説明

不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体、ならびにその情報記録体製造用ラベル、および情報記録体製造用転写シート

【課題】 カード等の情報記録体において、ホログラム等の光回折構造中の光反射性層を部分的に除去して、光反射性層の有無による情報の保持を行なわせる場合の偽造防止効果を高めること、および、光反射性層の有無による情報を、より見えやすいものとすることを課題とする。
【解決手段】 基材2上に積層する情報記録部6を、上から剥離層61、光回折構造層62、光反射性層63、蛍光層64、および接着剤層65からなる積層構造として、課題を解決することが出来た。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光回折構造(代表的にはホログラム)を基材に有し、その光回折構造を構成する光反射性層の有無による情報に加えて、光反射性層の下方に蛍光層を積層したことにより、偽造をより困難とした情報記録体に関するものである。また、本発明は、上記の情報記録体を製造するのに適したおよび情報記録体製造用のラベル、および転写シートに関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】種々の情報を記録させた情報記録体の中には、証券等のように、それらの情報記録体自身が高額な金銭との交換が可能なものや、それら自身は金銭との交換は出来ないが、不正に使用されると経済的損失の大きいクレジットカードのようなものがある。いずれにおいても、偽物を本物と偽る「偽造」や、本物を入手し、不正に変更する「変造」を試みる等の不正な者が後を絶たない。
【0003】偽造や変造に対抗する措置の一つとして、現在、ホログラムシールを証紙として貼付することが行なわれている。ホログラムは、模様が精緻であり、製造に高度な技術を要する事から、偽造や変造に対抗し得る「偽造防止効果」を有するものとしてよく使用される。
【0004】ホログラムシールとしては、光回折構造を適宜な基材上に接着できるものであればいずれでもよく、例えば、(1)基材、光回折構造、光反射性層、および粘着剤層が順次積層されているラベル形態のもの、(2)基材、剥離層、プライマー層、光回折構造層、光反射性層、および感熱接着剤層からなる転写箔から剥離層以降の各層が転写層として転移したもの、あるいは、(3)基材、剥離層、プライマー層、光回折構造層、光反射性層、感熱接着剤層、および粘着剤層が順次積層されていて、被貼付体から剥がそうとすると、基材と剥離層との界面、および場合によっては光回折構造層が部分的に破壊される脆質ラベル等、種々のタイプのものがある。
【0005】ホログラムシールの偽造防止効果をさらに高める意味で、光反射性層に適宜な手段を用いることにより、光反射性層を部分的に除去し、光反射性層の有無による情報の保持を行なわせる試みがある。特開平10−333574号公報には、透明プラスチックフィルム基材と回折格子パターン(=ホログラム等)と金属蒸着層と粘着剤層とからなるラベル材であって、金属蒸着層をレーザービームにより溶融し、固有情報としての印字パターンを持たせた偽造防止ラベル材が記載されている。
【0006】上記の偽造防止ラベル材においては、金属蒸着層の溶融印字パターンが形成されるものの、もともとホログラム等が有している金属蒸着層に、レーザービームの照射を行なうのみで得られるものであるから、ホログラムが持つ偽造防止効果が僅かに向上したに過ぎない。なぜなら、レーザー光を使用して、ホログラムそのものの偽造が行なえる能力を持つ者であれば、出来上がったホログラムに、レーザービームを照射し、印字パターンを形成することは充分、可能だからである。
【0007】しかも、偽造品と真正品の区別が、少なくとも肉眼判定では困難である上、ホログラムの持つ模様が複雑なものであったり、あるいは、金属蒸着層の溶融印字パターンが微細なものである等の場合には、印字パターンそのものが見えにくくなり、印字パターンの比較による偽造品と真正品の区別も困難となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、ホログラム等の光回折構造中の光反射性層を部分的に除去し、光反射性層の有無による情報の保持を行なわせる場合の偽造防止効果を高めること、および、光反射性層の有無による情報をより見えやすいものとすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決する手段】我々の検討によれば、光反射性層を下層に伴なったホログラム等の光回折構造の反射性層に、光反射性層の有無による情報を形成し、さらにその下方に、蛍光層を配置することにより、上記の課題を解決することができた。
【0010】第1の発明は、情報記録部が、基材上に積層されているか、もしくは基材内に前記基材上から観察可能に積層されており、前記情報記録部は、上面側より光回折構造層および光反射性層が積層され、前記光反射性層の下面の一部もしくは下方の少なくとも一部に蛍光層を有する構造のものであり、かつ前記光反射性層には、前記光反射性層を構成する素材の有無により情報が記録されていることを特徴とする不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体に関するものである。第2の発明は、第1の発明において、前記蛍光層を、前記光反射性層の下面の全部もしくは下方の全部に有することを特徴とする不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体に関するものである。第3の発明は、第1の発明において、前記蛍光層を、前記光反射性層の下面の一部もしくは下方の一部に有することを特徴とする不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体に関するものである。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記蛍光層が、発光時の蛍光色の異なる二以上の区域から形成されていることを特徴とする不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体に関するものである。第5の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記蛍光層がパターンを有して形成されており、かつ前記パターン上に相当する部分の前記光反射性層が開孔部を有していることを特徴とする不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体に関するものである。
【0011】第6の発明は、上面側から、透明プラスチックフィルム、光回折構造層、および光反射性層が順に積層され、前記光反射性層の下面の少なくとも一部に蛍光層が積層され、さらに前記蛍光層の下面を含む前記光反射性層の下層に接着剤層が積層されていることを特徴とする情報記録体製造用ラベルに関するものである。第7の発明は、第6の発明において、前記蛍光層が前記光反射性層の下面の全部に積層されていることを特徴とする情報記録体製造用ラベルに関するものである。第8の発明は、第6の発明において、前記蛍光層が前記光反射性層の下面の一部に積層されていることを特徴とする情報記録体製造用ラベルに関するものである。第9の発明は、第6〜第8いずれかの発明において、前記蛍光層が、発光時の蛍光色の異なる二以上の区域から形成されていることを特徴とする情報記録体製造用ラベルに関するものである。第10の発明は、第6〜第9いずれかの発明において、前記蛍光層がパターンを有して形成されており、かつ前記パターン上に相当する部分の前記光反射性層が開孔部を有していることを特徴とする情報記録体製造用ラベルに関するものである。
