説明

不加圧の高温充填のための充填システム

瓶又はそのような容器(2)に液体充填製品の加圧することなしに高温充填するための充填システムであって、充填素子のハウジング(7)で構成される製品領域又は液体水路(8)を備えた少なくとも1つの充填素子(3)を備え、液体水路(8)は、タンク(6)と接続され、かつ、注出開口部(11)を構成し、注出開口部(11)介して、充填製品が充填容器、圧力ガス路(13、14)、第1の流路(16)に流れ込み、それらは、低速充填のためにスロットル状態に弁制御されて切替可能であり、それに加えて、制御弁(17)を備え、かつ、高温の液体充填製品を案内するために流路(21)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高温又は低温の液体製品を備えた不加圧充填瓶又は同様の容器のため、例えば、高温充填、又は低温充填のための充填システムは公知である。特に、その充填システムの場合、それぞれの充填される容器が、充填素子に対する密閉位置で密接し、充填過程の間、バルブ制御され減少した充填速度が設けられる、つまり、戻りガス路の絞り弁によって、充填の場合に容器から排出したガス量又は空気量のために、低速充填が設けられることは公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
簡単化した構成によって特徴づけられた充填システムを提供することが本発明の課題である。その課題を解決するために、請求項1に対応した充填システムが構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
不加圧の低温充填又は高温充填に適している本発明による充填システムは、第一に、急速充填と低速側充填の間の切替のために、単に、充填素子毎に1つの制御弁が必要であることを特徴としている。
【0005】
さらに好ましい実施例の場合、充填システムは、高温充填のために、充填素子の暖めは、例えば、充填停止、又は、充填プロセスの中断で、閉じられた液体弁の場合に充填素子を流れる、好ましくは、循環(高温循環)して流れる暖かい充填製品によって行われることで構成される。このため、それぞれの充填素子に第2の流路が構成され、この第2の流路が、タンクの部分又は別のストックを、充填製品のために、高温装置で、閉じられた充填製品の循環を行うことが好ましい。このように流された場合、充填素子を暖める充填製品の流れ、又は、高温循環が、少なくとも1つの制御弁を使用することによって達成され、この制御弁は、例えば、それぞれの充填素子の第2の流路に、又は、好ましくは、充填機の全ての充填素子のために又はいくつかの充填素子のグループのために共通して備えられ、かつ、第2の流路と接続したラインが備えられ、そのラインは、同様に、充填素子の部分を暖めて充填製品循環している。
【0006】
さらに、本発明の利点及び使用手段は、次の実施例の記載及び図面から明らかである。その際、すべての記載の、及び/又は、図により描かれた1つ又は任意の組み合わせの特徴は、原則として、本発明の対象であり、請求項又はその後の関係の要約とは独立している。そして、請求項の内容は、一つの構成要素である。本発明は、次に、実施例で、図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】システムの充填素子で持ち上がられた瓶と共に、本発明による充填システムの簡略図を示している。
【図2】図1の充填システムが、運転状態で、中断した高温充填の場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一般的に、図1及び2で、1で参照される充填システムは、液状の製品を瓶2または同様の容器に充填するために、循環構造の充填機の構成要素である。充填システム1は、このため、本質的に、充填素子3、及び、その充填素子に備えられた瓶支持部又は容器支持部4からなる。この支持部4は、図示されている実施形態の場合、瓶の先端2.1の下方で構成される先端フランジ2.2で、瓶2を固定するために用いられ、かつ、そのため、例えば、フォーク状で構成される。充填素子3及び付属している容器支持部4は、多数の同種の充填素子3及び容器支持部4を、垂直の機械軸の周りを回転駆動可能な充填機のロータ5に備えられている。充填素子3の上方のロータ5に、全ての充填素子のための共通のタンク6があり、このタンク6は、充填機間で所定の高さNまで、高さを調節して満たされている。そして、タンク6には、ガス領域6.1と液体領域6.2が構成されている。液状の製品は、タンク6に、図示されていない供給路を介して、制御されて供給されている。
【0009】
