説明

下部尿路症の治療または予防方法

本発明は、個体における骨盤痛を伴うまたは伴わない下部尿路症の治療または予防の方法に関するものであって、該方法は、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター、またはアイソマー、アイソマー混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の用途有効量個体に投与することを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体における骨盤痛を伴う、または伴わない下部尿路症(lower urinary tract symptoms)の治療のための方法に関し、該方法には、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(selective estrogen receptor modulator)(SERM)を有効量個体に投与することが含まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景、特に実施に関するさらなる詳細を提供する場合を説明するために、本明細書で使用する刊行物および他の文献は、参考として組み込まれる。
【0003】
下部尿路症(LUTS)
この群に含まれる典型的な臨床症状は、ためらい(hesitance)、貧尿、末端漏れ(terminal drippling)および膀胱が空になるのが不完全であることである。LUTSの主要な機能的な原因は、尿道括約筋不全(urethral sphincter dysfunction)である。尿道括約筋は、随意(線条(striated))括約筋(横紋筋性括約筋(rhabdosphincter))と不随意(平滑)括約筋とからなる。男性横紋筋性括約筋の遠位部分は、尿道の膜部分を取り囲み、外部括約筋と呼ばれる。男性では、横紋筋性括約筋の上部分または前立腺部分は、前立腺の前方および側面上に層になり、前立腺ストロマ中に埋込まれている。尿道平滑筋は、男性の膀胱首(bladder neck)および前立腺尿道(prostatic urethra)に局在する。排尿筋収縮(detrusor contraction)の協調に関連する平滑および線条括約筋(striated sphincter)の抵抗の減少が、完全な排尿(micturition)を決定する。尿道括約筋不全において、管腔内膀胱圧(intraluminal bladder pressure)の増加が、膀胱を空にするために必要である。初期の段階では、最大排尿圧(micturition pressure)が流出抵抗の増加を埋め合わせるので流速の減少はない。尿道不全のより進んだ臨床段階で進行する流速の減少は、前立腺肥大の程度とはあまり比例しない。
【0004】
3つの異なる臨床結果が記述されている。1)膀胱首共同運動障害(bladder neck dyssynergia)、2)外部括約筋疑似共同運動障害(external sphincter pseudodyssynergia)、および3)ヒンマン症候群(Hinman syndrome)である。これらはすべて、排尿筋尿道括約筋共同運動障害(detrusor urethral sphincter dyssynergia)として定義されてきた。
【0005】
膀胱首共同運動障害とは、膀胱首を適切に開き、正常に排尿筋収縮している時に、じょうご形態をとる(funneled shape)ことができないことと定義される。ビデオイメージング技術によって、平滑括約筋共同運動障害(smooth sphincter dyssynergia)の診断が可能である。膀胱首共同運動障害は、生涯に渡る状態であり、実質的に女性ではおきない。膀胱首共同運動障害の原因は不明である。
【0006】
正常の排尿サイクルのあいだ、外部括約筋筋電図的活性の増加は、膀胱充填(bladder filling)(調節反射(continence reflex))を伴う。横紋筋性括約筋および骨盤底筋(pelvic floor muscle)の弛緩がこれに続き、これは、排尿筋収縮前または開始時点で始まり、収縮の間持続する。横紋筋性括約筋共同運動障害(rhabdosphincter dyssynergia)とは、排尿筋収縮のあいだの線条尿道筋(striated urethral muscle)(外部尿道括約筋(external urethral sphincter ))活性の不適切な増加と定義され、上部ニューロン損傷を患う患者における排尿不全の良く認識されている原因である。棘上(supraspinal)の影響の欠損によるこの超回復は、未阻害排尿筋収縮(悪化調節弛緩(an exaggerated continence reflex))によって引き起こされる、膀胱圧の上昇を中和するために起こる。外部括約筋疑似共同運動障害において、膀胱と尿道平滑筋とのあいだの協調運動障害(incoordination)は、神経学的傷害によってではなく、外部括約筋および骨盤底筋の緊張(tone)増加に帰結する不全に続いて起こる。疑似共同運動障害は、括約筋EMGにおける断続的増加、および/またはこの部位での尿道の断続的狭窄によって測定される。
【0007】
異常な排尿パターンを持つ子供における排尿調査によって、神経学的疾患(非神経性、神経性膀胱、またはヒンマン症候群)がない状態での、排尿と線条尿道平滑筋(striated urethral sphincter)とのあいだの共同運動障害が示された。これは、尿失禁を防止するために、不随意膀胱収縮に対する応答で、線条尿道平滑筋の意図しない習慣性収縮に起因するようである。この共同運動障害はおそらく、少なくとも部分的に身に付いた習性(learned habit)を表すかもしれない。ヒンマン症候群と外部括約筋疑似共同運動障害との関係は知られていない。
