説明

下部尿路症状を治療するα−2−δリガンド

【課題】OABおよび/またはBPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療医薬として有用な化合物の提供。
【解決手段】OABおよび/またはBPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドまたはその薬学的に許容される誘導体の使用。α-2-δリガンドとしては、ガバペンチン、プレガバリン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル)−酢酸、4−(3−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−2−カルボン酸等が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はα-2-δリガンドおよびそれらの薬学的に許容される誘導体の新規な使用に関する。特に、それはガバペンチンおよびプレガバリンの新規な使用に関する。
【背景技術】
【0002】
下部尿路症状(LUTS)は3つの症状の群を含み、そしてそれは刺激症状、閉塞症状および排尿後の症状である。刺激症状は切迫(urgency)、頻尿(frequency)および夜間頻尿からなり、これは過活動膀胱(OAB)および良性の前立腺肥大症(BPH)と関係している。
【0003】
過活動膀胱は急迫性尿失禁の有無にかかわらず、通常、頻尿および夜間頻尿を伴って緊急性として定義される[Abrams他., Neurourology and Urodynamics
21:167-178 (2002)]。男性と女性のOABの罹患率は類似し、米国人口の約16%が上記症状を患っている[Stewart他, Prevalence of Overactive Bladder in the United States: Results
from the NOBLE Program; Abstract Presented at the 2nd International
Consultation on Incontinence, 2001年7月, Paris, France]。
【0004】
用語OABウェット(OAB
Wet)およびOABドライ(OAB Dry)は、それぞれ尿失禁を伴うか伴わないOAB患者を表す。最近まで、OABの基本的な症状は尿失禁であると考えられていた。しかし、この新しい用語が使われてから、このことは失禁状態にない多数の患者(すなわちOABドライ患者)にとって意味を有さないことは明らかである。したがって、Libermanらの最近の研究[Health Related Quality of
Life Among Adults with Symptoms of Overactive Bladder: Results From A US
Community-Based Survey; Urology 57(6), 1044-1050, 2001] は、米国住民の地域に密着したサンプルの生活の質に対する、OAB症状の影響を調べた。この研究は、OABを患うが尿の明白な損失のない個体が、対照と比較したときに生活の質が損なわれていることを証明した。
【0005】
BPHは慢性的に進行する疾患であり、これは合併症、例えば急性の尿閉、再発性の尿路感染症、膀胱結石および腎臓機能不全につながる可能性がある。ヒトのBPHと関係しているLUTSの罹患率および平均の重症度は、年齢と共に増加する。
【0006】
BPHは前立腺の体積の増加につながり、尿道および膀胱の排出を妨害するのみならず、膀胱機能に二次的変化をもたらす。このことの影響は、貯蔵(刺激性)および排泄(妨害)の症状として現れる。
【0007】
α-2-δリガンドにはこれまでに、多数の適用症についての記載がある。ニューロンチン(R)として公知である最も周知のα-2-δリガンド、ガバペンチン(I)、(1-(アミノメチル)-シクロヘキシル酢酸は、US4024175を含んでいるパテントファミリの特許文献に最初に記載された。
【化1】

化合物は、癲癇および神経障害性の痛みの治療のために承認されている。
【0008】
第2のα-2-δリガンド、プレガバリン(II)、(S)-(+)-4-アミノ-3-(2-メチルプロピル)ブタン酸は、癲癇の治療に有用な抗痙攣治療薬として欧州特許出願公開番号EP641330および痛みの治療についてEP0934061に記載されている。
【化2】

【0009】
近年では、国際特許公開番号WO 02/085839が、痛みを含む多数の適応症の治療における使用のために以下の式のα-2-δリガンドを記載している:
【化3】

(式中、R1およびR2は各々独立にH、1〜6個の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子のシクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され、但し、式(XVIII)のトリシクロオクタン化合物の場合を除き、R1およびR2は同時に水素ではない)。
【0010】
さらに、α-2-δリガンドの例は、以下に記載される化合物である:
【化4】

【0011】
本発明の有用な環状のα-2-δリガンドは、以下の式(I)またはその薬学的に許容される塩により例示される:
【化5】

(式中、Xはカルボン酸またはカルボン酸バイオアイソスター (bioisostere)であり;
nは0、1または2であり;そして
R1、R1a、R2、R2a、R3、R3a、R4およびR4aは独立してHおよびC1-C6アルキルから選択されるか、またはR1およびR2またはR2およびR3は一緒になってC3-C7シクロアルキル環を形成し、そしてこれは場合によりC1-C6アルキルから選択される1または2個の置換基で置換される)。
【0012】
式(I)において、適切には、R1、R1a、R2a、R3a、R4およびR4aはHであり、そしてR2およびR3は独立してHおよびメチルから選択されるか、またはR1a、R2a、R3aおよびR4aはHであり、そしてR1およびR2またはR2およびR3は一緒になってC3-C7シクロアルキル環を形成し、そしてこれは場合により1または2個のメチル置換基で置換される。適当なカルボン酸バイオアイソスターは、テトラゾリルおよびオキサジアゾロニルから選択される。Xは好ましくはカルボン酸である。
【0013】
式(I)において、好ましくは、R1、R1a、R2a、R3a、R4およびR4aはHであり、そしてR2およびR3は独立してHおよびメチルから選択されるか、またはR1a、R2a、R3aおよびR4aはHであり、そしてR1およびR2またはR2およびR3は一緒になってC4-C5シクロアルキル環を形成するか、またはnが0である場合、R1、R1a、R2a、R3a、R4およびR4aはHであり、そしてR2およびR3はシクロペンチル環を形成するか、またはnが1である場合、R1、R1a、R2a、R3a、R4およびR4aはHであり、そしてR2およびR3は両方メチルであるか、またはR1、R1a、R2a、R3a、R4およびR4aはHであり、そしてR2およびR3はシクロブチル環を形成するか、またはnが2である場合、R1、R1a、R2、R2a、R3、R3a、R4およびR4aはHであるか、またはnは0であり、R1、R1a、R2a、R3a、R4およびR4aはHであり、そしてR2およびR3はシクロペンチル環を形成する。
【0014】
本発明の有用な鎖状α-2-δリガンドは、以下の式(II)またはその薬学的に許容される塩により例示される:
【化6】

(式中、nは0または1であり、R1は水素または(C1-C6)アルキルであり; R2は水素または(C1-C6)アルキルであり; R3は水素または(C1-C6)アルキルであり; R4は水素または(C1-C6)アルキルであり; R5は水素または(C1-C6)アルキルであり、そしてR2は水素または(C1-C6)アルキルである)。
【0015】
式(II)によれば、適切には、R1はC1-C6アルキルであり、R2はメチルであり、R3−R6は水素であり、そしてnは0または1である。より適切には、R1はメチル、エチル、n-プロピルまたはn-ブチルであり、R2はメチルであり、R3−R6は水素であり、そしてnは0または1である。R2がメチルである場合、R3−R6は水素であり、そしてnは0であり、R1は適切にはエチル、n-プロピルまたはn-ブチルである。R2がメチルである場合、R3−R6は水素であり、そしてnは1であり、R1は適切にはメチルまたはn-プロピルである。式(II)の化合物は、適切には3S,5R配位である。
【0016】
本発明としての使用のためのα-2-δリガンドの例は、一般的にまたは特にUS4024175に開示される化合物であり、特にガバペンチン、EP641330、特にプレガバリン、US5563175、WO9733858、WO9733859、WO9931057、WO9931074、WO9729101、WO02085839、特に[(1R,5R,6S)-6-(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ-6-イル]酢酸、WO9931075、特に3-(1-アミノメチル-シクロへキシルメチル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン、およびC-[1-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)-シクロヘプチル]-メチルアミン、WO9921824、特に(3S,4S)-(1-アミノメチル-3,4-ジメチル-シクロペンチル)-酢酸、WO0190052、WO0128978、特に(1α,3α,5α)(3-アミノ-メチル-ビシクロ[3.2.0]ヘプタ-3-イル)-酢酸、EP0641330、WO9817627、WO0076958、特に(3S,5R)-3-アミノメチル-5-メチルオクタン酸、PCT/IB03/00976、特に(3S,5R)-3-アミノ5-メチルヘプタン酸、(3S,5R)-3-アミノ5-メチルノナン酸および(3S,5R)-3-アミノ-5-メチルオクタン酸、EP1178034、EP1201240、WO9931074、WO03000642、WO0222568、WO0230871、WO0230881、WO02100392、WO02100347、WO0242414、WO0232736およびWO0228881、またはその薬学的に許容される塩であり、この全てが本願明細書に参照により加入される。
【0017】
本発明の好適なα-2-δリガンドは以下を含む:ガバペンチン、プレガバリン、[(1R,5R,6S)-6-(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ-6-イル]酢酸、3-(1-アミノメチル-シクロヘキシルメチル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン、C-[1-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)-シクロヘプチル]-メチルアミン、(3S,4S)-(1-アミノメチル-3,4-ジメチル-シクロペンチル)-酢酸、(1α,3α,5α)(3-アミノ-メチル-ビシクロ[3.2.0]ヘプタ-3-イル)-酢酸、(3S,5R)-3-アミノメチル-5-メチルオクタン酸、(3S,5R)-3-アミノ5-メチルヘプタン酸、(3S,5R)-3-アミノ5-メチルノナン酸、および(3S,5R)-3-アミノ-5-メチルオクタン酸、またはその薬学的に許容される塩。本発明の特に好適なα-2-δリガンドは、ガバペンチン、プレガバリンおよび(1α,3α,5α)(3-アミノ-メチル-ビシクロ[3.2.0]ヘプタ-3-イル)-酢酸またはその薬学的に許容される塩から選択される。
【0018】
WO 00/01135は、失禁の治療に有用なグルタミン酸およびγ-アミノ酪酸の類似体の使用を記載する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
驚くべきことに、上記のようなα-2-δリガンドは、OABおよび/またはBPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療に有用であることが見出された。より詳しくは、α-2-δリガンドはOABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの頻尿の状況を治療する際に有用であることが見出された。この発見は、尿失禁(すなわち、筋肉調節の問題に起因した、望まないしばしば無意識の尿漏れ)の治療に有用なことが公知であった化合物が、OABおよびBPHの患者が耐えていた頻尿による症状を減らすことを可能とすることは予測することができなかったことから、驚くべきことである。
【0020】
したがって、本発明によれば、OABおよび/またはBPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療のために、α-2-δリガンドまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
【0021】
好ましくはLUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、OABはOABドライである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
好ましくは、α-2-δ-1-リガンドは以下:
【化7】