充填素子3のハウジング7では、液体水路8が構成され、この液体水路8は、水路9を介して、例えば、環状に構成されたタンク6の液体領域6.2と接続している。液体水路8では、充填要素の下方の液体水路8の開口端として構成される注出開口部11を介して、液体の製品の注出を制御するために、液体弁10が備えられている。液体弁10は、本質的に、液体水路8に配置された弁部10.1からなり、この弁部10.1は、弁座部10.2と共に作用している。弁部10.1は、垂直の充填素子と同軸に配置され、かつ、2つの開口ガスパイプ13から構成され、同時に、液体弁10を操作するために、弁タペットとして用いられ、かつ、このため、操作調整部12と共に作用している。ガスパイプ13の下部開口端は、環状の注出開口部11によって取り囲まれている。ガスパイプ13の上部開口部は、ハウジング7で構成されたガス領域14に注がれる。それぞれの瓶2の充填素子3に対する加圧が、この実施形態の場合、ガス領域14で優勢な圧力及びそれぞれの容器支持部の圧力ロッド14上に影響する圧力によって、少なくとも促進されて生じる。
【0010】
ガス領域14は、ハウジング7で構成される水路部15.1と接続し、この水路部15.1は、更なる水路部15.2とこれらの水路部の間に配置された制御弁17と共に、
ガス領域14と環状水路18の間に、制御された接続又は制御された流路16を構成し、これらの流路16は、充填機の全ての充填素子3のために共通にロータ5に備えられ、かつ、ライン19を介して、タンク1のガス領域6.1と接続している。制御弁17と平行に、ハウジング7にスロットル水路20が備えられ、このスロットル水路20を介して、ガス領域14と環状水路18の間に所定のスロットル接続がされている。
【0011】
更に、充填素子3のハウジング7で、水路21が構成され、この水路21は、いずれの充填素子3の流体路8又は部分8.1を、環状水路22と接続し、また、この環状水路22は、充填機のすべての充填素子3のためにロータ5に設けられており、かつ、この環状水路22は、流体路8で、流れ方向で、流体弁10の弁座部10.2の前方に、詳細には、これらの弁座部の近傍に流れ込む。水路21には、逆止め弁23が備えられ、その逆止め弁23は、流れ方向で、流体路8から環状水路22に開かれているが、反対方向の流れは閉じられる。環状水路22では、ライン24が、電気的に制御可能なバルブ又は電磁弁25に案内される。
【0012】
操作調整部12及び制御弁17又はその駆動装置は、空気圧式で駆動し、かつ、図示されていない電気的に制御可能な弁(電磁弁)を介して制御されている。いくつかの充填素子3を備えた充填機の場合、操作調整部12及び1つの駆動素子3の制御弁17は、個々に、中央制御ユニット26によって制御されている。終了状態では、流体弁10及び制御弁17は閉じられている。次の様々の過程のステップ又は方法のステップの記述でも、前に述べた弁は、開口状態と明確に述べられていない場合は、それぞれが閉じられた状態である。
【0013】
充填システム1では、さまざまの充填方法が可能であり、例えば、ジュース、又は、他の飲み物の、例えば、加圧されていない低温充填、及び、例えば、ジュース、又は、他の飲み物の、例えば、加圧されていない高温充填である。
【0014】
低温充填又は高温充填のための方法ステップは:
最初に、閉じられた制御弁17の場合、充填素子3への瓶2の挿入及び持ち上げが起き、その結果、瓶の先端2.1は、注出開口部11又はそのパッキンに対し、密接している。
【0015】
高速充填:充填のために、制御装置26によって制御されている液体弁10は、操作調整部12によって、開口している。同時に、制御弁17も開口している。瓶に流れる充填製品は、ライン9に配置されている流量計27で測定される。液体充填製品によって、瓶2から押し出される空気又はガスは、水路15.1、開口した制御弁17から、及び、部分的にはスロットル水路20及び環状水路18の水路15.2を介して勢いよく流れる。
【0016】
抑制充填:流量計27によって生成された測定信号による制御が、制御装置26によって、制御弁17を閉じさせ、その結果、液体充填製品によって瓶2から押し出された空気又はガスが、わずかにだけ、スロットル水路20及び環状水路の水路15.2を介して、勢いよく流れ、かつ、そのゆえ、減少した充填速度(瓶に流れこむ時間単位毎の充填製品量)の抑制充填が生じる。
【0017】
充填の終了:瓶2で必要な充填製品量が押し入れられたらすぐに、流量計27によって生成された信号による指令が、制御装置26を介して、液体弁10を閉じさせる。
【0018】
それに引き続いて、充填された瓶2が容器支持部4を使って下げられて、充填機の容器置き場に、この瓶が押し出される。
【0019】
上述した充填方法は、加圧されていない低温充填(低温状態又は周辺温度(常温)の場合での充填製品の充填)の場合と、加圧されていない高温充填(高温充填製品、特に、細菌を妨げる温度の場合)の場合とで、原則的に同一である。
【0020】