【0008】
尿道括約筋不全を患っている患者は、頻尿、切迫性および夜間頻尿(nocturia)の刺激性症状を伴う二次排尿筋不安定(secondary detrusor instability)にかからかもしれない。
【0009】
LUTSは、慢性骨盤痛に関連しうる。Oliver W HakenbergとManfred P Wirth(Urol Int 2002: 68: 138-143)によって記述された記事によれば、男性における慢性骨盤痛症候群(CPPS)が心配されている。これは、6ヶ月を超える期間続く骨盤痛の状態と定義される。CPPSを引き起こす特定の条件が言及されており、それは、無菌性前立腺炎(abacterial prostatitis)、切迫性前立腺炎(stress prostatitis)、プロスタトディニア(prostatodynia)、尿道症候群(urethral syndrome)、三角炎(trigonitis)およびオーキアルギア(orchialgia)である。男性または女性における間質性膀胱炎(interstitial cystitis)もまた、典型的に骨盤痛となる。CPPSの患者において認められる初期の困難は、外部括約筋と骨盤底筋とを自発的に弛緩させることが不能であることである。このことは、結果として、LUTSおよび排尿共同運動障害の緊急事態になる。
【0010】
実験動物での発見(Streng:「オス研究室齧歯類におけるホルモン関連可逆性尿横紋筋性括約筋疾患−可能性ある臨床的関連性(Hormone-related reversible urinary rhabdosphincter disorder in male laboratory rodents-possible clinical implications, .Academic dissertation, University of Turku, 2002)に基づいて、本発明者らは、男性における尿道括約筋不全の発現において、組織内のアンドロゲン濃度に対するエストロゲンの比の増加(アンドロゲンの相対的過剰芳香族化(overaromatization))が、役割を果たしていることを示唆する。慢性的にエストロゲンで処理したオス動物は、膀胱出口閉塞(bladder outlet obstruction)が、完全な尿滞留(urinary retention)と、膀胱壁の肥大を伴って発達する。エストロゲン処理した新生児動物(Neonatally estrogenized animals)は、排尿容量がより小さく、尿流速対膀胱圧の比の減少があり、これは、膀胱下の(infravesical)閉塞と一致する。これらのエストロゲン処理した新生児動物の排尿水力学変化(urodynamic change)は、成人において、アロマターゼ阻害剤治療後好転する。尿路平滑および線条括約筋、およびこれらを刺激しているニューロンは、アンドロゲンおよびエストロゲン活性の可能性のある標的であることを示唆するアンドロゲンレセプターとエストロゲンレセプターとを示している。これらの動物の前立腺はサイズが減少しており、炎症の兆候を示している。
【0011】
米国特許第5,972,921号は、患者にアロマターゼ阻害剤を投与することによる、男性における排尿筋尿道括約筋共同運動障害を治療する方法を記述している。前記特許により、男性機能排尿筋尿道括約筋共同運動障害の臨床的兆候(clinical symptom)のまとめが得られ、またとりわけ、該症状の可能性のあるホルモン背景(hormonal background)を考慮に入れる治療が得られる。泌尿器症状を持つ男性における研究(A Radlmaier et al., The Prostate 29:199-208(1996), J C Gingell et al., The Journal of Urology, Vol.154, 399-401, 1995年8月)時に、アロマターゼ阻害剤が、テストステロンの濃度を増加させる。これは、前立腺のサイズの増大を引き起こし、一方で、肥大前立腺によって引き起こされる静的閉塞(static obstruction)と、続いて起こる症状を悪化させるかもしれない。したがって、他の活性機構が望まれる。尿路における抗エストロゲン類(antiestrogen)として働くSERMは、前立腺のサイズを刺激することなしに、天然のエストロゲン類の有害な効果を減少させる。これらは、LUTSの症状および機能的な原因の治療において、有益な可能性がある化合物として考慮することができる。
【0012】
選択的エストロゲンレセプターモジュレーター
「SERM」(選択的エストロゲンレセプターモジュレーター)は、エストロゲン様特性および抗エストロゲン特性(antiestrogenic properties)の両方を持つ(Kauffman & Bryant, Drug News Perspect 8: 531-539, 1995)。骨においてエストロゲン様効果を持ち、子宮および肝臓で、部分的エストロゲン様効果を持ち、また乳がんで、純粋な抗エストロゲン効果を持つ、タモキシフェン(tamoxifen)およびトレミフェン(toremifene)の場合と同様に、効果は組織特異的(tissue-specific)である。ラロキシフェン(raloxifene)およびドロロキシフェン(droloxifen)は、その抗エストロゲン特性が優性であることを除いて、タモキシフェンおよびトレミフェンと同様である。これらは、総コレステロールおよびLDLコレステロールを減少させることが知られており、したがって、心臓血管疾患(cardiovascular)のリスクを減少させ、また、閉経後(postmenopausal)の女性における骨粗鬆症(osteoporosis)を防止し、乳がん増殖を阻害しうる。ほとんど純粋な抗エストロゲン剤も開発されている。これらは主に、乳がんの治療を目的としている(Wakeling & Bowler, J Steroid Biochem 30:1-6, 1988)。