【0012】第11の発明は、上面側から、透明プラスチックフィルムと転写層が剥離可能に積層されており、前記転写層は、上面側から光回折構造層および光反射性層が順に積層され、前記光反射性層の下面の少なくとも一部に蛍光層が積層され、さらに前記蛍光層の下面を含む前記光反射性層の下層に接着剤層が積層されていることを特徴とする情報記録体製造用転写シートに関するものである。第12の発明は、第11の発明において、前記蛍光層が前記光反射性層の下面の全部に積層されていることを特徴とする情報記録体製造用転写シートに関するものである。第13の発明は、第11の発明において、前記蛍光層が前記光反射性層の下面の一部に積層されていることを特徴とする情報記録体製造用転写シートに関するものである。第14の発明は、第11〜第13いずれかの発明において、前記蛍光層が、発光時の蛍光色の異なる二以上の区域から形成されていることを特徴とする情報記録体製造用転写シートに関するものである。第15の発明は、第11〜第14いずれかの発明において、蛍光層がパターンを有して形成されており、かつ前記パターン上に相当する部分の前記光反射性層が開孔部を有していることを特徴とする情報記録体製造用転写シートに関するものである。第16の発明は、第11〜第15の発明において、前記転写層の上面側に剥離層が積層されていることを特徴とする情報記録体製造用転写シートに関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録体を、銀行カードやクレジットカードのようなカードに適用した例を引いて説明する。ただし、本発明は、カードに限定されるものではなく、また、光回折構造は、その代表であるホログラムを使った例で示すものの、ホログラムに限定されるものではない。本明細書においては、特に断らない限り、「カード」とは、工業的ならびに商業的に取り決められた、54mm×86mm程度の携帯可能なサイズを有し、身分証明(=ID)等の、何らかの証明機能を有するものを指すものとする。
【0014】図1を引用して、本発明の情報記録体を説明すると、カード1(クレジットカードの例である。)は、基材2上に、カードの名称、有効期限の項目等の文字のほか、カードの種類ごとに決められた図案等の適宜な印刷3、カード一枚毎に固有な情報、即ち、一の基材毎に固有な情報であるカード番号、およびカード保持者の氏名等を示し、エンボス加工により浮き出して形成されたエンボス文字4(有効期限もエンボス文字で形成される。)、および磁気記録層5(隠蔽してあることもある。)が形成されたもので、かつ、このカードが真正品であることを保証し、偽造防止のために貼付された情報記録部6(ごく具体的には、ホログラムを有するホログラムシールである。)を有するものである。
【0015】ここで、印刷3、エンボス文字4、および磁気記録層5は、クレジットカードの場合、備わっているのが普通である。これらは、本来的には、必ずしも全部を揃える必要はないが、現在のカードの機能を考えたとき、最小限として磁気記録層5を備えているべきである。磁気記録層5に加えて、もしくは替えてICモジュール、または/および光記録層を備えていてもよく、磁気記録層、ICモジュール、光記録層のうちの二者、もしくは三者を有していてもよい。
【0016】同じクレジット会社から、多種類発行されているカードどうしの区別のためのカードの名称等のロゴや絵柄も、磁気記録層やICモジュールにくらべれば優先度は低いが、実用上は備えているべきであり、さらにクレジットカード用途であれば、実際に使用されることのあるエンボス文字を備えていることが望ましい。
【0017】図1に示すカード1の積層構造を示すため、上下方向の線A−Aにて、カード1の右の方にある情報記録部6のほぼ中央を通って切断した断面を、図2〜図4に示す。図2(a)に示すように、カード1は、カード基材2上に情報記録部6が積層されて形成されており、情報記録部6は、好ましくは、上側から順に、剥離層61、光回折構造層62、光反射性層63、蛍光層64、および接着剤層65が積層した構造を有しており、接着剤層65により基材2と積層してカード1を形成している。光反射性層63は、図2(a)において、一様連続でなく、途切れ途切れに存在しているように描いてあるが、途切れている部分63aは記録部を図示したものであり、記録部63aは、例えば、配列された多数の微細な点(=ドット)や線で形成されているが、より大きな図形であることもあり得る。
【0018】図2(a)に示すようなカード1に、暗室もしくは、照明の当たらない場所でブラックライト等の紫外線を照射すると、蛍光層64のうち、上に光反射性層63が無い部分が紫外線を受光し蛍光発光するので、記録部63aが、配列された多数の微細な点状等に発光しているように見える。紫外線の照射は、通常は、基材2が不透明であるので、カード1の上側から行なうが、基材2が透明であれば、カード1の下側から紫外線の照射を行なうことも可能である。
【0019】カード1は、図2(a)を引用して説明した上記のもの以外にも、種々のバリエーションがあり得る。図2(b)に示すように、カード1は、各層が積層され、また記録部63aを有している点は、図2(a)を引用して説明したカード1と同様であるが、蛍光層が、情報記録部6の全域をカバーしてなく、一部に形成されたものであってもよい。蛍光層はまた、互いに発光時の発色の異なる二種類の蛍光層64a、および64bとからなっていてもよく、図2(b)に示すように、二種類の蛍光層64a、および64bは互いに離れていてもよいが、互いに接していてもよい。また、蛍光層は2種類でなく、もっと、多種類であってもよい。
【0020】発光時の発色の異なる二つの蛍光層を有していると、カード1に紫外線を照射したときに、下層の蛍光層の種類により、異なった色相の発光を観察することができ、記録部63a(例えば、配列された多数の微細な点)が場所によって異なる色相に発光して見える。また、下層に蛍光層が無い部分では、記録部63aが発光して見えることがない。なお、図2(a)および図2(b)に示すような構造は、半ば出来上がったカードの表面に、転写法により情報記録部6を適用するのに適した形態であるが、基材2上に各層を順に積層して作ることもできる。
【0021】図3(a)に示すように、カード1は、図2R>2(a)および図2(b)に示すカード1とは、光反射性層63および蛍光層64の積層順序が入れ替わっており、かつ蛍光層64と基材2とが、それぞれの上面が同一平面をなすよう積層したものであってもよい。即ち、蛍光層64は、必ずしも光反射性層63と直接に接触していなくてもよい。また、図示はしないが、蛍光層63は一様連続でなく、図2(b)に示すように、互いに発光時の発色の異なる2種類もしくはそれ以上の蛍光層からなっていてもよい。いずれの場合も、カード1に紫外線を照射したときに、図2(a)、もしくは図2(b)におけるカード1と同様、記録部63aが発光する状態を観察することができる。
【0022】この形態のものは、基材2上に各層を順に積層することによっても作れるが、基材2に予め蛍光層64を積層しておき、その他の各層を転写で積層するのに適している。このときの転写は、蛍光層64を伴なわない、通常のホログラム転写シートを用いて行なえる。なお、蛍光層64は、基材2の最表面にではなく、基材2の内部に積層されていてもよい。
