説明

不正使用防止機能付きの経皮的オピオイド送給装置

本発明は、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩、および、アシルオピオド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含む、不正使用防止機能付きの経皮的送給装置に関するものである。この経皮的送給装置は、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を患者に経皮的に投与することを可能にする。本発明は、更に、患者の疼痛を治療または予防するための方法に関するものであり、その方法は、そのような治療または予防を必要としている患者の皮膚を、疼痛を治療または予防するのに充分な時間の間、本発明の経皮的送給装置と接触させるステップを含む。本発明は、更に、アシルオピオイド拮抗薬に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2002年2月19に出願された米国仮出願第60/357,139号、並びに、2002年2月19日に出願された米国仮出願第60/357,141号の恩典を主張するものであり、それらの出願は、参照して、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的に、アシルオピオド(opiod)拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩に関するものであり、更には、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩、および、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含む、不正使用防止機能付きの経皮的送給装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
オピオイド作動薬としても知られているオピオイドは、経皮的送給装置で送給され得る物質である。
【0004】
Aungstらに付与された米国特許第4,626,539号は、哺乳類の循環系へオピオイドを経皮的に送給するのに有用であると称される薬剤組成物を開示する。
【0005】
Chienらに付与された米国特許第4,806,341号は、支持層、粘着性ポリマー層、並びに、モルヒナン麻薬性鎮痛薬または拮抗薬、および皮膚浸透促進剤を含有する固体ポリマーマトリックスの隣接層を含む経皮的吸収投薬装置を開示する。
【0006】
Sharmaらに付与された米国特許第5,069,909号は、積層複合パッチからの経皮的送給によってブプレノルフィンを持続的に投与する方法を開示する。
【0007】
しかし、薬物乱用者は、特定の経皮的送給装置を打ち負かす術を身につけてきた。従って、合法的な必要性を有する患者に利用できる経皮的に投与されるオピオイドを維持しながら、オピオイドの乱用を防止するためのもっと効果的な方法に対するニーズがある。
【0008】
Grangerらに付与された米国特許第5,149,538号は、不透過性のバリヤーによって分離されているオピオイドと拮抗物質とを含む経皮的なパッチを開示する。その拮抗物質は、経口摂取されているときに、もしくは、実質的に溶媒中に浸漬されているときに、上述のパッチから放出可能であると称されている。
【0009】
Leeらに付与された米国特許第5,236,714号は、乱用可能な物質と、その乱用可能な物質の薬理学的な効果を実質的に不活化するのに充分な量のその乱用可能な物質に対する拮抗薬とを含む組成物を開示する。この特許は、アシルオピオイド拮抗薬については開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、当分野においては、乱用を防止するのに有効で、更に、治療薬、例えばオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩などを送給するのに有用な、改善された経皮的送給装置に対するニーズが尚も存在する。
【0011】
この出願のセクション2におけるあらゆる参照の同定内容の引用は、そのような参照が本出願に対する先行技術であることを認めたものとして解釈されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩、および、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するのに充分な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含む経皮的送給装置に関するものである。
【0013】
本発明は、更に、患者の疼痛を治療または予防するための方法に関するものであり、その方法は、その治療または予防を必要としている患者の皮膚を、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩、および、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するのに充分な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含む経皮的送給装置と接触させるステップを含み、ここで、その接触ステップは、疼痛を治療または予防するのに充分な時間の間行われる。
【0014】
本発明は、更に:
14−(アセチル)ナルメフィン(nalmefine)、3−(アセチル)ナルブフィン、6−(アセチル)ナルブフィン、14−(アセチル)ナブフィン(nabuphine)、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(フェニルアセチル)シクラゾシン、3−(フェニルアセチル)ナロキソン、14−(フェニルアセチル)ナロキソン、3−(フェニルアセチル)ナルトレクソン、14−(フェニルアセチル)ナルトレクソン、3−(フェニルアセチル)レバロルファン、3−(フェニルアセチル)ナルメフェン、14−(フェニルアセチル)ナルメフェン、3−(フェニルアセチル)ナルブフィン、6−(フェニルアセチル)ナルブフィン、14−(フェニルアセチル)ナルブフィン、6−(フェニルアセチル)ナロルフィン、3−(フェニルアセチル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(タルタリル)シクラゾシン、3−(タルタリル)ナロキソン、14−(タルタリル)ナロキソン、3−(タルタリル)ナルトレクソン、14−(タルタリル)ナルトレクソン、3−(タルタリル)レバロルファン、3−(タルタリル)ナルメフェン、14−(タルタリル)ナルメフェン、3−(タルタリル)ナルブフィン、6−(タルタリル)ナルブフィン、14−(タルタリル)ナルブフィン、6−(タルタリル)ナロルフィン、3−(タルタリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(プロピオニル)シクラゾシン、3−(プロピオニル)ナロキソン、14−(プロピオニル)ナロキソン、3−(プロピオニル)ナルトレクソン、14−(プロピオニル)ナルトレクソン、3−(プロピオニル)ナルメフェン、14−(プロピオニル)ナルメフェン、6−(プロピオニル)ナルブフィン、14−(プロピオニル)ナルブフィン、6−(プロピオニル)ナロルフィン、3−(プロピオニル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−グルタミル)シクラゾシン、3−(1−グルタミル)ナロキソン、14−(1−グルタミル)ナロキソン、3−(1−グルタミル)ナルトレクソン、14−(1−グルタミル)ナルトレクソン、3−(1−グルタミル)レバロルファン、3−(1−グルタミル)ナルメフェン、14−(1−グルタミル)ナルメフェン、3−(1−グルタミル)ナルブフィン、6−(1−グルタミル)ナルブフィン、14−(1−グルタミル)ナルブフィン、6−(1−グルタミル)ナロルフィン、3−(1−グルタミル)ナロルフィン、8−(5−グルタミル)シクラゾシン、3−(5−グルタミル)ナロキソン、14−(5−グルタミル)ナロキソン、3−(5−グルタミル)ナルトレクソン、14−(5−グルタミル)ナルトレクソン、3−(5−グルタミル)レバロルファン、3−(5−グルタミル)ナルメフェン、14−(5−グルタミル)ナルメフェン、3−(5−グルタミル)ナルブフィン、6−(5−グルタミル)ナルブフィン、14−(5−グルタミル)ナルブフィン、6−(5−グルタミル)ナロルフィン、3−(5−グルタミル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(ベンゾイル)シクラゾシン;3−(ベンゾイル)ナロキソン;14−(ベンゾイル)ナロキソン;14−(ベンゾイル)ナルトレクソン;3−(ベンゾイル)レバロルファン;3−(ベンゾイル)ナルメフェン;14−(ベンゾイル)ナルメフェン;6−(ベンゾイル)ナルブフィン;14−(ベンゾイル)ナルブフィン;3−(ベンゾイル)ナロルフィン;および14−(ベンゾイル)ナロルフィン[ここで、前述のベンゾイル基は、場合によって、C1−C3アルキル基、−NO2、−ハロゲン、−OH、または−O(C1−C3アルキル)で置換されている]、並びに薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(スクシニル)シクラゾシン、3−(スクシニル)ナロキソン、14−(スクシニル)ナロキソン、3−(スクシニル)ナルトレクソン、14−(スクシニル)ナルトレクソン、3−(スクシニル)レバロルファン、3−(スクシニル)ナルメフェン、14−(スクシニル)ナルメフェン、3−(スクシニル)ナルブフィン、6−(スクシニル)ナルブフィン、14−(スクシニル)ナルブフィン、6−(スクシニル)ナロルフィン、3−(スクシニル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(4−ヒドロキシブチリル)シクラゾシン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナロキソン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナロキソン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルトレクソン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルトレクソン、3−(4−ヒドロキシブチリル)レバロルファン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルメフェン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルメフェン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、6−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、6−(4−ヒドロキシブチリル)ナロルフィン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(グリコリル)シクラゾシン、3−(グリコリル)ナロキソン、14−(グリコリル)ナロキソン、3−(グリコリル)ナルトレクソン、14−(グリコリル)ナルトレクソン、3−(グリコリル)レバロルファン、3−(グリコリル)ナルメフェン、14−(グリコリル)ナルメフェン、3−(グリコリル)ナルブフィン、6−(グリコリル)ナルブフィン、14−(グリコリル)ナルブフィン、6−(グリコリル)ナロルフィン、3−(グリコリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(ラクチル)シクラゾシン、3−(ラクチル)ナロキソン、14−(ラクチル)ナロキソン、3−(ラクチル)ナルトレクソン、14−(ラクチル)ナルトレクソン、3−(ラクチル)レバロルファン、3−(ラクチル)ナルメフェン、14−(ラクチル)ナルメフェン、3−(ラクチル)ナルブフィン、6−(ラクチル)ナルブフィン、14−(ラクチル)ナルブフィン、6−(ラクチル)ナロルフィン、3−(ラクチル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−アスパルチル)シクラゾシン、3−(1−アスパルチル)ナロキソン、14−(1−アスパルチル)ナロキソン、3−(1−アスパルチル)ナルトレクソン、14−(1−アスパルチル)ナルトレクソン、3−(1−アスパルチル)レバロルファン、3−(1−アスパルチル)ナルメフェン、14−(1−アスパルチル)ナルメフェン、3−(1−アスパルチル)ナルブフィン、6−(1−アスパルチル)ナルブフィン、14−(1−アスパルチル)ナルブフィン、6−(1−アスパルチル)ナロルフィン、3−(1−アスパルチル)ナロルフィン、8−(4−アスパルチル)シクラゾシン、3−(4−アスパルチル)ナロキソン、14−(4−アスパルチル)ナロキソン、3−(4−アスパルチル)ナルトレクソン、14−(4−アスパルチル)ナルトレクソン、3−(4−アスパルチル)レバロルファン、3−(4−アスパルチル)ナルメフェン、14−(4−アスパルチル)ナルメフェン、3−(4−アスパルチル)ナルブフィン、6−(4−アスパルチル)ナルブフィン、14−(4−アスパルチル)ナルブフィン、6−(4−アスパルチル)ナロルフィン、3−(4−アスパルチル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(スルファニリル)シクラゾシン、3−(スルファニリル)ナロキソン、14−(スルファニリル)ナロキソン、3−(スルファニリル)ナルトレクソン、14−(スルファニリル)ナルトレクソン、3−(スルファニリル)レバロルファン、3−(スルファニリル)ナルメフェン、14−(スルファニリル)ナルメフェン、3−(スルファニリル)ナルブフィン、6−(スルファニリル)ナルブフィン、14−(スルファニリル)ナルブフィン、6−(スルファニリル)ナロルフィン、3−(スルファニリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(フマリル)シクラゾシン、3−(フマリル)ナロキソン、14−(フマリル)ナロキソン、3−(フマリル)ナルトレクソン、14−(フマリル)ナルトレクソン、3−(フマリル)レバロルファン、3−(フマリル)ナルメフェン、14−(フマリル)ナルメフェン、3−(フマリル)ナルブフィン、6−(フマリル)ナルブフィン、14−(フマリル)ナルブフィン、6−(フマリル)ナロルフィン、3−(フマリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(パモイル)シクラゾシン、3−(パモイル)ナロキソン、14−(パモイル)ナロキソン、3−(パモイル)ナルトレクソン、14−(パモイル)ナルトレクソン、3−(パモイル)レバロルファン、3−(パモイル)ナルメフェン、14−(パモイル)ナルメフェン、3−(パモイル)ナルブフィン、6−(パモイル)ナルブフィン、14−(パモイル)ナルブフィン、6−(パモイル)ナロルフィン、3−(パモイル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−マリル)シクラゾシン、3−(1−マリル)ナロキソン、14−(1−マリル)ナロキソン、3−(1−マリル)ナルトレクソン、14−(1−マリル)ナルトレクソン、3−(1−マリル)レバロルファン、3−(1−マリル)ナルメフェン、14−(1−マリル)ナルメフェン、3−(1−マリル)ナルブフィン、6−(1−マリル)ナルブフィン、14−(1−マリル)ナルブフィン、6−(1−マリル)ナロルフィン、3−(1−マリル)ナロルフィン、8−(4−マリル)シクラゾシン、3−(4−マリル)ナロキソン、14−(4−マリル)ナロキソン、3−(4−マリル)ナルトレクソン、14−(4−マリル)ナルトレクソン、3−(4−マリル)レバロルファン、3−(4−マリル)ナルメフェン、14−(4−マリル)ナルメフェン、3−(4−マリル)ナルブフィン、6−(4−マリル)ナルブフィン、14−(4−マリル)ナルブフィン、6−(4−マリル)ナロルフィン、3−(4−マリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(マレイル)シクラゾシン、3−(マレイル)ナロキソン、14−(マレイル)ナロキソン、3−(マレイル)ナルトレクソン、14−(マレイル)ナルトレクソン、3−(マレイル)レバロルファン、3−(マレイル)ナルメフェン、14−(マレイル)ナルメフェン、3−(マレイル)ナルブフィン、6−(マレイル)ナルブフィン、14−(マレイル)ナルブフィン、6−(マレイル)ナロルフィン、3−(マレイル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)シクラゾシン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)レバロルファン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、8−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)シクラゾシン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)レバロルファン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(p−トルエンスルホニル)シクラゾシン、3−(p−トルエンスルホニル)ナロキソン、14−(p−トルエンスルホニル)ナロキソン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルトレクソン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルトレクソン、3−(p−トルエンスルホニル)レバロルファン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルメフェン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルメフェン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、6−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、6−(p−トルエンスルホニル)ナロルフィン、3−(p−トルエンスルホニル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(ステアリル)シクラゾシン、3−(ステアリル)ナロキソン、14−(ステアリル)ナロキソン、3−(ステアリル)ナルトレクソン、14−(ステアリル)ナルトレクソン、3−(ステアリル)レバロルファン、3−(ステアリル)ナルメフェン、14−(ステアリル)ナルメフェン、3−(ステアリル)ナルブフィン、6−(ステアリル)ナルブフィン、14−(ステアリル)ナルブフィン、6−(ステアリル)ナロルフィン、3−(ステアリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