【0013】
研究および/または市販されているSERM化合物の概説が、V Craig Jordan, J Medicinal Chemistry(2003): 46, No.7に公表されている。
【発明の開示】
【0014】
本発明者らは、選択的エストロゲンレセプターモジュレーターの群に属する化合物が、驚くべきことに、動物試験における排尿水力学パラメータにおいて、有益な効果を持つことを発見した。したがって、本発明者らは、これらの種類の化合物が、尿道括約筋不全によって引き起こされるLUTSを治療または予防するために有用であることを示唆する。
【0015】
したがって、本発明は、個体における骨盤痛のある状態、またはない状態で、下部尿路症の治療または予防に関する方法に関し、前記方法には、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター、アイソマー、アイソマー混合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を前記個体に投与することが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
定義:
語句「個体(individual)」は、特にヒトに関連するが、動物を含むことも考慮されるべきである。
【0017】
語句「下部尿路症(lower urinary tract symptoms)」は、男性ならびに女性個体における症状に関する。男性個体に関して、そのような症状のとりわけ重要な種類は、排尿筋尿路括約筋共同運動障害であるが、本語句はこれに限定されない。男性個体における下部尿路症における任意の種類の症状が本語句によってカバーされるべきである。したがって、本発明において、語句「下部尿路症」はまた、男性個体における、無菌性前立腺炎、圧迫性前立腺炎、三角炎およびオルキアルギア、および男性または女性個体における間質性膀胱が含まれるとも理解されるべきである。女性個体に関して、本語句はさらに、膀胱不安定(bladder instability)および排尿切迫(micturition urgency)が含まれる。
【0018】
語句「骨盤痛(pelvic pain)」には、本明細書において、男性個体における、無菌性前立腺炎、圧迫性前立腺炎、プロステートジニア(prostatodynia)、尿道症候群(urethral syndrome)、三角炎、またはオーチアルギアに関する症状が含まれることが理解されるべきである。さらに、本語句は、男性または女性個体いずれかでの、間質性膀胱が含まれる。
【0019】
語句「選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(selective estrogen receptor modulator)」およびこの群に属する任意の特定の化合物は、本化合物の幾何学的アイソマー、任意の立体異性体、ラセミ体またはアイソマーの他の混合物をカバーすると理解されるべきである。さらに、薬学的に許容可能な塩およびエステルのような他の誘導体もまた含まれる。
【0020】
本発明での使用に関して、好適な選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(またはSERM)は、たとえば、V Craig Jordan (2003)に記述された化合物である。
【0021】
したがって、本発明での使用のために好適なSERM化合物の例は、国際特許第WO01/36360号、米国特許第4,996,225号、第4,696,949号、第5,750,576号、国際特許第WO99/42427号にて開示された化合物のような、トリフェニルアルケン(triphenylalkene)またはトリフェニルアルカン(triphenylalkane)、およびL Kangas,Cancer Chemother Pharmacol (1990)27: 8-12にて開示されたトレミフェン代謝物である。上記参考文献にて開示された特定の薬物の例は、トレミフェン(toremifene)、フィスペミフェン(fispemifene)およびオスペミフェン(ospemifene)が言及されうる。タモキシフェン(tamoxifen)、および4−ヒドロキシタモキシフェン(4-hydroxytamoxifen)、アルファ−ヒドロキシタモキシフェン(alpha-hydroxytamoxifen)、N−デスメチルタモキシフェン(N-desmethyltamoxifen)、N,N−ジデスメチルタモキシフェン(N,N-didesmethyltamoxifen)、デアミノタモキシフェン(deaminotamoxifen)およびドロキシフェン(droloxifene)のようなその誘導体、およびヨードキシフェン(iodoxifene)もまた、トリフェニルアルケン構造の好適なSERMの例である。
【0022】
SERM化合物の他の好ましい例は、(たとえば、欧州特許第EP584952号、米国特許第4,133,814号、第4,418,068号に記述されている)ラロキシフェン(raloxifene)、およびその誘導体およびアルゾキシフェン(arzoxifene)のような、ベンゾチオフェン(benzothiophene)構造の化合物である。
【0023】