【0023】図3(b)に示すように、カード1は、各層が積層され、また記録部63aを有している点は、図2R>2(a)におけるカード1と同様であるが、蛍光層64は、その中央付近に蛍光層の有無による所望のパターンである蛍光パターン64pを有していてもよい。所望のパターンとは、例えば、文字、図形等である。また、蛍光層64と接着剤層65との上下関係は、逆にすることもできる。なお、蛍光パターン64pが確実に上方から見えるためには、蛍光パターン64p上に相当する部分の光反射性層63が蛍光パターン64pよりも大きい開孔部63bを形成している(=その部分は光反射性層が無い。)ことが好ましく、このようにすることにより、蛍光層のパターン64pは、紫外線照射を受けると発光して視認可能となる。この例のカード1も、基材2上への各層の順次積層か、転写によって作ることが出来る。
【0024】今までの説明では、情報記録部6は、いずれも基材2上にあったが、図4に示すように、情報記録部6は基材内に存在していてもよく、図4に示すように、基材2を2枚のシート2aおよび2bに分け、両シートの間に情報記録部6を挟んだ構造であってもよい。このように、情報記録部6が基材2内にある場合、情報記録部6は、図2(a)を引用して説明したものと同様なもの以外に、図2(b)、図3(a)もしくは(b)を引用して説明したような、他の構造のものであってもよい。
【0025】情報記録部6が基材内に存在する場合、少なくとも上側の基材2bは透明であることが望ましく、下側の基材2bは透明、不透明のいずれでもあり得る。なお、通常、カードの基材は、2枚の白色等の不透明シートで芯材を構成し、この芯材を表裏1枚ずつの透明シートで挟んだ合計4枚のシートの積層体として構成することが多く、そのような構成の場合、いずれか外側の透明シートと、そのシートに接する不透明シートとの間に情報記録部6を積層してもよい。
【0026】本発明の情報記録体(具体例はカードである。)1が、どのように実際に使用されるかを、図5〜図7を引用して説明する。図5を用いて説明する例は、カード1の情報記録部6には、ホログラム画像6A(図では、4隅に描いた星である。)、および、光反射性層を構成する素材の有無により記録された情報6B(図では顔画像である。)を形成した例である。
【0027】図5を引用した例では、カード1の情報記録部6に、顔画像6Bが、光反射性層を構成する素材の有無により形成されており、情報記録部6に積層されている蛍光層(図示なし。例えば、図2(a)中の符号64で示すもの)の存在により、蛍光層に紫外線を照射することにより、顔画像が発光して見える。また、ホログラム画像6Aは、情報記録部6中の光反射性層(図示なし。例えば、図2(a)中の符号63で示すもの)の存在により、通常の目視ができる。
【0028】次の図6を引用した例では、カード1の情報記録部6に、蛍光層64が部分的に形成されたことを利用しており、蛍光層64の形状は図6(b)に、蛍光層よりも上の各層を省いて示してある。このような蛍光層64上に光反射性層および光回折構造層がある場合、記録部6aのうち、光反射性層のある部分の上に形成された記録からは、蛍光層64の発光が見え、また、光反射性層の無い部分の上に形成された記録部からは、発光が見えない。記録部6aを、光反射性層を文字形状に切り抜いたように、あるいは連続して並べた点で形成しておくと、通常の状態では、上から、4、2、5、8、3、7、および1の各文字が見え、暗所でブラックライト等の紫外線を照射すると、図6(a)に示すように、蛍光層64が下にある個所では、蛍光層64が発光することにより、4、2、8、3、および1の発光文字63aが見えるが、蛍光層64が無い個所では発光しないので、非発光文字63a’となる。従って、文字と、発光もしくは非発光の区別により、偽造品か真正品かの判別が可能になる。
【0029】上記の例において、すべての文字を同色に発光させてもよいし、下層の蛍光層を発光時の蛍光色の異なる区域の集合として形成しておけば、文字毎に発光色を変えるようにすることもできる。
【0030】図7は、本発明の情報記録体を、商品券のような金券に応用した例を示すもので、図7(a)に示すように、金券1は、情報記録部6において、周囲にはホログラム画像6Aを有し、周囲を除く部分にホログラムの光反射性層を文字形状に残して、その他を除去して形成した可視文字6C、光反射性層が無い開孔部に蛍光層を文字形状に形成した不可視文字6Dを有するよう構成してもよい。
【0031】図7(b)は、図7(a)の情報記録部6をB−B線で切断し、拡大した断面図であって、ここでは、簡単のために、上から順に、光回折構造層62、光反射性層、および蛍光層からなる情報記録部6が基材2上に積層されているものとするが、この他の層が積層されていてもよい。可視文字6C(図では、「ABCD」)は、光反射性層を文字状に残して周囲を除去した光反射性パターン63pで形成されているので、そのままで視認可能であるが、不可視文字6D(図では、「壱千円」)は、蛍光層を印刷等による文字状の蛍光パターン64pで形成されているので、このままでは視認不可能であるが、紫外線の照射により視認することができる。
【0032】図7を引用して説明した例のものは、情報記録部6の周縁部のホログラム画像6Aと、やはりホログラム画像で形成される可視文字6Cにより、それらの間にある蛍光パターンからなる不可視文字6Dの存在に気付きにくく、偽造の際にも、見落とされる公算が大きい。
【0033】蛍光層64の存在をカモフラージュする次のような構成も本発明の適用により実現できる。図8を引用して、そのような例を説明すると、図8(a)に断面を示すように、情報記録部6は、図3(a)におけるのと同様、上側から順に、剥離層61、光回折構造層62、光反射性層63、および接着剤層65とからなる積層体であって、基材2の上側の透明シート2bと接着剤層65により積層されてカード1を構成している。光反射性層63には、4つの文字が記録され、それらの文字の線に相当する個所が除去されたことにより形成された記録部63aを有している。各文字は、図8(b)に示すように並べられている。(図では便宜的にすべて「A」で表示してあるが、勿論、これに限ることはなく、文字、数字、もしくは記号であり得る。)
【0034】基材2は前述したように4枚のシートの積層体からなっており、芯部を構成する2枚の不透明シートのうち上側の2bの上面には、互いに色相の異なる着色層7a、7b、および7cが並べて施され、下側の不透明シートの下面には、着色層7dが施されている。上側の不透明シート上の着色層7a上には蛍光層64aが、また着色層7c上には蛍光層64bがそれぞれ積層されており、それらの上に透明シート2aが積層してある。断面図では明らかではないが、4つの「A」のうち、最も左側の「A」は、着色層7aおよび蛍光層64a上に位置し、中央の二つの「A」は、着色層7b上に位置し、最も右側の「A」は、着色層7cおよび蛍光層64b上に位置している。
【0035】このような構成のものを、明室内で、上側から眺めた状態を図8(b)に示す。蛍光層64aおよび64bは、後述するように、紫外線を照射しない状態では、透明性を有しているので、基材2上の情報記録部6の4つの文字は、下層の着色層の色相を反映する。従って、図に示すように、最も左側の「A」は着色層7aの色相に、中央の二つの「A」は着色層7bの色相に、そして最も右側の「A」は着色層7cの色相に着色して見える。