高温充填の場合の充填素子3の温度を維持するために、充填プロセスの中断の間、充填機の全部の充填素子の液体弁10が閉じられた場合、かつ、弁25が開いている場合、1つの充填素子に、ライン9を介して、高温の充填製品を、タンク6から案内させる。これは、それぞれの充填素子3の液体水路8の部分8.1、及び、逆止め弁の開口の下、水路部分21を流れ、かつ、環状水路22及びライン24を介して、タンク6に戻される。この高温液体充填製品の循環は、充填素子3を介して、例えば、充填プロセスの中断、及び、全部の充填素子3又はその液体弁が閉じた場合に、自動的に始まる。しかし、どんなことがあっても、充填プロセスの再開の前に、弁25を閉じることによって中断する。
【0021】
充填の間、充填製品が、この充填製品で充填される環状水路22から、及び、この水路が閉じられた他の充填素子3から、それぞれの開口された液体弁10を介してそれぞれの瓶2に流れ込むこと、及び、流量計27によって制御された容積測定の瓶2の充填の質を落とすことを高温充填の場合に逆止め弁23を用いて防いでいる。
【0022】
加圧していない低温充填のために、適切な処置によって、例えば、無菌の圧媒体の圧力、例えば、無菌の圧縮空気、又は、内部ガス又は無菌の空気又は無菌の液体の圧力でもって、環状水路22を監視することによって、逆止め弁23は、閉じた状態にする。その結果、
逆止め弁23は、液体水路8と環状水路22の間の接続を遮断する。
【0023】
前述した充填システムの特徴は、加圧されていない充填のために、特に、加圧してない高温充填のために、それぞれの充填素子で、充填素子3の温度を保持する場合、1つの制御弁17が必要であり、このため、充填機の充填素子3のために特に簡単でかつ駆動可能な構成を明らかにしたことである。
【0024】
本発明は、上述の例示的な実施例によって記述されている。本発明の基礎をなしている発明の概念を逸脱することなしに、変更及び変化することが可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0025】
1、1a 充填システム
2 瓶
2.1 瓶の先端
2.2 先端フランジ
3、3a 充填素子
4 容器支持部
5 ロータ
6 タンク
7、7a ハウジング
8 液体水路
9 ライン
10 液体弁
10.1 弁部
10.2 弁座部
11 注出開口部
12 操作調整部
13 ガスパイプ
14 ガス領域
15.1、15.2 水路
16 流路
17 制御弁
18 環状弁
19 ライン
20、21 水路
22 環状弁
24 ライン
25 制御弁
26 制御ユニット
27 流量計
A 流れ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
瓶、又は、同様の容器に液体の充填製品を加圧せずに充填するための充填システムであって、
充填素子ハウジング(7)に構成された製品領域又は液体水路(8)を備えた充填素子(3)を備え、
この液体水路(8)は、タンク(6)と充填製品のために接続され、かつ、抽出製品注入部(11)を構成し、かつ
抽出製品注入部(11)を介して、充填製品がそれぞれ充填される容器に流れ込み、かつ、
液体水路(8)に構成される液体弁(10)を備え、かつ、
充填する場合に、充填素子(3)を閉めるように配置する容器(2)の内部領域(2)と接続している戻りガス路(13、14)を備え、かつ、
充填素子ハウジング(7)に構成された第1の流路(16)を備え、
その第1の流路(16)は、容器(2)に充填する場合に、容器(2)の内部領域から、液体充填製品によって、戻りガス路(13、14)から排出されるガス又は空気を排出するために、戻りガス路(13、14)と接続し、かつ、低速充填のために、弁制御されてスロットル状態に切り替え可能である充填システムにおいて、
第1の流路(16)は、1つの制御弁(17)を備え、
その制御弁(17)は、戻りガス路(13、14)と接続された第1の流路(16)の少なくとも1つの第1の水路(15.1、15.2)で、弁の開閉を制御するために備えられ、かつ、
第1の流路(16)は、制御弁(17)を通り抜ける少なくとも1つの更なるスロットル水路部(20)を備えることを特徴とする充填システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充填システムにおいて、
戻りガス路(13、14)と、いくつかの充填素子(3)のために共通の水室(18)との間に第1の制御可能な流路(16)を備えることを特徴とする充填システム。
【請求項3】
請求項2に記載の充填システムにおいて、
タンク(6)に、液体充填製品のための液体領域(6.2)と、その上にあるガス領域(6.1)とが構成され、かつ、
タンク(6)のガス領域(6.1)は、第1の流路(16)又は第1の水室(18)と接続されていることを特徴とする充填システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の充填システムにおいて、