【0023】
【化8】

(式中、R1およびR2は各々独立にH、1〜6個の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子のシクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され、但し、式(XVIII)のトリシクロオクタン化合物の場合を除き、R1およびR2は同時に水素ではない)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選択されるか;または、以下:
【化9】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選択される。
【0024】
より好ましくは、α-2-δリガンドはガバペンチン(I)、プレガバリン(II)または(1α,3α,5α)(3-アミノ-メチル-ビシクロ[3.2.0]ヘプタ-3-イル)-酢酸(III')
【化10】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0025】
α-2-δリガンドまたはその薬学的に許容される誘導体は、単独または任意の都合のよい医薬プレゼンテーションで投与し得る。経口投与が好ましい。現在の適応症において、α-2-δリガンドまたはその薬学的に許容される誘導体の活性部分の適当な投薬量は、約5〜50mg/kg体重、および好ましくは約0.1〜200mg/kgである。
【0026】
本発明はさらに、OABおよび/またはBPHと関係している尿失禁以外のLUTSを治療する方法を提供し、それはそのような治療を必要とする患者にα-2-δリガンドまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することからなる。
【0027】
α-2-δリガンド、特に上記した化合物は、他の化合物と組み合わせて使用してもよい。例えば、それらはα1-アドレナリン作動拮抗薬と組み合わせて用いることができる。
【0028】
したがって、本発明の更なる態様は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドおよびα1-アドレナリン作動拮抗薬、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0029】
なおさらに、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドおよびα1-アドレナリン作動拮抗薬、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む製品を提供する。
【0030】
好ましくは、LUTSは尿失禁以外である。より好ましくは、LUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、それはOABドライである。
【0031】
α-2-δリガンドと組み合わせるために有用なα1-アドレナリン作動性のレセプタ拮抗薬は、以下を含むがこれらに限定されるものではない:
(i) テラゾシン(米国特許第4,026,894号);
(ii) ドキサゾシン(米国特許第4,188,390号);
(iii) プラゾシン(米国特許第3,511,836号);
(iv) ブナゾシン(米国特許第3,920,636号);
(v) アルフゾシン(米国特許第4,315,007号);
(vi) ナフトピジル(米国特許第3,997,666号);
(vii) タムスロシン(米国特許第4,703,063号);
(vii) シロドシン(米国特許第5,387,603号);または
(ix) 国際特許出願公開番号WO
98/30560に開示される化合物(特に実施例19およびそのメシレート塩)。
【0032】
上記特許出願の内容および特にその中の請求項の治療的活性化合物の一般式および例示される化合物は、それらの全体がその参照により本願明細書に加入される。
【0033】
別法として、α-2-δリガンドはNRIおよび/またはSRI活性を示す化合物と組み合わせて使用してもよい。したがって、本発明の更なる態様は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドならびにNRIおよび/またはSRI活性を示す化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0034】
なおさらに、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドならびにNRIおよび/またはSRI活性を示す化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む製品が提供される。
【0035】
好ましくは、LUTSは尿失禁以外である。より好ましくは、LUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、OABはOABドライである。
【0036】
本発明の使用に有用なNRIおよび/またはSRI活性を有する化合物は、以下の化合物を含むが、これらに限定されるものではない:
(i) フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、シタロプラム、ベンラファキシン、ネファゾドン、トラゾドン、デュロキセチンおよびレボキセチン(ラセミおよびエナンチオマーの両純粋形態、例えばS,S-レボキセチン);および
(ii) 化合物は、欧州特許公開番号1220831および1,154,984、米国特許第4,018,830号、国際特許公開番号WO 97/17325、米国特許第5,190,965号、5,430,063号、4,161,529号および米国仮出願番号60/121313。
【0037】
上記特許出願の内容ならびに特にその中の請求項の治療的活性化合物の一般式および例示される化合物は、それらの全体がその参照により本願明細書に加入される。
【0038】
別法として、α-2-δリガンドは、HMG CoAレダクターゼ阻害剤と組み合わせて使用してもよい。したがって、本発明の更なる態様は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドおよびHMG CoAレダクターゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0039】
なおさらに、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドおよびHMG CoAレダクターゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む製品を提供する。
【0040】
好ましくは、LUTSは尿失禁以外である。より好ましくは、LUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、OABはOABドライである。
【0041】
本発明の使用に有用なHMG CoAレダクターゼ阻害剤は、以下の化合物を含むが、これらに限定されるものではない:
(i) フルバスタチンナトリウム、[R*,S*,-(E)]-(±)-7-[3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルエチル)-H-インドール-2-イル]-3,5-ジヒドロキシ6-ヘプテン酸,一ナトリウム塩;
(ii) セリバスタチンナトリウム、[S-[R*,S*-(E)]-7-[4-(4-フルオロフェニル)-5-メトキシメチル)-2,6-ビス(1-メチルエチル)-3-ピリジニル]-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプテノエート;
(iii) アトルバスタチンカルシウム、[R-(R*,R*))]-2-(4-フルオロフェニル)-β,δ-ジヒドロキシ5-(1-メチルエチル)-3-フェニル4-[(フェニルアミノ)カルボニル]-1H-ピロール1-ヘプタン酸,カルシウム塩(2:1)トリヒドレート;
(iv) ロバスタチン、{S-[1-α(R*),3-α,7-β,8-β(2S*,4S*),8aβ]}-1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニル-2-メチルブタノエート;
(v) プラバスタチンナトリウム、1-ナフタレンヘプタン酸,1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-β,δ,6-トリヒドロキシ-2-メチル-8-(2-メチル-1-オキソブトキシ)- ,一ナトリウム塩,{1S-[1α(βs*,δs*),2α,6α,8β(R*),8aα]};および
(vi) シンバスタチン、ブタン酸,2,2-ジメチル-1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)-エチル]-1-ナフタレニルエステル){1S-[1α,3α,7β,8β(2S*,4S*),-8aβ]}。
【0042】
別法として、α-2-δリガンドはPDEV阻害剤と組み合わせて使用してもよい。したがって、本発明の更なる態様は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドおよびPDEV阻害剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0043】
なおさらに、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドおよびPDEV阻害剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む製品が提供される。
【0044】
好ましくは、LUTSは尿失禁以外である。より好ましくは、LUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、OABはOABドライである。
【0045】
α-2-δリガンドと組み合わせるために有用なPDEV阻害剤は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:
(i) PDE5阻害剤は国際特許出願公開番号WO03/000691; WO02/64590; WO02/28865; WO02/28859; WO02/38563;
WO02/36593; WO02/28858; WO02/00657; WO02/00656; WO02/10166; WO02/00658;
WO01/94347; WO01/94345; WO00/15639およびWO00/15228に挙げられる;
(ii) PDE5阻害剤は米国特許第6,143,746号; 6,143,747号および6,043,252号に挙げられる;
【0046】
(iii) EP-A-0463756に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン ;
EP-A-0526004に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;発行された国際特許出願WO93/06104に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;発行された国際特許出願WO93/07149に開示される異性体ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン;発行された国際特許出願WO93/12095に開示されるキナゾリン-4-オン;発行された国際特許出願WO94/05661に開示されるピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オン; 発行された国際特許出願WO94/00453に開示されるプリン-6-オン;発行された国際特許出願WO98/49166に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;発行された国際特許出願WO99/54333に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン; EP-A-0995751に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;発行された国際特許出願WO00/24745号に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン; EP-A-0995750に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;発行された国際特許出願WO95/19978に開示されるヘキサヒドロピラジノ[2',1':6,1]ピリド [3,4-b]インドール-1,4-ジオン; WO00/27848に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン; EP-A-1092719および発行された国際特許出願WO 99/24433に開示されるイミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-オンならびに発行された国際特許出願WO 93/07124に開示される二環式化合物;発行された国際特許出願WO 01/27112に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;発行された国際特許出願WO01/27113に開示されるピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン; EP-A-1092718に開示される化合物およびEP-A-1092719に開示される化合物; EP-A-1241170に開示される三環系化合物;発行された国際特許出願WO 02/074774に開示されるアルキルスルホン化合物;発行された国際特許出願WO 02/072586に開示される化合物;発行された国際特許出願WO 02/079203に開示される化合物、およびWO 02/074312に開示される化合物。
【0047】
(iv) 好ましくは5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル、例えばバイアグラとして販売される)、また1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-メチルピペラジン(EP-A-0463756を参照)としても公知; 5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(EP-A-0526004を参照); 3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO98/49166を参照); 3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO99/54333を参照);
(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-1(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、また3-エチル-5-{5-[4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル]-2-([(1R)-2-メトキシ-1-メチルエチル]オキシ)ピリジン-3-イル}-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d] ピリミジン-7-オンとしても公知(WO99/54333を参照)); 5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、また1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンとしても公知(WO 01/27113、実施例8を参照);5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO
01/27113、実施例15を参照); 5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO
01/27113、実施例66を参照); 5-(5-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 01/27112、実施例124を参照); 5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO
01/27112、実施例132を参照);(6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4-b]インドール-1,4-ジオン(タダラフィル、IC-351、Cialis(登録商標))、すなわち発行された国際出願WO95/19978の実施例78および95の化合物、ならびに実施例1、3、7および8の化合物; 2-[2-エトキシ-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル-1-スルホニル)-フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オン(バルデナフィル、LEVITRA(登録商標))、また1-[[3-(3,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソ-7-プロピルイミダゾ[5,1-f]-as-トリアジン-2-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-エチルピペラジンとしても公知、すなわち発行された国際出願WO99/24433の実施例20、19、337およびうちの336の化合物;発行された国際出願WO93/07124(EISAI)の実施例11の化合物; Rotella D P, J. Med. Chem., 2000,
43, 1257の化合物3および14; 4-(4-クロロベンジル)アミノ-6,7,8-トリメトキシキナゾリン; N-[[3-(4,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]-ピリミジン-5-イル)-4-プロポキシフェニル]スルホニル]-1-メチル2-ピロリジンプロパンアミド [「DA-8159」(WO00/27848の実施例68)];ならびに7,8-ジヒドロ-8-オキソ-6-[2-プロポキシフェニル]-1H-イミダゾ[4,5-g]キナゾリンおよび1-[3-[1-[(4-フルオロフェニル)メチル]-7,8-ジヒドロ-8-オキソ-1H-イミダゾ[4,5-g]キナゾリン-6-イル]-4-プロポキシフェニル]カルボキサミド。
【0048】
(v) 4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフェニル)-プロポキシ]-3(2H)ピリダジノン;
1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キノゾリニル]-4-ピペリジン-カルボン酸, 一ナトリウム塩;
(+)-シス-5,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)-フェニルメチル-5-メチル-シクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン;フラズロシリン(furazlocillin);シス-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート; 3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート; 4-ブロモ-5-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン; 1-メチル-5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン;
