液分離膜モジュールにおける実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、図6(a)は、実施の形態に係る固液分離膜モジュールの斜視図、図6(b)は、固液分離膜モジュールの分解斜視図である。
【0063】
本実施形態に係る固液分離膜モジュールは、下水処理、上水処理、およびその他の水処理において、固液分離に使用するものである。
図6(a)に示すように、固液分離膜モジュール21は、その外形が平面視で矩形の板状体である。この固液分離膜モジュール21は、図6(b)に示すように、平膜21bと、枠部材21aと、ノズル18と、仕切り部材21cとを備えている。
平膜21bは、固液分離可能な膜であって、図6(b)に示すように、固液分離膜モジュール21の平面形状と略同形状となるように形成されている。
【0064】
枠部材21aは、図6(b)に示すように、その輪郭が固液分離膜モジュール21の外形と略同形状となるように形成されている。そして、この枠部材21aは、一対の平膜21bで挟み込まれており、枠部材21aの内側には、二次側領域Qが区画されている。
【0065】
ノズル18は、固液分離膜モジュール21の外側と、その内側である二次側領域Qとを連通させるものである。本実施の形態における固液分離膜モジュール21では、2つのノズル18が設けられている。そして、ノズル18は、枠部材21aにおける一辺側の両角近傍のそれぞれに配置されている。
【0066】
仕切り部材21cは、長尺の板材で形成されている。この仕切り部材21cは、二次側領域Q内で、一方のノズル18側から他方のノズル18側に向かうように蛇行する流路21dを区画している。ちなみに、本実施の形態での固液分離膜モジュール21は、3本の仕切り部材21cを備えており、そのうちの1本は、ノズル18が配置された枠部材21aの一辺を上辺とすると、この上辺と対向する下辺の中央から上片に向かって延びるように配置されている。そして、他の2本は、枠部材21aの横辺との間でノズル18を挟む位置で上辺から下辺に延びるようにそれぞれ配置されている。そして、この仕切り部材21c同士は、相互に平行になっている。このような仕切り部材21cは、一方のノズル18から液体が二次側領域Qに流入するとともに、他方のノズル18から液体が二次側領域Qから流出する際に、二次側領域Qに流入した液体の流れをこの流れと対向する方向に変える流路21dを形成するように配置されることとなる。ちなみに、この仕切り部材21cは、流路21dを形成するとともに、平膜21bに掛かる面圧に対してこの平膜21bを補強するようになっている。
【0067】
次に、本実施の形態に係る固液分離膜モジュール21の洗浄方法について説明しながら、この固液分離膜モジュール21の作用効果について適宜図面を参照しながら説明する。なお、参照する図面において、図7(a)から(d)は、固液分離膜モジュールに洗浄薬液を注入した際の、洗浄薬液の濃度変化を示す模式図である。図8(a)から(d)は、比較例の固液分離膜モジュールに洗浄薬液を注入した際の、洗浄薬液の濃度変化を示す模式図である。
【0068】
ここでは、固液分離膜モジュール21の洗浄が下水等の被処理水に浸漬された状態で行われる場合について説明する。まず、本実施の形態に係る固液分離膜モジュール21の洗浄方法の説明に先立って、比較例の固液分離膜モジュールの洗浄方法について説明する。
図8(a)から(d)に示すように、比較例の固液分離膜モジュール31は、本実施の形態に係る固液分離膜モジュール21と異なって、図6(b)に示すような二次側領域Q内に流路21dを形成する仕切り部材21cを備えていない。
このような比較例の固液分離膜モジュール31では、ノズル32から注入された洗浄薬液Wは、濾過液Fと洗浄薬液Wとの比重差によって沈降していく。そして、洗浄薬液Wは、主に拡散効果によって固液分離膜モジュール31内に広がっていく。
【0069】
このような比較例の固液分離膜モジュール31では、固液分離膜モジュール31の上部での洗浄薬液の濃度を所定値に設定すると、固液分離膜モジュール31の下部の濃度はその所定値を超えることとなる。つまり、固液分離膜モジュール31の膜面に対する洗浄度合いが不均一となる。また、注入する洗浄薬液が過剰に必要となるため、薬液使用量や廃液処理量が多くなってしまう。また、洗浄薬液Wが、主に拡散効果によって固液分離膜モジュール31内に広がっていくために、比較例の固液分離膜モジュール31では、洗浄に時間を要することとなる。
【0070】
次に、本実施の形態に係る固液分離膜モジュール21の洗浄方法について説明する。