からなるグループから選択される化合物に関するものである。
【0015】
本発明は、更に、シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの3−または14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの3−、6−、または14−ヒドロキシル基、ナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成されるα−アミノ酸のエステル、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩からなるグループから選択される化合物に関するものである。
【0016】
本発明は、更に、シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの3−または14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの3−、6−、または14−ヒドロキシル基、ナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成されるC5−C6ジカルボン酸のモノエステル、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩からなるグループから選択される化合物に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、以下の図面、詳細な説明、並びに、本発明の非制限的な実施態様を例証すべく意図されている実施例を参照することにより、一層充分に理解されよう。
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明は、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を患者の全身性循環系に経皮的に投与するのに有用な経皮的送給装置に関するものであり、また、患者の疼痛を治療もしくは予防するための方法に関するものであって、その方法は、そのような治療もしくは予防を必要としている患者の皮膚を、疼痛を治療または予防するのに充分な時間の間、本発明の経皮的送給装置と接触させるステップを含む。本発明の経皮的送給装置は、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩と、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するのに充分な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含む。一つの実施態様では、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、上述のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩と前述のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が経頬的に、経鼻的に、非経口的に、経直腸的に、及び/又は経膣的に患者に投与されたときに、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制する。一つの実施態様では、患者はヒトである。患者の皮膚と接触させたときには、本経皮的送給装置は、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の経皮的な投与を可能に為すが、(a)そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには効果のない量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の経皮的な投与を可能に為すにすぎないか、もしくは、(b)アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の経皮的な投与を許さないかのいずれかである。しかし、本発明の経皮的送給装置が経皮的な経路、例えば経頬的、経鼻的、経口的、非経口的、経直腸的、及び/又は経膣的な経路など以外の経路を介してオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を送給するために使用された場合には、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が、前述のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を鈍らせ、もしくは抑制する。一つの実施態様では、本経皮的送給装置は、その装置が疼痛を治療または予防するために適切に使用される前であろうと、後であろうと、経皮的な経路以外の方法で使用されるときには、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するであろう。
【0019】
本発明の経皮的送給装置は不正使用防止機能付きであり、乱用者がアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩をオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩から分離し、そして、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を、別の経路、例えば、これらに限定するものではないが、経口的に、腸管外的に、経鼻的に、もしくは経頬的に、即ち、乱用者が好む、「バースト」としても知られている、迅速な陶酔性快感をもたらし得る投与経路を介して自己投与しようとした場合には、乱用者は、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩と共に、上述のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を自己投与することとなろう。
【0020】
例えば、乱用者が、本経皮的送給装置を溶媒中に入れることにより、その装置からオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を抽出しようとした場合には、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の混合物がもたらされ、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩も抽出されることとなろう。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の混合物が、意図されている経皮的な経路以外の経路を介して投与された場合には、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が生体内で加水分解し、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制すべく拮抗効果を及ぼすオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩をもたらすであろう。幾つかのケースでは、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、抽出中に加水分解され、即ち、脱アシル化され、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の混合物をもたらす。
【0021】
オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が経口的に投与された場合には、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、胃腸管内で加水分解され、拮抗効果を及ぼすオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩をもたらす。そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が胃腸管内で加水分解されない場合には、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、胃腸管で吸収され、血流中へ送給される。血流中で、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、血液中に存在する1つもしくはそれ以上のエステラーゼにより加水分解されることとなる。
【0022】
胃腸管内で加水分解されるのではなく、血流中において加水分解されるアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、有利であり得る。多くのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なそれらの塩は、肝臓内における初回通過代謝を受けにくく、さもなければオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が生じることとなるであろう(例えば、参照してそれらの開示が本明細書に組み込まれる、M.A.Hussainらによる「イヌにおけるナルトレクソンの経口的生体内利用効率の改善:プロドラッグアプローチ(Improvement of the Oral Bioavailability of Naltrexone in Dogs:A Prodrug Approach)」(J.Pharmaceutical Sci.、76(5):356-358(1987年));M.A.HussainおよびE.Shefterによる「ナルトレクソン−3−サリチレート(ナルトレクソンのプロドラッグ):合成およびイヌにおける薬物動力学(Naltrexone-3-Salicylate(a Prodrug of Naltrexone):Synthesis and Pharmacokinetics in Dogs)(Pharm.Res.、5(2):113-115(1988年));および、米国特許第4,668,685号を参照のこと)。肝臓内における初回通過代謝の制限は、血流中におけるそのオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の一層高度な生体内利用効率をもたらすことができる。Id.
【0023】
オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が非経口で投与された場合には、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、1つもしくはそれ以上の内在性エステラーゼにより、血流中において加水分解されることとなる。同様に、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が経鼻的に投与され、鼻粘膜を通じて血流中に吸収された場合には、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、血液中に存在する1つもしくはそれ以上のエステラーゼにより加水分解されることとなる。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が経頬的に投与された場合には、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、唾液中に存在する1つもしくはそれ以上のエステラーゼにより加水分解されることとなる。このケースでは、そのオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、頬粘膜を通じて血流中に吸収されることとなる。また、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が、頬粘膜を通じて吸収されて血流に入り、その後、血流中で1つもしくはそれ以上の内在性エステラーゼにより加水分解されることも可能である。このように、本発明の経皮的送給装置は不正使用防止機能付きであり、従って、従来のオピオイド含有経皮的送給装置よりも乱用されにくい。
【0024】
本発明は、更に、疼痛の治療または予防を必要としている患者に、本発明の経皮的送給装置を用いて、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を経皮的に投与することにより、そのような患者の疼痛を治療または予防するための方法に関するものである。
【0025】
定義
本明細書で使用する場合、「経皮的送給装置」という語句は、患者の皮膚と接触させたときに、その皮膚を通じて全身性循環へ鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を経皮的に送給することができるあらゆる装置を意味している。
【0026】
本明細書で使用する場合、「薬剤学的に許容可能な塩」という語句は、オピオイドまたはアシルオピオド拮抗薬の酸および塩基性窒素基から形成される塩である。好適な塩は、これらに限定するものではないが、サルフェート、シトレート、アセテート、オキサレート、クロリド、ブロミド、ヨウ化物、ニトレート、ビサルフェート、ホスフェート、酸性ホスフェート、イソニコチネート、ラクテート、サリチレート、酸性シトレート、タルトレート、オレアート、タンネート、パントテネート、ビタルトレート、アスコルベート、スクシネート、マレアート、ゲンチシネート、フマレート、グルコネート、グルカロネート、サッカレート、ホルメート、ベンゾエート、グルタメート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、およびパモアート(即ち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート))塩を含む。また、「薬剤学的に許容可能な塩」という用語は、酸性官能基、例えばカルボン酸またはスルホン酸官能基など、および、薬剤学的に許容可能な無機または有機の塩基を有するオピオイドまたはアシルオピオド拮抗薬から調製される塩も表す。適切な塩基は、これらに限定するものではないが、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、およびリチウムのヒドロキシド;アルカリ土類金属、例えばカルシウムおよびマグネシウムのヒドロキシド;他の金属、例えばアルミニウムおよび亜鉛のヒドロキシド;アンモニア、および有機アミン、例えば非置換もしくはヒドロキシ−置換モノ−、ジ−、またはトリアルキルアミンなど;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、例えばモノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミンなど、N,N,−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、例えばN,N,−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミンなど;N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなど;を含む。
【0027】
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、1個から8個までの炭素原子を有する直鎖または分枝状の飽和もしくは不飽和の炭化水素を表している。代表的なアルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、−n−ヘキシル、−n−ヘプチル、−n−オクチル、−n−ノンリ、および−n−デシルを含み;一方、分枝状のアルキルは、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、2−メチルブチルを含み、不飽和のアルキルは、−ビニル、−アリル、−1−ブテニル、−2−ブテニル、−イソブチレニル、−1−ペンテニル、−2−ペンテニル、−3−メチル−1−ブテニル、−2−メチル−2−ブテニル、−2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、−アセチレニル、−プロピニル、−1−ブチニル、−2−ブチニル、−1−ペンチニル、−2−ペンチニル、−3−メチル−1−ブチニルを含む。また、アルキルは、その環に3個から10個までの炭素原子を有する環状構造物も含む。代表的な環状アルキルは、−シクロプロピル、−シクロブチル、−シクロペンチル、−シクロヘキシル、−シクロヘプチル、−シクロオクチル、−シクロノニル、および−シクロデシルを含む。
【0028】
本明細書で使用する場合、「脂肪酸」という語句は、8個から16個までの炭素原子を有するあらゆる飽和カルボン酸、もしくは、8個から18個までの炭素原子を有するあらゆる不飽和カルボン酸を意味している。
【0029】
本明細書で使用する場合、「アシルオピオイド拮抗薬」という用語は、1つもしくはそれ以上のヒドロキシル基を有するオピオイド拮抗薬を意味しており、そこでは、そのオピオイド拮抗薬のヒドロキシル基のうちの1つのヒドロキシル基のプロトンがアシル基(「R−C(O)」)で置換されている。
【0030】
本明細書で使用する場合、「1−グルタミル」という用語は、次の基を意味している:
【化1】