1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸, 一ナトリウム塩;ファーマプロジェクト番号4516(Glaxo Wellcome);ファーマプロジェクト番号5051(Bayer);ファーマプロジェクト番号5064(協和発酵; WO 96/26940を参照);ファーマプロジェクト番号5069(Schering Plough);
GF-196960(Glaxo Wellcome); E-8010およびE-4010(Eisai);
Bay-38-3045および38-9456(Bayer); FR229934およびFR226807(Fujisawa);およびSch-51866。
【0049】
上記特許出願および学術論文の内容、特にその中の請求項の治療的活性化合物の一般式および例証される化合物は、その参照によりそれらの全体が本願明細書に加入される。
【0050】
好ましくはPDEV阻害剤は、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、DA-8159および5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンから選択される。
【0051】
最も好ましくは、PDE5阻害剤は、シルデナフィルおよびその薬学的に許容される塩である。クエン酸シルデナフィルは好適な塩である。
【0052】
別法として、α-2-δリガンドは、ムスカリン拮抗薬と組み合わせてもよい。したがって、本発明の更なる態様は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドおよびムスカリン拮抗薬、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0053】
なおさらに、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドおよびムスカリン拮抗薬、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む製品を提供する。
【0054】
好ましくは、LUTSは尿失禁以外である。より好ましくは、LUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、OABはOABドライである。
【0055】
ムスカリン拮抗薬はM3レセプタに選択的であるか、または非選択的であり、M1、M2およびM3に拮抗作用を示し得る。M3レセプタに選択的な拮抗薬が好ましい。
【0056】
α-2-δリガンドとの組み合わせに有用なムスカリン拮抗薬は、以下を含むが、これらに限定されない:
(i) アトロピン、フルボキセート(fluvoxate)、ヒヨスチン、オキシブチニン、トルテロジンおよび国際特許公開番号WO
89/06644に開示される化合物、プロパンテリン、プロピベリン、トロスピウムおよび国際特許公開番号WO
98/05641に開示される化合物、加えてそれらの薬学的に許容される塩。
(ii) 特に、ダリフェナシン、オキシブチニン、トルテロジンおよび国際特許公開番号WO 89/06644に開示される化合物、ならびに国際特許公開番号WO 98/05641に開示される化合物、加えてそれらの薬学的に許容される塩が好ましい。
特に、トルテロジンが重要である。
【0057】
特許出願および学術論文の内容、特にその中の請求項の治療的活性化合物の一般式および例示される化合物は、その参照によりそれらの全体が本願明細書に加入される。
【0058】
別法として、α-2-δリガンドはシクロオキシゲナーゼ阻害剤と組み合わせてもよい。したがって、本発明の更なる態様は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドおよびCOX阻害剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0059】
なおさらに、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドおよびCOX阻害剤を含む製品を提供する。
【0060】
好ましくは、LUTSは尿失禁以外である。より好ましくは、LUTSは頻尿である。好ましくは、LUTSはBPHと関係している。好ましくは、LUTSがOABと関係している場合、それはOABドライである。好ましくは、COX阻害剤はCOX2阻害剤である。
【0061】
α-2-δリガンドとの組み合わせに有用なCOX阻害剤は、以下を含むが、これらに限定されない:
(i) イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラポプロフェン(prapoprofen)、ミロプロフェン(miroprofen)、チオキサプロフェン(tioxaprofen)、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン(fluprofen)、ブクロキシン酸(bucloxic acid)、インドメサシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、ジクロフェナク、フェンクロフェネク(fenclofenec)、アルクロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、フロフェナク(furofenac)、チオピナク(tiopinac)、ジドメタシン(zidometacin)、アセチルサリチル酸、インドメタシン、ピロキシカム、テノキシカム、ナブメトン、ケトロラク(ketorolac)、アザプロパゾン、メフェナム酸、トルフェナム酸、ジフルニサル、ポドフィリン誘導体、アセメタシン、ドロキシカム(droxicam)、フロクタフェニン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、プログルメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク(oxipinac)、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、フルフェニサ(flufenisa)、スドキシカム(sudoxicam)、エトドラク、ピプロフェン(piprofen)、サリチル酸、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチラート、ベノリレート、フェンチアザク、クロピナク(clopinac)、フェプラゾン、イソキシカムおよび2-フルオロ-a-メチル[1,1'-ビフェニル]-4-酢酸、4-(ニトロオキシ)ブチルエステル(Wenk,他., Europ. J. Pharmacol. 453:319-324 (2002)を参照);
【0062】
(ii) メロキシカム(CAS 登録番号 71125-38-7; 米国特許第4,233,299に記載)、またはその薬学的に許容される塩;
(iii) 米国特許第6,271,253号に記載されている置換ベンゾピラン誘導体。また、米国特許第6,034,256および6,077,850、加えて国際公開番号WO 98/47890およびWO 00/23433に記載されるベンゾピラン誘導体;
(iv) 米国特許第6,077,850号および米国特許第6,034,256号に記載されるクロメンCOX2選択的阻害剤;
(v) 国際特許出願公開番号WO 95/30656、WO 95/30652、WO 96/38418およびWO 96/38442に記載される化合物、ならびに欧州特許出願公開番号799823に記載される化合物、加えてその薬学的に許容される誘導体;
(vi) セレコキシブ(米国特許第5,466,823号)、バルデコキシブ(米国特許第5,633,272号)、デラコキシブ(deracoxib)(米国特許第5,521,207号)、ロフェコキシブ(米国特許第5,474,995号)、エトリコキシブ(国際特許出願公開番号WO 98/03484)、JTE-522(日本特許出願公開番号9052882)、またはその薬学的に許容される塩もしくはそのプロドラッグ;
(vii) パレコキシブ(米国特許第5,932,598号に記載)、これは三環系Cox-2選択的阻害剤バルデコキシブの治療的有効量のプロドラッグ(米国特許第5,633,272号に記載)、特にパレコキシブナトリウム;
(viii) ABT-963(国際特許出願公開番号WO 00/24719に記載);
(ix) ニメスリド(米国特許第3,840,597号に記載)、フロスリド(J.
Carter, Exp.Opin.Ther.Patents, 8(1), 21-29 (1997)で検討される)、NS-398(米国特許第4,885,367号に開示)、SD 8381(米国特許第6,034,256号に記載)、BMS-347070(米国特許第6,180,651号に記載)、S-2474(欧州特許公開番号595546に記載)およびMK-966(米国特許第5,968,974号に記載);
【0063】
(x) 以下に記載される化合物および薬学的に許容される誘導体:米国特許第6,395,724号、米国特許第6,077,868号、米国特許第5,994,381号、米国特許第6,362,209号、米国特許第6,080,876号、米国特許第6,133,292号、米国特許第6, 369,275号、米国特許第6,127,545号、米国特許第6,130,334号、米国特許第6,204,387号、米国特許第6,071,936号、米国特許第6,001,843号、米国特許第6,040,450号、国際特許出願公開番号WO 96/03392、国際特許出願公開番号WO 96/24585、米国特許第6,340,694号、米国特許第6,376,519号、米国特許第6,153,787号、米国特許第6,046,217号、米国特許第6,329,421号、米国特許第6,239,137号、米国特許第6,136,831号、米国特許第6,297,282号、米国特許第6,239,173号、米国特許第6,303,628号、米国特許第6,310,079号、米国特許第6,300,363号、米国特許第6,077,869号、米国特許第6,140,515号、米国特許第5,994,379号、米国特許第6,028,202号、米国特許第6,040,320号、米国特許第6,083,969号、米国特許第6,306,890号、米国特許第6,307,047号、米国特許第6,004,948号、米国特許第6,169,188号、米国特許第6,020,343号、米国特許第5,981,576号、米国特許第6,222,048号、米国特許第6,057,319号、米国特許第6,046,236号、米国特許第6,002,014号、米国特許第5,945,539号、米国特許第6,359,182号、国際特許出願公開番号WO 97/13755、国際特許出願公開番号WO 96/25928、国際特許出願公開番号WO 96/374679、国際特許出願公開番号WO 95/15316、国際特許出願公開番号WO 95/15315、国際特許出願公開番号WO 96/03385、国際特許出願番号WO 95/00501、国際特許出願番号WO 94/15932、国際特許出願公開番号WO 95/00501、国際特許出願公開番号WO 94/27980、国際特許出願公開番号WO 96/25405、国際特許出願公開番号WO 96/03388、国際特許出願公開番号WO 96/03387、米国特許第5,344,991号、国際特許出願公開番号WO 95/00501、国際特許出願公開番号WO 96/16934、国際特許出願公開番号WO 96/03392、国際特許出願公開番号WO 96/09304、国際特許出願公開番号WO 98/47890、および国際特許出願公開番号WO 00/24719。
【0064】
特許出願の内容、特にその中の請求項の治療的活性化合物の一般式および例示される化合物は、その参照によりそれらの全体が本願明細書に加入される。
【0065】
BPHを治療する場合、α-2-δリガンドは前立腺の成長を減ずる化合物と組み合わせてもよい。例えば、ヒト5-αレダクターゼ阻害化合物とα-2-δリガンドを組み合わせる製剤が考えられる[国際特許出願WO 95/28397を参照]。
【0066】
したがって、本発明の更なる態様は、BPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療医薬の製造のための、α-2-δリガンドおよびヒト5-αレダクターゼ阻害化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組み合わせの使用である。
【0067】
なおさらに、BPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療における同時、別個または連続の使用のために組み合わされた製剤として、α-2-δリガンドおよびヒト5-αレダクターゼ阻害化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む製品を提供する。
【0068】
好ましくは、LUTSは頻尿である。
公開された特許出願の内容、特にその中の請求項の治療的活性化合物の一般式および例証される化合物は、その参照によりそれらの全体が本願明細書に加入される。
【0069】
本願明細書に記載される化合物および組み合わせの使用は、OABおよび/またはBPHと関係しているLUTSを治療する場合、特にLUTSが頻尿である場合の従来技術の使用と比較して、より高い効力、作用のより長い持続期間、より少しの副作用、改善された選択性または他のより有用な特性が達成される利点を有し得る。
【0070】
本発明の化合物は当業者にとって周知の方法によって製造される。具体的には、先に挙げられ、その各々がこれによって参照により本願明細書中に加入される、特許、特許出願および刊行物は、本発明に従う組み合わせ、医薬組成物、方法およびキットで使用できる化合物を例証し、それらの化合物を製造する方法に言及する。
【0071】
本発明の使用に適当な化合物の薬学的に許容される塩は、その酸付加塩および塩基塩を含む。
適当な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。例は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシレート 、重炭酸/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシラート、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシレート、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート
、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、六ふっ化リン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/クロリド、臭化水素酸塩/ブロミド、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシレート、メチル硫酸塩、ナフチレート、2-ナプシレート 、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、サッカラート、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩を含む。
【0072】
適当な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン 、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン
、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩を含む。
【0073】
適当な塩に関する再調査のために、「Handbook of
Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」
Stahl およびWermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)を参照。
【0074】
本発明の使用に適当な化合物の薬学的に許容される塩は、必要に応じて化合物および所望の酸または塩基の溶液を一緒に混合することによって容易に製造できる。塩は溶液から沈殿し、そしてろ過により回収するかまたは溶媒の蒸発によって回収してもよい。塩のイオン化の程度は、完全にイオン化されているものからほとんどイオン化されていないものまで変化してよい。
【0075】
本発明の使用に適当な化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態の両方で存在してもよい。本願明細書において使用される用語「溶媒和物」は、本発明の化合物および1またはそれ以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノールを含んでいる分子の複合体を表す。用語「水和物」は、該溶媒が水である場合に使用される。
【0076】
複合体、例えば包接化合物、薬剤-ホスト包接複合体が本発明の範囲内に包含され、ここで上記溶媒と対照的に、薬剤およびホストは化学量論的または非化学量論的量で存在する。また、化学量論的または非化学量論的量であってよい2またはそれ以上の有機および/または無機成分を含んでいる薬剤の複合体が包含される。結果として生じる複合体は、イオン化されていてもよいし、部分的にイオン化されていてもよいし、または非イオン化されていてもよい。このような複合体の再検討のために、J Pharm Sci, 64 (8), 1269-1288, Haleblian (August 1975)を参照。
【0077】
以下、本発明の使用に適当な化合物に対する全ての参照は、その塩、溶媒和物および複合体に、ならびにその塩の溶媒和物および複合体に対する参照を含む。
本発明の使用に適当な化合物は、先に定義された化合物、以下に定義されるその多形体、プロドラッグ、および異性体(光学的、幾何学的および互変異性体を含む)、ならびに同位体標識された化合物を包含する。
【0078】
前述のように、本発明は先に定義される本発明の使用に適当な化合物の全ての多形体を含む。
【0079】
また、本発明の使用に適当な化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内にある。したがって、それ自体ほとんど薬理学的活性を有さない本発明の使用に適当な化合物の特定の誘導体は、身体中にまたは身体上へ投与される場合、例えば加水分解切断によって所望の活性を有する化合物に変換され得る。このような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。さらに、プロドラッグの用法に関する情報は、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」, Vol.
14, ACS Symposium Series (T HiguchiおよびW Stella) および「Bioreversible Carriers in Drug Design」,
Pergamon Press, 1987 (ed. E B Roche, American Pharmaceutical Association)において見つけられる。
【0080】
本発明に従うプロドラッグは、例えば、本発明の使用に適当な化合物に存在する適当な官能基を、例えばH Bundgaard (Elsevier, 1985)の「Design of
Prodrugs」に記載される「プロ成分」として当業者に公知の特定の部分と交換することにより製造することができる。
【0081】
本発明に従うプロドラッグのいくつかの例は、以下を含む:
(i) 化合物がカルボン酸官能基(-COOH)、そのエステルを含み、例えばその水素を(C1-C8)アルキルで置換する;
(ii) 化合物がアルコール官能基(-OH)、そのエーテルを含み、例えばその水素を(C1-C6)アルカノイルオキシメチルで置換する;そして