【0036】同じ構成のものを、暗所に置き、上から紫外線、例えばブラックライトを照射しながら眺めると、4つの文字は、下層の蛍光層が発光したときの色相を反映するので、最も左側の「A」は蛍光層64aが発光したときの色相に着色して見え、中央の二つの「A」は、下層に蛍光層がないので、ほとんど見えず、最も右側の「A」は蛍光層64bが発光したときの色相に着色して見える。
【0037】この説明で明らかなように、単に観察しただけでは、下層の印刷の色が言えるのみなので、下層の印刷の色を真正品と一致させれば、外観上、偽造が完成したように思えるが、紫外線を照射すれば、下層の蛍光層が発光して別の色相に見えるのに加えて、蛍光層の無い部分では発光が起きないために、文字が欠落して見え、偽造品と真正品との区別が非常に容易となる利点がある。なお、上記の例では、蛍光層64aと64bが発光したときの色相が互いに異なることを前提に説明したが、同じでもよいし、あるいは、蛍光層を、発光したときの色相が互いに異なる3以上の層を並べて形成してもよい。
【0038】以上のような本発明の情報記録体は、説明においては、クレジットカード以外にも、銀行カードや身分証明証、会員証等の各種カード、商品券、ギフト券、紙幣、もしくは証券等、受験票、パスポート、公的機関が発行する各種資格の証明書等にも適用することができる。なお、これら以外の、偽造が行なわれやすい高額商品、稀少商品、ビデオソフト等の商品そのもの、もしくはケース等に情報記録部を積層したものも、それら商品が情報を有していなくても、情報記録部が情報を保持しているので、本発明の情報記録体に含めるものとする。
【0039】ここで、本発明の情報記録体を構成する各層について、概ね下層から順に説明する。まず、基材2としては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂のほか、アルミニウム、銅などの金属、紙、そして、樹脂またはラテックス等の含浸紙等の単独か、もしくは複合されたシート等を用いることができる。耐熱性が要求される場合、基材2の素材としては、非晶質ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のブレンド樹脂等のシートも用いることができる。
【0040】このような基材2の厚さは、材質によっても異なるが、通常、10μm〜5mm程度の範囲である。特に磁気カードの場合、基材シートをISO規格に準拠したものとする場合には、その厚さは0.76mmである。そして、基材シートをポリ塩化ビニル(以下、PVC)で形成する場合、通常、厚さ280μmの白色PVCシートをコアシートとして、これを2枚重ね、その両側にそれぞれ厚さ100μmの透明PVCシートをオーバーシートとして重ねて、熱プレスなどにより積層する4層構成の基材シート(合計厚さ0.76mm)が用いられている。基材上、または/および基材内には、適宜に印刷等が施されていてもよい。なお、このように、基材2が複数枚のシートの積層体である場合、情報記録部を積層体の外側に積層してもよいし、積層体を構成するいずれかのシート間に積層してもよい。
【0041】接着剤層65は、基材2、蛍光層64、もしくは光反射性層63等との接着性がよく、さらには、後述するように、ラベルや転写シートの形態で、情報記録部6を形成する際に、被着体との間で強固な接着力を発揮し得るものであることが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物等のうちから適宜選択した素材から構成される。これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができる。
【0042】接着剤層65は、上記の素材を適宜な溶剤もしくは分散剤で溶解もしくは分散させて塗布用組成物を調製し、ロールコーティング法等の公知のコーティング方法により塗布、乾燥させることにより形成することができ、接着剤層65の厚みとしては、0.5μm〜5μm、より好ましくは1.5μm〜3μmである。なお、接着剤層65と次に詳しく説明する光回折構造層62との間には、接着性をより高める目的でアンカー層を介在させてもよく、アンカー層を構成する素材、形成法としては、従来、知られているものであってよい。
【0043】光回折構造層62は、合成樹脂からなる層にホログラム等の光回折構造の凹凸が形成されたものである。光回折構造の代表例であるホログラムとしては、平面ホログラム、体積ホログラムともに使用でき、具体例としては、レリーフホログラム、リップマンホログラム、フルネルホログラム、フラウンホーファホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、レーザー再生ホログラム(イメージホログラムなど)、白色光再生ホログラム(レインボーホログラムなど)、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子などが挙げられる。
【0044】光回折構造層62を構成する合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレートなどの熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、或いは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、或いは、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用することができる。このほか、銀塩、重クロム酸ゼラチン、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラスなどの感光材料なども使用できる。
【0045】上記の合成樹脂からなる層へのホログラム等の光回折構造の形成は、上記の材料を用いて、従来既知の方法によって形成することができる。例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。また、フォトポリマーを用いる場合は、前記積層シートの保護層上に、フォトポリマーを同様にコーティングした後、前記原版を重ねてレーザー光を照射することにより複製することができる。
【0046】このように、表面凹凸のレリーフとして回折格子やホログラムの干渉縞を光回折構造層の表面に記録する方法は、量産性があり、コストも低くできる点で特に好ましい。このようなホログラム層の膜厚は0.5〜6μmの範囲が好ましく、1〜4μmの範囲が更に好ましい。
【0047】上記のように光回折構造層62の表面に凹凸のレリーフとして回折格子やホログラムの干渉縞を記録した場合には、その回折効率を高めるために、光反射性層63をレリーフ面に形成することが好ましい。
【0048】光反射性層63を構成する材質としては、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Au、Pb、もしくはBi等の金属、またはそれらの酸化物、もしくはそれらの窒化物を単独で、もしくは組合わせ、薄膜として形成する。これらのうちでは、Al、Cr、Ni、Ag、もしくはAu等が特に好ましい。これらの薄膜で光反射性層63を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法による。
【0049】光反射性層63の厚みは、光反射性層63の色調、デザイン、用途等の観点から適宜に設定できるが、50Å〜1μmが好ましく、100Å〜1000Åがより好ましい。また、光反射性層63に透明性を持たせたいときは200Å以下が好ましく、光反射性層63に隠蔽性を持たせたいときは、200Åを超える厚みであることが好ましい。