図7(a)に示す固液分離膜モジュール21の洗浄方法では、固液分離膜モジュール21が下水等の被処理水に浸漬された状態で次のようにして固液分離膜モジュール21の洗浄が行われる。
【0071】
図7(a)に示す固液分離膜モジュール21の流路21d内には、被処理水の濾過液Fが充填されている。そして、この固液分離膜モジュール21の一方のノズル18(図7(a)中の右側のノズル18)から洗浄薬液Wが固液分離膜モジュール21に注入されるとともに、他方のノズル18(図7(a)中の左側のノズル18)から濾過液Fが排出される。その結果、図7(b)から図7(d)に示すように、洗浄薬液Wは、仕切り部材21cで仕切られた流路21dを蛇行しながら固液分離膜モジュール21内に充填されていく。
【0072】
したがって、本実施の形態に係る固液分離膜モジュール21では、平膜21b(図6(b)参照)の全面に所定の濃度の洗浄薬液Wを均一に接触させることができる。つまり、平膜21bの全面において洗浄薬液Wの濃度を所定値以上とするために必要な薬液量を、低減することができる。
【0073】
また、固液分離膜モジュール21の洗浄方法では、固液分離膜モジュール21の膜面を均一に洗浄することできるので、固液分離膜モジュール21の交換までの期間を延長することができる。
【0074】
また、固液分離膜モジュール21の洗浄方法では、短時間で洗浄薬液Wを注入することができる。その結果、この固液分離膜モジュール21を使用した下水処理装置では、この固液分離膜モジュール21を洗浄する際に、その下水処理装置の運転を停止する時間を短縮することができる。
【0075】
また、固液分離膜モジュール21の洗浄方法では、固液分離膜モジュール21内(二次側領域Q内)に洗浄薬液Wを充填した後に、一方のノズル18からリンス水を注入し、他のノズル18から洗浄薬液Wを排出することで、洗浄薬液Wの排出時間を短縮することができる。この際、リンス水の使用量をも低減することができる。
【0076】
また、固液分離膜モジュール21の洗浄方法では、高い濃度のままで洗浄薬液Wを取り出すことができるので、洗浄薬液Wの再利用が可能となる。
【符号の説明】
【0077】
2 下水
3 反応槽
3a 流路
4 隔壁
5 固液分離平膜
5a 枠部材
5b 平膜
S1 下水処理装置
S2 下水処理装置
S3 下水処理装置
S4 下水処理装置
11 導音部
12 振動子
15 掻取り機構
15a 板状体
18 ノズル
19 付着物
21 固液分離膜モジュール
21a 枠部材
21b 平膜
21c 仕切り部材
21d 流路
Q 二次側領域
U 超音波
W 洗浄薬液(液体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入する下水を活性汚泥により処理する反応槽と、
この反応槽内に配置された固液分離平膜と、
超音波を発生させる振動子と、
前記固液分離平膜の膜面に沿って延びるように設置されるとともに前記振動子が発生させた超音波を伝播する導音部と、
を備えることを特徴とする下水処理装置。
【請求項2】
流入する下水を活性汚泥により処理する反応槽と、
この反応槽内に配置された固液分離平膜と、
板状体であって、この板状体の端縁が前記固液分離平膜の膜面に沿うように配置されるとともに前記膜面に沿って往復移動することで前記膜面の付着物を前記端縁が掻き取る掻取り機構と、
を備えることを特徴とする下水処理装置。
【請求項3】
枠部材と、
この枠部材を挟み込んで前記枠部材の内側に二次側領域を形成する一対の平膜と、
前記枠部材の内側に形成された前記二次側領域に連通するように前記枠部材に設けられた少なくとも2つのノズルと、
を備える固液分離膜モジュールであって、
前記ノズルのうちの少なくとも1つを介して液体が前記二次側領域に流入するとともに、残りのノズルのうちの少なくとも1つを介して前記液体が前記二次側領域から流出する際に、
前記二次側領域に流入した液体の流れをこの流れと対向する方向に変える流路を形成するように前記二次側領域に配置された仕切り部材を更に備えることを特徴とする固液分離膜モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−67820(P2011−67820A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2842(P2011−2842)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【分割の表示】特願2006−125995(P2006−125995)の分割
【原出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】