(iii) 化合物が一級または二級アミノ官能基(-NH2または-NHR、ここでR≠H)、そのアミドを含み、例えば、一方または両方の水素を(C1-C10)アルカノイルで置換する。
【0082】
さらに、上記例に従う置換基の例および他のプロドラッグ型の例は、上述した参考文献で見つけることができる。
【0083】
最終的に、本発明の使用に適当な特定の化合物は、本発明の使用に適当な他の化合物のプロドラッグとしてそれ自体作用し得る。
【0084】
1またはそれ以上の不斉炭素原子を含んでいる本発明の使用に適当な化合物は、2またはそれ以上の立体異性体として存在し得る。ここで化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、幾何学的なシス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。ここで化合物が例えばケトもしくはオキシム基または芳香族部分を含む場合、互変体異性(「互変異性」)が生じ得る。単一の化合物は2つ以上の型の異性を表すことができる。
【0085】
先に記載された本発明の使用に適当な化合物の全ての立体異性体、幾何異性体および互変異性型が本発明の範囲内に含まれ、複数の型の異性を示す化合物およびその1またはそれ以上の混合物を含む。また、酸付加塩または塩基塩が含まれ、ここで対イオンは光学活性で、例えばD-乳酸塩もしくはL-リシンであるか、またはラセミ、例えばDL-酒石酸塩もしくはDL-アルギニンである。
【0086】
本発明は、同位体標識された、先に記載された本発明における使用に適した全ての薬学的に許容される化合物を含み、ここで1またはそれ以上の原子が、同じ原子番号であるが、通常天然で見つけられる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と交換されている。
【0087】
本発明の化合物に包含される適当な同位元素の例は、水素、例えば2Hおよび3H、炭素、例えば11C、13Cおよび14C、塩素、例えば36Cl、フッ素、例えば18F、ヨウ素、例えば123Iおよび125I、窒素、例えば13Nおよび15N、酸素、例えば15O、17Oおよび18O、リン、例えば32P、ならびに硫黄、例えば35Sの同位元素を含む。
【0088】
本発明に従う薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位元素的に置換されてもよいもので、例えばD2O、d6-アセトン、d6-DMSOを含む。
【0089】
医薬使用を目的とする本発明の化合物は、結晶またはアモルファス産物として投与されてもよい。それらは、単独で、または本発明の1もしくはそれ以上の他の化合物との組み合わせで、または1もしくはそれ以上の他の薬剤との組み合わせで、投与され得る。通常、それらは1またはそれ以上の薬学的に許容される添加剤と共に製剤として投与され得る。用語「添加剤」は、本発明の化合物以外の任意の成分を表すために本願明細書において使用される。添加剤の選択は、大部分が、投与の特定の様式、可溶性および安定性に関する添加剤の影響、ならびに剤形の性質のような要因によって決まる。
【0090】
本発明の化合物の送達に適当な医薬組成物およびそれらの製法は、当業者にすぐに明らかとなる。このような組成物およびそれらの製法は、例えば「Remington's Pharmaceutical Sciences」, 第19版(Mack Publishing Company, 1995)で見つけることができる。
【0091】
本発明の化合物は経口的に投与されてもよい。経口投与は飲み込むことを含み、その結果化合物は胃腸管に入るか、または頬側もしくは舌下投与も使用してよく、これにより化合物は口から直接血流に入る。
【0092】
経口投与に適当な製剤は、固体製剤、例えば錠剤、微粒子、溶液または粉末を含んでいるカプセル、トローチ剤(液体が充填されたものを含む)、チューズ、マルチ-およびナノ-微粒子、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜付着を含む)、腔坐剤、スプレーおよび液状製剤を含む。
【0093】
液状製剤は、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシルを含む。このような製剤は、ソフトまたはハードカプセルの充填剤として使用されてもよく、そして一般的に、担体、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適当な油、および1またはそれ以上の乳化剤および/または懸濁剤を含む。液状製剤はまた、例えば小さい袋からの固体の再構成によって製造されてもよい。
【0094】
本発明の化合物はまた、Expert Opinion in Therapeutic
Patents, 11 (6), 981-986, LiangおよびChen (2001)に記載されるような迅速に溶解、迅速に分散する剤形において使用されてもよい。
【0095】
錠剤剤形のために、用量に従い、薬剤は剤形の1質量%〜80質量%、より典型的には剤形の5質量%〜60質量%から構成され得る。薬剤に加えて、錠剤は一般に崩壊剤を含む。崩壊剤の例は、グリコール酸ナトリウムデンプン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル-置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、プレゼラチン化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを含む。通常、崩壊剤は剤形の1質量%〜25質量%、好ましくは5質量%〜20質量%を占める。
【0096】
結合剤は、一般に結合特性を錠剤製剤に与えるために使用される。適当な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤はまた、希釈剤、例えば乳糖(一水和物、スプレー乾燥された一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび第二リン酸カルシウム二水和物を含んでもよい。
【0097】
錠剤はまた、場合により界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、ならびに流動促進剤、例えば二酸化ケイ素およびタルクを含んでもよい。それが有る場合、界面活性剤は錠剤の0.2質量%〜5質量%を占め、そして流動促進剤は錠剤の0.2質量%〜1質量%を占め得る。
【0098】
錠剤はまた、通常、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムの硫酸ラウリルナトリウムとの混合物を含む。潤滑剤は、通常、錠剤の、0.25質量%〜10質量%、好ましくは0.5質量%〜3質量%を占める。
他の考えられる成分は、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存料および味覚マスキング剤がある。
【0099】
例示的な錠剤は、約80%の薬剤、約10質量%〜約90質量%の結合剤、約0質量%〜約85質量%の希釈剤、約2質量%〜約10質量%の崩壊剤、および約0.25質量%〜約10質量%の潤滑剤を含む。
【0100】
錠剤混合物は、直接またはローラーによって圧縮され、錠剤を形成することができる。あるいは、錠剤混合物または混合物の部分は、錠剤にする前に、湿っているか、乾燥しているか、もしくは溶解して粒状化されてもよく、溶解・粒状化されてもよく(melt-granulated)、または押出加工されてもよい。最終的な製剤は、1またはそれ以上の層を含んでもよく、そしてコーティングされてもまたはコーティングされてなくてもよく;さらにカプセル化されてもよい。
【0101】
錠剤の製剤は、「Pharmaceutical Dosage Forms:
Tablets」, 第1"巻, H. LiebermanおよびL. Lachman, Marcel Dekker,
N.Y., N.Y., 1980 (ISBN 0-8247-6918-X)で議論される。
【0102】
経口投与のための固形製剤は、即時および/または修飾された制御放出であるように処方され得る。修飾された放出製剤は、遅延-、持続的-、律動的-、制御-、標的化-および計画的放出を含む。
【0103】
本発明の目的に適当な修飾された放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高いエネルギー分散および浸透圧のような他の適当な放出技術ならびにコーティングされた粒子の詳細は、Verma et al, Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14 (2001)で見つけられる。制御放出を達成するチューインガムの使用は、WO 00/35298に記載されている。
【0104】
本発明の化合物はまた、血流に、筋肉に、または内臓に直接投与されてもよい。非経口投与のための適当な手段は、静脈内、動脈内、腹膜内、髄膜下、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下を含む。非経口投与に適当な器具は、針(極微針を含む)注射器、無針注射器および注入手段を含む。
【0105】
非経口製剤は、一般的に、添加剤、例えば塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpHが3〜9)を含む水溶液であるが、いくつかの適用について、それらは滅菌の非水溶液としてまたは乾燥形態としてより最適に処方され、適当な賦形剤、例えば滅菌パイロジェンフリー水と共に使用してもよい。
【0106】
例えば凍結乾燥による滅菌条件下の非経口製剤の製造は、当業者にとって周知の標準的医薬技術を用いて容易に達成し得る。
【0107】
非経口溶液の製造において使用される本発明の化合物の可溶性は、適当な製剤技術、例えば溶解性増強剤の使用により増加させることができる。
【0108】
非経口投与のための製剤は、即時および/または修飾された制御放出であるように処方される。修飾された放出製剤は、遅延-、持続的-、律動的-、制御-、標的化-および計画的放出を含む。したがって、本発明の化合物は、活性化合物の修飾された放出を提供する移植されるデポー製剤としての投与のために、固体、半個体、またはチキソトロピック液体として処方することができる。このような製剤の例は、薬剤-コーティングされたステントおよびPGLAマイクロスフェアを含む。
【0109】
本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち真皮または経皮的に投与してもよい。本目的のための典型的製剤は、ゲル剤、ヒドロゲル、ローション剤、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯剤、泡、フィルム、皮膚貼付剤、カシェ剤、移植片、スポンジ、ファイバー、包帯およびマイクロエマルジョンを含む。リポソームもまた使用し得る。典型的担体は、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含む。透過増強剤を取り入れてもよい-例えばJ Pharm Sci, 88 (10), 955-958, FinninおよびMorgan (1999年10月)を参照。
【0110】
局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオン導入、フォノフォレシス、ソノフォレーシスおよび極微針もしくは無針(例えばPowderject(登録商標)、Bioject(登録商標)など)注射による送達を含む。
【0111】
局所的投与のための製剤は、即時および/または修飾された制御放出であるように処方され得る。修飾された放出製剤は、遅延-、持続的-、律動的-、制御-、標的化-および計画的放出を含む。
【0112】
本発明の化合物はまた、鼻腔内に、または吸入により、典型的には乾燥粉末 吸入器から乾燥粉末の形態で(単独で、混合物として、例えばラクトースとの乾式混合物で、または例えばホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合した混合成分粒子として)、または加圧された容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは細かい霧を生じる電気流体力学を用いた噴霧器)もしくはネブライザーからのエアゾールスプレーとして、または適当な噴射剤、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンを使用するかしないで、投与され得る。
【0113】
鼻腔内使用のために、粉剤は生体付着性薬剤、例えばキトサンまたはシクロデクストリンを含んでもよい。
【0114】
加圧された容器、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザーは、活性な、溶媒として噴射剤および任意の界面活性剤、例えば三オレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸を分散、可溶化、または放出を延長するために、例えば、エタノール、水性エタノールまたは適当な他の薬剤を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。
【0115】
乾燥粉末または懸濁液製剤の使用の前に、薬剤製品は、吸入による送達に適当なサイズに微粉末化される(一般的に5ミクロン未満)。これは、任意の適当な粉砕方法、例えば螺旋ジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノパーティクルを形成する臨界超過の流動処理、形態、高圧均質化、またはスプレー乾燥によって達成してもよい。
【0116】
吸入器または通気器に用いられるカプセル(例えばゼラチンまたはHPMCから作られる)、ブリスターおよびカートリッジは本発明の化合物、適当な粉剤ベース、例えば乳糖またはデンプンおよび性能調節剤、例えばl-ロイシイン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムの粉末混合物を含むように処方できる。乳糖は、無水物または一水和物であってよく、好ましくは一水和物である。他の適当な添加剤は、デキストラン、ブドウ糖、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖およびトレハロースを含む。
【0117】
細かい霧を生じさせる電気流体力学を用いた噴霧器に用いる適当な溶液製剤は、1回の作動あたり1μl〜20mgの本発明化合物を含んでよく、そして作動容量は1μl〜100μlに変動してよい。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用してもよい他の溶媒としては、グリセロールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0118】
適当な矯味矯臭剤、例えばメントールおよびレボメントール(levomenthol)、または甘味料、例えばサッカリンもしくはサッカリンナトリウムが、吸入/鼻腔内投与を目的とする本発明の上記製剤に添加されてもよい。
【0119】
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えばポリ(DL乳酸・グリコール酸共重合体(PGLA)を用いて、即時および/または修飾された制御放出であるように処方され得る。修飾された放出製剤は、遅延-、持続的-、律動的-、制御-、標的化-および計画的放出を含む。
【0120】
本発明の化合物は、直腸にまたは経膣的に、例えば坐薬、ペッサリまたは浣腸の形で投与されてもよい。カカオバターは従来の坐薬ベースであるが、必要に応じて種々の代替物が使用されてもよい。
【0121】
直腸/膣の投与のための製剤は、即時および/または修飾された制御放出であるように処方され得る。修飾された放出製剤は、遅延-、持続的-、律動的-、制御-、標的化-および計画的放出を含む。
【0122】
本発明の化合物はまた、典型的に、等張性の、pH調整された、滅菌の生理食塩水中に微粒化された懸濁液または溶液の滴剤の形で、目または耳に直接投与されてもよい。眼および耳の投与のために適当な他の製剤は、軟膏、生体分解性(例えば吸収可能なゲルスポンジ、コラーゲン)および生物分解性でない(例えばシリコーン)移植片、カシェ剤、レンズおよび微粒子または小胞系、例えばニオソームまたはリポソームを含む。ポリマー、例えば架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムは、保存料、例えば塩化ベンザルコニウムと共に取り入れてもよい。このような製剤はまた、イオン導入によって送達されてもよい。
【0123】
眼/耳への投与のための製剤は、即時および/または修飾された制御放出であるように処方され得る。修飾された放出製剤は、遅延-、持続的-、律動的-、制御-、標的化-および計画的放出を含む。
【0124】
本発明の化合物は、可溶な高分子単位、例えばシクロデクストリンおよびその適当な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせて、前述の投与の様式のいずれかに対し、可溶性、溶解速度、味覚マスキング、生物学的利用能および/または安定性を改善することができる。
【0125】
薬剤-シクロデクストリン複合体は、例えば、大部分の剤形および投与経路のために一般に有用であることがわかっている。包接および非包接化合物の両方を用いることができる。薬剤との直接的な錯体化の代わりに、シクロデキストリンを補助添加物として、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用し得る。α-、β-およびγ-シクロデクストリンがこれらの目的に最も一般的に使用され、その例は特許出願番号WO 91/11172、WO 94/02518およびWO 98/55148に見つけられる。
【0126】
例えば、特定の疾患または状態を治療する目的のために活性化合物の組み合わせを投与することが望ましいので、その少なくとも1つが本発明に従う化合物を含む2またはそれ以上の医薬組成物を、該組成物の同時投与に適当なキットの形態で都合よく組み合わせることができることも本発明の範囲内にある。
【0127】
したがって、本発明のキットは、2またはそれ以上の別個の医薬組成物(その少なくとも1つが本発明に従う先に記載された化合物を含む)、および該組成物を別個に保持する手段、例えば容器、分かれた瓶または分かれたフォイルパケットを備える。このようなキットの例は、錠剤、カプセルなどを包装するために使用されるありふれたブリスターパックである。
【0128】
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口および非経口的に投与するために、異なる投薬間隔で別個の組成物を投与するために、または互いに別個の組成物をタイトレートするために、特に適当である。服薬遵守を助けるために、キットは一般的に投与のための注意書きを含み、そしていわゆるメモリーエイドを備えていてよい。
【0129】
疑問を避けるために、本願明細書における「治療」への言及は、治癒的、一時的、および予防的治療への言及を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】対照およびガバペンチン処理された動物に関する排尿エピソードの間隔を示す。
【図2】ガバペンチンおよび対照処理された動物に関する1時間あたりの排尿回数を示す。
【図3】ガバペンチン(60 mg/kg s/c)および対照処理された動物における排尿の充填サイクル間の平均膀胱圧を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0131】
化学実施例:
実施例1:
(2S,4S)-4-(3-クロロ-フェノキシ)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-メチルエステル
【化11】