本明細書で使用する場合、「5−グルタミル」という用語は、次の基を意味している:
【化2】

本明細書で使用する場合、「1−アスパルチル」という用語は、次の基を意味している:
【化3】

本明細書で使用する場合、「4−アスパルチル」という用語は、次の基を意味している:
【化4】

本明細書で使用する場合、「1−マリル」という用語は、次の基を意味している:
【化5】

本明細書で使用する場合、「4−マリル」という用語は、次の基を意味している:
【化6】

本明細書で使用する場合、「1−(2−ヒドロキシ)マレイル」という用語は、次の基を意味している:
【化7】

本明細書で使用する場合、「4−(2−ヒドロキシ)マレイル」という用語は、次の基を意味している:
【化8】

本明細書で使用する場合、「マロニル」という用語は、次の基を意味している:
【化9】

本明細書で使用する場合、「グルクロニル」という用語は、次の基を意味している:
【化10】

【0031】
「患者」は動物であり、これらに限定するものではないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、チンパンジー、ヒヒ、およびモルモットを含む。一つの実施態様では、その動物は哺乳動物である。別の実施態様では、その動物はヒトである。
【0032】
「疼痛の治療」または「疼痛を治療する」という語句は、患者における疼痛の軽減もしくは疼痛の停止を含む。
【0033】
「疼痛の予防」または「疼痛を予防する」という語句は、患者における疼痛の発現の回避を含む。
【0034】
経皮的送給装置
当業者にとって既知の、治療薬を患者に経皮的に送給するためのあらゆる装置を本発明の経皮的送給装置で使用することができる。例えば、その経皮的送給装置は、レザバー型の経皮的送給装置、ポリマーマトリックス型の経皮的送給装置、または薬剤含有粘着剤(drug−in−adhesive)型の経皮的送給装置であってよい(例えば、参照してその開示が本明細書に組み込まれる、H.S.TanおよびW.R.Pfisterによる「経皮的薬剤送給システムのための感圧性粘着剤(Pressure Sensitive adhesives for Transdermal Drug Delivery Systems)」(PSTT、2(2):60−69(1999年2月))を参照のこと)。その経皮的送給装置は、患者の皮膚と接触したときに、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が経皮的に患者に投与されるように設計されている。しかし、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、経皮的送給装置に留まって患者に投与されないか、もしくは、上述のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で患者に投与されるかのいずれかである。
【0035】
レザバー型経皮的送給装置は、典型的には、不透過性の支持フィルムと感圧性の粘着性皮膚接触層で覆われた速度制御膜との間に配置されているレザバーを含んでいて、そのレザバーは通常は液体である。溶液もしくは分散液であってよい上述のレザバーは、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含んでいる。この経皮的送給装置は不透過性の支持フィルムで支持されており、そして、前述の粘着面は剥離ライナーによって保護されている。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を投与するため、感圧性粘着剤を露出すべく前述の剥離ライナーが取り除かれ、そして、その感圧性粘着剤が皮膚と接触させられる。このオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩は、前述の速度制御膜を透過することができ、その速度制御膜並びに上述の粘着剤を浸透して皮膚と接触し、その後、皮膚に浸透する。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の送給速度は、通常、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が速度制御膜を浸透する速度によって決まる。一つの実施態様では、上述の感圧性粘着剤は、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の送給速度に悪影響を及ぼさず、且つ、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩と化学的に反応しない。その送給速度は、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が患者に送給されるような速度である。しかし、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とは対照的に、レザバー内のどこに存在していてもよいアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、典型的には速度制御膜を浸透せず、もしくは、浸透する場合には、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で浸透する。
【0036】
図1は、レザバー型経皮的送給装置の一つの実施態様を描いている。この経皮的送給装置10は、典型的には溶液または分散液12の形態を為すレザバー11を含んでおり、そこにオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩13とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩14が分散されている。レザバー11は、不透過性支持フィルム15と速度制御膜16並びに感圧性粘着剤17との間に配置されている。剥離ライナー18がその感圧性粘着剤層17に貼られており、使用する前に取り除かれる。一つの実施態様では、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、このレザバー全体にわたって分散されているが、但し、一様に分散されている必要はない。
【0037】
レザバー型経皮的送給装置の一つの変形態様は、ポリマーマトリックス設計である。このポリマーマトリックス設計では、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩はポリマーマトリックス中に分散されており、そのポリマーマトリックスがオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の送給速度を制御する。液体レザバー設計と同様に、このポリマーマトリックスレザバーは不透過性支持層で支持されている。しかし、ポリマーマトリックス設計は、連続的な粘着剤層を有しているというより寧ろ、通常は、パッチの縁の周りに配置された周辺粘着剤リングを含んでいる。剥離ライナーが、その粘着面とポリマーマトリックスの表面を保護している。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を投与するため、ポリマーマトリックスおよび感圧性粘着剤のリングを露出すべく剥離ライナーが取り除かれ、そして、その装置が皮膚と接触させられる。粘着剤のリングは、ポリマーマトリックスが皮膚と直接的に接触するように、その装置を皮膚と接した状態に保持する。ポリマーマトリックスが皮膚と接触すると、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩がポリマーマトリックスから拡散して患者の皮膚と接触し、皮膚に浸透する。このオピオイド作動薬または薬剤学的に許容可能なその塩の送給速度は、通常、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩がポリマーマトリックスから拡散する速度によって決まる。その送給速度は、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が患者に送給されるような速度である。一方、ポリマーマトリックスのどこに存在していてもよいアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、ポリマーマトリックスから拡散しないか、もしくは、拡散する場合には、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で拡散するかのいずれかである。
【0038】
図2は、本発明の一つの典型的なポリマーマトリックス型経皮的送給装置の実施態様を描いている。この経皮的送給装置20は、ポリマーマトリックス22の形態を為すレザバー21を含んでおり、そこにオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩23とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩24が分散されている。一つの実施態様では、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、このポリマーマトリックス全体にわたって分散されているが、但し、一様に分散されている必要はない。ポリマーマトリックス21は、不透過性支持層25で支持されており、パッチの縁の周りに配置された周辺粘着剤リング26を有している。剥離ライナー28がその周辺粘着剤リング26およびポリマーマトリックス22に貼られており、使用する前に取り除かれる。
【0039】
薬剤含有粘着剤型経皮的送給装置は、感圧性粘着剤マトリックス中に直接的に分散された形態で、オピオイド作動薬または薬剤学的に許容可能なその塩並びにアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含んでいる。この粘着剤マトリックスは、典型的には、上側は不透過性支持フィルムで支持されており、そして、皮膚に面する側は不透過性の剥離ライナーで支持されている。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を投与するため、その粘着剤マトリックスを露出すべく前述の剥離ライナーが取り除かれ、そして、その装置が皮膚と接触させられる。この粘着剤マトリックスは、その装置を皮膚に付着させ、そして、典型的には、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の送給速度を制御すべく機能する。ポリマーマトリックス設計と同様に、この薬剤含有粘着剤設計は、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が粘着剤マトリックスから拡散して患者の皮膚に接触し、その皮膚に浸透することを可能にする。オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の送給速度は、通常、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が粘着剤マトリックスから拡散する速度によって決まる。その送給速度は、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が患者に送給されるような速度である。一方、粘着剤マトリックスのどこに存在していてもよいアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、粘着剤マトリックスから拡散しないか、もしくは、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で拡散する。
【0040】
図3は、本発明の一つの典型的な薬剤含有粘着剤型経皮的送給装置の実施態様を描いている。この経皮的送給装置30は、粘着剤マトリックス31を含んでおり、そこにオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩32とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩33が分散されている。一つの実施態様では、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、この粘着剤マトリックス全体にわたって分散されているが、但し、一様に分散されている必要はない。粘着剤マトリックス31は、不透過性支持層34で支持されており、そして、皮膚に面する側には、使用する前に取り除かれる不透過性の剥離ライナー35を有している。
【0041】
レザバー型、ポリマーマトリックス型、および薬剤含有粘着剤型の経皮的送給システムは、当業者に広く知られている(例えば、参照して特にその内容が本明細書に組み込まれる、H.TanおよびW.Pfisterによる「経皮的薬剤送給システムのための感圧性粘着剤(Pressure Sensitive Adhesives for Transdermal Drug Delivery Systems)」(PSTT、2(1999年2月))を参照のこと)。
【0042】
当業者にとって既知のあらゆる速度制御膜を本発明の経皮的送給装置で使用することができる。一つの実施態様では、その膜は、何ら、もしくは、ある検出可能な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩がその膜を浸透することを許さず、特に、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が患者の皮膚に浸透することができるような場合には尚更である。速度制御膜に適した材料は、これらに限定するものではないが、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン/プロピレンコポリマー;エチレン/エチルアクリレートコポリマー;エチレン/ビニルアセテートコポリマー;ポリアクリレート;ポリメタクリレート;シリコーンエラストマー;医用グレードのポリジメチルシロキサン;ネオプレンゴム;ポリイソブチレン;塩素化ポリエチレン;ポリビニルクロリド;ビニルクロリド−ビニルアセテートコポリマー;ポリメタクリレートポリマー(ヒドロゲル);ポリビニリデンクロリド;ポリ(エチレンテレフタレート);ブチルゴム;エピクロロヒドリンゴム;エチレン−ビニルアルコールコポリマー;エチレン−ビニルオキシエタノールコポリマー;シリコーンコポリマー、例えばポリシロキサン−ポリカルボネートコポリマー、ポリシロキサン−ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリシロキサン−ポリメタクリレートコポリマー、ポリシロキサン−アルキレンコポリマー(例えば、ポリシロキサン−エチレンコポリマー)、ポリシロキサン−アルキレンシランコポリマー(例えば、ポリシロキサンエチレンシランコポリマー)など;セルロースポリマー、例えばメチルまたはエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびセルロースエステル;ポリカルボネート;ポリテトラフルオロエチレン;デンプン;ゼラチン;天然および合成のガム;他のあらゆる天然または合成のポリマーまたは繊維;およびそれらの組み合わせ;を含む。
【0043】
支持層は、レザバーコンパートメント、ポリマーマトリックス、または粘着剤マトリックスの内容物に対して不透過性のあらゆる適切な材料であってよい。支持フィルムに適した材料は当業者に広く知られており、これらに限定するものではないが、閉塞性ポリマー、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、例えばポリ(エチレンフタレート)、ポリエーテルアミド、コポリエステル、ポリイソブチレン、ポリエステル、高密度および低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロリド、金属箔、および適切なポリマーフィルムの金属箔ラミネートを含む。
【0044】
ポリマーマトリックスに適した材料は当業者に広く知られており、これらに限定するものではないが、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン/プロピレンコポリマー;エチレン/エチルアクリレートコポリマー;エチレン/ビニルアセテートコポリマー;シリコーンエラストマー、特には医用グレードのポリジメチルシロキサン;ネオプレンゴム;ポリイソブチレン;塩素化ポリエチレン;ポリビニルクロリド;ビニルクロリド−ビニルアセテートコポリマー;ポリメタクリレートポリマー(ヒドロゲル);ポリビニリデンクロリド;ポリ(エチレンテレフタレート);ブチルゴム;エピクロロヒドリンゴム;エチレン−ビニルアルコールコポリマー;エチレン−ビニルオキシエタノールコポリマー;シリコーンコポリマー、例えばポリシロキサン−ポリカルボネートコポリマー、ポリシロキサン−ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリシロキサン−ポリメタクリレートコポリマー、ポリシロキサン−アルキレンコポリマー(例えば、ポリシロキサン−エチレンコポリマー)、ポリシロキサン−アルキレンシランコポリマー(例えば、ポリシロキサンエチレンシランコポリマー)など;セルロースポリマー、例えばメチルまたはエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびセルロースエステル;ポリカルボネート;ポリテトラフルオロエチレン;およびそれらの組み合わせ;を含む。一つの実施態様では、ポリマーマトリックスは室温以下のガラス転移温度を有している。そのポリマーは、必ずしも必要ではないが、室温である程度の結晶化度を有することができる。それらのポリマーに橋架けモノマー単位または部位を組み込むことができる。例えば、橋架けモノマーをポリアクリレートポリマーに組み込むことができる。それらの橋架けモノマーは、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩およびアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩をそのポリマーに微量分散させた後に、そのポリマーマトリックスを架橋するための部位を提供する。ポリアクリレートポリマーに対する既知の橋架けモノマーは、これらに限定するものではないが、ポリオールのポリメタクリルエステル、例えばブチレンジアクリレートおよびジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどを含む。架橋部位をもたらす他のモノマーは、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレアートなどを含む。一つの実施態様では、そのポリマーマトリックスは、何ら、もしくは、ある検出可能な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩がそのポリマーマトリックスから拡散することを許さず、特に、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が患者の皮膚に浸透することができるような場合には尚更である。
【0045】
感圧性粘着剤マトリックスに適した材料は当業者に広く知られており、これらに限定するものではないが、ポリイソブチレン、ポリシロキサン、およびポリアクリレートコポリマー(ポリアクリルエステル)、天然ゴム/カラヤガムをベースとした粘着剤、ヒドロゲル、親水性ポリマー、およびポリウレタン、例えば、参照してその開示が本明細書に組み込まれる、H.TanおよびW.Pfisterによる「経皮的薬剤送給システムのための感圧性粘着剤(Pressure Sensitive Adhesives for Transdermal Drug Delivery Systems)」(PSTT、2(1999年2月))に記載されているものなどを含む。その粘着剤は、更に、改質モノマー、粘着性付与剤、可塑剤、充填材、ワックス、オイル、および、望ましい粘着特性を付与するための他の添加剤を含んでいてよい。Id.一つの実施態様では、その感圧性粘着剤マトリックスは、何ら、もしくは、ある検出可能な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩がその感圧性粘着剤マトリックスから拡散することを許さず、特に、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が患者の皮膚に浸透することができるような場合には尚更である。
【0046】
一般的に、その装置のサイズは、約1cm2から200cm2以上の大きさまで変えることができ、典型的には約5〜50cm2の間である。経皮的送給装置を製造するための方法は、当業者に広く知られている。
【0047】
本発明の経皮的送給装置および方法に有用な装置の例は、これらに限定するものではないが、参照してそれらの開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,806,341号;第5,069,909号;第5,236,714号;第5,902,603号;第5,914,718号;および第6,162,456号;に開示されているものを含む。
【0048】
経皮的送給装置は、場合によっては、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が患者の皮膚に浸透する速度を増大させる1つもしくはそれ以上の浸透促進剤を含むことができる。一つの実施態様では、その浸透促進剤は、皮膚を通じるアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の浸透を促進させない。別の実施態様では、その浸透促進剤は、速度制御膜をしみ通り、あるいは、ポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスから拡散し、従って、患者の皮膚と接触し、その患者の皮膚を通じるオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の浸透を改善することができる。本発明の経皮的送給装置および方法で使用するのに適した浸透促進剤は、これらに限定するものではないが、C2−C4アルコール、例えばエタノールおよびイソプロパノールなど、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール−3−ラウルアミド、ジメチルラウルアミド、ソルビタントリオレアート、脂肪酸、約10個から約20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、モノグリセリド、または、合計モノエステル含量が少なくとも51%であって、それらのモノエステルが10個から20個の炭素原子を有するものである、脂肪酸のモノグリセリド混合物、並びに、脂肪酸のモノ−、ジ−、およびトリ−グリセリド混合物を含む。適切な脂肪酸は、これらに限定するものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、およびパルミチン酸を含む。モノグリセリド浸透促進剤は、例えば、グリセロールモノオレアート、グリセロールモノラウレート、およびグリセロールモノリノレアートを含む。本発明の方法に有用な浸透促進剤の例は、これらに限定するものではないが、米国特許第3,472,931号;第3,527,864号;第3,896,238号;第3,903,256号;第3,952,099号;第3,989,816号;第4,046,886号;第4,130,643号;第4,130,667号;第4,299,826号;第4,335,115号;第4,343,798号;第4,379,454号;第4,405,616号;第4,746,515号;第4,316,893号;第4,405,616号;第4,060,084号;第4,379,454号;第4,560,553号;第4,863,952号;第4,863,970号;第4,879,275号;第4,940,586号;第4,960,771号;第4,973,968号;第5,066,648号;第5,164,406号;第5,227,169号;第5,229,130号;第5,238,933号;第5,308,625号;第4,326,566号;第5,378,730号;第5,420,106号;第5,641,504号;第5,716,638号;第5,750,137号;第5,785,991号;第5,837,289号;第5,834,468号;第5,882,676号;第5,912,009号;第5,952,000号;第6,004,578号;および、Idsonによる「経皮的吸収(Percutaneous Absorption)」(J.Pharm.Sci.、64(b6):901−924(1975年6月))に記載されているものを含み、それらの開示は、参照して本明細書に組み込まれる。
【0049】
本経皮的送給装置は、更に、治療用製品において常套的に使用されている他の添加剤を含むことができる。例えば、本経皮的送給装置は、1つもしくはそれ以上の保存剤または制菌剤、例えばメチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、クロロクレゾール、ベンザルコニウムクロリドなど;または、他の活性成分、例えば抗菌物質、特には抗生物質など;麻酔薬;他の鎮痛薬;および止痒剤なども含むことができる。
【0050】
オピオイド
あらゆるオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なそれらの塩を本発明の経皮的送給装置で使用することができる。それらのオピオイドは、これらに限定するものではないが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルフォン、ジヒドロイソモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロモルフォドン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パントポン、パパベレタム、パレゴリック、ペンタゾシン、フェナドクソン、フェンジメトラジン、フェンジメトラゾン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、プロピルヘキセドリン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、およびそれらの混合物を含む。
【0051】
特定の実施態様では、そのオピオイド作動薬は、ヒドロコドン、モルヒネ、ヒドロモルフォン、オキシコドン、コデイン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、オキシモルフォン、ブプレノルフィン、フェンタニル、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブトルファノール、レボルファノール、薬剤学的に許容可能なそれらの塩、およびそれらの混合物である。一つの実施態様では、そのオピオイド作動薬は、オキシコドン、ヒドロコドン、フェンタニル、ブプレノルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0052】
特には受動パッチに対する一つの実施態様では、そのオピオイドは遊離塩基オピオイドであり、即ち、そのオピオイドの薬剤学的に許容可能な塩ではない。しかし、イオン導入法を用いてオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩による皮膚の浸透を促進するパッチに対しては、そのオピオイドの薬剤学的に許容可能な塩の方が好適である。
【0053】
経皮的送給装置内に存在するオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果的に有効な量は、特定のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩、その装置のタイプ、その装置を製造するために使用された材料、および、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が患者に送給される継続時間に依存するであろう。しかし、経皮的送給装置内に存在するオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果的に有効な量は、典型的には約0.1mgから約500mgまでであり、一つの実施態様では約1mgから約100mgまでであり;そして、別の実施態様では約1mgから約50mgまでである。特定の適応で必要となるオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果的に有効な量をその場で決定することは、勿論、当業者の権限範囲内である。
【0054】
アシルオピオイド拮抗薬
アシルオピオイド拮抗薬は、次の化学式:
【化11】