好適なSERMのさらなる例として、EM652、EM800、EM776、EM651、EM312、ICI182780、ERA−923、ジンドキシフェン(zindoxifene)および脱アセチル化ジンドキシフェン(deacetylated zindoxifene)、ZK119010、TSE−4247、ラソキシフェン(lasoxifene)およびその類似体、とりわけ欧州特許第EP802910号にて開示されたもの、ナホキシジン(nafoxidine)、バセドキシフェン(basedoxifene)、GW5638、GW7604、Jordan(2003)で開示された番号32番化合物、ICI164384、RU58668、RU39411およびEM319があげられる。
【0024】
上記特異的SERMまたはSERMの種類は例としてのみであり、他のSERMが、同様に本発明での使用に好適であり得る。
【0025】
エストロゲン効果を持たないか、弱い効果しか持たないSERMが、とりわけ男性個体において、使用するのに好適であり得る。化合物のエストロゲンプロファイル(estrogenic profile)を決定するための古典的な方法は、未熟マウスまたはラット子宮におけるエストロゲン効果を評価することである(Terenius L,Acta Endocrinol 66:431-447,1971)。動物を、18日齢の時点で、調査すべき化合物に、3日間暴露した。4日目に、動物を犠牲死(sacrificed)させて、体重および子宮重量を記録する。エストロゲンが、子宮のサイズおよび重さを増加させる(子宮に対する(uterotropic)効果)一方で、抗エストロゲン剤は、この活性を阻害する。結果は、エストロゲン刺激のパーセントとして得られる(エストラジオールで100%)。本発明者らの試験において、本発明者らは、高い投与レベル、すなわち10〜50mg/kgを使用した。子宮に対する効果≦40%を引き起こす化合物が、本目的のために、弱いエストロゲン化合物として分類され、子宮に対する効果≧70%を引き起こす化合物が、強いエストロゲン化合物として分類され、その中間の、子宮に対する効果41〜69%の化合物が、中間のエストロゲン剤として分類される。
【0026】
特に有用なSERMの特定の例は、国際特許第WO01/36360号にて開示されたもの、すなわち、
(Z)−2−[3−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−ブチ−1−エニル)フェノキシ]エタノール、
(Z)−2−{2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブチ−1−エニル)フェノキシ]エトキシ}エタノール(一般名、フィスペミフェンとしても知られている)、
(Z)−{2−[3−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブチ−1−エニル)フェノキシ]エチル}ジメチルアミン、
(E)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}−フェノール、
(E)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}−フェノール、および
(Z)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}−フェノール、
の特定の化合物があげられる。
【0027】
上記6つの化合物はすべて、弱いエストロゲン作用SERMとして分類される。
【0028】
本発明の目的のために、SERMまたはそのアイソマー、アイソマー混合物またはその薬学的に許容可能な塩は、種々の経路によって投与可能である。好適な投与形態には、たとえば経口処方、静脈内、筋肉内(intramuscular)、皮内(intradermal)および皮下(subcutanous)注射を含む非経口(parenteral)注射、経皮(transdermal)または直腸(rectal)処方が含まれる。好適な経口処方には、たとえば従来の、または徐放性(slow-release)錠剤およびゼラチンカプセルが含まれる。
【0029】
SERM化合物の要求される用量は、処理されている特定の状態、該状態の重症度、処理の期間、投与経路および使用している特定の化合物によって変化しうる。たとえば、フィスペミフェンは、好ましくは毎日経口的(perorally)に投与可能である。1日用量(daily dose)は、5〜150mg、好ましくは20〜100mgでありうる。フィスペミフェンは、錠剤、またはゼラチン化プレスのような他の処方で、単独、または製薬業界で使用される、任意の臨床的に許容可能な非活性成分中に混合して、投与可能である。
【0030】
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
方法と材料
試験薬物:
2つのSERM、すなわちコード番号HM−101で知られてもいるフィスペミフェンおよびラロキシフェンの、コントロール(control)ならびに発育エストロゲン化(developmentally estrogenized)オスラットでの、排尿における効果を研究した。賦形剤(vehicle)として、ポリエチレングリコール(PEG)を使用した。
【0032】
動物:
オスラットは、フィンランドのツルク(Turku)大学のセントラルアニマルラボラトリ(The Central Animal Laboratory)より供給された。平均齢は、222日(標準偏差48.4)であった。非−エストロゲン化ラットの数は50匹であり、発育エストロゲン化ラットの数は29匹であった。ラットを、12:12明/暗サイクルにて、標準の研究室条件下(standard laboratory condition)で飼育し、ダイズを含まない(soyfree)ペレット餌(SDS、Witham,Essex、UK)に、自由にアクセスさせた。また水道水に自由にアクセスさせた。