0℃のtert-ブチルメチルエーテル(30.5L)中の(2S,4R)-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-メチルエステル(CAS Reg
74844-91-0)(6.1kg,24.87mol)、3-クロロフェノール(3.52kg, 27.39mol)およびトリフェニルホスフィン(7.18kg,27.37mol)の撹拌した溶液に、tert-ブチルメチルエーテル(15L)中のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(5.53kg,27.35mol)を滴下した。この混合物を一晩20℃で撹拌した。反応物を濾過し、そして溶液を0.5M水酸化ナトリウム(aq) (2×12.5L)および水 (12.2L)で洗浄した。このtert-ブチルメチルエーテル溶媒を大気圧蒸留によりn-ヘプタン(42.7L)と交換し、そして冷却し、粗生成物を結晶化し、これを濾過により回収した(11.1kg, 約35%還元ジイソプロピルジカルボキシレートおよび酸化トリフェニルホスフィンにより不純の125% -補正収率 = 86%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ = 1.46, 1.49 (2×s, 9H), 2.47 (2H, m),
3.71 (5H, m),
4.42 (1H, m), 4.42, 4.54 (1H, 2×m),
4.87 (1H, m), 6.68 (1H, m), 6.79 (1H, s),
6.92 (1H, m), 7.18 (1H, m).
LRMS (エレクトロスプレー): m/z 378 (MNa+).
【0132】
(2S,4S)-4-(3-クロロ-フェノキシ)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル
【化12】