【0050】蛍光層64は、蛍光体の微粒子が透明樹脂中に分散したものからなる。蛍光体は、紫外線照射により蛍光を発光する物質であり、無機系の無機発光体と有機系の有機発光体とに大別することができる。
【0051】無機発光体としては、Ca、Ba、Mg、Zn、もしくはCd等の酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、もしくはタングステン酸塩等の結晶を主成分とし、Mg、Ag、Cu、Sb、もしくはPb等の金属元素、もしくはランタノイド類等の希土類元素を活性剤として添加し、焼成して得られるものを用いることが出来る。
【0052】また、有機発光体としては、ジアミノスチルベンジルスルホン酸、イミダゾール、クマリン、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、もしくはイミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、もしくはエオシン等の色素、またはアントラセン等のベンゼン環を持つ化合物等を用いることが出来る。
【0053】蛍光体としては、上記の無機発光体、もしくは有機発光体のいずれをも用いることが出来るが、耐熱性、もしくは耐湿性等の耐候性、または経年変化特性(=耐久性)を考慮する必要があるときは、無機蛍光体を用いる方がよい。有機蛍光体は、インキビヒクル(バインダ樹脂および溶剤等)の濡れがよいため、インキ化の際に、蛍光体に特に表面処理を行なう必要が無い利点がある。蛍光体を使用する際の、耐久性、耐候性(特に耐光性)、および印刷適性の向上を図る目的では、輝度が高く、安定な酸化物、もしくは酸素酸塩系の無機蛍光体を使用することが好ましい。
【0054】蛍光体を分散させる透明樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチルセルロース樹脂、プロピルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、酪酢酸セルロース、硝酸セルロース樹脂、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン−6、−66、−610、もしくは−11)、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、もしくはノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが出来る。
【0055】蛍光体を分散させる透明樹脂としては、上記の熱可塑性樹脂以外に、レゾール型フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、もしくは不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、または、蛋白質、ゴム、シェラック、コパル、デンプン、ロジン等の天然樹脂を使用することもできる。
【0056】蛍光層64における蛍光体の配合割合は、層全体の15〜80%(質量比)であることが、蛍光発光時の輝度、および、蛍光層64と、光反射性層63、接着剤層65、もしくは基材2等との間の接着性を維持する意味で好ましく、より好ましくは、20〜50%である。蛍光層64は蛍光体の含有により若干着色しているが、光反射性層が線状もしくは点状に除去されて施された記録部においては、蛍光層64が見える面積がごく小さく、着色がほとんど認識出来ない程度となる。
【0057】このような蛍光層64は、蛍光体および透明樹脂に加え、その他の添加剤、溶剤、もしくは希釈剤等を適宜に添加して、塗布もしくは印刷に適した組成物を調製し、公知の塗布方法、もしくは印刷方法により形成することができる。蛍光層64の厚みは、0.5μm〜5μmであることが好ましい。
【0058】剥離層61は、後述する転写シートにおいて、転写シートの基材である透明プラスチックフィルムと、そこから剥がれて転写される各層とを、適宜な接着力で接着し、かつ、転写時には、転写される各層と共に、安定的に剥離させるためのものである。
【0059】このような剥離層61を構成する樹脂は、転写シートの基材である透明プラスチックフィルムの素材や、剥離層61が直接に接着する光回折構造層62の材質にもよるが、ポリエステル樹脂、アクリル骨格樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸セルロースと熱硬化型アクリル樹脂との2成分のブレンド樹脂、メラミン樹脂、もしくはニトロセルロース樹脂を使用することができ、中でも、剥離層61と透明プラスチックフィルムとの密着力の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂には、さらにポリエチレンワックス等のワックス、もしくはシリコーン樹脂を添加して剥離性を向上させてもよい。
【0060】剥離層61の形成は、上記の樹脂を適宜な溶剤もしくは分散剤を用いて溶解もしくは分散させて、塗布もしくは印刷に適した組成物を調製し、リバースコーティング法等の公知の塗布方法、またはグラビア印刷方法もしくはスクリーン印刷方法等の印刷方法により行なうことができ、剥離層61の厚みは、0.5μm〜5μmであることが好ましい。なお、場合により、剥離層61と光回折構造層62との間の接着力を向上させるため、プライマー層を介在させてもよい。
【0061】この剥離層61は、転写シートからの剥離を円滑にする目的を持つにせよ、転写後は、情報記録体1の最上層を占めるので、下層を保護する保護層としての役割をも必然的にになうものである。この意味で、剥離層61に、保護層としての要求度合いが強いときは、下層、特に光回折構造層62の耐久性、例えば、耐摩耗性、耐溶剤性、もしくは耐汚染性等を向上させる意味で、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いて設け、加熱もしくは電離放射線の照射により硬化させて形成してもよい。
【0062】ところで、上記の層構成を有する本発明の情報記録体1は、上記の各素材を用いて、基材2上に、各層を順次積層することにより、形成することができるが、一般的な情報記録体1において、各層を塗布もしくは印刷により形成する際の被塗布体もしくは被印刷体とするには、基材の厚みが厚過ぎることが多い。このような場合、基材2とは別の比較的薄いフィルム等に各層を形成し、各層を積層した後、基材2に適用することが好ましく、大別して、そのまま貼り付けるラベルと、フィルム以外を転写する転写シートとがある。
【0063】ラベルの一例を図9を引用して説明すると、上側から透明プラスチックフィルム12、光回折構造層62、光反射性層63、蛍光層64、および接着剤層65とが順に積層してラベル11が構成される。光回折構造層62、光反射性層63、蛍光層64、および接着剤層65の内容は既に説明した通りである。ここで、透明プラスチックフィルム12と光回折構造層62との間は、他の層間と同等かそれ以上の接着力で接着している。なお、ラベルとしては、上記の層構成中、蛍光層64を省略したものも有り得る。