【0033】
エストロゲン化ラット(neoDES)を以下のように発育させた。オスノーブル(Male Noble)ラットを、新生児の段階で、ラップシード油(10μg/40μl)中のエストロゲン(ジエチルシルベストロール(DES)10μg)で、皮下注射(s.c.)にて出生後1〜5日に処理した。ジエチルシルベストロールでの処理の後、neoDESラットを、試験薬物での処理の前、4〜5ヶ月間発育させた。
【0034】
投与および体重測定
投与用量は、0.2ml溶液/50g体重であり、フィスペミフェンまたはラロキシフェンの投与レベルは、1および/または10mg/kg体重であった。投与は、1日1回、6週間与えた。ラットを、処理開始と同時に、同日最初の時間に体重測定した。その後、動物を1週間に1回体重測定した。これは、ラットに正しく投与することを確かにするために実施した。
【0035】
排尿水力学試験のための試験デザイン:
8つの群の成体オスラットが存在した。麻酔(anaesthetized)ラット(非エストロゲン化または新生児エストロゲン化(neonatally estrogenized))を、1および/または10mg/kg体重の用量を用いて、フィスペミフェンまたはラロキシフェンで、経口にて処理した。
【0036】
以下の動物コードを、本試験で使用した:
非エストロゲン化ラットの処理
−コントロールラット(賦形剤処理のみ) Co
−フィスペミフェン、1mg/kg用量で処理したラット HMCol
−フィスペミフェン、10mg/kg用量で処理したラット HMCo10
−ラロキシフェン、1mg/kg用量で処理したラット RalCo1
−ラロキシフェン、10mg/kg用量で処理したラット RalCo10
【0037】
新生児エストロゲン化ラットの処理
−コントロールラット(neoDES)(賦形剤処理のみ) neoDES
−フィスペミフェン、10mg/kg用量で処理したラット HMDES10
−ラロキシフェン、10mg/kg用量で処理したラット RalDES10
【0038】
以上のコードを、表および図中で使用している。
【0039】
測定と器具:
ラットを、基礎麻酔(basic anaesthetic)のために、水酸化クロラール(chloral hydrate)(0.9g/kg、シグマ ケミカル社(Sigma Chemical Co.)St.Luis.MO63178、USA)で麻酔し、そして排尿水力学測定のために、ウレタン(0.32g/kg、シグマ ケミカル社、St.Luis、MO63178、USA)の静脈(i.v.)注射を使用して麻酔を維持した。体温を、温度制御動物ブランケット(animal blanket)によって、また必要ならば加熱ランプを用いて、+36〜38℃で一定に維持した。膀胱および尿道の遠位部位を、下腹部(lower abdomen)の中線切開(midline incision)で暴露させた。経膀胱的(transvesical)サイトメトリーにて、20G 静脈カニューレ(i.v cannula)を、内腔(lumen)へ、膀胱頂点を介して挿入した。該カニューレを、注入(infusion)ポンプおよび圧力トランスデューサー(transducer)に連結した。全システムを、生理食塩水(saline)で満たした。測定を、0.23ml/分の注入速度で行った。超音波フロープローブ(ultrasonic flow probe)を、尿道の遠位部位からの流速を測定するために使用した。フロープローブは、フローメーター(flow meter)に連結し、100Hzのサンプリング速度(sampling rate)であった。経膀胱的サイトメトリーおよび流速の測定と同時に、線条尿道括約筋(横紋筋性括約筋)の電気的活性(electrical activity)を、吸引電極(suction electrode)で細胞外にて(extracellularily)測定した。電極を、(水道水の流速によって提供される)吸引によって、筋肉の前方(anterior)表面上に接着(attach)させた。吸引電極および圧力トランスデューサーを、増幅器に連結した。低頻度ACカップリング(coupling)(0.8Hz)を、電気的活性測定で使用した。参照および接地電極(ground electrode)を、ECGシグナルが観察されないように、傷のへり上に(on the edge of the wound)配置した。組織を、温(+37℃)生理食塩水で、測定のあいだ、湿ったままにした。圧力およびフローメーターシグナルを、Biopac−システムに伝達した。Biopac−システムを、パーソナルコンピュータに連結させた。
【0040】
連続記録(continuous recording)を、400Hzの試料速度(sample rate)で、Acq Knowledge 3.5.3プログラムで実施した。
【0041】
本方法での使用のための器具のセットアップは、米国特許第5,972,921号(カラム9〜10、図3)で開示されている。
【0042】
3つの代表的な排尿を、各ラットからのさらなる解析のために選択した。膀胱圧の管腔内圧力周波数振幅(intraluminal pressure high frequency oscillation)(IPHFOs)が、第二相のあいだで、オス齧歯類排尿において特徴的であり、このあいだ、尿の流れが発生する。最大および平均膀胱圧を、圧力波で見られる、圧力振幅から計算した。最大値を、最も高いピークから測定し、排尿の第二相のあいだの全てのIPHFOsから平均値を測定した。最大流速値を、最も高い流速ピークから測定し、平均流速値を、排尿の第二相のあいだの全ての流れピークから測定した。排尿期間、および残尿(residual urine)の容量を測定した。