THF (26.6L)中の(2S,4S)-4-(3-クロロ-フェノキシ)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-メチルエステル(11.1kg, 20.28mol)に、水(55.5L)中のLiOH.H2O (4.86kg, 115.4mol)溶液を添加した。この混合物を一晩25℃で撹拌した。THFを蒸留により除去し、そしてできた水溶液をジクロロメタン(33.3Lおよび16.7L)で抽出した。合わせたジクロロメタン層を水(33Lおよび16.7L)で抽出した。合わせた水相を1M塩酸(aq)でpH3-3.5に調整し、そしてジクロロメタン(2×22.2L)で抽出した。合わせたジクロロメタン相をトルエン(33.3L)と交換し、これを冷却して生成物を結晶化し、これを濾過により回収した(6.1kg, 98%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ= 1.42, 1.48 (2×s, 9H), 2.30-2.70 (m,
2H), 3.60-3.80
(m, 2H), 4.40-4.60 (m, 1H), 4.86 (m,
1H), 6.71 (m, 1H), 6.82 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 7.16 (m, 1H).
LRMS (エレクトロスプレー): m/z [MNa+] 364,
340 [M-1] 340.
【0133】
(2S,4S)-4-(3-クロロ-フェノキシ)-ピロリジン-2-カルボン酸(XXVIII)
【化13】

(2S,4S)-4-(3-クロロ-フェノキシ)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル(29.25mol)の溶液をTHF (20L)中に溶解し、そして濾過した。この溶液に、ジオキサン(30L)中の4M HClを添加し、そして一晩攪拌した。tert-ブチルメチルエーテル(70L)をできた懸濁に添加し、そして生成物を濾過により回収した (7.06kg, 86.7%)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ= 2.65 (m, 2H), 3.60 (dd, 1H), 3.70 (d,
1H), 4.60 (dd, 1H), 5.02 (m, 1H), 6.88 (m, 1H), 6.97 (s, 1H), 7.03 (d, 1H),
7.29 (dd, 1H).
LRMS (エレクトロスプレー [MH+] 242, [M-1]
240.
ミクロ分析: 実験値, C,
46.97; H, 4.70; N, 4.90. C11H12ClNO3.HCl.0.1H2OはC, 47.20; H, 4.75; N, 5.00を要する。
【0134】
実施例2:
4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステル
【化14】