[式中、「A−O−」は、1つもしくはそれ以上のヒドロキシル基を有していて、それらのヒドロキシル基のうちの1つのヒドロキシル基のプロトン(H+)が差し引かれているオピオイド拮抗薬の部分であり;「R−C(O)」はアシル基である]
を有している。
【0055】
本発明の経皮的送給装置および方法で使用することができるオピオイド拮抗薬は、これらに限定するものではないが、シクラゾシン、ナロキソン、ナルトレクソン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナロルフィン、シクラザシン、レバロルファン、薬剤学的に許容可能なそれらの塩、およびそれらの混合物を含む。これに関して説明すると、A−O−C(O)−Rは、シクラゾシン、ナロキソン、ナルトレクソン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナロルフィン、シクラザシン、レバロルファン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩のアシル誘導体である。特定の実施態様では、そのオピオイド拮抗薬は、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレクソン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。一つの実施態様では、本発明の経皮的送給装置において、特にその経皮的送給装置が受動装置であるときには、アシルオピオイド拮抗薬の薬剤学的に許容可能な塩が使用される。
【0056】
代表的なR−C(O)基は、これらに限定するものではないが、(C1−C6)−C(O)、例えばアセチルおよびプロピオニル;フェニルアセチル;タルタリル;グルタミル、スクシニル、ベンゾイル(これは、置換されていなくてもよいし、もしくは、1つもしくはそれ以上のC1−C3アルキル、−CF3、−NO2、−ハロゲン、または−O(C1−C3アルキル)基で置換されていてもよい);4−ヒドロキシブチリル;グリコリル;ラクチル;アスパルチル;スルファニリル;シトリル;フマリル;パモイル;マリル;マレイル;マロニル;ヒドロキシマレイル;p−トルエンスルホニル;ステラリル;グルクロニル;HOC(O)−R’−C(O)(式中、R’はC3−C4アルキル基であり、場合によってはC1−C4アルキル基で置換されていてよい);C8−C16アルカノイル、例えばオクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、およびヘキサデカノイル;C8−C18アルケノイル、例えばパルミトイル、オレオイル、リノレオイル、およびリノレノイル;および2−アミノアシル;を含む。一つの実施態様では、R−C(O)は、ベンゾイル、p−ニトロベンゾイル、p−アニソイル、p−トルイル、またはアセチルである。
【0057】
一つの実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、14−(アセチル)ナルメフィン、3−(アセチル)ナルブフィン、6−(アセチル)ナルブフィン、または14−(アセチル)ナブフィン、もしくは薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0058】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(フェニルアセチル)シクラゾシン、3−(フェニルアセチル)ナロキソン、14−(フェニルアセチ)ルナロキソン、3−(フェニルアセチル)ナルトレクソン、14−(フェニルアセチル)ナルトレクソン、3−(フェニルアセチル)レバロルファン、3−(フェニルアセチル)ナルメフェン、14−(フェニルアセチル)ナルメフェン、3−(フェニルアセチル)ナルブフィン、6−(フェニルアセチル)ナルブフィン、14−(フェニルアセチル)ナルブフィン、6−(フェニルアセチル)ナロルフィン、3−(フェニルアセチル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0059】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(タルタリル)シクラゾシン、3−(タルタリル)ナロキソン、14−(タルタリル)ナロキソン、3−(タルタリル)ナルトレクソン、14−(タルタリル)ナルトレクソン、3−(タルタリル)レバロルファン、3−(タルタリル)ナルメフェン、14−(タルタリル)ナルメフェン、3−(タルタリル)ナルブフィン、6−(タルタリル)ナルブフィン、14−(タルタリル)ナルブフィン、6−(タルタリル)ナロルフィン、3−(タルタリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0060】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(プロピオニル)シクラゾシン、3−(プロピオニル)ナロキソン、14−(プロピオニル)ナロキソン、3−(プロピオニル)ナルトレクソン、14−(プロピオニル)ナルトレクソン、3−(プロピオニル)ナルメフェン、14−(プロピオニル)ナルメフェン、6−(プロピオニル)ナルブフィン、14−(プロピオニル)ナルブフィン、6−(プロピオニル)ナロルフィン、3−(プロピオニル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0061】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(1−グルタミル)シクラゾシン、3−(1−グルタミル)ナロキソン、14−(1−グルタミル)ナロキソン、3−(1−グルタミル)ナルトレクソン、14−(1−グルタミル)ナルトレクソン、3−(1−グルタミル)レバロルファン、3−(1−グルタミル)ナルメフェン、14−(1−グルタミル)ナルメフェン、3−(1−グルタミル)ナルブフィン、6−(1−グルタミル)ナルブフィン、14−(1−グルタミル)ナルブフィン、6−(1−グルタミル)ナロルフィン、3−(1−グルタミル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0062】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(5−グルタミル)シクラゾシン、3−(5−グルタミル)ナロキソン、14−(5−グルタミル)ナロキソン、3−(5−グルタミル)ナルトレクソン、14−(5−グルタミル)ナルトレクソン、3−(5−グルタミル)レバロルファン、3−(5−グルタミル)ナルメフェン、14−(5−グルタミル)ナルメフェン、3−(5−グルタミル)ナルブフィン、6−(5−グルタミル)ナルブフィン、14−(5−グルタミル)ナルブフィン、6−(5−グルタミル)ナロルフィン、3−(5−グルタミル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0063】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの6−または14−ヒドロキシル基、もしくはナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成される、場合によってはC1−C3アルキル基、−NO2、−ハロゲン、−OH、または−O(C1−C3アルキル)で置換されたベンゾイルエステル、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0064】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(スクシニル)シクラゾシン、3−(スクシニル)ナロキソン、14−(スクシニル)ナロキソン、3−(スクシニル)ナルトレクソン、14−(スクシニル)ナルトレクソン、3−(スクシニル)レバロルファン、3−(スクシニル)ナルメフェン、14−(スクシニル)ナルメフェン、3−(スクシニル)ナルブフィン、6−(スクシニル)ナルブフィン、14−(スクシニル)ナルブフィン、6−(スクシニル)ナロルフィン、3−(スクシニル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0065】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(4−ヒドロキシブチリル)シクラゾシン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナロキソン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナロキソン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルトレクソン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルトレクソン、3−(4−ヒドロキシブチリル)レバロルファン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルメフェン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルメフェン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、6−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、6−(4−ヒドロキシブチリル)ナロルフィン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0066】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(グリコリル)シクラゾシン、3−(グリコリル)ナロキソン、14−(グリコリル)ナロキソン、3−(グリコリル)ナルトレクソン、14−(グリコリル)ナルトレクソン、3−(グリコリル)レバロルファン、3−(グリコリル)ナルメフェン、14−(グリコリル)ナルメフェン、3−(グリコリル)ナルブフィン、6−(グリコリル)ナルブフィン、14−(グリコリル)ナルブフィン、6−(グリコリル)ナロルフィン、3−(グリコリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0067】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(ラクチル)シクラゾシン、3−(ラクチル)ナロキソン、14−(ラクチル)ナロキソン、3−(ラクチル)ナルトレクソン、14−(ラクチル)ナルトレクソン、3−(ラクチル)レバロルファン、3−(ラクチル)ナルメフェン、14−(ラクチル)ナルメフェン、3−(ラクチル)ナルブフィン、6−(ラクチル)ナルブフィン、14−(ラクチル)ナルブフィン、6−(ラクチル)ナロルフィン、3−(ラクチル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0068】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(1−アスパルチル)シクラゾシン、3−(1−アスパルチル)ナロキソン、14−(1−アスパルチル)ナロキソン、3−(1−アスパルチル)ナルトレクソン、14−(1−アスパルチル)ナルトレクソン、3−(1−アスパルチル)レバロルファン、3−(1−アスパルチル)ナルメフェン、14−(1−アスパルチル)ナルメフェン、3−(1−アスパルチル)ナルブフィン、6−(1−アスパルチル)ナルブフィン、14−(1−アスパルチル)ナルブフィン、6−(1−アスパルチル)ナロルフィン、3−(1−アスパルチル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0069】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(4−アスパルチル)シクラゾシン、3−(4−アスパルチル)ナロキソン、14−(4−アスパルチル)ナロキソン、3−(4−アスパルチル)ナルトレクソン、14−(4−アスパルチル)ナルトレクソン、3−(4−アスパルチル)レバロルファン、3−(4−アスパルチル)ナルメフェン、14−(4−アスパルチル)ナルメフェン、3−(4−アスパルチル)ナルブフィン、6−(4−アスパルチル)ナルブフィン、14−(4−アスパルチル)ナルブフィン、6−(4−アスパルチル)ナロルフィン、3−(4−アスパルチル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0070】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(スルファニリル)シクラゾシン、3−(スルファニリル)ナロキソン、14−(スルファニリル)ナロキソン、3−(スルファニリル)ナルトレクソン、14−(スルファニリル)ナルトレクソン、3−(スルファニリル)レバロルファン、3−(スルファニリル)ナルメフェン、14−(スルファニリル)ナルメフェン、3−(スルファニリル)ナルブフィン、6−(スルファニリル)ナルブフィン、14−(スルファニリル)ナルブフィン、6−(スルファニリル)ナロルフィン、3−(スルファニリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0071】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(フマリル)シクラゾシン、3−(フマリル)ナロキソン、14−(フマリル)ナロキソン、3−(フマリル)ナルトレクソン、14−(フマリル)ナルトレクソン、3−(フマリル)レバロルファン、3−(フマリル)ナルメフェン、14−(フマリル)ナルメフェン、3−(フマリル)ナルブフィン、6−(フマリル)ナルブフィン、14−(フマリル)ナルブフィン、6−(フマリル)ナロルフィン、3−(フマリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0072】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(パモイル)シクラゾシン、3−(パモイル)ナロキソン、14−(パモイル)ナロキソン、3−(パモイル)ナルトレクソン、14−(パモイル)ナルトレクソン、3−(パモイル)レバロルファン、3−(パモイル)ナルメフェン、14−(パモイル)ナルメフェン、3−(パモイル)ナルブフィン、6−(パモイル)ナルブフィン、14−(パモイル)ナルブフィン、6−(パモイル)ナロルフィン、3−(パモイル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0073】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(1−マリル)シクラゾシン、3−(1−マリル)ナロキソン、14−(1−マリル)ナロキソン、3−(1−マリル)ナルトレクソン、14−(1−マリル)ナルトレクソン、3−(1−マリル)レバロルファン、3−(1−マリル)ナルメフェン、14−(1−マリル)ナルメフェン、3−(1−マリル)ナルブフィン、6−(1−マリル)ナルブフィン、14−(1−マリル)ナルブフィン、6−(1−マリル)ナロルフィン、3−(1−マリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0074】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(4−マリル)シクラゾシン、3−(4−マリル)ナロキソン、14−(4−マリル)ナロキソン、3−(4−マリル)ナルトレクソン、14−(4−マリル)ナルトレクソン、3−(4−マリル)レバロルファン、3−(4−マリル)ナルメフェン、14−(4−マリル)ナルメフェン、3−(4−マリル)ナルブフィン、6−(4−マリル)ナルブフィン、14−(4−マリル)ナルブフィン、6−(4−マリル)ナロルフィン、3−(4−マリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0075】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(マレイル)シクラゾシン、3−(マレイル)ナロキソン、14−(マレイル)ナロキソン、3−(マレイル)ナルトレクソン、14−(マレイル)ナルトレクソン、3−(マレイル)レバロルファン、3−(マレイル)ナルメフェン、14−(マレイル)ナルメフェン、3−(マレイル)ナルブフィン、6−(マレイル)ナルブフィン、14−(マレイル)ナルブフィン、6−(マレイル)ナロルフィン、3−(マレイル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0076】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)シクラゾシン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)レバロルファン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0077】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)シクラゾシン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)レバロルファン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0078】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(p−トルエンスルホニル)シクラゾシン、3−(p−トルエンスルホニル)ナロキソン、14−(p−トルエンスルホニル)ナロキソン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルトレクソン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルトレクソン、3−(p−トルエンスルホニル)レバロルファン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルメフェン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルメフェン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、6−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、6−(p−トルエンスルホニル)ナロルフィン、3−(p−トルエンスルホニル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0079】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、8−(ステアリル)シクラゾシン、3−(ステアリル)ナロキソン、14−(ステアリル)ナロキソン、3−(ステアリル)ナルトレクソン、14−(ステアリル)ナルトレクソン、3−(ステアリル)レバロルファン、3−(ステアリル)ナルメフェン、14−(ステアリル)ナルメフェン、3−(ステアリル)ナルブフィン、6−(ステアリル)ナルブフィン、14−(ステアリル)ナルブフィン、6−(ステアリル)ナロルフィン、3−(ステアリル)ナロルフィン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0080】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、3−(マロニル)ナロキソン、14−(マロニル)ナロキソン、3−(マロニル)ナルトレクソン、14−(マロニル)ナルトレクソン、3−(マロニル)ナルメフェン、14−(マロニル)ナルメフェン、3−(マロニル)ナルブフィン、6−(マロニル)ナルブフィン、14−(マロニル)ナルブフィン、3−(マロニル)ナロオルフィン、6−(マロニル)−ナロルフィン、8−(マロニル)−シクラゾシン、3−(マロニル)−レバロルファン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0081】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、3−(グルクロニル)ナロキソン、14−(グルクロニル)ナロキソン、3−(グルクロニル)ナルトレクソン、14−(グルクロニル)ナルトレクソン、3−(グルクロニル)ナルメフェン、14−(グルクロニル)ナルメフェン、3−(グルクロニル)ナルブフィン、6−(グルクロニル)ナルブフィン、14−(グルクロニル)ナルブフィン、3−(グルクロニル)ナロオルフィン、6−(グルクロニル)−ナロルフィン、8−(グルクロニル)−シクラゾシン、3−(グルクロニル)−レバロルファン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0082】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの3−または14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの3−、6−、または14−ヒドロキシル基、もしくはナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成されるα−アミノ酸のエステル、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0083】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの3−または14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの3−、6−、または14−ヒドロキシル基、もしくはナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成されるC5−C6ジカルボン酸のモノエステル、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0084】
別の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬は、3−(1−(2,2−ジメチルスクシニル))ナルトレクソン、3−(4−(2,2−ジメチルスクシニル))ナルトレクソン、14−(1−(2,2−ジメチルスクシニル))ナルトレクソン、14−(4−(2,2−ジメチルスクシニル))ナルトレクソン、3−(3,3−ジメチルグルタミル)ナルトレクソン、14−(3,3−ジメチルグルタミル)ナルトレクソン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である。
【0085】
理論によって拘束されることを願うものではないが、特定の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の物理化学的な特性のため、または、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩に比べ、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩のサイズが大きくなっているため、皮膚に浸透しないか、もしくは、浸透する場合には、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で浸透するものと確信される。また、理論によって拘束されることを願うものではないが、特定の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の物理化学的な特性のため、または、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩に比べ、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩のサイズが大きくなっているため、経皮的送給装置の速度制御膜をしみ通らないか、もしくは、浸透する場合には、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で浸透するものと確信される。更に、理論によって拘束されることを願うものではないが、特定の実施態様では、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、そのエステルがポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスに高度に可溶性であるため、もしくは、そのエステルがポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスに対して高い親和性を有しているため、経皮的送給装置のポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスから拡散しないか、もしくは、拡散する場合には、そのオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の鎮痛効果を抑制するには不充分な量で拡散するものと確信される。当業者は、ある与えられたアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩がそこから拡散しないようなポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスを選択する方法を知っている。理論によって拘束されるものではないが、本出願人らは、また、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩に比べ、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の分子量が大きくなっていることが、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の皮膚に浸透する能力を制限しているものと確信している。
【0086】
一つの実施態様では、そのアシルオピオイド拮抗薬は、オピオイド拮抗薬と浸透促進剤の機能を含んでいる。この実施態様では、R−C(O)OHは浸透促進剤であり、そして、R−C(O)は、その浸透促進剤のカルボキシル基のうちの1つのカルボキシル基の−OH基を差し引いた浸透促進剤である。カルボキシル基を有する浸透促進剤の例は、これらに限定するものではないが、飽和脂肪酸、例えばヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ミリスチン酸、およびラウリン酸など;モノ不飽和脂肪酸、例えばcis−オクタデカン(ペトロセリン)酸、cis−9−オクタデカン(オレイン)酸、cis−11−オクタデカン(バクセン)酸、およびcis−13−オクタデカン酸など;ポリ不飽和脂肪酸、例えばリノール酸(すべてcis9,12−オクタデカン酸)、リノレン酸(すべてcis9,12,15−オクタデカン酸)、およびアラキドン酸(すべてcis5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)など;を含む(例えば、参照して特にそれらの開示が本明細書に組み込まれる、H.TanjoおよびH.E.Jungingerによる「脂肪酸による皮膚浸透促進(Skin Permeation Enhancement by Fatty Acids)」(J.Dispersion Science and Technology、20(1&2):127−138(1999年))、および米国特許第4,626,539号を参照のこと)。
【0087】
理論によって拘束されることを願うものではないが、また、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が、例えばある人物が経皮的送給装置のオピオイド成分を抽出または乱用しようとしている結果として、加水分解されたときには、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩と浸透促進剤がもたらされ、その浸透促進剤が、前述のオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の浸透性を増大させ、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の能力を高めることも確信される。
【0088】
別の実施態様では、その経皮的送給装置はポリマーマトリックス型経皮的送給装置または薬剤含有粘着剤型経皮的送給装置であって、アシルオピオド拮抗薬のA−O−部分がそのポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスのカルボン酸官能基とアシル結合を形成している。このケースでは、そのポリマーマトリックスまたは粘着剤マトリックスは、典型的にはポリアクリレートマトリックスである。一つの実施態様では、ポリアクリル酸またはポリアクリレートモノマーがアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩と共重合されており、ここで、そのアシルオピオイド拮抗薬のアシル基はアクリロイル基である(例えば、参照してその開示が本明細書に組み込まれる、H.S.TanおよびW.R.Pfisterによる「経皮的薬剤送給システムのための感圧性粘着剤(Pressure Sensitive Adhesives for Transdermal Drug Delivery Systems)」(PSTT、2(2):60−69(1999年2月))を参照のこと)。
【0089】
別の実施態様では、R−C(O)OHは栄養酸であり、R−C(O)Oは、その栄養酸のカルボキシル基のうちの1つのカルボキシル基の−OH基を差し引いた栄養酸である。1つもしくはそれ以上のカルボキシル基を有する栄養酸の例は、これらに限定するものではないが、アミノ酸;脂肪酸;またはアルドン酸、即ち、そのホルミル基がカルボン酸基で置換されているアルドース;を含む。
【0090】
経皮的送給装置に存在し、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するのに充分なアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の量は、その特定のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩に依存するであろう。典型的には、本経皮的送給装置におけるアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩とオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とのモル比は、約1:16から約3:1までの範囲であり;一つの実施態様では約1:10から約2:1までの範囲であり;別の実施態様では約1:5から約1:1までの範囲であり;そして、別の実施態様では約1:3から約1:1までの範囲である。当業者であれば、特定の適用で必要となるアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の量を容易に決定することができる。
【0091】
アシルオピオイド拮抗薬の合成
アシルオピオイド拮抗薬は、通常の有機合成法を用いて、または、次の反応図式で示されている以下の例証的な方法により得ることができる:
【化12】