【0043】
図1は、膀胱圧波(bladder pressure wave)(a)および流速波(flow rate wave)(b)、および排尿水力学パラメータの計算のための方法を示している1つの典型的な排尿サイクルを例示している。最大膀胱圧、流速および排尿時間の測定を、この図内で示している。平均膀胱圧および流速のパラメータは、それぞれ、すべての膀胱圧および流速ピークからの平均として測定した。
【0044】
統計
連続記録を、Acq Knowledge 3.5.3プログラム(MP100 Manager Ver.3.5.3、Copyright(著作権)1992−95 バイオパック システムズ社(BIOPAC Systems Inc.))によって行った。さらなる数的データを、エクセル2000(Excel 2000)(マイクロソフト社(Microsoft Corporation)、Redmond,WA,USA)、およびWindows5.1のためのスタティスティカ(Statistica)(スタットソフト社(Stat Soft Inc.)、Tulsa,OK,USA)での統計学的解析で実施した。統計学的解析は、ANOVA、およびHSD試験(HSD test)でのポストhoc検定(post hoc test)で実施した。変数に関するレビーンズ検定(Levene's test)が、処理群間で有意な差(p<0.05)を示した場合、クルスカル−ウァリス検定(Kruskall−Wallis test)を使用し、マン−ホワイトニー U検定(Mann−Whitney U test)をポストhoc検定として使用した。
【0045】
結果
膀胱圧
群間で、膀胱圧(最大および平均)において、有意な差はなかった(表1および2)。neoDES処理が、膀胱圧に影響しなかったので、SERMは、いずれにも影響を与えるとは予想されない。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
最大および平均膀胱圧は図2および3でも示している。
【0049】
流速
尿流速の減少が、排尿問題の明確な兆候である。NeoDES処理は流速を減少させ、SERMは流速を正常化し、このことは、排尿水力学における陽性の効果を示唆している。フィスペミフェンまたはラロキシフェンでの処理によって、新生児エストロゲン化ラット、または非エストロゲン化ラットにて、10mg/kgの用量で、最大(表3)および平均(表4)流速が減少した。非エストロゲン化ラットにおいて、1mg/kgの用量では差は見られなかった。新生児エストロゲン化ラットには、10mg/kgの薬物処理のみを与えた。新生児エストロゲン化ラットは、非−エストロゲン化ラットよりも低い流速を示した。
【0050】
【表3】

【0051】
【表4】

【0052】
最大および平均流速をまた、図4および5でも示している。
【0053】
排尿時間
排尿時間は、新生児エストロゲン化ラットにおいて、有意に延長された。このことは、尿流速が減少したので、よく理解可能である。HM−101またはラロキシフェンでの処理は、非−エストロゲン化ラットにおける排尿時間を短くはしなかった、新生児エストロゲン化ラットにおいて、処理によって、排尿時間が短くなった。効果が、統計学的に有意に到達はしなかったが、効果は有効であると考えられる。
【0054】
【表5】

【0055】
排尿時間をまた、図6でも示している。
【0056】
残尿
残尿の量は、新生児エストロゲン化ラットにおいて有意に増加し、このことは、膀胱が、放尿(urination)の後に完全に空になったのではないことを示している。残尿は、排尿頻度の増加を導き、また、下部尿路感染のリスク因子でもある。フィスペミフェン(10mg/kg)での処理によって、非−および新生児エストロゲン化ラット両方において、残尿の量が減少した。この結果は、非常に前途有望(promising)であり、膀胱の機能活性の改善を示している。ラロキシフェン(10mg/kg)によって、非−エストロゲン化ラットで、ほとんど有意に、および新生児エストロゲン化ラットで有意に、残尿の量が減少した(表6)。
【0057】
【表6】

【0058】
残尿を、図7でも示している。
【0059】
膀胱キャパシティー(bladder capacity)
膀胱キャパシティーが、新生児エストロゲン化ラットで有意に増加した。増加した膀胱キャパシティーが有用であると考えることが出来るけれども、neoDESラットにおける該増加によって、膀胱壁筋肉(bladder wall muscle)の異常な弛緩(abnormal relaxation)および、上記のような(残尿と遅い尿流速のために)膀胱の障害(damage)が増加する。膀胱は、膀胱容量の必要性の増加を補なおうとする。しかしながら、そのような状況で、膀胱壁はその強度を失う。フィスペミフェン(10mg/kg)での処理によって、新生児エストロゲン化ラットにおける膀胱キャパシティーが有意に減少し、ラロキシフェンはほとんど有意に減少させ、このことは、膀胱壁が、その正常な強度および機能を維持したことを示唆している。この効果は、非常に有益であると考えることができる。非−エストロゲン化ラットにおいて、なんの効果も見られなかった(表7)。これらの動物における膀胱が障害を受けないので、この事象は推測される。
【0060】
【表7】

【0061】
膀胱キャパシティーを、図8にも例示している。
【0062】
ディスカッションおよび結論