4-(3-フルオロ-ベンジリデン)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステル(1.20g, 2.61mmol)を酢酸エチル:トルエン(1:1, 12ml)中に溶解した。溶液を、25℃および15psiで1時間、酸化白金(120 mg, 10質量%)における水素化に供した。反応混合物をアーボセルにより濾過し、ろ液を減圧下においた。残留物をフラッシュマスタークロマトグラフィーによりヘプタン:酢酸エチル(15:1)で溶出して精製し、無色油状物として表題化合物を得た (1.11g, 91%)。
1H-NMR (400MHz, CD3OD): δ = 0.72-1.37 (m, 13 H), 1.44 (d, 9H),
1.43-1.75 (m, 4H), 1.87-2.01 (m, 2H), 2.31-2.58 (m, 2H), 2.83 (d, 2H), 3.07 (t,1H), 3.50-3.65 (m, 1H), 4.13-4.30 (dt, 1H), 4.71 (td, 1H), 6.90 (d, 2H), 7.00
(d, 1H), 7.30 (q, 1H).
LRMS (APCI): m/z [MH-BOC]+ 362.
【0135】
(2S,4S)-4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-2-カルボン酸モノ塩酸塩(XXIX)
【化15】

4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステル(0.91g, 1.96mmol)をトルエン(2 ml)中に溶解した。6N塩酸
(50ml)を添加し、そして18時間還流撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、そして酢酸エチル (3×20ml)で抽出した。水層を減圧下で蒸発させることにより濃縮し、白色固体として表題化合物を得た(417mg, 81%)。1H-NMRはシス:トランスジアステレオイソマー7:1の比を示し、そこで生成物をイソプロピルアルコールから再結晶化し、NMRにより決定した14:1 シス:トランスの比で表題化合物を得た(170mg, 65%)。
1H-NMR (400MHz, CD3OD): (ジアステレオイソマーの混合物
2S,4S:2S,4R (14:1)): δ =1.85 (q, 1H), 2.51 (quin, 1H), 2.69-2.85 (m, 3H), 3.07(t, 1H), 3.41 (dd, 1H), 4.38および4.48 (t, 1H), 6.90-7.04
(m, 3H), 7.32 (q, 1H)
LRMS (APCI): m/z [MH]+ 224.
[α]D25 -1.27° (メタノール中c=9.00).
ミクロ分析: 実験値 C,
55.56; H, 5.81; N, 5.34%. C12H14FNO2・HClはC, 55.50; H, 5.82; N, 5.39%を要する。
【0136】
実施例3:
4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステル
【化16】

4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステルを、適当な出発アルケンメタノール(alkenic menthol)エステルを用いて、4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステルの製造のための方法と類似の方法により製造した;
[MH]480
ミクロ分析 (ジアステレオイソマーの混合物 シス(主)およびトランス): 実験値: C, 67.74; H, 8.30; N, 2.90%. C27H39 F2NO4.はC, 67.62; H, 8.20; N, 2.92%を要する;
[α]D 25 -71.92° (メタノール中c = 3.26)
【0137】
(2S,4S)-4-(2,3-ジフルオロ-ベンジル)-ピロリジン-2-カルボン酸モノ-塩酸塩(XXX)
【化17】

表題化合物を、4-(3-フルオロ-ベンジル)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル2-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)エステルから出発して実施例2の方法により製造し、そしてアセトン/エーテルによる再結晶化により精製し、白色固体として1H-NMRにより決定されるジアステレオイソマーの混合物(2S,4S:2S,4R
(12:1))として表題化合物を得た (500 mg, 60%)。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) (ジアステレオイソマーの混合物 シス:トランス(12:1)): δ= 0.80-1.90 (m, 0.92H), 2.12-2.20 (m, 0.08H), 2.28-2.36
(m, 0.08H), 2.49-2.58 (q, 0.92H), 2.66-2.81 (m, 1H), 2.83-2.95 (m, 2H),
3.02-3.13 (t, 1H), 3.46 (dd, 1H), 4.40 (dd, 0.92H), 4.48-4.54 (m, 0.08H),
7.03-7.20 (m, 3H).
LRMS (エレクトロスプレー): m/z [M + H]+ 242.
ミクロ分析: 実験値 C,
51.42; H, 5.08; N, 5.01%. C12H13NO2F2・HClはC, 51.90; H, 5.08; N, 5.04%を要する。
【0138】
実施例4:
(2S,4S)-ピロリジン-1,2,4-トリカルボン酸1,2-ジ-tert-ブチルエステル
【化18】

酢酸エチル(5.5ml)、アセトニトリル(5.5ml)および水(8.5ml)中で窒素雰囲気下、0℃で撹拌した4-フェニル-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチルエステル(CAS Reg. No. 344 286-69-7; J. Org. Chem., 2001, 3593-3596) (0.78g,
2.24mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(5.77g, 27mmol)の混合物に、三塩化ルテニウム(10mg, 0.05mmol)を添加し、そして18時間にわたり撹拌して室温にした。ジエチルエーテル(20ml)を添加し、そしてさらに1時間撹拌した。1M塩酸 (5ml)を添加し、そして混合物を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーにより50:50:1 酢酸エチル:ヘプタン:氷酢酸で溶出して精製し、無色粘性物質として表題化合物を得た(501mg, 78%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ =
1.40-1.49 (m, 18H); 2.26-2.40 (m, 1H); 2.42-2.56 (m, 1H); 3.02-3.12 (m, 1H);
3.65-3.80 (m, 1.4H)および3.80-3.88 (m, 0.6H) [回転異性体]; 4.09-4.20 (m,
0.7H)および4.20-4.26 (m, 0.3H) [回転異性体]
LRMS (エレクトロスプレー): [M-1] 314
【0139】
(2S,4S)-4-(3-フルオロ-フェノキシメチル)-ピロリジン-2-カルボン酸(XXI)
【化19】