式中、
A−OHはオピオイド拮抗薬であり、
Xは脱離基であり、そして
R−C(O)は上で定義されている。
【0092】
アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の−OH(ヒドロキシル)基をエステル化することにより得ることができる。A−OHは、塩基の存在下における酸ハロゲン(この場合、X=ハロゲン)との反応を介してエステル化することができる。一つの実施態様では、その酸ハロゲンは酸クロリドである。その反応は、水性または非水性溶媒中において実行することができる。適切な非水性溶媒は、これらに限定するものではないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホルム、炭素テトラクロリド、およびジクロロメタンを含む。その塩基は、無機塩基、例えばNaHCO3など、または有機アミンであってよい。一つの実施態様では、その有機アミンは第三級有機アミンである。別の実施態様では、その有機アミンはピリジンまたはトリエチルアミンである。アルコールまたはフェノールと酸ハロゲンからエステルを形成するための方法は当業者に広く知られており、参照して特にその開示が本明細書に組み込まれる、J.Marchによる「上級有機化学、反応機構および構造(Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure)」第4版、John Wiley & Sons、NY、1992年、392頁に記載されている。
【0093】
また、A−OHは、酸無水物(この場合、X=R−C(O)O)との反応を介してエステル化することもできる。この反応は、典型的には、プロトン酸、ルイス酸、または塩基触媒の存在下における非プロトン性溶媒、例えば上述のもののうちの1つの溶媒中において実行される。一つの実施態様では、その触媒は有機アミンである。一つの実施態様では、その有機アミンはピリジンまたは4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンである。一つの適切な非塩基性触媒はコバルト(II)クロリドである。アルコールまたはフェノールと酸無水物からエステルを形成するための方法は当業者に広く知られており、参照して特にその開示が本明細書に組み込まれる、J.Marchによる「上級有機化学、反応機構および構造(Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure)」第4版、John Wiley & Sons、NY、1992年、392−393頁に記載されている。
【0094】
また、A−OHは、脱水剤の存在下における上述のものの如き非プロトン性溶媒中でのカルボン酸との反応を介してエステル化することもできる。適切な脱水剤は、これらに限定するものではないが、ジシクロヘキシルカルボジミド、アルキルクロロホルメートとトリエチルアミン、ピリジニウム塩−Bu3N、フェニルジクロロホスファート(PhOPOCl2)、ジシクロヘキシルカルボジミドとアミノピリジン、2−クロロ−1,3,5−トリニトロベンゼンとピリジン、ジ−2−ピリジルカルボネート、ポリスチリルジフェニルホスフィン、(トリメチルシリル)エトキシアセチレン、1,1’−カルボニルビス(3−メチルイミダゾリウム)トリフレート、アンバーリスト−157、ジエチルアゾジカルボキシレート(EtOOCN=NCOOEt)とPh3P、クロロスルホニルイソシアネート(ClSO2NCO)、クロロシラン、MeSO2Cl−Et3N、Ph3P−CCl4−Et3N、およびN,N’−カルボニルジイミダゾールを含む。アルコールまたはフェノールとカルボン酸からエステルを形成するための方法は当業者に広く知られており、参照して特にその開示が本明細書に組み込まれる、J.Marchによる「上級有機化学、反応機構および構造(Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure)」第4版、John Wiley & Sons、NY、1992年、393−396頁に記載されている。
【0095】
一度形成されると、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、その反応生成物を有機相と水性相との間で分配され、その有機相を乾燥させ(例えば、無水マグネシウムサルフェートまたは無水ナトリウムサルフェートを用いて)、そして、それを典型的には減圧下において濃縮して化学反応混合物から単離することにより、アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を得ることができる。その後、そのアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩は、当業者に広く知られている通常の技術、例えば、これらに限定するものではないが、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、再結晶化法、及び/又は蒸留法を含む通常の技術により、更に精製することができる。
【0096】
酸ハロゲンを調製するための方法は当業者に広く知られており、J.Marchによる「上級有機化学、反応機構および構造(Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure)」第4版、John Wiley & Sons、NY、1992年、437−8頁に記載されている。例えば、酸ハロゲンは、カルボン酸をチオニルクロリド、ブロミド、またはヨウ化物と反応させることにより調製することができる。また、酸クロリドおよびブロミドは、カルボン酸を、それぞれ、リントリクロリドまたはリントリブロミドと反応させることによっても調製することができる。更に、酸クロリドは、カルボン酸を炭素テトラクロリド中においてPh3Pと反応させることによっても調製することができる。酸フルオリドは、カルボン酸をシアヌル酸フルオリドと反応させることにより調製することができる。
【0097】
酸無水物を調製するための方法は当業者に広く知られており、参照して特にその開示が本明細書に組み込まれる、J.Marchによる「上級有機化学、反応機構および構造(Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure)」第4版、John Wiley & Sons、NY、1992年、400−402頁に記載されている。例えば、酸無水物は、酸クロリドをカルボン酸塩、典型的にはナトリウム、カリウム、または銀塩と、典型的には非プロトン性溶媒中において反応させることにより調製することができる。一つの実施態様では、その反応はピリジンの存在下において実行される。また、酸無水物は、2当量のカルボン酸、RCOOHを、脱水剤の存在下において、非プロトン性溶媒中で反応させることによっても調製することができる。適切な脱水剤は、これらに限定するものではないが、酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド、メトキシアセチレン、P25、トリメチルシリルエトキシアセチレン、Me3SiC≡COEt、およびテトラシアノエチレン、並びに塩基を含む。
【0098】
オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩が1つより多くのヒドロキシル基を有しているときには、それらのうちの1つのヒドロキシル基を選択的にエステル化することができる。それらのうちの1つのヒドロキシル基が他のヒドロキシル基よりも反応性が高い場合には、約1当量のオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を約1当量の酸クロリドまたは無水物と反応させることにより、その反応性の高いヒドロキシル基を選択的にエステル化することができる。例えば、それらのうちの1つのヒドロキシル基がフェノール系のヒドロキシルであって、その他のヒドロキシルが非フェノール系である場合には、そのフェノール系のヒドロキシルを脱プロトン化することによって、より反応性の高いフェノキシドイオンをもたらすことにより、そのフェノール系のヒドロキシルの反応性を高めることができる。その後、そのフェノキシドイオンは、約1当量の酸クロリドまたは酸無水物を用いて選択的にエステル化される。そのフェノール系のヒドロキシルは、1当量の塩基、例えばメタノールまたはナトリウムヒドリド中のリチウムメトキシドと反応させることにより、容易に脱プロトン化することができる。
【0099】
反応性の低いヒドロキシル基は、先ず、反応性の高いヒドロキシル基を保護基と反応させ、その反応性の低いヒドロキシル基をエステル化し、その後、その保護基を取り除くことにより、選択的にエステル化することができる。例えば、オピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩がフェノール系のヒドロキシルと非フェノール系のヒドロキシルを有している場合には、先ず、フェノール系のヒドロキシルを脱プロトン化して、より反応性の高いフェノキシドイオンをもたらし;そのフェノキシドイオンを保護基と反応させて、保護されたオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を生成し;その保護されたオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩の残りのヒドロキシルをエステル化し;その後、その保護基を取り除くことにより、非フェノール系のヒドロキシルを選択的にエステル化することができる。適切な保護基は、これらに限定するものではないが、ベンジルエーテル、トリメチルシリルエーテル、イソプロピルジメチルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテル、t−ブチルジフェニルシリルエーテル、トリベンジルシリルエーテル、およびトリイソプロピルシリルエーテルを含む(例えば、T.W.Greeneによる「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(John Wiley-Interscience Publication、New York、(1981年))を参照のこと)。
【0100】
R−C(O)がグルクロニルであるアシルオピオイド拮抗薬は、O−グルコノリディック(gluconoridic)エステルを形成するためのあらゆる既知の方法もしくは後に開発される方法により調製することができる。代表的な方法は、これらに限定するものではないが、BoweringおよびTimellによるJ.Amer.Chem.Soc.、82:2827、2829(1960年);GoebelらによるJ.Biol.Chem.、106:63、65(1934年);LeuらによるJ.Med.Chem.、42:18、3623-28(1999年)、およびJuteauらによるTett.Lett.、38(9)1481-4(1997年)に記載されている方法を含む。
【0101】
疼痛を治療または予防する方法
本発明によれば、疼痛を治療または予防するため、本発明の経皮的送給装置を用いて、患者に、一つの実施態様では哺乳動物に、別の実施態様ではヒトに、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩を投与することができる。本経皮的送給装置は、急性または慢性の疼痛を治療または予防するために使用することができる。例えば、本経皮的送給装置は、これらに限定するものではないが、癌性疼痛、中枢性疼痛、陣痛、心筋梗塞性疼痛、膵臓痛、仙痛、術後性疼痛、頭痛、筋肉痛、骨痛、および高度ケアに関連した疼痛を治療または予防するために使用することができる。
【0102】
本発明の方法によれば、経皮的送給装置が患者の皮膚と接触させられ、そして、オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩が、その経皮的送給装置により放出され、患者の皮膚を通じて吸収されることとなる。一旦吸収されると、そのオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩は、患者の循環系に入り、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩がもたらされる。一つの実施態様では、その経皮的送給装置は、約12時間から約2週間までの間、患者の皮膚と接触させられる。別の実施態様では、その経皮的送給装置は、約24時間から約1週間までの間、患者の皮膚と接触させられる。別の実施態様では、その経皮的送給装置は、約3日間から約1週間までの間、患者の皮膚と接触させられる。本経皮的送給装置は、鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の持効的および連続的な送給をもたらすことができる。一つの実施態様では、本発明の経皮的送給装置は、患者の血流中におけるオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩のレベルを、約16時間から約7日間の間、一つの実施態様では約16時間から約72時間までの間、そして別の実施態様では少なくとも約24時間の間、血漿1ミリリットル当たり約0.1ナノグラムから約100ナノグラムまでの間のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の濃度に維持する。
【0103】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるべく開示されるものであり、勿論のことながら、ここで説明され、且つ、特許請求されている本発明を限定的に制限するものとして解釈すべきではない。当業者の理解し得る範囲内であると考えられる現在既知のすべての同等物または後に開発されるすべての同等物による置換、および、組成の変更または実験設計のマイナーチェンジを含めた本発明のそのような変形態様は、ここに開示されている本発明の範囲内に収まるべく意図されている。
【実施例1】
【0104】
3−(p−アニソイルナルトレクソン)の合成
【化13】