SERM(フィスペミフェンまたはラロキシフェン)での処理は、非−および新生児エストロゲン化ラットで、同様の効果を持った。これらは、最大および平均流速を増加させた。新生児エストロゲン化ラットでの多重排尿(multiple voiding)からなる排尿期間が短くなる一方で、群間の膀胱圧において、差はみられなかった。残尿の量が、非−および新生児エストロゲン化ラット両方で減少し、このことは、非−エストロゲン化ラットにおいてさえ、膀胱機能の改善があり、流速の増加もあることを示唆している。齧歯類のエストロゲン化が、膀胱キャパシティーを増加させることが知られている。このことは、本研究でも明らかであった。これらのSERMでの処理によって、新生児エストロゲン化ラットにおける膀胱キャパシティーが減少した。したがって、研究されたSERMが、膀胱キャパシティーにおいて、抗エストロゲン機能を持った。横紋筋性括約筋機能が、非−および新生児エストロゲン化ラット両方で改善されたが、EMG変化は統計学的に有意ではなかった。フィスペミフェンおよびラロキシフェンは、流速、排尿時間および膀胱キャパシティーにおいて、エストロゲンに関連する変化(estrogen-related alteration)を無効にした(フィスペミフェンは、非−エストロゲン化ラットにおいてでさえ)。
【0063】
本発明の方法が、種々の実施例の形態で組み込まれうるが、そのうちの少しだけが、本明細書にて開示されていることが理解されるであろう。他の実施様態が存在し、本発明の精神(spirit)から外れないことが、当業者によって理解されるであろう。したがって、記述された実施様態は、例示であり、限定的に解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】典型的な排尿サイクルを示している(a=膀胱圧、b=流速)。
【図2】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、最大膀胱圧を示している。
【図3】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、平均膀胱圧を示している。
【図4】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、最大流速を示している。
【図5】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、平均流速を示している。
【図6】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、排尿時間を示している。
【図7】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、残尿量を示している。
【図8】試験化合物の投与あり、またはなしで、非−エストロゲン化ラットに対する、およびneoDESラットに対する、膀胱キャパシティーを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における骨盤痛を伴うまたは伴わない下部尿路症の治療または予防に有用な医薬組成物の製造のための、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター、もしくはアイソマー、アイソマー混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の用途。
【請求項2】
前記下部尿路症が、男性個体における膀胱/尿道共同運動障害、膀胱首共同運動障害、またはヒンマン症候群である請求項1記載の用途。
【請求項3】
前記下部尿路症が、女性個体における排尿切迫である請求項1記載の用途。
【請求項4】
前記下部尿路症が、男性個体における無菌性前立腺炎、圧迫性前立腺炎、三角炎またはオーチアルギアである請求項1記載の用途。
【請求項5】
前記下部尿路症が、男性または女性個体における膀胱不安定性または間質性膀胱である請求項1記載の用途。
【請求項6】
前記骨盤痛が、男性個体における無菌性前立腺炎、圧迫性前立腺炎、プロステートジニア、尿道症候群、三角炎、またはオーチアルギアに関連する請求項1記載の用途。
【請求項7】
前記骨盤痛が、男性または女性個体における間質性膀胱である請求項1記載の用途。
【請求項8】
前記選択的エストロゲンレセプターモジュレーターが、トリフェニルアルケン化合物、トリフェニルアルカン化合物、ベンゾチオフェン化合物、EM652、EM800、EM776、EM651、EM312、ICI182780、ERA−923、ジンドキシフェン、脱アセチル化ジンドキシフェン、ZK119010、TSE−4247、ラソキシフェン、ラソキシフェン類似体、ナホキシジン、バセドキシフェン、GW5638、GW7604、ICI164384、RU58668、RU39411、またはEM319である請求項1記載の用途。
【請求項9】
前記選択的エストロゲンレセプターモジュレーターが、低いエストロゲン活性を持つか、またはエストロゲン活性を持たない化合物である請求項1記載の用途。
【請求項10】
前記選択的エストロゲンレセプターモジュレーターが、
(Z)−2−[3−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−ブチ−1−エニル)フェノキシ]エタノール、
(Z)−2−{2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブチ−1−エニル)フェノキシ]エトキシ}エタノール(フィスペミフェン)、
(Z)−{2−[3−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブチ−1−エニル)フェノキシ]エチル}ジメチルアミン、
(E)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}フェノール、