【0064】図2〜図4を引用して既に説明したように、上記のラベル11にはバリエーションが有り得る。蛍光層64は、ラベルの全域に形成されてなく、部分的に設けられていてもよい。また、蛍光層64は、発光時の色相の異なる複数の区域からなっていてもよい。また、蛍光層64は、基材2上に形成しておき、ラベルの状態では省いてもよい。光反射性層への記録部の形成は、ラベル11を基材2に接着剤層65を利用して貼ってから行なってもよいが、ラベル11の状態で、光反射性層の有無による情報の記録が形成してあってもよく、場合によっては光反射性層に開孔部を形成してあってもよい。
【0065】上記のラベル11において、透明プラスチックフィルム11としては、光回折構造層ほかの各層を順次、塗布方法もしくは印刷方法により形成する際に必要な耐熱性、耐溶剤性、およびラベルを基材2上に適用する際に必要な耐熱性を備えたものであることが好ましく、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム等が好ましく、中でも、これらに加え、機械的強度の優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが適しており、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの場合、厚みとしては5〜250μmのものが好ましいが、より好ましくは10〜50μmである
【0066】次に、転写シートの一例を図10を引用して説明すると、上側から透明プラスチックフィルム12と剥離層61が順に積層されており、剥離層61の下層の各層については、図9を引用して説明したものと同様の各層が積層されて転写シート21が構成される。ここにおける光回折構造層62、光反射性層63、蛍光層64、および接着剤層65の内容は既に説明した通りである。なお、転写シート21の場合、透明プラスチックフィルム12と剥離層との間は、他の層間よりも弱い接着力で接着しているので、転写が行なわれた後、透明プラスチックフィルム12を剥離することができる。必要に応じ、透明プラスチックフィルム12の下面には、透明プラスチックフィルム12にはよく密着するが、他の層との密着力の低い樹脂等の層を形成しておいてもよい。なお、転写シートとしては、上記の層構成中、蛍光層64を省略したものも有り得る。
【0067】上記の転写シート21にはバリエーションが有り得るが、いずれもラベル11の場合と同様である。光反射性層への記録部の形成は、転写シート21を基材2に、接着剤層65を利用して転写してから行なってもよいが、予め転写シート21の状態で、光反射性層の有無による情報の記録が形成してあってもよく、場合によっては光反射性層に開孔部を形成してあってもよい。
【0068】上記したラベル11を基材2上に適用するときは、ラベル11の接着剤層65側が基材2側となるよう、ラベル11と基材2とを配置し、ロールプレスもしくは平プレスにより加圧し、好ましくは加圧および加熱して、ラベル11を基材2の上面に貼り付ける。従って、透明プラスチックフィルム12は、光回折構造層62の保護層としての機能も果たす。ラベル11は予め、所定の大きさ、形状にカットしておくとよく、ラベル11を図示しない別のフィルムのフィルムに仮接着させておき、フィルムごと取り扱って、基材2に貼り付けてもよい。この別のフィルムは貼付けの際もしくは貼付けの後に除去する。
【0069】上記した転写シート21を基材2上に適用するときは、やはり、転写シート21の接着剤層が基材2側となるようにし、ラベル11を貼り付けるのと同様にして、加圧、または加圧および加熱して、転写される各層を接着剤層65により、基材2上に接着させ、その際、もしくはその後、透明プラスチックフィルム12を除去する。転写シート21の透明プラスチックフィルム12を除く各層は、接着剤層65側から所定の大きさ、形状に打抜いておくとよい。
【0070】本発明の情報記録体1の光反射性層63への記録は、レーザー光を用いて行なうことが好ましい。レーザー光は連続光もしくはパルス光のいずれも使用可能である。連続光のレーザー光は、一定時間の間、常に同じ出力を維持しているものであり、パルス光は、ごく僅かな時間のみ高出力が得られるものである。
【0071】パルスレーザー光を得るには、CWのレーザー光(連続光)を外部変調器で出力を制御することにより行なえ、例えば、アルゴンレーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー、もしくは半導体レーザーが例示できる。また、パルスレーザー光を得るには、Qスイッチをレーザー発振器内に挿入し、Qスイッチのスイッチングにより、レーザー媒質に蓄積されたエネルギーを瞬時に出力させる方法によっても行なうことが出来、外部変調器としてメカニカルシャッター、A/O変調素子、もしくはE/O変調素子等をQスイッチとして挿入し、共振器のQ値を制御することにより、数十ナノ秒〜数百ナノ秒の時間幅を持ったパルス光を発生させることができる。
【0072】
【実施例】(実施例1)厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを転写シートのベースフィルムとし、以下に示すような各層を順次積層して転写シートを構成した。
【0073】まず、下記の組成からなる剥離層形成用組成物を用い、上記のベースフィルム上にグラビアコーティングし、乾燥させ、厚みが1.5μmの剥離層を形成した。なお、以降における「部」はいずれも質量基準である。
(剥離層形成用組成物)
・アクリル樹脂 40部 ・ポリエステル樹脂 2部 ・メチルエチルケトン 50部 ・トルエン 50部
【0074】形成された剥離層上に、下記の組成からなるホログラム層形成用組成物を用いてグラビアコーティングし、乾燥させ、厚み2μmのホログラム形成用層を形成した。
(ホログラム層形成用組成物)
・アクリル樹脂 40部 ・メラミン樹脂 10部 ・シクロヘキサン 50部 ・メチルエチルケトン 50部得られたホログラム形成用層の表面に、ホログラムの干渉縞の凹凸パターンを有するホログラム原版を用いて、エンボス加工を施し、ホログラムの微細凹凸を形成してホログラム層とした。
【0075】ホログラム層の微細凹凸が形成された面上に、反射層として、厚みが500Åのアルミニウム薄膜を真空蒸着法により形成した。形成されたアルミニウム薄膜上には、下記の組成のアンカー層形成用組成物を用いてグラビアコーティングし、乾燥させ、厚み0.5μmのアンカー層を形成した。
(アンカー層形成用組成物)
・アクリル樹脂 100部 ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部
【0076】得られたアンカー層上に、下記の組成の蛍光層印刷用組成物を用いてグラビア印刷し、乾燥させ、厚み1μmの蛍光層を形成し、続いて、蛍光層上に、下記の組成の接着剤層形成用組成物を用いてグラビアコーティングし、乾燥させ、厚み2μmの接着剤層を形成し、以上により転写シートを得た。
(蛍光層印刷用組成物)
・無機蛍光顔料 25部 (Zn2GeO4:Mn、発光色は緑色)
・アクリル樹脂 75部 ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部(接着剤層形成用組成物)
・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 40部 ・メチルエチルケトン 50部 ・トルエン 50部