マグネティックスターラーを備えた2リットル用の三つ口フラスコに、20gのナルトレクソンHClと1.6リットルの10%NaHCO3を入れた。その混合物を70℃に設定された油浴に入れ、機械的に攪拌した。この混合物に、付加用漏斗を介して速い速度で32mlのp−アニソイルクロリドを滴下させながら加えた。その反応は薄層クロマトグラフィー(TLC)(Rf=0.5、2.5%NH3:MeOH/CH2Cl2)を用いてモニタリングされ、0.5時間後に完了した。攪拌を停止し、反応混合物を静置することにより半固体の沈殿物が形成され、その沈殿物から水性相をデカントした。その後、その沈殿物を500mlのCH2Cl2中に溶解した。結果として得られた有機層をブラインで洗い、その有機層をブラインから分離し、乾燥(Na2SO4)させた。その有機層を減圧下において濃縮することにより、ゼラチン状の残物が得られた。そのゼラチン状の残物を30%ヘキサン/CH2Cl2中に溶解し、200gのシリカゲルが充填されたカラムに加えた。その後、そのカラムを、1リットルの30%ヘキサン/CH2Cl2、500mlのCH2Cl2、および1500mlの2%NH3:MeOH/CH2Cl2を用いる段階的な溶出により溶出した。3−(p−アニソイルナルトレクソン)を含むフラクションを合わせ、それらの溶媒フラクションを濃縮することにより粘性のオイルを得た。その粘性オイルに300mlのEt2Oを加えることにより沈殿物が生じ、その沈殿物を真空濾過により単離し、高真空下で一晩乾燥させることにより、白色の固体として10.8gの3−(p−アニソイルナルトレクソン)が得られた。その生成物の同定は、エレクトロスプレー質量分析法(ES/MS)を用いて確認された。ES/MS:予測値475.5、実測値476.2[M+H]+、508[M+33]+、514.2[M+K]+。高圧液体クロマトグラフィーによるその生成物の分析は、単一の大きなピーク(全ピーク面積の97%)を示した。
【0105】
3−(p−アニソイルナルトレクソン)は、その3−(p−アニソイルナルトレクソン)を非プロトン性溶媒中に溶解し、結果として生じた溶液中に気体塩酸をバブリングして3−(p−アニソイルナルトレクソン)ヒドロクロリドの沈殿物を生成し、濾過によりその3−(p−アニソイルナルトレクソン)ヒドロクロリドを収集することにより、3−(p−アニソイルナルトレクソン)ヒドロクロリドに変換される。
【実施例2】
【0106】
3−パルミトイルナルトレクソンの合成
【化14】