戻りガス路(13、14)は、部分的に、第1の流路(16)が接続している充填素子ハウジング(7)のガス領域(14)から構成されていることを特徴とする充填システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の充填システムにおいて、
少なくとも1つの第2のスロットル水路(20)を介して、戻りガス領域(13、14)又は戻りガス領域のガス領域(14)と、タンクのガス領域(6.1)又は第1の水室(18)との間が常に接続していることを特徴とする充填システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の充填システムにおいて、
戻りガス路(13、14)は、2つの開口した戻りガスパイプ(13)から構成され、
このガスパイプ(13)は、その下端が充填される容器(2)の内部にあり、かつ、その上端がガス領域内にあることを特徴とする充填システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の充填システムにおいて、
充填素子ハウジング(7)で、高温充填の間、それぞれの充填素子(3)を暖めるため、又は、暖かさを保つために、第2の流路(21)を備え、
この第2の流路(21)は、液体充填製品の流れ方向で、液体水路(8)で、液体弁(10)の前にある液体水路(8)の部分(8.1)と接続しており、かつ、
部分(8.1)と第2の流路(21)によるタンク(6)からの暖かい液体充填製品の流れを制御するために、少なくとも1つの制御弁(25)を備えることを特徴とする充填システム。
【請求項8】
請求項7に記載の充填システムにおいて、
第2の流路(21)は、それぞれの充填素子(3)の液体水路(8)の部分(8.1)を、いくつかの充填素子(3)のために共通の第2の水室(22)と結合していることを特徴とする充填システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の充填システムにおいて、
少なくとも1つの第2の制御弁(25)が、第2の流路(21)に備えられることを特徴とする充填システム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかに記載の充填システムにおいて、
第2の制御弁(25)が、第2の流路(21)から、暖かい液体充填製品を通すために接続され、又は、タンク(6)の充填製品を通すため又は逆戻りさせるために、第2の水室(22)と繋がっているライン(24)に備えられていることを特徴とする充填システム。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれかに記載の充填システムにおいて、
いくつかの充填素子(3)を備えた充填機の場合、第2の制御弁(25)が、充填機のすべての充填素子(3)のため、又は、いくつかの充填素子のグループのために共通に備えられていることを特徴とする充填システム。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれかに記載の充填システムおいて、
第2の流路(21)に、逆止め弁(23)が設けられ、
その逆止め弁(23)は、充填素子(3)の液体水路(8)からの流れに対しては開口し、かつ、逆の方向の流れに対しては閉じることを特徴とする充填システム。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれかに記載の充填システムにおいて、
第2の流路(21)は、液体水路(8)の液体弁(10)の間近に、又は、液体弁(10)の弁座部(10.2)に流れ込むことを特徴とする充填システム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の充填システムにおいて、
第1の、及び/又は、第2の水室(18、22)は、ロータに備えられていることを特徴とする充填システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−521385(P2010−521385A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553949(P2009−553949)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001906
【国際公開番号】WO2008/116559
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(598125028)カーハーエス・アクチエンゲゼルシヤフト (125)
【Fターム(参考)】