【0077】以上のようにして得られた転写シートの接着剤層側より、レーザー光源を用いて、出力;5W、ビームスポットサイズ;50μm、波長;1064nmのYAGレーザー光を、対物レンズにより、反射層のアルミニウム薄膜に集光させ、画像データに基づいて、アルミニウム薄膜を部分的に破壊し、図5中符号6Aで示すような顔画像を形成した。この顔画像が形成された転写シートを、厚み0.76mmのポリ塩化ビニル樹脂シート製のカード基材上に、ホットスタンプ装置を用い、プレス熱盤の温度;150℃、圧力;10kg/cm2、プレス時間;0.5秒の条件で転写し、ホログラムおよび、ホログラムの反射層に顔画像が形成された情報記録部を有するカードA(積層構造が図2(a)に示すものに相当する。)を得た。なお、カード基材は、白色コアシート2枚を芯材とし、表裏にそれぞれ透明シートを1枚ずつ積層した4層構成のものを使用した。
【0078】(比較例1)蛍光層の形成を行なわなかった以外は、実施例1と同様にして、カードBを準備した。
【0079】上記で得られたカードAおよびカードBは、明室における目視では、全く違いが見出せなかったが、暗室でブラックライトを照射すると、実施例1で得られたカードAは、顔画像が蛍光層の発光色である緑色に発光して見え、一方、カードBについては、同様にブラックライトを照射しても、発光が起きなかったため、両者を容易に区別することができた。
【0080】(実施例2)実施例1と同様にして転写シートを製造し、ただし、レーザー光を広い面積に照射して、光反射性層の周縁部と、中央部に比較的小さい文字の形状を残し、その他の光反射性層を除去し、また、光反射性層の除去部に対応する位置にのみ、蛍光層印刷用組成物を用いて、不可視パターンを形成した。その後、転写シートを、OCR用紙にストライプ状に転写して図7R>7に示すような金券を得た。得られた金券は、明室における目視では、転写された部分の周縁部のホログラム画像6Aと、中央部に小さく残された「A、B、C、およびD」の文字形状のホログラム63pが見えるだけであったが、暗室でブラックライトを照射すると、下層の蛍光層が印刷された形状に緑色に発光し、「壱千円」の文字64pが読取れた。
【0081】(実施例3)実施例1と同様にして転写シートを製造し、ただし、レーザー光を用いて、数字を等間隔で光反射性層に記録した。また、蛍光層印刷用組成物を用いた印刷により、光版照射性層に形成された数字の下部に、蛍光層がある部分と無い部分とを形成し、カード基材に転写して、図6に示すようなカードを得た。得られたカードは、明室における目視では、単にランダムな数字(上から4、2、5、8、7、3、および1)が見えるだけであったが、暗室でブラックライトを照射すると、下層に蛍光層が存在する部分の数字(上から4、2、8、3、および1)のみ緑色に発光した。このカードにおいては、カード1枚毎のコードを蛍光層のある部分に記録し、即ち、「42831」がコードであるが、蛍光層の無い部分には、意味のない数字である「5」と「7」とを記録しておくことにより、いずれがコードを表す数字であるかが通常の目視では分からないようにし、ブラックライトの照射によってのみコードが確認できるようにすることができた。
【0082】(実施例4)蛍光層の形成を省いた以外は、実施例1と同様にして、転写シートを製造し、レーザー光を用いて、光反射性層に文字を記録した。カード基材としては、実施例1で用いたのと同様な基材を用い、ただし、4枚のシートのうち、上側の白色コアシートの上面に、通常の印刷により、各々色相の異なる3つの着色区域a、b、およびcを左右方向に並べて形成し、さらに、下記の蛍光層印刷用組成物aおよびbを用い、着色区域a上には、赤色の発光をする蛍光層aを形成し、着色区域b上には蛍光層を形成せず、着色区域c上には、青色の発光をする蛍光層bを形成した。
(蛍光層印刷用組成物a)
・無機蛍光顔料 25部 (Y22S:Eu、発光色は赤色)
・アクリル樹脂 75部 ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部(蛍光層印刷用組成物b)
・無機蛍光顔料 25部 (Sr3(PO43Cl:Eu、発光色は青色)
・アクリル樹脂 75部 ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部以上により準備された、文字が記録された転写シート、並びに、着色層および蛍光層が形成されたカード基材を用いて、転写を行い、図8に示すようなカードを得た。
【0083】得られたカードは、明室での目視によっては、図8(b)に示すように、文字の下層の着色区域の色相に着色して見えるものであった。また、このカードを、暗室でブラックライトを用いて照射すると、図8(c)に示すように、蛍光層aおよび蛍光層bが下層にある、即ち、最も左の「A」と最も右側の「A」とは、各々の下層にある蛍光層の発光による色相で見えるが、中央の「AA」については、下層に蛍光層が無いため、ブラックライトの照射下ではほとんど見えなかった。このカードにおいては、カード1枚毎の固有情報を蛍光層のある二つの部分に分けて記録し、間には意味のない文字を記録しておくことにより、いずれが固有情報を表す数字であるかが通常の目視では分からないようにし、ブラックライトの照射によってのみ固有情報が確認できるようにすることができた。
【0084】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、光反射性層の下方に蛍光層を有する構成としたので、明室での目視では、蛍光層を伴なわない場合と変りがないが、ブラックライト等の紫外線の照射により、記録部分の光反射性層のない部分から蛍光が発光して見えるため、蛍光層を伴なわないものとの区別が可能な情報記録体を提供することができる。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、記録部分の全域から蛍光の発光が見える情報記録体を提供することができる。請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、記録部分の一部から蛍光の発光が見える情報記録体を提供することができる。従って、発光が見える部分の記録と発光が見えない部分との記録に異なる意味を持たせ、例えば、発光が見える部分の記録のみが意味を持つような情報記録体を提供することができる。請求項4の発明によれば、請求項1〜3いずれかの発明の効果に加え、記録部分から、下層の複数の蛍光層による複数の色相の発光が見える情報記録体を提供することができる。請求項5の発明によれば、請求項1〜3いずれかの発明の効果に加え、光反射性層が開孔部を有し、その開孔部の下の蛍光層がパターン状に形成されているため、明室での目視では光回折構造が開孔部を有して見えるのみであるが、暗室でのブラックライト等の照射により、蛍光層のパターンが発光して見える情報記録体を提供することができる。なお、光反射性層の開孔部内に、光反射性層をパターン状に残しておき、明室での目視により見えるようにしておけば、下層の蛍光層のパターンの存在をカモフラージュすることができる情報記録体を提供することができる。請求項6の発明によれば、光回折構造および光反射性層を被着体に貼付け可能な従来のラベルに加えて、蛍光層を有する構成としたので、請求項1記載の構成および効果を有する情報記録体を製造するのに適したラベルを提供することができる。請求項7の発明によれば、請求項6の発明の効果に加え、記録部分の全域から蛍光の発光が見える情報記録体を製造するのに適したラベルを提供することができる。請求項8の発明によれば、請求項6の発明の効果に加え、記録部分の一部から蛍光の発光が見える情報記録体を製造するのに適したラベルを提供することができる。