(E)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}フェノール、
(Z)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}フェノール、またはラロキシフェン、またはその任意のアイソマー、またはアイソマー混合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩、からなる群より選択される請求項9記載の用途。
【請求項11】
前記選択的エストロゲンレセプターが、フィスペミフェンである請求項9記載の用途。
【請求項12】
個体における骨盤痛を伴うまたは伴わない下部尿路症の治療または予防のための方法であって、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター、またはアイソマー、アイソマー混合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩を有効量個体に投与することを含む方法。
【請求項13】
前記下部尿路症が、男性個体における膀胱/尿道共同運動障害、膀胱首共同運動障害、またはヒンマン症候群である請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記下部尿路症が、女性個体における排尿切迫である請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記下部尿路症が、男性個体における無菌性前立腺炎、圧迫性前立腺炎、三角炎またはオーチアルギアである請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記下部尿路症が、男性または女性個体における膀胱不安定または間質性膀胱である請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記骨盤痛が、男性個体における無菌性前立腺炎、圧迫性前立腺炎、プロステートジニア、尿道症候群、三角炎、またはオーチアルギアに関連する請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記骨盤痛が、男性または女性個体における間質性膀胱である請求項12記載の方法。
【請求項19】
前記選択的エストロゲンレセプターモジュレーターが、トリフェニルアルケン化合物、トリフェニルアルカン化合物、ベンゾチオフェン化合物、EM652、EM800、EM776、EM651、EM312、ICI182780、ERA−923、ジンドキシフェン、脱アセチル化ジンドキシフェン、ZK119010、TSE−4247、ラソキシフェン、ラソキシフェン類似体、ナホキシジン、バセドキシフェン、GW5638、GW7604、ICI164384、RU58668、RU39411、またはEM319である請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記選択的エストロゲンレセプターモジュレーターが、低いエストロゲン活性を持つか、またはエストロゲン活性を持たない化合物である請求項12記載の方法。
【請求項21】
前記選択的エストロゲンレセプターモジュレーターが、
(Z)−2−[3−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−ブチ−1−エニル)フェノキシ]エタノール、
(Z)−2−{2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブチ−1−エニル)フェノキシ]エトキシ}エタノール(フィスペミフェン)、
(Z)−{2−[3−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブチ−1−エニル)フェノキシ]エチル}ジメチルアミン、
(E)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}フェノール、
(E)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}フェノール、
(Z)−3−{4−クロロ−1−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)フェニル]−2−フェニル−ブチ−1−エニル}フェノール、またはラロキシフェン、またはその任意のアイソマー、アイソマー混合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩、からなる群より選択される請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記選択的エストロゲンレセプターが、フィスペミフェンである請求項20記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−526595(P2006−526595A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508325(P2006−508325)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000270
【国際公開番号】WO2004/108645
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(301058757)ホルモス メディカル コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】