機械的なスターラーを備えた2リットル用の三つ口フラスコに、10.8gのナルトレクソンHCl、770mlの10%NaHCO3、50mlのCH2Cl2を入れ、その後、19.8gのパルミチン酸無水物を入れた。結果として生じたその反応混合物を室温で一晩攪拌することにより、懸濁した固体を得た。真空濾過を用いてその懸濁した固体を単離した後、その単離された固体を500mlのCH2Cl2中に溶解し、ブラインで洗った。そのCH2Cl2層をブラインから分離し、乾燥(Na2SO4)させた。CH2Cl2を蒸発させることにより半固体が得られた。その半固体をCH2Cl2中に溶解し、225gのシリカゲルが充填されたカラムに加えた。そのカラムを、1リットルのCH2Cl2、続いて2リットルの2%MeOH:NH3/CH2Cl2を用いる段階的な溶出によって溶出した。3−パルミトイルナルトレクソンを含むフラクションを合わせ、それらのフラクションを減圧下で濃縮することにより、15gの黄色いオイルが得られ、そのオイルは、TLC(Rf=0.5、2.5%MeOH:NH3/CH2Cl2)により、本質的に純粋であった。その黄色いオイルに100mlのEt2Oを加えた。結果として生じたその溶液を一晩フリーザーに入れることにより、白色で軟質のグリース状固体が得られ、その固体は、母液をデカントし、過剰な溶媒を蒸発させることにより単離された。その後、結果として生じたその白色の固体を高真空下で3時間乾燥させることにより、11.2gの3−パルミトイルナルトレクソンが得られ、その同定は、エレクトロスプレー質量分析法、および、炭素、水素、並びに窒素に対する元素分析を用いて確認された。ES/MS:予測値579.8、実測値580.4[M+H]+、612.6[M+33]+。元素分析:理論値C:74.57、H:9.21、N:2.42;実測値C:74.60、H:9.31、N:2.30。その生成物の高圧液体クロマトグラフィーによる分析は、単一の大きなピーク(全ピーク面積の99%)を示した。
【0107】
3−パルミトイルナルトレクソンは、その3−パルミトイルナルトレクソンを非プロトン性溶媒中に溶解し、結果として生じた溶液中に気体塩酸をバブリングして3−パルミトイルナルトレクソンヒドロクロリドの沈殿物を生成し、濾過によりその3−パルミトイルナルトレクソンヒドロクロリドを収集することにより、3−パルミトイルナルトレクソンヒドロクロリドに変換される。
【実施例3】
【0108】
3−(p−ニトロベンゾイル)ナルトレクソン、3−(ベンゾイル)ナルトレクソン、3−(p−トルイル)ナルトレクソン、および3−(アセチル)ナルトレクソンの合成
3−(p−ニトロベンゾイル)ナルトレクソン、3−(ベンゾイル)ナルトレクソン、3−(p−トルイル)ナルトレクソン、および3−(アセチル)ナルトレクソンは、実施例1で使用したp−アニソイルクロリドを、それぞれ、相当する当量のp−ニトロベンゾイルクロリド、ベンゾイルクロリド、p−トルイルクロリド、またはアセチルクロリドで置き換える点を除き、実施例1において上で説明されている手順により生成される。3−(p−ニトロベンゾイル)ナルトレクソン、3−(ベンゾイル)ナルトレクソン、3−(p−トルイル)ナルトレクソン、および3−(アセチル)ナルトレクソンのヒドロクロリド塩も、実施例1において上で説明されている手順により生成される。
【実施例4】
【0109】
不正使用防止機能付き経皮的送給装置
以下の組成を有する混合物から水性ゲルを調製する:

成分 重量百分率
エタノール 22.1
ヒドロキシエチルセルロース 1.9
フェンタニル(無水) 1.0
実施例1、2、または3から得られる
アシルオピオイド拮抗薬(無水) 20.0
水 バランス量
【0110】
約10cm2の薬剤放出面積を有するレザバー型の経皮的送給装置は、アルミナイズされたポリエステル/エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)フィルム(Scotchpak 1018、3M Corporationから入手可能)から形成された不透過性の裏当てと、速度制御膜、2ミルのエチルビニルアセテート(EVA)(9%のビニルアセテート(VA))、1.8ミルのアミン抵抗性シリコーン粘着剤(Dow Corning X7920)、およびフルオロカーボン被覆ポリエチレンテレフタレート剥離ライナー(Scotchpak 1022、3M Corporationから入手可能)を含む多層ラミネートフィルムとの間に、上述のゲルを約15mg/cm2のゲル負荷率で回転式ヒートシール機内においてパウチング(pouching)することにより製作される。この経皮的送給装置は、患者の疼痛を治療または予防するのに有用である。
【実施例5】
【0111】
不正使用防止機能付き経皮的送給装置
以下の組成を有する混合物から水性ゲルを調製する:

成分 重量百分
範囲 好適値
エタノール 20-90 75
ヒドロキシエチルセルロース 0.25-5 1.9
オキシコドン(無水) 1-25 15
実施例1、2、または3から得られる
アシルオピオイド拮抗薬(無水) 1-25 5
水 バランス量 バランス量
【0112】
この経皮的送給装置は、実施例4で使用したゲルを本実施例のゲルで置き換える点を除き、実施例4において上で説明されている手順により製作される。この経皮的送給装置は、患者の疼痛を治療または予防するのに有用である。
【実施例6】
【0113】
疼痛を治療または予防するための方法
実施例4または5の経皮的送給装置を患者の皮膚と約24時間接触させ、その患者の疼痛を治療する。
【0114】
本発明は、実施例で開示されている特定の実施態様による範囲に制限されるものではなく、それらの実施態様は本発明の幾つかの態様の例証として意図されたものであり、機能的に同等なあらゆる実施態様は本発明の範囲内である。実際、ここで開示され、説明されている態様に加え、当業者にとっては、本発明の様々な変更態様が明らかになるであろうが、それらの変更態様は、添付の特許請求項の範囲内に収まるべく意図されている。
【0115】
数多くの参考文献を引用してきたが、それらの開示全体が参照して本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1は、レザバー型経皮的送給装置の概略的な横断面図である。
【図2】図2は、ポリマーマトリックス型経皮的送給装置の概略的な横断面図である。
【図3】図3は、薬剤含有粘着剤型経皮的送給装置の概略的な横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮的送給装置であって:
鎮痛効果的に有効量のオピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩;および
上記オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の陶酔効果を抑制するのに充分な量のアシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩;
を含む経皮的送給装置。
【請求項2】
上記オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩の量が約0.1mgから約500mgまでであり、そして、上記アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩と前記オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩とのモル比が約1:16から約3:1までである、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項3】
当該経皮的送給装置が、前記オピオイドまたは薬剤学的に許容可能なその塩および前記アシルオピオイド拮抗薬または薬剤学的に許容可能なその塩を含有したレザバーを含む、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項4】
更に、上記レザバーに隣接した膜を含む、請求項3に記載の経皮的送給装置。
【請求項5】
当該経皮的送給装置がポリマーマトリックス型の経皮的送給装置である、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項6】
当該経皮的送給装置が薬剤含有粘着剤型の経皮的送給装置である、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項7】
前記オピオイドが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルフォン、ジヒドロイソモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロモルフォドン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パントポン、パパベレタム、パレゴリック、ペンタゾシン、フェナドクソン、フェンジメトラジン、フェンジメトラゾン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、プロピルヘキセドリン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩からなるグループから選択される、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項8】
上記オピオイドがオキシコドンまたは薬剤学的に許容可能なその塩である、請求項7に記載の経皮的送給装置。
【請求項9】
上記オピオイドがヒドロコドンまたは薬剤学的に許容可能なその塩である、請求項7に記載の経皮的送給装置。
【請求項10】
上記オピオイドがフェンタニルまたは薬剤学的に許容可能なその塩である、請求項7に記載の経皮的送給装置。
【請求項11】
上記オピオイドがブプレノルフィンまたは薬剤学的に許容可能なその塩である、請求項7に記載の経皮的送給装置。
【請求項12】
前記オピオイド拮抗薬が、シクラゾシン、ナロキソン、ナルトレクソン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナロルフィン、シクラザシン、レバロルファン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩からなるグループから選択される、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項13】
上記オピオイド拮抗薬が、ナロキソン、ナルトレクソン、ナルメフェン、または薬剤学的に許容可能なそれらの塩である、請求項12に記載の経皮的送給装置。
【請求項14】
前記アシルが、(C1−C6)−C(O);フェニルアセチル;タルタリル;グルタミル;スクシニル;ベンゾイル(該ベンゾイルは、置換されていなくてもよいし、もしくは、1つもしくはそれ以上のC1−C3アルキル、−CF3、−NO2、−ハロゲン、または−O(C1−C3アルキル)基で置換されていてもよい);4−ヒドロキシブチリル;グリコリル;ラクチル;アスパルチル;スルファニリル;シトリル;フマリル;パモイル;マリル;マレイル;ヒドロキシマレイル;p−トルエンスルホニル;ステラリル;HOC(O)−R’−C(O)(式中、R’はC3−C4アルキル基である);C8−C15アルカノイル;C8−C18アルケノイル;および2−アミノアシル;からなるグループから選択される、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項15】
上記アシルがHOC(O)−R’−C(O)(式中、R’はC3−C4アルキル基である)である、請求項14に記載の経皮的送給装置。
【請求項16】
上記アシルが、α−アミノ酸、脂肪酸、またはアルドン酸であって、それぞれが1つもしくはそれ以上のカルボキシル基を有していて、該酸のカルボキシル基のうちの1つのカルボキシル基のヒドロキシル基が差し引かれているα−アミノ酸、脂肪酸、またはアルドン酸である、請求項1に記載の経皮的送給装置。
【請求項17】
上記アシルが、脂肪酸であって、該脂肪酸のカルボキシル基のうちの1つのカルボキシル基のヒドロキシル基が差し引かれている脂肪酸である、請求項16に記載の経皮的送給装置。
【請求項18】
患者の疼痛を治療または予防するための方法であって、当該方法が、治療または予防を必要としている患者の皮膚を、疼痛を治療または予防するのに充分な時間の間、請求項1に記載の経皮的送給装置と接触させるステップを含む、疼痛の治療または予防方法。
【請求項19】
14−(アセチル)ナルメフィン、3−(アセチル)ナルブフィン、6−(アセチル)ナルブフィン、14−(アセチル)ナブフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(フェニルアセチル)シクラゾシン、3−(フェニルアセチル)ナロキソン、14−(フェニルアセチル)ナロキソン、3−(フェニルアセチル)ナルトレクソン、14−(フェニルアセチル)ナルトレクソン、3−(フェニルアセチル)レバロルファン、3−(フェニルアセチル)ナルメフェン、14−(フェニルアセチル)ナルメフェン、3−(フェニルアセチル)ナルブフィン、6−(フェニルアセチル)ナルブフィン、14−(フェニルアセチル)ナルブフィン、6−(フェニルアセチル)ナロルフィン、3−(フェニルアセチル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(タルタリル)シクラゾシン、3−(タルタリル)ナロキソン、14−(タルタリル)ナロキソン、3−(タルタリル)ナルトレクソン、14−(タルタリル)ナルトレクソン、3−(タルタリル)レバロルファン、3−(タルタリル)ナルメフェン、14−(タルタリル)ナルメフェン、3−(タルタリル)ナルブフィン、6−(タルタリル)ナルブフィン、14−(タルタリル)ナルブフィン、6−(タルタリル)ナロルフィン、3−(タルタリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(プロピオニル)シクラゾシン、3−(プロピオニル)ナロキソン、14−(プロピオニル)ナロキソン、3−(プロピオニル)ナルトレクソン、14−(プロピオニル)ナルトレクソン、3−(プロピオニル)ナルメフェン、14−(プロピオニル)ナルメフェン、6−(プロピオニル)ナルブフィン、14−(プロピオニル)ナルブフィン、6−(プロピオニル)ナロルフィン、3−(プロピオニル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−グルタミル)シクラゾシン、3−(1−グルタミル)ナロキソン、14−(1−グルタミル)ナロキソン、3−(1−グルタミル)ナルトレクソン、14−(1−グルタミル)ナルトレクソン、3−(1−グルタミル)レバロルファン、3−(1−グルタミル)ナルメフェン、14−(1−グルタミル)ナルメフェン、3−(1−グルタミル)ナルブフィン、6−(1−グルタミル)ナルブフィン、14−(1−グルタミル)ナルブフィン、6−(1−グルタミル)ナロルフィン、3−(1−グルタミル)ナロルフィン、8−(5−グルタミル)シクラゾシン、3−(5−グルタミル)ナロキソン、14−(5−グルタミル)ナロキソン、3−(5−グルタミル)ナルトレクソン、14−(5−グルタミル)ナルトレクソン、3−(5−グルタミル)レバロルファン、3−(5−グルタミル)ナルメフェン、14−(5−グルタミル)ナルメフェン、3−(5−グルタミル)ナルブフィン、6−(5−グルタミル)ナルブフィン、14−(5−グルタミル)ナルブフィン、6−(5−グルタミル)ナロルフィン、3−(5−グルタミル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(ベンゾイル)シクラゾシン;3−(ベンゾイル)ナロキソン;14−(ベンゾイル)ナロキソン;14−(ベンゾイル)ナルトレクソン;3−(ベンゾイル)レバロルファン;3−(ベンゾイル)ナルメフェン;14−(ベンゾイル)ナルメフェン;6−(ベンゾイル)ナルブフィン;14−(ベンゾイル)ナルブフィン;3−(ベンゾイル)ナロルフィン;および14−(ベンゾイル)ナロルフィン[ここで、前記ベンゾイル基は、場合によって、C1−C3アルキル基、−NO2、−ハロゲン、−OH、または−O(C1−C3アルキル)で置換されている]、並びに薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(スクシニル)シクラゾシン、3−(スクシニル)ナロキソン、14−(スクシニル)ナロキソン、3−(スクシニル)ナルトレクソン、14−(スクシニル)ナルトレクソン、3−(スクシニル)レバロルファン、3−(スクシニル)ナルメフェン、14−(スクシニル)ナルメフェン、3−(スクシニル)ナルブフィン、6−(スクシニル)ナルブフィン、14−(スクシニル)ナルブフィン、6−(スクシニル)ナロルフィン、3−(スクシニル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(4−ヒドロキシブチリル)シクラゾシン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナロキソン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナロキソン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルトレクソン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルトレクソン、3−(4−ヒドロキシブチリル)レバロルファン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルメフェン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルメフェン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、6−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、14−(4−ヒドロキシブチリル)ナルブフィン、6−(4−ヒドロキシブチリル)ナロルフィン、3−(4−ヒドロキシブチリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(グリコリル)シクラゾシン、3−(グリコリル)ナロキソン、14−(グリコリル)ナロキソン、3−(グリコリル)ナルトレクソン、14−(グリコリル)ナルトレクソン、3−(グリコリル)レバロルファン、3−(グリコリル)ナルメフェン、14−(グリコリル)ナルメフェン、3−(グリコリル)ナルブフィン、6−(グリコリル)ナルブフィン、14−(グリコリル)ナルブフィン、6−(グリコリル)ナロルフィン、3−(グリコリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(ラクチル)シクラゾシン、3−(ラクチル)ナロキソン、14−(ラクチル)ナロキソン、3−(ラクチル)ナルトレクソン、14−(ラクチル)ナルトレクソン、3−(ラクチル)レバロルファン、3−(ラクチル)ナルメフェン、14−(ラクチル)ナルメフェン、3−(ラクチル)ナルブフィン、6−(ラクチル)ナルブフィン、14−(ラクチル)ナルブフィン、6−(ラクチル)ナロルフィン、3−(ラクチル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−アスパルチル)シクラゾシン、3−(1−アスパルチル)ナロキソン、14−(1−アスパルチル)ナロキソン、3−(1−アスパルチル)ナルトレクソン、14−(1−アスパルチル)ナルトレクソン、3−(1−アスパルチル)レバロルファン、3−(1−アスパルチル)ナルメフェン、14−(1−アスパルチル)ナルメフェン、3−(1−アスパルチル)ナルブフィン、6−(1−アスパルチル)ナルブフィン、14−(1−アスパルチル)ナルブフィン、6−(1−アスパルチル)ナロルフィン、3−(1−アスパルチル)ナロルフィン、8−(4−アスパルチル)シクラゾシン、3−(4−アスパルチル)ナロキソン、14−(4−アスパルチル)ナロキソン、3−(4−アスパルチル)ナルトレクソン、14−(4−アスパルチル)ナルトレクソン、3−(4−アスパルチル)レバロルファン、3−(4−アスパルチル)ナルメフェン、14−(4−アスパルチル)ナルメフェン、3−(4−アスパルチル)ナルブフィン、6−(4−アスパルチル)ナルブフィン、14−(4−アスパルチル)ナルブフィン、6−(4−アスパルチル)ナロルフィン、3−(4−アスパルチル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(スルファニリル)シクラゾシン、3−(スルファニリル)ナロキソン、14−(スルファニリル)ナロキソン、3−(スルファニリル)ナルトレクソン、14−(スルファニリル)ナルトレクソン、3−(スルファニリル)レバロルファン、3−(スルファニリル)ナルメフェン、14−(スルファニリル)ナルメフェン、3−(スルファニリル)ナルブフィン、6−(スルファニリル)ナルブフィン、14−(スルファニリル)ナルブフィン、6−(スルファニリル)ナロルフィン、3−(スルファニリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(フマリル)シクラゾシン、3−(フマリル)ナロキソン、14−(フマリル)ナロキソン、3−(フマリル)ナルトレクソン、14−(フマリル)ナルトレクソン、3−(フマリル)レバロルファン、3−(フマリル)ナルメフェン、14−(フマリル)ナルメフェン、3−(フマリル)ナルブフィン、6−(フマリル)ナルブフィン、14−(フマリル)ナルブフィン、6−(フマリル)ナロルフィン、3−(フマリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(パモイル)シクラゾシン、3−(パモイル)ナロキソン、14−(パモイル)ナロキソン、3−(パモイル)ナルトレクソン、14−(パモイル)ナルトレクソン、3−(パモイル)レバロルファン、3−(パモイル)ナルメフェン、14−(パモイル)ナルメフェン、3−(パモイル)ナルブフィン、6−(パモイル)ナルブフィン、14−(パモイル)ナルブフィン、6−(パモイル)ナロルフィン、3−(パモイル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−マリル)シクラゾシン、3−(1−マリル)ナロキソン、14−(1−マリル)ナロキソン、3−(1−マリル)ナルトレクソン、14−(1−マリル)ナルトレクソン、3−(1−マリル)レバロルファン、3−(1−マリル)ナルメフェン、14−(1−マリル)ナルメフェン、3−(1−マリル)ナルブフィン、6−(1−マリル)ナルブフィン、14−(1−マリル)ナルブフィン、6−(1−マリル)ナロルフィン、3−(1−マリル)ナロルフィン、8−(4−マリル)シクラゾシン、3−(4−マリル)ナロキソン、14−(4−マリル)ナロキソン、3−(4−マリル)ナルトレクソン、14−(4−マリル)ナルトレクソン、3−(4−マリル)レバロルファン、3−(4−マリル)ナルメフェン、14−(4−マリル)ナルメフェン、3−(4−マリル)ナルブフィン、6−(4−マリル)ナルブフィン、14−(4−マリル)ナルブフィン、6−(4−マリル)ナロルフィン、3−(4−マリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(マレイル)シクラゾシン、3−(マレイル)ナロキソン、14−(マレイル)ナロキソン、3−(マレイル)ナルトレクソン、14−(マレイル)ナルトレクソン、3−(マレイル)レバロルファン、3−(マレイル)ナルメフェン、14−(マレイル)ナルメフェン、3−(マレイル)ナルブフィン、6−(マレイル)ナルブフィン、14−(マレイル)ナルブフィン、6−(マレイル)ナロルフィン、3−(マレイル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)シクラゾシン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)レバロルファン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、14−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、3−(1−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、8−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)シクラゾシン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロキソン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルトレクソン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)レバロルファン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルメフェン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、14−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナルブフィン、6−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、3−(4−(2−ヒドロキシ)マレイル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(p−トルエンスルホニル)シクラゾシン、3−(p−トルエンスルホニル)ナロキソン、14−(p−トルエンスルホニル)ナロキソン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルトレクソン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルトレクソン、3−(p−トルエンスルホニル)レバロルファン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルメフェン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルメフェン、3−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、6−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、14−(p−トルエンスルホニル)ナルブフィン、6−(p−トルエンスルホニル)ナロルフィン、3−(p−トルエンスルホニル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
8−(ステアリル)シクラゾシン、3−(ステアリル)ナロキソン、14−(ステアリル)ナロキソン、3−(ステアリル)ナルトレクソン、14−(ステアリル)ナルトレクソン、3−(ステアリル)レバロルファン、3−(ステアリル)ナルメフェン、14−(ステアリル)ナルメフェン、3−(ステアリル)ナルブフィン、6−(ステアリル)ナルブフィン、14−(ステアリル)ナルブフィン、6−(ステアリル)ナロルフィン、3−(ステアリル)ナロルフィン、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩;
からなるグループから選択される化合物。
【請求項20】
シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの3−または14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの3−、6−、または14−ヒドロキシル基、ナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成されるα−アミノ酸のエステル、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩からなるグループから選択される化合物。
【請求項21】
シクラゾシンの8−ヒドロキシル基、ナロキソンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルトレクソンの3−または14−ヒドロキシル基、レバロルファンの3−ヒドロキシル基、ナルメフェンの3−または14−ヒドロキシル基、ナルブフィンの3−、6−、または14−ヒドロキシル基、ナロルフィンの3−または6−ヒドロキシル基と共に形成されるC5−C6ジカルボン酸のモノエステル、および薬剤学的に許容可能なそれらの塩からなるグループから選択される化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−502967(P2006−502967A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−569151(P2003−569151)
【出願日】平成15年2月19日(2003.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/004999
【国際公開番号】WO2003/070191
【国際公開日】平成15年8月28日(2003.8.28)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】