請求項9の発明によれば、請求項6〜8いずれかの発明の効果に加え、記録部分から、下層の複数の蛍光層による複数の色相の発光が見える情報記録体を製造するのに適したラベルを提供することができる。請求項10の発明によれば、請求項6〜9いずれかの発明の効果に加え、明室での目視では光回折構造が開孔部を有して見えるのみであるが、暗室でのブラックライト等の照射により、蛍光層のパターンが発光して見える情報記録体を製造するのに適したラベルを提供することができる。請求項11の発明によれば、光回折構造および光反射性層を被着体に転写可能な従来の転写シートに加えて、蛍光層を有する構成としたので、請求項1記載の構成および効果を有する情報記録体を製造するのに適した転写シートを提供することができる。請求項12の発明によれば、請求項11の発明の効果に加え、記録部分の全域から蛍光の発光が見える情報記録体を製造するのに適した転写シートを提供することができる。請求項13の発明によれば、請求項11の発明の効果に加え、記録部分の一部から蛍光の発光が見える情報記録体を製造するのに適した転写シートを提供することができる。請求項14の発明によれば、請求項11〜13いずれかの発明の効果に加え、記録部分から、下層の複数の蛍光層による複数の色相の発光が見える情報記録体を製造するのに適した転写シートを提供することができる。請求項15の発明によれば、請求項11〜14いずれかの発明の効果に加え、明室での目視では光回折構造が開孔部を有して見えるのみであるが、暗室でのブラックライト等の照射により、蛍光層のパターンが発光して見える情報記録体を製造するのに適した転写シートを提供することができる。請求項16の発明によれば、請求項11〜15いずれかの発明の効果に加え、転写層の透明プラスチックフィルム側に剥離層が積層されているので、透明プラスチックフィルムと転写層との間を適宜な接着力で接着すると共に、転写時には、転写される各層と共に安定的に剥離させることが可能な転写シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録体をカードに適用した場合の平面図である。
【図2】カードの断面図である。
【図3】別の態様のカードの断面図である。
【図4】基材内に情報記録部を有するカードの断面図である。
【図5】カード上の情報記録部の記録を示す平面図である。
【図6】本発明の応用例を示した平面図である。
【図7】別の応用例を示した図である。
【図8】着色層と蛍光層を組合わせた応用例を示す図である。
【図9】ラベルの断面図である。
【図10】転写シートの断面図である。
【符号の説明】
1 情報記録体(カード)
2 基材(カード基材)
3 印刷
4 エンボス文字
5 磁気記録層
6 情報記録部
11 ラベル
12 透明プラスチックフィルム
61 剥離層
62 光回折構造層
63 光反射性層(63a;記録部)
64 蛍光層
65 接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報記録部が、基材上に積層されているか、もしくは基材内に前記基材上から観察可能に積層されており、前記情報記録部は、上面側より光回折構造層および光反射性層が積層され、前記光反射性層の下面の少なくとも一部もしくは下方の少なくとも一部に蛍光層を有する構造のものであり、かつ前記光反射性層には、前記光反射性層を構成する素材の有無により情報が記録されていることを特徴とする不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体。
【請求項2】 前記蛍光層を、前記光反射性層の下面の全部もしくは下方の全部に有することを特徴とする請求項1記載の不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体。
【請求項3】 前記蛍光層を、前記光反射性層の下面の一部もしくは下方の一部に有することを特徴とする請求項1記載の不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体。
【請求項4】 前記蛍光層が、発光時の蛍光色の異なる二以上の区域から形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体。
【請求項5】 前記蛍光層がパターンを有して形成されており、かつ前記パターン上に相当する部分の前記光反射性層が開孔部を有していることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の不可視情報を伴なった光回折構造を有する情報記録体。
【請求項6】 上面側から、透明プラスチックフィルム、光回折構造層、および光反射性層が順に積層され、前記光反射性層の下面の少なくとも一部に蛍光層が積層され、さらに前記蛍光層の下面を含む前記光反射性層の下層に接着剤層が積層されていることを特徴とする情報記録体製造用ラベル。
【請求項7】 前記蛍光層が前記光反射性層の下面の全部に積層されていることを特徴とする請求項6記載の情報記録体製造用ラベル。
【請求項8】 前記蛍光層が前記光反射性層の下面の一部に積層されていることを特徴とする請求項6記載の情報記録体製造用ラベル。
【請求項9】 前記蛍光層が、発光時の蛍光色の異なる二以上の区域から形成されていることを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の情報記録体製造用ラベル。
【請求項10】 前記蛍光層がパターンを有して形成されており、かつ前記パターン上に相当する部分の前記光反射性層が開孔部を有していることを特徴とする請求項6〜8記載の情報記録体製造用ラベル。
【請求項11】 上面側から、透明プラスチックフィルムと転写層が剥離可能に積層されており、前記転写層は、上面側から光回折構造層および光反射性層が順に積層され、前記光反射性層の下面の少なくとも一部に蛍光層が積層され、さらに前記蛍光層の下面を含む前記光反射性層の下層に接着剤層が積層されていることを特徴とする情報記録体製造用転写シート。
【請求項12】 前記蛍光層が前記光反射性層の下面の全部に積層されていることを特徴とする請求項11記載の情報記録体製造用転写シート。
【請求項13】 前記蛍光層が前記光反射性層の下面の一部に積層されていることを特徴とする請求項11記載の情報記録体製造用転写シート。
【請求項14】 前記蛍光層が、発光時の蛍光色の異なる二以上の区域から形成されていることを特徴とする請求項11〜13いずれか記載の情報記録体製造用転写シート。
【請求項15】 蛍光層がパターンを有して形成されており、かつ前記パターン上に相当する部分の前記光反射性層が開孔部を有していることを特徴とする請求項11〜14いずれか記載の情報記録体製造用転写シート。
【請求項16】 前記転写層の上面側に剥離層が積層されていることを特徴とする請求項11〜15いずれか記載の情報記録体製造用転写シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2002−72835(P2002−72835A)
【公開日】平成14年3月12日(2002.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−263348(P2000−263348)
【出願日】平成12年8月31日(2000.8.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】