4-(3-フルオロ-フェノキシメチル)-ピロリン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチルエステル(475mg, 1.2mmol)をジオキサン(4M, 15ml)中の無水塩化水素溶液に溶解し、そして50oCで窒素雰囲気下、1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして得られた半固体を酢酸エチルで磨砕し、白色固体を得て、これを酢酸エチル/イソプロピルアルコールから再結晶化し、白色固体の塩酸塩として、ジアステレオマーの混合物(〜5:1 2S,4S:2S,4R)として表題化合物を得た(90mg, 35%)。
1H-NMR (400MHz, CD3OD): δ = 2.04-2.09 (m, 0.8H); 2.33-2.47 (m,
0.4H); 2.65-2.75
(m, 0.8H); 2.88-3.00 (m, 1H); 3.33-3.40
(m, 1H); 3.52-3.60 (m, 0.8H); 3.60-3.68
(0.2H); 3.96-4.04 (m, 1H); 4.04-4.12
(m, 1H); 4.42-4.51 (m, 0.8H); 4.40-4.56 (m, 0.2H); 6.65-6.80 (m, 3H), 7.21-7.30(m, 1H)
LRMS (エレクトロスプレー): [M+1] 240; [M+23] 262; [M-1]
238.
【0140】
実施例5:
(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸ヒドロクロリド(R)-2,6-ジメチル-ノナ-2-エン 0℃のTHF(800 mL)中の(S)-シトロネリルブロミド(50 g, 0.228 mol)に、LiCl (4.3 g)、引き続きCuCl2 (6.8 g)を添加した。30分後、塩化メチルマグネシウム(THF中の3 M溶液152 mL,
Aldrich)を添加し、そして溶液を室温に温めた。10時間後、溶液を0℃に冷却し、そして塩化アンモニウム飽和水溶液を慎重に添加した。生じた2層を分離し、そして水相をエーテルで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮し、(R)-2,6-ジメチル-ノナ-2-エンを得た。32.6 g;
93%. さらに精製することなく用いた。1H NMR (400 MHz; CDCl3) δ 5.1 (m, 1H), 1.95 (m, 2H), 1.62
(s, 3H), 1.6 (s, 3H), 1.3 (m, 4H), 1.2 (m, 2H), 0.8 (s, 6H).
【0141】
(R)-4-メチル-ヘプタン酸
アセトン (433mL)中の(R)-2,6-ジメチル-ノナ-2-エン (20 g, 0.13
mol)に、50分かけてH2SO4
(33mL)/ H2O (146mL)中のCrO3 (39g,
0.39mol)の溶液を添加した。6時間後、H2SO4
(22mL)/H2O (100mL)中のさらに別の量のCrO3
(26g, 0.26mol)を添加した。12時間後、この溶液をブラインで希釈し、そして溶液をエーテルで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配6:1〜2:1ヘキサン/EtOAc)により、油状物として(R)-4-メチル-ヘプタン酸を得た。12.1
g; 65%. MS, m/z (相対強度): 143 [M-H, 100%].
【0142】
(4R,5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-ヘプタノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オン
0℃のTHF (500mL)中の(R)-4-メチル-ヘプタン酸
(19g, 0.132mol)およびトリエチルアミン(49.9g, 0.494mol)に、トリメチルアセチルクロリド(20g, 0.17mol)を添加した。1時間後、LiCl(7.1g, 0.17mol)、引き続き(4R,5S)-(+)-4-メチル-5-フェニル-2-オキサゾリジノン)
3(30g, 0.17mol)を添加した。この混合物を室温に温め、そして16時間後、ろ液を濾過により除去し、そして溶液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:1 ヘキサン/EtOAc)により油状物として(4R,5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-ヘプタノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オンを得た。31.5g; 79%. [α]D = +5.5
(CHCl3中のc1). MS, m/z (相対強度): 304[M+H, 100%].
【0143】
(3S,5R)-5-メチル-3-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル)-オクタン酸tert-ブチルエステル
-50℃のTHF (200
ml)中の(4R,5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-ヘプタノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オン (12.1g, 0.04mol)に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1M溶液48mL)を添加した。30分後、t-ブチルブロモアセテート(15.6g, 0.08mol) を添加した。この溶液を50℃で4時間撹拌し、次いで室温に温めた。16時間後、塩化アンモニウムの飽和水溶液を添加し、そして2層を分離した。水相をエーテルで抽出し、そして合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(9:1
ヘキサン/EtOAc)により白色固体として(3S,5R)-5-メチル-3-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル)-オクタン酸tert-ブチルエステルを得た。12g; 72%. [α]D = +30.2 (CHCl3中c 1). 13C NMR (100 MHz; CDCl3) δ 176.47,
171.24, 152.72, 133.63, 128.87, 125.86, 80.85, 78.88, 55.34, 39.98, 38.77,
38.15, 37.58, 30.60, 28.23, 20.38, 20.13, 14.50, 14.28.
【0144】
(S)-2-((R)-2-メチル-ペンチル)-コハク酸4-tert-ブチルエステル
0℃のH2O
(73mL)およびTHF(244mL)中の(3S,5R)-5-メチル-3-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル)-オクタン酸tert-ブチルエステル(10.8g,
0.025mol)に、LiOH (0.8M溶液51.2mL)およびH2O2 (30%溶液14.6mL)の予混合溶液を添加した。4時間後、さらにLiOH (0.8M溶液)
12.8mLおよびH2O2 (30%溶液)3.65mLを添加した。30分後、亜硫酸水素ナトリウム(7g)、亜硫酸ナトリウム(13g)、および水(60mL)を添加し、引き続きヘキサン (100mL)およびエーテル(100mL)を添加した。2層を分離し、そして水相をエーテルで抽出した。合わせた有機相を油状物に濃縮し、これをヘプタン(300mL)中に溶解した。得られた固体を濾別し、ろ液を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮し、(S)-2-((R)-2-メチル-ペンチル)-コハク酸4-tert-ブチルエステル(6g,
93%)を得て、これをさらに精製することなく直ちに用いた。MS, m/z (相対強度): 257 [M+H, 100%].
【0145】
(3S,5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステル
トルエン(200 mL)中の(S)-2-((R)-2-メチル-ペンチル)-コハク酸4-tert-ブチルエステル(6.0g, 23.22mmol)およびトリエチルアミン(3.64 mL,
26.19mmol)の溶液をジフェニルホスホリルアジド(5.0mL, 23.22mL)で処理し、そして室温で0.5時間撹拌した。次いで反応混合物を3時間加熱還流し、そして手短に冷やした後、ベンジルアルコール(7.2mL, 69.7mmol)を添加し、そしてこの溶液をさらに3時間加熱した。反応混合物を冷やした後、エチルエーテル(200 mL)で希釈し、そして合わせた有機層を飽和NaHCO3およびブラインで連続して洗浄し、そして乾燥させた(Na2SO4)。濃縮された有機成分をクロマトグラフィー(MPLC)により精製し、8:1 ヘキサン: 酢酸エチルで溶出し、(3S, 5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステル(6.4 g, 75.8%)を得た。MS: M+1: 364.2, 308.2.
【0146】
(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステル
THF (50 mL)中の(3S,
5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステル(2.14g, 5.88mmol)溶液を2時間、50psiでPd/C
(0.2g)およびH2により処理した。次いで、反応混合物をろ過し、そして油状物に真空濃縮し、定量的収率で(3S, 5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステルを得た。MS: M+1: 230.2, 174.1.
【0147】
(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸ヒドロクロリド
6N HCl (100 mL)中の(3S, 5R)-アミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステル(2.59g, 11.3 mmol)のスラリーを18時間加熱還流し、冷却し、そしてセライトにより濾過した。濾液を25 mLに真空濃縮し、そして得られた結晶を回収し、そして乾燥させて、(3S, 5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸ヒドロクロリド, mp 142.5-142.7℃(1.2g, 50.56%)を得た。第二のクロップ(0.91g)を濾液から得た。C9H19NO2・HClについての計算値: C: 51.55, H: 9.61, N: 6.68, Cl: 16.91. 実験値:
C: 51.69, H: 9.72, N: 6.56, Cl: 16.63.
【0148】
(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-オクタン酸塩酸塩
メチルtertブチルエーテル30
mL中に含まれる2S-(2R-メチル-ペンチル)-コハク酸-4-tert-ブチルエステル5.3gを、室温でトリエチルアミン3.5mLと反応させ、引き続きジフェニルホスホリルアジド6.4gと反応させた。この反応物を45℃まで発熱させ、そして少なくとも4時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、そして相が分離する間放置した。下の層を捨て、上の層を水で洗浄し、引き続き希HCl水溶液で洗浄した。次いで上の層を6 N HCl水溶液10mLと合わせ、そして45-65℃で撹拌した。反応混合物を約10-14mLに減圧蒸留し、そして約5℃に冷える間に結晶化させた。濾過により生成物を回収後、生成物をトルエンで洗浄し、そしてトルエン中で再びスラリーにした。生成物を真空下で加熱乾燥し、白色結晶生成物2.9 g (67%)を得た。生成物をHCl水溶液から再結晶化することができる。mp 137℃.
【0149】
実施例6:
メタンスルホン酸(S)-3,7-ジメチル-オクタ-6-エニルエステル
0℃のCH2Cl2
(800mL)中のS-(-)-シトロネロール(42.8g,
0.274mol)およびトリエチルアミン(91mL, 0.657mol)に、CH2Cl2(200mL)中のメタンスルホニルクロリド(26mL, 0.329mol)を添加した。0℃で2時間後、溶液を1N HClで洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮し、油状物として表題化合物(60.5g,
94%)を得て、これをさらに精製することなく用いた。MS, m/z (相対強度): 139 [100%], 143 [100%].
【0150】
(R)-2,6-ジメチル-オクタ-2-エン
0℃のTHF (1L)中のメタンスルホン酸(S)-3,7-ジメチル-オクタ-6-エニルエステル(60g,0.256mol)に、水素化アルミニウムリチウム(3.8g, 0.128mol)を添加した。7時間後、さらに水素化アルミニウムリチウム3.8gを添加し、そして溶液を室温に温めた。18時間後、さらに水素化アルミニウムリチウム3.8gを添加した。さらに21時間後、反応を慎重に1Nクエン酸でクエンチし、そして溶液をブラインでさらに希釈した。得られた2相を分離し、そして有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮し、油状物として表題化合物を得て、これをさらに精製することなく用いた。MS, m/z (相対強度): 139 [M+H, 100%].
【0151】
(R)-4-メチル-ヘキサン酸
(R)-4-メチル-ヘプタン酸の合成と同様の手順を用い、油状物として酸を得た(9.3g, 56%)。MS, m/z (相対強度): 129 [M-H, 100%].
【0152】
(4R,5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-ヘキサノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オン
(4R,5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-ヘプタノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オンの合成と同様の手順を用い、油状物として表題化合物を得た(35.7g, 95%)。MS, m/z (相対強度): 290 [M+H, 100].
【0153】
(3S,5R)-5-メチル-3-[1-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-イル)-メタノイル]-ヘプタン酸tert-ブチルエステル
(3S,5R)-5-メチル-3-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル)-オクタン酸tert-ブチルエステルの製造と同様の手順に従い、油状物として表題化合物を得た(7.48g; 31%)。MS, m/z (相対強度): 178 [100%], 169 [100%]; [α]D = +21.6 (CHCl3中のc 1).
【0154】
(S)-2-((R)-2-メチル-ブチル)-コハク酸4-tert-ブチルエステル
0℃のH2O
(53mL)およびTHF(176mL)中の(3S,5R)-5-メチル-3-[1-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-イル)-メタノイル]-ヘプタン酸tert-ブチルエステル(7.26g, 0.018mol)に、LiOH (0.8M溶液37mL)およびH2O2 (30%溶液10.57mL)の予混合溶液を添加し、そしてこの溶液を室温に温めた。2時間後、亜硫酸水素ナトリウム(7g)、亜硫酸ナトリウム(13g)、および水(60mL)を添加し、そして二層を分離し、そして水層をエーテルで抽出した。合わせた有機相を油状物に濃縮し、これをヘプタン(200mL)中に溶解した。得られた固体を濾別し、そして濾液を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮し、油状物として表題化合物を得て(4.4g)、これをさらに精製することなく用いた。MS, m/z (相対強度): 243 [100%].
【0155】
(3S,5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-ヘプタン酸, tert-ブチルエステル
この化合物を(S)-2-((R)-2-メチル-ブチル)コハク酸, 4-tert-ブチルエステルから出発して上記の通り製造し、油状物として(3S, 5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-ヘプタン酸, tert-ブチルエステル(73.3%収率)を得た。1H
NMR (400 MHz; CDCl3) δ 0.84(t, 3H, J = 7.33 Hz), 0.89(d, 3H, J =
6.60 Hz), 1.12-1.38 (m, 4H), 1.41 (s, 9H), 1.43-1.59 (m, 2H), 2.42 (m, 2H),
4.05 (m, 1H), 5.07 (t, 2H J =12.95 Hz)、および7.28-7.34 (m,
5H).
【0156】
(3S,5R)-アミノ-5-メチル-ヘプタン酸, tert-ブチルエステル
この化合物を(3S, 5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステルの代りに(3S, 5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-ヘプタン酸, tert-ブチルエステルから出発して上記の通り製造し、表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz; CDCl3) δ
0.84 (オーバーラップtおよびd, 6H),
1.08-1.16(m, 2H), 1.27-1.30(m, 2H), 1.42(s, 9H), 1.62 (br s, 2H), 2.15 (dd, 1H,J= 8.54および15.62 Hz), 2.29(dd, 1H, J = 4.15および15.37 Hz),および3.20(br s, 2H).
【0157】
(3S,5R)-アミノ-5-メチル-ヘプタン酸ヒドロクロリド
3N HCl中の(3S,
5R)-アミノ-5-メチル-ヘプタン酸, tert-ブチルエステル(1.44g, 6.69 mmol)のスラリーを3時間加熱還流し、セライトにより熱ろ過し、そして濃縮乾固した。エチルエーテル中の得られた個体の磨砕により、(3S, 5R)-3-アミノ-5-メチル-ヘプタン酸ヒドロクロリド、(0.95g, 85%) mp 126.3-128.3℃を得た。
【0158】
実施例7:
(3S, 5R)-3-アミノ-5-メチル-ノナン酸
(R)-4-メチル-オクタン酸. 塩化リチウム(0.39g, 9.12 mmol)および塩化銅(I)(0.61g, 4.56mmol)を周囲温度でTHF 45 ml中に合わせ、そして15分撹拌し、次いで0℃に冷却し、このときエチルマグネシウムブロミド(THF中の1M溶液, 45mL, 45mmol)を添加した。(S)-シトロネリルブロミド(5.0g, 22.8mmol)を滴下し、そして溶液を一晩攪拌しながら周囲温度にゆっくり温めた。反応を飽和NH4Cl (aq)の慎重な添加によりクエンチし、そしてEt2Oおよび飽和NH4Cl (aq)と共に30分間撹拌した。この相を分離し、そして有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。粗製(R)-2,6-ジメチル-デカ-2-エンを精製せずに用いた。0℃のアセトン50mL中の(R)-2,6-ジメチル-デカ-2-エン (3.8g, 22.8mmol)の溶液に、Jones試薬(H2SO4 (aq)中の2.7M, 40 mL, 108 mmol)を添加し、そして溶液を一晩攪拌しながら周囲温度にゆっくり温めた。混合物をEt2OとH2Oとの間に分離し、相を分離し、そして有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(8:1 ヘキサン:EtOAc)により精製し、無色の油状物として表題化合物2.14g (59%)を得た: LRMS: m/z 156.9 (M+)。Jones試薬をCrO3 26.7gとH2SO4 23 mLを合わせ、そしてH2Oにより100 mLまで希釈することにより2.7M溶液として製造した。
【0159】
(4R,5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-オクタノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オン
0℃のCH2Cl2
25 mL中の(R)-4-メチル-オクタン酸(2.14g, 13.5mmol)に、DMFを3滴添加し、引き続きオキサリルクロリド(1.42mL, 16.2mmol)を添加することにより、激しいガスの発生を生じた。この溶液を周囲温度に直接温め、30分撹拌し、そして濃縮した。その間に、-78℃のTHF
40mL中のオキサゾリジノン(2.64g, 14.9mmol)溶液に、nブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液, 9.3mL, 14.9mmol)を滴下した。この混合物を10分間撹拌し、このときTHF 10mL中の酸クロリドを滴下した。反応混合物を-78℃で30分間撹拌し、次いで周囲温度に直接温め、そして飽和NH4Clでクエンチした。この混合物をEt2Oと飽和NH4Cl (aq)との間に分割し、そして有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮し、無色の油状物として表題化合物3.2gを得た。LRMS: m/z 318.2 (M+).
【0160】
(3S,5R)-5-メチル-3-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル)-ノナン酸tert-ブチルエステル
-78℃のTHF 30mL中のジイソプロピルアミン(1.8mL, 12.6 mmol)溶液に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液,
7.6mL, 12.1mmol)を添加し、そして混合物を10分撹拌し、このときTHF 10mL中の(4R, 5S)-4-メチル-3-((R)-4-メチル-オクタノイル)-5-フェニル-オキサゾリジン-2-オン (3.2g,10.1mmol)を滴下した。この溶液を30分間撹拌し、t-ブチルブロモアセテート(1.8mL, 12.1mmol) を-50℃で迅速に滴下し、そしてこの混合物をゆっくり3時間にわたって10℃に温めた。この混合物をEt2Oと飽和NH4Cl (aq)との間に分割し、相を分離し、そして有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(16:1〜8:1 ヘキサン:EtOAc)により精製し、無色結晶固体として表題化合物2.65g (61%), mp = 84-86℃を得た。 [δ]D
23 +17.1 (c = 1.00, CHCl3).
【0161】
(S)-2-((R)-2-メチル-ヘキシル)-コハク酸4-tert-ブチルエステル
0℃のTHF 20mL中の(3S,5R)-5-メチル-3-((4R,5S)-4-メチル-2-オキソ-5-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル)-ノナン酸tert-ブチルエステル(2.65g, 6.14mmol) 溶液に、H2O 10mL中のLiOHモノヒドレート(1.0g, 23.8mmol)および過酸化水素(30質量%水溶液, 5.0mL)の予冷(0(C)溶液を添加した。混合物を90分間激しく撹拌し、次いで周囲温度に温め、そして90分間撹拌した。反応を10% NaHSO3 (aq)100mLの添加により0℃でクエンチし、次いでEt2Oで抽出した。この相を分離し、そして有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。表題化合物を精製することなしに用いた。
【0162】
(3S,5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチルノナン酸, tert-ブチルエステル
この化合物を(S)-2-((R)-2-メチルペンチル) コハク酸, 4-tert-ブチルエステルの代りに(S)-2-((R)-2-メチルヘキシル) コハク酸, 4-tert-ブチルエステルから出発して上記と同様に製造し、油状物として表題化合物
(71.6%収率)を得た。1HNMR (400 MHz; CDCl3) δ 0.81(t, 3H, J = 4.40 Hz), 0.85(d,
3H, J = 6.55 Hz), 1.06-1.20(m, 7H), 1.36(s, 9H), 1.38-1.50(m, 2H), 2.36(m, 2H),3.99(m, 1H), 5.02(m+s, 3H),および7.28-7.28(m, 5H).
【0163】
(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-ノナン酸, tert-ブチルエステル
この化合物を(3S, 5R)-3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-オクタン酸, tert-ブチルエステルの代わりに(3S, 5R)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-5-メチル-ノナン酸, tert-ブチルエステルから出発して上記の通り製造した。収率= 97%. 1HNMR (400 MHz; CDCl3) δ 0.82(オーバーラップ dおよびt, 6H), 1.02-1.08(m, 1H), 1.09-1.36(m,6H), 1.39(s, 9H), 1.47(br s, 1H), 1.80(s, 2H), 2.13(dd, 1H, J = 8.54および15.61 Hz),および2.27(dd, 1H, J = 4.15および15.38 Hz).
【0164】
(3S,5R)-3-アミノ-5-メチル-ノナン酸ヒドロクロリド
3N HCl (100 mL)中の(3S, 5R)-3-アミノ-5-メチル-ノナン酸, tert-ブチルエステル(1.50g, 6.16 mmol)の混合物を3時間加熱還流し、セライトにより熱ろ過し、そして30mLに真空濃縮した。得られた結晶を回収し、さらに3N HClで洗浄し、そして乾燥させて、表題化合物, mp 142.5-143.3℃を得た。さらにクロップを濾液から得て、1.03g (70.4%)を得た。C10H21NO2・HClについての計算値: C: 53.68, H: 9.91, N: 6.26, Cl:
15.85. 実験値: C: 53.89, H: 10.11, N: 6.13. MS: M+1:
188.1.
【0165】
生物学実施例:
α-2-δリガンドとしての本発明の使用に適当な化合物の生物学的活性が、[3H]ガバペンチンおよびブタ脳組織に由来するα-2-δサブユニットを用いる放射性リガンド結合アッセイにおいて測定され得る(Gee N.S., Brown J.P., Dissanayake V.U.K., Offord J., Thurlow R.,
Woodruff G.N., J. Biol. Chem., 1996; 271:5879-5776)。
【0166】
実施例1:麻酔されたラットの排尿反射に対するα-2-δリガンドの影響の調査
1.0 物質および方法:
動物
体重約225gの帝王切開により生まれた(CD)ラット4匹をウレタンを使用して麻酔し、そして連続的な膀胱内圧測定を実施した。
動物はウレタン(1.2 g/kg、腹腔内)を使用して麻酔した。麻酔の深さは、血圧および心拍数の安定性によって、および前足をつまむことに対する応答で後肢を引っ込めることの欠如によって評価した。ウレタン(0.1g〜1kg、静脈内)の補助用量が、必要な場合与えられた。
【0167】
気管に開放気道を維持するために挿管し、外部頸静脈に薬剤投与のためカニューレを挿入し、そして一般の頸動脈に動脈血圧の測定のためヘパリンで凝血防止されたカニューレ(0.9% w/v生理食塩水中の20単位/mlヘパリン)を挿入した。
血圧を圧力変換器を使用して測定し、そして心拍数(HR)をPoneMah(Linton Pty Ltd UK)を使用して血圧から電子的にオンラインで導いた。体温を直腸温度プローブによってモニタし、そして恒温のブランケットシステム(Harvard, UK)を用いて36〜38℃に維持した。動物は、実験の継続時間全体にわたって自発的に空気を吸えるようにした。
【0168】
膀胱は、正中線開腹手術によって露出させた。カニューレ(内部約0.52mmおよび外部1.2mmの直径)は、膀胱に注ぐ手段として膀胱の天蓋(bladder dome)に挿入し、一方、膀胱内の膀胱圧を同時に記録した。膀胱に0.046ml/分の速度で生理的食塩水(0.9%)を注入し、ラットの最大の毎時間の利尿率をシミュレーションした(Klevmark B [1974] - Motility of the urinary bladder in cats during
filling at physiological rates. I. Intravesical pressure patterns studied by a
new method of cystometry. Acta Physiol Scand 90(3): 565-77)。
外科的手順に従い、動物を約30分間安定にした。安定化期間後、膀胱内圧測定を実施し、そしてガバペンチン-HCl(0.3、1、3および10mg/kg、静脈内に投与)への応答の膀胱機能(排尿間の間隔)をモニタした。
【0169】
統計分析
治療群間の違いを分散分析を用いて調べた。
化合物
ガバペンチン-HCl(Tocris,
UK)を生理食塩水に溶解した。
【0170】
2.0 結果:
排泄エピソード間の時間間隔
排泄事象間の間隔は、対応している対照期間と比較してガバペンチンに応答して増加した(図1を参照)。ガバペンチンが用量依存のマナーで排泄事象間の間隔を有意に延長することが、研究から観察された。実際に、静脈内に投与されたガパペンチン10mg/kgは、対応している対照動物と比較して有意に排尿間隔を延長させた(3.1±0.29対9.89±2.72分、P<0.05)。排尿事象間の間隔を改善する結果として、膀胱の容量がガバペンチンに応答して200%有意に改善した。10mg/kgで投与される場合、ガバペンチンは排尿効率、尿保持または排泄に関する膀胱収縮に対して全く副作用を有さないことが示されたことは興味深い。
したがって、α-2-δリガンドの投与が膀胱の容量を増加させ、そして雌の動物のLUTSを軽減することが証明され、OABと関係しているLUTSを治療する際のこのようなアプローチの有用性を示した。
【0171】
実施例2:雄の自然発生高血圧ラット(SHR)における排尿頻度および膀胱圧に対するα-2-δリガンドの影響
1.0 物質および方法:
雄の自然発生高血圧ラット8匹(8)を、Data Sciences International (DSI)テレメトリートランスポンダ(TL11M2-C50-PXT)によって、外科的に作製した。膀胱圧を、膀胱の天蓋を経て配置した圧力カテーテルを用いて、連続的にモニタした。
膀胱パラメータ(膀胱圧、排尿圧および排泄の回数)を、皮下(s/c)に投与した偽薬またはガバペンチン60mg/kgの処理に対して記録した。
【0172】
2.0 結果:
図2に図示するように、60mg/kg s/cのガバペンチンは、有意に排尿間隔を減少(P<0.05)させ、したがって膀胱の容量を増大させた。その上、そして重大なことに、下部尿路症状(LUTS)について、排尿サイクルの充填段階の間の平均的膀胱圧は、対応する対照の期間と比較してガバペンチンに応答して有意に減少(P<0.05)した(図3を参照)。
したがって、α-2-δリガンドの投与が膀胱の容量を増大させ、そして雄の動物のLUTSを減らすことが証明され、BPHと関係しているLUTSを治療する際のこのようなアプローチの有用性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
OABおよび/またはBPHと関係している尿失禁以外のLUTSの治療医薬の製造のための、α−2−δリガンドまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用であって、α−2−δリガンドまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、以下の化合物:
【化1】


【化2】

(式中、RおよびRは各々独立にH、1〜6個の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子のシクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され、但し、式(XVIII)のトリシクロオクタン化合物の場合を除き、RおよびRは同時に水素ではない);
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選択されるか:または、以下の化合物:
【化3】


またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選択される使用。
【請求項2】
LUTSがBPHと関係している、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
LUTSがOABと関係している、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
α−2−δリガンドがガバペンチン(I)
【化4】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
α−2−δリガンドがプレガバリン(II)
【化5】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
α−2−δリガンドが(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル)−酢酸(III’)
【化6】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
α−2−δリガンドが4−(3−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−2−カルボン酸(XXXV)
【化7】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
α−2−δリガンドが式(XXX)の化合物
【化8】

またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−168606(P2011−168606A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89275(P2011−89275)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【分割の表示】特願2005−502472(P2005−502472)の分割
【原出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】